“Even If Acceptance Doesn’t Grow Significantly, I Don’t Foresee Metal Vanishing From the Middle East, As It Conveys Specific Messages And Emotions That Resonate Uniquely With Its Audience.”
“Metal Comes From Rock. Rock Comes From Blues. Blues Comes From The Blacks Deported To America. The Very Basis Of Metal Comes From Home. Metal Is African!”
DZIKKUH
トーゴ出身のメタル・バンドが、世界に羽ばたこうとしています。Arka’n Asrafokor は、メタルの激情とトーゴの音楽遺産を見事に融合させています。同時に、彼らはモダン・メタルの多様性を理解して、ファンク、ラップ、サイケデリックなタッチを混淆し、地球という唯一無二の美しき星へ音楽を捧げているのです。
3月末。Metal Hammer が週間ベスト10曲を発表しました。このおすすめリストは、通常、北米とヨーロッパのアーティストが独占しています。しかしその週は、メタル界のレジェンドたち、Ozzy Osbourne や Serj Tankian に混じって、トーゴのバンド Arka’n Asrafokor がシングル “Angry God of Earth” でランクインし、ガラスの天井を打ち破ったのです。この曲は、竜巻のようなスラッシュで始まり、儀式的な香りを匂わせる催眠術のようなテクスチャーを召喚。生のメタルと西アフリカの祖先の響き、母なる大地への祈りを巧みに融合させています。
「我々が選ばれたと聞いたとき、まず頭に浮かんだのは、どうして我々があんなところにいるんだろうということだった。きっとハードワークのご褒美なんだ。ロックは逆境に立ち向かうための、信念の行動だったから」
Kodzo Rock Ahavi は作曲を手がけ、ほとんどすべての歌詞を書いているバンドの顔。彼にとっても、Metal Hammer のようなビッグ・マガジンにチョイスされることは晴天の霹靂でした。
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH R.B. BROGGI OF MESSIAH !!
“The Way To School In 1987 In The Fucking Cold Was One Of Them. As Simple As It Sounds – We Were Pissed Off By This Cold Winter. And What Could Be More Fitting Than Putting a Polar Bear On The Cover?”
DISC REVIEW “CHRISTUS HYPERCUBUS”
「1987年はまだ本当に寒かったから!標高の低いところではまだ雪が残っていて、本当に凍えそうだった。それが唯一の理由だよ。単純明快だ。僕たちは、自分たちが感動するトピックについて音楽を作っていたんだ。1987年のクソ寒い通学路もそのひとつだった。単純に聞こえるかもしれないが、僕らはこの寒すぎる冬に腹を立てていた。そして、シロクマをジャケットに載せること以上にふさわしいことがあるだろうか?と思いついたんだ。もちろん、ドクロじゃない!僕らは生きたかったからね!ははは。これがカルト的なアルバムやジャケットになるとは夢にも思わなかったよ。今ではそうなって、その間に世界は暖かくなった」
長くメタルを聴いていれば、必ず目につく一枚のアルバム。MESSIAH の “Extreme Cold Weather”。長いメタル史においても、キョトンとしたシロクマが氷河で佇むジャケットはおそらくこれひとつだけでしょう。気候変動を憂うには早すぎる1987年。”温度計は零度以下” “俺のロン毛が帽子のかわり” “隣のババアも凍ってる”。彼らはただ、寒すぎるスイスの冬にイラつき、シロクマにその激しい怒りを代弁させました。
ただし、唯一無二なのはそのジャケットだけにあらず。グラインド・コアやドゥーム、そしてブラック・メタルまで先取りした荒唐無稽なスラッシュ・メタルもまた、1987年には早すぎた実験。しかし、地球の温暖化と共に溶け出したジャンルというメタルの氷は、いつしか MESSIAH と “Extreme Cold Weather” をカルト的な存在へと押し上げていたのです。
「昔も今も変わらないもの、つまりメタル・ファンとしての情熱と、創造的であり続けたいという願望のおかげで続けられている。MESSIAH が2018年に再結成を行ったのは、ただ自分たちの栄誉に安住するためではない。忠実なファンは、この静かな年月の間、決して MESSIAH を忘れてはいなかった。だからこそ、もちろん、ライブでは昔の名曲を演奏する。でも、僕らのようなバンドにとってはそれが綱渡りだとしても、新しいこともやりたいというのは最初からはっきりしていた。その価値はあったと思う。ファンのためにも、自分たちのためにもね」
シロクマから40年近くの月日が経ちましたが、あのころの尖りきっていた MESSIAH は今も健在です。いや、むしろ音楽的な成熟とバンドに降りかかる苦難の数々が、MESSIAH の先鋭性を際立たせたと言っても良いでしょう。20年の沈黙、ボーカリスト Andy Kaina の死、ドラマーの負傷を経てリリースした “Christus Hypercubus” はメタルの回復力で力を得た明らかな最高傑作です。
「僕はよく実験するし、音楽制作や作曲、アレンジなどの通常のルールにこだわることを自分に許さないんだ。自分の感情に身を任せるんだよ。僕は通常、まず伝えたいことのテーマと大まかな歌詞を練り上げる。それからギターを弾き始める。最初のクオリティやリズムの定石、論理的なアレンジなどは気にせず、非常に素早く行う。ただ、出てくるアイデアに身を任せてね。最初はとても混沌としているから、バンドに持ち込むとそう簡単にはいかないこともあるけどね」
結成から40年を経たバンドが、これほど攻められるものなのか?マイクロトーンや不条理なハーモニクスを自在に操るギタリスト R. B. Broggi がもたらすものは、まさに混沌。スラッシング・マッドネス。同郷の CORONER ほどテクニカルでもプログレッシブでもなく、CELTIC FROST ほど陰鬱ではない、まさに実験の果ての混沌はあまりにもカタルシスで魅力的です。そしてその無秩序にも思える混沌は、二進法のデジタルがアートの世界にまで進出したインスタントな現代を、十二分に嘲笑う古強者のリベンジに違いありません。時折登場する、DEATH のようなメロディーも至高。
今回弊誌では、R. B. Broggi にインタビューを行うことができました。「メタルは単なる音楽ではなく…人生に対する情熱なんだ。MESSIAH は常に困難な状況に取り憑かれたバンドだ。例えば、20年以上経ってから新しいアルバム (Fracmont) を作ることになったり、それがパンデミックと重なったり…。それでもね、”Christus Hypercubus は今、さらにエネルギーとスピードに溢れ、未来への準備が整っているんだ」 どうぞ!!
“While Karachi’s Reputation As a Challenging City May Have Influenced Our Music To Some Extent, It’s The Genre’s Ability To Speak To The Experiences Of Our Society That Truly Drives Us.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SERGIO LUNATICO OF COSMIC JAGUAR !!
“We Didn’t Want To Be Another Primitive And Dull Thrash Band That Sings About Booze, Sex, Zombies, Partying, Social Problems And Other Hackneyed Topics.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEOFF THORPE OF VICIOUS RUMORS !!
“Saint Albert Was a One Of a Kind. We Were All Like Brothers…Sharing The Stage And Creating Music With Him Was Something Artist Dream About.”
DISC REVIEW “ATLANTIC YEARS”
「我々はスピードとメロディーをミックスしている。とにかく自分たちに忠実でありたいと思ったんだ!VICIOUS RUMORS はパワー・メタルのパイオニアだと言う人もいるけど、ある意味、我々はヘヴィ・メタルにスラッシュ、ブルース、アトモスフィア、真のメタル的なシンガロング・アンセムをオリジナルな方法でミックスしていたんだよ。我々は決してフェイクな何かになろうとしたわけではない。そこには常にパワーがあったからパワー・メタルなんだ」
サンフランシスコのベイエリアは、1980年代初頭におけるメタルの揺籠でした。この街の雰囲気は実験的な試みを許容し、特にスラッシュ・メタルはこの地の自由な追い風に乗って成功を収めていきました。スラッシュは確かにこの地で飛躍し、世界を征服していったのです。
「スラッシュは常に私たちの周りにあったよ。スラッシュとの相性は今日でも強力だよ。私はそれが大好きだからね…ただ、私たちはより幅広いバリエーションを持っていて、LED ZEPPELIN のようなアプローチを自分たちのヘヴィ・メタルに適用したかったんだ!」
現在のエクストリーム・ミュージックの基準からすると、当時のバンドのほとんどは今よりずっとメロディックに聴こえます。つまり、エクストリームとメタルの基準がまだ曖昧だった逢魔時。そんなベイエリアで産声をあげた VICIOUS RUMORS は完全なスラッシュ集団になるつもりこそありませんでしたが、それでもスラッシュと同等のエッジがあり、同時にメロディがあり、新しい、よりハードな音楽の辛辣さだけでなく伝統的な要素もあり、音楽的な幅の広さでは彼の地でも群を抜いていたのです。
「”Digital Dictator” は、クラシックなラインナップの始まりであり、Carl Albert の最初のアルバムだったから、いつだって特別なアルバムと言えるだろう。あの頃は、とてもエキサイティングな時間だった!アトランティック・ブルー (90年のセルフタイトル “Vicious Rumors”) のアルバムは、ある意味、最初のメジャー・レーベルからのリリースということで特別だね…」
硬軟の傑出したギター・チーム Geoff Thorpe と Mark McGee、ドラマーの Larry Howe、ベースプレイヤーの Dave Starr、ボーカリストの Carl Albert からなる5人組はすぐに有名になり、絶えずツアーを行い、JUDAS PRIEST の “Screaming for Vengence” をスラッシーにドーピングしたような名作 “Digital Dictator” で巨大企業アトランティック・レコードの目に留まることになりました。そうしてバンドは緊密なユニットとなり、精密機械のように動作して、”アトランティック・ブルー” と呼ばれるセルフタイトルを90年にリリースします。
“90年代を定義するメタル・アルバム” と称された “Vicious Rumors” は、タイトなリフとリズムが火山のように噴火し、5オクターブの並外れたボーカルが雷鳴のように轟きます。オープニングの “Don’t Wait For Me” が激烈でスラッシーな一方、”Down To The Temple” では DIO 時代の RAINBOW、”The Thrill Of The Hunt” では IRON MAIDEN を彷彿とさせ、その輝かしい伝統と新風のミックスはメタル・コミュニティ全体に広く、素直にアピールする魅力的なものでした。
「私たちは VICIOUS RUMORS のヘヴィ・メタルでパワフルな日本の夜を過ごし、最初のショーの後、楽屋に向かったんだ。するとプロモーターがやってきて、”もう一度だけアンコールをお願いします” と言うんだ!誰も会場を出ていないからとね!私たちはとても驚いたよ!再び出ていくと客電はついているのに、まだ満員のままだった!!! 私たちは再びライブハウスを揺るがしたよ。この経験は決して忘れることはないだろうね!」
91年の “Welcome to the Ball” も好評のバンドはその勢いを駆って1992年に来日し、ライブ・アルバム “Plug In and Hang On – Live in Tokyo” をリリースします。オーバーダビングのない、生の興奮と情熱を反映した作品は間違いなく VICIOUS RUMORS の絶頂期を捉えたもので、ダイナミックな演奏の中でも特に、生前の Carl Albert の “凄み” を存分に見せつける絶対的な記念碑となったのです。
「聖アルバートは唯一無二の存在だった。彼の半分ほどの才能しか持たないようなボーカリストたちが、巨大なエゴを持ち、小切手を切っているんだ。その才能はお金に値しないのにね。彼は後世の多くの人に影響を与えた。私たちは皆、兄弟のようだったよ…彼とステージを共有し、音楽を創り出すことは、アーティストとして夢のようなことでさえあった」
1994年に5枚目のアルバム “Word Of Mouth” をリリースした翌年、Carl Albert が交通事故で亡くなり、バンドは兄弟を失い、メタル世界はずば抜けたボーカリストを奪われました。それでも VICIOUS RUMORS は絶望の淵で踏みとどまり、インタビューイ Geoff Thorpe を中心に今日までコンスタントに、諦める事なく、”意味のある” メタルを届け続けています。そんな彼らの不屈は “アトランティック・イヤーズ” における再評価の波と共に実を結び、遂に今回、16年ぶりの来日公演が決定したのです!VICIOUS RUMORS is Baaaaack!!
今回弊誌では、Geoff Thorpe にインタビューを行うことができました。「日本のファンのみんなも素晴らしかった。空港や駅で私たちを待ってくれて…彼らがどうやって私たちの居場所を知ったのかわからないよ!」 Geoff が歌っていたアルバムも悪くないし、隠れた異才 Mark McGee をはじめとして、Vinnie Moore, Steve Smyth, Brad Gillis など彼のギター・パートナーとの対比の妙もこのバンドの聴きどころ。どうぞ!!