タグ別アーカイブ: france

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AEPHANEMER : UTOPIE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE OF AEPHANEMER !!

“I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.”

DISC REVIEW “UTOPIE”

「僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。メタルの世界では母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね」
音楽、特にメタルの優れているのは、たとえ言葉の壁やボーカル・スタイルによって歌詞が不明瞭で理解不能な場合でも、ムード、メロディ、テーマ、バイブスなどその音楽自体に伝える力が込められているところでしょう。裏を返せば、モダン・メタルの寛容さは、あらゆる異端を排除せず、壁を壊して包容し、自らの血肉としていくことができるのです。フランスの AEPHANEMER は、そうして文化の壁も、さらにはメロデスというジャンルの限界まで打ち壊し、突破していきます。
「客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ」
メタルの進化に終わりはありません。そう、AEPHANEMER はメロデスの遺産をしっかりと抱きしめながら、そのサウンドを別の次元へと高めるために音楽を奏でています。”メディーヴァル・フォーク的シンフォニック・メロデス” という大げさな表現が、もしかしたら今の彼らには最もしっくりくるのかもしれませんね。それだけ、この最先端のメロデスは、映画的で、オーケストラで、壮大な音の祭典です。
2023年にベーシストの Lucie Hune が脱退し3人編成となったにもかかわらず、これだけの緻密な壮観を完成させた AEPHANEMER の才能は比類なきもの。バンド創設者でインタビューイ、 Martin Hamiche が全ての弦楽器とオーケストレーションを担当して、あの鬼才 Dan Swanö 再度の協力により、力強いメロディにフック、心を震わす激情、幻想的なムード、フランスらしい気品と格調の高さ、そして豪華絢爛な “La Rivière Souterraine” が象徴する複雑で多面的な色彩を帯びた、ダーク・フォークとネオクラシカルの煌びやかな祭典 “Utopie” が降臨することとなりました。
「僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ」
お馴染みとなった Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) の手による鮮やかなアートワーク。そこには、彼らにとっての “Utopie” “理想郷”、自然と人間が手を携え、調和して生きていく世界が描かれています。もちろん、前作 “A Dream of Wildness” のイノシシに、私たちは “もののけ姫“ の影をみましたし、久石譲の風も受け取りました。
そう、AEPHANEMER の理想郷にとって、進化し多様に共生するべきは音楽だけにとどまりません。彼らは、人も小さな行動の積み重ねでより良い世界を目指すことができる、異文化と共生し調和することができると信じてアートを生み出していますし、もちろんアシタカとサンのように文明と自然も調和して生きていく未来を見据えているのです。
今回弊誌では、ギタリスト Martin Hamiche にインタビューを行うことができました。「Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ」ギターの煌めきとドラムの技巧、そして声の獰猛は群を抜いていますね。どうぞ!!

AEPHANEMER “UTOPIE” : 10/10

INTERVIEW WITH MARTIN HAMICHE

Q1: First of all, what kind of music did you grow up listening to?

【MARTIN】: I discovered metal when I was around 12 or 13, thanks to my older sister, and for a long time, it was the only music I listened to. It started with System of a Down, which I played almost nonstop for a couple of years. Then, a friend gave me a compilation CD that introduced me to a dozen metal bands from different genres. On that CD I found bands that would become favorites for a long time: Amon Amarth, Insomnium, Dimmu Borgir, Therion. Shortly after, I also discovered Windir and Children of Bodom. These bands became the foundation of my metal influences, and I listened to them almost exclusively until I was 20 or 21. I wish I could say that I grew up with classical or folk music, but that was not the case, my family was modest and music culture simply was not present in our home.

Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【MARTIN】: 姉の影響で12歳か13歳頃にメタルに出会い、それから長い間、メタルだけを聴き続けていた。SYSTEM OF A DOWN から始まり、2、3年間ほとんどノンストップで聴き続けたね。その後、友人からコンピレーションCDをもらったんだ。 そのCDの中で、僕はそれから長い間お気に入りとなるバンドを見つけたんだよ。AMON AMARTH, INSOMNIUM, DIMMU BORGIR, THERION といったバンドだね。その直後、WINDIR と CHILDREN OF BODOM にも出会った。
彼らは、僕が影響を受けたメタルの基礎となり、20歳か21歳になるまで、ほとんど彼らばかり聴いていたね。クラシックや民俗音楽とともに育った、と言いたいところだけど、僕の家族は質素で、音楽文化は我が家には存在しなかったんだ。

Q2: How did Aephanemer begin? What is the meaning behind your band name?

【MARTIN】: Aephanemer started as a one-man band in 2014 when I released “Know Thyself,” an instrumental EP that I created on my own. A few months later, I brought in other musicians and turned it into a full band. The name of the band is inspired by the autumn season, which has always been my favorite, because it is the season in which I feel most at home and at peace. “Aephanemer” is actually a combination of the words “éphémère,” meaning ephemeral, and “fânée,” meaning faded or wilted, like a flower.

Q2: AEPHANEMER はどのように始まったのですか? そのバンド名に込められた意味を教えてください。

【MARTIN】: AEPHANEMER は、2014年に僕がひとりで制作したインストゥルメンタルEP “Know Thyself” をリリースしたときに、ワンマン・バンドとしてスタートしたんだ。 その数ヵ月後に、他のミュージシャンを加えてフルバンドにしたんだよ。
バンド名は、昔から大好きな秋という季節にインスパイアされたもの。僕は秋が最も、自分の家のように穏やかに過ごせるんだ。”Aephanemer” は、儚いという意味の “éphémère” と、花のように色あせた、しおれたという意味の “fânée” を組み合わせたものなんだ。

Q3: Marion’s ghoulish vocals are truly amazing, and she is the face of the band! How do you feel about the gradual increase of female vocalists and players in the metal world, which used to be a boys’ club?

【MARTIN】: Well, I think that is a wonderful development for many reasons. Humanity has probably missed out on many female Mozarts, Beethovens, or Tchaikovskys simply because access to music careers was so limited for women for so long. I am truly happy that Marion, in Aephanemer, contributes to changing that, both as a singer and as a musician.

Q3: Marion の鬼気迫るボーカルは本当に素晴らしく、彼女はバンドの顔となっていますね! ボーイズ・クラブだったメタル界に、女性ヴォーカリストや女性プレイヤーが徐々に増えていることについてはどう思っていますか?

【MARTIN】: そうだね、それは多くの理由から素晴らしい発展だと思う。 これまで人類は、おそらく多くの “女性版” モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキーを見逃してきたのだろう。というのも、長い間、女性にとって音楽活動へのアクセスは非常に限られたものだったから。AEPHANEMER で Marion が、歌手として、また音楽家として、それを変えることに貢献していることを心から嬉しく思うよ 。

Q4: When I saw the artwork for your last album, “A Dream of Wilderness,” it reminded me of Hayao Miyazaki’s anime. Have you been influenced by such Japanese culture, anime, music, and video games?

【MARTIN】: When we thought about putting a boar on the cover of “A Dream of Wilderness,” we looked for references to boars throughout history to give some inspiration to Niklas Sundin, who created the artwork. Marion immediately thought of the boars in Hayao Miyazaki’s Princess Mononoke, a work we both love. She has been a fan of anime since she was younger, and it has always inspired her creatively. Personally, I have always admired Joe Hisaishi, who composed the music for many Studio Ghibli films. One of my favorite pieces is Innocent from Castle in the Sky – it is pure, sincere, and beautiful. I truly admire his work.

Q4 :前作 “Dream of Wildness” のアートワークを見て、宮崎駿監督のアニメを思い出しましたよ。そうした日本文化、アニメ、音楽、ビデオゲームから影響を受けているんですか?

【MARTIN】: “A Dream of Wildness” のアートワークにイノシシを描こうと考えたとき、アートワークを担当した Niklas Sundin (DARK TRANQUILLITY) にインスピレーションを与えるために、さまざまなイノシシを探したんだ。
Marion は、僕たちが大好きな宮崎駿監督の “もののけ姫” に登場するイノシシをすぐに思い浮かべたね。 彼女は若い頃からアニメのファンで、アニメは常に彼女に創造的なインスピレーションの源となってきた。 個人的には、多くのスタジオジブリ作品の音楽を作曲した久石譲さんをずっと尊敬してきたんだ。彼の作品で好きな曲のひとつは “天空の城ラピュタ” の “Innocent”。まさに純粋で誠実で美しい音だよね。彼の作品を心から尊敬しているんだ。

Q5: Dan Swano is involved in “Utopie” as he was in the last album. What do you learn from the originator of Melo-death?

【MARTIN】: Dan Swanö is an incredible sound engineer and has been essential in shaping the current Aephanemer sound, balancing all the classical instruments with the metal ones. His work allows every layer to be heard and feel alive. We are very grateful for his contribution and look forward to collaborating with him even more in the future.

Q5: Dan Swano は前作に引き続き “Utopie” にも関わっていますね。メロデスのオリジネーターのひとりから何を学んでいますか?

【MARTIN】: Dan Swano は素晴らしいサウンド・エンジニアで、現在の AEPHANEMER サウンドの形成に欠かせない存在であり、すべてのクラシック楽器とメタル楽器のバランスをとってくれているんだ。 彼の仕事によって、すべてのレイヤーが聴こえ、生きているように感じられる。 僕たちは Dan の貢献にとても感謝しているし、今後さらに彼とコラボレーションできることを楽しみにしている。

Q6: In fact, “Utopie” is a truly wonderful album!I can’t think of any other work that blends the wailing, fierce of melo-death with cinematic beauty as well as this one! Is one of your goals to portray a cinematic world with melo-death?

【MARTIN】: Thank you very much! When we create our albums, we don’t really set out to make something cinematic. What we do want is to give the feeling that our music opens a window to another universe, and orchestral instruments help us achieve that. They bring colors and textures that allow us to express emotions in ways that metal instruments alone could not. As for the metal side of our sound, we don’t really think in terms of genres. We simply include all the ideas we have and let them shape the music naturally.

Q6: 実際、”Utopie” は本当に素晴らしいアルバムですね!メロデスの慟哭と獰猛さ、そして映画的な美しさがこれほど融合した作品は他にありませんよ!
メロデスで映画のような世界を描くことは、あなたの目標のひとつなんですか?

【MARTIN】: ありがとう! 僕たちがアルバムを作るとき、映画のようなものを作ろうと思っているわけじゃないんだ。僕たちが望んでいるのは、自分たちの音楽が別の宇宙への窓を開けてくれるような感覚を与えることで、オーケストラ楽器はそれを達成する手助けをしてくれるね。オーケストラ楽器は、メタル楽器だけでは表現できないような色彩や質感をもたらしてくれる。
また、僕たちのサウンドのメタル的な側面に関しては、ジャンルで考えることはあまりないよ。 自分たちが持っているアイデアをすべて盛り込み、それが自然に音楽を形作っていくだけなんだ。

Q7: War, pandemics, division, discrimination, oppression… There are many people seeking escape in this dark world, and this work is a veritable “Utopie” for them. If metal has a role to play now, is it to provide a wonderful escape like this record?

【MARTIN】: Yes and no. We are not escapists in the sense of creating art to run away from reality. Our approach is more that we create art to inspire ourselves, and perhaps others, about what could happen in the real world if we don’t give up and continue working to improve it through our small daily actions. We love when people feel energized and inspired by our music, and then take that energy to make positive changes in their lives, in their homes, or in their communities. For us, creating a better future for all living beings is essential, because our vision of Utopia is a world where humanity lives in harmony with nature and other life forms.

Q7: 戦争、パンデミック、分断、差別、抑圧…この暗い世界で逃避を求める多くの人々にとって、この作品はまさに “ユートピア” だと感じています。
今、メタルが果たすべき役割があるとすれば、それはこのレコードのような素晴らしい逃避場所を提供することなのでしょうか?

【MARTIN】: イエスでもありノーでもある。僕たちは、現実から逃げるために芸術を創作するという意味での逃避主義者ではない。僕たちのアプローチは、あきらめずに日々の小さな行動を通じて現実世界を改善する努力を続ければ、現実世界で何が起こり得るかについて、自分自身、そしておそらく他の人たちを鼓舞するためにアートを創作するというものなんだ。
僕たちは、人々が僕たちの音楽からエナジーやインスピレーションを感じ、そのエネルギーを活かして生活や家庭、地域社会に前向きな変化を起こしてくれることをとても嬉しく思っているんだ。僕たちにとって、すべての生きとし生けるもののためにより良い未来を創造することは必要不可欠なこと。だからこそ僕たちの考えるユートピアとは、人類が自然や他の生命体と調和して生きる世界なんだよ。

Q8: From this record, French is the main language. In recent years, more and more metal bands are incorporating the language and culture of their native country instead of English, why did you decide to make French the main language?

【MARTIN】: As you said, we feel that more and more bands singing in their own language is becoming common and widely accepted. It can even be seen as a sign of sincerity and authenticity, which people appreciate today. For us, using French was a very natural choice, especially since our previous album, A Dream of Wilderness, included one French song that was very well received. From our experience on tour, audiences everywhere actually prefer the French lyrics. There is a small exception with part of the US audience, who sometimes see it as a personal insult that we don’t write in English anymore, but that doesn’t matter to us. We make the art that feels true to us, and only to us.

Q8: このアルバムからフランス語がメイン言語となりました。 近年、英語ではなく、母国の言語や文化を取り入れるメタル・バンドが増えていますが、あなたはなぜフランス語をメインにしようと思ったのですか?

【MARTIN】: 君の言う通り、母国語で歌うバンドがますます多くなり、一般的に広く受け入れられるようになったと感じているよ。 それは今日、誠実さや信憑性の証とみなされ、高く評価されることさえあるからね。
僕らにとって、フランス語で歌うことはとても自然な選択なんだ。特に、前作にはフランス語の曲が1曲入っていて、それがとても好評だったから。 ツアーでの経験から言うと、どこの国でもオーディエンスはフランス語の歌詞を好んでいる。 アメリカのオーディエンスの一部には小さな例外があって、彼らは僕たちが英語で書かなくなったことを個人的な侮辱と捉えることもあるようだけど、それは僕たちにとっては問題ではない。僕たちは、僕たち自身にとって、僕たち自身にとってのみ真実であると感じられる芸術を作るだけだよ。

Q9: In this day and age, some people say that melodeath is outdated, rustic, or unpopular. What do you think about those words? Why do you keep playing melodeath?

【MARTIN】: Every music genre can feel outdated until it is reforged, renewed with new elements from other styles, and then finds a new audience. I feel that is exactly what some of us are trying to do. Objectively, we don’t really sound like Dark Tranquillity, Amon Amarth, or Arch Enemy at all. Even Children of Bodom, a band we are sometimes compared to, has a very different vibe than us. This makes sense, because today I am mostly inspired by medieval, classical, and folk music, which isn’t the case for any of those bands. That is simply how music evolves. But when we write, we never think about comparisons or trends: we just create the music we wish existed, the music we would want to listen to ourselves.

Q9: 今の時代、メロデスは時代遅れだとか、いなたいだとか、人気がないなどと言う人がいます。それでも、なぜあなたはメロデスを演奏し続けるのですか?

【MARTIN】: あらゆる音楽ジャンルは、他のスタイルから新しい要素を取り入れて刷新され、新しいリスナーを見つけるまでは、時代遅れだと感じることがある。僕たちがやろうとしていることは、まさにそうした挑戦だと思う。
客観的に見て、僕たちは DARK TRANQUILLITY, AMON AMARTH, ARCH ENEMY のようなサウンドではまったくない。 CHILDREN OF BODOM と比較されることがあるけれど、それでも僕らとはまったく違う雰囲気を持っているよ。 というのも、今の僕は中世、クラシック、民族音楽にインスパイアされることが多いからね。それはもはや前世代のバンドには当てはまらない特徴だよね。
結局、単に音楽はそうやって進化していくということだよ。 でも、僕たちが作曲するときは、比較や流行を考えることはない。僕たちはただ、自分たちが存在してほしいと願う音楽、自分たち自身が聴きたいと思う音楽を作るだけなのだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MARTIN’S LIFE!!

System of a Down “Toxicity”

Because it was the first metal I ever listened to.

Amon Amarth “Fate of Norns”

As it was the first melodic death metal album I discovered.

In Flames “Colony”

Because it made me re-discover melodic death metal when I was 21 and probably inspired me to create Aephanemer

Joe Hisaishi “Howl’s Moving Castle soundtrack”

A major album in my musical journey beyond metal.

Basil Poledouris “Conan the Barbarian”

For a similar reason, and it also became a source of inspiration for Utopie.

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you so much to all our listeners in Japan for your support and your amazing culture. We are currently working with a local promoter on a Japan tour, and we really hope to meet you all in 2026. Wishing you a wonderful day!

日本のリスナーのみんな、応援と素晴らしい文化に本当に感謝しているよ。僕たちは現在、日本のプロモーターと日本ツアーに取り組んでいて、2026年に会えることを本当に楽しみにしているんだ。みんなにとって、素晴らしい一日になりますように!

MARTIN HAMICHE

AEPHANEMER Facebook

LINKTREE

日本盤のご購入はこちら。AVALON online

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IMPUREZA : ALCÁZARES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LIONEL CANO MUNOZ OF IMPUREZA !!

“Metal And Flamenco…Two Worlds That Seem To Be Opposites, But Which Share The Same Intensity, The Same Pain, The Same Rebellion. It’s This Mixture That Forged The Guitarist I Became.”

DISC REVIEW “ALCÁZARES”

「非常に美しい進化だと思うよ。メタルはついに、これまで以上にユニバーサルなものになりつつあるんだからね。各言語には歴史、色、文化があり、それを使用する者にリズムを与える。スペイン語は、僕たちの歌詞に特有の音楽性をもたらし、ドラマチックで激しく暴力的な側面を与え、メタルの力とフラメンコの強度を自然に融合させてくれるんだ」
BLOODYWOOD や THE HU の台頭により、メタルに宿る生命力、包容力、感染力がついに可視化されました。今やメタルに第三世界はありません。その大いなる寛容さで様々な地域、様々な人々の文化を暖かく包み込み、メタルの咆哮と旋律に共感を誘います。
“ヒスパニック・メタル” を標榜する IMPUREZA も、そんなユニバーサルなモダン・メタル世界を象徴するバンドのひとつ。フランスとスペインの伝統の炎…その熱き血潮で鍛えられた IMPUREZA は、エクストリーム・メタルとフラメンコの情熱的で激しい融合を20年もの長きに渡って、追求してきました。そして今、イベリア半島のアイデンティティを刃物のように操り、自らのルーツをメタルの中に浸透させた彼らの勇気に遂に時代が追いついたのです。
「僕はフラメンコとメタルという、非常に強力な2つの世界の間で育ったんだ。家ではパコ・デ・ルシア、カマロン・デ・ラ・イスラといったスペインのギター音楽を聴いていたんだよ。一方で、METALLICA, PANTERA, SLAYER, MORBID ANGEL, TESTAMENT, NILE などにも完全に浸っていた。一見対立する二つの世界だけど、同じ情熱、同じ苦悩、同じ反逆の精神を共有しているんだよ。このふたつのミックスが、ギタリストとしての僕を形作ったんだ」
そう、一見交わらないように思える様々な道を交わらせるのがメタルの力。しかし、そもそもフラメンコとメタルには、情熱、苦悩、そして逆境を跳ね返す回復力といった多くの共通項が存在しました。だからこそ、今回のインタビューイでありイベリアのギター・ヒーローLionel Cano Muñoz は PANTERA とパコ・デ・ルシアを同時に愛することができたのです。
「フラメンコには深い、悲劇的で、感情的、本能的な精神がある。メタルには、この解放的な音楽の力を通じて、僕たちの中に埋もれたエネルギーをアウトプットする能力がある。ただしふたつとも複雑な音楽で、多くの厳格さを必要とする。勇気は、この絶対的な誠実さから生まれてくるんだ」
とはいえ、これほど精巧で、荘厳で、ドラマティックなヒスパニック・メタルはまさに前人未到の領域。誰も踏み入れたことのない場所を開拓するためには勇気が必要です。そして、NILE や BEHEMOTH のように凶悪でありながら、OPETH のように挑戦的で、パコ・デ・ルシアのように革命的で苦悩と歓喜に満ちた “La Orden del Yelmo Negro” は、絶対的な勇気の歌。あの Jacob Hansen 指揮の下、見事に練られたクラシカルなストリングスとリズミックなパーカッションが、メタルの “レコンキスタ”、再征服を誇り高く宣言します。そしてもちろん、フレットレス・ベースの嗎はプログレッシブなデスメタルの矜持。
「スペインの歴史には、その偉大さと衰退の両方が刻まれている。政治的、宗教的、さらには神秘的な対立が多くの不幸の根源だけど、そうしたテーマは僕たちの創作に無限のインスピレーションを与えてくれる。僕たちは戦争を美化しようとしているわけではなく、その精神的、文化的、人間的な共鳴を探求しているんだ。戦争は確かに暴力的なものだけど、同時に深くて象徴的なものだと思う」
常にイベリアの歴史を物語ながら、ある種の教訓をもたらしてきた現代の吟遊詩人 IMPUREZA。今回のアルバム “Alcázares” で彼らは、血と死が今よりもはるかに近くにあった中世、レコンキスタをテーマに選びました。キリストとイスラム…血塗られた歴史と神秘が交錯する宗教と戦いのストーリー。争いから始まった文化と人の流動性はいつしか成熟され、洗練され、多様な背景を持つ人々を生み出し、ルネサンスの下地にもなりました。血と死に導かれたレコンキスタはまさに、メタルとフラメンコの “不純な” 婚姻にも似て、多文化共生、異文化共鳴の始まりでもあったのです。
今回弊誌では、Lionel Cano Muñoz にインタビューを行うことができました。「メタルは世界を変えることができない。それはたしかだ。だけど、ニュース、本、映画とは全く異なるチャンネルを通じて物語を伝えることならできる。そうやって、いつも僕たちに “逃避” する場所を与えてくれるんだ。メタルはおそらくこの世界におけるユニバーサルな言語であり、表現における最高の武器なんだ!」どうぞ!!

IMPUREZA “ALCÁZARES” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IMPUREZA : ALCÁZARES】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BLACKRAIN : CRACK THE SKY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SWAN HELLION OF BLACKRAIN !!

“Van Halen Debut Album Became a Big Thing In My World, The Sound Of The Guitar On This Album Is So Unique, There’s a Very Special Feeling Coming Out Of It, It Is Wild.”

DISC REVIEW “CRACK THE SKY”

「Jerem はまだ若いけど EVH の大ファンで、彼にとって大きな影響の源だよ。実は、この動画で僕らの音楽がより広い層に届くと期待していたんだ。素晴らしいギターソロは、ロックやグラムのコミュニティだけでなく、多くの人々の心を動かすことができるからね」
Eddie Van Halen が旅立って5年。そのユニークな音楽、哲学、サウンド、テクニックは、大いなる遺産、ロックの “導火線” となって今も人々の心を動かし、リアルタイムを知らない若い世代をもギターやメタルの沼へと引きずり込んでいます。ギター・ヒーローの類稀なる情熱と魔法は、先日インタビューを行った DERAPS の例を挙げるまでもなく、確実に多くの後続へと “継承” されているのです。
「VAN HALEN のファースト・アルバムは、若い頃にオリジナルのLP版を贈られてから、僕の世界で大きな意味を持つようになったんだ。このアルバムのギターの音は本当に独特で、特別な感覚があるよね。実に野性的だよ」
20年前、ここ日本のツアーからキャリアのスタートをきったフランスの BLACKRAIN。80年代のサンセット・ストリップを現代へと蘇らせる彼らは、紆余曲折を経て昨年再スタートを切りました。Jerem G という若き才能を得た彼らは、一度 VAN HALEN のファースト・アルバムという原点に戻り、再起を図ります。”Resurrection”。Jerem G がこの楽曲、このMVで魅せた姿には明らかに “Eruption” の情熱、野生、衝撃が宿っていました。今、この動画は様々なプラットフォームで拡散され、”バズって” います。そう、ギターの衝動は時にメタルのコミュニティを超越して “噴火” します。かつての VAN HALEN のように。
「現代の社会では、人々は何かに対して30秒以上の注意を払わないため、”メディオクリティ” “奇をてらわない良さ” “普遍的な素晴らしさ” が “大きな問題” となる。これが、今日あらゆる問題が蔓延する理由かもしれないよね。だからこそ、努力を重ねて一定のレベルに達し、夢を叶えた人々を見聞きすることは、確かに大切なことなんだ…」
長年こうしたサイトを運営していると、いかに現代が、もしくは SNS が “普遍” と相性が悪いかを思い知らされます。結局、”バズる” 記事は今や30秒、いや5秒で伝わる奇抜な “出オチ” のアーティストが大多数。もちろん、そうした前代未聞のアイデア自体は素晴らしいのですが、果たして “バズ” に “加担した” リスナーは彼らを末長く愛しているのでしょうか?まるでスタバの新作のように、ただ一度 “消費” してそれで終わりのような気がしてなりません。
スクロールで膨大な情報が現れては消える時代に、私たちのアテンション・スパンはどんどん短くなっていきます。そうした流れで、”メディオクリティ”、普遍的に長く愛せる音楽を私たちは見失いがちなのかもしれませんね。だからこそ、もし “当たり前にカッコいい” Jerem G の勇姿に感銘を受けたとしたら、彼らのアルバムにも目を向けて欲しいのです。そこには、80年代の巨人たちとも対等に渡り合える、情熱的な目眩くメタルの “普遍” が存在しているのですから。
今回弊誌では、フロントマン Swan Hellion にインタビューを行うことができました。「多くのギター・ヒーローや素晴らしい達人が存在したと感じてきたけど、僕の注意を引くのはごくわずかだった。多くの人が超高速でスケールを上下に弾くことができる中、僕は別の何かが必要だと思ったんだ。曲のために演奏し、音楽に本物をもたらすギタリスト、タッチやサウンドを持つギタリストこそが必要だとね。Jerem はその資質を持っている」 どうぞ!!

BLACKRAIN “CRACK THE SKY” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BLACKRAIN : CRACK THE SKY】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CKRAFT : UNCOMMON GROUNDS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHARLES KIENY OF CKRAFT !!

“I Might Be Wrong, But I Don’t Think There’s Another Metal Band Fronted By This Accordion And Saxophone Section.”

DISC REVIEW “UNCOMMON GROUNDS”

「バンド名の CKRAFT は、”Craft” と “Kraft” という2つの単語を意図的に組み合わせたもので、僕たちの音楽哲学の核心を表している。英語の “Craft” は、僕たちが深く大切にしている “クラフトマン・シップ”、つまり作曲、レコーディング、演奏、そしてサウンドをゼロから構築していく実践的な作業を意味している。サンプルもプログラミングもなく、すべては楽器の演奏から生まれることをね。一方、ドイツ語で “Kraft” は “強さ” や “力” と訳され、ヘヴィでクラッシングなサウンドを意味するんだ!」
テクノロジーの進歩は、メタル世界にも様々な恩恵をもたらしています。アナログ時代には想像も出来なかったサウンド、正確性、利便性。その一方で、アナログ時代に確かに存在した “クラフトマン・シップ”、職人芸や鍛錬を重ねることでたどり着く創造性が失われたと感じるリスナーも少なくないでしょう。芸術の都パリを拠点とする CKRAFT は、伝統と革新の融合で失われつつある音楽の “クラフトマン・シップ” を再度提示します。
「僕の最大の情熱のひとつは、音楽(そして芸術全般)がいかに永続的で普遍的なものであるかを探求することで、このような古代のサウンドがいかに現代の文脈の中でも共鳴しうるかということが、それをよく表していると思う。それは、一見異質な世界の間に “共通点” を見出すことなのだ」
CKRAFT がすべて人の手から生まれる “クラフトマン・シップ” にこだわるのは、音楽の、芸術の永続性を探求するため。最新のテクノロジーどころか、電気もなかった時代。そんな時代の音楽でも、今の世に響く素晴らしさ。そこに CKRAFT は感動を覚えました。そうして、CKRAFT は、現代で感動を覚える MESHUGGAH や GOJIRA のヘヴィ・グルーヴと古代の音楽が共鳴することを発見します。彼らが特に感化されたのが、グレゴリオ聖歌。その壮大で神聖なクオリティは、まさに CKRAFT が愛するジャズとメタル、そして古代と現代のギャップを埋める重要な “糸” だったのです。
「アコーディオンやサックスはおそらく、僕たちを知ったときに最初に目にするもののひとつで、CKRAFT を際立たせている。間違っているかもしれないけど、このアコーディオンとサックス・セクションを前面に出したメタル・バンドは他にないと思う。僕にとっては、破砕的なリフに対する深い愛と、僕が大切にしているアコースティック楽器を融合させ、それを力強く機能させる方法を見出したかったということに尽きる」
CKRAFT のそんな野望、野心に応える楽器がアコーディオンでした。17世紀に誕生した美しき蛇腹の楽器は現在まで、時の試練に耐えその麗しき音色を奏で続けています。まさに時代をつなぐアーティファクト。だからこそ、聖歌、クラシック、ジャズ、メタルの架け橋として、彼らにとっては完璧な楽器でした。もちろん、そのままの音量ではメタルの喧騒に埋もれてしまいます。アコーディオン奏者で今回のインタビューイ Charles Kieny はそこに現代のテクノロジーを注ぎ込みました。シンセ・アコーディオン。ラウドに生まれ変わった古来の楽器は、そうしてモダン・メタルと多様な融合を果たすことになりました。
そうして “クラフトマン・シップ” の申し子たちは、メタルのヘヴィネス、ジャズの自由、グレゴリオの不滅の旋律を借りた、精巧でパワフルなサウンドの職人として完成しました。テナー・サックスとアコーディオンの熱狂的なブラストは決して声にも劣りません。真に才能のあるインストゥルメンタル・アーティストは、言葉を一切使わずに最も壮大なイメージを呼び起こすことができるのです。
今回弊誌では、Charles Kieny にインタビューを行うことができました。「MESHUGGAH はメタルにおける複雑さと精密さの頂点を表していると思う。彼らには独自のグルーヴがあり、そのリフはこの地球上の誰も生み出したことのないものだ」 どうぞ!!

CKRAFT “UNCOMMON GROUND” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CKRAFT : UNCOMMON GROUNDS】

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【MOISSON LIVIDE : SENT EMPERI GASCON】


COVER STORY : MOISSON LIVIDE “SENT EMPERI GASCON”

“Je ne pourrais pas m’en passer, l’école power metal a laissé des traces bien trop profondes, merci Tobias Sammet !”

SENT EMPERI GASCON

MOISSON LIVIDE のデビュー・アルバムは、フォーク&パワー・メタルが黒に染まった魔法のような作品です。
ガスコーニュ地方として知られるフランス南西部出身の MOISSON LIVIDE(怒りの収穫)は、主に Baptiste Lavenne の発案によるプロジェクトです。Lavenne は、関連の深いフォーク・メタル・バンド、BOISSON DIVINE(神の酒)の中心人物ですが、MOISSON LIVIDE では、より幅広い楽器と様々な影響を取り入れながら、サウンドの攻撃性と激しさ、そして芳醇なるメロディを研ぎ澄ませました。
“Sent Empèri Gascon” は、初手であらゆる民族楽器(アコーディオン、バグパイプ、ティン・ホイッスル、ホルン、ブズーキなど)が魅了するかもしれませんが、作品が聴き手にしみ込んでいくにつれ、最も印象的なのは、実は基本的で最も重要なこと、つまり歌だとわかります。民俗音楽の系譜に忠実な Lavenne には、新鮮さと古さを同時に感じさせるメロディーを紡ぎ出し、それを中心に壮大でありながら論理的な構成を構築する才能があるのです。そうした点で、このアルバムには初期の MOONSORROW との強いつながりがあるのかもしれませんね。
そして何よりも意外性がここにはあります。フォーク・メタルはソフトだと思うなら、ここにはロケット燃料を使ったブラックメタルの激しさがあります。ブラックメタルは頑固で真面目だと思っているなら、このアルバムは暖かさと胸を高鳴らせる高揚感や笑いに溢れています。メタルは極端さを追求すると道を踏み外すと思っているなら、MOISSON LIVIDE は伝統的なメタルの疾走とツインギターのリードが唸りを上げます。彼らはフォーク・メタルを核に、ブラック・メタル、トラディショナル・メタル、メロデス、ピュア・フォーク、パンク、シネマティックな雰囲気、パワー・メタルなど、曲が必要とするところへ放射状その豊かな味わいを広げていくのです。
そうして、パンチの効いたパワー・メタルとパワフルなブラック・メタルの間で揺れ動くこの新しいバンドは、イノシシのように彼らの生まれた土地を隅々まで掘り下げます。自嘲と皮肉、そして何よりも知性に満ちた LAVENNE は、このプロジェクトの起源を振り返ります。

「BOISSON DIVINE があるからまあ、このプロジェクトが冗談のようなものだと考えるのは完全に間違っているわけではない。もう少し詳しく説明しよう。私がブラックメタルを知ったのは、雑誌のCDサンプラーでメタル全般を知った後、かなり早い時期だった。当時は正直言って、そのスタイルをよく理解していなかった。暴力のレベル、イメージ、ドラミングのスピード、皮を剥ぐようなボーカル……もちろん印象的ではあったけど、私にはすべてがほとんど不条理に思えたんだ。私はすぐにそこから離れ、明るいもの、特にパワー・メタルを愛するようになった。私は DISSECTION に出会い、衝撃を受けたんだ!DISSECTIONは、私がこのスタイルの虜になるために不可欠なバンドだった。アグレッションとメロディーの比率、メタルのちょっとしたアクセント、アコースティックなパッセージ、それは私にとって勝利のコンボだった!それから少しして、VEHEMENCE、AORLHAC、ABDUCTION、PAYDRETZ、HANTERNOZ…といったフランスのメロディック&メディーヴァルなシーンを味わった。だから私は、ゆっくりと、でも自然に、ブラックメタルの影響を自分の作曲に取り入れるようになった。それは BOISSON DIVINE の他のメンバーに定期的に送っていた新曲のデモにも反映されるようになっていったんだ。
それから、ガスコーニュ地方のブラックメタルというアイデアが気に入り、私は曲作りに熱中した(笑)。アイデアがどんどん湧いてきて、あっという間にすべてがうまくいった。BOISSON DIVINE をもじって MOISSON LIVIDE と名付けた。自分たちの足跡を隠すため、人々を笑わせるため、そして不意を突くためにね。こうして “Sent Empèri Gascon”が誕生したんだ」
このアルバムは明らかにガスコーニュ人による、ガスコーニュ地方のための、ガスコーニュのアルバムです。こうしたレコードを作るというアイデア全体、つまりジャンルの制約を気にせず、マーチング・トランペットとブラストビートと80年代のシュレッド・ソロを嬉々としてミックスするスピリットが、とてもフランス的だとも言えるでしょう。”気にしない” という強い姿勢、それはフランスのメタル・シーンに貫かれた哲学なのでしょうか?
「”We don’t care” はアルバムの雰囲気をよく表しているね(笑)。私を突き動かしている哲学であることは間違いない。反商業的な精神が大好きなんだ。自分たちの好きなことをやって、誰がそれを好きなのか見る。既成のジャンルの基準に100%固執して自分たちを芸術的に制限することは考えられないし、それは無意味だからだ。きれいなコーラスを思いつくたびに、私はこの言葉を口にしてきた。誰が気にするんだ?!ってね。ブラック・メタル純血主義者に嫌われる?ああ、でも私は気にしない!」

“聖なるガスコン帝国” というアルバム・タイトル、そして壮大なストーリーにも、フランスイズム、ガスコンイズム、そして中央集権化された首都への苛立ちが宿っています。
「コンセプト・アルバムではないし、テーマは曲によって大きく異なる。地元に古くから伝わる伝説や歴史上の人物、田舎からの脱出や過疎化といったシリアスな話題もあれば、サイクリストに関するユーモラスな話題や、大都会から来た迷惑な観光客をやっつける妄想もある。しかし、タイトルとジャケットは、技術の飛躍的進歩の後に銀河系ガスコン帝国が誕生するという近未来的な架空の物語で “Sent Empèri Gascon”(聖なるガスコン帝国)という曲に基づいている。2084年、パリのジャコバン党が、投票率83%で、”ヨーロッパ連合超民主主義共和国 “として知られる新生国家の選挙に勝利した。その後、中央集権化、自由を奪う、抑圧的な政策が強まった。公共の安全を確保するために高速道路の制限速度が時速50キロに引き下げられ、債務削減のために付加価値税が42%に引き上げられた。エネルギー消費を抑えるため、夜7時からの夜間外出禁止令が導入され、朝7時まで停電となった。反乱は拡大し、地域の独立を望む声はかつてないほど強くなった。
10月2日、鴨の胸肉の脂肪の摂取を禁止する改正案が可決された。さすがに背に腹は代えられなかった。ガスコーニュ地方の2人の農民、ジルとジョン・ドゥディジョスは首都を訪れ、パリの警察署に放火した。彼らの逮捕はメディア、特に24時間放送のオック語ニュースチャンネル “ベルグー・ニュー” で大きく報道された。民衆蜂起の試みを阻止するため、彼らは罰則を受けた。トラクターのボンネットは、自転車のフレームやスクーターのハンドルとして再利用される。彼らはまた、60.8°F以上の暖房をしている市民を通報する無料ホットラインの電話オペレーターとして、2週間の社会奉仕活動を強いられる。国防委員会は、公衆の面前でベレー帽をかぶった場合、頭囲1センチにつき90ユーロの罰金を科すという最後の一撃を加えた。
このような極端な暴力に直面した反体制派は、できる限り目立たないように、新たな集会の方法を探さざるを得なかった。しかし11月17日、すべてを変える出来事が起こった。バスク地方のイルレギー近郊で考古学的発掘が行われ、ガスコン語で刻まれた動物の骨が発見されたのだ。専門家たちの懸命の努力にもかかわらず、フェブシア文字で書かれたメッセージを解読することはできなかった。
そんなことができるのは、この世でただ一人の男だけだ。ピック・デュ・ミディ・ド・ビゴールからほど近い暗い洞窟に住む孤独な男、ガスコン族の最後の一人、ジャン・タイエール。伝説によると、彼は辞書を破って作ったマットレスの上で寝ており、マイクロトポニーミーへの執着が彼を狂わせたという。南風が吹く満月の夜には、アレッテの詩の一節を叫ぶ声が聞こえる。
12月21日、彼のもとに骨が運ばれてきた。彼は一息で、書物を覆っていた埃を払い落とした。Quan dou cèu e séra cadut Lou princi qui estoû proumétut Fénira lou téms de misèri Bastiram lou nouste Empèri」(約束された王子が天から降るとき、不幸の時は終わり、我々は帝国を築く)。
大地震が山を揺らした。何とも言えない音とともに、別世界からの宇宙船のようなものが岩の上に着陸した。長い金髪に熊の絵で飾られたマントを羽織った人型の巨漢が出てきた。彼は完璧なガスコン語で聴衆に語りかけた。彼の名はアラリック4世、Kメラト太陽系のブラアD星から来た。何千年もの間、地球を観察してきた彼の祖先が、ガストン・フェビュスの姿に魅了され、1390年8月2日、彼のバスタブの下にあるマイクロ・ブラックホールを使って、彼を誘拐する計画を立てたという話をした。溺れているように見せかけ攫ったと。
アラリック4世は話を続けた。予言は聖典によって明らかにされた。彼の使命はガスコーニュの人々に星間旅行と反重力の原理を理解する鍵を与え、パリのジャコバン派の凡庸さ、愚かさ、寄生から地球と銀河系を解放することだった。彼は、この技術的飛躍に不可欠な燃料である元素115を安定させる方法を教えた。ニンニク1片、ワイングラス2杯、モスコビウム7kgを量子粒子加速器の中で混ぜなければならなかった。
このようにしてマスターされた115番元素は、核兵器の1万2000倍の破壊力を持つ、想像を絶する恐ろしい戦争兵器の創造も可能にした。核兵器の1万2千倍の破壊力を持つのだ。権力を取り戻し、専制君主を打倒し、フェブスの昔からの夢を実現するときが来たのだ。そして、彼の意志は実現した。
この文章は、ほとんど理解できないような曖昧な文学や社会的引用で、ばかばかしくさえあることは分かっている。しかし、現在の(そして過去200年間の)フランスがどのようなものかを説明するならば、フランスは高度に中央集権化された国で、権力、資金、決定は主にパリに集中している。共和国はその支配力を確立するために文化の標準化を推進し、その結果、パリだけのフランス人を優遇するために、地方の文化や言語は破壊され、少なくとも弱体化した。
このアルバムには、肯定と復讐の思想がある。存在への叫び、私たちが再発見しなければならない生命力。要するに、私たちは自分自身を死なせるのではなく、抵抗しなければならないという考えだ。
疑念を抱くたびに、そのことが頭をよぎった。この精神がフランスのシーン全体に一般化できるかどうかはわからない。いずれにせよ、君がそう感じるのであれば、そこには何らかの真実があるに違いない」

MOISSON LIVIDEの音楽は、ブラックメタルやヘヴィメタル、さらにはパワー・メタルを基調としながら、伝統的な中世の楽器やフォーク的な部分も持ち込んだ実に多様な農夫のメタル。
「まあ、オープンマインドを強調するつもりはないけれど、時間が経てば経つほど、聴くものが多様になり、影響を受けたものが蓄積されていくんだ。私は作曲が大好きで、Cubase の空のセッションを開いて、ここ数ヶ月の間に蓄積されたアイデアの断片に命を吹き込み、それを構造化することをとても楽しんでいる。音楽を分析するのも好きだし、好きなスタイルのコードはすぐに理解できる。でも、あるジャンルを聴くことで、それが頭の片隅に残って、自然と出てくるんだ。結局、作曲のプロセスを説明するのはかなり難しい。脳がさまざまな情報の断片を保存し、その都度ユニークな組み合わせの混合物の形で吐き出すのだと想像している」
Lavenne が恐ろしいのは、農家であることをメタルに活用しているところでしょう。まさに農家とメタルの二刀流。
「私は頭を使ってよく書く。本当にほとんど楽曲は頭で書いている。アイデアは何の前触れもなく浮かんでくるので、ボイスレコーダーアプリを取り出し、赤いボタンを押してラララと歌う。夕方家に帰ると、自分が書いたものを聴いて、アコースティックギターかピアノでコードを練る。ほとんどすべて仕事中に書いている。私はワイン生産者なので、多くの時間をブドウ畑で手作業に費やしている。ブドウの木は1本1本違うが、やるべきことを覚えたら、他のすべてのブドウの木で同じ作業を繰り返す。これを疎外感と捉える人もいるかもしれないが、私は脳の時間を解放する素晴らしい機会だと考えている。
数年のノウハウとブドウ畑の知識があれば、ある種の自動操縦モードに入ることもある。楽器を手にして座り、何か書かなければと自分に言い聞かせることは、本当にめったにない。だから同時に2つのことができる。そのおかげで膨大な時間を節約できる。さまざまな影響について話を戻すと、このようにたくさんの曲をミックスするときに一番難しいのは、”コラージュ” 的な嫌味を出さずに、すべての曲を調和させる一貫性、共通の糸を保つことだ。
だから私は、長尺にもかかわらずかなりシンプルな構成に特に注意を払っている。フック、節、繰り返されるテーマ、コーラス……私はビッグなコーラスが大好きなんだ!パワー・メタル派は、メタルにあまりにも深い足跡を残しすぎた!ありがとう、トビアス・サメット!」
歌詞はガスコーニュ地方の昔話、寓話と現代の出来事に対する批判、さらには未来的な推測の間で揺れ動きます。
「いつもメロディーが先に作られる。それからコード。歌詞はその連鎖の最後のリンクにすぎない。実際、デモを作るときは、曲を完成させるために、何でも歌ったり、思いつきで書いたりすることがよくあるんだ。本当の歌詞は、曲がアルバムの選考段階を通過してから、後で書く。これが一番難しい作業で、なかなか進まないこともある。それでも、美しく、よく書かれた文章を最終的に完成させるのはとても満足感がある……少なくとも形としてはね、内容がくだらないこともあるから(笑)。
ただ、テーマを最初に思いつくということはよくあるんだ。それが曲の内容に大きく影響する。実際、最も非定型的な作曲はそうやって生まれることが多い。主題に変化をつけるのに役立つからだ。また、あらかじめテーマがあると、イメージを思い浮かべることができ、とても刺激になる。最終的には、それをメモに書き写すだけ」

戦争のトランペット、狩の角笛、あるいは反逆のパンクなど、まったく予想外の要素を導入するのも、意外性を生み出すためでしょうか?
「常にそれを意識してやっているわけではないけど、たしかにそんな一面はある。私はアレンジのバラエティーが大好きで、あらゆる方向に飛び出したり、いくつもの音域に触れたり、さまざまなスタイルをミックスしたり、要するにあらゆる棚からつまみ食いするのが好きなんだ(笑)。私はその冒険心をとらえようとしていて、”何でもあり” でいたい。商業的には間違いなく逆効果だけど、仕事ではないので経済的な制約がなく、このようなリスキーな組み合わせができるのは贅沢なことだ。というか、音楽制作のリスクって何?」
残忍さにメロディを加えるという意味で参考にしたのは、あのレジェンドでした。
「 CHILDREN OF BODOM がいい例だよ。私は必ずしもブラックメタルに詳しいわけではないけど、あれほどパワー・エッジの効いた残忍なメタルはまだ聴いたことがない。だから、ブラックメタルの純血主義者のことは気にせず、100%ブラックなアルバムを作る意味はなかった。 ビッグなコーラスがないトラックは作れないし、思いつくことはできても実現できない。私は、ハーディ・ガーディ、ランド地方のバグパイプ、マンドリン、ブズーキ(ちなみにガスコーニュ風ではない)を使い、私が望んでいたハードでキャッチーなコーラスをミックスしている。そしてもちろん、フランスの地方の力強さ、古くからの伝統や価値観に親近感と哀愁をもたらす伝統楽器も」
もちろん、パワー・メタルからの影響も強く残ります。
「IRON MAIDEN, JUDAS PRIEST, ACCEPT, HELLOWEEN, GAMMA RAY…それ以上に AVANTASIA とトビアス・サメットの大ファンでもあるし、伝統的なフォークに軍隊行進曲の側面もある。実際、MOISSON LIVIDE は、私のでたらめな考えをすべて受け入れてくれるような存在だった」
歌詞に使われているガスコン語で自分のルーツに忠実であること、信憑性を保つことは重要なのだろうか?
「簡単に言えば、ガスコン語は私の心の言葉だよ。私の言語だから私の言語で歌う。他の言語で音楽を作ろうとは思わないし、ごく散発的にしかやらないよ。ガスコン語はバスク語をローマ字にしたようなもので、特にRの転がし方にロック的な側面がある。メロディアスなんだ。
私がマスターしている他の言語に関して言えば、フランス語はゲルマン語の影響を受けてメロディーに悪影響を与えるし、メタルでは英語は完全に使いすぎだ。カスティーリャ語に関しては、中学の最後の年以来レベルが急降下しているし、イベリアの友人には失礼だが、ホタの使い方には少し抵抗がある。私たちの歴史はフランス共和国の学校では教えられていない。しかし、私たちのささやかなやり方で、この地域の文化を広める手助けをしている。私たちの歌のおかげでガスコン語を習い始めた人たちや、語学教室に通い始めた人たちからメッセージをもらうと、とてもうれしいね。ガスコン語の使用は70年前から減少しており、復活を望むのはユートピア的だとは思うけどね」
時代に反して、MOISSON LIVIDE の楽曲はかなり長く、変化に富んだパッセージに満ちています。
「レコード盤のフォーマットを埋める必要があったし、Cubase の ctrlC + ctrlV は僕のお気に入りの機能なんだ。”St.Anger” の遺産だね!冗談はさておき、曲のフォーマットは計画的なものではなく、とても本能的なもので、テーマによって本当に様々なんだ。でも、多くの場合、壮大な題材は少なくとも8分以上の時間を必要とする。昔の IRON MAIDEN や HELLOWEEN のアルバムのラスト・トラックに影響を受けているんだ(笑)」

アルバムのジャケットに使われている地図と紋章にも興味をそそられます。
「左の紋章はガスコン地方の紋章で、ルイ14世の紋章官が作った最も広く普及しているシンボルのひとつなんだ。2頭のライオンと麦の穂が描かれたこの紋章は、歴史上ガスコーニュの国旗は存在しないが、これは国旗の役割を果たした。私は赤と青よりも、より正統的な赤と白の方が好きだった。その下の標語は “Sauvatgèr, pataquèra, quantica, renavida” で、意味は “野蛮、乱闘、量子、刷新”。まあ、何の意味もないのだけど、なかなか調子に合っていると思う。ローマ帝国にちなんで乗っかっただけだ。右は銃士の十字架、ガスコン語で “crotz deu larèr”(囲炉裏の十字架)。
その下には “Nunqan Polluta”(決して汚されない)という標語がある。これはバイヨンヌの街の歴史的標語で、何度も包囲されたが一度も奪われなかったから。その版図は日本にまで及んでいるね。地図にはデタラメやダジャレがたくさん書かれているので、全部を解剖するつもりはないけど、パリは帝国の監獄と記されている。この街はこれ以上の価値はない」
MOISSON LIVIDE の精神には、人に内在する嘲笑と楽しみの精神が如実に感じられます。それは人生の明るい面を見る方法であり、蔓延する憂鬱を鼻で笑うこと。
「私の音楽はシリアスで、形式は巧みだけど、歌詞の半分は不条理で、二番煎じで挑発的で、実にくだらないものだ。それは私の性格の一部だからね。単純に人生の反映だと思う。映画の人生のように一面的なものではない。あるときはシリアスで厳粛、またあるときは遊び心にあふれ嘲笑的、速いか遅いか、短いか長いか、まったく異なるムード、サウンド、モード、トーナリティを通過する。深く掘り下げれば、自分の好みに合うものがすぐに見つかるからだ。とはいえ…メタルは真面目すぎるよな(笑)」

原点回帰の田舎暮らしを推奨し、礼賛するメタルだとすればまさに前代未聞でしょう。
「ただ、私たちは必ずしもそのメッセージを伝えようとしているわけではないんだよ。私たちがやっていることは、結局のところ、私たちが情熱を持っていて、他の人に音楽にして聴いてもらいたいと思っているテーマについて話しているだけだからね。特に制約もなく、思いついたものをミックスしているだけなんだ。個人的には、”土地に根を下ろせ”、”田舎に帰れ”, “庭を作れ”, “その土地の言葉を学べ” といった命令や小難しいフレーズを発する気にはならない。おそらく、私は人に指図されるのがあまり好きではないし、その逆もしかりだからだろう。だから自分でビジネスを立ち上げて、働き手を持たないのがいいんだ(笑)。
というのも、無理強いすることなく、ただ敬意を表し、練習し、提案することによって、私たちは人々にガスコン語を習得してもらい、年配の人々には再びガスコン語を始めてもらい、若者たちはランド・バグパイプのような伝統楽器を手にしてもらい、地元のポリフォニック・グループは私たちの歌をレパートリーに取り入れてもらっている。私たちのささやかな貢献によって、さまざまな人々が同じ旗のもとに集い、ガロンヌ地方やピレネー地方を越えて、この地方の知名度を高めることができるのは光栄なことだからね」
最後に、このアルバムにはどんなワインを合わせるべきなのだろうか?
「メルローではなく、100%タナだ!もちろん、MOISSON LIVIDE を存分に味わいたいなら、私のドメーヌ・ド・マティラのタナを飲まなければならない。私の祖父が1960年代に植えた古木のタナ100%の2020年のキュヴェがある。素晴らしいタンニンの強さを持ち、味わいはとてもリッチだが、とてもソフトでクリーミーでもある。家で15年から20年保存できるようなボトルだ。
アルバムを聴きながらタナを飲めば、五感が活性化する。飲むために聴き、その逆もまた然り。高価なVIPチケットよりずっといい、まさに没入型の体験だ。もし私の国を通りかかったら、遠慮なく訪ねてきてほしい。私は夜間、敷地内で人々を歓迎し、試飲やワイナリー周辺のツアーを提供しているからね」

参考文献: HARD FORCE:MOISSON LIVIDE Interview Darkagnan

HEAVY METAL DK:Interview med Baptiste ”Darkagnan” Labenne fra Moisson Livide

METAL OBS:MOISSON LIVIDE : OH, MA DOUCE FRANCE !

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SEEDS OF MARY : LOVE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JULIEN JOLVET OF SEEDS OF MARY !!

“I Quite Like “Progressive Grunge”! Actually We Are As Much Fond Of Grunge As We Are Of Prog Music.”

DISC REVIEW “LOVE”

「僕たちは GOJIRA をとても尊敬している。彼らは僕らの世代にとって、まさにフレンチ・メタルのパイオニアだ。彼らは僕たちに進むべき道を示し、フランスのオルタナティヴ・カルチャーにスポットライトを当てる手助けをしてくれた。彼らの音楽は妥協がなく、とてもよく練られている。彼らがこのセレモニーに参加するとは予想外だったけど、今や世界中が彼らのことを知っているよね。それは素晴らしいことだよ」
GOJIRA, ALCEST, IGORRR, BETRAYING THE MARTYRS, LANDMVRKS, DEATHSPELL OMEGA, GOROD, THE GREAT OLD ONES, BLUT AUS Nord。挙げればキリがありませんが
これほど多くの才能あふれる革新的メタル・バンドが揃っていながら、フランスにメタル大国というイメージはこれまでありませんでした。それは、日本と同じく “後追い” の国だったからかも知れませんね。しかし、そんなイメージもついに今年、ガラリと変わることになりました。
オリンピック・ゲームの開会式で、地元フランスの GOJIRA が見せたパフォーマンスはまさに圧巻でした。王宮と牢獄。光と影のコンシェルジュリーを光と影のメタルが彩る奇跡の瞬間は、世界中を驚かせ、メタルの力、フランスのメタル・シーンを羽ばたかせることになったのです。
「僕たちはみんなあの時代に育ったから、より共感しやすいんだ。きらびやかな80年代からダークな90年代へのシフトによって、君が言ったような偉大なバンドが出現した。戦争、大量失業、ウイルス性疾患など、残念ながら僕らの生きる今の時代は90年代に通じると思う。だからこそ、そうしたバンドや音楽の美学は今でもかなり重要なんだ」
ではなぜ、モダン・メタルの力が今、世界中で必要とされているのでしょうか?その答えを、フランスの新星 SEEDS OF MARY が代弁してくれました。煌びやかな80年代からダークな90年代へのシフト。それは、まさに理想を追い求め、追い求めすぎたためにやってきたこの “欲望の時代” への揺れ戻しと非常にシンクロしています。だからこそ、多様でダークな90年代のメタルを原点として育った新たなメタルの形、その審美性や哲学、暗がりに臨む微かな光がリスナーの心に寄り添うのでしょう。
「ALICE IN CHAINS からは常に大きな影響を受けてきた。事実、SEEDS OF MARY として初めて演奏した曲は、”Them Bones” のカバーだったんだからね。今日、僕たちはその影響から解放されて、自分たち独自のものを作ろうとしている。でも、声のハーモニーや音楽にあのダークなムードがあると、リスナーがAICを思い浮かべないのは難しいことだと思う」
ゆえに、彼らの音楽は “プログレッシブ・グランジ” と評されることもあります。ALICE IN CHAINS は間違いなく、グランジの渦の中から這い出でましたが、その本性はメタルでした。あの時代の新しい形のメタルでした。そして、その怪しいハーモニーや不確かなコード、リズムの変質に絶望のメロディはあの時代のプログレッシブであり、見事にあの時代を反映した革新でした。
SEEDS OF MARY はそこに、Devin Townsend, Marilyn Manson, SLIPKNOT, SOILWORK, SOTD, NIN といった90年代の代弁者を取り揃えながら、より現代的な手法や趣向に PINK FLOYD のサイケデリアを散りばめることで見事に20年代の暗がりを表明します。
音楽の流行に圧倒されることなく、”種” をまき、収穫する。暴力的で、幽玄で、特定の難しい彼らのサウンドは、内省的な歌詞とありのままの感情の肯定によって、急速に強く成長していきます。
今回弊誌では、Julien Jolivet にインタビューを行うことができました。「僕たちは皆、間接的に日本文化の影響を受けているんだよ。みんなレトロなビデオゲームをプレイしたことがあるし、Jeremy はクラシックな日本映画をよく観ている。アニメやマンガは僕の人生の大部分を占めているよ。アニメの音楽(たとえば “AKIRA”)や菊池俊輔のような作曲家は、間違いなく僕に影響を与えているね」 どうぞ!!

SEEDS OF MARY “LOVE” : 9.9/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SEEDS OF MARY : LOVE】

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ALCEST : LES CHANTS DE L’AURORE】


COVER STORY : ALCEST “LES CHANTS DE L’AURORE”

“God Is Called Kami In Japanese, And They Basically Have a Kami For Everything. And You Can Clearly See That In Princess Mononoke.”

夜明けの歌

「今、メタルというジャンルはとてもオープンで、いろんなスタイルやアプローチがある」
ブラック・ゲイズ。このサブジャンルは、ブラック・メタルの狂暴で擦過的な暗闇と、シューゲイザーの幽玄でメランコリックな審美を等しく抱きしめた奇跡。メタルとインディー。つまり、このあまりに対照的な2つのジャンルの融合は、フランスの ALCEST が牽引したといっても過言ではないでしょう。
ALCEST にはサウンド面だけでなく、主にフランス語で作曲しながら、世界中に多くのカルト的なファンを獲得してきたという功績もあります。ヨーロッパや非英語圏のメタル・バンドは、より広くアピールするために英語で作曲するのが普通でしたが、ALCEST は音楽に普遍的な魅力があれば言語は関係ないことを証明し続けています。
7枚目のスタジオ・アルバム “Les Chants De L’Aurore” でALCEST は、極限まで輝かしく、メロディアスでみずみずしいアルバムを作るという野心的な探求に乗り出しました。”Spiritual Instinct” や “Kodama” で焦点となっていた “硬さ” や “ヘヴィネス” は減退。一部のファンは不意を突かれたかもしれませんが、”Les Chants De L’Aurore” はこれまで以上に、いやはるかにニュアンスがあり、高揚感があり、複雑なアルバムに仕上がりました。
タイトルの “Les Chants De L’Aurore” は直訳すると “夜明けの歌”。
「新しいアルバムを作るときは、音楽、ビジュアル、歌詞の間にとてもまとまりのあるものを作ろうとするんだ。アルバム・タイトルは、リスナーの心に強いイメージを喚起するものでなければならないと思う。”歌” にかんしては、このアルバムではいつもよりヴォーカルが多くて、合唱団もいるし、僕も歌っているからね。”夜明け” は、ジャケットのアートワークとリンクしていて、とても暖かくて、新しい一日のようでもあり、一日の終わりのようでもあり、その中間のようでもある。だから、このアルバムの持つ温かい雰囲気にぴったりだと思ったんだ」

ALCEST が前作 “Spiritual Instinct” をリリースしたのは5年前のことでした。その頃の世界は自由に動き回れる場所。ところが突然、世界的なパンデミックが起こり、私たちは孤立の繭に包まれました。
このさなぎから抜け出した多くの人たちは、本当に大切なものに対する感謝の気持ちを新たにしたでしょう。それはまるで夢想家に生まれ変わったかのようであり、世界の素晴らしさを再発見した子供たちのようでもありました。
「パンデミックの期間中、何もアイデアが浮かばず、ギターのリフを書こうとしても何も出てこなかった。今までで一番長い期間、何も書けなかった。1年間、リフが1つも出てこなかったと思う。僕はいつも何かを得ようとしていた。もうダメだって感じだった。そしてある日、すべてのブロックが外れた。
インスピレーションがどのように働くのか、本当に知りたい。とても複雑なテーマだ。1年間も何も見つからなかったのに、ある日突然、すべてが解き放たれたなんて。とても奇妙だよね。
10年間ノンストップでツアーを続けてきた僕らにとっては、何か違うことをするいい機会だった。大好きな人たちや、この10年間まともに会っていなかった家族と初めて一緒に過ごすことができた。これまでは年に1、2回地元に帰るだけだった。でもパンデミックのあとは、ほとんど毎日両親に電話するようになり、今では2~3カ月に1回は南仏に会いに行っている。人の温もりやあたたかい気持ちを再発見できた。だから結果的にはよかったんだよ」

つまり、Neige にとって夜明けの歌とは終焉であり、新たな始まりでもあります。
「僕にとってこのアルバムは、ALCEST のオリジナル・サウンドへのカムバックであり、初期のアルバムにあったような、とても異世界的でドリーミーなサウンドへの帰還だ。その後、ほとんどコンセプト・アルバムのようなものに踏み込んでいったから、ちょっとした再生のようなものだった。シューゲイザー・アルバム “Shelter” を作り、映画 “もののけ姫” をテーマにしたコンセプト・アルバム” Kodama” を作り、そして前作 “Spiritual Instinct” はとてもダークなアルバムだった。特に “Kodama” や “Spiritual Instinct” は様々な意味でより硬質だった。
でも、このニュー・アルバムこそが本当の ALCEST であり、僕がこのプロジェクトで表現したいことだと思う。子供の頃にスピリチュアルな体験をして、その体験を音楽で表現できないかと ALCEST を作ったんだからね」
そのスピリチュアルな体験とは何だったのでしょうか?
「子供の頃、何かとつながっているような感覚があった。子供には特別な感覚があると思うんだ。キリスト教的な宗教を連想させるから天国とは呼びたくないけど、人間的な経験をする前のような、僕たちみんなが来た場所、現世と前世、2つの人生の間にあるある種の安らぎの場所のような、魂が休まる場所とのつながりのね。
そのことをあまり話したくないから、代わりに音楽を作ることにしたんだ。だから、ALCEST のアルバムは毎回、物事の違う側面を探求しているというか、僕の日常生活や、いわば地道な生活の中で経験したことにより近いものがあるんだ」

同郷の GOJIRA とは異なり、ALCEST はほとんどの場合フランス語にこだわっています。そしてこのアンニュイな言語こそが、バンドの幽玄で優しい音楽をさらに引き立てているようにも思えます。
「とても不思議な話なんだけど、アジアや日本には巨大なファン・コミュニティがあるし、アメリカやヨーロッパの他の国にも僕らのファンがたくさんいる。でも、フランスは僕たちの存在に気づくのが本当に遅かった。フランスで本当に人気が出始めたのは “Kodama” からだと思う。なぜ英語に切り替えないかというと、フランス語で歌詞を書くことに安心感があるからなんだ。フランス語は僕の母国語だから、もちろん正確に書くし、母国語で書く方がずっと簡単なんだ。英語で歌おうとして、フランス語のアクセントが聞こえてしまうのが本当に嫌なんだよね。英語で歌うとフランス語のアクセントが確実に聞こえてしまう。
ただ、ボーカルがミックスの中ですごく大きいわけでもないから、フランス語が強すぎることはない。フランス語で歌うフランスのバンドだと思われたくないんだ。できることなら、僕らの音楽は少し普遍的であってほしいからね。あまりはっきり歌わないのはワザとだよ。フランス人だって歌詞を理解できないくらいにね。ボーカルは、メロディーのひとつの要素であってほしいんだ」
ブラックゲイズといった特定のレッテルを貼られることについては、どう感じているのでしょう?
「僕たちは最初の “ブラックゲイザー” バンドとしてクレジットされているし、プレスは ALCEST がブラックゲイズを発明したと言っている。どう考えたらいいんだろう……もちろん、僕らにとってはとても名誉なことだし、意図的にそうしたわけではないんだけど、僕らがジャンルを創り出したバンドだと思われているのならそれは素晴らしいことだと思う。ただ、ブラック・メタルのギターとドラム、ドリーミーなボーカル、そして天使のような、別世界のような、幽玄なタイプのメタルを演奏したかっただけなんだ。
そしたら、レビューの人たちがシューゲイザーという言葉を使い始めて、私は “ああ、シューゲイザーか、音楽スタイルとしてはとても面白い名前だけど、まあいいか” という感じだった。それからシューゲイザー・バンドを聴き始めて、”ああ、そうか、なぜ僕らがシューゲイザー・スタイルを連想されるのか、よくわかったよ” って感じになって、SLOWDIVE とかが大好きになったんだ。とても素敵なのは、ブラックゲイザー・バンドたちがみんな、ALCEST を聴いてバンドを結成したと言ってくれたこと。”あなたの音楽が大好きで、私も同じようなものを作りたかったからバンドを結成した”、これ以上の褒め言葉はないと思う」

SLOWDIVE と Neige には特別なつながりがあります。”Shelter” 収録の “Away” では Neil Halstead と共演も行いました。
「初めて Neil Halstead に会ったとき、僕はまだ20代半ばだった。ファンボーイだったんだ。だから彼に会ったときは怖かったし、ファンであることを隠すのはとても難しかった。だから震えていたし、今思うとちょっと恥ずかしい。でも、彼は本当に親切にしてくれたし、僕が若いミュージシャンで、彼ほど経験を積んでいないことを見抜いていてくれた。
SLOWDIVE を知ったのは、かなり昔のことで、そのころ彼らは音楽の地図から消えていた。誰も彼らのことを知らなかったよ。90年代の幽霊バンドのような存在だった。でも、だんだんもっと語られるようになったような、何か話題になっているような気がしていたんだ。それで彼に言ったんだ。”バンドを再結成したら、みんな熱狂するよ” ってね。そしたら彼は、”いや、どうかな” って。でも面白いもので、彼らが再結成した1年後、僕は彼らを見るためだけにロンドンに行ったんだ。今、彼らは巨大なバンドになっている。Spotify か TikTok か何かで、キッズたちがみんな彼らを発見したんだ。ここ数ヶ月の間に2回彼らを見たけど、観客の中には10代の子もいた。とても奇妙で、とてもクールだよ!
SLOWDIVE で一番好きなのは、”Souvlaki” からのアウトテイクで、”I Saw the Sun” っていう曲。加えて、”Silver Screen”, “Joy”, “Bleeds” といった曲があり、アルバムではリリースされなかった曲だけど YouTube で見ることができるし、おそらくブートレグもリリースされていたと思う。これらはバンドの曲の中で私が一番好きな曲だ。Rachel に再レコーディングや再リリースなどの予定はあるのかと聞いたことがあるんだけど、彼らはこうした曲が好きではないと思う。本当に素晴らしい曲なのに、残念だよね。ぜひ聴いてみてほしい。”Souvlaki: Demos & Outtakes” というタイトルだよ」
THE CURE にもみそめられています。
「Robet Smith は僕たちのアルバム “Kodama” のファンで、アルバムの全曲を演奏してほしいといって彼がキュレーションする Meltdown に招待してくれたんだ。僕は “冗談だろう?” って思ったね。
多くの人がポスト・パンクやニューウェーブに夢中になっているように、THE CURE はとても重要なバンドなんだ。だから、彼のような人がいて、彼が僕らを知っているという単純な事実だけでも、すでにすごいことなんだけど、彼がファンで、彼のフェスティバルで僕らに演奏してほしいと言ってくれたんだ。とても光栄だよ!」
“Les Chants De L’Aurore” は、SLOWDIVE の “Just for a Day” や RIDE の “Nowhere” といったシューゲイザーの名盤と肩を並べるような作品なのかもしれません。
「たぶん RIDE は、”Nowhere” ではドラムがシューゲイザーのレコードにしてはかなりラウドにミックスされていることから来ていると思う。SLOWDIVE や MY BLOODY VALENTINE では、ドラムはそこにあるけれど、もっと背景のような感じ。僕たちの新しいアルバムでは、ドラムが本当に聴こえるよね。ドラムを大音量でミックスしたのは、このアルバムが初めてなんだ。というのも、プロセス・ミュージックはメロディーやムード、雰囲気に重点を置いているからね。でも、ドラムの Winterhalter は、ドラム・パートにとても力を入れているんだ。だから、今回はドラムの音をもう少し大きくしてもいいんじゃないかと思ったんだ」

なぜ、”Spiritual Instinct” のダークでヘヴィな世界から離れたのでしょう?
「そこから離れる必要があったから。いつもツアーをしていると、一人でいることがなくて、いつも人と一緒にいる。だから、自分自身との接点を失うのはとても簡単なことなんだ。最初のインスピレーションは何?この音楽プロジェクトを作ろうと思ったきっかけは?
“Spiritual Instinct” で聴くことができるように、僕は少し混乱していて、フラストレーションを感じていたんだと思う。そして、自分のスピリチュアリティと再びつながることがどうしても必要だった。あのタイトルは、僕が少し混乱していた時期でさえ、たとえ迷いを感じていたとしても、自分の中にある内なる世界やスピリチュアリティを感じることができたという意味なんだ。それは消えることはなかった。パンデミックで僕たちは一区切りをつけ、このバンドに対する主なインスピレーションは何だったのか、このバンドで表現したいことは何だったのか、本当に集中し直した。そして、最初のアルバムにあったコンセプトに戻りたいと気づいたんだ。最初の2枚のアルバムは、この別世界について歌っているからね。光と調和というもうひとつの世界に戻ってきたんだ」
回帰といえば、今回のアートワークはファースト・アルバム “Souvenirs d’un autre monde” を暗示しているように思えます。
「フルートの少女だね。ファースト・アルバムはフランス語で “別世界の思い出” という意味。そのファースト・アルバムの少女が成長し、今、僕がこのプロジェクトで成長したように、彼女も大人になったという意味で、ファースト・アルバムへの言及を入れたかった。ALCEST を始めたのは14歳か15歳のとき。基本的には子供だった。そして、このキャラクターも僕も、この世界、ALCEST の世界の中で成長した。そして、ニューアルバムのジャケットでは、大人になった彼女を再び見ることができるわけだよ」

そして、オープニング・トラックの日本語 “木漏れ日” でこのジャケットを暗示しています。
「恍惚とした曲だよね。幸せな気分になる。光に満ちている。日本語には、英語にもフランス語にも訳せないような言葉がいくつかあるけれど、それがひとつの概念になっているところが好きなんだ。”Komorebi” は、春の木漏れ日を意味する。そしてそれは、まるで宝石のように葉をエメラルド色に変える。とても美しいと思ったよ」
ALCEST のレコードには、宝石の名前を冠した曲が収録されています。
「そう、実は小さな伝統のようなものなんだ。”Komorebi” は、ファーストアルバムの1曲目 “Printemps Emeraude” “エメラルドの春” の現代版のようなもの。”Shelter” には “Opale”、 “Kodama” には “Onyx”、”Spiritual Instinct” には “Sapphire”、そして新作には “Amethyst” が収録されている。だから全部かな!でも、アメジストには特別な意味があるんだ。紫は神秘主義と精神性の色だからね。だから、それを指しているんだ。この石を曲のタイトルに使うのは、僕らのキャリアの中で完璧な瞬間だと思ったんだ。とても強い意味があるんだよ」
ただし、Neige のスピリチュアリティは、神秘主義のような秘教的なものとは異なります。
「確立された考え方に従わないという意味で、秘教的なものはあまり好きではない。というのも、スピリチュアリティについてあまり詳しく読みたくないから。誰もが自分の考えが正しいと思っているけれど、地球上には人の数だけ真実があると思う。そして誰も知らない。誰もすべての意味を知っているふりはできない。神はいるのか、それとも?
でも、自分の感情や直感に耳を傾けるなら、僕はとても直感的な人間だから、スピリチュアルなものやこの種のものと、ただ本で何かを読むよりもずっと深いつながりを持つことができると思う。高次のものとのつながりを感じるために教会に行く必要がある人もいる。でも僕の場合は、自然の中に身を置く必要があるので、故郷に近い南フランスで多くの時間を過ごしている。そこにはとても美しい自然があり、バンド結成当初から私にインスピレーションを与えてくれた。
森の中や海の近くなど、特別な場所にいると、現実ともっと壮大なものとの橋渡しをしてくれるような気がするんだ。この背後に何かがあることを実感できるんだ。少なくとも、僕はそう感じている。すべてに意味がある。そして、僕たちがここにいるのには、それなりの理由がある。それが、このプロジェクトで私が話していることなんだ」

“もののけ姫” にインスパイアされたように、Neige は日本の神道、自然界に存在するものすべてに魂が宿るという側面に惹かれています。
「神道では、すべてのものに魂が宿ると信じられている。例えば、村の小さな川にも魂が宿っている。だから彼らは自然をとても大切にするんだろうね。山には山の魂があり、空には空の魂がある。ちょっと比喩的な表現になるけれど。日本人は、すべてのものに魂が宿っていると本気で言っているわけではないと思うけど、それがすべてのものを尊重することにつながっている。自分たちの周りにあるすべてのものに敬意を払う。それは、僕が日本文化でとても好きなところだよ。日本語では “God” のことを神と呼ぶけど、彼らは基本的にすべてのものに神を持っている。”もののけ姫” を見れば、それがよくわかるよね。彼らは森の精霊、巨大な樫のような生き物を描いている。本当に美しい」
アルバムは、前半は陽気で多幸感にあふれ、それから後半は悲しい中にも喜びがあるような流れです。
「そう、アルバムは最後の曲で少し暗くなる。最後の曲は、ギョーム・アポリネールというフランスの作家の詩で、”L’adieu”。これは英語で “farewell” と訳される。僕が取った詩のタイトルなんだ。とても悲しい歌だよ。
僕がアルバムでやりたいのは、最後にもう少し深みを持たせることなんだ。そうすると、ある種のミステリアスなゾーンに行き着くんだ。自分の感情をどうしたらいいのかわからなくなる。そして、本当に少し緊張してくる。それに、僕は100%ハッピーエンドが好きではないのかもしれない。たぶん、最後のほうで物事を少し複雑にするのが好きなんだと思う」
ピアノ曲の “Reminiscence” は今までの ALCEST の曲とは一風異なります。
「アルバムで本物のピアノを使い、完全なアコースティックの曲を作ったのは初めてだからね。チェロのように聞こえる楽器があるけど、これはチェロではなくヴィオラ・ダ・ガンバという楽器。とても古い楽器なんだ。すべてアコースティック。とてもシンプルな曲だ。間奏曲のようなものだけど、僕にとってはとても深い意味がある。なぜなら、この曲は僕が生まれて初めて触った楽器、祖母のピアノで録音されたから。祖母はピアノの先生で、家族みんなに音楽の手ほどきをした。レコードで聴けるのは、僕の家族全員が使っているこの楽器の音なんだ。そして僕たちは皆、この楽器から音楽の弾き方を学んだ。だから、祖母がもたらしてくれたものへの素敵なオマージュなんだ。祖母がいなかったら、もしかしたら僕はこの音楽を作っていなかったかもしれないからね」
そうして、ALCEST は暗い時代に光を投じる灯台のようなアルバムを完成させました。
「今僕らが生きている時代の暗さにインスパイアされたアルバムを2枚作った後、特にこの暗い時代に、調和と美しさとポジティブさをたくさん持ったアルバムを作れば、本当に際立つことができると思った。このアルバムは、まるで癒しのような感じがするから、みんなに楽しんでもらえると思ったんだ」


参考文献: FORBES:Alcest Flourish In The Unbridled Warmth Of Their Latest LP, ‘Les Chants De L’Aurore’

POST-PUNK .COM: BANDS FEATURED ARTICLES INTERVIEWS Emerald Leaves Shimmering in the Light of Dawn — An Interview with Alcest

KERRANG!:Alcest: “In dark times, to make an album of beauty and positivity could really stick out”

MARUNOUCHI MUZIK MAG ALCEST INTERVIEW

日本盤のご購入はこちら。Ward Records

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WOMBAT SUPERNOVA : APEWOMAN VS TURBO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH WOMBAT SUPERNOVA!!

“Math Rock And Prog Metal. These Genres Can Go In Similar Directions But As They Come From Really Different Worlds, They’re Not Really Meeting Each Other That Often.”

DISC REVIEW “APEWOMAN VS TURBO”

「マス・ロックとプログ・メタル。そのふたつのジャンルは似たような方向に進むことができるけど、本当に違う世界から来たものだから、実際はお互いに出会うことはあまりないんだよね。僕らのプロジェクトは、DREAM THEATER や HAKEN ようなプログ・メタルの大ファンで、でもマス・ロックを作りたかったから、その両方を組み合わせることにしたんだよ」
マス・ロックとプログ・メタル。両者共に、複雑怪奇な奇数拍子と難解なテクニックを心臓としながらも、決して交わることのなかったジャンルたち。それはきっと、エモ/スクリーモとメタルという大きく離れた場所から進化をとげてきたせいでしょう。しかし、フランスのウォンバットとエイプウーマンは、ユーモアでその壁をとりはらいます。
「僕はいつも不思議だったんだ。マス・ロックは当然、プログレッシブで面白いことを期待していた(そしてそれを望んでいた)のだけど、実際にはシリアスでエモい側面が、僕が思っていたよりもずっとシーンで優勢であることを知って驚いたね」
おそらく、マス・ロックとプログ・メタル最大のちがいは、音楽的な “深刻さ” である。そう信じていたウォンバットこと Lulu は、実際のマス・ロックシーンのシリアスさに驚き、違和感を感じます。同じくらいシリアスなら、大好きなマス・ロックとプログ・メタルが出会わない手はない。しかも、そこにユーモアやハッピーな感情を織り込んだらどうなるんだろう?そこから、WOMBAT SUPERNOVA の冒険がはじまりました。
「僕はいつも任天堂の大ファンボーイで、僕らの音楽はマリオカートのサウンドトラックにすごく影響を受けていると思う。全体的にはちょっと微妙なんだけど、”Bertrand” のコーラスのようにはっきりわかることもある。僕ら2人とも、大乱闘スマッシュブラザーズ・アルティメットとそのOSTの大ファンでもあるんだ」
“Bertrand” は、まさにそんな “最高にキュートで、最高にハッピーで、最高におマヌケなマス・ロック” を標榜する彼らを象徴するような楽曲。ハイパーなイントロのタッピング・リフに、MESHUGGAH も顔負けのブレイクダウン。そのふたつをつなぐのが、感染力増し増しのアニメチックで爽快なメロディなのですから、前代未聞のマスプログハッピーミュージックはとどまるところをしりません。
「どうやら僕らの音楽のおかげで、暗いことがあっても楽しくハッピーな気分で生活できるようになったみたいなんだ。このプロジェクトは、以前は僕らが楽しむために作ったものだったけど、もしこのプロジェクトがみんなに良いバイブスを与えることができたなら、僕たちは本当に嬉しいよ」
音楽は、それがネガティブな感情であれ、ポジティブな感情であれ、リスナーの心に寄り添うもの。そうして、リスナーの心の壁を溶かしたウォンバットは、カントリーからジャズ、そして場違いなブラストビートの連打までカオティックに音楽で未曾有のサーカスを演じ続け、ジャンルの壁をも溶かしていくのです。
今回弊誌では、WOMBAT SUPERNOVA にインタビューを行うことができました。”バンドのアイデンティティにウォンバットを選んだのは、かわいい動物だし、小さなキャラクターだし、その中の一匹が “ベルトラン” (明るくてかわいくて賢い) だったから” どうぞ!!

WOMBAT SUPERNOVA “APEWOMAN VS TURBO” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WOMBAT SUPERNOVA : APEWOMAN VS TURBO】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENTERRE VIVANT : 四元素】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ENTERRE VIVANT !!

“Our Music Has Dark Parts And Light Parts. “Two Become One” Is The Concept Of The Band. Music Made Together By One Person Living In France And One Person Living In Japan. A World That Mixes European And Japanese Culture. An Atmosphere That Mixes The Past And The Present…”

DISC REVIEW “四元素”

「今までうまくブラックメタルと日本をミックスしたバンドは少ない。少なすぎる。その中でも自分にとってレジェンドである 凶音 (MAGANE) のファースト・アルバムは最高です。復活してほしいな~。だから Enterre Vivant はずっと聴きたい音楽を作っていることになります。自分の毎日を見せている音楽。日本とブラックメタルです」
25年前、日本にやってきたフランスの若者は、日本を愛し、日本で暮らし、日本を見つめ、”本当の自分” を日本とブラックメタルの婚姻により描き出すことを決めました。それは Sakrifiss にとって、日常であり、自然に自らの内面から湧き出すもの。人生を着飾る必要はない。優れた人になる必要はないけれど、”本当の自分” でいて欲しい。Sakrifiss の人生という泉、もしくは黄泉メタルが生み出した願いは、結果として日本とブラックメタルを誰よりも自然に融合することとなりました。
「四元素。しかしこの作品は、風、火、水、土の話しだけではありません。人間、人生についてでもあります。たとえば、”水” という曲は過去と未来の話も含まれている。人間にも上流と下流があります。泉から生まれてそして水のように人生が流れていく。人生は滝のように、川のように、激しくなったり、弱くなったりします。でも最後は河口で旅が終わります。泉へ戻りたくても無理だ。流れていくしかない。あきらめた方がいいという意味じゃない。人間は自分は何ができる、何ができないかを知って生きるべきだという意味でしょう」
風、火、水、土。この世の全ては、 その4つ (ないしは5つ) の元素から成り立っているという考え方は、ヨーロッパにもアジアにも古くからありました。そして元素同士を結びつけるのが愛で、引き離すのが憎しみという考え方もそこには付随しています。フランスに住むフランス人と日本に住むフランス人が結びついた Enterré Vivant のアルバム “Shigenso” は、共通する自然哲学を媒介とした愛によって、欧州と日本を優しく結びつけました。
そうして、彼らのブラックメタルで歌われる4つの元素は、人生の様々な場面を構成していきます。流れに逆らわず、風の導きのまま、炎を宿して、土のように満ち足りた、弱さを認めた本来の自分であればきっとより良い明日になる。ケ・セラ・セラというフランス語、もしくは人間万事塞翁が馬というアジアの古事…そんな未来へ向けたポジティブで率直なメッセージがアルバムには込められています。
「”Enterré” は “うめる”、”Vivant” は “生きたまま”。つまり反対のイメージを持っている二つの単語です。”暗い” 言葉と “明るい” 言葉のミックスにしたかったからです。Enterré Vivant の世界にぴったりのチョイスだと思いました。私たちの音楽には暗いパーツがあって明るいパーツもあります。”二つが一つになる” がバンドのコンセプトなのです。フランスに住んでいる一人と日本に住んでいる一人が一緒に作った音楽。ヨーロッパと日本の文化をミックスした世界。昔と今を混ぜた雰囲気」
フランス語のモノローグと日本語のナレーション。日本の伝統楽器と西欧の現代楽器。日本古来のメロディと西欧のモダン・メタル。そして、日本の生き方と西欧の生き方。精神も、場所も、時間も超越して一つになった音世界がここにはあります。
反対のイメージを持ったものでさえ、固定観念にとらわれなければ、正直であればきっと一つになれる。鳴り響く美しきトレモロのメロディ、ブラックメタル特有の灼熱の叫び、プログレッシブな建築術、そして和の色彩を宿したあまりにも感動的なアトモスフェリック・ブラックメタルは、音の四元素の輪を輪廻のように展開しながら、メタルの寛容さを具現化していくのです。
今回弊誌では、Enterre Vivant にインタビューを行うことができました。Sakrifiss さんの回答はほぼ原文ママの日本語です。「18歳になって私は日本語と日本の文化の勉強を始めた。大学で日本の歴史のことももっと知るようになりました。凄く魅力的だったのは土偶、源氏物語、浄瑠璃、世阿弥、松尾芭蕉・・・昔の日本もとても面白いですが、もうちょっと最近なら1950年代と1960年代の映画も大好きです。三船敏郎様出演の映画も素晴らしいですが、一番好きなムービーは “ビルマの竪琴”。昔の日本が大好きだが、もっと最近ならやっぱり1990年代からのジャパニーズブラックメタルのファンでもあります」 どうぞ!!

ENTERRE VIVANT “四元素” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENTERRE VIVANT : 四元素】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PENSEES NOCTURNES : DOUCE FANGE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LEON HARCORE A.K.A. VAEROHN OF PENSEES NOCTURNES !!

“Pensees Nocturnes Is Drinking a Glass Of Champagne On The Edge Of The Abyss, Where Everything Is Falling.”

DISC REVIEW “DOUCE FANGE”

「僕は音楽を優先し、バンドをケースバイケースで判断し、なるべくカタログ化しないようにしているからね。インターネットの発達により、国籍という概念は音楽においてもはや意味を持たなくなったと思う。だから、たとえフランスに強力なブラックメタル・シーンがあるように見えても、フランス人であることに特に誇りを持つことはないんだ」
メタルヘッズがブラックメタルを想像するとき、ノルウェーのフィヨルドや教会を思い浮かべるのか一般的でしょう。しかし、”実験好き” な人たちはその限りではありません。PLEBEIAN GRANDSTAND, DEATHSPELL OMEGA, BLUT AUS NORD, CREATURE, そして IGORRR。バゲットとエスカルゴとエッフェル塔の国は、確実に今、そのトリコロールに血と知の漆黒を加えつつあります。
それでも、PENSEES NOCTURNES の首謀者 Leon Harcore A.K.A Vaerohn は、音楽に国籍はないと嘯きます。レッテルを剥がす、固定観念を疑う、欺瞞の美を笑う。それこそが彼らの目的なのですから。ある意味、そのニヒリズムとシニシズムこそ、フランスらしいと言えなくもないでしょうが。とにかく、この夜想と不安の申し子は、圧倒的なブラックメタルの核を、オーケストレーション、ジャズ、フォーク、エキセントリックな装飾、そして皮肉にもセーヌの滸やルネサンス、それにアール・ヌーヴォーでコーティングした裏切りの饗宴を催しています。
「なぜ好きな楽器を使えるのに、3つや4つに楽器を限定してしまうんだい?PENSEES NOCTURNES はライブと違ってスタジオでは常にワンマンバンドとして活動しているから、好きなものを何でも試すことができるのさ」
常識を疑い、当たり前をせせら笑う PENSEES NOCTURNES にとって、”ノン・メタル” な楽器の使用はある意味至極当然。ヴァイオリン、フルート、クラリネット、アコーディオン、トランペット、トロンボーン、サックス、ディジュリドゥ、ティンパニー、コントラバス、ハーモニカなど雑多なオーケストラと通常のメタル・サウンドが混在するインストゥルメントの狂気は、あのシルク・ド・ソレイユさえも凌駕します。ただし、Leon のサーカスは安全と死の狭間を良く知っていて、様々な要素をバランスよく取り入れながら、地獄の綱渡りを渡り切って見せるのです。
「PENSEES NOCTURNES は明らかに唯物論的な音楽であり、今ここで聴くべき音楽だ。憂鬱でもなく、無邪気な喜びでもなく、美しくもなく、酷くもなく、現実的で悲劇的な人生のビジョンだから。むしろ、僕たちの存在に対するニヒリズムと笑いのシニシズム (慣習の否定。冷笑主義)なんだよ」
フランスを笑う狂気のブラックメタル・サーカス “Douce Fange” は人間大砲の音で開演し、”Veins Tâter d’mon Carrousel” ですぐさま狂騒曲の舞台を設定します。芝居がかった叫び声は同じフランスの IGORRR を想起させ、刻々と変化する音の曲芸は無限にアクロバティック。ブラスセクションで始まる “Quel Sale Bourreau” は、DIABLO SWING ORCHESTRA にも似て、曲芸師のように様々な演目を披露。IMPERIAL TRIUMPHANT 的なブラックメタルのカオスとオペラが戦う様は、まさにニューヨークとフランスの決闘。そうして次々に、無慈悲なピエロたちはジャンルの境界線を歪めながらメタル化したワルツを踊り、笑い笑われながら即物的な享楽を与え、漆黒のアトラクションを血と知に染めあげていきます。
「キリスト教が現世の死である以上、ブラックメタルは生でなければならない。つまり、ブラックメタルは物質主義的な快楽であるべきで、それ以上の何かを望むことなく、今あるわずかな人生を楽しむことだ。 神秘的、超越的な側面も、サタンも、神も、どんな信念もない。 ただ、現実が、可能性と限界を伴ってあるがままにある。 その観点からすると、PENSEES NOCTURNES は他のどのバンドよりもブラックメタルなんだ」
Leon にとって、ブラックメタルの反語はキリスト教。天国に行くという目的のために、現世における享楽を放棄して、真面目に粛々と生を全うするその教義は彼にとって全くのナンセンス。美しいとされる “人生を楽しまない” 生き方に Leon は疑いの目を向け、快楽と狂気と反骨の三色に染まったトリコロールの旗を振ります。ブラックメタルこそが生。重要なのは、一見、ふしだらで退廃的で危険で強欲にも思えるこのサーカスには、実のところ何の強制力もありません。
今回弊誌では、Leon Harcore A.K.A. Vaerohn にインタビューを行うことができました。「PENSEES NOCTURNES は、すべてが落ちていく深淵の縁でシャンパンを飲んでいる」名言ですね!タイトルはもちろん、シャルル・トレネの “優しいフランス” のオマージュで  “汚れたフランス”。どうぞ!!

PENSEES NOCTURNES “DOUCE FANGE” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PENSEES NOCTURNES : DOUCE FANGE】