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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BLIND CHANNEL : EXIT EMOTIONS】 JAPAN TOUR 24′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NIKO MOILANEN OF BLIND CHANNEL !!

“We’ve Never Been Afraid Of Pop Music And We Believe Hit Songs Are Hit Songs For a Reason. We Have No Shame In Being Musically Inspired By Everything Cool That’s Happening In The Mainstream Music Scene.”

DISC REVIEW “EXIT EMOTIONS”

「アメリカのマーケットは巨大で、独自の世界だ。フィンランドやヨーロッパの多くの人たちは、アメリカを目指す僕たちをクレイジーだと言ったけれど、僕たちにとってそれは最初からの計画だった。
“Wolves in California” は、僕らのアメリカでの経験を歌った曲だけど、北欧のルーツを強さに変えて、アメリカのオーディエンスに僕らのエキゾチックな部分を強調した曲でもあるんだ」
“世界最大のバンドになりたい!”。80年代ならまだしも、人々の趣味嗜好、そして音楽ジャンル自体も枝葉のように細分化された現代において、そんな言葉を吐くバンドがいるとしたら、それは大言壮語の狼男か歌舞伎者でしょう。そう、たしかに BLIND CHANNEL は北欧の狼であり歌舞伎者。しかし、歌舞伎者だからこそ、彼らはアメリカでも “北の狂気” を貫き、冒頭の言葉を達成しようとしているのです。
「僕らは最初から野心的で反抗的だった。ビルボード・メインストリーム・ロック・エアプレイにチャートインしたフィンランドのバンドは、僕らが3組目だと思う。でも、僕らに影響を与えたバンドのほとんどはアメリカ出身だから、それが常に目標だったんだ」
フィンランドには “北の狂気” という言葉があります。”できない” と言われたら、それが間違っていることを証明するために、とにかくやってみる。やりつづける。まさにそれが BLIND CHANNEL の原始的なエネルギー。北欧のメタルといえば、メロデス、ブラック、ドゥーム、プログレッシブのようなカルトで陰鬱なものが多い中で、彼らは最初からアメリカを目指し、メインストリームにこだわりつづけました。
「フィンランド出身の国際的な Nu-metal は僕たちだけだからね。たぶんそれは、僕たちがポップ・ミュージックを恐れたことがなく、ヒット曲にはヒット曲の理由や価値があると信じているからだと思う。メインストリームの音楽シーンで起こっているクールなこと全てに音楽的にインスパイアされている。それを恥じることはないんだ“」
その若さと顔の尊さから、かつては “ボーイズ・バンド” と揶揄されたこともあった BLIND CHANNEL。しかし、彼らはそうした侮蔑でさえも野心のために利用します。人気を得るためなら、衣装も揃え、ダンスも覚える。すべては、メインストリームで勝負するため。なぜなら、彼らは売れる曲、売れるジャンル、トレンドとなる音楽には、それだけの価値や理由が秘められていると信じているから。そして、売れることでより多くの人に、彼らのメッセージを届けることができるから。
「僕たちは、人々が感情を吐き出すためにライブに来ていることに気づき、僕たちのショーでも同じような逃避場所を人々に提供したいと思ったんだ。特にここ数年、世界はクソみたいな場所だった。僕たちは、ガス抜きができて楽しい時間を過ごすための安全な空間を提供したいんだ」
“ここ数年、世界はクソみたいな場所だった”。世界で勝負をつづける彼らは、だからこそ、いかに今の世界で憂鬱や喪失を抱え、孤独で居場所のない人々が多いのかを知っています。そして彼らに寄り添えます。なぜなら、BLIND CHANNEL 自身も、北欧の村社会で自分を貫き居場所を失った過去があるから。ステレオタイプに反抗していじめを受けた心の傷を持つから。
ただし、”ヴァイオレント・ポップ” としてアメリカでこれだけ大きな波となった今、彼らは自らの出自である北欧のエキゾチックな煌めき、そして “Hybrid Theory” よりも “Meteora” を選ぶオルタナティブな感性が成功を後押ししたことに気づきました。メインストリームを目指していても、必要なのは他とは違う可能性。そしていつも “劣勢” から巻き返してきた彼らは、メタルの回復力でカリフォルニアのオオカミたちとして君臨することになったのです。
今回弊誌では、ボーカル Niko Moilanen にインタビューを行うことができました。マンガやアニメは僕の日常生活で大きな役割を果たしているんだ。ナルト、ブリーチ、鋼の錬金術師で育ったからね。デスノートと進撃の巨人は今まで作られたアニメで最高のシリーズだと思うし、今でも年に1回は見ている。いつか自分のマンガを描くのが夢なんだ。ストーリーはもう書いてあるんだけど、絵が下手なんだよね…」初の来日も決定!どうぞ!!

BLIND CHANNEL “EXIT EMOTIONS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH NIKO MOILANEN

Q1: Most Scandinavian bands play brooding music such as melodic death metal, doom and progressive. It’s rare for us to play rock and metal in the middle of the mainstream like you guys do, would you agree?

【NIKO】: It’s definitely rare. As far as we’re concerned we’re the only international nu metal act from Finland ever. Maybe it’s because we’ve never been afraid of pop music and we believe hit songs are hit songs for a reason. We have no shame in being musically inspired by everything cool that’s happening in the mainstream music scene.

Q1: スカンジナビアのバンドの多くは、メロディック・デスメタルやドゥーム、プログレッシブといった陰鬱で複雑な音楽を演奏する傾向がありますよね。あなたたちのようにメインストリームのど真ん中でロックやメタルを演奏するのは珍しい気がしますが?

【NIKO】: 間違いなく珍しいね。知る限り、フィンランド出身の国際的な Nu-metal は僕たちだけだからね。たぶんそれは、僕たちがポップ・ミュージックを恐れたことがなく、ヒット曲にはヒット曲の理由や価値があると信じているからだと思う。メインストリームの音楽シーンで起こっているクールなこと全てに音楽的にインスパイアされている。それを恥じることはないんだ。

Q2: In fact, there are so many popular or cult bands coming out of Mother Nature’s Scandinavia, but very few of them have swept the American Billboard? If you guys are going for it, that’s very ambitious, right?

【NIKO】: Yes. We’ve been ambitious and defiant since the very beginning. I think we’re the third Finnish band to ever chart Billboard Mainstream Rock Airplay. But that was always the goal, since most of the bands that influenced us come from America.

Q2: 実際、北欧の大自然からは多くの人気バンドやカルト・バンドが誕生していますが、アメリカのビルボードを席巻しているバンドはほとんどいませんよね。それを目指しているとしたら、とても野心的なことですよね?

【NIKO】: そうだね。僕らは最初から野心的で反抗的だった。ビルボード・メインストリーム・ロック・エアプレイにチャートインしたフィンランドのバンドは、僕らが3組目だと思う。でも、僕らに影響を与えたバンドのほとんどはアメリカ出身だから、それが常に目標だったんだ。

Q3: The song “Wolves in California” seems to refer to you in just such a situation. In fact, is there any difference at all between continuing to make music in Scandinavia and having a hit in the U.S.?

【NIKO】: Not much! Of course the US market is a huge market, a world of its own. A lot of people in Finland and Europe called us crazy for aiming to US, but to us it was the plan since day one. ”Wolves in California” is a song about our experiences in America, but it’s also about turning our nordic roots to our strenght and underlining the things that make us exotic to the US audience.

Q3: “Wolves in California” という曲は、まさにそうした状況にいるあなたたちを描いているようです。実際、スカンジナビアで音楽を作り続けることと、アメリカでヒットを飛ばすことに違いはあるのでしょうか?

【NIKO】: そんなに多くはないよ!もちろん、アメリカのマーケットは巨大で、独自の世界だ。フィンランドやヨーロッパの多くの人たちは、アメリカを目指す僕たちをクレイジーだと言ったけれど、僕たちにとってそれは最初からの計画だった。
“Wolves in California” は、僕らのアメリカでの経験を歌った曲だけど、北欧のルーツを強さに変えて、アメリカのオーディエンスに僕らのエキゾチックな部分を強調した曲でもあるんだ 。

Q4: What is interesting is that you guys used to be about 16 years old and you didn’t mind being called a boy band. You had the ambition to use your youth and looks if you could escape the Scandinavian stereotypes and old conventions, How about that?

【NIKO】: When the metalheads started calling us a boyband, it was meant as an insult. But we turned that into our strenght and got matching outfits and booked a mirror hall to practice choreographies. It helped us stand out from other rock bands. Plus, we’ve always loved to provoke audiences, they either love us or hate us. There’s no in-between, and that’s how we want it.

Q4: 興味深いのは、あなたたちはかつて16歳くらいのころ、ボーイズ・バンドと呼ばれることに抵抗がなかったということです。スカンジナビアのステレオタイプや古い慣習から逃れられるなら、その若さとルックスも利用しようという野心があったわけですよね?

【NIKO】: メタル・ヘッズが僕らをボーイズ・バンドと呼び始めたのは、侮辱の意味でだった。でも、僕らはそれを自分たちの強みに変えて、おそろいの衣装を用意したり、振り付けを練習するために鏡のホールを予約したりしたんだよ。そのおかげで他のロックバンドと差をつけることができた。
それに、僕たちはいつも観客を挑発するのが大好きで、観客は僕たちを好きになるか嫌いになるかのどちらかなんだ。その中間はないし、それが僕たちの望みでもある。

Q5: “Exit Emotions” is also a great title! In fact, the world is full of people with depression and loss due to wars, pandemics, and divisions. For those people, this music is the perfect escape and outlet, isn’t it?

【NIKO】: Yes, and that’s where the album title comes from. We were touring in Germany and saw this club full of red lights, spikeballs hanging from the ceiling and people dancing. It looked beautiful and fun, but there was also a sense of darkness and danger. We realized that the people came to that place to exit emotions, and decided we wanted to offer people a similar kind of escape at our shows. The world’s been a shit place for the past few years. We wanna offer a safe space to blow off steam and have a good time.

Q5: “Exit Emotions” というタイトルも素晴らしいですね!実際、世界には戦争やパンデミック、分断によって憂鬱な気分や喪失感を抱えた人々がたくさんいます。そんな人たちにとって、この音楽は最高の逃避先であり、感情のはけ口なのではないでしょうか?

【NIKO】: そう、それがアルバム・タイトルの由来なんだ。ドイツでツアーをしていたとき、天井からスパイク・ボールがぶら下がっていて、人々が踊っている赤いライトに満たされたクラブを見たんだ。美しくて楽しそうだったけど、暗くて危険な感じもした。
僕たちは、人々が感情を吐き出すためにその場所に来ていることに気づき、僕たちのショーでも同じような逃避場所を人々に提供したいと思ったんだ。特にここ数年、世界はクソみたいな場所だった。僕たちは、ガス抜きができて楽しい時間を過ごすための安全な空間を提供したいんだ。

Q6: More specifically, it is an album that embraces the listener’s “pain” very well, isn’t it? I heard that you guys have experienced bullying, so I guess that makes you understand the feelings of those who have pain, right?

【NIKO】: We’ve had our share of pain and darkness. We’ve always been very emotional and artistic, and it wasn’t always easy. Now we’re using pain and darkness as inspiration to our songs, and the best feedback we’ve got is when people say our music has helped them through difficult times. That’s always heartwarming to hear and keeps us going.

Q6: さらにに言うと、リスナーの “痛み” を抱きしめたアルバムとも言えますよね?お二人はいじめられた経験もあるそうですが、痛みを持つからこそリスナーの痛みを代弁できるのでしょうか?

【NIKO】: そうだね、僕らにも痛みや闇はあった。僕たちはいつも感情的で芸術的に生きてきて、簡単なことばかりではなかった。今、僕たちは痛みや暗闇をインスピレーションにしている。だから僕たちが得た最高のフィードバックは、僕たちの音楽が困難な時期を乗り越える助けになったと言ってくれる人たちだ。それを聞くだけでいつも心が温まり、僕たちは前進し続けることができるんだ。

Q7: Speaking of escapism, Japan is a mecca for fantasy of escape such as games and anime, music, are you interested in Japanese sub-culture?

【NIKO】: A big fan, actually. Manga and anime play a huge part in my everyday life. I grew up with Naruto, Bleach and Fullmetal Alchemist. I think Death Note and Attack on Titan are among the best series’ ever made and I still watch them both at least once a year. It’s a dream of mine to one day have a manga of my own. The story’s is already written, I’m just not good enough at drawing.

Q7: 逃避といえば、日本はゲームやアニメ、音楽など現実から逃避できるファンタジーの宝庫です。日本のサブカルチャーに興味はありますか?

【NIKO】: 実は大ファンなんだよ!マンガやアニメは僕の日常生活で大きな役割を果たしているんだ。ナルト、ブリーチ、鋼の錬金術師で育ったからね。デスノートと進撃の巨人は今まで作られたアニメで最高のシリーズだと思うし、今でも年に1回は見ている。いつか自分のマンガを描くのが夢なんだ。ストーリーはもう書いてあるんだけど、絵が下手なんだよね…。

Q8: I understand you guys are influenced by Linkin Park, specifically “Meteora”?” Many artists seem to cite “Hybrid Theory” as a favorite, but why “Meteora” for you?

【NIKO】: Both albums are amazing and it’s impossible to choose which one is better. The production and songwriting are so well done that to this say, no one has topped it. The first Linkin Park song I ever heard was ”Numb” so maybe that’s why ”Meteora” feels so important.

Q8: LINKIN PARKの、特に “Meteora”に影響を受けているそうですね?多くのアーティストが “Hybrid Theory” をお気に入りとして挙げているようですが、あなたはなぜ “Meteora” なのでしょうか?

【NIKO】: どちらのアルバムも素晴らしくて、どちらが優れているか選ぶのは不可能だよね。プロダクションもソングライティングもとてもよくできていて、今に至るまで誰もこれを超えるものはいない。ただ LINKIN PARK の曲を初めて聴いたのが “Numb” だったから、だから “Meteora” がより重要な作品だと感じるのかもしれないね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NIKO’S LIFE!!

Linkin Park “Meteora”

keeps inspiring me to this day.

Bring Me The Horizon “Amo”

helped me through a bad breakup and showed me how powerful relief music can be.

My Chemical Romance “The Black Parade”

the soundtrack of my teenage years and an ever-growing artistic inspiration.

Enter Shikari “A Flash Flood of Colour”

my path to heavier music and a live-show inspiration.

Twenty One Pilots “Blurryface”

encouraged me to be my own weird self, and make a career out of it.

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you so much for your support and patience, can’t wait to visit your beaufitul country for the first time. Get your tickets and see you at Duo Music Exchange in Tokyo, 3rd of June.

サポートと忍耐に感謝を。はじめて君たちの美しい国に行くことができるんだ!チケットを入手して、6月3日、東京のduo MUSIC EXCHANGEで会おうね!

NIKO MOILANEN

来日公演の詳細はこちら!CREATIVEMAN

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日本盤のご購入はこちら : SONY MUSIC

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FREAK KITCHEN : EVERYONE GETS BLOODY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTIAS IA EKLUNDH OF FREAK KITCHEN !!

“Turn Off Your Phone. Spend Time With Your Instrument. Don’t Be Afraid To Make Mistakes. Mistakes Are Beautiful.”

DISC REVIEW “EVERYONE GETS BLOODY”

「あのころ私たちは若かったから、最高のアルバムを作ろうと必死だった。楽しくてエキサイティングな時代だったよな!いくつかの賞も受賞したと思う。マイケル・イルバートにミキシングしてもらったことで、実際よりもずっと良くなった。彼は本物のプロだ。アルバムのアートワークは、私が持っているジャケット (服) の写真なんだ。あのジャケットを箪笥から取り出して、ほこりを払って、プレゼントか何かをする必要があるね。とにかく、”Appetizer” は私にとってとても大切なアルバムで、30年前のアルバムという古さがまったく感じられないよね。それは間違いないよ」
FREAK KITCHEN がデビュー・アルバム “Appetizer” をリリースして30年。30年経った今でも、あのユニークで、チャレンジングで、ウルトラ・ヘヴィでしかしウルトラ・キャッチーな傑作はまったく色褪せることはありません。そして、その傑作の立役者 Mattias IA Eklundh その人も、30年という月日で色褪せることはありませんでした。
「Caparison Guitarsには賞賛の言葉しかないし、デザイナーの菅野至は私の長年の友人だ。あのギターはあらゆる面で素晴らしい。だからこそ、私が住んでいるところから1時間ほど離れた、ここスウェーデンのトゥルー・テンペラメントの新しい工場でギターを作る機会を与えられてから、自分のブランドを立ち上げることについて長い間頭を悩ませていたんだ。でもね、最初から最後まで全工程に携われるというのは、断るにはあまりに魅力的なオファーだった。実際に自分のブランドを持つことができる。楽器は一流だし、それを作っている素晴らしい人たちは本当に、本当にプロフェッショナル。だからとても満足しているよ」
Mattias といえばキャパリソン。キャパリソンといえば Mattias。そんな常識が浸透していたギター世界。だからこそ、突然の Mattias によるギター・ブランド Freak Guitar Lab の立ち上げは驚天動地でした。しかし、結局あくまでも最後まで “職人” である Mattias にとって、すべてをコントロールできる、全工程に携われるスウェーデンの True Temperament Factory との提携はあまりにも魅力的でした。挑戦と変化を恐れない。Mattias は、ボロボロの Ibanez を弾いていた30年前から何も変わってはいないのです。
ギターの名前はウルフ。それは愛するスウェーデンの自然を投影した名前で、もちろん長年の友人だった愛犬の名を冠したもの。今のところ、8弦と6弦のラインがあり、日本では Zanshin Musical Instrument が代理店となるそうです。大阪サウンドメッセでの久々の来日も決まっています。
「音楽はとても大切だよ。音楽がなければ気が狂ってしまう。音楽はね、生きる力と目的を与えてくれるんだ。正気を保ち、インスピレーションを与えてくれる。世界が狂っているとき、音楽は最高だよ。身を守る盾になる。音楽の力を過小評価してはいけない。そして…そう、このアートワークとタイトルはまさに今日私たちがいる場所を反映している。私はね、両極化、終わりのない対立、プロパガンダ、嘘をつかれることにとても疲れているんだ。そんな世界で、音楽だけは私の魂を浄化してくれる」
そして、”Appetizer” 30年の年に、Mattias は前だけ見据えて新たなプレゼントを用意してくれていました。アルバム “Everyone Gets Bloody”。5月に発売される新作は、これまでとは少し異なる様相。争いや分断、暴力が蔓延る暗い世界に疲れ果てた Mattias は、ついに直接的にこの世界の異様さを音の中に込めました。もちろん、新たな挑戦はそれだけではありません。9弦という超低音域をオクターブ下でハモらせるという、常人には理解し難い試みもその一つ。デビュー30周年に新たなギターと新たな作品、新たなチャレンジで攻め続ける Mattias IA Eklundh と FREAK KITCHEN。来日とアルバムを楽しみに待ちましょう!
今回弊誌では、Mattias IA Eklundh にインタビューを行うことができました。「作曲や練習をするときはインターネットを避けること。気が滅入ってしまうからね。スマホの電源を切るべきなんだよ。ただ楽器と向き合ってね。そして何よりミスを恐れないで。音楽において間違いは美しいものだから。演奏を通して自分が何者であるかを知り、自分自身のアイデンティティを見つけるのは難しい。だからこそ、外部からのインプットが少なければ少ないほど、自分自身のもの、ユニークなものを作り上げることができると思うよ」 3度目の登場! どうぞ!!

FREAK KITCHEN “EVERYONE GETS BLOODY” : 10/10

INTERVIEW WITH MATTIAS IA EKLUNDH

Q1: You are coming to Japan for the first time in a really long time at the Osaka Sound Messe! What are you looking forward to in Japan?

【MATTIAS】: Needless to say, I am really longing for Japan and my Japanese friends. It’s been too long and I am tremendously happy to be back. Ever since my first visit in 1996 Japan has been amazing to me in every possible way. Love you guys.

Q1: 大阪サウンドメッセで久しぶりの来日ですね!まず、久しぶりの日本で楽しみにしていることは何ですか?

【MATTIAS】: 言うまでもなく、日本と日本の友人たちがとても待ち遠しいよ!あまりに久しぶりで、戻ってくることができるだけで本当にうれしいんだよ。1996年に初めて日本を訪れて以来、日本は私にとってあらゆる面で素晴らしい国だった。みんな愛してるよ。

Q2: Mattias had been so pervasively associated with Caparison’s Apple Horn that it was a surprise to see you change guitars. This visit to Japan is also a promotion for your own brand, Freak Guitar Lab, and its Japanese distributor. Why did you decide to launch your own guitar brand?

【MATTIAS】: I have nothing but praise for Caparison Guitars and designer Itaru Kanno is my longtime friend. The guitars are simply fantastic in every way. This has been a long period of racking my brain since I was given the opportunity to start my own brand and make guitars here in Sweden, about an hour from where I live, at the new True Temperament factory. It was too intriguing to turn down, to be part of the entire process from start to finish. To actually have a brand of my own. The instruments are top notch and the fine folks that are building them are really, really professional. I am very happy.

Q2: マティアスといえばキャパリソンのアップルホーンというイメージが浸透していたので、愛機を変えるとは驚きでした。今回の来日は、あなた自身のブランド、Freak Guitar Labとその日本代理店のプロモーションでもあります。なぜご自身のギターブランドを立ち上げようと思われたのですか?

【MATTIAS】: Caparison Guitarsには賞賛の言葉しかないし、デザイナーの菅野至は私の長年の友人だ。あのギターはあらゆる面で素晴らしい。
だからこそ、私が住んでいるところから1時間ほど離れた、ここスウェーデンのトゥルー・テンペラメントの新しい工場でギターを作る機会を与えられてから、自分のブランドを立ち上げることについて長い間頭を悩ませていたんだ。でもね、最初から最後まで全工程に携われるというのは、断るにはあまりに魅力的なオファーだった。実際に自分のブランドを持つことができる。楽器は一流だし、それを作っている素晴らしい人たちは本当に、本当にプロフェッショナル。だからとても満足しているよ。

Q3: I understand that the name of the guitar Ulv comes from the Old Norse word Ulfr? It is well known that you are very protective of nature and animals, especially dogs, but this name also shows that you love Swedish nature very much, doesn’t it?

【MATTIAS】: Yes, very much so. As I am typing this I am lying in our coach in the living room in front of the fireplace with an 80 kilo dog next to me and outside there is an owl going nuts in a tree. Ulf was also a dear friend of mine that passed away last year who was very involved in the startup of Freak Guitar Lab so it’s an homage to him as well.

Q3: “Ulv” というギターの名前は、古ノルド語の Ulfr から来ているそうですね?あなたが自然や動物、特に犬をとても大切にしていることはよく知られていますが、この名前もあなたがスウェーデンの自然をとても愛していることを示していますね?

【MATTIAS】: そう、とてもね。これを書いている今、私はリビングルームのコーチで暖炉の前に寝そべっていて、隣には80キロの犬がいる。外ではフクロウが狂ったように木の上で鳴いている。ウルフは昨年亡くなった私の大切な友人でもあり、フリーク・ギター・ラボの立ち上げに深く関わってくれたので、この名前は彼へのオマージュでもあるんだよ。

Q4: This year marks the 30th anniversary of Freak Kitchen’s debut album “Appetizer! Congratulations! I’m sure many of you, myself included, have had your lives changed by that album.
It is a one-of-a-kind piece of music that combines Pantera-like heavy riffs, catchy melodies, and your unique and technical guitar playing. Looking back now, what does that album mean to you?

【MATTIAS】: Oh gee, thank you for reminding me about this. I am constantly moving forward and do not look back so much so I would have missed this anniversary for sure. Need to start looking into making a vinyl of Appetizer.
We were working hard to make it the best possible album we could, young as we were. It was fun and exciting times! I think it even won some awards. Having Michael Illbert mixing it made so much better than it actually is. A real pro.
The album cover is a photograph of a jacket I have. Need to bring it out and dust it off and maybe do a giveaway or something. Appetizer means a lot to me and doesn’t feel like 30 years ago at all, I must admit.

Q4: 今年は FREAK KITCHEN のデビュー・アルバム “Appetizer” の30周年にあたりますね。おめでとうございます!私も含め、あのアルバムで人生が変わった人は多いはずです。
PANTERA のようなヘヴィなリフ、キャッチーなメロディ、そしてあなたのユニークでテクニカルなギター・プレイが融合した唯一無二の音楽です。今振り返ってみて、あなたにとってあのアルバムはどんな意味を持っていますか?

【MATTIAS】: おっと、思い出させてくれてありがとう。私は常に前に進んでいて、過去をあまり振り返らないから、君に言われなければこの記念日は確実に見逃していただろう。”Appetizer” のヴァイナルを作ることを検討し始めなければならないね!
あのころ私たちは若かったから、最高のアルバムを作ろうと必死だった。楽しくてエキサイティングな時代だったよな!いくつかの賞も受賞したと思う。マイケル・イルバートにミキシングしてもらったことで、実際よりもずっと良くなった。彼は本物のプロだ。
アルバムのアートワークは、私が持っているジャケット (服) の写真なんだ。あのジャケットを箪笥から取り出して、ほこりを払って、プレゼントか何かをする必要があるね。とにかく、”Appetizer” は私にとってとても大切なアルバムで、30年前のアルバムという古さがまったく感じられないよね。それは間違いないよ。

Q5: In that era, heavy groove metal like Pantera and grunge were at their peak. Did these musical trends influence “Appetizer” in any way?

【MATTIAS】: I honestly don’t know. When I write music I never plan anything. What happens happens, so to speak. Subconsciously I may have picked up stuff like everybody else and channeled it through the songs. Basically I merely wanted to make it as good as I could together with Joakim and Christian, the drummer and bass player at the time.

Q5: あの時代は、PANTERA のようなヘヴィなグルーヴ・メタルやグランジが全盛でした。そうしたトレンドは “Appetizer” に何らかの影響を与えたのでしょうか?

【MATTIAS】: 正直、わからない。私は音楽を書くとき、何も計画をしないんだ。いわば、起こったことが起こる。ただ無意識のうちに、他の人たちと同じようにいろいろなものを拾ってきて、それを曲の中に取り入れたのかもしれない。基本的には、Joakim と Christian (当時のドラマーとベーシスト)と一緒に、できる限りいいものを作りたかっただけなんだ。

Q6: In the first place, there was a relationship between the band name Freak Kitchen and the album title “Appetizer”, wasn’t there?

【MATTIAS】: Sure, we wanted to tell the world this was only the beginning, an appetizer. I often think to myself that Freak Kitchen is quite a bad name, with the letter K next to another, making it slightly impossible to say, but… You do what you do and then move on, I guess.

Q6: そもそも FREAK KITCHEN というバンド名とアルバム・タイトルの “Appetizer” には関連が感じられますが、あの一枚だけですよね?

【MATTIAS】: そうなんだ。これは始まりに過ぎない、私たちにとって “前菜” だと世界に伝えたかった。FREAK KITCHEN という名前は、Kが隣り合って連続していて、ちょっと言いにくい名前だと自分でもよく思うのだけど…。でも…やることをやって、次に進もう。

Q7: Times have changed dramatically since then. Today, it is really easy to study guitar and music, for better or worse, through social networking, streaming, and video sites. Conversely, it is said that the world is too instant and it is harder to create truly unique players like you. Do you have any advice for young guitarists living in such an era?

【MATTIAS】: Avoid the internet when you compose or practise. It can be disheartening. Turn off your phone. Spend time with your instrument. Don’t be afraid to make mistakes. Mistakes are beautiful. It’s hard to find out who you are through your playing and to find an identity of your own. The less outside input you have, the better off you are creating something of your own, something unique.

Q7: あれから時代は大きく変わった。SNSやストリーミング、動画サイトなど、良くも悪くもギターや音楽の勉強が本当に簡単にできるようになった現代。逆に世の中がインスタントすぎて、あなたのような本当に個性的なプレイヤーが生まれにくくなっているとも言われています。そんな時代に生きる若いギタリストに何かアドバイスはありますか?

【MATTIAS】: 作曲や練習をするときはインターネットを避けること。気が滅入ってしまうからね。スマホの電源を切るべきなんだよ。ただ楽器と向き合ってね。そして何よりミスを恐れないで。音楽において間違いは美しいものだから。
演奏を通して自分が何者であるかを知り、自分自身のアイデンティティを見つけるのは難しい。だからこそ、外部からのインプットが少なければ少ないほど、自分自身のもの、ユニークなものを作り上げることができると思うよ。

Q8: The new song “Everyone Gets Bloody” is also great! The artwork and title seem to represent the world today, a world stained with anger and blood due to wars, divisions, and pandemics. What can music do in such a dark world?

【MATTIAS】: Music is so important. I would go crazy without it. It gives me strength and purpose in life. It keeps me sane and inspired. When the world is going nuts, music is the best. A protective shield. Never underestimate the power of music… and yes, the artwork reflects where we are today. I am so tired of polarization, of endless conflicts, propaganda and of being lied to. Music cleanses my soul.

Q8: 新曲 “Everyone Gets Bloody” も素晴らしいですね!アートワークとタイトルは、戦争、分断、パンデミックによって怒りと血に染まった今の世界を象徴しているように思えます。こうした暗い世界で音楽ができることは何でしょうか?

【MATTIAS】: 音楽はとても大切だよ。音楽がなければ気が狂ってしまう。音楽はね、生きる力と目的を与えてくれるんだ。正気を保ち、インスピレーションを与えてくれる。世界が狂っているとき、音楽は最高だよ。身を守る盾になる。音楽の力を過小評価してはいけない。
そして…そう、このアートワークとタイトルはまさに今日私たちがいる場所を反映している。私はね、両極化、終わりのない対立、プロパガンダ、嘘をつかれることにとても疲れているんだ。そんな世界で、音楽だけは私の魂を浄化してくれる。

Q9: You have created a variety of unique playing techniques such as the horse clip, remote control, and dildo. Is a 9-string guitar a new challenge for you this time? Why do you need such a low register for you?

【MATTIAS】: I’d say I play 8-string about 99% of the time but every once in awhile I love overdubbing with the 9-string an octave below. I use the Helix by Line6 and this lovely device makes it possible to go really low and have a super steady sound, something that is virtually impossible with a tube amp (as much I love them too).

Q9: あなたはホースクリップ、リモコン、ディルドーなど様々にユニークな奏法を生み出してきました。今回は9弦ギターが新たな挑戦でしょうか?なぜあなたにはこのような超低音域が必要なのですか?

【MATTIAS】: まあ、99%くらいは8弦を弾いているけど、たまに1オクターブ下の9弦でオーバーダビングするのが好きなんだ。Line6 の Helix を使っているんだけど、この素敵なデバイスのおかげで、真空管アンプでは事実上不可能な、超低音で安定したサウンドを出すことができるんだ。とはいえ、真空管アンプも大好きだけどね。

MESSAGE FOR JAPAN

Can’t wait to hook up again! Thanks to my friends and partners at Zanshin Musical Instrument (PVP Inc.) who will distribute Freak Guitar Lab instruments you will see a lot more of me in Japan in the future. Take heed, the Viking is back, haha!

また日本でフックアップするのが待ちきれないよ!私の友人であり、Freak Guitar Lab の楽器を販売してくれる Zanshin Musical Instrument (PVP Inc.) のパートナーのおかげで、今後日本で私の姿をたくさん見ることができるだろうね。気をつけろ、バイキングが帰ってきたぞ!

MATTIAS IA EKLUNDH

大阪サウンドメッセ

ZANSHIN MUSICAL INSTRUMENTS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HEMLYN : WARS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AL JAZIRI OF HEMLYN !!

“Ultimately, The Future Of Metal In Africa Depends On Nurturing Local Talent, Improving Infrastructure, And Fostering a Supportive Environment For Metal Enthusiasts, And Fusing The Genres.”

DISC REVIEW “WARS”

「アフリカにおけるメタルの未来は、地元の才能を育て、インフラを改善し、メタル愛好家を支援する環境を育み、ジャンルを融合させることにかかっている。僕は、メタルは現地の音楽のルーツを借りてこそ受け入れられるものだと心から信じている…つまり、フュージョンが鍵なんだ。そして決意と投資をしさえすれば、アフリカは多様性を謳歌し、このジャンルの世界的景観に貢献する活気あるメタル・コミュニティを育成する可能性を秘めているんだ」
メタルの生命力、感染力、包容力は、文化や人種、国、大陸、宗教、性別の壁をのりこえて、今や世界各地で芽吹いています。それでも、アフリカへ到達し、その場所で花開くためにはおそらく、世界のどの場所よりも時間が必要でした。それはまず、貧困や治安の悪化からくるインフラの不足、機材の不足。そして何より、現地のルーツとかけ離れた音楽性もその理由でしょう。
「HEMLYN の創作過程では、地元のパーカッションと僕たちの青春時代のギター・ヒーロー、両方の世界の要素を融合させている。僕たちの音楽はロックとスフィの要素を融合させたもので、だからこそチュニジアの文化遺産と音楽の旅を反映したユニークなサウンドを作り出せたんだ」
チュニジアの神秘的な音楽集団 HEMLYN のリーダー Al Jaziri は、アフリカにおけるメタルの未来を見据えて、自身のルーツである SYSTEM OF A DOWN のようなグルーヴ・ギターと、自らの血である北アフリカのパーカッションや旋律を見事に融合させました。あまりにユニークでエキゾチック、アフリカとメタルがシームレスにつながったその音楽は、砂漠に浮かぶ蜃気楼、シティ・ブ・サイドのように驚きと感嘆、現実からの逃避場所をリスナーに届けるのです。
「僕にとって、日本のアニメやビデオゲーム、そしてヘヴィ・メタルは、とどまるところを知らない想像力と、日常生活の制限を超越することができる幻想的な世界を提供してくれる。スーパーマンや悟空のように空を飛んだり、宇宙を股にかけた壮大な冒険に乗り出したり、不正義に立ち向かったりすることを夢見たり。こうした芸術形態は、現実の苦難に必要な休息を与えてくれる」
HEMLYN の音楽が、現実からの逃避場所となり得たのは、Ali がメタルと同じくらい、日本の文化を愛していたからでした。地中海に面した美しい国チュニジアにしても、やはり貧困や病気、抑圧に暴力といったアフリカの苦難は存在します。新曲 “Mafia 52” も、革命後の政府の抑圧、自由の搾取に対するプロテスト・ソング。そんな日常で Al の心が休まる時間が、メタルと日本のゲームやアニメだったのです。
「マンガもメタルも、従来の常識に挑戦し、より明るく希望に満ちた未来を垣間見せてくれるオルタナティブな視点を表現しているんだ。そうした文化は、人間の精神の回復力と、現実の枠を超越する創造性の力を体現し、疎外され、抑圧されていると感じている人々に慰めとインスピレーションを与えてくれるのさ」
HEMLYN の音楽は情景音写と感情豊かなリリックで、リスナーを音の旅へと誘います。パワフルなギター・リフ、プリミティブなリズム、魂を揺さぶるヴォーカルで、リスナーの心を非日常へと連れ出すのです。そう、アニメもマンガもゲームもメタルも、現実のくだらない常識や慣習を打ち破り、抑圧から解放された未来をもたらす希望のアート。そして、HEMLYN ほどそのアートを世界にもたらすに適したバンドは他にいないはずです。
今回弊誌では、Al Jaziri にインタビューを行うことができました。「アニメ、ゲーム、音楽を含む日本文化は、常に僕を魅了してきた。思いやり、寛大さ、友情、忍耐力、ユーモアなど、人生の貴重な教訓を教えてくれたんだ。ゼルダやソニック、マリオやストリートファイターなどの日本のビデオゲームのサウンドトラックは、僕の作曲へのアプローチに影響を与え、永続的な影響を残した…菊池俊輔の作曲は、何十年もの間、僕の中で共鳴し続けた。いつもメタルを聴きながらマンガを読んでいたのを覚えているよ。だからこそ今、僕の中でノリタカのようなマンガは、STRATOVARIUS のようなバンドと永遠に結びついているんだ」 どうぞ!!

HEMLYN “WARS” : 10/10

INTERVIEW WITH AL JAZIRI

Q1: When I think of metal and rock in Tunisia, I first think of MYRATH. Is metal/rock music actually popular in Tunisia? Are you influenced by them?

【AL】: MYRATH is indeed one of the most respected metal bands that originated from Tunisia. Even though metal music faced challenges after the revolution of 2011, it was quite popular, loved by many Tunisians. Metal concerts, including bands like Dark Tranquility, were well-received. After a decade of absence, metal is making a comeback in Tunisia, and I personally aim to promote this genre further. While MYRATH are friends of HEMLYN, our styles differ significantly, and we don’t consider ourselves directly influenced by them. However, we may share common influences in rock music. Personally, my music is influenced by Soufi music, Californian metal, and English rock music. Since I was five years old, I was roaming in my father’s soufi and pop mega shows (Hadhra – Nouba, etc.

Q1: チュニジアのメタルやロックといえば、まず MYRATH を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。チュニジアではメタルやロックはポピュラーなのでしょうか?MYRATH からは影響を受けていますか?

【AL】: MYRATH は、チュニジアから生まれた最も尊敬されるメタル・バンドのひとつだよ。2011年の革命後、メタル・ミュージックは困難に直面したんだけど、それでもメタルは多くのチュニジア人に愛され、かなり人気があった。DARK TRANQUILLITY のようなバンドを含むメタルのコンサートは好評だったしね。
10年の後、チュニジアではメタルがカムバックしつつあり、僕は個人的にこのジャンルをさらに促進することを目指しているんだ。MYRATH は HEMLYN の友人だけど、僕たちのスタイルは大きく異なり、彼らから直接影響を受けたとは考えていないよ。ただ、ロック・ミュージックにおいては共通の影響を受けているかもしれない。個人的には、僕の音楽はスフィー・ミュージック、カリフォルニアのメタル、イギリスのロックに影響を受けている。5歳の頃から、父のスフィやポップ・メガ・ショー(Hadhra – Noubaなど)の中を聴き歩いていたからね。

Q2: I think you differ from MYRATH and ORPHANED LAND in that you are more primitive and based on traditional North African music, whereas they are more oriental in melody. These differences give you a great personality, would you agree?

【AL】: The traditional North African, specifically Tunisian, popular music is in my blood, having been born into it. I grew up on stage, and learned the job alongside great artists. Hemlyn’s creation process blends elements from both worlds, to local percussion and the guitar heroes of my/ our youth. Our music is a fusion of rock and Soufi elements, creating a unique sound that reflects our cultural heritage and musical journey. After two years of Covid, we composed a total of 21 tracks divided into two parts. “Mafia 52” being the second song released from Part 1 of the “WARS” album.

Q2: MYRATH や ORPHANED LAND とあなたたちの違いは、彼らがよりオリエンタルなメロディーを主軸としているのに対して、あなたたちはよりプリミティブで伝統的な北アフリカの音楽をベースにしている点だと思います。この違いが HEMLYN に素晴らしい個性を与えていますね?

【AL】: 北アフリカ、特にチュニジアの伝統的なポピュラー音楽は、生まれながらにして僕の血の中に流れている。僕はステージで育ち、偉大なアーティストたちとともに仕事を学んだ。
HEMLYN の創作過程では、地元のパーカッションと僕たちの青春時代のギター・ヒーロー、両方の世界の要素を融合させている。僕たちの音楽はロックとスフィの要素を融合させたもので、だからこそチュニジアの文化遺産と音楽の旅を反映したユニークなサウンドを作り出せたんだ。
パンデミックの2年間を経て、僕たちは2つのパートに分かれた全21曲を作曲した。”Mafia 52 ” は、アルバム “WARS” のパート1からリリースされた2曲目にあたる。

Q3: How did Hemlyn start and where did the name Hemlyn come from?

【AL】: In 2013, when I came back from from Los Angeles where I studied music, I realized that I needed to form a band that had a very distinct signature. We know already that the world is full of awesome musicians, so instead of imitating existing styles, I wanted to create something authentic and unique through the fusion process, very much like fusing ingredients into a new recipe to create a new dish. After recruiting talented musicians in my city and brainstorming band names, I came up with the name, and HEMLYN was born. The name reflects our journey as music wanderers, seeking our own path beyond conventional norms, HEMLYN could be translated to RONIN in Japanese.

Q3: HEMLYN はどのように始まり、その名前はどこから来たのでしょう?

【AL】: 2013年、音楽の勉強をしていたロサンゼルスから戻ってきたとき、とても特徴的なバンドを結成する必要があると気づいたんだ。世界中に素晴らしいミュージシャンがたくさんいることはもう知っているから、既存のスタイルを真似するのではなく、フュージョンのプロセスを通して、何か本物のユニークなものを作りたかった。
そうして僕の住む街で才能あるミュージシャンを募り、バンド名をブレインストーミングした結果、HEMLYN が誕生した。この名前は、音楽の放浪者としての僕たちの旅を反映している。だから、HEMLYN は日本語に訳すと “浪人” なんだよ。

Q4: Seplutura’s “Roots” was a record that changed the world of metal, bringing third world traditions, vitality and diversity to a predominantly western metal scene. Were you influenced by them and the Nu-metal movement?

【AL】: While many people make comparisons to Sepultura, personally, I wasn’t influenced by them. My primary fusion inspiration comes from System Of A Down. Their socially and politically engaged music resonated with me deeply. Combining Armenian melodies and rhythms with powerful riffs, and Serj Tankian’s powerful vocals left a lasting impression on me as a singer and songwriter. System Of A Down’s music remains relevant even today, almost two decades later….

Q4: SEPLUTURA の “Roots” はメタル世界を変えたレコードで、西洋のメタル・シーンに第三世界の伝統、活力、多様性をもたらしました。彼らの哲学や Nu-metal のムーブメントに影響を受けましたか?

【AL】: 多くの人が僕らと SEPLUTURA を比較しているけど、個人的には彼らから影響を受けたわけではないんだよ。僕のフュージョンのインスピレーションの源は、SYSTEM OF A DOWN だ。彼らの社会的、政治的に関与した音楽は、僕の心に深く響いた。アルメニア語のメロディーとリズムにパワフルなリフを組み合わせ、Serji Tankian のパワフルなボーカルは、シンガー・ソングライターとしての僕に強烈な印象を残したね。SOAD の音楽は、20年近く経った今日でも僕らと大きな関連性があるんだ…。

Q5: In recent years, metal bands that incorporate traditional music, such as Bloodywood, have given the impression that they are rebelling against the power and government of their country with their music.” The title “Mafia 52” is a strong title, what is the theme or meaning behind it?

【AL】: “Mafia 52” is a commentary on Law 52 in Tunisia, which imposes severe restrictions on personal freedoms, particularly regarding drug offenses. The song critiques the abuse of power enabled by such laws, symbolized by the title “Mafia 52.” It reflects a rebellion against oppressive legal frameworks and the authorities enforcing them. Themes of resistance, defiance, and the pursuit of freedom resonate strongly with the context of Law 52 in Tunisia, highlighting broader societal issues through the lens of metal music. The upcoming album “WARS” is in fact a collection of critiques about everything that is wrong with society, and each song is a battle against any form of injustice or struggle.

Q5: 近年、BLOODYWOOD のような伝統音楽を取り入れたメタル・バンドは、その音楽で自国の権力や政府に反抗することが多いように思えます。”Mafia 52″ という強烈なタイトルには、どんな意味が込められていますか?

【AL】: “Mafia 52″ はチュニジアの法律52号に対するコメントで、個人の自由、特に麻薬犯罪に関して厳しい制限を課している。この曲は、”マフィア52” というタイトルに象徴されるように、このような法律が可能にする権力の乱用を批判している。抑圧的な法的枠組みとそれを執行する当局への反抗を反映しているんだよ。
抵抗、反抗、自由の追求というテーマは、チュニジアの法律52号の背景と強く共鳴し、メタル音楽のレンズを通してより広い社会問題を浮き彫りにしている。今度のアルバム “WARS” は、実際、社会のあらゆる問題についての批評集であり、それぞれの曲は、あらゆる形の不正や闘争に対する “戦い” なんだ。

Q6: I was surprised to know that you love Japanese culture, anime, games and music, including Akira Toriyama. What works of art do you particularly enjoy? Do you draw inspiration from them?

【AL】: Ah now we are talking!
I am a fan of the 80’s / 90’s manga era. From Gunnm to GTO, Noritaka to Ruroni Kenshin, ARMS, Yuyu Hakusho & Hunter X Hunter , Bleach, Ranma 1/2, Death Note and of course Dragon ball Z.. Japanese culture, including anime, games, and music, has always fascinated me. It taught me valuable life lessons about compassion, generosity, friendship, perseverance, and humor. Japanese video game soundtracks, such as those from Zelda and Sonic, Mario and Street fighter have left a lasting impact on me, influencing my approach to music composition… the compositions of Shunsuke Kikuchi resonated in me for decades. And I remember always having metal music in my ears when I was reading mangas, and now mangas such as Noritaka are bound forever with bands like like Stratovarius.

Q6: あなたが鳥山明をはじめ、日本の文化、アニメ、ゲーム、音楽が好きだと知って驚きました。特に好きな作品は何ですか?また、日本の文化からインスピレーションを受けることはありますか?

【AL】: 話が盛り上がってきたね!僕は80年代、90年代の漫画のファンなんだ!ガンダムからGTO、破壊王ノリタカ!、るろうに剣心、ARMS、幽遊白書、ハンターXハンター、BLEACH、らんま1/2、デスノート、そしてもちろんドラゴンボールZまでね。
アニメ、ゲーム、音楽を含む日本文化は、常に僕を魅了してきた。思いやり、寛大さ、友情、忍耐力、ユーモアなど、人生の貴重な教訓を教えてくれたんだ。ゼルダやソニック、マリオやストリートファイターなどの日本のビデオゲームのサウンドトラックは、僕の作曲へのアプローチに影響を与え、永続的な影響を残した…菊池俊輔の作曲は、何十年もの間、僕の中で共鳴し続けた。いつもメタルを聴きながらマンガを読んでいたのを覚えているよ。だからこそ今、僕の中でノリタカのようなマンガは、STRATOVARIUS のようなバンドと永遠に結びついているんだ。

Q7: The world has changed dramatically in 2020’s with pandemics, divisions, and wars. The world is full of lonely or oppressed people, Both of the fantasy of Japanese anime and video games and heavy metal are perfect escapes and recoveries from such dark realities. Is that part of what made you fall in love with both?

【AL】: The world is indeed in a state of constant flux, marked by pandemics, divisions, and conflicts that leave many people feeling lonely or oppressed. Throughout history, this struggle between the powerful and the marginalized has persisted, and art has always played a cathartic role and offering emotional comfort in the face of adversity.
For me, Japanese anime and video games, as well as heavy metal, offer fantastical realms where imagination knows no bounds and where one can transcend the limitations of everyday life. Whether it’s dreaming of flying like Superman or Goku, embarking on epic adventures across the universe, or standing up against injustice, these art forms provide a much-needed respite from the struggles of reality.
In my journey, Michael Jackson’s visit to Tunisia in ’98 left a profound impact on me. Sharing the stage with him ignited a passion within me to pursue music as a career. His music, along with the world of mangas, shaped my worldview as a ’90s kid. Additionally, bands like Metallica, Marilyn Manson, Korn, Muse, and System of a Down became pillars of inspiration for me. Their music served as a beacon of hope, reminding me that I am not alone in navigating the challenges of this oppressive world.
In essence, both mangas and metal represent alternative perspectives that challenge conventional norms and offer glimpses of a brighter, more hopeful future. They embody the resilience of the human spirit and the power of creativity to transcend the confines of reality, providing comfort and inspiration to those who feel marginalized or oppressed.

Q7: パンデミック、分断、戦争など、2020年代の世界は劇的に変化しました。世界は孤独や抑圧された人々で溢れ、日本のアニメやビデオゲーム、そしてヘヴィ・メタルのファンタジーは、そうした暗い現実からの逃避や回復に最適だと感じます。あなたがその両方を好きになったのは、そうした理由もあるのでしょうか?

【AL】: パンデミックや分断、紛争によって、多くの人々が孤独や抑圧を感じている。歴史を通じて、権力者と疎外された人々との間のこの闘争は続いてきた。そして芸術は常に、逆境に直面したときに感情的な安らぎを与え、カタルシスをもたらす役割を果たしてきたんだ。
僕にとって、日本のアニメやビデオゲーム、そしてヘヴィ・メタルは、とどまるところを知らない想像力と、日常生活の制限を超越することができる幻想的な世界を提供してくれる。スーパーマンや悟空のように空を飛んだり、宇宙を股にかけた壮大な冒険に乗り出したり、不正義に立ち向かったりすることを夢見たり。こうした芸術形態は、現実の苦難に必要な休息を与えてくれる。
僕の旅では、98年のマイケル・ジャクソンのチュニジア訪問が大きな衝撃を残したんだ。彼とステージを共にしたことで、音楽を職業にしたいという情熱に火がついた。彼の音楽は、マンガの世界とともに、90年代の子供だった僕の世界観を形作った。さらに、METALLICA, Marilyn Manson, KORN, MUSE, SYSTEM OF A DOWN といったバンドは、僕にとってインスピレーションの柱となった。彼らの音楽は希望の光となり、この抑圧的な世界の困難を乗り越えようとしているのは自分ひとりではないことを思い出させてくれた。
要するに、マンガもメタルも、従来の常識に挑戦し、より明るく希望に満ちた未来を垣間見せてくれるオルタナティブな視点を表現しているんだ。そうした文化は、人間の精神の回復力と、現実の枠を超越する創造性の力を体現し、疎外され、抑圧されていると感じている人々に慰めとインスピレーションを与えてくれるのさ。

Q8: I believe that metal has the power to transcend religious, racial, gender, and cultural barriers. Still, it took a long time for metal to flourish in Africa. Do you think metal will gain more vitality in Africa in the future?

【AL】: Honestly, it’s going to depend on people. The flourishing of metal in Africa hinges largely on the support and promotion of local emerging bands. Historically, metal has been predominantly associated with Western civilizations, with notable contributions from England and the United States.
In contrast, Africa has faced challenges in establishing a thriving metal scene, largely due to infrastructural limitations and a lack of support for local artists. Unlike genres like blues and rap, which have deep roots in African culture, metal has taken longer to gain traction. Nevertheless, there is potential for growth and vitality in the African metal scene with concerted efforts to support emerging talent and improve infrastructure. However, I truly believe that Metal music can only be accepted if it borrows the roots of the local music… Fusion is the key.
Japan serves as a prime example of how dedication to promoting metal bands can lead to international success. With a robust metal scene and effective promotion strategies, Japanese bands have gained recognition on the global stage. However, in the third world, where production quality may be limited and infrastructure lacking, the path to prosperity is more challenging.
Ultimately, the future of metal in Africa depends on nurturing local talent, improving infrastructure, and fostering a supportive environment for metal enthusiasts, and fusing the genres. With determination and investment, Africa has the potential to cultivate a vibrant metal community that celebrates diversity and contributes to the genre’s global landscape.

Q8: メタルには宗教、人種、性別、文化の壁を超える力があると信じています。それでも、アフリカでメタルが花開くには長い時間がかかりました。今後、アフリカでメタルはもっと活性化すると思いますか?

【AL】: 正直なところ、それは人によるだろう。アフリカにおけるメタルの繁栄は、地元の新興バンドのサポートとプロモーションに大きく依存している。歴史的に、メタルは主に西洋文明と結びついていて、イギリスやアメリカの貢献が顕著だ。これとは対照的に、アフリカではメタル・シーンの繁栄が困難で、その主な原因はインフラ面での制約と地元アーティストへの支援不足だ。アフリカ文化に深く根付いているブルースやラップのようなジャンルとは異なり、メタルは人気を得るまでに時間がかかった。とはいえ、新たな才能を支援し、インフラを改善するための協調的な努力によって、アフリカのメタル・シーンには成長と活力の可能性を得た。僕は、メタルは現地の音楽のルーツを借りてこそ受け入れられるものだと心から信じている……つまり、フュージョンが鍵なんだ。
日本は、メタル・バンドのプロモーションへの献身が国際的な成功につながるという典型的な例だよね。強固なメタル・シーンと効果的なプロモーション戦略によって、日本のバンドは世界の舞台で認知されるようになった。しかし、生産の質が限られ、インフラが不足している可能性のある第三世界では、繁栄への道はより困難となる。
結局のところ、アフリカにおけるメタルの未来は、地元の才能を育て、インフラを改善し、メタル愛好家を支援する環境を育み、ジャンルを融合させることにかかっている。決意と投資をしさえすれば、アフリカは多様性を謳歌し、このジャンルの世界的景観に貢献する活気あるメタル・コミュニティを育成する可能性を秘めている。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED AL’S LIFE!!

METALLICA “Black Album”

Turning point in my life, a Hit packed album, that turned me into a metal believer.

SILVERCHAIR “Neon Ballroom”

The orchestral composition of Emotion Sickness and the vocal performance changed my perception of what is possible to do with rock, and broke boundaries.

MUSE “Origin of Symmetry”

The specific rock and classical piano approach along with Mathew Bellamy’s vocal performance comforted my taste of fusing genres. Being a piano player that used to love Chopin, a found this album refreshing. So much that I called Chris Rock , the engineer who mixed and mastered this album to work one my first album.

SYSTEM OF A DOWN “Toxicity”

A true slap in the face, powerful, inspired, angry, engaged, fused with unconventional instruments and melodies. My true inspiration as a fusion artist, leading me to create a Tunisian Tribal Metal genre.

METALLICA “Reload”

Metallica again, because their evolution, and the emotion around their art. Metallica is not a music genre, it’s a world. Besides, Hetfield was my greatest vocal teacher with Tankian.

MESSAGE FOR JAPAN

First of all, one of my goals in life is to travel to Japan! Try delicious meals, from sushi platters to yakisobas and ramens, Yattaa!! !!
And I AM going to attend to the 2025 universal expo in OSAKA, and I WILL one day perform in Japan in front of Metal fans! To Japanese people I say this: Your sensitivity, friendship, hard work and creativity force respect!
Keep being amazing at what you do JAPAN, you are a very special country.
Thank you Sin for your interest in Hemlyn. Be Safe and Keep Head Banging!
PS: I am enthusiastic about an opportunity to meet you in Japan and discuss our shared passion for music and culture, should you be available. Additionally, I am proud of the project at Le Centre Des Arts Jerba (https://centre-arts-jerba.com/fr/), founded by my father, Fadhel Jaziri. The center aims to promote artistic and cultural exchange, offering a platform for diverse performances and exhibitions. I believe it contributes to the enrichment and promotion of the region’s cultural heritage and is deeply intertwined with my day-to-day involvement with music and arts. Looking forward to chatting more!

まず、僕の人生の目標のひとつは、日本を旅行することだ!寿司の盛り合わせから焼きそば、ラーメンまで、美味しいものを食べて、ヤッタァ!!
そして、2025年に大阪で開催される万国博覧会に参加し、いつか日本のメタル・ファンの前でライブをするつもりだよ!日本の皆さんに言いたい。君たちの感性、友情、努力、創造性は尊敬に値する!日本は特別な国だよ。HEMLYN に興味を持ってくれてありがとう。安全第一で、ヘッドバンギングを続けてほしい!
PS:僕の父、ファデル・ジャジリが設立したLe Centre Des Arts Jerba (https://centre-arts-jerba.com/fr/)のプロジェクトを誇りに思っているんだ。このセンターは、芸術的・文化的交流を促進することを目的としており、多様なパフォーマンスや展示のためのプラットフォームを提供している。僕は、このセンターがこの地域の文化遺産の充実と振興に貢献し、私の日々の音楽や芸術との関わりと深く結びついていると信じているんだ。また話せるのを楽しみにしているよ!

AL JAZIRI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WOMBAT SUPERNOVA : APEWOMAN VS TURBO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH WOMBAT SUPERNOVA!!

“Math Rock And Prog Metal. These Genres Can Go In Similar Directions But As They Come From Really Different Worlds, They’re Not Really Meeting Each Other That Often.”

DISC REVIEW “APEWOMAN VS TURBO”

「マス・ロックとプログ・メタル。そのふたつのジャンルは似たような方向に進むことができるけど、本当に違う世界から来たものだから、実際はお互いに出会うことはあまりないんだよね。僕らのプロジェクトは、DREAM THEATER や HAKEN ようなプログ・メタルの大ファンで、でもマス・ロックを作りたかったから、その両方を組み合わせることにしたんだよ」
マス・ロックとプログ・メタル。両者共に、複雑怪奇な奇数拍子と難解なテクニックを心臓としながらも、決して交わることのなかったジャンルたち。それはきっと、エモ/スクリーモとメタルという大きく離れた場所から進化をとげてきたせいでしょう。しかし、フランスのウォンバットとエイプウーマンは、ユーモアでその壁をとりはらいます。
「僕はいつも不思議だったんだ。マス・ロックは当然、プログレッシブで面白いことを期待していた(そしてそれを望んでいた)のだけど、実際にはシリアスでエモい側面が、僕が思っていたよりもずっとシーンで優勢であることを知って驚いたね」
おそらく、マス・ロックとプログ・メタル最大のちがいは、音楽的な “深刻さ” である。そう信じていたウォンバットこと Lulu は、実際のマス・ロックシーンのシリアスさに驚き、違和感を感じます。同じくらいシリアスなら、大好きなマス・ロックとプログ・メタルが出会わない手はない。しかも、そこにユーモアやハッピーな感情を織り込んだらどうなるんだろう?そこから、WOMBAT SUPERNOVA の冒険がはじまりました。
「僕はいつも任天堂の大ファンボーイで、僕らの音楽はマリオカートのサウンドトラックにすごく影響を受けていると思う。全体的にはちょっと微妙なんだけど、”Bertrand” のコーラスのようにはっきりわかることもある。僕ら2人とも、大乱闘スマッシュブラザーズ・アルティメットとそのOSTの大ファンでもあるんだ」
“Bertrand” は、まさにそんな “最高にキュートで、最高にハッピーで、最高におマヌケなマス・ロック” を標榜する彼らを象徴するような楽曲。ハイパーなイントロのタッピング・リフに、MESHUGGAH も顔負けのブレイクダウン。そのふたつをつなぐのが、感染力増し増しのアニメチックで爽快なメロディなのですから、前代未聞のマスプログハッピーミュージックはとどまるところをしりません。
「どうやら僕らの音楽のおかげで、暗いことがあっても楽しくハッピーな気分で生活できるようになったみたいなんだ。このプロジェクトは、以前は僕らが楽しむために作ったものだったけど、もしこのプロジェクトがみんなに良いバイブスを与えることができたなら、僕たちは本当に嬉しいよ」
音楽は、それがネガティブな感情であれ、ポジティブな感情であれ、リスナーの心に寄り添うもの。そうして、リスナーの心の壁を溶かしたウォンバットは、カントリーからジャズ、そして場違いなブラストビートの連打までカオティックに音楽で未曾有のサーカスを演じ続け、ジャンルの壁をも溶かしていくのです。
今回弊誌では、WOMBAT SUPERNOVA にインタビューを行うことができました。”バンドのアイデンティティにウォンバットを選んだのは、かわいい動物だし、小さなキャラクターだし、その中の一匹が “ベルトラン” (明るくてかわいくて賢い) だったから” どうぞ!!

WOMBAT SUPERNOVA “APEWOMAN VS TURBO” : 10/10

INTERVIEW WITH WOMBAT SUPERNOVA

Q1:1. First of all, can you tell us how Wombat Supernova was formed?

【MARS “APEWOMAN”】: Lulu and I have been making music together for nearly a decade now, so we always played random stuff. We can not remember how this idea came to us lol

【LULU “TURBO”】: Lulu “Turbo” : While other projects were in the works, we decided to make the cutest, happiest and dumbest math-rock project possible.

Q1: まず最初に、WOMBAT SUPERNOVA 結成の経緯から教えていただけますか?

【MARS “APEWOMAN”】: 僕と Lulu はもう10年近く一緒に音楽を作っているから、いつも思うがままに曲を作っていたんだ。だから、どうしてこのアイデアが浮かんだのかさえ覚えていないんだ(笑)

【LULU “TURBO”】: そうして他のプロジェクトが進行する中、僕たちは最高にキュートで、最高にハッピーで、最高におマヌケなマスロック・プロジェクトを作ることに決めたんだ。

Q2: Why is Turbo fighting Apewoman? Who is the Wombat ?

【LULU “TURBO”】: We chose wombats for our band identity because they’re cute animals, they’re little characters and one of them is “bertrand”.

【MARS “APEWOMAN】: The sentence “Apewoman VS Turbo” is an anagram of “Wombat Supernova”, that’s how we found the album name and our characters.

Q2: Turbo はなぜ Apewoman と戦っているのでしょうか?彼らは何者なんですか?

【LULU “TURBO”】: バンドのアイデンティティにウォンバットを選んだのは、かわいい動物だし、小さなキャラクターだし、その中の一匹が “ベルトラン” (明るくてかわいくて賢い) だったから。

【MARS “APEWOMAN”】: 実は、”Apewoman VS Turbo” というタイトルは “Wombat Supernova” のアナグラムで、それでアルバム名とキャラクターを決めたんだ。

Q3: Can Turbo and Apewoman play many different instruments, not just guitar?

【LULU “TURBO”】: We can both play many different instruments, including the ones on the album, but we wanted to make a guitar-driven album with this project so we’re introducing ourselves as guitarists.

【MARS “APEWOMAN”】: We programmed the drums together and played the bass alternatively on the album, depending of the sections we wanted to record.

Q3: Turbo と Apewoman はギターだけでなく、様々な楽器を演奏できるのでしょうか?

【LULU “TURBO”】: 2人ともアルバムに収録されている楽器を含め、様々な楽器を演奏することができるけど、今回のプロジェクトではギター主体のアルバムを作りたかったから、ギタリストとして自己紹介しているんだ。

【MARS “APEWOMAN”】: ドラムは一緒にプログラミングしたし、ベースは録音したいセクションによって交互に演奏したね。

Q4: Still, “Apewoman VS Turbo” is a great album! It’s one of my personal best of the year! In fact, your music is a perfect mix of math rock like Chon and prog metal like Animals As Leaders, with a more diverse playfulness hidden inside. Prog and math rock seem to be close genres, but in fact they have never really intersected, have they?

【MARS “APEWOMAN”】: Indeed, it always seemed weird to me because naturally I would have expected (and wanted) mathrock to be proggy and goofy, and I discovered that in fact the serious and emo side was waaaaaay more predominant in the scene than I thought.

【LULU “TURBO”】: These genres can go in similar directions but as they come from really different worlds, they’re not really meeting each other that often. Our project is a combination of both because we’re really big fans of prog metal such as Dream Theater or Haken and we wanted to make mathrock.

Q4: それにしても “Apewoman VS Turbo” は素晴らしいアルバムですね!個人的に今年のベスト作品のひとつです!実際、あなたたちの音楽は、CHON のようなマス・ロックと ANIMALS AS LEADERS のようなプログ・メタルの完璧なミックスで、そこにさらに多様な遊び心が秘められています。プログ・メタルとマス・ロックは近いジャンルのように思えますが、実際にはこれまで交わることがほとんどありませんでしたよね?

【MARS “APEWOMAN”】: そうだね。それが僕はいつも不思議だったんだ。マス・ロックは当然、プログレッシブで面白いことを期待していた(そしてそれを望んでいた)のだけど、実際にはシリアスでエモい側面が、僕が思っていたよりもずっとシーンで優勢であることを知って驚いたね。

【LULU “TURBO”】: そのふたつのジャンルは似たような方向に進むことができるけど、本当に違う世界から来たものだから、実際はお互いに出会うことはあまりないんだよね。僕らのプロジェクトは、DREAM THEATER や HAKEN ようなプログ・メタルの大ファンで、でもマス・ロックを作りたかったから、その両方を組み合わせることにしたんだよ。

Q5: “Bertrand” was a surprise to me. It is such a technical and complex piece with a melody that sounds like an anime theme! Are you actually influenced by Japanese anime, games, or music?

【LULU “TURBO”】: I don’t watch a lot of anime or play a lot of games like my friends, but I’m very invested in many different genres of music from Japan! So it has a big influence on the music I write. I’m going to Japan again this summer for holidays, but hopefully one day I’ll come to play concerts!

【MARS “APEWOMAN”】: I’ve always been a big Nintendo fanboy, and I guess our music is really influenced by Mario Kart soundtracks, it’s overall kinda subtle, but sometimes it’s really obvious like that chorus in “bertrand” ; We’re also both big fans of Super Smash Bros Ultimate and its OST. Anime-wise I don’t watch much, but we’ve still seen Pop Team Epic together and I think it has a Wombat Supernova vibe in the goofy and absurdly random side. I also personally used to listen to some japanese bands back in highschool, like Uplift Spice or Maximum The Hormone.

Q5: “Bertrand” はおどろきでした!アニメのテーマのようなメロディーを持ちながら、とてもテクニカルで複雑な楽曲ですね!日本のアニメやゲーム、音楽から影響を受けているのですか?

【LULU “TURBO”】: 友達のようにアニメをたくさん見たり、ゲームをたくさんやったりはしないけど、日本の様々なジャンルの音楽にはとても入れ込んでいるよ!だから、僕が書く音楽にも大きな影響を与えている。今年の夏も休暇で日本に行く予定だけど、いつかコンサートで行けたらいいな!

【MARS “APEWOMAN”】: 僕はいつも任天堂の大ファンボーイで、僕らの音楽はマリオカートのサウンドトラックにすごく影響を受けていると思う。全体的にはちょっと微妙なんだけど、”Bertrand” のコーラスのようにはっきりわかることもある。僕ら2人とも、大乱闘スマッシュブラザーズ・アルティメットとそのOSTの大ファンでもあるんだ。
アニメはあまり見ないけど、ポプテピピック (ポップチーム・エピック) は一緒に見たことがあるよ。あと、個人的には高校生の頃に日本のバンドをよく聴いていて、Uplift Spice とか Maximum The Hormoneとかよく聴いていたね。

Q6: One thing that Japanese anime and your music have in common is a brilliant contrast between humor and seriousness, would you agree?

【BOTH】: Yes! Indeed!

Q6: 日本のアニメとあなたの音楽に共通しているのは、ユーモアとシリアスの見事なコントラストだと思いますが?

【BOTH】: まさに、その通り!!

Q7: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. For the marginalized and oppressed people, humor and fantasy seems to be a great escape. And this record seems to be perfect for escapism, right?

【MARS “APEWOMAN”】: We had a lot of really heart-warming feedback since the album came out, and some of it has been from people who were going through hard things. Apparently our music helped them to keep having fun and a happy mood in their life despite the dark stuff that could be going on. This project was before all created for us to have fun, but if it can give all these good vibes to people, we’re really happy it does !

Q7: ユーモアといえば、パンデミック、戦争、分断など、20年代の初めから世界はどんどん暗くなっています。社会から疎外され、抑圧された人々にとって、ユーモアやファンタジーは逃避場所となるようです。そしてこのレコードは、その逃避場所にうってつけのようですね?

【MARS “APEWOMAN”】: アルバムが発売されて以来、本当に心温まるフィードバックをたくさんもらった。どうやら僕らの音楽のおかげで、暗いことがあっても楽しくハッピーな気分で生活できるようになったみたいなんだ。このプロジェクトは、以前は僕らが楽しむために作ったものだったけど、もしこのプロジェクトがみんなに良いバイブスを与えることができたなら、僕たちは本当に嬉しいよ!

Q8: Today, it is really easy to study guitar and music, for better or worse, through social networking, streaming, and video sites. Do you have any advice for young guitarists living in such an era?

【LULU “TURBO”】: The problem is that everyone on the internet is fighting for your attention, so there is a lot of fast content with no value. My advice is to make sure to know what music you like, keep practicing full songs of bands you love, and only search for advice or lessons if there is something you love but can’t play. Stay focused!

Q8: 現在、SNSやストリーミング、動画サイトなどを通じて、良くも悪くもギターや音楽を学ぶことが本当に手軽でインスタントにできるようになりました。そんな時代に生きる若いギタリストにアドバイスはありますか?

【LULU “TURBO”】: 問題なのは、インターネット上のすべての人が誰かの注意を引くために争っていることで、価値のないファストなコンテンツがたくさんある。アドバイスとしては、自分の好きな音楽をしっかり把握すること。好きなバンドの曲をフルで練習し続けること。好きだけど弾けないものがあるときだけ、アドバイスやレッスンを探すこと。大事なのは、目標を定めて集中し続けることだよ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED WOMBAT SUPERNOVA’S LIFE!!

Mars “Apewoman” :
“Enema of the State” by Blink-182 ; made me realize how much I love when music is happy, fast and energetic
“Metropolis Part.2: Scenes From a Memory” by Dream Theater ; basically made me fall in love with progressive metal
“The Weird And Wonderful Marmozets” by Marmozets ; was the first time I heard a combination of mathy, poppy, proggy and alternative rock
“Heritage” by Opeth ; completely changed my way of composing riffs and made me eager to dive even more into music theory
“Minutes To Midnight” by Linkin Park ; literally defined my taste on how an album must be structured

Lulu “Turbo” :
Haken – Aquarius and Dream Theater – Metropolis pt 2 for how well can a music album tell a story
supercell – Today is a Beautiful Day for how sad and happy can music be at the same time
Meshuggah – Catch 33 for changing my way to think of rhythm
Jeff Loomis – Plains of Oblivion for influencing my guitar playing
Linkin Park – Meteora for making me want to make a band and play concerts

MESSAGE FOR JAPAN

Thanks for listening and see you someday!

聴いてくれてありがとう!いつか会えたらいいね!

WOMBAT SUPERNOVA

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BIRD PROBLEMS : FLIGHT OR FLIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL SMILOVITCH OF BIRD PROBLEMS !!

“In Terms Of Math, There Have Definitely Been Times Where Daniel and Joseph Have Sat Down With a Calculator To Write a Complex Rhythmic Section!”

DISC REVIEW “FLIGHT OR FLIGHT”

「MESHUGGAH と TOOL からは、PERIPHERY, TesseracT, THE CONTORTIONIST のようなバンドと同様に、大きなインスピレーションを得ている。作曲をするときは、常に自分たちの好きなものから影響を受けているんだ。数学に関しては、Daniel と Joseph が電卓を持って複雑なリズム・セクションを書いたこともよくあるんだ!」
マスマティカル、数学的なメタル。そもそも音楽とは非常に数学的なものですが、特に複雑な奇数拍子やポリリズムを駆使したメタルがトレンドの一角に躍り出て以来、メタルの方程式はより多様で、色とりどりの解を持つようになりました。モントリオール出身の BIRD PROBLEMS も、リスナーに複雑怪奇な方程式を出題し、様々な解法を引き出しながらメタルを前に進めるソクラテス。
「自分たちが好きな音楽をやりたかった。僕たちは常に自分たち自身に挑戦しようとしているので、何か新しい曲を書くときはいつも、まだ実際に演奏できないような曲を書くことが多いんだ。もっとポピュラーなジャンルで活動した方が楽なんじゃないかと思うこともあるけれど、それだと心が入らないのは分かっているからね」
スクロールやクリックするだけのインスタントな娯楽、SNSや切り取り動画、ストリーミングが蔓延る世の中で、長い修練と手間暇要するプログレッシブ・ミュージックは世界から取り残されているようにも思えます。実際、BIRD PROBLEMS のボーカル Michael Smilovitch も、ポップ・ミュージックで売れるほうが楽なのは間違いないと認めています。それでも、この複雑怪奇な音の葉を追求する理由。それはひとえにただ、好きだから。挑戦したいから。
「プログは複雑であっても意図的で、秩序があり、有限であるため、結局は安らぎを与えてくれる。最初は混沌としていて予想外に聞こえるけど、努力すれば必ずパターンを見つけ出すことができるし、その中で迷うことを楽しむこともできるんだ」
たしかに、プログレッシブ・ミュージックは世間の潮流とは真逆にあるのかもしれません。一回しか流行らなかった音楽かもしれません。しかし、それでもここまで生きながらえているのは、混沌と難解の中に安らぎや快楽があるからでしょう。プログレッシブ・ミュージックには、リスナーそれぞれの解法があり、迷う楽しみがあり、好きがあり、驚きがあり、解き明かした際の解放があります。
「リスナーが BIRD PROBLEMS の新曲を聴いたときに驚き、興味をそそられ、次に何が出てくるかわからないようにしたいんだよね。僕は文学的な分析をとても楽しんでいる。歌詞や詩をひとつひとつ分解して、それを本当に理解しようとする。自分の歌詞に関して言えば、基本的なテーマや感情を表面的に表現するだけでなく、そういうことが好きな人たちが分析できるような、深い意味や言及を含むパズルのようなものを作ることが目標なんだ」
彼らが “Bird Problems” などという奇怪な名を名乗るのも、結局は音楽の中に宿る個性と驚きを大切にしているから。大学で化学や文学を学んだことも、ANIMALS AS LEADERS とジャズを履修し “Djazz” と呼ばれることも、失楽園のような叙事詩に言及をすることも、アニメやゲームを愛することも、かたくなに鳥をテーマにすることも、すべては創造性という翼となって、ステレオタイプな音の巣から飛び立つための養分に違いありません。
今回弊誌では、Michael Smilovitch にインタビューを行うことができました。「僕は個人的に大のゲーマーで、ビデオ・ゲーム業界で働いているから、ゲームも研究対象なんだ!今年は日本のRPGにとって素晴らしい年。今プレイしているのは、”龍が如く8″と “ユニコーンオーバーロード” なんだ。僕の好きなビデオ・ゲームのほとんどは日本のもので、一番を選ぶとしたら “Bloodborne”だね」 NEXT PROTEST THE HERO。どうぞ!!

BIRD PROBLEMS “FLIGHT OR FLIGHT” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ELECTRIC CALLBOY : TEKKNO】 FOX_FEST 24 SPECIAL !!


COVER STORY : ELECTRIC CALLBOY “TEKKNO”

“You Listen To With Your Ears But Feel In Your Heart. You’d Never Predefine The Type Of Person You’d Fall In Love With, So Why The Songs?”

TEKKNO

「僕たちが考えた他の新しい名前はどれも間違っていると感じた。ESKIMO CALLBOY は10年以上僕らの名前だったから、新しい名前にするのは違和感があったんだ。でも、僕らにはバンドとしての責任があることは分かっていた。他人のことを気にしないバンドにはなりたくない。人々を分断したり分離させたりするのではなく、ひとつにまとめなければならないんだ」
長く親しんだ名前を変えること。それは容易い決断ではありません。大人気のバンドならなおさら。それでもドイツのヤング・ガンズは改名に踏み切りました。 彼らは “Eskimo” という単語を “Electric” に変更しましたが、これはエスキモーという言葉が北極圏のイヌイットやユピックの人々に対する蔑称と見なされるため。その後、彼らは過去のアルバムのアートワークを新名称で再リリースしたのです。
「僕は初めて父親になったが、すでに存在するバンドに新しい名前をつけるのは難しいよ。だから、僕たちは “EC” というイニシャルを残したかった。”エレクトリック” ならかなり流動的だったし、イニシャルも残っていた。そうでなければ、リブランディングは大きな問題になると思ったんだ。みんな受け入れてくれるだろうか?多くの不安があった。でも、たぶん受け入れられるのに1ヵ月もかからなかったし、みんなそんなことは忘れてしまったよ。この新しい名前はとてもクールだよ」

改名のタイミングも完璧でした。最新作 “Tekkno” のリリース前、ロックダウン中。彼らのインターネットでの存在感を通してファンとなった人たちは、”Hypa Hypa” で津波のような畝りとなります。何よりも、ネオン輝くエレクトロニック・ミュージックとメタルの鋭さは、人々が最も暗く、そしておそらく最も慢性的に憂鬱をオンラインで感じているときに必要なものだったのです。
この曲の大成功は、すでに5枚のアルバムをリリースし、新時代の到来を告げるドイツのグループにとって強力な基盤となりました。
ラインナップの変更も発生。クリーン・ボーカリストの Nico Sallach が加入し、それに伴いグループ内に新たなケミストリーが生まれました。Sallach ともう一人のボーカリスト兼キーボーディスト Kevin Ratajczak の間には紛れもない絆が生まれ、それは ELECTRIC CALLBOY のライブ体験の特別な基盤となっています。そんな絶好調の彼らを “ドイツ最大の輸出品” と推す声も。
「今は2年前のような、みんながすごく期待していたような感じではないんだ。パンデミックの間に高まっていたバブル(誇大広告)だよ」

バブルは弾けるものですが、この人気の津波は決して彼らが儚い泡のようなアーティストではなかったことを証明しています。極彩色をちりばめた “Tekkno” のリリースは、バンドにとってスターダムへの最後の後押しとなりました。
重厚なブレイクダウンと自信に満ちたメタルコアのリフ、大胆にポップへと傾倒した予測不能なボーカル・メロディ。”Tekkno” は、ELECTRIC CALLBOY にドイツで初のアルバム・チャート1位をもたらしただけでなく、ヨーロッパやイギリスの他の地域のアルバム・チャートでもトップ20の栄誉を与えました。
さらに、このアルバムはソングライター、プロデューサーとしての彼らの洗練された芸術性をも実証しました。曲作りからプロダクション、ビデオへの実践的なアプローチに至るまで、そこに彼らの一貫した意見と指示がないものはありません。
「僕たちはお互いを高め合っている」 と Ratajczak は言います。「多くのバンドは、プロデューサーとバンドの1人か2人で曲を作っている。でも僕らは、みんなで曲について話し合うんだ。みんな、自分たちのアイディアを持っている」

つまり、ELECTRIC CALLBOY は、バンドだけでなく、音楽的にも生まれ変わったと言っていいのでしょう。
「Nico を新しいシンガーに迎え、以前のシンガーが辞めたこと。これは新たなスタートであり、かつてのバンドの死でもあった。新しいスタートを切り、2010年に戻ったのだから、何が起こるかわからなかった。 でも、少なくとも “Tekkno” で何をしたいかはわかっていた。”再生” という言葉がぴったりだと思う。これが自分たちだと胸を張って言える。これが僕らの音楽なんだ」
“Tekkno” に込めたのは、純粋さと楽しさ。シリアスなテーマのメタルコア・バンドが多い中、より楽観的なサウンド・スケープにフォーカスして作られたこのアルバムで彼らは、たまには解放されてもいいと呼びかけました。
「人生でやりきれないことがあったら、そのままにして人生を楽しもう。自分のために何かをしよう。
バンドを始めたとき、僕らは20代半ばだった。パーティーと楽しい時間がすべてだった。他のことはあまり気にしていなかった。責任感もなかった。ただその瞬間を生き、楽しい時間を過ごした。それは音楽にも表れていた。
しかし、成功とともに責任も重くなった。僕はいつもスパイダーマンとベンおじさんの言葉を思い出す。”大いなる力には大いなる責任が伴う”。だから多くのバンドが、政治的なテーマであれ、その他さまざまな深刻なテーマであれ、シリアスなテーマを取り上げるようになる。
でも僕たちは、たとえ嫌な気分、仕事で嫌なことがあったり、配偶者とケンカしたりしたときでも、その状況から気持ちを切り離して、そのままにしておいて、楽しい時間を過ごしたり、映画を観たり、例えばエレクトリック・コアを聴いたり、ただ放心状態になったりすると、日常生活の問題に再び立ち向かえるほど強くなれることに気づいたんだ。哲学的に聞こえるかもしれないけど (笑)。でも、これは普通の行動だと思う。自分のために何かをする、自分を守るためにね」

“パーティー・コア” “エレクトリック・コア” というジャンルに今や真新しい輝きがないことは多くの人が認めるところですが、彼らは改名を機に、このジャンルに再度新たな命を吹き込みました。
「5人全員が同意して、またこのジャンルをやってみたいと思った時期があって、再び書き始めたんだ。
“Rehab” は悪いアルバムだった (笑)。好きな曲もあったけど、あれはひとつの時代の終わりだった。あのアルバムを仕上げるのは、ほとんど重荷だった。昔のシンガーと妥協点を見出すのは不可能に近かったから。もうスタジオには行きたくなかった。その結果、僕たちは以前のボーカリストと決別することになった。正直なところ、これは僕たち全員にとって最高の出来事だった。というのも、僕たちは皆、バンドを愛し、10年以上もこのために懸命に働いてきた。だからそれがすべて崩れ去ることを恐れていたんだ。
恐怖だけではなかった。どうやって続けるのか?ファンは新しいボーカリストを受け入れてくれるだろうか?僕たちは新しいボーカリストを受け入れるのか?言っておくけど、前のボーカルのせいにはしたくない。彼は彼自身のことをやっている。彼も同じ話をするだろう。その後、5人全員がスタジオに来て、”2010年のように音楽を作ろう” と言ったんだ」
THY ART IS MURDER, SCOOTER, THE PRODIGY が彼らの中で同居することは、それほど奇妙ではありません。
「僕たちは、ジャンルの境界線が難しいと信じたことは一度もない。もちろん思春期には、自分が何者で、何を聴くかによって自分がどう違うかを定義しようとするものだ。でもね、音楽に説明はいらない。耳で聴き、心で感じる。どんな人と恋に落ちるかは決められないのに、なぜ好きになる歌はジャンルで決めるの?」

ゆえに、ELECTRIC CALLBOY にとって “メインストリームになる”、あるいは “メインストリームに引き寄せられる” といった揶揄は、いささかも意味をなしません。それは彼らのインスピレーションの源は、ほとんど無限であるだけでなく、ブラックメタルやデスコアのようなジャンルに閉じこもるバンドが、現実的には世界人口の1%にも届かないことを痛感しているからでしょう。
「僕の経験では、ヘヴィ・バンドが “メインストリームになる” というのは、バンドが自分たちの音楽を変えるということなんだ。彼らはよりソフトになり、より親しみやすくなり、より多くのリスナーを積極的に求めている。僕らはそんなことはしていない。確かに、ELECTRIC CALLBOY がメタル・ミュージックを “非メタル・ファン” の人たちにも親しみやすいものにしていると言われれば、それはとても美しいことだと思う。それでも、世界人口の60%以上にリーチできるかもしれないポップ・アーティストに比べれば、誰もが僕らを知る機会があるわけじゃない。僕たちは、すべての人々にリーチしたいし、その可能性があると信じている。だけどね、そのために変わることはない。大事なのは、僕たちのショーに参加した人たちが、友達みんなに伝えてくれて、次にその人たちも来てくれるようになることなんだよ」


参考文献: KERRANG! :Electric Callboy: “We’re living our best lives right now. This is the time to celebrate that”

OUTBURN:ELECTRIC CALLBOY: Rebirth

LOUDERSOUND:”We have to bring people together not divide them”: Electric Callboy don’t mind being tagged a ‘novelty’ band so long as they can make metalheads smile

FOX_FEST JAPAN 特設サイト

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LOHARANO : VELIRANO 】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LohArano !!

“One Of Our Major Objectives Is To Restore The Value Of Malagasy Culture, Which We Feel Is Being Lost Over Time. Our Language, Our Musical Sound, Our Ancestral Wisdoms, We Have So Many Extraordinary Things That We Tend To Devalue In Comparison With Western Culture, It’s Sad.”

DISC REVIEW “VELIRANO”

「私たちの大きな目的のひとつは、時間の経過とともに失われつつあると感じているマダガスカル文化の価値を回復することなのだから。私たちには言語、音楽、先祖代々の知恵など、素晴らしい文化がある。だけどそれらは西洋文化に比べて軽視されがちなんだよね。悲しいことだよ」
ヘヴィ・メタルの感染力は、もはやとどまることを知りません。文化や言語、人種に宗教の壁を越えてアジアや南米を侵食したメタルの種子は、ついにアフリカの南端の島までたどり着きました。そう、インド洋のグルニエことマダガスカルに。
マダガスカルといえば、まず私たちは色とりどりの豊かな自然と、独自の進化を遂げた固有種を思い浮かべることでしょう。そんなメタルらしからぬ場所にまで、今やメタルは届いています。そして、首都アンタナナリヴォを拠点とする新鋭トリオ LohArano は、島のシンボルであるワオキツネザルのように、ヘヴィ・メタルを独自に、魅力的に進化させていくのです。
メタルの生命力が傑出しているのは、世界各地で芽吹いたメタルの種を、その土地土地が育んだ文化の色に染め上げていくところ。LohArano は、ツァピキーやサレギーといった人気の高いマダガスカル音楽のスタイルを、オルタナティブなメタルを融合させた非常にユニークなサウンドを得意としています。それは文化を守ること。それは伝統を抱きしめること。LohArano は、培われた文化は平等に尊いこと、そして消えてはならないことを肌で感じて知っているのです。
「そう、ここでメタルをやるのはとても大変なんだ。日々の食事に事欠くくらいに大変なのだから、楽器を買い、スタジオを借り、演奏することがどれほど大変か想像してみてほしい。もしそうすることができたとしても、ここでのコンサートはお金にならないし、メタルは社会のステレオタイプに対処しなければならない。マダガスカルの多くのスタジオは、ハードロック/ヘヴィ・メタルのバンドを受け入れることを拒否しているんだから」
そうした “楽園” のイメージが強いマダガスカルですが、そこに住む人たちにとってこの国は決して “楽園” ではありません。世界最貧国のひとつと謳われるマダガスカルは、貧困と病が深刻な状況で、抑圧的な政治も機能せず、そうした権力に反抗する暴動も頻発しています。そんな苦難の中で、RAGE AGAINST THE MACHINE や SYSTEM OF A DOWN のような “プロテスト・メタル” と出会った彼らはメタルで状況を変えよう、世界を良くしようと思い立ちます。
「”Velirano” “誓い” は、政治家たちが国民をいかにぞんざいに扱っているか、生存のわずかな望みのためなら何でも受け入れる国民に対する不条理で馬鹿げた誓いの風刺なんだよ」
だからこそ、LohArano のモッシュ・ピットは散々な目に遭わされ、打ちのめされ、騙され、不条理を受け止め続けた人たちの、もうたくさんだという正義の怒りにあふれています。そうして、さながらLIVING COLOUR の “Cult of Personality” や、暴力的でディストピア的な独裁ファンタジーを暴露する “The Wall” のマダガスカル版ともいえるこの曲で、彼らはついに世界的な大舞台 Hellfest に到達します。
「私たちがその名を知られ始めているのは事実で、もうそれがすでに大きな一歩。だって、私たちの言葉に耳を傾ける人が増えるんだから。同意する、しないにかかわらずね」
そう、彼らはマダガスカルの “声” を届けるため、この場所まで進んできました。そうして長い苦闘の末、ついに彼らの声は世界に届き始めたのです。私たちは、メタルの寛容さ、包容力で、今こそ LohArano の戦いを、声を、音楽を、抱きしめるべき時でしょう。
今回弊誌では、LohArano にインタビューを行うことができました。「Hellfest の出演は素晴らしいニュースだし、Lovebites と一緒にプレーできることを光栄に思うよ!Lovebites はロックだ!素晴らしいバンドとステージを共有できることに興奮している!あとは Maximum The Hormone の大ファンなんだ!彼らはクレイジーさ!大好きなんだ!」 どうぞ!!

LohArano : “Velirano” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【BRUCE DICKINSON : THE MANDRAKE PROJECT】


COVER STORY : BRUCE DICKINSON “THE MANDRAKE PROJECT

“I Try To Be More In Control And Analytical When I’m Fencing, Which Is Not Really 100 Percent My Nature, But In Music I Can Be The Opposite – I Can Be The Creative.”

THE MANDRAKE PROJECT


「何年も前にリリースされるべきだったのだけど、このプロジェクトがより強く、より大きくなったので、遅れたことを喜んでさえいる」
Bruce Dickinson 65歳。世界最大のヘヴィ・メタル・バンド IRON MAIDEN のボーカリストにして、マーケティング・ディレクター、ビジネスマン、コマーシャル・パイロット、DJ、脚本家、作家、音楽の博士号、歴史教授、サラエボの名誉市民、フェンシングの達人、英国空軍名誉中隊賞など100の顔を持つ才能の塊であり、癌サバイバーでもあります。まさにメタルの回復力。
“1843” 誌は、ビジネス、文化、人間性、そして何よりも国際的に傑出したさまざまな著名人の知識に関する世界規模の調査を実施し、彼らは Bruce を正しく定義できる言葉は “ポリマス(polymath)” “博学者” であると結論づけました。この言葉は、例えばレオナルド・ダ・ビンチのように人生を通してさまざまな分野で広範な情報を持っている人物を指します。そして、間違いなく、Bruce とポリマスは特別な関係にあるのです。
そんな Bruce が話しているのは、2024年、ついに世に送り出された全く新しいソロ・アルバム “The Mandrake Project” のこと。当初は10年前にリリースされる予定でしたが、咽頭癌の診断がその計画を頓挫させ、回復後はIRON MAIDEN のワールドツアーが続き、そして “世界が突然奇妙な病気にかかり、我々は全員閉じ込められてしまった” のです。
しかし、彼の副業と本業に偶然の隙間ができたことで、2005年のLP “Tyranny Of Souls” からギタリストの Roy Z、ドラマーの Dave Moreno、天才キーボード奏者 Maestro Mistheria とタッグを組んで、7枚目のソロ・アルバムに取り組む時間ができました。

Bruce は The Mandrake Project を IRON MAIDEN の作品と比較して “とても個人的な旅” だと語っています。
「まず第一に、より長いプロセスだ。このアルバムは、何層にも重なったロックを通して浸透していったんだ。ある曲は一度に浮かび上がり、ある曲は時間がかかり、ある曲は20年前から掘り出した。素晴らしいのは、それらがすべてフィットしていることだ。サウンド的にはすべてフィットしている。どれも明らかに私が作ったか、私が貢献している。Roy とのコラボレーションもかなりあるし、ギターも何もかも完全に一人で書いた風変わりなものもある。まあ俺は、”Powerslave” や “Revelations”, “Flash Of The Blade” も完全にひとりで作ったんだがね」
とはいえ、明らかに IRON MAIDEN のクラシックなサウンドとは全く異なります。
「ヘヴィ・ロック・アルバムだけど、ニッチに収まらなければならないという制約はないんだ。ここには、好きなだけヘヴィになる自由があるし、様々な方法でヘヴィになる自由もある。5分しかないからどうする?みたいな制約もない。このアルバムには、理由もなくそこにあるものは何もない。他の曲と調和しているからそこにあるんだ。それはとても珍しいことだ。どのアルバムを作っても、2、3曲は “ああ、この曲はちょっと違うな” っていう曲があるんだ。でも、このアルバムには、聴いて好きにならない曲はひとつもない。
“The Number Of the Beast” だってそうじゃなかった。あのアルバムには名曲がたくさんあるけど、”Invaders” とかについてはいつも “うーん…” って感じだったからね。でも、他の曲は本当に素晴らしいから、そんなことは忘れてしまうんだ。
ほとんどの人は、俺の最高傑作は “The Chemical Wedding” だと言うだろうし、もっとストレートなメタルが好きなら “Accident Of Birth” もいい。それから、”Skunkworks” は本当にめちゃくちゃ良い、良すぎるという人も時々いる。”Skunkworks” は実際、かなり良かったけど、当時の人々の感覚からすると、それはとても大きな変化だった。多くの人たちは、メイデンがメイデンであることを評価していたけど、だからといって他のすべてがメイデンのようである必要はない。この15年で本当に変わった。より多くの人たちが、音楽に関してより既成概念にとらわれない考え方をするようになった。まあだから、一方で彼らは物事にうるさく、プレイリストを作り、アルバム全体を聴くことはめったにない。このアルバムがその例外になることを願っているんだ」
Rob Halford の FIGHT と、SKUNKWORKS はほぼ同時期に行われたメタルの異端審問会でした。
「結局みんな同じ穴のムジナなんだ。Rob は FIGHT をやったし、俺は SKUNKWORKS をやった。どちらもクールなプロジェクトだった。どちらもうまくいかなかったけど、クールなものがあった。つまり、SKUNKWORKS でたくさんのことを学んだし、それは自分でやってみて見つけるしかない。歌詞の書き方の違い、歌のアプローチの違い。邪悪で、グランジで、メタルの終焉だ!なんて言われたけどね。頼むから消えてくれ!これは音楽だ!SKUNKWORKSの後、俺はとても落ち込んでいた。もう消えてあきらめようかと思った。棚を積み上げる仕事に就くとか、民間航空会社のパイロットになるとか、本気で考えていた。自分には、誰も興味を持ってくれるような何かが残っているのかどうか、わからなかったんだ。そこに Roy が現れた」

IRON MAIDEN の作品とは異なり、Bruce Dickinson のソロ・アルバムでは、エンニオ・モリコーネを呼び起こしたり、ボンゴを叩きまくったり、ベートーヴェンにインスパイアされた10分に及ぶアンビエント曲を聴くことができます。Bruce の違った一面を垣間見る喜びは、メイデンのギグでアドレナリンがほとばしるのとは違う、より繊細で複雑なもの。つまり “ポリマス” なアルバム。
「”Sonata (Immortal Beloved)” はもう25年も前の曲だ。ゲイリー・オールドマンがベートーヴェンを演じた “Immortal Beloved” を観た後、Roy は映画から遅く帰ってきて、この10分のアンビエント・サウンドトラックを作ったんだ。ギターとシンセのベッドにドラムマシンが入っていて、大きなドラムフィルも何もなく、ドラムマシンだけが変化する。”眠れる森の美女” のひねったバージョンなんだ。王女ではなく、女王が登場する。ちょっと待てよ、”Taking The Queen” (1997年の “Accident Of Birth” 収録)の女王じゃないかと思ったんだ。”Taking The Queen” で女王は死んだ。今、彼女は死んでいて、従者たちがまだ彼女の周りにいて、彼女を見ている。そして暗い森から王がやってくる。王だ。王が暗い森から出てくる。なぜ?彼女を愛しているから?ああ、そうかもしれないが、それ以上に、彼は彼女が必要なのだ。彼女がいなければ、彼はもう王ではないからだ。その話はすぐに思いついた。楽曲の話し言葉はすべてその場で作られたもので、オリジナルのパフォーマンスなんだよ。
あまりに違う曲だったから、どうしたらいいかわからなかったんだ。そしてついに、妻が車の中で聴いていたんだ。彼女は “最高に美しいわ” と言った。彼女は泣きそうになって、とても感動し、”アルバムに収録されなかったら離婚する” って言うんだ。だからアルバムに入れたんだ。
“Fingers In The Wounds” を作ったとき、Mistheria がキーボードを送ってきてくれて、すべてが変わった。大きくて瑞々しいキーボードの曲から、まばらなキーボード、ビッグなロックのコーラス、そしてモロッコに入り、カシミールかどこかに行く。モロッコじゃないのは明らかだけど、ツェッペリンの影響という意味では “Kasymir” だね。何かリズミカルで奇妙で、完全にレフトフィールドだった。アルバムの中にもそういう瞬間がいくつかある。
“Resurrection Men” は Roy に言ったんだ。”スパゲッティ・ウエスタンから飛び出してきたようなギターのイントロにしたい” って。サーフ・ギターみたいな感じで。それができた途端、”自分たちがクエンティン・タランティーノだと想像してみよう。クエンティン・タランティーノなら次に何をするだろうか?答え:ボンゴ。ボンゴに決まってる!” というわけで、ボンゴの演奏デビューした。テクニックがないから凄く痛かったよ。
“Eternity Has Failed” もそう。本当は、エンニオ・モリコーネのような雰囲気のある本物のマリアッチ・トランペットが欲しかったんだ。シェイカーとガラガラヘビをバックにね。マリアッチ・トランペットを手に入れるところまではいかなかったが、ロイはフルートで同等のことをするペルー人のフルート奏者を見つけたんだ」

The Mandrake Project にとって、”旅” いう言葉は重要です。このアルバムは物語の円環。ネクロポリス博士やラザロ教授のような彼自身が創作したキャラクターや、怪しげな悪役プロジェクトの卑劣な所業が詳細に描かれた、ねじれたオカルトとSFの融合したストーリー。
「コミックとメタルが関係あるべきものであることは、以前から明白だった」
ただし、この世界観はオーディオだけにとどまりません。The Mandrake Project は音楽以上のもの。3年にわたる創作活動で、12冊のコミックに渡って物語を広げています。Bruce は、IRON MAIDEN が同名のビデオゲームと連動してリリースしたコミック “レガシー・オブ・ザ・ビースト” には少し失望したと認めています。
「グラフィックは素晴らしかったけど、そこに本当のストーリーはなかった。でも、そのとき思ったんだ。俺がアルバムを作ったら、アルバムと一緒にコミックも作れるかもしれない。よし、じゃあストーリーを考えよう……」。
IRON MAIDEN の “The Writing On The Wall” の壮大なバイカー・ビデオで初めて絵コンテに挑戦した Bruce は、次のステップに進み、音楽とは別の才能を具体的で大きなものにできたのです。
The Mandrake Project のコミックは、ブラジルのサンパウロで開催されたCCXPコミック・コンベンションで発表されました。このサーガは、薬物を摂取し、オカルトに取り憑かれ、入れ墨をした20代の科学者、ネクロポリス博士を中心に展開します。ネクロポリス博士は、極秘プロジェクト Mandrake で、瀕死の金持ちから魂を採取し、新しい健康な肉体に戻すまで保存しようと試みます。
Bruce はコミコンの主賓として、リード・シングル “Afterglow Of Ragnarok” の長編ビデオを満員の観衆の前で初公開します。ラグナロクとは本来、北欧神話の数々の戦い、自然災害、そしてオーディン、ソー、ロキといった神々の死による世界の終焉のこと。しかし、Bruce が興味を持ったのは、凍てつくようなハルマゲドンではなく、浄化と贖罪の物語で、”太陽が再び昇る” その後に起こることでした。
「この世の終わりではなく、ただ今の世の終わりなだけなんだ。ラグナロクの物語でさえ、”よし、世界は滅び、ビフレストは消え、神々と人間の結びつきは砕け散り、世界の終わり、大洪水……さあ次を始めよう” という楽観主義を持っているんだよ」

これまでに存在したあらゆる常識の破壊は曲作りのための肥沃な土台。The Mandrake Project は、鮮やかで絶えることのない想像力から生まれた、さらなる物語や情景で溢れています。例えば、”Many Doors To Hell” は、ただ死にたいと願う女性ヴァンパイアの話。
「何が何でも人間に戻りたい。どうでもいい、永遠に生きたくない、こんなクソみたいなことはもうたくさんだ。永遠の命がありながら、永遠の死もある。何世紀も生きるより、現実に生きる方がいい」
“Rain On The Graves” は、ブルースが死者と一緒に過ごした経験から生まれた曲です。
「この曲、あるいはその一部を書いたのは墓場だった。湖水地方にあるワーズワースの墓の前に立っていたんだ。教会のそばに立っていて、そこに彼の墓があったんだけど、霧雨が降っていて、灰色だった。墓の上に雨が降っていたんだ。これが何なのかわからないけど、これは一瞬の出来事で、続きを書いたら何なのかわかるだろう…って思ったんだ。
それがたぶん2008年かそのくらいのことだった。引き出しの中に、歌詞の断片や、いつかは表に出てくるようなものばかりが散らばっていたんだ。墓場で悪魔に出会った男の話なんだけど、悪魔が “何のためにここにいるんだ” と言うんだ。なぜ俺たちは墓地に入るのか?何を探しているのか?墓地には死人がたくさんいるのに!でも、俺たちは墓地に入ることで、何か不気味なものを感じたり、インスピレーションを得たりすることがあるんだよ」
詩人ワーズワースの墓を訪ねたとき、何を探していたのでしょう?
「わからない。あれだけ伝説的な存在でありながら、ただ土の中に埋もれていることについて、ある種のメランコリーを感じたんだ。あれほど素晴らしい詩を作った人が、今はただの四角い岩になっているのは皮肉なものだ。そして、俺はそれを物語に変えていくことにした。俺と悪魔の会話から、とてもクールな言葉が生まれたんだ。その中に “祭壇や司祭ではなく、詩人の前にひざまずく” というセリフがあるんだけど、これは俺のことなんだよ!俺は墓石からインスピレーションを得ようとしているんだ。それがアーティストのすることだ。アーティストはすべてから盗み、あらゆるところからインスピレーションを得る。それが見つからなければ、墓地に座って誰かの死霊を借りればいい(笑)」
死、神々、死後の世界、そして究極の終末への言及は、レコードのあちこちに散りばめられています。”Resurrection Men” は、その解決策を提示します。世界中のハイテク億万長者たちが、飢えた人々や病人、ホームレスを助ける代わりに、永遠の命にお金を浪費する話。
「この歌は人間の魂を取り出し、それを保存することについて歌っている。死ぬ瞬間にスラブの上にいなければ手遅れだ。それは一瞬のことであり、魂を収穫するためにはそこにいなければならない。もちろん、永遠に生きるというアイデアには、人々は大金を払うだろう」

死といえば、1994年12月14日、Bruce は人生で最も危険なライブを行いました。ボスニア・ヘルツェゴビナ独立直後の首都サラエボは、1992年2月にセルビア軍に包囲されていました。それは4年近く続く戦争で、第二次世界大戦の悪名高いスターリングラード包囲戦よりも3年長く、約14,000人(その多くは民間人)の死者を出した地獄、ジェノサイド。
こうした状況の中、文字通り地球上から街を消し去ろうとする殺戮者によって砲撃されている街で、Bruce は街の中心部にある小さな会場のステージに立ち、4つの不滅の言葉を叫びました。”Scream For Me, Sarajevo!” “俺のために叫べ、サラエボ!”。
それから30年経った今でも、Bruce はあの夜の反応に驚かされ続けています。
「すべてサラエボの人々のためだったんだ。俺がいたのは数日間だった。でも、あのギグでのリアクションは他に類を見ないものだった」
Bruce は知りませんでしたが、そのライブはファンによって撮影されており、さらに驚いたことに、その場にいたファンたちは、それから数年後、そのライヴと、その場にいた人々を記録した映画 “Scream For Me Sarajevo” の制作に取りかかったのです。この映画は、音楽がどんなに耐え難い状況にも入り込み、力を与えることができることを証明しました。
「それから俺の人生は変わった。テレビのニュースを見て、今も同じような境遇にいる人たちを見て、俺も同じような境遇にいたことがある。わかるよって思うね」
それは Bruce の人生を変えることになったギグとなりましたが、それでも彼の人生における膨大なギグのうちの一つに過ぎません。彼はこの40年間、文字通り何千ものギグ、途方もない旅、歴史を刻んできました。そう、Bruce が愛してやまない “歴史”を。

Bruce が15歳か16歳の頃、彼の関心は演劇に向けられていました。そのため、彼はこの芸術についてもう少し学ぼうと、学校のアマチュア劇作家協会に入ることにしたのです。そこで彼は、文学、歴史、政治、普遍哲学など、さまざまな知識で心を育て始めます。その後、Bruce はロンドン大学のクイーン・メアリー校とウェストフィールド・カレッジで古代史を学び始めました。
ここで彼は、大学レベルの古代史教授としての学位を得ます。しかし、ロンドン大学が伝説の Bruce Dickinson の人生に加えたものはこれだけではありません。。2011年7月19日、同大学の教育機関は彼に名誉音楽博士号を授与します。この名誉称号は、メイデンのヴォーカリストが長い時間をかけて世界に与えてきたすべての音楽と作曲に対する報酬の象徴。そうして Bruce はその報酬を、再度世界へと還元していきます。
2016年、英仏海峡に浮かぶジャージー島という島の海岸でカメの群れが座礁。生き残ったのはたった1匹。推定年齢6〜8歳のその個体は、傷を負い、漁網に絡まり、危険な低体温症の症状を示していた。
地元住民が発見した後、動物病院に移されたこのカメは親しみを込めて “テリー” と名付けられ、その物語は英国で大きな注目を集めました。テリーの回復と海への帰還のための資金を集めるキャンペーンが開始され、約8000ユーロが集まります。
テリーの状況を知り、登場したのが Bruce Dickinson。パイロットの知識を生かし、ブルースはテリーをジャージーからグラン・カナリア島まで自家用機で運び、すべての費用を負担すると申し出たのです。
スペインに到着後、カメは経験豊富な専門家から1カ月以上にわたって治療とケアを受け、その後、テリーは旅を追跡するGPS装置とともに海に戻されました。この出来事はBBCでも放送され、テリーは Bruce の支援のおかげで自然の生息地に戻り、人類は地球上の他の種に対する思いやりと誠意を示すことができたのです。

Bruce は自らもサバイバーです。喉頭癌からの生還の後、この2年間で Bruce はアキレス腱を断裂し、2度の人工股関節置換術を受けています。65歳になった今、Bruce は、あと50年現役を続けるためにさらなるお金を払うのでしょうか?
「いいコンディションでいられるのなら、そうしたいね。俺たちは皆、本来想定されていたよりもずっと長生きしているし、活動時間も長くなっている。医療技術のおかげで俺は生きている。昔は癌と診断されれば、基本的に死の宣告だったが、今はそうではない。俺の腰は両方ともすり減ったが、今は新しいものを使っている。テクノロジーは、俺たちがより長く、より効果的に生きられるよう、さまざまな点で進歩している。それは素晴らしいことだ」
そもそも Bruce には、時間がいくらあっても足りないでしょう。先に挙げた副業以外でも、Bruce は人生の大半をフェンシングにも捧げていて、1987年には英国ランキング7位となり、ナショナルチームのメンバーにもなりました。昨年、彼は英国フェンシング・ベテランズの正式メンバーとなっています。一方で、1年のうち何カ月もステージを何時間も飛び回り、アンデッドの巨人と戦い、火炎放射器を振り回す65歳は、驚異的です。
「フェンシングの好きなところは、スキーのような他のスポーツと同じで、そこだけに集中できるところなんだ。逃避するには最高の方法だよ。ボクシングのようなものだが、脳へのダメージはない。ボクシングは好きだけど、頭を殴られるのは好きじゃないんだ」
フェンシングと音楽の取り組み方を Bruce はほとんど正反対だと説明します。
「フェンシングをしているときは、よりコントロールし、分析的になろうとするんだ。でもソロアルバムではもっとクリエイティブだ。コントロールと分析には Roy がいるし、そのためにプロデューサーがいる。だから歌の仕事をしているときは、本能に頼っているし、いい意味でうまくいかないことも恐れない。ハッピーアクシデント。このアルバムには、そういう瞬間がたくさんある。最後の曲 “Sonata(Immortal Beloved)” のように、ボーカルの90パーセントは無意識の流れだった。ワン・テイクでね。
そういう魔法みたいなものがあるときは、いじっちゃいけない。ミスがあったとしても、それはミスじゃない。極端な話、曲の生命をすべてコントロールしようとする人もいる。技術的な理由で、彼らの目には以前より完璧になったように見えても、生命はすべて消えてしまっている。誰かがピカソを見て、”バカバカしい、人間はあんな形じゃない!”と言うのと同じだ。的外れだよ」

純粋なイマジネーションに浸れるアルバムで、本能の赴くままに行動し、幻想的な世界とつながるアルバムの中の異端児。”Face In The Mirror” という曲は、壮大なイメージとは関係なく、アルコール依存症というタブー視されがちなテーマと、それが個人とその周囲の人々にもたらす荒廃を提起しています。
「この曲は、アルコール中毒者をたくさん知っていることから生まれたんだ。俺は自分自身に多くの質問を投げかけていた。俺は酒を飲むけど、一般の人とアル中の境界線はどこにあるのだろう?酒に溺れた人間には、時に偉大で深遠な真実を語る奇妙で危険な知恵がある。
鏡を見て、自分自身を見て、あれは誰?でもそれは、公園でスペシャル・ブリューの缶を持って座っている男を見下す人々の偽善でもある。人々は “ああ…彼は弱すぎる” と言う。弱すぎるって?彼の人生を知らないくせに。この男はすごい作家だったかもしれないし、投資銀行家だったかもしれないし、戦争の英雄だったかもしれない。世間は批判的なことばかり言う。そんなこと言わなくても、わかっているんだ」
自伝の制作と、”An Evening With Bruce Dickinson” という自らの半生を語るライブも行いました。
「自伝から始めたんだ。するとみんなが俺に自伝のストーリーを読みきかせてほしいと言ったんだ。自伝を読むのは誰にでもできる。もう少し構成があるはずだし、Q&Aみたいにすることもできる。
率直に言って、手探りでやったんだけど、うまくいったから、それが今の一人芝居の骨格になったんだ。生まれたときから、ガンにかかったり、シエラレオネで傭兵と漁に出たり、道に迷ってあれこれ逮捕されたり、ドラッグを初めて経験したり、イギリスの寄宿学校に通ったり、初めて歌を習ったり、そんな俺の人生を描いたものなんだ。音楽的な内容もあるけれど、基本的には、誰も聞いたことがないような町から来た背が低い子供が、世界最大のロックバンドでとんでもないズボンを履くことになるまでを描いている。
IRON MAIDEN を知っている人も知らない人も、ファンでも何でもないかもしれないけど、俺にとってのリトマス試験紙は、何も知らない人が入ってきて、終わった後に気分が良くなって帰っていくことなんだ。それがショーの後に感じてもらいたいことなんだ」

60年半の間に誰よりも多くのことを成し遂げてきた Bruce は、ようやく人生と遺産について考える時間を持ったようです。彼は鏡を見て何を思うのでしょうか?
「自分が期待しているのと同じくらいの年齢の顔を見たいものだ (笑)。ああ、神様、お願いだから、目の下の袋と皺をなくしてくれないかな って感じで鏡を見るんだ。同年代の人たちほどではないかもしれないけど、それでも俺の顔には生活感がある。でも、結構満足しているよ。物事はうまくいっている。他の選択肢を選ぶよりはいい。
この数年で、たくさんのことを学んだ。好奇心が尽きないということは、自分自身について知らなかったことを知ることができるということだ。自分でも気づかなかった能力があることに気づくんだ。若すぎて、忙しすぎて、テストステロンでいっぱいで、走り回っていたから、完全に無視していた人生の他の塊があることに気づかなかったのかもしれない。このアルバムはその一部なんだ」
音楽以外では、パイロット、航空会社の機長、航空起業家、ビール醸造家、やる気を起こさせる講演者、ポッドキャスター、映画脚本家、小説家、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家、ラジオ司会者、テレビ俳優、スポーツコメンテーター、国際的なフェンシング選手など、挙げればきりがない才能の数々で、Bruce が最も誇りに思う業績は何でしょうか?
「そうだね、これらのことはすべて、自分が実際にできるかどうかを確かめたかったからやったことなんだ。ずっと飛行機を飛ばしたいと思っていたけど、学生時代は数学が大の苦手だったから無理だと思った。文字通り、”このボタンは何をするものなんだろう” という気持ちで始めて、そのうち自分にもできるかなと思った。フェンシングも同じようなもので、学校では唯一、一貫して得意なスポーツだったんだけど、他のみんなは俺よりずっと体格が良くて、ラグビーをやっていたら座られてしまいそうだったから、フェンシングは俺にもできることだったんだ。だからきっと誰もがフェンシング選手になれるし、誰もが航空会社のパイロットになれる。
それが面白さであり、俺にとっては、そういった特殊な道や職業、そういったものに対する興味深い見方を提供してくれる。俺の人生で唯一まともな仕事は、航空会社のパイロットだった。17年間出勤し、スマートな格好をし、テストやチェックを受け、その他もろもろをこなさなければならなかった。自然に身につくものでもないし、俺は経験を大いに信じている。できないと思っていることが何であれ、まずはやってみることが大事なんだ」
そして現在はコミック作家まで多彩な経歴とポリマスの才能を持つ Bruce は、それでも自身にとって音楽は特別だと信じています。
「時折、音楽が競技スポーツのように感じられることもある。だけど音楽は愛と喜びについてのもので、さまざまなアプローチ方法がある。時には競技であったこともあるけれど、現実にはそういうことではないんだ。この年のこの日に、俺たちがこのバンドや他のバンドよりチケットが売れたなんて誰も覚えていない。愛と喜びが唯一重要なことで、音楽すべてにおいて唯一実在すること。それがこの仕事を続ける原動力なんだ。このソロアルバムは、俺にとって本当に特別なもの。この “旅” を楽しもうじゃないか」


参考文献: KERRANG!:Bruce Dickinson: “We’re all living longer and more effective lives, which is great – as long as you do something with it”

STEREOGUM:We’ve Got A File On You: Iron Maiden’s Bruce Dickinson

METALHEAD COMMUNITY:10 Reasons Why Bruce Dickinson of Iron Maiden is a Great Man

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOULMASS : PRINCIPALITY OF MECHANICAL VIOLENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SOULMASS !!

“Gundam’s Anti-war Message Has Endured Long Enough To Affect Many Generations Now And We Are Glad If We Introduced Others To It With This Album.”

DISC REVIEW “PRINCIPALITY OF MECHANICAL VIOLENCE”

「僕たちが年を重ねるにつれて、ガンダムを厳密に善と悪の物語として見なくなった。例えば、EFSFとジオンの二項対立だけじゃなく、その両組織内のさまざまな人々の人間ドラマは、良い例だと思う。”どちらの側にも良い人がいる” という議論ではなく、腐敗はどのようなスペクトラムにも起こり得るというテーマ。それは最初からメタルにおいてかなり語られていたと言えるね。権力を持つことによる腐敗、戦争に誇りなどないこと。今のところ、KREATOR と METALLICA が思い浮かぶね」
数あるロボット・アニメ/特撮ものの中で、ガンダム・シリーズが常にトップを走り続ける理由。それは、善と悪で割り切れる単なる勧善懲悪のストーリーではなく、何層にも折り重なる複雑かつ深淵な世界設定の中で、権力や腐敗に振り回される、抑圧を受けて苦悩する近未来の私たちの姿が描かれているから。ガンダム・シリーズはそして、例えばバスク・オムの暴走で、例えばミハルの悲惨な最後によって、権力の腐敗と戦争の無惨を浮き彫りにしていきました。
これはまさに、KREATOR が “Flag of Fate” で、METALLILA が “One” で語ってきたテーマそのものでしょう。すなわち、反戦、反権力、反抑圧はガンダムとメタルの間で長く共有されてきた重要なミノフスキー・核融合炉だったわけです。だからこそ、デスメタルのホワイトベースであるフロリダから、”ガンダムのメタル” を描く SOULMASS がこの時代に登場することは、ある意味必然でした。
「こうした世界で絶望を感じたり、無力感を感じたりするのは普通のことだよ。ガンダムの曲を作ることは、権威主義や社会的不公正の問題を現実に直接取り上げることに、間違いなく最も近いところにいる。ガンダムの反戦のメッセージは、今や多くの世代に影響を与えるほど長く続いているし、このアルバムで他の人たちにそれを紹介できたならうれしいね」
オープナーの “Jet Stream Attack” は、まさに権力が暴走し、抑圧が放置される2024年に向けて繰り出された黒い三連星の強撃。そうしてアルバムは、星の屑作戦からのコロニー落としで、平穏な暮らしを営む普通の人々が、いかに権力の欲望や歪んだ理想の犠牲となるのかをドゥーム・デスの獰猛で描き出していきます。
「力強さや残虐さを描いていることもあるけれど、僕らのアルバムの根底にあるのは、想像を絶する恐怖に直面してもアイデンティティーの感覚を保つということで、それは偶然にもガンダムと見事に合致していると思う」
バンドは BOLT THROWER や ENTOMBED、そしてもちろん往年のスラッシュやドゥーム・クラシックにインスパイアされていますが、それ以上に人間の暗い思考を反映した陰鬱と冷徹、そして暴力性をその身に宿しています。以前彼らがテーマとした “Bloodborne” 的死にゲーを思わせるその中毒性の高さは、まさに “重力に魂を惹かれた” 者たちの心も、”地球を知らぬ” 者たちの心もを鷲掴みにしていきます。
スペースノイドにも、アースノイドにも、いや誰にだってそれぞれの主張があり、それぞれに一理があるのは当然。重要なのは、どんな理不尽や恐怖に晒されても、一人一人が人間性を失わないこと。自分であり続けること。いつでも調和を目指すこと。ソロモンよ、SOULMASS は帰ってきた。
今回弊誌では、SOULMASS の二人にインタビューを行うことができました。「”Ζガンダム” は全シリーズの中で最も美しく、大仰な音楽だけど、最近の “鉄血のオルフェンズ” や “水星の魔女” の音楽も大ファンだね。Man With A Mission の “Raise Your Flag” は間違いなく僕の心に残るアンセムだ。アイナ・ジ・エンドの “Red:birthmark” も大好きだね」 どうぞ!!

SOULMASS “PRINCIPALITY OF MECHANICAL VIOLENCE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MADDER MORTEM : OLD EYES, NEW HEART】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AGNETE M. KIRKEVAAG OF MADDER MORTEM !!

“Globalisation Means a More Diverse Culture Generally, Which Also Goes For Metal. It’s Not Only a White Male 18-25 Scene Anymore, Which Suits Me Fine.”

DISC REVIEW “OLD EYES, NEW HEART”

「私たちはますます個人主義になり、自分の内面や感情に焦点を当てるようになっている。その良い面は、人々が自分の課題や悩みをより自由に共有できるようになったことだと思う。また、世界のグローバル化は多様な文化を促進し、それはメタルにも当てはまる。メタルシーンは18~25歳の白人男性だけのシーンではなくなっているの。私にとっては素敵なことだわ。みんな自分の経験を書く傾向があるからね」
ノルウェーのメタル・バンド、MADDER MORTEM とそのボーカル Agnete M. Kirkevaag のドキュメンタリーが話題を呼んでいます。彼女は、ステレオタイプなイメージに取り憑かれていたメタル世界で過食摂食障害と闘い、内なる悪魔と闘うために手術を受けることを決意します。新曲のレコーディング、ヨーロッパ・ツアー、オスロでの元メンバー全員によるライブなど、バンド結成20周年記念の年に撮影した本作は、そうしたバンドの日常を追いながら内なる悪魔、スカンジナビアの文化的規範、イメージに取り憑かれたメタル世界との齟齬と葛藤を巧みに描いていきます。
「私にとっては、ブラックメタルの音楽的アプローチの一部、特にダーティなサウンドと雰囲気が好きだった。でもね、シーンの半ファシズム的、人種差別的な側面は本当に好きではなかった。社会不安を抱えた18歳の男たちが自分たちのことを “エリート” だと言っていたのよ。バカらしく思えたわ。女性として、そのシーンには私が興味を持てるような部分はなかった。私が感じたところでは、自己主張の強い女性ミュージシャンが活躍できる場はほとんどなかったと思うわ」
“私たちは社会やメタル・エリートの中では負け犬かもしれない。でもね、負け犬は負け犬なりに吠えることができるのよ” はみ出し者にははみ出し者の意地がある。社会とも、メタルの伝統ともうまくやれなかった Agnete が、いかにして世界中のファンに届く感動的な音楽を生み出したのか。それはきっと、21世紀に花開いたメタルの多様性に対する寛容さ、そしてメタルに宿った “回復力” と密接に関係しているはずです。そう、もはやメタルは限られた “メタル・エリート” だけのものではないのですから。ドキュメンタリーのタイトルは “Howl of the Underdogs” “負け犬の遠吠え”。しかし、もはや彼女は負け犬ではありませんし、彼女の声は遠吠えでもありません。
「このアルバムは父に捧げられたものなんだよ。彼の思い出を称えるには、それが一番だと思った。彼はいつも私たちの活動を誇りに思ってくれていたし、このアルバムには彼のアートワークも入っているから、とてもしっくりきたの。でも、同じような喪失感を感じている人たちが、この音楽の中に慰めを見出すことができれば、それが最高の結果だと思う。だれかに理解されたと感じることが最高の慰めになることもある」
回復力といえば、喪失からの回復もメタルに与えられた光。MADDER MORTEM の中心人物 Agnete と BP 兄弟は多才な父を失い悲嘆に暮れましたが、その喪失感を最新作 “Old Eyes, New Heart” で埋めていきました。バンドのゴシック、ドゥーム、プログレッシブ、ポストメタル、アメリカーナとジャンルの垣根を取り払った “アート・メタル” は、あまりにも美しく、哀しく、そして優しい。そうして亡き父の描いた絵をアートワークに仰ぎながら、MADDER MORTEM は、同様に喪失感に溺れる人たちが、この音楽に慰めを、光を見出すことを祈るのです。
今回弊誌では、Agnete M. Kirkevaag にインタビューを行うことができました。「音楽は精神を高揚させ、慰める最も偉大なもののひとつであり、耐え難いことに耐えるための方法だと思う。そして願わくば、私たちの周りにある醜いものすべてに美を見出す方法でもあればいいわね」 どうぞ!!

MADDER MORTEM “OLD EYES, NEW HEART” : 9.9/10

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