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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DARREN HOUSHOLDER : A VISION FOR YOU】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DARREN HOUSHOLDER !!

“My life goal since I was fifteen was to become an internationally known rock musician. My current goal is to make Psycho Pharma an internationally known brand of supplements.”

DISC REVIEW “A VISION FOR YOU”

「僕がバークリーに在学していたのは、John Petrucci, John Myung, Mike Portnoy が全員バークリー音楽大学に在籍していた年だった。彼らは毎晩練習室にこもり、後に “Majesty” となる楽曲制作に励んでいたんだよね。彼らは信じられないほど勤勉で、努力家で、成功は確実だと学校の誰もが感じていたよ」DREAM THEATER の成功は、その才能と努力、勤勉さから多くの人が予感していました。しかし、例えば James LaBrie との出会いだったり、MTV でのヘヴィ・ローテーションだったり、グラミー獲得までにはほんの少しの “運” の要素も作用していたはずです。実は彼らと同学年に、そんな “運” がほんの少し、味方しなかったひとりのギタリストがいたのです。
「1995年までに、僕はインストゥルメンタル・ギター・アルバムを3枚と、Love/Hate との共作 “Let’s Rumble” をリリースしていた。ドラムに Ray Luzier 、ボーカルに Sean Daily を迎えた僕のバンド、FREAK POWER TICKET は、オリジナル曲を15曲録音し、当時は難しかった契約獲得を目指してロサンゼルス周辺で演奏活動を行っていたよ。そんな時、当時ガール・フレンドだった今の妻が、僕たちの第一子となるドリアン(僕たちの好きな短音階にちなんで名付けた)を出産間近となって、僕は音楽学校時代ずっとやっていたテレ・マーケティングの営業を再開することにしたんだ。やがてその仕事が得意になり、家族を養えるほどになって、2年以内に念願のマイホームを購入することができた。その6ヶ月後、僕はその会社を辞め、Brand New Energy というサプリメント販売会社を立ち上げたんだ。これが後に僕のフィットネス・ブランド、Psycho Pharma になったんだよ。あれから28年が経ったんだね」
Darren Housholder。”シュラプネル” の一員だった彼は、レーベルの中で特に目立った存在とは言えませんでした。しかし、当時彼が残した3枚のソロ・アルバムはどれも、ギターが本当に “弾ける” 人なら理解できる、そしてそんな人を唸らせる実に素晴らしい作品でした。クラシックやオーケストラ、ビッグバンドに MESHUGGAH のようなリズムの実験。バラエティ豊かな3枚のアルバムにはどれも、挑戦的で音楽的な楽曲が揃えられていましたが、それ以上に Darren はギターを自らの手足のように扱っていました。
ギターを “弾ける” 人なら、そうしたギターとの一体感は演奏からすぐに感じ取ることができます。だからこそ、例えば Marty Friedman が MEGADETH で、Paul Gilbert が MR. BIG で、Bumblefoot が GUNS N’ ROSES で世界へ羽ばたいたように、Darren にもほんの少しの運が傾くべきだったのです。
「15歳の頃からの僕の人生の目標は、国際的に有名なロック・ミュージシャンになることだ。同時に、現在の目標は、Psycho Pharma を国際的に認知されるサプリメント・ブランドにすることなんだ」
もし出会ったのが LOVE/HATE ではなかったら (とはいえ “Let’s Rumble” は名作ですが)、もし Jeff Pilson と Vinnie Appice とバンドを組めていたら、もし David Lee Roth に拾われていたら…そんなたくさんの “If” を経て、Darren はギター以外の世界に活路を見出すことに決めました。
ギター教師、テレワークの経験を活かして立ち上げたフィットネス/サプリメント・ブランド “Psycho Pharma” は世界的なブランドへと成長。もし音楽を諦めたとしても、他の何かで自己実現することができる。そして、人はいつでも音楽へと戻ることもできる。Darren は自らの生き方で、音楽を諦めた誰かの希望となってみせました。そう、彼はブランドを成功へと導きながらも、若かりし頃の夢であった音楽の世界へと再び戻ってきたのです。
「何十年ぶりに書いたインストゥルメンタル曲は、2019年の “Ava’s Dance” だったね。当時、Jizzy Pearl のアルバムを2枚レコーディングしたばかりで、1日に30分以上ギターを弾く練習を再開したばかりだった。長い間失っていた創作意欲が、ようやく戻ってきたんだよ!アルバム “A Vision for You” に収録されている曲は、それから6年の歳月をかけて書き上げていったんだ。どれも全く異なる個性を持っていて、似たような曲は一つもない。ただ一つ共通しているのは、僕のトレードマークであるアグレッシブで攻撃的なサウンドだね」
もしかすると、それは “中年の危機” だったのかもしれません。一時は練習さえしなくなっていたギターを、Darren は再び毎日手に取るようになりました。盟友 Jizzy Pearl のリクエストもあり、アルバムに参加。そうして感覚を取り戻したマエストロは、音楽で自己実現を果たすためインストの世界に舞い戻りました。
“A Vision for You”。ちょうど30年ぶりに届けられたアルバムには、まさしく Darren の多様なビジョンで満ちています。私たちはこういう、展開の読めない、惜しみなく技巧を披露した、ワクワクするような、シュレッド・アルバムをいつでも待ち侘びています。きっと Jeff Beck がシュラプネル時代のアーティストならこんな作品を作っていたのではないでしょうか? 旧友 Billy Sheehan と KORN の Ray Luzier のダイナミックな演奏も加わり、作品は完璧な復活祭となりました。”Ava’s Dance” の5/8とダウンテンポの6/8の使い分けといったらもう…”Generator Man” で正面されていましたが、やはりこの人はリズムの魔術師です。
今回弊誌では、Darren Housholder にインタビューを行うことができました。「ギターを弾くことで、内気な少年だった僕が自信に満ちた人間へと変われたんだ。人生観そのものが変わり、真の自信とカリスマ性を身につけることができた。音楽という言語を学び、自分だけのサウンドスケープを創造し、世界に発信してほしい。これこそが、僕が知る最高の贈り物だよ。ミュージシャンの個性とは、音色、フィーリング、そしてキャラクターだ。単に音符を弾くだけではなく、音符の弾き方、そして “これは私だ、他の誰にも真似できない” という個性的な表現力こそが、その人を際立たせるんだ。だから、自分だけの個性を見つけてほしい。自分だけのスタイルを見つけてほしい。それは、あらゆる影響が融合し、君だけの唯一無二の音楽へと昇華されるのだから」 どうぞ!!

DARREN HOUSHOLDER “A VISION FOR YOU” : 10/10

INTERVIEW WITH DARREN HOUSHOLDER

Q1: I first discovered you on the “Generator Man” album, and the title track really blew my mind! No other guitarist at the time could demonstrate such amazing technique over such complex rhythms. You were certainly one of the first to bring complex rhythms to shred―would you agree?

【DARREN】: Generator Man was actually my second album. At that time grunge and industrial music like Nine Inch Nails were dominating the scene. The public had turned against shred guitarists―it had become uncool to look clean and play great. I wanted to make a non-Shrapnel record that incorporated the sound of the times, like industrial music, but with shred guitar on top.
My first Shrapnel record, released in 1992, featured what I called “funky heavy metal big band.” I love clean, funky guitars, and I emulated a horn section by layering multiple guitars harmonizing together. While Shrapnel was known for Yngwie Malmsteen and neoclassical styles―which I loved―there were already departures from strict classical with players like Paul Gilbert, Greg Howe, Richie Kotzen, and Michael Lee Firkins. I went to Berklee College of Music, not GIT. Being at a jazz school and finding my own groove, I wrote songs like “Rubber Neck,” “Noodle Surprise,” and “Detrick Hates Jazz.” You can really hear the love of horn-section jazz in that track―it almost sounds like a big band.
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Q1: 初めてあなたを知ったのはアルバム “Generator Man” で、タイトル曲には本当に衝撃を受けました!当時、これほど複雑なリズムを、これほど素晴らしいテクニックで演奏できるギタリストは他にいませんでした。明らかにあなたは、複雑なリズムをシュレッドに取り入れた先駆者の一人ですよね?

【DARREN】: “Generator Man” は僕の2枚目のアルバムだった。当時、グランジや NINE INCH NAILS のようなインダストリアル・ミュージックがシーンを席巻していたんだよね。世間はシュレッド・ギタリストに背を向けていた。ルックスが良くて演奏が上手いことがダサいと思われるようになってしまったんだよね。だから僕はシュラプネルとは異なる、インダストリアル・ミュージックのような時代のサウンドを取り入れつつ、シュレッド・ギターを前面に出したアルバムを作りたかったんだ。
1992年にリリースしたシュラプネルのファースト・アルバムは、僕が “ファンキー・ヘヴィ・メタル・ビッグバンド” と呼んでいたサウンドを特徴としていたね。僕はクリーンでファンキーなギターが好きで、複数のギターを重ねてハーモニーを奏でることでホーン・セクションを模倣したんだ。シュラプネルは Yngwie Malmsteen やネオクラシカル・スタイルで知られていたけど(僕も大好きだった)、Paul Gilbert, Greg Howe, Richie Kotzen, Michael Lee Firkins といったギタリストたちによって、すでに厳密なクラシック音楽からの脱却が見られていたんだよね。
僕はGITではなく、バークリー音楽大学に通っていた。ジャズ・スクールに通い、自分なりのスタイルを見つけたことで、”Rubber Neck”, “Noodle Surprise”, “Detrick Hates Jazz” といった曲が生まれたんだ。特に “Detrick Hates Jazz” には、ホーン・セクションのあるジャズへの愛が色濃く表れていて、まるでビッグバンドのようなサウンドになったね。

Q2: I love all three of your solo albums―funky big band like Detrick Hates Jazz, complex rhythms like Generator Man, and classical yet unusually progressive songs like “Middle of the Night.” Clearly you were breaking shred conventions and moving the genre forward. Which of the three albums do you particularly like?

【DARREN】: The third record, Symphonic Aggression. I actually had the song “Middle of the Night” on my original demo tape for Mike Varney’s Guitar Player magazine Spotlight column back in October 1988. For that record, I basically submitted to the “Shrapnel sound”―the neoclassical genre―because that’s what it took to get accepted for distribution and to fund the album.
Symphonic Aggression ended up being much better received than Generator Man and gave the Shrapnel shred audience exactly what they wanted. I took Beethoven’s “Moonlight Sonata” and turned it into “Mayday,” a Paganini classical guitar piece into “When in Rome,” Chopin into “Espresso,” and Mozart’s 40th Symphony into “Dinner with Wolfgang.” There was a lot of creativity and satisfaction in adapting those classical pieces into big rock guitar instrumentals. The tracks really came alive with Ray Luzier on drums and my former Jennifer Batten bandmate, Ricky Wolking, on bass.

Q2: あなたのソロアルバムはどれも大好きです。まさにファンキーなビッグバンド調の “Detrick Hates Jazz” 、複雑なリズムの “Generator Man” 、そしてクラシックでありながらも斬新なプログレッシブ・ソング “Middle of the Night” など、どれも個性的で素晴らしいですね。
あなたは明らかにシュレッド・ギターの常識を覆し、このジャンルを前進させていました。過去の3枚の中で、あなたが特に気に入っているアルバムはどれですか?

【DARREN】: 3枚目のアルバム “Symphonic Aggression” だね。実は “Middle of the Night” は、1988年10月に Mike Varney の “Guitar Player” 誌の “Spotlight” コラムのために作ったデモ・テープに収録されていたんだよ。このアルバムでは、流通ルートを確保し、制作資金を捻出するために、いわゆる “シュラプネル・サウンド”、つまりネオ・クラシカルなジャンルに身を委ねる必要があったんだ。
“Symphonic Aggression” は “Generator Man” よりもはるかに好評を博し、シュラプネルのシュレッド・ギター・ファンがまさに求めていたものを提供していたね。ベートーヴェンの “月光” を “Mayday” に、パガニーニのクラシック・ギター曲を “When in Rome” に、ショパンを “Espresso” に、モーツァルトの交響曲第40番を “Dinner with Wolfgang” にアレンジして取り入れたんだ。こうしたクラシック曲を壮大なロック・ギター・インストゥルメンタルにアレンジすることには、大きな創造性と満足感があったよ。ドラムの Ray Luzierと、かつて Jennifer Batten で一緒にバンドを組んでいた Ricky Wolking がベースを担当したことで、楽曲は本当に生き生きとしたものになったね。

Q3: That’s why it’s such a shame you were gone from the scene for over twenty years until you performed with Jizzy Pearl again. What happened during that time?

【DARREN】: By 1995 I had three instrumental guitar albums plus the Let’s Rumble record with Love/Hate. My band Freak Power Ticket, featuring Ray Luzier on drums and Sean Daily on vocals, had recorded fifteen original songs and was performing around Los Angeles trying to land a deal―which was tough at the time. My girlfriend, now wife, was about to have our first child, Dorian―named after our favorite minor mode―so I went back to mornings doing telemarketing sales, something I’d done all through music school. I eventually got really good at it, good enough to support us, and within two years we bought our first home. Six months after that, I quit and started my own supplement distribution company called Brand New Energy, which later became my fitness brand Psycho Pharma. That was twenty-eight years ago.

Q3: だからこそ、あなたが Jizzy Pearl と再び共演するまで、20年以上もシーンから姿を消していたのは本当に残念でしたよ。その期間は、何があったのですか?

【DARREN】: 1995年までに、僕はインストゥルメンタル・ギター・アルバムを3枚と、Love/Hate との共作 “Let’s Rumble” をリリースしていた。ドラムに Ray Luzier 、ボーカルに Sean Daily を迎えた僕のバンド、FREAK POWER TICKET は、オリジナル曲を15曲録音し、当時は難しかった契約獲得を目指してロサンゼルス周辺で演奏活動を行っていたよ。
そんな時、当時ガール・フレンドだった今の妻が、僕たちの第一子となるドリアン(僕たちの好きな短音階にちなんで名付けた)を出産間近となって、僕は音楽学校時代ずっとやっていたテレ・マーケティングの営業を再開することにしたんだ。やがてその仕事が得意になり、家族を養えるほどになって、2年以内に念願のマイホームを購入することができた。その6ヶ月後、僕はその会社を辞め、Brand New Energy というサプリメント販売会社を立ち上げたんだ。これが後に僕のフィットネス・ブランド、Psycho Pharma になったんだよ。あれから28年が経ったんだね。

Q4: It’s well known you were at Berklee with John Petrucci and John Myung. Did you jam with them a lot? What were they like back then?

【DARREN】: I was there the one year that John Petrucci, John Myung, and Mike Portnoy were all at Berklee. They were in the practice rooms every single night working on material for what becameMajesty. They were incredibly hard-working, industrious guys―clearly destined for success.
I performed in the recital hall once per semester, playing songs from Malmsteen, Steve Vai, Paul Gilbert, and my own compositions with JD on bass―who’s now in Black Label Society―and J. Gates on drums. Unfortunately the Dream Theater guys never performed their original songs live at Berklee; they were too busy writing and recording them in the practice rooms.

Q4: あなたが John Petrucci や John Myung とバークリー音楽大学で一緒だったことはよく知られていますね。彼らとはよくジャム・セッションをしていたのですか?

【DARREN】: 僕が在学していたのは、John Petrucci, John Myung, Mike Portnoy が全員バークリー音楽大学に在籍していた年だった。彼らは毎晩練習室にこもり、後に “Majesty” となる楽曲制作に励んでいたんだよね。彼らは信じられないほど勤勉で、努力家で、成功は確実だと学校の誰もが感じていたよ。
僕は学期に一度、リサイタルホールで演奏し、Yngwie, Vai, Satriani の曲や、JD(現在は BLACK LABEL SOCIETY に在籍)がベース、J・Gates がドラムを担当する形で、自分のオリジナル曲を演奏していたね。ただ残念ながら、DREAM THEATER のメンバーはバークリーでオリジナル曲をライブ演奏することはなかったんだ。彼らは練習室で作曲とレコーディングに没頭していたからね。

Q5: Dream Theater has earned a Grammy. You have exceptional technique, of course, but more than that, you can write good, challenging songs. For example, I understand there was talk of putting together a band with Jeff Pilson and Vinnie Appice?

【DARREN】: I moved to Los Angeles to join Jeff Pilson from Dokken and Vinnie Appice from Dio just a year after I graduated from Berklee. I was teaching guitar lessons and writing instrumental songs day and night when Mike Varney called with the introduction to Jeff. I auditioned, got the gig, and we moved from Boston to L.A. After about a year and a half the band signed a deal, got dropped, and eventually split up. They later released a record called War & Peace with Russ Parrish on guitar.

Q5: DREAM THEATER はグラミー賞を受賞するに値するバンドですよね。ただ、あなたもその場所にいてもおかしくない才能を持っていると思います。なぜなら、あなたは卓越したテクニックを持っていますが、それ以上に、良質で挑戦的な楽曲を書くことができるからです。
例えば、Jeff Pilson と Vinnie Appice とのバンド結成の話が実現していれば…?

【DARREN】: バークリー音楽大学を卒業してわずか1年後、DOKKEN の Jeff Pilson と DIO の Vinnie Appice のバンドに加わるため、ロサンゼルスに移住したんだよね。
それまで、ギターのレッスンをしながら、昼夜を問わずインストゥルメンタル曲を作曲していたところ、Mike Varney から Jeff を紹介する電話がかかってきてね。オーディションを受けて合格し、ボストンからロサンゼルスへ引っ越したんだ。
約1年半後、バンドはレコード会社と契約したんだけど、その後契約を解除され、最終的に解散してしまった。その後、Russ Parrish がギターを担当した “War & Peace” というアルバムをリリースしたんだけどね。

Q6: There was a wide variety of great guitarists on Shrapnel back then, but who were the ones you particularly identified with?

【DARREN】: All the Shrapnel guys had an impact on me―starting with Yngwie Malmsteen and Paul Gilbert, but really everyone, including Greg Howe. My primary influences are Jimi Hendrix, Joe Satriani, Steve Vai, Jeff Beck, Al Di Meola, Steve Morse, and especially Eddie Van Halen and Ted Nugent. I could go on―Aerosmith, Led Zeppelin, The Beatles….

Q6: 当時、シュラプネル・レコードには実に多様な素晴らしいギタリストが在籍していましたが、あなたが特に共感していたのは誰でしたか?

【DARREN】: シュラプネルのメンバー全員から影響を受けていたよ。Yngwie Malmsteen と Paul Gilbert をはじめ、Greg Howe も含めて本当に全員だね。
僕の主な影響を受けたミュージシャンは、Jimi Hendrix, Joe Satriani, Steve Vai, Jeff Beck, Al Di Meola, Steve Morse, それから Eddie Van Halen と Ted Nugent は特別だね。他にも AEROSMITH, LED ZEPPELIN, THE BEATLES など、挙げればきりがないね。

Q7: A Vision for You is really a great album―well worth the wait! I get the impression you’ve become a deeper guitarist with more country licks, but you haven’t lost your signature challenging rhythms and complex melodies. What made you decide to make another guitar instrumental album now?

【DARREN】: The first instrumental song I wrote in decades was “Ava’s Dance” back in 2019. I’d just recorded two records for Jizzy Pearl and was getting back into playing guitar more than thirty minutes a day. Eventually the creative writing came back to me―I had lost it for a long time, but it returned.
The songs on A Vision for You were written over the course of six years. They’re all very different―none of them sound alike. One thing that stays consistent is the attack and aggression that’s always been my signature. You can hear it throughout.

Q7: “A Vision for You” は本当に素晴らしいアルバムですね!待った甲斐がありました!
カントリー調のフレーズが増え、より深みのあるギタリストになった印象を受けますが、あなたの持ち味である挑戦的なリズムと複雑なメロディーは健在です。今回、再びギター・インストゥルメンタル・アルバムを制作しようと思ったきっかけは何だったんですか?

【DARREN】: 何十年ぶりに書いたインストゥルメンタル曲は、2019年の “Ava’s Dance” だったね。当時、Jizzy Pearl のアルバムを2枚レコーディングしたばかりで、1日に30分以上ギターを弾く練習を再開したばかりだった。長い間失っていた創作意欲が、ようやく戻ってきたんだよ!
アルバム “A Vision for You” に収録されている曲は、それから6年の歳月をかけて書き上げていったんだ。どれも全く異なる個性を持っていて、似たような曲は一つもない。ただ一つ共通しているのは、僕のトレードマークであるアグレッシブで攻撃的なサウンドだね。アルバム全体を通して、そのサウンドを感じ取ってもらえると思うよ。

Q8: While the development of AI and social media has its conveniences, it’s also made it easier to over-edit videos and have AI create songs. Are AI and social networking good for the future of the guitar, or bad?

【DARREN】: With AI, it’s a phenomenon that’s hard to fully comprehend. Music is organized sound that causes emotion in humans―it could be industrial machines clicking in a way that moves you, or the sound of someone fingerpicking a nylon-string guitar. I don’t think we can limit how we get there. As long as the finished piece is organized sound that creates emotion, it qualifies as music.

Q8: AIとソーシャルメディアの発展は便利な面もある一方で、動画の過剰編集やAIによる楽曲制作も容易にしてしまっています。AIと SNS はギターの未来にとって良いものなのでしょうか?それとも悪いものなのでしょうか?

【DARREN】: AIに関しては、完全に理解するのは難しい現象だと思う。音楽とは、人間の感情を揺さぶる組織化された音のこと。それは、工業機械のクリック音であれ、ナイロン弦ギターを指で弾く音であれ、何が君を感動させるかはわからないんだよ。だから、そこに至る過程を限定することはできないと思う。完成した作品が感情を生み出す組織化された音である限り、それは音楽として認められると思うよ。

Q9: By the way, your brand Psycho Pharma deals with supplements, right?

【DARREN】: My life goal since I was fifteen was to become an internationally known rock musician. My current goal is to make Psycho Pharma an internationally known brand of supplements―one that’s authentic to me and carries both my character and Eric Bugenhagen’s. Our product names are Thunderstruck, Crazy Train, Far Beyond Driven, and Edge of Insanity―that’s our hero product.
Edge of Insanity has been available in China for four years, Australia for three, and through Suplinx in Japan. We’re in GNC and Amazon in the U.S., independent stores across the country, Mexico, South America, and we’ve done tradeshows in Germany the last three years. This is the most creative, passionate thing I’ve done in my life. I’m as obsessed with Psycho Pharma as I was with playing guitar sixteen hours a day. And somehow I’ve managed to build Psycho Pharma around the world while writing guitar instrumentals, recording three records with Jizzy Pearl, and releasing my first solo record in thirty years. Two records came out in 2025 as I turned sixty. I’m truly grateful for my life today.
I’ll keep writing and release another instrumental guitar record. I’d love to latch onto some guitar tours so I can perform my original music around the world. I also plan to write a comprehensive guitar book that simplifies scales, chords, and theory, and shows how to put it all together to become a creative musician. I’ve created a music theory page that’s basically the multiplication table for music. I have so much more to offer―I’m just getting started.

Q9: ところで、あなたのブランドであるサイコファーマはサプリメントを扱っていますよね?

【DARREN】: 15歳の頃からの僕の人生の目標は、国際的に有名なロック・ミュージシャンになることだ。同時に、現在の目標は、Psycho Pharma を国際的に認知されるサプリメント・ブランドにすることなんだ。それは、僕自身の個性と、エリック・ブーゲンハーゲンの個性を融合させた、真に自分らしいブランドだから。製品名は、Thunderstruck, Crazy Train, Far Beyond Driven, そして看板商品である Edge of Insanity だよ。
Edge of Insanityは、中国で4年間、オーストラリアで3年間、そして日本ではSuplinxを通じて販売されている。アメリカではGNCとAmazon、全米各地の独立系小売店、メキシコ、南米でも販売されていて、過去3年間はドイツで展示会にも出展しているんだ。これは、僕の人生で最も創造的で情熱を注げる仕事だよ。Psycho Pharma への情熱は、かつて1日16時間ギターを弾いていた頃と同じくらいさ。つまり僕は、ギター・インストゥルメンタル曲の作曲、Jizzy Pearl との3枚のアルバム制作、そして30年ぶりのソロ・アルバムのリリースと、世界中でPsycho Pharmaの活動を展開することができたんだ。2025年には60歳を迎えるけど、2枚のアルバムをリリースできた。今の人生に心から感謝しているんだ。
これからも作曲を続け、インストゥルメンタル・ギター・アルバムをリリースしていくつもりだよ。ギターツアーに参加して、世界中でオリジナル曲を演奏できたら最高ですね。また、スケール、コード、音楽理論を分かりやすく解説し、それらを組み合わせて創造的なミュージシャンになる方法を教える、包括的なギター教則本も執筆する予定。音楽理論のページも作成済みで、いわばこれは音楽の九九表のようなもの。まだまだ僕に提供できるものはたくさんあるんだ。これはまだ始まりに過ぎないんだよ。

Q10: You yourself have great muscles, and John Petrucci and Zakk Wylde are also very intense. Do you think strong muscles are necessary for a guitarist?

【DARREN】: I think we should all be mindful about exercise, eating right, sleeping, and taking care of our mental, physical, and spiritual health. For the last five years I’ve had the habit of reading spiritual and self-help books while pedaling the Peloton for thirty minutes every morning. It helps my physical, mental, and spiritual life every single day. I believe most successful people are athletes, scholars, and have a connection to something higher.

Q10: あなた自身も素晴らしい筋肉をお持ちですし、John Petrucci や Zakk Wylde もマッスル・ギタリストです。ギタリストにとって強い筋肉は必要だと思いますか?

【DARREN】: 僕たちは皆、運動、適切な食事、睡眠、そして心身の健康に気を配るべきだと思う。ここ5年間、毎朝30分間ペロトンを漕ぎながら、スピリチュアルや自己啓発の本を読む習慣をつけているんだ。これは僕の心身の健康に毎日役立っているよ。成功している人の多くは、アスリートか学者であり、より高次の存在と繋がっていると僕は信じているんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED DARREN’S LIFE!!

Jimi Hendrix “Axis: Bold as Love”

Van Halen “Fair Warning”

Yngwie Malmsteen “Rising Force”

Steve Vai “Passion and Warfare”

Joe Satriani “Surfing with the Alien”

MESSAGE FOR JAPAN

My message for Japan and young guitar players is this: playing the guitar took me from a shy kid to someone full of confidence. It changed my whole outlook―I gained real self-confidence and charisma. Learn the language of music so you can create your own personal soundscapes and share them with the world. This is the greatest gift I know.
A musician’s signature is the sound, the feel, the character. It’s not just the notes―it’s how the notes are played and that personalized attack that says, “This is me, and no one else.”
Find your signature. Find your style. It’s a combination of all your influences, turned into something that is uniquely you.

日本と若いギタリストたちへの僕のメッセージ。ギターを弾くことで、内気な少年だった僕が自信に満ちた人間へと変われたんだ。人生観そのものが変わり、真の自信とカリスマ性を身につけることができた。音楽という言語を学び、自分だけのサウンドスケープを創造し、世界に発信してほしい。これこそが、僕が知る最高の贈り物だよ。
ミュージシャンの個性とは、音色、フィーリング、そしてキャラクターだ。単に音符を弾くだけではなく、音符の弾き方、そして “これは私だ、他の誰にも真似できない” という個性的な表現力こそが、その人を際立たせるんだ。
だから、自分だけの個性を見つけてほしい。自分だけのスタイルを見つけてほしい。それは、あらゆる影響が融合し、君だけの唯一無二の音楽へと昇華されるのだから。

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ANGINE DE POITRINE VOL. Ⅱ】 FUJI ROCK 26′


COVER STORY : ANGINE DE POITRINE “VOL. Ⅱ”

“I built the first microtonal guitar we used myself. I added more frets on a guitar with a saw. The moment we started playing it, we just laughed!”

ANGINE DE POITRINE

「ノコギリでフレットを増やしたんだ」 ANGINE DE POITRINE (フランス語で狭心症の意) は “意味不明” なマイクロトーン・ダブルネック・ギターを自作。そうして今、彼らはネット上で爆発的な人気を博しています。
ジャズ、プログ、マスロックを融合させた彼らの濃密なサウンドは、数百万回の再生回数を記録し、Rick Beato や Cory Wong, Dave Grohl といったミュージシャンを驚愕させながら、音楽世界の話題をかっさらっています。
ケベック出身の型破りなデュオは、まるで別次元、別宇宙から来たかのような、見た目も音色も異彩を放つ自作のマイクロトーン・ダブルネック・ギターを手に、不協和音をバイラルな言語へと昇華させ、先月KEXPで行われた彼らのパフォーマンスは、なんと350万回以上の再生回数を記録。FUJI ROCK 26′ への参戦も決定。
2020年から活動を開始し、ケベックを拠点とするこのデュオは、まさに方向感覚を失わせるようなサウンドを奏でています。彼らの黒と白の水玉模様の衣装と張り子の頭部は、そのミステリアスな雰囲気をさらに高め、ただでさえ異質なサウンドに、催眠的でありながら悪夢のような視覚的アイデンティティを与えているのです。しかし、真の物語は彼らの指先に込められています。
異質な存在の始まりは、やはり異質でした。
「初めてお互いの音楽を聴いたのは、初めて一緒にジャムセッションをした時だった。子供の頃、僕たちは音楽を仕事場というより遊び場のように捉えていてね。午後は地下室で過ごしたり、時にはドラムとアンプを野外に持ち出して自由に即興演奏をしたりしていたんだ。僕たちが結束を固め、緊密な共通の芸術的ビジョンを築き上げてきたのは、カバー曲を演奏することに全く興味がなく、自由な即興演奏を通して一緒に演奏することを学んだからだと思う。
常に、グロテスクな即興演奏で笑いを取ったり、自分たちのオリジナル曲のレパートリーを増やしたりすることを目指していた。あるいは、遊びを通して互いに刺激し合うこともあった。例えば、”おい、こっちの友達に無調のウォーキング・ベースを三連符で弾いてもらって、ギターは奇妙な16分音符のラインで切り込みを入れて、ドラムはスウィングと均一なリズムを交互に刻むんだ。まるでビデオゲームのビートみたいにね” といった具合にね」

当時も今も、二人はギタリスト Khn の家をリハーサルスペースとして使っています。彼ら曰く、そこは “混沌としていて、ちょっと崩れかけている” 場所で、アリやネズミがいて、壁にはカビが生え、屋根からは水が漏れているそうです。しかし、その環境には独特の静けさがあり、それが彼らの奇妙な演奏を可能にしているといいます。「森の中の静かな場所だから、いつでも思いっきり騒げるんだ」
ANGINE DE POITRINE の初の公式コンサートは、シクティミで開催されたパフォーマンスアート・イベントで行われました。そこで二人は、好奇心旺盛でオープンマインドな地元の人々からすぐに支持を得ることに成功します。
「あの最初のショーは、もし僕らが活動を続けたらどうなるかという試金石だった。バンドの構想は、ライブ・パフォーマンスに特化していて、最初はちょっとした冗談だった。でも、僕たちがこれまでやってきたことの多くは、そういう瓢箪から駒的なものなんだ」
ふたりは匿名性について語ろうとはしませんが、バンド名とインスピレーションの源については(ユーモラスに)認めています。
「視覚的にも音響的にも、僕たちの主なインスピレーション源はテングザルだ。バンド名は最初は冗談で出したものだったけど、不協和音による心臓機能不全というアイデアと合致していることに気づいた。それと、いくつかの曲に感じられる切迫感もね」
たしかに、”切迫感” という言葉は、ANGINE DE POITRINE の特徴である、力強く、微分音的で、ループを多用したサウンドとその進化を的確に表現しています。
「僕たちは物事を自然に進化させている。音楽の方向性に厳密なスタイルの境界線を設けないでね。僕たちの音楽的嗜好はロック音楽に深く根ざしているので、常に少し “ヘヴィ” な雰囲気があるかもしれないね。でも、曲を通してさまざまな影響を感じ取ることができるだろう。”Vol. II” では、あまり深く考えずに、さまざまな方向へ進んでみた。そういうこともあるんだってね」

作曲における彼らのモットーは何でしょう?
「僕らのモットーは常に、新鮮な音楽的アイデアを世に送り出し、驚きで脳を刺激しつつ、ある程度シンプルさを保つことなんだ。変拍子をできるだけ聴きやすくしようと常に心がけているんだ。タイトで “複雑な” ビートと、すごく踊れるビートの間を行き来するのが好きなんだ。ギターのように、緊張と解放のパターンを作り出すようにしているんだよ」
とはいえ、考えすぎてはいないようです。
「僕たちは、象徴主義にはあまり重きを置いていないんだ。バンド全体として、深い概念的な思考プロセスは存在しなくてね。みんなが耳にする、目にするすべてのものは、常に僕たちの独特なユーモアのセンスの産物であり、それが僕たちの共通の創造空間の根底にあるものだ。つまり、音楽に合わせて体を揺らし、笑い、奇妙で不条理、あるいは驚きに満ちた美的表現(視覚的なものも音楽的なものも)を通して、喜びの状態に到達するのが目的なんだ」
独特の衣装も偶然の産物で、強いていえばリスナーの驚きを誘うため。
「衣装は、初めてのライブのために即興で作ったんだ。アンディ・カウフマンみたいな、地元の観客を驚かせるためのちょっとしたイタズラみたいなもので、ライブを1回や2回、あるいは3000回やるかどうかも分からなかったからね。最初は冗談のつもりだったんだ。僕たちはジョークが大好きで、アイデンティティの一番の源だからね。何事も少し軽快で楽しいものが好きだ。時が経つにつれ、僕たちのバンドがちょっと風変わりだということを受け入れるようになってきた。そして今では、それが別の意味で役に立っている。プライベートとステージ上のペルソナを切り離し、匿名性を保つことができるからね」

彼らのサウンドの中心にあるのは、自作のマイクロトーン楽器。ストラトキャスター型のダブルネックギターで、エレキギターとベースの中間のような形状をしています。このギターは手作業でフレットを追加することで改造されていて、標準的な西洋音階の音程間の音程を奏でることができるのです。
Jack White のギターとベースを融合させた “アグリー・スティック” を彷彿とさせるこのギターは、ギターとベースを兼ねたダブルネック構造で、その特徴はとんでもなく奇妙なフレット間隔にあります。Bumblefoot のフレットレスのように、これまでにも興味深いダブルネック・ギターはいくつか存在しましたが、これは全く異なる存在かもしれません。そうして、実験的に始まったものが、あっという間にバンドの代名詞となりました。
「僕たちが最初に使ったマイクロトーン・ギターは、自分で作ったんだ」と、ドラマーの Klek de Poitrine は告白しています。「ノコギリを使ってギターにフレットを追加したんだよ。でも演奏し始めた瞬間、みんなで笑ってしまったんだ。でも、僕はギタリストじゃないから、楽器のポテンシャルを十分に引き出せていなかった。それで、Khn に持って行って、”これ、絶対試してみて。全く意味不明だけど” って言ったんだ。そしたら、演奏し始めた瞬間、不協和とそれぞれの音の近さに、みんなで大笑いしたよ」
その “不協和” こそが重要でした。インドと日本の音楽伝統からインスピレーションを得たこのデュオは、四分音やマイクロインターバルを装飾としてではなく、楽曲の基盤として活用しているのですから。
プログレッシブ・ロックとモダン・ジャズをバックグラウンドに持つギタリストのKhnは、ギターを異国情緒あふれる目新しい楽器としてではなく、ハーモニー言語の拡張手段として捉えています。
「四分音を使うことで、半音階的なアイデアを拡張し、より緊張感を高めることができる。そうすることで、Frank Zappa のようなフレージングに近いものになるんだけど、僕らはさらにその先へと突き詰めている。結局のところ、僕たちが作る曲のほとんどは、John Scofield の “Überjam” や Miles Davis の “So What” のような曲とハーモニー的に比較できるだろう」

Klek がマイクロトーンに惹かれた理由は何だったのでしょう?
「ドラマーだけど、昔から “東洋音楽” 、つまりインド音楽や日本音楽などが大好きなんだ。音符が増えることで、より複雑な響きが生まれるように感じてね。四分音や三分音がもたらす深みに、いつも魅了されてきたよ。音符間の緊張感や不協和をこよなく愛する僕たちにとって、その方向へ進むのはごく自然な流れだった」
ギタリストの Khn はまず、アラビアの響きに惹かれていました。
「最初は、アラビア風の響きをどうにかして出そうとしていたんだ。でもすぐに、よりモード的なアプローチへと移行し、非常にステレオタイプで、結局は自分の文化ではないものを連想させるようなものに陥ることなく、不協和音の可能性を最大限に活用しようとしたね。それに、僕自身の音楽的背景は、プログレッシブ・ロック、モダン・ジャズ、そして現代音楽に深く根ざしている。僕にとって、四分音をもっとキュビズム的、というか、Frank Zappa 風のフレーズで使うのはごく自然なことなんだ。四分音を使うことで、倍の長さの半音階的なアプローチを探求し、より緊張感を高めることができる」
また、トルコのロックや、日本の伝統音楽、そして KING CRIMSON が “Dicipline” で探求したインドネシアのガムラン音楽も影響を受けていると述べています。しかし、時が経つにつれ、彼らはこの独特な楽器を本当の意味で自分たちのものにしつつあります。
「僕たちは、ロックのグルーヴ美学に深く根ざした、独自の音楽言語を探求しているんだ。まだそれほど長くこの手法に取り組んできたわけじゃない。ギターを弾き始めて20年になるけど、マイクロトーンを探求したのはせいぜい4、5年くらいかな。まさに今、僕たちが開いたばかりの扉なんだ」

Klek のお気に入りのバンドはなかなかに通好み。
「僕の生涯のお気に入りは、70年代のプログレッシブ・ロック・バンド、GENTLE GIANT だ。彼らは本当に変人で、プログレッシブ・ミュージックのオタクだった。BLACK SABBATH の前座を務めたんだけど、あまりにも奇妙だったから観客はブーイングしたんだ。観客は準備ができていなかった。ヘヴィ・メタルのリフを求めていたのに、GENTLE GIANT はバイオリンやトランペット、中世の衣装で現れたんだ(笑)。
あと、DUA LIPA は本当に最高にイカしたグルーヴを生み出すと思う。Calvin Harris の音楽全般も、本当に素晴らしい名曲ばかり。過小評価されているバンドといえば、僕の友人で LE PARC というバンドのメンバーにもエールを送りたいね。彼らは僕たちより少し若いけどとてつもない実力派だよ。彼らは一流のプログレッシブ・ロックを演奏する。彼らが国際的にブレイクすることを願っているんだ。少なくとも、彼らが望むだけの名声を得ることをね。だって、本当に、彼らはブレイクするに値するんだから」

Khn は複雑な音楽に没頭する時期は終わったと考えています。
「ほら、誰しもがもっと凝った、もっと複雑なものに共感しようとする時期を経るじゃない。大学で音楽を勉強した後、その時期は終わったよね。今はポップをたくさん聴いているんだ。実は、僕も Calvin Harrisという名前が頭に浮かんでいて、リアーナや DUA LUPA 、その他 Calvin がプロデュースした大物ポップスターたちのヒット曲はどれも最高なんだよな。
過小評価されているバンドなら LOUNGE LIZARDS かな。有名ではないけれど、世界中のアンダーグラウンドシーンでは認知されているバンドだからね。本当にユニークで、他に類を見ない個性を持ったバンドなんだ。ジャズの美学を取り入れつつも、ポップ・ロックのスタイルで演奏する。そして、そのエネルギーはパンクに近い。初めて彼らの音楽を知った時は、本当に衝撃を受けたよ。ギタリストの Arthur Lindsay のギターの弾き方は、ジャズとは全く関係ないんだ。彼はノイズシーン出身で、意味不明なリフを思いつく。まるで音色や音符の概念を拒否しているかのようだ。彼は明確に定義できる音符やメロディーを演奏しない。だから彼のギター演奏が大好きだ!
僕が最も誇りに思うアーティストは、ケベックのバンド、DEUX POUILLES EN CAVALE で、彼らのライブでのルーパーの使い方に本当に感銘を受けた。彼らは僕たちにデュオで演奏するよう刺激を与えてくれたね。僕は彼らのツアーに同行し、彼らが演奏するほぼすべての場所に行った。彼らを見るためにヒッチハイクまでしたんだ」
Rick Beato によれば、ANGINE DE POITRINE ほど彼の受信箱に大量のメールが殺到したアーティストは他にいないそうです。
「彼らについてのメールが1日に25通届き、コメントは何千件にも上っている。彼らの演奏を聴くと、”一体どうやって演奏しているんだろう?” と驚かされてしまうよね。これが未来の音楽のサウンドだと私は想像しているよ」
4月2日にセカンドアルバム “Vol. II” をリリースした彼らの使命は明確です。マイクロトーン音楽を、単なる珍しい音楽ではなく、完全に確立された音楽のひとつとして、そして Jeff Beck がこれまで探求してきたマイクロトーンの限界を超えて、メジャーへと押し上げることです。
「目標は、マイクロトーンを他の音と同じように使うこと。装飾としてではなく、言語そのものとして使うことだよ」
彼らの奇妙で不協和音に満ちた世界は、2026年を通してさらに拡大していくことでしょう。

参考文献: GUITAR WORLD :microtonal guitar has been the key to their unlikely success

NOISE MAG:ANGINE DE POITRINE: A DISCUSSION WITH THE INFECTIOUS QUEBEC BAND

FLOOD MAG:Angine de Poitrine Put the “Big” in Ambiguous

FUJI ROCK FESTIVAL 26′

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CORROSION OF CONFORMITY : GOOD GOD / BAAD MAN】


COVER STORY : CORROSION OF CONFORMITY “GOOD GOD / BAAD MAN”

“I mean…you can tell the world a lot by wearing a spiked belt, dude. If you’re at the grocery store and you’ve got a spiked belt, people look at you a little different. Some of them might look at you like, “Damn… I wish I was still that guy.”

GOOD GOD / BAAD MAN

間もなく59歳になる Pepper Keenan は、人生のほとんどをギターに費やしてきました。ニューオーリンズで育った彼にとって、音楽は決して珍しいものではなかったからです。 1989年、彼は CORROSION OF CONFORMITY にギタリストとして加入。ティーンエイジャーの頃からパンクが好きだった彼は、長年このバンドのファンでした。その後、1994年のミリオン・セラー “Deliverance” ではボーカルも担当。このアルバムで彼らはパンクのルーツから脱却し、よりルーズで BLACK SABBATH 的なサウンドへと移行しました。90年代半ばには、スーパー・グループ DOWN でギターを演奏。Jason Newsted が METALLICA を脱退した際、空席となったベースのオーディションに最初に声をかけられたのも Pepper でした。
創立メンバーでベーシストの Mike Dean が脱退し、2020年にはドラマーの Reed Mullin が悲劇的な死を遂げた後、Pepper はギタリストの Woody Whetherman と二人きりとなり、ギターでジャム・セッションをしながらCOCのニューアルバム “Good God / Baad Man” を完成へと導きました。”ダーク・サイド・オブ・ザ・ドゥーム” というニックネームで呼ばれるこのアルバムは、COCのあらゆる要素を網羅した壮大な、しかし “まるで昔のまま” な作品です。中でも特筆すべきは、ヘヴィなストーナー・ロックから至福のサイケデリック・ジャムまで、Pepper の尽きることのないリフの才能でしょう。状況やメンバー構成が変わっても(実際、彼は2006年から2015年まで DOWN に専念するためバンドを離れていた)、彼のギターリフの探求に終わりはありません。
そうして、ベーシストの Bobby Landgraf とドラマーの Stanton Moore を迎え入れ、再びフルバンドを編成しなければならなかった時のことを、彼はゆっくりと回想します。 「新しいガールフレンドができたような気分だったよ。書いていたのは僕と Woody だけだった。Mike Dean はいなかったし、Reed も失っていた。でも僕と Woody は100回も話し合って、やめないって決めていたんだ。僕たちは新しい音楽に興奮しすぎて、このバンドが本当に楽しかった。COCの物語が終わるわけじゃなかったんだ」
その新しい音楽は “Good God” と “Baad Man” の2枚組、大ボリュームで届けられました。
「僕と Woody はミシシッピ州の “ブラック・シャック” っていうところでビールを飲みながらレコードを聴いて、ジャム・セッションしたりギターを弾いたりしてたんだ。COC がこれまでどれだけ色々なスタイルでやってきたか、例えば(サザンロック調の) “Stare Too Long” から、(アグレッシブな)”Vote With A Bullet” まで、本当に色々なことをやってきたって話をしてたんだ。それで、同じような曲が10曲も入ったアルバムなんて作りたくなかったし、このバンドのすべてを1枚のアルバムに詰め込むにはどうすればいいかって話してた。その時、このアイデアが浮かんだんだ。”Good God, Bad Man” っていうのは、俺がずっと前から言ってた言葉で、句読点の付け方によって意味が変わるんだよ。
この組み合わせは意図的に作ったんだ。後から思いついたわけじゃない。レコーディングを始める前から、曲順は決まってた。俺にとってはすごく理にかなってると思う。まあ、アルバムを作って曲を全部仕上げてから、最後に曲順を決める人がいるのは不思議だよな。小説を書くときに、どの章をどこに配置するかを後から決める人なんていないからね」

アルバムは、マイアミのミドル・イヤーでレコーディングされました。BEE GEES の Barry Gibb が所有していて、BLACK SABBATH が “Mob Rules” の一部を録音した場所でもあります。
「ボスである Barry は、あちこちに顔を出していて、想像通り最高だったよ。”Baad Man” っていう曲では、Maurice Gibb が “Jive Talking” で使ってたストラト・キャスターを弾いたんだ。すごいだろ?!このアルバムの制作中は、そんな感じだった。スタジオには、BEE GEES の78年のワールドツアーか何かで使われた白いモーグ・シンセサイザーが置いてあったんだ。それを起動して、それでパートをまるまる一曲作った。だって、使わないわけにはいかなかったんだから。
みんな同じ部屋にいた。ガラス張りのコントロールルームなんてなくてね。アンプとかを隔てるために、家からマットレスを引っ張り出してきたんだ。ギターの音があちこちに飛び散って、本当にリアルだったよ。俺と Woody は Pro Tools と、失礼ながら Kemper アンプとか、完璧なレコーディングとかいうものに完全に行き詰まっていたんだ。俺たちの目指すところは、そういう方向とは全く違う。今の時代と比べたら、まさに新鮮な風だったと思うよ」
“Good God / Baad Man” はCOCの音楽的ルーツを反映し、それらが互いに補完し合う二部作として完成しました。”Good God” はよりヘヴィな楽曲で、トーテム的なストーナーロックの陰鬱さを湛えた “The Handler” や、顔面を殴りつけるようなパンク “Gimme Some Moore” を見せつけ、”Baad Man” はより自由奔放で、ZZ Top やサザン・ロックへの愛を反映したリフが特徴的です。こうした楽曲はすべて、二人がヘヴィなリフ・セッションの合間に、お気に入りのレコードを聴きながらホームスタジオで制作したもの。
「まるで16歳か17歳みたいに、ビールを飲みながらギターを弾きまくって、何も気にせず、本当に楽しい時間を過ごしたね…間違いなく、これまでで一番楽しいアルバムだった。プレッシャーなんて全くなくて、ただやりたいことをやっただけなんだ。まるでゴリラが4トラックレコーダーを叩くように熱狂的に曲のアイデアを録音していった。最高にクールなサウンドだったよ。僕たちが求めていたもの、つまり、ある意味で崩壊寸前のようなサウンドがそこにあったんだ」
そうやって、お気に入りのレコードを一緒に聴くことから始まったアルバムは、”Riffissippi sessions” における “Fire and Water” のカバーを生み出しました。
「作業の合間には、たくさんのレコードを聴いていた。休憩を取って、ビールを6本くらい飲んで、リラックスしたり。プレッシャーなんて全くなかったね。費用は一切かからなかった。時間単位で料金を払っていたわけでもない。何週間もぶっ通しで集まって、ひたすらジャムセッションをしていたんだ。それがレコードにも表れていると思うよ。
そう、僕たちは FREE みたいないろんな音楽を聴いていた。面白いことに、Stanton はそれまで一度も FREE を聴いたことがなかったんだ!FREE が誰なのかも知らなかった。僕と Woody はマジで驚いたよ。でも、僕だって彼が大好きなデイヴ・ブルーベックの曲をそんなにたくさん知っているわけじゃないと思うし。
だから、このカバー曲にはどこか子供のような純粋さがあったんだ。Stanton は本当に純粋だったからね。それで彼が “おい、これ録音しようぜ!” って言い出したんだ。僕は “どういうことだ?FREE の曲をいきなり録音するなんて、そんな簡単なことじゃないだろ!” って思ったよ。でも彼は僕を説得して録音させたんだ。”おい、俺はポール・ロジャースみたいに歌えないよ” って言ったら、彼は “お前らしく歌えばいいんだ!”って。気づいたら、あの野郎が俺たちに “Fire and Water” をレコーディングさせてたんだよ。ロック界の聖杯とも言える名曲だ」

“Gimme Some Moore” のパンキッシュな躍動感も絶妙です。
「10回くらい書き直したんだけど、なかなか形にならなかったんだ。でも、スタジオでレコーディングしていた時に、何かがカチッとハマってね。歌詞を全部捨てて、ゼロから作り直したよ。Stanton がドラムを叩き始めて、彼のドラムに合わせて音節ごとに歌詞を書いていったんだと思う。リフのことよりも、彼のドラムに合わせようとしたんだ。ギターコードの制約から解放された途端、全く新しい世界が開けて、めちゃくちゃパンクな曲になった。まるで16歳の頃に書いたような曲だった。何もかもが嫌いな高校生が、背中に BATHORY のロゴが入ったレザージャケットを着ているような感じ。
サビの “戦う価値はある/レザー、チェーン、スパイク” も最高だよな。スパイク・ベルトを着けているだけで、世の中に色々なことを伝えられるよね。スーパーでスパイク・ベルトを着けていたら、周りの人の視線がちょっと変わる。中には “くそ…俺もあの頃の自分に戻りたい” って思う人もいるかもね(笑)。あれは鬨の声だ。あれでメタル仲間たちが “マジかよ、最高じゃん。俺も思いつけばよかった” って言ってたよ。僕たちの当時の状況、革ジャンにチェーンとスパイク。これが僕らだ。これが僕らのやり方。お前ら全員クソくらえ。そんな感じだったんだ」
“Good God” の “You or Me” のように、人間の根深い暴力性を描いた陰鬱で不吉なシーンがある一方で、”Baad Man” の “Handcuff County” は、もっと不遜で、ぶっ飛ばすような楽しさを表現しています。
「”Baad Man” の方はより “ストリート” な側面が強く、”Good God” の方はよりスピリチュアルな側面が強い、と言えば分かりやすいだろうか? “Handcuff County” のような曲は…まさに汚れたストリートで生きる現実を描いているね。”Good God” の “タクシー・ドライバー” 版といったところだろうか。
だから、ビール・パーティーに行くなら、まずは “Baad Man” をかけるだろうな。僕たちは FOGHAT もZZ TOP も大好きだからな。ああいうのが好きなんだ。GRAND FUNK RAILROAD も最高に好きだ! “Good God” なんて曲をかけたら、みんなががっかりしちゃうよ。ビーチでパーティーをやってる時に、”Good God” なんてかけるわけないだろ。でもさ…結局自分たちが好きな音楽を色々探ってただけなんだ」
COCの列車はまだ走り続けている…”Baad Man” の “Forever Amplified” は、そういう側面を描いているようにも思えます。
「Woody と話してたんだけど、この曲を聴くと、僕らが失った人たちのことを思い出すんだ。この曲は、亡くなった人たちのために書いたんだ。Reed がこの曲のきっかけとなった最大の人物で、癌で亡くなった親友の Rio もその一人。彼は僕たちのためにたくさんのビデオを作ってくれたんだ。
最初は別のタイトルだったんだけど、適当に歌詞を歌ってみたら “Forever Amplified” って聞こえてね。以前にもそういうことがあって、適当に適当に歌ってみたら、そこから何かが出てくるんだよな。それで、曲の方向性が決まり始めた。
コロナ禍で、本当に重いテーマだった。それに、Woody も、僕も、このアルバム制作中に両親を亡くしたんだ。そういうことが重なって、この曲が生まれたんだよな。”Forever Amplified” というアイデアが、僕たちに明確な方向性を与えてくれたんだよ。
曲の終わり、空高く舞い上がる巨大なギターの音とか、そういう演出を聴くと…Dimebag Darrell を思い出すんだ。レコーディングの時は本当に感情が高ぶる瞬間だった。ジェリーが最後に、全身全霊で歌い上げてくれた。彼女が歌い終えた時、会場に涙を流していない人はほとんどいなかったな」

では、Pepper が最初に音楽に惹かれたきっかけは何だったのでしょう?
「おそらく2つある。1 つは RAMONES 。それから、友人の兄がエルトン・ジョンの “Goodbye Yellow Brick Road”(1973年)のカセット・テープをくれたんだよね。それを何度も聴き込んで、擦り切れるほど聴いていたよ。
僕はパンク・ロック好きのガキだったんだ。ニューオーリンズの都会っ子だった。で、BLACK SABBATH を本格的に聴くようになる前から、SLAYER とかにハマってた。ある友達がリハビリ施設に入って、入る前よりひどい状態で出てきたんだ。タバコも吸ってたし、そいつが13歳の俺に BLACK SABBATH を聴かせてくれたんだ。でも、一度サバスにハマったら、もう止まらなくなった。ボロボロのブルージーンズに、ダサいVansのスニーカーを履いて、スケートボードで街を滑りながら “Kill ‘Em All” を聴いてたよ。BLACK FLAG, CIRCLE JERKS, BAD BRAINS…それに COC も観に行ったんだ。近所にパンク・ロックのクラブがあったから、夜中にこっそり家を抜け出して、4ブロック歩いてライブを見に行ってたよ。同時に、近所にはダサいヒゲを生やした年配のマリファナ中毒の連中がいて、Robin Trower とかを聴いてたんだ。俺もそういうのにハマったんだよ」
初めてギターを手にしたのはいつだったのでしょう?
「14歳くらいから弾き始めた。パット・ザ・ラットっていう友達がいたんだ。あいつは完全な赤毛の不良だった。ボロボロのオフロード・バイクで警察から逃げようとして、バイク事故で死んだんだ。ミシシッピ川の堤防のところで、ケーブルが張ってたんだけど、それに気づかずに突っ込んでしまったんだ。とにかく、あいつはギターを弾いていて、葬式とか色々あった後、俺と友達はこっそりあいつの家に忍び込んでギターを盗んだんだ。あいつの母親はギターをどうするつもりもなかっただろうし、パット・ザ・ラットも俺たちに持って行ってほしかっただろうから」
ニュー・オーリンズ育ちの Pepper にとって、音楽はまさに避けては通れない道でした。
「ああ、そうだよ。ニュー・オリンズには、音楽がどこにでもある。俺の住んでるところから3ブロック先に、最高にイカした音楽クラブがあるんだ。ニュー・オーリンズは奇妙な街で、高校時代はフットボール部に入るよりバンドに入ってる方がカッコいいんだ。子供の頃は、パンク・ロックのギターでも弾いてたけど、近所の奴が今まで見たこともないくらいギターが上手くて、まるでバナナの木を切り倒すみたいに、あっという間にやられちゃうんだ。ここでは常に謙虚さを教えられる。あいつらは金持ちでも有名人でもないけど、音楽では食われちまう。ミシシッピも同じだよ。ああいう世界で育つと、すぐに謙虚さを教えられるんだ」

COCのファンからどうやって、バンドのメンバーになったのでしょう?
「1985年のセカンドアルバム “Animosity” は、僕が今まで聴いた中で最も素晴らしいレコードの一つだった。今でもそう思っている。あれは、僕が今まで聴いたどのバンドよりも、パンク・ロックとメタルをうまく融合させた、まさにゲーム・チェンジャーだった。僕は当時、ニュー・オーリンズで GRAVEYARD RODEO というクールなバンドをやっていて、ちょっとしたシーンを作っていたんだ。超DIYなパンク・ロックだったよ。そんな時にCOCの話が持ち上がって、誰かがオーディションを受けてみたらどうかと勧めてくれたんだ。あとはもう歴史って感じだよね」
Pepper の加入はCOCがブレイクし始めた頃のことでした。若い頃、これから成功していくバンドに所属するのはどんな感じだったのでしょう?
「バンドをやっていたのは最高だったよ。スケートボード・ショップで働いてたんだけど、オーナーがめちゃくちゃクールだったんだ。ツアーにも行けたしね。24時間使える練習場所もあったから、そこでギターに集中できた。Reed は24時間ドラムを叩いてたしね。みんなで音楽を聴きながら、24時間ぶっ通しで演奏してた。CORROSION OF CONFORMITY はまさにバンドだった。みんな手がちぎれるまで演奏してたんだ。最高だったよ。俺が知ってる中で一番ヤバいドラマー、Reed と一緒にギターを弾いて、毎日毎日ヘッド・バンギングしてたんだ。最高だったよ」
1994年のアルバム “Deliverance” から、サバス風のサザン・ロック路線が始まりましたが、同世代の人たちの反応はどうだったのでしょう?
「決定的な瞬間は、”Deliverance” のリードシングル “Albatross” を発表した時だった。あの曲で、昔のシーンの連中から、まるで睨みつけられたみたいになった。売れたって思われたんだろうけど、僕たちにとっては、あれこそがパンク・ロックそのものだった。”お説教はもういいよ!” って、はっきりとしたメッセージを送ったんだ。でも、相変わらずダーティバッグ、パンク、メタル・ヘッズ、何でもいいけど、僕たちは変わらなかった。もうスカダンスを踊ったり、ぐるぐる回ったりする必要はなかったけど、エネルギーは確かにあったし、すごく刺激的な時代だった。”Deliverance” はその一部だった。最初はインディーズ・レーベルで制作していたんだけど、それがコロンビアに買収されたんだ。それで、突然俺たちはマディソン・アベニューの50階にある、象牙の塔みたいなビルにいて、”一体どういうことだ?” って感じだった。彼らは “アルバムを完成させろ” って言ったんだ。”どこで録りたい?” と聞かれたので、ヘンドリックスのスタジオ、エレクトリック・レディと答えた。そしたら、そこに2ヶ月間も滞在させてもらえたんだよ!数ヶ月前まではクイーンズのスタジオの床で寝泊まりしていたのに、突然そこにいて、経営者のメアリーという女性が、ヘンドリックスが “If 6 Was 9” で使ったアンプを持ってきて、ソロを弾かせてくれたんだ!」

その後、1996年にアルバム “Wiseblood” をリリースし、数年間 METALLICA とツアーを回りました。
「正確な時期は覚えていないけど、METALLICA は “The Black Album” が1000万枚売れたので、ニューヨークでパーティーを開いていた。それで、Reed と知り合いの女性がいて、その知り合いが僕と彼を招待してくれたんだ。ある時、僕がバーにいたら、突然 James Hetfield が僕と Reed のところにやってきて、”おい、お前ら、本当にいいレコードを作ったな” って言ったんです。僕は “マジかよ!” って思ったね。それで James に “僕たちは君の真似をしようとしたわけじゃない。ただ君がクールだと思うようなレコードを作ろうとしただけなんだ” って直接言ったんだ。そしたら彼はすぐに理解してくれたよ。
その数年後、彼らは僕たちをオープニングアクトに選んでくれたんだ。すごく嬉しかったね。それからロンドンでシークレット・ライブがあって、僕たちにオープニング・アクトをやってほしいって言われたんだ。信じられない話だよ。それから “Wiseblood” のアルバムを出して、ワールドツアーに誘われた。3年間ツアーに出て、その中の瞬間はどれも最高に素晴らしかった。めちゃくちゃ楽しかったよ。
僕のギターの1本は、ツアー中に James が作ってくれたんだ。僕たちのギターがひどい状態だったからね。彼は “こんなギターじゃツアーにはもたないよ。チューニングがすぐに狂っちゃう” って言ってた。それで、僕たちのお気に入りのギター、ギブソンSGを日本に送って、コピーを作ってもらったんだ。すごいよね。3本も作ってくれたから、3年間のツアーを乗り切れたんだ。全部彼のおかげだよ。今でもそのギターを使ってるし、Woody は今でも毎ライブで使ってるよ」
Jason Newsted が脱退した後、METALLICA のベーシストのオーディションに呼ばれた話は有名です。
「すごかったよ。前に彼らと演奏したことはあったし、LYNYRD SKYNYRD の “Tuesday’s Gone” のカバーでバック・コーラスもやったことがあった。でもその時はすごかった。James から電話がかかってきて、必ずしも最高のプレイヤーじゃなくてもいい人が欲しいって言われたのを覚えてる。当時から僕はファンとして METALLICA を見ていて、だから自分が METALLICA に何をしてほしいかを考えていた。まず最初に、オリジナルのロゴを復活させて、あの世界観に戻って、”Master Of Puppets” みたいなことをやりたかった!ガレージに戻ってね。スタジオに入ってリハーサルをした時のことを覚えてるよ。最高だった。でもそこに Robert Trujillo が入ってきて、”うわぁ、やばい…” って思ったんだ。でも全ては理由があって彼らにとってはうまくいった。全て良かったよ。すごく楽しかった」

当時 Pepper は、DOWN と COC の両方でかなり忙しく活動していました。
「そうだね。不思議なことに、90年代には “Deliverance” と(DOWN のデビュー作)”NOLA” が同じ年にリリースされたんだけど、今また同じ状況なんだ。DOWN のニューアルバムが完成して、今ミックス作業中だからね。前作と同じような感じなら、いい感じになるだろうな」
DOWN が HEAVEN & HELL とツアーを行い、Tony Iommi が Pepper のリフを気に入ってくれたのは彼にとって大きな出来事でした。
「あの出来事全体がものすごく強烈だったよ。彼らの前座を務められたなんて、本当に素晴らしい経験だった。だって、彼らのサウンドチェックを見ているだけで、もうひざまずいてしまうくらいだったんだから。オーストラリアかどこかの巨大なアリーナで、俺と Jimmy だけでバリケードに立って、彼らのサウンドチェックを見ていたんだ。もう頭がおかしくなりそうだったよ。彼らのそばにいるだけで、もう信じられないくらいだった。ある日、サウンドチェックで Tony のギターを彼の機材を通して弾かせてもらったんだ!それから、飛行機に乗る前に空港のバーで Dio に会って、一緒に座って酒を飲みながら、魔法使いとかドラゴンとか話したりしたよ。彼は最高だった。Dio は間違いなく最高の男だった。彼の歌声を聴いていると…本当に最高だったよ」
自分のバンド活動以外にも、Pepper はバーを経営しています。
「ル・ボン・タン・ルールだ。音楽バーなんだよ。とんでもない話を聞かせてやるよ。毎週木曜の夜に演奏するバンドがいるんだ。The Soul Rebels っていう。ブラス・バンドで、一人がアップライトのキックドラムを叩いて、残りはホーンを山ほど重ねてる。世界中で演奏してるんだけど、うちのバーが彼らのホーム・グラウンドなんだ。いつでもジャムセッションできるんだよ。
ある日、店に行ったら、彼らが昼間からリハーサルしてて、METALLICA の曲を演奏してたんだ。”一体何やってんだ?” って思ったよ。それからしばらくして、METALLICA の30周年記念でカリフォルニアのフィルモアに飛んで行ったんだ。METALLICA と一緒に “Tuesday’s Gone” を演奏するためさ。着いてホテルのロビーに入ったら、なんと俺のハウスバンド、The Soul Rebels がそこに立ってたんだ。クソッタレの James はイギリスの番組で彼らを見て、このショーのバンドの合間に彼らを出演させたいと思ったんだ。俺が彼らを知っていることすら知らなかったんだよ!」

COC に在籍して40年近くになりますが、その間にも様々なメンバーの入れ替えがありました。今となっては、HAWKWIND のように、メンバーよりもバンド自体が大きな存在になっているように思えます。
「このアルバムを作っている時、Woody とビールを飲みながら何度もその話をしたんだよな。時々、バンドという枠を超えているような気がするよ。もはや思考の流れ、あるいは姿勢のようなものだよな。個々のメンバーの総和よりも大きい。COC という存在自体が、独自の生命を持っているように感じるんだ。まさにアティテュードそのものなんだ。僕たちはそういう風に捉えているよ」
今後1年ほどで2つのバンドから2枚のニューアルバムをリリースする Pepper。何が彼を今も音楽へと駆り立てているのでしょうか?
「一番大切なのはクリエイティビティ。何かを作るのが好きなんだ。自分に挑戦するのが好きなんだよな。給料のためじゃないよ。6通りの方法でお金を稼いでいるから、お金は気にしていない。好きなのは、創造すること、つまり何もないところから、何の参考資料も何もないところから、このアルバムのようなものを作り出すことが、クールで挑戦的だということ。あれは僕と Woody の頭の中から生まれた。それだけなんだ。
それに、音楽を演奏するのが好きなんだよ。飽きたことは一度もない。仕事みたいになってしまう時もあるだろうし、あるいは、文句を言い始めることもあるだろう。でも、自分が何で文句を言っているのか、よく考えるべきだよ。僕は何も当たり前だとは思っていないからね」
もうすぐ59歳の誕生日を迎える Pepper。今ではパンクを演奏するよりも、サバス風の楽曲がよく似合います。
「それはずっと昔、DOWN が “NOLA” のアルバムを作っていた頃に話していたことなんだ。”これはいいぞ。僕たちはこのバンドで年を取ってもやっていける。60歳になってもステージで頭をぶつけているわけにはいかないだろう” ってね。ほら、どうなったと思う?こうして今、僕たちはここにいるんだ…」

参考文献: REVOLVER :CORROSION OF CONFORMITY’S ‘BAAD MAN’: PEPPER KEENAN BREAKS DOWN “THE FUNNEST RECORD WE’VE EVER DONE”

KERRANG! :“I stole my first guitar from my dead friend’s house. He’d have wanted me to have it”: How Pepper Keenan became a metal lifer

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WIDEK : ENTRANCE INTO ETERNITY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH WIDEK !!

“I’ve always loved calmer parts in metal music. Back in 2010 I listened a lot of djent precursors and post-rock bands and I was like: Hey! I love heavy riffs and I love ambienty post-rock clean guitars. Let’s mix this!”

DISC REVIEW “ENTRANCE INTO ETERNITY”

「僕は常に Djent の単調さや類似性を避けようとしてきたんだ。当時多くの曲は “0-0-0” というリフ構成と、同じようなメロディーやパターンに基づいていたからね。だから、同じようなサウンドのバンドが多すぎたという理由で、Djent の人気が衰えた理由も理解できるよね。残念ながら、メタルコアというジャンルでも同様のことが起こっていた。もちろん、今でもトップレベルで活躍している Djent バンドはたくさんあり、僕の大好きなバンド (PERIPHERY) もその一つだよ!」
00年代末期から10年代の中盤まで、Djent は大きなムーブメントとしてヘヴィ・メタルを牽引していました。もともと、MySpace やネットの掲示板から火がついたナードでアンダーグラウンドなリズムとシュレッドの実験は、その多くが “ベッドルーム・ミュージシャン” で、プロモーションやリリースも大半が DIY で行うという、まさに SNS 時代の到来を感じさせる刹那の煌めきでした。
しかし、その “誰にでも参加できる” というムーブメントの性質は、多くの才能を輩出すると同時に、シーンを飽和させ、同じような音楽が乱立することによって衰退への道を歩むことにもつながったのです。とはいえ、もちろん Djent の代名詞であったあの重低音とポリリズミックな響きは今でもメタル・リフのそこかしこで輝きを放っていますし、何よりも真に才能あるアーティストはムーブメントの浮き沈みにかかわらず活動を続けています。
シーンの先駆けとなった PERIPHERY, ANIMALS AS LEADERS, TesseracT、そして Plini, Sithu Aye, Owane, Jacob Zytecki, David Maxim Micic…彼らには人智を超えた超絶技巧はもちろん、類稀なる個性も備わっています。ポーランドの Widek もそんなひとつの才能。
「僕はメタルの中の落ち着いた静かなパートが昔から大好きなんだよ。2010年頃、Djent の先駆けやポスト・ロックをたくさん聴いていて、”ヘヴィなリフも好きだし、アンビエントなポスト・ロックのクリーン・ギターも好きだ。これをミックスしてみよう!” って思ったんだよね。新しいジャンルではないのは分かっていたけど、当時はヘヴィでありながら落ち着いた/アンビエントなインストゥルメンタル・バンドはあまり多くなかったからね。個人的には、その方がずっと退屈じゃないと思うんだ。そして、その試みは大成功だった。誰かが僕の最初のEPを YouTube にアップロードしてくれて、最初から人気が出たんだよね!」
当時 Bandcamp の “Djent” タグをせっせと漁っていた人間で、WIDEK の名を知らない者はいないでしょう。そしてたしかに、彼の音楽は異端で、斬新で、雄弁でした。細分化と多様化が進むモダン・メタル勇躍の時を象徴するかのように、WIDEK はなんのためらいもなくメタルの重厚な技巧に、ポスト・ロックの繊細と静謐、夢見心地な壮大さ、そして幻想的で美しい世界観を組み合わせました。
重要なのは、WIDEK の音楽がいわゆる “ポスト・メタル” とはまた別のベクトルを向いていること。彼の盟友 Gru の手によるアートワークが示す通り、WIDEK の世界は宇宙と空間、次元の合間を行き来していて、だからこそ、プログレッシブで、まるで夜空を輝く星々のように息を呑むほど美しいのです。トレモロとクリーンが織りなす Djent の天の川。
「ギターは決して死んでいない。ソロ・ゲストの参加は僕の音楽の大きな部分を占めていて、曲に深みと多様性を加えてくれる。ギターソロなしでは Widek のアルバムを聴くことは不可能だと言っても過言ではないんだよ!」
同時に、彼の音楽にはシュレッドの夢が詰まっています。”Entrance into Eternity” “永遠への入り口” と名付けられたアルバムには、Gru, Sithu Aye, Morgan Thomaso, Paul Wardingham, Marco Sfogli, Bruno Henrique, Per Nilsson といった歴戦のギター勇士たちが馳せ参じ、AI 全盛の時代に人の手による驚きと興奮を存分に伝えてくれます。そう、これはギターという永遠に探索可能な “宇宙” への入り口でもあるのです。
今回弊誌では、WIDEK にインタビューを行うことができました。「僕は昔からSFや宇宙を題材にした作品が好きだったんだ!そんなロマンティックな場所から発する世界へのメッセージは、”言葉遣い、仕草、日々の選択において、お互いに優しくありましょう” というものだよ。優しい言葉一つが、誰かの1日、あるいは人生を変えることもあるからね。僕たちは、今他人がどんな困難に直面しているかを知るすべもない。だけど、一つだけできることがある。それは、優しくあること。敬意を払うことにお金はかからないけど、その意味は計り知れないんだよ」 どうぞ!!

WIDEK “ENTRANCE INTO ETERNITY” : 10/10

INTERVIEW WITH WIDEK

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【WIDEK】: Hi everyone!. I grew up listening to pop bands like Britney Spears, Backstreet Boys, Eiffel 65 etc. My friend had first introduced me to metal when I was 11-12 years old. He showed me Korn’s song called „Adidas”. When I listened to it for the first time, I hated it. It was so loud and „scary”to me, because I enjoyed soft melodies and pop tunes. Finally after a few forced listens (haha) I actually started to enjoy it! Later I listened to bands such as Metallica, Slipknot, System Of a Down and I loved it!

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【WIDEK】: やあ、みんな!僕はブリトニー・スピアーズ、BACKSTREET BOYS, EIFFEL 65などのポップ・バンドを聴いて育ったんだ。11~12歳の頃、友人が初めてメタルを紹介してくれてね。彼は KORN の “Adidas” という曲を聴かせてくれたんだけど、初めて聴いた時は大嫌いだった。ソフトなメロディーやポップな曲が好きだった僕にとって、それはとてもうるさくて “怖い” ものだったからね。でも、何度か無理やり聴かされた後(笑)、実際に楽しめるようになったんだ!
その後、METALLICA, SLIPKNOT, SYSTEM OF A DOWN みたいなバンドを聴いて、メタルが大好きになったんだ!

Q2: You are a great musician and guitarist, but what guitarist was your hero?

【WIDEK】: Thanks, actually I’ve never had any guitar heroes. I really admire guitarists such as Jon Petrucci, Steve Vai or Joe Satriani, but I’m a riff guy and can’t play guitar solos.

Q2: あなたは偉大なミュージシャンでギタリストですが、あなたにとってのヒーローはどんなギタリストでしたか?

【WIDEK】: ありがとう、実は僕にはギター・ヒーローがいないんだ。 John Petrucci や Steve Vai, Joe Satriani といったギタリストは本当に尊敬しているんだけど、僕はリフ派でギターソロは弾けないからね。

Q3: Poland has a strong image of black metal and death metal, but you were not involved in those scenes?

【WIDEK】: Correct – I play in different genre – post rock and djent aren’t too popular in Poland. I love the bands like Vader or Behemoth though!

Q3: ポーランドといえばブラックメタルやデスメタルのイメージが強いですが、そういったシーンとは無縁だったのですか?

【WIDEK】: その通りだよ。僕は別のジャンルで演奏しているからね。ポスト・ロックや Djent はポーランドではあまり人気がないんだよ。でも、VADER や BEHEMOTH のようなバンドは大好きだけどね!

Q4: You came out of the Djent movement, but you were clearly out of step with the rest of the artists, and your mix of heavy, technical guitar, post-rock and ambient music is truly one-of-a-kind, which is why you are still so popular even though Djent has gone down in popularity! Why did you decide to mix these two opposite elements?

【WIDEK】: Thanks! I’ve always loved calmer parts in metal music. Back in 2010 I listened a lot of djent precursors and post-rock bands and I was like: Hey! I love heavy riffs and I love ambienty post-rock clean guitars. Let’s mix this! I know it’s not a new genre, but back then there weren’t many instrumental bands that are heavy and calm/ambienty at the same time. It’s much less boring in my opinion. It was a success. Someone uploaded my first EP on youtube and it became popular from the very beginning!

Q4: あなたは Djent・ムーブメントから登場しましたが、他のアーティストとは明らかに一線を画していました。ヘヴィでテクニカルなギター、ポスト・ロック、アンビエント・ミュージックを融合させたあなたの音楽はまさに唯一無二で、だからこそ Djent の人気が衰退した今でもあなたはこれほど人気があるのでしょう​​。
なぜあなたは、この正反対の2つの要素を融合させようと思ったのですか?

【WIDEK】: ありがとう!僕はメタルの中の落ち着いた静かなパートが昔から大好きなんだよ。2010年頃、Djent の先駆けやポスト・ロックをたくさん聴いていて、”ヘヴィなリフも好きだし、アンビエントなポスト・ロックのクリーン・ギターも好きだ。これをミックスしてみよう!” って思ったんだよね。
新しいジャンルではないのは分かっていたけど、当時はヘヴィでありながら落ち着いた/アンビエントなインストゥルメンタル・バンドはあまり多くなかったからね。個人的には、その方がずっと退屈じゃないと思うんだ。そして、その試みは大成功だった。誰かが僕の最初のEPを YouTube にアップロードしてくれて、最初から人気が出たんだよね!

Q5: Djent, which was so popular, has now almost disappeared due to saturation and the proliferation of similar artists. Personally, I feel that it was a very significant movement in terms of the recognition of DIY and bedroom artists. How do you see your own relationship with the Djent movement?

【WIDEK】: I’ve always tried to avoid Djent repetitiveness and similarity. A lot of songs are based on a structure „0-0-0” riffs and same melodies/formula. I understand why Djent became less popular, because there were many bands that sounded exactly the same. Similar situation happened tothe metalcore genre. Of course there are plenty of djent bands that are still at the top and are one of my favourite bands!

Q5: かつて非常に人気を博した Djent は、シーンの飽和状態と類似アーティストの乱立により、今ではほぼ姿を消してしまいました。個人的には、DIY やベッドルーム・アーティストの認知度向上という点で、非常に重要なムーブメントだったと思っています。
あなた自身は、Djent ムーブメントとどのような関係性を築いてきたと考えていますか?

【WIDEK】: 僕は常に Djent の単調さや類似性を避けようとしてきたんだ。当時多くの曲は “0-0-0” というリフ構成と、同じようなメロディーやパターンに基づいていたからね。だから、同じようなサウンドのバンドが多すぎたという理由で、Djent の人気が衰えた理由も理解できるよね。
残念ながら、メタルコアというジャンルでも同様のことが起こっていた。もちろん、今でもトップレベルで活躍している Djent バンドはたくさんあり、僕の大好きなバンド (PERIPHERY) もその一つだよ!

Q6: You have pursued scientific and romantic themes such as space, dimension, and time. What message are you sending to the world with “Entrance into Eternity”?

【WIDEK】: I’ve always been interested in sci-fi and space genre! My message to the world is: Let’s be kind to each other―in our words, in our gestures, in our daily choices. Sometimes one kind word can change someone’s day, or even their life. We don’t know what another person is facing. But we can always choose one thing: to be kind. Respect costs nothing, but means everything.

Q6: あなたは、宇宙、次元、時間といった科学的かつロマンティックなテーマを追求してきました。 この “Entrance into Eternity” では、そこからどのようなメッセージを世界に向けて発信しているのでしょうか?

【WIDEK】: 僕は昔からSFや宇宙を題材にした作品が好きだったんだ!そんなロマンティックな場所から発する世界へのメッセージは、”言葉遣い、仕草、日々の選択において、お互いに優しくありましょう” というものだよ。優しい言葉一つが、誰かの1日、あるいは人生を変えることもあるからね。
僕たちは、今他人がどんな困難に直面しているかを知るすべもない。だけど、一つだけできることがある。それは、優しくあること。敬意を払うことにお金はかからないけど、その意味は計り知れないんだよ。

Q7: You have some great guitarists guesting on the album! Especially, people like Gru and Sithu Aye are heroes who have led the Djent movement together with you for many years. Some critics say that the guitar is dead, but this album shows that the guitar still has a lot of potential, would you agree?

【WIDEK】:

Q7: アルバムには素晴らしいギタリストがゲスト参加していますね! 特に Gru や Sithu Aye は、長年あなたとともに Djent ムーブメントをリードしてきたヒーローたちです。 “ギターは死んだ” という批評家もいますが、このアルバムはギターがまだ多くの可能性を秘めていることを示してくれていますね?

【WIDEK】: その通りだよ。ギターは決して死んでいない。ソロ・ゲストの参加は僕の音楽の大きな部分を占めていて、曲に深みと多様性を加えてくれる。ギターソロなしでは Widek のアルバムを聴くことは不可能だと言っても過言ではないんだよ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED WIDEK’S LIFE!!

Periphery “Periphery”

In Flames “Reroute to Remain”

Killswitch Engage “Alive or Just Breathing”

Korn “Untouchables”

Metallica “Black Album”

MESSAGE FOR JAPAN

Yes, I love watching anime and recently started reading manga. I’ve got many favourites in anime such as Attack on Titan, Chainsaw Man, Demon slayer and many more! I would love to visit Japan one day and feel the atmosphere. My friend visisted Tokyo last year and he was delighted!
To all my Japanese fans – thanks so much for the support and all your kind words! I plan to release a new album in October this year, fingers crossed! Stay safe!

日本のアニメを見るのが大好きで、最近は漫画も読み始めたんだ。アニメでは “進撃の巨人”, “チェンソーマン”, “鬼滅の刃” など、お気に入りの作品がたくさんあるんだよ!いつか日本に行って、その雰囲気を肌で感じてみたいな。友人が去年東京を訪れたのだけど、とても感動していたからね!
日本のファンのみんな、いつも応援と温かい言葉をありがとう!今年の10月にニューアルバムをリリースする予定なんだ。うまくいきますように!お元気で!

WIDEK

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EXXÛL : SEALED INTO NONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL TOUGAS OF EXXÛL !!

“I got this idea from Sortilège, a french band that has greatly inspired me. The song “Délire d’un fou” has a short moment like this and the first time I heard this solo, I couldn’t believe it! This song marks probably one of the greatest moments in heavy metal history in my book. Not only that, but I couldn’t believe more bands that came after them didn’t try this either.”

DISC REVIEW “SEALED INTO NONE”

「独自の音楽で故郷ケベック州を代表することが僕の使命だと考えているんだ。また、僕の活動を通して、音楽シーンを活性化させ、仲間や友人たちがそれぞれの個性を磨き、独自のサウンドを確立していくよう、刺激を与えたいと思っているんだ。こうした思いから、僕は “TSO”(The Stygian Oathの略)というレーベルを設立したんだ」
今、メタル世界で Phil Tougas ほど多忙かつ、才能溢れる人物は他にいないかもしれません。FIRST FRAGMENT ではシュラプネルに敬意を表したフラッシーなテクニカル・デスメタルを叩きつけ、ZEICRYDEUS では MANOWAR や RUNNING WILD をベースだけで演じきり、WORM では ENSLAVED がドゥームと契ったネクロマティックな音楽を披露。Phil の多才は TSO という自身の音楽を解き放つためのレーベルを立ち上げるにまで至り、今やケベックの、いやカナダ、もっといえば世界のメタルを牽引する場所にいます。
Phil がメタル世界で一目置かれているのは、その独特で斬新な古の音楽に対するリスペクトが故でしょう。多くの “モダンな” メタル・バンドが影響を受けている GOJIRA のような “メジャー” には目もくれず、Phil は多くのマニアにとって特別な、しかしナードなバンドを追い続け、創造的な音楽を作り続けています。
例えば、ZEMETH の Junya 氏が MAGO DE OZ や RATA BLANCA, DARK MOOR といったマニアックなバンドに対する愛情を隠さないその姿に、私たち真のメタル・オタクは心を動かされ、喝采を送ります。それは、彼が私たちと同じ熱量と時間をメタルに費やした “こちら側” の人間、本物である証明だから。メタルに対する深い知識と愛情は、そのまま絶大な信頼感へと置き換わります。そしてもちろん、Phil Tougas も同様に、”こちら側” の人間です。
「僕の目標はパワー・ドゥーム・アルバムを作ることだった。速いテンポと遅いテンポを組み合わせ、ダークでスローなリフの上に高揚感のあるボーカルとシュレッディングを乗せて、独特の音楽的コントラストを生み出したかった。多くの界隈でプログレッシブ・ドゥームと見なされている MEMENTO MORI や VENI DOMINE に影響を受けたとはいえ、このアルバムを必ずしもプログレッシブ・メタル・アルバムとは考えていないよ」
こちら側の人間だからこそ、Phil は EXXÛL でメタル史に残る傑作 “Sealed into None” を生み出せたのでしょう。驚くべきことに、このアルバムは、ドゥーム・メタルとプログ・パワーという、一見仄暗く遠い場所にある音楽が見事に融合した、古めかしくも斬新で、非常に稀有な作品です。Phil が言及しているように、あの素晴らしき MEMENTO MORI はもしかすると近い場所にいたかもしれません。とはいえ、FATES WARNING の迷宮と SOLITUDE AETERNAUS の陰鬱がブラック・メタルやダンジョン・シンセを経て、これほど濃密に美しく混ざり合えるなど、誰が想像したでしょう?
「”スキャット” のアイデアは、僕に大きなインスピレーションを与えてくれたフランスのバンド、Sortilège から得たんだ。”Délire d’un fou” という曲に、まさにこのような短いパートがあり、初めてこのソロを聴いた時は信じられなかったよ!この曲は、僕にとってヘヴィ・メタルの歴史の中でも屈指の名曲となった。それだけでなく、彼らの後に続くバンドがなぜこの手法を取り入れなかったのか、不思議でならないんだよ」
そのふたつを見事に繋いだのが、Phil の “GOAT” とも評される卓越したギター・シュレッドでしょう。WORM の作品に Marty Friedman を招いたように、彼のシュラプネルやシュレッドに対する愛情もまた本物。同世代の教科書通りのギタリストたちを置き去りにする、大胆不敵でヘヴィ・メロディックな Phil の魔法は、CRIMSON GLORY の Midnight を彷彿とさせる驚異のボーカル Thomas Karam の歌声とシンクロし、ダークな深淵からメタルのスキャットをお見舞いします。SORTILEGE を聴いたことのない奴は黙ってろ!真に信頼できるのは、そんな一見さんお断りでしかし絶品のグルメを提供する通な店なのかもしれませんね。”Painkiller” や “Into the Arena” みたいな有名曲ばかり上手に弾いて再生数だけ稼いでんじゃねえ!
今回弊誌では、Phil Tougas にインタビューを行うことができました。「僕は日本のメタルも大好きだよ。SABER TIGER が大好きでね。彼らのデビュー・アルバム “Invasion” は、僕にとって歴代最高のメタル・アルバムの一つなんだ。 Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns から GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris。それから Galneryus, X Japan, Skywings, Versailles といった過激なパワー・メタルまで、日本のメタルはほとんど好きなんだよ」21世紀最高のメタル・アルバムのひとつ。 二度目の登場。どうぞ!!

EXXÛL “SEALED INTO NONE” : 10/10

INTERVIEW WITH PHIL TOUGAS

Q1: I interviewed you previously for First Fragment, and since then you have released works in a variety of bands! It seems that you are involved in about half of the metal released from Canada! haha! Is your creativity really never ending?

【PHIL】: I am always inspired to write music. I am not able to write every day. I must maintain a balance between writing music, performing shows, rehearsing, teaching music, running my label and spending time with friends, family, my girlfriend as well as going to shows, doing photography or playing video games. But I try to be consistent. What drives me the most is to create music that differs from what is currently being done in my province of Québec. The scene here is strong but some bands sound very similar. It is my duty to represent my province with music that offers something unique. I also do this to push my scene forward and to motivate my colleagues and friends in the scene to develop their individual sound & do the same.
This is why I also created my label TSO, which stands for The Stygian Oath. The mission statement of this label is the same as what I described above. My bands Zeicrydeus, Exxûl, Atramentus, Chthe’ilist, First Fragment & DDT are all affiliated to this label. My bandmates’ bands Dissimulator & Incandescence also put out music on this label too. As such, TSO can be considered as a collective.

Q1: 以前、FIRST FRAGMENT でインタビューさせていただきましたが、それ以来、様々なバンドで作品を発表されていますね! カナダからリリースされるメタルの約半分に関わっているような感じですね!(笑) あなたのクリエイティビティは本当に尽きることがないのでしょうか?

【PHIL】: 僕は常に音楽制作への意欲に満ち溢れているからね。もちろん、毎日作曲できるわけではないよ。作曲、ライブ活動、リハーサル、音楽指導、レーベル運営、友人や家族、恋人との時間、ライブ鑑賞、写真撮影、ビデオ・ゲームなど、様々な活動のバランスを取らなければならないと思っているからね。それでも、できる限り継続するように心がけているんだ。
僕を最も突き動かすのは、故郷ケベック州で現在行われている音楽とは一線を画す音楽を生み出すこと。この地の音楽シーンは活気に満ちているけど、似たようなサウンドのバンドも少なくないからね。だからこそ、独自の音楽で故郷ケベック州を代表することが僕の使命だと考えているんだ。また、僕の活動を通して、音楽シーンを活性化させ、仲間や友人たちがそれぞれの個性を磨き、独自のサウンドを確立していくよう、刺激を与えたいと思っているんだ。
こうした思いから、僕は “TSO”(The Stygian Oathの略)というレーベルを設立したんだ。このレーベルの理念は、まさに前述の理念と同じ。僕の所属バンドである Zeicrydeus, Exxûl, Atramentus, Chthe’ilist, First Fragment, DDTはすべてこのレーベルに所属しているんだ。僕のバンド仲間が所属する Dissimulator と Incandescence もこのレーベルから作品をリリースしているよ。だから、TSOは一種のコレクティブ(集団)とみなすことができるだろうね。

Q2: Zeicrydeus was really great too! How did you come up with the outlandish idea of lead-based black metal influenced by Manowar and Running Wild?

【PHIL】: The idea came long ago. The first song I wrote for this band was in 2018 when I was still in Eternity’s End. It didn’t fit the band so I kept the song for a heavy metal side project alongside a 2nd song. I gave up on the idea quickly however, due to the near-absence of traditional heavy metal vocalists in my province. In 2024, I decided I wanted to release these songs. I wrote more songs in the same vein and I recorded Black Metal vocals on top of them. The combination of Greek Black Metal and 80s heavy metal influences felt appropriate for me, having grown up with both. I felt I also couldn’t allow myself to repeat old ideas so I decided to put the bass at the forefront, going as far as replacing my guitar solos by bass solos. No one in black metal except Necromantia & Mortuary Drape does this. I played bass in my school orchestra for 5 years and played gigs as a bassist in my teenage years so it was great to fall in love with bass again. My last recording to feature my bass playing was on Le Dernier Crépuscule which I recorded in 2015. I did the bass on Le Dernier Crépuscule at the last minute as a necessity. On La Grande Hérésie, I could take my time and make sure to write the best bass lines and bass solos possible. I was influenced heavily by Joey Demaio of Manowar, Jens from Running Wild, Steve Harris of Iron Maiden, Flint from Cirith Ungol, Wally Voss from Joey Tafolla’s former backing band, Billy Sheehan of Mr. Big & Derek from Heir Apparent.

Q2: Zeicrydeus も本当に素晴らしい作品を出しましたね! その、MANOWAR や RUNNING WILD に影響を受けた “リード・ベース” のブラックメタルという突飛なアイデアはどうやって思いついたのですか?

【PHIL】: このアイデアはずっと前に思いついたものでね。このバンドのために最初に書いた曲は、僕がまだ Eternity’s End に所属していた2018年のことだった。Eternity’s End には合わなかったので、2曲目と一緒にヘヴィ・メタルのサイドプロジェクト用に取っておいたんだ。だけど、僕の住む地域には伝統的なヘヴィ・メタルのボーカリストがほとんどいなかったから、すぐにこのアイデアを諦めてしまったんだ。
2024年、その時の曲をリリースしたいと思い、同じような曲をさらに書き、その上にブラックメタルのボーカルを録音していったんだ。ギリシャのブラックメタルと80年代のヘヴィ・メタルの影響の組み合わせは、両方と共に育った僕にとってまさに適切だと感じたよ。また、そうした古いアイデアを繰り返すことは許されないと感じたので、ベースを前面に出すことに決め、ギター・ソロをベース・ソロに置き換えることさえしていった。ブラックメタルで Necromantia と Mortuary Drape 以外にこれをやっているバンドはいないからね。
僕は学校のオーケストラで5年間ベースを演奏し、10代の頃にはベーシストとしてライブもやっていたから、再びベースに夢中になれたのは素晴らしい経験だった。それまで、ベースを演奏した最後のレコーディングは、2015年に録音した “Le Dernier Crépuscule” だった。”Le Dernier Crépuscule” では、やむを得ず土壇場でベースを演奏したんだ。”La Grande Hérésie” では、時間をかけて最高のベース・ラインとベース・ソロを作曲することができたね。
ベーシストなら、MANOWAR の Joey Demaio、RUNNING WILD の Jens、IRON MAIDEN の Steve Harris、CILITH UNGOLの Flint、Joey Tafolla の元バックバンドの Wally Voss、Mr. BIG の Billy Sheehan 、HEIR APPARENT の Derek から大きな影響を受けたよ。

Q3: I also like WORM’s “Necropalace” very much. What kind of music is Necromtic Black/Doom for you?

【PHIL】: Necropalace combines the extreme doom metal sensibilities of Disembowelment, Evoken & Dolorian with black metal like early Samael, Limbonic Art, Emperor, Odium, Abigor, Enslaved as well as gothic and 80s heavy metal influences. It is very easy to tell what inspired this album on the surface. However, a more attentive listen will reveal that these similarities are only at surface-level; we crafted our song structures in a completely different manner than the bands that inspired us. We drew more from classical music than anything else to create a more cinematic experience with each song. There is also a big shrapnel records era influence on this album much like First Fragment. In fact, the last song on Necropalace, titled Witchmoon, features Marty Friedman who did a guitar solo duel alongside me that goes on for nearly 3 minutes. A must-listen for all Marty Friedman and Cacophony fans.

Q3: WORM の “Necropalace ” もとても気に入っています。その WORM の二つ名である、”Necromtic Black/Doom” とはどんな音楽ですか?

【PHIL】: “Necropalace” は、Disembowelment, Evoken, Dolorian のようなエクストリーム・ドゥーム・メタルの感性と、初期のSamael, Limbonic Art, Emperor, Odium, Abigor, Enslavedのようなブラック・メタル、そしてゴシックや80年代のヘヴィ・メタルの影響を融合させた作品なんだ。
表面上は、このアルバムのインスピレーション源は容易に分かるだろう。しかし、より注意深く聴けば、そうした類似点はまさに表面的なものに過ぎないことに気づくはずさ。僕たちは、影響を受けたバンドとは全く異なる方法で楽曲構成を構築していった。各楽曲でより映画的な体験を生み出すために、何よりもクラシック音楽からインスピレーションを得ているんだよ。また、First Fragment と同様に、このアルバムには Shrapnel Records 時代の大きな影響も見られるよね。実際、”Necropalace” の最後の曲 “Witchmoon” では、Marty Friedman が僕と3分近くにわたるギター・ソロのデュエルを繰り広げているよ。Marty Friedman と CACOPHONY のファンは必聴だね。

Q4: Now let’s talk about Exxul. For me, this album is one of the best metal albums of the 21st century!In fact, I have never heard a progressive doom album with such a strong guitar shred! Was it a fusion of shred and doom that you were aiming for with Exxul?

【PHIL】: Right from the start, my goal was to create a power doom album. I wanted to combine fast and slow tempos with soaring vocals & shredding over dark slow riffs to create a unique musical contrast. I don’t see this album as necessarily a progressive metal album, even if I was inspired by Memento Mori & Veni Domine who are considered as progressive doom in many circles. Our songs are long, sure, but it’s mostly because we play slow and we like to build things up. One thing is certain however : we don’t always rely on typical song structures. Blighted Deity for example, was written around the melody that occurs at the start of the song. This melody shows up again in the three choruses, but in a different key. It also shows up again in the 2nd solo and in the first faster-paced riff of the song midway through, then one last time at the very end of the song. The song is centered around a central theme rather than a typical compact structure. However, this was not done to appear “progressive”. This type of songwriting is necessary to effectively fuse power and doom. The only way to make “power doom” that maintains cohesion through multiple tempo changes is to use recurring motifs that sound as good when played fast or slow. These changes must be given a proper build up, too. Hence the long songs. The same process is used in “Wall Of Endless Darkness. The super slow doom riff at the beginning of the song comes back as a fast galloping power metal riff during the 2nd half of the song.
There is also a strong black metal influence on this album from the synth sounds & use of timpani and harsher rhythm guitar tones to the use of the chromatic median in our chord sequences. As a result, Sealed Into None is darker than the average epic doom album..

Q4: では、EXXÛL について話しましょう。 私にとって、このアルバムは21世紀最高のメタル・アルバムのひとつです!実際、これほどギター・シュレッドの強いプログレッシブ・ドゥームの作品は聴いたことがありません! EXXUL で目指していたのは、シュレッドとドゥームの融合だったのですか?

【PHIL】: 最初から、僕の目標はパワー・ドゥーム・アルバムを作ることだった。速いテンポと遅いテンポを組み合わせ、ダークでスローなリフの上に高揚感のあるボーカルとシュレッディングを乗せて、独特の音楽的コントラストを生み出したかった。多くの界隈でプログレッシブ・ドゥームと見なされている MEMENTO MORI や VENI DOMINE に影響を受けたとはいえ、このアルバムを必ずしもプログレッシブ・メタル・アルバムとは考えていないよ。確かに僕たちの曲は長いけれど、それは主に僕たちがゆっくりと演奏し、物事を積み上げていくのが好きだからなんだ。それでも、一つ確かなことがある。それは、僕たちが常に典型的な曲の構成に頼っているわけではないということ。
例えば、”Blighted Deity” は、曲の冒頭に出てくるメロディーを中心に作曲されている。このメロディーは3つのコーラスで再び登場するけど、キーが異なるんだ。また、2番目のソロと、曲の中盤にある最初の速いテンポのリフにも再び登場し、最後の最後にもう一度登場する。この曲は、典型的なコンパクトな構成ではなく、中心となるテーマを中心に構成されているんだよ。しかし、これは決して “プログレッシブ” に見せるためではない。パワーとドゥームを効果的に融合させるには、このような作曲スタイルが不可欠なんだ。テンポの変化を幾度も繰り返しても一貫性を保つ “パワー・ドゥーム” を作る唯一の方法は、速くても遅くても同じように響く反復的なモチーフを用いることだからね。そうした変化には、適切な “盛り上げ” も必要だ。そのため、曲は長尺になってしまうんだ。
“Wall Of Endless Darkness” でも同様の手法が用いられているよ。曲の冒頭の超スローなドゥーム・リフは、後半で疾走感あふれるパワー・メタル・リフへと変化するからね。また、このアルバムにはブラック・メタルの影響も強く見られるんだ。シンセサイザーの音色、ティンパニの使用、より荒々しいリズム・ギターの音色、そしてコード進行における半音階のメディアンの使用などがその例だよ。結果として、”Sealed Into None” は一般的なエピック・ドゥーム・アルバムよりもダークな作品となっていると思う。

Q5: What’s great about you is that you never forget the influence of legendary and underrated bands while adding new challenges and modern colors to any band. For example, First Fragment would be Elegy, Zeicrydeus would be Manowar or Running Wild, Worm would be Crimson Glory, and Exxul would be Fates Warning, Warlord, or Solitude Aeternus…Is the fusion of the past and the present your life’s work?

【PHIL】: Yes, that’s a good way to put this. I proudly wear my influences on my sleeves and create new sounds all at once. The same could be said for all great bands of the past, however. Without Yngwie, Elegy wouldn’t exist. Without Hendrix, Uli Jon Roth and Ritchie Blackmore, Yngwie wouldn’t exist. Without Judas Priest, Running Wild wouldn’t exist or even have their name. Without Rush, Fates Warning wouldn’t exist. Without Black Sabbath, Solitude Aeturnus and all metal bands wouldn’t exist. And so on.

Q5: あなたの素晴らしいところは、伝説的でありながら過小評価されているバンドの影響を決して忘れず、同時に新たな挑戦と現代的な色彩を加えている点です。
例えば、First Fragment は Elegy、Zeicrydeus は Manowar や Running Wild、Worm は Crimson Glory、Exxul は Fates Warning、Warlord、あるいは Solitude Aeternus といったところでしょうか。過去と現在を融合させることが、あなたのライフワークなのでしょうか?

【PHIL】: そうだね、それは良い言い方だね。僕は自分の影響を受けたものを堂々と表に出しつつ、同時に新しいサウンドを生み出していると思う。でもそれって、過去の偉大なバンドすべてに言えることでしょ?
Yngwie がいなければ、Elegy は存在しなかったでしょう。Jimi Hendrix, Uli Roth, Richie Blackmore がいなければ、その Yngwie は存在しなかったでしょう。JUDAS PRIEST がいなければ、RUNNING WILD は存在せず、その名前すらなかったでしょう。RUSH がいなければ、FATES WARNING は存在しなかったでしょう。BLACK SABBATH がいなければ、SOLITUDE AETERNAUS はもちろん、すべてのメタル・バンドは存在しなかったでしょう。そんな例は、他にもたくさんあるよね。

Q6: One of the most wonderful moments in Exxul is when the vocals and guitar are in sync! Not many metal bands try something like this with “Scat”, where did you get the inspiration?

【PHIL】: I got this idea from Sortilège, a french band that has greatly inspired me. The song “Délire d’un fou” has a short moment like this and the first time I heard this solo, I couldn’t believe it! This song marks probably one of the greatest moments in heavy metal history in my book. Not only that, but I couldn’t believe more bands that came after them didn’t try this either.
When I met Thomas, our vocalist, I asked him what he thought of Sortilège, as his vocals reminded me of theirs. To my surprise, he hadn’t heard them before! Because Thomas’s range is so wide, and because we do not have a 2nd guitarist to harmonize my solos, I decided to ask him to harmonize my solos. It paid off, as I think this is one of the most unique aspects of Exxûl.

Q6: EXXÛL の最も素晴らしい瞬間のひとつは、”スキャット” のようにボーカルとギターがシンクロしている時です!このような試みを行うメタル・バンドはあまり多くありませんが、インスピレーションはどこから得たのですか?

【PHIL】: このアイデアは、僕に大きなインスピレーションを与えてくれたフランスのバンド、Sortilège から得たんだ。”Délire d’un fou” という曲に、まさにこのような短いパートがあり、初めてこのソロを聴いた時は信じられなかったよ!この曲は、僕にとってヘヴィ・メタルの歴史の中でも屈指の名曲となった。それだけでなく、彼らの後に続くバンドがなぜこの手法を取り入れなかったのか、不思議でならないんだよ。
ボーカルの Thomas に会った時、彼の歌声が Sortilège を彷彿とさせたので、Sortilègeについてどう思うか尋ねてみたんだ。すると驚いたことに、彼は Sortilège を聴いたことがなかったんだよ!Thomas の音域が非常に広いこと、そして僕のソロにハーモニーをつけてくれるセカンド・ギタリストがいないことを考えると、彼の歌でソロのハーモニーをつけることがしっくりきたんだよね。これが大成功で、EXXÛL の最もユニークな特徴の一つになったと思っているよ。

Q7: Dream Theater and Gojira began to win Grammy awards. In an age when listeners’ attention spans are so short and instant content is so easily consumed, why is music like your’s that is complex, long, and requires many practice beginning to be reevaluated?

【PHIL】: You just reminded me that I am so out of touch with mainstream metal bands of the current age. I don’t think I’ve even listened to one single Gojira song all the way through. I am aware we don’t fit the current industry’s norms, especially here in Québec, but I honestly don’t really think about it. Our songs ended up being long simply because we do like to play slow.

Q7: DREAM THEATER や GOJIRA がグラミー賞を受賞し始めた時代。
リスナーの集中力が短く、コンテンツが簡単に消費される現代において、複雑で長く、多くの練習を必要とする、あなたも含めたそうした音楽が再評価され始めているのはなぜでしょうか?

【PHIL】: 今改めて気づかされたけど、僕は今の主流メタル・バンドの動向には全く疎い。GOJIRA の曲を最初から最後まで聴いたことすら一度もないと思う。特にここケベックでは、僕たちが今の音楽業界の常識に合わないことは自覚しているけど、正直あまり気にしていない。僕たちの曲が長くなるのは、単純にゆっくり演奏するのが好きだからなんだ。

Q8: I feel that there now exists an important role for metal fantasy as an escape from the dark world. I believe that Japanese anime and video games, and music also play such a role. You are really knowledgeable about metal and music, so much, but is there any influence from Japanese culture and music?

【PHIL】: I am a big fan of Fromsoft’s works. Their video games are very fun and immersive, but more importantly, they have taught me about perseverance & discipline in a new, interesting way. These games are perhaps a reflection of a man that wanted to convey that it is possible to overcome seemingly impossible odds imposed by society.
Of course, I am a big fan of Japanese metal. I love Saber Tiger. Their debut album invasion is one of my all-time favorite metal albums. I like most Japan metal, from Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns to GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris and more over the top power metal like Galneryus, X Japan, Skywings & Versailles
My friends in Devilmaster also introduced me to Japanese hardcore punk. My conclusion is that Japanese punk bands make British & American punk bands sound like The Beach Boys.

Q8: メタル・ファンタジーは、暗い世界からの逃避手段として、今や重要な役割を担っていると感じています。そして、日本のアニメやゲーム、音楽も同様の役割を担っていると思います。あなたはメタルや音楽について非常に詳しいですが、日本の文化や音楽からの影響はありますか?

【PHIL】: 僕はフロム・ソフトウェアの作品の大ファンなんだ。彼らのゲームはとても楽しく没入感があるんだけど、それ以上に、忍耐力と規律について、斬新で興味深い方法で教えてくれるよね。そうしたゲームは、社会が課す一見不可能な困難、それを乗り越えることが可能だと伝えようとした誰かの意思を反映しているのかもしれないね。
もちろん、僕は日本のメタルも大好きだよ。SABER TIGER が大好きでね。彼らのデビュー・アルバム “Invasion” は、僕にとって歴代最高のメタル・アルバムの一つなんだ。 Anthem, Fast Draw, Loudness, Sex Machineguns から GISM, Funeral Moth, Corrupted, Viscera Infest, Anatomia, Coffins, Somnium De Lycoris。それから Galneryus, X Japan, Skywings, Versailles といった過激なパワー・メタルまで、日本のメタルはほとんど好きなんだよ。
Devil Master の友人たちも、僕に日本のハードコア・パンクを紹介してくれるんだ。僕の結論は、日本のパンク・バンドは、イギリスやアメリカのパンク・バンドをビーチ・ボーイズのように聞こえさせてくれるということだね。

PHIL’S PLAYLIST !!

I really recommend checking the latest Cryptic Shift album and the last Hexenbrett album. Otherwise, the recent works from Demon Bitch, Void (Lafayette), Fortress and the upcoming Concilium album are all very good releases. I also recommend keeping an eye on my fellow Québécois compatriots Noor & Bloodstone who will put out new albums soon.

Cryptic Shift の最新アルバムと Hexenbrett の最新アルバムはぜひチェックしてほしいね。その他にも、Demon Bitch, Void (Lafayette), Fortress の最近の作品や、近日発売予定の Concilium のアルバムも素晴らしいリリースだよ。また、同じケベック出身の Noor & Bloodstone も近々ニューアルバムをリリース予定なので、ぜひ注目してほしいな!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HEADLESS : TRANSITIONAL OBJECTS】GÖRAN EDMAN IS COMING BACK TO JAPAN 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GÖRAN EDMAN OF HEADLESS !!

“It’s difficult to highlight anything in particular but Kharma “Wonderland “ is definitely a pearl worth mentioning.”

DISC REVIEW “TRANSITIONAL OBJECTS”

「北欧の声なんて思ってはいなかったよ。スカンジナビア・メタルが特に日本で人気があることは知っていたけどね。実際は、当時影響を受けていたイギリスやアメリカのバンドのサウンドを真似て、それを模倣しようとした結果、僕らの色が加わって副産物としてスカンジナビア・メタルのサウンドが生まれたんだよね」
北欧の声。本人がどう思おうとも、私たちにとってそれは、Joey Tempest であり、Tony Harnell (アメリカ人ですが) であり、そして Göran Edman でした。北欧の厳粛で荘厳で美麗な雰囲気をそのまま声に宿らせたかのような彼らの歌唱は、そして陰りのあるクラシカルな響きをギターに込めたシュレッダーの音の葉は、特に当時の日本人の心を打ち、北欧メタルというひとつの素晴らしきジャンルを作り上げました。
中でも、様々なバンドを渡り歩き、幾多の名作を生み出してきた Göran は、北欧メタルと同義であり、その創設者ともいえる存在でしょう。MADISON に始まった Göran の旅路は、John Norum, TALISMAN という偉大な場所に立ち寄りました。特に、John Norum の “Total Controll”、あのメランコリックな恍惚が北欧メタルの原点のひとつとなったことはたしかでしょう。
「Yngwie と共演したあの数年間は、色々な意味で波乱万丈だったけど、そこから多くのチャンスが生まれたことに感謝しているんだ。一番良い思い出は、おそらく “Eclipse” のプリ・プロダクション、レコーディング、そして最終プロモーションに関することだろうな。”Fire & Ice” の時代は、首に縄をかけられているような気分で、衝突も多かったからね。でも、どちらのアルバムにも、僕なりのハイライトがあるんだよ」
Göran のキャリア、そのハイライトはあの Yngwie Malmsteen との共闘でしょう。共闘と書きましたが、実際のところ、なぜかリード・シンガーを毛嫌いし敵視するマエストロとの仕事は簡単ではなく、むしろバンドにいること自体が恐闘と呼べるような状況だったようです。
ただし、Göran の声と Yngwie の音楽、その相性は素晴らしく、オール・スウェーデンで臨んだ “Eclipse”, “Fire & Ice” は北欧メタルの教科書として今や多くの人に溺愛されています。実際、”Eclipse” のダークでしかし煌めきに満ちた皆既日食の景色や、”Fire & Ice” のバラエティに富んだ一級品の旋律たちも、Göran の狂おしいまでの情歌によって北欧メタルのマイルストーンとなりました。
「これまで様々なプロジェクトやバンドに参加し、ゲスト出演なども行ってきたよね。そうしたボーカルのほとんどは、自宅スタジオで録音したものなんだ。ジャンルも多岐にわたるね。特に何かひとつを挙げるのは難しいけれど、KHARMA の “Wonderland” は間違いなく特筆すべき作品だと思うよ」
Yngwie と別れて以降、Göran はその才能をより幅広く開花させていきました。理想的な北欧メタルから GLORY が辿った変遷はそのまま、Göran の行く道を暗示していたのかもしれません(“Positive Bouyant” とか “Wintergreen” とか今聞くと素晴らしいですよ)。Göran の優しくソフトな歌声で人気を博した STREET TALK, プログレッシブ・サイドを探求した KARMAKANICK, そして何より Göran 自身が特別だと語る KHARMA の “Wonderland”。まるで QUEEN と STYX が北欧で出会ったかのような珠玉の一品は、アルバム1枚で終わってしまったのがあまりにも惜しいまごうことなき傑作。
そうして自然に歳を重ね、69歳となった今、Göran は HEADLESS というスーパー・バンドで本当に久々の来日を果たします。ELEGY や Neil Zaza のメンバー擁するバンドは、丁寧にプログレッシブなハード・ロックを作り上げ、Göran の今をしっかりと伝えてくれます。誰も年齢に逆らうことはできません。しかし、年齢に逆らわず、人生を抱きしめ、今の自分を抱きしめながら愛する音楽を続ける Göran の声に、私たちはロックの真髄を見るはずです。
今回弊誌では、Göran Edman にインタビューを行うことができました。「69歳という年齢になると、当然だけど音域も以前とは違ってくる。原曲からあまり大きく音程を変えてしまうと、僕の声の特徴が変わってしまい、ファンの人たちにも受け入れられないかもしれないし。以前、カバーのオファーをもらったこともあったけど、丁重に断ったんだよね。HEADLESS のセットリストに Yngwie のカバー曲が含まれている可能性はあるけど、それは例外的なケースなんだ」 どうぞ!!

HEADLESS “TRANSITIONAL OBJECTS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH GÖRAN EDMAN

Q1: It has been a really long time since you last performed in Japan! Your fans in Japan have been waiting for your return for a long time! How do you feel now?

【GÖRAN】: I’m looking forward to be back . My first time was with Madison which seems like ages ago.
I can’t really relate to that person today. A lot of water has flown under the bridges. 40 years is a long time and of course …All we can be certain about is that with time comes change.
To the better or/ and to the worse depending on what you take into consideration. I might not be as cute 😅 or mobile but I’m certainly wiser if I may say it myself.

Q1: 日本での最後のライブから、本当に長い時間が経ちましたね! 日本のファンはあなたの帰還をずっと待っていましたよ! 今のお気持ちはいかがですか?

【GÖRAN】: 日本に戻るのが楽しみだよ。初めて日本に行ったのは MADISON で、本当にもうずいぶん昔のことのように感じるね…。
今の僕は、当時の自分にあまり共感できないんだよね。ずいぶん時間が経って、たくさんのことが通り過ぎていったからね。40年というのは実に長い年月だし、もちろん…人生で確かなのは、時が経てば変化が訪れるということだからね。
良い方向にも悪い方向にも、変化は訪れる。何を良しとするかによるんだろうけど。だから、以前ほど可愛く 😅 もなければ、機敏にも動けないかもしれないけど、自分で言うのもなんだけど、間違いなく賢くはなったよね。

Q2: I think your most famous work is still the Yngwie era, but did you know that “Eclipse” and “Fire & Ice” are now being greatly reevaluated in Japan, and many people are calling them Yngwie’s masterpieces? Which of the two albums do you like better?

【GÖRAN】: I didnt know that and of course I’m honoured but in the end of the day it’s all a matter of taste when it comes around. I’m grateful for the opportunities that came out of those years performing with Yngwie even though they were turbulent in many ways. My most positive memories are probably related to the pre-production, recordings and the final promo for Eclipse. During “ The fire and ice” era I felt more like I had a rope around my neck and there were more conflicts. Both albums have highlights in my opinion.

Q2: あなたの最も有名な作品はやはり Yngwie 時代のものだと思いますが、”Eclipse” と “Fire & Ice” が近年日本で再評価され、多くの人が Yngwie の最高傑作と呼んでいることをご存知ですか? あなたはどちらのアルバムが気に入っていますか?

【GÖRAN】: 知らなかったし、もちろん光栄だけど、結局のところ、そういう時は好みの問題だよね。Yngwie と共演したあの数年間は、色々な意味で波乱万丈だったけど、そこから多くのチャンスが生まれたことに感謝しているんだ。
一番良い思い出は、おそらく “Eclipse” のプリ・プロダクション、レコーディング、そして最終プロモーションに関することだろうな。”Fire & Ice” の時代は、首に縄をかけられているような気分で、衝突も多かったからね。でも、どちらのアルバムにも、僕なりのハイライトがあるんだよ。

Q3: Back then, when people thought of “Scandinavian voices”, they thought of you and Joey Tempest. Were you conscious of the clear transparency and Scandinavian-ness that resided in your voice?

【GÖRAN】: No, I can’t say I was aware of that . I knew or was aware of that Scandinavian metal was very popular in Japan especially.
Actually we all wanted to sound like and copy the English and American bands that we were influenced by at the time and the result became the Scandinavian metal sound as a side effect.

Q3: 当時、”北欧の声” といえば、あなたと Joey Tempest が思い浮かんだものです。あなた自身は声に宿る、澄み切った透明感と北欧らしさを意識されていたんですか?

【GÖRAN】: いや、意識していなかったよ。スカンジナビア・メタルが特に日本で人気があることは知っていたけどね。
実際は、当時影響を受けていたイギリスやアメリカのバンドのサウンドを真似て、それを模倣しようとした結果、僕らの色が加わって副産物としてスカンジナビア・メタルのサウンドが生まれたんだよね。

Q4: Incidentally, Yngwie has been singing by himself recently because he is fed up with the “lead singer disease”. What do you think about the “Yng-way? Do you listen to his music these days?

【GÖRAN】: No I haven’t followed his recent career that much … more than accidentally stumbling over some posts on social media platforms and fan club sights etc . I don’t know what he means with the lead singer disease but I can guess. He has always had a narrow perspective on reality centered around himself. I can only speak for myself . I have never claimed any publishing rights or credits for something I didn’t contribute with personally . Just the fact that he is the artist doesn’t mean that he’s above the law and owns others artistic creativity whenever it’s requested as long as it’s not specified in the employment contract . Besides I wrote a publishing agreement with Yngwie that we both signed and agreed upon regarding titles and percentual split. It’s all there in black and white.

Q4: ちなみに、Yngwie は最近 “リードシンガー病” にうんざりして、自ら歌っているそうです。この “イング-ウェイ” についてはどう思いますか? 彼の最近の音楽を聴いていますか?

【GÖRAN】: いや、彼の最近のキャリアをそれほど追ってはいないよ…SNS やファンクラブ・サイトなどで偶然いくつかの投稿を見かけたくらいでね。
リードシンガー病という言葉で彼が何を言いたいのかはわからないけど、まあ推測はできるよ。彼は常に自分を中心とした狭い価値観、現実観を持っていたからね。まあ僕は自分のことについてしか話せないけど。ただ、僕は個人的に貢献していないものについて出版権やクレジットを主張したことは一度もないんだよ。彼が “アーティスト” であるという事実だけでは、彼が法律を超越することはできないんだ。
雇用契約に明記されていない限り、いくらボスだからっていつでも他人の芸術的クリエイティビティを所有できるわけではないんだよね。それに、僕は Yngwie と出版契約書を作成し、タイトルとパーセンテージの分配について両者が署名して合意していたんだ。すべて白黒はっきりしているんだよ。

Q5: On the other hand, Yngwie has in recent years shown his dislike for lead singers whodo performances using Yngwie songs of the time. You don’t seem to have any live shows where you do Yngwie songs, why is that?

【GÖRAN】: It’s outdated and besides, I’m not very nostalgic about the past. I don’t think I could give them any justice today. The Malmsteen songs.
My range is naturally not the same at the age of 69 . Transposing them too much would change the characteristic of my voice and perhaps not be appreciated by the fans. I had offers to do it that I politely turned down .
Could be that there’s been some Malmsteen covers included in a set list with Headless but that’s an exception from the rule.

Q5: 一方で、Yngwie は近年、自分が歌っていた当時の彼の曲を使ってパフォーマンスをするリードシンガーを嫌っていることを明らかにしています。
あなたは Yngwie の曲を演奏するライブを全く行っていないようですが、それはなぜなんですか?

【GÖRAN】: 正直時代遅れだし、それに僕は過去にあまりノスタルジーを感じるタイプじゃないんだよね。まあ今の僕には、Yngwie の曲を正しく歌いこなす自信もないしね。
69歳という年齢になると、当然だけど音域も以前とは違ってくる。原曲からあまり大きく音程を変えてしまうと、僕の声の特徴が変わってしまい、ファンの人たちにも受け入れられないかもしれないし。以前、カバーのオファーをもらったこともあったけど、丁重に断ったんだよね。
HEADLESS のセットリストに Yngwie のカバー曲が含まれている可能性はあるけど、それは例外的なケースなんだ。

Q6: Besides Yngwie, your career began with Madison and you continue to produce great work with great bands such as John Norum, Talisman, Glory, Brazen Abott, Karmakanic, Crossfade, and many others. Can you talk about a few of those albums that you particularly like?

【GÖRAN】: Yes there have been various projects and bands , guest performances etc past the years mostly recorded in my homestudio. Various genres .
It’s difficult to highlight anything in particular but Kharma “Wonderland “ is definitely a pearl worth mentioning.

Q6: Yngwie 以外にも、あなたのキャリアは MADISON から始まり、John Norum, TALISMAN, GLORY, BRAZEN ABOTT, KARMAKANIC, CROSSFADE など、数々の素晴らしいバンドと素晴らしい作品を生み出し続けています。
特に気に入っているアルバムをいくつか教えていただけますか?

【GÖRAN】: そうだね、これまで様々なプロジェクトやバンドに参加し、ゲスト出演なども行ってきたよね。そうしたボーカルのほとんどは、自宅スタジオで録音したものなんだ。ジャンルも多岐にわたるね。
特に何かひとつを挙げるのは難しいけれど、KHARMA の “Wonderland” は間違いなく特筆すべき作品だと思うよ。

Q7: One of the things I particularly like about your career is Street Talk. AOR, such as the catchy and beautiful Journey, is actually more your natural field than metal?

【GÖRAN】: Yes I agree. My voice has a more gentle melodic timber than the raw energy requested in Hard Rock and Metal . More space for choir arrangements. More production 😅

Q7: あなたのキャリアの中で私が特に気に入っているバンドの一つは、STREET TALK です。あのキャッチーで美しい JOURNEY のようなAORは、実はメタルよりもあなたの得意分野なのでしょうか?

【GÖRAN】: うん、そう思うよ。僕の声は、ハード・ロックやメタルで求められるような荒々しいエネルギーよりも、もっと穏やかでメロディアスな音色を持っているからね。AOR ならコーラスのアレンジにも余裕があるし、プロダクションも良いからね。😅

Q8: You are coming to Japan with Headless, a super band consisting of members of Elegy and Neil Zaza, Can you introduce Headless to your Japanese fans?

【GÖRAN】: Walter Cianciusi (now playing guitar with David Ellefson, co-founder of Megadeth) put the band together in 1996 and has been the driving force keeping it alive all these years.
But according to his words in a recent interview, the pro era of the band started with my entering the picture. We recorded the first songs together in 2011.
Headless is basically our way of bringing together all the elements of music we’ve always loved. We come from a progressive metal background, but we’ve never really wanted to limit ourselves to just one style. Our sound mixes progressive metal with hard rock and classic heavy metal, trying to keep things both technical and melodic at the same time.
We really enjoy working on complex guitar parts, dynamic rhythms, and strong vocal melodies. A lot of our songs have shifting structures, different time signatures, and plenty of room for expressive solos, but we always try to make sure the songs still have hooks and memorable moments.
Our influences come from both classic progressive bands and more modern metal artists, and over time we’ve tried to shape those influences into something that feels like our own identity. With every release we’re always trying to evolve a bit more, push our sound further, and keep the music exciting both for us and for the people listening.

Q8: 今回あなたは、ELEGY やNeil Zaza のメンバーで構成されるスーパーバンド、HEADLESS と共に来日しますが、日本のファンにこのバンドを紹介していただけますか?

【GÖRAN】: Walter Cianciusi(現在は MEGADETH の共同創設者 David Ellefson のギタリスト)は1996年に HEADLESS を結成し、長年にわたり原動力としてバンドを支え続けてきた。
最近のインタビューで彼が語ったところによると、プロとしてのバンドは僕が加入したことから始まったそうだよ。僕たちは2011年に最初の楽曲をレコーディングしたんだ。
HEADLESS は基本的に、僕たちが常に愛してきた音楽のあらゆる要素を融合させたバンドなんだ。僕らはプログレッシブ・メタルをルーツとしているけど、決して一つのスタイルに限定したくはなくてね。そのサウンドはプログレッシブ・メタル、ハード・ロック、そしてクラシック・ヘヴィメタルを融合させ、テクニカルさとメロディックさを両立させようとしているんだ。
僕たちは複雑なギターパート、ダイナミックなリズム、そして力強いボーカルメロディーを追求することを心から楽しんでいるよ。楽曲の多くは、変化に富んだ構成、様々な拍子、そして表現力豊かなソロのための十分な余地を備えているけど、同時に、キャッチーなフックと印象的な瞬間を必ず盛り込むように心がけているんだ。
僕たちの音楽は、クラシックなプログレッシブ・メタル・バンドと、より現代的なメタル・アーティストの両方から影響を受けていて、時間をかけてそうした影響を独自のスタイルへと昇華させてきた。リリースごとに、僕たちは常に進化を続け、サウンドをさらに高め、自分たち自身にとっても、そしてリスナーにとっても刺激的な音楽を作り続けようと努力しているよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED GORAN’S LIFE!!

I don’t know if any album ever changed my life but certainly made a deep impact on me as a listener and opened up my senses and interest . Hard to pick 5 albums only but well examples .
As a boy on my first stereo Beatles first album -64 “ A hard day’s night “ started my Beatles fever Later on in the 70’s I discovered progressive rock and started to follow bands in that genre.
Yes “ Close to the Edge “ was my introduction to that band . That led further to more albums and other bands in the same genre such as Genesis where…
“Selling England by the pound” got me hooked immediately after some listening . For me Peter Gabriel has always been an icon from a singers point of view as well as Jon Andersson . And from these bands to a more psychedelic form as I became more “ experimental “.
Pink Floyd And “ Dark side of the moon “ opened new senses for me . I can not separate it from “ wish you was here “
And then finally I discovered the world of Frank Zappa “ when I heard “ Over night sensation “ followed up by many more albums out of his rich discography .

人生を変えたアルバムがあるかどうかは分からないけど、リスナーとして僕に深い影響を与え、感覚と興味を広げてくれたアルバムは間違いなくあるね。5枚だけを選ぶのは難しいけど、いくつか例を挙げるよ。
少年時代、初めてステレオで聴いた THE BEATLES のファーストアルバム “A Hard Day’s Night”(1964年)がきっかけで、ビートルズ熱に火がついた。その後、70年代に入り、プログレッシブ・ロックに出会い、そのジャンルのバンドを聴くようになっていったんだ。
そう、YES の “Close to the Edge” が、僕にとってのプログレッシブ・ロックとの出会いだった。それがきっかけで、GENESIS など、同じジャンルの他のバンドのアルバムも聴くようになり、特に “Selling England by the Pound” は、聴いた瞬間に虜になったよね。僕にとって、ピーター・ガブリエルとジョン・アンダーソンは、シンガーとして常に憧れの存在だった。そして、こうしたバンドから、よりサイケデリックな音楽へと傾倒し、実験的な音楽を求めるようになっていったね。
PINK FLOYD の “狂気” は、新たな感覚をもたらしてくれた。これを “Wish You Were Here” と切り離して考えることはできないよね。そしてついに、Frank Zappa の世界に足を踏み入れたのは、”Over Night Sensation” を聴いた時だったね。その後、彼の豊富なディスコグラフィーの中から、さらに多くのアルバムを聴いていったんだ。

MESSAGE FOR JAPAN

I hope to see you there on Evoken festival . If the conflict in Iran will end soon that is… with escalating prizes on oil and gas as a consequence.

Evoken Fet で会えるのを楽しみにしているよ。イラン紛争がすぐに終結してくれたらいいんだけど…石油とガスの価格が高騰しているからツアーも大変だよ…。

GÖRAN EDMAN

来日公演の詳細はこちら。Evoken de Valhall Production

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【EXODUS : GOLIATH】


COVER STORY : EXODUS “GOLIATH”

“I’m Not Rich, But I Make A Living Playing Guitar, And That’s A Gift In Itself”

GOLIATH

EXODUS のスケジュールは恐ろしくタイトです。カナダでは MEGADETH, ANTHRAX と共演し、その後は KREATOR, CARCASS と合流してヨーロッパ・ツアーを行い、最後にアメリカに戻って SEPULTURA の最終ツアーに臨みます。しかし、Gary Holt はその多忙なメタル・ライフを誇りに思い、心から楽しんでいます。
「EXODUS にいることは俺の生き様なんだ。SLAYER と一緒にツアーをしていた時でさえ、EXODUSが恋しかった。とても恋しかったんだ。SLAYER が最後のライブをしたとき、俺はどデカい L.A. Forum で 2 夜連続ソールドアウト公演をしていたが、その2 か月後には、ドイツの怪しげな会場でクソみたいなシャワーを浴びていた。 でも、それが気に入っているんだ。最高だった。
俺はこの仕事が大好きなんだ。EXODUSは17歳の時に加入したバンドなんだ。5月で62歳になるけど、まだここにいる。このバンドに愛がないはずがない。たまに”モダン・メタルに影響を受けた”なんて古いバンドもいるけど、俺はモダン・メタルなんて聴かないし、今でも高校時代と同じようにNAZARETHとかAC/DCとかTHIN LIZZYとかSCORPIONSを聴いている。流行に興味がないからぜんぜん金持ちじゃないけど、ギターを弾いて生計を立てている。それ自体がどんな贅沢よりも幸せな贈り物だよ。金がないから引退なんてできない。働き続けなきゃいけない。でも、この仕事が大好きだから、働くことは苦にならないんだ」
愛する仕事を続けるために、体調管理は欠かせません。
「61歳にしてはかなりいい体型を維持してるよ。だからステージに上がるのは楽勝さ。2,3 回ライブをやれば、すぐに調子を取り戻せる。それに田舎暮らしだからね。薪を運んだり、木を伐採したり、そういうことをしょっちゅうやってるんだ。だから、そういう仕事が多いから、自然と体型が維持できるんだよ。
でも一番大事なのは演奏技術を維持すること。家でも練習してるけど、ステージでは話が別だ。もっと激しく、もっとアグレッシブに演奏しないといけない。だから、調子を取り戻すには何回かライブをこなす必要がある。今回のツアーは30分しか演奏しないから、なおさらだ。1時間15分のライブだったら、筋肉をフル稼働させるのに必要な公演数は半分で済むからね」
浴びるほど飲んでいたお酒ももうやめました。
「6月15日で5年になるけど、もうお酒は飲んでいないよ。ノン・アルコール・ビールは飲むけど、それも1本だけ。12本も飲むわけじゃない。いい夜、例えば外食に行った時なんかは2本くらい。酔うために飲むわけじゃないから、飲む量は大幅に減ったね。
今は本当に質の良いノン・アルコール・ビールがたくさんあるんだ。昔はビールをよく飲んでいた。それが俺にとって主なアルコール源だったから、今でもビールの味は好きだよ。でも、家ではもう必要ない。2ヶ月間飲まなくても平気だ」

2025年1月に Steve “Zetro” Sousa が脱退し、Rob Dukes がバンドに復帰しました。
「最高だよ。バンドの雰囲気とエネルギーは今、かつてないほど素晴らしい。みんな笑顔で、最高の時間を過ごしている。本当に素晴らしい。そして Rob はアルバムで素晴らしい仕事をしてくれた。これ以上望むことはないよ」
“Goliath” には、オールドスクールな EXODUS から、8分にも及ぶ壮大な “Summon Of The God Unknown” まで、幅広い楽曲が収録されています。そして、そのほとんどは Rob がバンドに復帰してから書かれたもの。
「ほとんど全部、Rob がバンドに帰ってきてから書いたんだ。俺にもリフがあったし。スマホにリフを録音してあるから、後でまた聴き返したくなるようなアイデアが浮かんだら、いつでもアンプの前にボイスレコーダーを置いて録音しておくんだ。
アルバム制作のためにスタジオに入った時には、俺は5曲完成させていて、結局18曲もレコーディングした。Lee はこのアルバムのほぼ半分を書いてくれた。”Changing Me” もその一つだよ。このアルバムの共同作業は、俺たちがこれまでやったこととは全く違うものだった。全員がこのレコードに関わっているんだ」
実際、あの HEATHEN の創設者でもある Lee Altus の貢献は今回、想像以上に大きいようです。
「俺は通常、アルバムを完成させるのに必要な曲数を8、9曲書く。Lee は自分が怠け者だと真っ先に認めるような人でね。HEATHENでの活動期間も含めてね。彼は伝説的なソングライターであり、特にメロディックなベイエリア・スラッシュの作曲家として群を抜いているけど、普段は1、2曲しか書かないだろう。でも今回は6曲書いてくれて、そのうち4曲がアルバムに収録されている。それがアルバムに新たな風味と深みを与えてくれたんだ」
復帰した Rob Dukes の多彩な表現力もプラスに働きました。
「スタジオで曲作りをしているうちに、Rob が想像以上に才能に溢れていることがすぐに分かった。俺たちは、激しいアグレッシブなスラッシュ・メタルなら誰にも負けない自信がある。でも、彼は “Promise You This” で信じられないほどの幅広さ、メロディー・センスを開花させたんだ。サザン・ロックの粋なスタイルも加わって、このアルバムは実に多様性に富んでいて、むしろこれがアルバム全体を代表するというような曲は一つもない。本当にすごいんだ。実に様々な雰囲気が詰まっていて、どの曲もそれぞれに個性があるからね」

アートワークは今回も Pär Olofsson が手掛けています。
「Pär と仕事をしていて一番好きなのは、タイトルと歌詞を伝えるだけで、ほぼ完成したスケッチをいつも送り返してくれるところ。今回も、歌詞と、何世紀にもわたる眠りから目覚めた地下世界の神を描いたファンタジー・コミック風の物語を送っただけで、彼はあのジャケを描いてくれたんだ。手の部分については、ヤツメウナギの写真を送った。口で他の魚にくっつく魚だよ。それを手に口として描いてくれたんだよな。後になって誰かが、これは VIO-LENCE のジャケットへのオマージュみたいだと言っていて、まさにその通り!と思ったよ。ベイエリアの仲間たちには脱帽だ。そう、歯が何列も並んだ魚、まるでヒルみたいな魚からインスピレーションを得たんだ」
アルバムのタイトルを “Goliath” に決めたのはなぜだったんでしょうか?
「いや、ただ…曲自体が巨大で暗くて怪物的だったので、巨大な怪物についての曲を書きたかったんだ。それで、このタイトルが思い浮かんだんだ。アルバムが完成して曲を選んだ時、とにかくとてつもなく巨大だった。だから、この言葉がアルバム全体にぴったりだと思ったね。それに、EXODUS のタイトルにはいつも一定のリズム感がある。”Bonded By Blood“, “Pleasures Of Flesh”, “Fabulous Disaster” など。これまで、アルバムタイトルを単語一つだけで作ったことは一度もなかったんだよ!今回が初めてだ。”Impact Is Imminent”, “Force Of Habit”…タイトルには常にそういうバランスがあった。だから俺たちは逆に単語ひとつが気に入ったんだ。とても力強い作品だと思ったからね」
これだけ良いアルバムを作ってしまうと、ファンが聴きたい往年の名曲に新曲をうまく組み込むという難題にも直面します。
「だんだんと、アルバムからの曲数を増やしていくつもりだよ。でも、”Bonded By Blood”, “Strike Of The Beast”, “Blacklist”, “Toxic Waltz” は必ず演奏しなければならないことは承知しているよ(笑)。
ただ、僕たちは新曲を演奏したいバンドで、アルバムを出して1時間半のライブで新曲1曲だけを演奏するようなレガシー・バンドではない。そんなクソみたいなバンドじゃないんだ。新曲を披露したいのは、俺たちが新曲にワクワクしているからだよ!」

メタル世界で、EXODUS は現在どの位置にいるのでしょう?80年代のスラッシュ・メタルを代表するバンドの中では、明らかにベテランの域に達していますが、昔ながらのファンが多いのでしょうか?それとも若い世代が増えているのでしょうか?
「いや、うちのファン層はここ数年ずっと若いよ。俺は61歳だけど、ライブにはあまり行かないんだ。だから、世の61歳の人たちは大抵俺と同じだと思う。”行くぞ” って言っても、結局何か言い訳をして、家にいてテレビでも見てるんだ。
でもライブにはたくさんの若い子たちが来てくれる。まさに新世代だよ。彼らがいなければ、俺たちはここまでやって来られなかっただろうね。だって、年寄りは年寄りらしく振る舞うものだし、俺もそうだ。若い子たちがライブに来てくれるのは本当に素晴らしいことだよ。
何年も前のことだけど、14歳くらいの子供が俺のところにやってきて、”Paul Baloff はパーティーで家を破壊していたって本当ですか?” って聞いてきたんだ。その子はまだ生まれてもいなかったのに、Paul のホーム・パーティーでの振る舞いについて聞いてくるなんて、本当に驚きだよ。まさかそんなことが起こるなんて、想像もしていなかったよ」
ソールド・アウトのライブが増え、メタルへの関心が再び高まっているように見えると Gary は目を細めます。
「うちの客層の平均年齢は若いけど、冗談抜きで、昔からのファンもちゃんと来てくれるよ (笑)。
でも、確かにメタルは復活している。というか、何年も前からこの勢いはずっと続いている。インスタグラムで9歳くらいの子供がギターを弾いているのをよく見るよね。ラップでもターンテーブルで遊んでいるわけでもなく、ただギターを弾いているだけで、しかもすごく上手い。本当に素晴らしい。ギターを主体とした音楽の未来にとって、間違いなく良いことだ」
SNS や AI に興味はなさそうですが、意外なことに Gary はインスタグラム・ユーザーで、フォロワー数が多いことを面白がっています。
「ああ、インスタグラムでは悪いインフルエンサーだと思うよ。うん。フォロワーが異常に多いんだけど、未だに理由がわからないんだ (笑)。普段はギターと猫の写真ばかり投稿してるんだけどね。でも、結局は良いキャプションを書くスキルが全てだと思うんだ。それが何よりも重要なんだよ」

80年代のスラッシュ・メタルは、社会的不正義への怒りに突き動かされていた部分が多くありました。テーマは時代とともに変化してきたものの、Gary は初期のアルバムで彼を怒らせた原動力は、今もなお彼の作詞に影響を与えているといいます。
「人間、一度怒ったら、ずっと怒っているって言うじゃないか。でも不思議なことに、俺はすごく幸せな人間なんだ。いつも頭上に雨雲が浮かんでいるような人間じゃない。音楽はすごくセラピー効果があるし、たくさんのことを吐き出す手段にもなるんだ。
EXODUS がアルバムを作る時は、みんなで家にこもって一緒に暮らしながら曲作りをする。だから、その瞬間に起こっていることを無意識のうちに曲に吸収できるんだ。時事問題に非常に敏感に反応していることが多いんだよね」
では、スラッシュ・メタルも時代にあわせて進化するべきなのでしょうか?
「進化するべきだ。世の中には、EXODUS が “Bonded by Blood” の続編を作るべきだと思っている人が必ずいる。でも、もし俺が今、21歳の Gary Holt に戻ろうとしたら、それは音楽的に究極の不誠実だろう。当時の俺を真似するただの偽物だ。でも、俺の制作プロセスは変わっていないよ。今でも座ってリフを書くけど、古いラジカセで録音する代わりに、スマホに録音するようになったくらいかな」
Gary は、歳をとった今だからこそ、創作活動は続けなければならないと語ります。
「歳をとってきた今だからこそ、書くことをやめてはいけないんだ。まず第一に、ものすごくクリエイティブな気分だ。第二に、プリンスが亡くなったけど、膨大な量の作品を残したじゃないか。もし俺がたくさんの作品を残せたら、亡くなったとしても、少なくとも世界に共有できるもの、子供たちに残せるもの、家族に残せるものがある。Gary Holt の最後の作品、ってね。
そろそろ、死とかそういうことを考え始める年齢なんだ。人生の大半を、自分は不死身だと思って過ごし、同時に必死に自分を滅ぼそうとしてきたことを考えると、奇妙な話だけどね。まあ、18歳のような気持ちは変わらないものだけど」
彼は自分が今の地位にどうやってたどり着いたのか疑問に思うことはあるのでしょうか?
「いや、素晴らしい人生だったよ。辛い時期もあった。薬物乱用をしていた年月も。それらすべてが今の自分を築き上げる一部なんだ。もしそんなことがなかったら、今の自分はこんなにクリエイティブではなかったかもしれない。今でも世界と戦っているような感覚があるし、大きな反骨精神を抱えているからね。
多くの年月を無駄にしてきた。でも、もし何もしないでただ流れに身を任せていたら、今の自分はなかったかもしれない。どん底を経験しなければならなかったんだ。何とも言えないけど、もしもこうだったら、なんてことは考えない。そんなことは、自分の人生に満足していない、もっとありきたりな人たちに任せておくよ」

スラッシュの “BIG 4” に EXODUS が入っていないことを不満に思うファンも少なくありません。
「でも、俺は自分のありのままの姿にすごく満足してるから、どうでもいいんだよ。みんな “ビッグ4についてどう思う?” って聞いてくるけど、俺は気にしない。どうでもいい。他の人たちは “君たちもその一員になるべきだ” って言うだろうけど、違う。彼らは売れっ子4組なんだ。だからそこにいるんだよ。
たぶん、俺たちがこのジャンルの創始者の一人だって自覚しているから気にならないのかもな。俺たちと METALLICA、そして Dave Mustaine の役割を考えれば、言うまでもなく、このジャンルを創り出したのは俺たちだ。他に誰も存在していなかった。他には誰も、そこにいなかったんだから」
そもそも、スラッシュ・メタルとは誰が言い始めたのでしょうか?
「スラッシュ・メタルという呼び方が初めて使われたのがいつだったか、思い出せないんだ。おそら METALLICA の “Whiplash” から来ているんじゃないかな。”Thrashing all around” っていう歌詞からね。まあ、あくまで推測だけど。俺たちが活動を始めた頃は、スピード・メタルと呼ばれていたんだ。でも、すごく速いわけではなく、今ならミッドテンポみたいな感じ。猛烈なスピードではなかったんだ」
初期のベイエリアのシーンは、信じられないほど実り豊かでした。しかも、あっという間にまとまったように見えました。
「EXODUS は79年に結成されたから、厳密に言えば70年代のバンドだけど、イーストベイの都心部出身のガキどもがカバー曲を演奏していただけだった。IRON MAIDEN を発見して、彼らのデビューアルバムの半分くらいをパーティーで演奏していたんだ。まだ誰も彼らを知らなかったから、みんなオリジナル曲だと思っていたみたいだけどね。でも、俺たちが演奏していたのは DEF LEPPARD のファースト・アルバムや SCORPIONS の曲とか、そういうのをカバーしていたんだ。もちろんオリジナル曲もあったけどね。でも、イーストベイの他のバンドよりずっとメタル色が強かったから、裏庭パーティーシーンでは異端児扱いされていたよ」
Kirk Hammet が実はバンドの創設者だったことはあまり知られていません。
「Kirk と Tom は、カリフォルニア州リッチモンドのデ・アンザ高校の音楽室で出会ったんだ。そこはプライマスの Les も通っていた学校だよ。俺が初めて Kirk を見たのは、彼らがリッチモンド高校の音楽室で演奏した時だった。当時、ギタリストの Tim Agnello と友達だったんだけど、結局俺が彼の後任になったんだ。めちゃくちゃすごかったよ。もしかしたら、俺にもできるかもしれないって思ったんだ。
でも、Kirk と初めて一緒に遊んだのは、Ted Nugent と SCORPIONS のコンサートを一緒に観に行った時(カウ・パレスで)、すぐに意気投合した。コンサートに出かける前に、彼の家で、Uli Jon Roth 時代の SCORPIONS の曲を彼が初めて聴かせてくれたんだ。俺がこれまで演奏してきたほぼすべての曲でワーミーバーを使うようになったのは、(1976年のアルバム) “Virgin Killer” のおかげ。俺たちはすぐに親友になったね。彼が俺にギターを習いたいかと尋ねてくれて、いくつかのコードとリフを教えてくれたんだ。6か月後、俺はバンドに加入していた」

デビュー・アルバム “Bonded By Blood” は、スラッシュ・メタルの名盤として今もなお語り継がれています。
「でも、簡単じゃなかったよ。アルバムが完成してからリリースが1年遅れて、それが俺たちにとって痛手だった。レコーディングはまさに狂気の沙汰でね。カリフォルニア州コタティにあるプレーリー・サン・スタジオにこもり、キャビンに住み込みでひたすら暴れまわったんだ。昼間は楽器を叩きまくり、夜はパーティー三昧。まるで野獣だった。面白い話があって、2003年のアルバム “Tempo Of The Damned” をレコーディングした時、オーナーは俺たちが戻ってくるのを心配していたんだ。俺たちが残した破壊の跡は、ある意味賞賛に値すると言っていたよ。ところが2度目にスタジオに戻った時は、”来た時よりも綺麗にして出て行ったな” と言われたよ」
故 Paul Baloff は、セカンドアルバム “Pleasures Of The Flesh” のリリース前にバンドを脱退しました。彼はあまりにも感情の起伏が激しく、フルタイムで一緒にいるには難しかったようですね?
「彼は本当に感情の起伏が激しかった。今振り返ってみると、やり方が違っていたかもしれない。”Paul をクビにするべきじゃなかった” と思う。でも、俺たちが混乱していた頃、彼はもっとひどい状態だった。俺たちが書いていた曲に苦労していたし、彼の生活はめちゃくちゃだった。Paul と出会った時、彼は両親が亡くなった時に信託基金を受け取っていたんだけど、それを使い果たしてしまって、結局俺たちのリハーサル室に居候するようになったんだ。俺は “もしも” なんて考えないようにしている。だって、人は今歩んでいる道を進むしかないからね。でも、彼はものすごく感情の起伏が激しくて、ものすごく不安定だったし、生活もめちゃくちゃだった。家さえなかったんだ。だから、彼が去ったことを後悔しているかって?もちろん、後悔しているよ…でも、彼は俺の親友の一人として人生を終えた。俺はそれを誇りに思っているよ」
胃の扁平上皮癌を患い胃を摘出した、その創立メンバー Tom Hunting も今は絶好調のようです。
「Tom は元気だよ。そもそも胃がなくても生きていけるなんて、科学の奇跡だよ。彼は昔から大柄で、身長は6フィート2インチ(約188センチ)くらいあるんだけど、今の体重は昔より40ポンド(約18キロ)くらい減ったんじゃないかな。でもそれは、体がカロリー摂取量を代謝する方法が変わっただけさ。でも彼は素晴らしいよ。毎年がん検診を受けていて、数年間 “異常なし” と言われ続けた後、ついに寛解したと診断されたんだ。5年間全く症状がなかったから、お墨付きをもらったんだよ。
Tom は “毎日が贈り物だ” ってモットーを真っ先に言うんだ。だから俺たちも何も当たり前だとは思わない。彼は俺の親友で、今もこうして一緒にドラムを叩いてくれている。俺が17歳で彼が16歳だった頃と全く同じだよ」
健康といえば、Gary はヴィーガン生活を試した後、再び肉食に戻ったそうです。
「もう完全に肉食に戻ったよ (笑) 。でも、ヴィーガン生活のおかげで食生活が良くなった。それまで全然食べなかったからね。ヴィーガンになるまでブロッコリーなんて食べたことなかった。今はしょっちゅう食べてるよ。だから、より健康的でバランスの取れた食事を摂るようになった。ヴィーガン料理も時々食べるよ。好きだからね。でも、今日のランチはハンバーガーだった。KREATOR のツアーは楽だっただろうね。Mille がヴィーガンだから、ヴィーガン向けの素晴らしい選択肢が常にあるからね。彼とヴィーガン料理を食べるのは間違いないだろうね。実は、肉を食べない日も結構あるんだ」

ワーカホリックという言葉は、もしかすると Gary のためにあるのかもしれません。
「実は SLAYER で忙しかったから、近年は EXODUS のリリースが減っていたんだ(笑)。正直に言うと、それが少しペースを落とした原因だね。でも、次のアルバムはもう80%完成しているんだ!実はこのアルバムのために18曲レコーディングしたんだけど、どれも素晴らしい曲ばかり。俺のお気に入りのソロの半分は次のアルバムに収録されている。うわー、あれはすごくいい曲なんだけど…みんなには待ってもらうしかない…みたいな感じ。Lee と俺には最初から目標があったんだ。アルバムを完成させて、ツアーが終わったらすぐに次のアルバムをリリースすること。素晴らしい曲が多すぎるのは嬉しい悩みだよね!」
実際、21世紀に入ってからは、今は亡き Jeff Hanneman の代役を務めるという重責も担ってきました。
「もし俺が何かのために生まれてきたとしたら、それは Jeff が戻ってくるまで彼の席を温めておくことだった。残念ながらそれは実現しなかったが…(Jeffは2013年に亡くなった)。SLAYER での時間は最高だった。もちろん、他のメンバーがどんな生活を送っているのか少し知ることができたし、彼らは最初から俺を家族のように扱ってくれて、それは今も変わらない。あのバンドでの俺の仕事はただひたすらギターを弾きまくることだった。SLAYER にはソロがたくさんあるから、特に Jeff のソロはたくさんあって、俺は “ギター・ヒーロー” の役割を担うことができた。最初は数回のツアーで終わると思っていたが、ほぼ10年間も続き、今ではたまにライブをする程度。実際、今年は2回ライブを予定している。今後どうなるかは様子を見よう。年ごとに考えていくことになると思う。SLAYER の復帰にあたって、俺にとって最も重要なことは2つだったと思う。A)俺たちは良い演奏ができるだろうか?B)俺たちはそれを楽しめるだろうか?結果、俺たちは最高だった。楽しかったしね。みんな正しい目的でそこにいたんだ」
20世紀にはなかった、現代のプロのミュージシャンが直面する課題とは何でしょうか?
「副業が必要だ。俺もカーダシアン一家のグッズを売ってるんだよ(Gary はステージ上で “カーダシアンを殺せ” と書かれたTシャツを着ている)。家にいる時は、Tシャツを全部梱包するのは俺だ。だって、それが副収入になるからね。俺たちは、ほとんどのバンドと同じように、旅するTシャツのセールスマンみたいなもんだ。別に “かわいそうな俺” ってわけじゃないけど、ツアーの保証金で全部賄えて、グッズの売り上げも自分のものになるなら、本当にラッキーだよ。俺たちはそうなんだけど、多くのバンドはTシャツでなんとかやりくりしている状況だ。それに、ツアーバスなどの費用も高い。俺は61歳だし、バンなんて乗りたくない。横になって昼寝したいんだ。それに、クルーの人件費とか、飛行機代とか、そういう諸々もかかる。全部積み重なるんだ。でも、俺は本当にラッキーだよ。生計を立てられるミュージシャンなんだから。俺も、他のミュージシャンも、この仕事をずっと続けたいからそうしているんだよ」

参考文献: METAL TALK :EXODUS / GARY HOLT ON SURVIVING THE COLD, STAYING SOBER AND NEW ALBUM GOLIATH

METAL1. INFO:Interview mit Gary Holt von Exodus

KERRANG!:“I’d be trying to play a solo while there was a fistfight going on around me”: Gary Holt on a life living fast

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TAILGUNNER : MIDNIGHT BLITZ】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOM HEWSON OF TAILGUNNER !!

“We aren’t worshipping at the altar like many of those bands, we’re being bolder, pushing harder, and we want to stand up on that altar and be the heroes for a whole new generation. I think that attitude is why we’ve exploded into many places other bands haven’t yet reached. I hope our success can lift other old school style Metal bands.”

DISC REVIEW “MIDNIGHT BLITZ”

「たしかに、NWOTHM のバンドたちとインスピレーションの源は共通しているけれど、価値観が違う。僕らは多くのバンドのように誰かを崇拝するのではなく、もっと大胆に、もっと積極的に、そして偉人たちと同じメタルの祭壇に立ち、全く新しい世代のヒーローになりたいと思っているからね。そういう姿勢こそが、僕たちが他のバンドがまだ到達していない領域にまで到達できた理由だと思う。僕たちの成功が、他のオールドスクール・スタイルのメタル・バンドを鼓舞できればいいなと思っているよ」
憧れるのをやめましょう。そんなマインドこそ、今のメタル世界には必要とされているのかも知れませんね。NWOTHM。ニュー・ウェイヴ・オブ・トラディショナル・ヘヴィメタル。おそらかには、ENFORCER の “Into the Night” に端を発するこのムーブメントは、今やメタル世界の一大勢力となりました。HAUNT, VISIGOTH, ETERNAL CHAMPION, SUMERLANDS, RIOT CITY。某Pitchforkの後押しもあって、彼らは新たなトレンドのひとつとなり、メタルの再評価に大きく貢献しています。
もちろん、そうしたバンドには数多くの興味深く、メタル再興を牽引する作品がある一方で、過去の英霊に囚われすぎ、あの時代の空気感、音質、テクニック、楽曲をなぞりすぎているきらいはありました。NWOTHM の多くが米国のバンドですが、TAILGUNNER は英国の新鋭。NWOBHM の母国だからこそ、彼らは過去に囚われ、過度に憧れることをやめました。
そもそも、あの時代、あの空気を吸ったバンドの多くは実に革新的で個性的だったのですから。そうして TAILGUNNER は NWOBHW を基盤として、それ以降の長いメタルの歴史を積み上げた会心の一撃 “Midnight Blitz” をお見舞いしたのです。
「かつて僕たちは IRON MAIDEN と JUDAS PRIEST の落とし子と評されたことがあるから、それも納得できると思うよ。僕にとって K.K. は、メタルという信仰の真の守護者だ。あの時代のミュージシャン、特に彼のような偉大な功績を残したミュージシャンのほとんどは、新しいバンドと積極的に活動してはいないから、彼の手助けは本当に光栄なことだよ」
本来メタルはこうあるべきもの。そう語る Tom Hewson の言葉には確かな真実味と重さがあります。細分化を極めたメタル世界で、中心に立って牽引すべき “ヘヴィ・メタルらしいヘヴィ・メタル”、メタルの王道を進むバンドはほとんどいなくなってしまいました。だからこそ、TAILGUNNER の登場は福音なのです。
近年、グロウルこそがメタルの声といったイメージが定着していましたが、そもそもメタルには豊潤な歌がありました。そして、オジーが命を賭して絞り出したあの “Mama, I’m Coming Home” を起点として歌が帰って来つつある2026年、TAILGUNNER の魅せるヘヴィ・メタルの歌心はあまりにも説得力があるのです。
アルバムの幕開けを飾る “Midnight Blitz” の大仰なイントロが流れた瞬間、私たちは真の意味でのバトンパス、メタルの灯火が受け継がれたことに気がつくでしょう。ここには、IRON MAIDEN や JUDAS PRIEST が築いて来たオープニングの美学があり、山のようなアンセムがあり、本格的なシュレッドがあり、ツインギターのハーモニーがあり、現代的なプロダクションがあり、なによりも歌があります。”War in Heaven” のような心を揺さぶるバラードも、メタルの伝統。そう、多くのバンドが過去に囚われる中で、TAILGUNNER はソリッドかつタイトな現代の力強さを取り入れて未来へと走り出しているのです。
今回弊誌では、バンドの創設者でベーシスト Tom Hewson にインタビューを行うことができました。「子供の頃に IRON MAIDEN を聴いて、もっと彼らのような、色々な音楽を聴きたくなった。そうして SAXON, ANGEL WITCH, DEMON, GRIM REAPER と、年を追うごとにどんどんマニアックなバンドにハマっていったんだ。今でもまだ聴いたことのない素晴らしい NWOBHM の作品を発見することがある。たった5、6年という短い期間に、これほど多くの良質なシングルが生まれたのは本当に驚きだ。まるでどのバンドも素晴らしい作品を何かひとつは生み出したかのようだ」 K.K. Downing の肝入りにも納得。どうぞ!!

TAILGUNNER “MIDNIGHT BLITZ” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JACK GARDINER : KINTSUGI】 JAPAN TOUR 26′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JACK GARDINER !!

“First come the years of hard work, and then comes the ‘following’. It’s why we are seeing tons of ‘scandals’ – players heavily editing and miming their videos/music in order to present themselves as a ‘higher-level’ player. I liken it to models using Photoshop or bodybuilders using steroids – it’s simply not real.”

DISC REVIEW “KINTSUGI”

「最近、マスタークラスを教えていると、若いプレイヤーからよくこんな質問が寄せられる。”ギターや音楽の概念をきちんと理解し、習得するには、毎日何時間も何年も練習する必要があると言うけれど、ソーシャルメディアでフォロワーを増やす必要があるのに、どうやって時間をかけて学べばいいの?”
優先順位が完全に間違っていると思う。まずは何年もの努力があって、それから “フォロワー” が増えるんだ。その順番を間違えてしまうから、多くの “スキャンダル” が生まれてしまう。演奏家が、自分を “よりレベルの高い” プレイヤーとして見せるために、動画や音楽を過度に編集したり、当て振りしたりするんだよね。
僕はこれを、モデルがフォトショップを使ったり、ボディビルダーがステロイドを使ったりするのと同じようなものだと考えていてね。それって、単純に本物じゃないんだ。だけど、そうした動画が氾濫することで、若い演奏家たちに非現実的な期待とレベルを課してしまうことになる。
若い演奏家たちが、こうした偽物に惑わされず、自分の演奏に真剣に取り組むだけの忍耐力と規律を持ってくれることを願っているよ」
SNS は諸刃の剣です。何も持たないベッドルームの DIY プレイヤーが一夜にしてシンデレラのように大スターとなることもあれば、そうした名声や自己顕示欲を得るためにギター本来の目的を狂わせてしまうこともある。テクノロジーや AI の進化によって、偽ることも、偽られることも、あまりに多い世界となりました。むしろ、技術が進化したにもかかわらず、真実や本物を見分けることは、以前に比べて飛躍的に難しくなったと言えるのかもしれません。
そんな世界で、物事の “順序” を間違えることは、ギター・ミュージックというジャンルそのものの危機だと Jack Gardiner は訴えます。まずは鍛錬に時間を費やし、技術を養い、個性を磨き、自らのスタイルを作り上げる。そうすれば、自ずと “数字” や名声はついてくると Jack は語ってくれました。その順序を間違え、時間と労力を要する鍛錬を過度な “編集” で偽ったギター世界に未来はないだろう。Jack のその言葉に真実と重みがあるのは、彼が誰よりも鍛錬に労力と時間を費やしてきたから。そしてその “順序” の正しさを実証してきたから。
「CASIOPEA はもうずっと前から大好きなバンドの一つなんだよ。メンバー全員が素晴らしいミュージシャンで、作曲もとても美しいからね!日本文化ももちろん大好きだよ!実は歴史がきっかけなんだ。”戦国無双” というビデオ・ゲームをプレイして、戦国時代に夢中になったんだ。今でも実家には、その時代に関する本がぎっしり詰まった大きな本棚があるくらいでね」
そんな Jack の技巧とセンスを養うきっかけとなったのが、日本でした。Jack の最新作 “Kintsugi” には、そのタイトルはもちろん、楽曲名、そして偉大なる CASIOPEA のカバー “Asayake” が象徴するように日本の音楽からの影響まで、Jack の日本に対する愛情と敬意が詰まっています。そう、きっと Jack の驚異的なレガート・テクニックやアウト・フレーズのセンス、繊細なトーン・コントロールに豊かなグルーヴは日本のフュージョンから養われたもの。しかし、それ以上に、音楽の単純化や簡略化に流されず、様々な装飾とジャンルを重ねる日本音楽の哲学や多様性、そして豊かなメロディとハーモニーに Jack は心を打たれたのです。
「多くのミュージシャンと同じように、僕はインポスター症候群や自己不信に悩まされている。”Kintsugi” とは、そうした心の傷を乗り越え、つまり疑念、変化、そして修復の瞬間を尊重し、それを力として持ち続けることを学ぶものなんだ。
ダメージを隠すのではなく、ひび割れを露わにし、その物の物語の一部となる。壊れたものは消されるのではなく、変容していくんだ。漆と金粉が、壊れた陶器(僕)を繋ぎ止め、唯一無二の何かへと変える協力者となるという考えが好きなんだ。傷やひび割れも皆、僕の音楽のDNAと旅の一部であり、そのことに僕は永遠に感謝しているんだよ」
偽らず、正直に生きることがギター世界の道となる。そう信じる Jack だからこそ、金継ぎの文化に惹かれたのでしょう。誰にだって傷はある。痛みも抱えている。喪失感に苛まれている人もいるだろう。傷を隠したまま無理に修復するのではなく、Jack はそうした痛みや悲しみも自らの糧として、抱きしめながら前へ進もうと決めました。だからこそ、Cory Wong, Matteo Mancuso, Owane, Andy Timmons といったそうそうたるゲスト陣の中でも、Jack のギターは漆の乗った逞しい金色に輝いているのです。
今回弊誌では、Jack Gardiner にインタビューを行うことができました。「日本のあらゆるメディアで衝撃を受けたのは音楽だったね。ロックやフュージョン風の音楽の中で、エレキ・ギター、力強いソロ、そして高度なジャズ・ハーモニーが使われているなんて信じられなかったよ。欧米のビデオ・ゲーム、映画、テレビ番組ではこんな音楽は聞いたことがなかったから、これも日本を好きになったきっかけだと思うな」 亡き Shawn Lane を想起させるような、雷撃のスピードとセンス。何より、フック満載の楽曲が素晴らしいですね。来日も決定!どうぞ!!

JACK GARDINER “KINTSUGI” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOEN : RELIANCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN LOPEZ OF SOEN !!

“Progressive music should evolve, not just technically, but emotionally otherwise it stops being progressive and very often complexity can be “in the way” of emotion.”

DISC REVIEW “RELIANCE”

「誰かとの比較は避けられないし、僕たちはそれをネガティブなものとして捉えてはいないよ。”Reliance“ はより直接的で拡大した音楽なので、アリーナ・ロックやメタルとの関連性が自然と強く出てくるよね。だけど、僕たちの意図は特定のバンドに似せようとしたのではなく、明確かつ誠実に音楽を伝えたいというものだった。もし楽曲が人々の心に深く響くなら、それは僕たちにとって大きな喜びだ。だけど、それが目的で曲作りをしているわけではないんだよ」
2010年、かつて OPETH と AMON AMARTH というビッグ・バンドに所属していた名ドラマー Martin Lopez は、自身の新しいバンドを立ち上げました。SOEN と名付けられたこのバンドは、非常に優れたミュージシャン集団 (あの Steve DiGiorgio も在籍) で、Lopez はそのサウンドを “メロディアスでヘヴィ、複雑で、他のどのサウンドとも全く異なる” と表現していました。しかし、そんな彼の意図とは裏腹に、SOEN のサウンドは常に誰かと比較される運命にありました。
初期のアルバム “Cognitive” や “Tellurian” では TOOL と比較されることが多かったものの、SOEN は明らかにクローン以上の存在であり、Lopez の出自である OPETH や KATATONIA のプログ・メタル的な血肉にナイーブで心に迫るメロディを加えて見事な化学反応を起こしていました。近年は初期のアルバムのようなオルタナティブな複雑さ、プログレッシブな紆余曲折は減退しましたが、一方でメタリック & グルーヴィーでありながらアトモスフェリックという SOEN 独自の世界観は伸張。重要なのは、そこにいつも、心を震わせるメロディの泉が存在すること。
そうして、歌の力が戻りつつあるメタル世界で、SOEN は堂々たるプログレッシブ・アリーナ・メタルの実現へと舵を切りました。DISTURBED や NICKELBACK のグルーヴィーでシンガロングを誘うコーラスと、プログレッシブでナイーブな感情の共存。Joel Ekelof の歌声は、脂が乗り切ってまさに今が旬。
「依存は心地よいものだけど、同時に危険なものでもある。このアルバムは、答えを与えることではなく、僕たちが何に、そしてなぜ依存するのかを振り返ることを促しているよ。幸せを探し求めるとき、僕らは依存を恐れながらも受け入れなければならないだろう。ただ、何に頼るのかについては、非常に慎重にならなければならないと思う」
そんな両極を抱きしめたアルバムで SOEN がテーマとしたのは “Reliance” “依存”。SNS の発達により、私たちは見知らぬ誰かと共感しながら、何かの “推し” にかつてより深く依存するようになりました。もちろん、辛い現実を生きていく中で、幸福感や満たされた感覚を得るため好きなものに依存することは、ある意味でライフハックなのかもしれません。しかし、盲目的に “推し” に依存し、”推し” を全肯定することで、自己という最も重要な存在が消えてしまってはいないだろうか? SOEN は盲信的な依存が当たり前となった世界で、依存を恐れ、自分の頭で慎重に考慮することを促しています。
“Primal” では “無意識にスマホをスクロールしている” とか “SNSは暴力的なポルノ” といった表現が使われ、”Drifter” では “アルゴリズムを操る奴らに振り回されるな” といった辛辣な言葉が飛び出します。そもそも、あなたが依存しているのは “推し” なのでしょうか?ひょっとすると、あなたが依存しているのは “推し” ではなく、SNS そのものなのかもしれません。もしそうだとしたら、あなたが孤独を感じ、誰かと少しでも共感したいだけなのだとしたら、SOEN のアリーナ・メタルで共に歌えばいい。もちろん、進化した感情でプログレッシブに思考を巡らせながら。
今回弊誌では、Martin Lopez にインタビューを行うことができました。「音楽のトレンドは移り変わるけど、感情は残り続ける。僕たちが始めた頃は、たしかにテクニックと複雑さが非常に際立っていて、それは刺激的なことだったよね。でも今は、アトモスフィア、ダイナミクス、そして傷つきやすさにもっと居場所があって、僕たちはそれを歓迎しているんだよ。プログレッシブ・ミュージックは、テクニックだけでなく、感情面でも進化するべきなんだ。そうでなければ、複雑さが感情の “邪魔” になってしまう。よくあることだけど、それはもうプログレッシブな音楽とは呼べないからね」 3度目の登場。どうぞ!!

SOEN “RELIANCE” : 10/10

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