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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DRAGONFORCE : REACHING INTO INFINITY】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FRÉDÉRIC LECLERCQ OF DRAGONFORCE !!

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UK Based Power Metal Speed Star, Dragonforce Reaches Into New Horizon With Their Newest Album “Reaching Into Infinity”!! Still Fast But Mature!

DISC REVIEW “REACHING INTO INFINITY”

英国が誇るパワーメタルスピードスター、DRAGONFORCE が7枚目のフルアルバムとなる “Reaching into Infinity” をリリースしました!!”無限大”の力と可能性を秘めたその魅力的な音時空は、素晴らしきカタルシスを伴って世界に光明と救いをもたらすことでしょう。
DRAGONFORCE は勿論、その計測不能なまでに狂速な bpm と、レトロゲームの影響を消化したチップチューンメタルのコンボで名を上げたバンドです。確かに、時に激しいギターデュエルを交えながら突き進む、その目まぐるしくも華麗で勇壮なスタイルは実にエキサイティング。バンドは暗雲漂うパワーメタルシーンの救世主として着実にその地位を築き上げて来たと言えるでしょう。
しかし、DRAGONFORCE は現在、そのパワーメタルという “檻” からゆっくりと着実にその領域を拡大させつつあります。
実際、ギタリスト Sam Totman という大黒柱がコンポジションの中心に座っていた “The Power Within” 以前のパワーメタル然とした作品と、マルチな才能を持つベーシスト Frédéric Leclercq が大々的に関わるようになり Sam との二頭体制を築いた後の作品には大きな差異が存在するようにも思えます。
二頭体制の幕開けとなった前作 “Maximum Overload” はバンド史上最高に芳醇な音楽性を誇る作品でした。インタビューにもあるように全てを2人で共作したというアルバムは、Frédéric が持ち込んだデス、スラッシュ、プログといった新たで多様な感覚と、奇跡の 235 bpm を実現した “The Game” が象徴するバンドのアイデンティティー “スピード” を共存させた完璧なる傑作だったと言えますね。勿論、Jens Bogren の類希なるセンスがバンドをまだ見ぬ高みへと導いたことも否定は出来ないでしょう。
ただ何より、Frédéric が日本のゲーム “悪魔城ドラキュラ” へのトリビュートとして制作した “Symphony of the Night” の妖艶なる美の調べは、以前のバンドには存在し得ない新たな至宝に違いありません。前世は日本人だったとまで語る Frédéric のメロディーには、コード進行をより意識することで生まれる日本的な “艶” が確かに備わっているのです。
二頭体制を引き継ぎながらも2人が別々に作曲を行い、結果として Frédéric が大半の楽曲を手がけることとなった新作 “Reaching into Infinity” は、”Maximum Overload” でのチャレンジをさらに1歩押し進めた作品に仕上がりました。
期待感を煽る荘厳なイントロダクションに導かれ幕開ける、アルバムオープナー “Ashes of the Dawn” はまさに歌劇”スピードメタル”。オペラティックな Marc Hudson の歌唱は、ファストでシンフォニックな舞台に映え、昇龍の如く天高く舞い上がります。自らのトレードマークをしっかりとアピールしながら、よりシアトリカルで洗練されたメロディーを提示する現在の DRAGONFORCE に死角はありませんね。
トランス的なイントロから HELLOWEEN を想起させるメジャーなコーラスを経てプログレッシブな展開を見せる新鮮な “Judgment Day”、新ドラマー Gee Anzalone の派手やかなお披露目から Frédéric の壮絶なベースソロまでリズム隊の活躍が顕著な “Astral Empire” と疾走するキラーチューンを畳み掛けたバンドは、徐々にその成熟を遂げたドラゴンの巨体を顕にして行きます。
“悪魔城ドラキュラ” トリビュートの続編、ディミニッシュの魔法が冴える “Curse of Darkness”、切なくも壮大なバラード “Silence”、そして ANTHRAX のエナジーを宿したスラッシュチューン “War!” と実に多彩なアルバムの中でもハイライトは11分の大曲 “The Edge of the World” でしょう。
IRON MAIDEN の長尺曲をも想起させる楽曲は、プログレッシブな展開美が白眉で実にエピカルかつドラマティック。ボーカル、ギターソロ、バッキングをよりオーガニックに誂え、しかし時にデスメタルの要素までも散りばめた世界の果ての景観は、静と動のコントラストが鮮やかに浮き彫りとなった新たな光景だったのです。それは様々なジャンルのバンドで経験を積んだフランス人の才能が、バンドのカラーと遂に溶け合った瞬間と言えるのかもしれませんね。
今回弊誌では、作品のキーパーソン Frédéric Leclercq にインタビューを行うことが出来ました!充分にファストですが、以前の良くも悪くもピーキーな DRAGONFORCE とは趣を異にする円熟の一作。同時に、今回も Jens Bogren は素晴らしい仕事を果たしたようですね。どうぞ!!

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DRAGONFORCE “REACHING INTO INFINITY” : 9.7/10

INTERVIEW WITH FRÉDÉRIC LECLERCQ

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Q1: Hi, Fred! Your Japan Tour 2017 is just announced! You’ve come to Japan many times, and you have a deep connection with our culture, don’t you? Normally, foreigners don’t know “Space Sheriff Gavan”, haha. How do you like our country?

【FRÉDÉRIC】: I LOVE JAPAN. If it wasn’t for the difficult language I would already be living in Tokyo. It is my favorite country in the world, and it’s not just because of the cultural aspect, there is something deeper that I cannot explain, I just feel good when I am in Japan. I don’t really believe in reincarnation but it always feels like I have been there before, or better, that I belong there, that it’s MY place. Strange but true! As for Gavan, it was very popular in France when I was a kid!

Q1: 6月の日本ツアーがアナウンスされましたね!勿論、DRAGONFORCE は何度も来日を果たしていますが、中でもあなたと日本文化の繋がりはとても深いように思えます。実際、普通の外国人は “宇宙刑事ギャバン” なんて知らないですからね(笑)

【FRÉDÉRIC】: 僕は本当に日本が大好きなんだよ!!!もし日本語があんなに難しくなければ、すでに日本に住んでいるだろうね。
世界中で一番大好きな国だよ。それはただ文化の側面からだけじゃなくて、説明しづらいんだけどもっと何か深いものが理由なんだ。とにかく、僕は日本に居るだけで良い気分になるんだよ。
輪廻なんて本気で信じている訳じゃないけど、それでも、いつも以前そこに居たような、日本人だったような気持ちになるんだ。つまり自分の場所だね!変な話だけど事実だよ!
ギャバンはね、僕が子供のころフランスでとても人気があったんだ!

Q2: Anyway, your newest album “Reaching into Infinity” will be released soon! How do you feel now?

【FRÉDÉRIC】: Good! We had the chance to perform 2 new songs on stage in a few shows and the reaction of the crowd has always been great. I think this album is really great and I hope people will love it as much as we do!!

Q2: 最新作 “Reaching into Infinity” のリリースも控えていますね!今はどういったお気持ちですか?

【FRÉDÉRIC】: 良い気分だよ!いくつかのショウで、新曲を2曲披露する機会があったんだけど、オーディエンスのリアクションはいつも最高だったからね。僕は本当に偉大な作品だと思っているよ。ファンのみんなも僕たちと同じくらい気に入ってくれたらいいね!

Q3: I really love the “Mecha-Dragon” on the artwork. Could you tell us about the concept, artwork and album title “Reaching into Infinity”?

【FRÉDÉRIC】: There’s no real concept. I wanted to give the impression that there was one though, hence the intro for the album, sort of taking you for “reality” into “our world”. The idea behind the title is that the power of music is infinite, and with today’s world being what it is, all messed up, people need escapism and music, our music, can do that. The cover is an interpretation of this: a destroyed world and our music(the dragon) rising in the middle.

Q3: アートワークの “メカドラゴン” も最高にクールですね!そのアートワークや作品のコンセプトについて話していただけますか?

【FRÉDÉRIC】: 特別なコンセプトは存在しないんだ。ただ一つ、アルバムのイントロダクションとして知っていて欲しいのは、君たちを “僕たちの世界” の “真実” へと導く作品だということなんだ。
タイトルには音楽の力は無限大だという意味が込められていてね。今日世界はまさに混乱していて、人々は逃げ道、音楽を必要としているね。そして僕たちの音楽なら君たちを救うことが出来るんだ。アートワークにはその解釈を反映させているんだ。破壊された世界と僕たちの音楽 (ドラゴン) が中央に昇っているでしょ?

Q4: How was the writing process? You know, Fred, I read a press release, and it seems you managed most of the songwriting for ‘Reaching into Infinity’. Off course, you became involved more in songwriting from previous record “Maximum Overload”. But what is the difference between “Reaching into Infinity” and “Maximum Overload”?

【FRÉDÉRIC】: For Maximum, Sam and I wrote everything together. It worked well and we wanted to do the same for Reaching but for some reason it didn’t happen, Sam came to my place but ended up in another room finishing his songs while I was piling up more and more ideas and that’s how I ended up writing most of the material for the new album. I guess that’s why there’s a different colour, a different vibe.

Q4: 前作 “Maximum Overload” からあなたがよりコンポジションに関わり始めたのは明らかですが、今回のライティングプロセスはいかがでしたか?

【FRÉDÉRIC】: “Maximum Overload” では、Sam と僕が全てを一緒に書いたんだよ。その方法がとても上手く機能したから、今回も同じようにやりたかったんだ。だけど何らかの理由でそうはならなかったんだよ。Sam は僕のところには来たんだけど、結局別の部屋で彼の楽曲たちを完成させてしまったんだ。
その間に僕はもっと多くのアイデアを積み重ねていたから、結果として僕が新作の大部分を手がけることになったんだ。そういった経緯があったから、今回の作品には異なるカラー、異なるヴァイブが流れているんだと思うな。

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Q5: So, why did the band’s creative process change? You know, I feel the genre of “Power metal” tends to fall into a rut. I mean, did you want to push the band outside of your comfort zone?

【FRÉDÉRIC】: Well I don’t really listen to power metal, so I guess this album is my take on it, with elements of other kind of music I prefer: thrash, heavy, death, prog…so it is taking the band out of its comfort zone, something we started with Maximum because I was writing half of the songs, haha.

Q5: なぜバンドはあなた中心のクリエイティブプロセスに変えたのでしょうか? “Power metal” というコンフォートゾーンからの脱却を計っているようにも見えますが。

【FRÉDÉRIC】: そうだね、僕は本当にパワーメタルを聴かないから、このアルバムには僕が好む他のジャンルからの影響が現れていると思うんだ。スラッシュめた、デスメタル、プログなんかのね。だから確かにそういった作風はバンドをコンフォートゾーンから連れ出しているよね。
“Maximum Overload” では半分僕が書いたから、変化はそこから始まったと言えるね(笑)

Q6: I told you at the beginning, I think “Maximum Overload” and “Reaching into Infinity” are influenced by Japanese culture. It owes to your big contribution. I mean “Symphony of the Night” and this time, “Curse of Darkness” definitely have a taste of “Castlevania”. Do you agree that? Could you tell us about your influence of “Nintendo” music?

【FRÉDÉRIC】: A big taste indeed, these songs are about Castlevania. I see people on internet not quite getting it, like “mmm it sounds like bloody tears” or “mmm curse of darkness sounds a bit like symphony of the night, that’s weird”, well yes because it’s my tribute to the Castlevania series, and curse is my “symphony of the night” part 2, somehow, which is why one can hear similarities in the chord progression, especially the “hear my distant cry” melody. The song “symphony of the night” was originally made for Japan, I wanted to write a song with the kind of melodies Japanese metal bands come up with, and with the harpsichord intro sounding a bit like “Malice Mizer”. Even my demo lyrics were in Japanese to really have that feeling.
As for influence of Nintendo music, there’s also Sega music, Nec Music…video games have been a huge part of my childhood and I’ve always paid attention to the soundtracks so obviously it had a influence on me. Regarding Castlevania, I really fell in love with the music of “Symphony of the Night” written by Michiru Yamane. I had the chance to meet her last time we played in Japan, I was so nervous!!

Q6: 冒頭に、あなたと日本の繋がりについて触れましたが、確かにあなたが深く作曲にかかわるようになってからの作品は、日本の音楽や文化に影響を受けているように思えます。実際、前作の “Symphony of the Night”、今作の “Curse of Darkness” は間違いなく “悪魔城ドラキュラ” の雰囲気を持っていますよね?

【FRÉDÉRIC】: 間違いないね。その2曲は “悪魔城ドラキュラ” についての楽曲なんだ。インターネットで、僕の意図を完全に理解していない人をよく見かけるんだよね。
「うーん、この曲は “Bloody Tears” みたいだぞ。」 とか、「うーん、おかしいな、”Curse of Darkness” は “Symphony of the Night” に似ているよね。」とか。当然だよ。だってこの2曲は僕の “悪魔城ドラキュラ” シリーズに対するトリビュートなんだからね。
そして “Curse of Darkness” は “Symphony of the Night” の続編、パート2なんだ。だからコード進行が似て聴こえるのも当然なんだよ。特に、”hear my distant cry” のメロディーなんかはね。
“Symphony of the Night” はそもそも日本のために作られた楽曲なんだよ。僕は日本のメタルバンドが思いつくようなメロディーを持ち、少し Malice Mizer のようなハープシコードのイントロで始まる楽曲を書きたかったんだ。僕のデモでは歌詞も日本語だったんだよ。雰囲気を保つためにね。
ニンテンドーミュージックの影響だけど、そこにはセガや NEC からの影響もあるんだよ。子供のころ、ビデオゲームは僕の大部分を占めていたし、今でもそのサウンドトラックにはいつも注目しているからね。だから明らかに僕はそうしたビデオゲームのサントラに影響を受けているよ。
“悪魔城ドラキュラ” についてだけど、僕は山根ミチルさんが書いた “月下の夜想曲 (Symphony of the Night) ” に恋に落ちたんだ。実は前回日本でプレイした際に、彼女に会うチャンスがあったんだけど、本当に緊張したよ!!

Q7: From your perspective, how has the singer change influenced the music of Dragonforce? Off course, ZP Theart was very charismatic. And there are still negative fans in Marc’s vocal, right?

【FRÉDÉRIC】: We really worked on Marc’s voice for this album, he shows more than just one dimension like on the previous albums: now he is sometimes more aggressive, he does death metal vocals as well, and that’s great to know that you have a singer that’s capable of that, that means you can explore more, and because I want to get out of the “power metal” box, that’s perfect.

Q7: ではボーカルの交代がバンドの音楽に変化を与えたと思いますか?今でも ZP Theart を懐かしむファンも多いですよね?

【FRÉDÉRIC】: このアルバムで、Marc の声は本当に良く機能したと思うんだ。前作同様、多次元的なボーカルを披露しているよね。今では、時によりアグレッシブにもなるし、デスボイスだって使えるしね。
そういう多才なシンガーがいるのは素晴らしいことだよ。新たな世界をより探求出来る訳だからね。それにさっきも言ったけど、僕たちはパワーメタルという “檻” から抜け出したいと思っているんだよ。だから彼は完璧なんだ。

Q8: I’m big fan of Japanese band Ziggy, but it was really surprise that you covered their song “Gloria”. Who found that song? How was the impression that you covered the song?

【FRÉDÉRIC】: Well, an old friend, Masahiro Eto (who now plays in Jaded Heart) gave me a Ziggy compilation, yeaaaars ago (2002 maybe?) and i really loved it, especially Gloria and Tokyo City Nights. Fast forward to 2015, we were on tour in Japan and ended up in a bar in Shibuya and I asked if they could play Ziggy. They put on Gloria and I see all these people singing along and I’m thinking “that’d be awesome to do a cover!!” I told Sam and Herman who were there, I sorta convinced them in all my drunkness and…here we are! As for the reaction, let’s see what the Japanese fans think! For me it’s another little gift to them, to show them that I love them and I love their country. We could have just done an extra song for the Japanese bonus but I thought it would be better to give them something that means something to them!

Q8: ZIGGY のカバー、”Gloria” を日本盤のボーナストラックとしたのは驚きでしたね!

【FRÉDÉRIC】: 僕の古い友人である、Masahiro Eto (今は JADED HEART でプレイしている) が、2002年かそのくらいかな、とにかくかなり昔に ZIGGY のコンピレーションをくれたんだ。本当に気に入ったよ。特に “Gloria” と “Tokyo City Nights” がね。
2015年になって、日本ツアーの最中に、僕は渋谷のバーで ZIGGY をリクエストしたんだ。”Gloria” がかかったんだけど、全員がシンガロングしていたね。その時、「これはカバー出来たら素晴らしいな!!」と思ったんだ。Sam と Herman がその場にいたから、酒の力も借りて説得したんだ。そして実現したんだよ!日本のファンのリアクションが楽しみだね!
僕にとっては、日本のみんなへのちょっとした贈り物って感じかな。日本と日本の人たちへの愛情を見せたつもりさ。勿論、オリジナルのボーナストラックを作ることも出来たんだけど、それよりも何かより意味のあるものを提供したかったんだ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED FRED’S LIFE

MANOWAR “KINGS OF METAL”

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IRON MAIDEN “NO PRAYER FOR THE DYING”

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I always mention the same 5 albums… let me try to think. Well I guess Manowar “Kings of Metal” and Iron Maiden “No Prayer for the Dying” because those were the first metal albums I got. They made the nice little shy Fred turn into the nowadays long haired tattooed Fred. I started to follow that path when I discover these 2 albums.

この2枚は初めて手にしたメタルのアルバムなんだ。この2枚が真面目で少しシャイなフレッドをロン毛でタトゥーのフレッドに変えたんだよ。ここから全てが始まったんだ。

MORBID ANGEL “ALTARS OF MADNESS”

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Then Morbid Angel “Altars of Madness” really got me into evil, fast, brutal music. The satanic aspect, the crazy solos, the chord progressions, the actual “madness” of it all, really changed my perception of music.

邪悪で、ファストで、ブルータルな音楽にのめり込むきっかけだったね。サタニックな要素、クレイジーなソロワーク、コードプログレッション。まさに “狂気” だと言えるね。本当に音楽に対する見方を変えてくれたよ。

ALLAN HOLDSWORTH “ATAVACHRON”

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“Atavachron” from Allan Holdsworth, when I discovered it, it was like the music I always wanted to hear, the chords, the sounds.

まさにいつも探していた音楽だったね。こういったコードやサウンドが聴きたかったんだ。

CLIFF RICHARD “THE BEST OF CLIFF RICHARD”

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Finally…let’s say Cliff Richard, a compilation will do. My father is a big fan and we always listened to it in the car, and I think that’s the oldest musical memory I have, listening to “Don’t talk to him” and “Don’t forget to catch me”, and if I close my eyes I can see myself at the back of the car, and I can taste the taste of strawberry cookies…I think yeah, that’s the oldest musical memories I have. And therefore that surely defined my perception of music for the years to come.

父が大ファンで僕たちはいつも車で聴いていたよ。僕の一番古い音楽の記憶だと思うな。”Don’t talk to him” や “Don’t forget to catch me” を聴きながら目を閉じると、車の後部座席にいるような気分になるんだ。ストロベリークッキーの味も思い出すよ…そうだね、本当に古い記憶さ。だけど間違いなく今の音楽観に繋がっているんだよ。

MESSAGE FOR JAPAN

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Arigatou for your support, I can’t wait to come back in June, don’t hesitate to follow me on twitter @fredleclercq and tell me what you think of our new album! You have a wonderful, beautiful country and yes, I really can’t wait to be back! Mata ne!!

サポートをありがとう!6月に戻るのが待ちきれないね!ぜひツイッターで僕のアカウントをフォローして欲しいな。Twitter: Fred Leclercq そこで新作についての意見を聞かせて欲しいよ!本当に日本は素敵で美しい国だよ。またね!

FRÉDÉRIC LECLERCQ

DRAGONFORCE JAPAN TOUR 2017

“DRAGONFORCE JAPAN Tour 2017”
6月14日(水)梅田CLUB QUATTRO
6月15日(木)名古屋BOTTOM LINE
6月16日(金)渋谷duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:00 / START 19:00
¥7,500(オール・スタンディング/税込/1Drink別)

DRAGONFORCE

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SITHU AYE SENPAI EXPLAINS IT ALL !! 【SENPAI EP Ⅱ: THE NOTICING】


So fast forward 1 year and 7 months and I have released “Senpai EP II: The Noticing”, the follow up to the first EP. It continues to follow the story of these three girls in the style of a slice of life anime. 

“Senpai EP” から1年7ヵ月ぶりに “Senpai EP Ⅱ: The Noticing” をリリースしたよ!!この作品でも、女の子3人の物語を日常系アニメのスタイルで追っているんだ。

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(There’s a new girl in there – we’ll get to her later! Artwork by me)

RECAP OF “SENPAI EP”

To start with, a little bit of a recap of the first Senpai EP and an introduction to the characters. Senpai EP follows the adventures of 3 girls who love to play progressive metal music and is heavily influenced by slice of life anime, especially K-On!. The main character is Megumi Uehara (上原めぐみ) who is nicknamed Prog-chan (プログちゃん), a 17 year old 2nd year in high school who loves to play the guitar. All Prog-chan wants to do is to have fun and to play music with her friends. Her childhood friend (幼馴染) Hanako Todoroki (轟花子) is also 17 and in her 2nd year of high school and plays bass. She is also her class rep and top student in her year. Finally, we have Mari Matsumoto (松本まり) who is 16 and in her 1st year of high school. She idolises Megumi as her guitar playing Senpai. The first Senpai EP followed the idea of slice of life anime, where it followed a day in the life of the girls. It starts with Megumi being late for school (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!)), Mari trying to get Megumi-senpai to notice her (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!)) and a dream Megumi has while asleep in class where she and her friends are magical girls (魔法少女) trying to battle evil guitar frets (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! )). I hoped to parody anime tropes, yet also convey the feeling you get while listening to anime music with this EP. It also established these three as characters that would appear again in Senpai EP II.

“Senpai EP Ⅱ” の解説を始めるにあたって、まず少しだけ “Senpai EP” のおさらいと、キャラクター紹介をしておこう。
“Senpai EP” はプログメタルをプレイするのが大好きな3人の少女が繰り広げるアドベンチャーで、日常系アニメ、特に “けいおん!” に強く影響を受けていたんだ。
メインキャラクターは上原めぐみ、17歳の高校2年生。プログちゃんと呼ばれているようにギターが大好きな女の子さ。楽しく友達と音楽をプレイしたいと望んでいるんだ。
めぐみの幼馴染み、轟花子も17歳の高校2年生で、ベースをプレイするよ。花子はめぐみと同じクラスで学期委員長。学年でもトップの成績を誇るんだよ。
そして3人目が松本まり。16歳の高校1年生。めぐみのことをギターが上手い先輩としてアイドル視しているんだ。
“Senpai EP” の1作目は、日常系のアニメにアイデアを得て、彼女たちの日常を追ったものだったんだ。EP はめぐみが学校に遅刻しそうな場面から始まるよ (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!) )。
まりはめぐみ先輩に気づいてもらおうとしていてね (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!))。
めぐみが授業中に居眠りしていて見た夢は、彼女と友達が魔法少女となり悪のギターフレットとバトルするものだったんだ (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! ))。
つまり僕は、この作品でアニメのトロープスをパロディーすることで、アニソンを聴いている時の感覚を伝えることが出来ればと思ったんだよ。”Senpai EP Ⅱ” にも登場する3人のキャラクターを確立することも出来たしね。

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(The three girls, from left to right: Mari (まり), Megumi (めぐみ) and Hanako (花子). Artwork by Ulrich)

SUMMER BREAK!

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The first track, Summer Break! (夏休み!) is about how as soon as the summer holidays start, Megumi makes a plan for her and her friends to have fun in the summer. This is her plan:

アルバムオープナー、”Summer Break! (夏休み!)” では、夏休みが始まるやいなや、めぐみが友人たちと夏を満喫出来るように夏休みの計画を立てるんだ。これが彼女のプランだよ。

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Like in so many anime, they go to the beach, go to a summer festival and similar to K-On!, they have a summer band training camp. Except at the camp they don’t practise and just play all the time! At the end of the summer holidays Megumi releases that she hasn’t done her homework! All standard fare for slice of life anime. (All artwork is by me unless otherwise stated)

多くのアニメと同様に、彼女たちはビーチへと出かけ、夏祭りにも参加するよ。”けいおん!” に似ているね。夏のバンド合宿も行うんだ。合宿以外では、練習なんてしないでずっと遊んでいるんだよ!
夏休みの終わりになると、めぐみは宿題が終わっていないことを発表するんだ!全てが日常系アニメのスタンダードだね。

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IT’S THE SECOND SEASON, SO WE NEED A NEW CHARACTER AFTER ALL!

The second track, It’s the Second Season, So We Need a New Character After All! (もう2クール目だし、新キャラ登場させなきゃね!) is very long! It’s meant to be a parody of very long light novel titles, like KonoSuba: God’s Blessing on this Wonderful World! (この素晴らしい世界に祝福を!) and Shimoneta: A Boring World Where the Concept of Dirty Jokes Doesn’t Exist (下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ). It’s a bit of a joke at how light novel and anime based on light novels are so long! There isn’t much in the story, I just wanted to draw the girls in silly disguises doing the famous ‘Gendo Ikari pose’ from Neon Genesis Evangelion. They are pretending to be board members of an anime company trying to make a successful second season to an anime.

セカンドトラック、”It’s the Second Season, So We Need a New Character After All! (もう2クール目だし、新キャラ登場させなきゃね!)” はとても長いタイトルだね!
これはね、とても長いタイトルのライトノベルのパロディーなんだよ。”このすば” (この素晴らしい世界に祝福を!) とか、”下セカ “(下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ) のようなね。いかにライトノベルや、それをベースとしたアニメのタイトルが長いかという、ちょっとしたジョークなんだよ!
この曲にはあまりストーリーは存在しないんだ。キャラクターたちを “新世紀エヴァンゲリオン” の有名な “碇ゲンドウポーズ” のバカげた仮装で描きたかっただけなんだよね。彼女たちは、アニメのセカンドシーズンを成功させようとしているアニメ会社の会議を再現しているのさ。

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(The famous Gendo Ikari pose I wanted to parody!)

But at the end of the song, we see a new character appear! And she seems to want to confront Megumi for some reason!

楽曲の最後には、新たなキャラクターが登場するよ!しかも彼女は訳あってめぐみと対決したがっているように見えるね!

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This new character is called Reina Sugiyama (杉山玲奈), who is 17 years old and in her second year of high school. She went to middle school with Megumi and Hanako and was amazed by Megumi’s guitar playing. She was a very shy and awkward girl however, and thought that she couldn’t be friends with Megumi unless she could learn to play guitar as well as Megumi. This poor girl really just wants to make friends, but she doesn’t really know how.

新たなキャラクターは、杉山玲奈。17歳の高校2年生。彼女はめぐみ、花子と同じ中学に通っていて、めぐみのギタープレイに魅了されたんだ。
だけど玲奈はとてもシャイで引っ込み思案な女の子だったから、めぐみと同じくらいギターが上達しなければ友達になれないと思ったんだよ。この子はただ友達が欲しかっただけなんだけど、その作り方が分からなかったのさ。
玲奈は “このすば” のゆんゆんがベースとなったキャラクターなんだ。

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A RIVAL APPEARS!

This brings us to our third track, A Rival Appears! (ライバル出現!). Reina appears out of nowhere and challenges Megumi to a guitar battles. In the years since middle school, Reina has become very tsundere and changed her image after going to a different high school to Megumi and Hanako!

3曲目は “A Rival Appears! (ライバル出現!)”。玲奈がどこからともなく現れ、めぐみにギターバトルを挑むんだ。玲奈はめぐみ、花子と別々の高校に進んでいるんだ。中学の頃とはイメージが変わって、めちゃくちゃツンデレになったんだね。

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However, unfortunately for Reina, Megumi’s memory for anything other than guitar is terrible. Reina is not pleased by this.

玲奈にとっては残念なことに、めぐみの中学時代の記憶は、ギターに関すること以外は酷いものだったんだ。忘れられていたんだね。玲奈が嬉しい訳はないよね。

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So the girls eventually have their guitar battle and it turns out that Reina is very, very bad at guitar. Her excuse is that she’s actually a drummer and that she thought she needed to become good at guitar to be friends with Megumi. Megumi, Hanako and Mari need a drummer in their band so they get excited and ask if she really can play the drums. Reina is happiest when she is playing drums so she can’t help but glow and show her love for the instrument. This endears her to Megumi who immediately asks her to be their friend and join their band. Reina is very bad at making friends, so she can’t help but be very happy that she somehow made new friends despite appearing as a rival to Megumi!

そして遂に2人はギターバトルに臨むんだ。そこで判明したのは、玲奈がとてもギターが下手だということ。彼女の言い訳は、実は自分はドラマーで、ギターはめぐみと友達になりたかったからプレイしていたというものだったんだ。
めぐみ、花子、まりはバンドにドラマーを必要としていたから、興奮して本当にドラムが叩けるのか尋ねたよ。玲奈はドラムをプレイしている時が一番幸せだから、その楽器に対する輝きと愛情を隠すことは出来なかったね。
めぐみはすぐ玲奈に、友達になってバンドに加入してくれるようお願いしたんだ。玲奈は友達を作るのがとても苦手だから、めぐみのライバルとして登場したにも関わらず、何とか新しい友人を作ることが出来てとても幸せになったよ。

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THE NOTICING!

The fourth track is The Noticing! (ザ・ノーティシング!), where the girls try to practise but fail!

4曲目は “The Noticing! (ザ・ノーティシング!)”。彼女たちは練習しようとするんだけど、やっぱり無理なんだ!

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The main part of the story in the song is when Megumi says to Mari that she’ll be playing half of the guitar solos in the band from now on. Megumi realises how good a player Mari and thinks her talent is wasted just playing rhythm. Mari is incredibly excited as her senpai who she idolises has finally noticed her!

この曲のストーリーのメインパートは、めぐみがまりに、これからはギターソロの半分を担当してと言う場面なんだ。めぐみはまりがいかに優れたプレイヤーであるか理解していて、ただリズムをプレイしているだけでは才能の無駄遣いだと思ったんだよ。
まりはとても興奮したよ。だって、アイドル視している先輩に遂に気づいてもらえたんだからね!

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ANIME AS LEADERS (THE WOVEN WEEAB)

The final song Anime as Leaders (The Woven Weeab) is a play on Animals as Leaders and their song The Woven Web. I thought it would be funny to change Animals to Anime and Web to Weeab. In English slang, we call non-Japanese people who are obsessed with anime weeaboos, weeabs or weebs. In the song I try to use Tosin Abasi’s signature thump technique while still trying to retain the upbeat feel of anime music. In the story of the song, Anime as Leaders is a huge band that Megumi and her friends go to see live.

アルバムクローサー、”Anime as Leaders (The Woven Weeab)” は ANIMALS AS LEADERS と彼らの楽曲 “The Woven Web” で言葉遊びをしてみたんだ。Animal を Anime に、Web を Weeab に変えたら面白いと思ったんだよ。英語のスラングでは、日本人じゃないアニメオタクのことを weeaboos, weeabs, weebs と呼ぶんだ。
この楽曲では、Tosin Abasi のトレードマークであるスラップのテクニックを、アニメミュージックのアップビートな雰囲気を保ちながら取り入れてみたよ。
ストーリーは、めぐみと彼女の友達が偉大なバンドである “ANIME AS LEADERS” のライブに行くという話だよ。

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So that’s the story of Senpai EP II! It’s just a few high school girls who love prog metal wanting to have fun. They also make a new friend along the way as well! Hope you all enjoy listening to Senpai EP II: The Noticing and watching the story on the YouTube video!

これが “Senpai EP Ⅱ”の全てだよ!プログメタルを愛する女子高生たちの物語。新しい友達も増えたね!みんなが “Senpai EP II: The Noticing” を楽しんでくれたら嬉しいな。YouTube のストーリービデオもチェックしてみてね!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVA COLLECTIVE : THE FURTHER SIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAN BRIGGS OF NOVA COLLECTIVE !!

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The Brilliant Musical Marriage Between The 70’s Fusion And Modern Prog. Definitely, Super Group Of Prog, Nova Collective Has Just Released One Of The Best Instrumental Record Of The Year, Incredible Debut, “The Further Side” !!

DISC REVIEW “THE FURTHER SIDE”

“新たな集合体” の名を冠するインストゥルメンタルスーパーバンド NOVA COLLECTIVE が、超越的でモニュメンタルなデビュー作 “The Further Side” をリリースしました!! 既成観念の “向こう側” へと辿りついた彼らの音風景は、リスナーを永遠の旅路、ミュージカルジャーニーへと誘うことでしょう。
Dan Briggs (BETWEEN THE BURIED AND ME), Richard Henshall (HAKEN), Matt Lynch (TRIOSCAPES, ex-CYNIC), Pete Jones (ex- HAKEN) というまさにモダンプログレッシブを象徴する賢哲が参集した NOVA COLLECTIVE。彼らが宿した清新なる息吹は、音楽が最も革新的で創造的だった70年代の空気を濃密に吸い込み、芸術のあり方を純粋に示しています。
1970年に Miles Davis がリリースした “Bitches Brew” は、音楽史上最も輝かしいロックとジャズの婚姻だったと言えます。”The Further Side” は、”フュージョン” という音楽概念を定義した、多様でイマジネイティブなその”マイルストーン”の精神を、凛として現代へと継承した畢生の作となりました。
アルバムは、ロシアのロマンティックかつダイナミックなバレエを想起させる “Dancing Machine” でその幕を開けます。メカニカルな BTBAM とは趣を異にする、野性的でファットな Dan Briggs のベースラインはオーガニックなボトムで自由を謳歌し、ジャズとロック、そしてメタルを華麗に行き来する Matt Lynch のドラムスと豪壮なインタープレイでアルバムを牽引して行きます。
Richard Hanshall のメロディアスでデリケートなギターワークは作品に浸透し、何より Pete Jones のガラス細工のように美麗で卓越したエレピ、オルガンサウンドは、リスナーに Chick Corea の形影を追わせ、過去と現代をリンクさせる鍵として枢要を占めていますね。
“Dancing Machine” に漂う神秘的でエスニックなムードは、インタビューでも語ってくれた通り、ワールドミュージックからの影響を反映しています。そして確実に John McLaughlin のコンポジションとも強く共鳴しているはずです。
“Bitches Brew” にも参加し、後に”フュージョン”を代表する集団となる THE MAHAVISHNU ORCHESTRA を創立した天賦のギタリストは、ロックとジャズのみならず、フラメンコ、オーケストラ、そしてインド音楽にまでその興味の幅を広げ、クロスオーバーさせた多様性の伝道師だと言えるでしょう。「フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ている」 と Dan が語ってくれた通り、”The Further Side” にはあの奇跡のオーケストラと同様の血脈が流れてもいるのです。
実際、”Air” は日本の伝統楽器、琴をイメージして書かれた楽曲だと Dan は語ってくれました。そして、日本の陽春を鮮やかに切り取ったかのような、オリエンタルで麗しきそのサウンドグラフには、NOVA COLLECTIVE がサーカスではなく音楽のために集まった集団である証が克明に刻まれていますね。
確かにメンバーは全員が超絶技巧の持ち主ですが、アルバムにエゴを感じさせる陳腐な曲芸は一切存在しません。存在するのは、楽曲の一部と化したエレガントで流麗なリードパートとアンサンブルのみ。各自が秘める、描かれた設計図をグレードアップさせるようなインテリジェンス、即興の妙こそがまさに一流の証明だと感じました。
勿論、クラッシックなフュージョンサウンドが基幹を成している “The Further Side” ですが、”State of Flux” を聴けばバンドが “新たな集合体” を名乗った意味が伝わるでしょう。MESHUGGAH と同等の緊張感、ヘヴィネス、リズムの錯綜が、エレピを核とするレトロなフュージョンサウンドを伴って再現される Tigran Hamasyan も驚愕のニューフロンティアがここにはあります。70年代には存在し得なかった、正確無比なシュレッド、硬質でDjenty なリズム、そして Jamie King による極上のプロダクションは “フュージョン” の極地、最先端を提示し、彼らの存在意義を強くアピールしていますね。
アルバムは WEATHER REPORT や RETURN TO FOREVER への憧憬と、モダニズムを巧みに融合させたタイトルトラック “The Further Side” で神々しくもドラマティックにその幕を閉じます。
今回弊誌では Dan Briggs にインタビューを行うことが出来ました。彼のホームグラウンド BTBAM の “Colors” 10周年ツアーについても言及しています。どうぞ!!

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NOVA COLLECTIVE “THE FURTHER SIDE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARILLION : F.E.A.R.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PETE TREWAVAS OF MARILLION!!

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One Of The Greatest Prog Legend From England, Marillion Has Just Released Their Best Album In Two Decades, “F.E.A.R.” !!

DISC REVIEW “F.E.A.R.”

イングランドを代表する Prog アクト、MARILLION が、ここ20年における彼らの最高傑作とも評される新作 “F.E.A.R.” をリリースしました!!
コンセプト、リリック、ミュージック、全てが異次元のクオリティーで深く冷厳に溶け合ったアルバムは、キャリア38年にしてバンドの新たなマイルストーンとなるでしょう。
Prog Rock がコマーシャリズム、POP の波に飲まれた80年代に、GENESIS 譲りのドラマ性とシンフォニーを携えて颯爽とシーンに登場した MARILLION は、ボーカル Fish のカリスマ性、シアトリカルなパフォーマンスとも相俟って Neo-Prog と呼ばれる新たなムーブメントの主役となって行きます。とは言え、彼らの音楽は決して70年代の回顧のみに収まるものではありませんでした。
New Wave, Heavy Metal の風を受けて、巧みにトレンドを反映し、実験性を孕んだそのサウンドは、今となってはやはり Pomp Rock と呼ぶ方が相応しいようにも思えます。初期の作品群からは、U2 や POLICE といった正統派ブリットロックから、IRON MAIDEN のハードなエッジまでを血肉として、Prog Rock を一つ先のステージに進めようと試みていたことが伝わりますね。
ボーカルが Fish から Steve Hogarth にチェンジし、1994年に制作したコンセプトアルバム “Brave” は Pomp Rock バンドとしての MARILLION が結実した瞬間でした。
インタビューにもある通り、Prog Rock 特有のファンタジー性と距離を置き、ダークかつリアリズムに拘ったテーマで勝負した作品は、ダイナミックで強く空間を意識し、アンビエントさえ取り入れながら、際立った音楽的表現力、センスと共に、音楽史に新たな章を書き加えたのです。
そしてその試みは勿論、現在 Modern Prog, Post-Prog シーンの Guru として尊敬を集める Steven Wilson と、彼が率いて来た PORCUPINE TREE とも強く共鳴していたことは明らかでしょう。
それから22年の月日を経て、リスナーの元に届けられた彼らの新しいマスターピースは、”F.E.A.R.” と名付けられました。”F*** Everyone And Run” を略して “F.E.A.R”。この実にセンセーショナルなタイトルは、やはり現実的で、社会問題に目を向けた、現在の MARILLION らしい極めてリアルなコンセプトを表現しているのです。具体的には銀行や政治の汚職、Brexit、欧州議会の腐敗、世界的資本主義の崩壊など、まさに英国が抱える現代社会のダークサイドを投影した濃密な68分に仕上がっています。
アルバムオープナー、”El Dorado” は悲観的な未来を予測した楽曲。PINK FLOYD の “The Division Bell” を想起させる大曲は、インタビューで Pete が “ヨーロッパ周辺には、大きな変化が起こりつつあり、それを通して誰かが僕たちをコントロールする計画を立てているような予感、予兆が存在するんだよ” と語った通り、MARILLION が抱く未来に対する “Fear” の前兆を表現しているようにも感じます。前作のオープナーで、奇しくも同じ17分の大曲 “Gaza” と対となる存在と言えるかも知れませんね。
同時に “El Dorado” は Mike Kelly のエレクトリックピアノからオルガンまで自在に操る見事なキーボードサウンドと、まさにトップフォームな Steve Rothery の物語を紡ぐギターソロがアルバムを通して重要な鍵となることも伝えています。
そしてやはり、特筆すべきは H こと Steve Hogarth のキャラクターになりきった壮絶な歌唱でしょう。作品を象徴するテーマである、持つ者と持たざる者、世界的資本主義の拡大による”エリート”の出現と彼らの保身についての組曲 “The New Kings” において、H は全身の感情を振り絞り、アルバムタイトルともなった “F*** Everyone And Run” と歌い紡ぎます。その瞬間、センセーショナルでともすればチープにさえ思えたその一節は、悲しみの感情を掻き立て、世界の状況を真摯に考えるきっかけを与える魔法の言葉へと変化するのです。RADIOHEAD を想起させるコンテンポラリーなセンチメンタリズムを見事にコンセプトと融合させ、MARILLION が現代にプロテストソングを蘇らせたと捉えることも可能でしょう。
THE BEATLES から脈々と繋がる UK の血を受け継ぎながら、
真の意味での Progressive を体現したアルバム “F.E.A.R.” 。今回弊誌では、1982年からバンドを支え続ける、フレキシブルなベーシスト Pete Trewavas にインタビューを行うことが出来ました。ヨーロッパで絶大な支持を得ている MARILLION ですが、メッセージにもある通り、今度こそは日本のファンにもアピールすると信じます。どうぞ!!

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MARILLION “F.E.A.R.” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HUNG : DJURASSIC WORD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BARNABY OAKLEY OF HUNG !!

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The Brightest Hope Of Prog Metal / Djent From UK, HUNG Has Just Released Catchy & Groovy New Record “Djurassic Word”!! Will Djent Conquer Jurassic World ?!

DISC REVIEW “DJURASSIC WORD”

モダン=多様性、エクレクティック。2010年代音楽シーンの重要な公式に当てはめれば、極めてモダンであるとの解が出るであろう UK 出身の DIY デュオ HUNG が最新作 “Djurassic Word” をリリースしました!!
モダンであるはずの彼らが、太古の恐竜を文字ったアルバムタイトルを冠しているのも興味深いですが、頭文字Dに注目するまでもなく HUNG の骨格は Djent / Prog Metal です。しかしながら、HUNG の音楽はその領域に収まりきらない鮮やかな拡がりを備えています。
“Pastille Coloured Lady” を聴けばアルバムが”キャッチー”というテーマに強くフォーカスしていることに気づきます。Djenty なリフワークとファンクのグルーヴを併せ持ったリズムに、キラキラのキーボード。透明感溢れるキャッチーなボーカルが加われば、21世紀の POP-Rock アイコン DIRTY LOOPS を思い出すファンも多いでしょう。
実際、DIRTY LOOPS もファンク、ジャズ、エレクトロニカという多様な要素を楽曲に盛り込む “Loopfy” という手法でモダンなテイストを表現しているのはご存知の通り。Rock と Metal、畑こそ違えど HUNG がそこにヒントを得ているのは明らかでしょう。アルバムを通じて印象的なキーボード/エレクトロサウンドは特に。
さらに、エクレクティックという観点から見れば、 “Browbeat” も重要な1曲だと感じます。以前弊誌でインタビューを行った HACKTIVIST が Kendrick Lamar について言及し、Rap を見事モダンメタルと融合させていたように、HUNG も Rap を積極的に楽曲に導入しています。アトモスフェリックとさえ言えるような Rap パートとヘヴィネスのコントラストが実に見事ですね。
同時に、HUNG は Djent / Prog-Metal の矜持とも言える高いテクニックをも兼ね備えています。PERIPHERY を想起させる爽快なアルバムオープナー “Primevil” は勿論、Dan Sugarman, Angel Vivaldi など、シーンでも有数のテクニシャンたちがゲスト参加したアルバムは、モダンギターという観点から見ても非常に充実した、聴き所の多い作品となっていますね。特に、ボーカル間に挟み込まれる、美しくスリリングな高速オブリガードは彼らのトレードマークとも言えるほどに際立っています。
“The Mesozoic Era” で 80’s エレポップのような手法を取り入れたかと思えば、”Carcharodontosaurus” では VEIL OF MAYA も真っ青なプログデスコアを臆面もなく披露する柔軟性。カメレオンという恐竜が現代に生き残っていることを思い浮かべてしまいますね。
今回弊誌では、バンドの中心人物 Barnaby Oakley にインタビューを行うことが出来ました。ボーカル、ギター、プロダクション全てをこなす才人!イケメン!どうぞ!

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HUNG “DJURASSIC WORD” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INFANT ANNIHILATOR : THE ELYSIAN GRANDEVAL GALERIARCH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AARON KITCHER OF INFANT ANNIHILATOR !!

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EggMetal Is Back!! Super Technical Hardcore Abnormal Deathcore Outfit, Infant Annihilator Has Just Released The Most Intense Record “The Elysian Grandeval Galèriarch” !!

DISC REVIEW “THE ELYSIAN GRANDEVAL GALERIARCH”

UK が生んだ EGGMETAL のパイオニア INFANT ANNIHILATOR がしばしの沈黙の後、新ボーカル Dickie Allen を得て凶悪な新作 “The Elysian Grandeval Galèriarch” をリリースしました!!
EGGMETAL、則タマキンメタル。長いメタル史においても、タマキンとメタルを融合させたのは間違いなく INFANT ANNIHILATOR が初でしょう。プログ、デス、ブラック、スラッシュなど何もかもがメタルと融合していく中、なぜタマキンだけがメタルと融合出来ないのかと悔しさで枕を濡らし続けたメタルウォーリアーも多いはずです。機は熟しました!!
彼らの魅力は、まず何と言ってもそのMVに集約されています。デビューフル “The Palpable Leprosy of Pollution” に収録されていた “Decapitation Fornication” の MV は、そのオゲレツ具合で他のメタルバンドなど全く寄せ付けることすらありませんでした。楽器などは一切持たず、ただ深い森の中でエアメタルとホモ行為を繰り返すのみ。ズダズダズダズダと流れる凶悪なデスコアサウンドの中、嬉嬉としてホモ行為を繰り返すだけの彼らに狂気を超えた狂気を感じプラウザをそっと閉じたメタルウォーリアーも少しはいたかもしれませんが、視聴回数400万越えという結果と共にシーンには間違いなく衝撃を与えました。
前任ボーカル Dan が脱退し、残念ながら自然消滅かと思われていた INFANT ANNIHILATOR は、突如マイクをチンポのように扱うアー写とともに新ボーカル Dickie Allen の加入をアナウンスし、新作のリリースも発表します。ABIOTIC などで活躍し、その筋では実力が高く評価されていた Dickie ですが、そんなことよりも彼らはまたしてもブチかましてくれました。
新MV “Motherless Miscarriage” は Facebook にアップすると同時に即削除されるような危険極まりない代物。勿論 YouTube でも年齢確認を求められます。究極に進化を遂げたタマキンメタルはもはや完全にただのホモビデオにまで昇華していたのです。
オシリ、黄身、白身、オシリ、黄身、白身がめまぐるしく登場する素晴らしく EGG でエッチな2分13秒。勿論、新作のタイトル “The Elysian Grandeval Galèriarch” の頭文字は The EGG。キ・ン・タ・マ。ここまで徹底している彼らのキンタマ道にはもはやリスペクトしかありませんね!!
とはいえ、実はバンドの創立メンバー Aaron と Eddie は将来を嘱望される UK Hardcore / Deathcore バンド BLACK TONGUE のメンバーで、その実力は折り紙つき。実際、RINGS OF SATURN の作品にもセッション参加した Aaron のドラムパターンは狂気的で人間技を超えており、アルバムの強力な聴き所となっていますね。また、Eddie のダークなアトモスフィア、クラシカルな超高速スイープで畳み掛けるテクニカルなプレイも圧巻です。ストーリーとリンクしたシアトリカルな SE やテンポチェンジ、シンセサイザーを効果的に使用したプログレッシブさも本当に素晴らしいですね。
“心がタマキンなんだよ。” Aaron はインタビューでそう語ってくれました。男ならタマ裏の匂いと共存共栄、いつも心にタマキンを。イケメンすぎる変態、Aaron Kitcher です。どうぞ!!

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INFANT ANNIHILATOR “THE ELYSIAN GRANDEVAL GALERIARCH” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NAPOLEON : NEWBORN MIND】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SAM OSBORN OF NAPOLEON !!

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UK Based Melodic Hardcore Four Piece, NAPOLEON Has Just Released The Genre-Breaking Debut Full-length, “Newborn Mind” !! “Melodiposipassiongroove” Is Here !!

DISC REVIEW “NEWBORN MIND”

ユーロモダンメタルコアシーンの皇帝 NAPOLEON が満を持して待望のデビューフルレングス “Newborn Mind” をリリースしました!!ハイセンスなシングルや EP で注目を集め、将来を期待されながらデビューフルレングスまで長い時間をかけたのは、NOVELISTS と同様の手法。そして36分のレコードは、長く待ち続けた Melodilc Hardcore ファンの期待に十分に応える内容となっています。
Tech-Metal シーンにおいて有数の実力を持つギタリスト、 Sam Osborn 擁する NAPOLEON は自らのサウンドを”melodiposipassiongroove” と称しています。実際、INTERVALS meets KILLSWITCH ENGAGE, POLYPHIA meets ARCHITECTS などと例えられる彼らの音楽性は見事にメロディー、ポジティブ、パッション、グルーヴを共存させていますね。
他の Tech-Metal バンドと比較して、NAPOLEON のサウンドを強く特徴付ているのはその大胆なクリーンギターの使用法でしょう。”Stargazer”,”Utopia” のイントロが効果的なのは勿論、”Maps” を聴けば、彼らがまさに “Newborn” な音楽を創造していることが分かります。メジャーキーで、クリーンギター&クリーンボーカルにより紡がれる2分間の小曲は、Math-Rock, Instru-Metal の影響下にありながら、同時にしっかりと Metalcore の土台も感じさせるのです。非常にカラフル、エモーショナルでフレッシュな “Maps” は NAPOLEON のバンドとしての可能性、多様性を証明していますね。
さらに、”Of Jams, Smokes & Promises” のイントロなどは、And So I Watch You From Afar を彷彿とさせるアイリッシュなメロディーが白眉。ユニークなタイムストラクチャーと相俟って Math-Rock からの影響を強く誇示しています。人生を変えたアルバムに、TTNG の作品をチョイスしているように、ここまで Math-Rock とメタル要素の融合を推し進めたアーティストは前代未聞なのではないでしょうか?
新ボーカル、ex-CLIMATES 、Wes Thompson の荒々しいスクリームからエモーショナルなクリーンまで見事にこなす幅広いレンジも実に魅力的です。時に流暢に、時にカオティックに駆け巡る Sam の多彩なフレットワークとの相性も抜群。タイトルトラック “Newborn Mind” では、スーパータイトなリズム隊、特に James Mendoza のスピーディーでメカニカルなドラミングはアルバムを通して素晴らしいですが、の協力もあり、メロディックでありながらテクニカルでヘヴィーという命題をいとも簡単に達成していますね。
“Dystopia” で歌われる “get awake and defeat this” というフレーズは “Utopia” でも再度現れます。「目を覚ませ、挫けるな」、NAPOLEON の音楽は、インタビューでも語ってくれた通り、リスナーに常にポジティブなグルーヴを届けてくれるのです。
今回弊誌では、Sam Osborn にインタビューを行うことが出来ました。日本ツアーも視野に入っていそうですね、どうぞ!!

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NAPOLEON “NEWBORN MIND” : 9.2/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TTNG : DISAPPOINTMENT ISLAND】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TIM COLLIS OF TTNG !!

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UK Based Math-Rock / Emo Trio, TTNG Has Just Released Their 3rd Record “Disappointment Island” !! Full of Emotion & Melancholy, No Disappointment Here!!

DISC REVIEW “DISAPPOINTMENT ISLAND”

UK オックスフォードが生んだ Math-Rock / Emo の奇才、TTNG が3rdアルバム “Disappointment Island” をリリースしました!!
ニュージーランド沿岸、実在する島の名前をタイトルに冠したアルバムは、完全に4ピースからトリオになって初の、バンド名を THIS TOWN NEEDS GUNS から改名して2枚目の作品。
インタビューで語ってくれた通り、”Disappointment Island”、”失望の島”とは彼らの母国UKがEU離脱に向けて進んでいる状況を皮肉ったタイトルでもあるのです。その背景を鑑みれば、アルバムが少し物悲しく、メランコリックなムードを帯びていることにも納得が行きますね。
静と動の対比、遂にダイナミズムを極めたように思える “Disappointment Island”。アルバムクローサー “Empty Palms” は現在の TTNG を象徴するような楽曲です。シルクのように繊細な Henry Termain の美声が紡ぐメロディーは静寂と喧騒を司り、キャッチーかつ非常に雄弁。加えて、見事なサウンドスケープを創出する楽曲のアトモスフィアは、彼らの興味が Post-Rock 方面に振れていることを顕にしています。
RUSSIAN CIRCLES, PELICAN でお馴染みの、Greg Norman によってレコーディングが行われた事実、さらに The World Is A Beautiful Place & I Am No Longer Afraid To Die とツアーを行ったことから鑑みて、TTNG がこういった手法を全面に押し出すことはもはや驚きではないでしょう。実際、バンドにとって最も長い部類に入る5分37秒の “Whatever, Whenever” は PELICAN を想起させるような轟音パートで幕を閉じます。
ギタリスト、Tim Collis のフレーズセンス、才能が爆発した “In Praise of Idleness” も同様に美しい景色が視界に広がるような音楽。Math-Rock バンドとしての矜持を証明するかのような優美なシンコペーションが白眉ですね。
とは言え、勿論、彼らのテクニカルで複雑な1面を強調した楽曲もアルバムの聴き所の1つ。”A Chase of Sort” で聴ける流れるようなタッピングフレーズや Chiris Collis による変拍子を逆手にとった印象的なドラミングはまさに TTNG のトレードマーク。”Destroy The Tabernacle!” のテクニカルでエスニックなムードもアルバムに良いアクセントを加えています。ただし、トリオとなったことが作用したのか、全てのトーンがよりオーガニックに仕上げられていることは記しておくべきでしょう。
今回弊誌では才気溢れるギタリスト Tim Collis にインタビューを行うことが出来ました。ドラムスの Chiris とは兄弟でバンドの核となっていますが、発するエモーションは Kinsella ファミリーにも迫っていますね。どうぞ!!

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TTNG “DISAPPOINTMENT ISLAND ” : 9.3/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ROLO TOMASSI : GRIEVANCES】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAMES SPENCE OF ROLO TOMASSI !!

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UK Experimental / Mathcore Titan, Rolo Tomassi Is Going To Come Back To Japan On September! Don’t Miss Their New Sounds From New Record “Grievances” !!

DISC REVIEW “GRIEVANCES”

9/27に Realising Media の招聘で1夜限りの来日公演が決定した、UK シェフィールドが生んだエクレクティックな5人組 ROLO TOMMASI。紅一点、ボーカル Eva Spence のエモーショナルなクリーンボイス、そしてその麗しい外見からは想像もつかないような迫力のあるグロウルを武器に、マスコアからエレクトロニカまで取り入れた実験的な音楽性が高く評価されているバンドです。そして彼らの最新作 “Grievances” は、さらにそのサウンドの領域を広げ、新しい境地に達したエポックメイキングなレコードとなりました。
“Raumdeuter” は彼らの新しいチャレンジを象徴するような楽曲です。Eva の美しいクリーンボーカルにトレモロリフまでフィーチャーしたこの曲は、Post-Black, さらには Shoegaze まで取り入れたアトモスフェリックなサウンドスケープが実に印象的。そこに彼ら特有のエレクトロニカ要素を融合させることで、より荘厳で優美な楽曲となっているその手法はまるで魔法のようにも思えますね。
“Prelude III: Phantoms” から “Opalescent” の流れはアルバムで最もメロディーにフォーカスした瞬間です 。幽玄なピアノの旋律をバックに、朗々と歌い紡ぐ Eva と James のデュエットのプレリュードは、美しく絡まり合い溶け合いながら プログレッシブな “Opalescent” を導きます。様々にアーティキュレーションを施した Jazz のようにスウィングする 6/8拍子を、ピアノとギターが時にダイナミックに、時に繊細に紡いでいく様はまさにカタルシス。Eva のアンニュイなボーカルも実にハマっていますね。
TOOL のようにインタルードを見事に活用したアルバムの中で、同様にペアとなる“Crystal Cascades” “Chandelier Shiver” では、アンビエントなピアノとストリングスが非常に効果的で、GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR すら想起させる美麗なサウンドスケープ、世界観が創出されています。
とは言え、アルバムには勿論、オープナー “Estranged” や “The Emberes”, “Funereal” のように THE DILLINGER ESCAPE PLAN 由来のカオティックでアグレッシブな要素を反映した楽曲も収録されており、結果として新機軸、美麗なストリングスの導入は、バンド本来のブルータルな要素を対比により強く際立たせる効果ももたらしていますね。
クラシカルで壮大なエピック “All That Has Gone Before” で幕を閉じるまで、作品は生々しいエモーションを放ちながら、目まぐるしくも整合感を伴ってリスナーの耳を捉え続けます。ダークでエモーショナルな一本の名作映画を観終わった時のような感動を与える作品だと感じました。
今回弊誌では、ボーカルとシンセサイザーを担当するバンドの中心人物 James Spence にインタビューを行うことが出来ました。Eva ちゃんとは兄弟なのでご安心を。どうぞ!!

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ROLO TOMASSI “GRIEVANCES” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ANDERSON / STOLT : INVENTION OF KNOWLEDGE】 JON ANDERSON SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JON ANDERSON OF ANDERSON / STOLT !!

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Legendary ex-YES Vocalist, Jon Anderson Talks About His New Project With Roine Stolt, Anderson Rabin and Wakeman, And His Thought About YES!!

DISC REVIEW “INVENTION OF KNOWLEDGE”

プログロックのドリームチーム、Anderson / Stolt が傑出したデビューアルバム “Invention of Knowledge” をリリースしました!!
長年 YES の”声”としてバンドを牽引した伝説的ボーカリスト Jon Anderson が、THE FLOWER KINGS, TRANSATLANTIC という2つの優れたプログロックバンドで才能を発揮する ギタリスト Roine Stolt とタッグを組んだ作品は、実に深く、カラフルで、メッセージ性に富んでおり、確実に1+1=2以上の化学反応が存在していますね。
2人を支えるバンドメンバーも YES や RENAISSANCE に関わってきた Tom Brislin (piano, organ, synthesizers), KARMAKANIC の Lalle Larsson (piano, synthesizer), 世界有数のベーシストで THE FLOWER KINGS では Roine の同僚でもある Jonas Reingold (bass), 同じく TFK の Felix Lehrmann (drums) という錚々たる顔ぶれ。
さらにアルバムには PAIN OF SALVATION の Daniel Gildenlöw や、Roine の別プロジェクト AGENTS OF MERCY から Nad Sylvan という豪華なゲストも参加しています。
アルバムは、インタビューで Jon が語ってくれたように、プログロックの過去と未来を繋ぐような作品に仕上がりました。具体的には、YES や GENESIS が紡いだシンフォニックなプログロック第一世代の優美さと、 北欧から端を発したプログ第3の波、THE FLOWER KINGS や ANEKDOTEN といったバンドによるスカンジナビアンプログロックの瑞々しさを華麗に融合させていると言えますね。勿論、 “Knowing”, “Everybody Heals”, “Invention of Knowledge”, “Know” という3つの組曲と1つの大曲の4部構成には、YES の大作 “Tales From Topographic Oceans” を想起するファンも多いでしょう。
アルバムオープナー、”Invention” はまさに”失われた”70年代 YES サウンドをイノベートする強いステイトメント。どこか牧歌的で Jon 特有のメロディーラインが登場すると、リスナーは彼こそが YES の声であることを再確認します。実際、アルバムを通して、ファルセットに近いボーイッシュな Jon の声は瑞々しく、微塵も衰えを感じさせません。特に、”Chase And Harmony” でピアノをバックに朗々と歌い上げる場面などは、心を揺さぶられずにはいられませんね。
同時に、Roine の素晴らしくメロディーとエモーションが調和したリードプレイ、プロデュース、彼のセンスや存在感は Anderson / Stolt がただ過去の焼き直しに終わらないことを強く主張しています。
それを象徴するのが、モダンなコンポジションを取り入れた “Everybody Heals” でしょう。THE FLOWER KINGS の方法論に近いこの楽曲は、現代的なストリングスや Jazz / Fusion のアプローチで飾られ磨き上げられており、リスナーに新鮮な感覚を植え付けます。
実際、アルバムのオーケストレーションは見事で、オリエンタルに終る “Invention” のカウンターパートとも言える “Knowledge” では LED ZEPPELIN の “Kashmir” を現代の技術で再現したかのような、壮大でエスニックなサウンドを提示しています。アルバムを締めくくる大曲 “Know…” における異国情緒溢れるギターソロも白眉。Roine が語っているように、「モダンでクラシカル、ロックでエスニック、トライバルでオーケストレートされ、グルーヴィーで浮遊感を持つ」という考え方を体現しているようにも思えますね。
さらに “Invention of Knowledge” は Jon Anderson というカリスマの哲学を色濃く反映した作品でもあります。彼の常に前向きで、楽観的で、自然を愛するピースフルなマインドスケープは、そのままアルバムのサウンドスケープとして表現され、多幸感溢れるスピリチュアルな作品に昇華しているのです。
今回弊誌では、その Jon Anderson 氏にインタビューを行うことが出来ました。ノスタルジーとコンテンポラリーが見事にミックスされた傑作。話題の Anderson, Rabin and Wakeman についても聞くことが出来ました。どうぞ!!

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ANDERSON / STOLT “INVENTION OF KNOWLEDGE” : 9.8/10

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