NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【A.C.T : FALLING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HERMAN SAMING OF A.C.T !!

“Hopefully More Will Understand Our Music In The Future. They Will Get It In Time.”

DISC REVIEW “FALLING”

「最近の人たちは音楽の聴き方が変わってきているからね。いつか、長いエピック・アルバムが戻ってくるかもしれないけど、今はファンがバンドにもっと頻繁に音楽をリリースすることを望んでいるんだよ。将来的にはフルレングスのアルバムをリリースするかもしれないけど、今のところ、今やっているEPのコンセプトに満足しているよ」
SNS で30秒の演奏動画がもてはやされ、音楽視聴もストリーミング全盛の時代。時短、合理性、簡潔が価値とされるインスタントな文化において、プログレッシブ・ミュージックは逆風の中にいます。だからこそ、複雑かつ長編のプログ絵巻で世界に抗するアーティストもいますが、スウェーデン、マルメからプログ・ポップを牽引した A.C.T は時代と調和する道を選びました。
「僕たちは、リスナーに “一巡する聴き方” をしてもらいたいと思っているんだよ。1stEP “Rebirth”(春)から聴き始め、”Heatwave”(夏)、 “Falling”(秋)、そして最後のEP(冬)を聴き終えたら、また最初から聴き始める。リスナーには、1年の季節を何度も感じてもらいたいんだ」
近年のパンデミックや戦争、気候変動を見ていると、人はもしかすると歴史から学ぶことなく、何度も何度も滅亡と再生を繰り返しているのではないか?そんな疑念も生じますが、A.C.T が時代と調和する際に選んだのがまさに人類の栄枯盛衰のディストピア。彼らは滅亡の原因を “ヒートウェーブ” と定めました。ただし、熱波は我々のエゴから生まれるのではなく、小惑星の衝突で起こってしまいます。そう、この4部作は6600万年前の再現であり、恐竜と人類の違いが試されているのです。
「僕たちだってより多くの人に A.C.T.を聴いてもらいたいという気持ちはあるんだけど、同時に自分たちのファンベースをとても誇りに思っているんだ。僕たちは世界で最高のファンを持っている!将来、もっと多くの人が僕たちの音楽を理解してくれることを願っているよ。うん、そのうち理解されるだろう」
恐竜と同じように、ごく近い将来、人類は絶滅に直面し、小惑星が最大速度で地球に向かって突進する。この筋書きは、逆境に直面した際、いかに対応し、いかに再生し、いかに人間らしさを保てるかというこれまで人類が養ってきた寛容さや回復力の踏み絵ともなっています。ただし、そうした陰鬱なストーリーにもかかわらず、バンドの活気あるサウンドとアップビートなテンポ、そして澄み渡った旋律の魔法が、EP群をうまく連動して人の光をつないでいます。複雑なプログレッシブ・ロックとエルトン・ジョンやビリー・ジョエルのメジャー感を混ぜ合わせた感染力の強いプログ・ポップはそうしてこの連続リリースにおいて、感情を高めるエフェクトやサウンドクリップを用いることで映画のような一大スペクタクルに昇華されました。A.C.T は決して確立した地位に甘んじるような “役者” ではないのですから。そうして地球は暗闇に飲み込まれます。フォール・アウト。審判の日はすぐそこです。
今回弊誌では、類稀なるフロントマン Herman Saming にインタビューを行うことができました。「新しいバンドが良いメロディーを優先しているのを見るのは素晴らしいことだよ。実はこの秋、MOON SAFARI と一緒にライブをする予定なんだ。彼らは素晴らしいミュージシャンを擁する、とても有能なバンドだ。彼らに会うのが本当に楽しみだよ」 二度目の登場。どうぞ!!

A.C.T “FALLING” : 9.9/10

INTERVIEW WITH HERMAN SAMING

Q1: It has been seven years since our last interview. During that time, the world has changed dramatically, with pandemics, wars, and the rise of fascists. Many may think that the division has deepened. Have those changes affected you and your music?

【HERMAN】: Not how we creates music. It has affected our live shows. We haven’t played live since 2019 but we are planing shows this fall. .

Q1: 前回のインタビューから7年が経ち、パンデミックや戦争で世界は大きく変わりました。そうした変化は A.C.T の音楽に影響を与えましたか?

【HERMAN】: 音楽の作り方にかんしては、影響していないね。でも、ライブには影響が出ているよ。2019年以降ライブはできていないんだ。ただ、今年の秋にはライブを計画しているけどね。

Q2: After releasing the live recordings, you guys made the decision to release four EPs in a row. Not many other artists have attempted to do so. Why did you decide to do so?

【HERMAN】: It has been our problem for quite some time to release music rapidly. To our fans disliking. It was planed from the start that we were going to release one EP each year. Unfortunately we failed to do so. Still, we’ve released more music in a shorter period of time than we have in a long time. For that we are glad and proud.

Q2: ライブ作品をリリースした後、あなたたちは4枚の EP を立て続けにリリースする計画を打ち出しました。

【HERMAN】: 音楽をどんどん、矢継ぎ早にリリースできないことが、僕たちの長年の課題だったんだ。ファンのみんなはそれがあまり好きではなかったんだ。だから今回は、当初から毎年1枚のEPをリリースする予定にした。しかし、残念ながらその予定は完璧には実現できなかった。それでも、僕たちは以前よりも短い期間でより多くの音楽をリリースすることができた。そのことに僕たちは喜びと誇りを感じているんだ。

Q3: Nowadays, streaming is the mainstream for music listening, and the instant culture brought about by social networking sites like Instagram dominates the world. Is the culture of the long epic album itself a thing of the past?

【HERMAN】: We think so. People are listening to music differently nowadays. The long epic album will maybe be back but now fans want bands to release music more often. Maybe in the future we will release a full length album but at the moment we are happy with the EP concept we are doing right now.

Q3: 最近は、ストリーミングが音楽視聴のメインストリームとなり、インスタのようなインスタントな文化が世界を支配しています。エピックで壮大なアルバムは過去のものという意識も働いたのでしょうか?

【HERMAN】: うん。僕たちはそう考えているよ。最近の人たちは音楽の聴き方が変わってきているからね。いつか、長いエピック・アルバムが戻ってくるかもしれないけど、今はファンがバンドにもっと頻繁に音楽をリリースすることを望んでいるんだよ。将来的にはフルレングスのアルバムをリリースするかもしれないけど、今のところ、今やっているEPのコンセプトに満足しているよ。

Q4: Three EPs have been released so far: “Rebirth,” “Heatwave,” and “Falling.” As the Doomsday Clock appears on the artwork, this seems to be a story of the end and rebirth of humanity. But then, it is odd that “Rebirth” is the first. Can you help me solve the mystery a little?

【HERMAN】: We want the listeners to have the ”full circle listen”. You start to listen to the first EP ”Rebirth” (spring) then ”Heatwave” (summer) then ”Falling” (fall) when you’ve listened to our last EP (winter) you start all over again. We want our listeners to feel the seasons of the year over and over again.

Q4: これまでリリースされた3枚の EP は、”Rebirth,” “Heatwave”, “Falling” で、アートワークに描かれた終末時計からもこれが人類の滅亡と再生の物語であることが伝わります。ただ、最初に “Rebirth” をリリースしたのが不思議なんですよね。

【HERMAN】: 僕たちは、リスナーに “一巡する聴き方” をしてもらいたいと思っているんだよ。1stEP “Rebirth”(春)から聴き始め、”Heatwave”(夏)、 “Falling”(秋)、そして最後のEP(冬)を聴き終えたら、また最初から聴き始める。リスナーには、1年の季節を何度も感じてもらいたいんだ。

Q5: I love the artwork as well, everything is beautiful and it seems to represent your music…when all four are released, will the artwork be a single picture?

【HERMAN】: Absolutely!

Q5: そのアートワークですが、実に美しいですね!これは4枚集めると1枚の大きな絵になるのでしょうか?

【HERMAN】: その通りだよ!

Q6: Still, these three albums are an explosion of your sense of pop melody! Almost as great a melody as Elton John or Billy Joel, but not as commercially successful as theirs, what do you think of A.C.T.’s commercial success?

【HERMAN】: Of course we want more people listening to A.C.T at the same time we are very proud of our fanbase. We have the best fans in the world! Hopefully more will understand our music in the future. They will get it in time.

Q6: それにしても、この3枚の EP では、あなたたちのポップなセンスが大爆発していますね!エルトン・ジョンやビリー・ジョエルにも負けずとも劣らずですよ。商業的な成功は彼らには遠く及びませんが…

【HERMAN】: もちろん、僕たちだってより多くの人に A.C.T.を聴いてもらいたいという気持ちはあるんだけど、同時に自分たちのファンベースをとても誇りに思っているんだ。僕たちは世界で最高のファンを持っている!将来、もっと多くの人が僕たちの音楽を理解してくれることを願っているよ。うん、そのうち理解されるだろう。

Q7: Speaking of melodies, Moon Safari, Moron Police, and Italy’s Barock Project are still young but very popular in Japan. They are a progressive band, but they value melody very much. In my mind, It Bites, A.C.T, and them are very connected. Do you feel such a connection too?

【HERMAN】: Yes and it’s great to see new bands prioritize good melodies. In fact we are going to do some shows together with Monn Safari this fall. Moon Safari is a very competent band with great musicians. Really looking forward to meet them.

Q7: メロディといえば、日本では MOON SAFARI, MORON POLICE, BAROCK PROJECT といった若いバンドが人気ですね。彼らのプログレッシブでキャッチーというスタンスは、A.C.T や IT BITES が培ったものだと思うのですが。

【HERMAN】: そうだね、新しいバンドが良いメロディーを優先しているのを見るのは素晴らしいことだよ。実はこの秋、MOON SAFARI と一緒にライブをする予定なんだ。彼らは素晴らしいミュージシャンを擁する、とても有能なバンドだ。彼らに会うのが本当に楽しみだよ。

Q8: Nevertheless, when I listen to your music, I sometimes think I am listening to J-POP or Japanese city pop. Are you familiar with Japanese music?

【HERMAN】: I´m afraid not. Maybe it’s the melodies?

Q8: もっと言えば、あなたたちの音楽から “J-Pop” を感じることが多々あるのですが、聞いたことはありますか?

【HERMAN】: いや、残念ながらないね。メロディが似ているのかな?

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HERMAN’S LIFE!!

Mr.Big “Lean into it”

Freak Kitchen “Freak Kitchen”

Toto “Old Is New”

Dizzy Mizz Lizzy “Alter Echo”

Foo Fighters “There´s Nothing Left To Loose”

Unfortunately I’m living in the past at the moment. The last five album I listen to was: Mr Big-Lean into it, Freak Kitchen-Freak Kitchen, Toto-Old Is New, Dizzy Mizz Lzzyt-Alter Echo and Foo Fighters-There´s Nothing Left To Loose.

残念ながら、僕は今、過去に生きている。最後に聴いたアルバムは5枚: Mr Big-Lean into it、Freak Kitchen-Freak Kitchen、Toto-Old Is New、Dizzy Mizz Lzzyt-Alter Echo、Foo Fighters-There´s Nothing Left To Loose だからね。

MESSAGE FOR JAPAN

Thanx for listening and we hope to see you all in the near future!

僕たちの音楽を聴いてくれててありがとう!近い将来、会えたらいいね!

Herman Saming

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