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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KXM : SCATTERBRAIN】GEORGE LYNCH SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH OF KXM !!

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On “Scatterbrain”, Tight And Energetic Performance Of KXM’s Three Giants Will Tell You What The Musicianship, Creativity Is !!

DISC REVIEW “SCATTERBRAIN”

Ray Luzier (KORN)、 dUg Pinnick (KING’S X)、そして George Lynch (LYNCH MOB) というシーンの英傑3名が集結したスーパーバンド KXM が新作 “Scatterbrain” をリリースしました!!三雄の魂が通い合い、個性が溶け合った秀絶な作品は、ロックの持つオーガニックな衝動と、知性を擽るエキサイトメントを織り込みリスナーの直感へと波動するはずです。
“Scatterbrain” は僅か12日間という短い期間で制作されたレコードです。インタビューで George は「もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!」 と語ってくれましたが、同時に70年代を思わせる短期集中形のクリエイティブ環境が作品にマジックを産んだとも言えるような気がしますね。
スライドバーを使用したブルースの響きから一転、アルバムはインテンスとカオスが支配するタイトルトラック “Scatterbrain” でその幕を開けます。Ray Luzier の操る不敵な変拍子は George Lynch のシャープで粋なリフワークと共鳴し、その潮流はプログレッシブとさえ言えるムードを創造していますね。ペースダウンし、凪の静穏を献ずる中間部では、Mr. Scary がブルースの熱情を宿した魂魄のシュレッドで楽曲に生命を吹き込み、バンドの破天荒な技巧を伝えています。
“Breakout” や “Big Sky Country” を聴けば、dUg Pinnick の一筋縄ではいかないソウルフルでポップな独特の流儀、歌唱が驚くほど作品にフィットしていることが分かるでしょう。ダークに鬱屈したメロディーが得意のハーモニーを重ねてポップに花開く瞬間。直感的に楽曲を解釈し、ボーカルラインを自然とインプロヴァイズに導く瞬間。そして激情に任せ、咆哮に情念を乗せる瞬間。dUg の持つ類稀なセンスはスポンテニアスにトリオの鼓動と呼応し、無上のカタルシスをリスナーの元へともたらすのです。
同時に、”Breakout” で Ray が魅せる、パーカッションを使用したエスニックなサウンドはデビュー作から進化した KXM の潤色です。ロック、メタル、プログ、ファンク、ブルース、オルタナティブが淀みなく循環する多様な “Scatterbrain” の中で、ワールドミュージックからの影響は確実にアルバムを更に一段上のレベルへと押し上げています。
情熱と哀愁を湛えた dUg の歌唱が光る “Calypso”、カリブの風、グルーヴに乗る George のシュレッドが新鮮な “Not A Single Word” は殊更に、バンドがラテンやレゲエのリズム、モチーフを探求し血肉としていることの証明だと言えますね。
KING’S X でもエクレクテイックなサウンドをトレードマークとする dUg。David Lee Roth, STEEL PANTHER, STONE TEMPLE PILOTS で華々しく経歴を重ね、MI で教鞭もとっていた知性派 Ray。そしてインタビューでも語ってくれた通り、新たな領域へと自己を導き続ける George。ダイナミックなハードロックのルーツの上で、エキゾチックなダンスを華麗に披露する KXM 固有のサウンドは、3人の個性と手練、そしてフロンティアスピリットが結実しシンクロした成果だと言えるでしょう。
エキサイティングでエネルギーに満ちたアルバムは意外にも、ヘンドリックスの遺伝子を受け継いだブルージーなララバイ “Angel” で静かに幕を閉じます。無類で奇抜なタイム感、鋭くアウトやインを繰り返す異端のスリル、瞬間の奇跡。”Scatterbrain” における George のギターワークは近年でも群を抜いていますが、Jeff Healey をも想起させるエモーションを纏った “Angel” のリードは彼が未だに第一人者であることを、改めてシーンに宣言しています。
今回弊誌では George Lynch にインタビューを行うことが出来ました。DOKKEN のリユニオンについても重大な内容を語ってくれています。どうぞ!!

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KXM “SCATTERBRAIN” 10/10

INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH

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Q1: Hi, George! Thanks a lot for giving us such a great opportunity! Actually, you are my first guitar hero, so I’m really excited! Anyway, first of all, how was Loud Park 16? I reconfirmed how loved Dokken are in Japan. How about you?

【GEORGE】: Yeah, It was a pretty amazing feeling coming back to Japan with dokken after all those years!

Q1: まず、昨年 DOKKEN として出演した LOUD PARK 16 はいかがでしたか?いかに DOKKEN が日本で愛されているか、再確認するようなショウになったと感じましたが?

【GEORGE】: 本当に。長い年月を経て、DOKKEN として日本に戻ることができて、実に素晴らしい気持ちだったよ!

Q2: I read it in one interview, Dokken’s reunion may not be the end with that, right? If we can hear new album, there is nothing more happy, haha.

【GEORGE】: We are talking about doing some more shows on 2018 and we are going to be releasing a live album and DVD at some point. The cd will have a new dokken song we wrote specifically for this album and 2 semi acoustic versions of older dokken songs.

Q2: DOKKEN のリユニオンは、これで終わりではないようですね?新作が聴ければ最高なんですが(笑)

【GEORGE】: 僕たちは今、2018年に、さらにいくつかのショウを行うことを話し合っているんだ。そしてある時点で、ライブアルバムと DVD をリリースするよ。
CD には僕たちがそのアルバムのため特別に書いた DOKKEN の新曲と、過去の楽曲をセミアコースティックでリメイクした2曲が収録されるよ。

Q3: So, let’s talk about KXM. Definitely, KXM is super band. You know, there are the member of Korn, Kings X and Dokken / Lynch Mob. How did the band come to be?

【GEORGE】: It was result of the 3 of us meeting up at a party and talking about the idea of doing something together ..many months later after a lot of planning and touch and go we managed to get together in a studio for 10 days

Q3: では KXM について話しましょう。KORN, KINGS X, LYNCH MOB の3人が集結したスーパーバンドは、どのようにして結成されたのでしょう?

【GEORGE】: 僕たち3人はパーティーで会って、何か一緒にやろうと意気投合したんだよ。
たくさん計画を練り、不安定な状態も経て、何ヶ月も経った後、やっと一緒にスタジオへと入ったんだ。10日間ほどね。

Q4: I really love your newest record “Scatterbrain”. We can feel the colors of you three, that is to say, the mood of Kings X, Korn, Lynch Mob are mixed in the album. Do you agree that?

【GEORGE】: Of course..that’s inevitable. But i think KXM is more that the sum of its parts. there is a primary signature KXM sound and style the flows through the album ..the influences are secondary.

Q4: 新作 “Scatterbrain” はまさに3人のカラーがミックスされた作品となりましたね?

【GEORGE】: 勿論だよ。それは不可欠なことさ。ただ、KXM は個々の影響一つ一つを集約しただけではないんだ。
確実に KXM 固有のサウンド、スタイルがまずアルバムには流れているんだよ。各自の影響は次の段階さ。

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Q5: How was the writing process? Actually, “Calypso”, and it’s successor “Not a Single Word” is typically, ethnic, latin, reggae aspects make “Scatterbrain” incredible. It seems impossible is nothing for KXM, haha. Isn’t it?

【GEORGE】: Writing and recording “scatterbrain” It was a liberating and cathartic experience. It’s scary to think about what we could accomplish if we actually had more than 12 days!

Q5: ライティングプロセスはいかがでしたか?

【GEORGE】: “Scatterbrain” のライティングとレコーディングは自由で、かつカタルシスを伴うものだったね。
僕たちはこの作品をたった12日間で完成させたんだけど、もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!

Q6: This is not a surprise for me, but your shredding still sharp like a razor. I also think it still continues to progress. I don’t know exactly how many years you’ve played the guitar, but you seem to be still enjoy it, aren’t you? On “Scatterbrain”, which song was the most challenging for you?

【GEORGE】: Thank you. I’ve been playing guitar for 53 years! Kind of blows my mind when I think about it. Every song was challenging …but also incredibly rewarding because the music was so fun to play.

Q6: あなたのシュレッドはこの作品でもカミソリのように鋭いですね。あなたがギターを何年プレイしているのか正確には知りませんが、未だに進化を続けているように感じます。

【GEORGE】: ありがとう。僕は53年もギターを弾いているんだ!それを考えると自分でも驚いてしまうよ。
“Scatterbrain” は全ての楽曲がチャレンジングだったね。だけどとても弾いていて楽しかったから、本当に価値があったように思えるね。

Q7: Regarding the guitar technique, new generations of guitar are emerging these days. For example, Tosin Abasi of Animals As Leaders is symbol of modern guitarist and Djent thing. Do you listen to such new music too? What’s your impressions?

【GEORGE】: I’ve been listening to meshuggah since ” chaosphere” and I listen to a lot of young heavier bands. It is crazy how the skill level of guitarists in general has just skyrocketed in recent years. Thordendal from meshuggah is like a contemporary holdsworth in my view.

Q7: ギターテクニックと言えば、最近は Tosin Abasi のような新たな才能が次々に現れています。Djent やモダンなインストゥルメンタルを聴くことはありますか?

【GEORGE】: 僕は “Chaosphere” からずっと MESHUGGAH を聴いているんだ。他にも、たくさんの若くてヘヴィーなバンドを聴いているよ。近年、ギタリストのスキルレベルはクレイジーなほどに急上昇しているね。
僕の考えでは、MESHUGGAH の Fredrik Thordendal はコンテンポラリーな Allan Holdsworth だと言えるね。

Q8: Sweet / Lynch is kind of classic rock, Lynch Mob have blues tastes. And KXM is alternative, mixture thing. Definitely, these three are different. Where is a core of your musical interest now?

【GEORGE】: My legacy lives in the mid 60’s through the mid 70’s and hard rock is my comfort zone. But I love pushing myself into alien territory; everything from funk, RB to prog, ska and even fake jazz ..which you’ll here on the ultraphonix record thatl be coming out later this year.

Q8: あなたは現在、Sweet / Lynch ではクラッシック、LYNCH MOB ではブルーステイスト、KXM ではオルタナティブなロックを披露しています。全てが異なる中で、今あなたの興味の中心はどこにあるのでしょう?

【GEORGE】: 60年代中期から70年代中期までの時代が、僕の中にはレガシーとして生きているんだ。ハードロックこそ僕のコンフォートゾーンだと言えるね。
だけど僕は自分を未知の領域へとプッシュするのが好きだからね。Funk, Prog, R&B, Ska, ジャズだってそうさ。そういったもの全ては、今年の後半にリリースされる ULTRAPHONIX のレコードで聴けるよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED GEORGE’S LIFE !!

THE BEATLES “REVOLVER”

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JIMI HENDRIX EXPERIENCE “ELECTRIC LADYLAND”

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LED ZEPPELIN “LED ZEPPELIN I”

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BLACK SABBATH “PARANOID”

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JEFF BECK GROUP “TRUTH”

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MESSAGE FOR JAPAN

KXM

I hope we never fall out of love with each other !!

お互いの愛が永遠に醒めないことを願っているよ!!

GEORGE LYNCH

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVA COLLECTIVE : THE FURTHER SIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAN BRIGGS OF NOVA COLLECTIVE !!

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The Brilliant Musical Marriage Between The 70’s Fusion And Modern Prog. Definitely, Super Group Of Prog, Nova Collective Has Just Released One Of The Best Instrumental Record Of The Year, Incredible Debut, “The Further Side” !!

DISC REVIEW “THE FURTHER SIDE”

“新たな集合体” の名を冠するインストゥルメンタルスーパーバンド NOVA COLLECTIVE が、超越的でモニュメンタルなデビュー作 “The Further Side” をリリースしました!! 既成観念の “向こう側” へと辿りついた彼らの音風景は、リスナーを永遠の旅路、ミュージカルジャーニーへと誘うことでしょう。
Dan Briggs (BETWEEN THE BURIED AND ME), Richard Henshall (HAKEN), Matt Lynch (TRIOSCAPES, ex-CYNIC), Pete Jones (ex- HAKEN) というまさにモダンプログレッシブを象徴する賢哲が参集した NOVA COLLECTIVE。彼らが宿した清新なる息吹は、音楽が最も革新的で創造的だった70年代の空気を濃密に吸い込み、芸術のあり方を純粋に示しています。
1970年に Miles Davis がリリースした “Bitches Brew” は、音楽史上最も輝かしいロックとジャズの婚姻だったと言えます。”The Further Side” は、”フュージョン” という音楽概念を定義した、多様でイマジネイティブなその”マイルストーン”の精神を、凛として現代へと継承した畢生の作となりました。
アルバムは、ロシアのロマンティックかつダイナミックなバレエを想起させる “Dancing Machine” でその幕を開けます。メカニカルな BTBAM とは趣を異にする、野性的でファットな Dan Briggs のベースラインはオーガニックなボトムで自由を謳歌し、ジャズとロック、そしてメタルを華麗に行き来する Matt Lynch のドラムスと豪壮なインタープレイでアルバムを牽引して行きます。
Richard Hanshall のメロディアスでデリケートなギターワークは作品に浸透し、何より Pete Jones のガラス細工のように美麗で卓越したエレピ、オルガンサウンドは、リスナーに Chick Corea の形影を追わせ、過去と現代をリンクさせる鍵として枢要を占めていますね。
“Dancing Machine” に漂う神秘的でエスニックなムードは、インタビューでも語ってくれた通り、ワールドミュージックからの影響を反映しています。そして確実に John McLaughlin のコンポジションとも強く共鳴しているはずです。
“Bitches Brew” にも参加し、後に”フュージョン”を代表する集団となる THE MAHAVISHNU ORCHESTRA を創立した天賦のギタリストは、ロックとジャズのみならず、フラメンコ、オーケストラ、そしてインド音楽にまでその興味の幅を広げ、クロスオーバーさせた多様性の伝道師だと言えるでしょう。「フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ている」 と Dan が語ってくれた通り、”The Further Side” にはあの奇跡のオーケストラと同様の血脈が流れてもいるのです。
実際、”Air” は日本の伝統楽器、琴をイメージして書かれた楽曲だと Dan は語ってくれました。そして、日本の陽春を鮮やかに切り取ったかのような、オリエンタルで麗しきそのサウンドグラフには、NOVA COLLECTIVE がサーカスではなく音楽のために集まった集団である証が克明に刻まれていますね。
確かにメンバーは全員が超絶技巧の持ち主ですが、アルバムにエゴを感じさせる陳腐な曲芸は一切存在しません。存在するのは、楽曲の一部と化したエレガントで流麗なリードパートとアンサンブルのみ。各自が秘める、描かれた設計図をグレードアップさせるようなインテリジェンス、即興の妙こそがまさに一流の証明だと感じました。
勿論、クラッシックなフュージョンサウンドが基幹を成している “The Further Side” ですが、”State of Flux” を聴けばバンドが “新たな集合体” を名乗った意味が伝わるでしょう。MESHUGGAH と同等の緊張感、ヘヴィネス、リズムの錯綜が、エレピを核とするレトロなフュージョンサウンドを伴って再現される Tigran Hamasyan も驚愕のニューフロンティアがここにはあります。70年代には存在し得なかった、正確無比なシュレッド、硬質でDjenty なリズム、そして Jamie King による極上のプロダクションは “フュージョン” の極地、最先端を提示し、彼らの存在意義を強くアピールしていますね。
アルバムは WEATHER REPORT や RETURN TO FOREVER への憧憬と、モダニズムを巧みに融合させたタイトルトラック “The Further Side” で神々しくもドラマティックにその幕を閉じます。
今回弊誌では Dan Briggs にインタビューを行うことが出来ました。彼のホームグラウンド BTBAM の “Colors” 10周年ツアーについても言及しています。どうぞ!!

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NOVA COLLECTIVE “THE FURTHER SIDE” : 10/10

INTERVIEW WITH DAN BRIGGS

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Q1: This is our first interview with you. So, first of all, could you tell us about your band? Nova Collective is definitely a super band. The members of Between the Buried and Me, Haken, and Trioscapes got together. How did the band come to be?

【DAN】: Nova Collective was really started by Rich and I sharing emails just talking about Haken and BTBAM and probably wasn’t too long before we just started sharing new muscial ideas. I love making a connection and knowing that something musical is about to happen, all my groups have had that same sort of beginning, more conversations about music leading to an opportunity to create together. I’m so thankful for having so many different creative people in my life.

Q1: BETWEEN THE BURIED AND ME, HAKEN, TRIOSCAPES のメンバーが集結した NOVA COLLECTIVE は間違いなくスーパーバンドと言えますね。まずはバンド結成の経緯を話していただけますか?

【DAN】: NOVA COLLECTIVE は Rich と僕が、HAKEN と BTBAM についてただ話すだけの E-mail から始まったんだ。だけど2人で新たな音楽のアイデアを出し合うようになるまで、確かそう長くはかからなかったね。
僕はコネクションを作って、音楽的な何かが起こるかどうか知るのが好きなんだよ。僕が関わっているグループは同じような始まり方をしているね。音楽について話せば話すほど、共作する機会は増えていくよ。僕は人生でこんなにも多くのクリエイティブな人たちと関わることが出来て本当に感謝しているんだ。

Q2: What’s the meaning behind your band name “Nova Collective”? I think it means a group of new wave of Prog. Do you agree with that?

【DAN】: Well thank you! For us it’s definitely the idea of the celestial creation of something new, we named it well after we had the album written so we were able to reflect and say we really didn’t know how to classify it…I mean; fusion, world music, jazz, prog, classical. The ideas are all there, but it’s never full on any one of them. I think that idea is really exciting to all of us considering the music we’ve already been a part of, and the idea of where we can go from there…just very exciting and inspiring.

Q2: バンド名 “Nova Collective” “新たな集合体” の由来は何ですか?プログロックに新たな波をもたらすグループといった意味にも取れますが。

【DAN】: ありがとう!僕たちにとって、”Nova Collective” とは、新しい絶世の何かを創造するというアイデアであることに間違いはないよ。
そう名付けたのは、アルバムを書き終えた後、何と分類すれば良いのか本当に分からなかったから、”新しい集合体” と呼ぶのが相応しいと思ったからなんだ。つまり、フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ているんだけど、どれか一つで満たされることは決してないんだからね。だから音楽性を考えれば、”Nova Collective” という名前は、全員にとって本当にエキサイティングだった訳さ。
僕たちはすでにその “集合体” の一部な訳だけど、そのアイデアは僕たちがこれから進む道をも示しているように思えるね。本当にエキサイティングだし、インスパイアされるよ 。

Q3: How did you decide the direction of the band? What made Nova Collective stick to instrumental music?

【DAN】: It’s a good question about the initial intention of the band musically, because we had written “Dancing Machines” and “Cascades” looking at both of those songs kind of scratching our heads not knowing fully what we had just done haha. For me, I was excited at the idea of exploring world sounds but in a sort of bizarro setting, like places you wouldn’t normally think to find them, plastered against thumping rhythms in the low piano and bass or against a wall of freakout space noise; and that was kind of the vibe with Dancing; but Cascades is this really lush song that is constantly pushing with that 11/16 feel and the solo bridge which kind of is like walking on the moon, it became real otherworldly. So we just kind of kept going in the direction for what felt right for each song. I wanted to really focus in on the pentatonic sound in “Air”, trying to replicate the sound of a koto and keep that vibe throughout. I’ve kind of been surprised that the world music influence hasn’t come out more because it was a big driving and exciting influence for me personally in the writing.

Q3: バンドの方向性を “インストゥルメンタル” に決定づけたのは何でしたか?音楽性はどのように固まっていったのでしょう?

【DAN】: バンド初期の音楽的な意図に関する良い質問だね。すでに “Dancing Machines” と “Cascades” は書いていたんだ。未完成でただ仕上がっているパートを見ながら頭を掻きむしっていたんだよ(笑)
僕にとってワールドミュージックを掘り下げるというアイデアはエキサイティングだったね。だけど一風変わったというか、普段なら見つけることが出来ないような場所といった感じでもあったんだ。低音のピアノやベースがゴツンゴツンと打ち付けるリズム、もしくは訳の分からないスペイシーなノイズ。そういったヴァイブが “Dancing Machines” にはあったんだ。
“Cascades” は実に忙しない楽曲だね。常に11/16的なノリで進んで行くんだ。ソロのブリッジ部分はまるで月を歩いているかのようだね。別世界に来たような感じかな。それから僕たちは楽曲に正しいと思える方向性でただ進んで来たんだよ。
“Air” のペンタトニックなサウンドには本当にフォーカスしたかったんだ。琴のサウンドやヴァイブを再現しようとしたんだよ。ワールドミュージックの影響がもっと出なかったのが不思議なくらいだね。僕にとってそれは、個人的にコンポジションの大きな推進力でエキサイティングなインスピレーションだから。

Q4: Anyway, your incredible debut album “The Further Side” is just out now! First of all, Please tell us the meaning included in the title, and artwork.

【DAN】: We thought The Further Side just was a good way to describe what we were feeling with the music, stepping through this portal and being blasted to a world that was new and interesting. The artist Nevan Doyle had the idea of making some otherworldly settings and it was an image we really thought stood out and stood on its own in describing what was about to happen when you drop the needle on the album. The back cover art of the body being kind of torn was a direct reference to the song “Ripped Apart and Reassembled”, which was named after the idea of teleporting and your molecules being jumbled and reassembled; but I had the image in my head from the show Fringe of like the ghastly side effects of it going wrong and being rearranged all deformed and fucked up- kind of the journey the song goes on through the bridge haha.

Q4: そういった経緯を経てリリースされたデビュー作 “The Further Side” ですが、実にアーティスティックで素晴らしいですね!まずはアルバムのコンセプトやアートワークについて教えてください。

【DAN】: “The Further Side” とは、まさに僕たちが音楽に対して感じていた感情を表現するのに良い言葉だと思ったんだ。NOVA COLLECTIVE の新しく興味深い世界に圧倒されるための入口としてね。
アートワークは Nevan Doyle というアーティストが異世界のアイデアを生み出してくれたんだ。このイメージは、レコードに針を落とした時、まさに何が起きようとしているのか際立って表現しているね。
身体が引き裂かれたようなバックカバーは、“Ripped Apart and Reassembled” という楽曲に直接的な関連があるんだ。テレポートをテーマに名付けられたんだけど、分子がごちゃ混ぜになって再構成されるというアイデアさ。頭の中にあったイメージは、TV番組 “フリンジ” のように不気味なエフェクトから誤って再構成され、全てが醜く歪められた様で、それを楽曲が描いているんだよ(笑)。

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Q5: My first impression about “The Further Side” was upgrade 70’s Fusion, or 70’s Prog in 2017. You know, definitely there is the amazing vibe of “Bitches Brew”, “Return to Forever” and “The Inner Mounting Flame”. Do you agree that? If so, what inspired you to be into the direction?

【DAN】: Oh we are surely hugely influenced by fusion of all eras, but mainly the 70s and 80s sounds. Those groups were making future sounds at that point in time and that’s the same kind of idea we’re trying to explore now and really it’s a forever journey of trying to expand ourselves as musicians and composers and see how out there we can get within the context of a song and album. It’ll be real exciting to see what we can produce next.

Q5: アルバムからは70年代のフュージョンやプログロックの影響を強く感じました。言うならば現代的にアップデートされた “Bitches Brew”, “The Inner Mounting Flame” のようなイメージです。

【DAN】: そうだね、僕たちは全ての時代のフュージョンから影響を受けているんだけど、メインは70’s と80’s サウンドだね。
君が挙げたようなグループは、当時未来のサウンドを創造していたし、それは僕たちが現在探求しているアイデアと同種のものなんだ。
ミュージシャン、コンポーザーとして自己を広げて行くことは、本当に永遠の旅だと言えるね。楽曲やアルバムという文脈の中から、いかにそれを得ることができるのか見てみようじゃないか。次に僕たちが生み出すものを見ることは実にエキサイティングなはずさ。

Q6: Also, sometimes the record reminds me David Lynch’s soundtracks. Definitely, “The Further Side” is extremely Technical, but there is no flashy circus like lead plays. Ego as a musician seems to be free from Nova Collective, isn’t it?

【DAN】: Yeah you know, we really approached it trying to keep within the song and whatever it called for at that particular moment while maintaining the idea of the overall composition. Our backgrounds are all in technical music, it’s just our upbringing and we have those things to explode into when the song calls for a unison lead or solo section, but even I feel like those parts are still kept within the song. I loved keeping the solo sections feel loose and improvised within the context of the song, at least from the perspective of my bass solos.

Q6: “The Further Side” には映画のサウンドトラックを思わせるムードも存在しますね。David Lynch の作品を思い出しましたよ。非常にテクニカルですが、サーカスのようなソロパートは存在しませんね?

【DAN】: まさにその通りだよ。僕たちはソロパートが楽曲に収まるよう、ある特定の瞬間に要求されるものを収録するというアプローチを取ったんだ。楽曲全体のアイデアを保ちながらね。
僕たち全員のバックグラウンドは確かにテクニカルな音楽だよ。だけどそれは背景にしかすぎないんだ。勿論、楽曲がユニゾンリードやソロセクションを必要とするならばテクニックを炸裂させる時もあるね。楽曲に沿った形でね。
コンテキストの中でルーズだったり、インプロヴァイズしたソロを取るのは大好きだよ。少なくとも僕のベースプレイに関してはね。

Q7: How was the writing process? Off course, There are two Britons and two Americans in the band. Which do you think Nova Collective is the “Band” or “Project”? Do you have a plan to have shows near future?

【DAN】: Oh it’s a full on band for sure! We’re trying to get that idea across to people in these interviews because I think people get excited at the sounds and the idea of people from bands they already enjoy getting together to make a record, but for us it’s as serious as anything else we’re apart of musically and so the desire to make it real and make it happen in a live setting is our number one priority. Right now we are getting the album into people’s ears and trying to spread the word to agents and the suits that were are out there and trying to support some friends and like-minded bands on the road.

Q7: NOVA COLLECTIVE は異なるバンドに所属するイギリス人2人とアメリカ人2人で構成されています。これはバンドですか?それともプロジェクトですか?

【DAN】: 間違いなく完全にバンドだよ!僕たちはこういったインタビューでそれをみんなに伝えようとしているんだ。なぜならリスナーは、集まり楽しんでレコードを制作するバンドのアイデアやサウンドにエキサイトすると思うからね。
僕たちにとって何よりも深刻なのは、音楽を離れて制作しなければならないという点だね。だからこそ、ライブを行うことが僕たちに今一番必要とされているんだよ。
現在、僕たちはアルバムをリスナーの耳に届けたところで、エージェントや会社の人たちに広めようとしているんだ。友人や同士のライブをサポート出来たらと思っているよ。

Q8: 2017 is anniversary year for both BTBAM and Haken. You know, masterpiece “Colors” becomes 10th anniversary and Haken is also 10th anniversary of the band. Japanese Prog fans really waiting for you to come. Is there any possibility of these anniversary Japan tour?

【DAN】: If we got a really good offer I’m sure it would happen! It’s super expensive for an American band, or I assume most bands not on that side of the world, to get over there, so I know we’d like to for our next album as well…if a Colors tour tied into it, you know…it’d just have to be a good offer is all! The same goes with the rest of the world. It’s not a huge priority of ours to play Colors all over, but if the offers come in and are good enough we’ll play it anywhere of course.

Q8: 2017年はあなたのメインバンド BETWEEN THE BURIED AND ME がリリースした名作 “Colors” が10周年を迎えます。バンドはアニバーサリーツアーを行うようですが、来日の可能性はありますか?

【DAN】: 本当に良いオファーをもらえたら、勿論日本に行くよ!アメリカのバンドにとって日本ツアーを行うのはとても費用がかかるんだ。おそらくアメリカだけじゃなく、アジア以外の大抵のバンドにとってね。
次のアルバムでは行きたいと思っているけど…”Colors” の完全再現をそれと結びつけたりしてね…とにかく全ては良いオファーにかかっているんだよ!
世界の他の地域に関しても同じことが言えるね。僕たちにとって “Colors” 完全再現はそんなにプライオリティーが高くないんだけど、充分に良いオファーが届けば、勿論どこでだってプレイするよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED DAN’S LIFE !!

PINK FLOYD “THE DARK SIDE OF THE MOON”

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NIRVANA “NEVERMIND”

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DREAM THEATER “METROPOLIS PART 2: SCENES FROM A MEMORY”

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KING CRIMSON “DISCIPLINE”

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OINGO BOINGO “ONLY A LAD”

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MESSAGE FOR JAPAN

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Konnichiwa! I’ve loved coming to Japan with BTBAM, the crowds always embrace us and are so passionate for the music we’ve created. I’m real hopeful I’ll be able to get over there with Nova Collective in the future! I hope everyone digs the record and hopefully see you soon. Thanks!

こんにちは!BTBAM で日本に行くのが大好きだよ。観衆はいつだって暖かく迎えてくれるし、僕たちが作ってきた音楽にもとても情熱的だね。NOVA COLLECTIVE でもいつか行くことが出来たらと本当に思っているんだ!みんながレコードを気に入ってくれたらいいな。近いうちに会おうね。

DAN BRIGGS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CLOUD NOTHINGS : LIFE WITHOUT SOUND】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DYLAN BALDI OF CLOUD NOTHINGS !!

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New Age Cleveland Indie Rockers, Cloud Nothings Expand And Explore The New Realm With 4th Record “Life Without Sound”! Don’t Miss Their Upcoming Japan Tour In April !!

DISC REVIEW “LIFE WITHOUT SOUND”

オルタナティブ、エモ、インディーズを咀嚼し、リアルな現在進行形の音楽を創造するクリーブランドの4人組 CLOUD NOTHINGS がバンドの成熟を伝える最新作 “Life Without Sound” をリリースしました!!そのディスコグラフィーの中で、最も静観的かつ沈思を誘うアルバムは、彼らの新たな魅力が素晴らしく開花した1枚に仕上がりました。
NIRVANA を初めとして、80年代後期からオルタナティブ / アンダーグラウンドシーンの名作群を手がけ続けてきた Steve Alvini を擁しリリースした2ndアルバム “Attack on Memory”。そのシャープに研ぎ澄まされたアグレッシブなサウンドは、瑞々しいロックアンセムの数々を伴ってシーンに新たな風を吹き込みました。インタビューで Dylan は言葉で音楽を定義することに明らかな嫌悪感を表していますが、それでも90年代の装飾を廃したオルタナティブやエモを想起させるその音楽性は、オルタナリバイバル、エモリバイバルという潮流の中でも一際輝きを放つマイルストーンとなりました。
“毎作違う作品を目指している”と語る Dylan。確かに、”Life Without Sound” は “Attack on Memory” や、スリーピースとなりパンク/ハードコアのエナジーすら内包した前作 “Here and Nowhere Else” とは異色の深化した引力を有していると言えます。
新たにギタリストで鍵盤もこなす Chris Brown が加入し再び4人編成へと回帰した作品は、4つに増えた楽器をさながら美麗なタペストリーを織り上げるかの如く繊細に配置し、細部まで丹念にフックを散りばめた CLOUD NOTHINGS の進化を告げる新たなステートメントです。
アルバムオープナー、”Up to the Surface” は奥行きを広げ、深みを増す彼らの可能性を証明する楽曲です。孤独感を煽るピアノのイントロに導かれ、紡がれる切なく感傷的なメロディーは、まさに Dylan がライティングプロセスで感じていた憂苦を代弁し、巧妙なギターの重畳と、パーカッシブなリズムが生み出す味わい深いフックはリスナーをリピートの輪廻へと誘います。
さらに “Internal World” はバンドのコンポジションが最高到達点へと達した瞬間かも知れませんね。豊富なリズムパターン、クレッシェンドデクレッシェンド、そして何よりポップを極めたキャッチーでメランコリックなボーカルライン。あの WEEZER を想起させる切なさとフックを纏った楽曲には確かに完璧まで試行錯誤を重ねた成果が刻まれていますね。
今回、DEATH CUB FOR CUTIE, HANSON などの仕事で知られる新たなプロデューサー John Goodmanson が作品の最後のピースとして選択し、フォーカスしたのは Dylan のボーカルでした。おそらく彼はこれまで歌詞にはあまり拘ってこなかったという Dylan のフロントマンとしての脆さを見抜いたのでしょう。

“I want a life, that’s all I need lately I am alive but all alone”
「生きている実感が欲しいんだ。近頃はそれだけが欲しいんだよ。生きてはいるけど孤独なんだ。」

新たなアンセムとなった “Modern Act” で進化を遂げ自信に満ちたフロントマンは、自身に巣食っていた孤独を堂々と歌い上げます。
“Up to the Surface” や “Modern Act” で描かれる、孤独が生んだアイデンティティクライシスは、”音を失った”自身の経験を投影したリアルな脆さです。しかしインタビューで語ってくれた通り、そこから辿り着いたアルバムのテーマ”自己理解” “自己実現” は強くポジティブなメッセージでした。プロデューサーが導いたのは、脆さと自信のコントラストが生み出す極上のエモーションだったのかも知れませんね。
「結局自分の運命なんてわからないものなんだけどね。」
アルバムクローサー、”Realize My Fate” で Dylan はそう嘯きながら作品の幕を閉じました。
今回弊誌では、Dylan Baldi にインタビューを行うことが出来ました。4月には3年ぶりの来日公演も決定しています!どうぞ!!

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CLOUD NOTHINGS “LIFE WITHOUT SOUND” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KHEMMIS : HUNTED】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KHEMMIS !!

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Modern But Traditional! Denver Based Four Piece Doomed Rock’n Roll Act, Khemmis Has Just Released One Of The Most Important Doom Record “Hunted” !!

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DISC REVIEW “HUNTED”

US デンバーの Doom Metal カルテット KHEMMIS がリリースした 2ndアルバム “Hunted” はシーンの注目を一身に集めています。アルバムは、老舗メタル誌 Decibel Magazine でアルバムオブザイヤーを獲得した他、様々な音楽誌、ウェブサイトで2016年のベストアルバムに選ばれているのです。
KHEMMIS のデビュー作 “Absolution” は MASTODON と PALLBEARER のちょうど中間に位置するようなモダンな Doom / Sludge 作品で、近年活気を得て来た Doom シーンにまた新たな才能が舞い降りたことを知らしめました。
しかし博士号を持つメンバー2人が牽引する、この知的でメタルに忠誠を誓ったバンドが同じ場所へと留まることはありませんでした。デビューフルから僅か15ヵ月で届けられた KHEMMIS の次章 “Hunted” はそのイメージを明らかに変化させていたのです。
インタビューにもあるように、遂にバンド全員がコンポジションに参加した “Haunted” はよりクラッシックロック、トラディショナルメタルの領域へと接近したレコードとなりました。全5曲、44分の作品は全てがロックの美学に捧げられています。
“Three Gates” はアルバムを象徴する楽曲です。THIN LIZZY や MOTORHEAD をモダンなスラッジサウンドで再現したかのようなリフの暴走に、美麗なツインギターハーモニーが切れ込むとそこはまさしく KHEMMIS の世界。凶暴なグロウルと共に突き進むサウンドの壁が突如として崩壊し、叙情を極めたクリーンボーカルが紡がれる刹那は奇跡的とも言えるほどロックを体現しています。
実際、バンドの要でギター/ボーカル Phil Pendergast と Ben Hutcherson のコンビネーションには目を見張るものがありますね。2人の繊細なまでにレイヤーされたギターハーモニーは WISHBORN ASH を想起させるほど美しく、バンドの顔となっています。加えて、Ben のダーティーなボーカルと Phil のクリスタルのようにナーバスな歌声のコントラストは、インタビューで述べているように”モダンなレンズ”を通した Doomed Rock’n Roll を体現する重要な鍵だと言えるでしょう。
さらに叙情味を加速させた “Beyond The Door” では、JUDAS PRIEST のゴージャスなハーモニーアルペジオ、そして IRON MAIDEN の3連シャッフルが Doom という枠組みの中で効果的に使用されています。故に楽曲はテンポや拍子をプログレッシブと言えるほど頻繁に変えて行きますが、スロウ一辺倒でなく、ダイナミズムを追求するその姿勢には、哀愁に満ちたメロディーとも相俟って北欧の巨人 CANDLEMASS を思い起こさずにはいられませんね。
アルバムを締めくくるタイトルトラック “Hunted” は13分の壮大なエピックです。BARONESS をイメージさせるローチューンドのファズギターで MERCYFUL FATE を再現したとも言えるドラマティックな前半部分に魅了されたリスナーは、後半の荘厳でアトモスフェリックなアコースティックパートからトレモロリフまで導入したモダンで壮大、感動的な大円団に驚愕し喝采を捧げることでしょう。そこには YOB や NEUROSIS をしっかりと通過し咀嚼した、2010年代のバンドだからこそ持つ多様性、強みがありますね。
KHEMMIS は勿論、よりアトモスフェリックスかつサバス、70’s Prog に接近した PALLBEARER、そして煌びやかな 80’s Metal と現代的な Black Metal を融合させた SUMERLANDS などが話題となっているように、確かにレトロリバイバルの波はメタルシーンにも押し寄せています。ただ焼き直すだけではなく、各バンドとも”モダンなレンズを通して音楽を見ていることが重要で、興味深いレトロフューチャーなサウンドはこれからさらに拡がりを見せていくことでしょう。
今回弊誌では KHEMMIS にインタビューを行うことが出来ました。日本人にこそアピールする素晴らしいメロディーを持つバンドです。どうぞ!!

KHEMMIS “HUNTED” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WHITECHAPEL : MARK OF THE BLADE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ZACH HOUSEHOLDER OF WHITECHAPEL !!

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Pioneer of US Deathcore, Whitechapel Opens Up The New Chapter With “Mark Of The Blade”!! Don’t Miss Their First Japan Tour In April!!

DISC REVIEW “MARK OF THE BLADE”

US Deathcore の帝王 WHITECHAPEL が新たな領域へと踏み出した新作 “Mark of the Blade” をリリースしました!!10年に渡ってその王冠を守り続けたパイオニアが舵を切ったその先には、メタルの革新があるはずです。
エクストリームメタルシーンにおいて、狂気のレンジと存在感を放つ Phil Bozeman のガテラルが群を抜いていることを否定するファンはいないでしょう。そして彼が今回新たに証明したのが、そのクリーンボーカルの実力でした。
WHITECHAPEL にとって、”Mark of the Blade” は1枚のアルバム以上の意味を持つ、新境地へと赴く強いステイトメントになっています。間違いなく、Deathcore は近年で最も台頭し人気を博すモダンメタルの枝葉ですが、それ故にシーンが飽和気味な状態であることも事実。このタイミングで、WHITECHAPEL, そして SUICIDE SILENCE というジャンルの二大巨頭がクリーンボーカルを導入したことは決して偶然ではないはずです。
アルバムの4曲目に位置する “Bring Me Home” は WHITECHAPEL の可能性をさらに拡げる楽曲となりました。クリーンボイスをメインに据えたオルタナティブでミステリアスなムードの5分間はバンドの知性を物語り、作品に素晴らしいアクセントを生んでいます。TOOL や STONE SOUR、さらには ALICE IN CHAINS を想起するファンも多いでしょう。勿論、アルバムを支配するのは Phil の並外れたデスボイスですが、彼の Maynard James Keenan, Layne Staley の域に達したダークでメロウ、エモーショナルなクリーンはまさにバンドの卓越した新しい顔となっていますね。
ただ、勿論彼らのチャレンジには賛否両論があるはずです。クリーンに加えて、Phil のボーカルはタイトルトラック “Mark of the Blade” が象徴するように、凶悪なだけではなくどこかキャッチーさを伴う場面が増えており、CANNIBAL CORPSE が代表するように Death Metal シーンにはより単純化したグロウルへとシフトする風潮があるとは言え、彼らのエクストリームサイドを愛するファンにはセルアウトと捉えられる可能性も孕んでいますね。
“Venomous” はそういったダイ・ハードなファンの溜飲を下げる一曲でしょう。セルフタイトルと前作 “Our Endless War” がヒントとなっていたように、トリプルギターを生かしたグルーヴや Djenty なリフワーク、Nu Metal 的フックにメロディアスなクリーンギターやピアノの導入など、プログサイドにさらに接近したアルバムで、モッシュピットの突進力で突き進むこの曲は WHITECHAPEL がまだまだ危険な存在感であることを証明しています。
そして Deathcore の矜持を保ちながらも、クリーンボイスとアコースティックギター、オリエンタルなフレーズでバンドの未来を感じさせるアルバムクローサー “Decennium” は終焉に相応しく、アルバムを総括するフックに満ちた素晴らしいコンクルージョンだと感じました。
今回弊誌では、ギタリスト Zach Householder に短いですがインタビューを行うことが出来ました。来年の4月には Evoken de Valhall Production の招聘で待望の初来日も決定しています!”Deathcore は退屈だ”という衝撃の発言も飛び出しました。どうぞ!!

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WHITECHAPEL “MARK OF THE BLADE” : 9.2/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WATCHTOWER : CONCEPT OF MATH: BOOK ONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RON JARZOMBEK OF WATCHTOWER !!

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Finally, Legendary Prog/Math Metal Titan, WATCHTOWER Returns For The First Time In 27 Years With Amazing New EP “Concepts of Math: Book One” !!

DISC REVIEW “CONCEPT OF MATH: BOOK ONE”

メタルに数学的要素を取り込んだ、インテレクチュアルな Math-Metal のパイオニア、WATCHTOWER が何と27年ぶりに新作 EP “Concepts of Math: Book One” をリリースしました!!バンドが1990年から制作を続けている3rdアルバム “Mathematics” から5曲を収録し、EPとした作品は、Ron がインタビューでも語っているように、確かに完成品ではありません。しかし長く長く待たせたファンを満足、歓喜させるだけの高いクオリティー、彼らならではのオリジナリティを充分に備えている作品です。
メタルが初めて音楽的な拡散を経験した80年代後期、WATCHTOWER は FATES WARNING, DREAM THEATER, DEATH, CYNIC などと共に Heavy Metal という音楽のフレキシブルな部分にフォーカスし、その豊かな可能性を実証して見せました。脈々と受け継がれる Prog-Metal の源流はここにあります。
中でも WATCHTOWER は、勇壮、過激、ヘヴィー、メロディアスといったエモーションの領域よりも、数学的な考え方でメタルにアプローチを行った革新的な集団なのです。
インタビューにもあるように、”音楽”は一般的には感情的な領域で語られることが多いと思いますが、音の配列、選択、拍子、速度、リズムなど実は”数”と数学が大部分を占めるアートです。勿論、そこに加わるプラスαがリスナーを動かすことも事実ですが、例えば偉大な TOOL や MASTODON を “Math-Metal” と呼ぶならば、数学性を突き詰めた WATCHTOWER は現代の重要バンドたちの始祖的存在であるとも言えるでしょう。そしてそれは、当然 MESHUGGAH から連なる Djent ムーブメントにも通じます。
長い年月を超えて遂にリリースされた “Concepts of Math: Book One” には、タイトルにもあるように、勿論その複雑さ、数学性を維持しながらも、よりタイトで、ほんの少しの聴きやすさと多彩なフックが加味された出色の楽曲が並びます。あの狂気のエナジーはそのままに、成熟したバンドの現在を表しているようにも感じます。少なくとも過去作の、聴き手を頭ごなしに拒むかのような無慈悲な感触はありませんね。
アルバムオープナー “M Theory Overture” ではまさに WATCHTOWER の真髄を聴くことが出来ます。バンドのコアメンバー、Ron Jarzombek, Doug Keyser, Rick Colaluca のトリオが繰り出す Instru-metal は圧巻の一言。SPASTIC INK や BLOTTED SCIENCE でも披露している、Ron 独特のリードともリフともつかないような複雑怪奇で無機質とも言えるギターワークは、2ndアルバムからの参加とは言えやはりバンドの顔ですね。
そのピッキングの正確性、選択する音の意外性、奇抜なタイム感、そして独特のギターハーモニーはまさに唯一無二で、あの DREAM THEATER の John Petrucci や Mike Portnoy が強く敬愛し、CYNIC の Sean Malone やマーティーさんに必要とされたのも頷けます。
インタビューで Ron はその豊富なアイデアについて”音楽とは関係のない”数字やパターンから得ることを明かしていますが、話に上がった以外にも、既存のアニメにあわせて楽曲を作ってみたり、モデム回線の音を再現してみたりと、常人には計り知れないような挑戦を行ってきており、現代の Frank Zappa と言えるかもしれませんね。
“Arguments Against Design” でもその特異な Ron のギタープレイに対する、ベーシスト Doug の印象的なカウンターメロディー、シンコペーションの嵐にも顔色1つ変えず、真っ向から弦楽器隊に挑む正確無比な Rick のドラムスと三位一体でインテレクチュアルなダイナミズムが生まれていますが、インストとしても充分に成立するように思えるスリリングな楽曲に謎のボーカルを加えるのが WATCHTOWER’S WAY。
いかにも Shrapnel のレコードで10万円くらいで雇われて歌っていそうな Alan Tecchio のボーカルには正直あまり期待はしていませんでしたが、以前よりは確実に上手くなっていますし、キャッチーでフックのあるメロディーも散見出来ますし、意外に引き出しも多く、何よりほぼ絶滅してしまったグロウルもハイトーンも使用しない彼のようなパワーボーカルが1周回って新しく感じられ、さらにあのインテレクチュアルトリオの演奏に対するミスマッチ具合が2周回って新しく感じられ、悪くないようにも思えました。本当に新鮮で悪くないです。本当です。
とにかく、極限までプログレッシブな10分の大曲 “Mathematica Calculis” で幕を閉じるまで、とても30分足らずのランニングタイムとは思えないほど濃厚でエキサイティングな数学の授業は続きます。
今回弊誌では Ron Jarzombek にインタビューを行うことが出来ました。SPASTIC INK で共演も果たした兄 Bobby Jarzombek は RIOT や FATES WARNING で活躍する名手。さらに BLOTTED SCIENCE ではこちらもシーンの有名人 CANNIBAL CORPSE の奇才 Alex Webstar とも共演しています。ここまで Ron に迫ったインタビューは世界初だと自負しています。どうぞ!!

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WATCHTOWER “CONCEPT OF MATH: BOOK ONE” : 9.0/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FATES WARNING : THEORIES OF FLIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RAY ALDER OF FATES WARNING !!

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The Pioneer Of Prog-Metal, Fates Warning Returns With Modern & Emotional New Records “Theories Of Flight !!

DISC REVIEW “THEORIES OF FLIGHT”

Prog-Metal のパイオニアとして歴史に名を刻む、US 出身の4人組 FATES WARNING が新たな名作 “Theories of Flight” をリリースしました!!1986年に “Awaken The Guardian” でジャンルを確立して以降、常に進化を続けてきたバンドの凄みがここにはあります。
2004年からしばしの休息の後、前作 “Darkness in a Different Light” で強靭な新ラインナップと共に素晴らしい帰還を遂げた FATES WARNING。”Theories of Flight” でも “Darkness” で提示した、経験とモダンの融合は見事に生きています。インタビューにもあるように、Jens Bogren を起用したことからも、彼らの現役感、モダンなサウンドに対する拘りが伝わりますね。
実際、アルバムは “From The Rooftops” の RIVERSIDE を思わせるエモーショナルなギター、ボーカルと、アトモスフェリックで空間を意識した現代的なサウンドで幕を開けますし、”SOS” で強調されている陰鬱で、ダイナミズムと浮遊感を感じさせるオルタナティブなアプローチはモダンプログの巨匠 Steven Wilson が PORCUPINE TREE で行っていたチャレンジと通じます。
DREAM THEATER や QUEENSRYCHE といった Prog-Metal の先駆者たちが、その最新作でどちらかと言えばコンサバティブで “Back-to-Roots” な音楽を提示している事実を考慮すれば、FATES WARNING が実に挑戦的でタフなバンドであることが伝わりますね。
また、勿論、アルバムは彼らのトレードマークである、テクニカルなパッセージ、タイムチェンジ、スキルフルな演奏でも満たされていますが、それは作品を彩る一要素でしかないような気がします。中心に据えられたのはあくまでも、”Seven Stars” “White Flag” に象徴されるような、メランコリックでメロディアスなボーカルライン、耳を惹くフック、そしてキャッチーなコーラス。そしてその部分こそ、この偉大なバンドが新ラインナップを得て遂に達成した課題なのかも知れませんね。
アルバムのハイライトは、元々は作品のタイトルだったという、”The Ghost of Home” でしょう。Jim Matheos の手による10分間の大曲は、彼の幼少期の体験を元にしています。9年間で8回の転校を経験し、”Home” と呼べる場所の無かった Jim のノスタルジアとリグレットが楽曲に込められているのです。
ラジオのノイズに導かれ、Ray の優しいボーカルと Jim の暖かなアルペジオが過去への扉を緩やかに開くも雰囲気は一転。奇数拍子をタイトにグルーヴィーに刻むベテラン Joey Vera と Bobby Jarzombek の際立った仕事がアグレッシブなヘヴィネスを創出すると、バンドはリスナーたちをもそれぞれの過去へと連れ去り、それぞれの “Ghost” と対峙させるのです。ノスタルジックなタイトルトラックをポストスクリプトとしてアルバムも締めくくる FATES WARNING 史上最も野心的な1曲は、波打つような音楽のバラエティーと豊かなエモーションをリスナーへと届けるでしょう。
今回弊誌では、さらに表現力を増したようにも思えるボーカル Ray Alder にインタビューを行うことが出来ました。バンドは今年、名作 “Awaken The Guardian” リリース時のラインナップでリユニオンショーも行っています。どうぞ!!

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FATES WARNING “THEORIES OF FLIGHT” 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SUBROSA : FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH REBECCA VERNON OF SUBROSA !!

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Minnesota Based Dramatic-Doom Quartet, SubRosa Has Just Released Beautiful, Magnificent Masterpiece “For This We Fought the Battle of Ages”!!

DISC REVIEW “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES”

ソルトレイクシティの Dramatic-Doom マスター、SubRosa が自身の最高到達点 “For This We Fought the Battle of Ages” をリリースしました!!一世紀も前に書かれた SF ディストピア小説にインスピレーションを得て制作されたアルバムは、バンドのアイデンティティーである Dramatic-Doom のスケールを一層高めた、様々な音楽ファンに愛されるマイルストーンとなるでしょう。
SubRosa は Doom Metal バンドには珍しく、女性ボーカル Rebecca Vernon のミスティックな歌唱を中心に据えています。加えて、Sarah Pendleton と Kim Pack のダブルヴァイオリンとアディショナルボーカルが唯一無二の美麗な Doom を創出しているのです。
ALCEST や DEAFHEAVEN を見れば分かる通り、近年、メタルに “Beauty”, “Atmosphere” を持ち込む、才気溢れるバンドが注目を集め、シーンの限界を押し広げていますが、SubRosa のユニークなラインナップが生み出す手法、冒険、マジックは中でも際立っていると言えるでしょう。
インタビューにもある通り、”For This We Fought the Battle of Ages” はロシアの反体制活動家 Yevgeny Zamayatin の著書 “We” に触発された作品です。当時のソヴィエト初期社会主義時代の、閉塞された状況を描き揶揄したディストピア小説は、しかし、政府による管理、監視、支配という、実は現代社会が抱える問題に読み解くことも可能です。SubRosa はその命題を、人生、死、自由、愛といったテーマを与えた楽曲を通して、エピカルに、ドラマティックに、そしてドゥーミーに描いているのです。
アルバムオープナー、15分半のエピック、”Despair Is a Siren” は深化したバンドを象徴するような1曲です。Doom という特性上、勿論、長くなりがちな楽曲ですが、しっかりとストーリーやシーンを描写する彼女たちにとって、この長さは意図してデザインされた SubRosa’s Way。
静寂が支配するイントロとラウドで実験的なパートの対比が生むボリューム、テンポのダイナミクス、見事にレイヤーされたトリプルボーカルの魔術、そしてデュエットの如くメロディーとカウンターメロディーを行き来する、複雑で美麗なボーカルとヴァイオリン。バンドのトレードマークとも言える要素が、寄せてはは引く波のように揺らぎつつ、リスナーへと届きます。同時に、六拍子とリズムにフォーカスしたディストーションギターが交わり流れ出すカオスの潮流は、SubRosa が NEUROSIS 以来脈々と繋がる Experimental Metal の落胤であることを主張していますね。
アルバムの中心に据えられた “Black Majesty” も同様に15分を超える大曲。東洋的とも感じられるエスニックでエモーショナルなヴァイオリンが先導する、プログレッシブで極上の展開美を誇るこのエピックにおいて、Rebecca は “Isn’t it beautiful?” とリスナーに問いかけます。その1節、歌声からは “Doom Metal だけど美しいでしょ?” という自負心、アイデンティティーが強烈に伝わりますね。
後半の BLACK SABBATH meets GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR とでも形容したくなるパートでは、リズム隊を中心に、群を抜いたバンドアンサンブルを聴かせることも記して置くべきでしょう。
また、”Il Cappio” では Rebecca の多彩な一面を覗かせます。バンジョーと共に紡がれるリリックは何とイタリア語。囁くようにスイートなトーンで歌う新しいアプローチにより、陰影を帯びた切なくもフォーキッシュな楽曲は、続く “Killing Rapture” の完璧なプレリュードとして機能していると共に、作品の素晴らしいアクセントとして色を添えています。
ドラマティックでプログレッシブ。”美”にとことんまで拘り、”戦い”抜いた野心的な “For This We Fought the Battle of Ages” は、まさにモダンメタル、Experimental Metal, Post-Doom / Sludge の最新型、金字塔として、凛然と輝く名作に仕上がりました。今回弊誌では、バンドの創立メンバーで、ボーカル/ギター、無数の声を使い分ける才女 Rebecca Vernon にインタビューを行うことが出来ました。日本初取材です!どうぞ!!

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SUBROSA “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KANSAS : THE PRELUDE IMPLICIT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PHIL EHART OF KANSAS !!

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Legend Is Back!! The Throne Of US Prog Rock, Kansas Has Just Released Their New Masterpiece “The Prelude Implicit” For The First Time In 16 Years !!

DISC REVIEW “THE PRELUDE IMPLICIT”

US Progressive Hard の始祖にして、アメリカにプログロックを根付かせた英傑 KANSAS が何と2000年以来16年振りの新作 “The Prelude Implicit” をリリースしました!!
オリジナルメンバー、シンガー、メインソングライター、つまりはバンドの顔であった Steve Walsh の脱退と、3人の新メンバー加入を経てリリースされた作品は、新たな生命を得たかのような瑞々しさと自信に満ちています。
新しいフロントマン/キーボーディスト、Ronnie Platt の歌唱は、間違いなく作品に強い生命力を与えています。映画 “Rock Star” のように、全く無名だった Lombard のカバーバンドのシンガーは、突如、自身も敬愛するプログレジェンド KANSAS のフロントマンに抜擢されました。そして、JOURNY の Arnel Pineda のように、そのチャンスを見事ものにしたのです。
「僕のゴールは Steve の代わりになることじゃないよ。それは誰にも不可能だからね。だけど、KANSAS の品位を保っていく責任はあるんだよ。」と語る彼のパフォーマンスは、Steve へのリスペクトを提示しながらも、若さと推進力を伴い実に魅力的。
特に、”The Unsung Heroes” での歌唱は傑出しています。インタビューでも語ってくれたように、国のために死んで行った戦士たちへの鎮魂歌は、普遍的なアメリカンシャッフルを、中間部のギター/ヴァイオリンのアンサンブルが素晴らしいとは言え、ほぼ歌唱のみで名曲の域まで高めているという点において、JOURNY の “Lovin’, Touchin’, Squeezin'” と通じるものを感じます。発する極上のエモーションと、凄まじいレンジのハイノートは Walsh の代役以上の個性を間違いなく発揮していますね。
新ギタリスト Zak Rizvi の貢献にも触れておくべきでしょう。共同プロデューサー、共同ライターとしてもクレジットされた彼の才能は、今回インタビューを受けていただいた Phil と2人きりとなったオリジナルメンバーで、長年バンドを支えてきた隻眼のギタリスト Rich Williams をも充分に刺激したようで、”The Prelude Implicit” では、”Masque”, “Leftoverture” 期のようなスリリングなリフを存分に味わうことが出来ますね。
“Visibility Zero” にはまさにその成果が結実しており、こちらも新メンバー、David Manion がもたらすプロギーなハモンドサウンドとギター、そして勿論 KANSAS を象徴する楽器、ヴァイオリンのトリプルデュエルが無上のスリルを生み、70年代中期の KANSAS をイメージさせつつ、よりヘヴィーな現在のサウンドを提示しています。
さらに、プログレッシブという観点から見れば、8分の大曲 “The Voyage of Eight Eighteen” は KANSAS のプログサイドを象徴する楽曲です。多数のマルチプレイヤーが存在することで可能になる濃厚かつ重厚なサウンド、プログロックらしい変拍子やキメの美学、そしてかつてのユーロプログに対するUSからの憧れが、ヴァイオリンを使用したフォーキッシュなメロディーとして表層化した結果、あの “The Pinnacle” を超えるような新たな名曲として仕上がりました。現役プログロックバンドとしての矜持を見事に示したと言えますね。
勿論、KANSAS と言えば、”Carry On Wayward Son” や “Dust In the Wind” のような POP センスも重要な1面ですが、今作はボーカルメロディーがアルバムを通してカラフルかつ非常に充実しており、コンパクトな “Summer” はキャッチー極まりないメロディックハードソングですし、”Crowded Isolation” の哀愁も深く胸に染みます。
傑作 “Leftoverture” 40周年に、堂々たる王者の帰還です。Anderson / Stolt の “Invention of Knowledge” と双璧を成す、今年の Masterpiece of Prog Rock だと信じます。今回弊誌では、ダイナミックなドラミングで作品のエンジンとなった、オリジナルメンバー Phil Ehart にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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KANSAS “THE PRELUDE IMPLICIT” : 10/10

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