EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GREDIN OF Hypno5e !!
Intelligence meets Aggression!! French “Cinematic Metal” outfit, Hypno5e has just released great conceptual album “Shores of the Abstract Line” !!
DISC REVIEW: “SHORES OF THE ABSTRACT LINE”
フランスのモダンプログバンド Hypno5e が長編映画のような素晴らしい大作 “Shores of the Abstract Line” をリリースしました!!自ら “Cinematic Metal” と称する彼らの新作は、人間の心と記憶をテーマとし、それを”島”に投影した一大絵巻です。
静と動、プログレッシブとアトモスフェリックを正弦波のように巧みに使い分ける彼らの音楽は BETWEEN THE BURIED AND ME に例えられることも多いようです。ただ、BTBAM が派手で煌びやかなUS産ハリウッド映画だとしたら、Hypno5e は独特な雰囲気、テンポ、感情表現を持つフランス映画であり、確実に一線を画する部分が存在しますね。
“Shores of the Abstract Line” は East, West, Central, North, South という5つの”Shore”で構成されています。”島”内のその5つの記憶の”海岸”は小道で繋がっており、リスナーはアルバムを通して島を彷徨うことになります。まず驚かされるのは作品を構成する言語です。アルバムの第1、第2パートである “East Shore” “West Shore” で使用されたのは彼らの母国語であるフランス語。加えて次の Central, “Tio” にはスペイン語が使用されているのです。この試みが実に効果的。勿論聴くだけでその意味は分かりませんが、言葉に込められた感情、そして死、憂鬱、孤独といったテーマは、恐らくただ英語で歌われるよりも、より強く伝わって来ます。
また作品を通して、アコースティックギターやキーボードが実に巧みに配置されており、そこから伝わる哀愁や切なさといった情感と、MESHUGGAH や BTBAM を想起させるモダンなヘヴィーでプログレッシブなリフが生み出すアグレッションとの対比がアルバムを特別なものにしていますね。モダンという意味では、アグレッションの中に、彼が影響を受けたアルバムにも挙げている THE DILLINGER ESCAPE PLAN のようなマスメタル的スリルをも実は内包していると思います。
Hypno5e、そして “Shores of the Abstract Line” を語る時、象徴的なのが “Tio” という楽曲の存在だと思います。メタルからかけ離れ、南米の民族音楽のような美しくも激しく哀愁を発する “Tio” は、アルバム、コンセプトの中心に据えられ重要な役割を担います。Emmanuel の独特なボーカルが非常にマッチしていますね。インタビューでも語っている通り、ジャンルに関係なく自らが良いと信じた音楽を貫く姿勢が彼らのアイデンティティー。そしてこの非メタルな “Tio” をアルバムの根幹に据えたことこそ、彼らの強いメッセージだと感じましたね。
今回弊誌では、バンドのベーシスト Gredin Le Fourbe にインタビューを行うことが出来ました。作品同様、インテリジェンスに満ちた回答をいただきましたよ。
HYPNO5E “SHORES OF THE ABSTRACT LINE” : 9.8/10
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