EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTIAS “IA” EKLUNDH OF FREAK KITCHEN !!
“I Think The Change Of Music Industry Is a Brave New World With Tons Of Opportunities. You Can’t Sit Home And Complain It Was Better Before. Adjust Or Die.”
DISC REVIEW “CONFUSION TO THE ENEMY”
急速に拡大を続ける “ギターナード” の世界。真のギターフリークの間で、最もイノベーティブかつ画期的なプレイヤーとして崇拝を浴び続ける “Freak of the Freak” Mattias IA Eklundh。
水道のホースクリップ、テレビのリモコン、櫛、大人のディルドーにラジカセアンプ。目につくもの全てを “ギミック” としてギタープレイに活用し、レフトハンドのハーモニクスから両手タッピング、ミステリアスなスケールにポリリズムの迷宮まで自在に操るマエストロのアイデアは決して尽きることがありません。
同時に、弦は錆び付いても切れるまで交換せず、スウェーデンの自然とジャーマンシェパードを溺愛し、音楽産業の利益追求主義を嫌悪する独特の思想と哲学は Mattias の孤高を一層後押ししているのです。
「FREAK KITCHEN を立ち上げたのは少しだけコマーシャルな音楽を志したから。だけど適度にひねくれていて、様々な要素をミックスしながらね。」 とはいえ Mattias が情熱を注ぐスリーピースの調理場は、ただ難解で複雑な訳ではなく、むしろキャッチーでフックに満ち溢れた色とりどりのスペシャリテを提供して来ました。”Pop From Hell” とも評された、甘やかでインテリジェント、Mattias の “歌心” を最大限に引き出した “Freak Kitchen” はまさにバンドのマイルストーンだったと言えますね。
ジャズからボサノバ、アバンギャルド、ブログにインド音楽と手を替え品を替えエクレクティックに食材を捌き続けるバンドは、そうして最新作 “Confusion to the Enemy” でさらなる未踏の領域へと到達したように思えます。
「AC/DC は僕がいつも帰り着く場所なんだよ。Angus にただ夢中だし、Phil Rudd の熱狂的なファンでもあるんだ。」 近年、AC/DC のやり方に再びインスパイアされたことを明かす Mattias。その言葉を裏付けるかのように、作品には以前よりシンプルでスペースを活用した、ヴィンテージロックやブルースのエネルギッシュな息吹が渦巻いているのです。
例えば “Good Morning Little Schoolgirl” をイメージさせるブルースパワーにアンビエントな風を吹き込んだ “The Era of Anxiety”、スウェーデン語で歌われる “Så kan det gå när inte haspen är på” のシンプルな突進力とスライドギターのスキャット、さらにトラディショナルなブルースのクリシェをベースとしながら、愛車のボルボをパーカッションに EXTREME の “Cupid’s Dead” の要領で問答無用にリフアタックを繰り広げる “Auto” の音景は明らかに魅力的な新機軸でしょう。
もちろん、KINGS X を思わせるダークなオープナー “Morons” から胸を締め付ける雄大なバラード “By The Weeping Willow” まで、クラッシックでヴィンテージなサウンドを背景に Mattias らしいルナティックなギタープレイと甘く切ないメロディーのデコレーションを疎かにすることはありません。
圧巻はタイトルトラック “Confusion to the Enemy” でしょう。バンド史上トップ5に入ると語る楽曲は、アルバムに存在する光と闇を体現した究極なまでにダイナミックなプログレッシブ絵巻。MESHUGGAH を想起させる獰猛なポリリズムと空間を揺蕩うアンビエンス、さらにFKらしいイヤーキャンディーが交互に顔を覗かせる未曾有のサウンドスケープは、バンドが辿り着いた進化の証。
時という “敵” であり唯一の資産を失う前に成し遂げた記念碑的な快作は、そうして “We Will Not Stand Down” で緩やかにエモーショナルにその幕を閉じるのです。
今回弊誌では Mattias IA Eklundh に2度目のインタビューを行なうことが出来ました。「ゼロから何かを生み出す作業は、未だに究極の興奮を運んでくれるんだ。ただのルーティンの練習はそうではないよね。」 どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JONAS REINGOLD OF THE SEA WITHIN !!
New Art Rock Collective, The Sea Within Goes To Fantastic Maiden Voyage, With Flexible And Diverse Debut Record “The Sea Within” !!
DISC REVIEW “THE SEA WITHIN”
キャプテン Roine Stolt のプログレッシブな航海はスーパーグループ THE SEA WITHIN と共に新たなアドベンチャーを創成します。荒波や暴風にも屈しない最上級の乗組員を揃えたフラッグシップは、フレキシブルな風を受け未踏の音景へと舵を切るのです。
実際、伝説のプログ船長 Roine のもとへと集結したのはマスタークラスの名だたる船乗りばかり。THE FLOWER KINGS で補佐官を務めるシーンきってのベースヒーロー Jonas Reingold。その TFK にもかつて在籍したプログメタルの至宝、PAIN OF SALVATION のマスターマインド Daniel Gildenlöw。RENAISSANCE, YES の寵児、キーボーディスト Tom Brislin。さらに Steven Wilson, THE ARISTOCRATS などで知られるトップドラマー Marco Minnemann を招聘したキャプテンは、盤石の布陣にもかかわらずゲストのスカウトにも余念がありませんでした。
Jonas のインタビューにもある通り、 レコーディングのみの参加となる Daniel の影武者には FLYING COLORS の Casey McPherson を配置。加えて YES の Jon Anderson、DREAM THEATER の Jordan Rudess、Steve Hackett Band の Rob Townsend までをも乗船させた まさに “All-Aboard” なラインナップは、出航と同時に世界中のプログファンからヨーソローな期待と注目を集めたのです。
ボーナストラックまで含めると77分にも及ぶ長駆の処女航海 “The Sea Within” はそしてその遥かなる熱量に充分応えた雄飛なる冒険となりました。一つキーワードとして挙げるべきは “フレキシブル” というアイデアなのかも知れませんね。
事実、この豪華な母船の船員に選ばれたのは全てがユーティリティーなプレイヤーだったのですから。「このバンドのメンバーは全員が歌えるし、複数の楽器をこなすことが出来るんだ。」インタビューで語ってくれた通り、ボーカル、ギター、キーボードをこなす船長 Roine を筆頭にフレキシブルな才能を誇るバンドの航路は、全員がコンポーザーという奇跡まで備えながら鮮やかな多様性に満ちています。中でもドラマー Marco Minnemann のパーカッションはもちろん、ギター、ボーカルまでこなすマルチな才能はこの偉大な航海の大きな推進力となっていますね。
THE FLOWER KINGS とは異なる進路を目指すというキャプテン Stolt の野望は、オープナー “Ashes of Dawn” を聴けば伝わるでしょう。アルバムで最もダーク&ヘヴィー、Roine と Daniel の歌声導く苦悩とアグレッションが印象的な楽曲は、世界経済のカオスをテーマに据えています。
故に、Roine と Jonas が TFK のファンタジックな殻を破り、深海のアビスをリアルに映し出すかのようなサウンドを選択したことも驚きではないでしょう。KING CRIMSON の “Red” にもシンクロするこのインテリジェントな音の幽暗は、Tom のサクスフォンを得てより深部までその混沌を浸透させるのです。
その Tom がイニシアチブを取った物憂げでコーラスも鮮やかなクラッシックアート “They Know My Name”、KARMAKANIC を想起させる Jonas の幻想的でシネマティックな作曲術が Daniel の PAIN OF SALVATION とは一味違うオーガニックな声色を引き出した “The Void”。そして辿り着く “An Eye for an Eye for an Eye” はアルバムのハイライトと言えるかも知れませんね。
ラインナップの中で最もロッカーの佇まいを備えた Marco が作曲を手がけたことにも頷ける、ファストでアグレッシブな楽曲は THIN LIZZY とプログがモダンな風を受けてハイブリッドを果たしたようなユニークでしかしフックに満ちたキラーチューン。潮目の変化はフォービートとジャズロックの海風を運び華麗なソロワークが美しく華を添える中、楽曲は再びメロディックなブリッジへと回帰しロックのエナジーを胸いっぱいに吸い込みながら大円団を迎えるのです。
そうしてその多様性の濁流は、5人の主要メンバーが共作した “Goodbye” へと流れ込んでいきます。そこはポップとエモーションが乱れ咲く桃源郷。アルバムには確かにキャッチーという名の子午線が貫かれていますが、7/8拍子のファンキーなリズムを起点に光の放射を放つ素晴らしくリリカルな楽曲は飛び抜けてプログポップの期待感に満ち溢れているのです。
Jon Anderson も参加してオールスターキャストで贈る14分のプログ劇場 “Broken Cord”。キャプテン Stolt は “Sgt. Pepper” から YES までプログロックのイデアを体現したエピックを THE FLOWER KINGS のファンへとしっかり捧げてその旅路を終えるのです。
今回弊誌では、ベースヒーロー Jonas Reingold にインタビューを行うことが出来ました。プログ、ポップ、ジャズ、アートロック、クラッシックロック、そしてシネマティックな離島を繋ぐフレキシブルで魅惑的な航海。エースを揃えた SONS OF APOLLO が正統的なスーパーグループなら、ユーティリティーの極み THE SEA WITHIN もまた異なるスーパーグループのあり方でしょう。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ROBERT SÄLL OF W.E.T. !!
Melodic Hard Super-Stars, W.E.T. Has Just Released Definitely One Of The Best Record In The Genre “Earthrage” !! Are You Ready For “Burn” And “Watch Their Fire” ?
DISC REVIEW “EARTHRAGE”
WORK OF ART, ECLIPSE, TALISMAN。メロディックハードの幾星霜に足跡を刻んだ三雄を頭文字に戴くスーパーグループ W.E.T. が、捲土重来を期すジャンルの王政復古 “Earthrage” をリリースしました!!瑞々しいアリーナロックの雄々しき鼓動は、地平の年輪に印されしかつての栄光を確かに呼び覚まします。
WORK OF ART と ECLIPSE。2000年代以降、メロディックハード希望の星は明らかにこの両雄でした。片や洗練の極みを尽くす AOR、片や情熱と澄明のハードロック。
しかしインタビューで語ったように、スウェーデンの同じ学校から輩出された2つの綺羅星 “W” の象徴 Robert Säll と “E” の象徴 Erik Mårtensson は、至上のメロディーを宿すシンクロニティー、宿命の双子星だったのです。実際、2人の邂逅は、AOR とハードロックの清新なる渾融を導き、ジャンルのレジェンド Jeff Scott Soto の熱情を伴って唯一無二の W.E.T. カラーを抽出することとなりました。
故に Robert の 「最初の2枚では、僕と Erik がかなりコラボレートして楽曲を書いていたんだ。だけど、今回の作品のソングライティングに僕は全く関わらなかったんだよ。」という発言はある意味大きな驚きでした。
それは何より、”Earthrage” が疑いようもなくバンドの最高傑作となり得たのは、前作 “Rise Up” で顕著であった硬質なサウンド、メタルへの接近をリセットし、Robert の得意とする80年代初頭のオーガニックなメロディックロックを指標したからに他ならないと感じていたからです。
つまり、「”Earthrage” を制作する際に Erik と話し合ってあのオーガニックなスタイルを取り戻すべきだと感じた訳さ。」と語るように、もちろん Robert から方向性についてのサジェスチョンはあったにせよ、”Earthrage” における奇跡にも思える有機的な旋律の蒸留、ハーモニーの醸造、ダイナミズムの精錬には改めて責任を一手に負った Erik Mårtensson というコンポーザーの開花と成熟を感じざるを得ませんね。
予兆は充分にありました。ECLIPSE のみならず、NORDIC UNION, AMMUNITION 等、歴戦の猛者達との凌ぎ合いは、明らかに Erik の持つ作曲術の幅を押し広げ、効果的で印象に残るコーラスパートの建築法を実戦の中で磨き上げて行ったのですから。
アルバムオープナー、”Watch The Fire” はまさに Erik とバンドが到達した新たな高みの炎。冒頭に炸裂する生の質感を帯びた強固なリズムと、期待感に満ちたギターリフはまさしく ECLIPSE 人脈から Magnus Henriksson & Robban Bäck 参加の功名。凛として行軍するヴァースでは Jeff と Erik がボーカルを分け合い、さながら DEEP PUPLE の如き伝統のインテンスを見せつけます。
コーラスパートは巨大なフックを宿す獣。トップフォームの Jeff は、久方振りに発揮する本領で徹頭徹尾リスナーのシンガロングを誘うのです。そしてパズルのラストピースは、Desmond Child 譲りのアンセミックなチャントでした。
BOSTON の奥深き音響に Robert のキーボードが映える “Kings on Thunder Road”、MR. BIG の “Nothing But Love” を彷彿とさせるストリングスの魔法 “Elegantly Wasted” を経て辿り着く “Urgent” はアルバムを象徴する楽曲かも知れませんね。
同タイトルのヒットソングを持つ FOREIGNER の哀愁とメジャー感を、コンテンポラリーなサウンドと切れ味で現代へと昇華した楽曲は、あまりに扇情的。
畳み掛けるように SURVIVOR の理想と美学を胸いっぱいに吸い込んだ “Dangerous” で、リスナーの感情は須らく解放され絶対的なカタルシスへと到達するはずです。
そうして一部の隙も無駄もないメロディックハードの殿堂は、”決して終わらない、引き返せない” 夢の続き “The Never-Ending Retraceable Dream” でその幕を閉じました。楽曲のムードが Jeff にとって “引き返せない” 夢である JOURNEY を想起させるのは偶然でしょうか、意図的でしょうか?
今回弊誌では、WORK OF ART でも活躍する稀代のコンポーザー Robert Säll にインタビューを行うことが出来ました。想像以上に明け透けな発言は、しかしだからこそ興味深い取材となっているはずです。「メロディックハードロックがまたチャートの頂点に戻れるとは思えないね。そして僕はそれで構わないと思っているんだよ。」どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DANIEL HÅKANSSON OF DIABLO SWING ORCHESTRA !!
Hybrid Of Old–style Swing jazz, Classial, and metal. Sweden Based Incredible Octet Diablo Swing Orchestra Has Released More Unique, Unexpected But Ultra-catchy Masterpiece “Pacifisticuffs” !!
Legendary Swedish Progressive Rockers, Kaipa Will Bring Ethereal Melody, Great Interplay, And Beautiful Inspiration With Their New Record “Children Of The Sounds” !!
DISC REVIEW “CHILDREN OF THE SOUNDS”
スウェーデンプログレッシブシーンの開祖にしてイニシエーター、70年代から活躍を続ける芳醇なるメロディーの宝庫 KAIPA が最新作 “Children of the Sounds” を9/22にリリースします!!煌びやかでシンフォニック、その絶佳なる美しきサウンドスケープは、レトロとコンテンポラリーの華麗なる融合を誘ってベテランの底知れぬ創造性を誇示していますね。
トラッドとクラシカルを軸に、情感豊かでキャッチーなプログレッシブロックを聴かせた70年代~80年代前半。Hans Lundin と Roine Stolt、巨匠2人のマジカルなインタープレイとバンドの巧みなアンサンブルは世界中を魅了し、故に82年の活動休止は実に惜しまれた出来事でした。
バンドに新たな生命が灯ったのは休止から20年の月日を経た2002年。Hans と Roine を首謀者として、 Morgan Ågren (MATS/MORGAN BAND), Jonas Reingold (THE FLOWER KINGS), Aleena Gibson, Patrik Lundström (RITUAL)という超一流の実力者を揃えたラインナップで復活を遂げた KAIPA は、2005年の Roine 脱退以降も新たにマエストロ Per Nilsson (SCAR SYMMETRY) を加えてコンスタントに良作を発表し続けているのです。
「僕たちは “サウンドの子供たち” であるという想像に至ったんだ。人生で経験して来た音楽を集めて新たな創造をもたらし、フレッシュな音楽を描くというね。」 と語るように、”Children of the Sounds” は、KAIPA のマスターマインド Hans Lundin の潜在意識へと集積された “音楽の種子” が芽吹き、全5曲58分の壮大なるエピックへと成長を遂げた登熟の一枚だと言えるでしょう。
アルバムオープナー、12分のタイトルトラック “Children of the Sounds” はまさにその Hans の哲学を完璧に反映した楽曲です。「僕はいつも、潜在意識のどこかに隠れている偉大で忘れ難いメロディーを出発点として見つけようとするんだよ。僕はそれを良くボーカルメロディーやメインテーマにしたりするんだ。」 という証言は非常に音楽的でインテリジェンスな彼のやり方を裏付けます。
クラッシックやジャズ、ミュージカルで良く使用されるこの “テーマを膨らませる” 手法は、例えばプログメタルに有りがちな様々な異なるパートを複雑に繋いで行く煩雑な手法よりも、楽曲の主題をリスナーに印象づけるという点において非常に有効です。そして 「僕はメインテーマに様々なバリエーションを持たせる技法を良く使用するよ。時には拍子を変えて、時には同じコードで新たに楽器でメロディーを書いたり、時には主題の断片を含ませたり、時にはコードのベースノートだけを変えて少し変わったフィーリングを出すこともあるね。」 と Hans が語る通り、”Children of the Sounds” におけるテーマの膨らませ方は本当に見事の一言ですね。
“ドーシーラーソラー” というシンプルにして心に染み入るメロディーは、Aleena のエモーショナルな女声を発端に、テンポ、拍子、コード、キー、メジャー/マイナーなどを入れ替えながら、万華鏡のようにその姿を変え躍動し、楽曲に無上の彩と強烈な印象を加えていくのです。
再結成以降、ライブは一切行わず、レコーディングも Hans の制作したデモから全てをファイルシェアで行っている KAIPA。とはいえ、「他のメンバーとはもう長年一緒にやって来ているから、デモを作っている間にも彼らの存在を感じることが出来るし、彼らが実際にプレイした最終形も想像することが出来るんだ。」 と語ってくれた通り、Per のメロディックでしかしコンテンポラリーなスマートかつソニカルなギタープレイ、Aleena と Patrick のジャニスとフレディー・マーキュリーを思わせるエモーショナルでコントラストを育むデュエット、Jonas と Morgan の繊細かつダイナミックなリズムワーク、そして Hans のノスタルジックで温かみのあるシンセサウンドは全てが適材適所。美麗なるヴァイオリンや笛の音色まで全てが Hans のデザインを巧みにグレードアップさせ、アートワークにも反映されたファンタジックで、自然に対するスピリチュアルなインスピレーションを見事具現化しているのです。
17分に及ぶ一大エピック、時にソフトに時にエッジーに、70年代のスピリットとモダンなプロダクションで木々や鳥たち、自然にフォーカスした “On The Edge of New Horizon” は Hans だけでなく、まさにバンド KAIPA としてのゴールが達成された瞬間なのかも知れませんね。
今回弊誌では Hans Lundin にインタビューを行うことが出来ました。音楽は音学でもあります。学問は一時の思いつきでは決してなく、太古から積み重ねられてきた知識の集積です。そういった意味で Hans の言う “音楽のライブラリー” からの創造、そしてトラディショナルで正攻法な作曲の手法は実に理に叶っており、これからコンポーザーを志す人たちにとって最高の指南書になるのではないでしょうか。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BLACKWALD OF TWILIGHT FORCE !!
Adventure Metal Heroes From Twilight Kingdom Have Now Risen! Twilight Force And Their Newest Record “Heroes Of Mighty Magic” Will Conquer The World !!
DISC REVIEW “HEROES OF MIGHTY MAGIC”
Twilight Kingdom から現れた、Adventure Metal の使者 TWILIGHT FORCE が待望の2ndアルバム “Heroes of Mighty Magic” をリリースしました!!ここ日本でも、その独特でヒロイックなパフォーマンス、コスチュームが話題となっているバンドですが、音楽的にも格段に進化を遂げた作品は、彼らの地位を確固たるものにするでしょう。
インタビューでは、頑なにメンバー、いや6人のヒーローたちは Twilight Kingdom から現れたと語っていますが、後半では Falun がホームタウンだと口を滑らせていますので、おそらくはスウェーデンに Twilight Kingdom への扉が存在するのでしょう。とにかく、TWILIGHT FORCE は OPETH や IN FLAMES を輩出したメタルキングダム、スウェーデンが生んだ新たな才能です。最近では SABATON が自らのフェスを主催するほどの人気ですが、TWILIGHT FORCE は公私共に同郷である SABATON の兄弟分的な存在でもありますね。
映画 “The Lord of the Rings” から抜け出してきたかのような出で立ちの6人のヒーローは、実際 Power Metal というジャンルを救う救世主なのかも知れません。BLIND GUARDIAN, SONATA ARCTICA, RHAPSODY といったバンドが全盛だった2000年あたりをピークに、このジャンルに対する注目度は減退し続けて来たように思います。そこには、ある意味、型に拘る様式美の限界が存在したのかも知れませんね。
TWILIGHT FORCE の “Adventure Metal” はしかし、インタビューにもあるように、その停滞を打ち破る 「Power Metal の最も洗練された強烈な表現法であり、進化の頂点」 だと言えます。確かにデビュー作 “Tales of Ancient Prophecies” にはキラリと光る才能の片鱗こそ多分に散りばめられてはいましたが、サウンドやコンポジションにまだまだ垢抜けない部分も少なからず存在していました。しかし、Nuclear Blast というビッグディールを得て臨んだ長尺コンセプトアルバム “Heroes of Mighty Magic” にはまさに Blackwald の言葉を具現化した、極上のエピックワールドが広がっているのです。
進化の頂点たる所以は、Blackwald が語るように、その作曲方法にあるのかも知れません。ピアノから取り掛かり、ほぼ完成形まで進めてから他の楽器を導入するという彼らのやり方は、このジャンルにおいては非常に珍しいように思います。しかし、確かに旋律、ハーモニー、リズムを同時に考慮可能なピアノは、一元的なギターやドラムスから始めるよりも豊かな可能性が存在するようにも思えますね。
そしてその手法から生み出された、時にプログレッシブとも言えるほど非常に緻密で複雑なコンポジションは、格段に進歩したサウンドプロダクションの下、洗練されたオーケストレーション、勇壮でファンタジックなメロディー/クワイア、モダンなテクニックを内包することとなりました。その一方で、Power Metal の鋳型的な部分、特にクラシカルな要素を減退させ、代わりにフォークメタルのエッセンスを吸収することで、見事に映画やロールプレイングゲームのサウンドトラックに接近した独自の斬新なる Power Metal Symphony を完成させたのです。
勿論、アルバムはオープナー “Battle of Arcane Might” から疾走感とカタルシス、そしてシンガロングを誘発する魅惑の旋律を70分に渡って欠かすことはありません。ただ、ANGRA の Fabio Lione が参加した “There and Back Again”, SABATON の Joakim Broden が参加したタイトルトラック “Heroes of Mighty Magic” は共に10分に迫るドラマティックな1大エピックで、この2曲の構成力、スケール感こそ、まさにアルバムを象徴する楽曲と言えるのではないでしょうか。
今回、Blackwald が “人生を変えた5枚のアルバム”のトップに挙げている作品が BLIND GUARDIAN の “Nightfall in Middle-Earth” なのですが、実は完成した “Heroes of Mighty Magic” を初めて聴いた時、Blackwald は “Nightfall in Middle-Earth” を初めて聴いた時と似た感覚を覚えたそうです。
“Nightfall in Middle-Earth” も “The Lord of the Rings” の作者、トールキンの小説を下にしたファンタジックでエピックな長尺コンセプトアルバム。BLIND GUARDIAN が1998年に提示したのは、非常に緻密かつシネマティックな Power Metal を超えた異形の傑作でしたが、TWILIGHT FORCE は “Power Metal の守護者” の意思をしっかりと受け継ぎながら、現代的にアップデートした作品を閃かし、シーンに投げかけたようにも感じられました。
今回弊誌では、キーボード、ヴァイオリン、チェンバロを担当し、作曲、アレンジの中心でもある Blackwald にインタビューを行うことが出来ました。ぜひライブパフォーマンスの動画もチェックしていただきたいバンドです。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LARS JOHANSSON & MATS LEVEN !!
Swedish Epic Doom Legend, CANDLEMASS Set To Release Amazing New EP “Death Thy Lover” On 6/3!! It Celebrates Their Three Decades Musical Odyssey…And Maybe Opens The New Chapter Of CANDLEMASS ?!
DISC REVIEW “DEATH THY LOVER”
北欧エピックドゥームの巨人、CANDLEMASS が Loud Park 2016 で遂に初来日を果たします!!
唯一無二のボーカル Messiah Marcolin を擁し、哀愁漂う北欧の叙情性とドゥームを見事にミックスさせた、彼らの金字塔にしてシーンのマイルストーン、”Nightfall”, “Ancient Dreams”, “Tales of Creation” から、SOLITUDE AETURNUS の実力派 Robert Lowe を起用した近年の強力な正統派路線まで、CANDLEMASS は常にシーンの先頭に立ち、独自の存在感を発揮し続けて来ましたね。
2012年にリリースされた “Psalm For The Dead” は彼らの最後のアルバムとして制作されましたが、後に、バンドのベーシストでソングライター、絶対的リーダーの Leif Edling が 「歳をとりすぎて、不完全な作品しか作れなくなるまでは止めない」 と発言し、CANDLEMASS は存続するかのようにも思われました。ところが思わぬ不幸がバンドに降りかかります。
Lowe が脱退するも、Yngwie Malmsteen, THERION などで勇名を馳せ、”King of the Grey Islands” のデモで歌うなどバンドとも長年関わってきた Mats Leven の加入でラインナップはより強化されていた矢先、残念ながら、Leif が2014年に慢性疲労症候群という難病を発病、ライブに帯同出来なくなってしまったのです。バンドは現在、ENTOMBED に所属していた Jorgen Sandstrom や ex-OPETH の Per Wiberg (以前のインタビューで触れた通り、彼はベーシストでもある) をサポートベーシストに起用してライブを行っています。
ライブでプレイ出来ないとは言え、Leif の創作意欲は衰えることを知りません。CANDLEMASS の誕生を高らかに告げたデビュー作、”Epicus Doomicus Metallicus” の30周年を記念する新作 EP “Death Thy Lover” が遂にファンの元へと届けられました。
全4曲、26分の作品は、勿論、ドゥーミーなリフワーク、扇情的なギターソロ、テンポチェンジによる緩急など、CANDLEMASS のクラッシックなトレードマークが存分に詰まっています。しかし、同時に以前の CANDLEMASS とは異なる”キャッチーさ”というフレッシュな要素、そして薄れつつあった “Epicus” の復活を強く感じられる、魅力的なレコードに仕上がりました。
アルバムオープナー、”Death Thy Lover” を聴けば、Lars のリードプレイが現在の CANDLEMASS を牽引していることに気づくでしょう。メタルシーンでも、最も過小評価されている優れたアックスマンは、時にアグレッシブ、時にエモーショナルに楽曲を彩ります。巧みなベンディング、ワウの使用、豊かなフレーズのバリエーションで組み立てられたソロパートは、まるで起承転結のお手本のようですね。
さらに、新加入 Mats Leven の見事な歌唱、そしてポップとさえ言えるキャッチーなボーカルラインは、CANDLEMASS に新しい風を吹き込んでいます。やはりこの人の才能は本物。この楽曲のメロディーラインを聴けば、Yngwie の “Facing The Animal” が誰のおかげで傑作となり得たのか明らかですね。
タイトルトラックがキャッチーさの象徴だとすれば、 “Sinister n’ Sweet” はエピカルなドゥームメタルへの帰還を伝えています。極上のボーカルとアルペジオを軸とした冒頭のメランコリックなクリーンパートと、ドゥーミーなリフワークの対比は、シネマティックとさえ言えるほどで、 CANDLEMASS の新章開幕を告げていますね。
実は最も今までの CANDLEMASS らしいインストゥルメンタル曲 “The Goose” で幕を閉じるまで、この短くも印象深い作品は、リスナーに濃密な “Epicus Doomicus Metallicus” を提供し続けるに違いありません。
今回弊誌では、長年 CANDLEMASS を支え続けて来たリードギタリスト Lars Johansson、そして遂に正式メンバーとなった Mats Leven にインタビューを行うことが出来ました!これだけのものを提示されると、どうしても続きが聴きたくなりますね。さて CANDLEMASS に”次”はあるのでしょうか??どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Pär Sundström OF SABATON !!
“Veni, Vidi, Vici”!! SABATON has just conquered Japan at LOUD PARK 2015!! Definitely, best act of the festival, Pär Sundström of SABATON talks about Japan, past, and future of the band!!
SET LIST
1. Ghost Division
2. To Hell And Back
3. Carolus Rex
4. Swedish Pagans
5. Resist and Bite
6. The Art of War
7. Night Witches
8. Primo Victoria
9. Metal Crue
【INTERVIEW WITH Pär Sundström】
Q1: Hi, Par! Thanks a lot for giving us this great opportunity!! Sabaton really knocked us out at Loud Park 2015!! Lots of Japanese Metal fans choose you as best act of Loud Park. Please let me know your impression about Japan, Japanese Metal fans, and Loud Park.
【 Pär 】: We are very impressed by all of Japan. Of course the fans who are very loyal but also we are impressed by Japan as a country. We had a fantastic time even if the jetlag made sure we slept early in the evenings and sadly missed all of Tokyos nightlife. Next time!
Q1: SABATON は LOUD PARK 2015のまさに台風の目でしたね!多くの日本のメタルファンが SABATON をベストアクトに選んでいました。まずは感想を聞かせてください。
Q2: The tank was on stage!! Tank!! We couldn’t believe that. haha. Joakim’s vest, What a nice !! All members wore same military pants. These army like stage effects reminds us WWⅠ, WWⅡ. What made you so? And what is past world war to you?
【 Pär 】: Actually we sing about history. And to fit into our own theme a bit more we take some theatrer effects onto the stage. It becomes more intense and exciting to have the stage a part of the show.
Of course Sabaton does not need to hide behind tanks and stagesets but its a nice addon to a show.
Q3: This is first interveiw with you, so could you tell us about the band? How did Sabaton start? And what’s the meaning of your band name Sabaton?
【 Pär 】: Well, its a long story. Lots of people in Japan I guess have recently discovered Sabaton and thinks its a new band. But we have been going on for 16 years and today the band is headlining some of the biggest festivals in Europe and has several gold and platinum awards for sales.
The band was formed in 1999 in Falun, Sweden. Since we signed to a small local label the first 10 years we had to do all ourselves. This has led to that we are now a well functioning band that does not even need a management on this level. We are self managed. Even though the original lineup was intact for 13 years we had finally a break in the band in 2012. Since some of us wanted to work even harder and some wanted to step down a bit.
Sabaton is a very hard touring band. I have been on the road for 300 days in 12 months.
Q4: So, your latest release “Heroes” is definitely your masterpiece. Especially, I was really impressed by “Inmate 4859” That is the song about Witold Pilecki, hero of Poland. Also from the title of the album, I felt you focused on kind of “Heroism” at the “Heroes”. How about that?
【 Pär 】: We focused the album on people who went beyond the call of duty and did something that put them into great harms way to make it short and simple. It was a perfect theme for Sabaton we thought.
The song Inmate 4859 was actually the first story we started with, it became the leading star when writing the album.
Q5: “Ballad of the Bull” is really beautiful and emotional song. I really love the song because it shows your melodic aspect deeply. But lot’s of fans surprised at your ballad. What made you record this kind of song?
【 Pär 】: Sabatons music is very wide spread. There are trashmetal songs, ballads and all kinds of technical stuff. So for us we are not bound to any limitations when writing a song. This song we had no idea on how to proceed when we first wrote it so we took help of some old friends who had the whole idea of the arrangement.
Q5: 対して “BALLAD OF THE BULL” は非常に美しくエモーショナルなバラードですね。あなた達のメロディックな側面を深く表したような楽曲です。ただ、ファンはこういった楽曲に驚いたでしょうね?
Q6: At 2012, four original members left the band. And “Heroes” is the first album with new lineup. What’s the difference between these two lineups?
【 Pär 】: Indeed. After 13 years with original lineup 4 bandmembers decided to quit. I simply said we have to tour more and work harder. And some were not willing to do that due to different reasons which I totally understand and support. No hard feelings but me and Joakim went on with Sabaton and they formed Civil War which is their band today.
Q7: Anyway, “Primo Victoria” was played at Loudpark, off course. Melody and lyric of the song is loved much by your fans and it’s like Anthem of Sabaton. Looking back now, what’s “Primo Victoria” to you?
【 Pär 】: Primo Victoria means the first victory and I guess it sums up what it means. The song gave us our first real record deal and thats where it all began!
We are looking forward to Come back to Japan!! Sorry it took 16 years for us to come. We promise we come back quicker next time!
Actually the show at Loud Park was over our expectations and I am already looking into ways to coming back soon!!
日本に戻るのが待ち切れないんだ!!初来日に16年もかかってしまってゴメンね。次はもっと早く戻ると約束するよ!実際、LOUD PARK のショーは全くもって期待以上だったし、すでに僕は早く日本へ戻れるように交渉を初め始めているんだよ!!