THE 100 BEST MODERN METAL ALBUMS OF THE DECADE: 2010 – 2019


THE 100 BEST MODERN METAL ALBUMS OF THE DECADE: 2010 – 2019 

1: GOJIRA “MAGMA” (2016)

音源の試聴はもちろん、音源を流せる動画でのレビューや分析、インタビューがどんどんその勢力を拡大している音楽世界で、活字に残された場所はもはやストーリーや背景を伝えるという使命のみにも思えます。
ストーリーは音楽を聴くだけでは伝わりません。弊誌がモダンメタル=多様性と主張し続けるのも、メタルの今に音楽的な多様性だけではなく人種、性別、地域、宗教を超えたエクレクティックな文化、世界が勃興しつつあるからです。マイノリティーの逆襲と言い換えても良いかもしれませんね。そこに環境問題や政治的な主張を織り込むアーティストも多いでしょう。
故に、メタル先進国とは言えないフランスから現れ、その是非はともあれ環境問題に立ち向かい、プログ、デス、スラッジ、マス、トライバルの稜線を闊歩する GOJIRA は、弊誌がそのストーリーを最も伝えたいアーティストだと言えました。
コンパクトな43分という作品でフォーカスされたのは、エモーションとアトモスフィアを前面に押し出した、キャッチーさとアート性の共存。MASTODON やBARONESS もチャレンジしていますが、芸術性とコマーシャリズムの融合という点でこの作品を超えるモダンメタルのレコードはないと断言出来るように思います。

2: DEAFHEAVEN “SUNBATHER” (2013)

新世界との “クロスオーバー” は、2010年代のメタルバンドにとって重要な成功のための条件でした。 メタルに似つかわしくないピンクのアートワークを纏った “Sunbather” は、完璧なタイミングでブラックメタルとシューゲイズの深き海溝に橋を掛けた “クロスオーバー” の先鋭です。
DEAFHEAVEN の雄弁に交差する激情と音景の二律背反は、ブラックゲイズ、ポストブラックと称されるムーブメントの核心となり、インディーロックのリスナーまでも惹きつけましたが、一方でブラックメタルの信者からはそのルックスも相俟って無慈悲な反発も少なからず招きました。
ただし7年の時を経て顧みれば、そこには拡大する宇宙となったブラックメタルにとって美しきビッグバンにも思える桃色の陽火が崇高に、超然と此方を眺めているだけでしょう。

3: VENOM PRISON “SAMSARA” (2019)

「私は “フィーメールフロンテット” って言葉が好きじゃないの。だってこの言葉はただフロントを務める人物のジェンダーのみによって、サブジャンルのようなものを形成してしまうから。その女性ボーカルを擁するバンドたちが生み出す音楽関係なしにね。」
これまで虐げられてきたシーンに対するリベンジにも思える女性の進出は、2010年代のモダンメタルにとって最大のトピックの一つでしょう。
VENOM PRISON の牙は上顎にデスメタルを、下顎にハードコアの “毒” を宿した音楽の鋭き牙。そうしてセクシズムやミソジニーのみならず、彼らは負の輪廻を構築する現代社会全域に鋭い牙を向けるのです。
“クロスオーバー” の観点から見れば、CODE ORANGE や VEIN がハードコアとメタルの禍々しき婚姻をハードコア側のプロポーズで成立させたのに対し、VENOM PRISON はデスメタルの血統で見事にクロスオーバーの美学を体現してみせました。当然、両者の凶悪なマリアージュ、さらに英国の復権も2010年代を象徴する混沌でした。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

4: GHOST “PREQUELLE” (2018)

近年、MASTODON, VOLBEAT, Steven Wilson, PALLBEARER, Thundercat、さらに2018年は GODSMACK, ALICE IN CHAINS, DISTURBED, SHINEDOWN など様々なジャンルの旗手とも呼べるアーティストが “ポップ” に魅せられ、レガシーの再構築を試みる動きが音楽シーン全体の大きなうねりとして存在するように思えます。当然、邪悪とポップを融合させた稀有なるバンド GHOST もまさしくその潮流の中にいます。
「JUDAS PRIEST はポップミュージックを書いていると思う。彼らはとてもポップな感覚を音楽に与えるのが得意だよね。PINK FLOYD も同様にキャッチー。ちょっと楽曲が長すぎるにしてもね。」
Tobias のポップに対する解釈は非常に寛容かつ挑戦的。さらにモダン=多様性とするならば、70年代と80年代にフォーカスした “Prequelle” において、その創造性は皮肉なことに実にモダンだと言えるのかもしれません。実際、アルバムにはメタル、ポップを軸として、ダンスからプログ、ニューウェーブまでオカルトのフィルターを通し醸造されたエクレクティックな音景が広がっているのですから。

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

5: YOB “OUR RAW HEART” (2018)

2010年代の記憶から、ドゥーム/スラッジの “スロウバーン” な台頭を切り離すことは不可能です。オレゴンの悠久からコズミックなヘヴィネスと瞑想を標榜し、ドゥームメタルを革新へと導くイノベーター YOB。
バンドのマスターマインド Mike Scheidt は2017年、自らの終焉 “死” と三度対峙し、克服し、人生観や死生観を根底から覆した勝利の凱歌 “Our Raw Heart” と共に誇り高き帰還を遂げました。
「死に近づいたことで僕の人生はとても深みを帯びたと感じるよ。」と Mike は語ります。実際、”楽しむこと”、創作の喜びを改めて悟り享受する Mike と YOB が遂に辿り着いた真言 “Our Raw Heart” で描写したのは、決して仄暗い苦痛の病床ではなく、生残の希望と喜びを携えた無心の賛歌だったのですから。
ゆえに、蘇った YOB の作品を横断するスロウバーン、全てを薙ぎ倒す重戦車の嗎は決して怒りに根ざしたものではありません。むしろそれぞれの人生や感情を肯定へと導くある種の踏み絵、あるいは病室で眺望と光陽を遮っていたカーテンなのかも知れませんね。結果として YOB はドゥームに再度新風を吹き込むこととなりました。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

6: PERIPHERY “PERIPHERY” (2010)

10年代の前後、Djent はエクストリームミュージックの世界に突如、爆発的に勃興したマスマティカルテクニカルなムーブメントです。MESHUGGAH, SikTh, 新進の “スメリアンコア” などが育んだシンコペーティブで技術的に洗練されたプログレッシブサウンドに、よりアクセシブルにフィルタリングをかける実にエキサイティングな “再発明”。そのリノベーションを担った第1世代こそ CLOUDKICKER, ANIMALS AS LEADERS の Tosin, そして PEPIPHRY の Bulb こと Misha Mansoor でした。
“Nerd” と呼ばれる所謂 “オタク” 文化と密接に繋がりを持ったことも革新的で、レコーディング技術の進歩により自宅でプロフェッショナルな音源を製作する “ベッドルームミュージック” DIY の台頭にも大きな役割を果たしました。
2010年代初頭、シーンを席巻したテクニカルな波。しかし、多くのトレンド、サブジャンルと同様に、Djent はしばらく後、飽和状態を迎え減退期を迎えます。
ただし、歴戦の猛者 Anup Sastry が 「Djent とは、どちらかと言えば、プログメタルというもっと大きな傘の中で探求を続ける、また違った推進力になったと思えるね。」 と語るように、オリジネーター PERIPHERY が “Periphery IV: Hail Stan” で証明したように、Djent はその根を地下へと這わせながら、モダンメタルの核を担っているのです。

7: ZEAL & ARDOR “STRANGER FRUIT” (2018)

過酷な奴隷制、差別の中から産声を上げた嘆きと抵抗、そして救いを包含するゴスペル、ブルース、ソウル。スピリチュアルで魂宿る黒人音楽をエクストリームメタルへと織り込み、刻下の不条理を射影する ZEAL & ARDOR はヘヴィーミュージック未踏の扉を開く真なる救世主なのかもしれません。
「 “ブラック” メタルと “黒人” 音楽をミックスしてみろよ。」その人種差別主義者からの言葉は、アフロ-アメリカンの血を引くアーティスト Manuel を掻き立てるに十分の悪意を纏っていました。
そうして Manuel は、”もし黒人奴隷がイエスではなくサタンを信仰していたら?” をコンセプトにブラックメタルとスピリチュアルを融合し、ZEAL & ARDOR を完成へと導きました。つまり、エクストリームミュージックにとって肝要な未踏の領域への鍵は、皮肉にも人種差別主義者に対する究極の “Fxxk You” だったと言えるのです。そして当然、そのスピリットはマイノリティーの逆襲、モダンメタルのスピリットともシンクロしています。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

8: ROLO TOMASSI “TIME WILL DIE AND LOVE WILL BURY IT” (2018)

「MOL や CONJURER といったバンドはモダンメタルの最前線にいるよ。」エクレクティックを御旗に掲げる Holy Roar Records の躍進は、英国メタルの復権と合わせて2010年代後半のビッグトピックでした。そして、発言の主 James Spence は妹と Eva とレーベルの理念を最も体現する ROLO TOMASSI を牽引しています。
デビュー作 “Hysterics” から10年。バンドは常に再創造、再発明によるコアサウンドの “羽化” を続けながら、気高き深化を遂げて来ました。シンセ-レイドゥンのデジタルなマスコアサウンドから旅立つ分岐点、ターニングポイントは “Grievances”。アグレッションやマスマティカルな理念はそのままに、より有機的でアトモスフェリックな方法論、パッセージを導入したアルバムは、仄暗い暗澹たる深海に息継ぎや空間の美学を投影したユニークかつ思慮深き名品に仕上がったのです。
一方で、”Time Will Die and Love Will Bury It” は闇に際立つ光彩。時に悪魔にも豹変する Eva Spence のスイートサイド、エセリアルに漂う歌声は実際、奔放かつ痛烈なマスコアにシューゲイズやエモ、インディーロックを渾融する彼らの新たなレジスタンスを想像以上に後押ししているのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

9: PALLBEARER “FOUNDATIONS OF BURDEN” (2014)

アーカンソーのドゥームカルテット PALLBEARER は、セカンドアルバム “Foundations of Burden” で鬼才 Billy Anderson と出会った瞬間、有望な若手の一団から突如としてフォワードシンキングなシーンのペースセッターへと進化を果たしました。バンドのトラディショナルでカルトなコンポジションはより洗練され、現代的なアトモスフィアをプログレッシブなセンスに添えて具現化する先進的なドゥームバンドへと変化を遂げたのです。
ドゥーム世界の DEAFHEAVEN にも思えるその異形は、後に “Heartless” でキャッチーなメロディーの洪水に重なるプログレッシブドゥームな誘惑を具現化し、MASTODON とも共鳴するメインストリームへの挑戦を企てました。

10: HAKEN “THE MOUNTAIN” (2013)

英国の誇り、プログレッシブ最後の希望 HAKEN がレトロフューチャーな音のタイムマシンを追求し始めたアルバムこそ “The Mountain” でした。
「僕に関して言えば、”YES-90125″、”RUSH-Signals”、”GENESIS-Duke”、”KING CRIMSON-Discipline” といった作品とは多くの共通点があると思うね。」
80年代のポップカルチャーを胸いっぱいに吸い込んだ “Affinity” で Ross Jennings はそう語ってくれましたが、よりエピックを志向したドラマティックな “Mountain” では古のプログレッシブな息吹を一層その身に宿していたのです。
「Djent はメタルシーン、そしてギター界にとっても重要なムーブメントだよね。MESHUGGAH や KILLSWITCH ENGAGE のようなバンドは全てのジャンルにその影響をタペストリーのように織り込んでいるんだよ。その影響は、今日、ミュージシャンとしてやっている僕たちを形成してくれているんだ。」
そこに交差するは近代的なグルーヴと設計図。時代の架け橋となった HAKEN は、特有のメロウな旋律を伴ってプログの遺伝子を受け継いでいくのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

11: CHELSEA WOLFE “BIRTH OF VIOLENCE” (2019)

フォーク、ゴス、ポストパンク、インダストリアル、メタル…2010年、デビューアルバム “The Grime and the Glow” を世に放って以来、Chelsea Wolfe はジャンヌダルクの風姿で立ち止まることなく自らの音の葉を拡張し続けてきました。10年続いた旅の後、千里眼を湛えたスピリチュアルな音求者は、本能に従って彼女が “家” と呼ぶアコースティックフォークの領域へと帰り着いたのです。”目覚め始めるレコード” において鍵となるのは女性の力です。
「そろそろ白か黒か以外の考え方を受け入れるべき時よ。”ジェンダー” の概念は流動的なの。そして全ての種類の声を音楽にもたらすことで沢山の美しさが生まれるのよ。今まさにその波が押し寄せているの!素晴らしいわ!」
長い間会員制の “ボーイズクラブ” だったロックの舞台が女性をはじめとした様々な層へと解放され始めている。その事実は、ある種孤高の存在として10年シーンを牽引し続けた女王の魂を喚起しインスピレーションの湖をもたらすこととなったのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

12: JINJER “KING OF EVERYTHING” (2016)

「時に穏やかで平穏。だけど時に人々は何かが起こるのをただ待っている。今現在、少なくとも爆撃はされていないわ。それは良い事ね。」
アイコニックな女性をフロントに抱き、多様性を音楽のアイデンティティーとして奉納し、ウクライナという第三世界から登場した JINJER は、実はその存在自体が越境、拡散するモダンメタルの理念を体現しています。テクニカルなグルーヴメタルに Nu-metal と djent の DNA を配合し、R&B からジャズ、レゲエ、ウクライナの伝統音楽まで多様な音の葉を吸収した JINJER のユニークな個性は全てを変えた “King of Everything” から本格化へ転じたと言えるでしょう。
比較するべきはもはやメタル世界最大の恐竜 GOJIRA でしょうか。それとも MESHUGGAH? 音楽、リリックのボーダーはもちろん、メタファーではなく実際に険しい国境を超えた勇者 JINJER の冒険はまだ始まったばかりです。

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

13: ANIMALS AS LEADERS “THE JOY OF MOTION” (2014)

Tosin Abasi, Javier Reyes, Matt Garstka のマエストロ3名は、プログレッシブミュージックを新たなチャプターへと導きました。2010年代前半、津波のように押し寄せたテクニカルな波は、絶対的に Tosin Abasi のビジョンや新技術に端を発していました。しかし震源地 ANIMALS AS LEADERS をもはやその Djent という枠のみで括ることは難しいでしょう。
拍子やテンポの変化、複雑でヘヴィーなグルーブは彼らにとってイマジネイティブな楽曲を生み出すツールの一つに過ぎません。作品を彩るユニークで魅力的なテーマ、効果的なエレクトロニカサウンド、アンビエントなパッセージに驚異的なリードプレイ。”The Joy of Motion” はあらゆる面でモダンプログのランドマークとなるレコードです。

14: SVALBARD “IT’S HARD TO HAVE HOPE” (2018)

越流するエモーションをプロテストミュージックへと昇華し、英国ブリストルから咆哮を貫く至宝 SVALBARD。熾烈なメタル/ハードコアにポストロックの叙情と風光、ポストメタルの思索と旅路を織り込みさらなる多様化の波動を導いた新作 “It’s Hard to Have Hope” はシーンの革新であり、同時に閉塞した世界が渇望する変化への希望です。
確かに “It’s Hard to Have Hope” は怒れるアルバムで、中絶、性的暴力、リベンジポルノ、インターンシップの無賃雇用など不条理でダークな社会問題をテーマとして扱っています。女性フロントマンとして Serena が長年メタルシーンで苦しんできたハラスメント行為の数々も、作品の持つ怒りの温度を “フェミニストのメタルアルバム” の名の下に上昇させていることは明らかです。
とはいえ、この類稀なる感情と表情の結晶が、唯一怒りにのみ根ざすわけではないこともまた事実でしょう。実際、Serena はこの作品の目的が “人々にこういった社会的不公平を伝えるだけではなく、なぜそういった問題が起き続けるのか疑問を投げかけることだった” と語っています。「誰が正しいのか互いに主張し合うのを止めてこう尋ねるの。一緒に前進するために何ができるだろう?より良き変化のためお互い助け合えないだろうか?とね。」とも。
そうして世界のターニングポイントとなるべくして示現した “It’s Hard to Have Hope” に、一筋の光明にも思える尊きアトモスフィア、荘厳なる音の風景がより深く織り込まれていることはむしろ当然の進化だと言えるでしょう。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

15: ALCEST “LES VOYAGES DE L’AME” (2012)

「以前とは比較にならないほどコンセプトを推し進めた。だからこの異世界的で、ドリーミーな音楽が生まれたんだ。とても複雑かつプログレッシブなやり方でね。」
ALCEST をブラックメタルと呼ぶ事に長い間葛藤を抱いていた Neige。もちろん、ブラストビートやトレモロアタックは “基盤” ですが、それでも繊細で愛情さえこもったディティールとムードへの拘りは30年前ブラックメタルが生まれた時代には想像も及ばなかった創造的成果であり、ジャンルに対するある種のクーデターでしょう。そもそも Neige はメタルファンがダークなサウンド、イメージに惹かれる理由さえ当初は理解さえしていませんでした。
「全然理解できなかったんだよ。なぜいつもダークである必要があるんだい?だからこそ ALCEST のファーストアルバムが出た際に大きな論争を呼んだんだ。なんでメタルなのにブライトで繊細なんだ?ってね。ただ僕は憎しみに触れたくなかっただけなんだけどね。そこに興味が持てないから。それでも今でもオールドスクールなブラックメタルはよく聴くんだ。ただ最近のブラックメタルバンドはちょっと怠惰だと思うよ。ブラックメタルの慣習に従い、紋切り型の演奏を披露しているだけだからね。残念だよ。」

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

16: MESHUGGAH “THE VIOLENT SLEEP OF REASON” (2016)

MESHUGGAH はモダンメタル、エクストリームミュージックの帝王でありパイオニアです。Djent は勿論、Jazz/Fusion を取り入れた Instru-metal, より数学的な要素にフォーカスした Mathcore などそのポリリズミックでローチューンドなヘヴィーサウンドが後続に与えた影響は計り知れません。
“The Violent Sleep of Reason” において、メカニカルで精密に計算されたグルーヴを、率直で生々しいプロダクションで包み込んだ理由。それはアルバムのコンセプトに通じます。”危険な睡眠状態” とは、世界中で起きている無慈悲なテロリズムに対して、何ら行動を起こさない一般の人々を指しています。MESHUGGAH が作品に有機的な感覚、エモーションを強く取り入れたのは、世界の人たちにに手を挙げて欲しい、テロリズムと戦わなければならないというメッセージでもあるのです。
ダイナミックで、インテンスに溢れ、エナジーに満ちたレコードで MESHUGGAH はその価値を再度証明しました。この作品を受け止める私たちには何が出来るでしょうか?

17: BARONESS “PURPLE” (2015)

「全ては色相環、カラーホイールから始まったんだ。」
アートメタルを切り開く BARONESS のフロントマン John Baizley は、色彩をテーマとしたアルバムタイトル、アートワークの起源をそう明かします。赤、青、黄緑、紫と色を紡ぎ続ける音画家は、プログ、スラッジ、サイケデリック、エレクトロニカ、マスロック、インディーロックとサウンドにおいてもカラフルを極めストーナー/スラッジ台頭の旗頭となったのです。
”hipster metal” “通好みのメタル” などと懐柔的にもとられていた BARONESS が、10年間、4枚のアルバムを経てメタルワールドの盟主にまで登り詰めたことには理由がありました。
SLEEP や KYUSS、そしてもちろん BLACK SABBATH の血を引きながら、彼らは決して最高にヘヴィーでも、最高にスロウなバンドでもありません。当然、最高にファストでも、最高にキャッチーでも、もしかしたら最高にクールなバンドでもないのかも知れませんね。
ただし、彼らは時にヘヴィーに、時にスロウに、時にファストに、時にキャッチーに、時にクールに変化する最高にビッグな変幻自在の化け物だったのです。

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

18: KARNIVOOL “ASYMMETRY” (2013)

“Sound Awake” で Nu-metal の重厚と TOOL の知的探求を交差させ、一躍メタル世界の中心に躍り出たオーストラリアの寵児は、”Asymmetry” で浮遊するアトモスフィアを体全体で受け止め、さらにその場所から深化を遂げてポストプログレッシブの牽引者となりました。
その音の葉は、TesseracT, RIVERSIDE, PINEAPPLE THIEF とも共鳴しながら、2010年代プログレッシブのイメージとなっていくのです。

19: CONVERGE “THE DUSK IN US” (2017)

ボストンのマスコアレジェンド CONVERGE は、四半世紀に渡って不安と恐怖、そして怒りをその獰猛な音楽に封じ込めその強固な影響力を保ち続けています。そして勿論、そのキャリアの前半では、数学的なブルータリティーを存分に発揮しましたが、しかし近年ではグルーヴやアトモスフィアを発見し、よりインテンスと多様性を備えたようにも思えます。事実 Bannon は、「僕たちはとても人間味のあるバンドで、楽曲はいつだって現実の経験に基づいているんだ。」 とそのハードコア精神を語っています。
“The Dusk In Us” で、バンドはかつてのクラッシックサウンドをキャプチャーしながら、アーティストとして更なる進化を遂げています。彼らの中に映る “Dusk” “夕暮れ” とは、おそらくバンドとしての成熟を示唆しているとも解釈出来ますね。ブルータルでしかし美しきモンスターレコードは、闇と希望、不快感と恍惚、そしてカリスマティックな威厳をリスナーへと運ぶのです。

20: MASTODON “EMPEROR OF SAND” (2017)

00年代、スラッジ/ストーナー革新の首謀者であったアトランタの巨人 MASTODON が “The Hunter”, “Once More Round the Sun” で舵を切ったメインストリームへの接近、ラジオフレンドリーなアプローチは、確かに新たなリスナーを獲得する一方で、それ以上に長年バンドへ忠誠を捧げてきたダイハードなファンを失う結果となりました。
一握りの称賛と山ほどの批判を背に受けてリリースしたコンセプトアルバム “Emperor of Sand” は、結果としてメインストリームとルーツ、ポップとプログレッシブの狭間で揺蕩う完璧なバランスを実現することとなりました。それは多様性の海に溶け込むイヤーキャンディー。
バンドは変化を遂げ成長を続けて行くものです。MASTODON は確かな進化の証を刻みつつ、バンドが失ったかに思われたロマンを取り戻すことに成功しました。それ以上に重要なことがあるでしょうか?ロックの根幹はロマンなのですから。

21: BEHEMOTH “THE SATANIST” (2014)

アートワークをフロントマン Nergal の血で描いた BEHEMOTH の傑作 “The Satanist” を理解するには、誇り高き彼のポーランド政府との、そして白血病との戦いを掘り下げる必要があるでしょう。
ステージでの聖書に対する冒涜で起訴され、ポーランドのポップスターと浮名を流し、癌で死に直面する。そうした全ての出来事は、2011年のポーランドの選挙と相まって、Nergal を母国で最も中傷的で物議を醸す公人へと変えました。
「分断と帝国化。それがポーランド政府の念願だ。彼らは敵を必要とし、スケープゴートを必要としている。俺は彼らのお気に入りのスケープゴートと敵なんだよ。」
“The Satanist” はそうした障害や戦いを乗り越える自己啓発と忍耐の表れでした。
「オリジナリティーなんてものは俺の辞書には存在しない。だけど俺はアートのユニークさを信じているし、唯一無二の個性も信じているんだよ。」

22: LINGUA IGNOTA “CALIGULA” (2019)

「世界に正義を見出すこと、私を傷つけた人間に責任を見出すことにずっと苦労してきたの。だから音楽は奴らに責任を負わせ、正義を見つける私のやり方なの。私なりの復讐なのよ。」
家庭内暴力、虐待の生還者 Kristin Hayter のパワフルな言葉です。そして彼女の受けた恐ろしき痛みと攻撃性は、オペラからノイズ、インダストリアル、フォークに教会音楽、スピリチュアル、そしてメタルまで全てを渾淆した婀娜めきのプロジェクト LINGUA IGNOTA に注がれています。
マイノリティーの逆襲、虐待というタブーに挑む女性アーティストは今後増えて行くはずだと Kristin は語ります。事実、SVALBARD はリベンジポルノを糾弾し、VENOM PRISON は代理出産やレイプについて叫びをあげているのですから。
「どれだけの人が女性を嫌っているか、どれだけ世界が女性を嫌っているか知れば知るほど、”サバイバー” として他の女性への責任を感じるの。これからどこに行くのでしょうね?だけど最も重要なことは、リアルであり続けること。だから音楽を作ったり、暴力について語る必要がなくなればそうするわ。永遠に虐待の被害者になりたくはないからね。」

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

23: CODE ORANGE “FOREVER” (2017)

2017年、CONVERGE の名将 Kurt Ballou が手掛けた “ノイズ三部作” とも言える、ENDON, FULL OF HELL, そして CODE ORANGE の作品の中で、最も普遍的な魅力を備えるのが本作なのかも知れませんね。実際、彼らはそれ程大胆なアプローチを志向している訳ではありません。ハードコアとメタルのクロスオーバーらしく、細やかにテンポチェンジ、ストップ&ゴーを繰り返す強烈なリフワーク。シャウト、グロウル、そして女声のトリプルボーカルが生み出すカオスの濁流。不穏や無慈悲なアトモスフィアを演出するエレクトロノイズはあくまで隠し味。
しかし、そういったバンドがデフォルトとするデザインは、非常に豊富なアイデアと深く練られたコンポジションによりフックと中毒性に満ち溢れた音の暴力へと形を変えるのです。彼らの予測不能な危険は、有機体のようなしなやかさとインテリジェンスを備えます。
NINE INCH NAILES や RAMSTEIN の登場に例える識者が多いことにも納得ですね。

24: LEPROUS “MALINA” (2017)

プログメタル、アヴァンギャルド、オルタナティブにポストハードコアと作品ごとにフォーカスするサウンドテーマを変転させつつ、巧みに Djent やポスト系、ブラックメタルの要素も取り入れ多様なモダンプログレッシブの世界観を構築して来たバンドは、しかし同時に Einar の絶対的な歌唱を軸とした仄暗く美麗なムードをトレードマークとして近年掲げています。
2010年代最高のプログメタルオペラとなった “Coal” の後、彼らはより “硬質” でデジタルな作品 “The Congregation” をリリース。そしてメタリックな音像、正確性と複雑性を極めたバンドが次に “Malinar” で見据えた先は、よりオーガニックでナチュラルなサウンドとジャンルの破壊でした。
「僕たちは典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。」 様々な要素、テクニックが “オーガニック” というキーワード、そして哀切のストーリーに注がれた純然たる “ロック” の傑作は、同時にキャッチーなメロディーと複雑でスタイリッシュなコンポジションを両立させた時代の象徴でもあります。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

25: POWER TRIP “NIGHTMARE LOGIC” (2017)

2017年、IRON REAGAN と共に大きな話題を攫ったクロスオーバーツインズの片割れ POWER TRIP が “Nightmare Logic” で残した印象は強烈でした。スラッシュメタル、ハードコア、パンクを股に掛け、正々堂々と正面突破を挑むそのアティテュードはあまりにエキサイティング。
麻薬中毒や製薬業界のスキーム、宗教的汚職など様々なトピックに本気で中指を立てながら、歌詞のパワーを楽曲のエネルギー、突進力へと伝導するバンドの気概にはただただ脱帽です。

26: NE OBLIVISCARIS “PORTAL OF I” (2012)

2010年代、オーストラリアは多様なオルタナティブ/プログの新天地として大きな飛躍を遂げましたが、その象徴的存在が NE OBLIVISCARIS でした。メロディックデスメタルのロマン、ブラックメタルのダークな審美、OPETH や CYNIC のプログレッシブな感性、そしてヴァイオリンのクラシカルな調べ。絶対的にミステリアスで知的な “Portal of I” は2010年代前半、メタル世界のムードをある種代弁していたと言えるでしょう。
もちろん、この10年を代表するプロデューサー Jens Bogren のスタイルを表象するレコードであるとも言えますね。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

27: DEFTONES “KOI NO YOKAN” (2012)

DEFTONES の情熱的な “恋の予感” は、”Saturday Night Wrist” のロマンとアトモスフィアを、”Diamond Eyes” で採用し始めたヘヴィーギターのテクスチャーと組み合わせたカップリングの妙。当時 Chino Moreno はポストメタルのスーパーグループ PALMS でも仕事をしており、その青々と響き渡るサウンドスケープは知らず知らずのうちにのうちに “Koi No Yokan” へと投影されたのかも知れませんね
“Leathers” や “Tempest” には、エロティックで重苦しい淫夢のような雰囲気が渦巻いています。 実際、Deftonesほど “セクシー” なメタルを作るバンドはなく、中でも “Koi No Yokan” にはロックに潜む奔放な “性” が溢れているのです。

28: CULT OF LUNA “MARINER” (2016)

ポストメタルのパイオニアとして、存在感を保ち続ける CULT OF LUNA が2016年にリリースしたレコードは NYC の女性ボーカル Julie Christmas とのコラボレート作品でした。
宇宙探査をテーマとしたコンセプト作品 “Mariner” は確かにその静と動の見事なコントラスト、美麗なメロディー、シンセサイザーの効果的な使用などアーティスティックな CULT OF LUNA を体現する要素に満ちています。しかし、同時に Julie の時に激しく、時に陰鬱、時にキュートなボーカルがこれまでにはない感覚を作品に生み出しています。
アルバムの最後を飾る15分の “Cygnus” は彼らのマイルストーンである “Vertikal” を想起させる一大絵巻。”2001年宇宙の旅”にインスピレーションを受けたという CULT OF LUNA らしい映画のサウンドトラックのような一曲は、同時に Julie の平穏から混沌を物語る能力により完成を見たとも言えるでしょう。

29: DEVIN TOWNSEND “EMPATH” (2019)

「現在の Devin Townsend が持つ音楽的な興味全てが、一つの場所へ収まったとしたらどうなるだろうか?」
フォーク、シンフォニック、ポップ、プログ、ファンク、ブラックメタル、ジャズ、ニューウェーブ、アメリカーナ、ワールドミュージック、そして EDM。Devin の中に巣食うマルチディメンショナルな音楽世界を一切の制限なく投影したレコードこそ “Empath” です。そして “エンパス” “感情を読み取る者” のタイトルが意味する通り、Devin がアルバムに封じた万華鏡のエモーションを紐解くべきはリスナーでしょう。
「アルバムは、喜びと人々の助けになりたいという思いに根ざしている。楽曲に多様性を持たせたのは、”Empath” “共感”が弱さと捉えられてきた歴史の中で、人生を様々な観点から見る必要性を表現したかったから。僕にとっても長い間狭い場所に閉じ込められていた創造性を解き放ち、恐怖から脱却するためのやり方だったね。多様性が増す時代において、他人の気持ちになって物事を見ることは他者を理解する上で欠かせないプロセスさ。」

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

30: ENDON “THROUGH THE MIRROR” (2017)

エクストリームミュージックの光彩にして特異点。東京から世界を見据えるノイズの狂信者 ENDON がリリースした最新作 “Through the Mirror” は、シーンに “救い” という名の不可逆性をもたらすマスターピース。
「ENDON はメタルという言葉でイメージする音楽の領域を拡大する役目の一端を担っていると思います。言い換えれば私にはメタルの延命措置に関わっているという認識があります。」 と語る彼らの欲望は、残酷なまでに率直です。
ボーカル、ギター、ドラム、そして2名のノイズマニュピレーターを擁する ENDON。ノイズをその多様なソングストラクチャーへ大胆不敵に織り込む彼らの方法論は、エクストリームミュージックの最先端にあると言えます。
ENDON にとってノイズとは “有機性” の象徴なのかも知れません。つまり、音符や調に囚われないノイズは自由な胎動、母性。逆に緻密な楽曲の構築、音楽的な束縛は父性。二性の融合によりフォーカスした『THROUGH THE MIRROR』は、ENDON という稀代のバンドが産み落とした寵児だと言えるのではないでしょうか。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

31: WILDERUN “VEIL OF IMAGINATION” (2019)

「”エピック” はおそらく最も僕たちの音楽を要約した言葉だけど、ただ僕たちの音楽にあるいくつかのより進歩的で実験的な側面をそれでもまだ除外しているように感じるね。」
虚空に七色の音華を咲かせるフォーク-デス-ブラック-アトモスフェリック-シンフォニック-プログレッシブ-エピックメタル WILDERUN は、ジャンルという色彩のリミットを完全に排除してリスナーに名作映画、もしくは高貴なオペラにも似て胸踊るスペクタクルとドラマティシズムをもたらします。
「OPETH の音楽には特に昔の音源でダークな傾向があるんだけど、WILDERUN には常に見過ごされがちな明るく豊かな側面があったと思うんだ。」
時にアートワークから傑作を確信させるレコードが存在しますが、WILDERUNの最新作 “Veil of Imagination” はまさにその類でしょう。アートワークに咲き誇る百花繚乱はそのまま万華鏡のレコードを象徴し、”陽の”OPETHとも表現されるブライトでシンフォニックに舞い上がる華のモダンメタルは、シーンにおける “壮大” の概念さえ変えてしまうほど鮮烈なオーパスに仕上がりました。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

32: THE DILLINGER ESCAPE PLAN “ONE OF US IS THE KILLER” (2013)

THE DILLINGER ESCAPE PLAN 5枚目のアルバムは、雷鳴鳴り響くマスコアマッドネス、技術的に超越したジャズの要素、そして同時に明らかにラジオフレンドリーなイヤーキャンディーの圧倒的な融合でした。そうして、アドレナリンに満ちた創造性と不思議なポップフィールを交差させたマスコアの創始者は、名前の由来である強盗のようにリスナーの心を奪ってシーンから逃走する完全犯罪を犯したのです。

33: TESSERACT “POLARIS” (2015)

「僕たちは勿論、自らを Djent とかメタルだと思ったことはないよ。ただ、全て正直に言うけど、僕たちは自分たちをプログロックバンド以上の存在だと考えているんだよ。」
界隈でも一二の実力を誇る不世出のボーカリスト Dan Tompkins がバンドに復帰。モダンプログを牽引する Kscope からのリリースと万全の体制で制作された本作はロック史に名を残す傑作に仕上がりましたね。
Djent 黎明期から他とは異なりアトモスフェリックなポスト系の音像を強く意識して来た TesseracT ですが、”Alterd State” での成功を経て彼らがたどり着いた超立方体な境地は、Djent がムーブメントとなって以降数多出現したバンドたちを置き去りにするようなまさに Post-Djent な世界観でした 。
バンドの矜持であるグルーヴィーでポリリズミックなリフはそのままに、Kscope が提示する Post-Prog の領域にもさらに大きく踏み込み、彼らにしか表現し得ない極上の音楽を生み出すことに成功しています。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

34: AMENRA “MASS Ⅳ” (2017)

アントワープに聳える大聖堂の如き凛々たる威厳を放つ、ベルギーのポストメタル-ルミナリエ AMENRA。5年振りとなる最新作 “Mass Ⅵ” は、2017年、DREADNOUGHT や CELESTE が先陣を切った、ポストメタル、ドゥーム、スラッジ、そしてアンビエントなポストハードコアを融合させる “スロウメタル” の快進撃を決定付けました。
AMENRA のレコードは全てが “Mass” の名の下にナンバリングされています。”ミサ” の名を冠したバンドの最も重要な典礼儀式は、”ピュアな感情に掻き立てられ” “バンド全員がパワフルな個人的理由を得るまで” 行われることはありません。故に、ある意味祈りを宿した究極にパーソナルな “自己反映” “自己反省” のプラットフォームこそが “Mass” シリーズの正体だと言えるかも知れませんね。
「両親の死、両親や子供の病気、関係の終焉、愛の喪失と剥奪。全てが存在を空虚にしてしまうような経験だよ。」 実際、バンドのマスターマインド Colin は 、今回の “Mass Ⅵ” を制作するきっかけについてそう語ってくれました。”Mass” シリーズで最もヴィヴィッドかつ群を抜いてダイナミックなレコードは、人間の避けがたき悲痛と喪失を深く探求、そして埋葬する41分間なのかも知れません。「真の感情には国境はないんだよ。」

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

35: FALLUJAH “DREAMLESS” (2016)

“Death Metal Revolution” (デスメタル革命) とまで評された出世作 “The Flesh Prevails” から2年。メタル界のメガレーベル、Nuclear Blast に移籍して初の作品は、より美しく、よりキャッチーで、同時にシンセサウンドや女性ボーカルをチャレンジングに取り入れた、多様なモダンメタルを象徴する作品に仕上がりました。
「実は今現在、僕は FALLUJAH を “Tech-Death” だとは全く思っていないんだ。だから、そう呼ばれるのは心外でもあるね。
僕たちは徹頭徹尾メタルバンドなんだけど、アトモスフィアやメロディックな要素によって大きな進化を遂げているんだよ。どの楽曲もエネルギッシュでパワフルでありながら、独自のユニークなエモーションを喚起させるんだからね。」

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

36: BRING ME THE HORIZON “AMO” (2019)

ファンとの間の愛憎劇は、創造性を追求するアーティストならば誰もが背負う十字架なのかも知れません。とは言え、BRING ME THE HORIZON ほど荊の枷にもがき苦しみ、愛憎の海に溺れながら解脱を果たすミュージシャンは決して多くはないでしょう。
BRING ME THE HORIZON は新たなる宿業 “Amo” でラディカルな変革を遂げ、リスナーを文字通り地平線の向こうへと誘っています。それはロック、ポップ、エレクトロ、トランスにヒップホップをブレンドした野心極まる甘露。
しかし「15年経った現在でも、ヘヴィーじゃないとかブラストビートがないことが問題になる。そういった障害を壊し続けて来たんだけどね。」とフロントマン Oli Sykes が NME のインタビューで語った通り、確かにデスコア時代からのダイハードなメタルヘッドに “Amo” は堪え難い冒険だったのかも知れませんね。そういった斬新なアイデアを思いつくのは大抵 Oli だと Lee は証言しています。ではなぜ Oli はメタルのルーツから離れて “背水の” 進化を続けるのでしょうか。その理由は音楽と感情の繋がりを保つためでした。
「だからこそラッパーはほとんど新たなロックやパンクなんだよ。ロックはソフトになってしまった。悲惨で退屈なね。もうエキサイト出来る部分がほぼないんだよ。それ故に、僕らがクロスオーバーすることが重要なんだ。そうすることで、僕たちは音楽がどれだけヘヴィーかで評価する場所じゃなく、ただ音楽が好きな人のいる場所へと属することが出来るんだからね。」

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

37: RIVERS OF NIHIL “WHERE OWLS KNOW MY NAME” (2018)

テクニカルデスメタルのプログレッシブな胎動も2010年代後半におけるビッグトピックの一つでしょう。
テクニカル、メロディック、デスコア、ブルータル。雨後の筍のごとく現れるデスメタルアクトの大半は、エモーションのスペクトルを怒りに起因する狭い領域へとフォーカスし、ある意味では檻の中で固定観念と共に囚われているようにも思えます。
「この作品では、僕たちが期待されているようなサウンドを放棄した。」と Adam が語るように、RIVERS OF NIHIL が “Where Owls Know My Name” で達成した偉業は、真にユニークな感性で鋼鉄の慣習から羽ばたいたその勇気にあると言えるでしょう。
まさにメタルとプログのタイムラインに交差する異形のランドマーク。モダン=多様性とするならばこの作品ほど “モダン” なスピリットを抱いた奇跡は存在しないのかも知れませんね。多様で創造性に満ち、複雑でしかし凄艶な星の一生を目撃するサイエンスフィクションは、BLOOD INCANTATION ともシンクロして時空を行き来するタイムマシンなのかも知れませんね。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

38: ELDER “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD” (2017)

マサチューセッツからストーナー/ドゥームの翼を広げるアートロックバンド ELDER がリリースした、新作 “Reflections Of A Floating World” はロックアートの革命です。
ファジーでスロウ。シンプルなストーナーアクトとしてスタートした ELDER は、プログ/ヘヴィーサイケの方角へと舵を切り、今や最もクリエイティブでアーティスティックなヘヴィーロックバンドと称されています。リスナーに豊潤なアドベンチャーやストーリーを喚起するあまりにシネマティックな作品と、ジャンルを縦横無尽に横断する精神性はその確かな証拠だと言えますね。
レトロとモダン、ヘヴィネスとアトモスフィア、シンプルとマスマティカルを行き来する楽曲のコントラスト、ダイナミズムはまさに唯一無二。インタビューで語ってくれた通り、「より複雑でプログレッシブ」となったアルバムを象徴する起伏に富んだ楽曲は、「音楽を聴いている時、頭の中にストーリーを描けるようなサウンド」として完成を見たのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

39: CATTLE DECAPITATION “MONOLITH OF INHUMANITY” (2012)

ベジタリアンのメタルとして生を受けたサンディエゴのデスグラインドマスター、CATTLE DECAPITATION は、”Monolith of Inhumanity” で、自然愛護の感情を掲げた環境問題のメタルを強固に打ち出しました。
「緑を保とうなんて歌を通して伝えている訳じゃないけど、社会としてどこに向かっているのかは重要だろうな。多くの社会的、政治的バンドが語っているようなことだけど、俺たちはわずかに異なる角度、人道的な角度で物事を見ているんだ。憂鬱で、一方的で、残酷で、不公平な世界をね。そこに答えはないよ。俺たちは問題の提起しか出来ないから。」

40: BELL WITCH “MIRROR REAPER” (2017)

シアトルに居を置くベース/ドラムスのドゥームデュオ BELL WITCH がリリースした、1曲83分の暗重なる叙事詩 “Mirror Reaper” は生と死を投影する難解なるあわせ鏡。
Dylan が 「誰にでも簡単に作れるようなレコードにする必要は全くないと決めたんだよ。楽曲を別々に分けてしまうと、説得力が失われる気がしたんだ。」 と語るように、48分の “As Above” と35分の “So Below” が自然と連続して織り成す構成の進化、常識の破壊は、より妥協のない緻密なコンポジション、Adrian の死に手向けるメランコリックな花束と共に、生と死の安直でステレオタイプな二分法へ疑問を投げかけ、”死のメディテーション” を指標しているのです。
紫煙のヘヴィートリオ SLEEP が1曲が一時間にも及ぶスロウでアトモスフェリックな反芻の集合体 “Dopesmoker” をリリースして以来、ドゥーム/スラッジ/ドローンのフィールドはメタルの実験性を最も反映する先端世界の一つとして、創造性のリミットを解除し、定石を覆しながらその歩みを続けて来ていました。それでも、巨大な絶望、悲哀と、全てを掻き集めても片手で掬い取れるほど希少なる希望を宿す、1曲83分の野心は想像を遥かに超えるサプライズでした。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

41: TRIBUATION “DOWN BELOW” (2018)

“Down Below” の出現で、TRIBULATION を単なるメタルバンドと呼ぶことはこれまで以上に困難となりました。スウェーデンの “ヴァンピリック” カルテットは、今でも誇らしげにコープスペイントで身を包み、ボーカリスト/ベーシストの Johannes Andersson は、地球の深部から悪魔を召喚するほどに邪悪な声で叫んでいます。
しかし、ブラッケンドなデビュー作のリリースから9年間で、TRIBULATION はより繊細で大胆となり、サイケデリック、シューゲイズ、ポストロックの多様でシネマティックな世界へと手を伸ばしました。それでも実にアクセシブルなその音の葉はさながら “トワイライト” でしょうか?TRIBULATION がヴァンパイアを再びクールな存在へ復権させる鍵であることは確かです。

42: KHEMMIS “HUNTED” (2017)

KHEMMIS のデビュー作 “Absolution” は MASTODON と PALLBEARER のちょうど中間に位置するようなモダンなドゥーム/スラッジ作品で、近年活気を得て来たスロウバーンな世界にまた新たな才能が舞い降りたことを知らしめました。
しかし博士号を持つメンバー2人が牽引する、この知的でメタルに忠誠を誓ったバンドが同じ場所へと留まることはありませんでした。デビューフルから僅か15ヵ月で届けられた KHEMMIS の次章 “Hunted” はよりクラッシックロック、トラディショナルメタルの領域へと接近したレコードとなりました。全5曲、44分の作品は全てがロックの美学に捧げられています。
確かにレトロリバイバルの波はメタルシーンにも押し寄せています。ただ焼き直すだけではなくモダンなレンズを通して音楽を見ていることが重要で、興味深いレトロフューチャーなサウンドはこれからさらに拡がりを見せていくことでしょう。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

43: BLOOD INCANTATION “HIDDEN HISTORY OF THE HUMAN RACE” (2019)

「僕たちの音楽、アートワーク、歌詞の主な目標は、人々に先入観を疑わせることなんだ。音楽的にだけじゃなく、概念的にも限界を押し広げることが重要なんだよ。そのため、エイリアンや次元を股にかける存在だけじゃなく、何かにインスパイアされて自分自身の内なる世界を拡大することもまた重要なテーマなんだ。」
宇宙、異次元、エイリアンをビッグテーマに “アストラルデスメタル” の称号を得る BLOOD INCANTATION は、しかし自らの存在や哲学を “サイエンスフィクション” の世界に留め置くことはありません。SF を隠喩や象徴として扱う “デス・スター” 真の目的は、現実世界のリスナーに森羅万象あらゆる “常識” に対して疑問を抱かせることでした。
もちろん、その非日常、非現実は音の葉にも反映されています。HORRENDOUS, TOMB MOLD, GATECREEPER を従え津波となった OSDM リバイバルの中でも、BLOOD INCANTATION の映し出す混沌と荘厳のコントラスト、プログの知性やドゥームの神秘まで内包する多様性はまさに異能のエイリアンだと言えるでしょう。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

44: THE OCEAN “PELAGIAL” (2013)

「MASTODON が “白鯨” の作者 Melville についての文学の教室なら THE OCEAN は地球科学の教室だろう。」”地球の地質に対するドイツからの賛歌” と讃えられるポストメタルの研究者 THE OCEAN は、全てのアートの母である自然とその摂理を音のビジュアルプレゼンテーションとして誰よりも濃密に響かせます。
「僕は音楽が直接、環境問題に対するポリシーに影響を与えるなんて妄想は持っていないんだ。だけどね、僕たちの音楽を聴く人の関心を高めることは出来ると思っているよ。」
アルバムや楽曲タイトル、リリックにサウンドスケープ。時にマジカル、時に険しい自然のイメージを知性的なメタルのフレームへと織り込み、エモーショナルで革新的なポストメタルの森羅万象を司るドイツの賢人は、そのディスコグラフィーさえも変化を繰り返す地球環境のクロニクルとしてメタルの図書館へと寄贈するのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

45: BETWEEN THE BURIED AND ME “THE PARALLAX Ⅱ: FUTURE SEQUENCE” (2012)

2002年に BETWEEN THE BURIED AND ME がデビュー作を放って以来、リスナーは彼らのウルトラテクニカルな側面を一際待ち望んで来ました。
“Goodbye to Everything”。宇宙で全てに別れを告げる、バンド史上最も結束のとれたエピックで、バンドはファンの期待や重圧にも別れを告げたのかも知れませんね。この場所で培われたオーガニックでエモーショナルなプログ絵巻は、後に Tommy が 「新しいサウンドだなんて言いたくはないんだけど、新作はあまりヘヴィーじゃないし時に奇妙な感じだ。成長したというのかな。ALASKA から COLORS の時くらい大きくスタイリスティックな変化だよ。」と語る “Coma Ecliptic” へと引き継がれていくのです。

READ OUR REVIEW & STORY HERE!

46: GORGUTS “COLORED SANDS” (2013)

ドラマーの自殺を受け、2005年 GORGUTS が一時的に解散した後、バンドのリーダーである Luc Lemay は森での生活へとライフスタイルそのものを変化させました。後に Luc は短期間ギタリストとして短期間 NEGATIVA へと加わり、最終的には Steeve Hurdle の提案に基づいて GORGUTS を再編へと導きました。
Century Mediaとの長年の契約論争の後、2013年にバンドはあまりに完璧な “Colored Sands” でカムバックを果たします。それは彼らの輝かしいキャリアの中で、最もおどろおどろしくしかし精巧極まるテクニカルデスメタルの完成でした。 その後の7年で “Colored Sands” の精密な狂気をトレースしたバンドは決して少なくありません。
MORBID ANGEL に触発されたバンド形成期のゴアなメタルよりもはるかに成熟していて、”An Ocean of Wisdom” といった知の扉を開くタイトルで奇想天外を尽くすトラックは、新たなラインナップ Lemay、ベーシスト Colin Marston、リードギタリスト Kevin Hufnagel、 ドラマーの John Longstreth という異能の百鬼夜行が奇跡的に噛み合った結果とも言えるのです。

47: IGORRR “SAVAGE SINUSOID” (2017)

Igorrr とは誇り高きフランスのコンポーザー/マルチプレイヤー Gautier Serre のソロプロジェクト。ブレイクコア、グリッチホップ、トリップホップ、バロック、クラシカル、ワールドミュージック、サイバーグラインド、デスメタル、ブラックメタルなど百花斉放、極彩色のインスピレーションを濃縮し、時代もジャンルも超越したそのサウンドスケープは即ち規格外のモンスターだと言えるかもしれませんね。
そして Gautier は、その至高の怪物を各ジャンルのスペシャリストを招集することで制御し、自らの意のままに操っているのです。”Savage Sinusoid” のアートワークに描かれた結合のスフィアは、まさにそのシンボルだった訳ですね。
ムーブメントとしての djent が終焉を迎えシーンに定着した中で、Igorrr の”Savage” と “Sinusoid” を融合させる時代も空間も超越したユーフォリアは EDM や hip-hop が席巻する現在の音楽シーンだからこそ、新たなトレンドとしてモダンメタルをさらに前進させる可能性を多分に孕んでいます。少なくともこのジャンルは未だに進化を続けているのですから。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

48: RUSSIAN CIRCLES “GUIDANCE” (2016)

シカゴの Instru-Metal トリオ、RUSSIAN CIRCLES がリリースしたオーガニックでエモーショナルな新作 “Guidance” は傑出していました。Post-Rock の持つダイナミズムを最も体現しているとも言われる3人は、この新しい作品において、静と動、陰と陽、単純化と複雑化を見事に使い分け、シーンにインストゥルメンタルミュージックの更なる可能性を提唱しています。
2014年の初来日公演、”Leave Them All Behind” がすでに伝説となっているように、ライブに定評のある彼ら。インタビューで Brian が語ってくれた通り、そのライブのエクスペリエンスを詰め込んだというレコードは、非常に生々しいサウンド、感情に満ちています。Chelsea Wolfe のボーカルさえフィーチャーして、整合性の高いコンセプチュアルなサウンドを提示していた前作 “Memorial” から、再度ボーカルを排除し、原点回帰とも言える進化を見せていますね。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

49: VEKTOR “TERMINAL REDUX” (2016)

スラッシュリバイバルのムーブメントで頭角を現し、SF的な世界観と Proggy なインテリジェンスで黄金世代にも匹敵する個性を作り上げた US の4人組 VEKTOR。
73分にも及ぶ大作SF映画のような “Terminal Redux” は、アグレッションとアトモスフィア、直情性と実験性の対比が見事で、リスナーにランニングタイムの長さを感じさせないフックに満ちた傑作に仕上がりました。
VOIVOD meets WATCHTOWER とでも例えたくなる “Charging The Void” はまさに VEKTOR を象徴するような楽曲です。キャッチーかつアグレッシブなリフワーク、ブラックメタルにも通じるようなトレモロとブラストビート、効果的に挿入されるテンポチェンジ。彼らが指標する “Sci-fi Prog-Thrash” のレシピを惜しげも無く披露していますね。近未来感を演出するドラマティックなコーラスも実に効果的です。
エピカル&ドラマティック。”Terminal Redux” は間違いなく以前の作品よりも大幅にドラマ性が増しています。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

50: THE HU “THE GEREG” (2019)

「僕たちの音楽を通して送る世界へのメッセージ。それは両親への感謝、生まれ育った地を愛する心、自然の保護、女性への愛と敬意、母国の歴史や祖先への愛などの重要性を思い起こさせることなんだよ。そうして最終的には、リスナーそれぞれの内なる力を目覚めさせ、未来を信じられるようにしたいんだ。」
モンゴルの大草原に示現したロックの蒼き狼は、遊牧民のプライドと自然に根差す深い愛情、そして西洋文明に挑む冒険心全てを併合する誇り高き現代のハーンです。
THE HU が提示する “Hunnu Rock” “匈奴ロック” の中で主役にも思えるホーミーは、もしかすると西洋文明に潜む欺瞞や差別を暴く “正直な” メッセージなのかも知れませんね。なぜなら彼らは、”誰も除くことなく世界中全ての人間に” 自らの音楽、モンゴルの魂を届けたいのですから。
デビューアルバムのタイトル “The Gereg” とは、モンゴル帝国のパスポートを意味しています。多くのモンゴル人にとって、ロマンチックに美化された騎馬の遊牧民や自由を謳歌するモンゴル帝国のヒーローは西洋のストーリーテラーによって描かれた征服者のフィクションなのかも知れません。
しかし、ステレオタイプなメタルファンを惹きつけるそのイメージを入り口に、THE HU は “The Gereg” をパスポートとして、モンゴル本来のスピリチュアルで愛と敬意に満ちた美しき文化、景色、音の葉を少しづつでも伝えていきたいと願っているのです。

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

51: PERTURBATOR “NEW MODEL” (2017)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

52: NEUROSIS “HONOR FOUND IN DECAY” (2012)

53: SUNN O))) “LIFE METAL” (2019)

54: SHINING “BLACK JAZZ” (2010)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

55: ANATHEMA “WEATHER SYSTEMS” (2012)

56: THE CONTORTIONIST “LANGUAGE” (2014)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

57: OBSCURA “DILUVIUM” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

58: ULVER “THE ASSASSINATION OF JULIUS CAESAR” (2017)

59: FROST* “FALLING SATELLITES” (2016)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

60: LITURGY “H.A.Q.Q.” (2019)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

61: ARCHITECTS “LOST FOREVER // LOST TOGETHER” (2014)

62: THE FACELESS “AUTOTHEISM” (2012)

63: SOEN “LOTUS” (2019)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

64: VEIL OF MAYA “ID” (2010)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

65: THANK YOU SCIENTIST “TERRAFORMER” (2019)

66: ALIEN WEAPONLY “TU” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

67: DAUGHTERS “YOU WON’T GET WHAT YOU WANT” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

68: VEIN “ERRORZONE” (2018)

69: KATATONIA “DEAD END KINGS” (2012)

70: PROTEST THE HERO “VOLITION” (2013)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

71: SWALLOW THE SUN “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT” (2019)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

72: BORN OF OSIRIS “THE DISCOVERY” (2011)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

73: WOLVES IN THE THRONE ROOM “CELESTIAL LINEAGE” (2011)

74: INTER ARMA “PARADISE GALLOWS” (2016)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

75: KVELERTAK “MEIR” (2013)

76: HORRENDOUS “IDOL” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

77: INTERVALS “A VOICE WITHIN” (2014)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

78: SUMAC “WHAT ONE BECOMES” (2016)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

79: ASTRONOID “AIR” (2016)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

80: MUTOID MAN “WAR MOANS” (2017)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

81: OATHBREAKER “RHEIA” (2016)

82: INTRONAUT “THE DIRECTION OF LAST THING” (2015)

83: CLOUDKICKER “BEACONS” (2010)

84: ORPHANED LAND “ALL IS ONE” (2013)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

85: RIVERSIDE “SHRINE OF NEW GENERATION SLAVES” (2013)

86: MOL “JORD” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

87: POLYPHIA “MUSE” (2014)

88: CAR BOMB “w^w^^w^w” (2012)

89: SKYHARBOR “BLINDING WHITE NOISE: ILLUSION & CHAOS” (2011)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

90: MYRKUR “M” (2015)

91: DESTINY POTATO “LUN” (2014)

92: BOTANIST “Ⅳ: FLORA” (2014)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

93: MYRATH “LEGACY” (2016)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

94: HEILUNG “LIFA” (2018)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

95: FULL OF HELL “TRUMPETING ECSTACY” (2017)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

96: DISPERSE “LIVING MIRRORS” (2013)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

97: UNEVEN STRUCTURE “FEBRUUS” (2011)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

98: KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD “POLYGONDWANALAND” (2017)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

99: EMPLOYED TO SERVE “ETERNAL FORWARD MOTION” (2019)

READ OUR REVIEW & INTERVIEW HERE!

100: TOOL “FEAR INOCULUM” (2019)

READ EVERYTHING ABOUT TOOL!

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です