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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TWILIGHT FORCE : HEROES OF MIGHTY MAGIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BLACKWALD OF TWILIGHT FORCE !!

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Adventure Metal Heroes From Twilight Kingdom Have Now Risen! Twilight Force And Their Newest Record “Heroes Of Mighty Magic” Will Conquer The World !!

DISC REVIEW “HEROES OF MIGHTY MAGIC”

Twilight Kingdom から現れた、Adventure Metal の使者 TWILIGHT FORCE が待望の2ndアルバム “Heroes of Mighty Magic” をリリースしました!!ここ日本でも、その独特でヒロイックなパフォーマンス、コスチュームが話題となっているバンドですが、音楽的にも格段に進化を遂げた作品は、彼らの地位を確固たるものにするでしょう。
インタビューでは、頑なにメンバー、いや6人のヒーローたちは Twilight Kingdom から現れたと語っていますが、後半では Falun がホームタウンだと口を滑らせていますので、おそらくはスウェーデンに Twilight Kingdom への扉が存在するのでしょう。とにかく、TWILIGHT FORCE は OPETH や IN FLAMES を輩出したメタルキングダム、スウェーデンが生んだ新たな才能です。最近では SABATON が自らのフェスを主催するほどの人気ですが、TWILIGHT FORCE は公私共に同郷である SABATON の兄弟分的な存在でもありますね。
映画 “The Lord of the Rings” から抜け出してきたかのような出で立ちの6人のヒーローは、実際 Power Metal というジャンルを救う救世主なのかも知れません。BLIND GUARDIAN, SONATA ARCTICA, RHAPSODY といったバンドが全盛だった2000年あたりをピークに、このジャンルに対する注目度は減退し続けて来たように思います。そこには、ある意味、型に拘る様式美の限界が存在したのかも知れませんね。
TWILIGHT FORCE の “Adventure Metal” はしかし、インタビューにもあるように、その停滞を打ち破る 「Power Metal の最も洗練された強烈な表現法であり、進化の頂点」 だと言えます。確かにデビュー作 “Tales of Ancient Prophecies” にはキラリと光る才能の片鱗こそ多分に散りばめられてはいましたが、サウンドやコンポジションにまだまだ垢抜けない部分も少なからず存在していました。しかし、Nuclear Blast というビッグディールを得て臨んだ長尺コンセプトアルバム “Heroes of Mighty Magic” にはまさに Blackwald の言葉を具現化した、極上のエピックワールドが広がっているのです。
進化の頂点たる所以は、Blackwald が語るように、その作曲方法にあるのかも知れません。ピアノから取り掛かり、ほぼ完成形まで進めてから他の楽器を導入するという彼らのやり方は、このジャンルにおいては非常に珍しいように思います。しかし、確かに旋律、ハーモニー、リズムを同時に考慮可能なピアノは、一元的なギターやドラムスから始めるよりも豊かな可能性が存在するようにも思えますね。
そしてその手法から生み出された、時にプログレッシブとも言えるほど非常に緻密で複雑なコンポジションは、格段に進歩したサウンドプロダクションの下、洗練されたオーケストレーション、勇壮でファンタジックなメロディー/クワイア、モダンなテクニックを内包することとなりました。その一方で、Power Metal の鋳型的な部分、特にクラシカルな要素を減退させ、代わりにフォークメタルのエッセンスを吸収することで、見事に映画やロールプレイングゲームのサウンドトラックに接近した独自の斬新なる Power Metal Symphony を完成させたのです。
勿論、アルバムはオープナー “Battle of Arcane Might” から疾走感とカタルシス、そしてシンガロングを誘発する魅惑の旋律を70分に渡って
欠かすことはありません。ただ、ANGRA の Fabio Lione が参加した “There and Back Again”, SABATON の Joakim Broden が参加したタイトルトラック “Heroes of Mighty Magic” は共に10分に迫るドラマティックな1大エピックで、この2曲の構成力、スケール感こそ、まさにアルバムを象徴する楽曲と言えるのではないでしょうか。
今回、Blackwald が “人生を変えた5枚のアルバム”のトップに挙げている作品が BLIND GUARDIAN の “Nightfall in Middle-Earth” なのですが、実は完成した “Heroes of Mighty Magic” を初めて聴いた時、Blackwald は “Nightfall in Middle-Earth” を初めて聴いた時と似た感覚を覚えたそうです。
“Nightfall in Middle-Earth” も “The Lord of the Rings” の作者、トールキンの小説を下にしたファンタジックでエピックな長尺コンセプトアルバム。BLIND GUARDIAN が1998年に提示したのは、非常に緻密かつシネマティックな Power Metal を超えた異形の傑作でしたが、TWILIGHT FORCE は “Power Metal の守護者” の意思をしっかりと受け継ぎながら、現代的にアップデートした作品を閃かし、シーンに投げかけたようにも感じられました。
今回弊誌では、キーボード、ヴァイオリン、チェンバロを担当し、作曲、アレンジの中心でもある Blackwald にインタビューを行うことが出来ました。ぜひライブパフォーマンスの動画もチェックしていただきたいバンドです。どうぞ!!

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TWILIGHT FORCE “HEROES OF MIGHTY MAGIC” : 9.9/10

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