NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【STRAY GODS : STORM THE WALLS】GREEK POWER METAL SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BOB KATSIONIS OF STRAY GODS !!

“I Think That It Has To Do That I’m a Good RPG Player. I Can Get Easily In The Shoes Of Every Band Like I’m a Full Member Of It. I Can Pretend To Be Adrian Smith, Jim Matheos, And Joey DeMaio All On The Same Day.”

BOB KATSIONIS “KEEPER OF THE GREEK POWER METAL”

1980年代後半、ヨーロッパでパワーメタルが登場したとき、それは要するに、すべての “つまみ” を最大にした伝統的なヘヴィ・メタルだったのかもしれません。HELLOWEEN や GAMMA RAY といったバンドは、JUDAS PRIEST や IRON MAIDEN が築いた核となるサウンドに、よりビッグで晴れやかなメロディー、より大仰なアレンジ、より華やかなボーカルを吹き込み、創造力を過剰なファンタジー世界へと導くことに成功しました。パワーメタルが発展するにつれ、アーティストたちはサウンドの特定の側面に焦点を当て、よりシンフォニック。プログレッシブな分派や、スラッシュ、スピードメタルとの再会を目論む一派も登場。細分化が加速されていきます。しかし、1990年代後半から2000年代初頭にかけてギリシャで生まれたパワーメタルのシーンは当初、初期のパワーメタルの原則にほぼ忠実だったのです。
その後20年間で、ギリシャはおそらく世界で最も強力なパワーメタル・シーンに発展しました。リリースされた作品の数、全体的なクオリティ、あるいは探求されたサウンドの幅など、どれをとっても、地中海沿岸の国は世界中のパワーメタル・ウォーリアーズから大きな尊敬を集めています。
実際、初期からシーンを見守る SACRED OUTCRY のベーシスト George Apalodimas は、「最近、ギリシャからリリースされる作品のクオリティに人々が注目しているのを見て、とても嬉しく思っている。伝統的なヘヴィ/パワーからプログレッシブやシンフォニックなものまで、幅広いスペクトルをカバーする様々なアーティストが揃っているし、僕らが最初に活動していた(90年代)頃と比べて、シーンは大きく進歩したんだ」と語っています。
ギリシャで Bob Katsionis ほどパワー・メタルの強豪国としての評判を高めている人物はいないでしょう。アテネ出身の Bob は、2000年代前半に CASUS BELLI と FIREWIND のキーボード奏者として有名になりました。この2つのバンドは、ギリシャがモダンなシーンを確立する上で非常に重要なバンド。
「たしかに FIREWIND が現れて、いくつかのドアを開けたことも今の状況に関係していると思う。私たちが現れるまで、ギリシャで成功したバンドは ROTTING CHRIST や SEPTIC FLESH のようなブラックメタル・バンドだけだったんだ」
特に、Gus. G 率いる FIREWIND は、その津波のように押し寄せるメロディーと超絶技巧の炎風で日本でも大きな成功を掴み、グリーク・パワーメタルの存在を世界へと知らしめる原動力となったのです。

「ソロ、OUTLOUD, SERIOUS BLACK, VASS/KATSIONIS, WARRIOR PATH, STRAY GODS, イタリアの WONDERS、あと VALIDOR も。ププッ多すぎて挙げられない!(笑) 実はそれは、私が RPG の良いプレイヤーであることと関係があると思うんだ。どのバンドにも、自分がそのバンドの完全なメンバーであるかのように、簡単に入り込むことができるんだ。Adrian Smith, Jim Matheos, Joey DeMaio に同じ日になりきることができるんだ」
FIREWIND を離れた現在、Bob は世界中の様々なバンドで演奏し、レコーディング・エンジニアやミュージック・ビデオのディレクターとして働き、Symmetric Records を運営し、ギリシャから最もエキサイティングなメタルのレコードを様々な形でリリースしているのです。Bob Katsionis は、かつての Shrapnel Records における Mike Varney のごとく、これらのアルバムの多くを自らプロデュースし、演奏も加えています。
「FIREWIND を辞めてからの2年間で、私は新しいスタジオを作り、素晴らしいアルバムをリリースしながら Symmetric Records をアンダーグラウンドで尊敬されるレーベルにし、プロデューサーとしての地位も確立できた。これは、”バンドでキーボードを演奏している人” ではなく、自分自身でいることの利点だったよね」
Bob の最初の本格的なバンド、SKYWARD は、解散する前にフルレングスを録音することができませんでした。ゆえに、ギリシャをパワー・メタルの地図に乗せたのは、1998年にデビューしたアテネの別のバンドでした。INNERWISH の “Waiting for the Dawn” は、HELLOWEEN の “Keeper of the Seven Keys” のメタル・ファンタジーと STRATOVARIUS のパワー・シンセサウンドの中間にあって、ギリシャで今日まで続いているパワーメタルの連鎖の始まりとなりました。
INNERWISH の “Waiting for the Dawn” からのラインナップはアルバム1枚のみとなりましたが、その後バンドはギタリスト Thimios Krikos と Manolis Tsigos の脇を固めるミュージシャンを交代しながら活動を続けてきました。彼らの最新作は2016年のセルフタイトル作品で、EVERGREY や SYMPHONY X を彷彿とさせるプログレッシブな装飾を施した、より洗練されたパワーメタルへと進化を遂げています。かつて弊誌がインタビューを行ったグリーク・パワーの超新星 WARDRUM, SUNBURST にしても、NEVERMORE, KAMELOT という二大プログパワー・バンドを崇拝していましたし、UNTIL RAIN という才能もいます。プログは一つのキーワードなのかもしれませんね。ともあれ、INNERWISH は、同世代の FIREWIND とともに、20年経った今もなおグリーク・パワーメタルを代表する存在といえます。

1998年にピレウスで結成された SACRED OUTCRY ですが、デビュー・アルバム “Damned for All Time” がリリースされたのはなんと2020年のことでした。バンドは初期にカルト的なデモを2つ発表していて、2003年のデモは実質的に “Damned” のラフな原型でしたが、最終バージョンは待つ価値が十分にあったといえます。壮大なメタル、魅惑的なアコースティック・パッセージ、豊かなメロディー、スラッシーなリズム、そして Yannis Papadopoulos のパワフルなボーカルが融合したこの作品は、ギリシャのシーンのみならず、パワーメタル全体のクラシックとなりました。
バンドのベーシストであり、唯一の創設メンバーである George Apalodimas は、「私はパワーメタルをずっと愛してきた。うまくいけば感情を伝えることができるからね。このジャンルの音楽と歌詞は、日常の生活や葛藤から抜け出すための入り口として機能するんだ。そして、それが私たちの音楽で常に目指しているものなんだ」と語ります。
“Damned for All Time” が提供する逃避は、Apalodimas と彼のバンドメンバーが愛するファンタジー小説に根ざしています。アートワークには、マイケル・ムアコックの代表作である『メルニボネの皇子』のエルリックが、頭上をドラゴンが飛び交う厳かな城を見つめる姿が描かれています。このアートはアルバムの雰囲気と完璧にマッチし、特に14分にも及ぶ見事なセンターピース “Damned for All Time” は圧巻のファンタジー。元 LOST HORIZON のシンガー Daniel Heiman をボーカルに迎えた2ndアルバムもすでに “オーブン” の中にあります。このスウェーデン人は、2000年代初期に最も高く評価されたパワーメタルの声であり、ギリシャのシーンの名誉あるメンバーとしての彼の再登場は喜ばしいことといえるでしょう。

さて、Bob Katsionis 率いる Symmetric Records が真に注目を集め始めたのは、Andreas Sinanoglou が率いるアテネのプロジェクト、WARRIOR PATH と仕事を始めたときでした。ファンタジーをテーマにした勇壮なパワーメタルの2枚のアルバムを通して、Sinanoglou はこのジャンルの最高のソングライターの一人としての地位を確立しました。Bob 自身もその2枚のアルバムで演奏し、プロデュースを手がけていますが、彼は最初から特別なバンドを手に入れたと思っていたそうです。
「当初、Andreas は、自分と友達が楽しめるアルバムを作りたかっただけなんだ。でもね、彼がスタジオで曲を演奏しているのを聞いた瞬間、この素材は世界のパワーメタル・シーンに欠けているものだと気づいたんだ」
Yannis Papadopoulos をセンターに据えたセルフタイトルのデビュー作は素晴らしい出来栄えでしたが、Sinanoglou は想像できる限りのあらゆる点で前作を改善した2作目、”The Mad King” で上がり切ったハードルをさらに超えてきました。楽曲はより野心的で、演奏はよりタイトに、歌詞の物語性はより強く、そして何よりここでも Daniel Heiman が歌っています。WARRIOR PATH はパワーメタルで最も切望されているシンガーを確保し、”The Mad King” に瑞々しき命を吹き込んだのです。
「Daniel Heiman を起用したのはクレイジーなアイデアだったが、そうするのが正しいことだと分かっていたんだ」と Bob Katsionisは振り返り、「非常に大胆な行動が、最終的には実を結んだ。このアルバムには、いまだに信じられないほどの愛と賞賛が寄せられているよ。そんなつもりはなくても、”アンダーグラウンド・クラシック” を作ってしまったと思うし、私たちのアルバムを買ってくれた人たちひとりひとりに感謝しているんだ。我々は感謝しているよ」

Bob Katsionisの最新プロジェクトの一つは、TERRA INCOGNITA のシンガー、Billy Vass とのコラボレーション・アルバムです。そして、Vass/Katsionis とクレジットされたアルバム “Ethical Dilemma” は、WARRIOR PATH の剣を振り回す勇壮なパワーメタルからは遠く離れたもの。その代わりに二人は、DREAM THEATER, QUEENSRYCHE, FATES WARNING の美しくも洗練されたプログ・メタルにインスピレーションを得ることになります。こうしたスタイルの追求は、複雑と甘さのバランスが非常に難しいのですが、”Ethical Dilemma” で彼らは “Images and Words” や “Empire” のような完璧なバランスを見つけ出しました。
「90年代から2000年代にかけてのメランコリックで難解なプログレッシブ・メタルに常に愛着を抱いていた私にとって、これはそれを示すチャンスだったんだ。Billy Vass にソロ・アルバムのプロデュースを頼まれた時、”どんな音にしたい?” と聞いたら、FATES WARNING の “Perfect Symmetry” みたいな音楽を作りたいと言われたんだ。で、それが全てだった。作曲には1ヶ月もかからなかったんだけど、彼がメロディーを考えてくれたときは、とても感激したよ。私が渡した音楽すべてに、完璧なセリフと歌詞を書いてくれたんだ!」

1995年、小さな港町ヴォロスに住んでいた10代の頃、Kiriakos Balanos は友人たちと SILENT WINTER をスタートさせます。そのメンバーで数枚のデモを制作しましたが、仕事や学業で方向性が異なるため、バンドは解散。大人になってヴォロスに戻った Balanos は、SILENT WINTER 名義で新たなラインナップを組み、プロジェクトの復活を決意します。バンド名とはうらはらに激烈な “The Circles of Hell” と “Empire of Sins” は、その決断の正しさを裏付けるもの。Balanos のシュレッド・ギターとフロントマン Mike Livas の高らかなファルセットに導かれた、プログ・パワーのワープスピードは光速を超えます。
「ギリシャがパワー・メタルにおいて非常に強力なシーンを作るれたことは、非常に満足のいくこと。特にこの10年間ギリシャは、他の国から羨まれることが何もなかったからね。とバラノスは言います。「この場所に小さな石を贈ることができてとても幸せだよ」
注目すべきは、SILENT WINTER がグリーク・パワーメタルの非公式な本部であるアテネから遠く離れた場所で活動していることでしょう。バラノスは、アテネに多くのチャンスがあることは認めていますが、強い決意と努力によって地理的なハンディキャップを克服することができたと胸を張ります。
「首都に住まないと、どうしても負担が大きくなってしまう。田舎では知り合いが少ないから、広報の仕事も多くなる。つまり、より多くの努力と作業が必要だという意味だよ」

CRIMSON FIRE 3枚目のLP “Another Dimension” のジャケットには、レーザーの目を持つロボット・ペガサスが宇宙空間を飛行している様子が描かれています。ファンタジーの “おふざけ” を皮肉らずに受け入れることで、パワーメタルを伝統的なヘビーメタルの系譜から少々切り離すことに成功しているのかもしれませんね。”Another Dimension” は、CRIMSON FIRE のクラシックなパワーメタル・サウンドに80年代のAOR的なシンセサイザーとボーカル・ハーモニーを取り入れ、HELLOWEEN と JOURNEY の “別次元” が同時に味わえる作品に仕上がっています。
ギタリストの Stelios Koutelis にとって、ギリシャはメタルを “売る” のに適した場所であり、2004年という結成の時期は完璧だったといいます。
「ギリシャでヘヴィ・メタルが盛んになり始めた時期に、メタルシーンに参入する機会に恵まれたと言うべきだろう。やったりやめたり、時にはやり続けるバンドもいたが、周りにバンドがいない瞬間はなかった。そして、これは現在に至っても同じことだよ」

VALIDOR 唯一の常任メンバーである Odi Thunderer は、自身の音楽を “Blood Metal” と呼んでいます。その理由は簡単。Symmetric Records からリリースされた VALIDOR の最新アルバム “Full Triumphed” からは、マーチング・ドラム、スタッカート・ボーカル、ぎっしり詰まったリフに紛れもない血で血を洗う戦争のにおいがします。Thunderer のパワーメタル解釈は、このジャンルの華やかなヨーロッパスタイルよりも、MANILLA ROAD や CIRITH UNGOL といったエピック・メタルとの共通点が多いといえます。そのため、彼はギリシャでは比較的異質な存在ですが、それでも演奏も受け持った Bob Katsionis をはじめシーンの著名人たちとは深く交流しています。

「私の音楽はすべて、”Seventh Son of a Seventh Son” を中心に発展してきたんだ。音、音符、構造、コンセプト。IRON MAIDEN は皆も知る通り、音楽以外にも多くのことをやっている。アートであり、ロックであり、メタルであり、イメージであり、伝説なんだ。だから偉大なんだよ」
では、Bob Katsionis を中心とした グリーク・パワーメタルの原点はどこにあるのでしょうか。答えはズバリ、IRON MAIDEN です。エディをアイコンとしたメイデンのマーケティング戦略やアート、イメージ作り、伝統的なメタルを突き詰めながら幅をもたせた多様なサウンド、そして練りに練ったストーリーをアルバムに付与するコンセプト。そのすべてが Bob Katsionis の作品群とギリシャのパワーメタルに投影されているのです。
「正直なところ、昔のメイデン・ファンの大半がそうであるように、ここ10~15年の彼らにはかなりついていけてないんだ。しかし、これは彼らではなく、私に問題があるんだよ。私は “Senjutsu” を好きになろうとしたし、最後には好きになった。でもたしかに、曲はとても長くて退屈なんだよね」
STRAY GODS はそんな Bob の “メイデン愛” を形にした新たなプロジェクト。ボーカルも、ギターも、リズム隊も、恐ろしいほどに IRON MAIDEN しています。ただし、重要なのは “Storm the Walls” の楽曲はすべてがオリジナルで、ありそうでなさそうであるかもしれないけどないようなメイデンのリフやサウンドを奏でている点です。さらにいえば、”Somewhere in Time”, “Seventh Son of a Seventh Son” というメイデン史上最もキャッチーで煌びやかだった時代を基盤としているので、現在のメイデンには期待できないカタルシスやシンガロング、スピードアタックが存分に繰り広げられているのです。まさにここは “If” の世界。もしメイデンが、あのころの輝きを取り戻したら…
今回弊誌では、弦と鍵盤の二刀流天才派、Bob Katsionis にインタビューを行うことができました。「例えば、DREAM THEATERのように、曲の長さを正当化することはできない。だから、私は彼らを “プログレッシブ” とは呼ばないんだよ。彼らに今必要なのは、外部のプロデューサーなんだろうな。でも、それをいったい誰が言うんだろうね?我々は最後まで彼らを追いかけ、愛していくつもりだよ」 素晴らしいですね。オリジナルだなんだのいろいろをすっ飛ばして言えるなら、”Senjutsu” の2万倍良い。Bandcamp のメタル部門で発売からずっと一位を守り続けているのも頷けます。オリンパス・メタルの守護者の登場。どうぞ!!

STRAY GODS “STORM THE WALLS” : 10/10

参考文献; BANDCAMP Olympus Rocks: Where to Start with Greek Power Metal

INTERVIEW WITH BOB KATSIONIS

Q1: Could you start by telling us why you left Firewind?

【BOB】: People grow up, priorities and goals change. Firewind was a wonderful trip and part of my career but I realized that I lived a lot of my childhood dreams, touring the world etc and now I have to look and invest in myself and my future. Thankfully the timing was perfect since i left right before the pandemic started, so i could make my plans accordingly while everybody was trying to find out what would happen with tours etc.
In those 2 years since I left, I built my new studio, made Symmetric Records a respected underground label by releasing some great albums, and established myself as a Producer. That was a benefit of being by myself and not “the guy who plays keyboards in another band.” And Gus, being a real friend and a very clever person spotted this and we parted ways like friends with total and mutual understanding.

Q1: まずは、FIREWIND を脱退した理由からお話ししていただけますか?

【BOB】: 人は成長し、それにつれて優先順位や目標が変わっていくものだよ。FIREWIND は素晴らしい旅で、私のキャリアの一部だった。子供の頃の夢を叶え、世界ツアーなどをたくさん経験することができたんだ。だからこそ、これからは自分自身と将来に投資しなければならないことに気づいたんだよ。ありがたいことに、パンデミックが始まる直前だったからタイミングは完璧だった。みんなが将来のツアーなどについてどうなるかを心配し、探っている間に、自分の計画を立てることができたからね。
FIREWIND を辞めてからの2年間で、私は新しいスタジオを作り、素晴らしいアルバムをリリースしながら Symmetric Records をアンダーグラウンドで尊敬されるレーベルにし、プロデューサーとしての地位も確立できた。これは、”バンドでキーボードを演奏している人” ではなく、自分自身でいることの利点だったよね。Gus. G は真の友人で、とても賢い人だから、そのことを理解していて、私たちは友人のように完全に、そしてお互いに理解しあって別れたんだよ。

Q2: You have been with Firewind since 2004, what are your fondest memories?

【BOB】: First of all…our first trip to Japan! It was insane. So much new stuff in just 1 week, my head blew up. Then all these tours, so much laughter with Gus & Petros, we were such a great company,and we still are actually. Then the tours with Hammerfall, Angra, Dragonforce, amazing times. And all these huge festivals, WOA, Download, Grasspop…what can I say, i think it’s half of my life.

Q2: 2004年から長い間 FIREWIND に所属していました。一番の思い出は何ですか?

【BOB】: まずは…初めての日本旅行! 信じられなかったよ!たった1週間だったけど、新しいことがたくさんありすぎて、頭がパンクしそうだった。
それから、Gus と Petros と一緒に行ったたくさんのツアー。私たちはとても素晴らしい仲間だった。そして、今でもそうなんだよ。HAMMERFALL, ANGRA, DRAGONFORCE とのツアー、素晴らしい時間だったな。そして、WOA、Download、Grasspop といった巨大なフェスティバル…何と言ったらいいか、あのバンドが人生の半分を占めていたと思うんだ。

Q3: Firewind have made Greece a major power metal production center. Nowadays, many great power metal bands have emerged, such as Wardrum, Inner Wish, Scared Outcry, Warrior Path, Silent Winter, Crimson Fire, and they become world-famous power metal bands. Why do you think power metal has taken root so well in Greece?

【BOB】: I think that Power Metal was always big in Greece, I remember back in 1998-2002 the power metal concerts like Angra, Gamma Ray, Blind Guardian, were all sold out. But I think that it has to do that Firewind emerged and opened up some doors, because until we appeared, the only bands that had success were from the black metal scene, like Rotting Christ or Septic Flesh.

Q3: 私は、ギリシャを “パワーメタルの聖地” にしたのは、FIREWIND の活躍が大きかったと思っているんですよ。今では、WARDRUM, INNER WISH, SCARED OUTCRY, WARRIOR PATH など世界的なパワーメタル・バンドが続々と登場しています。なぜこれほどギリシャにパワーメタルが根付いたのだと思いますか?

【BOB】: パワーメタルはギリシャではずっとビッグだったよ。1998年から2002年にかけて、ANGRA, GAMMA RAY, BLIND GUARDIAN といったパワーメタルのコンサートはすべてソールドアウトだったのを覚えているからね。
でも、たしかに FIREWIND が現れて、いくつかのドアを開けたことも今の状況に関係していると思う。私たちが現れるまで、ギリシャで成功したバンドは ROTTING CHRIST や SEPTIC FLESH のようなブラックメタル・バンドだけだったんだ。

Q4: Still, aren’t you the busiest man in the metal world these days? With Outloud, a solo album, Serious Black, Vass/Katsionis, Warrior Path, and Stray Gods all released in just 3 years! Haha. And they are all of excellent quality. How do you perceive each band?

【BOB】: And it’s also the Italian WONDERS, plus solo records, plus Validor, pfffff too many to mention! I think that it has to do that I’m a good RPG player. I can get easily in the shoes of every band like I’m a full member of it. I can pretend to be Adrian Smith, Jim Matheos, and Joey DeMaio all on the same day, hahaha! As a producer, I always try to understand what I’m hearing, what the musician might be thinking, so I can find their “secret recipe” so to speak. Then I apply my knowledge to each band, like I’m their missing band member. How would Dave Ellefson play the bass here, how Steve Harris and how Joey De Maio. And the truth is that I don’t really spend much time on a project, that’s why I only do stuff I can relate to and fully understand.

Q4: それにしても、あなたは今、メタル世界で最も忙しい人なんじゃないですか?ソロ、OUTLOUD, SERIOUS BLACK, VASS/KATSIONIS, WARRIOR PATH, STRAY GODS の作品をわずか3年あまりで完成させてしまったのですから。

【BOB】: そして、イタリアの WONDERS、あと VALIDOR も。ププッ多すぎて挙げられない!(笑) 実はそれは、私が RPG の良いプレイヤーであることと関係があると思うんだ。どのバンドにも、自分がそのバンドの完全なメンバーであるかのように、簡単に入り込むことができるんだ。Adrian Smith, Jim Matheos, Joey DeMaio に同じ日になりきることができるんだ。
プロデューサーとして、私はいつも自分が聴いているもの、ミュージシャンが考えていることを理解しようと努めているから、いわばミュージシャンの “秘密のレシピ” を見つけることができるんだ。そして、その知識をそれぞれのバンドに適用していく。まるで自分がそのバンドに欠けているメンバーのようにね。
Dave Ellefson ならここでどうベースを弾くのか、Steve Harris はどうなのか、Joey DeMaio はどうなのか……。だから、自分が共感できて、完全に理解できるものしかやらないんだ。

Q5: Interestingly, most of the bands you are involved in are in different genres, and you yourself use guitars and keyboards. Where is your priority?

【BOB】: That’s a tough question but I think I love both instruments equally. It is extremely useful to be able to play or have a strong opinion on what an instrument should play in one part, and not wait for the X musician of a band to do “his best”. Most of the times it’s not enough, and I cannot let it happen, so I’m force to re-record a lot of parts a lot of times. But no one has a problem with that, that’s why they are coming to me in first place!

Q5: 興味深いのは、あなたが参加しているバンドはほとんどが異なるジャンルで、あなた自身もギターとキーボードを使い分けている点です。あなたのプライオリティーはどこにあるのでしょう?

【BOB】: 難しい質問だけど、私はギターとキーボード、どちらの楽器も同じくらい好きなんだと思う。マルチ奏者であることで、バンドのXミュージシャンの “ベスト” を待つのではなく、あるパートでその楽器がどう演奏すべきか、強い意見を持つことができるのは非常に有益なことなんだよ。
ただ、たいていの場合、それだけでは足りないし、ナアナアで済ませるわけにはいかないので、何度も何度もパートを録り直すことを余儀なくされる。でも、誰もそんなこと気にしないからね。だから私のところにみんな頼みに来るんだ!

Q6: Still, Stray Gods is a great tribute to Iron Maiden! Why did you decide to start a band like this?

【BOB】: Well…I didn’t! It all became by coincidence. Just got a new bass, recorded a riff on Cubase, then I had plenty of time because we were on quarantine #4 (!!!) so 6 days later I had a full album of Iron Maiden-like music! It was when we signed to ROAR Records that I thought that this could be a “real” band. All the guys who played on the album are great people and friends, so when we met for the video clip shooting, we felt like “wait, there’s something here”. And on the other hand…life is too short NOT to do what you want without thinking what people would think. And judging by the result, it seems that pretty much everyone loves the album and our approach to this sound.

Q6: それにしても、STRAY GODS は IRON MAIDEN に対する完璧なトリビュートですね? なぜこういったバンドを始めようと思ったんですか?

【BOB】: いやー…意図していたわけじゃないんだ。すべて偶然の産物なんだよ。新しいベースを手に入れ、Cubase でリフを録音し、その後、4回目の隔離期間となったので時間がたっぷりできて、6日後には IRON MAIDEN のような音楽のフルアルバムができていたんだよね。ROARレコードと契約したとき、これは “本物” のバンドになれると思ったんだ。
アルバムに参加したメンバーはみんな素晴らしい人たちだし、友達でもあるから、ビデオクリップの撮影で会ったとき、”待てよ、このバンドには何かある” と感じたんだ。その一方で…人生はあまりにも短いから、人がどう思うかを考えずに自分のやりたいことをやらないわけにはいかないだろ?その結果、このアルバムと、このサウンドに対する私たちのアプローチを、多くの人が気に入ってくれたようなんだ。

Q7: I think the songs on “Storm the Walls” are closest to the atmosphere of “Somewhere In Time” to “Fear of the Dark” or so, not early or late Iron Maiden, what do you think? What is your favorite Iron Maiden album?

【BOB】: Well…”7th Son” got me into metal and it’s still my #1 album. So I stand somewhere in the middle of the two albums you mentioned. Everything i do in my music is somehow evolved around it. The sound, the notes, the structures, the concept. Iron Maiden as ou know are a lot more besides music. It’s art, it’s rock, metal, it’s images, and legends.

Q7: それにしても、”Storm The Walls” の楽曲は “Somewhere In Time” から “Fear of the Dark” の間の時代のメイデンの雰囲気を完璧に継承していますよね?

【BOB】: そうだね…”7th Son” は私がメタルにハマるきっかけになったし、今でも自分のナンバーワン・アルバムなんだ。だから、君が言った2枚のアルバムのまさに真ん中あたりにいるんだよ。
つまり、私の音楽はすべて、この場所を中心に発展してきたんだ。音、音符、構造、コンセプト。IRON MAIDEN は皆も知る通り、音楽以外にも多くのことをやっている。アートであり、ロックであり、メタルであり、イメージであり、伝説なんだ。だから偉大なんだよ。

Q8: Iron Maiden has become more progressive and epic-oriented, very long songs, especially recently. How do you feel about them these days?

【BOB】: Hm, to be honest, like the majority of the old Iron Maiden fans, I don’t quite follow them for the last 10-15 years. But this has to do with me, not with them. I tried to like Senjutsu and I did in the end. But for sure, the tracks are very long and tedious. Even if you want to have a quick listen to something, the songs are like 10 minutes long, and they don’t justify their duration, the way that for example, Dream Theater does. So I wouldn’t call them “progressive”. It’s mostly the need for an outside producer. But who am I to say, right? We will follow and love them until the end. And at the end of the day…there’s always their old albums and the new Stray Gods album, hehe!

Q8: IRON MAIDEN は近年、よりプログレッシブな長尺の “エピック” を追求しています。STRAY GODS の音楽は、そことは距離を置いていますよね?

【BOB】: うーん、正直なところ、昔のメイデン・ファンの大半がそうであるように、ここ10~15年の彼らにはかなりついていけてないんだ。しかし、これは彼らではなく、私に問題があるんだよ。私は “Senjutsu” を好きになろうとしたし、最後には好きになった。でもたしかに、曲はとても長くて退屈なんだよね。
例えば、DREAM THEATERのように、曲の長さを正当化することはできない。だから、私は彼らを “プログレッシブ” とは呼ばないんだよ。彼らに今必要なのは、外部のプロデューサーなんだろうな。でも、それをいったい誰が言うんだろうね?我々は最後まで彼らを追いかけ、愛していくつもりだよ。そして一日の終わりには…彼らの古いアルバムと STRAY GODS の新しいアルバムがいつでもあるんだ、ふふっ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED BOB’S LIFE

IRON MAIDEN “SEVENTH SON OF A SEVENTH SON”

ANNIHILATOR “NEVER, NEVERLAND”

DREAM THEATER “AWAKE”

HELLOWEEN “KEEPER OF THE SEVENTH KEYS”

MANOS HADJIDAKIS “GIOCONDA’S SMILE”

MESSAGE FOR JAPAN

From the bottom of my heart: Guys, I love you! Your country is out of this planet, yet, you hold on to some very humane and high ethical values and that’s what makes you great.

心の底から思うよ。君たちの国はこの世のものとは思えないほど素晴らしい!非常に人間的で高い倫理観を持ち、それが君たちの強みとなっているんだ。

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