EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ELYES BOUCHOUCHA OF MYRATH !!
Oriental Metal master from Tunisia, MYRATH has just released long awaited new record, masterpiece called “Legacy” !!
DISC REVIEW “LEGACY”
北アフリカ、チュニジアの空気を世界に伝えるオリエンタルメタルバンド MYRATH が、5年という長いインターバルの後に傑作 “Legacy” をリリースしました!!
アフリカ大陸という、現時点でシーンの注目が最も薄い地域から現れた MYRATH のサウンドは非常にエピカルで印象的なプログ / パワーメタル。例えば、SYMPHONY X がクラッシックを、DREAM THEATER がプログロックやフュージョンを屋台骨としているように MYRATH はチュニジアのトラディショナルなフォーク音楽をそのインスピレーションの源にしているのです。
バンド名 MYRATH を英訳した “Legacy” をタイトルに冠したアルバムは、以前の作品よりもメッセージ性が強く、キャッチーで、リスナーの魂に訴えかけるような1枚に仕上がりました。オリエンタルメタルの旗手 ORPHANED LAND にも言えることですが、所謂形骸化したプログレッシブという枠から脱却し、その先を見据えた作品のようにも思えますね。
チュニジアで起こったジャスミン革命にインスピレーションを得た、アルバムオープナー “Jasmin” と壮大なPVを伴う “Believer” の流れは、まさにその新しい彼らの魅力を凝縮したものだと言えるでしょう。弾圧に屈せず信念を貫く。楽曲は実際に動乱を経験した彼らだからこその説得力に満ちていますね。
音楽的には、非常に扇情的でドラマティック。雄々しく突き進むミッドテンポの曲調の中、ストリングスやキーボードの美しい音色が異国の色を添え MYRATH の個性を主張します。チュニジア由来のオリエンタルなメロディーを力強くエモーショナルに歌い上げる Zaher Zorgatti の歌唱は、”Believer” は勿論、アルバムを通して実に見事で傑出しています。特に美しすぎるバラード “I Want To Die” での名演は彼の評判を一層高めることでしょう。
また、Jens Bogren をミックスに、ADAGIO の Kevin Codfelt をプロデューサーに迎え、磨き上げられたモダンなプロダクションはさながらアラビアの芸術建築のようですね。
楽器隊の個性もアルバムの大きな魅力の1つとなっています。アルバムのオーケストレーションまで担当したキーボーディスト Elyes の豊かな才能は “Endure the Silence” のカサブランカピアノにも現れていますね。新加入 Morgan Berthet のドラミングはエネルギッシュかつタイト。バンドのダイナモとして十二分に機能することを証明しています。勿論、ギタリスト Malek Ben Arbia の Yngwie を想起させる煙が出るようなシュレッドも健在!今年のプログメタル必聴盤であることは間違いないでしょう。
今回弊誌では、キーボーディストの Elyes Bouchoucha にインタビューを行うことが出来ました。実はフランス、ソルボンヌ大卒の英才でもあります。どうぞ!