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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【RIVERWOOD : SHADOWS AND FLAMES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MAHMOUD NADER OF RIVERWOOD !!

“Egypt Has a Lot To Offer. Egypt Has More Than Just Pop/Rap/Hiphop And The True Sound Of The Deserts Of Egypt Can’t Be More Clear Than In Metal Music.”

DISC REVIEW “SHADOWS AND FLAMES”

「オリエンタルなメロディーが世界中を魅了する理由。それはやはり、魔法のように西洋のメロディーと異なっているからだと思うよ。オリエンタルなメロディーは常に貴重なもので、西洋人の耳にはとても珍しいものだ。だからこそ、メタルとのミックスは、中近東の文化を紹介するとてもユニークで重要な方法なんだよね」
メタルの生命力、感染力を語るとき、中近東の魔法のようなバンドたちはその完璧なる象徴だと言えるでしょう。モダン・メタルの深遠なる世界がいかに寛容で多様であるかは、イスラエルの ORPHANED LAND とチュニジアの MYRATH、さらに BLAAKYUM, SCARAB のカラフルかつエキゾチックな冒険を見れば自ずと伝わるはずです。そしてもう一つ、エジプトのアレキサンドリアを拠点とする RIVERWOOD の名前を我々はそのリストに加えなければなりません。
「故郷アレクサンドリアと同様に、僕たちの音楽も様々な文化を融合することに力点を置いている。僕たちの音楽には、アラビア文化、西洋の近代文化、スカンジナビア、北欧、そして多くの民族楽器が登場する。これこそが RIVERWOOD のメインテーマでもあるんだよね。ヘッドフォンやスピーカーから遠く離れた場所へ、リスナーの想像力をかきたてるような作品にしたいね」
人口520万人が暮らすエジプト第二の都市アレクサンドリア。地中海の真珠と呼ばれる美しき港湾都市は、ギリシア・ローマ文明、エジプト文明、そしてイスラーム文明が時と共に融合した文化の交差点でもあります。RIVERWOOD の音楽は、そんな彼らの故郷にも似てまさに “世界の結び目” のような色彩豊かな寛容さを誇っているのです。
「基本的に、エジプトには様々な音楽が存在する。ポップ、ラップ、ヒップホップ…だけどエジプトの砂漠、その真のサウンドを伝えるのにメタル以上のものはないんだよ」
砂漠の音を伝えるのにメタル以上のものはない。おそらく、彼らの言葉は真実でしょう。メタルには、砂漠の雄大、過酷、孤独、無情、そして絶景と神秘を伝えるだけの音の葉が備わっています。
RIVERWOOD の場合、彼らが愛する KAMELOT に似てシンフォニックなプログレッシブ・メタルを演じながら、劇中に伝統楽器やフォークミュージック、そして中近東のオリエンタルなメロディーを織り交ぜて砂漠の声を代弁していきます。主役を務める歌い手は素晴らしき Mahmoud Nader その人。彼の熱砂の歌声は、メタルのエクストリーム・サイドからシネマティックな情景描写まで、舞台を多様で情熱的な劇場へと導いていくのです。
「メタル・シーンは長い間、体制に悩まされてきたけど、今は正直言ってそうじゃない。今の唯一の課題は観客の文化で、観客の好みが何十年もかけてロック/メタルからモダン・ポップにシフトしてきたことが、僕にとっては常に奇妙で脅威に思えるんだ。誤解しないでほしいんだけど、例えば Spotify のトレンドを見てほしいんだ…まあでも結局のところ、誰もが自分の好きなものを愛する自由を持っているんだよ」
二枚組のアルバムとも言える75分の壮大な “Shadows and Flames” で語られるのは、新バビロニア興亡の物語。さながら、ネブカドネザル2世のバビロン捕囚のようにメインストリームな音楽世界に淘汰されつつあるハードロック/メタルの民ですが、RIVERWOOD はそんな音楽におけるバビロンの横暴も長くは続かないことを砂漠のメタルで熱く証明してくれます。
最も長い楽曲は12分半の “Blood and Wine” で、リスナーの時間、場所、ムードを刻々と変化させるアラジンの壺。荘厳壮大、絢爛豪華。シンフォニックで、アグレッシブで、エキゾチックで、シアトリカル。”The Shadow” というダークでミステリアスな小曲を挟み、10分超の “Sands of Time” は砂漠の中の異形、ピラミッドへとリスナーを惹き込んでいきます。ハーディー・ガーディーを前面に押し出した7分のロマン “Queen of the Dark” のプログレッシブでフォーキーな面持ちはアルバムの絶妙なアクセント。
“Shadows and Flames” に収録されている楽曲はそれぞれ長さが非常に独特で、1分をやっと超えるような非常に短い作品もあれば10分の作品も存在し、中間がありません。これは非常に挑戦的なやり方で、バンドが作曲能力に大きな自信を持ったエジプトの宝石であることを、ルールのない常識越えのアルバム全体でしっかりと証明していますね。
今回弊誌では、Mahmoud Nader にインタビューを行うことができました。「インスピレーションは中世のビデオゲームから得ている。バンド名の “Riverwood” は、Helgen のドラゴンの攻撃から逃れて、最初に行く村。Skyrim ファンなら共感してくれるはずだよ (笑)」どうぞ!!

RIVERWOOD “SHADOWS AND FLAMES” : 9.9/10

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