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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SHOKRAN : ETHEREAL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANDREW IVASHCHENKO OF SHOKRAN !!

“Oriental Elements Decreased In This Album. But The Compositions Matured, We’ve Gone More Progressive, Less Djent!”

DISC REVIEW “ETHEREAL”

プログレッシブメタルコアのモーゼ、SHOKRAN はジャンルを約束の土地へと導く預言者なのかも知れません。ロシアから世界を窺う指導者は、文字通り天上の美を体現する最新作 “Ethereal” で海を割ります。
ギタリスト Dmitry Demyanenko のソロプロジェクトとして始まった SHOKRAN は、デビューフル “Supreme Truth” で BORN OF OSIRIS の革新にオリエンタルで壮大なサウンドスケープをもたらし、遅れて来た “Djent スター” として一躍脚光を浴びました。
リリース後にはボーカル、リズムギター、ベーシストの脱退という非常事態に見舞われますが、グレードアップしたメンバー、さらにキーボーディストを加え盤石の体制でセカンドアルバム “Exodus” をドロップします。
そうしてバンドは旧約聖書に記された “出エジプト記” をテーマとしたコンセプト作品で、シンセサイザーの煌びやかな響きと、一際エクレクティックなビジョンを携え自らのオリエンタルドラマティックなサウンドを確立することとなったのです。
最新作 “Ethereal” は、メロディーと多様でプログレッシブな方向性をさらに追求し、バンドのドラマ性を飛躍的に高めたマイルストーンです。
「確かにこのアルバムでオリエンタルな要素は減ったと思うよ。だけどコンポジションはより成熟を遂げているね。つまり、僕たちはよりプログレッシブに、Djent の要素を減らして進化を果たしたんだ!」レジェンド THE HAARP MACHINE にも請われて参加することとなったシーンきってのシンガー Andrew Ivashchenko が語るように、典型的な Djent サウンドやあからさまなオリエンタルフレーズを減退させ、”エセリアル” なムードを研ぎ澄ますことで、アルバムは結果として唯一無二のダイナミズム、エピック世界を得ることとなりました。
実際、冷ややかで透明なリードギターとシンセサイザーの景色、ミステリアスなオリエンタルフレーズ、複雑でメカニカルなグルーヴ、スポークンワード、クリーン、グロウルを自在に行き来する声の表現力、全てで荘厳を体現したオープナー “Unbodied” がバンドの DNA をしっかりと受け継ぐ一方で、”Ascension” のサウンドスケープは完璧なコントラストを創出します。
「”Ascension” はアルバムで最も多様な楽曲さ。まさにドラマさ。緩やかに実にメロディックに始まり、メロディーが躍動し始め、アグレッションが加わり、ハッピーなコーラスが流れ出し、突如ヘヴィネスで期待を激しく裏切るんだ。まさに楽曲で最もドラマティックな瞬間だね。そうしてドラマを繰り返し、感情をもたらす訳さ!」Andrew の言葉通り、多幸感や神秘性を抱きしめた夢見心地の崇高美は、メジャー感を伴って SHOKRAN 劇場の素晴らしきアクセントとなっていますね。
そうして SHOKRAN が描く多次元の自己探求は、DREAM THEATER からハチャトリアンまで Tech-metal の粋を尽くした “Superior”、PERIPHERY や MONUMENTS の最新作にも通じるキャッチーさとヘヴィーグルーヴの対比を封じた “Golden Pendant” と、まさにマルチディメンショナルな世界観を提示していくのです。
幕引きは “Destiny Crucified”。ロシアの血が育んだ絶対零度のメランコリーは、ストリングスやアコースティックの蜃気楼を写しながら夢幻泡影のワルツを踊るのです。
今回弊誌では、Andrew Ivashchenko にインタビューを行うことが出来ました。THE HAARP MACHINE の新作についても語る Tech-metal ファン必読の内容だと思います。「今では大きな感情の変化を音楽で表現出来るんだ。僕たちは成熟を遂げ、集団として働けるようになったのさ。」 どうぞ!!

SHOKRAN “ETHEREAL” : 9.9/10

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