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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PROTEST THE HERO : PACIFIC MYTH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TIM MACMILLAR OF PROTEST THE HERO !!

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Legendary Canadian Prog-Core Outfit, Protest The Hero Has Just Released Innovative New EP “Pacific Myth” !!

DISC REVIEW “PACIFIC MYTH”

高いテクニックと、モダン=多様性に富んだその音楽性で、Modern Metal を象徴する存在となっているカナディアンレジェンド PROTEST THE HERO が新たなメンバー、販売戦略を携え挑んだ新作 “Pacific Myth” をリリースしました!!革新的な音楽性で驚きをもたらしたヒーローは、マーケティングにおいてもシーンをリードしようとしています。
今日のメタルシーンでは当たり前のように行われているクラウドファンディングキャンペーン。有名、無名に関わらず現在多くのバンドを支える、このレーベルを介さずファンと直接繋がる販売戦略は、PROTEST THE HERO が前作 “Volition” で勇気を持って踏み出した一歩が発端だったと言えるでしょう。バンドはクリエイティブな可能性とモチベーションを手に入れ、ファンは音源以外にも特別なアイテムやマーチを手に入れられる、全てが Win-Win な “Volition” での試みは確かな成功を収めました。しかし、彼らはその場所にも満足せず、さらに合理的な一手を打って来たのです。
“Pacific Myth” で彼らが打ち出した新たな戦略は、サブスクリプションプラットフォームという手法でした。定額を支払ってくれたファンのみに、毎月フレッシュな新曲を配布するという野心的なその試みは、再び成功を収めたと言えます。7500人以上のファンが “Pacific Myth” のキャンペーンに参加し、バンドのエクスクルーシブなコンテンツに12$、25$の私財を投入したのですから。6ヵ月に渡る長いキャンペーンが終了した後、バンドは “Pacific Myth” にリマスター、リミックスを施し EP として新たにリリースすることを決断します。
オリジナルラインナップが崩壊し、ベーシスト Cam McLellan、ドラマー Mike Ieradi を新たに迎えて制作されたこの EP は、”Fortress” 以前、”Fortress” 以降と時にそのキャリアを分けて語られるバンドの命題に抗うかのような強い意志を発する作品です。
確かに “Fortress” は完璧で、同時にモダンの意味を定義するようなマイルストーンでもあります。さらに昨年行われた、オリジナルラインナップでのデビューフル “Kezia” 10周年記念ツアーの盛況を見れば、この作品の若々しいエナジーも同様に愛されていることが分かりますね。
故に、BETWEEN THE BURIED AND ME にとっての “Colors” と同様に、”Fortress” 以降の作品は、ハードコア色が薄れ、よりトラディショナルでメロディー重視の方向に舵を切った “Sucrrilous”, さらにはピンチヒッターで LAMB OF GOD の剛腕 Chris Adler の推進力を生かした強力な “Volition” を持ってしてもその高き頂きを超えるまでには至らないという評価に落ち着いてしまっているように思えます。
実際、PROTEST THE HERO の現状を憂うファンの多くは、おそらく若さが原動力の一つとなった “Kezia” “Fortress” の瑞々しく、型破りで、予測不能な一面を愛しているのでしょう。しかしバンドは必ず成熟して行きます。Rody はダーティーに奔放に歌うよりもしっかりと丁寧にキャッチーなメロディーを追う場面がほとんどですし、楽曲も様々な要素をエクレクティックに吸収しつつも 、予測不能なカオスよりも、インテリジェンスを感じる構成美で驚きを演出する方向へとシフトしています。
インタビューで Tim が”2つを融合させる方法を見つけた”と語るように、”Pacific Myth” では10年という月日が生んだジレンマを、バンドの過去と未来を自然に繋ぐことで跳ね除けるチャレンジが行われているのです。
“Harbinger” のエピカルなピアノイントロを聴けば、誰もが “Kezia” のマジックを想起するはずです。そしてこの楽曲に存在する、クラシカルでテクニカルでカオティックなサウンドは、まさに2006年の衝撃をリスナーに蘇らせる役割を果たします。
穿った見方をすればファンへ擦り寄ったとも思える原点回帰ですが、元来 PROTEST THE HERO が売りにしていたこの種のキャッチーさ、テクニカルなフックを敢えて再提示したのは、自らの遺産すら武器へと変換する余裕の表れと見るべきではないでしょうか。実際、アグレッシブな曲風に刹那挿入されるピアノとボーカルだけの美しき共演は、現在の彼らだからこそ生み出せる極上の瞬間です。
同様に、”Cold Water” で聴けるサルサのようなリズミックなアプローチ、”Cataract” のスピードとエナジーの中でみせる黒くソウルフルなアイデアもバンドの新たな領域を開拓していますね。
作品で最も意義深いトラックはアルバムクローサー “Caravan” だと言えるでしょう。構成美に拘るが故長尺化している昨今の楽曲においても、バンド史上最長の8分39秒は新鮮な驚きだと言えます。”安全な場所”から離れ、未来へ向けて船出を果たしたキャラバンは、トレードマークとも言える複雑なアルペジオや狂気のシュレッドに頼らずグルーヴ重視でフックを生み出すと共に、意外性に満ちた後半では、キーボード、クリーンギターを巧みに使用し見事なアトモスフィアさえ具現化。彼らの成熟を伝えていますね。
メロディーの美しさも白眉で、DREAM THEATER さえ想起させる壮大なフィナーレには圧巻の一言。実際、”Caravan” での Rody は、近年あまり感じられなかった生き生きとした表情豊かな歌唱を披露し、バンド全体が成熟と共に自然と自信を取り戻したようにも思えますね。
全てを総括し、未来へと舵を切った伝説。今回弊誌では、ギタリストでコンポーザー Tim MacMillar にインタビューを行うことが出来ました。昨年、Realising Media の招聘により行われた、8年振りの素晴らしい来日公演は記憶に新しいところですね。どうぞ!!

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PROTEST THE HERO “PACIFIC MYTH” : 9.4/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PASSCODE : VIRTUAL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PASSCODE !!

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Electronicore Meets Kawaii ?! Japanese Girls Outfit, “NINJA BOMBER” From Osaka, PassCode Has Just Released Splendid 2nd Album “VIRTUAL” !!

DISC REVIEW “VIRTUAL”

百花繚乱のアイドルシーンに、ピコリーモを引っさげ大阪から現れた4人組 PassCode が期待の新作 “VIRTUAL” をリリースしました!!新メンバー大上さんの加入、グループのリーダーだった黒原さん脱退という大きなメンバーチェンジを経て制作されたアルバムは、鮮烈なデビュー作 “ALL is VANITY” と”リンク”しつつも、より多彩で、よりキャッチーで、メンバーの確かな成長が感じられる優れた作品となりました。
アルバムオープナー “MOON PHASE” は PassCode の “Re-Birth” を高らかに宣言するキラーチューン。前作収録 “Toxic” のイメージを引き継ぎながら、よりスケールアップを果たした Electronicore サウンドを聴くことが出来ますね。キラキラとしかし複雑に突き進む楽曲の中、ふんだんに挿入される 今田さんのシャウト/スクリーム は男性ボーカルの凄みとはまた一味違ったテイストが白眉で、前作からの進化を伝えています。オートチューンの多用も実に効果的。
さらに、こちらも前作収録 “アスタリスク” とリンクする “NINJA BOMBER” はタイトルから想像出来る通り、和のテイストを取り入れた海外にも強くアピールする仕上がりとなっていますね。逆に言えば、こういったある種飛び道具的な楽曲が際立つのも、シリアスな “Now I Know”, “Nextage” のような彼女たちの”骨格”がしっかりと存在しているからだと思います。
勿論、そういった所謂ピコリーモは PassCode サウンドのベースでありアイデンティティーな訳ですが、インタビューで高嶋さんが”おもちゃ箱”と例えたように、カラフルでバラエティー豊かな本作では PassCode の新たな1面も重要な聴きどころとなっていますね。
例えば “ドリームメーカー” は Kawaii 要素を多分に含んだ電波チューン。でんぱ組.inc を想起するファンも多いでしょう。また、派手なシンセサウンドが注目されがちですが、”from here” などで聴けるピアノの音色も美しく作品に色を添えています。
さらに、アルバム終盤に配置された “Don’t Leave Me Alone”, “You Made My Day” のように切なく、ブルージーな味わいさえ存在する、聴かせる楽曲も素晴らしいアクセントになっていますね。特に “You Made My Day” は1分そこそこの短い中に、PassCode の熱い想いが込められた歌詞、パフォーマンスだと感じました。
今回は、サウンド・プロデュースを手がける平地孝次さんがメンバーの歌唱パートを決定したことで、より各メンバーの特徴が作品に昇華されていますし、SiM や BABYMETAL を手がける 原浩一さんがマスタリングを行うことでサウンド自体もアップグレードされており、実に聴き応えのある完成度の高い作品に仕上がっています。
今回弊誌では、PassCode のメンバー全員、高嶋 楓さん、今田 夢菜さん、大上 陽奈子さん、南 菜生さんにインタビューを行うことが出来ました。8/8の Zepp DiverCity ワンマンでは初のフルバンドセットも控えています。ぜひアイドルとバンドの垣根を壊していって欲しいですね。どうぞ!!

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PassCode “VIRTUAL” : 9.2/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CYBORG OCTOPUS : LEARNING TO BREATHE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAVID WU OF CYBORG OCTOPUS !!

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The Brightest Hope Of Modern Prog Metal 2016, CYBORG OCTOPUS Has Just Released Their Debut Full-length “Learning To Breathe” !! Hentai Tentacle Assault You !!

“LEARNING TO BREATH” REVIEW

文字通り、タコの触手のように様々なジャンルを股に掛ける、USの新鋭プログメタル CYBORG OCTOPUS がデビューフルレングス “Learning To Breathe” をリリースしました!!
ジャンルの垣根を易々と崩壊させる傑出したアルバムは、例えば昨年の NATIVE CONSTRUCT を想起させるような、2016年の最もユニークで印象的なデビュー作品となるでしょう。
CYBORG OCTOPUS の特徴は、先に挙げた NATIVE CONSTRUCT、もしくは HAKEN, EARTHSIDE といったモダンプログメタルの新鋭たちと比較して、よりヘヴィーでメタルコアの遺伝子を多分に受け継いでいる点にあります。
アルバムオープナー “Data_M1nefield” は、キーボード、ボコーダーの使用法やミドルセクションのラテンなパートこそ実にプログレッシブで変態的ですが、その実、楽曲の土台は THE BLACK DAHLIA MURDER, CONDUCTING FROM THE GRAVE といったブラストやトレモロを駆使したモダンなメタルコア / エクストリームメタルに在ることがわかります。アルバムを通してその土台は存在し続け、そこに様々な要素を加えることで、CYBORG OCTOPUS の奇妙で魅力的な音楽が形作られているのです。
例えば、クラシカル/オペラに特化した “Divine Right (In D Minor) は、クラッシックギターやオペラティックな歌唱が効果的に使用され、フレット上を縦横無尽に駆け巡るクラシカルなギタープレイと併せて究極にヘヴィーでドラマティックに仕上がっていますし、”Baptism of Clay” のシタールまで使用したオリエンタルな世界観も、強烈なアグレッションとの対比があってこそ。同時に、パンキッシュでカオティックな”Shark Pit” を聴けば、彼らのルーツに PROTEST THE HERO が含まれることが明らかになりますね。
中でも、最も驚くべきは “Discobrain!” でしょう。バンドの”最も魅力的な”メンバー Patrick のサクスフォンは間違いなくバンドの重要なアイデンティティーの1つとなっていますが、この楽曲ではほとんどメイン楽器として使用されています。バンド全体が生み出すグルーヴも最凶にファンキーで、ここまで Tech Metal meets Funk をやり切った楽曲はほとんど聴いたことがないように感じます。そして何と言っても、ただ実験的なだけではなく、その突進力が素晴らしいカタルシスを生んでいることが重要ですね。
東洋的でオリエンタルなムードをテーマとした大曲 “Epiphany” でアルバムを締めくくるまで、凄まじいテンションと驚異的な展開力は全く止むことがありません。
今回弊誌では、バンドの設立者でギタリストで “The Most Attractive” 最も魅力的なメンバー、 David Wu にインタビューを行うことが出来ました。変態らしく、久々にわりとハッチャけた回答をいただけましたよ。どうぞ!

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CYBORG OCTOPUS “LEARNING TO BREATHE” : 9.1/10

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PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【DESTRAGE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAOLO COLAVOLPE OF DESTRAGE

ITALIAN RISING STAR !! TECHNICAL, POWERFUL, AND CHAOTIC !! INTELLIGENCE MODERN METAL BAND DESTAGE ARE GONNA COMING TO JAPAN ON 2015 AGAIN !!

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 ボーニョボーニョボニョザガナノゴ~~で図らずも自らの狂信的ジブリ愛、日本愛を世の中に広く知らしめる事に成功したイタリアン・ライジングスター、DESTRAGE。DISARMONIA MUNDI の奇才 ETTORE RIGOTTI の肝入りで製作した 2nd アルバム “王様はデブで老いぼれである” のイカレっぷりが各所で好評を博し、あれよあれよという間にメタル界の大御所 METAL BLADE と契約を結んでしまいました。今年そこから発表した彼らの最新作 “ARE YOU KIDDING ME? NO.” は弊サイトのリーダーズポールにランクされたように実に素晴らしい彼らの最高傑作となりました。確かにアルバムタイトルや曲名に象徴されるように彼らのイカレた部分は非常に魅力的なのですがこのアルバムでは良い意味で成熟し、荒削りだった部分が改善されています。とは言え SIKTH, PROTEST THE HERO, BETWEEN THE BURIED AND ME などをさらに闇鍋化させたようなその INSANE なサウンドは十二分に健在。昨今のバンドたちよりギターヒーロー的なプレイを連発するギターチームも最高にクールですね。二度目の来日も決まったようで止まるところを知らない彼らの快進撃。ボーカルの PAOLO に話が聞けました。

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