NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WHEEL : RESIDENT HUMAN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SANTEI SAKSALA OF WHEEL !!

“Tool Is One Of The Greatest Bands Of All Times And Being Compared To Them Doesn’t Feel Bad At All. Being Their Successor Or Not, That Is For The People To Decide, We Will Just Keep Making Music!”

DISC REVIEW “RESIDENT HUMAN”

「WHEEL (車輪) という言葉が僕たちのアート制作のイデオロギー全体を表しているように感じたんだよね。それは、継続的でありながら、常に過去だけでなく未来にも目を向けているという意味でね。音楽においても、人生全般においても、新しい領域やアイデアを探求するムーブメントの象徴だからね。頻繁に出発点に戻ってくるけど、それでも僕たちは常に前に進んでいる」
技術の進歩により、音楽はお手軽に作られ、お手軽に聴かれる時代になりました。制作にもリスニングにも異様な労力を消費するプログレッシブ・ミュージックは、いまや風前の灯火です。
かつて世界を作ったプログ・ロックの巨人たちは次々に鬼籍へと入り、労力以上の見返りなど得られるはずもない現状に新規参入者、新たなリリースは目に見えて減っています。そんな中、フィンランドの4人組 WHEEL には、”車輪の再発明” を通してエンジンを生み出すほどに前向きなエナジーと才能が備わっているようです。
「北欧のプログ・メタルと僕たちに共通しているのは、新しい領域を開拓し、自らの道を見つけようとする意欲があるところだと思う。だから当然だけど、WHEEL にとってインスピレーションの源となっているよ。例え、直接的な影響を受けたわけではないとしてもね。OPETH は独自の道を歩み、期待に屈しないことで音楽的な強さを見出した素晴らしいお手本だよ」
メロデスやヴァイキング・メタルが深く根差した北欧にも、OPETH, PAIN OF SALVATION, SOEN といったプログメタルの孤高は存在します。他とは違う道を歩む確固たる意志を胸に秘めつつ、やはりその背後には北欧の暗く美麗な空気を纏いながら。
TOOL の正当後継者と謳われる WHEEL にも、当然その血脈は受け継がれています。そうして彼らは、自らの “カレリアン・シチュー” に KARNIVOOL の知的なアトモスフィア、さらに青年期に影響を受けた SOUNDGARDEN や ALICE IN CHAINS の闇をふりかけ、コトコトと煮込んで熟成させたのです。
「僕たちは、作曲家として、ミュージシャンとして、そしてバンドとして、自分たちを成長させ続けたいと思っていたし、これまでにやったことのないことを今回もやりたかったんだ。”Moving Backwards” には満足しているけど、同じアルバムを繰り返し作ることはしたくなかったんだよ」
ただし、彼らは成功を収めたデビュー作 “Moving Backwards” の場所に留まり続けてはいません。WHEEL 2度目の旅路 “Resident Human” を聴けば、そのオーガニックで生々しいプロダクションに驚くはずです。そしてその変化は、そのまま Aki & Santeri が構築するリズムのパーカッシブな飛躍へと繋がりました。もちろん、その手法を取ることで彼らは、TOOL, RIVERSIDE, KATATONIA, DEAD SOUL TRIBE といった現代プログ変異種の影響を、より存分に咀嚼し、養分とすることが可能だったはずです。
さらに紐解けば、骨太でダイナミズムを重視したその音像は、RUSSIAN CIRCLES のようなポスト・メタルの鼓動ともシンクロし、奇しくも “プログ” “オルタナ” という同じ根を持つ DIZZY MIZZ LIZZY の最新作 “Alter Echo” の目指す先へと歩みを進めていきます。
「基本的には、何も声を上げないないのが最悪だと思っている。1枚のアルバムや1人のアーティストが、今の世界の仕組みを変えることはできないと思うけど、意見を発信するたびに少しは変化が生まれ、物事を良い方向に変えることができるはずだよ」
陰鬱な雰囲気が漂い、パーカッシブなエッジが際立ち、非常にシリアスなアルバムは、過去12カ月間に起こった出来事に大きな影響を受けています。パンデミック、BLM、気候変動。もう私たちは無関心な幸せのままではいられません。
“Resident Human” に収録されている7曲は、現代社会とそこに巣食う闇、分断に纏わる人の感情を的確に表現しています。”Dissipating” の怒りやフラストレーションも、”Hyperion” の親しみやすさも、”Old Earth” のメランコリーと後悔も。
今回弊誌では、ドラマーで中心人物 Santei Saksala にインタビューを行うことができました。「TOOL の後継者であるかどうか、それは人々が決めることで、僕たちはただ音楽を作り続けるだけだよ」 どうぞ!!

WHEEL “RESIDENT HUMAN” : 9.9/10

INTERVIEW WITH SANTEI SAKSALA

Q1: This is our first Interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, When you were growing up?

【SANTEI】: Hi there, this is Santeri, the drummer, answering the questions.
We are four guys and we all have our individual musical backgrounds but I guess we all like grungy riffs, odd meters and complex developments in songs. Wheel is all about playing the kind of music that we love and all our different influences are melting in the pot.
Personally, when I was growing up, Iron Maiden was the first and the most important band for me and I could say that it still is. From there I went to speed and death metal, listening to bands like Slayer and Obituary and after that the grunge bands hit me, the hardest hitters being Soundgarden and Alice In Chains. Throughout the years, I’ve been enjoying a lot of different kinds of music, from Type O Negative to Sting and from The Mars Volta to Depeche Mode.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【SANTEI】: やあ、ドラマーの Santeri が質問に答えるよ。
僕たちは4人組で、それぞれの音楽的背景を持っているんだけど、グランジ的なリフや変拍子、曲の複雑な展開が好きなのは共通していると思う。WHEEL は、自分たちが好きな音楽を演奏することが目的で、それぞれが影響を受けたものが溶け合っているんだよね。
個人的には、子供の頃に聴いた IRON MAIDEN が僕にとって最初で最も重要なバンドであり、今でもそうだと言えるね。そこから、SLAYER や OBITUARY のようなスピードメタルやデスメタルを聴くようになり、その後、SOUNDGARDEN や ALICE IN CHAINS のようなグランジ系のバンドに出会ったね。
それからも、TYPE O NEGATIVE から Sting、THE MARS VOLTA からDEPECHE MODE まで、さまざまな音楽を楽しんできたんだよ。

Q2: Why did you choose the band name Wheel?

【SANTEI】: First of all, we wanted to find a name with only one word. It was not a very easy task since most words have been used for band names already. Wheel was originally a song title but the word felt like it represented our whole ideology of making art. It’s a continuation but always looking to the future as well as to the past. A symbol of movement, exploring new territories and ideas, both in music and in life in general. Frequently coming back to the starting point but always moving forward.

Q2: なぜ WHEEL という名前を選んだのですか?

【SANTEI】: まず第一に、僕たちはたった一つの単語で成り立つ名前を探したんだ。ほとんどの言葉はすでにバンド名に使われているから、それは簡単なことではなかったよ。
WHEEL (車輪) はもともと曲のタイトルだったんだけど、この言葉が僕たちのアート制作のイデオロギー全体を表しているように感じたんだよね。それは、継続的でありながら、常に過去だけでなく未来にも目を向けているという意味でね。音楽においても、人生全般においても、新しい領域やアイデアを探求するムーブメントの象徴だからね。頻繁に出発点に戻ってくるけど、それでも僕たちは常に前に進んでいる。

Q3: Scandinavia is known for its melodic death metal, black metal and Viking metal, but why did you start playing alternative and progressive music in Finland?

【SANTEI】: We started the band to play the music that we love. We didn’t think about any commercial factors, we didn’t know if people would like the music or not, the main point was that we liked it ourselves. And that is actually the way we want to keep it. Keeping ourselves open minded and inspired to try new things, trying to create something that people have not heard before.

Q3: スカンジナビアは、メロディック・デスメタルやヴァイキング・メタルで有名ですよね。なぜ、フィンランドでオルタナティブとプログが交わるような音楽をはじめたのですか?

【SANTEI】: 僕たちは、自分たちの好きな音楽を演奏するためにバンドを始めたんだ。商業的な要素は一切考えていなかったし、人々がこの音楽を好きになるかどうかもわからなかった。そして、その動機は、僕たちがずっと維持したいものでもあるんだよね。
自分たちの心をオープンにして、新しいことに挑戦し、人々がこれまでに聞いたことのないものを作り出そうとしているんだよ。

Q4: Having said that, what do bands like Opeth, Pain of Salvation and Soen have in common with you? Are they influences for you?

【SANTEI】: I guess what we have in common is the willingness to explore new territories and to find our own paths. Naturally these bands have been inspiration sources to Wheel, if not straightforward influences. Showing examples of going their own way and finding their musical strength by not giving in to expectations. Opeth has gone through a few decades doing clearly what they want, changing their style whenever it has felt like the right move, but always sounding like themselves in the end.

Q4: それでも、北欧には OPETH や PAIN OF SALVATION, SOEN といった真にプログレッシブで挑戦的なバンドも存在していますね。
彼らはある程度、WHEEL のお手本になったのでしょうか?

【SANTEI】: 彼らと僕たちに共通しているのは、新しい領域を開拓し、自らの道を見つけようとする意欲があるところだと思う。だから当然だけど、君が挙げたバンドは WHEEL にとってインスピレーションの源となっているよ。例え、直接的な影響を受けたわけではないとしてもね。
OPETH は独自の道を歩み、期待に屈しないことで音楽的な強さを見出した素晴らしいお手本だよ。数十年に渡って自分たちのやりたいことを明確に実行し、正しいと思ったときにはスタイルを変えてきたよね。だけど、最終的には常に自分たちのサウンドを保っているんだから。

Q5: Wheel is really often compared to Tool, how do you feel about being called Tool’s rightful successor?

【SANTEI】: It is a great honour of course! Tool is one of the greatest bands of all times and being compared to them doesn’t feel bad at all. We are definitely not trying to copy them, or any other band for that matter, but I know we have a lot of similar elements in our music and I would be lying if I said that they are not an influence. Being their successor or not, that is for the people to decide, we will just keep making music!

Q5: WHEEL が最もよく比較されるのは TOOL でしょう。彼らの正当後継者という称号は嬉しいものですか?

【SANTEI】: もちろん、とても光栄なことだよ。TOOL は史上最も偉大なバンドのひとつで、彼らと比較されることはまったく悪いことではないからね。当然、彼らや他のバンドのコピーをしようとしているわけではないよ。でも、僕たちの音楽には似た要素がたくさんあるし、彼らの影響を受けていないと言えば嘘になる。
彼らの後継者であるかどうか、それは人々が決めることで、僕たちはただ音楽を作り続けるだけだよ。

Q6: Your debut album “Moving Backwards” shocked the world. Two years on, could you talk about what you wanted to achieve with “Resident Human” and where you wanted to go musically?

【SANTEI】: We wanted to continue to develop ourselves as composers, musicians and as a band and wanted to do stuff that we haven’t done before. We are still happy with “Moving Backwards” but we didn’t want to do the same album all over again. Regarding production, we tried a more human approach, more dynamic and “less produced”. For example, we didn’t use any samples for the drum sounds and we recorded most of the song “Hyperion” without using a click track, something we hadn’t tried before. But it felt like the right direction for these songs. I guess we will always try to go for something a bit different, something fresh, for each release.

Q6: あなたたちのデビュー作 “Moving Backwards” は世界に衝撃を与えましたね。あの成功から2年、あなたたちが “Resident Human” で成し遂げたかったこと、進みたかった方向について話していただけますか?

【SANTEI】: 僕たちは、作曲家として、ミュージシャンとして、そしてバンドとして、自分たちを成長させ続けたいと思っていたし、これまでにやったことのないことを今回もやりたかったんだ。”Moving Backwards” には満足しているけど、同じアルバムを繰り返し作ることはしたくなかったんだよ。
プロダクションに関しては、より人間的なアプローチ、よりダイナミックで “プロデュースされていない” ものを目指したんだ。例えば、ドラムの音にはサンプルを一切使わず、”Hyperion” ではそのほとんどをクリック・トラックを使わずに録音したんだよ。これまで試したことがなかったんだけどね。
でも、正しい方向性があると感じたよ。そうやって僕たちは、リリースのたびに、常に何か少し違ったもの、新鮮なものを目指していくんだと思う。

Q7: Last year was a year in which the problems of modern society were highlighted through pandemics and BLM. Your album seems to reflect these issues, but what can music do in an increasingly divided world?

【SANTEI】: Basically the worst thing is to say nothing. I don’t think a single album or a single artist can change the way the world works now, but every time an opinion is thrown out there, it makes a difference, it can change things for the better. Revolutions don’t need to happen overnight but to save this planet and the people on it, we need to take more responsibility.

Q7: 2020年は、パンデミックや BLM によって現代社会が抱える闇、分断が可視化された年だったように思います。
“Resident Human” ではまさにそういった問題を扱っていますが、世界のために音楽に出来ることはあるでしょうか?

【SANTEI】: 基本的には、何も声を上げないないのが最悪だと思っている。1枚のアルバムや1人のアーティストが、今の世界の仕組みを変えることはできないと思うけど、意見を発信するたびに少しは変化が生まれ、物事を良い方向に変えることができるはずだよ。
革命は一夜にして起こるものではない。この地球とそこに住む人々を救うために、僕たちはもっと責任を負う必要があるんだよ。

Q8: I think Wheel is often classified as a prog metal. But there is more to your music than just that. For example, is alternative metal or modern metal more comfortable for you guys?

【SANTEI】: Prog metal is accurate in a way because we have a lot of progressive elements in our music and we have a heavier sound than most classic prog bands. We are combining many different styles and classification is not so simple… but in the end genres are mainly just used for marketing purposes anyway, so it’s not hugely important to us. But yeah, prog metal is pretty good!

Q8: WHEEL がよく分類されるのがプログ・メタルですが、確実にあなたたちの音楽にはそれ以上のものが宿っていますよね。
例えば、オルタナティブ・メタルとか、モダン・メタルといった呼び名の方が快適なのではありませんか?

【SANTEI】: 僕たちの音楽にはプログレッシブな要素が多く含まれていて、他のクラシックなプログ・バンドよりもヘヴィーなサウンドを備えている。だから、プログ・メタルはある意味正確だと思う。
僕たちは様々なスタイルを組み合わせているから、分類はそれほど単純ではないんだよね…まあだけど、結局のところ、ジャンルはマーケティングのために使われるだけだから、僕たちにとってはそれほど重要ではないんだよ。でも、プログ・メタル、うん、とてもいいんじゃない?

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SANTEI’S LIFE

IRON MAIDEN “PIECE OF MIND”

The reason why I wanted to become a rock drummer in the first place

そもそもロックドラマーを志した理由

STONE “NO ANESTHESIA”

An album by a finnish speed metal band from 1989 that was the gateway for me to all kinds of more brutal stuff, speed, trash and death metal. A band that would have deserved much more recognition in my opinion.

1989年にフィンランドで結成されたスピード・メタル・バンドのアルバムで、スピード・メタル、スラッシュ・メタル、デスメタルなど、あらゆる種類のよりブルータルな音楽への入り口となった。僕の意見では、もっと評価されてもいいバンドだと思う。

TYPE O NEGATIVE “OCTOBER RUST”

This album had a huge impact on me, and changed my perceptions about different styles and sounds and compositions. Very unique piece of art. I also saw them live on this tour and the gig blew me away completely. Before that I was kind of used to the idea that most bands with any kind of punky or gothic elements are usually not very great when it comes to playing live …. but Type O was tight as hell, very powerful performance!

このアルバムは僕に大きな影響を与え、様々なスタイルやサウンド、構成に対する認識を変えてくれた。とてもユニークな作品だ。また、このツアーで彼らのライブを観たけど、完全に圧倒されたね。それまでは、パンクやゴシックの要素を持つバンドは、ライブになるとあまり良くないというイメージを持っていたんだけど….Type Oはものすごくタイトで、とてもパワフルなパフォーマンスだったな。

PAT METHENY “IMAGINARY DAY”

An album from 1998 by the great jazz guitarist that opened up new worlds for me really. I’ve been a huge Metheny fan ever since, and I really admire his ability to constantly find new ways to approach music.

1998年に発表された偉大なジャズギタリストのアルバムは、新しい世界をもたらしてくれた。それ以来、メセニーの大ファンになったよ。音楽への新しいアプローチ方法を常に見つけ出す彼の能力には本当に感心しているんだ。

TOOL “10,000 DAYS”

One of the great things about Tool is that they are never stuck in one place, all their albums are pretty different from each other and the fans have very differing opinions about which album is their best…. this one is my favorite!

TOOL の素晴らしいところは、ひとつの場所に留まることがないということ。彼らのアルバムはどれもかなり違っていて、ファンの間でもどのアルバムがベストかということについては意見が分かれているね…. このアルバムは僕のお気に入りさ。

MESSAGE FOR JAPAN

I have been to Tokyo a couple times with a band I played with before Wheel and I absolutely loved my time there. I am very much hoping that we could come and play some shows with Wheel in Japan as soon as it becomes possible.
Until then, take good care and keep it Wheel!
Arigato! Big hello and greetings from Finland!

東京には WHEEL の前にやっていたバンドで何度か行ったことがあるんだけど、とても楽しかったよ。日本での公演が可能になったら、ぜひこのバンドでツアーをしたいと思っているんだ。
それまで元気でいてね!WHEEL をよろしく!

SANTEI SAKSALA

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