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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WILDERUN : EPIGONE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH EVAN BERRY OF WILDERUN !!

“Ideas Flow Through Us, We Can Only Try Our Best To Make Something New Out Of It, But Whatever It Is We Create Will Inevitably Be Shaped By a Myriad Of Things That Came Before Us.”

DISC REVIEW “EPIGONE”

「”Veil of Imagination” はこれまでの僕らのキャリアの中で最も大きな意味を持つレコードだった。 カラフルでエキセントリックな感じがより多くの人の心を掴んだというか、”もっと変わったことがしたい!” という気持ちが実を結んだのかもしれないね」
2012年の結成以来、ボストンを拠点とするプログレッシブ/フォーク・メタルの新鋭 WILDERUN は、創意工夫とたゆまぬ努力を続けてこのジャンルの “特別” を勝ち取りました。
特に、ファンやメディアから絶賛を受け、Century Media との契約にもつながった2019年の “Veil of Imagination” では文字通りその創造性のベールをすべて取り去り、素晴らしくカラフルでメロディック、ブルータル、グローリアスかつ全方位的なサブジャンルを探検し、彼らが HAKEN や LEPROUS と同じ土俵に登りつめたことを圧倒的に証明しました。まさに、モダン・プログレッシブ・メタルの旗手、プログレッシブの希望。そんな評価を確実のものとしたのです。
「パンデミックでキャリアを中断された苛立ちが、心の挫折感に光を当てたんだと思う。特にロックダウンで孤立しているときは、そういう思いが渦巻いてしまう。だから、自分の自信のなさや至らなさについて考える時間がたくさんあったんだと思うんだよ。つまり、自分が “Epigone” じゃないかって疑念を抱いたわけさ」
そんな WILDERUN の快進撃を阻んだものこそパンデミックでした。Evan が陰陽の関係と語るレコーディングとライブ。どちらかが欠けても立ち行かないバンド運営の根源、その一つが失われた結果、彼らはアルバムの成果をファンと祝い分かち合うこともできず、暗闇に立ち止まることとなります。闇は孤独と挫折感を生みます。一人になった Evan Berry は自信を失い、自らと芸術の関係性を省みて、自分には創造性が欠けているのではないか、自己が生み出す音楽は “Epigone” なのではないか、そんな疑念を抱いたのです。
「芸術や創造性に関して言えば、自由意志はどこにあるのかわかりにくいものだ。だけど自分のものか他人のものかわからないアイデアはどんどん出てくるし、そこから新しいものを生み出そうと頑張るしかないんだよね。だから結局、僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。そんなことを、僕は自分の至らなさや独創性のなさを感じたときに、思い出すようにしているんだよ」
“Epigone” とは、優れた先人のアートを安易にパクる人たちのこと。たしかに、独創と模倣の境界は曖昧です。芸術にしても学問にしても、ゼロから何かを生み出す超人などは存在するはずもなく、私たちは先人たちの積み木の上に少しづつ積み木を継ぎ足して新たな何かを創造します。目や耳、五感が知らないうちに何かを吸収して、そこから自らの創作物が解き放たれることもあるでしょう。とはいえ、正直に思い悩み、告白した Evan Berry の音楽はあまりに “Epigone” とは程遠い、10年に一度の傑作です。
「僕は多くの点で WILDERUN をメタル・バンドと呼ぶことに抵抗を感じているんだ。確かにメタルは大好きだし、僕ら全員にとって重要な要素だよ。だけど、音楽を創るという意味では、メタルは土台というより道具だといつも思っているんだ」
多くのファンが WILDERUN をプログに残されたほんの僅かな希望だと信じる一方で、Evan は彼らの期待を気にかけないようにしています。気にかけてしまうと、自分らしい音楽が書けなくなってしまうから。そんな繊細さと優しさを併せ持つ人物が “Epigone” であるはずもなく、そうしてこのアルバムはプログやメタルを超越した完璧なる音のドラマ、”メタ” の領域へと到達しました。オーケストレーション/キーボード担当の Wayne Ingram があの Hans Zimmer の弟子であることがインタビューで語られていますが、まさにこのアルバムは音楽が雄弁にストーリーを語る大作映画の趣を誇っているのです。
“Epigone” は優しく、内省的で、哲学的な “Exhaler” で幕を開けます。たしかに、このレコードは、作品のテーマに寄り添うようにバンドのメロウで繊細な一面が強調されています。ドリーミーなシンセとアルペジオの連動、そして祝祭的なリズムが印象的な “Identifier”、精神的な思索が渦巻く瞑想的なフィルムスコア “Distraction III”。
「このアルバムには繊細で美しい部分がたくさんあるにもかかわらず、不穏な雰囲気が漂っているように感じるんだよね」
ただしそれもあくまでこの巨編の一面にしかすぎません。道具として配置されたメタリックな獰猛やアヴァンギャルドな冒険、そしてテクニカルな流麗はアルバムを二次元から三次元に、傍観から体験へと押し上げていきます。14分の “Woolgatherer” は軽快に始まり、すぐにコーラス、パーカッション、不吉な叫び、ねじれたギターワーク、オーケストレーションの泉、そして雷のようなディストーションで狂気のマラソンに突入する奇跡の一曲で、ある意味、プログ・メタルが今できることのすべて以上を詰め込んだ限界突破のアート。 何より圧倒的なのは、テーマやモチーフの膨らませ方。千変万化、壮大苛烈な “Passenger”、不気味なサウンドコラージュとノイズまで抱きしめた “Distraction Null” も含めて WILDERUN の野心はまさに “不穏” でとどまることを知りません。
アルバムにはボーナストラックとして、RADIOHEAD のカバー “Everything In Its Right Place” が収録されています。オーセンティックでありながら、時に彼らのオリジナルのように聴こえる息を呑むような優れたオマージュは、”Epigone” の本質を指しているようにも思えます。アルバム本編にも RADIOHEAD 的なイメージは見え隠れしていますが、当たり前のように両者はまったく異なるアートを創出しています。僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。だけどそこに留まってはいないんだ。そんな Evan の新たな決意が伝わってくるように感じられました。
今回弊誌では、Evan Berry にインタビューを行うことができました。「僕にとってベストなやり方は、個人的に好きな音楽を作り続け、他の人たちがそれを好きになってくれることを願うという方法。 それが、これまで僕にとって唯一うまくいってきた方法で、創造性が壊されない状態に僕を導くことができ、その瞬間 “ゾーン” に留まることができる唯一のやり方なんだ」 3度目の登場。 どうぞ!!

WILDERUN “EPIGONE” : 10/10

INTERVIEW WITH EVAN BERRY

Q1: I was surprised to find out that your big love about Japanese music and anime. How did you get into it and what artists, anime and games do you love?

【EVAN】: My first exposure to Japanese music was, not surprisingly, through metal. I think I heard both Boris and Sigh back in high school, and I was really intrigued. I saw Boris twice over here in the states and really loved it. My girlfriend is more familiar than I am with the Japanese music scene, but she has turned me on to some great rock bands such as Tricot, Polysics and Mass of the Fermenting Dregs. I’ve come to appreciate some J-pop as well. I may be losing some serious metal cred here, but we saw Kyary Pamyu Pamyu in NYC in 2018, and it was actually amazing. As for anime, I am actually in the middle of watching “Serial Experiments Lain” right now, and it is super intriguing. Some other favorites are Psychopass, Trigun and Full Metal Alchemist Brotherhood. As for games, I am pretty mainstream having grown up on Nintendo and such. I recently played Silent Hill 2, 3 and 4 for the first time, and they were all incredible, especially their soundtracks. I really hope to make it to Japan soon! Also, being a huge roller coaster enthusiast, Fuji-Q Highland and Nagashima Spa Land are two bucket list parks for me.

Q1: あなたが日本の音楽やアニメにとても詳しいと知って驚きましたよ。

【EVAN】: 僕が初めて日本の音楽に触れたのは、メタルを通してだった。驚くべきことじゃないけどね。高校生の頃、BORIS と SIGH の両方を聴いて、とても興味をそそられたんだよね。BORIS はアメリカで2回見て、本当に気に入ったんだ。
僕の彼女は僕よりも日本の音楽シーンに詳しいんだけど、Tricot, Polysics, Mass of the Fermenting Dregs といった素晴らしいロックバンドを紹介してくれたよ。J-POPの良さもわかってきたね。メタルの信用を失うかもしれないほど深刻な事態だけど、2018年にきゃりーぱみゅぱみゅをNYで見て、実際素晴らしかったんだ。
アニメに関しては、実は今 “Serial Experiments Lain” を見ている最中なんだけど、めちゃくちゃ興味津々なんだ。他に好きなのは “サイコパス”, “トライガン”, “鋼の錬金術師” なんかだね。
ゲームに関しては、任天堂などで育ったから、かなりメインストリームが好みかな。最近初めてサイレントヒル2、3、4をプレイしたんだけど、どれも素晴らしくて、特にサウンドトラックが最高だったよ。早く日本に行きたいね。ジェットコースターが大好きだから、富士急ハイランドとナガシマスパーランドは絶対行きたいんだよ!

Q2: “Veil of Imagination” was very well received by fans and many media outlets! It was also voted the third best album of 2019 by our magazine. After the release of “Veil of Imagination”, you signed a contract with Century Media, and it was a life-changing album for you, wasn’t it?

【EVAN】: Wow, thank you! We’re honored to be ranked so highly by your magazine 🙂 Yes indeed, overall “Veil” was the most significant record in our career thus far. I suppose it just had a colorful and eccentric nature that grabbed more people than before, so I think our desire to get a bit weirder paid off! Also, and probably just as importantly, “Veil” was the first album where we invested some money into hiring a PR agency to help promote the album. Adrenaline PR did a great job getting our name out there more than we could do on our own, and I know it got the album in the hands of a few people that have helped our career. In retrospect, I wish we had done this with our first two albums (or at the very least “Sleep at the Edge of the Earth”), but hindsight is always 20/20.

Q2: さて、前作の “Veil of Imagination” はファンやメディアから大絶賛された作品でしたね。実際、弊誌でも2019位のベストリスト3位に選出しました。
リリースの後に Century Media と契約を果たしましたし、まさに人生を変えたアルバムだったんじゃないですか?

【EVAN】: わあ、ありがとう!貴誌で上位にランクされて、光栄だよ!そうだね、全体的に “Veil of Imagination” はこれまでの僕らのキャリアの中で最も大きな意味を持つレコードだった。 カラフルでエキセントリックな感じがより多くの人の心を掴んだというか、「もっと変わったことがしたい!」という気持ちが実を結んだというか。
あと “Veil” は、アルバムのプロモーションのために、PR会社を雇ってお金を投資した最初のアルバムでもあるんだ。アドレナリンPRは、自分たちだけではできないような素晴らしい仕事をしてくれて、僕らのキャリアを支えてくれる新たな人たちの手にこのアルバムを届けてくれたんだ。 振り返ってみると、最初の2枚のアルバム(あるいは少なくとも “Sleep at the Edge of the Earth” だけ)でもこうしていればよかったと思うんだけど、後悔先に立たずということだろうね。

Q3: A lot of people started to treat Wilderun as the flag bearer or hope of progressive metal. How do you feel about those expectations?

【EVAN】: To be honest, I try to not think about those things all too often, haha! As flattered as I am by that sentiment, and as much as I appreciate the love from those fans, I know that if I focused too much on audience expectation, it would create a lot of pressure and would most likely stifle a lot of my creativity. I’ve actually had moments where I’ve been overwhelmed by thoughts like that, and I’ve had to dig myself out of self-critical holes. (Some of the lyrics on “Epigone” actually deal with some of these issues). The best thing for me to do is just continue trying to make music I personally love, and hope other people like it. That’s the only thing that’s worked for me thus far, and it’s the only thing that can get me in a state of uncorrupted creativity, and stay in the zone during those moments, which are actually a lot more fleeting and rare than most people would probably assume.

Q3: 新たな人たちの手にアルバムが届いた結果、あなたたちはプログ・メタルの旗手、希望として扱われるようになりましたね?
そういった大きな期待についてはどう感じていますか?

【EVAN】: 正直、あまりそういうことは考えないようにしているんだよね(笑)。だって、リスナーの期待に応えようとしすぎると、プレッシャーになり、自分のクリエイティビティが損なわれてしまうと思うからね。実際に、そういう思いに押しつぶされそうになって、自己批判の穴から自分を助け出したこともあるんだよ。”Epigone” の歌詞の中には、実際にそういった問題を扱っている曲があるくらいでね。
僕にとってベストなやり方は、個人的に好きな音楽を作り続け、他の人たちがそれを好きになってくれることを願うという方法。 それが、これまで僕にとって唯一うまくいってきた方法で、創造性が壊されない状態に僕を導くことができ、その瞬間 “ゾーン” に留まることができる唯一のやり方なんだ。実際には、それはほとんどの人が思っているよりもずっとはかなくて稀なことなんだけどね 。

Q4: But by the time “Epigone” was completed, there were pandemics, presidential elections, and BLM, and the division of the world became more apparent, right? Did those situations influence the new record?

【EVAN】: I think the biggest effect it had on us was that it robbed us of the opportunity to truly celebrate “Veil of Imagination”. I’ve come to realize over the years that there is a sort of Ying/Yang between recording an album and playing shows. They are very different, but they compliment each other. You put your heart and soul into the music while writing and recording, which is why it is ultimately the most satisfying part of the process, but then you use touring and shows to celebrate the achievement of the final product. Unfortunately, because of the pandemic, we only got a grand total of 8 shows in support of “Veil”. It was difficult to get working on a new record so soon, and there were a few months where I know I hesitated. Even though we ultimately decided making a new album would be the best use of our time, I do think that frustration and sorrow made its way on “Epigone”, even if it’s in a subconscious way.

Q4: 前作から “Epigone” までのインターバルで、世界は大きく変わりました。パンデミック、大統領選、BLM…世界の分断がより露わになったようにも思えます。

【EVAN】: まあ、僕たちにとっては “Veil of Imagination” を心から祝福する機会が奪われてしまったことが、一番大きな影響だったと思うな。アルバムのレコーディングとライヴの間には、ある種陰陽の関係があるのだと、この数年で理解するようになってね。両者はまったく異なるものだけど、互いに補完し合っているんだよ。つまり、曲作りとレコーディングに心血を注ぎ、それが最終的に最も満足のいくプロセスだとしたら、ツアーとライヴは出来上がった作品の完成を祝うために行うものなんだ。
残念ながらパンデミックの影響で、”Veil” を引っ提げたライヴは全部で8回しか行えなかった。あまり早くに新譜の制作に取りかかるのは難しくて、数カ月は躊躇したこともあったと思う。最終的に新しいアルバムを作ることが一番良い時間の使い方だと判断したとはいえ、そのフラストレーションや悲しみは、無意識のうちに “Epigone” に封入されていると思う。

Q5: “Epigone” refers to artists who create unoriginal works by appropriating or imitating the styles of their predecessors, who are considered to be superior, right? Why did you choose this title for your latest work?

【EVAN】: All my lyrics come from a personal place, and I think the frustration of our career being put on hold really shined a light on my feelings of failure. These sorts of thoughts can really spiral, especially when you’re in isolation, so I think I just had a lot of time to muse on my own feelings of self-doubt and inadequacy. It also made me start to rethink a lot of how I defined myself as a human being, and how much I can connect my self-worth with my career and achievements, and what a trap that way of thinking can become. It’s very easy to lose sight of the truly transcendent nature of music and art once you become too directly tied to it, and your identity becomes too wrapped up in it, so a lot of this album seeks to break that connection.

Q5: “Epigone” とは、優れた先人の作品を粗雑に模倣する芸術家、平たく言えば安易にパクるアーティストのことだそうですね?

【EVAN】: 僕の歌詞はすべて個人的なもので、パンデミックでキャリアを中断された苛立ちが、心の挫折感に光を当てたんだと思う。特にロックダウンで孤立しているときは、そういう思いが渦巻いてしまう。だから、自分の自信のなさや至らなさについて考える時間がたくさんあったんだと思うんだよ。つまり、自分が “Epigone” じゃないかって疑念を抱いたわけさ。
自分を人間としてどう定義するかについて再考の時間になったんだよ。自分の価値とキャリアや実績を結びつけて考えること、その考え方がいかに “危険な罠” なのかを考え直すきっかけにもなったね。音楽や芸術と直接的に結びつきすぎて自分のアイデンティティがそれに包まれてしまうと、音楽や芸術の真の超越的な本質を見失いがちになるからね。

Q6: However, I believe that there is no such thing as an artist who creates something from nothing, and that everyone combines several influences and creates something new from them. There will be times when the pain of childbirth makes it easy to imitate. But, whether we add our own personality and identity to it or not, the result will be very different, would you agree?

【EVAN】: Yeah absolutely. We are all the result of a giant mix of things we didn’t decide and could’ve never chosen for ourselves. We don’t even truly choose what we like, we are simply drawn to whatever it is that grabs our attention. Not to get too deep into a discussion about free will, but especially when concerning art and creativity, it is hard to see where the free will is in that. Ideas flow through us, we can only try our best to make something new out of it, but whatever it is we create will inevitably be shaped by a myriad of things that came before us. These are certainly the types of things I try to remind myself of when I’m feeling inadequate or unoriginal.

Q6: ただ、私はゼロから何かを生み出せる芸術家など存在しないと信じていて、全員が何かしらの影響を組み合わせながら新たな光を創造していると思うんですよね。もちろん、そこに産みの苦しみを抱えながら。
結局、創造物に自らの個性やアイデンティティを加えられるかどうかで、結果も大きく変わってきますよね?

【EVAN】: うん、間違いなくそうだよね。もっと言えば、僕たちは皆、自分で決めたわけでもなく、自分で選ぶこともできなかった影響が、巨大に混ざり合った結果なんだよね。僕たちは、自分の好きなものをすべて本当に選んでいるわけではなく、それが何であれ、単に注意を引くものに引き寄せられるだけなのかもしれないよね。
自由意志についての議論に深入りするつもりはないけれど、特に芸術や創造性に関して言えば、自由意志はどこにあるのかわかりにくいものだ。だけど自分のものか他人のものかわからないアイデアはどんどん出てくるし、そこから新しいものを生み出そうと頑張るしかないんだよね。だから結局、僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。そんなことを、僕は自分の至らなさや独創性のなさを感じたときに、思い出すようにしているんだよ。

Q7: But “Epigone” is still overwhelming! I was impressed by “Veil of imagination”, but this album takes metal to the stage of a classic movie or a Shakespearean opera. The art is the opposite of “Epigone”, isn’t it? Compared to “Veil of Imagination”, it’s more mellow and delicate, with fewer heavy parts, which creates a wonderful contrasting magic, doesn’t it?

【EVAN】: Thank you! Yeah, there are definitely even more quiet parts on this album. I know some of our more ‘metal’ fans may not be as stoked on that aspect, but in a lot of ways I have a hard time even calling Wilderun a metal band. We certainly love metal, and it is an important part of all of us, but in regards to creating music, I’ve always thought of metal more as a tool than as a foundation. It is a wonderful thing to utilize to help create drama and dynamics, and if you want your music to reach some soaring heights and intensity, it doesn’t get much better than metal in terms of sonics and aesthetics. But yeah, the songs on “Epigone” just happen to have fewer of those this time around. It wasn’t really by choice, the songs just naturally seemed to turn out that way. But I like to think the heavy parts still contribute a lot when they do enter.

Q7: ただ、少なくとも “Epigone” というアルバムは、”エピゴーン” とはかけ離れた作品ですよ。前作よりデリケートでメロウで、メタルを名作映画やシェイクスピアの領域にまで押し上げていますね?

【EVAN】: ありがとう!うん、確かに今回のアルバムでは静かなパートがさらに多くなっているね。メタル・ファンの中には、その点をあまり良く思っていない人もいるかもしれないけど、僕は多くの点で WILDERUN をメタル・バンドと呼ぶことに抵抗を感じているんだ。確かにメタルは大好きだし、僕ら全員にとって重要な要素だよ。だけど、音楽を創るという意味では、メタルは土台というより道具だといつも思っていてね。
メタルはドラマやダイナミクスを生み出すために活用できる素晴らしい道具で、もし自分の音楽を高みや激しさに到達させたいのであれば、音響や美学の面でメタルに勝るものはないだろうね。 まあだから、”Epigone” の曲は、たまたまそういうのが少なかっただけなんだ。別に選んでそうなったわけではなくて、自然とそういう曲になったという感じかな。でも、ヘヴィなパートが入ることで、まだアルバムに多くの貢献をしてくれていると思いたいね。

Q8: It seems that Joe Gettler has left the band and Wayne Ingram, who is in charge of keyboards and orchestration, is back on lead guitar as well. But Joe is still playing on this album, isn’t he? But now that I know Wayne worked with Hans Zimmer, I understand why his orchestration is so great, haha!

【EVAN】: Yeah, it’s been a bit confusing for some, especially considering Wayne is playing guitar in the music videos, but Joe did indeed record all the lead guitars on “Epigone”. It was basically the last thing he did with the band before deciding to leave. We were sad to see him go, but he needed to focus on his career as a tattoo artist (he’s an amazing visual artist, by the way), and since we are all good friends, we completely understood and wish him well. Luckily Wayne was in a place in his life where he could take up the mantle of lead guitarist once again, so it worked out nicely. And yes, Wayne certainly worked on his orchestrating chops a lot during his time with Hans Zimmer, which has been very beneficial for us! I think I can easily say his work on “Epigone” is his best so far.

Q8: リード・ギタリスト Joe Gettler はこのアルバムのレコーディングを最後にバンドを脱退し、キーボードとオーケストレーションを担当している Wayne Ingram が再びギターも兼任するようですね?
それにしても、Wayne は Hans Zimmer と仕事をしていたんですね?このアルバムのオーケストレーションが極上な理由が理解できた気がします(笑)

【EVAN】: そうなんだ。Wayne がミュージック・ビデオでリード・ギターを弾いていることを考えるとちょっと分かりにくいんだけど、”Epigone” では確かに Joe がすべてのリード・ギターを録音しているんだ。彼が脱退を決意する前に行った最後の貢献がこのアルバムだったんだ。彼が去るのを見るのは悲しいけれど、彼はタトゥー・アーティストとしてのキャリアに集中する必要があったし(ちなみに彼は素晴らしいビジュアル・アーティストだよ)、僕たちはみんな良い友達だから、彼の幸せを願って脱退も完全に理解していたよ。
幸運なことに、Wayne が再びリード・ギタリストの座につくことができる状況にあったから、うまくいったんだ。 そうそう、Wayne は Hans Zimmeと一緒にいる間にオーケストレーションの腕を磨いたんだ。”Epigone” での彼の仕事は、これまでで最高のものだと断言できるよ。

Q9: And the most wonderful thing is your vocals. You’ve become one of the leading vocalists in the metal world! You are able to manipulate emotions in a transformative way, from ferocious growls to Beatles-like singing. The “Destruction” suite at the end is especially incredible, and the unexpectedness of bringing chaos at the end is really so you, would you agree?

【EVAN】: Thank you so much, that really means a lot! I do feel more confident in my vocals now than I used to, so it is great to hear that it comes across on the album. And yeah, we were really happy with how that ending turned out. The chords and melody I had written for that part were already on the darker/brooding side, but since it’s the end of the album, we wanted to turn up the chaos a notch, so we implemented a lot of noise and synth work into it, to really try to create a hellish maelstrom. We don’t get many opportunities to get That dark, so it was a lot of fun. As I mentioned before, even though there are a lot of delicate, pretty parts on this album, I still feel like there is an undertone that is unsettling. Sort of like a watcher in the dark that doesn’t let itself be known very often, but you can feel its presence. So the ending fully leans into that side of things, for a brief moment.

Q9: いかにオーケストレーションが素晴らしくても、このアルバムで最も輝いているのはあなたの歌ですよ!もはや、メタル世界を牽引するボーカリストですね。獰猛なグロウルから、ビートルズのようなクリーンまで、感情を操る歌唱であなたの右に出るものはそうそういないでしょう。
特にアルバム終盤の “Destruction” 組曲は実にダイナミックで、最終盤に襲い来るカオスには圧倒されましたよ。

【EVAN】: 本当にありがとう。以前より自分のボーカルに自信が持てるようになったから、それがアルバムで伝わったと聞いてとてもうれしいよ。
そうそう、あのエンディングの出来栄えには本当に満足しているんだ。あの部分のために書いたコードとメロディーはすでにダークで陰鬱なものだったけど、アルバムの最後だからカオスをさらに高めたいと思って、ノイズとシンセをたくさん使って、地獄のような大混乱を作り出そうとしたんだよね。そこまでダークになる機会はあまりないから、とても楽しかったよ。
このアルバムには繊細で美しい部分がたくさんあるにもかかわらず、不穏な雰囲気が漂っているように感じるんだよね。暗闇の中の監視者のようなもので、あまり自分の存在を知らせないけれども、その存在を感じることができる。 だから、エンディングで一瞬だけ、そっちの方に傾いたんだと思う。

EVAN’S TOP FIVE 2021’s ALBUMS

MAGDALENA BAY “MERCURIAL WORLD”

KERO KERO BONITO “CIVILISATION Ⅱ”

HIATUS KAIYOTE “MOOD VALIANT”

LIL UGLY MANE “VOLCANIC BIRD ENEMY AND THE VOICED CONCERN”

SQUID “BRIGHT GREEN FIELD”

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you to everyone in Japan who has supported us in some way, or just listened, we appreciate you so much! Coming to Japan to play is one of our biggest dreams, so I really hope we can make it happen one day.

僕たちを何らかの形でサポートしてくれた、あるいは聴いてくれた日本の皆さん、本当にありがとう!日本で演奏することは僕らの大きな夢の一つだから、いつか実現できたらいいなと思っているんだ。

EVAN BERRY

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CENTURY MEDIA RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【POWER PALADIN : WITH THE MAGIC OF WINDFYRE STEEL 】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KRILLI & INGI OF POWER PALADIN !!

“Iceland Is Our Home, To Us , Our Landscape Is Mundane. Weirdly, We find Landscapes And Environments That Others Would Consider Mundane – Big Cities, Flat Plains, And So On – Quite Exotic And Inspiring!”

DISC REVIEW “WITH THE MAGIC OF WINDFYRE STEEL”

「パワー・メタルはすべてがファンタジーの世界だから、アイスランドの火山や氷がインスピレーションと思われがちだけど、実はそうじゃないんだよね。アイスランドは僕らの故郷で、僕らにとっては平凡な場所なんだよね。だから不思議なことに、他の人が平凡だと思うような風景や環境 – 大都市や平坦な平野など – が、とてもエキゾチックで刺激的だと感じているんだよ」
光と陰の広々としたポストロック、感情的でアトモスフェリックなブラックメタル、伝統にひねりを加えたフォーク・ロックといった音景色はすべて、スカンジナビア最西端に位置する火山と氷の荒涼としたアイスランド、その地形と違和感なくつながります。では、魔法にドラゴン、賢者でありながら剣を振るうパラディンが登場するパワー・メタルはどうでしょう?
極限の自然環境もファンタジーには不可欠、そう思われがちですが、この国で唯一のパワー・メタラー POWER PALADIN はむしろ、自国にはない大都市や平坦な平野からインスピレーションを受けています。彼らにとっては平凡こそが非日常だから。結局、創造の源は人それぞれ。出自はすべてではありません。そうして私たちにとっては当たり前の光景から啓示を受けた新鋭の描き出す音楽は、完膚なきまでに非日常のファンタジーとなりました。
「ライブを始める前にファンタジックな格好をするようなバンドになったらどうかという話もあったんだけど、最終的にそれはやめて、もっとリラックスしたメタルのアプローチでステージ衣装を選ぶことにしたよ。ステージに小道具を持ち込むことはあるけど、おそらく僕たちがあの “ドレスアップ・ゲーム” に参加するようなことはないだろうな」
パラディンとは、勇気と決意を魔法に託し、不屈の魂で業物まで振るう文武両道の勇士。メガギルド Nuclear Blast の OB が立ち上げた新ギルド Atomic Fire の先頭に立ち剣を高々と振り上げたのは、他ならぬレイキャビクの POWER PALADIN でした。弦張斧と鍵盤弓で武装した6人の高貴な戦士たちは、メタル背教者をなぎ倒しつつ、まもなく何十万ものメタル・ソルジャーをその背後に従えていくはずです。なぜなら彼らは見た目や出自よりもっと重要なものを心得ているから。真の文武両道はその精神こそ清らかです。
「僕は MEGADETH や METALLICA みたいなスラッシュ・メタルや PINK FLOYD のようなプログ・ロックで育ったから、今までもこれからも僕の曲作りにはそういった音楽が大きな影響を与えるだろうね。僕と Atli と Bjarni Egill はグラム・ロックのカバー・バンドで一緒に演奏していたから、その時代からの影響もあるだろうね」
メタルのバトル・フィールドはやはり音楽です。当然、POWER PALADIN の根幹をなすのは勇壮無比なパワー・メタル。DRAGONFORCE を想起させるシュレッドの宇宙で絶世のボーカリスト Atli Guðlaugsson が内なる Kiske と交信する “Righteous Fury” や、炎以前の RHAPSODY の如くタンデム・ギターが駆け巡る “Ride The Distant Storm”、ミッドペースの重圧 (ハンマー・フォール) に拳を突き上げざるを得ない “Evermore” など、”With The Magic Of Windfyre Steel” にはパワー・メタルに求められる要素すべてが詰まっています。GAMMA RAY や BLIND GUARDIAN が醸し出した、90年代初頭のエッセンスが各所に散りばめられているのも嬉しい限り。
ただし、POWER PALADIN は、パワー・メタルの先人たちが育んだ優れた音片を無機質なモニュメントへと単純に貼り付けたコピー・キャットではありません。DOKKEN と見紛うばかりの絢爛なコーラスと美麗なメロディーが疾走する “Kraven The Hunte” こそ彼らが特別な勇者である証。”Dark Crystal” のメロパワとは一味違った北欧的クリスタルなセンス、”Into The Forbidden Forest” のプログレッシブな展開、”There Can Be Only One” のオリエンタルなハイトーン・マジック、そのすべてが彼らの強烈な個性として爆発的な扇情力と共にリスナーを多彩な異世界へと連れ去るのです。最後の飾りつけは RPG の音細工。
今回弊誌では、ベーシスト Krilli とギタリスト Ingi にインタビューを行うことができました。「日本のものも含めて RPG にはかなり影響されているね。実際、”Righteous Fury” のソロの直前には “ゼルダの伝説” へのオマージュが込められている」どうぞ!!

POWER PALADIN “WITH THE MAGIC OF WINDFYRE STEEL” : 9.9/10

INTERVIEW WITH KRILLI & INGI

Q1: When I think of Iceland, I think first of Sigur Ros and Bjork, and then of the soccer player Eiður Smári Guðjohnsen, haha. Even in metal, there are bands like Sólstafir that are more atmospheric than technical and heavy, aren’t there? Why did you guys decide to pursue Power metal in Iceland?

【KRILLI】: I don’t really think our location had anything to do with it. We simply love power metal, so we made power metal. There certainly aren’t many other power metal bands in the country, though – We are the only active one at this time!

【INGI】: There are many atmospheric bands here for sure, and you can hear that from the black metal scene especially but we do have some very technical bands as well like Ophidian I and Cult of LIlith! Those guys play with a technicality that outshines most.

Q1: アイスランドといえば、まず思い出すのが Sigur Ros と Bjork、あとはサッカー選手のグジョンセンですかね (笑)。
メタルで有名なバンドも、テクニックや重さ速さよりアトモスフィアを重視した Sólstafir でしょうし、あなたたちがパワー・メタルを志したのが少し不思議に感じますよ。

【KRILLI】: 僕は、住んでいる場所は音楽と全然関係ないと思っているよ。僕たちは単にパワー・メタルを愛しているから、パワー・メタルをやっているんだ。とはいえ、間違いなくこの国にほかのパワー・メタルバンドはそう多くはないね。だから、今のところ、僕たちがアイスランドで唯一のパワー・メタルバンドさ!

【INGI】: たしかに、アイスランドにはアトモスフェリックなバンドが多いよね。特に、ブラックメタルのシーンはそういった傾向にあるんじゃないかな。でも同時に、OPHIDIAN I とか CULT OF LILITH みたいなめちゃくちゃテクニカルなバンドも存在するんだよね。あの人たちはホント、他の人たちを圧倒するようなテクニカルなプレーをするんだよ!

Q2: But When I think of Iceland, I think of nature, both harsh and beautiful. It also fits in with your fantastic worldview. How does a world surrounded by volcanoes and ice influence your music?

【KRILLI】: I don’t think it does. Power metal is all about the fantastical. Iceland is our home, to us it is mundane. Weirdly, we find landscapes and environments that others would consider mundane – Big cities, flat plains, and so on – Quite exotic and inspiring!

【INGI】: There’s nothing more inspirational for me than forests and trees – we barely have any of that here so like Krilli said, our nature is mundane to us like trees are mundane to people on the mainland of Europe haha. Although I do get some inspiration while driving through the fjords on the east of the country – but mainly it makes me want to write atmospheric stuff – not power metal.

Q2: アイスランドは、厳しくも美しい自然に囲まれているわけですが、そういった火山や氷からファンタジックなインスピレーションを受けることもあるのでしょうか?

【KRILLI】: パワー・メタルはすべてがファンタジーの世界だから、アイスランドの火山や氷がインスピレーションと思われがちだけど、実はそうじゃないんだよね。アイスランドは僕らの故郷で、僕らにとっては平凡な場所なんだよね。だから不思議なことに、他の人が平凡だと思うような風景や環境 – 大都市や平坦な平野など – が、とてもエキゾチックで刺激的だと感じているんだよ。

【INGI】: 僕にとっては森や木ほどインスピレーションを与えてくれるものはないよ。というのも、アイスランドにはそれがほとんどないからね。Krilli が言ったように、ヨーロッパ本土の人々にとって木が平凡であるように、僕たちにとって火山や氷のような自然は平凡なものなんだ(笑)。
ヨーロッパの東にあるフィヨルドをドライブしているときにもインスピレーションを得ることができるんだけど、主にパワーメタルではなくアトモスフェリックなものを書きたくなるね。

Q3: You’re the first artist to be released on Atomic Fire, right? Why did you decide to sign with this label?

【KRILLI】: It just kind of happened! We sent the album to our friend Þorsteinn, who organizes Wacken Metal Battle Iceland among other things. He sent it to some industry friends, including Markus from Atomic Fire and he wanted to talk to us – Things just kept rolling from there.

Q3: 話題の新レーベル、Atomic Fire 初のアーティストとなりましたね?

【KRILLI】: 気がついたらそうなっていたんだよ! Wacken Metal Battle Iceland のオーガナイザーである友人の Þorsteinn にアルバムを送ったんだ。彼はそれを Atomic Fire の Markus を含む業界の友人たちに送り、彼は俺たちと話をしたいと言ってきたわけさ。

Q4: Anyway, the band name “Power Paladin” is very strong, isn’t it? Why did you choose this name?

【KRILLI】: We were initially named Paladin – When we formed the band back in 2017 there was no active metal band with that name. The name kind of encapsulated the music, I suppose.
When it was time to release the album, another power metal band, from Atlanta in the USA, had released an album under the name – So to avoid confusion we had to change it. We eventually settled on adding something either at the end or beginning of the name, to retain what little recognition we had built up. After trying stuff out Power Paladin just had a really nice ring to it.

Q4: それにしても、パワー・パラディンというバンド名にはインパクトがありますね?

【KRILLI】: 僕らは最初、単に “Paladin” という名前だったんだ。2017年にバンドを結成したとき、この名前で活動しているメタル・バンドはいなかった。まさに僕たちの音楽を包括するようなものだったと思う。
アルバムをリリースする時になって、アメリカのアトランタ出身の別のパワー・メタル・バンドがこの名前でアルバムをリリースしていたことがわかってね。だから混乱を避けるために変更することになったんだ。そうは言っても結局、自分たちが築き上げたわずかな知名度を維持するために、名前の最後か最初に何かを付けることにしたんだ。いろいろ試した結果、”Power Paladin” が本当にいい響きだったんだよね。

Q5: What is the conceptual story behind “With the Magic of Windfyre Steel?

【KRILLI】: There isn’t one, but there are some consistent themes – Heroism, doing what is right, fighting evil, fantasy, and so on. I don’t think that was a conscious decision, we were just playing into the power metal vibe!

Q5: デビュー作、”With the Magic of Windfyre Steel” では、どのようなストーリーが語られているのでしょう?

【KRILLI】: 物語のコンセプトは1つではないんだ。だけど、ヒロイズム、正しいことをする、悪と戦う、ファンタジーといった、一貫したテーマが存在するね。
それは意識的に決めたわけではなく、パワー・メタルのヴァイヴに感化された部分も大きいだろうな。

Q6: I really love the artwork and music of this record. It’s very fantastic and beautiful. Were you influenced by the world of Japanese role-playing games, for example?

【KRILLI】: Oh yes, we were influenced quite a bit by RPGs, including Japanese ones. In fact, there is a homage to the Legend of Zelda in Righteous Fury, just before the solo. The artwork is quite wonderful – It was made by the talented James Childs.

Q6: アルバムの美しいアートワークとファンタジックな音楽がとても気に入っています。日本のロールプレイング・ゲームの世界観に影響を受けた部分はありますか?

【KRILLI】: そうそう、日本のものも含めて RPG にはかなり影響されているね。実際、”Righteous Fury” のソロの直前には “ゼルダの伝説” へのオマージュが込められている。アートワークは、才能豊かな James Childs によるもので、とても素晴らしいね。

Q7: Musically, there are influences of Helloween, Rhapsody, and Dragonforce, of course, but also aspects of hair metal, thrash, and progressive, would you agree?

【INGI】: I grew up on thrash metal like Megadeth and Metallica and prog rock like Pink Floyd etc. so that has and will always have a big influence on my songwriting. Me, Atli and Bjarni Egill also used to play in a glam rock cover band together so there are some influences that followed us from that era!

【KRILLI】: I think our largest influence is power metal from the 90s and 00s – Bands like Blind Guardian, Helloween, Hammerfall, Gamma Ray, Rhapsody, and so on.

Q7: 音楽的には、HELLOWEEN, RHAPSODY, DRAGONFORCE といったバンドはもちろんですが、ヘアメタル、スラッシュ、それにプログレッシブな影響も感じられますね?

【INGI】: 僕は MEGADETH や METALLICA みたいなスラッシュ・メタルや PINK FLOYD のようなプログ・ロックで育ったから、今までもこれからも僕の曲作りにはそういった音楽が大きな影響を与えるだろうね。
僕と Atli と Bjarni Egill はグラム・ロックのカバー・バンドで一緒に演奏していたから、その時代からの影響もあるだろうね。

【KRILLI】: 僕の中で一番大きいのは、やっぱり90年代と00年代のパワー・メタルだね。BLIND GUARDIAN, HELLOWEEN, HAMMERFALL, GAMMA RAY, RHAPSODY とかその辺りだね。

Q8: In recent years, Twilight Force and Glory Hammer have become popular for their theatrical stage productions, are you guys interested in cosplay-style productions?

【INGI】: We had the talk about if we wanted to be a band that dressed up in some fantasy gear before shows but ultimately decided against it and opted for a more relaxed metal approach to stage attire. We do sometimes bring props to the stage but we probably won’t ever go all in on the dress up game.

Q8: 近年、パワー・メタルの世界では、TWILIGHT FORCE や GLORY HAMMER のようなシアトリカルなステージング、プロダクション、衣装が人気ですよね。
あなたたちは、ああいった “コスプレ的な” パフォーマンスに興味はありますか?

【INGI】: ライブを始める前にファンタジックな格好をするようなバンドになったらどうかという話もあったんだけど、最終的にそれはやめて、もっとリラックスしたメタルのアプローチでステージ衣装を選ぶことにしたよ。
ステージに小道具を持ち込むことはあるけど、おそらく僕たちがあの “ドレスアップ・ゲーム” に参加するようなことはないだろうな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED INGI & KRILLI’S LIFE

PINK FLOYD “THE WALL”

STEVEN WILSON “HAND. CANNOT. ERASE.”

METALLICA “AND JUSTICE FOR ALL…”

SYMPHONY X “THE ODYSSEY”

RHAPSODY “SYMPHONY OF THE ENCHANTED LANDS PT.2”

(INGI)

IRON MAIDEN “BRAVE NEW WORLD”

BLIND GUARDIAN “A NIGHT AT THE OPERA”

CHILDREN OF BODOM “FOLLOW THE REAPER”

HAMMERFALL “LEGACY OF KINGS”

GAMMA RAY “SOMEWHERE OUT IN SPACE”

(KRILLI)

MESSAGE FOR JAPAN

Please make Galneryus tour Europe more – I need to see that band live. Oh and maybe check out our album “With the Magic of Windfyre Steel”!

GALNERNUS にはヨーロッパでもっとツアーをして欲しいよ!彼らのライブを見る必要があるんだ!あっ、僕たちのアルバム “With the Magic of Windfyre Steel” もチェックしてね。

INGI

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ATOMIC FIRE RECORDS

 

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DER WEG EINER FREIHEIT : NOKTVRN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NIKITA KAMPRAD OF DER WEG EINER FREIHEIT !!

“I Somehow Always Wanted To Create an Album About The Night, About Dreams And The World Between Being Awake And Asleep.”

DISC REVIEW “NOKTVRN”

「私はずっとクラシック音楽が好きで、フレデリック・ショパンは私に多くのインスピレーションを与えてくれた作曲家の一人なんだ。特に彼のピアノのためのいわゆる “夜の小品” であるノクターンがお気に入りなんだよね」
ヘヴィ・メタルは昼の音楽でしょうか、それとも夜の音楽でしょうか? もちろん、カリフォルニアの真夏の太陽の下、ビーチで美女と組んず解れつ大音量で聴くべきメタルも存在しますが、根本的には暗く、重く、憂鬱な夜行性の音楽であることは誰もが認めるところでしょう。夜行性とはすなわち夜と一体になることです。
夜想曲、ノクターンを書くためには、夜からインスピレーションを受けなければなりません。ポーランドのピアニストで作曲家、フレデリック・ショパンは夜を愛し、1827年から1846年の間に21曲の夜想曲を書き連ね、遂にはその超絶技巧の中で人間の心の複雑さにまで到達して表現しました。つまり、彼の “夜の小品” は、ロマン派の理想を華麗に実現し、技巧的研究の中に類稀なる夜のハーモニーとメロディーの融合を提示していたのです。
「レコードを作る場合重要なのは、バンドの文脈における楽器と音の組み合わせだということなんだ。例えば、シンフォニック・オーケストラでヴァイオリンだけを聴くのと同じように、メタルでギターだけを聴いても、全体は理解できない。”Noktvrn” では、ショパンのノクターンなどクラシックな曲との直接的なつながりはないにしても、こうしたクラシック流のアプローチが最近の私の曲作りに大きな影響を与えているんだよ」
5枚目のアルバムとなる “Noktvrn” で、DER WEG EINER FREIHEIT は独自の革命的な道を歩み始めました。ボーカル/ギターの Nikita Kamprad は、クラシックの整合性やシンフォニーが描き出す全体像の美学に影響を受けながら、さらに敬愛するショパンがのめり込んだ “夜” に心酔し、メタル・ノクターンの具現化に向けて全精力を傾けました。
「私はなんとなく、夜について、夢について、起きているときと眠っているときの間の世界についてのアルバムを作りたいとずっと思っていたんだよ」
きっかけは、深夜から早朝に白昼夢として降りてきた “Immortal” という楽曲でした。もし夢の中で作曲ができたとしたら、もし半分眠っている状態で創造的になれたとしたら。朝日がほんの少しだけ顔を出した紫色の部屋の中で Nikita はそんな夢物語を偶然にも実現し、さらに夜のリズムに惹かれていきました。作曲を夜間に限定して行うようになったのも、飽くなき夜音探求のため。そうして、プログレッシブ・ブラックメタルを指標するドイツの賢者は、そのバンド名と同様に自由を渇望し、実験と挑戦のノクターンを完成させました。
「つい数日前、ある人が DEAFHEAVEN も新しいアルバムで私たちの “Noktvrn” と似たようなテーマを扱っていると言ってきたんだ。例えば、早朝に感じる気持ちや、半分眠っているような気分といったものをね」
偶然とは重なるもので、DER WEG EINER FREIHEIT と同様にブラックメタルの世界を押し拡げる DEAFHEAVEN も奇跡的に”青の時間” をテーマとした作品を昨年リリースしています。ただし、音楽的には双方リスクを犯しながらも DER WEG の “夜” の方がより多彩で実験的なのかもしれませんね。
オープニングを飾る “Finisterre II” のアトモスフェリックな音響はアルバムを侵食し、”Monument” のオーケストラアレンジとホーンセクションが妖しくも美しい夜の音を召喚。別世界を醸し出す “Immortal” のフォーク、”Haven” の夢のようなシューゲイズ、”Gegen Das Lichtの徹頭徹尾アバンギャルドなアートロックと、彼らの夜会は迷宮のように深く入り組みながら、混迷の中に人の複雑を描き出します。
「私たちの社会では、メンタルヘルスや心の病気はいまだに過小評価され、話したくないタブーのような問題とされているように感じているんだ。だから私たちがそれについて話さなければ、精神的な病に苦しむ人々の助けにはならないだろうと思ってね」
“Noktvrn” は一般的なブラックメタルとは異なり、人間の心のあり方を投影した作品です。睡眠時や夢を見ている時の脳の働き、パニック障害、幽体離脱体験にフォーカスしたリリックはショパンのように夜で心を哲学して、パズルのピースのようにアルバムの音楽へと寄り添いました。
暗く、孤独で、憂鬱な夜は、だからこそ時には優しい時間にも変化します。遂にマイルドな英語を解禁すると共にクリーンな歌声を解き放ち、実験的なブラックメタルを多層的なハーモニーの輝きで装飾した彼らの新たな挑戦は、まさに弱さや儚さをも抱きしめる夜の包容力をも認めた結果ではないでしょうか。
今回弊誌では、Nikita Kamprad にインタビューを行うことができました。「音楽を書いたり、ライブで演奏したりすると、ほんの一瞬だけど、自由な気持ちになる。言論、プライバシー、宗教などの自由が制限され、しばしば紛争、腐敗、戦争を引き起こしているのを見ると、今の世界にはあまり自由を感じないからね。だから、音楽とこのバンドは、私にとっての “自由への道” であり、好きなことができる安全な空間に逃避する方法なんだよ」 どうぞ!!

DER WEG EINER FREIHEIT “NOKTVRN” : 9.9/10

INTERVIEW WITH NIKITA KAMPRAD

Q1: First of all, what did you think of the Japan tour with Downfall of Gaia in 2018? What kind of place was Japan for you?

【NIKITA】: This was definitely one of the best things we have ever done with the band! The tour was in September 2018, and even though it was a whole week we’ve been to Japan, it’s been only two shows we’ve played, one in Osaka and one Tokyo. We’d really have loved to play more, but unfortunately it wasn’t possible. However, at these two shows we’ve met to lovliest and most welcoming people we have ever met. People say Japan is a very hospitable country and we can only confirm this, as we’ve been treated so nice by the fans, the promoter team, even at the customs when entering the country! It’s been an experience we will never forget for sure and we hope to return one day, of course.

Q1: まずは、2017年に行われた、DOWNFALL OF GAIA との日本ツアーの感想を聞かせていただけますか?

【NIKITA】: あの日本ツアーは間違いなく、今までのバンド活動の中でも最高の出来だったと思うよ。 2018年9月に行われたツアーで、丸々1週間日本に滞在していたにもかかわらず、演奏したのは大阪と東京の2公演だけなんだよね。本当はもっと演奏したかったんだけど、残念ながら不可能だったんだ。
でも、この2回のライブでは、今まで出会った中で最もラブリーで、歓迎してくれる人たちに出会うことができた。日本はとてもホスピタリティの高い国だと言われているけど、それを裏付けるかのように、ファンやプロモーター・チーム、そして入国時の税関でさえとても親切に対応してもらったよ!もちろん、絶対に忘れられない経験だし、いつかまた日本に行けたらと思っているんだ。

Q2: I think Der Weg Einer Freiheit means The Way Of A Freedom in English, but it’s cool to hear it in German because it has a different feel to it. Why did you choose this name?

【NIKITA】: Yes, the name can be roughly translated to “The Way of a Freedom”, but we’ve never liked any of the translations we came across, as it actually only makes sense for us in German. Writing and playing music live makes me feel free even though it’s just for a short moment. I don’t feel so much freedom in the world today looking at limitations in freedom of speech, privacy, religion etc. which often causes conflicts, corruption and war. Music and this band in particular is my personal “Way of (a) Freedom”, a way to escape into a safe space where I can do whatever I like. In music, writing and art in general I find my very own personal and individual freedom, but certainly every human being has a different view on this. Some love doing sports, reading, cooking, martial arts or whatever. You can find freedom and creativity in many things, you just have to be open and find your own way.

Q2: バンド名の DER WEG EINER EREIHEIT を英語に直訳すると “The Way of a Freedom”、自由への道のりとなるそうですが、ドイツ語にするとまた違ったクールな感覚がありますね?

【NIKITA】: そうなんだよ。この名前は “自由の道” と大まかに訳すことができるんだけど、実はドイツ語でしか意味が通じない言葉だから、どの訳語も気に入ったことがないんだよね。
音楽を書いたり、ライブで演奏したりすると、ほんの一瞬だけど、自由な気持ちになる。言論、プライバシー、宗教などの自由が制限され、しばしば紛争、腐敗、戦争を引き起こしているのを見ると、今の世界にはあまり自由を感じないからね。だから、音楽とこのバンドは、私にとっての “自由への道” であり、好きなことができる安全な空間に逃避する方法なんだよ。
私は自分自身の個人的な自由を、音楽、執筆、芸術全般において見出すことができるけど、間違いなくすべての人間が自由を見出せる様々な場所を持っているはずでね。スポーツ、読書、料理、武道、それぞれ好きな人がいる。だから自由と創造性は、さまざまなことに見出すことができるんだよ。

Q3: As we can see from your band name, you have consistently sung in German. But this time, for the first time, you sang “Haven” in English, also in a high-pitched falsetto, right? Why did you decide to take on this new challenge?

【NIKITA】: “Haven” is a very special song for me, being the first (at least own written) song I sang in English. So this is where it started for me trying to get comfortable singing in another language. I also tried out this very different vocal style, being this falsetto kind of high-pitched clean vocals for the very first time. Eventually, this song turned out to be our favourite on this album, which was very surprising as I wrote this song not having in mind I would actually use it for DWEF. But that makes it so special, also probably because no one would expect a song like this from us.
Honestly I have never really felt comfortable singing clean vocals in German since the German language is mostly a very harsh sounding language – that fits perfectly for the screaming vocals, which kind of get even angrier and even more edged. For clean vocals, however, I had the impression that it sometimes distorts the flow and the melodies a bit, so the idea was using the English language, which in comparison has a smoother vibe to it, thus having a more natural and cleaner flow of the vocal’s melodies. It was an experiment, yes, but I did some demo recordings using English vocals and found out fairly quick that it worked pretty well for me, so I went on and finally did these two songs in English. Of course English is not my mother tongue but I’m speaking English since many many years now and feel safer and safer in this language. Still German lyrics will always remain important to me and I don’t think they will ever vanish from our music, obviously because it’s still my mother tongue and I can express myself the best way through it.

Q3: バンド名だけに限らず、あなたはずっとドイツ語にこだわり、ドイツ語で歌い続けてきましたが、今回の “Noktvrn” では “Haven” において英語を初めて使用し、さらにハイピッチのファルセットも披露しています。

【NIKITA】: “Haven” は私にとって、初めて英語で歌った(少なくとも自分で書いた中では)曲で、とても特別な曲なんだよ。他の言語で歌うことに慣れようとする試みは、ここから始まったんだ。同時に、ファルセットのような高音のクリーン・ボーカルという、これまでとはまったく異なるボーカル・スタイルも初めて試してみた。最終的に、この曲はこのアルバムの中で一番気に入っているんだ。そもそも、DWEF で使うことを念頭に置いて書いていなかったから、とても意外な結果だけどね。でも、だからこそ、この曲は特別なんだ。おそらく、誰も私たちからこんな曲が出てくるとは思っていなかっただろうから。
正直なところ、ドイツ語でクリーン・ボーカルを歌うのはあまり気が進まなかったんだよね。ドイツ語のクリーン・ボーカルだと流れやメロディーを少し歪めてしまう印象があったから、比較的滑らかな雰囲気を持つ英語を使って、より自然でクリーンなボーカルのメロディーの流れを作ろうと考えたんだよ。実験的な試みではあったけど、英語のボーカルでデモ・レコーディングをしてみて、それが自分にとってかなり効果的であることがすぐにわかったよ。
もちろん、英語は私の母国語ではないけれど、もう何年も英語を話しているから、ドイツ語のクリーン・ボーカルよりもこの言語の方が安全で安心なんだよね。それでも、ドイツ語の歌詞は私にとって常に重要であり続け、私たちの音楽から消えることはないと思うけど。なぜなら、ドイツ語は今でも私の母国語であり、ドイツ語を通すことで最高に自分自身を表現することができるからね 。

Q4: Speaking of new challenges, I heard that you composed and recorded only at night this time. Why did you do that?

【NIKITA】: For me songwriting and being creative has always been a daytime activity, so switching to a nighttime rhythm for being creative, writing lyrics, recording demos and stuff like that was like a nice twist, something I wanted to try out. We still recorded the album at daytime in the studio, but most of the creative work this time has been done in the night.

Q4: 新たな挑戦といえば、”Noktvrn” は作曲もレコーディングも、夜の間だけで完成させたそうですね?

【NIKITA】: これまで、私は曲作りやクリエイティブな活動は常に昼間に行なっていたから、夜間のリズムで作詞やデモの録音といったクリエイティブな活動に切り替えることは、いい意味でひねりが効いていて試してみたかったことだったんだ。アルバムのレコーディングは昼間のスタジオで行ったんだけど、今回の創作活動のほとんどは夜間に行ったよ。

Q5: Noktvrn is famous for Fredrik Chopin, are you influenced by his works?

【NIKITA】: I always had a faible for classical music and Frédéric Chopin is one of the composers that inspired me a lot, especially his so-called “night-pieces” for Piano – the Nocturnes. I see music, also metal, rather like an orchestration of different, carefully composed elements/instruments that create a certain image and vibe only when consumed in the whole picture. Working in the studio a lot over the past years I found out that an instrument might sound great and beautiful when played alone, but if you’re doing records what is important is the combination of instruments and sound in the band’s context. If you listen to just the guitar tracks alone, you will never understand the whole, same as you just listen to only the violins in a symphonic orchestra for example. This classical kind of approach influenced my songwriting lately a lot, even though on “Noktvrn” there’s not a direct musical connection to classical pieces like Chopin’s Nocturnes. With the albumtitle I just wanted to pay kind of tribute to the great composer that Chopin was.

Q5: “Noktvrn” ノクターン(夜想曲) といえば、ショパンが有名ですが?

【NIKITA】: 私はずっとクラシック音楽が好きで、フレデリック・ショパンは私に多くのインスピレーションを与えてくれた作曲家の一人なんだ。特に彼のピアノのためのいわゆる “夜の小品” であるノクターンがお気に入りなんだよね。
私は音楽は、メタルもそうだけど、慎重に構成された様々な要素や楽器のオーケストレーションというものは、全体像の中で消費されて初めて、特定のイメージや雰囲気が生まれると思っている。過去数年間、スタジオでたくさん仕事をしてきてわかったのは、楽器は単独で演奏しても素晴らしく、美しい音になるかもしれないけど、レコードを作る場合重要なのは、バンドの文脈における楽器と音の組み合わせだということなんだ。
例えば、シンフォニック・オーケストラでヴァイオリンだけを聴くのと同じように、メタルでギターだけを聴いても、全体は理解できない。”Noktvrn” では、ショパンのノクターンなどクラシックな曲との直接的なつながりはないにしても、こうしたクラシック流のアプローチは、最近の私の曲作りに大きな影響を与えているよ。このアルバムのタイトルは、ショパンという偉大な作曲家に敬意を表したかっただけなんだ。

Q6: For example, it would be very interesting to be able to compose music while half asleep or in a dream. Did you also do this in an unusual way?

【NIKITA】: Yes, indeed! I somehow always wanted to create an album about the night, about dreams and the world between being awake and asleep. I remember there was one night or rather morning in particular some time in 2019. I got up in the very early morning hours and I was somehow still asleep but also awake and it might sound odd, but in this state of mind the basic structure of the song “Immortal” came to my mind. Like the very basic bassline with the simple drumbeat and actually the whole buildup from the intro, the first verse until the second chorus. It was like half an hour or even an hour when I was lying in bed, the first rays of sun shining through the window’s shades, trying to find a way to my half-opened eyes and filling the room with this kind of purple early morning light – a mood that we also wanted to express through the colours and gradients in the album artwork. It was kinda surreal but interesting to experience that my half-awake mind was apparently able to write a song and I found this experience so weird but also inspiring at the same time that you could say it was the very initial point when I decided to base the whole album theme around the night.

Q6: 先程、夜間にだけ作曲を行ったと仰っていましたが、例えば半分眠った状態、もっと言えば夢の中で作曲できたとしたら非常に興味深い体験ですよね?

【NIKITA】: まさにその通りだよね。私はなんとなく、夜について、夢について、起きているときと眠っているときの間の世界についてのアルバムを作りたいとずっと思っていたんだよ。
2019年のある日の夜というか早朝のことを覚えているよ。すごく早い時間に起きて、なんとなくまだ眠っているような、でも起きているような、変に聞こえるかもしれないけど、そんな状態の時に “Immortal” という曲の基本構造が頭に浮かんできたんだよね。非常にベーシックなベースラインとシンプルなドラムビート、そしてイントロから最初のバース、2番目のサビまでの全体の構成が浮かんできたんだ。
ベッドに横になっていた30分~1時間の間、窓のシェードから差し込む朝日が半開きになった私の目に入り込もうとして、部屋を早朝の紫色の光で満たしていた。この体験は、奇妙であると同時に、アルバムのテーマを “夜” にしようと決めた最初のポイントだったと言えるだろうな。

Q7: In terms of lyrics, it’s very different from the usual black metal occult. You also approach the scientific aspects of the human mind, such as how the brain works during sleep, and panic attacks, right?

【NIKITA】: Yes, definitely. However, to be clear about this first: I didn’t have any first person experiences myself but I witnessed different kinds of panic and anxiety attacks with persons being close to me that impacted me to think and later write about this. It was rather the realisation of how much the human body is actually connected to the human mind and how it tries to express itself not through words but through automatic-like body reactions that are hard or often even impossible to keep under control. I have the feeling that in our society mental health/illness is still a very very underestimated topic and like a taboo issue you don’t want to speak about. It won’t help people who suffer from mental illness if we don’t talk about it. I wouldn’t say, it’s not the main lyrical theme on „Noktvrn“, but this awareness sure had some kind of effect on my general thoughts and approaches when writing the lyrics of this album.

Q7: 歌詞の面でも、あなたたちはブラックメタルのオカルトとはかけ離れた、科学的な睡眠の分析や不安な心の分析にフォーカスしていますよね?

【NIKITA】: そうだね、間違いないよ。だけど、最初にはっきりさせておきたいのは、そういったテーマは私自身が体験したわけではないんだよ。身近な人がさまざまな種類のパニックや不安の発作を起こすのを目撃したことが私に影響を与え、後にこのことについて書くことにつながったんだよね。
それはむしろ、人間の身体がどれほど人間の心と結びついているか、そして、人間は究極的には言葉ではなく、自動的な身体の反応によって自分を表現しようとするということを実感した結果だったね。私たちの社会では、メンタルヘルスや心の病気はいまだに過小評価され、話したくないタブーのような問題とされているように感じているんだ。だから私たちがそれについて話さなければ、精神的な病に苦しむ人々の助けにはならないだろうと思ってね。
メンタルヘルスやパニック障害は “Noktvrn” の歌詞のメインテーマではないけれど、この問題意識はアルバムの歌詞を書く際の私の考えやアプローチに影響を与えているよ。

Q8: Musically, the shoegaze, folk, and avant-garde aspects stand out this time, right? This year’s release of Deafheaven’s “Infinite Granite” was highly praised, and it seems like your ambitions are somewhere close to theirs. Would you agree?

【NIKITA】: Just a few days ago someone brought up to me that Deafheaven also deals with kind of similar subjects on their new album as we do on „Noktvrn“. Like these very early morning feelings and moods you have, being half-asleep and such. I didn’t know about this and it was funny to realize, since the works for our album were completed months before the new Deafheaven album was actually announced. So it’s crazy that their album and ours seem to be interconnected, although we didn’t know! It’s true that they are one of the bands always pushing the boundaries, now releasing an album without any screams for example. It’s a big risk to do new things like this, because you never want to scare away your fans by doing completely new things. For us, however, it has been important as well to try out new things on „Noktvrn“. I mean, you can still clearly hear it’s a DER WEG EINER FREIHEIT record with all the trademarks people love about us. But with songs like „Immortal“ and „Haven“ for example, we wanted to try out new things, such as using synthesizers and implementing new vocal styles, open new doors for our future as we don’t want to be a band that stands still. We always want to evolve musically, as we evolve as human beings.

Q8: 音楽的には、シューゲイズやフォーク、アヴァンギャルドな一面が際立ったアルバムですね?昨年、DEAFHEAVEN の “Infinite Granite” は高い評価を得ていましたが、あなたたちの野心は彼らのものと近い気がしますね。

【NIKITA】: つい数日前、ある人が DEAFHEAVEN も新しいアルバムで私たちの “Noktvrn” と似たようなテーマを扱っていると言ってきたんだ。例えば、早朝に感じる気持ちや、半分眠っているような気分といったものをね。
DEAFHEAVEN の新作が発表される数ヶ月前に、僕らのアルバムの制作は完了していたから、もちろんこのことは知らなかったし、偶然だけど面白いよね。だから、彼らのアルバムと僕らのアルバムが相互に関連しているように見えるのはクレイジーなんだよ!
確かに、彼らは常に限界を押し広げているバンドの一つで、例えば今、スクリームを一切使わないアルバムをリリースしているよね。このように新しいことをするのは大きなリスクだ。まったく新しいことをすることで、ファンを怖がらせたくはないからね。
同様に、僕らにとっても、”Noktvrn” で新しいことに挑戦することは重要だったんだ。もちろん、これが DER WEG EINER FREIHEIT のレコードであることは明らかだし、僕らが好きなトレードマークもすべて揃っている。でも、例えば “Immortal” や “Haven” のような曲では、シンセサイザーを使ったり、新しいボーカルスタイルを取り入れたり、新しいことに挑戦したかったんだよね。人間としても進化していくように、音楽的にも常に進化していきたいと思っているからね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NIKITA’S LIFE

EMPEROR “ANTHEM TO THE WELKIN AT DUSK”

LEPROUS “MALINA”

NAGELFAR “HUNENGRAB IM HERBST”

ARCHIVE “YOU ALL LOOK THE SAME TO ME”

DAFT PUNK “RANDOM ACCESS MEMORIES”

MESSAGE FOR JAPAN

Thanks to everyone reading this, picking up a copy or just listening to „Noktvrn“ and generally supporting us in any way! We will always cherish our first visit to Japan and hope to come back as soon as possible. All the best and see you soon!

これを読んでくれたみんな、”Noktvrn” を手に取ってくれたみんな、聴いてくれたみんな、そしてどんな形であれ私たちを応援してくれたみんなに感謝するよ。私たちはいつもあの初来日を大切に思っているし、できるだけ早くまた日本に行きたいと思っているんだ。また会おうね!

NIKITA KAMPRAD

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SEASON OF MIST

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DESSIDERIUM : ARIA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALEX HADDAD OF DESSIDERIUM !!

“Video Game Soundtracks Have To Be Addictive To Be Good. You Have To Be Able To Listen To Them For Hours On End And Still Enjoy It, And That’s Something I Strive For In My Own Music As Well”

DISC REVIEW “ARIA”

「あの頃の僕は全然正しい道を歩んでいなかったんだよね。自分の好きなことを追求しないことで、鬱屈とした感情を抱え、何かから逃れようと必死になっていた時期だった。それで、自分の夢に深く執着するようになったんだ。日記に記録したり、一日中夢のことを考えたりして夢はどんどん鮮明になり、離れられなくなっていったんだ」
DESSIDERIUM は、ロサンゼルスのサンタモニカの山で生まれ、アリゾナの砂漠と太陽の下で活動を続けている Alex Haddadの音楽夢日記。自らを熱狂的な音楽オタクと称する Alex は、生き甲斐である音楽を追求できずに悩み、そして自身の夢に囚われていきました。それは彼にとってある種の逃避だったのかもしれませんね。
“妄想は自己犠牲を招き、その苦しみは、外側の世界に自分の内なる感情を反映させたいという願いから、慰めを傷つきながら求めるようになる”。壮大なエクストリーム・プログ絵巻”Aria” のテーマは、アルバムの中で最もシネマティックな “Cosmic Limbs” なは反映されています。バンド名 DESSIDERIUM とは、ラテン語で “失われたものへの熱烈な欲望や憧れ” と訳される “Desiderium” が元になっています。そして彼は今、夢の中から自身の夢を取り戻しました。
「JRPG は長い間、僕の生活の一部だった。日本のロールプレイング・ゲームから得られる経験は、他の種類のゲームから得られるものとは全く別のものなんだよ。普段はゲームを楽しむためにプレイしているんだけど、JRPG はストーリー、雰囲気、アート、キャラクターとの関係、そしてもちろん音楽が好きでプレイしている。ビデオゲームという枠を超えているんだ。別世界へのバケーションのようなもので、そこまで没頭していれば、もちろん僕の書く音楽にも影響を与えているに決まっているよね」
日本のロールプレイング・ゲームの熱狂的な信者である Alex にとって、ゲーム音楽には何時間聴いても飽きない中毒性が必須です。彼の愛するゼノギアス、ファイナル・ファンタジー、ドラゴンクエストにクロノ・トリガーはそんな中毒性のある美しくも知的な音楽に満ち溢れていました。
DESSIDERIUM の音楽にも、当然その中毒性は深く刻まれています。そして彼の目指した夢の形は、狭い箱にとらわれず、ビデオゲームの作曲家、映画音楽、プログロックにインスパイアされた幻想と荘厳を、メタルのエナジーと神秘で表現して具現化されたのです。メランコリーと憧憬を伴った、まだ見ぬ時への期待と淡いノスタルジアを感じさせる蒼き夢。
「OPETH は、僕が最も影響を受けたバンドだろうな。OPETH を知ってから2年ほどは、彼らしか聴かない時期があったくらいでね。彼らの初期の作品は非常に悲劇的でロマンチックで、若くて繊細だった僕の心に深く響いたんだよ」
オープニングの “White Morning in a World She Knows” のアコースティックな憂鬱とメランコリックな美声の間には、明らかに OPETH の作品でも最も “孤独” で Alex 最愛の “My Arms, Your Hearse” の影を感じます。しかし、そこから色彩豊かなシンフォニック・プログレへと展開し、後に KRALLICE ライクなリフが黒々とした “複雑な雑音” を奏でると DESSIDERIUM の真の才能が開花していきます。さながら WILDERUN のように、DESSIDERIUM は OPETH との親和性をより高い次元、強烈な野心、多様なメタルの高みに到達するためのプラットフォームとして使用しているのです。
“Aria” が現代の多くの” プログデス” 作品と異なるのは、”The Persection Complex” が象徴するように、そのユニークで楽観的なトーンにあるとも言えます。Alex は、暗さや痛みの即効薬であるマイナースケールをあまり使用せず、より伝統的なメロディーのパレットを多様に選り分けて描いていきます。
パワー・メタル的な “ハッピー” なサウンドとまでは必ずしも言えないでしょうが、醸し出すドラゴンと魔法のファンタジックな冒険譚、その雰囲気は、ほとんどのエクストリーム・メタルバンドが触れることのできない未知の領域なのですから。そうして陰と陽のえも言われぬ対比の美学がリスナーを夢の世界に誘うのです。
今回弊誌では、Alex Haddad にインタビューを行うことができました。「スーパー・ドンキーコングを差したゲームボーイ・カラーを持ち歩き、ヘッドフォンをつないでゲームの一時停止を押すと、ゲームをプレイしなくてもサウンドトラックが流れ続けたのを鮮明に覚えているよ。僕はヒップホップのアルバムを聴いているようなふりをして、実はゲームの音楽に合わせて架空のラッパーが詩を歌うことを想像していた」もし、OPETH と YES と WINTERSUN が日本のロールプレイング・ゲームのサウンドトラックを作ったら。G(ame) 線上のアリア。そんな If の世界を実現するプロジェクト。どうぞ!!

DESSIDERIUM “ARIA” : 9.9/10

INTERVIEW WITH ALEX HADDAD

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【ALEX】: I’m a passionate music nerd who was born in Alabama, grew up in California, and currently resides in Arizona. The earliest types of music I enjoyed were video game soundtracks, hip hop, and disco. I distinctly remember carrying around my Gameboy Color loaded up with Donkey Kong Country, having headphones inserted, and pressing pause on the game so the soundtrack would keep playing without me having to play the game. I’d pretend I was listening to a hip hop album and would have imaginary rappers doing verses over the game’s music. It was really fun (laughs).
Rap/Hip Hop was mainly what I grew up listening to because it’s what my oldest sister listened to, and she was like a goddess to me when I was little. In all sincerity though, I did love the music. I still regularly visit my favorite hip hop albums from childhood. As for disco, my Mom got me really into it by showing me albums from Earth Wind and Fire, The Bee Gees, and Michael Jackson. I still adore all that stuff as well.

Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【ALEX】: 僕はアラバマ州生まれ、カリフォルニア州育ち、現在アリゾナ州在住の熱烈な音楽オタク。最初に楽しんだ音楽は、ビデオゲームのサウンドトラック、ヒップホップ、そしてディスコだったね。スーパー・ドンキーコングを差したゲームボーイ・カラーを持ち歩き、ヘッドフォンをつないでゲームの一時停止を押すと、ゲームをプレイしなくてもサウンドトラックが流れ続けたのを鮮明に覚えているよ。僕はヒップホップのアルバムを聴いているようなふりをして、実はゲームの音楽に合わせて架空のラッパーが詩を歌うことを想像していた。本当に楽しかったよ(笑)。
ラップやヒップホップは、一番上の姉が聴いていたものが中心だった。小さい頃は姉が女神のような存在だったからね。でも、本当に大好きな音楽だったよ。今でも、子供の頃に聴いたヒップホップのアルバムを定期的に聴いている。ディスコに関しては、母が EARTH WIND & FIRE, THE BEE GEES, マイケル・ジャクソンのアルバムを教えてくれて、すごくハマったね。今でも、そういうものは全部好きだよ。

Q2: It seems you are a multi-instrumental player, but what inspired you to start playing music? Who was your musical hero at that time?

【ALEX】: I began with bass guitar at age 11. Geddy Lee from Rush is probably the biggest reason I wanted to learn bass over guitar at the time. That and I thought the bass was just downright cooler since not as many people played it. I loved (and still do love) the bass, but I knew I needed to officially pick up the guitar when I found myself muting my bass’s volume and pretending to play along to Slash’s solos while jamming to Guns N Roses. So that’s when I started to play the guitar as well. My musical hero at the time was Dave Mustaine from Megadeth. I wanted to play like him, look like him, be him… I thought he was pretty sick.

Q2: あなたはマルチ奏者のようですが、楽器の演奏はどうやって覚えていったのですか?

【ALEX】: 11歳の時にベースを始めたんだ。当時、ギターよりもベースを学びたいと思った最大の理由は、RUSH の Geddy Lee だろうな。それと、ベースを弾く人が少ないから、ベースの方が断然カッコイイと思ったのもあるね。
ベースは大好きだったけど(今でも大好きだけど)、GUNS’ N’ ROSES をジャムっているときに、ベースのボリュームをミュートして Slash のソロに合わせて弾くフリをしている自分に気づいたとき、正式にギターを手に入れる必要があると思ったんだよね。それで、僕もギターを弾くようになったんだ。当時の僕のヒーローは、MEGADETH の Dave Mustaine 。彼のように弾きたい、彼のようになりたい、彼になりたい……と思っていたよ。彼は最高にイカしていると思っていたね。

Q3: Dessiderium is your solo project, why did you decide to make music by yourself instead of a band? Why did you choose the name Dessiderium for the project?

【ALEX】: When I started writing music, I didn’t know of a single metal musician in town or how I could go about finding any. Because of that, I was basically forced to start a solo project. With that said I quickly fell in love with working on music alone. So much so that when I joined my first few bands I was pretty turned off by the idea of collaborating when writing. I was too stubborn and not used to having critiques of what I wrote, and was also too uncomfortable with giving feedback to others. Over time though I’ve worked with bands that have shown me that collaborations can work beautifully with the right combination of people. I feel that way currently with Arkaik, for example. Anyways, at this point Dessiderium will always be around and will always be something I write for. It’s become very important for me to have an outlet for my ideas to grow without any restriction.

Q3: DESSIDERIUM はあなたのソロ・プロジェクトですが、なぜバンドではなく自分一人で音楽を作ろうと思ったのですか?

【ALEX】: 作曲を始めた頃は、街でメタル系のミュージシャンを一人も知らなかったし、どうやって探せばいいのかもわからなかった。だから、基本的にはソロでプロジェクトを始めざるを得なかったんだよね。とはいえ、僕はすぐに一人で音楽を作ることが好きになったんだ。
だから、最初にいくつかのバンドに参加したとき、作曲の際に共同作業をするということにかなり抵抗があったんだよ。僕はあまりにも頑固で、自分が書いたものを批評されることに慣れていなかったし、他人にフィードバックを与えることにも抵抗があったんだ。だけど、時を経て、僕はバンドと一緒に仕事をするようになり、適切な人の組み合わせでコラボレーションが美しく機能することを学んでいった。例えば、現在 ARKAIK と一緒にいて、そう感じているんだよ。
いずれにせよ、現時点では DESSIDERIUM は常に存在し、僕が書く作品であり続けるだろう。自分のアイデアを制限なく成長させるためのアウトプットを持つことは、僕にとってとても重要なことだから。

Q4: In your bio, you wrote that you were influenced by Japanese role-playing games when creating your music. Are Japanese games and anime culture important to you? What works have influenced you?

【ALEX】: JRPGs have been a part of my life for a long time, and the experience I have with those games is completely separate from the takeaway I get from any other kinds of games. Usually I play video games for fun, but I play JRPGs for the story, atmosphere, art, character relationships, and of course the music. They’re just so much more than “video games.” They’re like a vacation to another world, and if I’m immersed in something that deeply then it’s bound to affect the music I write. The same could be said for anime. I especially love psychological anime, and some of those shows have left permanent impressions in my mind that have also surely inspired me.
As for specific JRPGS, I’d say that Xenogears, Final Fantasy 7 and 8, Chrono Trigger, and Dragon Quest 11 have all influenced my music in one way or another. For anime, it’d be shows like Tatami Galaxy, Welcome to the N.H.K., Elfen Lied, or Neon Genesis Evangelion. I’ve also been deeply inspired by Hayao Miyazaki movies. In fact, before this project was called Dessiderium it was called Laputa (named after the floating castle from Castle in The Sky.).

Q4: あなたのバイオを読んでいたのですが、日本のロールプレイング・ゲームが音楽を書く際の大きなインスピレーションとなっているそうですね?

【ALEX】: JRPG は長い間、僕の生活の一部だった。日本のロールプレイング・ゲームから得られる経験は、他の種類のゲームから得られるものとは全く別のものなんだよ。普段はゲームを楽しむためにプレイしているんだけど、JRPG はストーリー、雰囲気、アート、キャラクターとの関係、そしてもちろん音楽が好きでプレイしている。ビデオゲームという枠を超えているんだ。別世界へのバケーションのようなもので、そこまで没頭していれば、もちろん僕の書く音楽にも影響を与えているに決まっているよね。アニメも同じだよ。特にサイコ・アニメが好きなんだけど、その中でも特に印象に残っているものからは、必ずと言っていいほどインスパイアされているよ。
JRPG では、ゼノギアス、ファイナルファンタジー7・8、クロノ・トリガー、ドラゴンクエスト11などが、何らかの形で僕の音楽に影響を与えていると思うよ。アニメでは、”四畳半神話大系”、”N.H.K.へようこそ”、”エルフェンリート”、”新世紀エヴァンゲリオン” などが挙げられるだろう。
あとは、宮崎駿の映画にも深く影響を受けていてね。実は、このプロジェクトが “Dessiderium” と呼ばれる前は、”Laputa”(”天空の城ラピュタ” の浮遊城から名づけられた)と呼んでいたくらいでね。

Q5: Musically, have you been influenced by Japanese game soundtracks or Japanese artists?

【ALEX】: Absolutely. Koji Kondo, Nobuo Uematsu, Yasunori Mitsuda, Masato Nakamura, Shoji Meguro, all of these composers have influenced me a great deal through the soundtracks from The Legend of Zelda, Mario, Final Fantasy, Xenogears/Xenosaga, Chrono Trigger/Chrono Cross, Sonic The Hedgehog, and Persona games for example. Video game soundtracks have to be addictive to be good. You have to be able to listen to them for hours on end and still enjoy it, and that’s something I strive for in my own music as well.
As for other Japanese artists, I really can’t say I know too much. I do love a band called Toe that I know is from Japan. Incredibly nice instrumental, math rock kind of stuff. I’ve spent a ton of time with all three of their full lengths. I’ve also found myself addicted to almost anything produced by Yasutaka Nakata. Capsule, Perfume, Kyary Pamyu Pamyu. I enjoy the hell out of those projects. That ridiculously infectious, ultra clean, hyper-pop music just hits the spot for me.

Q5: では音楽的にも、日本のバンドやゲームのサウンド・トラックに影響を受けているのですね?

【ALEX】: もちろんだよ。近藤浩治、植松伸夫、光田康典、中村正人、目黒将司。こういった作曲家は、例えばゼルダの伝説、マリオ、ファイナルファンタジー、ゼノギアス/ゼノサーガ、クロノ・トリガー/クロノ・クロス、ソニック・ザ・ヘッジホッグ、ペルソナなどのサウンド・トラックで僕に大きな影響を与えた人ばかりだよ。ビデオ・ゲームのサウンド・トラックは、中毒性がなければ良いとは言えない。何時間聴いても飽きないようなものでなければならないし、それは自分の音楽でも目指しているところだよね。
他の日本のアーティストについては、あまりよく知らないんだよ。でも、Toe という日本のバンドが好きだな。信じられないほど素晴らしいインストゥルメンタル、マス・ロックのようなサウンドでね。彼らのフル・アルバム3枚を全部聴いて、多くの時間を過ごしたよ。
あとは、中田ヤスタカがプロデュースしたものにはほとんどハマっているね。Capsule、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ。こういったプロジェクトを楽しんでいるよ。あのバカバカしいほど感染力のある、超クリーンなハイパー・ポップミュージックは、まさに僕のツボを突いてきているからね。

Q6: “Aria” is an amazing musical journey, and it says on Bandcamp that it was written between 2013-17. What is the theme of this work?

【ALEX】: That’s right. It’s an older album I wrote during my school years at University. Looking back, I was not at all on the right path during that time. Not pursuing what I was passionate about left me with feelings of depression during that time, and I was desperate for any form of escape. I became deeply attached to my dreams. I’d record them in a journal and think about them all day, and through doing that the dreams became more and more vivid and harder to detach from. Romantic dreams were especially potent, and I think those were what really inspired the music and words on Aria.

Q6: “Aria” は素晴らしい音楽の旅ですね。2013年から17年の間に書かれた音楽だそうですが、どういったテーマを扱っているんですか?

【ALEX】: そうなんだ。”Aria” は大学在学中に書いた古いアルバムなんだよ。今思えば、その頃の僕は全然正しい道を歩んでいなかったんだよね。自分の好きなことを追求しないことで、鬱屈とした感情を抱え、何かから逃れようと必死になっていた時期だった。
それで、自分の夢に深く執着するようになったんだ。日記に記録したり、一日中夢のことを考えたりして夢はどんどん鮮明になり、離れられなくなっていった。特にロマンチックな夢は強烈で、それが “Aria” の音楽と歌詞のインスピレーションになったと思うんだよ。

Q7: Dessiderium is, of course, based on black metal and death metal, but your diverse and progressive music doesn’t really fit into that narrow category, right? Your ambition seems to be very close to Opeth, what do they mean to you?

【ALEX】: Opeth is probably my biggest influence in general. There was a period of two or so years after I discovered them where they were the only band I listened to. Their early work is intensely tragic and romantic, which touched me deeply at that young and sensitive age. They just had this magical flow to everything they wrote where every song just felt so grand and cinematic without ever being overbearing. They also opened to the door for me to explore old progressive rock, black metal, and some doom, which are genres that have also shaped my sound greatly.

Q7: DESSIDERIUM の音楽は、もちろんブラック・メタルとデスメタルをベースとしていますが、それだけに収まりきらない多様性やプログレッシブな側面が強いですよね。その野心が OPETH と非常に似ていると感じたのですが。

【ALEX】: OPETH は、僕が最も影響を受けたバンドだろうな。OPETH を知ってから2年ほどは、彼らしか聴かない時期があったくらいでね。彼らの初期の作品は非常に悲劇的でロマンチックで、若くて繊細だった僕の心に深く響いたんだよ。
彼らの書く曲はどれも不思議な流れを持っていて、どの曲も威圧的でないけれど壮大で映画的な感じがしたんだ。彼らはまた、古いプログレッシブ・ロック、ブラック・メタル、そしてドゥームといった、僕のサウンドを大きく形成したジャンルを探求する扉を開いてくれたんだよね。

Q8: The drums are probably programmed, but if Gene Hoglan or Mike Mangini had played, it would have been a more perfect album. If you could use anyone, who would you use for the drummer?

【ALEX】: Honestly, I would probably just choose to have Brody Smith (the one who programmed the drums) record them. He’s a brilliant musician. It’s amazing working with him because the stuff he programs sounds exactly like his actual drumming. He just has a very distinct style that I love and he can play what he programs. It would be a real treat to have him record live drums for a future album, but he’s a busy man so we’ll have to wait and see!

Q8: アルバムのドラムスは打ち込みだと思うのですが、例えば Gene Hoglan や Mike Mangini が叩いていたら、もっと完璧な作品になったようにも感じました。誰でも選べるとしたら、誰をドラマーに起用しますか?

【ALEX】: 正直、Brody Smith(ドラムのプログラミングを担当した人)に録音してもらうことを選ぶかもしれないね。彼は素晴らしいミュージシャンだから。彼がプログラミングしたものは、実際の彼のドラミングとまったく同じに聞こえるから、彼と一緒に仕事をするのは素晴らしいことだよ。
彼は、僕が好きな独特のスタイルを持っていて、プログラムしたものを演奏することができるんだ。今後のアルバムで彼に生ドラムを録音してもらえたら、本当に嬉しいんだけど、彼は忙しい人だからもう少し待ってみることにするね!

TEN ALBUMS THAT CHANGED ALEX’S LIFE

MEGADETH “RUST IN PEACE”

OPETH “MY ARMS, YOUR HEARSE”

WINTERSUN “WINTERSUN”

BAL-SAGOTH “BLACK MOON/STARFIRE BURNING…”

MAUDLIN OF THE WELL “BATH/LEAVING YOUR BODY MAP”

KATATONIA “BRAVE MURDER DAY”

YES “CLOSE TO THE EDGE”

CAMEL “MOONMADNESS”

MESSAGE FOR JAPAN

I have many warm memories of Japan from a trip I took there years ago with my Father. I actually got to see Obscura perform in Tokyo during that trip, and ever since that show it has always been a dream of mine to perform in Japan one day. The first Dessiderium album has a song called Land of the Rising Sun, and it’s about viewing Japan as a sort of symbol for all of the adventures I’d hoped music would take me on. With all that said, hopefully we can all party together one day!

日本には、何年も前に父と行った旅行で、たくさんの温かい思い出があるんだ。その旅行中に東京で OBSCURA のライブを見ることができて、それ以来、いつか日本でライブをすることが僕の夢だった。DESSIDERIUM のファーストアルバムに “Land of the Rising Sun” という曲があるんだけど、この曲は日本を、僕が音楽に連れて行ってほしいと願っていた冒険の象徴のように捉えているんだよ。というわけで、いつかみんなでパーティーができるといいね!

ALEX HADDAD

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THE ARTISAN ERA Bandcamp

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DORDEDUH : HAR】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH EDMOND “HUPPOGIAMMOS” KARBAN OF DORDEDUH !!

“We Like To Experiment With Traditional Instruments. We Use Them In an Unconventional Way, With Changed Tunings, Intentionally Playing Them In a “Wrong” Way”

DISC REVIEW “HAR”

「当初は NEGURA BUNGET を解散させて、全員が新しい名前でそれぞれの新しいプロジェクトをはじめるつもりだったんだ。だけど元ドラマーの Negru はこの合意を破り、全く新しいメンバーで NEGURA BUNGET という名前を使い続けた。一方で、Sol Faur と私は DORDEDUH という新しいバンドを結成したわけだよ」
メタル・バンドに内紛はつきものです。私たちは通常、こうした出来事をネガティブに捉えますが、必ずしもそうでしょうか? 失意と義憤から生まれる宝物も少なくありません。DORDEDUH そのひとつ。
「私たちの間には緊張感があったんだけど、やはり彼の死を聞くのはつらいことだったよ。少なくとも別れるまで、私たちは良いところも悪いところも含めて彼を友達だと思っていたからね。過去の友人に失望させられ、強い恨みを抱いたこともあったけど、それでも彼が亡くなったと知るのは辛いことだよ。15年間一緒に過ごしたんだから。それはとても、とても長い時間だ」
DORDEDUH とは、彼らの母語であるルーマニア語で “精神への憧れ” を意味する三語から成り立つバンド名。2009年にアトモスフェリック・ブラックメタルの伝説 NEGURA BUNGET 内部の緊張が高まり、弾け、憎しみとその超越のために生を受けたソウル・トライブ。Huppogrammos と Sol Faur” が DORDEDUH でスピリチュアルな音魂を追求する一方で、裏切りのすえ継続された NEGURA BUNGET は中心人物だったドラマー Negru の死により終焉を迎えます。つまり、私たちにはまだルーマニアの伝説を継ぐ男たちの、魂の賛歌が遺されているのです。
「ジャンルに合わせて曲を作ろうとはあまり思わないんだよ。仮にそうしたとしても、結果的にはまったく違うものになるからね。プログレッシブのようになればプログレッシブ、ブラックメタルのようになればブラックメタル。次のアルバムがエレクトロニカになるかもしれないし、それは誰にもわからない」
9年ぶりの帰還となる “Har” の音楽的風景を雄弁に要約することは簡単ではありません。ブラック・メタルを中核に、東欧風の伝統音楽、映画のサウンドトラック、ゴシック、エレクトロニカ、プログレッシブが加わり、結果としてそのすべての総和よりもさらに大きな何かを生み出しているのですから。ブラック・メタルの核でさえ、しばしばうまく隠されるか、完全に欠落してしまう抽象的で奥深い音楽の多層世界。ゆえに単純なリスニング体験ではありませんが、それに見合うだけの時間と注意を払えば得られるものは無限大。
「私たちはこれらの楽器で実験するのが好きなんだよね。チューニングを変えたり、わざと “間違った” 方法で演奏したり、型にはまらない方法で伝統楽器を使用するんだ。例えば、私たちはこれらの楽器を用いて儀式的な音楽的背景を作り出すことに興味があってね」
ハンマード・ダルシマー、マンドリア、セマントロン、ブシウム。DORDEDUH の音を語る上で、中世からの伝統楽器は重要なトピックの一つです。もちろん、ELVEITIE をはじめとして、メタル世界に伝統楽器を持ち込んだバンドは少なからず存在します。ただし、彼らの多くが伝統楽器を “フォーク・メタル” の一環として過去を再現するために活用しているのに対し、DORDEDUH は伝統楽器でさえ実験の材料として未来を紡ぎ出しているのです。言い換えればそれは、楽器の効果を音楽以外の何かにまで波及させる未知のメタル・ラボラトリー。
例えば、トライバル・パーカッションを主体とした魅力的な間奏曲 “Calea Magilor” に続く”Timpul Intilor”。リード・ギターと民族楽器の音に、電子音が混ざり合い、ダークで好奇心をくすぐるオープニング。少し不吉で閉所恐怖症のような感覚から、徐々にメロディーが頭角を現すもブルータルなドゥーム・メタルへと変化し、遂には美しく心に残る旋律へと帰結します。様々な要素が盛り込まれその大胆な過去と未来の融合は、さながら未知の映画の壮大なサウンドトラック。
“De Neam Vergur” では、ハンマード・ダルシマーの揺さぶるような響きが、うねり続けるシンフォニック・エレクトロニカによって別次元の魅力を解き放ちます。荘厳無比な楽曲には、緊張と緩和、束縛と解放が常に同居して、天使のようなギターの美麗、デス/ブラックメタル的な過激さ、繊細なメランコリー、プログレッシブな知性で、儚くも強く楽曲を貫いていくのです。まさにこれは音楽を超越した儀式であり、未曾有の体験。
「ブラック・メタルにおいて、人は重要ではないよね。重要なのは、”超越” とのコンタクトを作り出し、それを自分の中に流し込むことができるかどうかだから」
スピリチュアルな事象や密教、神秘的体験について歌われたアルバムで、ルーマニア語の歌詞は完璧な役割を果たしています。言葉の意味は伝わらなくとも、魂に直接語りかけるようはリスニング体験。さらに電子や現代楽器の狭間を伝統楽器が泳ぐことで、アルバムは時の不可逆性をも超越し、えもいわれぬ不可思議と、夢のサウンドスケープを手に入れることに成功しました。不吉な予感と美しき荘厳を同居させながら。
今回弊誌では、Edmond “Huppogrammos” Karban にインタビューを行うことができました。「ルーマニアでは、ロックの会場と呼べるようなものは全国でも数えるほどしかなく、パンデミックの後はそのほとんどが閉鎖されてしまった。主要なメディアでは、くだらない商業音楽ばかりが宣伝されている。ラジオ局でロックを流しているのは数局、メタルを流しているのは1, 2局だろうな」どうぞ!!

DORDEDUH “HAR” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SEEYOUSPACECOWBOY : THE ROMANCE OF AFFLICTION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CONNIE SGARBOSSA OF SEEYOUSPACECOWBOY !!

“The Romance of Affliction” Is The Satirical Side As a Call Out To The Romanticization Of Things Like Mentel Health Struggles And Addiction That I Feel Aren’t Things To Be Romanticized Cause I Live With It And Its Not Something Anyone Should Look At Positively.”

DISC REVIEW “THE ROMANCE OF AFFLICTION”

「このアルバムでは、バンドを始めたばかりの頃に持っていたカオスや奇妙さ、それに生意気さや皮肉を取り戻したいと思っていたの。その予測不能な奇妙さにメロディと美しさを融合させられるかどうか、自分たちに挑戦したかったのよね」
混沌と厳しさと審美の中で生きる宇宙のカウボーイが放った最新作 “The Romance of Affliction”。EVERY TIME I DIE の Keith Buckley、UNDEROATH の Aaron Gillespie、If I Die First、そしてラッパー Shaolin G といった幅広いゲストが象徴するように、この苦悩のロマンスではデビューLP “The Correlation Between Entrance and Exit Wounds” で欠落していた初期の混沌と拡散、そして予測不可能性が再燃し、見事に彼らの美意識の中へと収束しています。ドロドロと渦巻くマスコアの衝動と、ポスト・ハードコアの甘くエモーショナルな旋律との間で、両者の軌道交わる最高到達点を目指した野心の塊。
初期のEPと数曲の新曲を集めた “生意気” に躍動するコンプ作品 “Songs for the Firing Squad” と比較して “Correlation” は暗く、悲しく、感情的に重い作品だったと言えるでしょう。それはおそらく、ボーカル Connie Sgarbossa の当時の状況を反映したものでした。重度の薬物依存性、体と心の不調、そしてそこに端を発する人間関係の悪化。大げさではなく、オーバードーズで死にかけたことさえありましたし、友人は亡くなりました。
「多くの依存症者は、社会的な汚名を被ることを恐れてそれを口にすることができず、一人で苦しみ、不幸にも人生を壊してしまうか、ひどい時は死んでしまう。私は、この汚名を少しでも払拭し、人々が一人で負担を背負う必要がないと感じられるように、この問題について話し助けを与えることができるようにしたいのよ。誰かがオーバードーズで亡くなった後にはじめて、その人が薬物の問題を抱えていたと知ることがないようにね」
Connie は今も依存症と戦い続けています。最近では、SNS で自身が重度の依存症であることを明かしました。それは、依存症が一人で抱えるには重すぎる荷物だから。同時に自らが悲劇と地獄を経験したことで、薬物依存が映画の中の、テレビの中の、クールなイメージとはかけ離れていることを改めて認識したからでした。
「メンタルヘルスや依存症といったものがロマンチックに語られることに警鐘を鳴らす意味があるの。私はそれを抱えて生きているからこそ、肯定的に捉えてはならないものだと感じているのよ」
自分のようにならないで欲しい。そんな願いとともに、”The Romance of Affliction” は Connie にとってある種セラピーのような役割も果たしました。音楽に救われるなんて人生はそれほど単純じゃないと嘯きながらも彼女がこれほど前向きになれたのは、弟の Ethan 以外不安定だったバンドの顔ぶれが、オリジナル・メンバー Taylor Allen の復帰と共に固まったことも大きく影響したはずです。そしてそこには、KNOCKED LOOSE の Isaac Aaron のプロデューサーとしての尽力、貢献も含まれています。
依存症者が依存症者に恋をするという、三文オペラのような筋書きの、それでいて興味を示さずにはいられないオープナー “Life as a Soap Opera Plot, 26 Years Running”。Connie はこの曲で、ドラッグやセックスに溺れる依存症の実態を描き、「みんなは結局こういう話が好きなんでしょ?でもそんなに良いものじゃない」 と皮肉を込めてまだまだ緩い、炎の中で燃えたいと叫び倒します。まるでパニックのような激しいギターとスクリームの混沌乱舞は、あの FALL OF TROY でさえ凌いでいるようにも思えますね。
“Misinterpreting Constellations” や “With Arms That Bind and Lips That Lock” では、今回バンドが追い求めた予測不能と予定調和の美しき融合が具現化されています。狂気の暗闇を縦糸に、メロディックな光彩を横糸に織り上げたカオティック・ハードコアのタペストリーはダイナミックを極め、3人のボーカリストがそれぞれ個性を活かしながら自由にダンスを踊ります。もちろん、ジャズ、メタルコアのブレイク・ダウン、唐突のクリーン・トーン、本物のスクリーム、そしてデチューンされたギター・ラインが混在する “Anything To Take Me Anywhere But Here” を聴けば、彼らのアイデアが無尽蔵であることも伝わるでしょう。
重要なのは、宇宙のカウボーイが、往年のポスト・ハードコア、メタルコア、マスコアのサッシーなスリル、不協和音、エモポップのコーラス、メロディックな展開に影響を受けつつ、人間らしさを失わずに洗練されている点でしょう。Connie の想いが注がれたおかげで。
今回弊誌では、Connie Sgarbossa にインタビューを行うことができました。「カウボーイ・ビバップ” のエンドカードとフレーズは私にとって常に印象的で、私はずっとあのアニメのファンでもあったから名前をとったのよ」 どうぞ!!

SEEYOUSPACECOWBOY “THE ROMANCE OF AFFLICTION” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SO HIDEOUS : NONE BUT A PURE HEART CAN SING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BRANDON CRUZ OF SO HIDEOUS !!

“Why Waste Opportunity Trying To Do Laurestine or Last Poem Part 2 The Sequel To Please a Small But Loud Subset Of Closed Minded Internet Message Board Music “purists” Clinging To The Past? That’s a Terrible Way To Live.”

DISC REVIEW “NONE BUT A PURE HEART CAN SING”

「アルバムをリリースするのは、自己表現という意味では一生に数回しかないチャンスだ。なぜ “Laurestine” や “Last Poem” の Part 2 みたいな “続編” を作って、インターネット掲示板で少数だけど喧しい “音楽純粋主義” 集団を喜ばせなきゃならないのか?それはひどい生き方だよ」
例えば政治であれ、例えば社会であれ、例えば音楽であれ、純粋さが失われた現代において、真っ直ぐに愛する音楽を奏で、正直に言葉を紡ぐ SO HIDEOUS がいなければ、世界はさらに “とても醜い” ものになってしまうでしょう。
「このバンドは基本的に “エクストリーム・ミュージック・コミュニティ” に向けて売り出されていて、彼らは実際に “極端な” 音楽と呼ばれる音楽を掲げているにもかかわらず、最も保守的なリスナーであることが多いんだよね。どのジャンルやレーベルの下で活動すべきかということに非常に固執し、それを武器にバンドに牙をむいたりね。そんなのクソくらえだよ」
SO HIDEOUS が長い休止期間を経て戻ってきたのは、ポストブラックやブラックゲイズといったジャンルの掟を踏襲するためでも、プライドだけが肥大化したファンという名の何かを満たすためでもなく、ただ自由に望んだ音楽を追求するため。前回のインタビューで Brandon 自らが “コンサート・ホールでシンフォニーが奏でるような完全で妨げる余地のないリスニング体験” と呼んだ、きらびやかで感情的、そしてオーケストレーションを極めた傑作 “Laurestine” さえ過去にする最新作 “None But A Pure Heart Can Sing” には、メタル世界で最も想像力に富んだバンドの野心と矜持と反骨が詰まっているのです。
「叙情的なオーケストレーションではなく、リズムに根差した曲を演奏するのがとても自由なことに思えたんだ。Mike、DJ、Kevin が活動してきたバンドやプロデュースしたバンドに人々はこだわると思うんだけど、実際のところ、彼らはマス/ポストカオティック・ハードコアとか、そういうジャーナリストによって入れられた箱よりもずっと多様なミュージシャンなんだよ」
ポスト・ハードコアの混沌をリードする THE NUMBER TWELVE LOOKS LIKE YOU のリズム・セクション Mike Kadnar と DJ Scully の参加、そして THE DILLINGER ESCASE PLAN の Kevin Antreassian のサウンドメイクは、結果として SO HIDEOUS の宇宙を果てしなく拡げる重要な鍵となりました。獰猛と静寂の邂逅。整合と混沌の融合。
「このバンドのメンバーは、LITURGY と Hunter Hendrix の作品をとても楽しんでいて、絶大な敬意を払っているんだ」
オーケストラやシンフォニックな要素を取り入れている点で SO HIDEOUS は同じニューヨーク出身の LITURGY にも似ています。さらに今回、彼らはより多くのリズムを求めて、フェラ・クティやトニー・アレンのアフロビート、ジェームス・ブラウンのホーン・セクション、オーティス・レディングやサム・クックのバラードなど色彩を多様に吸収して、雅楽までをも抱きしめる LITURGY の哲学に一層近づきました。ただし大きな違いもあります。LITURGY が “超越したブラックメタル” を追求するのに対して、SO HIDEOUS はもはやブラックメタルのようにはほとんど聞こえません。
「以前は、”Screaming VS Orchestra” というシンプルなバンドの “アイデア” にこだわっていたように思うんだよね」
アルバムは、CONVERGE, CAVE IN, ENVY あるいは THE DILLINGER ESCAPE PLANE のようなポスト・ハードコア、メタルコア、マスコアのスタイルにはるかに近く、ブラックゲイズの慣れ親しんだ荘厳とは明らかにかけ離れています。重要なのは、彼らがネオクラシカルなサウンドとこの新しいポスト・ハードコア/メタルコアのスタイル、そして中近東からアフリカに西部劇まで駆け巡るワールド・ミュージックとの間に絶妙な交差点を見つけ出した点で、ストリングスとホーンの組み合わせがヘヴィーなリフと無尽蔵のリズムを際立たせ、苦悩から熱狂を創造する “The Emerald Pearl” の緊張感と即興性はアルバムを象徴する一曲だと言えるでしょう。
今回弊誌では、Brandon Cruz にインタビューを行うことができました。「僕がギターを弾いているのは、Envy の 河合信賢と MONO の Taka Goto のおかげなんだよ。僕は彼らを恩師だと思っていて、彼らの音楽には人生で永遠に感謝し続けるだろうね」  ニ度目の登場。どうぞ!!

SO HIDEOUS “NONE BUT A PURE HEART CAN SING” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CYNIC : ASCENSION CODES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAUL MASVIDAL OF CYNIC !!

“Truly Unlimited Potential With The New Talent Out There. If Cynic Were To Continue I Could See It Acting More As a Collective In This Sense.”

DISC REVIEW “ASCENSION CODES”

「ショーン・マローンは2018年に母親を、2020年1月にはショーン・レイナートを失った。喪失感のダブルパンチで、マローンは大打撃を受けてしまったんだ。その後、パンデミックが起こった。すべてが閉鎖され、マローンの世界も閉ざされてしまった。痛みと苦しみが再び現れ、彼は光を失った…」
長年二人のショーンと人生を共にしたポール・マスヴィダルの言葉です。もちろん、2020年は人類全体にとって途方もなく困難な年として歴史に残るでしょう。しかし CYNIC の音楽を愛する人たちにとってはさらに困難な年となりました。1月に元ドラマーのショーン・レイナートが48歳で、12月にベーシストのショーン・マローンが50歳で早世。それはファンにとってまさに青天の霹靂でした。私たちでも激しいショックを受けたのです。公私ともに近しい関係にあったマスヴィダルの苦悩、そして喪失感はいかほどのものでしょう。
「神秘的な人生に身を任せることは、魂が成長するための偉大な “降伏” であり、そうすることで外界が自身に流れ込み、自分も外界に流れ込むことができるんだ。宇宙とつながるとでもいうのかな。つまり、人生に自然と起こることこそ、私たちの歩むべき道なんだ。起こることすべてが、与えられたギフトなんだよ」
しかし一人残されたマスヴィダルは、果てしない悲しみの中でも前へと進み続けます。喪失や悲劇でさえ成長のための贈り物と捉え、人生の流れに身を委ねる。死とは肉体の終わりであり魂の終わりではない。結局、人は皆量子レベルで互いにつながっているのだから。そんな彼の特殊な人生観、死生観、宇宙観は、マスヴィダルの心を泰然自若に保ち、CYNIC の新たな啓示 “Ascension Codes” をより崇高でスピリチュアルな世界へと導くことになったのです。
CYNIC とはメタル世界において、真の意味でのプログレッシブを指す言葉。トップレベルのパフォーマンス、大脳皮質に直接語りかけるような宇宙的哲学、そして実験と増殖を続ける音のエントロピー。デスメタル、プログ、エクスペリメンタル、ニューエイジ、ジャズ・フュージョンなど、CYNIC の世界は年を重ねるごとに音彩を加えながら、その色を交錯させていきました。しかし、4枚目のフル・アルバムの制作で CYNIC は、未曾有の困難に直面することになります。
「本来ならこのレコードは、”Kindly Bent to Free Us” の直後に作りたかったんだ。だけどすべてが崩壊してしまった…」
楽曲の一部は、2014年の時点で構想が練られていました。マスヴィダルによると、レイナートとマローンは、ここに収録されることになった楽曲の要素を聴いていたそうです。だからこそ彼は、亡くなった同志の思い出に敬意を表し、”Ascension Codes” “魂を昇天させるコード” というタイトルのアルバムを、ゆっくりと、慎重に、そしてマスヴィダルの言葉を借りるなら “愛と勇気を持って” 完成させたのです。
2015年にレイナートが CYNIC を脱退した後、マスヴィダルとマローンは彼の後任としてマット・リンチを起用。彼は”完璧な代役” 以上のものをバンドへともたらします。マスヴィダルはリンチのドラミングを “ハイブリッド・モダン・スタイル” と称しました。つまり、エレクトロニカなドラムン・ベースと、プログレッシブなアプローチの融合。繊細で多様な “Ascension Codes” に適役であるばかりか、絶妙な質感とリズムの地図を加えていきます。
「楽器としてのベースの役割を変える必要があったんだ。マローンのようなサウンドを期待して他の誰かを連れてくるのはフェアじゃなかったからね。私にとって彼はは現存する最も偉大なベーシストの一人であり、このレコードにおいてかけがえのない存在だった。アレンジを変えて、新しいサウンドにするしかなかったんだ」
では、マローンのベースを誰が置き換えるのか?マスヴィダルの答えは、”その必要はない” でした。”Ascension Codes” の中で聞こえるベース・ラインは、キーボード奏者のデイヴ・マッケイがシンセサイザーで演奏しています。彼はマローンの敏感なタッチを再現しつつ、CYNIC にドロドロとしたローエンドの可能性をもたらすことになります。そうしてここに、マスヴィダル曰く、”未来のリズム・セクション” が完成をみます。
「新しい才能を持った人たちは本当に無限の可能性を秘めているよ。仮に CYNIC がこれからも続いていくのであれば、そういう人たちを集めて、バンドというよりはより集合体としての役割を担うのかもしれないね」
“Ascension Codes” のビジョンを達成するために、マスヴィダルは新メンバー、アートワークやプロデュースだけでなく様々な若く才能に満ち溢れた音楽家をも多数起用しました。THE SURREALIST や DARKの活動で知られるルーパン・ガーグは、”コード・ワーカー”として、ハープのような天上のギター・テクスチャーを、EXIST のマックス・フェルペスは “ホログラフィック・レプティリアンボイス” を、オーストラリアの天才プリニは”The Winged Ones” にソロを提供しています。核となる二人のショーンを失った今、CYNIC の魂は新たな才能たちの宿り木として、死を迎えるのではなく形状を変えることにしたのかもしれません。
「コードのタイトルは、奏でられるべきサウンドを意味していてね。これらはそれぞれ、私たちの DNA に存在する、対応するコードを起動させる役割があるんだ」
様々な “仕掛け” を配し、その音の葉自体も野心的な”Ascension Codes” ですが、メインとなる9曲には爆発的な色彩とエネルギーが注ぎ込まれており、これらの楽曲には “アセンション” のための “コード” が埋め込まれているのです。”Mu-54*”、”A’va432″…だからこそ当然このレコードは全体を通して聴くべき作品です。それでも、推進力と冒険に満ち、刺激的な起伏が心を揺さぶり、数学的な配列と目まぐるしいダイナミズムが頭を悩ます “Mythical Serpents” のように、万華鏡のような激しさと折り目正しい規律の二律背反を背負った CYNIC の哲学はたしかに受け継がれています。
一方で、アルバムを締めくくるヘヴィでエセリアルな”Diamond Light Body” はリンチの非人間的なパターンを用いた非常に密度の高い楽曲で、彼らにとって新たな領域のように感じられる不可思議でメロディックなシーケンスが印象的。この曲の美しい緊迫感は否が応でも “形を変えた” CYNIC の未来を期待させてくれるでしょう。
“Ascension Codes” は、これまでの CYNIC のアルバムの中で最も謎を秘めたレコードであると同時に、前作よりもプログレッシブで重量感を伴ったサウンドが封じられています。そして失われたものを慈しみ補うかのように作品に携わるアーティストが増えたことで、アルバムの地平は広大にひろがっていきました。
多くの探求と喪失の後、CYNIC はあらゆる魂との一体感を獲得しました。それは神秘的で聖なる悟りの境地。これが最後の旅路となるのかどうかは “宇宙” のみぞ知るといったところですが、CYNIC の物語は “Ascension Codes” でひとまず完結をみます。「二人の肉体は姿を変えたけど、そのエネルギー体は永遠に宇宙を旅するような超越的音楽を私たちに与えてくれている。苦しみに直面しながらも、多くを与えてくれる創造的な存在と人生の一部を共有できた。感謝してるよ」Paul Masvidal インタビュー。日本盤は DAYMARE RECORDINGS から。ライナーは私、夏目進平が執筆。ニ度目の登場。どうぞ!!

CYNIC “ASCENSION CODES” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PAPANGU : HOLOCENO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAPANGU !!

“Northeastern Brazilian Music Made a Huge Impact On Me Ever Since I Was a Kid. Being Influenced By This Kind of Music Is One Of The Main Aspects Of Our Music, Because I Think There Aren’t That Many Rock Or Metal Bands With That Sort Of Influence.”

DISC REVIEW “HOLOCENO”

「ブラジル北東部の音楽は、子供の頃から僕に大きな影響を与えてきた。そうした音楽に影響を受けたことは、僕たちの音楽の大きな特徴の一つなんだよね。だって、そこから影響を受けたロックやメタルのバンドはそれほど多くはないと思うから。ただ、ブラジルの文化には音楽だけでなく、詩や文学、映画それらすべてから大きな影響を受けているよ」
メタルの生存能力、感染力はコロナウィルスをも上回っているのではないか。そしてこのパンデミックで荒廃した地球に光をもたらすのはメタルなのではないか。そう思わざるを得ないほど、ヘヴィ・メタルは21世紀において世界のあらゆる場所に根付き、人種、宗教、文化を乗り越えあらゆる人たちの希望としてその輝きを増しています。
「ANGRA や SEPULTURA が巨大すぎて、自分たちの違いというか個性を捨ててまでその音を追求しようとするバンドが出てきてしまうんだよね。それ自体は悪いことではないし、結局人は自分がやりたいと思うことをやるべきだと思うんだけど、それでもせっかくの音の多様性が損なわれてしまっているように感じるね」
メタルが世界に拡散したことで受ける恩恵は様々ですが、リスナーにとって未知の文化や言語、個性といった “違い” を楽しめることは大きな喜びの一つでしょう。そして、ブラジルから登場した PAPANGU は、その “違い” を何よりも大切にしています。もちろん、ブラジルは世界でも最もメタルの人気が高い場所の一つで、ANGRA, SEPULTURA といった巨大なバンドをいくつか生み出してはいますが、ペルナンブーコの伝統的モンスターの名を冠した PAPANGU はブラジル北東部のリアルな音や声を如実に反映することで、メタルの感染力をこれまでより格段に高めることに成功しました。
「スラッジ、プログ、ブラジル北東部の音楽をミックスしたものが、今のところ僕たちのサウンドのDNAになっている」
プログ世界の問題児 MAGMA が率いた無骨でメタリックな Zeuhl。そのウルトラ・ジャジーで壮大なリズムは間違いなく “Holoceno” の根幹となっています。もちろん、KING CRIMSON の変幻自在でアグレッシブな音選びの妙、スタッカートと休符の呼吸も。ただし、このアルバムの全体的なサウンドは非常に暗く、怒りに満ちていて、時には嘆きさえ溢れています。悲しみと怒りの音楽を表現するのに、あの分厚くてファジーでスラッジーな MASTODON の実験性以上に適した方法があるでしょうか? 例えば、MASTODON と MAHAVISHNU ORCHESTRA が全力でせめぎ合うジャム・セッションが実現したとすれば PAPANGU のようなサウンドかもしれませんね。そうして彼らは、そこにブラジル北東部、ノルデスチの風を運びます。
アルバムでも最もカオティックでアヴァンギャルドな “São Francisco” は現在の PAPANGU を象徴するような楽曲。ファンキーで強烈なラテンのグルーヴから、身体を噛み砕くようなプログ・メタルの妙技、そしてサウダーヂにも通じるダークで美しいメロディアスなセクションへとシームレスにつながり、”プログレ” らしい構築美とは遠く離れた MARS VOLTA 以降の官能性とリビドーを全面に押し出していきます。それは “恐れのないプログ” の鼓動。
「僕たちがノルウェーのロック/メタル/プログのアーティストをたくさん聴いて楽しんでいるから、このつながりが生まれたんだよね」
PAPANGU の “恐れのなさ” は、現在メタル世界で最も革新的な場所の一つ、ノルウェーとのつながりをも生み出しました。LEPROUS, Ihsahn, ENSLAVED, SHINING, ULVER など挙げればキリがありませんが、”違い” を何より重んじるノルウェーの水は PAPANGU のやり方とあったのでしょう。SHINING の Torstein がドラムを叩き、SEVEN IMPALE の Benjamin がサックスを吹き、実力派エンジニアの Jorgen がミキシングを施した “Holoceno” は最先端のモダン・メタルとして完璧なサウンドと野心までをも宿すことになりました。
「右翼政治の現状を厳しく批判しているんだ。ボルソナロと彼の政府は、憎しみと破壊と無謀な愚かさという、最悪の政治の最も身近な代表者と言えるね。人類はすでに多くの問題を抱えていて、世界は有害な気候変動とその自然や社会への影響で下り坂になっている。ボルソナロやトランプ、トルコのエルドアンのような人物は、終末を必要以上に近づけようとしているように見えるんだ」
ポルトガル語で歌われる歌詞は多くの人が理解できないかもしれませんが、それでも彼らはポルトガル語で歌う必要がどうしてもありました。自分たちの言葉で歌わなければ、”真実” も “ウソ” になってしまう可能性を彼らは知っていたからです。失われるアマゾンの自然、パンデミックの脅威に対して手をこまねくばかりか悪化させ続け、私腹を肥やす大企業や政治家。ブラジル北東部の悲しみや怒りは、ポルトガル語でなければ表現不能なサウダーヂなのですから。
今回弊誌では、PAPANGU にインタビューを行うことができました。「PAPANGU という名前は、最初の曲を作り始めたときに思いついたもので、僕たちの地域、人々、住む人の苦悩、そして僕たちの物語について語りたいと思ったのがきっかけだよ」どうぞ!!

PAPANGU “HOLOCENO” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOUND STRUGGLE : THE BRIDGE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CAMERON RASMUSSEN OF SOUND STRUGGLE !!

“I Think We Are Actually Still Seeing The Djent Scene Decline. It Has Become This Heavily Meme’d Culture That Seems To Realize Its Own Stupidity And Simplemindedness Where Guitar Riffs And Song Structure Are Concerned.”

DISC REVIEW “THE BRIDGE”

「SOUND STRUGGLE で注目すべき元メンバーは、Joey Izzo、Adam Rafowitz、Joe Calderone で、現在彼らは ARCH ECHO でフルタイムで演奏しているよ。彼らは、バンドを今のような形にする上で非常に重要な存在だったんだよね」
音楽は大きな海のようなもの。そこには無数の色があり、無数の命が宿り、無数の音が蠢いています。ただし、陽の当たる海面は大洋のほんの一部で、大部分はとても複雑で、暗く、冷たい深海。しかし、実はこの深海にこそ宝物が隠されているのです。
SOUND STRUGGLE もそんな音海の底で輝く財宝の一つ。3人の元メンバーが立ち上げた ARCH ECHO が水面で脚光をあびる一方で、取り残された Cameron Rasmussen はバンド名が示すように海底で苦闘を続けてきました。それでも、たった一人で長い時間をかけ、脚本、演出、構成のすべてを書き上げた二枚組1時間55分の超大作 “The Bridge” は、沈没船で朽ちさせるにはあまりに惜しいモダン・プログ・メタルの至宝に違いありません。
「ファンクや Prince からの影響は、SOUND STRUGGLE の初期の頃に多く見られたよね。だけどこのバンドが発展していくにつれて、ジャズやファンクのテイストをソロ・セクションやハーモニック・チョイスに加えた、よりモダンなプログレッシブ・メタル・バンドになっていったんだ」
MESHUGGAH meets Prince。10年代初頭、そんな奇抜な触れ込みで djent 世界に登場した SOUND STRUGGLE は、明らかにシーンの他のバンドたちとは一線を画していました。djent の創始者 PERIPHERY の血を引きながらも、その数学的で重々しい雛形にファンクのグルーヴ、ジャズの色彩、プログらしい旋律を配合し、サックスの嗎をも取り込みながら、特別な何かを生み出そうという意欲と野心に満ち溢れていたのですから。
「僕は、今もちょうど djent ・シーンの衰退を目の当たりにしていると思うよ。ギターのリフや曲の構成に関して、自分たちの愚かさや単純さに気づいていないような、ある意味ミーム化した文化になってしまっているよね」
10年代初頭から半ばにかけて、あれだけ雨後の筍のように乱立した djent の模倣者たちはそのほとんどが姿を消してしまいました。それはきっと、あの多弦ギター、近未来的音作り、0000の魔法にポリリズムといった djent のスタイル自体に魅せられすぎたから。一方で、SOUND STRUGGLE の半身ともいえる ARCH ECHO や、あの Steve Vai に見染められた Plini は早々にそのスタイルを武器の一つと割り切ってインストに特化し、より音楽的に、よりカラフルに、よりキャッチーに、”Fu-djent” の世界観を構築してギター世界のスターダムに登り詰めたのです。
「今の djent シーンがどうであろうと、djent はメタル音楽におけるギター・サウンドの基準としては、最もヘヴィーなものだと思っているんだ。だから djent のギターのテクニックとサウンドが、より高度で洗練されたハーモニーのアイデア、そして優れたソング・ライティングと共に適切に使用されるとしたら、きっとそこにメタルの未来があると僕は思う」
SOUND STRUGGLE、いや Cameron Rasmussen は彼らとは異なりあくまでも “メタル” であることにこだわりました。だからこそ、深海での潜伏を余儀なくされたとも言えるのかも知れませんが。もちろん、ブロードウェイ版 “ミセス・ダウト” や、ディズニーの音楽を任されるほどの才能ですから、ARCH ECHO や Plini になるのもそう難しい話ではなかったでしょう。しかし彼は、ギターを教えてくれたメタルを真のプログレッシブへと誘うことに情熱を傾けました。そうして完成した “The Bridge” は、まさにモダン・プログ・メタルの金字塔、深海に眠る宝石として眩いばかりの輝きを放ち始めたのです。
例えば Miles Davis の “Bitches Brew” とメタルがサックスを媒介に自然と溶け合う “Decisions”、例えば ストリングスを交え古のプログとメタルを絶妙に交差させた20分 “The Bridge”、例えば djent Crimson な “The Pursuit of Happiness”、例えばファンクやスウィングが MESHUGGAH と渾然一体で襲い来る “Where is She?”、例えば KORN とジャズが摩訶不思議にダンスを踊る “No Way Out”。あまりに多様で、あまりに混沌で、しかしあまりに審美な2時間は、まさに Cameron が理想とする “djent の適切な使用” を貫きながら壮絶なインテンスで息つく間もなく駆け抜けていきます。
それにしても、流暢を極めながら、突拍子もないアイデアと途方もない表現力でメタルらしく圧倒する Cameron のギタリズム、さらには Tre Watson (彼も長く djent シーンをフォローしている人にとっては懐かし名前) の紡ぐメタルらしい歌心満載の旋律に悪魔の囁きは、SOUND STRUGGLE が文字通り苦闘を重ねながらも “プログ・メタル” をマジマジと追求してきたその理由としてはあまりに出来すぎではないでしょうか。
今回弊誌では、Cameron Rasmussen にインタビューを行うことができました。「Dimebag Darrell はギターの腕前に加えて純粋な思いやりのある人で、人のために尽くしていた。だから僕にとっては、ギタリストとして尊敬できる人の条件をすべて満たしているんだよ」 ARCH ECHO の旧友たちもゲスト参加。どうぞ!!

SOUND STRUGGLE “THE BRIDGE” : 10/10

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