“While Karachi’s Reputation As a Challenging City May Have Influenced Our Music To Some Extent, It’s The Genre’s Ability To Speak To The Experiences Of Our Society That Truly Drives Us.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SERGIO LUNATICO OF COSMIC JAGUAR !!
“We Didn’t Want To Be Another Primitive And Dull Thrash Band That Sings About Booze, Sex, Zombies, Partying, Social Problems And Other Hackneyed Topics.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEOFF THORPE OF VICIOUS RUMORS !!
“Saint Albert Was a One Of a Kind. We Were All Like Brothers…Sharing The Stage And Creating Music With Him Was Something Artist Dream About.”
DISC REVIEW “ATLANTIC YEARS”
「我々はスピードとメロディーをミックスしている。とにかく自分たちに忠実でありたいと思ったんだ!VICIOUS RUMORS はパワー・メタルのパイオニアだと言う人もいるけど、ある意味、我々はヘヴィ・メタルにスラッシュ、ブルース、アトモスフィア、真のメタル的なシンガロング・アンセムをオリジナルな方法でミックスしていたんだよ。我々は決してフェイクな何かになろうとしたわけではない。そこには常にパワーがあったからパワー・メタルなんだ」
サンフランシスコのベイエリアは、1980年代初頭におけるメタルの揺籠でした。この街の雰囲気は実験的な試みを許容し、特にスラッシュ・メタルはこの地の自由な追い風に乗って成功を収めていきました。スラッシュは確かにこの地で飛躍し、世界を征服していったのです。
「スラッシュは常に私たちの周りにあったよ。スラッシュとの相性は今日でも強力だよ。私はそれが大好きだからね…ただ、私たちはより幅広いバリエーションを持っていて、LED ZEPPELIN のようなアプローチを自分たちのヘヴィ・メタルに適用したかったんだ!」
現在のエクストリーム・ミュージックの基準からすると、当時のバンドのほとんどは今よりずっとメロディックに聴こえます。つまり、エクストリームとメタルの基準がまだ曖昧だった逢魔時。そんなベイエリアで産声をあげた VICIOUS RUMORS は完全なスラッシュ集団になるつもりこそありませんでしたが、それでもスラッシュと同等のエッジがあり、同時にメロディがあり、新しい、よりハードな音楽の辛辣さだけでなく伝統的な要素もあり、音楽的な幅の広さでは彼の地でも群を抜いていたのです。
「”Digital Dictator” は、クラシックなラインナップの始まりであり、Carl Albert の最初のアルバムだったから、いつだって特別なアルバムと言えるだろう。あの頃は、とてもエキサイティングな時間だった!アトランティック・ブルー (90年のセルフタイトル “Vicious Rumors”) のアルバムは、ある意味、最初のメジャー・レーベルからのリリースということで特別だね…」
硬軟の傑出したギター・チーム Geoff Thorpe と Mark McGee、ドラマーの Larry Howe、ベースプレイヤーの Dave Starr、ボーカリストの Carl Albert からなる5人組はすぐに有名になり、絶えずツアーを行い、JUDAS PRIEST の “Screaming for Vengence” をスラッシーにドーピングしたような名作 “Digital Dictator” で巨大企業アトランティック・レコードの目に留まることになりました。そうしてバンドは緊密なユニットとなり、精密機械のように動作して、”アトランティック・ブルー” と呼ばれるセルフタイトルを90年にリリースします。
“90年代を定義するメタル・アルバム” と称された “Vicious Rumors” は、タイトなリフとリズムが火山のように噴火し、5オクターブの並外れたボーカルが雷鳴のように轟きます。オープニングの “Don’t Wait For Me” が激烈でスラッシーな一方、”Down To The Temple” では DIO 時代の RAINBOW、”The Thrill Of The Hunt” では IRON MAIDEN を彷彿とさせ、その輝かしい伝統と新風のミックスはメタル・コミュニティ全体に広く、素直にアピールする魅力的なものでした。
「私たちは VICIOUS RUMORS のヘヴィ・メタルでパワフルな日本の夜を過ごし、最初のショーの後、楽屋に向かったんだ。するとプロモーターがやってきて、”もう一度だけアンコールをお願いします” と言うんだ!誰も会場を出ていないからとね!私たちはとても驚いたよ!再び出ていくと客電はついているのに、まだ満員のままだった!!! 私たちは再びライブハウスを揺るがしたよ。この経験は決して忘れることはないだろうね!」
91年の “Welcome to the Ball” も好評のバンドはその勢いを駆って1992年に来日し、ライブ・アルバム “Plug In and Hang On – Live in Tokyo” をリリースします。オーバーダビングのない、生の興奮と情熱を反映した作品は間違いなく VICIOUS RUMORS の絶頂期を捉えたもので、ダイナミックな演奏の中でも特に、生前の Carl Albert の “凄み” を存分に見せつける絶対的な記念碑となったのです。
「聖アルバートは唯一無二の存在だった。彼の半分ほどの才能しか持たないようなボーカリストたちが、巨大なエゴを持ち、小切手を切っているんだ。その才能はお金に値しないのにね。彼は後世の多くの人に影響を与えた。私たちは皆、兄弟のようだったよ…彼とステージを共有し、音楽を創り出すことは、アーティストとして夢のようなことでさえあった」
1994年に5枚目のアルバム “Word Of Mouth” をリリースした翌年、Carl Albert が交通事故で亡くなり、バンドは兄弟を失い、メタル世界はずば抜けたボーカリストを奪われました。それでも VICIOUS RUMORS は絶望の淵で踏みとどまり、インタビューイ Geoff Thorpe を中心に今日までコンスタントに、諦める事なく、”意味のある” メタルを届け続けています。そんな彼らの不屈は “アトランティック・イヤーズ” における再評価の波と共に実を結び、遂に今回、16年ぶりの来日公演が決定したのです!VICIOUS RUMORS is Baaaaack!!
今回弊誌では、Geoff Thorpe にインタビューを行うことができました。「日本のファンのみんなも素晴らしかった。空港や駅で私たちを待ってくれて…彼らがどうやって私たちの居場所を知ったのかわからないよ!」 Geoff が歌っていたアルバムも悪くないし、隠れた異才 Mark McGee をはじめとして、Vinnie Moore, Steve Smyth, Brad Gillis など彼のギター・パートナーとの対比の妙もこのバンドの聴きどころ。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOHN COBBETT FROM HAMMERS OF MISFORTUNE !!
“Let’s Boil It Down To “Illusions” By Sadus And “Nursery Cryme” By Genesis; This Pair Of Albums Are Kind Of i Ideal In Thrash On One Hand, And Prog On The Other, To Me Anyway.”
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KRISTIAN HAVARD OF XENTRIX !!
“Thrash Metal Could Be Down To Age And Experience. When You’re a Younger Band You Play Together In a Different Way Than When You’ve Been Around The Block a Few Times.”
DISC REVIEW “Seven Words”
「イギリスのスラッシュ・シーンは盛り上がるのが遅くて、アメリカやドイツのようなインパクトはなかったと思う。XENTRIX も同様に現れるのが遅かったから、シーンの興隆の助けにはならなかった。
つまり、レコード会社はイギリスのバンドに投資する前に、アメリカのバンドがどれだけ大きくなれるのか見たかったんだと思う。そして、彼らが僕らのようなバンドを欲しがった時には、もうシーンは次に向けて動き出していたんだ」
XENTRIX ほど “徒花” という言葉が似合うスラッシュの英雄はいないでしょう。生まれた場所や時間さえ違っていれば、今ごろは華々しいレジェンドと肩を並べる存在であったかもしれません。80年代半ばに英国で誕生した XENTRIX はまさに遅れてきたスラッシュ・エキセントリック。バンドの大作 “For Whose Advantage?” が、スラッシュの当たり年 1990年に発売されたのも不運だったのでしょうか。”Rust in Peace” ほどテクニカルではなく、”Twisted into Form” ほど熱くもなく、”Spectrum of Death” ほど凶暴でもなく、”By Inheritance” ほど知的でもなく、”Slaughter in the Vatican” ほど革命的ではありませんでしたが、それでも、”For Whose Advantage?” はメタルの伝統と野望を宿した凶暴なリフの刃でまっすぐ頸動脈に向かってきます。
「ベイエリアのバンドは古いバンドよりもモダンでエキサイティングな感じがしたけど、僕たちは自分たちのメタルのルーツも残したかった。だから、XENTRIX ではその二つの融合を聴くことができると思う。いつも言っていることだけど、僕らはメタルに重点を置いたスラッシュ・メタル・バンドなんだ」
一度は “徒花” として埋葬される運命にあった XENTRIX ですが、墓所の石棺は半ば強引に内側からこじ開けられることになります。”Bury The Pain”。痛みとともに葬られていた才能と野心は、2019年に再度世界へと解き放たれました。バンドの顔であったシンガー Chris Astley こそ欠いていますが、Jay Walsh はその穴を埋めてあまりある逸材。
今振り返ってみると、当時の英国スラッシュ勢、ACID REIGN にしろ、ONSLAUGHT にしろ、SABBAT にしろ、何かしら独特の “エグ味” “異端感” を伴っていたような気がします。その “エグ味” を世界が珍重する前に、ムーブメント自体が終焉してしまった。だからこそ、XENTRIX は再び地上に這い出でる必要があったのです。
「僕たちはベイエリアのバンド、TESTAMENT, VIO-LENCE, EXODUS, FORBIDDEN(これでも少し挙げただけだけど)が大好きだったんだ。
でも、彼らのようになろうとしたわけではなく、メタルという鍋に自分たちの味を持ち込みたかったんだよな」
復活第二弾となる “Seven Words” は、文字通りスラッシュ・メタルの “7つの系譜” を融合させたものと言えるのかもしれませんね。XENTRIX 初期の作品には、ベイエリアの躍動を受け継ぎながらも、ブリティッシュ・ハードの伝統と、CORONER のような暗知的な色合いを備えていました。そうした下地に、 初期の SEPULTURA を思わせるクランチーな圧迫感、さらにメロディアスなリフと高揚感のあるギターでメタル世界の各階層へとアピールしながら、確実に音の進化を刻んでいるのです。
“Seven Words” というリフの迷宮と”Anything but the Truth”” のシンプル・イズ・ベストが交互に現れるリフ・ダイナミズムもアルバムの魅力。そもそもメロディックな色合いは XENTRIX の本分ではないにもかかわらず、巨大なコーラスが破砕的なギタリズムと衝撃的にキャッチーな歌心をさながら溶かして融合させるスラッシュとメタルのハンダ付けはあまりに印象的でエネルギッシュ。そうして彼らは、テクニカルで好戦的でメロディックなヘヴィ・メタルの理想像を老獪に描き出すのです。
今回弊誌では、バンドの心臓 Kristian Havard にインタビューを行うことができました。「スラッシュ・メタルは年齢と経験を重ねる必要があるのかもしれないよな。若いバンドは、経験豊富で何度かバンドを組んだことがある人とは違った方法で一緒に演奏するからな」