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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KXM : SCATTERBRAIN】GEORGE LYNCH SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH OF KXM !!

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On “Scatterbrain”, Tight And Energetic Performance Of KXM’s Three Giants Will Tell You What The Musicianship, Creativity Is !!

DISC REVIEW “SCATTERBRAIN”

Ray Luzier (KORN)、 dUg Pinnick (KING’S X)、そして George Lynch (LYNCH MOB) というシーンの英傑3名が集結したスーパーバンド KXM が新作 “Scatterbrain” をリリースしました!!三雄の魂が通い合い、個性が溶け合った秀絶な作品は、ロックの持つオーガニックな衝動と、知性を擽るエキサイトメントを織り込みリスナーの直感へと波動するはずです。
“Scatterbrain” は僅か12日間という短い期間で制作されたレコードです。インタビューで George は「もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!」 と語ってくれましたが、同時に70年代を思わせる短期集中形のクリエイティブ環境が作品にマジックを産んだとも言えるような気がしますね。
スライドバーを使用したブルースの響きから一転、アルバムはインテンスとカオスが支配するタイトルトラック “Scatterbrain” でその幕を開けます。Ray Luzier の操る不敵な変拍子は George Lynch のシャープで粋なリフワークと共鳴し、その潮流はプログレッシブとさえ言えるムードを創造していますね。ペースダウンし、凪の静穏を献ずる中間部では、Mr. Scary がブルースの熱情を宿した魂魄のシュレッドで楽曲に生命を吹き込み、バンドの破天荒な技巧を伝えています。
“Breakout” や “Big Sky Country” を聴けば、dUg Pinnick の一筋縄ではいかないソウルフルでポップな独特の流儀、歌唱が驚くほど作品にフィットしていることが分かるでしょう。ダークに鬱屈したメロディーが得意のハーモニーを重ねてポップに花開く瞬間。直感的に楽曲を解釈し、ボーカルラインを自然とインプロヴァイズに導く瞬間。そして激情に任せ、咆哮に情念を乗せる瞬間。dUg の持つ類稀なセンスはスポンテニアスにトリオの鼓動と呼応し、無上のカタルシスをリスナーの元へともたらすのです。
同時に、”Breakout” で Ray が魅せる、パーカッションを使用したエスニックなサウンドはデビュー作から進化した KXM の潤色です。ロック、メタル、プログ、ファンク、ブルース、オルタナティブが淀みなく循環する多様な “Scatterbrain” の中で、ワールドミュージックからの影響は確実にアルバムを更に一段上のレベルへと押し上げています。
情熱と哀愁を湛えた dUg の歌唱が光る “Calypso”、カリブの風、グルーヴに乗る George のシュレッドが新鮮な “Not A Single Word” は殊更に、バンドがラテンやレゲエのリズム、モチーフを探求し血肉としていることの証明だと言えますね。
KING’S X でもエクレクテイックなサウンドをトレードマークとする dUg。David Lee Roth, STEEL PANTHER, STONE TEMPLE PILOTS で華々しく経歴を重ね、MI で教鞭もとっていた知性派 Ray。そしてインタビューでも語ってくれた通り、新たな領域へと自己を導き続ける George。ダイナミックなハードロックのルーツの上で、エキゾチックなダンスを華麗に披露する KXM 固有のサウンドは、3人の個性と手練、そしてフロンティアスピリットが結実しシンクロした成果だと言えるでしょう。
エキサイティングでエネルギーに満ちたアルバムは意外にも、ヘンドリックスの遺伝子を受け継いだブルージーなララバイ “Angel” で静かに幕を閉じます。無類で奇抜なタイム感、鋭くアウトやインを繰り返す異端のスリル、瞬間の奇跡。”Scatterbrain” における George のギターワークは近年でも群を抜いていますが、Jeff Healey をも想起させるエモーションを纏った “Angel” のリードは彼が未だに第一人者であることを、改めてシーンに宣言しています。
今回弊誌では George Lynch にインタビューを行うことが出来ました。DOKKEN のリユニオンについても重大な内容を語ってくれています。どうぞ!!

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KXM “SCATTERBRAIN” 10/10

INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH

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Q1: Hi, George! Thanks a lot for giving us such a great opportunity! Actually, you are my first guitar hero, so I’m really excited! Anyway, first of all, how was Loud Park 16? I reconfirmed how loved Dokken are in Japan. How about you?

【GEORGE】: Yeah, It was a pretty amazing feeling coming back to Japan with dokken after all those years!

Q1: まず、昨年 DOKKEN として出演した LOUD PARK 16 はいかがでしたか?いかに DOKKEN が日本で愛されているか、再確認するようなショウになったと感じましたが?

【GEORGE】: 本当に。長い年月を経て、DOKKEN として日本に戻ることができて、実に素晴らしい気持ちだったよ!

Q2: I read it in one interview, Dokken’s reunion may not be the end with that, right? If we can hear new album, there is nothing more happy, haha.

【GEORGE】: We are talking about doing some more shows on 2018 and we are going to be releasing a live album and DVD at some point. The cd will have a new dokken song we wrote specifically for this album and 2 semi acoustic versions of older dokken songs.

Q2: DOKKEN のリユニオンは、これで終わりではないようですね?新作が聴ければ最高なんですが(笑)

【GEORGE】: 僕たちは今、2018年に、さらにいくつかのショウを行うことを話し合っているんだ。そしてある時点で、ライブアルバムと DVD をリリースするよ。
CD には僕たちがそのアルバムのため特別に書いた DOKKEN の新曲と、過去の楽曲をセミアコースティックでリメイクした2曲が収録されるよ。

Q3: So, let’s talk about KXM. Definitely, KXM is super band. You know, there are the member of Korn, Kings X and Dokken / Lynch Mob. How did the band come to be?

【GEORGE】: It was result of the 3 of us meeting up at a party and talking about the idea of doing something together ..many months later after a lot of planning and touch and go we managed to get together in a studio for 10 days

Q3: では KXM について話しましょう。KORN, KINGS X, LYNCH MOB の3人が集結したスーパーバンドは、どのようにして結成されたのでしょう?

【GEORGE】: 僕たち3人はパーティーで会って、何か一緒にやろうと意気投合したんだよ。
たくさん計画を練り、不安定な状態も経て、何ヶ月も経った後、やっと一緒にスタジオへと入ったんだ。10日間ほどね。

Q4: I really love your newest record “Scatterbrain”. We can feel the colors of you three, that is to say, the mood of Kings X, Korn, Lynch Mob are mixed in the album. Do you agree that?

【GEORGE】: Of course..that’s inevitable. But i think KXM is more that the sum of its parts. there is a primary signature KXM sound and style the flows through the album ..the influences are secondary.

Q4: 新作 “Scatterbrain” はまさに3人のカラーがミックスされた作品となりましたね?

【GEORGE】: 勿論だよ。それは不可欠なことさ。ただ、KXM は個々の影響一つ一つを集約しただけではないんだ。
確実に KXM 固有のサウンド、スタイルがまずアルバムには流れているんだよ。各自の影響は次の段階さ。

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Q5: How was the writing process? Actually, “Calypso”, and it’s successor “Not a Single Word” is typically, ethnic, latin, reggae aspects make “Scatterbrain” incredible. It seems impossible is nothing for KXM, haha. Isn’t it?

【GEORGE】: Writing and recording “scatterbrain” It was a liberating and cathartic experience. It’s scary to think about what we could accomplish if we actually had more than 12 days!

Q5: ライティングプロセスはいかがでしたか?

【GEORGE】: “Scatterbrain” のライティングとレコーディングは自由で、かつカタルシスを伴うものだったね。
僕たちはこの作品をたった12日間で完成させたんだけど、もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!

Q6: This is not a surprise for me, but your shredding still sharp like a razor. I also think it still continues to progress. I don’t know exactly how many years you’ve played the guitar, but you seem to be still enjoy it, aren’t you? On “Scatterbrain”, which song was the most challenging for you?

【GEORGE】: Thank you. I’ve been playing guitar for 53 years! Kind of blows my mind when I think about it. Every song was challenging …but also incredibly rewarding because the music was so fun to play.

Q6: あなたのシュレッドはこの作品でもカミソリのように鋭いですね。あなたがギターを何年プレイしているのか正確には知りませんが、未だに進化を続けているように感じます。

【GEORGE】: ありがとう。僕は53年もギターを弾いているんだ!それを考えると自分でも驚いてしまうよ。
“Scatterbrain” は全ての楽曲がチャレンジングだったね。だけどとても弾いていて楽しかったから、本当に価値があったように思えるね。

Q7: Regarding the guitar technique, new generations of guitar are emerging these days. For example, Tosin Abasi of Animals As Leaders is symbol of modern guitarist and Djent thing. Do you listen to such new music too? What’s your impressions?

【GEORGE】: I’ve been listening to meshuggah since ” chaosphere” and I listen to a lot of young heavier bands. It is crazy how the skill level of guitarists in general has just skyrocketed in recent years. Thordendal from meshuggah is like a contemporary holdsworth in my view.

Q7: ギターテクニックと言えば、最近は Tosin Abasi のような新たな才能が次々に現れています。Djent やモダンなインストゥルメンタルを聴くことはありますか?

【GEORGE】: 僕は “Chaosphere” からずっと MESHUGGAH を聴いているんだ。他にも、たくさんの若くてヘヴィーなバンドを聴いているよ。近年、ギタリストのスキルレベルはクレイジーなほどに急上昇しているね。
僕の考えでは、MESHUGGAH の Fredrik Thordendal はコンテンポラリーな Allan Holdsworth だと言えるね。

Q8: Sweet / Lynch is kind of classic rock, Lynch Mob have blues tastes. And KXM is alternative, mixture thing. Definitely, these three are different. Where is a core of your musical interest now?

【GEORGE】: My legacy lives in the mid 60’s through the mid 70’s and hard rock is my comfort zone. But I love pushing myself into alien territory; everything from funk, RB to prog, ska and even fake jazz ..which you’ll here on the ultraphonix record thatl be coming out later this year.

Q8: あなたは現在、Sweet / Lynch ではクラッシック、LYNCH MOB ではブルーステイスト、KXM ではオルタナティブなロックを披露しています。全てが異なる中で、今あなたの興味の中心はどこにあるのでしょう?

【GEORGE】: 60年代中期から70年代中期までの時代が、僕の中にはレガシーとして生きているんだ。ハードロックこそ僕のコンフォートゾーンだと言えるね。
だけど僕は自分を未知の領域へとプッシュするのが好きだからね。Funk, Prog, R&B, Ska, ジャズだってそうさ。そういったもの全ては、今年の後半にリリースされる ULTRAPHONIX のレコードで聴けるよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED GEORGE’S LIFE !!

THE BEATLES “REVOLVER”

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JIMI HENDRIX EXPERIENCE “ELECTRIC LADYLAND”

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LED ZEPPELIN “LED ZEPPELIN I”

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BLACK SABBATH “PARANOID”

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JEFF BECK GROUP “TRUTH”

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MESSAGE FOR JAPAN

KXM

I hope we never fall out of love with each other !!

お互いの愛が永遠に醒めないことを願っているよ!!

GEORGE LYNCH

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVA COLLECTIVE : THE FURTHER SIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAN BRIGGS OF NOVA COLLECTIVE !!

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The Brilliant Musical Marriage Between The 70’s Fusion And Modern Prog. Definitely, Super Group Of Prog, Nova Collective Has Just Released One Of The Best Instrumental Record Of The Year, Incredible Debut, “The Further Side” !!

DISC REVIEW “THE FURTHER SIDE”

“新たな集合体” の名を冠するインストゥルメンタルスーパーバンド NOVA COLLECTIVE が、超越的でモニュメンタルなデビュー作 “The Further Side” をリリースしました!! 既成観念の “向こう側” へと辿りついた彼らの音風景は、リスナーを永遠の旅路、ミュージカルジャーニーへと誘うことでしょう。
Dan Briggs (BETWEEN THE BURIED AND ME), Richard Henshall (HAKEN), Matt Lynch (TRIOSCAPES, ex-CYNIC), Pete Jones (ex- HAKEN) というまさにモダンプログレッシブを象徴する賢哲が参集した NOVA COLLECTIVE。彼らが宿した清新なる息吹は、音楽が最も革新的で創造的だった70年代の空気を濃密に吸い込み、芸術のあり方を純粋に示しています。
1970年に Miles Davis がリリースした “Bitches Brew” は、音楽史上最も輝かしいロックとジャズの婚姻だったと言えます。”The Further Side” は、”フュージョン” という音楽概念を定義した、多様でイマジネイティブなその”マイルストーン”の精神を、凛として現代へと継承した畢生の作となりました。
アルバムは、ロシアのロマンティックかつダイナミックなバレエを想起させる “Dancing Machine” でその幕を開けます。メカニカルな BTBAM とは趣を異にする、野性的でファットな Dan Briggs のベースラインはオーガニックなボトムで自由を謳歌し、ジャズとロック、そしてメタルを華麗に行き来する Matt Lynch のドラムスと豪壮なインタープレイでアルバムを牽引して行きます。
Richard Hanshall のメロディアスでデリケートなギターワークは作品に浸透し、何より Pete Jones のガラス細工のように美麗で卓越したエレピ、オルガンサウンドは、リスナーに Chick Corea の形影を追わせ、過去と現代をリンクさせる鍵として枢要を占めていますね。
“Dancing Machine” に漂う神秘的でエスニックなムードは、インタビューでも語ってくれた通り、ワールドミュージックからの影響を反映しています。そして確実に John McLaughlin のコンポジションとも強く共鳴しているはずです。
“Bitches Brew” にも参加し、後に”フュージョン”を代表する集団となる THE MAHAVISHNU ORCHESTRA を創立した天賦のギタリストは、ロックとジャズのみならず、フラメンコ、オーケストラ、そしてインド音楽にまでその興味の幅を広げ、クロスオーバーさせた多様性の伝道師だと言えるでしょう。「フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ている」 と Dan が語ってくれた通り、”The Further Side” にはあの奇跡のオーケストラと同様の血脈が流れてもいるのです。
実際、”Air” は日本の伝統楽器、琴をイメージして書かれた楽曲だと Dan は語ってくれました。そして、日本の陽春を鮮やかに切り取ったかのような、オリエンタルで麗しきそのサウンドグラフには、NOVA COLLECTIVE がサーカスではなく音楽のために集まった集団である証が克明に刻まれていますね。
確かにメンバーは全員が超絶技巧の持ち主ですが、アルバムにエゴを感じさせる陳腐な曲芸は一切存在しません。存在するのは、楽曲の一部と化したエレガントで流麗なリードパートとアンサンブルのみ。各自が秘める、描かれた設計図をグレードアップさせるようなインテリジェンス、即興の妙こそがまさに一流の証明だと感じました。
勿論、クラッシックなフュージョンサウンドが基幹を成している “The Further Side” ですが、”State of Flux” を聴けばバンドが “新たな集合体” を名乗った意味が伝わるでしょう。MESHUGGAH と同等の緊張感、ヘヴィネス、リズムの錯綜が、エレピを核とするレトロなフュージョンサウンドを伴って再現される Tigran Hamasyan も驚愕のニューフロンティアがここにはあります。70年代には存在し得なかった、正確無比なシュレッド、硬質でDjenty なリズム、そして Jamie King による極上のプロダクションは “フュージョン” の極地、最先端を提示し、彼らの存在意義を強くアピールしていますね。
アルバムは WEATHER REPORT や RETURN TO FOREVER への憧憬と、モダニズムを巧みに融合させたタイトルトラック “The Further Side” で神々しくもドラマティックにその幕を閉じます。
今回弊誌では Dan Briggs にインタビューを行うことが出来ました。彼のホームグラウンド BTBAM の “Colors” 10周年ツアーについても言及しています。どうぞ!!

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NOVA COLLECTIVE “THE FURTHER SIDE” : 10/10

INTERVIEW WITH DAN BRIGGS

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Q1: This is our first interview with you. So, first of all, could you tell us about your band? Nova Collective is definitely a super band. The members of Between the Buried and Me, Haken, and Trioscapes got together. How did the band come to be?

【DAN】: Nova Collective was really started by Rich and I sharing emails just talking about Haken and BTBAM and probably wasn’t too long before we just started sharing new muscial ideas. I love making a connection and knowing that something musical is about to happen, all my groups have had that same sort of beginning, more conversations about music leading to an opportunity to create together. I’m so thankful for having so many different creative people in my life.

Q1: BETWEEN THE BURIED AND ME, HAKEN, TRIOSCAPES のメンバーが集結した NOVA COLLECTIVE は間違いなくスーパーバンドと言えますね。まずはバンド結成の経緯を話していただけますか?

【DAN】: NOVA COLLECTIVE は Rich と僕が、HAKEN と BTBAM についてただ話すだけの E-mail から始まったんだ。だけど2人で新たな音楽のアイデアを出し合うようになるまで、確かそう長くはかからなかったね。
僕はコネクションを作って、音楽的な何かが起こるかどうか知るのが好きなんだよ。僕が関わっているグループは同じような始まり方をしているね。音楽について話せば話すほど、共作する機会は増えていくよ。僕は人生でこんなにも多くのクリエイティブな人たちと関わることが出来て本当に感謝しているんだ。

Q2: What’s the meaning behind your band name “Nova Collective”? I think it means a group of new wave of Prog. Do you agree with that?

【DAN】: Well thank you! For us it’s definitely the idea of the celestial creation of something new, we named it well after we had the album written so we were able to reflect and say we really didn’t know how to classify it…I mean; fusion, world music, jazz, prog, classical. The ideas are all there, but it’s never full on any one of them. I think that idea is really exciting to all of us considering the music we’ve already been a part of, and the idea of where we can go from there…just very exciting and inspiring.

Q2: バンド名 “Nova Collective” “新たな集合体” の由来は何ですか?プログロックに新たな波をもたらすグループといった意味にも取れますが。

【DAN】: ありがとう!僕たちにとって、”Nova Collective” とは、新しい絶世の何かを創造するというアイデアであることに間違いはないよ。
そう名付けたのは、アルバムを書き終えた後、何と分類すれば良いのか本当に分からなかったから、”新しい集合体” と呼ぶのが相応しいと思ったからなんだ。つまり、フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ているんだけど、どれか一つで満たされることは決してないんだからね。だから音楽性を考えれば、”Nova Collective” という名前は、全員にとって本当にエキサイティングだった訳さ。
僕たちはすでにその “集合体” の一部な訳だけど、そのアイデアは僕たちがこれから進む道をも示しているように思えるね。本当にエキサイティングだし、インスパイアされるよ 。

Q3: How did you decide the direction of the band? What made Nova Collective stick to instrumental music?

【DAN】: It’s a good question about the initial intention of the band musically, because we had written “Dancing Machines” and “Cascades” looking at both of those songs kind of scratching our heads not knowing fully what we had just done haha. For me, I was excited at the idea of exploring world sounds but in a sort of bizarro setting, like places you wouldn’t normally think to find them, plastered against thumping rhythms in the low piano and bass or against a wall of freakout space noise; and that was kind of the vibe with Dancing; but Cascades is this really lush song that is constantly pushing with that 11/16 feel and the solo bridge which kind of is like walking on the moon, it became real otherworldly. So we just kind of kept going in the direction for what felt right for each song. I wanted to really focus in on the pentatonic sound in “Air”, trying to replicate the sound of a koto and keep that vibe throughout. I’ve kind of been surprised that the world music influence hasn’t come out more because it was a big driving and exciting influence for me personally in the writing.

Q3: バンドの方向性を “インストゥルメンタル” に決定づけたのは何でしたか?音楽性はどのように固まっていったのでしょう?

【DAN】: バンド初期の音楽的な意図に関する良い質問だね。すでに “Dancing Machines” と “Cascades” は書いていたんだ。未完成でただ仕上がっているパートを見ながら頭を掻きむしっていたんだよ(笑)
僕にとってワールドミュージックを掘り下げるというアイデアはエキサイティングだったね。だけど一風変わったというか、普段なら見つけることが出来ないような場所といった感じでもあったんだ。低音のピアノやベースがゴツンゴツンと打ち付けるリズム、もしくは訳の分からないスペイシーなノイズ。そういったヴァイブが “Dancing Machines” にはあったんだ。
“Cascades” は実に忙しない楽曲だね。常に11/16的なノリで進んで行くんだ。ソロのブリッジ部分はまるで月を歩いているかのようだね。別世界に来たような感じかな。それから僕たちは楽曲に正しいと思える方向性でただ進んで来たんだよ。
“Air” のペンタトニックなサウンドには本当にフォーカスしたかったんだ。琴のサウンドやヴァイブを再現しようとしたんだよ。ワールドミュージックの影響がもっと出なかったのが不思議なくらいだね。僕にとってそれは、個人的にコンポジションの大きな推進力でエキサイティングなインスピレーションだから。

Q4: Anyway, your incredible debut album “The Further Side” is just out now! First of all, Please tell us the meaning included in the title, and artwork.

【DAN】: We thought The Further Side just was a good way to describe what we were feeling with the music, stepping through this portal and being blasted to a world that was new and interesting. The artist Nevan Doyle had the idea of making some otherworldly settings and it was an image we really thought stood out and stood on its own in describing what was about to happen when you drop the needle on the album. The back cover art of the body being kind of torn was a direct reference to the song “Ripped Apart and Reassembled”, which was named after the idea of teleporting and your molecules being jumbled and reassembled; but I had the image in my head from the show Fringe of like the ghastly side effects of it going wrong and being rearranged all deformed and fucked up- kind of the journey the song goes on through the bridge haha.

Q4: そういった経緯を経てリリースされたデビュー作 “The Further Side” ですが、実にアーティスティックで素晴らしいですね!まずはアルバムのコンセプトやアートワークについて教えてください。

【DAN】: “The Further Side” とは、まさに僕たちが音楽に対して感じていた感情を表現するのに良い言葉だと思ったんだ。NOVA COLLECTIVE の新しく興味深い世界に圧倒されるための入口としてね。
アートワークは Nevan Doyle というアーティストが異世界のアイデアを生み出してくれたんだ。このイメージは、レコードに針を落とした時、まさに何が起きようとしているのか際立って表現しているね。
身体が引き裂かれたようなバックカバーは、“Ripped Apart and Reassembled” という楽曲に直接的な関連があるんだ。テレポートをテーマに名付けられたんだけど、分子がごちゃ混ぜになって再構成されるというアイデアさ。頭の中にあったイメージは、TV番組 “フリンジ” のように不気味なエフェクトから誤って再構成され、全てが醜く歪められた様で、それを楽曲が描いているんだよ(笑)。

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Q5: My first impression about “The Further Side” was upgrade 70’s Fusion, or 70’s Prog in 2017. You know, definitely there is the amazing vibe of “Bitches Brew”, “Return to Forever” and “The Inner Mounting Flame”. Do you agree that? If so, what inspired you to be into the direction?

【DAN】: Oh we are surely hugely influenced by fusion of all eras, but mainly the 70s and 80s sounds. Those groups were making future sounds at that point in time and that’s the same kind of idea we’re trying to explore now and really it’s a forever journey of trying to expand ourselves as musicians and composers and see how out there we can get within the context of a song and album. It’ll be real exciting to see what we can produce next.

Q5: アルバムからは70年代のフュージョンやプログロックの影響を強く感じました。言うならば現代的にアップデートされた “Bitches Brew”, “The Inner Mounting Flame” のようなイメージです。

【DAN】: そうだね、僕たちは全ての時代のフュージョンから影響を受けているんだけど、メインは70’s と80’s サウンドだね。
君が挙げたようなグループは、当時未来のサウンドを創造していたし、それは僕たちが現在探求しているアイデアと同種のものなんだ。
ミュージシャン、コンポーザーとして自己を広げて行くことは、本当に永遠の旅だと言えるね。楽曲やアルバムという文脈の中から、いかにそれを得ることができるのか見てみようじゃないか。次に僕たちが生み出すものを見ることは実にエキサイティングなはずさ。

Q6: Also, sometimes the record reminds me David Lynch’s soundtracks. Definitely, “The Further Side” is extremely Technical, but there is no flashy circus like lead plays. Ego as a musician seems to be free from Nova Collective, isn’t it?

【DAN】: Yeah you know, we really approached it trying to keep within the song and whatever it called for at that particular moment while maintaining the idea of the overall composition. Our backgrounds are all in technical music, it’s just our upbringing and we have those things to explode into when the song calls for a unison lead or solo section, but even I feel like those parts are still kept within the song. I loved keeping the solo sections feel loose and improvised within the context of the song, at least from the perspective of my bass solos.

Q6: “The Further Side” には映画のサウンドトラックを思わせるムードも存在しますね。David Lynch の作品を思い出しましたよ。非常にテクニカルですが、サーカスのようなソロパートは存在しませんね?

【DAN】: まさにその通りだよ。僕たちはソロパートが楽曲に収まるよう、ある特定の瞬間に要求されるものを収録するというアプローチを取ったんだ。楽曲全体のアイデアを保ちながらね。
僕たち全員のバックグラウンドは確かにテクニカルな音楽だよ。だけどそれは背景にしかすぎないんだ。勿論、楽曲がユニゾンリードやソロセクションを必要とするならばテクニックを炸裂させる時もあるね。楽曲に沿った形でね。
コンテキストの中でルーズだったり、インプロヴァイズしたソロを取るのは大好きだよ。少なくとも僕のベースプレイに関してはね。

Q7: How was the writing process? Off course, There are two Britons and two Americans in the band. Which do you think Nova Collective is the “Band” or “Project”? Do you have a plan to have shows near future?

【DAN】: Oh it’s a full on band for sure! We’re trying to get that idea across to people in these interviews because I think people get excited at the sounds and the idea of people from bands they already enjoy getting together to make a record, but for us it’s as serious as anything else we’re apart of musically and so the desire to make it real and make it happen in a live setting is our number one priority. Right now we are getting the album into people’s ears and trying to spread the word to agents and the suits that were are out there and trying to support some friends and like-minded bands on the road.

Q7: NOVA COLLECTIVE は異なるバンドに所属するイギリス人2人とアメリカ人2人で構成されています。これはバンドですか?それともプロジェクトですか?

【DAN】: 間違いなく完全にバンドだよ!僕たちはこういったインタビューでそれをみんなに伝えようとしているんだ。なぜならリスナーは、集まり楽しんでレコードを制作するバンドのアイデアやサウンドにエキサイトすると思うからね。
僕たちにとって何よりも深刻なのは、音楽を離れて制作しなければならないという点だね。だからこそ、ライブを行うことが僕たちに今一番必要とされているんだよ。
現在、僕たちはアルバムをリスナーの耳に届けたところで、エージェントや会社の人たちに広めようとしているんだ。友人や同士のライブをサポート出来たらと思っているよ。

Q8: 2017 is anniversary year for both BTBAM and Haken. You know, masterpiece “Colors” becomes 10th anniversary and Haken is also 10th anniversary of the band. Japanese Prog fans really waiting for you to come. Is there any possibility of these anniversary Japan tour?

【DAN】: If we got a really good offer I’m sure it would happen! It’s super expensive for an American band, or I assume most bands not on that side of the world, to get over there, so I know we’d like to for our next album as well…if a Colors tour tied into it, you know…it’d just have to be a good offer is all! The same goes with the rest of the world. It’s not a huge priority of ours to play Colors all over, but if the offers come in and are good enough we’ll play it anywhere of course.

Q8: 2017年はあなたのメインバンド BETWEEN THE BURIED AND ME がリリースした名作 “Colors” が10周年を迎えます。バンドはアニバーサリーツアーを行うようですが、来日の可能性はありますか?

【DAN】: 本当に良いオファーをもらえたら、勿論日本に行くよ!アメリカのバンドにとって日本ツアーを行うのはとても費用がかかるんだ。おそらくアメリカだけじゃなく、アジア以外の大抵のバンドにとってね。
次のアルバムでは行きたいと思っているけど…”Colors” の完全再現をそれと結びつけたりしてね…とにかく全ては良いオファーにかかっているんだよ!
世界の他の地域に関しても同じことが言えるね。僕たちにとって “Colors” 完全再現はそんなにプライオリティーが高くないんだけど、充分に良いオファーが届けば、勿論どこでだってプレイするよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED DAN’S LIFE !!

PINK FLOYD “THE DARK SIDE OF THE MOON”

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NIRVANA “NEVERMIND”

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DREAM THEATER “METROPOLIS PART 2: SCENES FROM A MEMORY”

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KING CRIMSON “DISCIPLINE”

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OINGO BOINGO “ONLY A LAD”

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MESSAGE FOR JAPAN

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Konnichiwa! I’ve loved coming to Japan with BTBAM, the crowds always embrace us and are so passionate for the music we’ve created. I’m real hopeful I’ll be able to get over there with Nova Collective in the future! I hope everyone digs the record and hopefully see you soon. Thanks!

こんにちは!BTBAM で日本に行くのが大好きだよ。観衆はいつだって暖かく迎えてくれるし、僕たちが作ってきた音楽にもとても情熱的だね。NOVA COLLECTIVE でもいつか行くことが出来たらと本当に思っているんだ!みんながレコードを気に入ってくれたらいいな。近いうちに会おうね。

DAN BRIGGS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【Li-sa-X : Serendipity】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Li-sa-X !!

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12-Year-Old Young Shred Muse From Japan, Li-sa-X Has Just Released Her Amazing Debut Album “Serendipity” !!

DISC REVIEW “SERENDIPITY”

日本に舞い降りた、若干12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X が記念すべきデビュー作 “Serendipity” をリリースしました!!穢れなき天使が紡ぐ圧倒的なフレーズの数々は、世界に賛嘆の嵐を巻き起こしています。
幼少時から父親のプレイを子守唄として育った Li-sa-X は、インタビューにもあるように、5歳で本格的にギターを手にします。8歳であの Paul Gilbert に認められ、オンラインギターレッスンに特待生として招待されたというのですから、天賦の才が備わっていることに疑いの余地はないでしょう。
実際、投稿したパフォーマンス動画は世界中のギター/ロック・ファンを驚愕させ瞬く間に400万回以上の再生を記録。これまでに「へヴィメタルの未来を担う天才少女10人」(米MTV)や「将来が楽しみな名キッズ・ギタープレイヤー10選」(米VH1)、「今年(2014年)最も話題の動画1位」(米ギター・ワールド誌)などに選出されるという快挙を演じてきたのです。しかし彼女は慢心することなく日々進化を続けて来ました
。”素敵な偶然”、”予期せぬ幸運” といった意を宿す “Serendipity” というタイトルには、これまでの出会い、応援、優しさ、幸運に対する Li-sa-X からの大きな感謝が込められているのです。
アルバムは、Li-sa-X 初のオリジナルトラックにして作品のタイトル名を冠した “Serendipity” で幕を開けます。ダイナミックなリフワークにファストなリック絡める師匠 Paul Gilbert 譲りのテクニカルなテーマは、マイスター Guthrie Govan を想起させる奔放にアウトするフレージングをも伴いながらマジカルな瞬間と至上のエキサイトメントを運びます。正確なピッキングから生み出されるクリエイティブなアイデアの洪水は、12歳らしい遊び心や瑞々しい感性と一級品のテクニックを包含し、世界に新たなギターヒロインの堂々たる誕生を告げているのです。
“温故知新”。Li-sa-X が演奏家、ミュージシャンとして優れている点はその一言に集約されます。ゲストに迎えた Paul Gilbert, POLYPHIA。さらに “人生を変えた5枚のアルバム” を見れば分かるように、Mr. BIG から PERIPHERY、Guthrie Govan から Jason Richardson まで、世代を超えた色彩豊かな影響はしっかりと彼女の宇宙に血肉として根づいています。実際、トラディショナルな Instru-metal に思える “Serendipity” の中にも、中間部にはモダンで美麗なアトモスフィアをさらりと織り込み、楽曲に立体感を創出しているのですから、その感性の柔軟さには驚くばかりですね。
童謡にプログレッシブで大胆なアレンジを施したアルバムクローサー “アルプス一万尺” は、彼女の未来を約束する楽曲にも思えます。ピアノやヘヴィーリフを巧みに配置し目まぐるしくも耳を惹きつけ離さない、万華鏡のようにカラフルな一曲には、スマートかつキャッチーな清新なるギターの可能性、POLYPHIA ともシンクロするモダンな感覚が息づいています。
クリケットやハーモニクスを巧みに使用し、ニュアンスやアーティキュレーションにまで強く拘った演奏からは、”聴かせる” こと、”楽曲” にプライオリティーを置いた Li-sa-X のギターに対する凛とした考え方が伝わりますね。オリジナルを増やすという彼女の決意も実に楽しみです。
Li-sa-X ワールドへの素晴らしき招待状となった “Serendipity”。今回弊誌では彼女にインタビューを行うことが出来ました。最近ではCMでもお馴染みとなりましたね!どうぞ!!

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Li-sa-X “Serendipity” : 9.5/10

INTERVIEW WITH Li-sa-X

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Q1: まずは、ギターを始めたきっかけについて教えていただけますか?

【Li-sa-X】: 小さい頃からパパが楽しそうにギターを弾いてるのを見ていて、自然と自分もやってみたいと思いました。
最初はパパと一緒に遊ぶおもちゃのような感じでした。
そして5歳からちゃんと練習を始めました。

Q1: First of all, what inspired you to start playing guitar?

【Li-sa-X】: Since I was little, I was watching Dad playing the guitar happily and I wanted to do it myself naturally.
At first it was like a toy playing with my dad.
And I started practicing properly since I was 5 years old.

Q2: Li-sa-X さんの年齢で、ここまでテクニカルかつ印象的なフレーズをシュレッドするギタリストはほぼいないと断言しても良いように思えます。故に世界中から注目を浴びているわけですが、普段はどんなトレーニングをされていますか?

【Li-sa-X】: 普段の練習は、まずルーティンとして以前にカバーした曲を弾きます。
次にいま課題にしていいる難しくて速いフレーズを練習します。
最後にポール・ギルバート先生からのオンラインレッスンのお題を練習します。
ポール先生のレッスンでは速弾きは全くやりません。昔の名曲を題材にした、コードワークやリズム、ニュアンスについてのレッスンです。
1日の練習時間は1時間半~2時間くらいです。

Q2: What kind of training do you usually do? Also, how long are you practicing on a day?

【Li-sa-X】: As usual practice, I will play the song I covered earlier as a routine.
Next I will practice the difficult and fast phrases that I am currently working on.
Finally I will practice the subject of online lessons from Professor Paul Gilbert.
In Professor Paul’s lesson, I do not play fast. It is a lesson about code work, rhythm, nuance, which used the old classics as a theme.
The practice time of a day is about one and a half hours to two hours.

Q3: 目指している、リスペクトしているギタリストを教えてください。やはりファストなプレイ、”速さ”にこだわりがあるのでしょうか?

【Li-sa-X】: 目指しているのはポール・ギルバートさんです。とてつもなく巧くて、どんなに速くても全ての音がクリアです。あと、とってもキャッチーな曲やフレーズを作れるからです。
他に好きなのはポリフィアのティムさんとスコットさんです。聴いてスグに分かる独特のニュアンスを持っているからです。
尊敬するのはガスリー・ゴーヴァンさんです。アドリブの音使いが凄いと思うからです。
速くて音の跳ぶプレイは私自身が聴いていてドキドキするので、そういう風に弾けたらいいなーと思っています。

Q3: Please tell me which guitarist you are aiming, respecting. And why? After all, is there attention to “fast” play?

【Li-sa-X】: It is Paul Gilbert who is aiming at. It is extraordinarily successful, all sounds are clear no matter how fast. Also, he can make very catchy songs and phrases.
Another thing I like is polyphia Tim and Scott. They have a unique nuance that you can understand by listening.
I respectMr. Guthrie Gorven. I think that his improvisation is amazing.
I am excited about fast and skipping sound as I listen to it, so I wish I could play it like that.

Q4: では、素晴らしいデビューEP “Serendipity” について話しましょう。”Serendipity” とは、素敵な偶然、予期せぬ幸運といった意味を持つ言葉ですが、なぜこのタイトルを選んだのでしょう?

【Li-sa-X】: 8歳の時にYouTubeにアップした『Scarified』のカバー動画がキッカケで、ポールさん本人からメッセージを貰い、オンラインレッスンに特待生として招待していただいて、同じステージにも立たせていただいて、またそれが色んなメディアに取り上げていただいて。
そして今回デビューEPを出させてもらえたのも、全て予想していなかった幸運です。
私はそんな幸運をもたらしてくれた、応援してくれる方への感謝の気持ちを込めてこのタイトルにしました。

Q4: Let’s talk about a great debut EP “Serendipity”. “Serendipity” is a word that has meaning such as nice coincidence, unexpected good fortune, why did you decide on this title?

【Li-sa-X】: Cover movie of “Scarified” uploaded to YouTube when I was 8 years old was a beginning, I got a message from Paul himself, invited me as a special student in an online lesson, and let me stand on the same stage, Take it up in various media.
And I was fortunate that I had not anticipated all that made this debut EP out.
I made this title with gratitude to those who support me who brought such luck.

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Q5: 収録曲はどのように選びましたか?その Paul Gilbert 本人を迎えた “Scarified”、POLYPHIA が参加した”CHA-LA HEAD-CHA-LA” などゲストミュージシャンも豪華ですね?

【Li-sa-X】: 『Serendipity』…デビューEPには必ずオリジナル曲を入れたいと思いました。これは私が頑張って初めて作曲した曲です。
『Scarified』…これは私にとって運命的な曲なので、今回はぜひポール先生とツインリードでやれたら、とお願いしたら引き受けて貰えました。
『CHA-LA HEAD-CHA-LA』…ポリフィアにもぜひ参加してほしくて、来日した時に彼らが「ドラゴンボールが好き」と言っていたのを思い出してこれにしました。
『Dance of Eternity』…自分にとって思い切り難しい曲に挑戦してみたくて、これを選びました。
『アルプス一万尺』…他のカバー曲が割とストレートカバーなので、誰もが知ってるメロディーで、アレンジに凝ったのをやろうと思いました。

Q5: How did you choose the recorded song? Guest musicians is gorgeous, such as “Scarified” who greeted Paul Gilbert himself, “CHA – LA HEAD – CHA – LA” where POLYPHIA participated, isn’t it?

【Li-sa-X】: “Serendipity” … I definitely wanted to put original songs in my debut EP. This is the song I composed for the first time I tried hard.
“Scarified” … This is a fateful song for me, so if I definitely can do with Twin Reed with Professor Paul this time, I was able to underwrite it.
“CHA-LA HEAD-CHA-LA” … I wanted Polyphia to participate by all means, and when they came to Japan I remembered that they said “I like Dragon Ball.”
“Dance of Eternity” … I wanted to try something hard for me, chose this.
“Yankee Doodle”  … Because other cover songs are quite straight as a cover, I thought that it was a melody that everyone knew, I decided to make it fancy.

Q6: カバーも勿論クールですが、”アルプス一万尺”のプログレッシブなアレンジや、オリジナル曲 “Serendipity” の堂々たる仕上がりにも感銘を受けました。この作品で特にこだわったポイント、プレイ、テクニックなどを教えてください。また、これからさらにオリジナルナンバーを増やすことは考えていますか?

【Li-sa-X】: 『Serendipity』は初めてのオリジナルで、名刺がわりになるように、いま自分の出来るテクニックとアイデアを詰め込むだけ詰め込みました。
聴いた人が楽しくなる曲にしたかったので、プレイバックを聴いた時に自分で「ぷぷっ」って吹き出してしまった間違いをヒントに作ったフレーズが結構あります。
『アルプス一万尺』は展開が楽しい曲にしたくて、元のメロディのテンポを倍にしたり半分にしたりオクターブを変えたりしながら面白そうな音を入れていきました。「トムとジェリー」みたいな昔のアニメのサウンドトラックと大好きなプログレッシブロックを混ぜたイメージです。
オリジナル曲はこれからどんどん作っていきたいと思っています。

Q6: Although the cover is of course cool, I was also impressed by the progressive arrangements of the “Yankee Doodle” and the amazing original song “Serendipity”. Please tell us points, play, techniques etc. that you particularly stuck with this work. Also, are you thinking about increasing the original number from now on?

【Li-sa-X】: “Serendipity” is the original for the first time, just like stuffing business cards, I just pack my technique and ideas now.
I wanted to make the songs that made the listeners fun, so there are quite a few phrases that made a hint at the mistake that laughed by myself when I heard playback.
“Yankee Doodle” wanted to make it a fun song that expanded, doubled the tempo of the original melody, halved it, or changed the octave and put some interesting sounds. It is an image that mixed the soundtrack of an anime called “Tom and Jerry” and my favorite progressive rock.
I’d like to make original songs more and more from now.

Q7: ちなみに、学校ではどんなキャラクターなんでしょう?お友達は Li-sa-X さんがギタリストであることにどんな反応をしていますか?

【Li-sa-X】: 学校では…普通です(笑)。友達とは聴いてる音楽に共通点があんまりないので音楽の話はほとんどしませんね。
テレビに映った時は「すごいね」とか「見たよ」と言ってくれます。

Q7: By the way, what are you like at school? How does your friend react to Li-sa-X being a guitarist?

【Li-sa-X】: At school … It is normal, haha. I do not talk about music with friends because I do not have much in common with the music I’m listening to.
When they see me on TV, they says “wow amazing” or “I saw you”.

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED Li-sa-X’S LIFE

MR.BIG “LEAN INTO IT”

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GUTHRIE GOVAN “EROTIC CAKES”

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POLYPHIA “MUSE”

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PERIPHERY “PERYPHERY Ⅲ: SELECT DIFFICULTY”

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JASON RICHARDSON “I”

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一生懸命作ったデビューEP『Serendipity』、ぜひ聴いてみてください!!

Li-sa-X

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Sony Music “Li-sa-X”
iTunes “Li-sa-X”

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOEN : LYKAIA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN LOPEZ OF SOEN !!

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Swedish Modern Prog Super Group, Soen Has Just Released The Masterpiece, The Prog Standard Of 2017, “Lykaia” !!

DISC REVIEW “LYKAIA”

スウェーデンが誇るモダンプログスーパーグループ SOEN が自らのアイデンティティー確立に挑む3rdアルバム “Lykaia” をリリースしました!!プログレジェンド OPETH のドラマーとして名を馳せた Martin Lopez 率いる腕利き集団は、常に比較され続けてきた自らの出自 OPETH や TOOL の影から離れるのではなく新たな要素を導くことでバンドの進化を鮮やかにに見せつけています。
“Lykaia” とは古代ギリシャ、”狼の山”で行われていた古の祭り、秘密の儀式。 人肉を捧げ食した者は人狼に姿を変えるという、身の毛もよだつような神事に擬した残虐なカニバリズムは、悲しいことに現代社会にも通じます。インタビューで Martin が語ってくれたように、未だにお互いが啀み合い殺し合う人の世の有り様は、実はその頃と何も変わっていないのかもしれませんね。
人類の恥部とも言えるダークで陰鬱なテーマを冠したアルバムは、しかしそのコンセプトに反するが如く極上の知性と美しさを備えます。つまり SOEN は人類が生み出した最も誇り高き遺産、至高のアートで暗い影を語ることにより、人間という天使と悪魔を宿す生き物の姿を克明に描き出しているのです。
両義性と言えば、デビュー作 “Cognitive” と前作 “Tellurian” で明らかな違いが存在した SOEN。”Cognitive” が強く TOOL を意識したオルタナティブかつアトモスフェリックスなアプローチ、精神世界に重点を置いていたのに対し、”Tellurian” は OPETH を想起させるよりプログレッシブで綿密な方向性、哲学世界に接近していたのは明らかでしょう。
“Lykaia” はその2つが自然に溶け合い、さらに新たな色として70年代のオーガニックでサイケデリックなサウンド、暖かみや哀愁のエモーションが加わることでバンドのマイルストーンとして燦然と輝くレコードに仕上がりました。
“Opal” は SOEN の過去と未来がクロスするまさに宝石のような一曲です。OPETH 由来の呪術的でデモニックなギターリフと、TOOL や KARNIVOOL を想起させるマスマティカルで現代的なコンポジションが混ざり合った極上のスープは、Joel Ekelof の叙情味極まるボーカルを得て奇跡のスペシャリテとしてリスナーの元へと届きます。後半にサーブされる、サイケデリックで Martin お特異のパーカッションが映える、70年代へガラリとタイムワープした夕焼け色の美風なデザートがテーブルに加われば、リスナーは “Opal” が SOEN の確固たる進化の証であることに遂に気がつくはずです。
実際、この PINK FLOYD と KING CRIMSON のハイブリッドのような叙情味豊かで有機的なサウンドはアルバムを紐解く重要な鍵となっていますね。オリエンタルなムードをアクセントとした緩やかで壮大な “Jinn” では、そのオーガニックでエモーショナルなサウンドがポストメタルの領域まで拡大したかのようにリズムヘヴィーなドラマ性を高めていますし、”Paragon” に至ってはハモンドまで使用してアグレッシブな “Shine On You Crazy Diamond” とも言えるサイケデリックワルツを完成させているのですから驚きです。さらに “Paragon” で聴けるブルージーで素晴らしく感情を湛えたギルモアライクなリードプレイも作品には要所で登場し、レコードを彩る新機軸として見事に機能しています。
極めつけは KING CRIMSON “Fallen Angel” と同種の悲哀、耽美、プログ性を湛えたイマジネイティブな楽曲 “Lucidity” でしょう。Lake / Wetton / Akerferdt 直系の深みと粋を秘めた情感豊かな Joel の歌唱はここに来て遂に独特のオーラ、威容を誇るようになり、バンド全体に透徹した凛とした美意識も相俟って2017年ベストチューンの可能性すら保持した名曲が生み出されたのです。
同様に70年代を意識していながらも、SOEN は現在の OPETH に比べ鋭く重い呪術リフを多用し、モダンなコンポジションの中でレトロフューチャーなサウンドを構築しています。つまり “Orison” のような現代的な楽曲の中に味わい深いビンテージサウンドを潜ませることで、幅広く多様な世界を実現しているのです。故にインタビューでも語ってくれた通り、”Lucidity” がバンドの探求すべき未来であるならば彼らの更なる躍進は約束されているように感じました。
今回弊誌では再度 Martin にインタビューを行うことが出来ました。決して饒舌なレジェンドではありませんが、いつものように核心をついた話をしていただけました。どうぞ!!

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SOEN “LYKAIA” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARILLION : F.E.A.R.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PETE TREWAVAS OF MARILLION!!

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One Of The Greatest Prog Legend From England, Marillion Has Just Released Their Best Album In Two Decades, “F.E.A.R.” !!

DISC REVIEW “F.E.A.R.”

イングランドを代表する Prog アクト、MARILLION が、ここ20年における彼らの最高傑作とも評される新作 “F.E.A.R.” をリリースしました!!
コンセプト、リリック、ミュージック、全てが異次元のクオリティーで深く冷厳に溶け合ったアルバムは、キャリア38年にしてバンドの新たなマイルストーンとなるでしょう。
Prog Rock がコマーシャリズム、POP の波に飲まれた80年代に、GENESIS 譲りのドラマ性とシンフォニーを携えて颯爽とシーンに登場した MARILLION は、ボーカル Fish のカリスマ性、シアトリカルなパフォーマンスとも相俟って Neo-Prog と呼ばれる新たなムーブメントの主役となって行きます。とは言え、彼らの音楽は決して70年代の回顧のみに収まるものではありませんでした。
New Wave, Heavy Metal の風を受けて、巧みにトレンドを反映し、実験性を孕んだそのサウンドは、今となってはやはり Pomp Rock と呼ぶ方が相応しいようにも思えます。初期の作品群からは、U2 や POLICE といった正統派ブリットロックから、IRON MAIDEN のハードなエッジまでを血肉として、Prog Rock を一つ先のステージに進めようと試みていたことが伝わりますね。
ボーカルが Fish から Steve Hogarth にチェンジし、1994年に制作したコンセプトアルバム “Brave” は Pomp Rock バンドとしての MARILLION が結実した瞬間でした。
インタビューにもある通り、Prog Rock 特有のファンタジー性と距離を置き、ダークかつリアリズムに拘ったテーマで勝負した作品は、ダイナミックで強く空間を意識し、アンビエントさえ取り入れながら、際立った音楽的表現力、センスと共に、音楽史に新たな章を書き加えたのです。
そしてその試みは勿論、現在 Modern Prog, Post-Prog シーンの Guru として尊敬を集める Steven Wilson と、彼が率いて来た PORCUPINE TREE とも強く共鳴していたことは明らかでしょう。
それから22年の月日を経て、リスナーの元に届けられた彼らの新しいマスターピースは、”F.E.A.R.” と名付けられました。”F*** Everyone And Run” を略して “F.E.A.R”。この実にセンセーショナルなタイトルは、やはり現実的で、社会問題に目を向けた、現在の MARILLION らしい極めてリアルなコンセプトを表現しているのです。具体的には銀行や政治の汚職、Brexit、欧州議会の腐敗、世界的資本主義の崩壊など、まさに英国が抱える現代社会のダークサイドを投影した濃密な68分に仕上がっています。
アルバムオープナー、”El Dorado” は悲観的な未来を予測した楽曲。PINK FLOYD の “The Division Bell” を想起させる大曲は、インタビューで Pete が “ヨーロッパ周辺には、大きな変化が起こりつつあり、それを通して誰かが僕たちをコントロールする計画を立てているような予感、予兆が存在するんだよ” と語った通り、MARILLION が抱く未来に対する “Fear” の前兆を表現しているようにも感じます。前作のオープナーで、奇しくも同じ17分の大曲 “Gaza” と対となる存在と言えるかも知れませんね。
同時に “El Dorado” は Mike Kelly のエレクトリックピアノからオルガンまで自在に操る見事なキーボードサウンドと、まさにトップフォームな Steve Rothery の物語を紡ぐギターソロがアルバムを通して重要な鍵となることも伝えています。
そしてやはり、特筆すべきは H こと Steve Hogarth のキャラクターになりきった壮絶な歌唱でしょう。作品を象徴するテーマである、持つ者と持たざる者、世界的資本主義の拡大による”エリート”の出現と彼らの保身についての組曲 “The New Kings” において、H は全身の感情を振り絞り、アルバムタイトルともなった “F*** Everyone And Run” と歌い紡ぎます。その瞬間、センセーショナルでともすればチープにさえ思えたその一節は、悲しみの感情を掻き立て、世界の状況を真摯に考えるきっかけを与える魔法の言葉へと変化するのです。RADIOHEAD を想起させるコンテンポラリーなセンチメンタリズムを見事にコンセプトと融合させ、MARILLION が現代にプロテストソングを蘇らせたと捉えることも可能でしょう。
THE BEATLES から脈々と繋がる UK の血を受け継ぎながら、
真の意味での Progressive を体現したアルバム “F.E.A.R.” 。今回弊誌では、1982年からバンドを支え続ける、フレキシブルなベーシスト Pete Trewavas にインタビューを行うことが出来ました。ヨーロッパで絶大な支持を得ている MARILLION ですが、メッセージにもある通り、今度こそは日本のファンにもアピールすると信じます。どうぞ!!

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MARILLION “F.E.A.R.” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SUBROSA : FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH REBECCA VERNON OF SUBROSA !!

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Minnesota Based Dramatic-Doom Quartet, SubRosa Has Just Released Beautiful, Magnificent Masterpiece “For This We Fought the Battle of Ages”!!

DISC REVIEW “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES”

ソルトレイクシティの Dramatic-Doom マスター、SubRosa が自身の最高到達点 “For This We Fought the Battle of Ages” をリリースしました!!一世紀も前に書かれた SF ディストピア小説にインスピレーションを得て制作されたアルバムは、バンドのアイデンティティーである Dramatic-Doom のスケールを一層高めた、様々な音楽ファンに愛されるマイルストーンとなるでしょう。
SubRosa は Doom Metal バンドには珍しく、女性ボーカル Rebecca Vernon のミスティックな歌唱を中心に据えています。加えて、Sarah Pendleton と Kim Pack のダブルヴァイオリンとアディショナルボーカルが唯一無二の美麗な Doom を創出しているのです。
ALCEST や DEAFHEAVEN を見れば分かる通り、近年、メタルに “Beauty”, “Atmosphere” を持ち込む、才気溢れるバンドが注目を集め、シーンの限界を押し広げていますが、SubRosa のユニークなラインナップが生み出す手法、冒険、マジックは中でも際立っていると言えるでしょう。
インタビューにもある通り、”For This We Fought the Battle of Ages” はロシアの反体制活動家 Yevgeny Zamayatin の著書 “We” に触発された作品です。当時のソヴィエト初期社会主義時代の、閉塞された状況を描き揶揄したディストピア小説は、しかし、政府による管理、監視、支配という、実は現代社会が抱える問題に読み解くことも可能です。SubRosa はその命題を、人生、死、自由、愛といったテーマを与えた楽曲を通して、エピカルに、ドラマティックに、そしてドゥーミーに描いているのです。
アルバムオープナー、15分半のエピック、”Despair Is a Siren” は深化したバンドを象徴するような1曲です。Doom という特性上、勿論、長くなりがちな楽曲ですが、しっかりとストーリーやシーンを描写する彼女たちにとって、この長さは意図してデザインされた SubRosa’s Way。
静寂が支配するイントロとラウドで実験的なパートの対比が生むボリューム、テンポのダイナミクス、見事にレイヤーされたトリプルボーカルの魔術、そしてデュエットの如くメロディーとカウンターメロディーを行き来する、複雑で美麗なボーカルとヴァイオリン。バンドのトレードマークとも言える要素が、寄せてはは引く波のように揺らぎつつ、リスナーへと届きます。同時に、六拍子とリズムにフォーカスしたディストーションギターが交わり流れ出すカオスの潮流は、SubRosa が NEUROSIS 以来脈々と繋がる Experimental Metal の落胤であることを主張していますね。
アルバムの中心に据えられた “Black Majesty” も同様に15分を超える大曲。東洋的とも感じられるエスニックでエモーショナルなヴァイオリンが先導する、プログレッシブで極上の展開美を誇るこのエピックにおいて、Rebecca は “Isn’t it beautiful?” とリスナーに問いかけます。その1節、歌声からは “Doom Metal だけど美しいでしょ?” という自負心、アイデンティティーが強烈に伝わりますね。
後半の BLACK SABBATH meets GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR とでも形容したくなるパートでは、リズム隊を中心に、群を抜いたバンドアンサンブルを聴かせることも記して置くべきでしょう。
また、”Il Cappio” では Rebecca の多彩な一面を覗かせます。バンジョーと共に紡がれるリリックは何とイタリア語。囁くようにスイートなトーンで歌う新しいアプローチにより、陰影を帯びた切なくもフォーキッシュな楽曲は、続く “Killing Rapture” の完璧なプレリュードとして機能していると共に、作品の素晴らしいアクセントとして色を添えています。
ドラマティックでプログレッシブ。”美”にとことんまで拘り、”戦い”抜いた野心的な “For This We Fought the Battle of Ages” は、まさにモダンメタル、Experimental Metal, Post-Doom / Sludge の最新型、金字塔として、凛然と輝く名作に仕上がりました。今回弊誌では、バンドの創立メンバーで、ボーカル/ギター、無数の声を使い分ける才女 Rebecca Vernon にインタビューを行うことが出来ました。日本初取材です!どうぞ!!

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SUBROSA “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KANSAS : THE PRELUDE IMPLICIT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL EHART OF KANSAS !!

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Legend Is Back!! The Throne Of US Prog Rock, Kansas Has Just Released Their New Masterpiece “The Prelude Implicit” For The First Time In 16 Years !!

DISC REVIEW “THE PRELUDE IMPLICIT”

US Progressive Hard の始祖にして、アメリカにプログロックを根付かせた英傑 KANSAS が何と2000年以来16年振りの新作 “The Prelude Implicit” をリリースしました!!
オリジナルメンバー、シンガー、メインソングライター、つまりはバンドの顔であった Steve Walsh の脱退と、3人の新メンバー加入を経てリリースされた作品は、新たな生命を得たかのような瑞々しさと自信に満ちています。
新しいフロントマン/キーボーディスト、Ronnie Platt の歌唱は、間違いなく作品に強い生命力を与えています。映画 “Rock Star” のように、全く無名だった Lombard のカバーバンドのシンガーは、突如、自身も敬愛するプログレジェンド KANSAS のフロントマンに抜擢されました。そして、JOURNY の Arnel Pineda のように、そのチャンスを見事ものにしたのです。
「僕のゴールは Steve の代わりになることじゃないよ。それは誰にも不可能だからね。だけど、KANSAS の品位を保っていく責任はあるんだよ。」と語る彼のパフォーマンスは、Steve へのリスペクトを提示しながらも、若さと推進力を伴い実に魅力的。
特に、”The Unsung Heroes” での歌唱は傑出しています。インタビューでも語ってくれたように、国のために死んで行った戦士たちへの鎮魂歌は、普遍的なアメリカンシャッフルを、中間部のギター/ヴァイオリンのアンサンブルが素晴らしいとは言え、ほぼ歌唱のみで名曲の域まで高めているという点において、JOURNY の “Lovin’, Touchin’, Squeezin'” と通じるものを感じます。発する極上のエモーションと、凄まじいレンジのハイノートは Walsh の代役以上の個性を間違いなく発揮していますね。
新ギタリスト Zak Rizvi の貢献にも触れておくべきでしょう。共同プロデューサー、共同ライターとしてもクレジットされた彼の才能は、今回インタビューを受けていただいた Phil と2人きりとなったオリジナルメンバーで、長年バンドを支えてきた隻眼のギタリスト Rich Williams をも充分に刺激したようで、”The Prelude Implicit” では、”Masque”, “Leftoverture” 期のようなスリリングなリフを存分に味わうことが出来ますね。
“Visibility Zero” にはまさにその成果が結実しており、こちらも新メンバー、David Manion がもたらすプロギーなハモンドサウンドとギター、そして勿論 KANSAS を象徴する楽器、ヴァイオリンのトリプルデュエルが無上のスリルを生み、70年代中期の KANSAS をイメージさせつつ、よりヘヴィーな現在のサウンドを提示しています。
さらに、プログレッシブという観点から見れば、8分の大曲 “The Voyage of Eight Eighteen” は KANSAS のプログサイドを象徴する楽曲です。多数のマルチプレイヤーが存在することで可能になる濃厚かつ重厚なサウンド、プログロックらしい変拍子やキメの美学、そしてかつてのユーロプログに対するUSからの憧れが、ヴァイオリンを使用したフォーキッシュなメロディーとして表層化した結果、あの “The Pinnacle” を超えるような新たな名曲として仕上がりました。現役プログロックバンドとしての矜持を見事に示したと言えますね。
勿論、KANSAS と言えば、”Carry On Wayward Son” や “Dust In the Wind” のような POP センスも重要な1面ですが、今作はボーカルメロディーがアルバムを通してカラフルかつ非常に充実しており、コンパクトな “Summer” はキャッチー極まりないメロディックハードソングですし、”Crowded Isolation” の哀愁も深く胸に染みます。
傑作 “Leftoverture” 40周年に、堂々たる王者の帰還です。Anderson / Stolt の “Invention of Knowledge” と双璧を成す、今年の Masterpiece of Prog Rock だと信じます。今回弊誌では、ダイナミックなドラミングで作品のエンジンとなった、オリジナルメンバー Phil Ehart にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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KANSAS “THE PRELUDE IMPLICIT” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NICK JOHNSTON : REMARKABLY HUMAN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK JOHNSTON !!

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Canadian Guitar Hero, Nick Johnston Has Just Released Minimal, Mystic, And Emotional Masterpiece “Remarkably Human” !!

DISC REVIEW “REMARKABLY HUMAN”

カナダを代表するインストゥルメンタルギタリスト、Nick Johnston が”傑出した”新作 “Remarkably Human” をリリースしました!!ギターを見事に歌わせたメロディーとエモーション、そして高度なインテリジェンスを兼ね備えたこの作品は、彼のマイルストーンとして更なる飛躍のきっかけとなることでしょう。
Paul Gilbert, Plini, Tosin Abasi, PERIPHERY, THE ARISTOCRATS, POLYPHIA, など新旧問わず才能豊かなアーティストとコラボレートしてきたことからも、この Schecter のストラトシェイプを獲物とした29歳のアックスマンが、”傑出している”ことは明らかでしょう。
そして、彼がこれほどまでにミュージシャンから注目を集めているのは、その”マイナスの美学”によるところが大きいのではないでしょうか。
モダンギターシーンは足し算の世界です。音を足し、ギターの弦を足し、リズムを複雑化し、フラッシーなプレイを追求するプレイヤーが多いと感じます。勿論、それらは非常に魅力的で、重要な冒険ですが、同時に Nick を際立たせることにも繋がりました。
“Remarkably Human” は、THE ARISTOCRATS の Bryan Beller, KING CRIMSON の Gavin Harrison, Plini の Luke Martin を起用して制作されました。前作、”Atomic Mind” ではドラマーも THE ARISTOCRATS の手数王 Marco Minnemann が参加していましたが、PORCUPINE TREE でも活躍してきた Gavin を選んだことからも Nick の向かう先が伝わるように思います。
“Ignore Alien Orders” はインストゥルメンタルギタリストのアルバムオープナーとは思えないような楽曲です。作品で最初に飛び込んでくる音もギターではなくピアノなのですから。しかし、Luke のダークでダイナミックなピアノが Nick の繊細なトーンを導くと、Gavin の巧みなシンバルワーク、Bryan のフレキシブルなベースラインが見事に調和し、”Remarkably Human” で目指すところが顕になります。極限まで楽曲にフォーカスした4人のオーケストラ。フラッシーでもプログレッシブでもありませんが、ここには極上の音楽が存在します。
コンポーザーとして、非常にミニマルな境地へとたどり着いた Nick ですが、インタビューで語ってくれた通り、ほとんどがピアノで作られたという楽曲群は、Plini でもお馴染み Luke Martin の神秘的なサウンドスケープが一つの鍵となっています。”Weakend by Winter” はまさに2人の才能が完璧に噛み合った作品のハイライトですし、昨今のインストゥルメンタル音楽で最も美しい瞬間かも知れません。
コンポーザーとしての Nick にばかり注目して来ましたが、勿論プレイヤーとしても驚異的で、テーマ部分で、Larry Carlton を思わせる巧みな音の選択と、David Gilmour のような強烈なエモーションを提示すると、Guthrie Govan や Steve Lukather を想起させるスリリングでクロマティックなリックの数々により、楽曲は無限に拡がりを見せていきます。ストラトの長所である、オーガニックなアーティキュレーションの使用が白眉で、フレーズの一つ一つが感情を持っているかのようにすら感じますね。
今回弊誌では、マイナスの美学により見事な作品を作り上げた Nick Johnston にインタビューを行うことが出来ました。YOUNG GUITAR 誌でもコラムを持っていた彼は非常に強く来日を望んでいます。2度目の登場となりますね。どうぞ!!

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NICK JOHNSTON “REMARKABLY HUMAN” : 10/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【TONY LEVIN : KING CRIMSON, STICK MEN, LEVIN MINNEMANN RUDESS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY LEVIN OF KING CRIMSOM, STICK MEN AND LEVIN MINNEMANN RUDESS !!

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Legendary Bass Player, Tony Levin Talks About King Crimson, Stick Men, Levin Minnemann Rudess And More !!

“A GUIDE TO TONY LEVIN”

世界一多忙なベーシストとも評される Tony Levin。その評価を裏付けるかのように、この半年間だけで、3枚の参加作品をリリースして行きます。5弦ベース、アップライトベース、チャップマンスティックなど、時と場合に応じて楽器と奏法を巧みに使い分ける器用さ、加えて、ファンクフィンガー奏法に代表される独創性をも兼ね備えている点が多忙の理由ではないでしょうか。
勿論、Tony が最も知られているのは KING CRIMSON のメンバーとしてでしょう。1981年からTony が断続的に支え続けてきた、そのプログロックの伝説が最新作、”Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind” をリリースしました。
昨年行われた日本ツアーから高松公演の映像 Blu-Ray と、ライブ音源ながらそれぞれがテーマを持ち、オーディエンス音をカットした”ヴァーチャルスタジオアルバム”が3枚。3CD+Blu-Ray という圧倒的なフォーマットのボックスセットはまさに”KING CRIMSON Re-imagined” と言えるでしょう。
過去の名曲の数々が、トリプルドラムスという、時に圧倒的な音の壁を築き上げ、時に3者が全く別のリズムを刻む、現在の編成、ラインナップで再現される様はまさに圧巻です。同時に、新曲をしっかりと披露し、現在進行形の KING CRIMSON を提示、スタジオアルバムとしての役割をも果たす重要な作品に仕上がっています。
Levin Minnemann Rudess は3人のプログヴァーチュオーソが集結したスペシャルなプロジェクト。KING CRIMSON, THE ARISTOCRATS, DREAM THEATER。三者三様の偉大なプログアクトのメンバーから成るメガトリオが最新作 “From The Law Offices Of Levin Minnemann Rudess” をリリースしています。
意外にも、テクニック、実験性一辺倒ではなく、多彩でキャッチー、バラエティーに富んだデビュー作からさらに楽曲、アイデアを練り込む時間が得られたという新作は、3人の個性が見事に融合し、全ての Jazz/Prog ファンにアピールする “Prog Heaven” とでも評したくなるほど充実した内容です。
Marco Minnemann は、強烈なリズムアプローチとクリエイティブなアクセントで作品の要となると同時に、ギタープレイでもアルバムに貢献していますし、Jordan Rudess は当然ながらマジカルで、今回は特に80年代を意識したようなカラフルなプレイが白眉。そして、Tony はチャップマン・スティック・マスターとしての矜持、加えてファンクやパーカッシブな要素をアルバムにもたらし、作品を巧みに彩ります。勿論、シリアスでありながら、どこかユーモアやエンターテインメント性を感じさせる点も、このトリオならではだと感じます。5/4の魔術、アルバムオープナー”Back to the Machine” 、LIQUID TENSION EXPERIMENT を想起させる “Ready Set Sue”、ゲームミュージックへの親和性を感じさせる “What is the Meaning?” など本当に聴き所が満載なアルバムですね。
さらに10月には STICK MEN の新作 “Prog Noir” のリリースも控えています。STICK MEN は KING CRIMSON のリズムを支える Tony, Pat Mastelotto が気鋭のギタリスト/コンポーザー Markus Reuter と組んだ野心的でアーティスティックなグループです。
バンド名にも冠するように、Tony はベースとギターの特性を併せ持つチャップマン・スティックを使用、Markus も同様にギターとベースの音域をカバーする8弦のタッチギターを操り、弦楽器による縦横無尽な演奏を可能にしています。さらに、Pat のアコースティック、エレクトロニック、ループ、サンプルを巧みに使い分けるドラムアプローチにより、グループとしてモダンで先鋭的なプログロックを表現していますね。
新作 “Prog Noir” はボーカル曲の割合が増え、同時にダークでユニークな完成度の高いアルバムに仕上がっています。インタビューで語ってくれたように、来年2月の来日公演も決定しているそう。アルバムと併せて楽しみにしていてくださいね。
今回弊誌では Tony Levin にその KING CRIMSON, Levin Minnemann Rudess, STICK MEN について詳しく語っていただくことが出来ました。レジェンドの登場です。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HIATUS KAIYOTE : CHOOSE YOUR WEAPON】SUMMER SONIC 2016 Special !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NAI PALM OF HIATUS KAIYOTE !!

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Australia Based Super Eclectic Future Soul Outfit, Hiatus Kaiyote Set To Come Back To Japan in August! Don’t Miss Their Splendid Performance At Summer Sonic 2016 !!

DISC REVIEW “CHOOSE YOUR WEAPON”

オーストラリアを代表するアーティストへと躍進を遂げ、Summer Sonic 2016 への出演も決定している “Multi-Dimensional, Polyrhythmic Gangster Shit” こと HIATUS KAIYOTE。2度のグラミー賞へのノミネート、Q-Tip とのコラボレート、Robert Glasper の作品への参加、Chance the Rapper によるサンプルの使用など、何かと話題の多い彼らですが、注目を集めるのも当然。それは、”Neo Soul”, “Future Soul” と評されている事実からも分かるように、非常にエクレクティックで、スリリングで、斬新で、未来への扉を開ける音楽を創出しているからでしょう。
3年というインターバルを要した彼らの最新作 “Choose Your Weapon” は、さらにサウンドの領域を広げバリエーションに富んだ、完成度の高い傑作に仕上がりました。70分18曲に及ぶ大作は、Modern Jazz, 70’s Funk, Samba, Hip Hop, House, African Soul, Fusion, Prog Rock など実に多彩な要素を取り込みつつ、華やかなエレクトロニカサウンドで装飾された、カラフルで万華鏡のような作品です。デビュー作 “Tawk Tomahawk” が随所にその才能のキラメキを感じさせながらも、10曲30分といういかにも食い足りないランニングタイムであったことを考えれば、本格的に勝負に出たレコードとも言えるでしょう。
“Shaolin Monk Mothefunk” は “Choose Your Weapon” への招待状。ボーカル/ギター Nai Palm の Stevie Wonder, Amy Winehouse を想起させるソウルフルな歌唱、しなやかに配置されたメロディーとカウンターハーモニー、断続的に行われるキーチェンジは実に見事で、アルバムを通してバンドの推進力となっていますね。ウォーキングベースと4ビートでスウィングするヴィンテージジャズサウンドから一転、楽曲は目まぐるしくもアフロ・ポップのグルーヴを刻み始めます。シンセサイザー&フレットレスベースの高速アルペジオと Nai の鬼気迫る歌唱が一体となり、畳み掛ける終盤は圧巻の一言。リスナーはこの時点で、アルバムがいかにアイデアに溢れた作品であるか理解することでしょう。
楽器隊の群を抜いたパフォーマンスも勿論聴き所の1つです。特にシンセサイザーを操る Simon Marvin の音色の豊かさ、テクニックは白眉。宮崎アニメ、”天空の城ラピュタ”にインスパイアされたという “Laputa” ではシンセサイザーがパステルカラーの波を生み出し、”Jekyll” ではピアノでバンド全員のエキゾチックなルーツと並外れたテクニックを引き出します。”Breathing Underwater” での、サンバ・エレクトロニカなどと称したくなる試みも画期的ですね。
特筆すべきは、”Atari” で Dubstep 的ビートとチップチューンを大胆に使用し、キャッチーで未来色の音楽を提示しています。このレコードで何度も聴ける、Perrin Moss の異なる拍子を刻む多次元的なドラミングと Paul Bender の印象的なリフを刻むリードベースが、楽曲にロックらしいダイナミズムをもたらしていますね。同時に、彼らのプログ的側面も開花しており、YES のような”キメ”を使用し、70’s Rock のムードを盛り込んでいることは非常に興味深い対比ですね。
加えて、LAジャズシーンとの接近もアルバムの重要な要素です。”Jazz the New Chapter” シリーズで紹介されたように、HIATUS KAIYOTE は間違いなく、新たに拡散する Jazz サウンドの先端にも立っています。”Creations Pt.1″ には明らかに FLYING LOTUS からの影響が感じられますし、Nai が16.7歳の時に書いたという “Fingerprints” のサウンドは Robert Glasper の手法と通じます。
トレンドを意識しつつ、独自の音楽を開拓する HIATUS KAIYOTE。今回弊誌ではバンドの顔とも言える Nai Palm にインタビューを行うことが出来ました。5月の来日から3ヶ月での帰還となります。どうぞ!

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HIATUS KAIYOTE “CHOOSE YOUR WEAPON” 10/10

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