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A LISTENER’S GUIDE TO KRALLICE’S COLIN MARSTON & NYC AVANT-METAL SCENE


A LISTENER’S GUIDE TO KRALLICE’S COLIN MARSTON & NYC AVANT-METAL SCENE

“Undoubtedly NYC Avant-metal Scene Is One Of The Best, But That’s Almost a Technicality Because New York City Is The Densest, Most Diverse Blob Of Humans Probably On The Planet. So Everything That Benefits From a Lot Of People And a Lot Of Variety Is Going To Benefit.”

WARR GUITAR, MENEGROTH, AND NYC

ニューヨークの怪人という呼称は、Colin Marston にこそ相応しいでしょう。14弦まで豊富なバリエーションを持ち、ベースとギターの両義性を有する愛機 “Warr Guitar” は、Colin が語る NYC の個性と多様性を体現した楽器にも思えます。さらに、鍵盤からドラムス、ノーマルなギター、ベースを操るマルチな才能にまで恵まれた Colin の活躍はまさに八面六臂。
「僕が Warr Guitar を手に取ろうと思ったのは、1996年に Trey Gunn と Tony Levin が KING CRIMSON でプレイするのを見たからなんだ。」
前回のインタビュー で Colin はそう語ってくれました。高校のころ、バンドメイトの父親から KING CRIMSON を教わった Colin は、再結成した彼らのライブに赴き衝撃を受けました。当然、Colin は Trey と Tony がチャップマンスティックという10, 12弦の異質をタッチしベースとギターの狭間を演出することは知っていましたが、Trey はすでに Warr Guitar という怪物に乗り換えていたからです。
「この楽器の両義性も重要なポイントだよ。ベースであり、ギターであり、その両方かもしれないんだから。いつだってこのギターのような、しかし幅広いレンジを持つ楽器を楽しんでいるよ。ギターの領域では低音弦だけチューンダウンしているんだ。そしてベースは究極に低音とハイストリングスをプレイしているよ。Warr Guitar の魅力は何と言ってもこのレンジの広さなんだ。同じ音域だけで楽曲やアルバムを構成するのは本当に退屈だからね。」
チャップマンスティックが文字通りスティックであるのに対して、Warr Guitar はギターとベースをその体躯に宿すキメラ。幅広いオクターブレンジでギターとベース、リズムとリードを同時にフォロー可能、特徴的なボイシング。新進気鋭の若き Colin Marston にとって、この楽器は壮大な音楽的空想を実現する鍵でした。
実は、メタル、プログはもちろん、フォーク、スムースジャズ、アヴァンギャルドと Warr Guitar が織りなす世界は驚くほど広く多様です。ただし、完全にカスタマイズ可能な新品は50万円以上、さらに製作者は癌を患い現在新規のオーダーを受け付けていません。門戸は狭いながら、こういった奇妙な楽器によって既存の音楽が再構築されることは必要不可欠な新陳代謝でしょう。
カナダが産んだプログレッシブデスメタルの魔境 GORGUTS に所属しながら、盟友 Mick Barr と立ち上げた超個性的ブラックメタル集団 KRALLICE をはじめ、GORGUTS の Kevin Hufnagel と探索するリフ迷宮 DYSRHYTHMIA、インストカルト BEHOLD…THE ARCTOPUS, 実験的ソロプロジェクト INDRICOTHERE と数多の奇々怪界でニューヨークのアヴァンメタルを牽引する主役の顔もまた一つ。
「NEUROSIS のアルバムを1枚選ぶのはとても難しかったね。所謂プログレバンドではなく、真の意味でのプログレッシブなロックバンドだよ。重要な違いだね。僕の中で、”The Word as Law” は最も成功したハードコアとメタルの融合だと言えるね。ただ何よりも最高にユニークな音楽だよ。ベースはA+の仕事をしているし、シンプルなパンクと複雑でエピカルなメタルがこのレコードで最高の”和解”をしたと言えるかもしれないね。」
特に、前回のインタビューでこう言って崇拝を露わにしていた NEUROSIS の Dave Ed をアルバムに招待し、ブラックメタルだろうがなかろうが全員のクリエイティブな精神を集結しながらメタルを未知の領域へと導く KRALLICE の重要性はこれまで以上に語られるべきでしょう。
一方で、ARTIFICIAL BRAIN, LITRUGY, KAYO DOT, EAST OF THE WALL, WOE, DEFEATIST, CASTEVET, PYRRHON, IMPERIAL TRIUMPHANT といったメタルの先鋭を象徴する NYC の百鬼夜行も、Colin が所有する Menegroth スタジオから彼の手によって発進しているのです。
「疑いようもなく最高のシーンの一つ。それは当然なんだ。なぜならニューヨーク市はおそらく地球上で最も高密度で最も多様な人間の塊だから。だから、誰もが多くの人々と多くの多様性から受けるべくして恩恵を受けていると言えるね。大都市なら同じ状況になるだろうけど、NYC は特別多様で国際的だからね。」
様々な文化や発言に触れることこそ人類の強み。それは世界に蔓延る分断の嵐とはすっかり真逆の考え方で、音楽やストーリーに多様性を認めるモダンメタルのスピリットそのもの。だからこそ、Colin の元には仕事のオファーが舞い込み続けるのでしょう。
このコロナ禍の中でも Colin は粛々とリリース&プロデュースを続けています。その膨大なアーカイブから、近年の重要作10枚について自身の言葉で語ってくれました。
「ワーカホリックという言葉は完全に間違いというわけではないんだけど、僕は作曲やレコーディングを本当に楽しんでいるからね。ワーカホリックってネガティブな響きがあるんだけど、僕は音楽制作に全くそういった感情は抱いていないんだ。
時々はもっと音楽以外にも興味の対象が広がればいいのにとも思うんだけどね…だけど僕にとって音楽は未だに広大で無限の奥行を備えているんだ。だから今でも惹き込まれ続けているのさ。」

COLIN TALKS ABOUT HIS RECENT WORKS

1. KRALLICE “MASS CATHEXIS”

this is the album we worked on mostly between 2018 and spring 2020. it was originally supposed to include 4 other songs, but in the interest of the album not taking forever to finish and then being too long to digest, we cut 2 songs, and then 2 more (although those 4 songs will now just form the core of our next album). i think this album features the most variety of any Krallice release, and although it features only one song “written” by me (the title track), i had more of a hand in the arrangement and drum writing than ever before. McMaster also contributed the most material to this out of any Krallice record. it was awesome to have Dave Ed back (since he wasn’t on GBF or Wolf).

このアルバムは俺たちがほぼ、2018年から2020年の春までに製作した作品だ。もともとは、別の4曲を収録するはずだったんだけど、アルバムの完成に時間がかかりすぎたり、収録時間が長くなりすぎるといった理由で2曲をまずカットし、それからさらに2曲を削ったんだ。だけどその4曲は次のアルバムの核となるものだよ。
俺は “Mass Cathexis” は KRALLICE のアルバムでも最もバラエティーに富んでいると思っている。ただ、俺はこの作品ではタイトルトラック一曲しか書いていないんだけどね。今回はそれよりも、アレンジメントやドラムのパートを書くことに注力したんだよ。Nicholas McMaster がどの作品よりも多くのマテリアルで貢献してくれたね。”Go Be Forgotten”, “Wolf” にはいなかった Dave Edwardson (NEUROSIS) が帰ってきたのも良かったよね。

2. KRALLICE WITH DAVE EDWARDSON “LOUM”

Dave Ed is one of my favorite musicians, both as a bassist, and vocalist. i became obsessed with Neurosis in high school and they informed me as a creative person in so many ways over the years. a truly progressive band that does what they want in the way they want and fuck everyone else. so this record was really a dream come true for me (and mick who also has a long history with Neurosis) to work with Dave and to get him to be the lead singer on a full album! pretty sure it’s the only album where that’s the case in existence–so i also feel like we did the world a public service here, haha!
this is also the Krallice album that i contributed the most writing (20 minutes out of 32 i spearheaded), so it has more of that knotty, dissonant, fractured and uncomfortable feeling than our other work, which i thought would be a perfect bedrock for dave’s vocals.

Dave Ed はベーシストとしてもヴォーカリストとしても、俺の大好きなミュージシャンの一人だ。高校生の時に NEUROSIS に夢中になったんだけど、彼らは何年にもわたってクリエイティブな人間として多くのことを教えてくれたんだ。だから、このアルバムは俺にとって(そしてNeurosisとの長い付き合いがある Mick Barr にとっても)本当に夢のようなことだったんだ!Dave と仕事をして、フルアルバムのリードシンガーになってもらえたんだからね。
これは、アルバム全編で Dave が歌う唯一の作品だと思うんだ。だから俺たちは世界に公共のサービスをもたらしてあげたような気さえするんだ。(笑)
俺が最も多くの曲を書いた KRALLICE のレコードでもあるから(32分のうち20分は俺が率先して作った)、他の作品よりも複雑で、不協和音があって、分断されていて、居心地が悪い感じがして、Dave Edのヴォーカルに対する完璧な基盤になると思ったんだ。

3. BEHOLD…THE ARCTOPUS “HAPELEPTIC OVERTROVE”

so proud of this album! i had been wanting to have a record with a very different approach to the drumming for a long time, and i finally did it! having jason bauers join the band was a perfect fit since he had experience playing 20th century chamber music, and i wanted that to basically be the vibe of the new behold album. also as a recording engineer working on a lot of extreme metal, i was so tired of the “cshhhhhhhhhhhhhhh cshhhhhh shshhshhhhshsh” of washy crashy cymbals smashing around constantly. tech metal benefits from a more articulated sound, so why not built that into the instrumentation itself, rather than writing yourself into a corner with blast beats and double kick that aren;t even audible without triggering or extreme processing in the mix? i also gravitated to a more brutal death metal style of writing for the normal guitar on this album. i like the combination of bdm guitar and 20th century classical percussion! for me it’s a perfect match. for most people, i’m sure it’s going to sound like a big pile of shit! it would be Arctopus without that tension though!

このアルバムをとても誇りに思っているよ!俺は長い間、ドラミングに対して非常に異なるアプローチのレコードを作りたいと思っていたんだけど、ついにそれを実現したんだ!Jason Bauers をバンドに参加させたのは、彼が20世紀のチェンバーミュージックを演奏した経験があったからで、完璧にフィットしていたね。俺は基本的にそれを新しい Behold の作品の雰囲気にしたかったんだ。
また、多くのエクストリームメタルに携わっているレコーディングエンジニアとして、俺はクシャーーーーーンクシャーーーーーンシャシャシャシャシヮみたいな、薄っぺらでガチャガチャしたシンバルがずっと鳴っているサウンドに飽き飽きしていたんだ。Tech-metal は、より明瞭なサウンドから恩恵を受けている。では、トリガーや極端な処理をしないと聴こえないようなブラストビートやダブルキックで自分を追い込むのではなく、インストゥルメント自体に明瞭さを組み込んでみたらどうだろう?このアルバムでは通常のギターにかんして、より残忍なデスメタルのスタイルに惹かれたんだ。 BDM (ブルータルデスメタル) ギターと20世紀のクラシックパーカッションの組み合わせが好きなんだよ!僕にとっては完璧にマッチしている。たしかに多くの人にとってはクソの塊でしかないだろうけど、こんなテンションじゃなきゃ ARCTOPUS はやってられないよ。

4. DYSRHYTHMIA “TERMINAL THRESHOLD”

our “thrash” album! it was really fun to change the dys lineup to 2-guitars and drums for 3 of the songs. having no bass at all on 3 songs, but lots of dual guitar seemed to fit the thrash vibe. i even got to do 2 guitar solos! the one in “Power Symmetry” is a written solo, and the one in “Twin Stalkers” is purely improvised. i’m also very proud of the song “Progressive Entrapment,” which i wrote on bass. i have a feeling that song is not going to resonate with many people, but it’s my favorite for many reasons which i think are impossible to explain. kevin and jeff’s playing and writing on this album are world-class. what a pleasure it is to record those guys!

俺たちの “スラッシュ” アルバムだ!DYSRHYTHMIA のラインナップを3曲でツインギターとツインドラムスに変えるのはとても楽しかったね。その3曲には全くベースが入っていないんだけど、沢山のツインギターがむしろこのスラッシュのヴァイブにフィットしたんだ。俺はギターソロまで弾いたんだよ!一つは構築されたソロの “Power Symmetry” で、もう一つは純粋なインプロヴァイズの “Twin Stalkers” だよ。
それに、”Progressive Entrapment” はとても誇りに思っているんだ。この曲で俺はベースを書いたんだけどね。多くの人にアピールする楽曲じゃないと感じていたんだけど、多くの理由から俺のフェイバリットなんだ。説明するのは難しいんだけど。アルバムにおける Kevin と Jeff の演奏はまさにワールドクラスだ。彼らとレコーディングが出来るのは本当に喜びだね。

5. PHONON “ALLOY”

so excited with how this album came out! it’s just one long improvisation which we cut into chunks and re-ordered. it came out so great! i really like listening to this. i have had other bands with Weasel, but never had improvised with him where i was playing bass. i found it really comfortable and exciting at the same time. i love weasel’s style and i found it easy to work with in this context. elliott and álvaro’s guitar work is the perfect textural companion to the rhythm section weasel and i created. elliott is a total legend and it was an absolute honor to make an album with him. Álvaro and i are newer friends, but just in the last couple years we’ve already collaborated on 5 releases! i like how heavy and metered this album came out even though it’s completely free improv.

このアルバムがこうやってリリースされてとてもエキサイトしているよ!一つの長いインプロビゼーションを、切り貼りして再レコーディングしたものなんだ。素晴らしい結果になったよね!このアルバムを聴くのが本当に好きだよ。Weasel とは他のバンドもやってたんだけど、俺がベースを弾いてインプロヴァイズしたことはなかったからね。非常に快適だけど同時にエキサイトしていることに気づいたよ。Weasel のスタイルが大好きだし、このコンテクストは俺にとってやりやすかったんだ。
Eliott と Alvaro のギターワークも俺と Weasel のリズムセクションとピッタリ符号していたね。Eliott は完全にレジェンドで、彼とアルバムを作れてとても誇らしいよ。Alvaro は比較的新しい友達なんだけど、ここ2年で5枚も一緒にアルバムを出してるんだ!完全にフリーなインプロヴァイズだけど、ヘヴィーでコントロールされたこの作品が気に入っている。

6. INDRICOTHERE “ALTRRN”

i was hired to write all the guitar for an album of Pyramids. i was sent drum machine from Vindsval of Blut Aus Nord, who i’m a massive fan of. i wrote songs to the drum machine on guitar, added a bunch of keyboards, and then sent it to the Pyramids guys to add vocals and additional keys. so this is the version before i sent it to Pyramids, which just Vindsval’s drums and my guitar and keys. i got to really like the instrumental version, and it also included kind of a “lost ambient album” since i extended the end of every song into an ambient exploration. i never planned to release this, but when the pandemic hit, and i lost thousands and thousands of dollars in income from cancelled recording sessions, i released it as a small fundraiser for the studio.
it’s worth noting that i did actually make 2 new proper Indricothere albums during the lockdown: a 3.5-hour ambient record and a crushing sluggish brutal death metal record:
https://indricothere.bandcamp.com/album/xi-5
https://indricothere.bandcamp.com/album/tedium-torpor-stasis

俺は PYRAMIDS のアルバムのためにギターパートすべての作曲を依頼されたんだ。大ファンの BLUT AUS NORD の Vindsval からドラムマシンを送ってもらったんだ。そのドラムマシンに合わせてギターを書いて、たくさんキーボードを加えて彼らに送ったんだ。彼らはそれにボーカルやキーボードをさらに加えたんだよ。
これは PYRAMIDS に送る前のバージョンで、Vindsvalのドラムと僕のギターと鍵盤だけで作ったんだ。このインストバージョンが本当に気に入っていたし、全曲の終わりをアンビエントな探究に拡張した “失われたアンビエントアルバム” のようなものも含まれているんだ。
これをリリースするつもりはなかったんだけど、パンデミックが起きて、レコーディングのキャンセルで何千ドルもの収入を失った時に、スタジオのためささやかな資金集めのためにリリースしたんだ。特筆すべきは、ロックダウンの間に INDRICOTHERE で適切な2枚の新作を作ったことだよ。3.5時間のアンビエント・レコードと、破砕的で緩慢なブルータル・デスメタルのレコードだ。

7. COLIN MARSTON “SUBLIVE”

i was approached by Arun from Subcontinental Records to release a live album of my experimental/classical music.
tracks 1 and 2 are from a show at EMPAC in Troy NY from 2015. the first is in my Indricothere keyboard style. the 2nd is feedback controlled player piano. i later went back to EMPAC and recorded a full-album version of these type of pieces, with Eliane Gazzard collaborating on sustain pedal and piano called, “Parallels of Infinite Perspect” on Álvaro’s Illuso label.
the 3rd track is an improvised duet with Mario Diaz de Leon from Issue Project room in 2019. i hope to do a full album with him soon!

Subcontinental Records の Arun から、俺の実験的/クラシカル音楽のライブアルバムを出さないかってアプローチされてね。1曲目と2曲目は、2015年ニューヨーク EMPAC でのライブなんだ。1曲目はオレが INDRICOTHERE でやってるキーボードのスタイルだ。2曲目はフィードバックをコントロールしたピアノ。後から EMPAC に戻って、Eliane Gazzard とフルアルバムバージョンを録音したんだ。
3曲目は、Issue Project の Mario Diaz de Leon とインプロヴァイズのデュエット。彼とはすぐにフルアルバムを作りたいな!

PRODUCTION WORKS

8. IMPERIAL TRIUMPHANT “ALPHAVILLE”

i love working with Imperial. zach has taken the band on an awesome trajectory over the years and it’s a honor to be along for the ride and to get to collaborate and help him realize his vision. the band is so awesome now with kenny and steve–feels like a real BAND now, with everyone contributing. i love that they leave some looseness in the music and are much more interested in a compelling performance rather than things being 100% accurate. they recognize the value of leaving some dirt and some mystery in a mix too, rather than going for a squeaky clean procut with no rough edges. they are open to lots of experimentation but also value a more jazz-oriented mentality where the instruments sound like people playing together and kicking ass.

IMPERIAL TRIUMPHANT と仕事をするのは大好きだよ。Zack は何年にもわたってバンドを素晴らしい軌道に乗せてきたし、その道を一緒に歩むことができて、コラボレートして彼のビジョンを実現する手助けをすることができて光栄だよ。Kenny と Steve がいる今のバンドはとても素晴らしいよ。全員が貢献して、真の “バンド” になっているね。
彼らは音楽に多少の緩みを残していて、100%正確なものを作ることよりも、説得力のあるパフォーマンスに興味を持っているから好きなんだ。エッジのない、ラフさのないキレイなカットを目指すのではなく、多少の汚れやミステリーをミックスに残すことの価値を認識しているからね。彼らは多くの実験にオープンであると同時に、楽器が一緒に演奏しているように聞こえるようなジャズ指向のメンタリティも大切にしているんだ。

9. AFTERBIRTH “FOUR DIMENSIONAL FLESH”

yes! love this record and this band. i’m so happy they came to me for this recording. an honor. each musician has a totally unique voice on their instrument. i love the prog flair, but the tasteful tempering through quality songcraft. these guys really balance the traditional well with the experimental. it’s very accessible somehow, without being annoying in the way that “accessible” can be, at least for me. it’s also very exciting to me that these guys all value a good-quality more “straightforward” recording/mixing style, rather than wanting that sound-replaced/quantized/amp-simulated vibe that is so omnipresent in modern “professional” recordings.

きたね!このレコードとバンドが大好きなんだよ。彼らがこの作品のために、俺のところに来てくれたことをとても嬉しく思っているよ。 各ミュージシャンはそれぞれの楽器に全くユニークな “声” を持っている。 俺はこのプログな雰囲気が好きなんだけど、質の高い曲作りによる味のあるソフトな性質も気に入っているんだ。
彼らは伝統的なものと実験的なもののバランスをうまくとっている。それはとても親しみやすいもので、”親しみやすい” というのは、少なくとも俺にとってはイライラさせることがないってこと。
また、最近の “プロ” のレコーディングにありがちな、音の置き換え、量子化、アンプシミュレートされたような雰囲気を求めるのではなく、彼ら全員が質の高い、より “素直な” レコーディング/ミキシング・スタイルを大切にしていることも、俺にとってはとても刺激的なことだったな。

10. PYRRHON “ABSCESS TIME”

pyrrhon are the best bros. i love hanging out and joking around with these guys. they are hilarious. also so honored and happy to have gotten to finally record/mix them for this and the previous album. alex cohen is undoubtedly a technical master, but i think the band started to become truly amazing when steve schweggler stepped in behind the drum kit. his style and aggressive playing fit with Dylan, Erik and Doug just perfectly. it’s great how masterful pyrrhons “tech metal” writing is, but even greater how they also have a purely improvised free-form side to their spirit that’s just as effective. these guys are unstoppable musicians and i love that they also have Seputus, which feature all 4 of them AGAIN! as well as many other bands. these guys get it: make a ton of shit and have it all be awesome. haha

PYRRHON は最高のブラザーだよ。彼らとハングアウトしたり、冗談を言ったりするのが大好きなんだ。そして、このアルバムと前作で彼らをレコーディング/ミックスすることができたことをとても光栄に思っているし、幸せに思っているよ。Alex Cohen は間違いなくテクニカルなマスターだけど、Steve Schweggler がドラムキットに座ってから、このバンドは本当に素晴らしいものになっていったと思う。
彼のスタイルとアグレッシブなプレイは、Dylan, Erik, Doug に完璧にフィットしていた。PYRRHON の “テック・メタル” のライティングが群を抜いているのも素晴らしいけど、それ以上に、彼らの精神には純粋に即興的なフリーフォームの側面があり、それが効果的に作用しているんだよね。
彼らはアンストッパブルなミュージシャンだし、彼ら4人全員をフィーチャーした SEPUTUS も大好きだ。大量のゴミを生み出せば、全てが素晴らしい音楽になることを理解しているね。(笑)

ABOUT NYC AVANT-METAL SCENE

undoubtedly one of the best, but that’s almost a technicality because New York city is the densest, most diverse blob of humans probably on the planet. so everything that benefits from a lot of people and a lot of variety is going to benefit. so many big cities can make similar claims, but NYC is exceptionally diverse and international. being shoved together with a ton of other people, some with similar goals, but a range of approaches and influences is only going to create a richer scene with maximum life and vibrance: what a strength there is in being exposed to a wide variety of approaches and statements!
i’m sorry, but people who believe in the value of segregation based on background are the reason humanity will most likely destroy itself. if having a diverse community isn’t totally obvious as a strength, then we have no hope and deserve to die.

疑いようもなく最高のシーンの一つ。それは当然なんだ。なぜならニューヨーク市はおそらく地球上で最も高密度で最も多様な人間の塊だから。だから、誰もが多くの人々と多くの多様性から受けるべくして恩恵を受けていると言えるね。大都市なら同じ状況になるだろうけど、NYC は特別多様で国際的だからね。
多くの人たちと一緒にいれば、中には同じ目的を持った人もいて、様々なアプローチや影響を受けながらも、最大限の生命力とバイブレーションを持ったより豊かなシーンを創り出すことになるはずだから。様々なアプローチや発言に触れることができるのは、なんという強みだろう!
申し訳ないけど、人種や文化といったバックグラウンドに基づく隔離の価値を信じている人たちこそが、人類が自滅してしまう原因なんだよ。仮に多様なコミュニティを持つことが強みにならないならば、人類に希望はなく、滅びるに値するよ。

ABOUT CORONA CRISIS AND MUSIC INDUSTRY NOW

i have been very lucky to still have some remote studio work, but i haven’t had an attended recording session since march! my friends who rely on the live music world for their income are totally fucked. what’s really sad isn’t that Corona happened. that’s actually just normal and natural. what’s so disappointing is how selfishly many are treating an issue (including the American government!!!!) that’s solely and directly about our collective survival as a species. people can’t get it through their heads that all the activities that they want to return to will be MADE POSSIBLE BY quarantine/distancing/masks/closing non-essential things, rather than seeing those things as an impediment to freedom. once again, if you see this as an issue of personal freedom, rather than ENSURING YOUR OWN HEALTH AND FUTURE, then humanity is fucked and we’re all going to die a horrible slow death together as the modern world crumbles. if your goal is to destroy all humans including yourself and your loved ones and me, then you’re doing great! keep going! thanks!

俺は幸いまだリモートでのスタジオの仕事はあるんだけど、レコーディングセッションには3月から参加していないんだよ!ライブハウスに頼って収入を得ている友人たちは完全にダメになってしまった。
本当に悲しいのはコロナが発生した事じゃないんだ。それは普通で当たり前に起こり得ることなんだから。何がとても残念なのかというと、この問題をどれだけ利己的に扱っているかということなんだ。アメリカ政府も含めてね!!!!
これって、種としての我々が生存できるかに直接関係しているよね。コロナ対策を自由への障害として見るべきじゃないよ。かつての生活に戻るには、自己隔離/ソーシャルディスタンス/マスク/が唯一の道なんだから。
もう一度言うけど、もし君が自分の健康と未来を保証することよりも、コロナ対策を個人の自由として捉えているならば、人類は滅び、現代世界が崩壊していく中で、俺たちは皆一緒に恐ろしくゆるやかな死を迎えることになるだろう。もし君の目標が、自身と愛する人と私を含む全ての人間を破壊することならば、そうすればいい! 頑張れよ、ありがとう!

Here’s a list of my other releases since the lockdown started:
https://xazraug.bandcamp.com/album/unsympathetic-empyrean
https://groeth.bandcamp.com/album/unfathomable-existence
https://indricothere.bandcamp.com/album/tedium-torpor-stasis
https://indricothere.bandcamp.com/album/xi-5
https://hathenter.bandcamp.com/album/wr-w-r-wwr0wr-g-0w-er0gw-0wr-w
https://glyptoglossio.bandcamp.com/album/0-1
https://encenathrakh.bandcamp.com/album/live-album
https://encenathrakh.bandcamp.com/album/thraakethraaeate-thraithraake
https://arelseum.bandcamp.com/
https://edenicpast.bandcamp.com/
https://slam420.bandcamp.com/album/bloated-exploded-og-gluttony
https://youtu.be/2C7SrMS1rGI

Other things panned include:
– the debut full length from Edenic Past
– Arelseum II
– a collaborative album with Mike Pride, Jamie Saft, and Mick Barr
– a collobarion with Andrew Hawkins from Bearing Teeth
– a full classical symphony, presented as a solo album
– 2 new krallice albums
and there will be a lot more i’m sure.

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DUMA : DUMA】LIONSBLOOD OF KENYAN METAL


EXCLUSIVE : INTERVIEW WITH MARTIN KHANJA & SAM KARUGA OF DUMA

“It’s About Going Inside And Bringing It Out, putting Our Guts On The Table. There’s No Hiding. That’s The Thing: You Come To Duma You Come To The Fucking Butchery.”

LIONSBLOOD OF KENYAN METAL

一般的な外国人にとって、マサイの言葉で “冷たい水の場所” を意味するケニアのナイロビは、文字通り大都市特有の冷たさを纏っているように感じられるかもしれません。たしかに、街には高層ビルが立ち並び、交通量は多く、首長はヘネシーがコロナを殺すと考えています。それでもニューヨークや東京に比べればまだ温かみが感じられるのではないでしょうか。
しかし、ナイロビで生まれ育ち、この特異なメタルシーンにおいてさらに特異な色彩を放つグラインドデュオ Sam Karugu (ギター/プログラミング) と Martin Khanja (ボーカル) は、その意見に違を唱えます。
「ラジオを聴けばわかるよ。デタラメばかりだ。聴きたくない人がいるから、俺たちは何か違うものを作るんだ。”ワンサイズ・フィッツ・オール” 、一つの価値観がすべてを支配するなんてもう通用しないよ。俺たちは社会に適応出来ない人たちのために音楽を作っているんだ。」
たしかに、DUMA のセルフタイトルのデビュー作は、凡俗を攻撃するインダストリアルノイズが渦巻く反抗のレコードです。
2019年にウガンダのカンパラにある NyegeNyege Studio で録音されたレコード “Duma” は、00年代初頭にハードコアパンクやメタルを聴いて育った2人が送る強烈なステイトメント。ナイロビには80年代から DIY のハードコアシーンが存在しましたし、毎週木曜日の午後10時から12時まではアンダーグラウンドメタルを流す “Metal to Midnight” という番組も存在しました。それに YouTube, インターネット。
「俺の好きな音楽だから、俺が育った場所で周りのみんなに聴かせてやりたいんだよ。」

アフリカ大陸には未だ極小のメタルシーンしか存在しませんが、バンド同士はネットを通して連絡を取り合い、活気に満ちたコミュニティーを形成しています。ケニアのメタルシーンは「楽器を持っていて、心があって、何かをやりたいと思っている人なら、誰でも音楽ができるんだということを教えてくれた。」と Sam は語ります。
「アフリカにも昔からロックはあったよ…アパルトヘイト時代の70年代には、ザンビアやジンバブエのバンドが “Zamrock” を作っていた。ググってみてよ。だけどほとんどのバンドがレコーディングができなかった。だからそのためにケニアに来ていたんだ。”Zamrock” は70年代、80年代、90年代まで続いていたよ。アパルトヘイトが終わるころまでね。
だから、ケニアのシーンはずっと前からあったし、例えば南アフリカにはシーンがあるし、北アフリカにはチュニジアやエジプトにもシーンがある。世界の人々は俺らの存在を忘れてしまっているような気がするよ。でも、ケニアにもロックやメタルがあって、みんな楽しんでいて、バンドが演奏していて、モッシュ・ピットがあって、本当にオープンな人たちばかりなんだ。 人々が本当にオープンなんだよ。」
Martin もシーンの温かさについて同意します。
「ケニアのシーンは家族のような、コミュニティのようなものなんだ。どれだけ稼いでいるか、どんな人種かとか、そんなことは気にしない。ショーに出れば、みんなが愛してくれて、ありのままの自分を受け入れてくれる。
俺は自分のやっていることが人気があるものではなく、とても奇妙なものだと思っていた。だから同じ音楽をやっている人たちに出会って、”兄弟 “という感じになったんだ。俺たちはお互いを理解している。会場に足を踏み入れると、家族のような感覚になるんだ。 子供の頃、高校の頃に会った人たちや、大学生になってから会った人たちが、家族を連れて来てくれるんだ。 それは変わらず、どんどん大きくなっていく。 それがケニアのシーンのとても好きなところだね。みんなが互いに知っていて、みんなのことを愛しているから。」
それでも Sam はメインストリームからは程遠い現状も付け加えます。
「一回のライブで100ユーロが手に入る。それをバンド全員で分けるんだ。メインストリームからは程遠いよ。適切なギア、スタジオなんてないからなかなか新たなチャレンジも出来ないしね。好きだからやっているんだ。やらないと気が狂いそうになるから。」

影響を受けたのはどんな音楽なのでしょう?Martinはこう切り出します。
「TORCH BEARER, PINK FLOYD, Kurt Cobain, XXXTentacion, Travis Scott, SUICIDE SILENCE の Mitch Lucker, Bob Marley, それに DJ Scotch Egg-彼は神だよ。とにかく、彼らは上級地球人さ。エリートなんだよ。」
Sam はどうでしょう?
「ケニアのバンドはみんなそうさ。あとは LAST YEAR’S TRAGEDY, THROBBING GRISTLE。それから、BLACK FLAG, MINOR THREAT, SYSTEM OF A DOWN, それに MELT-BANANA! “Cell-Scape” は最高さ。たくさんいるよ。あとは母さんだね。でも母さんは俺がメタルをやっているなんて知らないよ。ゴスペルかなんかだと思っているんだろう。バレたら面倒くさいからね (笑) 」
Martin にとってメタルは救いであり、自己実現のためのツールでもありました。
「ラジオからメタルが流れてきて、人生が変わった。俺はいつも人生の中で自分の道を見つけようとしていたし、何かを発見しようとしていた。そしてこの音楽が俺に表現力を与えてくれていることに気付いたんだ。
道を歩いていると、頭の中でリズムが聞こえてきたり、詩を書いたりすることはいつも経験してきた。どこでそれを表現できるのか? この作品を通して、それを解放する方法を見つけたんだ。音楽がなければ自分の人生をどうすればいいのかわからない。目的がないんだ。メタルが生きがいを与えてくれた。一日の終わりには自分を表現しなければならない。そうしないと自分を抑え込んでしまう。精神的にも健康的じゃない。俺は苦手なことばかりだけど、少なくともこれは得意なんだ。」

2019年に DUMA が結成されたとはいえ、Sam と Martin は高校時代からお互いを知っていました。そして、Sam は SEEDS OF DATURA の、Martin は LUST OF A DYING BREED というトップナイロビメタルのメンバーでした。当時から、2人は互いの音楽に興味を持っていたのです。ボツワナのウインターメタルフェスで意気投合したデュオのパフォーマンスはすぐに共同作業へと繋がります。バンド名 DUMA とはキクユ語で暗闇を意味します。
「俺らはこの音楽に本当に深く入り込んでしまった。自分たち自身もダークで、音楽もダークで、世界観もダークなこのプロジェクトにね。」
アルバム “Duma” はメタルとして成立しながら、デュオの多様な嗜好を反映したモンスターです。”Omni” でトラップとメタルを融合し、”Lionsblood” ではエレクトロのダンスビートを取り入れます。「ダークでヘヴィーな実験だよ。新しいサウンドを作るためのね。」
“Lionsblood” はまさにアフリカのバンドにしか書けない楽曲でしょう。Martin が説明します。
「これは俺の民族的背景であるマサイ族のルーツからきている。男になるためには、茂みに入ってライオンを殺し、ライオンの血で体を洗わなければならないんだ。それは、つまり自分を見つけたということだ。ライオンの血を飲むんだから、生き残れば自分の中にライオンが残る。この慣わしを使ったのは、俺たちが日常生活の中でどのように存在しているかを表現したかったから。
問題は、人種や文化の違いじゃなく、見解や認識の違いなんだ。その違いは、俺たちが共に分かち合うべき強さなんだよ。 この違いが組み合わさったとき、俺たちはみんな強くなるんだから。人は教会に行ったり、学校に行ったり、何かを発明したり、ビジネスを経営したりすることができる。もし本当に好きなことが得意なら、それをやってみて、好きなことをするように人々を鼓舞して欲しいね。それが人間として、俺たち全員のためになるんだから。」

アートワークも一種独特です。Sam が語ります。
「偶然近所の市場で撮ったんだ。女の人が肉を買っているんだけど、彼女の服も肉に見える。肉を食べようとして自分が食べられてしまう。つまり、消費者にみえて実は自らが消費されているんだよ。それにアフリカっぽくて、メタルっぽいアートワークだよね。俺たちが言うところの、机にすべての内臓を出すってやつだよ。肉はすべて切り取られ、演奏するたび俺たちの体内で力になる (笑)」
Martin が付け加えます。
「つまり、このアートワークは自らの内なるものを外界へ解放することを象徴しているんだ。そうやって、自分のすべての内臓を机の上に出すわけだよ。何も隠すことはない。それが DUMA をやっている理由だから。」
アルバムには、ナイロビに対するバンドの不満も反映されています。Sam は、宗教と資本主義がこの大都市における “障壁” となってしまっていると非難します。住人たちは、この “ループの中” で生活することに慣れてしまい、快適な繭の中から出ることはないのです。DUMA は先住民が、自由に生きられるかつてのやり方を思い出すための水先案内人なのでしょう。
「もう機能していないよ。教育、宗教、商業、あらゆるものが俺たちの心を鈍らせている。本当の自分になることを許してくれないんだ。”Comers in Nihil” は箱の中に閉じ込められているという概念を比喩的に探求している。仕事をしてまともにお金を稼ぐというマンネリは安心だし心地よいものだけど、実際には生きているわけじゃなくゆっくりと人生を消耗しているだけなんだ。ただ仕事に行って家に帰ってくるだけなんだから。」
アフリカの現実にも立ち向かわなければなりません。Martin が続けます。
「仕事に行って家に帰ってもやることはたくさんある。家族もいるしね。それでも人は自分をポジティブに表現することでしか生き残れない。すべてを内に秘めていたら発狂してしまうから。自らの内面を世界に共有すれば、存在しなかったはずの人生が創造できる。ひいては、未来のより良い世界を作ることに繋がるんだ。」

仮に、コロナが世界の終わりをもたらそうとも? Sam は同意します。
「何かを創作し続けなきゃ。自分のやりたいことを全力でやらないといけない。世界はコロナで終わりを迎えるかもしれないし、何が起きているのかさえわからないけど、俺は自分のやりたいことをやって、自分らしく表現していくしかないんだよ。今の世の中、SNS によってほとんどの人が自分を表現できるようになっているだろう?今がその時だよ。自分の内臓を全部だすんだよ。」
闇の中でも常に光を見出すアルバムには、世界中に自分たちの音楽を広めたいという野心と共に、純粋な、サブリミナルなメッセージが込められています。Martin は目を輝かせます。
「みんなを鼓舞して、今よりもっと良くなるようにしてあげたいんだ。ビデオにもサブリミナルメッセージを込めている。本当に目を覚まそうとしている人には、それが理解することが出来るのさ。多くの人にインスピレーションを与えたいよ。音楽を聴いてくれた人、インタビューを読んでくれた人、ビデオを見てくれた人の心に何かを残したい。より良く生きれるような何かをね。」
Martin の最も伝えたいメッセージは、オープニングナンバー “Angels and Abysses” に描かれています。
「天使と深淵。心の中の小さな囁きを込めた曲だ。労働の中で、”オマエはもうめちゃくちゃだ。家に帰るんだ” ってね。毎日、自分の別の姿、一面が常に一緒にあることを忘れないでほしいんだ。
俺は心理学の修士号を持っている。そして、自らの認識している意識とは氷山の一角だと気づいたんだ。俺たちの習慣、行動、世界観は別の場所から来ているんだよ。意識的にそれを微調整することができれば、思い描いている最高の人生を体験することができるはずなんだ。その域まで到達しない場合でも、少なくともそれに近づくだろうし、これまでよりは良いものになるはずさ。」
Sam のお気に入りは “Pembe 666″。
「基本的には黙示録5章6節なんだが、スワヒリ語で書かれているんだ。聖書のこの一節では、ヨハネが小羊を見つけたと言っているんだけど、小羊は七つの封印を持っていて世界を解放するためにそれを開けなければならないんだよ。そして彼は子羊が殺されているのを見つけたんだ。 答えを探しているうちに、子羊が殺されていることに気づくというのは、宗教の面白いところだよな。きっと答えはないんだろう。」

最もテクノロジーを受け入れたバンドがケニア出身というのも皮肉なものです。
「俺たちにあるのは、歌とギターとラップトップだけ。面白いことに、メタルではほとんどの人がコンピュータをリスペクトしていない。純粋ではないと思われている。でも、コンピューターがあれば、バンド全体の音楽を作ることができることに気付いたんだ。シンセラインやドラムやギターを思いついて、それを完成させるまで煮詰めていくんだよ。」
DUMA がこれから進む場所はどこにあるのでしょう? Martin が答えます。
「デスメタルはもうやり終えたかも。メタルコア、デスコア、アバンギャルド、シンフォニック、ドゥーム。 これら全ての異なるジャンルからの影響を利用して、ハイブリッドな表現を生み出そうとしている。2040年や2050年に生まれた人たちだって何かを必要としているだろうし、僕らは前に進まなければならない。ヨーロッパやアメリカじゃ、メタルが確立されている。アフリカのメタルを知らしめるために、コンガやブラス、ドラムスといった民族楽器を取り入れるのは良い方法だと思うしね。それが俺たちの目標だ。俺達は新しいジャンルを作るつもりだよ。」
Sam と Martin は、彼らを理解しない人のことまで気にかけてはいません。DUMA の音楽は、マンネリに飽き飽きしたリスナーや、地元の放送局に満足しない人たちのためのもの。DUMA を完全に吸収するには、開かれた心が必要なのです。
「老若男女を問わず、すべての人に関係のあるものを作ろうと思った。たとえ暗くても、そこには光がある。そこにはたくさの知識と知恵が詰まっていて、子供たち、またその子供たちになんらかのインスピレーションを与えるんだ。」
DUMA はある種の伝道師なのでしょうか? Martin は否定します。
「というより、奉仕活動だよ。俺たちのライブに来れば、自分の抱えている問題や障害を克服するより良い方法を見つけることが出来るからね。視点を変えてくれるし、力を与えてくれる。改心させたいわけじゃなく、思い出させたいだけなんだ。」
Sam も同意します。
「伝道ではないね。メタルでは、8万人がメイデンのライブにくるけど、別に崇拝はしてないでしょ?(笑)。ただメイデンを聴くためにライブに行って、家に帰ればクソをする。誰も崇拝はしていない。それがメタルの醍醐味なんだよ。みんな自分の好きなことをしているだけさ。崇拝してるとしたら悲しいことだ。俺たちを崇拝なんてするなよ。やめとけ (笑)。」

参考文献: BANDCAMP:Duma Shines A Light on Underground Kenyan Metal

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PANZERBALLETT : PLANET Z】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAN ZEHRFELD OF PANZERBALLETT !!

“Planet X Were The First Band I’ve Heard With This Special Blend Of Low-Tuned Heavy Guitar Riffs, Dark Atmospheres, Jazz Harmony, Precision And Virtuosity. “Planet Z” Could Be Understood As My Vision Of a Sequel To That.”

DISC REVIEW “PLANET Z”

「私の愛する2つの異なった音楽世界を融合させるつもりだった。このバンド名を見つけることが出来てラッキーだったよ。とても良くコンセプトを表現しているからね。ヘヴィーな鋼鉄とソフトなダンス。両方とも深く気を配る必要があるというのが共通点だね。戦車は精密なエンジニアリングを要求されるし、バレーは舞踏術をマスターした独創性に基づくからね。」
ドイツが誇る PANZERBALLETT は、ヘヴィーとソフト、精密と独創、複雑と明快を股にかけ、重音舞踏会を華麗に駆け抜ける高性能ジャズ式重戦車。その異様と壮観には5つの掟が定められています。
「音楽とテクニックでリスナーに感動を与える」「多面性を持って音楽的にフレッシュでいる」「音楽の予測性と非予測性をバランス良くミックス」「高い知的レベルを保ちながらアグレッションを持つ」「リスナーの期待に沿わないで挑発する」
実際、PANZERBALLETT はこれまで、新鮮なアイデアと予想外の行動でリスナーに驚きを与え続けてきました。
Frank Zappa, WEATHER REPORT, ABBA といった多様な泉から涌き出でるカバーの数々、”Take Five” や “ピンクパンサーのテーマ” を自らのセットリストに組み込むその貪欲、そしてサックスはもちろん、インドの伝統楽器にタイプライター、果ては Mattius Eklundh まで “使用” する大胆奇抜まで、常軌を逸した PANZERBALLETT の辞書に不可能の文字は存在しないのです。
「PLANET X は低音のヘヴィーなギターリフ、ダークな雰囲気、ジャズのハーモニー、正確さ、そして名人芸の特別なブレンドを持っていたね。こんなバンドは聴いたことがなかったよ。だから、”Planet Z”は、”Planet X” の続編のような作品を作ってみたいという願望のあらわれなんだ。」
テクニシャン・オブ・テクニシャンを結集した PANZERBALLETT ですが、それでも Jan Zehrfeld という大佐の乗り物であることは疑いの余地もありません。そして、最新作 “Planet Z” は、Zehrfeld の頭文字を頂くように以前よりさらにソロアルバムの性質が高まった作品と言えるのです。
The Brecker Brothers, TRIBAL TECH, MESHUGGAH といった異能に影響を受けてきた Jan ですが、そのヘヴィーメタルビバップな魂を最も喚起したのが PLANET X でした。
キーボードの VAN HALEN こと Derek Sherinian が名手 Virgil Donati と立ち上げたインストフュージョンプロジェクト。Tony MacAlpine, T.J. Helmerich, Brett Garsed, Alan Holdsworth, Billy Sheehan, Dave LaRue などなど奇跡的なメンバーを集めて、メタルとジャズの交差点を探った早すぎたバンドです。
異端は異端を知る。そんな宇宙人の魂を継ぐように、アルバムは Virgil Donati のドラムスをフィーチャーした格好のジャズメタル “Prime Time” でその幕を開けます。
「彼らは皆私に影響を与えていて、特に Virgil からは大きな影響を受けている。だからまず、彼に声をかけたんだ。でも素晴らしい出発点になったよ。なぜなら、彼が参加していることで他の一流のドラマーたちにも参加を了承してもらうことができたからね。」
今回のゲストを大勢招くそのやり方も、PLANET X を見習ったものかも知れませんね。Virgil, Marco Minnemann, Morgan Agren, Gergo Borlai, Hannes Grossmann, Andy Lind。OBSCURA で多忙な Sebastian Lanser の休養と共に自らが愛するドラマー6名を招くことで、アルバムはさらにソロ作品の色を濃くしていきます。
「クラッシック作曲家の中でワーグナーは、おそらく最も “メタル” な音楽性を持った一人だから。」
その言葉通り、鬼才ワグナーのワルキューレはメタルの五重奏へと堂々進化し、ウニとタコの壮絶な戦いを複雑怪奇な音楽で表現し、遂には SOS のモールス信号をそのまま楽曲へと組み込んでしまう。Jan の爆発する芸術は “Planet Z” という遠く離れた宇宙の星で目一杯花開いたのです。
今回弊誌では、Jan Zehrfeld にインタビューを行うことが出来ました。「この15年の間に、PANZERBALLETT は独自の音楽領域を作り上げてきたね。音楽を作る時は、その領域に飛び込んでいるんだけど、それって自分の “惑星” に引きこもっていると言えるかもしれないよね。」 前回のインタビューと合わせてどうぞ!!

PANZERBALLETT “PLANET Z” : 9.9/10

INTERVIEW WITH JAN ZEHRFELD

Q1: From the Corona crisis to Black Lives Matter, and big climate change, this world is going through a turbulent time right now. First of all, what’s your perspective about the situation?

【JAN】: Indeed, the worst challenge is Corona, it utterly affects me as a musician and a parent. I believe in science and no conspiracy whatsoever, wear my mask and avoid any private partys or big gatherings. This is serious shit, and humanity has to work together on a maximum level to get this under control as quick and good as possible.
Black Lives Matter doesn’t affect me, it’s one of many problems in the US, I just sincerely hope the American people will not fail in their next big intelligence test — the election –and manage to change the government, which is probably also relevant for BLM. Climate change — of course. I take people with me when travelling by car to other cities, to make a small contribution.

Q1: コロナ危機から Black Lives Matter、そして気候変動が引き起こす災害と、世界は激動の時を迎えていますね?

【JAN】: まず、最悪の課題はコロナであり、それはミュージシャンとして、また親としての私に大きな影響を与えている。私は科学を信じているから、陰謀論などは一切気にしないし、マスクを着用して、プライベートなパーティーや大きな集まりは避けているよ。これは深刻な事態で、人類は最大限に協力しあって出来るだけ早く、良い状態までコントロールする必要があるね。
Black Lives Matter は私にあまり影響を及ぼしていないよ。アメリカが抱える多くの問題の一つだ。私はただ、アメリカ人が次の大きな知性のテスト、つまり選挙で失敗しないことを心から願っているんだ。そして政府を何とか変えて欲しいとね。
もちろん気候変動も重要だよね。私は車で他の都市に行くときには、人を連れていって少しでも環境対策に貢献しようとしているんだ。

Q2: I’m sure you have a lot of respect for Planet X. And the title of your new record is “Planet Z”. There seems to be a connection, doesn’t there?

【JAN】: Yes, of course! I love to make album titles ambiguous plays on words. “Planet Z” is on the one hand referring to “Planet X”, one of my most important influences.
They were the first band I’ve heard with this special blend of low-tuned heavy guitar riffs, dark atmospheres, jazz harmony, precision and virtuosity.”Planet Z” could be understood as my vision of a sequel to that.
The second meaning is referring to “Z” as shortcut to my last name and thus the solo album nature. During the past 15 years, Panzerballett has created its own musical realm. When creating music, I’m diving into this realm, or you could say I’m retreating to my “planet”.

Q2: あなたが PLANET X に大きなリスペクトを捧げていることは知っていますよ。奇しくも新作のタイトルは “Planet Z”、何か関連性を感じますね?

【JAN】: もちろん関係があるよ。私はアルバムタイトルを曖昧な言葉遊びにするのが好きなんだ。”Planet Z” は私の最も重要な影響元である “Planet X” を一方では指しているね。
彼らは、低音のヘヴィーなギターリフ、ダークな雰囲気、ジャズのハーモニー、正確さ、そして名人芸の特別なブレンドを持っていたね。こんなバンドは聴いたことがなかったよ。だから、”Planet Z”は、”Planet X” の続編のような作品を作ってみたいという願望のあらわれなんだ。
もう一つの意味は、”Z” が私の姓をショートカットしたもので、ゆえにソロアルバムの性質を帯びていると言えるね。
まあ、この15年の間に、PANZERBALLETT は独自の音楽領域を作り上げてきたね。音楽を作る時は、その領域に飛び込んでいるんだけど、それって自分の “惑星” に引きこもっていると言えるかもしれないよね。

Q3: Speaking of Planet X, the album features a guest appearance by Virgil Donati. Not only Virgil, you also have a guest drummer for each song, in addition to Sebastian Lanser, right? You know, King Crimson continues to try to add more drums, but how did you come up with this unique idea?

【JAN】: Of course it’s no coincidence I chose the track featuring Virgil as the opening one. Another referral to “Planet X vs Planet Z”
Sebastian is not represented on this album, since we decided to take a collaborational break, with him having been busy with Obscura, who were touring quite extensively at that time. I saw this as a chance to work together with drummers I’ve always wanted to work with.

Q3: PLANET X のメンバーだった Virgil Donati がゲスト参加していますね。Virgil だけでなく、各曲にゲストドラマーを招いていますが、本職の Sebastian とのツインドラムを目指したのですか?

【JAN】: もちろん、Virgil をフィーチャーしたトラックをオープニングに選んだのは偶然じゃないよ。つまり、これもまた “Planet X vs Planet Z” を意識してのことなんだ。
実は、このアルバムに Sebastian は参加していないんだよ。彼は当時ツアーをしていた OBSCURA の活動に忙殺されていたから、彼とのコラボレーションを一旦休むことにしたんだ。
ずっと一緒に仕事をしたいと思っていたドラマーと仕事をするチャンスだと思ったしね。

Q4: How did you select the drummers to participate? Was there a particular take that stood out to you?

【JAN】: First of all, I contacted the ones I had already talked to and met in person in the last 10-15 years (except Gergo, who I was also a fan of). They were all influential to me, especially Virgil, so he was the first one, also a great starting point, because having him on board made a great starting point for possibly getting other top-notch drummers to agree. It eventually worked out :))

Q4: ゲストに招くドラマーはどのように選んでいったのですか? 彼らの中で特に印象に残った人物はいましたか?

【JAN】: まず第一に、過去10年から15年の間ですでに話をしていたり、直接会ったりしていたドラマー達に連絡を取ったんだ。Gergo を除いてね。でも私は彼のファンだったから。
彼らは皆私に影響を与えていて、特に Virgil からは大きな影響を受けている。だからまず、彼に声をかけたんだ。でも素晴らしい出発点になったよ。なぜなら、彼が参加していることで他の一流のドラマーたちにも参加を了承してもらうことができたからね。最終的にはすべてうまくいったよ。(笑)

Q5: Wagner’s Walkürenritt surprised me, it’s a really great cover version. Many artists in the metal and prog world cover Bach and Mozart, but why did you choose this track by Wagner?

【JAN】: In 2015, when we as a band were part of the play at Nibelungen Festival, I made this arrangement as wink to Wagner’s “Ring Of The Nibelung”. Among classic composers Wagner is probably the most “metal” one, so this was a straight fit. Also it offered to use one of my favorite re-arranging tools, which is converting subdivisions to quintuplets. The rhythm here is quintuplet-infested.

Q5: ワグナーの “ワルキューレ” のカバーには驚きましたよ。素晴らしい出来ですね!
メタルやプログ世界の住人はバッハやモーツァルトを好む傾向にありますが、ワグナーを選んだのはなぜですか?

【JAN】: 2015年、ニーベルンゲン音楽祭でバンドとして劇中に参加した際に、ワーグナーの “ニーベルングの指環” に関連してこの曲のアレンジを行ったんだ。クラッシック作曲家の中でワーグナーは、おそらく最も “メタル” な音楽性を持った一人だから、この曲もストレートにフィットしていたね。
それに、私のお気に入りのリアレンジツールの1つを使用して、五重奏に変換していったのさ。ここでのリズムは、五重奏にフィットさせているよ。

Q6: “Urchin vs Octopus” is a really unique song. The polyrhythms in this song are very impressive, does one side represent urchin, one side represents Octopus?

【JAN】: Haha thanks, these two sea animals were once used to metaphorically compare two different personalities of musicians who once worked with us. Musically the urchin could be interpretable as the wave form of heavily distorted guitars, while the octopus could represent a melody line wobbling polymetrically around the beat, or the way the fingers move down the fretboard during the theme.

Q6: “Urchin vs Octopus” は実にユニークな楽曲ですね。ポリリズムが非常に印象的ですが、片方のリズムがウニで、もう片方のリズムがタコを表しているのでしょうか?

【JAN】: はは (笑) ありがとう。この2つの海の動物は、かつて私たちと一緒に仕事をしていたミュージシャンたちが持つの2つの異なる性格を、比喩的に比較するため使用したんだ。
音楽的には、ウニは重く歪んだギターの波形として解釈できるし、タコはビートの周りをポリメトリカルに揺れるメロディーラインや、テーマの中で指がフレッドボードをで動きまわる様子を表しているね。

Q7: SOS is literally a song inspired by the morse code of SOS, isn’t it? How did you come up with using real SOS code in the song?

【JAN】: Yes, you got that perfectly right. I had this idea a long time ago. As a teenager I used to listen to Rush, and their song “YYZ” might have inspired me.
In general, I love playing with ideas of well-known rhythms, like the “clapping rhythm” in our song “Friede, Freude, Fussball”; or spinning further musical ideas with superficial rhythmic recognition features, like I did in “Typewriter II” as a sequel to Leron Anderson’s “Typewriter”. When writing “SOS” I was literally picturing the dramatic process of a sinking ship

Q7: “SOS” は文字通りモールス信号をテーマにした楽曲で、信号のリズムそのものを楽曲に落とし込んでいますよね?

【JAN】: そうだね、まさにその通りだよ。このアイデアはずっと前に思いついたんだ。ティーンエイジャーの頃、RUSH をよく聴いていたから、彼らの楽曲 “YYZ “に触発されたのかもしれないね。
基本的に、”Friede, Freude, Fussball” の「拍手のリズム」のように、よく知られたリズムを使って遊ぶのが好きなんだよ。それにレロン・アンダーソンの “Typewriter” の続編として作った “Typewriter II” でやったように、表面的なリズムを認識して音楽的なアイデアをさらに紡いでいくようなやり方もね。
“SOS” を書いている時は、文字通り沈没する船のドラマチックなプロセスを描いていたんだよ。

Q8: More and more metal bands have been using the saxophone in recent years, but it’s still not enough.What are some things to keep in mind when using the saxophone in heavy music?

【JAN】: First of all, I don’t think it’s easy to find a good saxophone player willing to betake herself or himself to an infernally loud place between heavily distorted guitars.
Should you find one ready to overlook the loss of habitual comfort in the acoustic situation, the next challenge is to adequately amplify the sax without feedback effects. Musically I avoid arranging saxophone for doubling heavy guitar riff, this often sounds cheesy to my ears. I think the sax is blending especially well with distorted lead guitars.

Q8: 近年、サックスを使用するメタルバンドが増えていますよね。ヘヴィーな音楽にサックスを使用する際、心に留めて置くべきことは何ですか?

【JAN】: まず第一に、重く歪んだギターの間の地獄のような大音量の場所に身を委ねようとする良いサックス奏者を見つけるのは、決して簡単じゃないと思うな。
もし、アコースティックな状況における快適さの喪失を見過ごす準備ができているサックス奏者を見つけたとしても、次の課題として、フィードバック効果なしにサックスの音量を適切に増幅することがあるよね。音楽的にはヘヴィーなギターリフをダブらせるためにサックスをアレンジすることは避けているんだ。私の耳には安っぽく聞こえてしまうことが多いからね。でも、特に歪んだリードギターとの相性は抜群だと思っているよ。

JAN’S RECENT FIVE FAVORITE ALBUMS

SUNGAZER “VOL.1”

TIGRAN HAMASYAN “MOCKROOT”

VIRGIL DONATI “THE DAWN OF TIMES”

2MARS “DISCLOSURE”

GERGO BORLAI “THE MISSING SONG”

MESSAGE FOR JAPAN

It’s one of my dreams to visit Tokyo and maybe even play a concert. I strongly believe there would be a great audience for us. So please feel free to invite us, we’d love to come and play!

東京を訪れてコンサートを行うのは、私の夢の一つなんだ。私たちにとって素晴らしいオーディエンスが待っていると強く信じているからね。だからぜひ招待してほしいね。すぐ駆けつけるよ!

JAN ZEHRFELD

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NEW DISC REVIEW + COVER STOEY 【DEFTONES : OHMS】


COVER STORY : DEFTONES “OHMS”

“I Set Up a Record Player In The Media Room, Which Has Forced Me And My Family To Listen To Records And Start Them From The Beginning And Listen To The Whole Thing, Through The Experience. I’m Trying To Get My Daughter, Who’s 15, Into That Mindset Of Listening To Records. Everybody Right Now Is Spoon-fed Singles, But Listening To Records Is an Experience.”

VOLT = 1 AMPERE × 1 OHM

「MESHUGGAH のように聴こえるかって?いやそこまでヘヴィーじゃないよ。ツーバス祭りかって?そんなの俺たちがやったことあるかい? 怒ってるかって?ああ、怒っている部分もあるよ。だけど、俺たちが全編怒っているだけのレコードを出したことがあったかい?」
ヘヴィーな音楽に繊細で色とりどりのテクスチャーを織り込むのが DEFTONES 不変のやり方です。
「俺は大のヘヴィーメタルファンとは言えない。良い音楽が好きなんだ。どんな音楽でも好きだよ。良い曲があればジャンルは問わないね。俺たちはオープンマインドなんだ。何か一つのジャンルに収まる必要はない。むしろそうであるべきではないと思う。人それぞれでいいんじゃないかな。CANNIVAL CORPSE を聴きたければ聴けばいい。でも俺たちは皆色々な音楽を聴いているから、ある日突然ニッチなものに当てはまらなければならないと決めてしまうと、自分自身を壁に閉じ込めることになってしまうと思うんだ。」
実際、Twitch の DJ 配信で Chino は、N.W.A, Toro y Moi, Brian Eno, BLUT AUS NORD など自らのエクレクティックな趣向を明かしています。
「電子音楽、実験的なもが好きで、何年もヴァイナルを集めているんだ。新しい家でメディアルームにレコードプレーヤーを設置したんだけど、そのおかげで俺も家族もレコードを最初から聴き始めて、通して全部聴くことを余儀なくされているんだ。15歳になる娘に、レコードを聴くというマインドセットを身につけさせようとしているんだよ。今の人はみんなシングルばかり聴いているけど、レコードを聴くのは経験なんだよね。
年寄りの説教みたいに聞こえるかもしれないけど、俺にとってはとても意味のあることなんだ。娘を部屋に呼び、”何のレコードかわからなくてもいいから、一枚選んでみてよ” ってね。この間彼女は TORTOISE というバンドを選んだ。ドラマー2人の6人組で、全てインストゥルメンタルだった。”なぜそれを選んだの?”と聞いたら 彼女は “カバーが気に入ったから” と答えたね。それからそのアルバムを聴いたんだ。
昔はそういう風に音楽を選んでいたんだよ。レコード屋に行って、レコードを見て、かっこよさそうなものがあれば手に入れていた。そして、自分で稼いだお金を使って、レコードを好きになっていったんだ。その精神を自分の中に持ち続けて、若い人たちに伝えようとしているのさ。」

時にヘヴィーで、時に怒り、時にファストで、時にカモメが鳴くレコード。
「カモメの鳴き声を入れたいと思ってたんだ。Don Henley の “Boys of Summer” にはカモメの鳴き声が聴こえるセクションがあって、不気味な気持ちになったものさ。」
カモメの鳴き声を入れようと決めた時、すでに “Pompeji” は完成した後でした。しかし、ビーチの捕食者から12分の音声を入手した彼らは、波の音と鳴き声のサウンドスケープを忍ばせることにまんまと成功したのです。
「こうすれば楽曲の設定が変えられるし、どこかへ連れて行ってくれるよね。俺らのレコードにはいつだって小さな動物や昆虫が隠れているから (笑)」
DEFTONES 9枚目のアルバム “Ohms” に戻ってきたのは、動物の鳴き声だけではありません。”Adrenaline”, “Around The Fur”, “White Pony”, “Deftones” のプロデューサーである Terry Date も久々の帰還を果たしました。
「彼はとても忍耐強い人だけど、挑戦するスペースを与えてくれるんだ。たぶん、一緒に仕事をしていて心地よく感じない人とやっていると、スタジオに入って何かをしなければならないって感じになってしまうんだろうね。Terry と一緒なら何かをやり遂げることができる。うまくいかないかもしれないことをやってみても、俺が立ち止まって「よし、今度は別の視点から見てみよう」と言うまでは、その道を歩ませてくれるんだ。 」
Terry と製作したうちの1枚、”White Pony” は今年20周年を迎えました。昨今、2000年にリリースされたレコードを当時見下していたメディアやライターが Nu-metal について再評価の言葉を投げかけています。
「彼らは常に見下していたと思う。聴くことに罪悪感すら感じていたよね。僕らのことではないと思うけど、間違いなく LIMP BIZKIT とかはそうだよね。当時のリスナーはそれが馬鹿げていることを知っていた。振り返ってみると “あんな音楽を聞いていたなんて信じられない” とかじゃなくて “あの頃はバカだと分かっていても好きだった”ってことさ。それでいいんだよ。ダサいと思って恥ずかしがっちゃだめだよ。好きなものを好きになればいい。誰が気にするんだ?偉そうにするなよ。何の問題もないよ。」

Google によると、”Ohms” とは “導体の2点間の電気抵抗” と定義されています。Chino にとってこの言葉はどのような意味を持つのでしょう?
「ものごとのバランスと極性のことだよ。俺はいつも DEFTONES を陰と陽のバンドだと表現してきた。俺らが作る音楽、歌詞にはいつもそれが並列されていて、そこから美しさが生まれるんだよ。」
美しさといえば、ドラマーの Abe Cunningham は以前、アルバム “White Pony” を自由に走る美しい馬のイメージだと語っていました。”Ohms” のイメージは何なんでしょう?
「サマースカッシュかレモンキューカンバーだな。まあ動物で言えば仔馬だな。新しい野生の仔馬さ。」
タイトルソング “Ohms” を語る時、Chino は興奮を隠せません。
「最初に書かれたものの一つさ。Stephen が3年前にデモを送ってくれてね。彼のメールを開くのが大好きなんだよ。いつも興奮させられるからね。他のメンバーは、この曲の陽気な響きに少し困惑していたけれど。」
そうしてリスナーは、ノイズの嵐から Chino Moreno の言葉を受け取ります。”俺たちは過去というデブリに囲まれて生きている”。それはフロントマンがレコードにおいて、そしてレコード以外でも最近よく口にする言葉です。
とは言え、エクストリームシーンで最もリスペクトを受ける言葉の達人は、しかし歌詞を書くことにそれほど拘りがありません。
「まあ歌詞は、日記のかわりに、より詩的な方法で考えを書き留めているって感じかな。恥ずかしいとまでは言わないけど、簡単じゃないよ。一番好きじゃないことかな。(笑) 言いたいことがどれだけあるのかわからず、止めることもよくあるね。あとはより匿名性の高いものに置き換えてプレッシャーを和らげたりとか。」
Chino にとって、曖昧であることはソングライティングにおいて重要な要素です。常に見えていながら、手の届かない場所にいる、自分自身をカモフラージュする能力。それこそが長年に渡り、Chino にミステリアスな雰囲気を付与してきました。メンバーの Abe にしても自分の人生をかけて演奏してきた楽曲が何についてなのか、分かっていないこともあります。
「歌詞の意味を時々彼に尋ねるんだ。彼はうーん、どうだろう。わからないけどそうなのかな?ってはぐらかすんだ。まあでも、長い間一緒にいるからね。Chino はいつも人生に起こったことを共有したいと思っているんだよ。歌詞は自分から出てきたものだ。内省的というか。だから、最悪な出来事でも、毎晩それを歌えるのはとても幸せなことなんだよ。そうやって悪魔を追い払うことができるんだから。」

たしかに、Abe の内省的という指摘は今回のレコードに強く当てはまるのかもしれませんね。”Koi No Yokan” のコズミックなイメージは近かったにしても、DEFTONES はコンセプトアルバムを作りません。それでも、”Ohms” の楽曲を分解すれば、特定の言葉たちが何度か登場することに気づくはずです。
「自分自身と向き合いながら多くの経験をした。これまで生きたいように生きてきたから、内省的なことをする必要があったんだ。セラピーを受けたんだ。俺はいつも、自分の個人的な感情を他人に話す必要があるのかと感じていた。でも、自分やバンドのことを知らない人と話すのは全く異なる経験になったね。子供の頃からの自分をさらけ出して、なぜ、どうやって今の自分になったのか理解することが出来たからね。」
Chino は毎日朝になるとセラピーに向かい、何週間もかけて自分の人生の物語を辿って行きました。時折疲労も感じましたが、価値のある疲れだったようです。
「良い結果でも悪い結果でも、なぜ自分が人生でその決断を下してきたのか気がついたんだ。解明するのはクールなことだったよ。怖いことでもあるけど、間違いなく健全なことさ。だからこのアルバムのテーマのうちいくつかは、人生で行った選択を認識して、満足いかない状況をどうやって変えていくのか考えられるようになることなんだ。」
恵まれた人生に思えますが、Chino の不満とは何だったのでしょう?
「まあ多くの人が対処していることだと思うけど、ある時に不幸になったり、悲しかったり、寂しかったり、怒ったりすると、どこかしら頭が変になることがあってね。これまでに書いてきた曲を見てもらえればわかると思うけど、僕の感情はいつもどこにだってありえるんだ(笑)。冷静さを保てないことが多くて、親しい友人や家族には嫌な顔をすることもある。だけどそれは彼らに怒っているのではなく、もっとうまくやれるとわかっている自分に怒っているのかもしれないよね。あまり具体的には言いたくないけど、決断を下しても気分が良くならないとしたら、それをどうやって変えるの? 自分に責任を持って、自分を見つめ直すんだよ。多くの人がそうする必要があるけれど、簡単なことじゃないよね。だけどそうやって少しずつ学んでいくんだ。そうすれば少しずつ調整ができるようになる。次の日には少し幸せな気分で 目が覚めるかもしれないよ。」

オープニング曲 “Genesis” で Chino は、”I finally achieve balance” “ついに心のバランスを保つことに成功した” と言っています。もちろん、Chino の歌詞は必ずしも文字通りの意味ではないですし、解釈の余地はありますが。
「あの歌詞はかなり文字通りの表現だった。正直に言うと、完全なバランスが取れたわけではないんだ。だけどバランスを感じる瞬間があるんだよ。それに近い日もあれば、そうでない日もある。 ある日はそれから何マイルも離れていたりしてね。でも、それは時代に不満を感じているということでもあるんだ。すべてが二極化しすぎているよね。誰もが意見を持っていて、フェンス越しに互いに吠え合っていている。頭がおかしくなるよ。どちらか一方を選びたくない、バランスを取りたい。何が言いたいかわかる? この曲もそれを表していると思う。」
“Ohms” とは Chino Moreno の再生なのでしょうか?
「文字通りそうだとは言わないよ。今の自分を以前とは全くの別人だなんて思っていないからね。未だにかなり以前の Chino Moreno を感じているよ。だけど同時に、ある種の変容も感じるんだ。」
たしかに、2020年の DEFTONES のレコードには、変わったものもあれば変わらないものもあります。PANTER や SLAYER を手がけた Terry Date もかつて若き DEFTONES にはすっかり手を焼いていました。有名なスタジオでの映像には、もしゃもしゃナッツを食べてニヤニヤする Chino Moreno, ドミノで遊びながらニヤニヤする Stephen Carpenter, 雑誌を読みながらニヤニヤする Frank Delgado を前に、憔悴しきって言葉を発する Terry の姿が残っています。
「オマエら、あと2,3テイクやれたら、ナッツを食べてドミノをやって雑誌を読んだらいいさ。だけど俺たちはいくつか問題を解決しなきゃならないよ…」
彼らの “遅れることに長けている” 能力は現在も変わっていません。Abe は今回も Terry を悩ませたことを認めます。
「毎回 Terry を辞めさせるんだ。それが俺たちのやり方なんだ。(笑) 以前の3枚でも辞めているし、今回も辞めそうになった。怒らせたくはないんだけどね。唇を噛んで、眼鏡が曇り出すからわかるんだよ (笑)。いつも目標はTDを辞めさせよう!さ。」

そんなジョークとは裏腹に、DEFTONES は “Ohms” に並々ならぬ情熱を注いでいます。LA の Henson と Trainwreck Studios でレコーディングされた作品には “コーヒー、ジュース、ビール、テキーラ、小便、笑い” を少なめに12曲を制作して10曲が収録されたのです。Abe は嘯きます。
「よく、このアルバムのために6000曲書いたなんて言うバンドがいるけど、ウソばっかりだ (笑)。12曲で充分だよ。」
“Gore” リリース時に、Stephen が「このアルバムで誇れるのは、ただギターを弾いていることだけだ。」と語り論争を引き起こしたことは記憶に新しいはずです。そこから DEFTONES は文字通り学んでいます。Chino が説明します。
「過去に誰かが楽しめなかったレコードが存在するのは確かさ。でも同じメンバーで何枚もアルバムを作るなら全員が参加するべきだよ。俺たちは厳しい過去の経験から学んだんだ。”Gore” で Stephen はあまりレコードにかかわっていないと認めていた。だけどそれは俺たちが彼を必要としていなかったからではない。俺の好きな DEFTONES の楽曲のアイデアは彼が率先して作ったものだしね。誤解のないように言うけど、Stephen は “Gore” にかかわっていたよ。”Phantom Bride” は歌詞とドラム以外すべて彼が書いている。ただ、アルバムに完全に関与していなかっただけで、俺らの曲の方がいいとか思ったわけじゃないんだよ。そうじゃなくて、彼はあの頃何かを乗り越えようとしていたんだ。レコードが完成したあと、少しだけそのことについて話してくれたんだけどね。お前は俺の兄弟だ。全部分かってるからと伝えたけどね。とにかく、重要なのは全員がかかわって、全員がエキサイトすることなんだ。」
“Ohms” は全員がかかわって、全員がエキサイトするレコードなのでしょうか?
「まちがいなくね。Stephen が送ってきた最初のタイトルソングのデモなんて12分もあったんだから(笑)。」
一方で、Abe はすでに次のレコードについて考えるほどこのバンドに夢中です。
「俺はまだ小さな子供なんだよ。また次のレコードを作れることに興奮してるんだから。」
次のレコードを作れること。Abe が常に胸に秘める感謝の理由は想像に難くありません。”Ohms” は正式には DEFTONES 9枚目のアルバムですが、実際は10枚目の作品とも言えます。2013年、ベーシストの Chi Cheng が交通事故で昏睡状態に陥り、命を落とすという悲劇に見舞われたため、製作を断念した歴史があるからです。DEFTONES は再び Terry Date の部屋へと帰ってきました。Chi を除いて…
「彼はいつも俺らと共にある。毎日考えているよ。インスピレーションの源だ。彼はいつもそばにいる。」

メタル、ハードコア、ヒップホップ。ターンテーブルやプログラミングを得意とする Frank Delgado, パンクバンドでプレイしていた Sergio Vega とメンバーの得意分野が分かれることも DEFTONES の強みでしょう。
「レコードを作ろうと思うのは、一人一人が個別に、そして全体的にインスピレーションを受けられるかどうかなんだ。何年もかけてわかったことだけど、それが本当に大切な瞬間なんだよね。 みんなで集まって、誰かが何か音を出し、他のメンバーがそれに反応してさらに何か音を出し、1分後にはその音が1時間前には存在していなかった曲に変わっていくんだよ。そうやって有機的に起こるのが一番いいんだけどね。いつもそうなるとは限らないけどね。 たまに集まって何時間も話し合っても何も出てこないこともあるし、出てきても何も浮かばないこともある。レコードを作るために集まって、30曲書いて10曲に絞るなんてことはしない。文字通り10曲書くんだ。アイデアを出して、途中でスチームが切れたら、”よし、やり直そう “ということになる。それが僕らのやり方なんだよ。」
DEFTONES にとって唯一音楽よりも大事なものは、それを作っているメンバーたちの絆です。
「バカバカしくて子供じみているかもしれないけど、俺たちにとってはハングアップすることがすべてなんだ。一日中くだらない話ばかりしているよ。レコードを作るためだけにレコードを作ることはないね。好きだから作っているんだ。遊びたいし、騒ぐのが好きだ。そのノイズの中から楽曲が生まれるんだよ。」
以前からそうだったように、これからもきっとそうでしょう。

参考文献: KERRANG!THE SECRETS BEHIND DEFTONES’ NEW ALBUM, OHMS: INSIDE THE STUDIO FOR THE FIRST TIME

VULTURE : Deftones Have (Almost) Found Balance

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THOU & EMMA RUTH RUNDLE : MAY OUR CHAMBERS BE FULL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BRYAN FUNCK OF THOU !!

“I Think Most Folks Who Identify As “Metalheads” Or Whatever Probably Have a Lot More Nuance Than They Let On. I Just Wish They Would Embrace More Of a Balance Than Clinging To a Very Strict Set Of Rules. I Think That’s Why, As a Forty-Year-Old Man, I Still Identify As a Punk Or a Hardcore Kid.”

I STILL IDENTIFY AS A PUNK, OR HARDCORE KID

「”メタルヘッズ” と名乗る人たちの多くは、公平にみてもおそらく自分たちが言うよりもずっと多くの音楽的なニュアンスを持っていると思うよ。だから厳格なルールにしがみつくのではなく、バランスを取ってほしいと願うばかりだね。俺はしっかりバランスを取っているからこそ、40歳になった今でも、パンクやハードコアキッドなんだと思う。頭の中では、そういった概念がより曖昧で広がりを持っているように思えるからね。」
スラッジ、ドゥーム、メタル、ハードコア、グランジ。ルイジアナの激音集団 THOU はそんな音楽のカプセル化に真っ向から贖う DIY の神話です。
「ここ数年で培った退屈なオーディエンスではなく、もっと反応の良い(しかし少なくとも多少は敬意を払ってくれる)オーディエンスを獲得したいからなんだ。 堅苦しいメタル野郎どもを捨てて、THE PUNKS に戻る必要があるんじゃないかな!」
15年で5枚のフルアルバム、11枚の EP、19枚のスプリット/コラボレーション/カバー集。THOU の美学は、モノクロームの中世を纏った膨大なカタログに象徴されています。THE BODY を筆頭とする様々なアーティストとの共闘、一つのレーベルに拘らないフレキシブルなリリース形態、そしてジャンルを股にかける豊かなレコードの色彩。そのすべては、ボーカリスト Bryan Funck の言葉を借りれば “金儲けではなく、アートを自由に行う” ためでした。
2018年、THOU は自らのアートな精神を爆発させました。3枚の EP とフルアルバム、計4枚の4ヶ月連続リリース。ドイツのサイレント映画 “カリガリ博士” に端を発するノイズ/ドローンの実験 “The House Primodial”、Emily McWilliams を中心に女性ボーカルを前面に据えた濃密なダークフォーク “Inconsolable”、ギタープレイヤー Matthew Thudium が作曲を司りグランジの遺産にフォーカスした “Rhea Sylvia”、そしてスラッジ/ドゥームの文脈で EP のカオスを具現化した “Magus”。一般的なバンドが4,5年かけて放出する3時間を僅か4ヶ月で世界に叩きつけた常識外れの THOU が願うのは、そのまま頑ななステレオタイプやルールの破壊でした。
実際、Raw Sugar, Community Records, Deathwish, Sacred Bones とすべての作品を異なるレーベルからリリースしたのも、境界線を破壊し多様なリスナーへとリーチする自由な地平線を手に入れるため。自らが獲得したファンを “退屈” と切り捨てるのも、主戦場としてしまったメタル世界の狭い視野、創造性の制限、クロスオーバーに対する嫌悪感に愛想が尽きた部分はきっとあるのでしょう。
「このバンドはグランジの源流であるパンクのエートス、プログレッシブな政治的内容、メランコリックなサウンドから絶対的な深みへと浸っている。 間違いなく、10代の頃に NIRVANA, SOUNDGARDEN, PEARL JAM, ALICE IN CHAINS を聴いていたことが、音楽制作へのアプローチや、ロックスターのエゴイズムを避けることに大きな影響を与えている。」
“The Changeling Prince” の MV でヴァンパイアのゴシックロッカーを気取ってみせたように、THOU にとってはロックスターのムーブやマネーゲームよりも、音楽世界の常識を覆すこと、リスナーに驚きをもたらすことこそが活動の原動力に違いありません。そのスピリットは、パンク、そしてグランジに根ざす抑圧されたマイノリティーの咆哮が源流だったのです。全曲 NIRVANA のカバーで構成された “Blessings of the Highest Order” はまさにその証明。
「メンタルの病の個人的な影響を探求することがかなりの部分染み込んでいて、それは無慈悲なアメリカ資本主義の闇とは切っても切り離せないものだと思うんだ。」
THOU が次にもたらす驚きとは、10/30にリリースされる、ポストロック/ダークフォークの歌姫 Emma Ruth Rundle とのコラボレーション作品です。90年代のシアトル、オルタナティブの音景色を胸一杯に吸い込んだ偉大な反抗者たちの共闘は、壊れやすくしかしパワフルで、悲しくしかし怖れのない孤立からの脱出。精神の疾患や中毒、ストレスが容赦なく人間を押しつぶす現代で、灰色の世界で屍に続くか、希望の代わりに怒りを燃やし反抗を続けるのか。選択はリスナーの手に委ねられているのかも知れませんね。
今回弊誌では、Bryan Funck にインタビューを行うことができました。「大きな影響力とリソースを持っているレーベルの多くが、自分たちがリリースする音楽やリリースの方法に関して、リスクを負うことを最も嫌がっているように見えるのは本当に悲しいことだよ。彼らの成功により、クリエイティブな決定を下す自由がより広く与えられるはずだと思うんだけど、それは逆のようだね。」2度目の登場。どうぞ!!

INTERVIEW WITH BRYAN FUNCK

Q1: First of all, It is a big surprise that you have released three EPs and one album for four consecutive months. How did you come up with this unheard-of idea?

【BRYAN】: We had talked about working on an all acoustic record and an all drone record for some years. It had come up a few times when we had been talking about doing splits with our friends’ bands like Pygmy Lush or Sutekh Hexen. The idea came up again when we were trying to figure out what direction to push Magus. Originally, our thought was to work on these EPs, and then pull some ideas out of those really drastic (for us) experimentations and apply some of it to the full length. Instead, we dove right into Magus, and decided to work on those EPs after the full length had already been recorded. So the EPs became more about taking small ideas we had toyed around with on Magus and previous records and really digging in.
At the point when we were ready to start releasing these records, it had been a few years since we had put out anything substantial, so we thought it would be fun to just dump a ton of material out there all at once. The records were sonically different enough that it would, hopefully, be interesting for people and not get lost in the avalanche. We normally release some kind of “b-sides” EP along with each full length any way. Our experience has been that the companion piece tends to get lost in the wake of the full length―especially if a bigger label is promoting the main record―so we wanted to use the EPs as sort of “teasers” and release them ahead of Magus; that way, the shorter records would help promote the main record, but also get some attention.
Ultimately, the idea for doing all these records―as with any Thou record―is just an excuse for us to stretch our creativity a bit and have fun with the music we’re releasing.
Also, we can be quite mischievous; we like to create a bit of chaos. It’s fun, for me, to take a standard music industry approach to how a record is released or promoted and try and subvert that in some meaningful way. If anything, that’s a new standard for me, in how we’re rolling out records. How can I take this cookie cutter approach and make it more interesting?

Q1: 2018年に、3枚の EP と1枚のアルバムを4ヶ月連続でリリースしましたよね? いかにも THOU らしい常識破りのアイデアでした。

【BRYAN】: 俺たちは何年か前から、オールアコースティックとオールドローンのレコードを作ろうと話していたんだ。PYGMY LUSH や SUTEKH HEXEN みたいな友達のバンドとスプリットを作ろうと話していた時にね。そして “Magus” をどのような方向に進めていくかを考えていた時に、そのアイデアが再び出てきたんだ。
もともと僕らの考えでは、何枚かの EP に取り組むことで、(俺らにとっての)思い切った実験からいくつかのアイデアを引き出し、それをフルレングスに適用するというものだったんだ。だけどその代わりに、先に “Magus” に飛び込んで、本編がレコーディングされた後にEPを作ることにしたんだ。つまり、このEPは、”Magus” や前作のアルバムで遊んでいた小さなアイデアを、より深く掘り下げたものになったんだよ。
これらの作品をリリースする準備ができた時点では、何年も実体のあるものをリリースしていなかったから、たくさんの素材を一度に出してみたら楽しいだろうと思っていたんだ。そしてうまくいけば、雪崩の中で迷子にならないように、人々に興味を持ってもらえるような十分に異なる音楽性を持っていたね。
俺たちは通常、フルレングスのアルバムには必ず何かしらの “b-sides” EPをリリースしている。 だけど俺たちの経験では、そういった姉妹作は本編の後で迷子になってしまうことが多いんだ。特に大きなレーベルが本編のプロモーションを行っている場合はね。
だから最終的には、他の THOU のレコードと同様に、連続して EP をリリースするというアイデアは、自分たちの創造性を少し伸ばして、音楽を楽しむための口実に過ぎないんだよね。
それに、俺らはちょっとしたカオスを作るのが好きで、かなりお茶目なところもあるんだ。レコードをリリースしたり、プロモーションしたりする方法について、音楽業界の標準的なアプローチを意味のある方法で覆そうとするのは、俺にとっては楽しいことなんだよ。どちらかというと、あれは俺たちにとってレコードの出し方の新しい基準になったんだ。どうすれば、このクッキーカッターのようなアプローチをとって、もっと面白くすることができるのだろうか?

Q2: It seems each of EP’s focus on different realms. “The House Primordial” is noise/drone, “Inconsolable” is dark folk acoustic, and “Rhea Sylvia” is more alternative, grunge direction. Why did you make each piece emphasized for different elements?

【BRYAN】: Mainly because we thought it would be fun and interesting for us. And it has been! But we also liked the idea of doing something unexpected. The original idea for releasing these was going to involve zero hype or announcements. We wanted to just quietly post these on bandcamp each month and see how people reacted.
We also have very broad and nuanced tastes when it comes to the music we listen to. So it seemed like this would be a way to apply those interests the framework of the band’s output. We were hoping this would attract a more diverse audience and potentially open some doors up for us to perform with a wider range of bands. I think people can have really adverse feelings about mixing genres. We come from a more DIY punk background, so it’s always been less about genre and more about the people and ethos involved. But releasing albums that were so sonically distinct seemed like a way to say, “Hey, indie rock band we like, we can do this within the context of our band and fit in just fine on a tour with you.” “Hey, noise freakaleeks, we can make noise for an hour and tour basements across America with you.” I don’t know how well we’ve succeeded with any of this, unfortunately. But I think it’s still a good thing to put out into the universe, hoping that a likeminded group will latch onto it. If nothing else, any excuse to stretch ourselves creatively is healthy for the band.

Q2: 仰るとおり、3枚の EP はすべて異なる味付けがなされていましたね。”The House of Primordial” はノイズ/ドローン、”Inconsolable” はアコースティックなダークフォーク、そして “Rhea Sylvia” はオルタナティブやグランジを意識した作風でしたね?

【BRYAN】: その理由は主に、俺たちにとって楽しくて面白いアイデアだと思ったからだよ。そして、それが実現したんだ。それに俺たちは、予想外のことをやるってアイデアが好きだしね。連続リリースにかんする最初のアイデアは、誇大広告や発表を一切行わないというものだった。毎月静かに Bandcamp に投稿して、みんなの反応を見ようと思っていたんだ。
俺たちはまた、聴く音楽の好みも非常に幅広いし、ニュアンスのあるもの好んでいるからね。だから、そういった溢れる興味をバンドのアウトプットの枠組みに当てはめる良い方法だと思ったんだ。そうすることで、より多様なオーディエンスを惹きつけ、より多くのバンドと共演できるようになる可能性があると期待していたんだよ。
ジャンルをミックスすることにかんして、人々は本当に嫌悪感を抱くと思うんだ。そしてこれまで俺たちはよりDIY パンクのバックグラウンドを持っているから、ジャンルにこだわるよりも、関係する人々やエートスにこだわることが多かったんだ。
でも、音楽的に異なるアルバムをリリースすることで、「おい、俺たちが好きなインディー・ロックバンドよ、俺たちのバンドは君らの文脈の中でもやれるし、君らとのツアーでもうまくやっていけるんだ。」と言うことができるようになったんだよ。 「おい、ノイズフリーク、俺たちは1時間ノイズを出しつづけられるし、アメリカ中の地下室を君らと回れるぜ。」 とかね。
残念ながら、それがどれだけ成功したかは分からないけど。でも、同じ志を持ったグループがアンテナにひっかかることを期待して、世界に向けて発信するのはまだ良いことだと思う。何よりも、自分たちの創造性を伸ばす口実になるなら、それはバンドにとって健全なことなんだ。

Q3: A trio of EP’s were released by different labels. “The House Primordial” on Raw Sugar, “Inconsolable” on Community Records, and “Rhea Sylvia” on Deathwish, Inc. Were you trying to fit each one in with a label’s color? And does it mean you wanted to expand into new audiences?

【BRYAN】: Yeah, it would be great to bring in some folks who are less genre-focused, or even obliterate those kinds of self-imposed limitations. We’ve always tried to do that, with the bands we tour with or release music with, with the labels we work with, etc. This has just been a continuation of that tradition for us. Usually when we start to feel trapped within the sub-sub-genres of heavy metal or the metal scene or whatever, that’s about when we’ll start acting out a bit and become overly critical of the clichés and limitations involved with such narrow views. Although, to be fair, I think most folks who identify as “metalheads” or whatever probably have a lot more nuance than they let on. I just wish they would embrace more of a balance than clinging to a very strict set of rules. I think that’s why, as a forty-year-old man, I still identify as a Punk or a Hardcore Kid; those concepts just seem so much more ambiguous and expansive in my mind.
Anyway, we wrote and recorded all of these records before we reached out to any labels, so it was more about finding labels that fit the record in some way. We probably could’ve pushed that further, but it didn’t seem like many “bigger” labels were willing to take a chance on something like this. It’s really sad to me that a lot of these more established labels that have a lot more clout and resources seem the most unwilling to take any chances when it comes to the music they release or how they roll out those releases. I would think that their success should give them more freedom to make creative decisions, but it seems like the opposite. I’ve been really happy that Sacred Bones has taken so many chances with some of my wild ideas. Hopefully, they’ll let me keep pushing things in that direction.

Q3: “The House Primordial” は Raw Sugar, “Inconsolable” は Community Records, そして “Rhea Sylvia” は Deathwish からと、3枚の EP はすべて異なるレーベルからリリースされています。これも、オーディエンスやバンドをより多く惹きつけるための試みだったのでしょうか?

【BRYAN】: そうだね、ジャンルにあまりこだわらない人たちを俺たちの世界に連れてくるのは素晴らしいことだと思うし、自分で決めた制限を取り払うこともできるだろうな。俺たちは、一緒にツアーをしたり、一緒に音楽をリリースしたりしているバンドや、一緒に仕事をしているレーベルなどを考慮して、常にそうしようとしてきたんだ。
だから今回のアルバムはその伝統を受け継いでいるだけなんだよ。俺たちがヘヴィーメタルのサブサブジャンルやメタルシーンの中に閉じ込められたと感じ始めたとき、その時に少し演技を始めて、狭い視野の中の決まり文句や制限に対して過度に批判的になることが多いんだ。
とはいえ、”メタルヘッズ” と名乗る人たちの多くは、公平にみてもおそらく自分たちが言うよりもずっと多くの音楽的なニュアンスを持っていると思うよ。だから厳格なルールにしがみつくのではなく、バランスを取ってほしいと願うばかりだね。俺はしっかりバランスを取っているからこそ、40歳になった今でも、パンクやハードコアキッドなんだと思う。頭の中では、そういった概念がより曖昧で広がりを持っているように思えるからね。
とにかく、僕らはレーベルに連絡を取る前に連続リリースのレコード全てを書いて録音していたんだ。だからある意味、それに合うレーベルを見つけることの方がより重要だったね。もっと推し進めることもできたかもしれないけど、多くの “大手 “レーベルがこのようなチャンスを狙っているようには思えなかったんだ。
大きな影響力とリソースを持っているレーベルの多くが、自分たちがリリースする音楽やリリースの方法に関して、リスクを負うことを最も嫌がっているように見えるのは本当に悲しいことだよ。彼らの成功により、クリエイティブな決定を下す自由がより広く与えられるはずだと思うんだけど、それは逆のようだね。 Sacred Bones が僕のワイルドなアイデアに多くのチャンスを与えてくれたことを本当に嬉しく思っているんだ。彼らとさらに冒険を続けていきたいね。

Q4: Actually, these three EP’s are kind of proof of Thou’s diversity. Among them, “Inconsolable” may be big surprise for fans. Actually, Emily McWilliams sung all through the EP, and you didn’t even sing on the EP, right? Didn’t you hesitate to release it in the name of Thou?

【BRYAN】: Not at all. I probably had a heavier hand in the creation of Inconsolable than some of the ones I’m on like The House Primordial or Rhea Sylvia. Emily McWilliams (Silver Godling) sings on almost every track on Inconsolable, everything except the cover I think. We also got KC Stafford (one of our newer members), Melissa Guion (MJ Guider), Nicole Estill (True Widow), Jacques Boudreaux (Cajun Clam), Michael Moss (Baby Boy), Clayton Hunt (Heat Dust), and Scott Francioni (Secret Passage). Lots of voices on that one! By the time we recorded all of these folks, it just seemed like it would be overkill to try and work me in, and it seemed like an unnecessary headache for our engineer James Whitten. I mean, I wrote almost all of the lyrics, I handled a good chunk of the writing (in terms of vocal lines), and I had total control over the aesthetic of the record. Did I really have anything to prove by getting a few vocals on the record that I’d inevitably bury under all the more talented voices?
We recently contributed a Bad Religion cover to a Black Lives Matter benefit compilation being curated by Mani and Brent from Racetraitor. I basically commissioned Emily to learn, write, and record the bulk of the song, and Thou just fleshed it out. Originally, I had some big ideas for it, but Emily’s contribution was so much better than what I had come up with, that we shifted gears and worked around what she brought to the song. I think that’s a good metaphor for how the in-studio writing and recording decisions of Inconsolable went. We just brought in a lot of talented people, and when they had better ideas, we used those. Imagine if we had spent more time writing and collaborating with some of these folks!
I should also point out that Emily has sung on more Thou tracks than any of the regulars besides me. Even with all the songs Matthew sings on Rhea Sylvia, her cumulative total is higher. I think she has them all listed on the Silver Godling page now. So, it’s really not a huge departure for us to include her so much, as she’s been carrying us along almost as long as I’ve been in the band! She also helped a lot on the backend of Inconsolable, doing some rough vocal demo versions of almost all the tracks, so I could sort out lyrics and vocal melodies. She was a huge help!

Q4: お話しにも出ましたが、3枚の EP は THOU に備わる多様性の象徴にも思えます。中でも、”Inconsolable” は驚きでした。あなたのかわりに、Emily McWilliams が作品を通して歌っていますからね。
THOU の名でリリースすることにためらいはありませんでしたか?

【BRYAN】: まったくなかったね。”The House Primordial” や “Rhea Sylvia” のような他の作品よりも、俺はむしろ “Inconsolable” の制作に大きな影響力を持っていたと思うんだ。Emily McWilliams (SILVER GODLING)は “Inconsolable” のほぼ全ての楽曲で歌っている。同時に、KC Stafford (新メンバーの1人), Melissa Guion (MJ GUIDER), Nicole Estill (TRUE WIDOW), Jacques Boudreaux (CAJUN CALMC), Michael Moss (BABY BOY), Clayton Hunt (HEAT DUST), Scott Francioni (SECRET PASSAGE) も参加しているんだ。だから沢山の声が収録されているよ。
彼ら全員をレコーディングして、さらに自分を参加させるのはやり過ぎだと思ったし、エンジニアの James Whitten にとっても不必要な頭痛の種になってしまうからね。つまり、俺はほとんど全ての歌詞を書き、(ボーカル・ラインのかなりの部分を担当し、レコードの美学を完全にコントロールすることに専念したのさ。才能あるボーカリストたちの下に埋もれてしまうような俺の声をレコードに収録してまで、俺は本当に何かを証明する必要があったのだろうか?
最近、RACETRAITOR の Mani と Brent がキュレーションしている Black Lives Matter のコンピレーションに BAD RELIGION のカヴァーを提供したんだ。俺は基本的にその曲の大部分をEmily に学習、作曲、録音を依頼し、THOU はただそれを肉付けしただけだったんだ。元々、俺はこの曲のために大きなアイデアをいくつか持っていたんだけど、Emily の貢献は俺が考えていたものよりもはるかに優れていたから、俺らはギアをシフトして、彼女がこの曲に用意したものを中心に作業をしたんだ。これは、”Inconsolable” のスタジオにおいて作曲とレコーディングの決定がどのように行われたかを示す良い例だと思う。俺たちは才能のある人たちをたくさん集めて、彼らがより良いアイデアを持っていたら、惜しみなく使ったんだ。もし彼らとの共同作業にもっと時間を費やしていたらどうなっていたか想像してみてほしいね。
それに、Emily は俺以外のレギュラーの誰よりも多く THOU の曲で歌っていることも指摘しておかなければならないだろうな。 Matthew が “Rhea Sylvia” で歌っている曲を含めても、彼女の累計はもっと多いんだ。つまり俺がバンドをやっている間ほとんどの期間、彼女は僕らを支えてくれているから、彼女とさらに共演を進めることは僕らにとって新たな出発点というわけじゃないんだ。彼女は “Inconsolable” のバックエンドでも多くのことを手伝ってくれていて、ほとんど全てのトラックのラフなボーカルのデモバージョンを作ってくれたんだ。彼女には本当に助けられたよ。

Q5: OK, let’s talk about “Magus”. There was some humor, irony and The Body (haha) on “The Changeling Prince” MV, right? Anyway, in the last interview, you said “Heathen” was kind of about celebrating nature. I feel “Magus” is kind of opposition to that. What’s the theme or lyrical themes of the record? And is it tied to three EP’s?

【BRYAN】: Magus is essentially the response to Heathen. It’s an exploration of thought and philosophy, a deconstruction of the self, a journey through the Inner World. Magus is a celebration of individuality, a rejection of communal prostration, and the elevation of person power. It’s more of less diametrically opposed to the ego obliteration of Heathen.
Inconsolable was an examination of the deep sorrow and overwhelming bleakness that results from relationships and interactions; The House Primordial delved deeper into the bitter spirit of individual assertion in the face of homogeny. So these two records essentially took the more generalized ideas on Magus and allowed me to really hone in on a specific feeling or instance. Rhea Sylvia was mostly written by Matthew for his solo work a few years before we mangled it into Thou songs.
In terms of that video, yeah, we can’t help but be a bit self-critical and act out like little shits. It was fun playing with the image of the band. From when we first started touring, people have been so focused on what we look like. “I thought you’d be a bunch of burly, beareded fat dudes covered in tattoos, and wearing head to foot black denim.” Nope! Keeping in mind that we’d be reaching something of a new audience with the Sacred Bones release, it was kind of like, “Oh, now we can really mess with people, and just let them believe that we look like these goth death rockers. And then pepper the audience with us looking like bored normies. So many layers at play: hatred of the standard bored/boring Thou audience; criticism of the style-over-substance spectacle; love for DIY punk; love for the true freakaleeks.

Q5: では次に、”Magus” について話しましょう。”The Changeling Price” の MV にはユーモアや皮肉、それに THE BODY が映し出されていますね。(笑)
前回のインタビューであなたは、”Heathen” は自然を祝福するアルバムだと仰いましたが”Magus” にはどんなテーマが込められていますか?

【BRYAN】: “Magus” は本質的には “Heathen” へのリアクションなんだ。”Heathen” は思想と哲学の探求で、自己の脱構築であり、内なる世界への旅と言えたよね。一方で “Magus” は、個性の祭典であり、共同体としての崇拝を拒否し、個人の力を高めることを目的としている。だから、どちらかというと “Heathen” の自我の抹殺とは正反対だよね。
“Inconsolable” は、人間関係やその相互作用から生じる深い悲しみと圧倒的な暗さを考察したもので、”The House Primordial” は、均質性に直面した個人の主張の苦い精神を深く掘り下げたものだった。だから、この2枚のアルバムは、本質的には “Magus” のより一般化されたアイデアを取り入れて、さらにマクロな特定の感情や状況に焦点を当てることができたんだ。”Rhea Sylvia” は、THOU の曲を作る数年前に Matthew がソロ活動のために書いた曲なんだよね。
あのビデオに関しては、そうだね、俺らは自己批判的にならずにはいられないし、クソガキのように振る舞っている。バンドのイメージで遊ぶのは楽しかったね。最初にツアーを始めた時から、みんなが俺らのルックスに注目していたんだ。 “タトゥーを入れて、黒のパーカーに黒のデニムを履いているような太ったデブだと思っていたよ” 全然違う!
Sacred Bones からのリリースで、新しいオーディエンスを獲得することを念頭に置いていたんだ。 “これで人々を混乱させることができるぞ。ゴスデスロッカーのように見えるから。そう信じてもらえればいい” ってね。退屈な野暮ったい姿を見せてやるなんてね。
標準的で退屈な THOU のオーディエンスへの憎しみ、スタイル・オーバー・ザ・スペクタクルへの批判、DIYパンクへの愛、真のフリーカリークスへの愛、など様々な意図の層が存在しているんだ。

Q6: Why did you release Nirvana’s cover as an album now? What do you care about when you play?

【BRYAN】: That collection has actually been in the works for a year or two. It fell off the radar for us and Robotic Empire at some point, but with the quarantine, I’ve been trying to tie up a lot of loose ends. Same thing for the other digital collection of covers, A Primer of Holy Words.
Are you asking which Nirvana songs I like to play live? For me, any of the energetic ones–I Hate Myself and I Want to Die, Scentless Apprentice, Blew, Floyd. We used to play Aneurysm pretty much all the time. Basically played it to death.
If that’s more of a general question–I would love to get a more responsive (but at least marginally respectful) audience, rather than the bored/boring one we’ve cultivated over the last few years. I guess we need to really ditch all these uptight metal dweebos and get back to THE PUNKS.

Q6: 今、NIRVANA のカバー集をリリースする意味とはなんですか? 彼らの楽曲をプレイする時、特に気にかけていることはありますか?

【BRYAN】: NIRVANA をカバーしたコレクションは1、2年前から計画していたんだ。俺たちと Robotic Empire にとってその計画はある時点でレーダーから外れていたんだけど、コロナによる自宅隔離で多くの未解決の問題を解決する時間が出来たからね。デジタル・コレクションのカバー、”A Primer of Holy Words” についても同じことが言えるよ。
NIRVANA のどの曲をライブで演るのが好きなのかって? “I Hate Myself and I Want to Die”, “Scentless Apprentice”, “Blew”, “Floyd” といったエネルギッシュな曲だね。”Aneurysm” はいつもプレイしていたよ。 基本的に死ぬほどプレイしたな。
もしそれが一般的な質問であるならば、ここ数年で培った退屈なオーディエンスではなく、もっと反応の良い(しかし少なくとも多少は敬意を払ってくれる)オーディエンスを獲得したいからなんだ。 堅苦しいメタル野郎どもを捨てて、THE PUNKS に戻る必要があるんじゃないかな!

Q7: Regarding grunge, you are often called “The heaviest grunge band in the world”, like that. After all, do you have a deep attachment to the mood, spirit, sound of that era?

【BRYAN】: I’m not sure I’ve ever heard anyone call us that, but I’ll take it as high praise. This band absolutely drinks deep from the wellspring of grunge―the punk ethos, the personal content that easily veers into progressive politics, the melancholic sound. Without a doubt, our teenage roots listening to Niravan, Soundgarden, Pearl Jam, and Alice in Chains made a lasting impression on our approach to creating music and our avoidance of rockstar egoism. I think this is evident even now in our newest material. Maybe now more than ever.

Q7: NIRVANA、グランジという文脈でいえば、THOU は世界で最もヘヴィーなグランジバンドと形容されることもありますよね?

【BRYAN】: そんな風に呼ばれているのを聞いたことがないんだけど、これは褒め言葉として受け取っておこう。このバンドはグランジの源流であるパンクのエートス、プログレッシブな政治的内容、メランコリックなサウンドから絶対的な深みへと浸っているんだ。
間違いなく、10代の頃に NIRVANA, SOUNDGARDEN, PEARL JAM, ALICE IN CHAINS を聴いていたことが、音楽制作へのアプローチや、ロックスターのエゴイズムを避けることに大きな影響を与えているね。それは今の最新作にも表れていると思う。多分、今まで以上にね。

Q8: Why did you decide to collaborate with Emma? Does this work reflect the current darkness in America that stemmed from Corona and politics?

【BRYAN】: Emma had been on our short list of musicians to tour and collaborate with for a while. When we got asked to do the residency at Roadburn last year, one of Walter’s suggestions had been to do some kind of collaborative performance. It was kind of the perfect excuse to convince Emma to work on a record and then tour with us: we basically had to write the thing and we had a reason to tour it leading up to Roadburn, ostensibly to give us some practice.
We wrote the record at the very start of 2019 and recorded it August 2020, so it really doesn’t have much to do with the politics surrounding COVID. It is, however, steeped quite a bit in exploring the personal effects of mental illness, and I think that’s something inextricable from the darkness of unmerciful, American capitalism.

Q8: Emma Ruth Rundle とのコラボレーションは何がきっかけで始まったのですか?このレコードは、現在のアメリカを覆うコロナや政治の闇を反映しているのでしょうか?

【BRYAN】: Emma は以前からツアーやコラボレーションをしたいミュージシャンのリストに入っていたんだ。去年ロードバーンでのレジデンシーを依頼された時、責任者ウォルターの提案の一つに、何かコラボレーション・パフォーマンスをするというものがあったんだ。そしてそれは、エマにレコードを作ってから一緒にツアーをしようと説得するための完璧な口実になったんだ。
僕らはこのレコードを2019年の初めに書いて、2020年の8月にレコーディングしたから、COVIDを取り巻く政治とはあまり関係ないんだ。だけど、メンタルの病の個人的な影響を探求することがかなりの部分染み込んでいて、それは無慈悲なアメリカ資本主義の闇とは切っても切り離せないものだと思うんだ。

Q9: So, Internet, streaming service, and SNS made drastic changes to music industry. Actually, some said “Album is dead” and listening experience becomes more convenient, I feel. But you are still making 76 minutes epic album and over ten minutes long songs. That seems to be a kind of rebellion against the music industry and instant listeners. Do you agree that?

【BRYAN】: I own a record shop, so I don’t really think the album is dead. Catering to playlists and social media algorithms is probably more fiscally responsible and lucrative, but we’ve never really tried to contort our music that way. We’ve never been interested in playing the money-making game in terms of compromising much, if at all, on our approach to the band. Creatively, we’d prefer to let the art go where it wants, where we’re intuitively compelled to go.
All of that being said, I don’t think we’ve ever really set out, or made it our standard, to write ten minute songs. If a song or idea makes more sense to do in a thirty second burst, I don’t think we’d hesitate at all to go in that direction. Exploring riffs has just been, by and large, the way those guys write and what is most interesting for them. The pieces they have come up with usually demand that sort of lengthy exploration.
But one of the ideas we’ve been talking about for the next record is to do something more along the lines of the Rhea Sylvia songs―really verse chorus verse traditional structures. Shorter, more compacted. But again, it just depends on where each, particular song needs to go. And by the time we get to that stage in the writing process, things could drastically change. We’ll see!

Q9: インターネット、ストリーミングサービス、SNS の伸長は音楽産業にドラスティックな変化を及ぼしました。”アルバムは死んだ” と言われ、よりコンビニエントなリスニング体験が求められているようですね。
それでも THOU は76分のアルバムを作り、10分を超える楽曲を作り続けています。

【BRYAN】: 俺はレコード店を経営しているから、アルバムが死んだなんて思っていないよ。プレイリストやソーシャルメディアのアルゴリズムを利用した方が財政的にも責任が持て、儲かるかもしれないけど、俺らは自分たちの音楽をそれに沿って歪めようとしたことは一度もない。バンドへのアプローチについて、妥協することはあっても、金儲けのためのゲームをしようと思ったことは一度もないんだよ。 創造的には、自分たちが直感的にやりたいと思った分野で、アートを自由にやりたいんだよ。
そうは言っても、俺らは10分間の曲を書こうとは思っていないし、それがスタンダードになっているとも思っていない。30秒でやった方がいい曲やアイデアがあれば、その方向に進むことを躊躇することはないと思う。リフを探求することは、大抵の場合、俺らが曲を書く方法で、最も興味深いことなんだ。だから長い探究心が必要となることもあるね。
でも、次のアルバムに向けて話し合っているアイデアの一つとして、”Rhea Sylvia” の曲に沿ったものを作りたいと思っているんだ。より短く、よりコンパクトに。でも、それはそれぞれの曲がどこに向かうべきかにかかっているんだ。ライティングの段階に到達する頃には、状況は大きく変化しているかもしれないしね。今にわかるよ。

BRYAN’S RECENT FIVE FAVORITE ALBUMS

SILVER GODLING “RAVEL”

NORMA TANEGA “WALKIN’ MY CAT NAMED DOG”

IRIS DEMENTS “INFAMOUS ANGEL”

AKIRA ORIGINAL SOUND TRACK

SUZANNE VEGA “TOM’S DINER” (ACAPELLA VER. 1994 BBC)

Silver Godling “Ravel” is probably the only new release I’ve been listening to. Emily’s got another whole album she just finished that’s amazing, and she’s been working on some arrangements of Purcell that are incredible! Other than that, Norma Tanega’s Walkin’ My Cat Named Dog, Iris DeMent’s Infamous Angel, the Akira soundtrack, and the acapella version of “Tom’s Diner” Suzanne Vega did on the BBC in 1994. I also just started digging into Alice Phoebe Lou, but mainly the live solo stuff. The new Fiona Apple record is cool. I’m still listening to The Smiths on repeat. I guess Morrissey is my own personal Burzum. Nazz Mozz.

MESSAGE FOR JAPAN

Sacred Bones had worked out a CD release of Magus, but I think the label flaked and folded. We didn’t even get copies! If anyone has a few, we’d love to have some for our personal archives.
Yeah, it would be great if Daymare or someone cool would be interested in releasing all of our output on CD for Japan releases. There are plenty of tidbits we could add to the CDs. We would absolutely love to tour Japan someday before this band ends. I recently watched Ed Piskor’s video from Japan on the Cartoonist Kayfabe youtube channel, and now I wanna come over even more! I gotta get all the Katsuhiro Otomo manga. If anyone wants to trade for Thou records, let me know.

Sacred Bones は “Magus” のCDをリリースしていたんだけど、レーベルが在庫を切らしちゃったのかな。俺たちはコピーさえ手に入れられなかったんだよ! もし誰かが持っているなら、個人的なアーカイブ用にいくつか持っていたいんだけどね。
そうだね、だから Daymare Recordings か誰かクールな人が、日本で僕らの全作品をCDでリリースすることに興味を持ってくれたら最高なんだけどね。ボーナストラックになるような素材はたくさんあるし。
このバンドが終わる前に、いつか日本ツアーをしたいと思っているよ。最近、漫画家 Kayfabe の youtube チャンネルでエド・ピスコのビデオを見たんだけど、もっと日本に行きたくなってきたよ。大友克洋の漫画を全部手に入れなきゃ。漫画と THOU の レコードと交換したい人がいたら教えてほしいな。

BRYAN FUNCK

THOU Bandcamp
DAYMARE RECORDINGS
SACRED BONES RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CONFESS : EAT WHAT YOU KILL】BLOOD & PRIDE OF IRANIAN METAL


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NIKAN KHOSRAVI OF CONFESS !!

ALL PICS BY Camilla Therese

“Of Course Harsh Sentences Weren’t Convenient But I Took Pride For That! Cause It Meant That My Music And My Lyrics Are So Strong And Truthful That They Could Scare a Whole Regime. But At The Same Time It Was Stepping To The World Of Unknowns.”

GIVE BLOOD FOR THE MUSIC

「ポジティブな話をしようじゃないか。もちろん、過去も重要だけど新たなアルバム、新たなツアー、未来について話したいんだ。」
イランで不敬罪に問われノルウェーへと亡命したメタルソルジャー。CONFESS の魂 Nikan Khosravi とのコンタクトはそうして始まりました。Nikan と同様の状況に立たされた時、それでもあなたは過去よりも未来を見つめ、希望を捨てずにいられるでしょうか?
「被告を懲役12年、鞭打ち74回の刑に処す。」2017年、テヘランの裁判官は、冒涜的な音楽を作ったとして政権に起訴されたイランの有名メタルデュオ、CONFESS 2人のメンバーに判決を言い渡しました。特にシンガーでリードギタリスト Nikan “Siyanor” Khosravi(27歳)は、”最高指導者と大統領を侮辱した”、”反体制的な歌詞と侮辱的な内容を含む音楽を制作し世論を混乱させた”、”野党メディアのインタビューに参加した” として非常に重い量刑を受けることとなったのです。
“告白” と題されたデュオの “違法” なレパートリーは、イラン政府の反体制派に対する極端な不寛容さを狙撃する “Encase Your Gun “や、”ファック” をリベラルに使用した “Painter of Pain”、刑務所での地獄を綴る “Evin”など。
2014年、”In Pursuit of Dreams” をリリースした彼らはアルバムが出た数日後、イスラム革命防衛隊(IRGC)のエージェントに逮捕されました。罪状は? “冒涜、悪魔崇拝的なメタルやロックを扱う違法なアンダーグラウンドレーベルの結成と運営、反宗教的、無神論的、政治的、無政府主義的な歌詞を書いたこと”。
2人はイラン最凶の刑務所エヴィンに送還され、10日間独房で過ごした後、一般棟に移されました。解放されたのはそれから数ヶ月後、Nikan の両親が2人の保釈金として自宅を担保に差し出したのです。そして数年後、彼らは裁判にかけられ冒頭の判決が読み上げられました。
「実は最初は強制的に出国させられたんだ!そしてもう一つの理由は、目を覚まさせる率直な暴言というか意見を吐いたアーティストという理由だけで、10年以上も刑務所にいるのはフェアではないと感じたからだよ。どんなやり方でも、僕は刑務所の外にいた方が多くの人の役に立つことができると感じていたしね。」
しかし、センセーショナルな判決を受けたメタル世界の心配はある意味杞憂に終わりました。イランの政権も世界が監視する中で、この言論信教の自由に対する侵害をこれ以上大ごとにする気はなく、政権に牙を剥く狼への抑止力として象徴的な量刑を得られればそれでよかったのかもしれません。
そもそも、Nikan も語っているように、イランではたしかにヘヴィーメタルは禁止された違法な音楽ですが、それでもライブの許可が降りるバンドは存在しているのです。つまり、背教的で違法なメタル代表として迫害を受けたように思われた CONFESS ですが、その実は判決の通り政権への反抗と批判こそが真の迫害理由だったのでしょう。政権に擦り寄るか否かで決定される天国と地獄は、たしかに神の所業ではありません。
ただ、どちらにしても、イランが国民の表現の自由を厳しく制限していることは明らかです。ジャーナリストは今でも逮捕され続けていますし、公共の場で踊ったり顔を隠さなかっただけの女性も酷い罰を受けているのですから。つまり、抑圧的なイランの現政権にとって、芸術を通して自己や思想を表現する CONFESS のようなアーティストは格好の標的だったのです。
「僕は逮捕されたことを誇りに思っていたんだよ! なぜならそれは、僕の音楽と歌詞が非常に強力で真実味があることを意味していたからね。政権全体を脅かすことができたんだから。でも同時に、それは未知の世界に足を踏み入れることでもあったんだ。 」
そんなある種のスケープゴートとされた Nikan ですが、自らのアートが真実で政権に脅威を与えたことをむしろ誇りに思っていました。人生は常にポジティブであれ。そんな Nikan の哲学は、偶然にも彼を迫害されるアーティストの移住を支援する ICORN によってメタルの聖地ノルウェーへと導くことになったのです。
「僕らは今までスラッシュ、グルーヴ、デス、メタルコア、ニューメタル、ハードコアなどと呼ばれてきたけど、すべてを書いている僕自身でも自分たちが何者なのかよくわからないし、正直なところ何のレッテルを貼るべきなのかもわかっていないんだ。今でも新たな場所に行くための新たな要素を探しているからね!どんな楽曲でも、自分をより良く表現するための新しい “追加の” サウンドを今も探しているんだよ。」
ノルウェーで新たなメンバーを加えた Nikan は各メタル誌にて絶賛を受けた新曲 “Eat What You Kill” をリリース。激動のストーリーだけでなく、楽曲にもこれほど説得力を持たせられるのが CONFESS の凄みでしょう。SLIPKNOT も HATEBREED も PANTERA もすべてぶちこんだこの激音の黒溜まりはあまりに強烈。常に前を向き、新たな光を追い求める無神論者。血と誇り、そして文字通り人生すべてをかけたニューアルバム “Revenge At All Costs” の登場は目前です。すべてを賭けた復讐は、きっと過去を完全に断ち切る決意の叫び。
「僕が人間として2015年から今日まで経験してきた全てのことを書いていると言えるね。その期間に起こった全てのこと、会った全ての人について語っているんだ。このアルバムは間違いなく物語を語るアルバムであり、もちろん政治的なアルバムでもあるよ。」独占インタビュー。どうぞ!!

CONFESS “EAT WHAT YOU KILL” : 10/10

INTERVIEW WITH NIKAN KHOSRAVI

Q1: First of all, could you tell us how you found and got into metal in Iran, a country that is very intolerant of it?

【NIKAN】: I grow up in a family that art was always been respected and followed. My dad was a big Pink Floyd fan, so I knew what rock music is since I was a little child. Listening to The Wall record with my dad and all.
But when I finished the elementary school and started the senior high school I discovered Metal music through a friend who had a brother who was a metal head. So he kind of supplied me with some music for a while until I went after finding more on the Internet. At those years I decided to play guitar and later on I started Confess.

Q1: まずは、イランというメタルにおそらく不寛容な土地で、どのようにメタルと出会いのめり込んでいったのかお話ししていただけますか?

【NIKAN】: 僕は芸術が常に尊敬され、守られていた家庭で育ったんだ。父が PINK FLOYD の大ファンだったから、幼いころからロックがどんなものかは知っていたよ。父と一緒に “The Wall” のレコードを聴いたりしていたからね。
そうして小中学校を卒業して高校に入った時に、メタル好きの兄がいる友達の紹介でメタルを知ったんだ。ネットで色々調べてのめり込んでいくまでの間は、彼から音楽を教えてもらっていたんだよ。その頃にギターを弾くことを決意し、後に CONFESS を始めたんだ。

Q2: What was the hardest part of being in a band in Iran as Confess?

【NIKAN】: Probably not being legit like any other artist and staying what it’s called “Underground” forever! Specially if you have a music with a strong message in the lyrics which is anti-establishment like Confess. There are metal bands that can satisfy the government to take the permit for playing in some big venues, but we despite them! It’s act of betrayal to me… You can translate that into the philosophy of Wolves and Dogs! You know….

Q2: イランという国で CONFESS というメタルバンドを続ける中、最も大変だったことはなんでしたか?

【NIKAN】: おそらく他のアーティストのように合法的ではなく、永遠に “アンダーグラウンド “と呼ばれる存在に留まっていなければならなかったことだろうな!特に CONFESS のように、反体制的な歌詞に強いメッセージ性を込めた音楽をやっているならばなおさらだよ。
大きな会場での演奏許可を政府に納得してもらえるようなメタルバンドがいる一方で、それなのに俺達は!!…ってね。それは僕にとっては政府の裏切り行為だったんだよね…。つまりそれって、飼いならされた犬と野生の牙を持つ狼のどっちが勇猛か?って話だよね!

Q3: Could you talk about how you felt when you were arrested and sentenced, and why you decided to seek asylum in a foreign country?

【NIKAN】: Of course it wasn’t convenient but I took pride for that! Cause it meant that my music and my lyrics are so strong and truthful that they could scare a whole regime. But at the same time it was stepping to the world of unknowns.
The reason for getting out of my country was that I was forced to at first! And the other reason was that I didn’t feel that it is fair to stay in jail for more than a decade only for being a woke and outspoken artist. I felt no matter how, but I can be more useful for alot of people outside of prison. Even if I would be outside of my home!

Q3: 政府から逮捕され、刑を宣告されだ時の気持ちをお話ししていただけますか?亡命を決めたのはなぜだったんですか?

【NIKAN】: もちろん、好都合に感じたわけじゃないけど、僕は逮捕されたことを誇りに思っていたんだよ! なぜならそれは、僕の音楽と歌詞が非常に強力で真実味があることを意味していたからね。政権全体を脅かすことができたんだから。でも同時に、それは未知の世界に足を踏み入れることでもあったんだ。
自分の国を出た理由だけど、実は最初は強制的に出国させられたんだ!そしてもう一つの理由は、目を覚まさせる率直な暴言というか意見を吐いたアーティストという理由だけで、10年以上も刑務所にいるのはフェアではないと感じたからだよ。どんなやり方でも、僕は刑務所の外にいた方が多くの人の役に立つことができると感じていたしね。たとえ自分の国の外にいたとしてもね!

Q4: Why did you choose Norway as a place of exile? Are you more comfortable living and playing music now than you were in Iran?

【NIKAN】: I didn’t choose Norway! Norway choosed me actually. They took the initiative and sent me an invitation to come here and of course I’m glad to be here and being able to keep pursuing my dreams.
It is of course very different. More supportive system about any form of arts and alot more outlets for projecting that.

Q4: ノルウェーを亡命先に選んだのはなぜだったんですか?

【NIKAN】: 実は、僕がノルウェーを選んだわけじゃないんだ!ノルウェーが僕を選んだんだよ。彼らがイニシアチブをとって僕をノルウェーに招待してくれたのさ。もちろん、僕も今ここにいて、まだ夢を追えていて幸せだよ。
イランとノルウェーではもちろん全く状況が異なるよ。どんな形のアートであれ、ノルウェーの方がより協力的だし、需要も多いからね。

Q5: Are you still a Muslim? It was told that metal is blasphemous in Iran, do you agree with that notion?

【NIKAN】: I never was a Muslim. I had friends who were and they where very good friends of mine but I never believed in any religion. Never made sense to me! No it is not being considered as “a blasphemous music” as a whole! It depends what you have to say in your music. Because as I said there are so many rock/metal artists who are having difficulties to get permits for playing live but never been persecuted at any point.

Q5: あなたは今でもムスリムですか? メタルはイランでは神を冒涜する不敬な音楽とも言われていますよね?

【NIKAN】: 僕がムスリムだったことはないよ。イスラム教徒の友人はいたし、彼らはとても良い友人だったけど、僕はどんな宗教も信じたことがないんだよ。宗教は僕の中で全く意味を持たなかったんだ!
いや、イランでもメタル全てが “冒涜的な音楽” などとは思われていないよ! それは音楽の中で何を言いたいのかによるんだ。なぜなら、さっきも言ったけど、ライブをするための許可を得るのに苦労しているロック/メタルアーティストは非常に多く存在するけど、迫害されることはほとんどないからね。

Q6: It’s a new start for Confess, but did you find the band members in Norway? What did you like about them?

【NIKAN】: Yes, and we are working on Confess new album that I have been writing for almost 3 years! The album is called “Revenge At All Costs” and I hope it would come out until the spring of 2021.but we have released bunch of singles off of it which the feedbacks where crazy good! Also we are having our first tour on April 2021 and it starts from North of Norway which is pretty cool. Well, I like them because they’re my new brothers! That’s for sure. That’s why I shared my dreams with them so they’re pretty special to me.

Q6: ノルウェーで新たなスタートを切った CONFESS ですが、新たなメンバーもノルウェーで集めたんですよね?

【NIKAN】: そうだね、今は3年間書き続けてきCONFESS のニューアルバムを作っているところなんだ!”Revenge At All Costs” というアルバムで、2021年の春までに出したいね。これまでにシングルを何枚かリリースしたんだけど、そのフィードバックがすごく良かったから!
それに、2021年4月にノルウェー北部をかわきりに初めてのツアーを行うんだ。クールだよね!バンドの新たなメンバーは僕の新しい兄弟だから、彼らが好きだよ。それは間違いないね。だから僕は彼らと夢を共有してきたんだ。とても特別な存在だよ。

Q7: The new song, “Eat What You Kill,” is the coolest thing ever! Interestingly, Confess is often described as thrash metal, but there’s also a influence of hardcore, Nu-metal and Pantera in the new songs, right?

【NIKAN】: Yes, we have been called Thrash, Groove, Death, Metalcore, Nu-Metal/Hardcore before but I don’t know what we are really and to be honest don’t what to put any labels on it because me as the guy who wrote all the metrials to this day, I’m still discovering new things by going new places! Still looking for the new “additional” sound that helps me express myself better in any specific song. But yes, the influences are from all over the place! The greatests! I mean even the technics of lyrical Rap music inspires my pen. So I guess it’s not the easiest thing in the world to put Confess in a specific category and say that’s it! We’re this type of band because our next song is always unpredictable!

Q7: 最新曲 “Eat What You Kill’ は最高にクールですね!CONFESS はよくスラッシュメタルと表現されますが、ハードコアや Nu-metal, PANTERA などの影響も強く感じられますね?

【NIKAN】: そうだね、僕らは今までスラッシュ、グルーヴ、デス、メタルコア、ニューメタル、ハードコアなどと呼ばれてきたけど、すべてを書いている僕自身でも自分たちが何者なのかよくわからないし、正直なところ何のレッテルを貼るべきなのかもわかっていないんだ。
今でも新たな場所に行くための新たな要素を探しているからね!どんな楽曲でも、自分をより良く表現するための新しい “追加の” サウンドを今も探しているんだよ。
だから、そうだね、様々なものから影響を受けているよ! 偉大なアーティストたちからね! つまり、ラップのリリックの技術的でさえも、僕のペンにインスピレーションを与えてくれるんだ。 だから、CONFESS を特定のカテゴリーに分類して、そのジャンルだけだと言うのは、決して簡単じゃないと思うな!こんなタイプのバンドだから、次の曲はいつだって予測不能なんだ!

Q8: So, it seems your new record will be called “Revenge At All Costs”. Does this title reflect your past or your political ideology?

【NIKAN】: Definitely! That’s what it’s called what it is… It’s a statement in antmy aspects. The title says alot! Self-explanatory! But I can tell you that it’s about everything that I experienced since 2015 til now as a human. I talk about everything and everyone in it. It is definitely a story telling album a of course a political one by talking about start of all of this with simply making stand on an ideology!

Q8: 次のアルバムとなる “Revenge At All Costs” “どんな犠牲を払っても復讐してやる” ですが、このタイトルはあなたの過去や政治的思想を反映しているのでしょうか?

【NIKAN】: 間違いなくね! それが何かというと… 僕のステイトメントなんだよ。タイトルが全てを物語っているよね! わかりやすいね!
つまり、僕が人間として2015年から今日まで経験してきた全てのことを書いていると言えるね。その期間に起こった全てのこと、会った全ての人について語っているんだ。このアルバムは間違いなく物語を語るアルバムであり、もちろん政治的なアルバムでもあるよ。

Q9: From the Corona crisis to Black Lives Matter, and big climate change, this world is going through a turbulent time right now. Nevertheless, the world continues to be confronted by religious, ideological and ethnic differences. Do you think there is a hope?

【NIKAN】: It is an important question that takes a lot of talking but in this short time I can only say that we are failing at every stage of this what so called Human Evolution and if we don’t learn our listen, we are not going to last for a long time! We got to learn again how to co-exist and unlearn everything that media and the systems around the world told us because, look where we are now!
Hope? Yes, life thought me to always keep my hope but to keep open my eyes too! This is bad and we have to do something cause to me clock is ticking!

Q9: コロナ危機から BLM, 気候変動と世界は激動の時を迎えています。それでも、世界は宗教や思想、人種の違いによる争いをやめることはありませんね。希望はありますか?

【NIKAN】: それは多くを話すべき重要な質問だけど、僕がこの短い時間で言えるのは、僕たちはこのいわゆる “人間の進化” と呼ばれるもののすべての段階で失敗しているということだね。教訓から学ばなければ、長い間はもたないだろうな!
僕たちは共存する方法を再度学び、メディアや世界中のシステムが語るすべてのもの忘れる必要がある。これまでのやり方でどうなっているか、見ればわかるでしょ?
希望? そう、人生は常に希望を持ち続けるようにと教えてくれたけど、目を開き続けておくようにとも教えてくれた。悪いことが起こっているから、何かをしなければならない。時計は進み続けているんだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NIKAN’S LIFE

SLIPKNOT “IOWA”

SLAYER “WORLD PAINTED BLOOD”

LAMB OF GOD “WRATH”

PANTERA “VULGAR DISPLAY OF POWER”

HATEBLEED “SUPREMACY”

MESSAGE FOR JAPAN

First of all thank for reading this and thanks for the support of those who knew us from before and are listening to us and thanks for the attention of those who just heard about us here. Thank you guys too. We love you Japan! Great nation with a great history! We wish to see you soon. If you want us, we will be there… 乾杯!

まずはこのインタビューを読んでくれてありがとう。そして以前から知っていて聴いてくれている人、今ここで知ってくれたばかりの人も注目してくれてありがとう。
僕たちは日本を愛しているよ。偉大な歴史を持つ偉大な国! 近いうちに会えることを願っているよ。もし必要とされるなら、きっと駆けつけるよ…乾杯!

NIKAN KHOSRAVI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WITHIN DESTRUCTION : YOKAI】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUKA VEZZOSI OF WITHIN DESTRUCTION !!

“I Believe The Metal Scene Is Slovenia Is Quite Strong But There Are Practically No Bands That Break Through Internationally Cause Nobody Has The Guts To Do That Important Step Of Saying “Fuck My 9-5 Job, I Wanna Do This For My Living”. You Need a Different Mindset If You Want Your Band To Succeed Internationally.”

DISC REVIEW “YOKAI”

「明らかに僕らは将来的にメインストリームにも進出したいと思っているから、トラップの要素を取り入れてよりメジャーな曲作りをすることは、その方向への第一歩だったんだ。もちろん、僕たちのようにやるには肝が座ってなきゃダメだけどね。人がどう思うかなんて気にしない。 自分たちがやっている音楽が好きであればそれで十分なんだ。」
東欧の小国スロベニアからスラミングデスの残忍王へと上り詰めた WITHIN DESTRUCTION は、バンド名が物語るように激烈な破壊衝動をその身に宿したまま、メインストリームの恍惚へと挑戦しています。
「スロベニアのメタルシーンは非常に強力だと思うんだけど、国際的にブレイクするバンドがほとんどいないんだ。それはね、『9時から5時の仕事なんてもうどうでもいい、メタルで生計を立てていくんだ!』ってガッツを誰も持っていないからなんだ。バンドで国際的に成功したいと思うなら、違う考え方、心の持ちようが必要なんだよ。当然、ハードな努力が必要で、経済的にも社会的にも多くの犠牲を払わなければならないんだよ。」
WITHIN DESTRUCTION に備わった無垢なる狼の精神は、人口200万の世界の狭間に生を受けたその運命と深く関連していました。ここから国際的にブレイクを果たすことがいかに難しいか熟知しているからこそ、WITHIN DESTRUCTION はその暴虐な世界を奔放に拡大していくのです。
「”Yokai” は大部分が日本の幽霊/悪魔である妖怪についてだね。平安末期に鳥羽上皇の寵姫であったとされる伝説上の人物、狐の化身 “玉藻の前” についての楽曲なんだ。彼女の美しさ、知性、そして狡猾さに焦点を当てているよ。あと、”Alone” はファイナルファンタジーの世界をベースにした楽曲なんだ。」
Unique Leader を離れ自らのレーベルを設立し、POLARIS のブレークにも一役買ったプロデューサー Lance Prenc を招聘したのは決意の現れでしょうか。メインストリームなデスコアサウンドやエレクトロニカ、トラップ、プログなどを加えスラミングデスメタルの領域を拡大する一方で、日本やアジアの伝統文化、アニメ、ゲーム, “Kawaii” からの影響を調合することにより、最新作 “Yokai” は邪悪と奇妙を両立させる文字通りエクストリームメタルの妖怪として魑魅魍魎の魅了を手にすることとなりました。
エレクトロニックでジャポネスクな “Yomi” は完璧なる冥府への入り口。そうして続くタイトルトラック “Yokai” で、メタルコアのリフにデスコアのヴァース、残忍なスクリームのコーラス、オリエンタルなメロディーと電子音の洪水を纏って新生 WITHIN DESTRUCTION に漂う妖気を存分に見せつけます。
ラッパーを起用した自殺志願のデスコアパーティー “Harakiri”、ニューメタリックな和の舞踏 “Hate Me” と、任天堂化した WITHIN DESTRUCTION のトラップメタルは彷徨う荒魂が浄化されるが如くバンドの狂骨へと浸透していきます。
そうしてアートの域まで高められたトラップメタルの百鬼夜行は、日本のヒップホップクルー Tyosin, Kamiyada+ が参加する “B4NGB4NG!!!” を皮切りに怪奇映画の終幕へ向けて進軍を始めます。インストゥルメンタルの “Sakura “では、プログメタルのイマジネーションで日本への憧憬を煽り、エレクトロニクスがアンビエントに鳴り響く “Tokoyo-No-Kuni “で文字通りリスナーは古代日本で信仰された不老不死の理想郷 “常世の国” へと導かれました。
今回弊誌では、バンドの心臓でドラマー Luka Vezzosi にインタビューを行うことが出来ました。「僕はゲームやアニメが大好きだから、ツアーで日本にいるときはいつも出来るだけ多くのオタクショップに行っているよ。日本には知られていないような小さなお店がたくさんあって、存在すら知らなかったようなものを見つけることができるからね。唯一の問題は、買ったものをどうやって飛行機で家に持ち帰るかということなんだ。」 どうぞ!!

WITHIN DESTRUCTION “YOKAI” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INGESTED : WHERE ONLY GODS MAY TREAD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JASON EVANS OF INGESTED !!

“The Problem Before Is That a Lot Of The Bands That Were Around When Ingested Started Just Didn’t Stick It Out Through The Bad Times, The Years When Metal Wasn’t Quite As Popular. It’s Nice To See The Scene Flourishing Again, When The UK Metal Scene Is In Full Swing, It’s One Of The Best In The World.”

DISC REVIEW “WHERE ONLY GODS MAY TREAD”

「今の UK シーンには本当に才能があって努力しているバンドがたくさんいるからね。英国において問題だったのは、INGESTED が始まった頃にいたバンドの多くが、メタルがそれほど人気がなかった悪い時代を乗り越えようと頑張らなかったことなんだ。」
LOATHE, VENOM PRISON, EMPLOYED TO SERVE, SVALBARD。2020年。デスメタルの強烈なカムバックを支え、デスコアの鋭き毒牙を研ぎ澄ますのは、疑問の余地もなく英国の若武者たちです。そうして様々な手法で音楽のリミットを解除し、境界線を排除する重音革命を最前線で牽引するのが INGESTED だと言えるでしょう。
「”デスコア” でも “スラム” でも何でもいいんだけど、僕たちはもう自分たちを狭いジャンルに押し込めたいとは思わないんだ。ただ、僕たちのアルバムがデスメタルのジャンルの多さを物語っているのは間違いないと思う。このアルバムにあるのはどんなエクストリームメタルのファンでも何かしら愛せる部分を見つけられる影響ばかりなんだから。」
たしかに、かつて “UK のスラムキング” と謳われた4銃士がここ数年で遂げたメタモルフォーゼの華麗さには、眼を見張るものがありました。特に、アトモスフィア、ブラッケンド、そしてメロディーのロマンチシズムを吸収したEP “Call of the Void” には次なる傑作の予感が存分に封じられていたのです。
「子供時代は完全に SLIPKNOT キッズだったんだ。”Iowa” は僕の時代で、僕の子供時代全てなんだ。FEAR FACTORY や LAMB OF GOD, PANTERA, CHIMAIRA なんかが大好きだったけど、中でも SLIPKNOT は僕の人生を変えてくれたバンドで、”Iowa” を聴いてからずっとメタルバンドになりたいと思っていたのさ。」
完成した最新作 “Where Only Gods May Tread” は予感通り、メタル世界の誰もが認めざるを得ない凄みを放っています。結局、INGESTED がメタルに再び人気を取り戻し進化へ導くための努力、多様性の実現、言いかえれば彼らの底なしの野心は、自らの心臓が送り出す凶暴な血潮をより赤々と彩るドーピングの素材にしかすぎませんでした。まさに摂取。まさに消費。真実は、根幹である暴力と狂気に対する圧倒的心酔、ルーツへの忠誠こそ、バンドの信頼性を極限まで高めているのです。
実際、オープナー “Follow the Deciever” からその無慈悲な残虐性はなんの躊躇いもなくリスナーへと襲い掛かります。ただし、INGESTED の拷問方法、地獄の責め苦は非常に多岐に渡り周到。知性際立つグルーヴの氾濫、唸り吸い叫ぶ声色の脅威、アコースティックやオリエンタルで演出するダイナミズムの落とし穴。つまりリスナーは、全身に猛攻を浴びながらも、常に新たな被虐の快楽に身を委ねることができるのです。
それでも、CROWBER/DOWN の Kirk Windstein が歌心の結晶を届ける “Another Breath” に対流するメロディーのきらめきは INGESTED にとって新たな出発点の一つでしょうし、なによりプログレッシヴで紆余曲折に満ち、ビートダウンの猛攻が蠢く過去とより思慮深くメロディックにアトモスフェリックに翼を広げる未来とのギャップを見事に埋める9分のエピック “Leap of the Faithless” はモダンメタルの可能性を完璧なまでに証明する一曲となりました。
今回弊誌では、七色のボーカル Jason Evans にインタビューを行うことが出来ました。「僕たちは、音楽であれ、メディアであれ、映画であれ、人生経験であれ、周りのあらゆるものに影響を受けているよね。これらのものは、人としての自分、バンドとしての僕ら、そして自分たちが作る音楽そのものを形作っているんだ。だけど、これらのものはまず消費されなければならなくて、”摂取” されなければならないんだよ。」 どうぞ!!

INGESTED “WHERE ONLY GODS MAY TREAD” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AVATAR : HUNTER GATHERER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOHANNES ECKERSTROM OF AVATAR !!

“On One Hand It Is Obviously True We Do Things In a Very Theatrical And Bombastic Manner. On The Other The Most ipmportant Asset to Any Stage Performer Is His Eyes. We Never Want To Lose Focus On The Humanity On Stage And In The Interaction With The Audience.”

DISC REVIEW “HUNTER GATHERER”

「僕たちがやっていることにはある種の二面性があるということじゃないかな。一方では、非常に芝居がかっていて、大げさなやり方でやっている。それは明らかな事実だよ。 でもその一方で、舞台のパフォーマーにとって最も重要な財産は自分の目なんだ。舞台上においても、人間性にフォーカスすることや、観客との対話を決して失いたくはないからね。」
RAMMSTEIN からリック・フレアー、果てはスタンリー・キューブリックまで、芸術における “シアトリカル” を濃縮したメタルのライジングスター AVATAR は、そのエピックを敷き詰めたステージにおいても人間を見つめる “目” の価値を忘れることはありません。
70年代に Alice Cooper がロックと演劇を一体化させて以来、KING DIAMOND, MARILYN MANSON とそのシアトリカルな血脈は絶えることなく受け継がれ続けています。20年近くに及ぶキャリアの中で、ゆっくりと、しかし確実にメタル世界で最も創造的かつ興味深く、予測不可能な集団の一つに成長した5人のクラウンは、そのショックロックの遺伝子にジョーカーの狂気を継ぎ足して北欧からジャンルや境界線の予定調和を打ち破ってきました。
「”Mad Max” は、たしかに僕たちが今向かっている道の一つかもしれないね。だけど “スタートレック” のシナリオだって存在するはずなんだ。強い意志があって、一時的な犠牲を払う覚悟があれば、この問題を解決できる可能性はある。僕たちの歌に描かれる、世界全体を通して繰り返し起こる大きな問題は、僕たちの道に立ちふさがっている。でも最終的には、誰も僕たちの正しい行動を止めることはできないんだよ。」
確かな “目” を備えた AVATAR にとって、この呪われた2020年に “Black Waltz” のサーカスや、”Avatar Country” の幻想的な旅路を再現することは不可能でした。かつて完全に想像の産物であった世界の終末、ディストピアを肌で感じた現代のアバターは、そうして破滅のシナリオを回避するためのレコード “Hunter Gatherer” を世に送り出したのです。
たしかに、虹やドラゴン、聖剣の妄想で現実から逃れることは難しくありません。しかし、マッチの炎が消えた暗闇には冷徹な現実が残されます。AVATAR はそれよりも、闇に直面し、闇を受け入れ、世界をあるがままに受け入れる道を選びました。彼らのトレードマークでもある毒舌家で生意気なアティテュードも、ダークで怒りに満ちた人間性をシニカルに表現するレコードとピッタリ符号しました。
「この不確かな時は、僕たちが近年の自分たちよりも (闇や権力との) 対決姿勢を深めた理由にも繋がるんだよね。その対決姿勢は過去から現在までのメタルアルバムたちにも言えることだと思うんだ。僕たちメタルバンドはみんな、様々な方法で闇を探求し、闇に立ち向かう傾向があるから、暗い時代において僕たちの音楽は重要な役割を果たすわけさ。」
つまり、2020年の呪いはメタルが解くべきなのでしょう。Devin Townsend の “Deconstruction” の邪悪なグルーヴと THE HAUNTED の暴走がシンクロするオープナー “Silence in the Age of Apes” でテクノロジーの盲信に唾を吐き、GOJIRA のグルーヴにシンガロングを誘うビッグなコーラスを織り込んだ “Colossus” でディストピアの悪夢を描く “Hunter Gatherer” のワンツーパンチはいかにもシニカルです。
マカロニウエスタンな Corey Tayler の口笛からパンキッシュに疾走する “A Secret Door” はまさに AVATAR を象徴するような楽曲でしょう。ステージにおいてシアトリカルであることを指標する彼らにとって、物語りの豊かさは切っても切り離せない能力です。60年代のストーリーテラー Leonard Cohen, Willie Nelson のカントリーフォークとダイナミックなメタルはそうして AVATAR の胎内で出会いました。もちろん、インタビューに答えてくれた Johannes が敬愛する BLIND GUARDIAN にしても、ストーリーを大仰に伝える才能は群を抜いていましたね。
かつてデスメタルの本質は凶暴なリフやスピードよりもグルーヴと語った Johannes の本領が発揮された “God of Sick Dreams” はパワーメタルと結びついてバンドの新たなアンセムとなり、一方で “Justice” の叙情と哀愁は日本のファンにも大いにアピールするセレナーデでしょう。
極め付けはレコードで最も多様な “Child” で、マーチングバンドから激烈なメタル、求心的なコーラスにカオティックなジャムとアコースティックなアウトロそのすべては、ロボトミー手術が正当だと信じられていた時代の悲哀と愚かさを演じるためだけに存在します。時を経た2020年、常識と情報、そのすべては盲目に信じられるものなのでしょうか?
今回弊誌では、稀代の演者にしてボーカリスト Johannes Eckerström にインタビューを行うことが出来ました。「鳥山明から黒澤明、村上春樹からタイガーマスク、上原ひろみから tricot まで、日本からの多くの創造的な衝動が、僕の個人的でクリエイティブな旅を形作ってきたんだ。」Babymetal との US ツアーでも話題に。ギター隊の常軌を逸したハイテクニックも見逃せませんね。どうぞ!!

AVATAR “HUNTER GATHERER” : 10/10

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