EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HOZOJI MATHESON-MARGULLIS OF HELMS ALEE !!
“And These Days, Pretty Much Every Single One Of My Best Female Friends Is An Extremely Talented And Active Musician. Many Of Them Play In Heavy Rock Bands. So The Feeling Of Imbalance Is Shifting To An Equilibrium In My World. I Can Say With Confidence That I Feel Accepted And Valued By The Male Musicians In My Community.”
DISC REVIEW “NOCTILUCA”
「”Noctiluca” とは特定の生物発光藻類のラテン語訳で、一般的に “海の輝き” として知られているの。」
海の輝きが “Noctiluca” ならば、HELMS ALEE はさしずめ重の輝きでしょう。彼らがシアトル特有の、深憂なレンズを通して支配する時間と空間。それはまるで深海のごとく暗闇に囲まれながら、差し込む光線に反射する艶やかな色彩、そして栄養価の高い深層音を備えているのですから。
比較の対象はもっぱら MELVINS, KYLESA, BIG BUSINESS でしょうか。もちろん、スラッジーなリフの猛攻とノイジーな実験のラボラトリーは HELMS ALEE のトレードマークですが、同時にリズムのトリックに重きを置いたセクシーなアプローチを考慮すれば、一方でこの海洋トライアングルこそコンテンポラリーな RUSH と言えるのかも知れませんね。
「このアルバムのために私たちは、これまで以上にボーカルのコラボレートを進めたわ。それに今回のプロデューサー/エンジニア (R.E.M. を手がけた Sam Bell) はとてもボーカルに心血を注ぐ人物だったの。」
3つの異なる声を持つ HELMS ALEE。ベースの Dana James, ドラムスの Hozoji Matheson-Margullis, そして青一点ギターの Ben Verellen が織りなすボーカルの輪舞は、さながらウミウシのごとく柔軟性と色彩を纏った “Noctiluca” において完全に花開き、重の輝きを一際煌びやかに染めました。
「私は海とそこに住んでいる微生物こそが、私たち人間の日常に見られるよりも生命があることを思い出させてくれると思うのよ。人間の行動や日々の政治を観察すると悲しくなりがちだから。」
Hozoji にとって生物発光藻のビーカーこそがランプであり、灯台の光です。マジカルで神秘的で、仄暗い現代社会に光をもたらす微かな希望。そしてそのイメージは確かに “Noctiluca” の音の葉へと反映されているのです。
“Interachnid” のオープニングはさながら海底火山の目覚めでしょうか。ダイナミック極まるマグマのリズムは、RUSSIAN CIRCLES の最新作にも似て圧倒的な命の躍動を伝えます。フレキシブルに、フリーダムに、イカの虹色のごとく刻々とその表情を変える Hozoji と Dana のシンクロニシティーは、まさしく HELMS ALEE の心臓。一方、続く “Beat Up” でわずか半音の違いを駆使してメジャーとマイナーを不思議に行き来する Ben のギターワークは頭脳なのかも知れませんね。
メタルからハードコア、スラッジ、グランジ、プログレッシブの狭間を漂う海月たちは、そうしてバリトンからソプラノまで時に独唱し、時に合唱し、感情の揺らぎを響かせます。”Spider Jar” で聴かせる荘厳のタペストリーは、その輝きに歌心を加えた HELMS ALEE の現在を如実に伝えています。
「私たちの音楽はライブセッティングでこそ最高の印象を与えるようなものなのよ。なぜなら、ライブパフォーマンスにおける多くの感情の力によって、私たちの歌が意図した通りになっていくと信じているからなの。」
4月に始まる日本ツアーの招聘元、Daymare Recordings 濱田氏が放った 「ライヴを観る前と観た後で決定的に印象が変わるバンド」 の言葉を受けて、Hozoji はライブハウスでバンド、そしてオーディエンスから生じ対流する感情の力をキーワードにあげました。そしてその幾層にも重なるエモーションの潮目は、Endon, alley, BB を巻き込んで一つの大きなうねりを創造するはずです。
今回弊誌では、Hozoji Matheson-Margullis にインタビューを行うことができました。「最近では、ほとんどの女性の親友一人一人が非常に才能があり活動的なミュージシャンなの。彼女たちの多くはヘヴィーロックバンドで演奏しているわ。だから、不均衡の感覚は少なくとも私の世界においては均衡へと移行しているの。私は自分のコミュニティの男性ミュージシャンに受け入れられ、評価されていると自信を持って言うことができるから。」
これまでの女性アーティストはまた一味違った視点、経験を持つミュージシャンでしょう。どうぞ!!
HELMS ALEE “NOCTILUCA” : 9.9/10
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