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NEW DISC REVIEW + COVER STORY 【KORN : THE NOTHING】


COVER STORY : KORN “THE NOTHING”

KORN Embraces The Sound Of Grief, The Abyss Of The Void, And The Balance Between Darkness And Light With Their 13th Record “The Nothing”

THE GRIEF BEHIND “THE NOTHING”

「”The Nothing” は完全に悲嘆と追悼のレコードだよ。嘆きの曲もあれば、怒りの曲もある。全ては俺が経験したことだ。
俺が経験した感情や物事はまるで共謀してレコードの製作を阻んでいるかのようだった。本当に人生で最悪の年だったよ。
計画はなかったよ。青写真もなし。取り乱した男が自分の身に降りかかったただ酷い何かを理解しようとしていたんだ。正直な作品さ。実は妻の2ヶ月前に母も亡くなっているんだよ…。
だから姉以外全ての女性を人生で失っているんだ。俺はいつも音楽制作をセラピーと捉えているんだけど、だからこそ自分の人生を音楽で水に流してしまう必要があったんだ。ソロツアー、”Follow the Leader” の20周年プランが終わると、俺はひたすら音楽を書いて書いて、書きまくったんだよ。」
深淵、暗黒、虚無。その場所こそが “The Nothing” 生誕の地。そしてその場所こそ Jonathan Davis が、妻の Deven Davis を亡くした2018年の8月以来孤独に沈んでいた闇だったのです。

「”The Nothing” とは全てを変えてしまうような目に見えない力だ。”The NeverEnding Story” で世界を取り込み破壊し尽くす脅威にちなんでつけたんだ。重要なのはこの闇の力が完全に悪というわけでも、善というわけでもない点なんだよ。」
ミヒャエル・エンデ原作、1984年の名作映画 “The NeverEnding Story” で人間の創造性の欠如から生まれた虚無は、35年の月日を経て世界で最もアビスに近いバンドのシンガーとシンクロし、皮肉にも迸るクリエイティブなエナジーを宿すことになりました。

オープナー “The End Begins” でリスナーはそのアビスの淵を覗き込むことになります。「なぜ俺を置いていくんだ?」”終わりの始まり” で聴くことができるのは、Jonathan の嗚咽、絶望、嘆願、そして叫び。レコードのため意図的に作られた感情とは真逆の完全なリアル。”正直な作品” の言葉通り、Jonathan は今回の作品に偽りのない純粋な苦痛を反映させました。
「フェイクなエモーションなんて試したくもなかった。これはファーストテイクなんだよ。俺は時々感情的になりすぎるんだ。もちろん泣きたくなんてなかったよ。だけどそうもいかなくてね。ライブでもそうなることがある。このツアーで何回泣いたか知っているかい?俺はミスターマッチョじゃないんだ。泣きたい時は泣くんだよ。」
これほど彼が、自らに巣食う内なる悪魔を曝け出したアルバムはないでしょう。ギタリスト Brian “Head” Welch も “The Nothing” の制作が究極に直感的だったと認めています。
「Jonathan にとって作詞と作曲はまさにセラピーなんだ。苦しみを音楽と創造性に変えるようなね。彼が昨年経験したのは最悪の出来事としか言いようがないものばかりだった。こんな風に誰かを失うなんてね。だからこそ他のレコードとは別のレベルだと言える。特別で、とても生々しく、究極に本物の作品なんだよ。」
Jonathan は今も喪失と向き合い続けています。「今でも癒しを求めているよ。だけど対処法も学んでいるんだ。ツアーや音楽は俺の避難場所で、逃げ道で、教会なんだよ。確かに楽しいレコードではなかったけど、傑作だと感じている。精神科医に通う代わりに俺には音楽があるんだ。」
ただし、”The End Begins” のバグパイプについては実にポジティブです。「バグパイプは世界最高の楽器さ!とはいえ、全部のアルバムでやりたいって訳じゃない。特別じゃなくなっちゃうからね。だけど “Issues” のレコードを聴いてインスパイアされたんだ。俺が経験した全ての苦しみがこのインタルードに詰まっているよ。」

Jonathan は “The Nothing” の楽曲たちは、全て異なる悲しみのサイクルでステージだと主張しています。
「時間を切り取ったスナップショットみたいな感じだよ。例えば “Cold” は力強く反抗的な曲。苦しみや運命を跳ね返すようなね。一方で “The Darkness is Revealing” は不確かで疑いを抱くような楽曲だよ。つまりこのアルバムは全体が波のように押したり引いたりを繰り返すんだ。小さな、静かな、瞑想的な瞬間は、津波が砂に衝突するような騒々しいコーラスとブレイクダウンに拐われるんだ。 」
その2曲では特に顕著ですが、驚くべきことにこのダークなアルバムでそのメロディーの叙情味、ロマンチシズムは一層輝きを増しています。それはもしかすると、Jonathan がシリアルキラーや幽霊といった “死” の存在に圧倒され、魅了される一面が関連しているのかもしれません。
「俺は確かにダークな世界に魅了されてきた。ただ、年齢を重ねるに連れて “バランス” の重要性に気付き始めたんだ。俺の家ではしょっちゅうおかしな怪奇現象が起きるけど、実際は極めて平和な場所さ。つまり、光と闇の良いバランスが保たれているんだよ。俺にとって平穏とは、その2つが交わる場所にある。」

“Finally Free” は Deven Davis が長き薬物中毒との戦いから解放された安堵と悲痛を込めた葬送歌だと言及したのは James “Munky” Saffer。「中毒と戦った者を知っていれば、もしくは経験したことがあれば、もちろん俺もバンドのメンバーも大抵そうなんだけど、悪魔には贖えないって思う時もあるんだ。彼女は遂に自由になった。だからこのタイトルに決めたんだよ。」
クライマックスは KORN 史上最重とも言える “Idiosyncrasy” で訪れます。「神は俺をバカにしている。奴は笑って見ているんだ。」とそれでも彼が叫び、怒り、絶望を向けるのはしかし虚無に対してだけではなく、むしろ自分自身にでした。
“I failed”。 当然 Jonathan を責める人間など一人もいないでしょう。しかしアルバムにはクローサー “Surrender to Failure” まで、彼の “失敗” を犯してしまったという思いが貫かれています。涙を流しながら不安定に呼吸し、話し、歌い、贖罪の感情をぶちまけます。愛する人を救えなかった、上手くやれなかった。その感覚、トラウマはレコードを支配し、圧倒的な敗北感を植えつけるのです。アルバムが終わる瞬間、嗚咽の後の沈黙がその敗北感を乗り越えた証だとするのは少々希望的観測かもしれませんね。

TWENTY ONE PILOTS も手がける TNSN DVSN が情熱を注いだアートワークも素晴らしく KORN の音楽的感情的カオスと混線を反映していると Brian は語ります。
「沢山のビジュアルアートの中で俺らの目を引いたのが、このギターケーブルか何かのワイヤーのカオスだった。気に入ったと伝えたら、さらに磨きをかけ、ワイヤーで吊られた男はただ敗北し、荒廃しているように見えたんだ。何か大きなものを失えば、大きなトラウマに直面することになる。完璧なアートワークだよ。」
リリースデイトにも実は深い意味が込められています。「13枚目のレコードが13日の金曜日にリリースされる。しかも満月の日で、さらに水星逆行だ。つまり現実的にも比喩的にも、”星が並んで” いるんだよ。」

アウトサイダーのアンセム “Blind”、メインストリームにそのフリーキーな牙を残した “Freak on a Leash”。90年代から00年代に育ったものにとって、KORN とノスタルジアを切り離して語ることは難しいかもしれませんね。
ただし、当時を生きた多くのバンドがセルフパロディーに陥り消えてしまった今でも、彼らはエクストリームミュージックの “制限” に挑んでいるように思えます。実際、Brian “Head” Welch がバンドに復帰してからの作品は、全てクラッシックな KORN とモダンな KORN、光と闇が交差する極上の一点で仕上げられているのですから。
では、Nu-metal という自らが加担し作り上げたムーブメントについてはどのような想いを抱いているのでしょう。Jonathan が振り返ります。
「Nu-metal はメタルにとって最後のメインストリームに切り込んだムーブメントだった。だけどその中でも、俺らは究極のはみ出し者だったんだ。あのシーンはアホな女性蔑視の頭がチンポで出来ているアメフト野郎ばかりだったからね。バンドをやってなきゃ俺を虐めていたような奴らさ。そんな時、メタルコミュニティーが俺らを抱きしめてくれたんだ。ライブでバグパイプを鳴らすような変な奴だけどね。だから KORN, Nu-metal と聴いてディックヘッドだと思われるのは本当に嫌なんだ。」

ゴス、ファンク、ヒップホップ、そして酷く悲惨な歌詞を取り入れた KORN の “Nu” メタルは、ロストジェネレーションを魔法にかけ彼らをチャートに送り込みました。90年代後半の “Follow the Leader” と “Issues” はNo.1を獲得し、7枚のアルバムがトップ5に名を刻み、そうして Backstreet Boys, ‘N Sync, Britney Spears へ果敢に襲いかかりました。
「90年代後半は今よりも、アメリカ文化にとってとても強力な時代だった。全てがよりリアルだったんだ。」
KORN のファンであろうがなかろうが、”The Nothing” が溢れる感情と巧みな作曲術を別次元で融合させた絶佳の宇宙であることは認めざるをえないでしょう。つまり、この新たなレコードは、真の才能、創意工夫、そして知性に恵まれたバンドなら、歴史の始まり”ビッグバン”から四半世紀の時を経ても同等か、それ以上のインパクトを放ち続けられる証明とも言えそうです。ただし、リタイアが頭をチラつく時もあるようですが。

「俺は今49歳になる。」 Brian はそう切り出します。「バンドを始めたのは20代の頭だった。年月を重ねこんなにビッグになるなんて、俺たち誰も思っていなかったんだよ。歳をとりすぎたって思う時もある。俺の好きだったバンドだって40代半ばで消えていった。だから歳をとったって思ったら、ただ去るべき時なんじゃないかってね。」
とは言え、巨人の進撃はまだまだ収まりそうにありません。Jonathan はこう続けます。「奇妙な世の中で、差別だって横行している。だからメタルにとっても厳しい時代だと思うよ。でもだからこそ KORN の存在意義がある。きっと続ける理由を見つけられると思うよ。次のアルバムのアイデアだってもうあるんだ。俺たちはサヴァイバーだから。
妻を亡くしたし、息子も糖尿病を患っている。それでも光はあるんだよ。人生はクソみたいな贈り物だけど、俺は幸運な男さ。自分を憐れむことはないよ。」

参考文献: Interview: Chaos, Heart, Tears + Fate Guided Korn’s ‘The Nothing’; LOUDWIRE

Korn’s Jonathan Davis: “I have the remains of at least seven people in my house”: NME

REVIEW: ‘THE NOTHING’ IS KORN’S BEST ALBUM IN OVER 10 YEARS: REVOLVER

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【RICHARD HENSHALL (HAKEN) : THE COCOON】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RICHARD HENSHALL OF HAKEN !!

“With The Digital Revolution And The Advent Of Streaming, The Musical Market Has Become Extremely Oversaturated, Which Can Often Make It a Little Overwhelming When Looking For New Music. However I Do Think There’s Wealth Of Great Music Out There If You Dig Deep Enough. I’m Always Hugely Appreciative That Anyone Gives Their Precious Time To Listen To Our Music, Especially Since There’s Some Much Amazing Stuff Out There.”

DISC REVIEW “THE COCOON”

「作曲に関して僕たちは、これがプログなのかメタルなのか考えすぎて特定の方向性へ舵を切ったりはしないようにしているよ。特定の影響に重きを置かないことが重要なんだ。ただ自分たちが聴きたい音楽を書いて、ただ望むのはファンが楽しんでくれることだけなのさ。」
今年の Progressive Music Awards で “UK Band of the Year” を獲得したもはやプログレッシブ世界を代表するバンド HAKEN。精密と重猛の並行世界を実現するプログ最後の希望を牽引するギターヴァーチュオーゾ Richard Henshall は、ソロプロジェクトの船出に “The Cocoon” 実験の “繭” の名を与えました。
Richard が RADIOHEAD を引き合いに出した様に、プログレッシブの言霊が例えばブラックメタル、スラッジ、オルタナティブ、ジャズといった異世界によりフィットするようにも思える現代において、クラッシックなプログの鼓動を21世紀にアップデートする HAKEN のレトロフューチャーな音楽観は実に貴重で尊い孤高です。プログサウンドの海に漂うアンビエント、djent, ソウル、ジャズ、ミニマリズム、シンセポップの漂流物は、音の航海を退屈から程遠い冒険へと導いています。
「ここ何年か、HAKEN は作曲の面で以前よりもメンバー間のコラボレートが増えているんだ。だから “The Cocoon” をリリースする完璧なタイミングに思えたんだよ。」
2013年のマイルストーン “Mountain” を境に、歌詞、そして音楽の面でもコラボレートを進めてきた HAKEN はバンドとして絶対的な完成の域へと達しています。ただし、故に創立者 Richard でさえ、創造物全てを吐き出すことはもはや許されないほどに高潔な存在へと進化したのかもしれませんね。だからこそこの “繭” の羽化は Richard 自身の解放であり、自由な羽ばたきです。
「ピアノは僕が初めて恋に落ちた楽器だし、創造性の解放を求める時しばしば重点を置く楽器でもあるんだよ。同時に、家にあったアコースティックギターでギターの基礎を学んで行ったんだ。」
不穏なピアノの絶景から荒れ狂ポリリズムギターの雪崩へと繭を開くオープナー “Pupa” はプレイヤー、コンポーザーの両面から Richard のユーティリティー性を描写する絶佳の招待状です。
演奏者としてのハイブリッドな才能は続くタイトルトラック “Cocoon” で一層露わになります。「僕は BON IVER や James Blake の大ファンなんだけど、彼らからボコーダーのインスピレーションを得たんだよ。」Richard を歌の地平へと駆り立てたのは、真のプログレッシブを音楽面、テクノロジーの面でも開拓するコンテンポラリーなアーティストでした。
「作曲やレコーディングにおいて、音楽の境界を少しでも広げるなら、僕はモダンなテクノロジーも楽しんで使用しているんだ。」その言葉は CHON のチルグルーヴを帆に受ける “Silken Chains”、アンビエントやエレクトロニカを存分に抱きしめた風光 “Limbo”、hip-hop を咀嚼する “Lunar Room” が証明しています。
同時に “Cocoon” の繭は彼の中の “ジャズ” を開花させました。敬愛する DREAM THEATER のトリッキーで複雑怪奇な遺伝子を受け継ぎながら、Eric Dolphy のサクスフォンで21世紀のプログメタル異常者を演じる Richard の異能、インテンスのダンスは THANK YOU SCIENTIST と肩を並べます。
「僕は別バンド NOVA COLLECTIVE ではよりジャズの方向を目指していて、HAKEN はもちろんプログメタルの領域にあるね。だからこのソロプロジェクトで両方の影響を等しく祝えるのはクールだよね。」
そうして、彼の中のジャズとプログメタルを並列に並べたパラレルワールド “Twisted Shadows” はまさしく現在の Richard を投影した交差する音影だと言えるでしょう。”Djent Reinhardt” よろしくメタルとジャズを交互に繰り出す Richard の両刃は、鍵盤の魔術師 Jordan Rudess のロックなアグレッションとしなやかに同化し未曾有のカタルシスを創出します。さらに HAKEN の盟友 Ross Jennings の憂いを帯びた “ゴキブリ王” の歌唱と LEPROUS を想起させるシンコペーションのリズムを伴った楽曲は、21世紀プログメタルの理想形とも言える多様性と冒険心を具現化していくのです。
David Maxim Micic, Marco Sfogli といったモダンギターヒーロー、新進気鋭 BENT KNEE のメンバー、さらに CYNIC の新ドラマーに任命された Matt Lynch の参加によって、”The Cocoon” が一際強力な現代プログレッシブの怪気炎、目眩く桃源郷となっていることを付け加えて置きましょう。
今回弊誌では、Richard Henshall にインタビューを行うことができました。「僕はいつだって貴重な時間を割いて僕たちの音楽を聴いてくれる誰にでも大きな感謝を捧げているんだよ。だって世界は素晴らしい音楽に充ちていて、その中から選んでくれているんだからね。」 どうぞ!!

RICHARD HENSHALL “THE COCOON” : 10/10

INTERVIEW WITH RICHARD HENSHALL

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【RICHARD】: I was lucky enough to grow up in a musical environment. My Mum was a piano teacher, so I naturally owe a lot of my musical growth to her. I vividly remember waking up at the weekends to the soothing tones of Chopin, Bach and Debussy being taught downstairs, which most certainly got the musical cogs turning in my head. I would say this is essentially where my relationship with music started. I soon moved on to some heavier influences through digging around in my Dad’s record collection. He regularly listened to large amount of Queen, Pink Floyd and Led Zeppelin, which undoubtedly inspired me to pursue a career in a band.

Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【RICHARD】: 僕はかなり恵まれた音楽環境で育ったんだ。母はピアノの先生だったから、彼女から自然と多くの音楽的な素養を学ぶこととなったね。
今でも鮮明に覚えているけど、週末の朝目覚めると下の階から母がショパンやバッハ、ドゥビッシーを教えている心地よい音が聴こえてくるんだよ。間違いなく頭の中を巡る音楽の歯車を形成したね。音楽との関係を始めるにあたって不可欠な影響だったよ。
そこからすぐに、父のレコードコレクションからよりヘヴィーな領域を探り始めたんだ。彼はいつも QUEEN, PINK FLOYD, LED ZEPPELIN を沢山聴いていたからね。バンドでキャリアを追求するにあたってあの時期が大きなインスピレーションになったのは疑う余地もないね。

Q2: Actually, I’m also big To-Mera fan and you were keyboard player there. What inspired you to start playing guitar, keyboard and using Strandberg? Who was your musical hero at that time?

【RICHARD】: It’s great to hear that you’re a fan of To-Mera! Unfortunately, due to life getting in the way, it’s been quite a while since we’ve been active, but I have fond memories of playing with those guys. It was great to be in a band where I could focus solely on my keyboard playing and not worry about jumping between instruments. As I mentioned before, Piano was my first love with music and is often something I gravitate toward when I’m looking for some kind of creative release. When growing up, I also had an acoustic guitar lying around in my house, which I ended I ended up using to teach myself the basics. When I was around 16 I discovered the likes of Dream Theater and Opeth and decided to take the guitar more seriously in a disciplined, samurai-like fashion. John Petrucci’s Rock Discipline and Guthrie Govan’s Creative Guitar books were instrumental in my musical growth around that time. Over the last five years I’ve been using Strandberg Guitars and I couldn’t be happier. They are incredibly light and ergonomic which suits my style of playing perfectly. I also love how portable they are, which is perfect for the amount of travelling I do.

Q2: 私は TO-MERA の大ファンでもあるのですが、あなたはあのバンドではキーボードをプレイしていましたよね?

【RICHARD】: 君が TO-MERA のファンだと聞けて嬉しいよ。残念ながら色々と障害があって、かなり長い間活動はしていないんだけど彼らとプレイしていた思い出は大事にしているよ。楽器を行ったり来たりせず、キーボードだけに集中出来るバンドに加われて良かったよ。
さっきも言ったけど、ピアノは僕が初めて恋に落ちた楽器だし、創造性の解放を求める時しばしば重点を置く楽器でもあるんだよ。同時に、家にあったアコースティックギターでギターの基礎を学んで行ったんだ。
16歳くらいの頃、DREAM THEATER や OPETH を発見してより真剣にギターに取り組むことを決めたんだ。それこそ侍のように訓練を重ねてね。John Petrucci の “Rock Discipline” と Guthrie Govan の “Creative Guitar Books” はあの頃の僕の音楽的な成長にとって重要な役割を果たしたね。
ここ5年ほどは Strandberg のギターを使っていてとても満足しているんだ。信じられないくらい軽くて人間工学に基づいているから、僕のプレイスタイルに完璧にフィットするんだよ。それに持ち運びしやすくて、旅行に適しているのも気に入っているよ。

Q3: Definitely you are the moving spirit of Haken. So, I think you can do almost everything you want in the band. But what made you making your solo record this time now?

【RICHARD】: Making a solo record is something that’s been bubbling away in my brain for some time now. Over the last few years Haken has started to collaborate a lot more with the writing, so it felt like the perfect time to release ‘The Cocoon’. I’ve been working a lot of the ideas for around 4 years in the small pockets of time between all the touring I’ve been doing recently, and have recently found the inclination and drive to bring it to fruition over the last year or so. Not working to any specific deadline and having no one to bounce the ideas off was definitely a double-edged sword. On one hand, it allowed me to fully engross myself in the music and be as creative and elaborate with my ideas as desired, but on the other hand, it was often difficult to know when a song was finished! Ultimately, I found the process extremely liberating.

Q3: もちろん、あなたは HAKEN の中心人物で原動力です。音楽的な望みは HAKEN でほぼ叶うようにも思えるのですが、なぜこのタイミングでソロアルバムを制作したのでしょうか?

【RICHARD】: ソロアルバムのアイデアはしばらく前から僕の頭の中をふつふつと巡っていたんだ。ここ何年か、HAKEN は作曲の面で以前よりもメンバー間のコラボレートが増えているんだ。だから “The Cocoon” をリリースする完璧なタイミングに思えたんだよ。
僕は4年間、忙しいツアーの合間を縫って沢山のアイデアを試していたんだ。昨年かそのくらいから、アルバムを制作しようという意欲を得たんだよ。
特別な締め切りもなく、アイデアを否定する人がいないって状況は間違いなく諸刃の剣だったね。一方では、音楽に夢中になり、思い通りに創造力を発揮し、アイデアに精通することができたんだけど、その反面、楽曲の完成を判断するのが難しくてね! 最終的に、このプロセスは非常に自由で解放的だと気づいたんだ。

Q4: I really love Eric Dolphy-esque saxophone in “Cocoon” and Djenty Django like jazz guitar in “Twisted Shadows”. Actually, “The Cocoon” is one of the most perfect record mixing jazz and prog/metal, I think. What’s your perspective about that?

【RICHARD】: Thanks so much. I was totally going for that vibe with ‘Twisted Shadows’. I wanted there to be a strong sense of juxtaposition between the quirky jazz sections and the hard hitting metallic parts, so I tried to emphasise them as much as possible for dramatic effect. I’m glad it came across well. I’ve always enjoyed injected some zanier, experimental influences in my music, and I’ve definitely have channelled a lot of that stuff into this track.
The Saxophone solo in ‘Cocoon’ by Adam Carrillo is one of my favourite parts of the album. He added a looser dimension to the music, which really helped take it to some unchartered territories. I will definitely be exploring this freer approach as I move forward with the next album. My other band Nova Collective leans more toward the jazz end of the spectrum, and Haken in arguably more in the prog/metal camp, so it was cool to have this project where I could celebrate all my influences equally.

Q4: 例えば、”Cocoon” の Eric Dolphy ライクなサクスフォンや、”Twisted Shadows” の Djenty な Django といった趣のギターリックを聴けば、”The Cocoon” がジャズとプログメタルの完璧なミックスだと感じます。

【RICHARD】: どうもありがとう。僕は “Twisted Shadows” で間違いなくそういったヴァイブを求めていたね。つまり風変わりなジャズセクションと、ハードなメタリックパートを強く並列に置きたかったんだよ。だからその対比を強調してドラマティックな効果を可能な限り生みたかったんだ。だからそういった印象を与えられて嬉しいよ。僕はいつも風変わりだったり、実験的な影響を音楽に抽出して楽しんでいるんだ。特にこの曲には、間違いなく多くの挑戦的なマテリアルを組み込んだよ。
“Cocoon” のサックスソロは Adam Carrillo がプレイしていて、アルバムの中でもフェイバリットパートの一つだよ。彼はアルバムによりゆったりした次元を加えてくれたね。そうして未踏の領域へ進む手助けをしてくれたんだ。次のアルバムでは、間違いなくより自由な領域へと進むつもりだよ。
僕は別バンド NOVA COLLECTIVE ではよりジャズの方向を目指していて、HAKEN はもちろんプログメタルの領域にあるね。だからこのソロプロジェクトで両方の影響を等しく祝えるのはクールだよね。

Q5: Sometimes, there is vocoder like effect, but your voice adds great atmosphere to this record. Maybe, singing is new challenge for you, right?

【RICHARD】: I’m relieved to hear that the vocals have come across well. I’ve never really seen myself as a vocalist; so diving headfirst into something like this pushed me completely out of my comfort zone. I’ve sung backing vocals live for Haken over the last few years, but recording lead vocals for a full album was an entirely different ball game. I definitely found the whole process challenging and a little daunting, but it ultimately became extremely rewarding in the end. I’m huge fan of Bon Iver and James Blake, which is where I got the inspiration for the vocoder effects. I’ve generally always enjoyed embracing modern techniques when it comes to composition and recording as it allows you to push the musical boundaries a little further.

Q5: 時にボコーダーのエフェクトを纏ったあなたの声もアルバムに異質なアトモスフィアを加えています。
ボーカルもあなたにとっては新たなチャレンジですよね?

【RICHARD】: 僕のボーカルが機能していると聞いて安心したよ。まあ自分のことをボーカリストだと思ったことはないんだけどね。だから頭からダイビングするように完全に未知の領域へと飛び込んでいったんだよ。
ここ何年か、HAKEN ではライブのバッキングボーカルはやっていたんだけど、アルバムを通してリードボーカルを歌うのは全く別のチャレンジだからね。全てが困難な挑戦だと悟ったよ。だけど最終的には究極に報われたんだ。
僕は BON IVER や James Blake の大ファンなんだけど、彼らからボコーダーのインスピレーションを得たんだよ。作曲やレコーディングにおいて、音楽の境界を少しでも広げるなら、僕はモダンなテクノロジーも楽しんで使用しているんだよ。

Q6: Jordan Rudess played in “Twisted Shadows”. Also, you played Mike Portnoy’s Shattered Fortress before. So, it seems you have good connection with Dream Theater members now. What’s playing with them to you?

【RICHARD】: Dream Theater have been a huge influence on me over the years. They were essentially one of the reasons we decided to form Haken. Jordan’s first album with them was ‘Scenes from a Memory’, and it still remains one of my favourites of all time. His writing and playing has certainly had a huge impact on me, so to have him on one my own tracks is the greatest honour.
Same goes for Mike. Some of my fondest memories of seeing them live were with Mike in the band at Hammersmith Apollo in London. Mike always projected so much passion into his performance, which is something I always strive to achieve. Being invited to play some of my favourite songs with him was a dream come true. It was amazing to share and celebrate Dream Theater’s amazing music with the fans.

Q6: “Twisted Shadows” では DREAM THEATER の Jordan Rudess がプレイしていますね。
あなたは以前 Mike Portnoy の SHATTERED FORTRESS でプレイしていましたし、DREAM THEATER との繋がりも深いようですね?

【RICHARD】: DREAM THEATER は僕に何年もずっと巨大な影響を与え続けてきたね。実際、僕たちが HAKEN を結成した不可欠な理由の一つが DREAM THEATER なんだから。Jordan が DT に加入してはじめてのアルバムが “Scenes From A Memory” だったね。そしてあのアルバムは今でも僕のフェイバリットの一つなんだ。彼の作曲と演奏は、間違いなく僕に大きなインパクトを与えたよ。だから僕のアルバムの一曲に彼が参加してくれてとても光栄なんだ。
同じことは Mike にも言えるね。彼らのライブを見た思い出の中で最高なものが、彼がいた時代のロンドンのハマースミスアポロだから。Mike はいつも溢れる彼の情熱をそのパフォーマンスに投影していたね。その姿はいつも僕が追い求めているものなんだ。
僕の大好きな DT の楽曲を彼とプレイする機会が得られたことは、まさに夢が叶ったって感じだったね。ファンと DT の素晴らしい音楽をシェアし祝えて最高だったよ。

Q7: Guest appearance, Marco Sfogli and David Maxim Micic are new generations of guitar hero as well as you. From your perspective, what’s the difference between you three?

【RICHARD】: David and Marco are two of my favourite guitarists so to have them feature on ‘The Cocoon’ was a huge honou. I first became aware of David’s work after hearing his mind blowing Bilo 3 album. It’s an incredibly dynamic musical odyssey that really completely grabbed my attention. I’ve since recorded on a couple of his releases, so it was great to finally have him on something I’ve written.
I first heard Marco’s jaw dropping guitar work on James Labrie’s solo album, ‘Elements of Persuasion’, and soon after heard his insane fusion chops on ‘Ego’ by Alex Argento. I finally met him on Cruise to the Edge last year, when he joined Haken on stage for a cover of 21st Century Schizoid Man. They’re both inspiring players and I couldn’t be happier with their performances on ‘The Cocoon’.

Q7: さらに Marco Sfogli と David Maxim Micic のゲスト参加で、あなたを含め新世代ギターヒーロー揃い踏みの作品にもなっています。プレイヤーとしての3人にはどの様な特徴がありますか?

【RICHARD】: David と Marco は僕のフェイバリットギタリスト2人なんだ。だから彼らを “The Cocoon” にフィーチャー出来てとても光栄だよ。僕がはじめて David を知ったのはあの素晴らしき “Bilo 3” アルバムだったね。信じられないくらいダイナミックなミュージカルオデッセイで、完全に僕の心を掴んだんだ。それから何度か彼の作品に参加したから、遂に今度は彼を僕の作品に招くことができて嬉しいね。
Marco の驚異的なギターワークをはじめて聴いたのは、James Labrie のソロアルバム “Elements of Persuasion” だったね。それからすぐ、Alex Argento との狂気のフュージョン “Ego” を聴いたんだ。昨年の Cruise to the Edge で遂に彼と会うことができて、あの時は彼が HAKEN に加わって “21st Century Schizoid Man” をプレイしたんだよ。
両者からインスパイアされているし、アルバムでの彼らのパフォーマンスにはとても満足しているんだ。

Q8: So, it seems Haken and you are last hope of prog scene. Most of prog giants are getting older, and the term “Progressive” fits more to other genre’s young stars like Black metal, Sludge metal, Alternative, and Jazz. Do you want to prog rock/metal great again?

【RICHARD】: Thanks for your kind words! It’s great to know that people are supporting what we’re doing. The continued support we’ve from our fans over the years is something we’re hugely grateful for. When it comes to writing, we try not to steer the music in any specific direction by thinking too much about whether it’s “prog” or “metal”. It’s important to us that we don’t let any weight of expectation influence our music, we just write want we want to hear and can only hope that people will enjoy it.
With the digital revolution and the advent of streaming, the musical market has become extremely oversaturated, which can often make it a little overwhelming when looking for new music. However I do think there’s wealth of great music out there if you dig deep enough. I’m always hugely appreciative that anyone gives their precious time to listen to our music, especially since there’s some much amazing stuff out there.

Q8: プログの巨人たちは歳を重ね、さらに “プログレッシブ” という言葉自体も現在は他のジャンルにこそよりフィットするようにも思えます。そんな中、HAKEN はプログワールド最後の希望ではないでしょうか?

【RICHARD】: ありがとう!みんなが僕たちの活動を支持してくれていて嬉しいね。何年にも渡ってファンから受けているサポートには、本当に感謝しているんだよ。作曲にかんして僕たちは、これがプログなのかメタルなのか考えすぎて特定の方向性へ舵を切ったりはしないようにしているよ。特定の影響に重きを置かないことが重要なんだ。ただ自分たちが聴きたい音楽を書いて、ただ望むのはファンが楽しんでくれることだけなのさ。
デジタル革命とストリーミングの進化によって、音楽マーケットは究極に過飽和の状態になっていて、新たな音楽を探す時に少し圧倒されたりもするよね。だけど、充分に深くディグれば、必ず豊富な偉大な音楽と出会えると信じているんだ。
だから、僕はいつだって貴重な時間を割いて僕たちの音楽を聴いてくれる誰にでも大きな感謝を捧げているんだよ。だって世界は素晴らしい音楽に充ちていて、その中から選んでくれているんだからね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED RICHARD’S LIFE

This is a tricky one! My music tastes are always changing but here are five albums that have really inspred me over the years:

OPETH “STILL LIFE”

Still life is a masterclass in juxtaposition and balance that is realised in such a clean and precise way. It’s been 18 years since I first heard Still Life, and it continues to inspire me each time I hear it.

精密でクリーンに並行性とバランスを実現したマスタークラスのレコード。初めて聴いてから18年経つけど今でも聴くたびにインスパイアされつづけているね。

TIGRAN HAMASYAN “SHADOW THEATER”

‘Shadow Theater’ is a polyrhythmic jazz odyssey that continues to melt my brain time after time in the best possible way.

ポリリズミックなジャズオデッセイで、僕の脳を最高のやり方で溶かしつづけているよ。

DEVIN TOWNSEND “TERRIA”

‘Terria’ is a broad, multifaceted and deeply atmospheric record that always evokes a number of emotions in me, which is why it will always be one of my favourite albums of all time.

幅広く、マルチな顔を持つアトモスフェリックなレコード。いつも沢山の感情を掻き立ててくれるね。だからこそオールタイムフェイバリットの一つなのさ。

RADIOHEAD “KID A”

Kid A really embodies the limitless and viciously experimental spirit of Radiohead’s music, which is what I essentially find so appealing about them. It’s a special album that came at just the right time for me.

限界なき Radiohead ミュージックの実験的な精神を体現しているね。それは僕にとって彼らの音楽に欠かせないものだ。人生の完璧なタイミングに現れた特別なアルバムさ。

DREAM THEATER “METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY”

Scenes from a Memory is a perfectly realised prog album that continues to inspire me. It’s undoubtedly their piece de resistance!

完璧なプログアルバムを体現して僕をインスパイアし続けている。疑いようもなく彼らの反抗の証しさ!

MESSAGE FOR JAPAN

Thanks you for reading. I travelled around Japan for a month last year with my family and fell in love with your culture and jaw dropping landscapes. It definitely left a lasting impression on me. I would love to one day and play some music for you guys!

インタビューを読んでくれてありがとう!昨年僕は一月ほど家族と日本を旅行して、文化や素晴らしい景観の虜になったんだ。間違いなく僕の中に不朽のインパクトを残したね。いつか君たちのためにプレイしたいよ!

RICHARD HENSHALL

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SACRED REICH : AWAKENING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL RIND OF SACRED REICH !!

“Slayer And Metallica Have Always Been Our Main Musical Influences. I Think They Are Two Of The All-Time Great Metal Bands. The Success The Metallica Has Had Is Mind Blowing!”

DISC REVIEW “AWAKENING”

「SLAYER と METALLICA はいつだって俺らにとってメインの音楽的影響だったね。彼らは全時代のメタルバンドの中でも最も偉大な2つのバンドだと思う。」
オールドスラッシュ復権の年。POSSESSED や DEATH ANGEL, FLOTSAM AND JETSAM, OVERKILL が圧倒的な作品で先陣を切り、EXHORDER, HEATHEN, DARK ANGEL といった古豪の帰還も控える今年のスラッシュワールドは間違いなく高まる期待感と熱情に支配されています。”伝説” と呼ばれたカルトなヒーローたちの同時多発的再臨は、再び押し寄せる鋭利な波の震源地となっているのです。
興味深いことに、永遠の氷河が溶け出すように長い眠りから目覚めたスラッシュの魂は、大半が SLAYER や METALLICA の血脈を直に受け継いだ “第2世代” の英傑でした。中でも、最も復活作が期待されたバンドの一つが SACRED REICH だと言えるでしょう。
80年代初頭から中頃にかけて、アリゾナで “第1世代” の太陽を全身に浴びたヤングガンズは、しかし先達の真似事に終わらない独自の道を模索します。アグレッシブかつダークなデビューフル “Ignorance” からすでに、ベイエリアとは一線を画すハードコアな一面を垣間見せていた彼らは、南米におけるアメリカ帝国主義を痛烈に皮肉った EP “Surf Nicaragua” でその政治性を開花させます。時代の変遷と共に、音楽的にもファンクやグルーヴの領域まで探求した彼らは、以降一貫してその政治的風刺、アメリカンドリームのダークサイドを描き続けたのです。
2000年の活動休止、2006年のリユニオンを経て、MACHINE HEAD を離脱したオリジナルドラマー Dave McClain を加えた SACRED REICH は不死鳥のスピリットで実に23年ぶりとなる復活作 “Awakening” を世に送り出しました。ニカラグアでの波乗りは、30年の時を超えメタルの津波となってリスナーへと襲いかかります。
オープナー “Awakening” で Wiley Arnett のクラッシックかつ独特なシュレッドとリフパンチの少し奇妙な応酬が繰り広げられると世界は SACRED REICH の帰還を確信します。ただし、同時に23年の時が刻んだ変化と進化の証も感じられるはずです。
「大半はポジティブで励ますようなアルバムなんだ。」ボーカル/ベースを兼任し、SACRED REICH の推進力とも言える Phil Rind は、アートワークやレノンへの愛が示すように、長い空白の間チベット仏教に心酔しスピリチュアルな世界の見方を身につけました。憎しみを捨て去り前へと進む断捨離の心は、時に ANTHRAX の Joey Belladonna を想起させるほどメロディックに歌い上げる新たな武装を Phil へと施し、以前よりも飛躍的にワイドなパフォーマンスをその身に宿すこととなったのです。
吐き捨てる叫けびと伸びやかな歌唱のコントラストが際立つ “Divide & Conquer” はその新武装が最も輝く瞬間でしょう。さらに IRON MAIDEN の誇り高きツインリードを受け継いだエピック “Salvation”、スラッシュアタック “Manifest Reality”、バンドの軌跡である PANTERA のグルーヴをモダンに昇華した “Death Valley”、ハードコアパンクとの架け橋 “Revolution” などアルバムは “メタルの領域” において Phil の言葉通り成熟を遂げ実にバラエティーに富んでいます。
もちろん、デビューフルほどの無鉄砲な突進力やエナジーは存在しませんが、きっと同様に年齢を重ね成熟を遂げたリスナーにとって居心地の良い恐怖を運ぶレコードではあるはずです。何より、ここには Phil が最も憧れる METALLICA と同種の耳に絡みつく “危険な” フックが溢れているのですから。併せて百戦錬磨、Dave McClain の華麗なタム回しが作品に素晴らしきアクセントをもたらしていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では Phil Rind にインタビューを行うことが出来ました。「俺は今こそ音楽にとって偉大な時だと思っているし、生きるのに最良の時代さ。」 新鋭 IRON REGAN とのスプリットも躍動感がありましたね。どうぞ!!

SACRED REICH “AWAKENING” : 9.9/10

INTERVIEW WITH PHIL RIND

Q1: First of all, Sacred Reich reunited in 2006. But what made you release your new record first time in 23 years on this timing now?

【PHIL】: We finally had some new songs! Until now we didn’t. So the time was right to do a new record.

Q1: SACRED REICH は2006年にリユニオンを果たしましたが、再始動のアルバムは2019年まで届けられることはありませんでした。実に23年ぶりの作品ですね!

【PHIL】: 遂に新たな楽曲を作ることが出来たんだ!今までそうしようとは思わなかったからね。だからこそ、新たなレコードを届ける正しいタイミングだと思ったんだ。

Q2: Like streaming, Internet, recording technology…music industry and metal scene has changed a lot in this 23 years. What’s your perspective about “the change”?

【PHIL】: Everything is always changing so we have no choice but accept it. I think it’s a great time for music and the best time to be alive!

Q2: インターネット、テクノロジー、ストリーミングサービス…この23年で音楽産業も大きく変化を遂げました。

【PHIL】: 全てはいつだって移り変わっていくよ。だから俺らはただそれを受け入れていくしかないんだ。俺は今こそ音楽にとって偉大な時だと思っているし、生きるのに最良の時代さ。

Q3: Anyway, “Awakening” is really incredible coming back record! I feel your vocal range becomes wider than your past works and sometimes sing more melodic like Joey Belladonna of Anthrax. Do you agree that?

【PHIL】: I think I am singing better than ever.

Q3: それにしても “Awakening” は最高のカムバックレコードですね!あなたのボーカルはよりワイドに進化して、時に ANTHRAX の Joey Belladonna をも想起させます。

【PHIL】: まあ俺はこれまでより良くなっていると思うよ。

Q4: So, from cross-over thrash to more groove oriented extreme music, Sacred Reich has continue it’s own musical journey. Do you think you return to more “metal” realm somehow this time?

【PHIL】: There are definitely some fast heavy songs on the record. I don’t think we ever left the “metal realm”. I think there is a good variety of songs on the record.

Q4: クロスオーバースラッシュやエクストリームなグルーヴを追求した時期もありましたが、あなたの歌唱も相まって今回はより “メタル” に回帰したようにも思えますが?

【PHIL】: このレコードには間違いなくファストでヘヴィーな楽曲がいくつか収録されているね。まあかといって俺らが “メタル” の領域を離れたことがあるとは思えないけど。俺はこの作品には良いバラエティーが存在すると思うね。

Q5: Sacred Reich has taken political issues to your lyrics. So, it seems “Awakening” has to do with current US political situation, right?

【PHIL】: There are some topical songs like “Divide and Conquer” and “Revolution” but mostly it’s a positive and encouraging record.

Q5: SACRED REICH はポリティカルなテーマを歌詞に取り入れてきました。”Awakening” も現在アメリカを覆っている政治的状況と関連があるようにも思えます。

【PHIL】: 確かにそういったトピックを扱った “Divide and Conquer”、”Revolution” って楽曲はあるよ。だけど大半はポジティブで励ますようなアルバムなんだ。

Q6: Dave McClain’s rolling toms and snapping snare are also gives fantastic hooks to this record. When he parted ways with Machine Head, did you want him coming back to the band strongly?

【PHIL】: Absolutely! When we split with Greg, Dave was our first and only call. He is such a great drummer and cool dude. We love him.

Q6: 復帰を果たした Dave McClain の妙技もアルバムに絶妙のフックを加えています。彼が MACHINE HEAD を脱退した後、すぐに声をかけたのですか?

【PHIL】: 間違いないね!Greg が脱退した後、Dave はファーストチョイスで唯一の選択肢だったんだ。ご存知の通り偉大なドラマーで、クールな奴さ。俺らは彼が大好きなんだよ。

Q7: You are often called as “second generation of thrash metal” as well as Flotsam and Jetsam, Vio-lence. When you started the band, what was “first generation” like Metallica, Slayer, Megadeth and Anthrax to you?

【PHIL】: Slayer and Metallica have always been our main musical influences. I think they are two of the all-time great metal bands. The success the Metallica has had is mind blowing!

Q7: SACRED REICH は FLOTSAM AND JETSAM, VIO-LENCE などと並んで、スラッシュメタル第2世代と呼ばれています。あなたがこのバンドを始めた時、SLAYER や METALLICA といった第1世代はどういった存在でしたか?

【PHIL】: SLAYER と METALLICA はいつだって俺らにとってメインの音楽的影響だったね。彼らは全時代のメタルバンドの中でも最も偉大な2つのバンドだと思う。特に METALLICA の成功にはいつもぶっ飛ばされて来たんだ。

Q8: When I first heard “Surf Nicaragua”, I was really blown away! But also, I felt so wired, like “Surf in Nicaragua? Why?”, haha. What was the story behind the song?

【PHIL】: It just came to us! It’s one of our most popular songs and always fun to play!

Q8: それにしても “Surf Nicaragua” を初めて聴いた時は衝撃でしたよ。なにせ、ニカラグアでサーフィンですからね!

【PHIL】: あの曲はただ自然と浮かんできたんだよ!俺たちにとって一番有名な曲の一つだし、いつもプレイしていて楽しいんだ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED PHIL’S LIFE

METALLICA “KILL ‘EM ALL”

SLAYER “HELL AWAITS”

BAD BRAINS “I AGAINST I”

JOHN LENNON “LEGEND”

EARTH WIND & FIRE “ALL ‘N ALL”

MESSAGE FOR JAPAN

Hoping to finally play in Japan in 2020! Thank you so much for all the people who have supported Sacred Reich! We can’t wait to come to Japan! ありがとうございました

2020年には遂に日本でプレイしたいね! SACRED REICH をサポートしてくれるみんなに大きな感謝を。日本に行くのが待ちきれないね!ありがとうございました。

PHIL RIND

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日本盤のご購入はこちら。WARD RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CHELSEA WOLFE : BIRTH OF VIOLENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHELSEA WOLFE !!

“Gender Is Fluid, And There Is So Much Beauty In Making Space For All Kinds Of Voices In Music. It’s Happening, And It’s Amazing!”

DISC REVIEW “BIRTH OF VIOLENCE”

「昨年、私たちは沢山のツアーを行ったわ。8年ずっと続いてきたツアーに加えてね。だから休みを取って、スロウダウンし、自分自身の心、体、精神のケアを学びなさいと何かが語りかけてきたのよ。」
フォーク、ゴス、ポストパンク、インダストリアル、メタル…2010年、デビューアルバム “The Grime and the Glow” を世に放って以来、Chelsea Wolfe はジャンヌダルクの風姿で立ち止まることなく自らの音の葉を拡張し続けてきました。光と闇、激情と静謐の両極を司り進化を続けるカリフォルニアの歌姫は、しかし遂に安息を求めていました。
「私はただ自分の本能に従っているだけなのよ。そうして今の場所に辿り着いたの。」10年続いた旅の後、千里眼を湛えたスピリチュアルな音求者は、本能に従って彼女が “家” と呼ぶアコースティックフォークの領域へと帰り着いたのです。
Chelsea は最新作 “Birth of Violence” を “目覚め始めるレコード” と呼んでいます。
「批判を受けやすく挑戦的な作品だけど、私は成長して開花する時が来たと感じたのよ。」
ダークロックのゴシッククイーンとして確固たる地位を築き上げた Chelsea にとって、アコースティックフォークに深く見初められたアルバムへの回帰は確かに大胆な冒険に違いありません。ただし、批判それ以上に森閑寂然の世界の中に自らの哲学である二面性を刻み込むことこそ、彼女にとって真なる挑戦だったのです。
「私はいつも自分の中に息づく二面性を保持しているのよ。重厚な一面と衷心な一面ね。それで、みんながヘヴィーだとみなしているレコードにおいてでさえ、私は両者を表現しているの。」
逆もまた真なり。”The Mother Road” の暗静アメリカンフォークに醸造された強烈な嵐は、チェルノブイリの蜘蛛の巣をも薙ぎ払いダイナミズムの黒煙をもうもうとあげていきます。
“Little Grave” や “Perface to a Dream Play” のトラディションに蠢めく闇の嘶き。 PJ Harvey とゴスクイーンが手を取り合う “Be All Things”。何よりタイトルトラック “Birth of Violence” の平穏なるプライドに潜む、咽び叫ぶ非業の祈り。そうして作曲パートナー Ben Chisholm のアレンジとエレクトロの魔法が闇と光の二進法を優しく解き放っていくのです。
アルバムに根ざした仄暗く重厚な影の形は、世界を覆う不合理とピッタリ符合します。無垢なる子供の生まで奪い去る銃乱射の不合理、平穏な暮らしを奪い去る環境の牙の不合理、そしてその生い立ちのみで差別を受ける不合理。結局その起因はどこにあるのでしょう。
ただし変革を起こすのもまた人間です。”目覚め始めるレコード” において鍵となるのは女性の力です。
「そろそろ白か黒か以外の考え方を受け入れるべき時よ。”ジェンダー” の概念は流動的なの。そして全ての種類の声を音楽にもたらすことで沢山の美しさが生まれるのよ。今まさにその波が押し寄せているの!素晴らしいわ!」
長い間会員制の “ボーイズクラブ” だったロックの舞台が女性をはじめとした様々な層へと解放され始めている。その事実は、ある種孤高の存在として10年シーンを牽引し続けた女王の魂を喚起しインスピレーションの湖をもたらすこととなったのです。
安息の場所から目覚める新たな時代。今回弊誌では Chelsea Wolfe に2度目のインタビューを行うことが出来ました。「私の古い辞書で “Violence” とはある一つの意味だったわ。”感情の力” という意味ね。私はそれと繋がって、自らの力に目覚める人間を思い描いたの。特に力に目覚める女性をね。」 日本盤は世界に先駆け9/11に Daymare Recordings からリリース!どうぞ!!

CHELSEA WOLFE “BIRTH OF VIOLENCE” : 9.9/10

INTERVIEW WITH CHELSEA WOLFE

Q1: In our last interview about “Hiss Spun”, you said “This is a heavy record, and I wanted to write some rock songs with Jess”. But this time, you’ll release an acoustic record “Birth of Violence”. It seems this change of direction is kind of counter about “Hiss Spun”. How about that?

【CHELSEA】: To be honest, I can’t always explain the direction of my music, I simply follow my instincts, and doing so has led me to this point in my career. We toured a ton last year, and that was on top of about 8 years of consistent touring, so there was something whispering and nagging me to take a moment, slow down, learn to take care of myself in mind, body, and spirit. I was beginning to feel tired physically, and drained spiritually. I had also begun writing acoustic songs while I was home for a moment, or while strumming my acoustic guitar in the back of the bus on tour, and wanted to find home and get those songs recorded.

Q1: 前回 “Hiss Spun” のインタビューであなたは、「これはヘヴィーなレコードよ。Jess とロックした曲を書きたかったの。」 と仰いましたが、今回の “Birth of Violence” はアコースティックな作品に仕上がりましたね?

【CHELSEA】: 正直に言うけど、私はいつも自分の音楽の方向性を上手く説明できないのよ。私はただ自分の本能に従っているだけなのよ。そうすることで、私のキャリアにおいて今の場所に辿り着いたの。
昨年、私たちは沢山のツアーを行ったわ。8年ずっと続いてきたツアーに加えてね。だから、休みを取って、スロウダウンし、自分自身の心、体、精神のケアを学びなさいと何かが語りかけてきたのよ。私は身体的に疲れ始めていたし、精神力を吸い取られているように感じていたわ。
気がつけば、しばらく家にいる時はアコースティックな楽曲を書き始めていたわ。ツアーの間はバスの後部座席でアコギをかき鳴らしてしたの。安息の地を見つけて、アコースティックの楽曲をレコーディングしたいと思いながらね。

Q2: Compared with “rock style”, we can appreciate your raw, organic performance in this new acoustic record. What is “To rid of rock ornaments” to you?

【CHELSEA】: I have always had both sides living within me: the heavy and the intimate, and I express them even within a record everyone sees as heavy. For example Abyss had “Crazy Love” and Hiss Spun had “Two Spirit” and “Twin Fawn.” But I also think heavy can be intimate, and acoustic folk music can be heavy. I love to play with genres and within genres, and I love to parallel and contrast sounds and moods that don’t typically go together.

Q2: 今回のアコースティック作品 “Birth of Violence” では、これまでの “ロックスタイル” と比較して生々しく、オーガニックなパフォーマンスが堪能出来ますね。”装飾” を極力取り除いたとも表現出来そうですが?

【CHELSEA】: 私はいつも自分の中に息づく二面性を保持しているのよ。重厚な一面と衷心な一面ね。それで、みんながヘヴィーだとみなしているレコードにおいてでさえ、私は両者を表現しているの。
例えば、”Abyss” には “Crazy Love” が収録されていたし、”Hiss Spun” には “Two Spirit” や “Twin Fawn” があったわよね。ただ、重厚は衷心と繋がり得ると私は考えているの。逆に言えば、アコースティックのフォークミュージックだってヘヴィーになり得るのよ。
私はジャンルを股にかけてプレイするのが大好きなの。それに平素なら一緒にならないような、平行と対比のサウンドやムードを合わせるのもね。

Q3: But on the other hands, your partner Ben Chisholm added really nice atmosphere and arrangement. What’s your perspective about his arrangement this time?

【CHELSEA】: We’ve been collaborating such a long time now that our musical landscapes come together quite naturally. For this record, I wrote all of the songs to be able to be played simply as acoustic guitar and voice, but as the recording progressed, the production Ben (Chisholm) was doing became these meadows and mountains around the cabin of the songs I had written. It really felt like he gave my songs a place to live.

Q3: 確かに、”Birth of Violence” はアコースティック作品ですが、作曲パートナーの Ben Chisholm が素晴らしいアトモスフィアとアレンジメントを加えていますね?

【CHELSEA】: 私たちはとても長い間コラボレートしてきているから、実に自然に音楽的な風景が重なるの。
このレコードのために、私は全ての楽曲をシンプルにアコースティックギターと声だけで表現出来るように書いたんだけど、レコーディングが進むに連れて Ben はその楽曲という小屋の周りに草原や山脈を作りあげたのよ。本当に、彼が私の楽曲に生きる場所を与えてくれたように感じたわ。

Q4: In the climax of title track, “Birth of Violence”, you sing like whisper in really high note. I feel it’s the most emotional voice in 21 century, haha. But what made you sing like that?

【CHELSEA】: The way I sing is very driven by the subject of the song, in an almost feral way – I follow what’s coming out of me naturally and build on that. For “Little Grave,” a song about a child who dies in a school shooting, my voice came out very gentle and quiet. For “Birth of Violence,” most of that song is very confident and like, “fuck you, I know what I want and who I am, back off” – but the ending is a very vulnerable longing, like in actuality you really need this person; you’re really deep in love with them and don’t want to lose them: “baby, you’re the only one.”.

Q4: タイトルトラック “Birth of Violence” のクライマックスで、あなたが聴かせるハイノートで囁くようなボーカルは実にエモーショナルですね!

【CHELSEA】: 私の歌い方は、楽曲の主題にとても左右されるの。ほとんど野生的とも言えるやり方なんだけど…私の中から自然に出てきたものに従い、構築するの。
“Little Grave” は学校で起きた銃乱射で犠牲となった子供についての楽曲なんだけど、だからこそ私の声はとても優しく静かなのよ。
“Birth of Violence” は大半はとても自信に満ちていて 「ファックユー!私は自分の欲しいものが分かっているし、私が誰なのかも分かっているの。お構いなく!」って感じなの。だけどエンディングではとても傷ついて祈っているのよ。本当に必要な人がいて、その人に深く深く恋しているの。絶対に失いたくないってね。「あなたこそがオンリーワンなの。」

Q5: “American Darkness” is typically, it seems “Birth of Violence” reflects the recent events in the world. What’s the meaning behind the title “Birth of Violence”?

【CHELSEA】: Well, the world is obsessed with violence, but I can barely stand it. I don’t watch horror films and I cry watching the news – I’m very sensitive. But in my old dictionary, the word “violence” had one definition: “strength of emotion.” I felt connected to that and it made me think of a person stepping into their own power; women stepping into their power. The cover photo evokes Joan of Arc and witchcraft, which is very much into following the cycles of Mother Nature. Mother Nature can be violent in her own way, you know?

Q5: 先程、銃乱射の話が出ましたね。”American Darkness” は典型的ですが、アメリカや世界に蔓延する暗い部分、”暴力” に対峙した作品にも思えます。

【CHELSEA】: そうね、世界は暴力に取り憑かれているわ。私はもう我慢出来ないのよ。私はホラー映画は見ないし、ニュースを見ただけで泣いてしまうくらいとても敏感なの。
だけど私の古い辞書で “Violence” とはある一つの意味だったわ。”感情の力” という意味ね。私はそれと繋がって、自らの力に目覚める人間を思い描いたの。特に力に目覚める女性をね。
このアルバムのアートワークはジャンヌダルク (力で正義を勝ちとろうとした) と魔術を想起させるわ。そしてそれは母なる自然のサイクルに通じているの。なぜなら母なる自然は時に自らのやり方で暴力的になるでしょ?

Q6: Regarding recent events, there has been new wave of women power in the world. What’s the difference between the past and now about living in rock world as a woman?

【CHELSEA】: I’ve seen and felt the wave coming for a long time now. And this is barely the beginning, it’s so cool. There’s room for all of us. And it’s time for acceptance of the non-binary as well. Gender is fluid, and there is so much beauty in making space for all kinds of voices in music. It’s happening, and it’s amazing! I see older bands shifting in their language and opening up to having women on tours that are usually a boys club.

Q6: “女性の力” について言及されましたが、ロックの世界においても新たな女性の波が押し寄せているように感じます。

【CHELSEA】: ずっと長い間、私は女性の波が押し寄せるのを見て感じて来たわ。そうして今の状況も始まりにすぎないの。それってとてもクールよね。私たち全員にまだまだ開拓の余地があるのよ。
それにそろそろ白か黒か以外の考え方を受け入れるべき時よ。”ジェンダー” の概念は流動的なの。そして全ての種類の声を音楽にもたらすことで沢山の美しさが生まれるのよ。今まさにその波が押し寄せているの!素晴らしいわ!
だから最近ではベテランのバンドが考え方を変えて、女性をツアーに帯同するようになっているわね。元々は “ボーイスクラブ” だったのにね。

Q7: Could you please tell us about acoustic, folk, traditional musical backgrounds reflected in “Birth of Violence”?

【CHELSEA】: Well, I was very inspired by the American tradition of country, folk and blues for sure. It’s what I was raised on. My father had a country band while I was growing up called El Dorado with my step-mother, so I grew up watching them play shows and open for bigger country acts like Tanya Tucker. But at home I was introduced to Fleetwood Mac, Johnny Cash, Townes Van Zandt. As I grew up I got into Loretta Lynn, Joan Baez, Abner Jay, Roy Orbison. I can feel all of their influence in my own music.

Q7: “Birth of Violence” に反映された、あなたのアコースティックフォーク、トラディショナルミュージックのバックグラウンドについて話していただけますか?

【CHELSEA】: そうね、私はアメリカの伝統的な音楽にとてもインスパイアされているわ。カントリー、フォーク、それにもちろんブルースもね。そういった音楽を聴いて育ったのよ。
子供の頃、父は私の義理の母と EL DORADO ってカントリーバンドをやっていたわ。だから彼らがライブをやったり、Tanya Tucker みたいなビッグアクトの前座を務めるのを見て育ったのよ。だけど家では、FLEETWOOD MAC, Johnny Cash, Townes Van Zandt なんかを教えてもらっていたわね。
歳を取るに連れて、Loretta Lynn, Joan Baez, Abner Jay, Roy Orbison といったアーティストにのめり込んでいったわ。そして彼ら全ての影響を自分の音楽に取り入れているの。

Q8: So now, you are hard to pin down with elements of folk, goth, post-punk, industrial, metal and more. What do you think about your new destination?

【CHELSEA】: I feel like this album marks a new era for me. I say Birth of Violence is a “record of the beginning of an awakening.” So it feels vulnerable and challenging but like it’s time for me to bloom and grow. The heavy and the soft has always and will always exist in my art as a push-and-pull, and as I said before, I’m just following my instincts.

Q8: フォーク、ゴス、ポストパンク、インダストリアル、メタルなどあなたの音楽性はもはや一箇所に留まることはなさそうですね?

【CHELSEA】: 私はこのアルバムが自分にとって新たな時代の始まりだと感じているのよ。私は “Birth of Violence” を “目覚め始めるレコード” と呼んでいるの。つまり、批判を受けやすく挑戦的な作品だけど、私は成長して開花する時が来たと感じたのよ。
ヘヴィーとソフトの対比は私のアートにこれまでもこれからも存在するわ。そして私はただ本能に従い続けるの。

CHELSEA’S RECENT FAVORITE FIVE ALBUMS

NICO “REIMS CATHEDRAL DECEMBER 13 1974”

NEUROSIS “A SUN THAT NEVER SETS”

TOWNES VAN ZANDT “DELTA MOMMA BLUES”

THE SMASHING PUMPKINS “RARITIES AND B-SIDE”

NEKO CASE “HELL-ON”

MESSAGE FOR JAPAN

photo by Ben Chisholm

I really hope I get to come back and play some shows in your wonderful country again soon! Much love.

すぐにまたあなたたちの素晴らしい国へと戻ってショウを行いたいと切に願うわ。沢山の愛を込めて。

CHELSEA WOLFE

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FREEDOM CALL : M.E.T.A.L.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHRIS BAY OF FREEDOM CALL !!

“We Just Used The Word “Metal“ For This Common Threat. In This Moment We Got This Vision. If All People Around The World Would Be Metal Fans…We Would Have Peace On Earth!”

DISC REVIEW “M.E.T.A.L.”

「今日の世界において全ての元凶の一つは、全員が共通の価値観やバランスの上で生きていないことなんだ。異なる興味、宗教間の行き違い、そして政治家は金の亡者さ。だから僕たちは “メタル” という言葉を共通点に提案したんだ。もし世界中全ての人たちがメタルファンだったら…きっと世界に平和をもたらすことができるはずさ。」
白砂糖に蜜を敷きつめたウルトラブライトなメロディー、劇画的王道ファンタジーな世界観、そしてディフォルメを加えたユーモアの精神。FREEDOM CALL は自らが掲げる “ハッピーメタル” のクルセイダーとして20年ものキャリアを積み上げてきました。
十字軍の魔法は、マスターマインド Chris Bay の演奏者、メロディーメイカー、そしてプロデューサーとしての卓越した能力を三叉撃として発動しています。
例えば SAXON 中期の快作 “Metalhead” のキーボードを聴けば Chris のマルチな才能と音算能力が伝わるはずです。さらに、根からはオールドスクールを、葉脈からはコンテンポラリーを吸収したポップの大樹 “Chasing the Sun” で花開いた光の音の葉は、メロディーの騎士に相応しい壮麗と華美を誇っていたのですから。
「”車輪の再発明” を行うつもりはないんだよ。音楽において最も重要な部分は、リスナーを心地よくすることなんだから。例え1人でも FREEDOM CALL の楽曲を聴いて幸せになってくれる人がいるなら、僕は完全に満足なんだ。」
ポジティブに振り切れたハッピーメタルの真髄は全てがこの言葉に集約しています。メタルをただキャッチーの極みへと誘う Chris の大願は、そうして10枚目の記念碑 “M.E.T.A.L.” で完璧に実現へ至ることとなりました。
メタルの数字である “666” を敢えて避け、エンジェルナンバー “111” をタイトルへと掲げたメタルとゴスペルの白き調和 “111 – The Number of the Angels” で FREEDOM CALL はリスナーを “ハッピーメタル” の領域へと巧みに誘い込みます。
記念碑としてリアルなメタルアルバムを目指した作品において、タイトルトラック “M.E.T.A.L.” はまさにメタルの予想可能性、完成された様式を現代的に具現化した楽曲でしょう。Brian May の遺伝子を引き継いだギターの魔法はクラッシックな隠し味。実際、「新曲を全部シンガロングするのが聴きたいね。」 という Chris の言葉は伊達ではありません。一聴しただけで全て口ずさみたくなるほど、”M.E.T.A.L.” の “11” 曲は突き抜けてキャッチー&ハッピーです。
ただし、人生を変えたアルバムに ELP, SUPERTRAMP が含まれていることからも、楽曲の豊富なバラエティーやフックが他の平面的なメタルレコードとは異なることが伝わるはずです。「ただメタルを書いて生み出し続ける “メタルマシーン” みたいにはなりたくないからね。」 “Sail Away” を筆頭に、キーボードやシンセサイザーのエフェクトが醸し出す音の風景も時に神々しい奇跡、無類のドラマを演出します。
そして何より、ソロアルバムの影響は絶大でした。”The Ace of the Unicorn” などは特に顕著ですが、「おそらく、両方の感覚があるんだろうな。僕は間違いなくオールドスクールなソングライターなんだけど、同時にモダンな音楽にも合わせていこうとしているからね。」 の言葉が示す通り、メンバーの変遷と共に再生を果たした FREEDOM CALL のポップセンスはモダンにアップデートされていて、典型的なロック/メタルのイヤーキャンディーにメインストリームの計算された洗練を巧みに練り込んでいるのです。
もちろん、FREEDOM CALL に宿る “光” の正体とは、”Keeper” を継ぐ者の使命であるメジャーキー、メジャーコードの完璧なる支配でしょう。陽光と哀愁のコントラストこそドイツの誇り。ダーク&シンフォニックに統一された前作 “Master of Light” はむしろ異端でした。しかしそれ以上にコンテンポラリーな音の葉までも抱きしめるポジティブなスピリットこそが核心なのかもしれませんね。
それにしても、FREEDOM CALL 然り、MAJESTICA 然り、FROZEN CROWN 然り、GLORYHAMMER 然り、TWILIGHT FORCE 然り、今年は推進力と旋律の二重奏が革命的なメロディックパワーメタルの快作が多数降臨していますね。
今回弊誌では、Chris Bay にインタビューを行うことが出来ました。「僕たちは “ハッピーメタル” の十字軍で、自らが光の…マスターなんだから。」どうぞ!!

FREEDOM CALL “M.E.T.A.L.” : 9.9/10

INTERVIEW WITH CHRIS BAY

Q1: First of all, how was your first-ever Japan show in 2017? Did you like our country?

【CHRIS】: Our trip to Japan was one of our most exciting tour activities ever. Many years in advance we were already talking about and waiting for such an opportunity to play shows in Japan.
Finally the dream came true and we were overwhelmed about the hospitality, the incredible support and enthusiams of the Japanese metal heads.
But finally we didn’t only enjoy and appreciate the shows in Tokyo and Osaka, we also used our time for a short but intense day trip in Tokyo.
Hopefully we can come over to Japan soon, to introduce our new album „M.E.T.A.L.“.

Q1: まずは2017年に行われた初来日公演の感想から聞かせていただけますか?日本は気に入りましたか?

【CHRIS】: 日本への旅は、僕たちにとってこれまでで最もエキサイティングなツアーとなったね。あの公演の何年も前から日本行きの話はしていたし、ああいったライブの機会を待っていたんだよ。
遂に夢が叶ったって感じだったね。それに日本で受けた歓迎、素晴らしいサポート、そして熱狂的なメタルヘッズには圧倒されたよ。東京と大阪でのショウを楽しんだだけじゃなく、東京で短いけど濃密な観光も行うことが出来たんだ。
叶うなら、また日本にすぐ戻りたいよ。僕たちの新作 “M.E.T.A.L.” を紹介するためにね。

Q2: After Japan show, you released also first-ever solo record “Chasing the Sun”. I really love the album, and I feel it showed your positive and pop aspect strongly, right? What made you create less-metal record?

【CHRIS】: Thanks a lot, great that you like it. I’m constantly working on different styled song material. I don’t want to feel like a „metal machine“, which is only producing and writing metal music. I’m an artist with different facettes…my personal reason to become an artist was, that I want to feel free in all concernings.
I grew up with the music of the 80’s/90’s and could collect my inspiration to make music.
After producing a Freedom Call album, I’m researching for new energy and creative ideas. That’s possible to me while writing on different styled music, like my solo album.

Q2: 日本でのショウの後、あなたは初のソロアルバム “Chasing the Sun” をリリースしましたね?
実にポジティブでポップな素晴らしいレコードでしたが、なぜメタルから距離を置いた作品を制作したのでしょう?

【CHRIS】: ありがとう、気に入ってくれて嬉しいよ。僕は異なるスタイルのマテリアルを常に作り続けているんだ。ただメタルを書いて生み出し続ける “メタルマシーン” みたいにはなりたくないからね。僕は異なる顔を持ったアーティストなんだ。アーティストになった理由も、全ての束縛から自由になりたかったからだからね。
僕は80/90年代の音楽を聴いて育ったんだ。そこで音楽を創造するインスピレーションを養ったんだよ。
FREEDOM CALL のアルバムを制作した後、僕は新たなエナジーとクリエイティブなアイデアを再度探していたね。僕はソロアルバムみたいに、異なるスタイルの音楽を書くことが可能なんだ。

Q3: So, Chris, I think you are one of the greatest melody maker in the metal world. It’s sometimes old school, but sometimes really modern. Are you interested in mainstream music and recent music scene?

【CHRIS】: Thanks for the amazing compliment. Probably it’s both of them. I’m definitely an old school songwriter, but I’m also trying to keep up with the modern time.
Because of working almost day by day in my studio, it’s quite difficult to find enough time to listen to music beside my projects. The downside of being a professional musician and producer is, that you’re loosing the ability just to enjoy to listen to music. When music is playing I’m immediately starting to analyse and check the musical and technical issues.
The melodies and songs I’m writing, are just flowing out of me. I do not plan or calculate a concept of song & sound before. I’m just letting my heart and passion talk.

Q3: あなたはメタル世界で最も偉大なメロディーメイカーの一人だと思いますよ。
もちろん、基本はオールドスクールですが、最近ではモダンな感覚を感じさせる時もありますよね?

【CHRIS】: 素晴らしい賛辞をありがとう。おそらく、両方の感覚があるんだろうな。僕は間違いなくオールドスクールなソングライターなんだけど、同時にモダンな音楽にも合わせていこうとしているからね。
ただ、ほとんど毎日スタジオで過ごしていると、自分のプロジェクト以外の音楽をチェックする充分な時間がなかなか取れないんだ。プロのミュージシャンやプロデューサーになることの欠点は、単純に音楽を楽しむという能力を失ってしまうことだろうな。音楽がかかると、僕はすぐに音楽的なことやテクニカルなことの分析を始めてしまうからね。
僕の書いているメロディーや楽曲は、ただ自分の中から流れ出てくるものなんだ。楽曲やサウンドのコンセプトを予め計画したり計算したりはしないんだよ。ただ心と情熱に語らせるのさ。

Q4: Actually, “Metal is for Everyone” becomes one of the biggest metal anthem in Japan! You know, It has very Metal-admiring lyric. How did you come up with that idea?

【CHRIS】: Great to hear, that the metal fans in Japan are liking this song. There is a quite simple vision in behind. One reason of all trouble in our world today is, that all people are not living in common and balance. The interests are different, the religions are misunderstood and politics saying, that just money is talking.
We released our video clip „Metal is for everyone“ in 2017. We invited via social media like Facebook, Instagram and more, many people around the world to be part of the videoclip. The reaction was incredible and you see many of our fans from all around the world full of happiness and joy.
We just used the word „Metal“ for this common threat. In this moment we got this vision. If all people around the world would be metal fans…we would have Peace on Earth!

Q4: 前作に収録されていた “Metal is for Everyone” はここ日本でとても有名なメタルアンセムになりました。非常にメタルを賛美したような内容でしたよね?

【CHRIS】: 日本のメタルファンが気に入ってくれて嬉しいよ。あの曲は非常にシンプルなビジョンで作ったんだ。
今日の世界において全ての元凶の一つは、全員が共通の価値観やバランスの上で生きていないことなんだ。異なる興味、宗教間の行き違い、そして政治家は金の亡者さ。
“Metal is for Everyone” のビデオクリップを公開したのが2017年だったね。僕たちは Facebook や Instagram といった SNS を通じて、世界中沢山の人たちにビデオへと参加してもらったんだ。反響は驚異的だったね。世界中の僕たちのファンが幸せと喜びに満ちていることが伝わるだろ?
だから僕たちは “メタル” という言葉を共通点に提案したんだ。もし世界中全ての人たちがメタルファンだったら…きっと世界に平和をもたらすことができるはずさ。

Q5: OK, let’s talk about your incredible new record! It seems the spirit of title track “M.E.T.A.L.” is kind of a successor of “Metal is for Everyone”. But what made you choose that magical word “M.E.T.A.L” for the album title?

【CHRIS】: He, he, many persons were asking for a special meaning or about a shortcut of the word M.E.T.A.L.
Nothing of both, it’s just written on it, what’s in it.
We’re celebration this year our 20 years anniversary of Freedom Call and it’s the 10th studio album…so we decided to write this time a REAL Metal album.
But anyways…we are really working hard on our music and we’re taking our productions absolute serious. But we don’t take ourselves too serious. Freedom Call got the nickname of a magazine from US, „The happiest metal band in the world“…eventually we have to manifest it again and again.

Q5: では最新作 “M.E.T.A.L.” について話しましょう。タイトルトラック “M.E.T.A.L.” はまさに “Metal is for Everyone” のスピリットを引き継いでいるように思えます。マジカルな言葉をタイトルに選びましたね?

【CHRIS】: はは、沢山の人が “M.E.T.A.L.” に込められた特別な意味や、何かの頭文字なのか聞いてきたよ。どちらも違うね。書かれたままの言葉さ。
今年は僕たち FREEDOM CALL 結成20周年のアニバーサリーで、なおかつ記念すべき10枚目のアルバムとなったね。だから今回は、”リアル” なメタルアルバムを書こうと決めたんだ。
だけど…そうだね、僕たちは音楽に対して真剣に全力で取り組んでいるし、作品だってとてもシリアスなものだよ。ただ、自分たちのことを必要以上にシリアスに捉えてはいないんだ。アメリカの雑誌では、”世界一ハッピーなメタルバンド” の称号を得たんだよ。

Q6: Generally, “666” is the number of the beast, and the number of the metal. But you choose “111”, the number of the angels. I feel it have to do with “M.E.T.A.L” is more positive and melodic album than your past works. Do you agree that?

【CHRIS】: Exactly, we, as Happy Metal band we may use a song name „111 – The Number of the Angels“
But this title is a very special and personal song to me. Since years, combinations around the number „1“ are appearing many times to me. If it’s the traffic sign on a freeway, which is announcing the time 11:11 o clock, it’s the hotelroom number „111“ I got allocated…
First time some persons around me were bit scared because of this „magic“.
But after recognizing, that in the esothericm, the number one means „light“ and the combination „111“ – the number of the angels, I’m feeling in a good company and well protected in life.

Q6: 一般的に、”666″ こそが “Number of the Beast” でメタルの数字です。ただ、あなたたちがオープナーで選んだのは “111” のエンジェルナンバーでした。このあたりにも、ハッピーでポジティブなバンドの姿勢が伺えますね?
特に “M.E.T.A.L.” は実にポジティブなアルバムです。

【CHRIS】: まさにね!僕たちはハッピーメタルバンドとして “111 – The Number of the Angels” を楽曲のタイトルにしたんだ。
ただ、このタイトルは僕にとってとても特別でパーソナルなものなんだ。何年か前から数字の “1” の組み合わせが何度も僕の前に現れていてね。例えば高速道路の標識とか、時計が11:11を指していたり、ホテルの部屋が “111” 号室だったりとかね。
最初、僕の周りの人たちはこの “魔法” にちょっと怯えていたんだ。だけど秘伝の中で、”1″ は光を意味し、”111″ が天使の数字だと分かった後は、僕には良い守護者がいて、人生が守られているように感じるんだよ。

Q7: It seems “Ronin” is Japanese Samurai word, right? Is there any conceptual story in “M.E.T.A.L” record?

【CHRIS】: Yes, that is the main topic of this song. This song is written by our guitarist Lars Rettkowitz. He is a big fan of your country Japan and it’s culture, mythology and history.
A Ronin is a fighter and warrior without a master…it’s quite similar what Freedom Call is…we’re crusading for Happy Metal and we’re our own masters…of light.

Q7: “Ronin” は日本語の “浪人” を意味していますよね?

【CHRIS】: うん、それが楽曲のメイントピックなんだよ。この曲はギタリストの Lars Rettkowitz が書いたんだ。彼は君たちの国、日本とその文化、神話、歴史の大ファンだからね。
浪人は主人を持たない闘士で戦士だよね…その状況は FREEDOM CALL ととても似ているんだよ。僕たちは “ハッピーメタル” の十字軍で、自らが光の…マスターなんだから。

Q8: When I first knew you was Moon’Doc. So, I think you are second generation of German metal, right? What’s first generation like Helloween, Gamma Ray, Heaven’s Gate and Running Wild to you?

【CHRIS】: Yes, that was my first time I have been in Japan in 1996. Toghether with Herman Frank, the former and guitarist of Moon Doc. Also my friends and fellows of Heaven’s Gate were in company.
It’s an all time discussion…how was first. Of course, band like Helloween were interpreting the typical German melocic metal, but you also could find elements in their music of bands they were before, like Deep Purple, Black Sabbath or even the Beatles.
We won’t invent the wheel twice. The most important part of music is, that it’s making the people feeling better. if I can make a single person happy while listening a song of Freedom Call, I’m totally satisfied.

Q8: あなたを初めて知ったのは MOON’ DOC でした。ジャーマンメタルの第2世代と言える時期のバンドでしたよね?
あなたにとって、HELLOWEEN, GAMMA RAY, HEAVEN’S GATE, RUNNING WILD といった第1世代のバンドはどんな存在なんでしょうか?

【CHRIS】: そうだね、あのバンドで初めて日本に行ったんだ。1996年、ギタリスト Herman Frank と一緒だったね。良い友人たちである HEAVEN’S GATE もね。
誰が最初かっていうのはいつも議論される話題だよ。もちろん、HELLOWEEN みたいなバンドは典型的なジャーマンメロディックメタルの先駆者だと解釈されているよね。だけど、よくよく彼らの音楽に耳を傾ければ、その中に DEEP PURPLE, BLACK SABBATH, それに THE BEATLES でさえ発見することが出来るんだ。
僕たちは “車輪の再発明” を行うつもりはないんだよ。音楽において最も重要な部分は、リスナーを心地よくすることなんだから。例え1人でも FREEDOM CALL の楽曲を聴いて幸せになってくれる人がいるなら、僕は完全に満足なんだ。

Q9: So. Hip Hop and electronic music conquer the music chart now. Do you think “M.E.T.A.L.” makes metal No.1 again?

【CHRIS】: An entry into the charts is an appreciation for the record label’s work and for the band’s status. But it’s definitely no predicate for the quality of music.
I’m much more interested about the reaction of our fans and the result we’ll see on tour.
We are playing many concerts this and next year, then we can enjoy the reaction of the fans face-to-face.

Q9: 現在、Hip hop, エレクトロニカが世界を席巻しています。”M.E.T.A.L.” は再度メタルをNo.1に返り咲かせることが出来ますか?

【CHRIS】: チャートに入ることはレコードレーベルの働きと、バンドのステータスに対する評価にはなるね。だけど、間違いなく音楽のクオリティーを評価する基準にはならないんだよ。それよりも、僕はファンのリアクションやツアーの結果の方が気になるね。
今年そして来年、僕たちは沢山のコンサートを行うよ。そこでファンの顔を直接見ながら反応を楽しむことが出来るんだからね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CHRIS’S LIFE

THE BEATLES “1962-1966” “1967-1970”

EMERSON LAKE & PALMER “PICTURES AT AN EXHIBITION”

DEEP PURPLE “MACHINE HEAD”

SUPERTRAMP “FAMOUS LAST WORDS”

SAXON “THE EAGLE HAS LANDED”

MESSAGE FOR JAPAN

Hey metal heads in Japan, we are more than happy, that our new album „M.E.T.A.L.“ already appeared in Japan.
We are wishing you lots of fun while listening to our new songs.
And next time we’re coming over to play live in Japan, we wanna hear you sing along all new songs.
We are already looking forward to meet our Japanese friends and fans soon.

やあ、日本のメタルヘッズたち!最新作 “M.E.T.A.L.” が日本でも発売されてとても嬉しいよ!新曲を聴いて沢山楽しんで欲しいな。
次に日本に行くときは、新曲を全部シンガロングするのが聴きたいね。日本の友人やファンに会うのを楽しみにしているよ。

CHRIS BAY

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NEW DISC REVIEW + COVER STORY 【TOOL : FEAR INOCULUM】


COVER STORY: TOOL “FEAR INOCULUM”

“After 13 Years Wait, Tool’s Fearless Return “Fear Inoculum” Is Not a Reformation But a Reinvention, Not Only a Look Back At The Past, But Also a Go Forward, Towards The Future.”

BIG READ: TIMELINE OF TOOL

1992: “OPIATE”

あの時点では、バンドのヴァイブは異なるものだった。音楽的に、俺らはただバンドとして自分たちの個性、パーソナリティーを見つけ出そうとしていたんだよ。あの頃のドラミングを聴くとやり過ぎだと思うこともある。」 そう Danny Carey が語れば、「L.A. に住むことで溜まった鬱憤を音楽で晴らそうとしていたね。だからあの頃の音楽は、感情的で解き放たれたプライマルスクリームなんだよ。俺は Joni Mitchell と SWANS の大ファンだったから、よりパーソナルで心に響く歌詞を目指していたんだ。」と Maynard James Keenan は語ります。
宗教や因果応報を描いた Maynard のリリックは異端の証。若さに牽引されたアグレッション、清新な表現力の躍動と、未だシンプルな設計にもかかわらずプログレッシブなヒントを覗かせるアレンジメント。”アートメタル” と謳われたデビュー EP “Opiate” には原始的な TOOL のスタンダードが確かに散りばめられていたのです。
面白い事に、Adam の担任教師は Tom Morello の母親で、Maynard と Tom は一時期バンドをやっていました。さらに Danny は Tom の紹介で TOOL に加入しています。確かにカリフォルニアから新たな何かが始まる予感はあったのです。NIRVANA のビッグセールスが後押ししたのは間違いありません。業界のハイエナたちは次の “ビッグシング” を血眼で探していました。そうして全てはこの27分から始まりました。


1993: “UNDERTOW”

デビューフル “Undertow” で、TOOL はアートメタルから “マルチディメンショナル”メタル、多次元の蜃気楼へ向けて、同時に巨大なロックスターへ向けても歩み始めました。
“Sober” や “Prison Sex” の脆くナイーブな音像はオルタナティブロックの信奉者を虜にしましたし、一方でアルバムを覆うダークな重量感は新時代のメタルを期待するキッズの新約聖書に相応しい威厳をも放っていたのです。
「彼らはメタルなのか?インダストリアルなのか?プログレッシブなのか?グランジなのか?」整然と流動、憤怒と制約、そして非言語的知性。Adam が手がけた、大手マーケットチェーンから販売を拒否された危険なアートワークも刺激的。世間は必死で TOOL の “タグ” を見つけようとしましたが、実際彼らはそのどれをも捕食したしかし全く別の何かでした。新進気鋭のプロデューサー Sylvia Massey との再タッグも功を奏したでしょうか。

“Intolerance” で自らの南部バプティスト教会の出自を、そして “Prison Sex” で幼少時に受けた性的虐待を書き殴った Maynard の情熱的で時に独白的な感情の五月雨は、JANE’S ADDICTION のアーティスティックな小宇宙、BLACK SABBATH の邪悪な中毒性、RUSH の複雑怪奇と見事に溶け合い、深みの縦糸と雄大の横糸でアルバムを織り上げていきます。
音楽的な最高到達点とは言えないでしょうが、間違いなく TOOL にとって最も反抗的でエモーショナルかつパワフルなアルバム、そしてロックの “顔” を永遠に変えたアルバムに違いありません。

1996: “Ænima”

ダイナミックな Paul D’Amour がバンドを離れてはじめてのアルバム “AEnima” は、ダークサイケデリックな音の葉で拡張する TOOL 細胞を包み込んだ芸術性の極み。進化した TOOL の宇宙空間では無数のアトモスフェリックな魂がふわふわと漂い、待ち構える鋭き棘に触れては弾け、触れては弾けを繰り返すのです。
タイトルの “AEnima” こそが最大のヒントでしょう。カール・ユングが提唱した、男性の中に存在する無意識の女性 “Anima” とアナル洗浄機 “Enema” のキメラは完全にその音楽とフィットしています。
遂に完全に見開かれた “サードアイ”。新たなベースマン Justin Chancellor はバンドに即興性とシュールでエアリーなムードをもたらしました。自虐と怒りのカタルシスを内包しつつ、広大なサウンドスケープを解き放つ “Eulogy”、Maynard の瞑想的でソウルフルなパフォーマンスが印象的な “H.” は新たなサウンドへの架け橋でした。

そうしてバンドは自らの進化を人間の進化へとなぞらえます。”Forty Six & 2″ は脳に刺激を与えるオデッセイ。現在人のDNAには、44個の常染色体と2個の性染色体が含まれています。つまり人間の次なる進化、46個の常染色体への進行は TOOL の突然変異と通じているのでしょう?
「これは変化のアルバムだ。家を掃除して、改築してやり直すためのね。」96年に Maynard はそう語っています。振り返ってみると “AEnima” はインスタントに “Nu-metal” の波へと加担したモッシュのパートタイマーを “パージ” “追放” する作品だったのかも知れませんね。言葉を変えれば、Kurt Cobain が破壊した後のポスト・ロック世界で、TOOL が “再生” を担う次の王座に座ることは多くの “ジェネレーション X” たちにとって約束されたストーリーに思えたのです。

2001: LATERALUS”

5年ののち、2001年にリリースされた “Lateralus” はミレニアムへの変遷と時代の変遷を重ねたレコードでした。当時 TOOL のファンと LIMP BIZKIT のファンの違いを尋ねられた Maynard はこう答えています。「TOOL のファンは読書ができる。より人生に精通している傾向があるね。」
そこにかつての怒れる男の姿はもうありません。ステップアップを遂げる時が訪れました。「俺たちは間違いなくパンクロックの産物だよ。ただし、ただ反抗するんじゃなく、大義のために反抗しなきゃならない。つまりこのぶっ壊れた音楽産業にだよ。俺らのゴールは、みんなが自分自身のために価値のある何かをするよう促すことなんだ。」
足の筋肉 “vastus lateralis” と外的思考 “lateral thinking” のキメラ “Lateralus” は融和と前進のアルバムです。
Alex Gray のアートワークには、脳に “神” が宿り、より深い人間の気質を仄めかします。つまり TOOL は憎悪、精神性、制限された信念といった後ろ向きなイメージを手放すよう人々に新たな詔を下したのです。
Nathaniel Hawthorne の古典 “緋文字” で David Letterman の皮肉を皮肉った “The Grudge”、人生の価値を投げかける “The Patient”、そしてコミュニケーション崩壊の危険を訴える “Schism”。「コミュニケーションを再発見しよう!」シンガーはそう懇願します。

「Robert Fripp のギタープレイが俺を目覚めさせてくれたんだ。」先ごろ Adam Jones の自らを形作ったギタリスト10人が発表されましたが、1位が Robert Fripp、2位が Adrian Belew、3位が Trey Gunn でした。つまりベスト3を KING CRIMSON のメンバーが独占するほど Adam はクリムゾンの影響下にあるわけですが、とりわけ “Lateralus” は70年代の “クリムゾンゴースト” が最も潜んだアルバムと言えるかも知れませんね。つまり決して耳に優しいレコードとは言えません。しかしその分深くワイドでもあります。
“Parabol” と “Parabola” は作品のセンターに据えられた二本柱。実験的で不気味なサウンドスケープから、アドレナリンラッシュを伴い人間の闘争と解放の驚異的なまでに動的な解釈を提示する彼らのダイナミズムは圧倒的です。
そして何よりタイトルトラック “Lateralus” は自然と芸術を駆け抜けるあのフィボナッチ数列に準じています。9/8、8/8、7/8と下降する美しき変拍子の階段は、フィボナッチ数16番目の数字987を意識して構築されました。「無限の可能性を見ろよ」と歌い紡ぐ Maynard。数学者としての TOOL と実証主義者としての TOOL は遂にここにポジティブな融和を果たしたのです。

2006: “10,000 DAYS”

さらに TOOL は “10,000 Days” で魂までをも抱きしめます。10,000日、27年とは土星の公転周期であり、Maynard の母 Judith Marie が脳卒中を患ってから死を迎えるまでの期間でもありました。
“Wings Pt 1” と “Pt 2” で、異なる巨大な概念である悲しみと信仰を同時に内包し音像へと投影する TOOL のスピリチュアルな作曲術は驚異的です。ただ、それ以上に Maynard が初期の「fuuuuuuuck you、buddy!」 といった毒づきや、中期の知的な創意工夫を超越して到達した “崇高” の領域に触れないわけにはいかないでしょう。
「10,000日とは あまりに過酷で長すぎるよ。どうか精霊と子よ、神様をこちらへ連れてきて。彼に伝えて欲しい、信仰の狼煙がいま立ち昇ったと。」
実に崇高かつパーソナルな感情は TOOL が魂の領域まで達した証明。”10,000 Days” はバンド史上最もオープンで、優しく脆く人間的で、それ故に最も感情へと喚起するアルバムに仕上がりました。そうしてその崇高は13年後の成熟へと引き継がれていくのです。

DISC REVIEW “FEAR INOCULUM”

待てば海路の日和あり。長すぎる13年の潮待ちはしかし TOOL アーミーにエルドラドの至福をもたらしました。三度グラミーを獲得し、Billbord 200のトップ10を独占した今でも、TOOL はアートメタル、オルタナティブ、サイケデリア、マスメタル、プログレッシブが交わる不可視境界線に住んでいて、ただ己の好奇心とスキルのみを磨き上げています。
“Thinking Persons Metal”。知性と本能、静謐と激情、懇篤と獰猛、明快と難解、旋律とノイズ、美麗と醜悪、整然と不規則といった矛盾を調和させる TOOL の異能は思考人のメタルと評され、多様性とコントラストを司るモダンメタルの指標として崇められてきました。そして4750日ぶりに届けられたバンドの新たなマイルストーン “Fear Inoculum” は、日数分の成熟を加味した “Think” と “Feel” の完璧なる婚姻だと言えるでしょう。
「完成させたものは良いものとは言えない。良いものこそが完成品なんだ。」 Adam Jones のマントラを基盤とした作品には確かに想像を遥かに超えた時間と労力が注がれました。ただし、その遅延が故にファンから死の脅迫を受けた Maynard に対して Danny が発した 「みんなが楽しんでいる TOOL の音楽は TOOL のやり方でしか作れないのに。簡単じゃないよ。」の言葉通り難産の末降臨した “Fear Inoculum” には徹頭徹尾 TOOL の哲学が貫かれているのです。

年齢を重ねるごとに、ポロポロと感受性や好奇心の雫がこぼれ落ちるアーティスト、もっと言えば人間を横目に、瑞々しさを一欠片も失わないレジェンドがテーマに選んだのは “成熟” でした。
コンセプトや歌詞の解釈を聴き手に委ねたいとしながらも、Maynard はこう語ります。「このアルバムは、俺たちがどこから来たのかを、そしてこれまで経験して来たことを認識して受け止めながら、今現在立っている場所をしっかりと抱きしめているんだよ。」年齢を重ねることは、経験や知性を重ねること。そうしてさらなる好奇心の旅へと翼を広げることこそ TOOL の理想であり哲学だと言えるでしょう。
さらに数字の7も “Fear Inoculum” を語る上で外せない要素です。Adam は驚きと共にこう語ります。「レコーディング中、数字の7を指差している写真を撮ったことが始まりだった。そうして俺と Justin が生み出すリフの大半が7拍子だと気づいたんだ。それから Maynard が7に纏わるアルバム全体のコンセプトを話し始めた時は、なんてこった!って感じだったね。アートワークを描いた Alex も同様だった。何しろ、作品には7/4や7/3が溢れているんだ。7曲収録で、ワーキングタイトルまで “Vol.7” だったしね。」
そういったヒントをもって接すれば、より “Fear Inoculum” の世界へと深く浸ることが可能となるのかも知れませんね。

TOOL がポップミュージックの典型的なストラクチャーを枷としてアートを創生することは決してありませんが、それでも彼らの音の葉は評論家が思う以上にキャッチーでアクセシブルです。その事実は10分超えの迷宮が立ち並ぶ異次元の蜃気楼においても不変ですし、オープナー “Fear Inoculum” がしっかりと証明しています。
もちろん、Danny のパーカッシブなアプローチは実験的でプログレッシブですが、一方で基本的に3音のリピートのみで悠久と壮大を完璧に表現するイントロダクションは METALLICA の “Enter Sandman” にも通じる中毒性をもたらしています。Maynard の甘美で陰りを帯びたメロディーと感情のミックスジュースは優しく緩やかにリスナーの耳を溶かしますが、そこから仄暗き水面の下へと導きドラマティックな黙示録を見せつける展開と対比の妙もまさしく TOOL そのものでしょう。
ジャンルを股にかけるその多様な放浪癖は、”Pneuma” に投影されています。中近東を巡るエキゾチックな冒険、奇想天外なシンセサイザーのラインにブルースの胎動、そしてディストーションの巨大な壁。サイケデリックな60年代、プログレッシブな70年代、メタリックな80年代を11分で描き切るエピカルなタイムマシンはあまりに創造的です。13年をかけたアルバムの最初期に書かれた楽曲で、タイトルの “Pneuma” とは奇しくも魂、クリエイティブなエナジーを意味していました。

「戦士はその価値を証明しつづけるため苦闘する」まさにアルバムのテーマである成熟、もしくは円熟を抱いた肉感的でダイナミックな “Invincible” は、リリース以前にライブで披露されポリリズムに合わせてオーディエンスが手拍子を打つことでバンドを驚かせた楽曲。一方で、アルバムにはJohn Carpenter や VANGELIS を想起させる80年代のレトロフューチャーなシンセ世界のインタルードが盛り込まれていきます。
実際、”Descending” は夢見心地で感傷的なイメージに、80年代の SF 風味をスペーシーに隠し味として落とし込んだ楽曲です。TOOL のハーモニーとリズムの向かう先は常にシンクロしているわけではありません。ただし、”Descending” が示すようにその多次元のカオスは巧みにコントロールされています。音楽のキュービズムは、リスナーに多彩な鑑賞のあり方を伝えています。それにしても、目前で繰り広げられているような錯覚に陥る “Chocolate Chip Trip” における Danny のドラムサウンドは衝撃的ですね。
巨大なレコードにおいて最も巨大で、テーマの一つ “7” をタイトルに抱いた “7empest” は、バンドが今でも充分に有毒で乾坤一擲の精神を隠し持つことを伝えてくれます。衝動的でメタリックなリフの猛攻はもちろん、7拍子×3、”21″ のルーティンをバックに炸裂する Adam Jones の全霊を込めたスピリチュアルなリードギターは全てのロックファンの感情を掻き立てるはずです。TOOL の凄み全てがここにはあります。

TOOL, TOOLER, TOOLEST。反抗、進化、融和、魂の同化。そして遂に最上級へと達した TOOL の成熟。TOOL のタイムラインはきっと人間の “人生” と密接に関連しているはずです。次の啓示がいつになるのかはわかりませんが、自身の経験やドラマとバンドのメッセージを重ね合わせることが出来るならそれはきっと素晴らしい相関関係だと言えるでしょう。

TOOL “FEAR INOCULUM”: 10,000/10,000

参考文献: KERRANG!: CAUGHT IN THE UNDERTOW: HOW TOOL’S DEBUT ALBUM CHANGED THE FACE OF ROCK FOREVER

KERRANG!:THIRD EYE OPEN: HOW ÆNIMA SOLIDIFIED TOOL’S STATUS AS THE WEIRDEST, MOST SINGULAR FORCE IN MAINSTREAM METAL

KERRANG!:THE OUTWARD SPIRAL: HOW LATERALUS GALVANISED TOOL’S CUTTING EDGE

SPIN:Tool’s Fear Inoculum Is a Transcendent Return

Tool’s Adam Jones: the 10 guitarists who shaped my sound

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HUMANITY’S LAST BREATH : ABYSSAL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BUSTER ODEHOLM OF HUMANITY’S LAST BREATH !!

“Djent Was a Continuation Of What Meshuggah Started. Everyone Added Their Own Flavour To The Sound For Better Or For Worse. Thall Is Just a Word That Sounds Funny In Swedish.”

DISC REVIEW “ABYSSAL”

「MESHUGGAH はあの本当にユニークなサウンドの先駆者なんだ。演奏の面でも、作曲の面でもね。僕たちも含めて多くのバンドが彼らの直接的な子孫だと言えるだろうな。」
そのジャンル名は “EVIL”。MESHUGGAH の血を引くスウェーデンの猛威 HUMANITY’S LAST BREATH は、シーンに内在する愚かな “ヘヴィネス” の競争を横目に、純粋で無慈悲なまでに冷徹な恐怖と狂気を世界へと叩きつけます。
Calle Thomer と Buster Odeholm。”Thall” 生みの親にして Djent の神、VILDHJARTA のメンバー2人を擁する HUMANITY’S LAST BREATH に大きな注目が集まるのはある意味必然だったと言えるでしょう。何より、VILDHJARTA 本体は長らく隠遁状態にあったのですから。
ただし、HLB は決して VILDHJARTA のインスタントな代役というわけではありません。「Djent のムーブメントは MESHUGGAH が始めたことの継続だったんだ。良しにつけ悪しきにつけ、みんながその下地に独自のフレイバーを加えていったよね。」Buster の言葉が裏付けるように、HLB が追求し個性としたのは Djent を通過した “重” と “激” の究極形でした。
2012年のデビューフル “Humanity’s Last Breath” から7年。実際、唯一のオリジナルメンバー Buster がバンドを一度解体し、再構築して作り上げた最新作 “Abyssal” は彼の愛する MORBID ANGEL のように重量以上の畏怖や威厳を伝える音の “深淵” だと言えるでしょう。
「ヘヴィーな音楽において、コントラストは非常に軽視されていると思うんだ。だけど僕はソングライティングのアプローチにおいて、最も重要な要素の1つだと考えているよ。」モダンメタルコアの新星 POLARIS はヘヴィネスの定義についてそう語ってくれましたが、HLB の威容にも奇しくも同様の哲学を垣間見ることが可能です。
オープナー “Bursting Bowel Of Tellus” は HLB が描く “激重” の理想なのかも知れませんね。威風堂々、デスメタルの重戦車で幕を開け、ピッチシフターの雄叫びと高速シンコペーションで djenty なカオスを創出。ブラストの悪魔を召喚しつつ呪術的なクリーンボイスでさらなる中毒性を醸し出すバンドの方程式は、まさしくヘヴィネスの坩堝と対比の美学に彩られています。
事実、新ボーカル Filip Danielsson の豊かな表現力は HLB にとって進化のトリガーだったのかも知れません。獰猛な咆哮はもちろん、時にエセリアルに、時に邪悪に、時に囁き、時に静寂まで呼び寄せる Filip のワイドな魔声により、仄かな北欧の風を伴ってバンドは多様に真の “激重” の探求へとその身を委ねることになりました。
さらに “Born Dust”, “Fradga”, “Abyssal Mouth” と聴き進めるうち、そこには STRAPPING YOUNG LAD, FEAR FACTORY と交差する、近未来感を軸としたシンクロニシティーがまざまざと浮かんで来るはずです。それはブラッケンドで djenty な最高級のテクニックを、惜しげも無く純粋にヘヴィネスへと注ぎ込み昇華した桃源郷のディストピア。
もちろん、アルバムの第二幕、全楽曲のインストバージョンは建築士としての自信と DIY の矜持であることを付け加えておきましょう。彼らのデスコアマッドネスに知性は不可欠です。
今回弊誌では、ドラムスとギターを自在に操る鬼才 Buster Odeholm にインタビューを行うことが出来ました。「”Thall” とはスウェーデン語で面白く聴こえるようなただの言葉なんだ。」今、世界で最も重力を集めるブラックホール。どうぞ!!

HUMANITY’S LAST BREATH “ABYSSAL” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + COVER STORY 【SLIPKNOT : WE ARE NOT YOUR KIND】


COVER STORY: SLIPKNOT “WE ARE NOT YOUR KIND”

“We Are Not Your Kind” Is The Most Artsy Mainstream Metal Record So Far.

DISC REVIEW “WE ARE NOT YOUR KIND”

2019年は SLIPKNOT にとってビッグイヤーに定められた年でした。セルフタイトルのデビューアルバム “Slipknot” のリリースから20年、メタル史に残る金字塔 “Vol. 3: The Subliminal Verses” のリリースから15年。しかし、襲い来るトラウマや悲劇を乗り越えたアイオワの怪奇集団にとっては、その不死身の記念碑ですら通過儀礼に過ぎないことを最新作 “We Are Not Your Kind” が如実に証明しています。
ベーシスト Paul Grey の急逝、中心メンバー Joey Jordison の離脱、Corey Taylor の離婚、Clown 愛娘の逝去、Chris Fehn の解雇劇。並みのバンドならば歩みを止めざるを得ないような状況におかれても、SLIPKNOT は諦めることなく前進を続けています。アニバーサリーの追憶に浸る代わりに、バンドは長くソリッドなライティングプロセスを過ごし新たなマイルストーンを完成へと導きました。


「歩み続けるうち、俺らはまた自由を手にしたんだ。やりたいことは何でもできる。この作品は “Vol. 3: The Subliminal Verses” と同じヴァイブ、エナジーだったね。俺らが満足している限り、どこへでも行けるのさ。」
SLIPKNOT がこれほど大きな支持を得ているのは、その過激な外観、実験性、エクストリームな音楽性の内面に陰鬱美麗なメロディーと芳醇なフックを備えていることが理由でしょう。そして、Corey Taylor は “We Are Not Your Kind” が、かつて自らが生み出したそのダイナミズムの怪物と同様のイメージで制作されたことを認めています。
“Iowa” でインテンスとアグレッションの圧倒的な狂演を見せつけた後、バンドが辿り着いた自由な創造性と対比の美学こそ “Vol.3” の哲学でした。故に、切迫した暗がりでそのスピリットを引き継いだ “We Are Not Your Kind” には、あの重音の実験室に加えて、旋律と戦慄のコントラストが遥かな進化を遂げながら確かに宿っているのです。言い換えれば、Billboard 200 で No.1を獲得した驚異の最新作は最もアーティスティックな “大衆のためのメタル” と言えるのかも知れませんね。

もちろん、メタル、ハードコア、ヒップホップのトライアングルは SLIPKNOT のコアとして存在し続けてきましたが、”Vol.3″ のトリッピーなチェンバーポップ “Circle” が示すように、3つのフラスコのみで化学反応を起こすほど彼らの実験室は限定的ではありません。
「このアルバムで、また俺らが変わったことをやれていると感じた最初の楽曲が “Spiders” だった。コアの部分をまず録音して、そこからシチューを煮込むみたいに適切な要素を加えていったのさ。ギターソロは Adrian Belew に大きなヒントを得ているよ。David Bowie が “Fasion” でやったようなことさ。」
Corey の言葉通り、”Spiders” は David Bowie が残したニューウェーブの煌めき、カメレオンの音魂を彼らの流儀でダークに抱きしめた SLIPKNOT の新たな惑星でしょう。NINE INCH NAILS の音景も封入されているでしょうか。David をインスピレーションとした火星にも似たその新境地は1曲にとどまりません。”Space Oddity” のイメージをドゥーミーに、SWANS ライクに宿す “A Liar’s Funeral” は Corey のフェイバリットです。
「David Bowie がブラックメタルをやったような楽曲だね。大量のアトモスフィアと鋭さ、そして衝撃が混ざり合っている。」


実験という意味では、TANGERINE DREAM を想起させるコズミックなイントロダクション “Insert Coin” から連なる “Unsainted” の壮大なケミストリーを見逃すわけにはいきません。
「アルバムで最後に完成した楽曲なんだ。そして、アルバムの以降の方向性を告げる最高のランドマークとなったね。」
THE ROLLING STONES の “You Can’t Always Get What You Want”、もしくは PINK FLOYD の “The Wall” にも似たコーラスマジックを携えた楽曲は、メタル、インダストリアル、サウンドトラック、クラッシックロックのキャッチーかつ完璧なキメラです。
一方で、HEALTH や GOJIRA の波動を滲ませる “Birth of the Cruel” の狡猾さもアーティスティックな “大衆のためのメタル” に真実味を加えていきます。さらに “My Pain” のエレクトロなパルスを Stanley Kubrick の映画と評する Corey。事実、アルバムは Clown の子供とも言える “Death Because of Death”, “What’s Next” といったセグエによって映画のようなドラマ性を帯びています。それは、緩と急、静と動を織り込んだエモーションのローラーコースター。実は当初 Shawn “Clown” Crahan が目指していたのは、”The Wall” のようなコンセプチュアルで二枚組の壮大な音楽劇でした。

Jim Root が 「俺らと進化してこのアルバムを気にいっても良いし、そうじゃなくても良い。ただ俺らはいつもいきたい場所へ行くだけさ。」と嘯けば、Mick Thomson は 「アルバムが好かれようが嫌われようがどうでも良い。どの道俺らは全員にアピールするような音楽じゃないから。全員に気に入られるような音楽には興味がないよ。俺らはただ自分に正直でいたいんだ。」 と主張します。
つまり、SLIPKNOT はきっと永遠に “We Are Not Your Kind” 誰の言いなりにもならず自らの百鬼夜行を続けるはずです。ただし、心から望んで、正直に表現した音楽が、これほど多くの支持を得られる危険でエクストリームな “メインストリーム” メタルバンドも、きっと永遠に SLIPKNOT だけなのかも知れません。

SLIPKNOT “WE ARE NOT YOUR KIND” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SCOTT HENDERSON : PEOPLE MOVER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SCOTT HENDERSON !!

“There’s Nothing Sadder Than Young Guitar Players Who Only Listen To Heavy-metal. There’s So Much Great Music Out There To Learn From, And It’s Unbelievable To Me That Someone Would Stick To Listening To Only One Style. It’s Like Being In Musical Prison.”

DISC REVIEW “PEOPLE MOVER”

「オープンマインドで音楽スタイルに囚われないことがとても重要だね。若いギタリストがメタルしか聴かないことほど悲しいことはないよ。学ぶべき音楽は沢山あるんだ。」
ジャズとブルース、クラッシックにロック、そしてファンクのスピリットを理想的にミックスし、フュージョンの翼を蒼の音空へと広げるギターレジェンド Scott Henderson は、特定のジャンルに囚われる創造のあり方を “音楽の刑務所” と断罪し包音力の重要性を語ります。
Joe Zawinul, Jean-Luc Ponty, Chick Corea といったジャズの巨匠に認められ共演を果たす一方で、TRIBAL TECH、ソロ活動、さらには Victor Wooten, Steve Smith との VITAL TECH TONES に Jeff Berlin, Dennis Chambers との HBC など豪華なサイドプロジェクトまで、Scott の音楽的な冒険は非常に多岐に渡ります。
TRIBAL TECH の登場は衝撃的でした。自身で “ギアヘッド” と語るように最新テクノロジーや MIDI を惜しげもなく投入し、複雑なコンポジションやオーケストレーションをジャズとロック、ファンクのキャンパスへと落とし込むバンドの野心は、停滞していたインスト/フュージョン世界を再始動へと導く原動力にも思えたのです。もちろん、メカニカルでロマンチック、テクニカルかつアンサンブルを極めたハイパーフュージョンの根底には、Scott とベースマン Gary Willis が誇る最高峰の知性と技術がありました。
ただし、Guitar World 誌のNo.1ギタリストをはじめとして、様々なアワードや高評価を得た TRIBAL TECH も Scott にとっては表現形態の1つにしか過ぎなかったようです。同じ音楽性を長く続けると飽きが来てしまうの言葉通り、Stevie Ray Vaughan が降臨したかのようなソロレコード “Dog Party” を契機として Scott は何年もブルースの荒野を探求することとなりました。
「僕はそれぞれ異なる理由で多くの音楽スタイルを愛しているよ。ブルースのソウルやフィーリング、ジャズのハーモニーと表現豊かなインタープレイ、ファンクをプレイする時の体感、ロックのパワー、クラッシックやプログロックの美しきコンポジション。全てが僕を幸せにするのさ。」
そうして近年、Scott Henderson は自らの音楽地図を遂に完成へと導いているように思えます。最新作 “People Mover” は実際、コンポジションにおいてマエストロの最高到達点かも知れませんね。
「僕はジャズが死んだとは思っていないんだ。けれど、ジャズのコンポジションがいくらかは失われた芸術となっているように思えるね。つまり、沢山の偉大で新たなプレイヤーは登場しているけど、偉大なライターはそんなに多くないんだよ。僕が聴く限りではね。」
ファストに絶妙にアウトする複雑怪奇なリックの数々、オーバードライブのエナジーは当然 Scott の象徴だと言えますが、彼自身はむしろリズムの魔法、洗練されたハーモニーや調性の美しさを宿した多様な作曲の妙に現在より重きを置いています。
事実、アルバムはシームレスにジャンルの境界を繋いでいます。Holdsworth と Jeff Beck の完璧なる婚姻 “Transatlantic”、TRIBAL TECH を想起させるソリッドなファンカデリックフュージョン “Primary Location”、疾走する4ビートに Wes Montgomery イズムを織り込む “Satellite”、PINK FLOYD の叙情とエモーションを封入した “Blood Moon”、ブルースの奔放をペダルの魔法で解放する “Syringe”。その緊張と緩和、繊細と躍動のダイナミズム、楽曲のバラエティーはまさに “Lost Art” に相応しき輝きを放っていますね。
今回弊誌では、Scott Henderson にインタビューを行うことが出来ました。「僕の考えでは TRIBAL TECH が唯一革新的だったのは、音楽を事前に書くことなくスタジオでジャムって、それを後のプロダクションでコンポジションに落とし込んでいくやり方だろうな。」どうぞ!!

SCOTT HENDERSON “PEOPLE MOVER” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DREADNOUGHT : EMERGENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KELLY SCHILLING OF DREADNOUGHT !!

“The Term “Female Fronted” Sensationalizes Women And Turns Us Into a Gimmick. We Are All Human Beings Creating Sound And Gender Shouldn’t Be The Focal Point. “

DISC REVIEW “EMERGENCE”

「近年、音楽はジャンルの表現を超えて日々拡大していっているわ。交配と実験が重ねられているの。だからもしかしたら、ジャンル用語自体、大まかなガイドラインとして受け止められるべきなのかもしれないわね。」
プログメタル、ブラックメタル、フォーク、ドゥーム、ジャズ、チェンバー、クラシカル、ポストメタル。コロラド州デンバーに端を発する男性2人女性2人の前衛的メタルカルテットは、”恐れを抱かず” ジャンルの境界を決壊へと導く気炎にして雄心です。
現在、メタル世界の地図において最も多様で革新的な場所の1つ、ダークなプログレッシブドゥームの領域においても、DREADNOUGHT の描き出す無限の音景は実にユニークかつシームレスだと言えるでしょう。
「メンバーのうち2人が人生の大半を木管楽器をプレイしてきたから、作曲の中に盛り込みたいと考えたのね。私は10代の頃に、フォークメタルムーブメントや民族楽器を使用するメタルバンドからインスピレーションを得ているから、フルートを楽曲に取り入れたいと思うのは自然なことだったわ。」
そのドラマティックでカラフルな音の葉の根源が、演奏者のユーティリティ性にあることは明らかでしょう。インタビューに答えてくれたボーカル/ギター/フルート担当の Kelly を筆頭に、ドラム/サックスの Jordan、キーボード/ボーカルの Lauren、そしてベース/マンドリンの Kevin。典型的なロックの楽器以外をナチュラルに導入することで、バンドは多次元的な深みと自由な翼をその筆へと宿すことになりました。
火、風、水、土。THRICE の “The Alchemy Index” から10年の時を経て、今度は DREADNOUGHT が地球に宿る四元素をそのテーマとして扱います。そうして炎の獰猛と優しさを人生へと投影した最新作 “Emergence” は、バンド史上最も思慮深くアトモスフェリック、一方で最もパワフルかつ記憶に残るアルバムに仕上がったのです。
水をテーマとした前作 “A Wake in Sacred Waves” の冒頭とは対照的に、不穏に荒れ狂う5/4で幕を開けるオープナー”Besieged” は “現在最もプログレッシブなメタルバンド” との評価を確信へと導く野心と野生の炎。デリケートなジャズ/ポストロックの低温と、高温で燃え盛るブラックメタルのインテンスはドゥームの組み木で燃焼しせめぎ合い、ダイナミズムのオーバーフローをもたらします。
兆した悲劇の業火はチェンバードゥームと Kate Bush の嫋やかな融合 “Still” でとめどない哀しみへと飛び火し、その暗澹たる感情の炎は KARNIVOOL のリズムと OPETH の劇場感を追求した “Pestilent” で管楽器の嘶きと共にクライマックスを迎えます。それは過去と現代をシームレスに行き来する、”スペースロック” の時間旅行。
とは言え、”Emergence” は前へと歩き出すレコードです。KRALLICE や SEPTICFLESH の混沌とアナログキーボードの温もり、管楽器とボーカリゼーションの絶妙なハーモニーを抱きしめた “Tempered” で複雑な魂の熱を受け入れた後、アルバムはエセリアルで力強き “The Walking Realm” で文字通り命の先へと歩みを続けるのです。
もはや10分を超えるエピックこそ DREADNOUGHT の自然。それにしてもゴーストノートや奇想天外なフィルインを駆使した Jordan のドラムスは群を抜いていますし、Lauren の鍵盤が映し出すイマジナリーな音像の数々も白眉ですね。
今回弊誌では、美麗極まる歌声に激情のスクリーム、そしてマルチな楽器捌きを聴かせる Kelly Schilling にインタビューを行うことが出来ました。「フィーメールフロンテットって用語は女性を特別で、センセーショナルにする、つまり私たちをギミックに変えるのよ。私たちはみんな音を作り出す人間であって、性別を焦点にすべきではないのよね。」どうぞ!!

DREADNOUGHT “EMERGENCE” : 10/10

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