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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SYREK : STORY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TERRY SYREK !!

“You Just Developed Something Unique Because We Lived In an Analog World. So, That’s One Thing I Really Miss About a Lot Of Guitar I Hear, Now. The Voice. The Uniqueness. Now, That’s Not To Say There Aren’t Some Really Amazing And Talented People Out There. There Are!”

DISC REVIEW “STORY”

「私たちの世代が何かを学ぶには、先生に教わるか、アルバムから耳で聞いて理解するしかなかったんだ。私が実際に覚えたリックや曲のほとんどは、レコードやリスニングから得たものだったよ。ロック・ギタリストはみんなこうやって学んできたんだ。
そうすると、多くの場合、90%くらいの精度で覚えることになる。いつも小さなミスがあるんだよ。でも、その隙間を自分なりに埋めていくことで、すべてが組み合わさっていく。自分自身の声を開発することができるんだ」
完璧さ、清潔さ、均一さ。機材や教材、リスナーの進歩によってギターの習得はより “オートメーション化” され、”正しさ” が追求されるようになりました。そうして敷居が下がり、多くの人にギターの習得が解放される裏側で、私たちは最も重要な何かを置き去りにしてはいないでしょうか?それは個性であり、ギターから発せられる自身の “声”。バークリーで学び、20年以上教鞭をとってきた Terry Syrek の10年をかけた壮大な旅路は、かつてギターに備わっていたそんな浪漫を再び呼び起こします。
「DREAM THEATER のオーディションにクッキーモンスターのTシャツを着て来るような人こそ、一緒にプレイしたい人というかね。ある意味、”Story” を象徴しているようなものだよね。プログとクッキー・モンスター(笑)」
Marco Minnemann, Bryan Beller, Mohini Dey, Lalle Larsson。Terry 呼ぶところの “最高の中の最高” がこの “Story” という物語に集ったのには理由があります。運命。もちろんそれも一つの理由。しかしそれ以上に、Marco 語るところの “本当に複雑で、とても長く、とても速く、速くなくても残酷で、ジムに通いながら計算をするような” 複雑怪奇な楽曲たちをこともなげに制圧し、なおかつ二人のモンスターの大冒険を楽器で表情豊かに楽しく表現する。そんな芸当をこなせる怪物級のアーティストは決して多くはありませんでした。ここにあるのは文字通り、”プログとモンスターの融合”。
「私はビデオゲームが大好きで、それ以前は本をたくさん読んでいた。主にファンタジーやSFのようなものをね。”スター・ウォーズ” や “ロード・オブ・ザ・リング” の大のオタクでね。だから、 “Story” では、自分の人生のさまざまな愛をつなぐ方法をやっと見つけたという感じでもあるのさ。音楽もあるし、ファンタジーもある。大事な二つをやっとつなげることができたんだ」
“ダークナイト” や “トランスフォーマー” で知られる多才なハリウッド俳優 Keith Szarabajka のナレーションは、言葉のない音楽世界の冒険において重要な地図であり灯台です。「ちょっと待てよ、これは何だ?」「わからないが、モンスターだと思う」しかし、そんな逃避行の始まりからすでに楽器は歌っています。実際、Terry のギター・テクニックとスピード、そして正確性は驚異的です。それはあの今は亡き伝説のギタリスト Shawn Lane の後継者には彼こそが相応しいと思えるほどに。しかしそれ以上に重要なのは、一聴して Terry だと伝わるようなトーン、サウンド、音の並び、メロディーといった際立つ個性。結局、彼には自らを語る “声” が存在するのです。
とはいえ、焦点はあくまでも楽曲であり、テクニックのために楽曲が犠牲になることはありません。聴き応えもあり、飽きさせず、終始楽しくワクワクが継続。変拍子の高速ギターとキーボードのユニゾンテーマ、燃え上がるようなギターソロ、そんなインテンスの裏側で、鳥肌が立つような情熱的、叙情的メロディーが心を掴む。
ただ速いギタリスト以上の存在…Terry を際立たせているのはそのカラフルなコンポジション。優れたギタリストである以上に優れた作曲家である。そこに大きなアドバンテージがあるはずです。
「今回弊誌では、Terry Syrek にインタビューを行うことができました。「ギターは君の翻訳装置なんだ。君の考え、君の性格、君の存在そのもの。君のすべてを音に変換することができるんだよ。これはすごいことだよ! だから、それを愛するんだ。本当に本当に愛して、育てていくんだ。毎日、喜びを見い出すんだ。YouTubeでみんながあれこれやっているのを気にする必要はない。自分の声を見つけ出すんだ」 どうぞ!!

SYREK “STORY” : 10/10

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