タグ別アーカイブ: Prog Rock

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LEPROUS : MALINA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BAARD KOLSTAD OF LEPROUS !!

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Norwegian Prog Metal Innovator, Leprous Delivers A Different Organic Flavour With Another Beautiful Album “Malina” !!

DISC REVIEW “MALINA”

“皇帝” の庇護から脱却し、独自のプログレッシブワールドを追及するノルウェーの先覚者 LEPROUS が、ジャンルという鳥籠からブレイクスルーを果たす新作 “Malina” をリリースします!才気煥発なモダンプログレッシブの麒麟児は、シーンのフラッグシップとして地図にはない道をスタイリッシュに切り開いて行きます。
当初は EMPEROR、そしてノルウェーミュージックシーンの首謀者 Ihsahn のバックバンドとして注目を浴びた LEPROUS。しかしバンドの独創的かつ洗練されたクリエイティビティー、天性の審美眼はすでにその肩書きをも遠く置き去りにしています。
LEPROUS のその深遠は、変貌や流動といった言葉に象徴されるのかも知れませんね。まずバンドメンバーが非常に流動的です。世代最高のシンガーにして唯一無二のコンポーザー、キーボードも担当するマスターマインド Einar Solberg、そしてギタープレイヤー Tor Oddmund Suhrke。在籍するオリジナルメンバーは現在彼ら二人のみ。今作では長年バンドに多大な貢献を果たしてきたギタリストの一翼 Øystein Landsverk も脱退し、後任に Robin Ognedal, ベーシストも新たに Simen Børven を迎えて制作されたのです。
変わりゆくのはメンバーだけではありません。バンドはその音の潮流もアルバム毎に脈動させて来たと言えます。実はパンクバンドとしてスタートした LEPROUS。プログメタル、アヴァンギャルド、オルタナティブにポストハードコアと作品ごとにフォーカスするサウンドテーマを変転させつつ、巧みに Djent やポスト系、ブラックメタルの要素も取り入れ、多様なモダンプログレッシブの世界観を構築して来たバンドは、しかし同時に Einar の絶対的な歌唱を軸とした仄暗く美麗なムードをトレードマークとして近年掲げるようになったのです。
2010年代最高のプログメタルオペラとなった “Coal” の後、彼らはより “硬質” でデジタルな作品 “The Congregation” をリリースします。メタリックな音像、正確性と複雑性を極めたバンドが次に見据えた先は、よりオーガニックでナチュラルなサウンドとジャンルの破壊でした。
「アルバムの “全てのインフォメーション” を直ちに伝える」 と Baard が語るように、アルバムオープナー “Bonneville” はまさに変化の象徴です。ジャズのリズムと繊細なギタートーンに導かれ、Einar は朗々と官能のメロディーを歌い紡いで行きます。比較するならば彼が敬愛する RADIOHEAD やMUSE でしょうか。
インテリジェンスとエモーションが有機的に溶け合った切なくも美しいそのサウンドスケープは、メタルやプログレッシブという狭い枷からバンドを緩やかに解き放ち、アーティスティックで “ロック” な新生 LEPROUS を主張します。楽曲序盤と、ポストメタルの激情を伴うコーラスパートとの対比も効果的で、アルバムは確実にそのダイナミズムを増していますね。
さらに、前作から加わったドラマー Baard のアイデア、テクニックはアルバムを通して群を抜いており、当然 “Bonneville” の細やかで斬新なハイハットワーク、ゴーストノートの魔術は明らかに楽曲を強く牽引しています。
“Captive” から “Illuminate” への流れはアルバムのハイライトと言えるかも知れません。複雑なタイムストラクチャーと相反するキャッチーなボーカルラインはまさしく LEPROUS の真骨頂。とは言え確かに譜割には Djenty な要素も色濃いものの、ギターや鍵盤の音色が実に繊細で生々しくヴィンテージとさえ言えるために、異能のドラムワークを含め、結果として極めて興味深い斬新なデザインのサウンドストラクチャーを堪能することが出来るのです。
ソフトで音楽的な “スペース” が広がったシネマティックな “Malina” で、弦楽器チェロの使用は詩情豊かな作品の芸術性を一段と高めていますね。例えば “Stuck” では弾力に満ちたギターリック、温かみのある鍵盤とコントラストを描くシリアスなムードを楽曲へともたらしていますし、ポストロックに接近したタイトルトラック “Malina” ではより実験的でアーティスティックなイメージを生んでいます。
アルバムを締めくくる “The Last Milestone” は Einar の独壇場。パーフェクトなクラッシックオペラ。高齢にもかかわらず、生きるためラズベリーを売り歩かなければならないグルジアの老婆にインスパイアされた心震えるアルバムは、実に切なく、悲しく、幽暗かつシリアスで、しかし崇高なる無上の美を秘めて幕を閉じました。
「僕たちは典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。」 様々な要素、テクニックが “オーガニック” というキーワード、そして哀切のストーリーに注がれた純然たる “ロック” の傑作 “Malina”。リリースは 8/25。シーン屈指のレコーディングチーム David Castillo & Jens Bogren のタッグも健在です。
今回弊誌では、シーン屈指のドラマー Baard Kolstad にインタビューを行うことが出来ました!バンドとしては前回の Einar に続き二度目の登場です!どうぞ!!

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LEPROUS “MALINA” : 10/10

INTERVIEW WITH BAARD KOLSTAD

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Q1: How was your Japan tour last year? How do you like our country?

【BAARD】: Yes, we love playing in Japan. Dedicated fans, and perfect organizers. Beautiful nature, lovely food. Definitely very special every time we play in Japan. Fans seems so thankful to have us there. A pure pleasure!

Q1: まずは昨年の日本ツアー、感想を聞かせていただけますか?

【BAARD】: うん。僕たちは日本でプレイするのが大好きだよ。熱心なファンに完璧なオーガナイザー。美しい自然に美味しい食事。間違いなく、日本で過ごした時間は全てが特別だったね。
僕たちが来日したことでファンのみんなはとても嬉しそうに見えたよ。純粋に嬉しかったね!

Q2: So, it seems Leprous no longer play with Ihsahn. What’s the reason of that?

【BAARD】: Our time schedule just didn’t match anymore. Leprous is a band that demands 100% focus, and if we would continue being Ihsahn’s backing band, sooner or later the concert schedules to each band wouldn’t fit. Still work together from time to another though.

Q2: LEPROUS はもう Ihsahn とはプレイしていないようですね?

【BAARD】: 忙しくなって、ただ僕たちのスケジュールがこれ以上 Ihsahn に合わせられなくなったからなんだ。
LEPROUS は100%のフォーカスを求められるバンドだよ。だから、このまま Ihsahn のバックバンドを続けたとしても、遅かれ早かれお互いのスケジュールがフィットしなくなっただろうね。とは言え、時々はまだ共演しているよ。

Q3: Anyway, your amazing new record “Malina” will be out soon! First of all, could you tell us about the lyrical themes or concept of “Malina”? Where did the idea of album title “Malina” come from?

【BAARD】: “Malina” means raspberry in all Slavic languages. Einar was inspired to write the lyrics after visiting the country of Georgia for my brothers wedding. I saw a very old woman (between 80 and 90) who had to walk around for the entire day selling raspberries for a living while she was saying “Malina, Malina”. It made a huge impression on Einar. Very sad.

Q3: 最新作 “Malina” のリリースも迫っています。まずは歌詞のテーマ、作品のコンセプトについて話していただけますか?

【BAARD】: “Malina” は全てのスラブ系言語でラズベリーを意味するんだ。Einar は僕の兄の結婚式でグルジア(ジョージア)を訪ねたことにインスパイアされて歌詞を書いたんだよ。
僕はそこで 80~90 歳のとても年老いた老婆に会ったんだ。彼女は生活のため、一日中ラズベリーを売って歩き回らなければならないんだよ。”Malina, Malina” と言いながらね。Einar には本当に印象的だったんだ。とても悲しいね。

Q4: Colorful and mysterious artwork definitely shows what “Malina” is. It’s very diverse, eclectic, beautiful and organic record, right? It starts jazz and ends with amazing opera (Thanks Einar!!) I mean, it’s not simply polishing the melancholy progressive metal of “The Congregation”. How did the change happen?

【BAARD】: It happened pretty natural during the process of composition and recording. We wanted a more dynamic and organic sounding album, and also less «perfect» timing wise etc. The opening track «Bonneville» just felt as the right opener because it doesn’t give you «all the info» immediately, and a more diverse and frugal intro to an album. Previous opening tracks, The Price from the Congregation, Foe from Coal and Bilateral from Bilateral are way more «in your face» immediately. This time around we wanted a more artistic opening.

Q4: カラフルでミステリアスなアートワークはまさに “Malina” の音楽を象徴しています。多彩で美しく、オーガニックな作品に仕上がりました。ジャズに始まりオペラで終わるレコードは、ただ前作 “Congregation” を磨き上げただけのアルバムではありませんよね?

【BAARD】: そういった変化は、コンポジションとレコーディングのプロセスの中でとても自然に起こっていったんだ。僕たちはよりダイナミックでオーガニックなアルバムを欲していたんだよ。パーフェクトなタイム感を求めないようなね。
オープニングトラック “Bonneville” はアルバムの “全てのインフォメーション” をただちに伝えるからまさにオープナーに相応しいと感じたんだよ。アルバムのより多様で “慎ましい” イントロでもあるね。
以前の作品のオープニングトラック、 “The Congregation” の “The Price” 、”Coal” の “Foe” 、”Bilateral” の “Bilateral” は、もっと大胆不敵で攻めていたと思うんだ。だから今回はよりアーティスティックなオープニングが欲しかったんだよ。

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Q5: I said organic, because I felt “Malina” is more prog rock than metal. Actually, “Bilateral” has prog rock aspects. But more over, “Malina” can be said simply Rock like Muse, Mew, Radiohead. Did you want to leave the narrow “cage” of “Genre”?

【BAARD】: Organic was definitely our keyword through the whole process. We wanted no click sounding drums, especially kick drum, a less processed guitars as possible. Real analog synths and keyboards, Fender Roads, Hammond with Leslie…. Still for the heavy sounding parts/songs, we wanted the natural sound. Less digital than ever before. That being said, genres doesn’t mean the world for us. We don’t want it to be «prog» just for the sake of it, but when such elements feels natural and fits the songs well, we do it! For instance we have 13/8 time signature in From The Flame. 17/8 on Mirage. This is nothing Einar thinks about when he compose. He sometimes doesn’t even know which kind of signature it is. We just try follow our heart.

Q5: 奇しくも私がオーガニックと評したのは、”Malina” がメタルというよりプログロックの領域に近いと感じたからです。過去の “Bilateral” にやや近いかも知れませんが、さらに言えば MUSE や RADIOHEAD といったシンプルにロックと表現出来る作品なのかも知れませんね?

【BAARD】: 全体のプロセスを通して、間違いなく “オーガニック” は作品のキーワードだったと言えるね。
ドラムスにもクリックは使用したくなかったんだ。特にバスドラに関してはね。ギターも出来るだけシンプルなプロセスにして、本物のアナログシンセとキーボードを使ったんだよ。フェンダーローズやレスリースピーカーのハモンドをね。勿論、未だにヘヴィーなサウンドの楽曲やパートはあるけど、僕たちはナチュラルなサウンドが欲しかったんだ。以前よりデジタルではなくなったと言えるね。
僕たちは、故意に “プログ” な作風にはしたくなかったんだけど、そういった要素が楽曲に自然とフィットするならばやるだけさ!
例えば、”From the Flame” では 13/8 拍子を、”Mirage” では 17/8 拍子を使用したね。ただ、Einar は作曲している時にこれは何拍子だなどと考えたりはしないんだ。時々は、作ったものが何拍子なのか本当に分かっていない時さえあるんだからね。僕たちは心に従って作曲するようにしているんだよ。

Q6: “The Congregation” was the band’s last album with longtime guitarist Øystein Landsverk. Why did he leave the band?

【BAARD】: As mentioned earlier, Leprous is a band that demands and needs 100% focus. Øystein has always been an amazing guitar player for Leprous and musical, not to forget an important long time member and close friend. He has his career at work beside of leprous also being important for him, and combined with family life and kids, it just turned out that it was extremely difficult for him to tour and have full focus on the band as well. A few hours ago it was made official that he will have his 2nd baby – congrats again Øystein! .

Q6: 前作 “The Congregation” が長くギタリストを務めた Øystein Landsverk との最後の作品となりました。なぜ彼はバンドを離れることになったのでしょう?

【BAARD】: 最初にも言ったけど、LEPROUS は100%フォーカスすることを求められるバンドなんだ。Øystein は LEPROUS とその音楽にとって常に素晴らしく魅力的なギタープレイヤーだったし、重要なロングタイムメンバーで親しい友人であることを忘れることはないよ。
彼には LEPROUS と同時に自身のキャリアもあって、家族や子供との生活と共にそれも彼にとっては重要だったんだ。だから、LEPROUS で、ツアーを行いバンドに全てを注ぐことが本当に難しくなったんだよ。
何時間か前にオフィシャルになったんだけど、彼にはもう一人子供が出来るんだよ。おめでとう、Øystein !!

Q7: Baard becomes essential member of Leprous from “The Congregation”. I mean “Illuminate” “Malina”, and “Coma” are wonderful pieces of music where all his talent was demonstrated. OK, so, what will Robin Ognedal bring to the band next?

【BAARD】: Thanks a lot! You can hear Robin’s beautiful touch and tone on places like the very first guitar parts of opening track Bonneville, he’s groove on middle section of Illuminate and the verse of From The Flame, he’s delicate touch on verses and pre choruses in Leashes and all around sound on different riffs of Stuck.

Q7: “Illuminate” “Malina”, “Coma” といった楽曲は、まさにあなたの才能が素晴らしく開花した楽曲で、バンドにとって不可欠な存在となったことを象徴しています。では、新たなギタープレイヤー Robin Ognedal にはどのような魅力が存在しますか?

【BAARD】: ありがとう!Robin の美しいトーンやタッチは、オープニングトラック “Bonneville” の最初のギターパートで聴くことが出来るよ。”Illuminate” のミドルセクションや、”From the Flame” のヴァースではクールなグルーヴを刻んでいるし、”Leashes” のヴァースやプレコーラスのデリケートなタッチも素晴らしいね。”Stuck” の様々なリフには全てのサウンドが組み込まれているよ。

Q8: David Castillo and Jens Bogren seem to be the best recording team in the scene. How did you talk to them and make this album?

【BAARD】: We were so incredibly happy with David’s work and effort on The Congregation where he recorded the drums and did some guitar and bass re-amping. This time we decided to use David for ALL recording related stuff. Jens, we used for the 4th time in a row for studio albums. This time around it was a longer mixing process than previous where the first mixes of Malina had to be done from the start again because we didn’t want the typical «big sounding metal»-vibe. We used so much time and focus to set the sound of the album while we recorded: Final sound of the drums should be as it was when we recorded. Final sound of the keyboards should be as it was when we recorded. Same with the rest… Not to much editing and EQing.

Q8: David Castillo と Jens Bogren のタッグはシーン最高のレコーディングチームだと感じます。彼らとはどういった話をしてアルバムを制作したのですか?

【BAARD】: 僕たちは David が “The Congregation” で果たした役割、ドラムス全てと、ギター、ベースの一部のレコーディングに対して最高に満足していたんだ。だから今回は、David に全てのレコーディングを任せたんだよ。
Jens に関してはスタジオ作品では4回連続の起用となったね。今回は以前より長いミキシングのプロセスとなったんだ。というのも “Malina” のファーストミックスは最初からやり直すことになったからなんだけど。僕たちはその典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。
レコーディングの間、僕たちは実に長い時間を費やして、サウンドを定めて行ったんだ。だから結局、最後のドラムサウンドはレコーディング時と同じようになるべきだった訳さ。キーボードも。残りの楽器もそうだな。あまり編集やエコライジングはしていないよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED BAARD’S LIFE

PORCUPINE TREE “IN ABSENTIA”, “FEAR OF A BLANK PLANET”

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DREAM THEATER “METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY”

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IRON MAIDEN “ROCK IN RIO”

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MESHUGGAH “KOLOSS”

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ANDERSSON .PAAK “MALIBU”

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ASPERA (New Guitar Player Robin’s Band) “RIPPLES”

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Every member of Leprous has their different albums. For instance, Simen on bass is from a more jazz and pop background than the others. Hard to say top 5 albums for myself, but I would pick:Porcupine Tree’s In Absentia and Fear of a Blank Planet, Dream Theater’s Scenes From A Memory, Iron Maiden’s Rock in Rio, Meshugga’s Koloss, and the hip hop/soul artist Andersson Paak’s «Malibu». All time favorite childhood album would maybe be new guitar player Robin’s band «Aspera» (later changed to Above Symmetry) with the album «Ripples».

MESSAGE FOR JAPAN

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Japan! We love you! Hope to be back soon. Please bring all your music loving friends!

日本のみんな!愛しているよ!すぐに戻れたらいいな。君の大好きな音楽全てを友達にも届けてね!

BAARD KOLSTAD

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CHON : HOMEY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERICK HANSEL OF CHON !!

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California Based, Incredible Jazz-Math Rock Trio, Chon Advance Into New Realm With The Masterpiece “Homey” !!

DISC REVIEW “HOMEY”

インストゥルメンタルミュージックの未来を切り開く時代の寵児。サンディエゴのジャズ/マスロックトリオ CHON が、シーンの輿望を担う最新作 “Homey” をリリースしました!!バンドの “ホーミー” である南カリフォルニアの太陽、空気、夏の匂いを一身に浴び、望外なまでにチルアウトしたレコードは、ジャンルに海風という新風を吹き込んでいます。
CHON が2015年にリリースしたファーストフルレングス、 “Grow” はバンドのユニークな才能や感受性を見せつける素晴らしきショーケースとなりました。ソフトでカラフルなコードワーク、デリケートでピクチャレスクなリードプレイ、ダイナミックに研ぎ澄まされたバンドサウンド。高度な知性と屈託のない無邪気さが同居する、オーガニックかつテクニカルなその世界観はまさしく唯一無二で、スメリアンの秘蔵っ子から一躍シーンのサウンドアイコンへと飛躍を果たすことになったのです。
バンドのホームタウン、カリフォルニアにインスパイアされ制作された最新作 “Homey” は、”Grow” で見せた圧倒的な光彩はそのままに、その鋭敏な感性が掴まえたエレクトロニカ、アンビエント、ハウスなど所謂チル系のトレンドを大胆に咀嚼し、トロピカルで新鮮なムードとテクニカルなマスロックを共存させることに成功していますね。
アルバムオープナー、”Sleepy Tea” は、インタビューにもあるように、驚異的なまでに進化した CHON のインストゥルメンタルワークを堪能出来る楽曲です。猫の目のように変化する細やかなリズムアプローチは、Mario と Erick のギターチームがダンスを踊る最高の舞台。時に奔放に、時に精巧に、極上のメロディーとエキサイトメントを運ぶニ人の複雑で甘い関係は、奇跡の距離感で音のユーフォリアを紡いで行きます。
CHON の豊潤なる味わい深さの一端は、モダンの中に見せるオールドスクールな部分かも知れません。特に今作では、フュージョンと言うよりもビバップやモダンジャズのスウィング、ツーファイブ、フォービート、フレージング、シンコペーションが丹念に織り込まれており、得も言われぬコントラストを創出しています。例えば、”Checkpoint” などはマスロックの顔をしたジャズスタンダードのナンバーだと言えるかも知れませんね。
当然、手数とグルーヴを両立させた Nathan Camarena のドラム捌きも卓越しており、突っこみ気味でバンドを牽引するそのエナジーは圧倒的。ゲストに迎えた Brian Evans のパーカッション、有機的でムーヴアラウンドな Anthony Crawford のベースラインとも相俟って、型破りでマスロックの可能性を再定義するようなデザインをアルバムを通して描いていますね。
同じくサンディエゴを拠点に活躍する、ビートメーカー/ジャズギタリスト Go Yama をフィーチャーした “Berry Streets” は CHON の新たな冒険を象徴する楽曲です。現在進行形のトレンドであるトロピカルハウスを主軸としたトラックは、あまりにノスタルジックでアンビエント。カリフォルニアのビーチで沈みゆく夕日を惜しみつつ聴くために作られたかのような至高のチルウェイブに仕上がっています。
同時に CHON のジャジーなインストゥルメンタルワークも効果的に挿入されており、Erick がインタビューで語ってくれた通り、結果として二つのジャンル、二つの才能が見事に融合し開花した独創的で至妙な世界観を構築することに成功しているのです。
新進気鋭の シンガー/サックス奏者 Masego を起用した “Nayhoo” もコラボレートの成果が際立って実を結んだ一曲です。ソウル/エレクトロジャズの領域へと踏み込んだ楽曲は、Masego のエモーショナルなボーカルを芯柱とし、匂い立つような色気、スイートな瞬間をアルバムへもたらしていますね。勿論、Thundercat や、FLYING LOTUS がフェイバリットに挙がっている事実を知るまでもなく、ここで彼らが、Jazz の領域を拡大する Robert Glasper と “Jazz The New Chapter” のフロンティア精神を意識したことは明らかです。
「自分たちが気に入るサウンドの楽曲を書き続けて、叶うならファンも僕たちの音楽を好きになり続けてくれることだね。その過程で、さらに新たなファンも開拓出来たら良いな。」
世界最高峰のエレクトロポップを創造するビートメーカー、Giraffage A.K.A. Charlie Yin との共演にも言えますが、既存のファン層からある程度の反発を見越しても、より幅広いマスリスナーへとアピールし、音楽的なチャレンジを続けることこそがバンドのゴールだと Erick は認めています。そして CHON の掲げる、その本来の意味でのロックスピリットは必ず報われるべきだと感じました。
今回弊誌では、ギタリストの一人 Erick Hansel にインタビューを行うことが出来ました。もし、”Homey” のムードやスピリットが気に入ったなら、Jakub Zytecki の最新ソロEP “Feather Bed” や、先日弊誌でも特集を組んだ ichika の新プロジェクト AMONG THE SLEEP へと歩みを進めてみるのも一興です。どうぞ!!

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CHON “HOMEY” : 10/10

INTERVIEW WITH ERICK HANSEL

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Q1: How was “The Homey Tour”? Actually, Japanese fans are really jealous of US fans. Off course, we are big fan of Chon. Adding that, Tera Melos, Covet, and Little Tybee are all amazing! haha.

【ERICK】: Yeah! The Homey Tour was mega sweet!

Q1: TERA MELOS, COVET, LITTLE TYBEE。”Homey” ツアーは素晴らしいメンツが集まりましたね?

【ERICK】: 本当に! “Homey” ツアーはメガスイートだよ!

Q2: Your merchandises, artist photos, and MVs are always stylish, lovely and cute. It’s very different from other usual bands. Who is making these ideas?

【ERICK】: We have the ideas for the merch and designs and hire artists to come up with the stuff. So far it’s been chill!

Q2: CHON のアー写、マーチや MV はスタイリッシュでキュートですよね?一般的なロックバンドとはイメージがとても異なります。

【ERICK】: 僕たちはマーチとデザインに確固としたアイデアを持っていて、アーティストを雇ってそれらを考え出しているんだよ。今のところ、楽しんでやれているね!

Q3: Is there any specific meaning behind the name Chon?

【ERICK】: The basic 4 elements in every living thing. Carbon, Hydrogen, Oxygen, Nitrogen. From science channel, haha.

Q3: CHON というバンド名の由来について話していただけますか?

【ERICK】: CHON という名前は、生きるために不可欠である全ての基本的な4要素から来ているんだ。Carbon (炭素), Hydrogen (水素), Oxygen (酸素), Nitrogen (窒素)。サイエンスチャンネルからの受け売りさ!(笑)

Q4: Anyway, has Esiah returned to the band? It’s very rare case that three brothers are in the same band, isn’t it?

【ERICK】: Esiah has just been touring with us as of now.

Q4: Esiah Camarena もバンドに復帰したんですよね?それにしても、同じバンドに三兄弟が所属しているというケースは珍しいですよね?

【ERICK】: いや、Esiah は今だけ期間限定で、僕たちとツアーをしているだけなんだ。

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Q5: Your newest record “Homey” is out now! I feel, your previous record “Grow” showed literary Chon’s phase of “Growing up”. So, how have you evolved since then? I mean, “Homey” seems to be relaxed, and natural, organic record. It has wonderful feeling of driving down a sunny beach with a cone of ice cream in hand, right? haha.

【ERICK】: Yeah! I feel this album is our best work yet. And we’re better at our instruments now than before. It’s moving in the right direction.

Q5: 前作 “Grow” は文字通り CHON の成長過程を投影していたように感じました。最新作 “Homey” もタイトルを反映し、よりオーガニックでリラックスした作品に仕上がったのではないでしょうか?

【ERICK】: そうだね!僕はこのアルバムを最高傑作だと感じているんだ。
何より、以前より楽器の演奏が良くなっているね。それはすなわち、バンドが正しい方向へ進んでいるという証なんだ。

Q6: You step in to experiment further with the enormous potential of sound design coupled with musical technicality in “Homey”. “Berry Streets” features some ambient and electronic, “Chill out” elements without missing your mellow, warm and happy sounds. What inspired you to open the new realm with Go Yama?

【ERICK】: We already listen to Go Yama and ROM and stuff so we thought making a song together would be dope. Turned out really well.

Q6: “Homey” では新たなサウンドデザインも堪能することが出来ますね。Go Yama をフィーチャーした “Berry Streets” では、バンドのメロウでウォーム、ハッピーなサウンドを保ちながら、アンビエントやエレクトロニカ、所謂チルアウトな領域へと歩みを進めていますよね?

【ERICK】: Go Yama と ROM については、すでに僕たちは彼らの音楽を聴いていて、楽曲を共作出来たらヤバイと思ったんだよ。結果は最高のものになったよね。

Q7: “Nayhoo” features Lophile and Masego, and has soul, electro-jazz sound. I feel Chon is jumping on the bandwagon. That’s your strong point. I mean, you can make something new and interesting mixing trend and your own colors. There is no limits, no boundaries. Do you agree that?

【ERICK】: Being able to take the music you make. Give it to another person who makes their own style of music to combine the two. And somehow make it sound great. As you say, there’s really no limits, and that’s rad.

Q7: さらに、Masego & Lophile をフィーチャーした “Nayhoo” ではソウルやエレクトロジャズサウンドに接近していますね。トレンドを積極的に取り入れ、自身の色と融合させる CHON の方法論は実に魅力的で、バンドには限界などないように感じます。

【ERICK】: 君たちが作った音楽だって取り入れることが出来るよ。独自の音楽スタイルを持つ別のアーティストと共作することで、二つのサウンドが融合するんだよ。たいてい、そういったチャレンジは素晴らしいサウンドを生むんだ。
君が言うように、バンドに限界は全くないよ。そしてクールな試みだと思うな。

Q8: What’s the goal of Chon? Technical, Progressive Jazzy-Math-rock instrumental band? Trendy, top of Billboard chart band? Which one do you want to focus on?

【ERICK】: Keep writing stuff that sounds good to us and hopefully the fans keep digging it. And gain new fans in the process.

Q8: では CHON の目指すゴールとは何でしょう?インストゥルメンタルを極めることですか?それともビルボードの上位に切れ込むことですか?

【ERICK】: 僕たちの目標は、自分たちが気に入るサウンドの楽曲を書き続けて、叶うならファンも僕たちの音楽を好きになり続けてくれることだね。その過程で、さらに新たなファンも開拓出来たら良いな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED ERICK’S LIFE

THUNDERCAT “THE GOLDEN AGE OF APOCALYPSE”

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ESTARADASPHERE “IT’S UNDERSTOOD”

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MESHUGGAH “CATCH THIRTYTHREE”

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FLYING LOTUS “COSMOGRAMMA”

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NECROPHAGIST “EPITAPH”

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MESSAGE FOR JAPAN

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Thanks for your support! See you soon !!

サポートをありがとう!すぐに会えるさ!

ERICK HANSEL

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【tfvsjs : 在 zoi】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ADONIAN CHAN OF tfvsjs !!

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The Innovative Math/Post Rock Act From Hong Kong, tfvsjs Has Released “Math Rock With A Canton Twist” Record “在 zoi” !!

DISC REVIEW “在 zoi”

頽廃と精神、暗澹と光明のコントラストを司る、香港のマスロック/ポストロックイノベーター tfvsjs が豊かな可能性に満ちた新作 “在 zoi” をリリースしました!!圧倒的なダイナミズムと多様性を備えたアルバムは、White Noise Records というキーワードともリンクしてアジア圏インストゥルメンタルの目を見張る進歩を証明する1枚となるでしょう。
複雑で予想不可能、しかし美しく感情豊かなピースを創造する tfvsjs が素晴らしきデビュー作 “equal unequals to equal” の後提示したのは、よりダークでヘヴィーな世界観でした。Adonian はその理由について 「僕たちがここ何年か香港で経験したことをどうしても反映しているからだと思うんだよ。政治は毎日僕たちの心を混乱させ、日常生活にも強く影響するんだ。そんな重荷を抱えた状況で作られた訳だから、音楽が僕たちの捌け口となった面は否めないと思うんだ。」 と語ります。
TTNG, Mylets のメンバーが香港のライブハウス Hidden Agenda で、不法就労の疑いにより警察に身柄を拘束された5月の事件をご記憶の方も多いでしょう。一見、ビザの申請を行う行わないという単純な話にも見えますが、実はこの事件こそ香港の闇を反映し象徴しているのです。
香港では、音楽の興行は商業地帯でしか認められていません。しかし商業地帯の非常に高価な賃料のせいで、ライブハウスを経営することは現実的ではないのです。Hidden Agenda はしかしながら、インディペンデントなアーティストを応援したいという情熱によって、賃料の安い “グレーゾーン” 工業地帯で幾度も場所や手法を変えながら何とか営業を続けて来たライブハウスでした。グレーなやり方のために当局からは目をつけられ、ビザの申請も難しいという背景が存在したようですね。
勿論、国によって文化や法律は異なるため、正義を単純に定義することは出来ません。ただ、才能溢れるインディペンデントなアーティストが演奏する場所を奪われていることは確かで、日本にとっても単なる対岸の火事とは思えません。何より、「自由と多様性の国際都市である香港は、クリエイティブなパフォーマンスと作品がもっと繁栄していく機会を創るべきだね。」 という TTNG, Mylets のコメントが全てを語っている気がします。
tfvsjs の言う “ここ何年か香港で経験したこと” は実は Hidden Agenda のケースとシンクロしています。彼らもまた工業地帯で、音楽活動を続けるために機材を持ち込んだスタジオ型のレストラン tfvsjs.syut をオープンさせていました。非常に人気のあったその場所は、しかし当局の立ち退き命令により昨年閉店を迎えてしまいます。
確かに違法性を宿すグレーゾーンでの出来事。ただ、アイコニックな表現者を的とした一連の強硬な流れには、一国二制度の下で保たれている香港の政治的、文化的な自治性の揺らぎを感じざるを得ません。「政治的にも文化的にも中国というより香港のバンド」 と語る彼らのアイデンティティーが保たれることを望むばかりです。
そういった経緯を念頭に置けば、tfvsjs の新たなレコードが、ダークでインテンス、そしてノイジーでドゥーミーなムードを加えたことにも納得が行くはずです。無音とノイズのコンビネーションで幕を開けるアルバムオープナー “Burn all flags,” は実際、頽廃と精神性を隠喩しているようにも思えます。
勿論、もとより一つのジャンルに収まるバンドではありません。2005年に結成された tfvsjs は、以前ボーカルやトランペッターまでをも擁していました。インタビューで hip hop をよく聴いていると語ってくれた通り、メンバー各自の多様な音楽的素養は、窮屈な政治の下でも型にハマらない自由な創作活動を可能としているのです。
何よりトレードマークとも言えるツインドラムスが生み出すダイナミズムは圧巻の一言。ツインギターとツインドラムスによるコール&レスポンスは、複雑な展開でも、シンプルなビートにおいてもまるで二つのバンドが共演しているかのようなエキサイトメントをリスナーへと届けます。爽涼なマスロックと轟音のドゥームゲイズを同時に梱包したかのような “and paint our pupils with ashes” はまさにその象徴だと言えますね。
7th や9th のテンションノートをメカニカルな五線譜へ巧みに配置した “Shrine of our despair”、YES の “燃える朝焼け” をイメージさせるスリリングでプログレッシブな “Battle From The Bottom”、ポストロックとアジアの悠久が見事に調和する “無以名状” を経てたどり着く “滅曲” は間違いなくアルバムのハイライト。
フラストレーションの捌け口となった楽曲で、ブラックゲイズのトレモロは慟哭を、マスロックの暖かなメロディーは光明を代弁し、極上のコントラストはまるで闇夜に浮かび上がる月華の如くリスナーの心を動かします。
日本のマスロックレジェンド toe の美濃氏がミキシングとマスタリングを手がけたことで、サウンドも丹念に磨きあげられ間違いなく作品の充実へと繋がっていますね。
今回弊誌では、ギタリストでコンポーザー Adonian Chan にインタビューを行うことが出来ました。昨年は Summer Sonic にも出演を果たした香港の英雄です。どうぞ!!

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tfvsjs “在 zoi” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【YVETTE YOUNG : ACOUSTICS EP 2】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH YVETTE YOUNG !!

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Having Played Piano Since The Age Of Four And Violin Since Age Seven. Math Rock Queen, Yvette Young Shows Her Classical Influences With Her Beautiful New Record “Acoustics EP 2” !!

DISC REVIEW “ACOUSTICS EP 2”

端麗なる才媛、麗しきマスロッククイーン Yvette Young が、情趣溢れる別世界 “Acoustics EP 2″をリリースしました!!インタビューにもあるように、愛するポストロックの領域へと接近した絶佳なる名編には、多様でフレキシブルな彼女の色彩が存分に織り込まれています。
プログレッシブとマスロックの狭間で存在感を放ち、シーンの揺らぎとなっている COVET をホームグラウンドとするように、Yvette はモダンギタリストの文脈で語られるテクニカルなプレイヤーです。しかし、4歳からピアノを始め、7歳でヴァイオリンを学んだという彼女の深遠なる七色のギフトは、決してただ一所に留まってはいないのです。
実際、”Acoustics EP 2” は実に画期的な作品です。ギターで作曲を開始して6年。波のように揺蕩う異なる拍子の海、アコースティックギターで表現されるモダンで高度なテクニック、そして自らがプレイするヴァイオリン、ピアノ、ハープ、バンジョーなど多種多様な楽器の使用による豊かな表情、アトモスフィア。全てが前作 “Acoustics EP” から格段にスケールアップを遂げ、Yvette は遂に独自の世界観を確立したように思えます。
ボサノバの空気を深く吸い込み、自身のポップサイドを前面に押し出した “Holiday” で幕を開けるアルバムで、しかし特に着目すべきは、彼女の独創的な奏法が可能にするオーケストラのようなサウンドでしょう。勿論ピアノやストリングスを重ねているとはいえ、骨格がギター1本の演奏でこれほどまで音楽に立体感を生み出す作品は実に得がたいと感じます。実はそこには Yvette のクラッシックの素養、ピアノの技術が大きく作用しているのです。
インタビューで語ってくれた通り、Yvette には “ギターのレイアウト、フレットや弦をピアノの鍵盤に見立てて” プレイする場面が存在します。つまり左手で抑え右手で音を出す通常のプレイに加えて、両手ともに指板をタップし直接音を生み出すことで、右手の分、旋律をより重ねることが可能になっているのですね。ギターを横にしてそのままピアノのように “弾く” イメージでしょうか。
当然、高度なテクニックで音量やノイズの調整は簡単ではありません。しかし彼女はメトロノームの如く正確にリズムを保ちながら、優美なサウンドで鮮やかに清音を奏でます。
作品で最もポストロックに接近した “Adventure Spirit” の、文字通り冒険心を胸に抱いたカラフルなメロディーのポリフォニーは、まさにその Yvette オーケストラの象徴です。チェロ、ヴァイオリン、ボーカル、ギター。テーマを奏でる主役の楽器が次々に入れ替わるアンビエントな楽曲で、Yvette の知性的なギターアルペジオ、コードプログレッションはコンダクターのように様々な楽器を操り指揮していきます。
勿論、ギターが旋律を奏でる場面では、鮮やかに両手タップを使用し、躍動するメロディーと共に指揮者不在の状況を回避。エアリーなボーカル、エセリアルなストリングスの響きは、オーガニックな彼女のオーケストラに HAMMOCK や CASPIAN を想起させる美麗なるダイナミズムを創造していますね。
一方で、フォーキーな “Blossom” の数学的で流麗なフレージングはマスロックの女王を強くイメージさせてくれます。師匠 INVALIDS 譲りのサウンドスケープ、風景の中に点在する無上のエキサイトメントはすでに彼女のトレードマークとなった感がありますね。
アルバムは、現在の Yvette Young を全て詰め込んだ悲しみと希望の組曲、”A Map, A String, A Light Pt 2″ で詩情豊かにその幕を閉じました。
今回弊誌では Yvette Young にインタビューを行うことが出来ました!もはや弊誌のかわいい担当準レギュラーだと言えますね!どうぞ!!

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YVETTE YOUNG “ACOUSTICS EP 2” : 9.7/10

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LOUD PARK 17′ SPECIAL INTERVIEW 【PER NILSSON : MESHUGGAH, SCAR SYMMETRY, KAIPA, NOCTURNAL RITES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PER NILSSON OF MESHUGGAH, NOCTURNAL RITES, KAIPA, AND SCAR SYMMETRY !!

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Now, The Most Notable Guitar Virtuoso In The Scene, Per Nilsson Will Come To Japan With Meshuggah At Loud Park 17′ !! The Busiest Man Talks Everything About His New Adventure !

ABOUT PER NILSSON

スウェーデンが誇る異能のギターマイスター Per Nilsson。現在、彼こそがメタル/プログコミュニティーで最も注目を集める怪物であることに異論を唱える向きはないでしょう。
モダンメタルの父、MESHUGGAH のマスターマインド Fredrik Thordendal が突然の “休暇” を申請したのは6月初頭のことでした。インタビューにもあるように、スタジオの建設とソロキャリア追求のためバンドを離れた求道者の代役として指名されたのが今回の主役、Per だったのです。実際、彼ほどの適任者は存在しないように思えます。
10代後半から MESHUGGAH を聴き漁り、リスペクトを捧げて来たという Per のギタープレイには、例えば彼のホームグラウンド SCAR SYMMETRY を聴けば分かるように、複雑でマスマティカルなリフワークや、レガートで滑らかにアウトするリードプレイなど、モダンメタルの巨人を想起させる場面が確かに存在します。
何より、亡き Allan Holdsworth の遺産を相続するのみならず、独自に進化させるプレイヤーはメタルの領域においてあまりに稀有で、オーディションも行わず Per を指名したバンドの英断には頷くばかりですね。
さらに Per が注目を集める理由。それは彼のフレキシブルな才能が可能とした、多方面での雄渾なる活躍です。多様でエクストリーム、実験性を秘めたモダンメタルを中枢としながらも、Per のセンス、スケール、そしてテクニックは様々な分野のアーティストを惹き付けてきました。
特にここ日本で絶大な人気を誇るメロディックメタルアクト NOCTURNAL RITES もその一つ。10年という長い沈黙を破るバンドの復活作 “Phoenix” で、ソロイストとして白羽の矢を立てたのが Per だったのです。インタビューにもあるように、トラディショナルでメロディーによりフォーカスした Per の新たな冒険は、バンドのマスターピースとして結実したようですね。9月のリリースを待ちましょう。
加えて、9月にはもう1枚 Per の参加したレコードがリリースされます。KAIPA の新作 “Children of the Sounds” です。70年代から活動を続ける、北欧シンフォプログの雄 KAIPA に Per が加入した事実はシーンに大きな驚きを与えました。実際、Per 自身が語るように、Roine Stolt の色彩と気品をメタルシュレッダーが引き継げるのだろうかという懐柔的な見方も多かったようですね。
しかし KAIPA の同僚で天賦のスティックマン Morgan Agren が、「Per は非常に滑らかなタッチと完璧なコントロールを持っているね。彼が演奏するときは、すべてが簡単に聞こえるんだ。素晴らしいプレーヤーだよ。」と語るように、Per のモダンなテクニックはバンドに新たな”血”をもたらし、スピードを備えたクラシカル、フォーキーなパッセージが壮麗なる推進力を生んでいるのは間違いないでしょう。
また、Per にはプロデューサーとしての顔も存在します。今ひとつ伸び悩んでいた自身のメインバンド SCAR SYMMETRY が、遂にそのステージを1歩進めた最新作 “The Singularity (Phase I – Neohumanity” では、Per がコンポジション、プロデュース、ミックス、マスタリング全てを手がけているのです。
非常にメロディックかつプログレッシブな方向へとシフトした作品が、脱退したギタリスト Jonas Kjellgren メインのプロダクションに比べよりクリアーで立体感を有していることは明らかですね。インタビューにもあるように、Per のスタジオも完成しトリロジーの第2章が幕を開ける瞬間も間近です。期待しましょう。
最後に Per がソロアルバム、ETERNITY’S END のプロダクションを手がけたテクニカルデスメタルシーンきってのテクニシャン Christian Muenzner は彼について 「Per Nilssonはこれまでの10年間で最もエキサイティングなギタープレイヤーだよ。美しいフレーズとインテリジェントなノートの選択は、素晴らしい音色を運び完璧なまでに楽器のテクニカルな要求を満たすんだ。僕がギタリストのプレイに探しているものすべてを彼は持っているんだよ。」と語っています。インテリジェンスを感じるのは当然かも知れません。Per の IQ は156を超えるとも言われており、あの高IQクラブ “メンサ” のメンバーなのですから。
型破りな知性が導くフレキシビリティ。今回弊誌では、Per Nilsson にインタビューを行うことが出来ました。遂にあの鬼才が MESHUGGAH として Loud Park にやって来ます!どうぞ!!

INTERVIEW WITH PER NILSSON

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Q1: Hi, Per! We, Japanese fans, are so happy to hear you’ll come to Japan with Meshuggah at Loud Park 17′!! Actually, you are one of the most popular guitar hero in Japan, and we have really waited for your coming! How do you feel now?

【PER】: I am absolutely thrilled about coming to Japan for the first time ever! I’ve heard a lot of great things about Loud Park, and about Japan in general and I can’t wait to experience it all. We’ve been trying to come to Japan with Scar Symmetry but so far it hasn’t worked out for different reasons, but I’m very excited of course to come with Meshuggah!

Q1: あなたが MESHUGGAH の一員として Loud Park 17′ に参加すると知りとても嬉しいです!実際、あなたは日本のギターファンが待ちわびていたヒーローの1人ですからね。

【PER】: 遂に、初めて日本に行けるんだ!とても興奮しているよ!Loud Park、そして日本の素晴らしさはずっと聞いてきたからね。待ちきれないよ。
SCAR SYMMETRY でも日本に行こうと努力して来たんだけど、今のところ様々な理由で実現していないんだ。ただ勿論 MESHUGGAH で行けるんだからとてもエキサイトしているよ!

Q2: Could you tell us how you joined Meshuggah? Fredrik seems to go to hiatus. When will he come back to the band?

【PER】: Tomas asked me six months ago if I would be interested to fill in for Fredrik for a while, it was as simple as that. No auditions or anything. Fredrik is on leave of absence to build his own music studio and work on his solo career, and to be honest I don’t know when he will come back, but I will most likely stay onboard for the duration of his hiatus. They’re already making some touring plans for 2018 that I’ve been asked to be a part of, and I’m happy to help the guys out. Meshuggah is one of my all-time favourite bands and Fredrik is one of my favourite metal guitar players so it’s an incredible honor for me to find myself in this position!

Q2: ではその MESHUGGAH 加入に至った経緯を話していただけますか? Fredrik は一時的な離脱の様ですが、復帰はいつごろになるのでしょう?

【PER】: 半年前に、Tomas (Haake) がしばらく Fredrik の代役を務める気はないか尋ねてきたんだ。シンプルにそれだけなんだよ。オーディションのようなものもなかったね。
Fredrik が “休暇” を取ったのは、彼自身のスタジオを建ててソロキャリアを追求するためなんだ。そして、彼がいつ復帰するのか本当に僕は知らないんだよ。ただ、彼が不在の間はバンドに居る可能性が高いと思う。彼らはすでに2018年のツアー計画を立てていて、僕に帯同して欲しいと言っているんだ。彼らを手助け出来て嬉しいね。
MESHUGGAH は僕のオールタイムフェイバリットの一つだし、Fredrik はフェイバリットメタルギタリストの一人。だから僕がそのポジションに居るなんて、信じられないくらい光栄なことなんだ!

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Q3: You seems to use your new strandberg 8 strings signature in the Meshuggah show. Until 2013, you were endorsed by Ibanez guitars. But now, you become a kind of the symbol of strandberg. How do you like the guitar?

【PER】: I absolutely, absolutely love all my Strandbergs, the new eight string prototype especially. It’s a multi-scale guitar with 24 True Temperament frets, Lundgren pickups, a beautiful blue and black swirl finish and a custom version of Strandberg’s own ‘Endurneck’ neck profile that is super smooth and so nice to play.

Q3: MESHUGGAH のショウでは新しいストランドバーグの8弦シグニチャーモデルを使用していますよね?

【PER】: 僕はね、本当に、本当に、僕の全てのストランドバーグギターを愛しているんだ。中でも特にこの新しい8弦プロトタイプをね。
マルチスケール(ファンフレット)の24トゥルーテンぺラメントフレット。ピックアップはラングレンで、青と黒の美しいマーブル塗装なんだよ。Strandberg の特徴である “Endurneck” はカスタムバージョンで、これが実にスムースで弾き心地が良いんだよ。

Q4: So, what’s Meshuggah to you? Have they influenced your music, rhythm approach, and guitar playing?

【PER】: Meshuggah is one of those few bands that have a unique, archetypal style and their importance to the evolution of metal music is immense. I started listening a lot to them in my late teens and much of what they did on their early albums, ‘None’ and ‘Destroy Erase Improve’ was very important and influential to my own musical evolution. Fredrik and I also both hold Allan Holdsworth as our number one favourite guitar player and we are both very much influenced by his work.

Q4: 先程、MESHUGGAH はフェイバリットバンドの一つだと仰いましたが、具体的にどのような影響を受けたのでしょう?

【PER】: MESHUGGAH はユニークかつ原型的なスタイルを誇る数少ないバンドの一つだよ。メタルの進化に果たした役割も多大なものがあるね。
僕は MESHUGGAH を10代後半から熱心に聴き始めたんだけど、その多くは初期の作品だったんだ。”None”, “Destroy Erase Improve” はとても重要で、僕自身の音楽的進化に影響をあたえたんだよ。
それに、Fredrik と僕は共に Allan Holdsworth がフェイバリットギタープレイヤーで、二人共彼の作品から実に大きな影響を受けているんだ。

Q5: Anyway, definitely you are one of the busiest person in the Metal/Prog scene. What made you join Nocturnal Rites’s resurrection? In fact, lot’s of fans seemed Nocturnal Rites was over. So, their comeback with you is very nice surprise for us! The first track “Before We Waste Away” is amazing! “Phoenix” seems to be masterpiece, right?

【PER】: I’ve been friends with the Nocturnal guys for many years and they are one of my favourite melodic metal bands, so when they asked me to play leads on their new album I said yes immediately! They’ve put together an amazing album and in my opinion it is their best one yet, the songwriting is just incredible and Jonny sings better than ever. Also I’m a big of fan of Nils Norberg’s ultra melodic playing, I’ve really enjoyed playing in that style myself on this album.

Q5: 間違いなくあなたはメタル/プログシーンで最も多忙な人物の1人ですね。NOCTURNAL RITES 10年ぶりの復活にも名を連ねています。

【PER】: 彼らとは何年も前からの友人だったんだ。何より大好きなメロディックメタルバンドだったからね。だから新作でリードギターを弾いて欲しいと頼まれたら、即座にOKしていたよ!
彼らは素晴らしいアルバムを作り上げたね。僕の考えでは、これまでの作品でベストだよ。ソングライティングは驚異的だし、Jonny の歌唱もさらに良くなっているね。加えて僕は、Nils Norberg のメロディックなギターの大ファンなんだ。このアルバムでは、僕自身もそういったスタイルでのプレイを満喫したね。

Q6: Adding that, you’ll release Kaipa’s new record “Children of the Sounds”. Kaipa is kind of super band, because Morgan, Jonas, and you are the virtuosos in the scene. When you joined Kaipa as the successor of Roine, I was so surprised, haha. How was the recording process? What kind of record will it be?

【PER】: Yeah I think a lot of people was surprised when I joined, as back then people only knew me as a death metal guitar player. The recording process was the same as usual, we all recorded our parts in our own studios and sent audio files back and forth online, which is actually a very exciting way of working to me, and everyone can really take their time recording their parts to make sure the songs all turn out perfect. Stylistically, the record isn’t much different from previous Kaipa albums but I think that Hans Lundin’s compositional work is more focused than ever before, the album is just full of beautiful melodies and intricate arrangements.

Q6: さらに9月には KAIPA の新作 “Children of the Sounds” もリリースされますね!あなたが KAIPA に加入した時は驚きましたよ。

【PER】: うん、僕が KAIPA に加入した時はたくさんの人が驚いたと思うよ。当時はデスメタルのギタリストという認識だっただろうからね。
今回のレコーディングプロセスもいつもと同じやり方だったよ。全員が各自のスタジオで自分のパートを録音し、オーディオファイルでやり取りしたんだ。実際、この方法は僕にとって実にエキサイティングなんだよ。みんなが自身のパートのみに時間を費やせるし、楽曲をより完璧に仕上げることが出来るね。
スタイル的に、このレコードは以前の KAIPA 作品とあまり違いはないんだけど、Hans Lundin のコンポジションはよりフォーカスされていて、それにより美しいメロディーと複雑なアレンジメントに満ちた作品に仕上がったよ。

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Q7: Meshuggah, Nocturnal Rites, Kaipa are very different styles of music. Is it natural for you to play such a wide range of bands in a parallel way?

【PER】: I grew up listening to all sorts of music, and early on I played different styles. I got into metal around the same time as I started playing guitar, at 10, but I often joined my dad’s band at their rehearsals playing 50s and 60s covers, and the first couple of bands I had with friends covered songs by Beatles, U2, The Doors and so on since I was the only one really interested in metal at that time. I started taking guitar lessons as soon as I had started playing and the teachers I had all subjected me to a lot of jazz and fusion, and to music theory, all the while I was figuring out how to play metal on my own using only my ears, so I really did get a pretty wide musical knowledge base early on.

Q7: MESHUGGAH, NOCTURNAL RITES, KAIPA。異なる音楽的スタイルで並行して活動を続けるのも、あなたにととっては自然なことなのですね?

【PER】: 僕は全てのジャンルの音楽を聴いて育ったんだ。 そして早い段階から異なるスタイルでプレイしていたね。
ギターを始めた10歳の頃はメタルにのめり込んでいたんだけど、同時にしばしば父のバンドに加わって、彼らのリハーサルで50’sや60’s のカバーをプレイしていたんだ。それに友人と最初に作ったいくつかのバンドでは、THE BEATLES, U2, THE DOORS なんかをカバーしていたんだよ。僕しかメタルに興味がなかったからなんだけど。
僕はギターを始めるやいなや、レッスンも受け始めたんだけど、先生が僕とジャズ/フュージョン、音楽理論を繋げてくれたんだ。そうして自分の耳だけを使って自分のメタルを演奏する方法を考え出していったんだね。だからこそ、早くから幅広い音楽の知識を得ることが出来たんだ。

Q8: So, what is the situation of your home ground, Scar Symmetry? “The Singularity (Phase I – Neohumanity)” was the first album of the Singularity trilogy, and the first Scar Symmetry album to be composed, produced, mixed and mastered entirely by you. It seems you are recording the “Phase Ⅱ”, right?

【PER】: Yes, I’m pretty far along with the work on Phase II. It has taken a lot of time to record this album because after Phase I, I launched my own studio business and started doing production work for other bands and artists and that has taken up a lot of my time and energy. My main goal now is to finish up Phase II so that I can start working on the final part of the Singularity trilogy.
Phase I is the most progressive and melodic album we’ve ever done with Scar Symmetry, but Phase II goes off in a very different direction – it’s by far the heaviest, darkest and most brutal set of songs we’ve ever recorded. It still has got plenty of melodies, keyboards and solos, but generally speaking it is a very different album from Phase I. Then again, Phase III will be very different from both Phase I and II…

Q8: あなたのホームグラウンド、SCAR SYMMETRY の状況はいかがですか?前作 “The Singularity (Phase I – Neohumanity” は “Singularity” トリロジーの1作目で、現在は “Phase Ⅱ” のレコーディングを行っているところだと思いますが?

【PER】: その通りだよ。 “Phase Ⅱ” の作業はかなり進展して来ているよ。この作品が遅れているのには理由があってね。”Phase Ⅰ”の後、僕は自分のスタジオビジネスを立ち上げて、他のバンドやアーティストのプロダクションを始めたから、そこに膨大な時間とエナジーを費やしたんだ。今の目標は、”Phase Ⅱ” を完成させて、”Singularity” トリロジーの最終章に取り掛かることなんだよ。
“Phase Ⅰ”は SCAR SYMMETRY にとって最もプログレッシブかつメロディックな作品だったね。だけど “Phase Ⅱ” ではかなり異なる方向に進むんだ。今のところ、僕たちにとって最もヘヴィーで、ダークで、ブルータルな楽曲が揃っているよ。とはいえ、メロディー、キーボード、リードプレイも十二分に備えているんだけどね。ただ、客観的には “Phase Ⅰ” とは大きく異なる作品だと言えるだろう。さらに “Phase Ⅲ” は、”Phase Ⅰ”、”Phase Ⅱ” ともまた全然違う作品となるはずだよ…

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Q9: You have participated in a lot of works as guest player. Is there any album that is particularly remembered?

【PER】: I love David Maxim Micic’s ‘Bilo 3.0’ album, that guy is a musical genius, and I really like how my solo for his song ‘Wrinkle Maze’ came out, I’m super proud of that one.

Q9: 最後に、あなたは様々なバンド、アーティストの作品にゲスト参加して来ましたが、中でも印象に残っているものを教えてください。

【PER】: David Maxim Micic の “Bilo 3.0” が大好きなんだ。彼は音楽の天才だね。それに、彼の楽曲 “Wrinkle Maze” の中で僕のソロが現れる場面が気に入っているんだ。これに関しては、最高に誇りに思っているよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED PER’S LIFE

THE BEATLES “SGT. PEPPER’S LONLEY HEARTS CLUB BAND”

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YNGWIE J. MALMSTEEN “RISING FORCE”

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METALLICA “RIDE THE LIGHTNING”

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STEVE VAI “PASSION AND WARFARE”

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ALLAN HOLDSWORTH “SECRETS”

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MESSAGE FOR JAPAN

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It took me a long, long time, but FINALLY I will get to see so many of you at Loud Park! I hope I will get to come back again soon with Scar Symmetry as that is something that is way overdue. We know we have a lot of Japanese fans and I would love to come meet you all. Cheers and much love from Sweden!

本当に長く、長くかかってしまったけど、遂に Loud Park で君たちと会えるよ!
そして、遅れてしまっている SCAR SYMMETRY でもすぐ日本に戻れたらと思っているんだ。 日本にたくさんのファンがいることは知っているし、みんなに会いに行きたいと願っているんだ。スウェーデンからいっぱいの愛を込めて。

PER NILSSON

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LOUD PARK 17′ の詳細はこちら。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ARCADEA : ARCADEA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CORE ATOMS OF ARCADEA !!

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Mastodon, Withered, Zruda, Get Together As Synth-laden Progressive, Heavy Psych Band Arcadea !! This Should Be Interesting For Sure !

DISC REVIEW “ARCADEA”

MASTODON, WITHERED, ZRUDA のメンバーが集結した新たなるコスモフロンティア ARCADEA が、遥かなる未来を映し出すデビューフル “Arcadea” をリリースしました!!50億年先の宇宙をテーマとした壮大なるスペースオデッセイは、ロックという銀河の膨張を促すビッグバンとなるはずです。
MASTODON のドラマー/ボーカル Brann Dailor が、WITHERED のギタリスト Raheem Amlani, ZRUDA のギタリスト/キーボーディスト Core Atoms とチームアップしたスーパープロジェクト ARCADEA。
ホームバンドでは基本的にギタリストの Raheem, Core 2人をシンセプレイヤーへとコンバートし、プログレッシブかつサイケなエレクトロニカサウンドのみを Brann のダイナミックで手数に富んだドラムス、キャッチーなボーカルと融合させた ARCADEA の音楽はユニークで先見性に溢れています。何よりロック/メタルの必需品とも思えるギターサウンドがどの楽曲からも聴こえて来ないのですから驚きですね。
Brann のホームバンド、偉大なる MASTODON は “Crack the Skye” で Brann のリードボーカルを初めてレコードに取り入れて以来、彼のメロディックな歌唱と呼応するようによりキャッチーでストレートなコンポジションへと移行して行きました。その変化により Brann はさらにバンドにとって不可欠な存在となりましたが、皮肉なことにその方向転換は彼のトレードマークであるハイパーアクティブでフィルオリエンテッドなドラミングが減退する結果にも繋がっていったのです。
“Arcadea” は Brann Dailor の魅力全てが詰まった作品だと言えるのかも知れませんね。アルバム全体を覆うのは、間違いなくあの “Leviathan”, “Blood Mountain” で聴くことの出来た、リード楽器を主張するエキサイティングで高密度な阿修羅のドラミング。同時に彼のスペーシーでポップな浮遊感溢れる歌心は、確実に作品のコアとして土星の輪のようにレコードを包み込んでいるのです。”Arcadea” には2人の Brann Dailor が互いを損なうことなく生き生きと存在しています。
勿論それは、アルバムオープナー、電子音楽の軍歌 “Army of Electrons” が証明するように、Raheem, Core 2人の綿密かつ繊細なコンポジション、変拍子を活用したプログレッシブなイメージ、ベースからリードまで幾重にもテクスチャーされた魅惑のシンセサウンドが、影となり日向となり素晴らしき脇役として煌めくことで初めて成立する才能のシンフォニーだと言えるでしょう。
一方で、”Gas Giant” はバンドの出自を明確にする楽曲です。インタビューにもあるように、アーケードゲームの “アーケード” をバンド名としたように、ゲームミュージックの影響は彼らが共闘する大きな理由の1つ。
“ロックマン” を想起させる勇壮で8bitライクなイントロダクションは、ビデオゲーム時代の幕開けに育ち、”アーケードゲームはマジカルな場所だった” と語るバンドのロマンが楽曲に溶け合った夢のような瞬間だったのかも知れませんね。
さらに、エアリーな女性ボーカルとボコーダーを起用したスロウでムーディーな “Neptune Moon” では John Carpenter をイメージさせるロマンチックなエレクトロホラーサウンドを再現。
Core が “70年代、シンセサイザーは未来の楽器だった” と語るように、ビデオゲーム、映画音楽といった70’s~80’s の典型的な電子サウンドを Brann のコンテンポラリーでアグレッシブなドラムスと融合させることで、レトロフューチャーな顔貌を形成しているようにも感じました。
エレクトロニカでありながら加工された EDM とは全く異質、ヘヴィーでありながら重厚なメタルとも異なる唯一無二のデザインが冴え渡る革新作。今回弊誌では、Core Atoms にインタビューを行うことが出来ました。MASTODON の近作に何かシックリこないダイハードなファンにもぜひオススメしたい作品です。どうぞ!!

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ARCADEA “ARCADEA” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MUTOID MAN : WAR MOANS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEPHEN BRODSKY OF MUTOID MAN !!

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Converge / Cave In Super Group, Mind-Blowing Behemoth, Mutoid Man Literary Melt Your Mind With Their Newest Record “War Moans” !!

DISC REVIEW “WAR MOANS”

CONVERGE, CAVE IN, ALL PIGS MUST DIE のメンバーが集結した突然変異のスーパーグループ MUTOID MAN が奔放かつ不遜、バッダースな新作 “War Moans” をリリースしました!!キャッチーなロックン・ロールのイメージを獰猛なメタルのアグレッションに投影した、チャーミングかつタイトなレコードはシーンの大いなる期待に応えて余りある一撃となりました。
シリアスで暗色調なアティテュードが枢軸となるコンテンポラリーなメタルシーン。狂気やユーモア、風刺を宿す MUTOID MAN のシアトリカルで本来のメタルらしいコンセプトは、実際異端で新鮮なカウンターとして際立っています。
インタビューにもあるように、”War Moans” は “セクシャリティ”、性行為や性的欲求にフォーカスした作品です。アートワークやタイトルが示すように、性的指向、欲求が日増しに暴走する現代社会を、戦争という極限状態へと投影しある意味戯画化することで、現代の異様さ “倒錯性” “変態性” を浮き彫りにしているのかも知れませんね。実際、バンドは “War Moans” を “Perverted” 変態的なレコードだと断言しています。そしてその柔軟なユーモアはポップセンスに、辛辣な毒気はアグレッションに姿を変えて作品の音楽性に反映されているのです。
文字通りリスナーの心を溶かすアルバムオープナー、”Melt Your Mind” はそういった彼らの意図を十二分に汲み取った楽曲です。キャッチーでスピーディー、ハイパーアクティブなバンドの新たなアンセムは、Brodsky のフックに満ちたギタープレイ、ファジーでラウドな Nick のベース捌き、そして Ben Koller の数学的かつダイナミックなドラミングに牽引されて、空襲にも似た爆発的なエナジーを発します。
加えて、あの VAN HALEN をも想起させるボーカルハーモニー “hoo-ooo” の火力も絶大で、物憂げなメロディーとの相乗効果は無上の中毒性をリスナーへと植え付けて行くのです。
続く”Bone Chain” ではさらにアンニュイなメロディーが中毒性を増し、MOTORHEAD meets QUEENS OF THE STONE AGE とでも形容可能、ドラッグのように危険でオルタナティブなキャッチーネスを創造していますね。
インタビューにもあるように、パンクやハードコアは勿論ですが、特に初期のメタルスピリット、80年代という時代を意識しリスペクトして制作されたアルバムで “Irons in the Fire” からタイトルトラック “War Moans” への流れはまさに作品を象徴しています。
MEGADETH の “Countdown to Extinction” をイメージさせる大仰なイントロ、スラッシュの衝動、テクニカルなシュレッド、インテレクチュアルなリズムワーク、シンガロングを誘うキャッチーなコーラス。”Irons in the Fire” は、かつてメタルが備えていた祝祭的な高揚感を胸いっぱいに浴びつつ、マスマティカルでスペーシーに味付けしたモダンな感覚と共に現代へと叩きつけているのです。
さらに SLAYER の “War Ensemble” に対する極上のオマージュにも思える “War Moans” では、あの時代を象徴するシュレッダー Marty Friedman が、トレードマークのコード感抜群で変拍子を切り裂くリードプレイでバンドの主張を代弁しています。
こういった凶悪な楽曲においても、Brodsky はスクリームや吐き捨てを駆使してあくまでメロディーを追い、勿論あの素晴らしき CAVE IN で確立したスタイルから遠く遊離する訳もありませんが、グロウルは使用していませんね。彼のそのトレードマーク自体も、グロウルが飽和気味な界隈に対する強いアンチテーゼ、風刺となっているように感じました。
とは言え、アルバムは決してオプティミスティックな押しの一辺倒ではありません。ブルージーでスロウ、スラッジーにバンドのシリアスな一面を見せつける “Kiss of Death” はアルバムの裏ハイライトとして作品に妙なる濃淡をもたらし、何よりこのマスターピースを締めくくる衝撃のパワーバラード、ダークな歌姫 Chelsea Wolfe を起用した “Bandages” では、慈愛と憂鬱の相反するエモーションを深々とサウンドに込め、バンドのジャンルスパニングでフレキシブルな才能を絶佳なるコントラストとして見事レコードに落とし込んでいるのです。
作品のプロデューサーでもある CONVERGE の Kurt Ballou が、カオティックに暴走する “Micro Aggression” ではなく、意外にもこの2曲にゲスト参加を果たしていることを付け加えておきましょう。
今回弊誌では、ex-CONVERGE で CAVE IN のマスターマインド Stephen Brodsky にインタビューを行うことが出来ました。マーティーさんによれば、「新しいアルバムはエグい! クッソかっこいい! メタルかロックかパンクか分からないけど、とにかく生々しいヘヴィ・ミュージック! コイツらはホンモノだ、保証付き!!」 だそうですよ。どうぞ!!

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MUTOID MAN “WAR MOANS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ELDER : REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK DISALVO OF ELDER !!

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Massachusetts Based Artistic Heavy Rock Act, Elder Take You An Adventure That Won’t Be Soon Forgotten With Their Progressive & Eclectic New Record “Reflections Of A Floating World” !!

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DISC REVIEW “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD”

マサチューセッツからストーナー/ドゥームの翼を広げるアートロックバンド ELDER が、革命的な新作 “Reflections Of A Floating World” をリリースしました!! 音のキャンバスに描かれる芸術的で想像性豊かな色彩は、リスナーを遥かなるサウンドスケープの旅路へと誘うことでしょう。
ファジーでスロウ。シンプルなストーナーアクトとしてスタートした ELDER は、プログ/ヘヴィーサイケの方角へと舵を切り、今や最もクリエイティブでアーティスティックなヘヴィーロックバンドと称されています。リスナーに豊潤なアドベンチャーやストーリーを喚起するあまりにシネマティックな作品と、ジャンルを縦横無尽に横断する精神性はその確かな証拠となっていますね。
中でも前作 “Lore” は、リフ、メロディー、コンポジションに最上級のデザインと創造性が施され、プログレッシブドゥームの傑作として各所で高い評価を得た作品でした。しかし、バンドは “Reflections Of A Floating World” で自身の最高到達点を易々と更新して見せたのです。
アルバムオープナー、”Sanctuary” の威風堂堂としたリフクラフトはまさに ELDER の真骨頂。揺るぎなきそのファジーな響きはバンドのルーツを主張し、リスナーを “浮世” という聖域へ導く道標と化していますね。
楽曲の中間部では、バンドのフロントマン、ボーカル/ギター Nick DiSalvo が演奏家としての実力を存分に見せつけます。エモーションとテクニック、そしてエピカルな旋律を意のままに操り融和させたロングリードは、仙境なるアルペジオや起伏の激しい山々の如きリズムアプローチをアクセントとして極上のアドベンチャーを紡いで行きます。
実際、これほどまでギターサウンドが的確に、存分に、華麗に設計、レイヤーされたレコードは簡単には見当たりません。それはすなわち、4人目のメンバーとなったセカンドギタリスト Michael Risberg、ペダルスティールのスペシャリスト Michael Samos を不可欠な存在としてアルバムに招聘する理由となったのです。
“The Falling Veil” では、”Lore” から一層上のステージへと移行した Nick のボーカリストとしての魅力も開花します。表現力とレンジが広がり、自信に満ちた彼のサイケデリックな歌唱は Ozzy Osbourne のような中毒性をも携え、決してメジャーとは言えないジャンルのバンドがリーチを拡大するための大きな武器となっていますね。
さらに、”The Falling Veil” はバンドの新たな地平も提示します。PINK FLOYD のムードを存分に浴びてスタートする楽曲は、クラッシックプログ、クラウトロック、インディーなどの影響がシームレスに芽生える、カラフルで多彩な浮世草子と言えるかも知れません。レトロとモダン、ヘヴィネスとアトモスフィア、シンプルとマスマティカルを行き来する楽曲のコントラスト、ダイナミズムはまさに唯一無二。インタビューで語ってくれた通り、「より複雑でプログレッシブ」となったアルバムを象徴する起伏に富んだ楽曲は、「音楽を聴いている時、頭の中にストーリーを描けるようなサウンド」として完成を見たのです。
バンドが誇るコンテンポラリーな多様性はジャンルのみに留まらず、百花斉放なその使用楽器にも及びます。人生を変えたアルバムのトップに ANEKTODEN をリストしていることからも、バンドのプログレッシブロックに対する造詣の深さが伝わりますが、”The Falling Veil” を引き合いに出すまでもなく、メロトロンを彼らほど巧みにヘヴィーロック/メタルへと取り入れた集団は OPETH を除いては存在しないでしょう。
アルバムを聴き進めれば、フェンダーローズが素晴らしき色を添える “Staving Off Truth”、ペダルスティールが主役を務め Miles Daves の遺伝子を宿した “Sonntag”、メロトロンとピアノがヘヴィーなリフストラクチャーと見事な対比を生み出す “Blind” など、Nick が語ってくれたように 「ヘヴィーロックではあまり聴くことの出来ない楽器」でヘヴィーロックを新たな領域に導いていることに気づくはずです。
ジャンルのマスターマインドである MASTODON がキャッチーであることにフォーカスした今、ELDER の切り開く新たなフロンティアはシーンにとって掛け替えのない財産となっているのかも知れませんね。
今回弊誌では Nick DiSalvo にインタビューを行うことが出来ました。日本の “浮世” ともリンクし、マテリアルワールドとスピリチュアルワールドを往来する64分の壮大な叙事詩。6曲全てが10分前後ながら、リッチで瑞々しく、全く冗長さを感じさせない圧倒的な構成力にぜひ酔いしれてみてくださいね。どうぞ!!

ELDER “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD”: 10/10

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MASTERPIECE REVIEW + INTERVIEW 【PENDRAGON : THE MASQUERADE OVERTURE】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK BARRETT OF PENDRAGON !!

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Unseen Prog Giant, The Mastermind Of “Second Wave Of Prog”, Pendragon Will Come To Japan For The First Time Ever In Their Long 40-Year Career !! Don’t Miss “The Masquerade” Night !

DISC REVIEW “THE MASQUERADE OVERTURE”

まだ見ぬプログレッシブジャイアント、ネオプログの体現者 PENDRAGON が遂に初来日を果たします!!名作 “The Masquerade Overture” にフォーカスするシンフォニックの祭典は、待ちわびた日本のファンを魅了する劇的な仮面舞踏会となるでしょう。
PENDRAGON はプログレッシブ第2の波として、80年代から90年代にかけて MARILLION, IQ, PALLAS などと共にネオプログレッシブムーブメントを牽引したバンドです。
プログレッシブロックのオリジネーター、GENESIS や YES といった第一世代のバンドが自身のコンフォートゾーンから離れ、時代性や可能性を模索することとなった70年代後半~80年代前半。ネオプログの俊英たちは、先人が残した伝統や遺産を守護するかの如く颯爽とシーンに登場します。そして彼らが受け継いだシンフォニックでドラマティシズムに満ちた音楽性と、ファンタジーをテーマとしたコンセプトから、ネオプログレッシブムーブメントは後にポンプロック(華麗なロック)と称されるようになっていったのです。しかし突然背負わされたその呼称こそが彼らにとっては残酷で酷く重い十字架となったのかも知れません。
Pomp とは “華麗”、”荘厳” という意味がある一方で、”虚構” というネガティブな意味をも内包した言葉。つまり英国のメディアは、一見ネオプログを賛美しているように思わせながら、その実は第一世代の “まがいもの” “代替者” としてどこか冷めた目で見ていたのでしょう。実際、第二世代が志したファンタジックなプログレッシブロックのリバイバルは、パンクを筆頭とするあまりに現実主義的な当時の音楽シーンの流れとは相反するもので、ムーブメントも長くは続きませんでした。
ただ、インタビューにもあるように、ネオプログの才人たちは、時代やムードに翻弄され続けながらも戦いを止めませんでした。メタルの波にも乗り切れず、グランジに席巻され、気がつけば PORCUPINE TREE を首領とするプログレッシブ “第三世代” が登場し注目を集めているという状況は、ともすれば心が折れてしまいそうなほどに残酷ですが、それでも MARILLION, IQ, そして PENDRAGON といったバンドは良質な作品をリリースし続けたのです。2010年代以降、海外でのネオプログ再評価の流れは、遂に彼らの高い音楽性とセンス、そして音楽に対する愛情が報われた瞬間だと言えるかも知れませんね。
第二世代の中でも勿論、MARILLION は別格の人気を誇って来ました。それはニューウェーブやメタルなど、ある程度時代の変遷を意識して作風を変化させて来たからとも言えそうです。実際、94年にリリースした名作 “Brave” ではファンタジーの世界に別れを告げ、当時のトレンドであるグランジやインディーにも目を配ったダークなリアリズムで勝負をかけ成功を収めた訳ですから。
しかし今回、Nick の言葉で驚きだったのは、ファンタジーとシンフォニーを追求し続けた PENDRAGON にとっても90年代は素晴らしい時代だったと断言している部分です。確かに PENDRAGON の90年代三部作とも言える “The World”, “The Window Of Life”, “The Masquerade Overture” は、メロディーの充実度、類まれなるコンポジション、そして演奏共に群を抜いています。しかし、セールスも好調であったという事実は、少なくとも弊誌の持つあの時代のイメージとはかけ離れていました。そこには PENDRAGON がすでに80年代から、現在の DIY の先駆けとも言える自身のレーベル “Toff Records” を設立していたという強みが存在したのです。
インターネットの発展もあり、現在でこそ浸透している DIY のレコード戦略ですが、当時彼らがそれを実現させるためにどれ程の努力、時間が必要だったか、想像するだけで頭が下がります。インタビューにもあるように、ファンレターを全て手書きで返信し、ファンクラブも運営。勿論、プロモーションや販売なども全てを自らの手で行わなくてはならないのですからそのタスクは膨大です。しかし、その努力は強固なファンベースを作り上げることへと繋がり、結果として時代に左右されず今日までバンドが力強く存在する理由ともなったのですね。PENDRAGON が選択したこの方法論は、現代を生きるバンドにとっても大きな参考になるはずです。
あまり音楽自体に触れずに来ましたが、今回 PENDRAGON が日本へと持ち込む “The Masquerade Overture” は、ヨーロッパのプログレッシブシーンにおいて “Essential Masterpiece” “不可欠な傑作” として位置づけられ賛美されています。Tony Banks の後継者、Clive Nolan が創出するカラフルなシンフォニーは作品に極上のアトモスフィアを加え、”Guardian of My Soul” の卓越したシンセソロではリスナーに自身の個もアピールします。Peter Gee, Fudge Smith のリズム隊は強固で、複雑なリズムにも抜群の安定感で対応。そして何よりコンポーザーでギター/ボーカル Nick Barrett の例えば、Andy Latimer, Dave Gilmour を想起させる、時にエモーション、時にメランコリー、そして時にパッションを深く湛えたメロディーの数々は、英国訛りとディストーションの温かみを伴って、まさに珠玉と呼ぶに相応しい輝きを放っているのです。
モーツァルトのレクイエムにインスピレーションを受けた、オーケストラとクワイアが彩る壮大なタイトルトラック “The Masquerade Overture” で幕を開けるアルバムは、善と悪の対立をコンセプトとしています。その対立を反映するかのごとく巧みに配置された、無上のポップネスと有痛のメランコリー。そのコントラスト、カタルシスは唯一無二で、まさしくバンドが “Pomp” な存在ではないことの確かな証ではないでしょうか。
今回弊誌では、Nick Barrett にインタビューを行うことが出来ました。奇しくも盟友 MARILLION の来日も決定しています。日本では長らく無風だった “第2の波” が遂にスポットライトを浴びる時が来たのかも知れませんね。どうぞ!!

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PENDRAGON “THE MASQUERADE OVERTURE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【tricot : 3】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH tricot !!

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The Best Girls Trio On Earth, tricot Makes Math-Rock Great Again With Their New Milestone “3” !!

DISC REVIEW “3”

日本のマスロック/ポストロックのランドマークとなった歴史文化都市、京都から世界へと進出し快進撃を続けるガールズトリオ tricot が時代を切り拓く一撃 “3” をリリースしました!!ポップ、パンク、そしてプログまで取り込んだ前人未到の方程式は世界を驚かせるに充分なインパクトを纏っています。
日英米同時リリースとなった最新作 “3” は、インタビューにもあるようにバンドが最も自由を謳歌した「何でもアリ」な作品に仕上がりました。ドラムス komaki♂ 脱退後リリースされた “A N D”, “KABUKU EP” は共に数名のサポートドラマーたちと共に制作されましたが、今作ではライブのサポートも務める吉田雄介氏がほぼ全ての楽曲でプレイ。フレキシブルにトリオの意思に反響するセンシブルなドラムスを得て、バンドはその野性味と知性を最高の形で開花させたと言えるかも知れませんね。
勿論、変幻自在なリズム、マスマティカル(数学的)な変拍子の洪水がシンボルとなり、特に海外では “マスロック” “Math-rock” と称される tricot の音楽ですが、多彩を極めるのはリズムだけではありません。”3″ で確かに実現したカラフルで鮮やかな楽曲群、世界観はしなやかにバンドの成熟、進化を伝えています。
また、tricot のその自由な実験精神は CD のパッケージングにも表層化しています。ブックレットもアートワークもなく、透明のケースにただ “3” と書かれただけのミニマルパッケージ盤(1500円)と同時に、クリエイター・チョーヒカルとのコラボレーションによるアートボックス、999枚限定デラックス盤(4500円)を用意。「今通常盤として世に出されている形が果たして今もみんなにとって通常であるのか」。拡散するリスナーの要望と改革の進まぬ音楽産業の落差に疑念を抱き、一石を投じるバンドのチャレンジは実に潔く、大いに賞賛されるべきでしょう。
アルバムオープナー、園子温監督のオリジナルドラマに使用された “TOKYO VAMPIRE HOTEL” を聴けば、tricot がロックの持つ原衝動とインテリジェンス、そしてポピュラリティーをナチュラルに凝縮させていることに気づくはずです。楽曲の持つインテンシティー、パンキッシュな衝動、コンテンポラリーな展開は AT THE DRIVE-IN をも想起させ、その凄みはポストハードコアの領域へと達していますね。
進化の証である、ファストでアグレッシブな2分30秒が過ぎ去ると、バンドは別の顔を見せ始めます。メロディックでキュートな “WABI-SABI” はバンドの真骨頂であり、”TOKYO VAMPIRE HOTEL” の素晴らしきカウンターとして存在しています。tricot らしいポップなヴァースに色を添える楽器隊のコーラス、ハーモニーは楽曲に極上のアトモスフィアをもたらし、同時に生々しいサウンドプロダクションとリズムアプローチの妙は “マスポップ” のパイオニアであることを高らかに宣言しているのです。
実際、椎名林檎のリリカルなムードを内包する “節約家” にも言えますが、2人のギタープレイヤーが創造するインテンスは峻烈で、その意外性に満ちた休符の配置、スタッカートの切れ味、テンションノートの煌めきは作品のコアとして揺るがぬ存在感を放っています。
ダンサブルな “よそいき”、ジャズの息吹を吸い込んだ “DeDeDe”、ボーカルエフェクトや中国語まで活用した “ポークジンジャー” と実にバラエティーに富み色とりどりの作品において、トリッキーなバンドの魅力は “18, 19″ で最高潮に達します。
インタビューで語ってくれた通り、「やりたいこと詰め込んで全部やってやろう」という意気込みで制作されたチャレンジングな楽曲は、実に複雑怪奇。異なるイントロとコーラスのリズムに加え、突然のストップ&ゴーが多発する変則リズムの氾濫は、tricot のクリエイティビティとテクニックを完膚無きまでに見せつけています。特にアクティブでダイナミックなベースラインは群を抜いていますね。
さらにイントロのリズムを注意深く数えれば、”9・9・10・9″ と進行していることに気づくはずです。つまり、”18, 19” とは楽曲の拍子を表しており、タイトルや歌詞、そしてその淡いメロディーから不安定な青春時代の恋愛を想像するリスナーを見事煙にまいているのです。平然と宿された衝撃の”ダブルミーニング”。tricot の虜となる音楽ファンが後を絶たないのも納得ですね。
アルバムは、シンプルにスタートし徐々にコーラスやセブンスコードが重ねられて行く不思議で魅力的なポップチューン “メロンソーダ” でその幕を閉じます。人生を変えたアルバムを見れば分かる通り、貫かれるポップセンスは3人にとって不可欠で、そしてあまりに当然のものとして常に存在しているのでしょう。
今回弊誌では tricot の3人にインタビューを行うことが出来ました。4月には日本が誇るポストロック/ハードコアの祝祭 “After Hours” でプレイし、さらに8月には UK ポストロック/ハードコアの祭典 ArcTanGent への出演も決定しています。
余談ですが、「世に出回ってる tricot の楽譜はだいたい間違っている」そうなので、こちらも画期的な試み “目コピ動画” を公式ショップから購入してみるのも一興です。どうぞ!!

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tricot “3” : 9.9/10

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