NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MOON SAFARI : HIMLABACKEN VOL.2】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MOON SAFARI !!

“We Actually Never Aimed For The Prog-genre. We Just Want To Create Art, And That Every Note We Write Has a Purpose.”

DISC REVIEW “HIMLABACKEN VOL.2”

「プログレというジャンルを目指したことはないよ。私たちはただ芸術を創り出したいだけで、私たちが書く一音一音には目的がある。どの曲もそれ自体がアートなんだ。だからこそ、ある曲は3分の短くエネルギッシュなものでなければならないし、ある曲は壮大で長いものでなければならないんだ。変拍子の方が合うと思う曲もあるけれど、決して複雑さのためだけに使っているわけではないんだよ。変拍子の方がグルーヴ感が出るのであれば、例えば9/8でもいいんだけどね」
かのメタルの帝王 Ozzy Osbnurne が最近、”私はメタルをやっているつもりはない。昔はすべてがロックと呼ばれていたし、私もその中にいると思う” と発言して物議を醸しましたが、スカンジナビアの良心 MOON SAFARI もきっと同じ哲学の下にいます。
複雑怪奇な “プログレ” と呼ぶには甘すぎて、ビーチ・ボーイズ由来のポップスと呼ぶには知的すぎる。そんな定まらぬジャンルは彼らにとって足枷であり、魅力でもありました。そして今回、10年ぶりにリリースした “Himlabacken Vol.2” で、彼らは周りの目には気もくれず、ただ自らの創造性とアートにしたがってさらにその世界を広げました。
「歌詞の多くは、現在の世界と、それが歩んできた間違った道についてだから。私たちの子供たちもその間違った歩みの世界にいるわけだよ。だからこそ、私たちは人間の愚かさについて歌い、世の中には悪いこともたくさんあることも描く。だけど、一番大切なのは、未来の世界にとって何が良い面なのかを知ってもらうことだと歌っているんだ。今の子供たちがこの世界の良さを信じ続ければ、いつか世界を良い方向に変えることができるかもしれないからね」
戦争、分断、パンデミック。前作をリリースした10年前とは変わり果てた世界で、それでも MOON SAFARI は優しさと寛容さの中に生きています。だからこそ、現代における人類の愚行を子どもたちに伝えたい、より良い世界を目指してほしいという願いはその音楽に宿りました。
もちろん、FLOWER KINGS を彷彿とさせるシンフォニー、表現力豊かなムーグとクワイアのオペラ、青く美しきコーラス・ワークスに洒落た変拍子は今でもここにありますが、自らの子供時代を通して現代の子どもたちを映し出した “Himlabacken Vol.2” には明らかに、暗くてメタリックな瞬間が存在します。
「私たちはみんな80年代生まれだし、このアルバムはノスタルジアの感覚で書かれているから、この曲は偉大な Eddie Van Halen へのオマージュなんだよ。彼は私の大好きなギタリストの一人でもあるしね」
MESHUGGAH 由来のヘヴィ・ポリリズム、Yngwie も舌を巻くクラシカルな光速リード、DREAM THEATER のメタル・イズム。MOON SAFARI は間違いなく、これまでとは異なる一面を垣間見せながら、スター・ウォーズやスタンド・バイ・ミーが “ジョーカー” へと変異した現代の闇をあらわにしていきます。そう、今みんなが心待ちにしているのは、きっと溢れんばかりの笑顔で夢を紡ぐ新たなエディ・ヴァン・ヘイレンの登場なのです。
「私たちは皆、同じ小さな教会で同じ経験をしてきたんだ。学校の最終日に教会で座っているときの、あの魔法のような感覚。”Epilog” から得られる感覚は、何年も前、小学生の時に私たちが感じたものだけど、今でもとても最近のことのように感じられるよ」
アルバムは、スウェーデン語で歌われる天上の讃美歌で幕を閉じます。昔は良かったなどと口にしようものなら即座に老害認定される世界で、MOON SAFARI はロマンチックなノスタルジーを隠そうとはしません。いえ、むしろ前面に押し出していきます。
それはきっと、自転車を手に入れた、ギターを手にした、ゲーム機をクリスマスに買ってもらった、CD をお小遣いで買いに行った…あの時の胸の鼓動と全能感を今の子供たちに分けてあげたいから。重要なのは、どこまでも行けるという無限の可能性を信じること。ネットで即座に手に入るものだけが、便利で評価の高いものだけが宝物ではないことを、彼らはきっと世界に思い出させたいのでしょう。
今回弊誌では、MOON SAFARI にインタビューを行うことができました。「スーパーマリオ、TMNタートルズ、ロックマン、ソニック、トランスフォーマー、スタージンガー、ポケモン、ゲーム&ウォッチ、任天堂、セガ、ソニープレイステーションの世界。子供の頃はずっとトヨタのカムリに乗っていたよ! 」  二度目の登場。どうぞ!!

MOON SAFARI “HIMLABACKEN VOL.2” : 10/10

INTERVIEW WITH MOON SAFARI

Q1: Thank you for your amazing first work in 10 years!” Himlabacken Vol. 2″ is a really great album, well worth the long wait! First of all, can you tell us why it took you 10 long years to release the new album?

【MOON SAFARI】: Thank you! we are very satified with the result!
It took almost 10 years because of life, simply put. The first years we toured Vol.1 of course. Then came the life puzzle in the way. Its hard to create a great album and at the same time grow a family and raise your kids. At the release of vol.1 we had 4 kids together in the band. Now that number is 16! Plus the pandemic hit for aprox. 3 years. it was not that we were slow writing it. It was hard to get together and have the writing sessions. Teen Angel was written in 3-4 days for example.

Q1: 10年という歳月を経て素晴らしい作品を届けていただきありがとうございます! “Himlabacken Vol.2” は本当に長い間待った甲斐のあるレコードですよ!まず最初に、この作品のリリースに10年を要した理由を教えていただけますか?

【MOON SAFARI】: ありがとう!結果にはとても満足しているんだ!
10年近くかかったのは、簡単に言うと生活のため。最初の数年は、もちろん “Vol.1″ のツアーをしていたよね。その後、人生という大きな山がのしかかってきたんだ。素晴らしいアルバムを作ると同時に、家庭を築き、子供を育てるのは大変なことだよ。
Vol.1のリリース時には、バンドには4人の子供がいた。それが今は16人だ!それにパンデミックが約3年間も続いた。みんなで集まって作曲セッションをするのが本当に大変だったんだ。例えば、”Teen Angel” なんて3~4日で書き上げた曲だしね。

Q2: In a previous interview, Johan said of the Himlabacken series, “It’s in a way a broader theme than on Lover’s End, which had a love story theme through-out. This is more about how to live life to be happy and finding a way to cut through all the noice to get to what’s really important.” He told us. It’s been a long time since then, how did the story of “Himlabacken” continue?

【MOON SAFARI】: If the theme on vol.1 was more of a focus on our own childhoods, mixed with a great nostalgia, This Vol. 2 is more focused on how to get our own, and all children to have the same great playful childhood as we did. On this one we look at them instead of ourselves, simply put.

Q2: 弊誌との以前のインタビューで、Johan は “Himlabacken” シリーズについて、「ある意味、ラブストーリーをテーマにしていた “Lover’s End” よりも幅広いテーマだ。今度は、幸せになるために人生をどう生きるか、そして本当に大切なことにたどり着くためにあらゆる雑音を断ち切る方法を見つけるというテーマなんだ」 と語ってくれました。あれからずいぶん経ちますが、”Himlabacken” の物語はどのように続いていったのでしょうか?

【MOON SAFARI】: “Vol.1” のテーマが、私たち自身の子供時代に焦点を当てた、ノスタルジーを交えたものであったとすれば、この “Vol.2″ では、今の私たち自身、そしてすべての子供たちが、私たちと同じような素晴らしい遊び心のある子供時代を過ごせるようにするにはどうしたらよいかということに焦点を当てているんだ。”Vol.2” では、自分たちを通して、今の子供たちを見ているんだよ。

Q3: The world has changed a lot in the past decade. Wars, pandemics, and division. Clearly, the world is under a darker cloud today than it was 10 years ago. Have these changes in the world influenced your work?

【MOON SAFARI】: Yes it has. Since much of the lyrics are about the world today and the wrong way it has taken, and our children are in it, we sing about human stupidity, and that there are many bad things out there, but the most important thing is for them to know what ‘s the good side for the future world. Maybe they can change it for the better one day if they keep believing in the goodness in this world.

Q3: この10年の間に、世界は大きく変わりました。戦争、パンデミック、分断。明らかに、今の世界は10年前よりも暗雲が立ち込めています。こうした世界の変化は、今回の作品に影響を与えていますか?

【MOON SAFARI】: そうだね。歌詞の多くは、現在の世界と、それが歩んできた間違った道についてだから。私たちの子供たちもその間違った歩みの世界にいるわけだよ。
だからこそ、私たちは人間の愚かさについて歌い、世の中には悪いこともたくさんあることも描く。だけど、一番大切なのは、未来の世界にとって何が良い面なのかを知ってもらうことだと歌っているんだ。今の子供たちがこの世界の良さを信じ続ければ、いつか世界を良い方向に変えることができるかもしれないからね。

Q4: I mentioned the dark world because I found “Himlabacken Vol. 2” to be heavier and more metallic than your previous works. Of course, the songs are varied and the beautiful choruses are still there, but it is definitely closer to so-called “prog metal”, right?

【MOON SAFARI】: Yes. When the lyrics are a bit darker, its natural that the music comes with it to enhance the message of the lyrics, and vice versa. We also aimed for a bit heavier and punchier feeling to the album this time. Maybe not metal, but I agree, there are some metal moments in there.

Q4: ダークな世界のことを伺ったのは、”Himlabacken Vol.2″ が前作よりもヘヴィでメタリックだと感じたからです。もちろん、曲はバラエティに富んでいますし、美しいコーラスも健在ですが、いわゆる “プログ・メタル” に近づいたのは間違いないですよね?

【MOON SAFARI】: そうだね。歌詞が少しダークになれば、それに伴って音楽が歌詞のメッセージを引き立てるのは自然なことだし、その逆もまた然り。今回のアルバムも、もう少しヘヴィでパンチのある感じを目指したんだよ。
まあ、メタルではないかもしれないけれど、メタル的な瞬間がいくつかあることには同意するよ。

Q5: In addition, the album is very guitar oriented, with moments that recall Dream Theater, Yngwie, and even Meshuggah! Especially “198X (Heaven Hill)” which many have said it reminds “Jump” of Van Halen, haha! In fact, was there a kind of homage to Van Halen in that song?

【MOON SAFARI】: Yeah. Since we all are born in the 80s,(well, not Sebastian who was born 1990, but at least was MADE in 1989) and the album is written in the sence of nostlagia, It is a homage to the great Eddie Van Halen. Who also happends to be one of my favourite guitarists.

Q5: 加えて、このアルバムは非常にギター・オリエンテッドで、DREAM THEATER や Yngwie、さらには MESHUGGAH まで思い起こさせる瞬間があります!特に “198X(Heaven Hill)” は、VAN HALEN の “Jump” を想起させると多くの人が言っていますね。実際、あの曲は亡き Eddie Van Halen へのオマージュでもあるのでしょうか?

【MOON SAFARI】: そうだね。私たちはみんな80年代生まれだし(まあ、1990年生まれの Sebastian は違うけど、少なくとも1989年には MADEされている 注: 下ネタ?!)、このアルバムはノスタルジアの感覚で書かれているから、この曲は偉大な Eddie Van Halen へのオマージュなんだよ。彼は私の大好きなギタリストの一人でもあるしね。

Q6: “Himlabacken Vol. 2” is sparkling, guitar-driven, and will make you feel like you’re watching a classic 1980s movie. What made you want to bring that old-timey feeling back to the present?

【MOON SAFARI】: Privious answer says a lot on this question. Our youth is like a classic Stephen Spielberg movie. Imagine young, creative-hungry kids on their 80s bicycles, that has the whole world at their feets, where nothing is impossible.

Q6: 仰るように、”Himlabacken Vol.2″ は、きらびやかで、ギターが主役で、ノスタルジックな1980年代の名作映画を見ているような気分にさせてくれます。なぜあの感覚を現代に蘇らせようと思ったのですか?

【MOON SAFARI】: 私たちの青春は、スティーブン・スピルバーグの名作映画のようなものだからね。80年代の自転車に乗った、創造力にあふれた若い子供たちを想像してみてほしい。あのころは、自転車を漕いでいける場所が世界の全てだった。そしてその世界に不可能はなかったんだ。

Q7: Such a gorgeous piece closes, however, with the beautiful a cappella “Epilog.” Why did you choose to end the album with this song sung in Swedish?

【MOON SAFARI】: Again, our childhood. We think that it is very special that everyone in the band are from the same small village. “Bergsbyn”(Mountain Village) in the city of Skelleftea. We all have had the same experience, from the same small church. That magic feeling when you are sitting in church the last day at school, just minutes from walking out to an ever lasting summer-break. The feeling you get by this song is the feeling we had at that time, many years ago, but it still feels very recent.

Q7: そんなゴージャスな作品は、美しいアカペラの “Epilog” で幕を閉じます。なぜスウェーデン語で歌われるこの曲でアルバムを締めくくることにしたのですか?

【MOON SAFARI】: それも結局は、私たちの子供時代の思い出。バンドの全員が同じ小さな村の出身というのは、とても特別なことだと思う。Skelleftea 市のBergsbyn(山村)出身。
私たちは皆、同じ小さな教会で同じ経験をしてきたんだ。学校の最終日に教会で座っているときの、あの魔法のような感覚。この曲から得られる感覚は、何年も前、小学生の時に私たちが感じたものだけど、今でもとても最近のことのように感じられるよ。

Q8: Many of the prog giants are old and have passed away. Meanwhile, the world is dominated by the instant culture of social networking and clippings, and few young people will bother to take the time and trouble to pursue a epic and complex prog. So, What was it that drove you guys to the prog in such a situation?

【MOON SAFARI】: We all have always been very into music of course. And we are all very creative persons. With all our collective knowledge, we just try to write beautiful music, period. We actually never aimed for the prog-genre. We just want to create art, and that every note we write has a purpose. That every song is an art by itself. Then, some songs has to be short 3 minute energic ones, and some just needs to be big, long, beautiful, depending on what the song is about. Some, we think fit better to have an odd time signature, but its never just because of the sake of complexity. If it has a better groove by that, let’s say 9/8 then it has.

Q8: さて、プログレの巨人の多くは高齢となり、この世を去っていきます。一方、世の中はSNSや切り抜きなどのインスタントな文化に支配され、わざわざ時間と手間をかけて壮大で複雑なプログレを追求する若者はほとんどいませんね。そんな中、あなたたちをプログレに駆り立てているものは何でしょうか?

【MOON SAFARI】: もちろん、私たちはみんな音楽に夢中だった。そして私たちは皆、とてもクリエイティブな人間だ。私たちの知識を総動員して、ただ美しい音楽を書こうとしたんだ。
だから、プログレというジャンルを目指したことはないよ。私たちはただ芸術を創り出したいだけで、私たちが書く一音一音には目的がある。どの曲もそれ自体がアートなんだ。だからこそ、ある曲は3分の短くエネルギッシュなものでなければならないし、ある曲は壮大で長いものでなければならないんだ。
変拍子の方が合うと思う曲もあるけれど、決して複雑さのためだけに使っているわけではないんだよ。変拍子の方がグルーヴ感が出るのであれば、例えば9/8でもいいんだけどね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MOON SAFARI’S LIFE!!

The Beatles “Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band”

Bruce Springsteen “Born to Run”

Jellyfish “Spilt Milk”

Yes “Close to the Edge”

Moon Safari “Himlabacken vol 2!”

MESSAGE FOR JAPAN

We love and we have always love the japanese fans! You really are the best!
I sometimes think about how much we’ve got from you as well, regarding our youth.Super Mario, TMNTurtles, Rockman, Sonic, Transformers, Starzinger, Pokemon, Game and watch, all included in the world of Nintendo, Sega, Sony Playstation, I can go on forever. We also drove a Toyota camry all my childhood! Love you all! Arigatou Gozaimasu!

私たちは日本のファンが大好きだし、いつも愛しているよ!君たちは本当に最高だ!
スーパーマリオ、TMNタートルズ、ロックマン、ソニック、トランスフォーマー、スタージンガー、ポケモン、ゲーム&ウォッチ、任天堂、セガ、ソニープレイステーションの世界。子供の頃はずっとトヨタのカムリに乗っていたよ! みんな愛してるよ!アリガトウゴザイマス!

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