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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MIRAR : MARE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIRAR !!

“Thall Is Tone, Ambience And a Genre If You Want. Everything I Do In Mirar Is Inspired By Vildhjarta And HLB, so Based On That I Think We Have a Lot In Common.”

DISC REVIEW “MARE”

「”Thall” とはトーンであり、アンビエンスであり、君がそうとりたいならジャンルでもある。僕が MIRAR でやっていることは全て VILDHJARTA と HLB にインスパイアされているんだ」
Thall とは何なのか?Thall とは魂であり、ユーモアであり、重力であり、アトモスフィア。Thall の解釈は千差万別、人それぞれでしょうが、いつしかこの魔法の言葉は Djent の宇宙を超えた超自然的ジャンルを形成するようになりました。もちろん、その根源にして黎明は Thall 生みの親である VILDHJARTA。その分家である HUMANITY’S LAST BREATH も含まれるはずです。そして、彼らの音楽に心酔し、バンドを始めたフランス&ノルウェーの混合軍 MIRAR もまた、間違いなく “Thall” なのです。
「”Thall” は Calle Thomer と Daniel Adel のゲームに過ぎないんだ。山の中でも、夜でも、水辺でも、嵐の中でも。まるで魅惑の世界を探検しているような気分だった。彼らのギターの音は、まるで生き物のようで、魔女のようで、僕には小さな妖精に取り憑かれた風景や森が見えた。分析的なアプローチを超えて、ただ夢中になることができた。僕は “Thousand of Evils” の続編を作曲したいと思うほど夢中になったよ。特に彼らが何年も行方不明になっているときはね。
彼らのスタイルで作曲したいと思ったのは、彼らが音楽をリリースしていないことが悔しかったからだ。僕のパソコンには VILDHJARTA 風のリフが何十曲も入っていて、個性がなくてもいいから彼らのサウンドを真似しようと何年も費やしたんだ。だから、VILDHJARTA には感謝しているよ! 」
どうやら、MIRAR にとって Thall とは、MESHUGGAH→Djent→Thall という進化系統ではなく、MESHUGGAH→Djent、MESHUGGAH→Thall という考えのようです。そして、その MIRAR が提唱する Thall の進化論は彼ら自身の音楽によって証明されました。
MIRAR は敬愛する VILDHJARTA と同様、無機質なポリリズムの海に風景を持ち込みました。000 の重低音に感情を持ち込みました。それはさながら、暗い北欧の森に住む怪しい魔女の見せる幻影。魔法。怪異。
「高校卒業後は音楽学を学び、偉大な作曲家を発見した。最初によく聴いたのはルネサンスのポリフォニー(オッケム、トマス・タリス、ジョスカン・デ・プレ、マショー、パレストリーナなど)と中世の歌曲だ。一方で、ダブやダブステップのコンサートも見に行く。
それから、ヘンリー・パーセル、バッハ、ヴィヴァルディ、ラモー、クープラン、リュリ、そして全く違うスタイルではラフマニノフに没頭した。彼らは今でも僕のお気に入りの音楽家たちだ。
なぜかわからないが、僕はクラシックの時代にはあまり敏感ではない。でも、アーノルド・シェーンベルクやリゲティのような現代の音楽家は本当に好きだ」
そう、MIRAR は彼らがアートワークとして使用したカラヴァッジョの絵画のように、飽和した Djent のステレオタイプを断罪していきます。ここには、ルネサンスがあり、現代音楽があり、ジャズがあり、ダブステップがあります。そして何より、彼らのリフは Thall 発祥の由来となった World of Warcraft に巣食う夜のエルフのように悲しく、トロールのように畏怖めいていて、もちろん人狼のように雄々しく、アンデットのように怪しく蠢きます。そのピッチシフトは生命の証。彼らのリフ、彼らの音楽にはうねりがあり、胎動があり、命が込められているのです。
今回弊誌では、MIRAR にインタビューを行うことができました。「僕はメタルはあまり聴かない。インディーやジャズを中心に聴いている。この5年間は、メタルだとほとんど VILDHJARTA と HLB しか聴いていない。この2つのバンド以外、僕をインスパイアするメタル音楽はない。だから自然とこのジャンルで存在したいと思うようになった」 どうぞ!!

MIRAR “MARE” : 10/10

INTERVIEW WITH MIRAR

Q1: Can you start by telling us how Mirar got started and where the name Mirar comes from?

【LEO】: I started Mirar in France just after finishing my music studies. I was planning to go live in Norway. So I posted an ad in the YouTube description of the song Lisette. “If you are Norwegian and want to be part of the project, send me a message on Instagram. » Marius contacted me and we started making songs together. I’m very lucky to have met him, he has a lot of imagination, is very talented and I can’t imagine doing Mirar with anyone else. He is no ordinary metalhead. He is very open to different styles and quickly knew how to make the project more interesting.
The name Mirar comes from Degenesis, a German role-playing game book about the world’s rebirth after an apocalypse. Mirar is a place in Spain where you can see into the past and into the future.

【MARIUS】: I stumbled upon Mirar on YouTube. Lisette popped up on my YT page and had to check it out because of the picture. I was instantly blown away of what I heard. I read in the description that “if you are a musician based in Norway and want to be part of the project, message me on Instagram please!”. So i had to send him a message since I’m from Norway and really wanted to get to know the person behind this madness. We started talking and worked on “Madeleine” together, and after Annonciation I joined Mirar as a official member.

Q1: まず、MIRAR がどのようにスタートしたのか、そしてバンド名の由来を教えてください。

【LEO】: 音楽の勉強を終えてすぐ、フランスで MIRAR を始めたんだ。当時はノルウェーに移住するつもりだったんだ。だから、YouTube の “Lisette” という曲の説明文に広告を載せたんだ。”ノルウェー人でこのプロジェクトに参加したい人は、インスタグラムにメッセージを送ってね” とね。
すると Marius から連絡が来て、一緒に曲を作り始めたんだ。彼は想像力が豊かで、とても才能があり、他の誰かと MIRAR をやるなんて想像できないね。彼は普通のメタル・ヘッドではない。様々なスタイルにとてもオープンで、プロジェクトをより面白くする方法をすぐに理解してくれた。
MIRAR という名前は、終末後の世界の再生について書かれたドイツのロール・プレイング・ゲーム本 “Degenesis” に由来しているんだ。Mirar とははスペインにある、過去や未来を見ることができる場所だよ。

【MARIUS】: YouTube で偶然 MIRAR を見つけたんだ。”Lissete” が僕の YouTube ページに出てきて、そのサムネを見てチェックしたんだ。聴いた瞬間に圧倒されたよ。”ノルウェーを拠点に活動しているミュージシャンで、このプロジェクトに参加したい人はインスタグラムにメッセージをください!” と説明文に書いてあった。
僕はノルウェー出身で、この狂気の背後にいる人物を本当に知りたかったので、彼にメッセージを送らなければならなかった。その後、一緒に “Madeleine” を制作し、”Annonciation” の後、正式メンバーとして MIRAR に加入したんだ。

Q2: What kind of music did you yourself grow up listening to?

【LEO】: My father was a musician and there were often musicians at home. I grew up listening to Django Reinhardt, American jazz and a lot of Eastern European music, like Toni Iordache.
Then I discovered Slipknot at 11, it was my first musical love. especially the first two albums. (I don’t really like the rest of their discography, it’s like it’s another band)
Then I went to Fnac to listen to all the metal records. I especially remember Gojira, Suicide Silence, Korn, and Meshuggah.
After high school I studied musicology, I discovered the great composers. I first listened a lot to the polyphonies of the Renaissance (Ockeghem, Thomas Tallis, Josquin Des Prés, Machaut, Palestrina, etc.) and the songs of the Middle Ages.
I also go to see dub and dubstep concerts.
Then I immersed myself in Henry Purcell, Bach, Vivaldi, Rameau, Couperin, Lully, and in a very different style, Rachmaninoff. They are still my favorite musicians today.
I don’t know why, I’m less sensitive to the classical period. But I really like modern musicians like Arnold Schoenberg and Ligeti.
At the same time I discovered “Masstaden” by Vildhjarta, and fell in love.
Then, I went to a Jazz school. I did a lot of solos there, and learned a lot of American standards. My favorite jazz musicians are Coltrane, Eddie Costa, Herbie Nichols, Dexter Gordon, Jimmy Raney and I love the aesthetic developed by Lennie Tristano Lee Konitz, Warne Marsh.
Today, Bach is my favorite musician. And I listen to Subtronic a lot.

【MARIUS】: My parents plays clarinet and trumpet, so I grew up listening to a lot of orchestral/film music like John Williams and Hans Zimmer. I played the Cornet for 5 years, but after picking up the guitar I started listening to metal. Slipknot and Korn was the first bands I got really obsessed with. But after getting more into music production I didn’t really listen to metal anymore. I enjoyed listening more to music like Flume, Skrillex, Hiatus Kaiyote and Flying Lotus because of the sound design, complex chords and wonky rhythms. After producing for a couple of years I wanted to get more into songwriting and started listening to Indie music. Artists like Mild High Club, Unknown Mortal Orchestra, Tame Impala and Mac Demarco. But when HLB dropped Abyssal in 2019 I was shocked. That was everything I wanted in metal music, heavy, complex, dark and top tier production. I got obsessed and revisited all the previous albums. Then Vildhjarta released måsstaden under vatten and i was shocked again.

Q2: あなたたちは、どんな音楽を聴いて育ったんですか?

【LEO】: 僕の父はミュージシャンで、家にはよくミュージシャンがいたんだ。ジャンゴ・ラインハルトやアメリカのジャズ、そしてトニ・イオルダチェのような東欧の音楽をたくさん聴いて育った。
それから11歳のときに SLIPKNOT に出会って、初めて音楽が好きになった。最初の2枚は特別だよ。彼らの他のディスコグラフィーはあまり好きではないんだ。なんだか別のバンドみたいでね。
それから Fnac (フランスの小売チェーン) でメタルのレコードを聴きまくった。特に覚えているのは、GOJIRA, SUICIDE SILENCE, KORN, MESHUGGAH だ。
高校卒業後は音楽学を学び、偉大な作曲家を発見した。最初によく聴いたのはルネサンスのポリフォニー(オッケム、トマス・タリス、ジョスカン・デ・プレ、マショー、パレストリーナなど)と中世の歌曲だ。一方で、ダブやダブステップのコンサートも見に行く。
それから、ヘンリー・パーセル、バッハ、ヴィヴァルディ、ラモー、クープラン、リュリ、そして全く違うスタイルではラフマニノフに没頭した。彼らは今でも僕のお気に入りの音楽家たちだ。
なぜかわからないが、僕はクラシックの時代にはあまり敏感ではない。でも、アーノルド・シェーンベルクやリゲティのような現代の音楽家は本当に好きだ。
同じ頃、VILDHJARTA の “Masstaden” に出会って恋に落ちた。
その後、ジャズスクールに通ったんだ。そこでソロをたくさんやって、アメリカのスタンダードをたくさん学んだ。僕の好きなジャズ・ミュージシャンは、コルトレーン、エディ・コスタ、ハービー・ニコルズ、デクスター・ゴードン、ジミー・レイニー、そしてレニー・トリスターノ・リー・コニッツ、ウォーン・マーシュが発展させた美学が大好きだ。
現在では、バッハが最も好きなミュージシャンだ。Subtronics もよく聴いているよ。

【MARIUS】: 両親がクラリネットとトランペットを吹いていたから、ジョン・ウィリアムスやハンス・ジマーのようなオーケストラ音楽や映画音楽をたくさん聴いて育った。5年間はコルネットを吹いていたけど、ギターを始めてからはメタルを聴くようになったね。SLIPKNOT や KORN が最初に夢中になったバンドだ。でも、音楽制作にのめり込んでからは、あまりメタルを聴かなくなった。
Flume, Skrillex, Hiatus Kaiyote, Flying Lotus のようなサウンド・デザイン、複雑なコード、奇妙なリズムの音楽を聴く方が楽しかった。数年間プロデュースした後、曲作りにもっと没頭したくなり、インディーズ・ミュージックを聴くようになった。Mild High Club、Unknown Mortal Orchestra、Tame Impala、Mac Demarco といったアーティストだ。
それでも、HUMANITY’S LAST BREATH が2019年に “Abyssal” をリリースした時、僕は衝撃を受けたんだよ。それは、僕がメタル音楽に求めていたものすべてで、重く、複雑で、ダークで、トップレベルのプロダクションだった。夢中になり、過去のアルバムをすべて見直した。それから VILDHJARTA が “måsstaden under vatten” をリリースして、また衝撃を受けたよ。

Q3: I have the impression that France is a country that embraces Japanese culture, anime, video games, and music. Are you influenced by such Japanese culture?

【LEO】: Yes, it’s true that many young French people are interested in manga, anime and video games.
Personally, I was very impressed by the film “Spirited Away”. But unfortunately I don’t know Japanese culture very well.

Q3: フランスは日本の文化、アニメ、ゲーム、音楽を受け入れる国という印象があります。そうした日本文化から影響を受けていますか?

【LEO】: そうだね、フランスの若者の多くが漫画やアニメ、ビデオゲームに興味を持っているのは事実だ。
個人的には、映画 “千と千尋の神隠し” にとても感動したよ。でも残念ながら日本の文化はそんなによく知らないんだ。

Q4: From the early to mid-2010s, Djent was booming tremendously. However, the saturation of bands and the uniformity of the music industry have caused the boom to fade away. Why did you jump into this genre at this time?

【LEO】: I love Meshuggah, but I haven’t listened to Djent. I don’t like it. I didn’t jump into the genre. I’m.

【MARIUS】: Im not a huge metal head, I mainly listen to indie and jazz music. But I have almost exclusively been listening to Vildhjarta and HLB the past 5 years. There is no metal music that inspires me except those two bands. So naturally that’s the genre I want to exist in.

Q4: 2010年代初頭から半ばにかけて、Djent はものすごいブームとなりました。しかし、飽和や画一化により、ブームは下火になりましたね。なぜそんなタイミングで、このジャンルに飛び込んだのですか?

【LEO】: MESHUGGAH は大好きだけど、Djent は聴いたことがないんだ。好きじゃないんだ。だからそもそも、そのジャンルに飛び込むことはなかった。

【MARIUS】: 僕はメタルはあまり聴かない。インディーやジャズを中心に聴いている。この5年間は、メタルだとほとんど VILDHJARTA と HLB しか聴いていない。この2つのバンド以外、僕をインスパイアするメタル音楽はない。だから自然とこのジャンルで存在したいと思うようになった。

Q5: I often see the word thall used as a genre for you guys. However, I don’t think thall is a genre. But I am sure that you guys and Vildhjarta have something in common, would you agree? What’s thall to you?

【LEO】: Thall is just a game between Calle and Daniel. Yes, I listened to Vildhjatra billions of times, everywhere, in the mountains, at night, by the water, during the storm, it transported me to another world. I felt like I was exploring an enchanted world.
Their guitars sounded like creatures, like witches. it made me see landscapes, forests haunted by little elves. I didn’t have an analytical approach, I could just let myself be carried away. I was so addicted that I wanted to compose the sequel to TOE. Especially when they’ve been missing for years. I wanted to compose in their style because I was so frustrated that they weren’t releasing music. I have dozens of Vildhjarta style riffs in my computer, I spent years trying to imitate their sound, no matter if I had no personality. So, thank you Vildhjarta !

【MARIUS】: Thall is tone, ambience and a genre if you want. Everything I do in Mirar is inspired by Vildhjarta and HLB, so based on that I think we have a lot in common.

Q5: あなたたちのジャンルとして “thall” という言葉をよく目にします。”thall” は Djent における魔法の言葉であって、ジャンルではない気がするのですが、少なくともあなたたちと VILDHJARTA に共通点があることは確かですよね?

【LEO】: “Thall” は Calle Thomer と Daniel Adel のゲームに過ぎないんだ。山の中でも、夜でも、水辺でも、嵐の中でも。まるで魅惑の世界を探検しているような気分だった。
彼らのギターの音は、まるで生き物のようで、魔女のようで、僕には小さな妖精に取り憑かれた風景や森が見えた。分析的なアプローチを超えて、ただ夢中になることができた。僕は “Thousand of Evils” の続編を作曲したいと思うほど夢中になったよ。特に彼らが何年も行方不明になっているときはね。
彼らのスタイルで作曲したいと思ったのは、彼らが音楽をリリースしていないことが悔しかったからだ。僕のパソコンには VILDHJARTA 風のリフが何十曲も入っていて、個性がなくてもいいから彼らのサウンドを真似しようと何年も費やしたんだ。だから、VILDHJARTA には感謝しているよ!

【MARIUS】: “Thall” とはトーンであり、アンビエンスであり、君がそうとりたいならジャンルでもある。僕が MIRAR でやっていることは全て VILDHJARTA と HLB にインスパイアされているんだ。たくさん共通点があると思うよ。

Q6: Still, “Mare” is a great album! The chugs that tend to be monotonous and Djent-like are really violent and intelligent, sometimes really atmospheric with classical elements woven into them. As can be said for the artwork, was one of your goals to bring medieval elements into metal?

【LEO】: I used classical music pieces because that’s what I listen to the most at the moment. We use these paintings because they are beautiful, and we can use them for free. Plus, it goes well with the baroque music we use.

Q6: それにしても “Mare” は素晴らしいアルバムですね!単調で Djent 的になりがちなチャグが、実に暴力的で知的、時にはクラシックの要素を織り込んだ実に雰囲気のあるものになっています。アートワークにも言えることですが、メタルに中世の要素を取り入れることは、目標の一つだったのでしょうか?

【LEO】: クラシック音楽を使ったのは、僕が今一番聴いている音楽だから。さらに中世絵画は美しいし、無料で使えるから使っているんだ。それに、僕たちが使っているバロック音楽との相性もいい。

Q7: You have used Caravaggio’s work in your artwork before, why do you like his work? Is your use of “Judith Beheading Holofernes” a metaphor for the dark times we are once again living in?

【LEO】: Currently, Caravaggio is my favorite painter. I love its chiaroscuros, and its Christian theme. But we didn’t think of a metaphor for the EP cover.

Q7: 以前にもカラヴァッジョの作品をアートワークに使っていますが、なぜ彼の作品が気に入っているのですか?あなたが “ホロフェルネスの首を斬るユディト” を使ったのは、私たちが中世以来再び生きている暗い時代のメタファーですか?

【LEO】: 現在、カラヴァッジョが一番好きな画家なんだ。そのキアロスクーロ (明暗のコントラスト) とキリスト教的なテーマが大好きなんだ。でも、EPのジャケットにメタファーは仕込んでいないんだ。

Q8: Djent has often been described as an inorganic genre, but you guys skillfully portray awe, fear, loneliness, and sadness. Is it a revolution for you to bring these emotions to Djent?

【LEO】: I don’t think we do Djent. It’s not a revolution, many musicians express these emotions.

【MARIUS】: I don’t really think about feelings when making music. It’s only based on what I think sounds cool in that moment. Maybe subconsciously my feelings are portrayed in the music, but I can’t really tell what they are before the songs are released.

Q8: Djent はしばしば無機質なジャンルと言われますが、あなた方は畏怖、恐怖、孤独、悲しみを巧みに表現しています。
このような感情をDjentに持ち込むことは、まさに革命ですよね?

【LEO】: 僕らはDjentはやっていないと思う。これは革命ではないよ。多くのミュージシャンがやっていることだからね。

【MARIUS】: 音楽を作る時に感情について考えることはあまりない。その瞬間にカッコイイと思うものだけをベースにしている。無意識のうちに自分の感情が音楽に表れているのかもしれないけど、それが何なのかは曲をリリースする前にはわからないんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MIRAR’S LIFE!!

SLIPKNOT “Iowa”

SLIPKNOT “Slipknot”

VILDHJARTA “Thousand of Evils”

Robert Hill “BWV 1080 the Art of Fugue”

Jean Rondo “Dynastie-Bach Family Concertos”

(LEO)

Flying Lotus “You’re Dead”

Unknown Mortal Orchestra “Self Titled”

SLIPKNOT “Vol.3”

HUMANITY’S LAST BREATH “Abyssal”

VILDHJARTA “måsstaden under vatten”

(MARIUS)

MESSAGE FOR JAPAN

We hope to see you one day! Thank you for your interest in us. Take care of yourself.

いつかみんなに会えることを楽しみにしているよ!僕たちに興味を持ってくれてありがとう!

MIRAR

MIRAR Bandcamp

MIRAR Instagram

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HARPAZO : THE CRUCIBLE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HARPAZO !!

“Prog Metal Is Not Dead, It’s Finally Getting Recognized. Music Should Be an Experience And Something New And Our Hope Is We Deliver That.”

DISC REVIEW “THE CRUCIBLE”

「SHADOW GALLERY はいつか復活する。そう信じているよ。僕らの最初の大きなブレイクは、日本の放送局やマサ伊藤のような人たちが、最初の数枚のレコードを強く支持してくれたからこそ起きた。だから僕は、そうしたプロモーターと日本をとても愛しているんだよ。日本のファンは、それほど選り好みしないし、新たな音楽の味に飛びつく準備ができている。日本のファンは音楽とバンドに投資してくれる。HARPAZO でもチャンスを掴めたら、そして僕が持ち込まずにはいられない SHADOW GALLERY の強固な影響をここで聴いてくれたらうれしいね」
SHADOW GALLERY は誠実なバンドでした。音楽のためだけに生きたバンドでした。旋律と構成の妙を追求し尽くしたバンドでした。プログ・メタルの理想形を体現したバンドでした。だからこそ、オリジナル・ボーカル Mike Baker の死は大きな衝撃で、彼の遺産を残した2009年の “Digital Ghost” が今のところバンド最後の作品となっているこもが残念でなりません。SHADOW GALLERY は今も存続していますが、彼らの音楽は15年もの間、”石に刻まれた” ままなのです。
「プログ・メタルは死んでいない。ついに認知を得てきているんだ。DREAM THEATER はグラミー賞を受賞したばかりだし、彼らの曲はどれも6分以上ある。僕たちのファンになってくれるのは、同じようなレシピに飽きた人たちなんだ。音楽は体験であり、何か新しいものであるべきで、僕たちはそれを提供したいと願っているんだよ」
しかし例え、SHADOW GALLERY がその “遺産” の中に住み続けていようと、心配はいりません。バンドの中心人物でマルチ・プレイヤー Gary Wehrkamp が彼の一番弟子 Marc Centanini を引き連れて復活の狼煙をあげました。”プログ・メタルのレミゼラブル” と評される HARPAZO で、彼らはトレンドとは真逆の複雑性、長尺、旋律美で現代のリスナーに新たな選択肢をもたらし、ロック・オペラ、プログ・メタルの再評価を促します。
「HARPAZO のポイントは、ジャンルの枠を超えたバンドを作ることだった。ロック・オペラは、マスターするのが難しい特別な芸術形態だけど、うまくいけば、リスナーはヒット・シングルだけを聴くのではなく、アルバム全体を考慮に入れて聴かざるを得なくなる。各曲は次の曲を強化し、コンセプトを構築するものでなければならない」
例えば、AYREON の “Human Equation” のように。例えば、AVANTASIA の “The Metal Opera” のように。例えば、MEATLOAF の “Bat Out of Hell” のように。HARPAZO の “The Crucible” はまさに音楽の “るつぼ” であり、アーティストのるつぼ。FATES WARNING の Mark Zonder をドラムに、ROYAL HUNT の DC Cooper をリード・ボーカルに迎え、プログ・メタルの黄金スカッドを完成させた HARPAZO は、そこに “演者” という名の多様なボーカリストたちを加えて美しくも狂おしいメタル・オペラを上演しました。
「”ファイナル・ファンタジー7″ をプレイして完クリし、悪名高い9999の限界突破とナイツオブラウンドを手に入れた。”ファイナルファンタジー・タクティクス”、”タクティクス・オウガ”、”サガ・フロンティア”、”スター・オーシャン”、”クロノ・クロス”、”ゼノギアス”、”エルデンリング”、”ダーク・ソウル”、”ドラゴンズ・ドグマ” などに夢中になったよ。これらのゲームにはすべて、英雄と巨悪が登場する。HARPAZO のストーリーと似ているのは間違いないね」
機械の体、機械の知能を求めた人類のディストピア。さながら銀河鉄道999のようなトランスヒューマニズムなストーリー・ラインは、実際、日本のゲームやアニメから大きなインスピレーションを得ています。それだけではありません。この世界に降臨した新たなヒーロー Marc Centanini は、桜庭基や植松伸夫を筆頭とする日本のゲーム・コンポーザー、音楽家たちからも影響を受けています。つまり、この HARPAZO という未曾有のメタル・オペラは、SHADOW GALLERY を発見し育んだ日本のファンに対する素晴らしき贈り物でもあるのです。
今回弊誌では、HARPAZO にインタビューを行うことができました。「”Tyranny” は僕にとって特別なアルバムだと思う。というのも、このアルバムの制作には、バンド・メンバー全員が様々な面で全面的に関わっていたと思うからだ。僕たちの影響力の偉大さを感じることができるし、そのチームワークはいつも僕の心に語りかけてくる」 どうぞ!!

HARPAZO “THE CRUCIBLE” : 9.9/10

INTERVIEW WITH HARPAZO

Q1: You have gathered a truly amazing group of people. Can you start by telling us how Harpazo came to be?

【MARC】: Hello Sin at Marunouchi Muzik Magazine and Japan! I was a Shadow Gallery / Prog metal fan before I met Gary and I was a self-practiced writer and guitar player. I was into writing epic narrative story poetry and I was looking for a guitar teacher who could teach me guitar and songwriting. We accidentally found each other on social media and I realized that he only lived about 1 hour from my home. I decided it was worth the drive to take lessons from one of my heroes. For a few years, I took lessons from him and then I told him why I was pursuing lessons. He decided to help me make it part of guitar lessons. I brought in some riffs, lyrics, story, music and ideas for how I wanted the songs to specifically sound and he helped me bring that to life. Gary is a musical genius who is great at all instruments that I’ve seen him play. We started to discover that our fun recording sessions were becoming special and so Gary offered his services to help me bring “Harpazo” to life.

【GARY】: Marc had a grand idea to create a concept album with this story. We developed it together into songs, but it was his narrative and lyric writing. I acted as his director or producer. Clearly, we needed different singers for the various characters, so we made lists and ended up with a great cast of singers to tell Marc’s storyline..

Q1: 本当に素晴らしいメンバーが集まりましたね。まずは、HARPAZO がどのようにして誕生したのかからお話ししていただけますか?

【MARC】: やあ、Marunouchi Muzik Mag の Sin と日本のみんな!Gary と出会う前はプログ・メタル、そして SHADOW GALLERY のファンで、自己流のライター兼ギター・プレイヤーだったんだ。壮大な物語詩を書くことに夢中で、ギターと曲作りを教えてくれるギターの先生を探していたんだよね。そんなとき、僕と Gary は偶然 SNS で知り合い、彼が僕の家からわずか1時間ほどのところに住んでいることがわかったんだ。
もちろん、僕はヒーローの一人からレッスンを受けるためにドライブする価値があると思ったよ。数年間、僕は彼からレッスンを受け、その後、僕がレッスンを受けている理由を彼に話したんだ。すると彼は、ギター・レッスンの一環として作曲を手伝ってくれるようになった。僕がリフ、歌詞、ストーリー、音楽、そして具体的にどう聴かせたいかというアイデアを持ち込むと、彼はそれを実現する手助けをしてくれたんだ。Gary は音楽の天才で、僕が見た限りではどの楽器も素晴らしく操る。僕たちは、楽しいレコーディング・セッションが特別なものになりつつあることに気づき始め、Gary が HARPAZO に命を吹き込むために力を貸してくれたんだ。

【GARY】: Marc は、この物語でコンセプト・アルバムを作るという壮大なアイディアを持っていた。私たちはそのアルバムを一緒に曲にしていったんだけど、これは彼の語りであり、作詞作曲なんだ。僕は彼のディレクターやプロデューサーの役割を果たした。様々な登場人物に別々のシンガーが必要なのは明らかだったので、リストを作り、Marc のストーリーを伝えるために素晴らしいシンガーのキャストを揃えることができたね。

Q2: I have read the narrative synopsis of “The Crucible” and it is very interesting! It is a dystopian story in the near future, but it seems to incorporate things that are happening today or have happened in the past. Is this story, in a way, a lesson and a wake-up call for humanity today?

【MARC】: This story delves into the threat of the transhumanist movement that is growing in the world. It’s a movement that states they want to cut away biological realities they find undesirable and create a new world of godhood. Futurist and former head of technology direction at Google, Ray Kurzweil, a transhumanist activist, has written numerous books about how with nanobot injections we could merge humanity with machine and achieve essentially immortality. Recently, a video from Yemeni “science communicator” Hashem Al-Ghaili entitled “EctoLife: The World’s First Artificial Womb Facility” recently went viral, discussing “bioreactors” that may soon supplant mothers and enable investors to “genetically engineer” prospective children. They want brain implants that may one day soon help the blind to see and the disabled to walk, all great things but at the installation of some version of OpenAI’s ChatGPT could be used as a stand-in for thought control and rapid intelligence systems.
Right now, entertainment AI technologies such as Suno, Midjourney, PIKA, Chatgpt, and others are doing their very best impressions of us humans. AI is able to paint flawed but beautiful pictures in seconds, write our children’s college essays and produce songs about our trip to the grocery store. In the corporate world, AI is used to enhance and make up for our own communication flaws and turn them almost perfect. We see it everywhere now and the true pushers and funders of this technology have a goal and that is a world without their death.
Everything I am discussing didn’t even exist when I wrote the lyrics to Harpazo’s story but were absolutely predicted correctly by many futurists. It’s actually happening faster than I and many have expected. I don’t think there is a way to stop this powerful and growing movement but some of us may have a choice to make later on in our lives – we can either embrace it and become slaves to a new system or we can fight back and try to keep our humanity. Progressive governments want to control us and companies want control us for profit and power – and if you try to fight against that they will silence you and you will be cut off from algorithms. That’s what happened to us, Youtube’s algorithms said our music video had “gambling” and for 3 weeks our marketing campaign for our band, that we put thousands into, was stopped. Where is our restitution for what the AI did to us? It took weeks to rectify. How many people will never now know Harpazo because of that.

Q2: “The Crucible” のあらすじを読みましたよ!近未来のディストピアの物語ですが、現在起こっていること、あるいは過去に起こったことが盛り込まれているようです。この物語はある意味、現代の人類に対する教訓であり、警鐘なのでしょうか?

【MARC】: この物語は、世界で拡大しつつあるトランス・ヒューマニズム運動の脅威を掘り下げている。それは、自分たちが好ましくないと思う生物学的な現実を切り捨て、神格化された新しい世界を作りたいとする運動だ。未来学者であり、グーグルの元技術部門責任者であるレイ・カーツワイルは、トランス・ヒューマニスト運動家であり、ナノボット注射によって人類と機械を融合させ、実質的に不死を達成する方法について多くの著書を書いている。
最近、イエメンの “科学コミュニケーター “であるハシェム・アル・ガイリのビデオ “EctoLife” が公開された。”世界初の人工子宮施設” と題されたイエメンの “科学コミュニケーター”、ハシェム・アル・ガイリの動画が最近流行しているんだ。この動画では、近い将来母親に取って代わり、投資家たちが将来の子どもたちを “遺伝子操作 “できるようになるかもしれない “バイオリアクター” について論じている。彼らは、目の見えない人が見えるようになり、体の不自由な人が歩けるようになる日が近いかもしれないと、脳インプラントを望んでいるんだ。素晴らしいことではあるけれど、OpenAIのChatGPTが設置されれば、思考制御や迅速な知能システムの代用品として使われる可能性があるよね。
今現在、Suno、Midjourney、PIKA、Chatgpt などのエンターテイメントAIテクノロジーは、僕たち人間に対して最高の印象を与えてくれている。AIは、欠点はあるが美しい絵を数秒で描いたり、僕たちの子供の大学のエッセイを書いたり、食料品店への旅について歌を作ったりすることができる。企業の世界では、AIは僕たち自身のコミュニケーションの欠点を補い、ほぼ完璧にするために使われている。この技術の真の推進者と資金提供者には目標があるんだ。それは彼らの死のない世界。
僕が HARPAZO の物語の歌詞を書いたときには、僕が論じていることはすべて存在すらしていなかったけど、多くの未来学者によって正確に予測されていた。そしてそれは、実際、僕や多くの人が予想していたよりも早く実現している。このパワフルで成長し続けるムーブメントを止める方法はないと思うけど、僕たちの中には、人生の後半で選択を迫られる人がいるかもしれない。それを受け入れて新しいシステムの奴隷になるか、反撃して人間性を保とうとするか。
進歩的な政府はわれわれを支配しようとし、企業は利益と権力のためにわれわれを支配しようとする。それに対抗しようとすれば、彼らは君を黙らせ、君はアルゴリズムから切り離される。Youtube のアルゴリズムが僕たちのミュージック・ビデオを “ギャンブル” だと言って、僕たちが何千ドルもつぎ込んだバンドのマーケティング・キャンペーンが3週間も中止された。AIが僕たちにしたことに対する賠償はどうなるんだ?修正に何週間もかかった。そのせいで、どれだけの人が HARPAZO を知ることができなくなったことか。

Q3: In this day and age, we have the instant culture of social networking cutouts and music streaming. I applaud you for creating an epic 71-minute concept album in such an age. Can you tell us why you went against the flow of the times to create such a work?

【GARY】: I have never been a fan of “format.” We didn’t set out to do this project for money or fame. Simply put, we had a story to tell, and we were going to allow no restrictions within the music or songs to tell it. Remaining in an open ended progressive rock format allowed us the freedom to allow the music to match the plot.

【MARC】: When we started this project back around 2010, TikTok wasn’t really a thing. Social media was still getting started as a powerful promotion tool for bands. You will hear from many bands, such as Kamelot, say that concept albums aren’t worth their time any more because of the culture change. You also hear that people only want short songs.Yet, some of the most iconic songs live on in infamy and that aren’t 3-4 minute quick hitters (Bohemian Rhapsody, Shine on you Crazy Diamond, Freebird etc). We wrote the album the way we wanted to based on what interests us. We like arrangements, we like instrumentals, we love exploring different sounds, and we like taking our listeners on a melodic journey. We don’t want you to just listen to our singles, we want you to love our entire album because it’s a puzzle that goes together – which means it was really important that we made incredible songs and opuses that have huge payoff for the listener emotionally. Prog metal is not dead, it’s finally getting recognized. Dream Theater just won a grammy and each one of their tracks is over 6 minutes long. Of course we will advertise on all platforms but the people who are going to become our fans are those who grow tired of the same ol’ same recipe. Music should be an experience and something new and our hope is we deliver that.

Q3: 今の時代、SNSの切り抜き動画や音楽ストリーミングといったインスタントな文化が全盛です。そんな時代に71分の壮大なコンセプト・アルバムを作ったことに拍手を送りたいですよ。なぜ時代の流れに逆らってまで、こうした作品を生み出すのですか?

【GARY】: 僕は特定の “フォーマット” を好んだことはない。お金や名声のためにこのプロジェクトをやろうとしたわけでもない。単純に言えば、僕たちには語るべき物語があり、それを語るために音楽や曲の制約を課すことはないんだよ。プログレッシブ・ロックというオープン・エンドのフォーマットであり続けたことで、音楽が筋書きにマッチするような自由を得ることができるんだ。

【MARC】: 僕らがこのプロジェクトを始めた2010年頃は、TikTok なんてまだなかったんだ。SNS は、バンドにとって強力なプロモーション・ツールとして、まだ始まったばかりだった。
KAMELOT のような多くのバンドが、文化の変化によりコンセプト・アルバムはもう価値がないと言っているのを耳にする。しかし、最も象徴的な曲の中には、3~4分のクイック・ヒッターではない曲、”Bohemian Rhapsody”, “Shine on you Crazy Diamond”, “Freebird” だってある。僕たちは、自分たちが何に興味があるかに基づいて、自分たちがやりたいようにアルバムを書いた。アレンジが好きで、インストゥルメンタルが好きで、いろいろなサウンドを探求するのが好きで、リスナーをメロディックな旅に連れて行くのが好きなんだ。シングルを聴いてもらうだけでなく、アルバム全体を好きになってもらいたいんだ。アルバム全体がパズルのように組み合わさっているからね。
プログ・メタルは死んでいない。ついに認知を得てきているんだ。DREAM THEATER はグラミー賞を受賞したばかりだし、彼らの曲はどれも6分以上ある。もちろん、僕たちはあらゆるプラットフォームで広告を出すつもりだけど、僕たちのファンになってくれるのは、同じようなレシピに飽きた人たちなんだ。音楽は体験であり、何か新しいものであるべきで、僕たちはそれを提供したいと願っているんだよ 。

Q4: When one thinks of metal operas featuring many singers and guest musicians, Ayreon and Avantasia come to mind. But your music is more like a full-fledged opera, would you agree?

【MARC】: I definitely think right now we are firmly in the rock/metal opera style because of a few key differences. When I think of opera, I think of a theatrical stage with all of us wearing wigs and capes that go whooshing around as we sing in Italian (btw Gary would totally have a rad black cape). None of the singers, at least not I am aware of, are classically trained nor do I want them to sing like that on Harpazo. I also think of full orchestration – usually guitars are not in opera which is a shame!
A musical typically has a lot of dialogue and acting on top of having music on a stage. Musicals can often include elaborate acted fight scenes and set devices like fire and smoke that actors can dramatically use to “disappear” off set – looking at you“Phantom of the Opera”! Now if you asked me what I think the show would be like on stage – definitely more of a musical – like Ayreon’s ‘Live Equation’ he did for ‘Human Equation’.
The point of Harpazo was to create a band that pushed the boundaries of the genre beyond what they are. Rock Operas are a special art form that is difficult to master but when done right, forces listeners to take the entire album into consideration to be heard rather than just the hit single. Each song should strengthen the next song and build upon the concept but also be good enough to stand on it’s own. It’s very difficult to do but we enjoyed the challenge immensely.

Q4: 多くのシンガーやゲストミュージシャンをフィーチャーしたメタル・オペラといえば、AYREON や AVANTASIA が思い浮かびます。しかし、あなた方の音楽は、より本格的なオペラに近いように思えますね?

【MARC】: いくつかの重要な違いがあるから、今の僕たちは間違いなくロック/メタル・オペラのスタイルを堅持していると思う。オペラというと、劇場のような舞台で、全員がかつらをかぶり、イタリア語で歌いながらマントがフワフワと舞うようなイメージがある(Gary なら黒いマントが似合いそうだ)。少なくとも僕が知る限り、ここにはクラシックの訓練を受けた歌手は一人もいないし、HARPAZO でそのように歌ってほしいとも思わない。また、僕はフル・オーケストラを考えている。通常、ギターはオペラには登場しないが、これは残念なことだよ!
ミュージカルは通常、舞台上に音楽がある上に、多くの台詞と演技がある。ミュージカルには、凝った演技の戦闘シーンや、俳優がセットの外に “消える “ためにドラマチックに使える火や煙のようなセットの仕掛けもよくある!さて、僕らはステージでどのようなショーになるかと聞かれたら、間違いなくミュージカルに近い。AYREON が “Human Equation” のツアーで行った “Live Equation” のようなものだよ。
HARPAZO のポイントは、ジャンルの枠を超えたバンドを作ることだった。ロック・オペラは、マスターするのが難しい特別な芸術形態だけど、うまくいけば、リスナーはヒット・シングルだけを聴くのではなく、アルバム全体を考慮に入れて聴かざるを得なくなる。各曲は次の曲を強化し、コンセプトを構築するものでなければならない。これはとても難しいことだが、僕たちはこの挑戦を大いに楽しんだよ。

Q5: Speaking of opera, Japanese games, such as Final Fantasy and Eldenring, have a sense of opera and fantasy. You are influenced by such Japanese games, music, and anime, aren’t you?

【MARC】: Absolutely! When I became a teenager I got very much into video games and was drawn to japanese role playing games. After a while, falling down a sewer hole in Mario got boring after the 50th try, I longed for a story. I find parallels to my story to a lot of these j-rpg games unintentionally. I played and beat ‘Final Fantasy 7’ and got the notorious 99:99 and the knights of the round table. I fell in love with Final Fantasy Tactics, Tactics Ogre, Saga Frontier, Star Ocean, Chrono Cross, Xenogears, Eldenring, Darksouls, Dragon’s Dogma etc. These games all feature a hero/s and a great evil. You can definitely see similarities with Harpazo’s storyline.
I didn’t just love these games, but I listened to the soundtracks and my love of the composers such as Motoi Sakuruba (who has an incredible Prog Rock music), Nobuo Uematsu, Hitoshi Sakimoto have been so inspirational. While I was writing the album, I would find mood setting tunes to help me construct the lyrical parts of the album and listen to them on repeat until I forgot they were playing. Songs like “Theme of the Black Knight”, “Antipyretic”, “Reflected Moon”, “One Winged Angel” – have so much emotion. I also love polish Adam Skorupa of the Witcher 2 game and American composer Jack Wall of Mass Effect. As for as Japanese bands, you’ve got to mention Galneryus, X Japan, Sigh, and a newer smaller band that I love, ‘Imari Tones’.
As for Anime, I was a Toonami kid and loved shows like ‘Outlaw Star’, ‘Dragon Ball’, ‘Gundam Wing’, ‘Yu Yu Hakushou’, ‘Cowboy Bebop’, ‘Attack on Titan’, ‘Vampire Hunter D’ to name a few. I occasionally check out a show here and there or a movie like ‘Demon Slayer’for example. There is just a lot to love here and a lot of these series have stellar world building, these shows make characters you care about and the stakes are always high. Again, like the Harpazo album. Speaking of which – would possibly be a great manga if someone wanted to give it a try!

Q5: オペラといえば、ファイナル・ファンタジーや Eldenring など、日本のゲームにはオペラやファンタジーの感覚を持ったものが多いですよね?

【MARC】: もちろん!10代の頃、僕はビデオ・ゲームに夢中になって、日本のロール・プレイング・ゲームに惹かれたんだ。しばらくして、マリオで下水道の穴に落ちるのが50回目くらいで飽きてきて、ストーリーに憧れるようになった。僕の書くストーリーは、知らず知らずのうちに多くのJ-RPGゲームと類似しているんだ。
“ファイナル・ファンタジー7″ をプレイして完クリし、悪名高い9999の限界突破とナイツオブラウンドを手に入れた。”ファイナルファンタジー・タクティクス”、”タクティクス・オウガ”、”サガ・フロンティア”、”スター・オーシャン”、”クロノ・クロス”、”ゼノギアス”、”エルデンリング”、”ダーク・ソウル”、”ドラゴンズ・ドグマ” などに夢中になったよ。これらのゲームにはすべて、英雄と巨悪が登場する。HARPAZO のストーリーと似ているのは間違いないね。
日本のゲームが好きというだけでなく、サウンドトラックも聴いていて、桜庭基(素晴らしいプログ・ミュージックの天才)、植松伸夫、崎元仁といった作曲家たちへの愛情をもっている。彼らは僕にとてもインスピレーションを与えてくれたよ。アルバムを書いている間、僕はアルバムのリリカルな部分を構成するのに役立つムード・セッティングの曲を見つけては、それが流れているのを繰り返し聴いていた。”Theme of the Black Knight”、”Antipyretic”、”Reflected Moon”、”One Winged Angel” のような曲はとても感情的だ。”Witcher 2″ のアダム・スコルパや “マス・エフェクト” のアメリカ人作曲家ジャック・ウォールも大好きなんだ。日本のバンドでは、Galneryus, X Japan, Sigh, そして僕が好きな新しい小編成のバンド Imari Tones がいるね。
アニメに関しては、僕は Toonami (Cartoon Tsunami) キッズで、”アウトロースター”、”ドラゴンボール”、”ガンダムW”、”幽☆遊☆白書”、”カウボーイ・ビバップ”、”進撃の巨人”、”ヴァンパイア・ハンターD” などの番組が大好きだった。時々、他の番組や、例えば “.デーモン・スレイヤー” のような映画もチェックする。こうしたシリーズの多くには素晴らしい世界観があり、気になるキャラクターが登場し、賭け金は常に高い。HARPAZO のアルバムのようにね。そういえば、もし誰かがこの作品の漫画に挑戦したければ、素晴らしいものになるかもしれない!

Q6: Shadow Gallery’s last album was “Digital Ghost” in 2009. Of course, there were some unfortunate events, such as the passing of Mike Baker and the fire in your studio, Why have you not released anything for such a long time?

【GARY】: We enjoyed focusing solelyon bringing our music to some festivals and to Europe on a couple of tours. We rewrote new endings and arrangements to segue songs together with greater zest and punch. That was a fun thing to do over the course of a few years. We planned on resuming and started writing again but have not yet since been ready to move forward with definitive material.

Q6: Gary、SHADOW GALLERY の最後のアルバムは、今のところ2009年の “Digital Ghost” ですね。もちろん、Mike Baker の死去やスタジオの火災など不運な出来事もありましたが、なぜこれほど長い間何もリリースがないのですか?

【GARY】: いくつかのフェスティバルやヨーロッパ・ツアーのため、自分たちの音楽を提供することだけに集中して楽しんだんだ。新しいエンディングやアレンジを書き直して、曲をより生き生きとパンチのあるものにまとめ直していたんだ。それは数年かけてやった楽しいことだった。僕たちは再開を計画し、再び作曲を始めたが、それ以来、決定的な曲で前進する準備はまだできていないんだよ。

Q7: “Carved in Stone” is a very important album for me, as it was my first introduction to the world of prog metal.
There are 6 albums in Shadow Gallery, can you tell us which one is your favorite and why?

【GARY】: I am honored that “Carved” was your introduction. That was an extraordinary time writing that record. As far as favorites, They are all special to me, and the first one, released just before I joined the band, has always been one of my most listened-to (aside from listening while working on it.. I think “Tyranny” is a unique record to me because I believe every bandmate was fully involved in many aspects of creating that record. I can hear this great degree of all of our influences, and that team effort has always spoken to my heart.

Q7: “Carved in Stone” は、私にとって、プログ・メタルの世界に初めて足を踏み入れた、とても重要なアルバムです。SHADOW GALLERY には6枚のアルバムがありますが、あなたはどのアルバムがお気に入りですか?

【GARY】: “Carved” が君の入門作になって光栄だよ。あのレコードを書いた時は並外れた時間だった。お気に入りの作品に関しては、どれも僕にとって特別な作品だし、僕がバンドに加入する直前にリリースされた最初の作品は、(作業中に聴くのは別として)いつも最もよく聴いている作品のひとつなんだ。
でも、”Tyranny” は僕にとって特別なアルバムだと思う。というのも、このアルバムの制作には、バンド・メンバー全員が様々な面で全面的に関わっていたと思うからだ。僕たちの影響力の偉大さを感じることができるし、そのチームワークはいつも僕の心に語りかけてくる。

Q8: Shadow Gallery was often compared to Dream Theater at the time, even though you were very different. How did you feel about that comparison? Did their Grammy win expand the possibilities of prog metal?

【GARY】: How could I not be honored to be compared to such a monumentally incredible band. Please compare away! Those guys are the best! While I couldn’t say how much, their Grammy was a great thing and hopefully opened up new doors for those who need to become more familiar with this style of music.

Q8: SHADOW GALLERY は当時、よく DREAM THEATER と比較されていましたね。その比較についてどう感じていますか?彼らのグラミー賞受賞は、プログ・メタルの可能性を広げるものてしょうか?

【GARY】: あんなに記念碑的な素晴らしいバンドと比較されて光栄じゃないわけがない!どうぞ比べてください!彼らは最高だ!どれくらいとは言えないが、彼らのグラミー賞は素晴らしいものだったし、このスタイルの音楽にもっと親しめる可能性のある人たちに、新しい扉を開いてくれることを願っているよ。

Q9: How did you feel about the Magna Carta label and its bands?

【GARY】: They put progressive rock on the map and took chances to introduce this style of music. I am grateful they were interested in Shadow Gallery.

Q9: Magna Carta のレーベルとそのバンドについてはどう感じていましたか?

【GARY】: 彼らはプログレッシブ・ロックをメタルの地図に載せ、このスタイルの音楽を紹介するチャンスを作ってくれた。彼らが SHADOW GALLERY に興味を持ってくれたことに感謝しているんだ。

Q10: Is there a possibility that Shadow Gallery will start up again? Japanese fans are really looking forward to your visit to Japan!

【GARY】: It is difficult to say, but I believe so.
Our first big rise was seeing Japanese stations and people like Masa Itoh strongly endorse our first few records. I love these promoters and Japan so much. The fans in your region are not so picky and ready to jump ship for the next fleeting flavor of music. They invest in the music and the band. I am in the band because I initially auditioned to be an extra member who would play Guitar and keyboards and sing for a tour of Japan in the early 90’s. When the label told us that the priority was finishing a second album first, the other members just asked me to join as a full member and write and record the next one. I am also grateful for that. I hope they take a chance on HARPAZO and hear the robust SHADOW GALLERY influence that I cannot avoid bringing.

Q10: SHADOW GALLERY が再び動き出して、新作をリリースする可能性はありますか?日本のファンはあなたの来日を待ち侘びていますよ!

【GARY】: 簡単には言えないけど、そう信じているよ。僕らの最初の大きなブレイクは、日本の放送局やマサ伊藤のような人たちが、最初の数枚のレコードを強く支持してくれたからこそ起きた。だから僕は、そうしたプロモーターと日本をとても愛しているんだよ。日本のファンは、それほど選り好みしないし、新たな音楽の味に飛びつく準備ができている。日本のファンは音楽とバンドに投資してくれる。
僕がこのバンドにいるのは、90年代初めの日本ツアーでギターとキーボードと歌を担当するエキストラ・メンバーとしてオーディションを受けたからだ。そしてレーベルから、まずはセカンド・アルバムを完成させることが先決だと言われたとき、他のメンバーから、正式メンバーとして参加し、次のアルバムを書いてレコーディングしてほしいと言われたんだ。そのことにも感謝している。HARPAZO でもチャンスを掴めたら、そして僕が持ち込まずにはいられない SHADOW GALLERY の強固な影響をここで聴いてくれたらうれしいね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HARPAZO’S LIFE!!

Dream Theater “Scenes from a Memory”

When I heard ragtime in Fatal Tragedy, I was absolutely hooked. It was absolutely my favorite record for many years…until I got ‘Images and Words’ and ‘Awake’ and was introduced to the genius of Kevin Moore’s lyric writing.

“Fatal Tragedy” でラグタイムを聴いた時、完全に夢中になった。”Images and Words” と “Awake” を手に入れて、Kevin Moore の天才的な作詞作曲を知るまではね。

Ayreon “Human Equation”

this album really introduced me to rock opera’s on a completely different level. Love is a song my wife and I still sing together occasionally. It also just has really impactive poignant lyric writing that matches well with it’s folky dark sci-fi vibe that just take you into this “Black Mirror” like world where it’s just all a simulation. That was a dirty trick by Arjen haha!

このアルバムは、僕にロック・オペラを全く違うレベルで教えてくれた。”Love” は今でも妻と時々一緒に歌う曲だ。フォーキーでダークなSFの雰囲気とマッチして、すべてがシミュレーションであるという “Black Mirror” のような世界に連れていってくれる。Arjen のトリックだね!

Kamelot “Black Halo & Epica”

I have to say, I wasn’t much of a power metal fan before I heard this band in the early 2000s. Nor did I know the greatness of Roy Khan’s vocals before this band. The song writing of Thomas Youngblood and Roy was stellar, the drums by Casey were killer and fast, and the keys by Oliver and bass by Glenn – great job all around to create this modern telling of the story of faust. Black Halo/Epica are t near flawless power metal albums.

2000年代初頭にこのバンドを聴くまでは、パワーメタルのファンではなかった。このバンドを聴くまでは Roy Khan のヴォーカルの素晴らしさも知らなかった。Thomas Youngblood と Roy のソングライティングは素晴らしく、Casey のドラムはキラーで速く、Oliver のキーボードと Glenn のベースは、ファウストの物語を現代に伝える素晴らしい仕事だった。Black Halo/Epicaは、ほぼ完璧なパワー・メタル・アルバムだ。

Fates Warning “A Pleasant Shade of Gray”

This album is like poetry on a level I had never heard before. Song structures were nearly abandoned and it was just one long song. “Let nothing bleed into nothing, and do nothing”. Jim Matheos seriously is underrated writer and how could I not mention’s Harpazo’s Mark Zonders work on that album. I always hated how there wasn’t a clear storyline so I created my own in an epic 14-page poem that went along with the music. Underrated album!

このアルバムは、今まで聴いたことのないレベルの詩のようだ。曲の構成はほとんど放棄され、ただ1つの長い曲になっている。”何もないところに何も出血させず、何もしない”。Jim Matheos は過小評価されている作家であり、HARPAZO の Mark Zonder のこのアルバムでの仕事の素晴らしさを挙げないわけにはいかない。ただ、明確なストーリーがないのがいつも嫌だったので、音楽に合わせて14ページの壮大な詩を自分で作ったんだ。過小評価されているアルバムだ!

(MARK)

PINK FLOYD “THE WALL”

was my most extensive game-changing record. Combining a concept album with diverse styles, sounds, and sound effects – all seamlessly running one song directly overlapping the next- has been endlessly inspiring to me.

僕の人生を変えた最も広範なレコードだった。コンセプト・アルバムに多様なスタイル、サウンド、サウンド・エフェクトを組み合わせることで、1つの曲が次の曲とシームレスに重なり合う。

MEATLOAF “BAT OUT OF HELL”

showed me that you didn’t need a three-minute song to make a strong impact. Having a dozen different sections of music that returned creatively to any other part was not only acceptable, but it was also invigorating and inviting. You will hear that on albums like Amaran’s Plight’s “VOICE IN THE LIGHT” or this new HARPAZO record, as well as some SHADOW GALLERY songs.

強いインパクトを与えるのに3分の曲は必要ないことを教えてくれた。他のどのパートにも創造的に戻ってくるような、何十もの異なるセクションを持つ音楽は、それでも人々に受け入れられるだけでなく、爽快で魅力的だった。Amaran’s Plight の “VOICE IN THE LIGHT” やこの HARPAZO の新譜、SHADOW GALLERY の曲のようなアルバムでそれを聴くことができるだろう。

AYREON “THE ELECTRIC CASTLE”

This was back in the day when I would get a lot of music from fans, magazines, and their writers by cassette in the mail. A writer named Larry Daglieri sent me some cassettes in 1998 with bands such as SAVATAGE and many others I didn’t know. One group of songs moved me. When I asked him about that, he told me I was referring to a new AYREON album that came out around the same time as Shadow Gallery’s “TYRANNY” record. I contacted Arjen Lucassen to tell him how much I liked it, and we became terrific friends and made numerous appearances on each other’s albums and side projects.

これは、ファンや雑誌、そのライターからカセットテープでたくさんの音楽を郵送してもらっていた頃の話だ。ラリー・ダグリエリというライターが1998年に送ってくれたカセットには、SAVATAGE をはじめ、僕の知らないバンドがたくさん入っていた。その中の一組の曲に僕は感動した。彼にそのことを尋ねると、SHADOW GALLERY の “TYRANNY” と同じ頃に出た AYREON の新譜のことだと教えてくれた。 僕は Arjen に連絡を取り、このアルバムがどれほど気に入ったかを伝え、僕たちは素晴らしい友人となり、お互いのアルバムやサイド・プロジェクトに何度も参加するようになった。

QUEEN “NIGHT AT THE OPERA”

I heard “Bohemian Rhapsody” on the radio when I was about to leave for the school bus stop in the morning in 1975. I was in Kindergarten. I wouldn’t leave the house until the song was over. My mother may have been impatient, but she saw something in my eyes and let me listen to the whole thing. Of course, neither of us expected it to go on for so long. Still, this song remains a game-changer for me. “The Prophet’s Song” would also be a solid motivating song for me years later.

1975年、朝、スクールバスのバス停に向かおうとしていた時、ラジオから “Bohemian Rhapsody” が流れてきた。僕は幼稚園児だった。でも僕はその曲が終わるまで家を出ようとしなかった。母はせっかちだったのかもしれないが、僕の目に何かを見たのか、最後まで聴かせてくれた。もちろん、二人ともこんなに長く続くとは思っていなかった。それでも、この曲は僕にとってのゲームチェンジャーであり続けている。”Prophet’s Song” もまた、数年後、僕のモチベーションを高める曲となった。

JELLYFISH’S “SPILT MILK”

is a classy pop album different from the bands above but has an adventurous recording spirit and fantastic vocals.

上記のバンドとは異なる上品なポップ・アルバムだが、冒険的なレコーディング・スピリットと素晴らしいヴォーカルを持っている。

(GARY)

MESSAGE FOR JAPAN

GARY: Thanks for taking the time to listen to progressive music. I hope many of you accept and adopt this album as much as we have. Thank you always for your support!

MARC: Hello to our friends in Japan! We are Harpazo, and we are thrilled to share our new progressive metal epic rock opera with you: “The Crucible.” This album is a powerful blend of intricate rhythms and evocative melodies, crafted to take you on a profound musical journey. “The Crucible” is a story told through music, filled with emotion and intensity that we hope will resonate deeply with you. Each track is designed to offer something unique, revealing new layers and surprises with every listen. We warmly invite you to join us and embrace this musical adventure that your incredible culture helped inspire. We are excited to connect and make new fans in Japan and look forward to sharing this experience with you. Open your hearts to our music, and let “The Crucible” become a part of your life. We welcome you with open arms.

GARY: プログレッシブ・ミュージックを聴いてくれてありがとう。みんなが、僕たちと同じようにこのアルバムを受け入れ、気に入ってくれることを願っているよ。いつも応援ありがとう!

MARK: 日本の友人のみんな、こんにちは!僕たちは HARPAZO で、この新しいプログレッシブ・メタルのロック・オペラをみんなと分かち合えることに興奮しているよ。このアルバムは、入り組んだリズムと喚起的なメロディーの力強いブレンドで、君たちを深遠な音楽の旅へと誘うように作られている。”The Crucible” は、音楽を通して語られる物語であり、感情と激しさに満ちている。どの曲もユニークで、聴くたびに新たな層と驚きを与えてくれる。
君たち日本の素晴らしい文化がインスピレーションの源となったこの音楽の冒険を、ぜひ僕たちと一緒に楽しんでほしいな。僕たちは、日本で新しいファンを作り、みんなとこの経験を分かち合えることを楽しみにしているんだ。僕たちの音楽に心を開き、”The Crucible” を君たちの人生の一部にしてほしい。僕たちは両手を広げて君たちを歓迎するよ。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CRIMSON GLORY : TRISKAIDEKA】 REUNION 2024 !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JEFF LORDS OF CRIMSON GLORY !!

“To Me, Progressive Suggests Innovation, But If a Given Band Tries To Innovate Or Change Too Much, They Will Be Discredited Because They Ventured Too Far Out Of The “Prog” Box. I Find That As Sad As I Do Ironic.”

DISC REVIEW “TRISKAIDEKA”

「”プログレッシブ” と呼ばれるロックやメタルのファンの多くは、自分が聴くものに関しては決してその主張を曲げないということだ。私にとっては、プログレッシブとは革新的であることを意味するのだが、もしあるバンドが革新的であったり変化しすぎたりすると、”プログレ” の枠からはみ出しすぎたという理由で信用されなくなる。それは皮肉であると同時に悲しいことだと思う。しかし要するに、音楽は主観的なものであり、誰もが自分の好きなものを好むということなんだよね」
80年代後半、メタルの多様性が花開く瞬間の前夜。”正統派” の枠組みの中で、いかにメロディックに、いかにプログレッシブにメタルは進化できるのかという挑戦を重ねたバンドが登場し、人気を博しました。FATES WARNING の “Perfect Symmetry” や IRON MAIDEN の “Seventh Son of a Seventh Son”、そしてもちろんその筆頭が QUEENSRYCHE の “Operation: Mindcrime” であったことに疑いの余地はありません。
いわゆる “プログ・パワー” の誕生。そしてその “プログ・パワー” の定着と拡大に、QUEENSRYCHE の傑作と同じくらいの貢献を果たした作品があります。CRIMSON GLORY の “Transcendence” です。
「Todd は QUEENSRYCHE に参加するために CRIMSON GLORY を去ったのではなく、バンドの “惰性” のために去ったのだよ」
“Transcendence” の音楽は、QUEENSRYCHE と比較してもずば抜けて完璧な “プログ・パワー” でした。まさに “超越的”。あまりに壮大で、あまりにメロディックで、知性を抱擁し、緩急自在、実にプログレッシブ。驚異のシンガー Midnight が持ち込んだ、次作のよりカラフルで実験的な傑作 “Strange & Beautiful” につながるアルバム後半の LED ZEPPELIN 的な実験も魅力的で、これほど好奇心を誘う80年代のメタル・アルバムはそう多くはないでしょう。
しかし、残念ながらこのミステリアスな仮面集団はあまりに “怠惰” でした。活動休止期間も長く、1983年から2013年の30年で残したアルバムはわずか4枚だけ。シアトリカルなファーストからエスニックな “Astronomica” まで、そのすべてがいかに素晴らしくとも、バンドは徐々に忘れ去られ、バンドの顔だった超絶ハイトーンの Midnight は亡くなり、新たな才能 Todd LaTorre は QUEENSRYCHE へと引き抜かれ、ピカピカだったシルバーの仮面は色褪せていきました。
「新しい CRIMSON GLORY は、最初に私たちをメタルの地図に載せたスタイルに意図的に戻ることになるだろう。しかし、同時に私たち全員がミュージシャンとしてどのように成長したかを明らかにし、現代的なエッジを加えながらもルーツに忠実であることが可能であることを示すことができればと思うよ。過去を再現することばかりにこだわっていては、アーティストとして成長できない。逆に、トレンディであること、時流にこだわりすぎるのも欠点がある。だから、バランスを取ることが大切なんだ」
それでも、仮面と薔薇の騎士は時を超えて戻ってきました。ここには Midnight も、Wade Black も、Jon Drenning もいませんが、それでも歴戦の強者たち、リズム隊とギターの片翼は今も健在。そして新たな血となるボーカリスト Travis Wills とギタリスト Mark Borgmeyer が加わりました。特に、Midnight の超絶ハイトーンからアペアランス、ペルソナまで完全にコピーして、”超越” を志す Travis の存在は驚異的。プログ・パワーの勇壮や正義、そしてファンタジーが必要とされる時代に、CRIMSON GLORY は再びその神秘と審美を世界に注ぐため復活を決めたのです。
今回弊誌では、ベーシスト Jeff Lords にインタビューを行うことができました。「日本食は大好きだよ!音楽では、BAND MAID は素晴らしいバンドだと思う。とくにドラマーの Akane は尊敬しているよ。和楽器バンドも好きでね。とてもクールなアクトだ。三味線奏者が好きなんだ」 どうぞ!!

CRIMSON GLORY “TRISKAIDEKA” : 10/10

INTERVIEW WITH JEFF LORDS

Q1: I am very happy you are back! Can you start by telling us why you decided to come back after 10 years?

【JEFF】: There was never really a decision to not come back. But we know that in order to do so it requires timing and of course the right singer. Ten years prior to now after having toured Scandinavia with Todd LaTorre as our singer, we had plenty of momentum, so the plan was to take a short break and then to jump straight into songwriting mode. However, not all parties involved chose to be present for these writing sessions. Over time, this led to frustration for those of us who were present, mainly Todd, who was eager to write new songs with the band. When it became apparent that we were forced yet once more into hiatus, a few of us stayed occupied with our various solo and side projects. It wasn’t until a mutual friend of the band introduced us to a Greek singer who could not only mimic Midnight, but he copied his whole persona, mask and all. We’d do Zoom meetings and this guy would be in full stage garb. As one could imagine, we found it a bit odd, but the bottom line is that there was some friction when it came to the direction of the material. There was also some overreach, which we saw as a red flag.

Q1: CRIMSON GLORY が戻ってきとてもうれしいですよ!まず、10年ぶりに復帰を決めた理由から教えていただけますか?

【JEFF】: 復帰しないという決断はなかった。ただ、そうするためにはタイミングが必要で、もちろん適切なシンガーが必要だということも分かっていた。
10年前、Todd LaTorre をシンガーに迎えてスカンジナビア・ツアーを行った後、私たちには十分な勢いがあったから、少し休んでから曲作りに入るつもりだったんだ。しかし、関係者全員がこの作曲セッションに立ち会うことを選んだわけではなかった。そのため、バンドと一緒に新曲を作りたいと思っていた Todd を中心に、その場にいた人たちの不満が募っていった。
そしてまたしても活動休止を余儀なくされたことが明らかになったとき、私たちのうちの何人かは、さまざまなソロ・プロジェクトやサイド・プロジェクトで忙しくしていた。バンドの共通の友人が、Midnight のモノマネができるだけでなく、マスクも含めて彼のペルソナ全体をコピーできる風変わりなシンガーを紹介してくれるまでは。
私たちがズーム・ミーティングをすると、この男は完璧なステージ衣装に身を包んでいた。想像できるように、私たちはそれを少し奇妙に感じたが、要するに、素材の方向性に関しては多少の摩擦があったということだ。私たちが赤信号と見たのは、いくつかの行き過ぎがあったということだ。

Q2: Crimson Glory has broken up and reunited several times, but when you last split up in 2013, was it because Todd LaTorre was brought over by Queensryche?

【JEFF】: As mentioned in my previous answer, Todd had become discouraged over a situation in which not every band member was making new songs a priority in their life. This is not to say that the rest of us were not disappointed as well; we were, but sadly, this was not the first time that the plug had gotten pulled on the band because of certain lifestyle choices that are sadly common in this business. Unfortunately, a hiatus was nothing new to us. But about the time that it became clear that things would once again become stagnant, we found out that, yes, Todd in fact agreed to team up with some of the guys in QR who had sought him out, or he sought them out, I’m not sure which. But it’s a moot point, because to answer your question, Todd did not leave CG to join QR; he left because of the “inertia” of CG, which I believe is actually the word that Todd himself used to describe it.

Q2: では、Todd が QUEENSRYCHE に引き抜かれたから解散したというわけでもなかったんですね?

【JEFF】: 前の答えでも述べたように、Todd はバンド・メンバー全員が新曲を生活の優先事項にしていない状況に落胆していた。しかし、悲しいことに、この業界ではよくあるライフスタイルの選択のせいで、バンドのプラグが抜かれたのは今回が初めてではなかったね。残念ながら、活動休止は私たちにとって目新しいことではなかった。
そうして、事態が再び停滞することが明らかになった頃、Todd が QUEENSRYCHE と組むことに同意したことがわかったんだ。だから、君の質問に答えるなら、Todd は QUEENSRYCHE に参加するために CRIMSON GLORY を去ったのではなく、バンドの “惰性” のために去ったのだよ。

Q3: Speaking of Queensryche, you guys have always been compared to them. How did you feel about that comparison?

【JEFF】: I don’t mind it. We have similarities, so naturally there will be comparisons.

Q3: QUEENSRYCHE といえば、CRIMSON GLORY はいつも彼らと比較されてきましたね。その比較についてはどう感じていますか?

【JEFF】: 特に気にしてないよ。僕らにはいくつか共通点があるから、比較されるのは自然なことだ 。

Q4: Speaking of prog metal, after you guys came Dream Theater and Meshuggah, and in recent years the Djent movement. How do you feel about the evolution of such technical music and prog metal?

【JEFF】: While I’m keenly aware of how recording and producing music has evolved over the years, honestly, I’ve been out of the loop when it comes to how it’s changed stylistically. The truth is, I stopped listening to heavy music long ago. I know that may seem strange, but this is just how things have evolved for me. One thing I do notice is that many fans of what’s termed “progressive” rock or metal are unbending when it comes to what they listen to. To me, progressive suggests innovation, but if a given band tries to innovate or change too much, they will be discredited because they ventured too far out of the “prog” box. I find that as sad as I do ironic. But the bottom line is that music is subjective and everybody likes what they like.

Q4: プログ・メタルといえば、あなたたちの後に DREAM THEATER や MESHUGGAH が登場し、近年では Djent ムーブメントが起こりました。
そうしたテクニカル・ミュージックやプログ・メタルの進化についてはどう感じていますか?

【JEFF】: 音楽のレコーディングやプロデュースが長年にわたっていかに進化してきたかについては痛感しているけど、正直なところ、音楽のスタイル的な変化に関しては蚊帳の外だった。実のところ、ヘヴィ・ミュージックを聴かなくなって久しいんだ。変に思われるかもしれないが、これが私にとっての進化なんだ。
ひとつ気になるのは、”プログレッシブ” と呼ばれるロックやメタルのファンの多くは、自分が聴くものに関しては決してその主張を曲げないということだ。私にとっては、プログレッシブとは革新的であることを意味するのだが、もしあるバンドが革新的であったり変化しすぎたりすると、”プログレ” の枠からはみ出しすぎたという理由で信用されなくなる。それは皮肉であると同時に悲しいことだと思う。しかし要するに、音楽は主観的なものであり、誰もが自分の好きなものを好むということなんだよね。

Q5: However, I also love “Strange and Beautiful” and “Astronomica,” which are away from such “prog metal” style of music. How would you rate the earlier and later albums?

【JEFF】: On S & B, the stylistic change came about mostly because of two reasons, the first of which was Midnight’s voice having suffered because of lifestyle choices he made that affected him physically. The other reason is that he and Jon were living together during that time period, and thus, they were collaborating the most. Given that one of Midnight’s influences was Led Zeppelin, this might explain how/why when the two of them started writing together, the songs on S & B had more of a bluesy feel, versus the style that was established on CG 1 & 2. Of course, another crucial factor was Jon’s aspiration to be the only guitarist at that time. As far as rating our albums, I’m not really in the business of rating my own works, but I do prefer the style we established on 1 & 2 more. All of my contributions for the upcoming return of CG should reveal that I prefer that style, a style that I injected into the band from the onset. As for Astronomica, that album captured a little bit of that style, but it seems like it didn’t appease the diehard Midnight fans enough, albeit, Wade did the songs justice with the style he brought to the table.

Q5: そういう意味で、私は “Strange and Beautiful” や “Astronomica” のような、典型的な “プログ・メタル” スタイルから離れた音楽も大好きなんですよ。
初期のアルバムと後期のアルバムをどう評価しますか?

【JEFF】: “Strange & Beautiful” でスタイルが変わったのは主に2つの理由がある。ひとつは Midnight の声が、ライフスタイルの選択によって身体的な影響を受け、苦しくなったこと。もう1つの理由は、その時期、彼と元ギタリストの Jon Drenning は一緒に住んでいて、そのため、彼らは最もコラボレーションしていたからだよ。Midnight の影響のひとつが LED ZEPPELIN であったことを考えると、2人が一緒に作曲を始めたとき、ファーストとセカンドで確立されたスタイルに対して、S&Bの曲はよりブルージーなフィーリングを持っていたことが説明できるかもしれないね。
もちろん、もうひとつの決定的な要因は、当時 Jon が唯一のギタリストになることを熱望していたからだ。
私たちのアルバムの評価に関しては、まあ私は自分の作品を評価するような仕事はしていないけど、ファーストとセカンドで確立したスタイルの方が好きだね。今度の CRIMSON GLORY の復活のために私が提供したすべての曲は、私がそのスタイルを好んでいることを明らかにするはずだよ。”Astronomica” に関しては、再びそのスタイルを少し取り入れたアルバムだったけど、熱心なミッドナイト・ファンを十分に満足させることはできなかったようだね。

Q6: Crimson Glory has been wonderful with all the singers over the years as the musical style has changed. But maybe, Midnight, who has passed away, is still very popular. How would you feel the individuality of each vocalist?

【JEFF】: Few people realize that Midnight was originally intended to sing on some of the Astronomica demos. He declined. We sought out Wade when we saw him perform with his band Lucian Blaque. Jon got his number and kept it. When Midnight declined, we called Wade. As mentioned, I think Wade did the songs on Astronomica justice. But I think our new singer, Travis Wills, is a better fit, especially if we’re making comparisons with our original vocalist, Midnight.

Q6: そうして、CRIMSON GLORY は、音楽スタイルが変化するにつれ、長年にわたって様々なシンガーを起用してきました。もしかしたら、亡くなった Midnight が今でも最も人気があるかもしれませんね。
それぞれのボーカリストの個性をどう理解していますか?

【JEFF】: Midnight がもともと、”Astronomica” のデモのいくつかで歌う予定だったことを知る人は少ない。彼は断ったんだ。かつて Wade Black が彼のバンド LUCIAN BLAQUE で演奏するのを見たとき、私たちは Wade を探したよ。Jon は彼の電話番号を手に入れ、そのままにしておいたんだ。そして Midnight が断ったとき、私たちは Wade に電話したよ。うん、Wade は “Astronomica” の曲を正しく歌ったと思う。
しかし、特にオリジナルのヴォーカリストである Midnight と比較するのであれば、新しいヴォーカリストである Travis Wills の方が合っていると思う。

Q7: “Triskaideka,” the first song to be resurrected, is a really wonderful piece of music! Can you talk about the new Crimson Glory, reborn with new members, your new musical and lyrical philosophy?

【JEFF】: As mentioned, the new CG will be a deliberate return to the style that put us on the map to begin with. However, it will also reveal how we’ve all grown as musicians, as will it hopefully demonstrate how it’s possible to stick to one’s roots while adding a contemporary edge. To stay strictly focused on recapturing the past would not allow growth as an artist. Conversely, to stay strictly focused on being trendy and current would have its drawbacks, too. So, it’s definitely a balancing act. Right now my musical philosophy is to partake in this balancing act. In my other band, Gods of Centaurus, I don’t have to think in terms of a certain time period. Not that doing so is a bad thing, there’s just certain things I have to keep in the back of my mind when writing CG material. Between both bands, I get my creative needs met. I consider the balancing act in CG a challenge, and with new singer Travis Wills and new guitarist Mark Borgmeyer, there should be no looking back. Everyone is a seasoned player, and equally if not more importantly, everyone is down to earth. That goes a long way in this business.

Q7: 復活第一弾の “Triskaideka” は本当に素晴らしいですね!
新メンバーで生まれ変わった新生 CRIMSON GLORYの新しい音楽的、作詞的哲学について話してもらえますか?

【JEFF】: 新しい CRIMSON GLORY は、最初に私たちをメタルの地図に載せたスタイルに意図的に戻ることになるだろう。しかし、同時に私たち全員がミュージシャンとしてどのように成長したかを明らかにし、現代的なエッジを加えながらもルーツに忠実であることが可能であることを示すことができればと思うよ。
過去を再現することばかりにこだわっていては、アーティストとして成長できない。逆に、トレンディであること、時流にこだわりすぎるのも欠点がある。だから、バランスを取ることが大切なんだ。今、私の音楽哲学は、このバランスを取ることにある。私のもうひとつのバンド、GODS OF CENTAURUS では、特定の時代にとらわれる必要はない。そうすることが悪いというわけではないが、CRIMSON GLORY の素材を書くときには頭の片隅に置いておかなければならないことがある。そうやって両方のバンドの間で、私は創造的な欲求を満たしているんだ。
CRIMSON GLORY でのバランス感覚は挑戦だと思っているし、新しいシンガーの Travis Wills と新しいギタリストの Mark Borgmayer がいるので、後ろを振り返ることはないはずだよ。みんなベテランのプレイヤーだし、それ以上に重要なことは、みんな地に足がついているということだ。それがこの業界では大きな意味を持つのだから。

Q8: Crimson Glory is famous for its masks, but this time the area of the mask has been reduced, giving the impression of being more stylish. Why did this mask change happen?

【JEFF】: The original masks were full face and were the brainstorm of Jon and our former manager. At the time, it seemed like a publicity stunt. However, it did create a mystique which got us the cover of many music magazines. The problem was that we looked like mannequins because of the complete lack of facial expressions. When we were traveling in a van somewhere in Europe on our first tour, there was a music magazine with the band Duran Duran on the cover sitting on the seat. This was before cell phones, mind you, so, sitting there bored out of my mind I grabbed a silver sharpie, started doodling and drew half-faced silver masks on each guy, making each one a little different than the other. I showed this to somebody, I forget who, but they thought it was a good idea. Going forward we started cutting our full face masks diagonally, each one a little differently than the other. This was the era between the release of our debut and Transcendence, hence, the evolution of the full face masks to the stylized half face masks on Transcendence. With the return of CG, it just seemed appropriate to return to the look of the era in which the masks were born, except with a more modern look.

Q8: CRIMSON GLORY といえばマスクが有名ですが、今回はマスクの面積が小さくなり、よりスタイリッシュな印象を受けました。
このマスクの変更はなぜ起こったのですか?

【JEFF】: オリジナルのマスクはフルフェイスで、Jon と前マネージャーの発案だった。当時は少し売名行為のようにも思えたね。しかし、それによって神秘性が生まれ、多くの音楽雑誌の表紙を飾ることができたんだ。
問題は、表情がまったくないため、私たちがマネキンのように見えることだった。最初のツアーでヨーロッパのどこかのバンに乗って移動していたとき、DURAN DURAN というバンドが表紙の音楽雑誌が座席に置いてあった。まだ携帯電話を持つ前のことで、私は退屈しのぎに銀色のシャープペンを手に取り、落書きを始めた。これを誰かに見せたんだ(誰かは忘れたが)。それから、フルフェイスのマスクを斜めにカットするようになった。
これがデビュー作と “Transcendence” の間の時代で、フルフェイス・マスクから “Transcendence” では様式化されたハーフフェイス・マスクに進化した。CRIMSON GLORY が復活したことで、より現代的なルックで、マスクが生まれた時代に戻るのが適切だと思ったんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JEFF’S LIFE!!

Rush “2112”

Black Sabbath “Heaven and Hell”

Van Halen “S.T.”

Iron Maiden “Number of the Beast”

Metallica “Ride the Lightning”

MESSAGE FOR JAPAN

In Anime, and video games, not so much. Japanese food? I love it. As for music, I think Band Maid is a great band, with special props to their drummer, Akane. And I like Waggakki, too. Very cool act. I dig the Shamisen player.
We’ve been to Japan before and we love it there! Quite a few stories, not all of which I’m at liberty to go into, but there was one incident where a few Japanese fans actually flew back to the states with us just so they could be seated next to us for the ride. Now that’s devoted fans! We love the Land of the Rising Sun and hope to return!

アニメ、ビデオゲームはあまりしらないけど、日本食は大好きだよ!音楽では、BAND MAID は素晴らしいバンドだと思う。とくにドラマーの Akane は尊敬しているよ。和楽器バンドも好きでね。とてもクールなアクトだ。三味線奏者が好きなんだ。
日本には以前行ったことがあるし、大好きだよ!いろいろなエピソードがあって全部は言えないんだけど、日本のファンが僕らの隣の席に座りたすぎて、一緒に飛行機に乗ってアメリカに帰ってきたことがあったんだ。熱心なファンだよね!私たちは日出ずる国が大好きだし、ぜひまた行きたいと思っているよ!

JEFF LORDS

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COVER STORY 【MASTODON : LEVIATHAN】 20TH ANNIVERSARY !!


COVER STORY : MASTODON “LEVIATHAN 20TH”

“If You Play Jazz, You Should Listen To Metal. If You Play Metal You Should Listen To Jazz. If You Play Country You Should Listen To Classical, You Know What I Mean?”

LEVIATHAN

「地上の愚かさで人間の狂気に勝るものはない。水にはすべての人を惹きつける魔力がある」
2004年。今から20年前の夏、メタル・リフに革命をもたらし、リフの歴史を変えた2枚のアルバムがリリースされました。MASTODON の “Leviathan” と LAMB OF GOD の “Ashes of the Wake”。奇しくもその20年後、2つのバンド、2つのアルバムは邂逅し、共に旅をはじめます。

MASTODON のセカンド・アルバム “Leviathan” は2004年8月31日にリリースされました。その衝撃は津波のように伝わり、ジョージア州アトランタとその周辺のDIYシーンからバンドを大舞台へと連れ出しました。2004年の Unholy Alliance ツアーで SLIPKNOT, SLAYER のサポートを務め、2005年のOzzfest ではセカンド・ステージに登場。ライターや掲示板のユーザーたちは、彼らが次の METALLICA ではないかと推測し始めました。
この比較は、音楽的成長の質の高さからいえば適切なものでした。もちろん、2002年にリラプス・レコードからリリースされたファースト・アルバム “Remission” は、見事なまでにニヒルで野心的なデビュー作でした。バンドはヘヴィ・メタルの頂点に臆することなく立ち向かい、奇妙で伸びやかなメロディック・パッセージ、恐ろしいほどヘヴィな血の激流、そして先見性のある歌詞のアプローチなど、独自の特徴的なサウンドを見せつけていました。
しかし、”Leviathan” はそれ以上のまさに津波でした。傲慢、強迫観念、狂気を描いたハーマン・メルヴィルの古典小説 “白鯨” を軸にしたこのコンセプト・アルバムは、よりフォーカスされた、より大胆な作品となりました。IRON MAIDEN から THIN LIZZY, MELVINS まで、様々な影響が渦潮のごとく渦巻いていながら、彼らのリフやサウンドは完全にオリジナルでした。そして、オープナーのエクストリーム・アンセム “Blood and Thunder” から、海の底から蘇ったエイリアン的コーダ “Joseph Merrick” まで、モダン・メタルの叙事詩はリスナーを冒険の船旅へと誘います。

今では、”21世紀最高のメタル・アルバム” と呼ばれることも少なくない “Leviathan”。20年経った今、ドラマーでボーカリストの Brann Dailer はこのアルバムを “僕らのディスコグラフィーの柱のひとつであり、僕らのすべてを変えたアルバム” だと語っています。
「”Leviathan” で自分たちが新しい場所に行ったような気がして興奮したんだ」
興味深いことに、MASTODON はこのアルバムの制作にあたって、特に強い音楽的野心を持っていたわけではありませんでした。彼らが出すアルバムはどれも、”その時たまたま取り組んでいた曲” を反映しているだけなのです。楽曲で十分にジャムり、強力だと判断した時、バンドはアルバムをレコーディングします。”Leviathan” の音楽は比較的早くまとまりました。そして彼らの音楽的ヒーローである NEUROSIS の例に倣い、彼らは2004年初頭に CLUTCH をサポートしたアメリカの東海岸から西海岸にまたがるツアーを利用して、狂気の試みを実行に移しました。
「よし、”Leviathan” の全曲を演奏しよう。そして、基本的に毎晩、ライブの観客の前でアルバムのリハーサルをするんだ。レコーディング地、シアトルに着くまでに、すべてを把握しよう!」
サポート・アクトとして、メインのバンドの観客にまったく未知の曲をぶつけるのは、狂気か天才かのどちらかでしょう。MASTODON の場合は、おそらくその両方でした。そのツアーでバンドが “Blood and Thunder” をジャムっている動画が出回っていますが、ベーシスト兼シンガーの Troy Sanders は、この曲のリード・ボーカルの音程を試しながら、大混乱の中で歌詞にもならない無意味なことを叫んでいるだけでした。
2、3ヶ月のツアーを終えてシアトルに着く頃には、エンジニアの Matt Bayles はこうぶっきらぼうに言ったそうです。
「2度とこんなことはするな。オマエらもうヘトヘトじゃねーか!」

メルヴィルの小説の中で、エイハブ船長がモビー・ディックと呼ばれる巨大な白いマッコウクジラを追い求めざるを得なかったように、彼らは自らの可能性を追い求めました。
「何が自分たちの地平線の上にあるのか、見当もつかなかった。でも、僕たち全員が、自分たちの想像力のさまざまな面や、自分たちが好きなさまざまな影響を実験することに興味を持っていたんだ」
後年のリリースで MASTODON はより表現力豊かな “プログ” に接近したといわれています。しかし、このプログレッシブな感覚は、マストドン・プロジェクトに最初から備わっていたものでした。”Leviathan” は、型にはまらないという意味でも間違いなくプログレッシブなレコードです。長年ライヴで愛されている “Megalodon” では、ギタリストの Brent Hinds が中盤でブルー・グラスの長めのリリックを披露し、その後、急転直下、METALLICA の “Welcome Home (Sanitarium)” の後半を強く想起させる怒涛のスラッシュ・パートに突入する場面はその象徴でしょう。
「奇妙な並置が僕らのお気に入りなんだ。リスナーの意表をつくようなことは何でも大歓迎だ」
MASTODON はメタルなのでしょうか?
「有機的でヘヴィでソウルフル。音楽的に複雑で挑戦的なものもあれば、頭脳的な意味でヘヴィなものもある。自分たちがメタルだと言うことを恐れてはいない。メタルというジャンルには、いろいろな形があると思う。たぶん、世の中にある他のどんな種類の音楽よりも多くの形があると思う。ダイナミックに、メタル・ミュージックでできることはたくさんある。本当にソフトに演奏することもできるし、クソほどヘヴィに演奏することもできる。ハードの中のハードとヘヴィの中のヘヴィが同時に存在できる。メタルではそれが可能なんだ」

“Leviathan” で MASTODON は現代的なリフの可能性、つまりリズミックな挑戦を追求しました。言いかえれば、MASTODON と LAMB OF GOD の登場で、一般的なメタルのリスナーまでも複雑さを包容し、欲しがり始めたともいえます。そうした意味でも、”モダン・メタル” における MASTODON の貢献は計り知れません。では、そうした複雑さ、”プログレッシブ” な影響はどこから現れたのでしょうか?
「特に70年代のプログレッシブ・ロックに影響を受けた。例えば、”Colony of Birchmen” という曲名が “The Colony of Slippermen” へのオマージュであるように。GENESIS の “The Lamb Lies Down on Broadway”。あのコンセプト・アルバムは僕の一番好きなアルバムなんだ。
赤ん坊の頃から僕の人生の大部分を占めている。僕の両親は初期の GENESIS に夢中だった。母の昔のバンドは “Supper’s Ready” をよくカバーしていたんだ。僕にとって GENESIS はおばあちゃんのミートローフのようなもので、最初の数音をピアノで聴くと心が安らぐんだ」
Brann はドラマーとしても Phil Collins の大ファンです。
「彼のドラミングは大好きだし、彼が出した Peter Gabriel 以降のアルバム、”Abacab” も好きだ!GENESIS のドラマーとして、彼は驚異的だと思う。
多くの人が彼のことを “GENESIS をダメにした男” としか思っていなかったり、偉大で革新的なドラマーというよりは、ジャケットとネクタイ姿のラウンジ・シンガーとしてしか知らなかったりする。
僕が Phil Collins と Stevie Wonder が好きな2人のドラマーだと話すと驚かれるよ。多くの人は Stevie Wander が自分のアルバムでドラムを叩いていることさえ知らないんだ。ドラムは彼が最初に手にした楽器なんだ。Stevie は、Peter Gabriel, David Bowie と並んで、僕の一番好きなミュージシャンだ」

加えて、ジャズからの影響が MASTODON の複雑さと重さの架け橋になっています。
「ジャズで影響を受けたのは Elvin Jones, Billy Cobham, Tony Williams。この3人がトップ3だね。この3人のキットの動かし方が好きなんだ」
まさにモダン・メタルの多様性。では、メタル・プレイヤーにとって、ジャズを学ぶことは重要なのでしょうか?
「僕も勉強したことはないけれど、ミュージシャンとして一般的に何でも聴くべきだと思う。ジャズを演奏するなら、メタルを聴くべきだ。メタルをやるならジャズを聴くべきだ。カントリーをやるならクラシックを聴くべきだ。もし音楽をやっているのなら、音楽的な状況やセッティングに入るときに、自分が何を話しているのかを知っておくべきだからね。そうすれば、何が何に合うかを頭の片隅に置いておくことができる。あらゆる種類の音楽について一般的な知識を持っておくべきだ。世の中にはどんなジャンルにも宝石がある。それを探すんだ。Willie Nelson のように、多くの人がその音楽について語り、クラシック・アーティストとして賞賛されていれば、きっとその音楽は素晴らしいものであるはずだ。今はピンとこないかもしれないけど、後でピンとくるかもしれない。
若いうちは少し閉鎖的になりがちかもしれないけれど、あるスタイルの音楽に対して “絶対ダメ” とは言わない方がいいと思う。たとえ好きでなくても、その音楽について何か知っておくべきだと思う。13歳か14歳の頃、スラッシュ・メタルをよく聴いていたんだけど、その時は家では他のものを聴いていることを認めることができなかった。聴いていたけど、カッコつけてたんだよな」
THE MARS VOLTA のメンバーだった Jon Philip Theodore と比較されることも多い Brann。
「Jon は僕の相棒なんだ!ライブで知り合ったんだ。彼は僕の親友で、よく話をする。僕らのスタイルは絶対に似ていると思う。初めて Jon の演奏を聴いたとき、いろんな意味で自分を思い出したよ。似ているところがたくさんあると思うし、彼のスタイルが大好きなんだ。彼は本当に流動的で、最高においしいビートを持っている。彼がキットを動き回る様子はとても流動的で、でも僕には彼がやることすべてが正しい場所にあるように思える。ドラマーに聴かせたいものは何でも、彼がやってくれる。彼は私を幸せにしてくれるんだ」

とはいえ、MASTODON と Brann は別段突拍子もない特別なことをしたわけではありません。解放弦を多用したカントリー風のリック、ツインギターのハーモニー、バディ・リッチのような手数の多いドラム・マシンガン、幾何学的な変拍子。彼らはこれまであったものを活用し、うまく溶け合わせることで難解でヘヴィでありながらオーガニックという MASTODON のユニーク・スキルを築き上げました。特に、当たり前のようなリフ、古臭いカントリーのリック、シンメトリーなパターンを、雷のようなドラミングで磨き上げ、リズムのトリックを生み出し、現代的に仕立て上げる Brann の手練手管はもはやリフの一部でした。
こうした音楽にしては、Brann のドラムは驚くほどルーズでしなやか。死ぬほどハードに叩いているわけではないのに、ブルータルなサウンドを生み出しているのは驚異的です。
「すべてのパートで基本的なビートを作ってからいじくり回す。基本の枠にはとらわれない。ストレートなビートでないとうまくいかないリフもある。でも、多くの曲では、自分のやりたいことをやって、2秒後にそれを戻すことができるんだ。
若い頃、たぶん16歳か17歳の頃、ツーバスに頼りすぎていると感じていた。シングルベースだけでビートをフルにするようにしたんだ。ツーバスは、必要なときにアクセントとして入れるんだ。軍艦や戦車が転がってくるようなリフもあって、そこで必要になる。
僕が演奏しているときの目標は、飛び立つことなんだ。飛び立ってどこかに行く。毎回そうなるわけではない。でも、もしその場所に行くことができたら、音楽を演奏することで得られる、ほとんど体の外にいるような体験がしたいんだ」

当時、スピードと”正確性” へと向かっていたメタルのトレンドを揺り戻したのも MASTODON でした。
「演奏にもっと多様性が出てくるといいよね。僕は超高速のツーバスが得意じゃないから、手を開発したんだ。手を鍛えるのと一緒に、クレイジーなフィルとかもたくさんできるようになった。僕のドラムの多くは、僕ができなかったことを許容した結果なんだ(笑)。そういうプレイをする連中が一番上手いんだから、わざわざ僕がいじろうとする必要はないだろう。僕はただ自分のことをするだけで、自分自身のオリジナリティを保ち、できる限り挑戦し、自分がプレーできる最もクールなものを考えるようにしたい。時には AC/DC のPhil Rudd になることも必要だ。僕はただ、自分が演奏しても面白いし、リスナーが聴いても面白いパートを作るように心がけている。音楽を中心にビートを組み立てているんだ。その時に鳴っているリフからインスピレーションを受けるんだ。そうすると、トランジションを作りたくなるし、クレッシェンドを作りたくなる。ドラマーとして求めている激しさが曲の中で起こるようにしたいんだ。次のレベル、”ランナーズ・ハイ” のようなものをね。それをいつも探しているんだ」
Brann はそれでも “ただドラムを叩いていただけ” と自身の貢献を軽視しますが、”Iron Tusk” の冒頭のドラム・ブレイクは、明らかに MASTODON が偉大なメタル・バンドの仲間入りを果たした瞬間でした。しかし、Brann にとってより重要だったのは、”感情にフックする” ことであり、偉大なヘヴィ・ミュージックを生み出した “原始的な場所” に行くことでした。そして、Brann にはその夢を分け合った盟友が存在したのです。
「彼は僕のハイハット・スタンドにメモをテープで貼っていた。演奏する前にね。それは、”Seabeast”…”Seabeast”はやらないの?せめて最後のリフだけでも……お願い……”って感じだった」
SLIPKNOT とツアーを共にした際、Joey Jordison がBrann のサウンドチェックを見ていた時の話。モダン・メタル界で最も偉大なドラマーである2人が、互いのプレイを見守り、賞賛し合っていたのです。両者とも “忙しない” ドラマーとして名を馳せましたが、スネアを鳴らして楽曲を作り上げた Brann に対して、足とバスドラで主張する Joey はまさに好対照の好敵手でした。
ともあれ、Joey の懇願は十分に理解できます。”Seabeast” は、異世界のように蛇行したギターラインとのトリッピーで漂うようなボーカルから、一風変わった音階の轟音コーラスで推進力を得て進む海獣。最後のリフは、そのギザギザの牙で強襲しながらバンドが今日まで忠実に守っている激しさを見せつけます。
「他の作品がよりポップになったり、スーパー・プログレッシヴになったとしても、少なくとも1枚のアルバムに2、3回は、常に牙を見せようとしているんだ」

とはいえ、MASTODON には怒りや激しさだけがあるわけではありません。
「妹は僕が15歳の時に自殺した。妹は14歳だった。それから13年。僕が心の中に抱えていたすべての痛み。姉を失った痛みはいつもそこにあった。TODAY IS THE DAY では怒りが込み上げてきた。それ以降は、怒りたくない。MASTODON で活動を始めてアトランタに移ったとき、個人的に大きな癒しがあった。それには MASTODON が大きく関係している。それが、”Remission” を作った大きな理由のひとつだ。Remission とは、許しと癒しという意味だ。MASTODON が助けてくれた。人生に起こった多くのことを許してくれた」
彼らの音楽が複雑になるにつれ、バンドは “Leviathan” ほど直接的な攻撃性を見せることはほぼなくなりました。だからこそ、シンプルかつ強烈な “Blood and Thunder” のメイン・リフを思いついた瞬間は、まさに奇跡でした。MASTODON 流 “Paranoid”, “Enter Sandman”, “Highway Star” のようなアンセムで、シンプルで、即効性があり、誰も否定することはできません。
「”Blood and Thunder” の最初のリフが出来上がったとき、全員が部屋に集まって、100時間演奏し続けたよ!」
Brann に言わせれば、バンドはあのリフで宝くじに当たったようなもので、そこからリスナーは MASTODON に病みつきになるのです。
“Blood and Thunder” が天才的なのは、その原作である “白鯨” のエッセンスを巧みに抽出しているところでもあります。”Blood and Thunder!” という絶叫自体が、18世紀に一種の誓いとして生まれたもの。小説では、ペレグ船長が叫び、彼が所有するペコッド号の乗組員たちに、エイハブ船長の指揮の下、急いで出港するよう促す呼びかけの言葉でした。
1984年の “Powerslave” に収録された IRON MAIDEN の名曲 “Rime of the Ancient Mariner” が、基本的にコールリッジの同名の詩を自分たちのために書き直したのとは異なり、MASTODON は白鯨をテーマのバックボーンとして使用しています。”Aqua Dementia” (ボーカルは NEUROSIS の Scott Kelly)では、彼らはさらに踏み込んで、船室の少年ピップがクジラ船から飛び降り、一時的に海に捨てられている間に精神に異常をきたした経験を詳しく説明しています。
「水とか火とか、いろんなものを使いたかった。純粋な攻撃性も欲しかったし、美しさも欲しかったし、すべてが混ざり合っていたかった」

この曲のもうひとつのイメージである “大地を燃やす完璧な火” は、アルバムの水のテーマに反するもの。MASTODON の最初の4枚のアルバムがそれぞれ元素のひとつをテーマにしているのは、”Remission” のリリース後に考案されたものでした。”Remission” の火のシンボルを認め、そして彼らは、次の作品に水を求めたのです。
水というテーマは、その性質上、絞り込むのが難しく、Brann は2003年のハワイ滞在中に “白鯨” を購入しました。この本がハワイに由来することも、ハワイの火山の女神ペレの燃えるようなイメージがリヴァイアサンの歌詞に残っていることもそれが理由。また、このアルバムの中で最も過酷で不協和音が多い “ĺsland” に描かれているように、1973年にアイスランドのハイマエイ島で起きた噴火にも言及しています。
そして “Hearts Alive”。この曲は言葉ではとても言い表せません。まるで海そのもののようなサウンド。海水は揺れ動き、沸騰し、重厚なリフと揺らめくアルペジオが互いに重なり合う。そして高揚感あふれるギター・ソロ。さながらメルヴィルの小説の最後に出てくるペコッド号の沈没に対する鎮魂歌のように、最後の3分間で鳴り響く勝利の和音と湧き上がるリズムの波動。白鯨とマストドンが共に水面を突き破り、海は墓場となり、空に向かって上昇していきます。
さらに白鯨と鯨狩りの道具は、Brann とジャケット・アーティストのポール・ロマーノとの会話に完璧なインスピレーションを与えました。バンドは、”M” の後ろに交差した銛をバンドのロゴ兼海上の紋章のように使用。ロマノがこのアルバムのために制作したアートワークは、MASTODON の歌詞と音楽に加え、小説や関連する原典、学術的なリサーチなど、多くの素材に恵まれました。そうして、船を背負った巨大な白鯨の威厳は、音楽史上最も壮大なアルバム・ジャケットのひとつとなったのです。
「アルバムが完成したとき、駐車場に座ってビールを1ケースくらい飲みながら、”Leviathan” を何度も何度も聴いたのを覚えている。出来上がりにとても興奮していた。みんながどう思うかはわからなかった。”Blood and Thunder” については、シンプルでストレートすぎると怒っていた人たちがいたのを覚えている。でも、自分たちが書きたいこと、好きなことを書いていただけなんだ」
そうして “白鯨” を捕まえた “Leviathan” から20年。結成から四半世紀が経とうとしていますが、MASTODON のもうひとつの特筆すべき点は、2000年以降メンバーを一人も失っていないことでしょう。エイハブのような執念が、彼らをこれまで以上に強く結び付けているのです。
「同じ4人組がずっと活動を続けているのは、確かに最近では珍しいことだと思う」

参考文献: INK19:An Interview with Brann Dailor of Mastodon

LOLIPOP MAG: MASTODON

KNOTFEST:Of Fire and Water: Twenty years of Mastodon’s ‘Leviathan’

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SEVENTH DIMENSION : OF HOPE & ORDEALS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUCA DELLE FAVE OF SEVENTH DIMENSION !!

“I First Discovered Japanese Culture Back In 2014. Actually It Was Back When Babymetal Was Starting To Become Big In The West And I Was Part Of The Early Bandwagon Of European Fans.”

DISC REVIEW “OF HOPE & ORDEAL”

「最近は、歌詞のアイデアの多くに日本文化が確かに影響しているよ。日本人である妻が最近、”雨ニモマケズ” という有名な日本の詩を紹介してくれてね。その詩の内容の多くが、僕の周りにいる多くの日本人の友人の中にあることに気づいたから心に残ったんだ」
“ほめられもせず 苦にもされず そういうものに わたしはなりたい”。宮沢賢治 “雨ニモマケズ” の最終節です。もしかすると、プログ・メタルというジャンル自体、音楽シーンのなかではまさにそんな存在なのかもしれません。欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている。デクノボーと呼ばれるかもしれない。それでも、こうした音楽に楽しみや癒しや救いを求める者があれば、行って希望を叶えてあげる。スウェーデンの SEVENTH DIMENSION はそんなプログ・メタルになりたいのです。
「僕らの音楽はプログレッシブでありながら、とても聴きやすい音楽でありたいといつも思っているんだ。コード進行の中で時々変なところに行ったり、長い曲があったりするかもしれないけど、曲が長く感じられるようには決してしたくない」
闇があるからこそ光が差す。試練があるからこそ希望がある。SEVENTH DIMENSION の最新作 “Of Hope & Ordeals” は、エゴと欲望が渦巻くこの暗い世界を迷宮という試練に例えながら、いつかは出口という光にたどり着くと歌います。プログという複雑で迷宮のような音楽において、色とりどりのメロディはまさに悦楽であり希望。そう、彼らはプログという一見エゴイスティックな音楽が、その実最も欲望や妬みから程遠いことをその音楽で証明します。煩悩よりも才能を。あまりに見事な甘やかなアートはそうして、世界の闇をクリスタルで払います。
「日本の音楽シーンで一番好きなのは、ジャンルは違っても、実際の楽器を使って音楽を演奏することが、今でも演奏やレコーディングのメジャーなスタイルだというところだね。西洋では多くのジャンルがそれを放棄し、プログラミングに完全に取って代わられていると感じるからね。だから、ポップ・ミュージックの中にも、人間的な要素がまだ強く残っている日本が好きなんだ」
そんな彼らの “試練”、プログ・メタルに大きな影響を与えたのが、日本の優しさの文化であり、日本の音楽世界のあり方でした。日本で4年間を過ごしたギタリスト Luca Delle Fave は、この国にきてまず、本物の楽器が今も幅を利かせていることに驚きました。なぜなら、欧米のシーンはプログラミングが今や音の大部分を占めているから。
フィジカルな “練習” を必要としないインスタントなサウンドは、プログという “試練” や “苦悩” とは真逆の場所にあります。だからこそ、そこには SEVENTH DIMENSION の求める光や希望は存在しないのかもしれません。日本で楽器を修練し、プログレッシブであることを許され、勇気を得た彼らは、そうしてグラミーを獲得した DREAM THEATER の背中を追います。
切なくも色香のあるラブリエのような歌声に、難解をフックに変えたインストの妙、そして美しきアトモスフィア。これまでスウェーデンの “Seventh” といえば Wonder でしたが、”Dimension” もこれからは外すことができないでしょう。
今回弊誌では、Luca Delle Fave にインタビューを行うことができました。「日本の文化を知ったのは2014年のこと。実はBabymetal が欧米でビッグになり始めた頃で、僕はヨーロッパのファンの初期メンバーの一員だったんだ。それで、Babymetal の最初のヨーロッパ公演を何度か見に行ったんだけど、そこで生まれて初めてたくさんの日本人に会ったんだ。彼らの優しさ、敬意、謙虚さに心を打たれた。その後、Babymetal コミュニティの中で多くの日本人の友人を作り、最終的に2015年初めに日本を訪れることになった。1カ月滞在した僕は、自分が見つけたこの新しい世界にすっかり魅了され、日本語を流暢に話せるようになって日本に住むことを決意したんだ」 どうぞ!!

SEVENTH DIMENSION “OF HOPE & ORDEALS” : 10/10

INTERVIEW WITH LUCA DELLE FAVE

Q1: First of all, I was surprised to hear that you have lived in Japan for four years! Why are you so closely connected to Japan?

【LUCA】: I first discovered Japanese culture back in 2014. Actually it was back when Babymetal was starting to become big in the west and I was part of the early bandwagon of European fans. So I went to see them live in several of their first European shows and by doing so, I met plenty of Japanese people for the first time in my life. I was struck by their kindness, respect and humbleness. I then made many Japanese friends within that community which eventually brought me to visit Japan in early 2015. I was there for a month and I completely fell in love with this new world I had found, which led to my decision to commit to become fluent in Japanese and live there. It might sound cheesy for some, but I found a lot of peace in Japan and discovered a lot of what I value in life by living there. I’m back in Sweden now for various reasons, but Japan is always a second home to me.

Q1: まず、あなたが日本に4年間住んでいたと聞いて驚きました!なぜそんなに日本と関係が深いのですか?

【LUCA】: 日本の文化を知ったのは2014年のこと。実はBabymetal が欧米でビッグになり始めた頃で、僕はヨーロッパのファンの初期メンバーの一員だったんだ。それで、Babymetal の最初のヨーロッパ公演を何度か見に行ったんだけど、そこで生まれて初めてたくさんの日本人に会ったんだ。
彼らの優しさ、敬意、謙虚さに心を打たれた。その後、Babymetal コミュニティの中で多くの日本人の友人を作り、最終的に2015年初めに日本を訪れることになった。1カ月滞在した僕は、自分が見つけたこの新しい世界にすっかり魅了され、日本語を流暢に話せるようになって日本に住むことを決意したんだ。
安っぽく聞こえる人もいるかもしれない。だけどね、僕は日本で多くの安らぎを見つけ、日本で生活することで今、人生で大切にしていることの多くを発見した。今は様々な理由でスウェーデンに戻っているけど、日本は僕にとって常に第二の故郷だよ。

Q2: After living in Japan, how do you feel about the Japanese music and metal scene? Were there any artists you particularly liked?

【LUCA】: My friend listens to a lot of Visual Kei, so he tried to get me into a lot of stuff haha. But ‘Girugamesh’ had a lot of really great music. Ulma Sound Junction is also a great band! I know them because they played with us when Seventh Dimension played at Wild Side in Tokyo in 2019. But the thing I love the most about the music scene in Japan is that, despite the genre, playing music with actual instruments is still the main way to perform and record. While I feel that so many genres in the west have abandoned that for complete replacement by programming. So I like that big human factor still being strong, even within pop music.

Q2: 日本に住んでみて、日本の音楽やメタル・シーンについてはどう感じましたか?特に好きなアーティストはいましたか?

【LUCA】: 僕の友達がヴィジュアル系をよく聴いていて、僕をいろんなバンドに引き込もうとしたんだ (笑)。でも girugamesh には本当に素晴らしい音楽がたくさんあったな。Ulma Sound Junction も素晴らしいバンドだ!2019年に SEVENTH DIMENSION が東京のワイルドサイドで演奏したときに一緒に出演したから知っているんだ。
だけどね、日本の音楽シーンで一番好きなのは、ジャンルは違っても、実際の楽器を使って音楽を演奏することが、今でも演奏やレコーディングのメジャーなスタイルだというところだね。西洋では多くのジャンルがそれを放棄し、プログラミングに完全に取って代わられていると感じるからね。だから、ポップ・ミュージックの中にも、人間的な要素がまだ強く残っている日本が好きなんだ。

Q3: Does Japanese culture, anime, video games, history, and music influence your work?

【LUCA】: Culture sure does when it comes to many of the lyrical ideas I get recently. My wife, who is Japanese, recently introduced me to a famous Japanese poem called 雨ニモマケズ and it stayed with me because I recognize a lot of it’s content in many Japanese friends I have. It also made me realize how much life in Japan has helped form some of my ways of thinking. And all these things surely make their way into our music sometimes. I also studied orchestration & arrangement and graduated at SHOBI College of Music in Tokyo, so a lot of what I learned there has been applied to our new album.

Q3: 日本の文化、アニメ、ビデオゲーム、歴史、音楽はあなたの作品に影響を与えていますか?

【LUCA】: 最近は、歌詞のアイデアの多くに日本文化が確かに影響しているよ。日本人である妻が最近、”雨ニモマケズ” という有名な日本の詩を紹介してくれてね。その詩の内容の多くが、僕の周りにいる多くの日本人の友人の中にあることに気づいたから心に残ったんだ。
また、日本での生活がどれだけ僕の考え方を形成するのに役立っているかも実感させられた。そして、こういったことはすべて、時に僕たちの音楽にも確実に影響を及ぼしている。また、僕は東京の尚美ミュージック・カレッジでオーケストレーションとアレンジを学び、卒業しているから、そこで学んだことの多くが僕たちの新しいアルバムに生かされているよ。

Q4: Still, “Of Hope & Ordeals” is a great piece of work! Can you start by telling us the meaning of the title and the artwork with the Final Fantasy-like crystals?

【LUCA】: The title came about a year ago. I suggested the title to the guys in the band on Midsummer’s Eve last year, which is a big holiday here in Sweden, once the general topics and lyrical ideas were already set in motion. I realized a lot of them dealt with hardships but also finding light at the end of the dark tunnel. So this title popped up into my head, and it really connected with everyone. When it comes to the artwork, one of our main ideas from the beginning was to have an album where we “paint with many colors”. So we wanted each song to have its own vibe and color. So each color represents a song, and then every color is also found again within the 6 chapters of the final song. Originally in my draft art, it looked more like a sunflower, but we knew early on we wanted to have things like stones or crystals. The labyrinth in the middle represents the album title. In other words, we wanted to symbolize the word “Ordeals” with the feeling of being stuck in a labyrinth trying to find your way out to the colors that represent “Hope”. The labyrinth also felt very fitting for the genre, since with prog you never really know what’s behind the corner, where the path will lead you or how long the path is.

Q4: それにしても “Of Hope & Ordeals” は素晴らしい作品ですね!
まずはタイトルと、まるでファイナル・ファンタジーのようなクリスタルを使ったアートワークの意味から教えていただけますか?

【LUCA】: タイトルは1年ほど前につけたんだ。昨年の夏至の夜にバンドのみんなにタイトルを提案したんだよ。スウェーデンでは大きな祝日なんだけど、大まかなトピックと歌詞のアイデアはすでに決まっていた。その多くが苦難を扱っていると同時に、暗いトンネルの先に光を見出すことをテーマにしていることに気づいたんだ。だからこのタイトルが頭に浮かんだんだ。
アートワークに関して言えば、当初からの主なアイデアのひとつは、”たくさんの色で描く” アルバムにすることだった。だから、それぞれの曲にそれぞれの雰囲気と色を持たせたかった。それぞれの色が曲を表し、そしてすべての色が最終的な曲の6つのチャプターの中でまた見つかる。
もともとはひまわりのようなイメージだったんだけど、石やクリスタルのようなものにしたいと早い段階から思っていたんだ。真ん中の迷宮はアルバム・タイトルを表している。つまり、”Ordeals (試練)” という言葉を、迷宮から抜け出せずに “Hope (希望)” を表す色に辿り着こうとしているような感覚で象徴したかった。また、プログの世界は、曲がり角の向こうに何があるのか、道はどこにつながっているのか、道のりはどれくらい長いのか、わからない音楽なので、迷宮はこのジャンルにとてもふさわしいと感じたんだよね。

Q5: This is truly an “Ordeals” time in the world, where war, division, and oppression are rampant. In such a world, what can music do and what can music be “hope”?

【LUCA】: I think hope, or peace, is always achievable, because more often than not it is the result of a mindset. Sometimes hope and ordeals are codependent on one another, as in we can’t fully appreciate hope and peace unless we’ve experienced struggle and hardship. A certain mindset can also hinder you from finding peace, such as being caught in greed for example which then becomes this hunt for a goal line that constantly moves away from you the closer you get to it, almost like the horizon. But music is definitely a wonderful tool when we struggle with these questions. They often offer a remedy, a temporary relief or even help us deep dive into answering these questions. I think that musical stimulation combined with human interpretation leads us to a very special and meditative place of self reflection.

Q5: 今、世界では戦争、分断、抑圧が蔓延していて、まさに “試練” の時代ですよね。そのような世界で、音楽ができること、音楽が “希望” となれることは何でしょうか?

【LUCA】: 希望や平和は常に達成可能なものだと思う。希望と試練は互いに共依存していることがある。つまり、闘争や苦難を経験しなければ、希望や平和を十分に理解することができない。
ある種の考え方は、平和を見出す妨げになることもある。例えば、貪欲さにとらわれていると、ゴールに近づけば近づくほど遠ざかっていく、まるで地平線のようなゴールラインを追い求めることになる。
しかし、このような疑問と闘うとき、音楽は間違いなく素晴らしいツールだ。音楽は多くの場合、救済策や一時的な安らぎを与えてくれるし、こうした疑問の答えを導き出すために深く潜る手助けさえしてくれる。人間的な解釈と組み合わさった音楽的刺激は、僕たちを非常に特別で瞑想的な自己内省の場へと導いてくれるんだ。

Q6: What’s more, in such a dark world, perhaps the fantasy of metal and prog as an escape from reality is what the world needs most right now?

【LUCA】: That’s exactly it! And sometimes an escape is what we really need. This is really why I love big long songs such as Black Sky: Final Frontier on this album. Long pieces like that really make you temporarily forget about the world around you.

Q6: さらに、このような暗い世界では、現実逃避としてのメタルやプログレのファンタジーこそが、今世界が最も必要としているものなのかもしれませんね?

【LUCA】: まさにそうだね!時には逃避行も必要なんだ。だから、このアルバムの “Black Sky” のような長い曲が大好きなんだ。ああいう長い曲は、一時的に周りの世界を忘れさせてくれるからね。

Q7: Your cover of ” A Change of Seasons” was wonderful! It’s true that your music is influenced by Dream Theater, especially the atmospheric feeling of the Kevin Moore and Derek Sherinian era before Jordan Rudess joined the band. Would you agree?

【LUCA】: Oh absolutely! For us, Dream Theater is a huge influence, there is no denying that. However we probably mostly grew up with the Jordan era of Dream Theater actually, which is my favorite era in general around 2000-2011. This is also of course because that is when I became a musician, fell in love with music, discovered prog and discovered all my favorite bands. I guess a person’s favorite era of music is always the era that took place whenever they were around 20 years old, haha. However we are of course big fans of DTs early Kevin Moore-era as well, and ‘A Change of Seasons’ is my favorite song of all time which is also why we covered it.

Q7: “A Change of Seasons” のカバーは素晴らしかったですね!
あなたの音楽は DREAM THEATER、特に Jordan Rudess が加入する前の Kevin Moore や Derek Sherinian 時代の雰囲気から影響を受けているように感じました。

【LUCA】: もちろん!僕らにとって DREAM THEATER の影響はとても大きい。でも、僕たちは Jordan 時代で育ったんだ。2000年から2011年ごろかな。それはもちろん、僕がミュージシャンになり、音楽を好きになり、プログを発見し、好きなバンドを見つけた時期でもあるからだ。
人の好きな音楽というのは、常に20歳前後のときに体験した時代なんだろうね。”A Change of Seasons” は僕の一番好きな曲で、それがこの曲をカバーした理由でもあるんだ。

Q8: It is important to note that your music is technical and progressive, yet has very catchy melodies. Prog and metal music is not the most popular music, but with such melodic beauty, is it possible to gain great popularity through buzz on social networking sites and TikTok?

【LUCA】: We sure hope so! Haha. But I think we always wanted our music to sound proggy but at the same time being very listenable prog. We might go to odd places within our chord progressions sometimes or have long songs, but I never want a song to feel long, with the exception of ‘The Dreamer’s Escape’ on our third album which is purposely designed to feel long. But there’s a common goal I want to achieve when it comes to having long songs, writing an odd chord progression, writing in odd time… And that is that I always want it to feel smooth and natural. Unless there is a conceptual/lyrical/story reason for it not to do so.

Q8: あなたの音楽はテクニカルでプログレッシブでありながら、非常にキャッチーなメロディを持っていることが重要です。
プログやメタル・ミュージックは最もポピュラーな音楽ではありませんが、このようなメロディーの美しさがあれば、SNSやTikTokで話題となり、大きな人気を得ることも可能でしょうか?

【LUCA】: そうだといいよね!ハハハ。でも、僕らの音楽はプログレッシブでありながら、とても聴きやすい音楽でありたいといつも思っているんだ。コード進行の中で時々変なところに行ったり、長い曲があったりするかもしれないけど、曲が長く感じられるようには決してしたくない。3枚目の”The Dreamer Escape” を除いてね。あれはわざと長く感じるようにデザインしていたから。でも、長い曲や変則的なコード進行、変則的な拍子で書くことに関しては、達成したい共通の目標があるんだ。それは、常にスムーズで自然な感じにしたいということだ。コンセプチュアル/叙情的/ストーリー的な理由がない限りはね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LUCA’S LIFE!!

Jean-Michel Jarre “The Concert in China”

Iron Maiden “A Matter of Life and Death”

Dream Theater “Metropolis Pt. 2: Scenes From a Memory”

Symphony X “The Odyssey”

Porcupine Tree “Fear of a Blank Planet”

MESSAGE FOR JAPAN

Japan, you are my second home, now and forever! Playing in Japan with Seventh Dimension in 2019 was the best show of our career and we definitely want to come back and do a proper tour. We love you, I love you and we shall see you again! And when we do, we shall prepare a bunch of incredible setlists to make it an unforgettable tour!

日本は僕の第二の故郷だよ、今も昔も!2019年の日本のライブは僕らのキャリアの中で最高のショーだったし、絶対にまた日本でちゃんとしたツアーをやりたい。とにかく、日本が大好きなんだ!そしてその時は、忘れられないツアーにするために、たくさんの素晴らしいセットリストを準備しよう!

LUCA DELLE FAVE

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COVER STORY + INTERVIEW 【MNEMIC : THE AUDIO INJECTED SOUL】20 YEARS ANNIVERSARY REUNION !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIRCEA GABRIEL EFTEMIE OF MNEMIC !!

“The Label “Fusion Future Metal” Was Our Definition Of What We Saw As The Potential For The “Djent” Genre, Even Before The Term Became Popular.”

DISC REVIEW “THE AUDIO INJECTED SOUL”

「”フューチャー・フュージョン・メタル” というラベルは、 “Djent” というジャンルが一般的になる前から、その音楽の可能性を見出していた僕たちの定義だった。だから今日、多くのバンドが僕たちの貢献をリスペクトし、認めてくれているのを見ると、信じられないほど嬉しいよ。たとえ当時の市場とタイミングが完全に一致していなかったとしても、僕たちが正しい道を歩んでいたことを再確認させてくれるからね」
音楽の世界には、多くの “早すぎた” バンドが存在します。しかし、ラテン語で “記憶” を意味するデンマークの MNEMIC 以上に、メタル世界の記憶に残った “早すぎた” バンドはいないでしょう。”MAINLY NEUROTIC ENERGY MODIFYING INSTANT CREATON”。”瞬時の創造性をモディファイする主なる神経症的エネルギー” の略語を同時に冠する偉大なバンドは、実際その当時の創造性を限りなくモディファイして、風のように去っていったのですから。
「僕たちは MESHUGGAH のようなバンドに大きな影響を受けた最初のバンドのひとつで、彼らが僕たちのサウンドに何らかの影響を与え、僕たちの音楽のポリリズムのコンポジションの一部を形作るのに役立ったんだと思う。とはいえ、SYBREED や TEXTURES など、僕らと同時期に活動していた他のバンドもいたから、その功績をすべて取り上げるのはフェアではないと思う。また、Djent というジャンルを本当に確固たるものにした、僕たちよりもずっと才能のあるバンドが後から市場に現れたことも忘れてはならないね。ただ僕たちは、Djent というジャンルを押し上げるために、その一翼を担えたことを嬉しく思っているんだ」
Djent といえば、MESHUGGAH が神であり、PERIPHERY が生みの親という認識がおそらく一般的なものでしょう。しかし MESHUGGAH のポリリズミックな有機的骨組みから、PERIPHERY の煌びやかな数学的キャッチー・プログの間には大きな隔たりがあるようにも感じられます。そう、進化は一晩で起こるものではありません。両者の間のミッシング・リンクこそが、MNEMIC であり、SYBREED であり、TEXTURES であったと考えるのが、今となってはむしろ自然な成り行きではないでしょうか?
「140カ国でいまだにこのバンドを聴き続けてくれているという事実と、バック・カタログが10万枚ほど売れているという事実に基づいている。時代は変わった。僕たちは、良い演奏をしなければならなかった時代、すべてがそれほど洗練されている必要がなかった時代、レコード制作において過剰に修正する必要がなかった時代の人間だ。だからこそ、僕たちは適切なチームと一緒に、昔の曲でも当時と同じように、よりシャープに、よりプロフェッショナルに演奏できることを証明したいんだ」
時代は変わりました。当時、インダストリアルや Nu-metal の一派として、SOILWORK の亜流として片付けられていた MNEMIC は掘り起こされ、Djent の始祖という正当な評価を手にしました。気は熟しました。そうして、彼らのマイルストーンとなった “The Audio Injected Soul” 20周年の年に、MNEMIC は華々しい復活を告げたのです。
この作品がなぜ革新的だったのか。それはもちろん、MESHUGGAH の偉大な骨格に、後の Djent が得た自由、多様なジャンルのパレットをもちこんだから。ただし革命はそれだけにとどまりません。当時のリスナーは、この作品の音の立体感に驚愕をおぼえたものです。
AM3Dテクノロジー。バイノーラル技術を駆使しリスナーの周りの3次元空間の特定の場所に音を定位させるように音を処理するテクノロジー。言葉の意味はわからずとも、ギターの音は極めて鮮明、ベースとドラムは響き渡り、背景にはアンビエント・サウンドが渦巻き、ボーカリスト Michael Bøgballe の分裂症のような遠吠えと嘲笑がミックスの至る所に現れるあまりにも強烈なサウンドは、アートワークの心脳をつんざくヘッドフォンを地でいっていたのです。音圧の破壊力。それは、1986年の傑作 “Rage For Order” で QUEENSRYCHE が見せつけたスタジオの大胆な魔法、その再現でした。
今回弊誌では、Mircea Gabriel Eftemie にインタビューを行うことができました。解散から11年を経て、MNEMIC は盟主として、歴史として、そして再び挑戦者としてメタル世界に戻ってきます。ついに時代は追いつきました。我々は、かつて MNEMIC がアルバムで描いた “多重人格” のカオスを全身で感じ取るのみ。今は亡き Guillaume Bideau をフィーチャーした “Passenger” もいいんですよね。どうぞ!!

MNEMIC “THE AUDIO INJECTED SOUL” : 10/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ARKA’N ASRAFOKOR : DZIKKUH】


COVER STORY : ARKA’N ASRAFOKOR “DZIKKUH”

“Metal Comes From Rock. Rock Comes From Blues. Blues Comes From The Blacks Deported To America. The Very Basis Of Metal Comes From Home. Metal Is African!”

DZIKKUH

トーゴ出身のメタル・バンドが、世界に羽ばたこうとしています。Arka’n Asrafokor は、メタルの激情とトーゴの音楽遺産を見事に融合させています。同時に、彼らはモダン・メタルの多様性を理解して、ファンク、ラップ、サイケデリックなタッチを混淆し、地球という唯一無二の美しき星へ音楽を捧げているのです。
3月末。Metal Hammer が週間ベスト10曲を発表しました。このおすすめリストは、通常、北米とヨーロッパのアーティストが独占しています。しかしその週は、メタル界のレジェンドたち、Ozzy Osbourne や Serj Tankian に混じって、トーゴのバンド Arka’n Asrafokor がシングル “Angry God of Earth” でランクインし、ガラスの天井を打ち破ったのです。この曲は、竜巻のようなスラッシュで始まり、儀式的な香りを匂わせる催眠術のようなテクスチャーを召喚。生のメタルと西アフリカの祖先の響き、母なる大地への祈りを巧みに融合させています。
「我々が選ばれたと聞いたとき、まず頭に浮かんだのは、どうして我々があんなところにいるんだろうということだった。きっとハードワークのご褒美なんだ。ロックは逆境に立ち向かうための、信念の行動だったから」
Kodzo Rock Ahavi は作曲を手がけ、ほとんどすべての歌詞を書いているバンドの顔。彼にとっても、Metal Hammer のようなビッグ・マガジンにチョイスされることは晴天の霹靂でした。

Ahavi は2010年、トーゴの首都ロメに数年前にオープンしたスタジオでデモのレコーディングを開始し、音楽プロジェクトをスタートさせました。そこで行う他のアーティストのプロデュースは、現在も彼の主な収入源となっています。
「トーゴのような国でメタル・プレイヤーとして生計を立てるのは難しい。芸術を愛するがゆえに、無償で演奏することを厭わない人でなければ、とてもじゃないけど続けられないよ!
トーゴにはメタル・シーンがひとつもなかったから、本当に大変だった。ステージもなかった。それに、みんなこの音楽が何なのか知らない。でも、トーゴのあちこちで戦略的に演奏してみたんだ。目的に応じて場所を選んだ。少しずつ、メタルが何なのかを知ってもらえるようになった。そして特に、私たちのスタイルが何なのかをね。そして驚いたことに、彼らはそれを気に入ってくれた。メタルを聴いたことがない人もいたけれどね。彼らは音楽の伝統的な側面が好きなんだ。彼らはそれを理解することができた。音楽は自分たちのルーツを映し出す鏡だった。
ここの人たちはロックを知っている。いいロックバンドがいる。でも、今のところトーゴで唯一のメタル・バンドは私たちだ。だから、音楽的な仲間がいたとは言えないと思う」

少しずつ、Ahavi はミュージシャンの友人を集め、自作曲と AC/DC や SCORPIONS のカバーを交互に演奏するライブを行うようになりました。そして口コミで、ほんの数週間のうちに、ロックとエクストリーム・メタルのファンで構成される、小さいながらも忠実な地元のファン・ベースが作られるようになったのです。
「反響はすごかった。カヴァーのリクエストはどんどん減り、オリジナル曲がどんどん増えていったんだ」
もちろん、困難もたくさんありました。
「私たちは悪魔崇拝者と呼ばれていた。少なくとも最初はそう呼ばれていた。西洋的なメタルのイメージ。黒い服を着て、ステージのあちこちで飛び跳ねたり、うなり声をあげたり…。でも、ファン層が広がり、クレイジーな連中がステージで何をしているのか、何を歌っているのかを彼らが理解したいと思うようになると、あっという間に状況は変わっていった。
自分たちのルーツから生まれた音楽だから、検閲もないしね。リスナーは自分が何を聴いているのかわかっている。トーゴの外に住んでいる人たちでさえね。例えばガーナのように、同じリズムと文化を共有している人はたくさんいる。私たちのメッセージは現実的で、人生や社会についてのもの。エキセントリックでも非倫理的でもない。だいじなのは自分の未来と自由のため、愛する人のために立ち上がり戦うこと、先人たちの残した足跡をたどること」

Arka’n Asrafokor はそうして2015年に誕生し、現在まで安定したラインナップを保っています。2019年、彼らはファースト・アルバム “Za Keli” をリリースし世界を驚かせました。トライバル、スラッシュ、グルーヴ、デス……といったメタルのサブカテゴリーを幅広く取り揃え、Ahavi が常に引き出してきた影響のるつぼを凝縮した作品。
「私たちのエウェ語で、Zã Keli とは闇と光、夜と昼という意味。この世界を支えている二面性、そして私たちはそれを受け入れ、調和し、自分の役割を果たさなければならないという事実を常に忘れないために、このアルバムタイトルを選んだんだ。Zã Keli の二面性は、アルバムのほとんどすべての歌詞で感じることができる。明るい花の咲く丘や暗い地獄のような谷、笑いや涙、学び、成長、しかし魂の内なる核は安全で、手つかずで、明るく、人間的であり続ける。私たちの曲を聴けば、希望に満ちた美しい平和的な言葉が、他の曲では憎悪と貪欲から私たちの母なる地球に死を撒き散らす者たち、罪のない生命を破壊する者たちへの無慈悲な戦いを呼びかける戦士の叫びが聞こえてくる」

リズムは、轟音のシーケンス、ファンク・エレガンス、アフリカの打楽器が組み合わさり、ラップ、レゲエ、サイケデリックなギターソロも取り揃えています。Ahavi は KORN と Jimi Hendrix、PANTERA と Eddie Van Halen を同じくらい愛しているのです。そして彼は、自分の創作過程をアーティストと作品との一対一の対話だと考えています。
「作曲をするときは、曲の流れに身を任せ、曲が私に何を求めているのかに耳を傾ける」
“Zã Keli” はオープナー “Warrior Song” から最後まで、メタル・アルバムでは出会ったことのないような楽器やサウンドの数々で楽しませてくれる作品でもあります。ガンコグイ(地元のカウベル)、アクサツェ(パーカッシブなシェイカー)、エブー・ドラム、ジャンベ、そして西アフリカのトーキング・ドラムなど、彼らがヘヴィ・メタルを解釈するための道具はまさに無限大。
6/8拍子で演奏されるほとんどの楽曲。これもまた彼らの民族音楽を強く反映しています。伝統に沿ったメタルの演奏にこだわるのは、自分たちのルーツを誇り、自分たちが何者であるかを世界に示すため。
特に近年の多様なモダン・メタル、その折衷的なカクテルの中では、ルーツが特別な意味を持ちます。
「私のベースのインスピレーションは、やはりトーゴの伝統文化。その雰囲気、その知恵だ。スピリチュアルなものは目に見えないことが多い。しかし、アルカーンやアフリカ全般にとって、物理的な力とスピリチュアルなものは2つの異なるものではない。それどころか、一方は他方の延長であり、その連続なんだ。身体、石、木には魂がある。私たちはスピリチュアルなものを音楽から切り離すことはしない。アルカーン という言葉は、まさにその宇宙の隠された側面を指している」

そして Arka’n Asrafokor の創始者は、自分がアフリカ大陸で異質なメタルを作っているとは思ってもいません。
「メタルはもともとアフリカのものだ。だからこそインスピレーションをブレンドしやすい。アフリカのメタルは、長い海を越えて帰ってきた放蕩息子を迎えるようなものなんだ」
彼の主張を理解するには、祖先が遠く離れた土地に無理やり連れ去られたという歴史を思い返す必要があります。
「西アフリカ人が奴隷として米国に連れて行かれ、その子孫がブルースを発明し、それがロックに進化し、さらにそれがメタルに進化した。そう考えれば、たしかにメタルはそもそもアフリカのものだろ?」
その誇りは音楽にもあらわれています。
「私たちの音楽は、アフリカで接ぎ木したヨーロッパのメタルではない。私たちは地元の言葉であるエウェ語を話すので、人々は私たちが歌うことの精神的な意味を理解できるからね。私たちが演奏するリズムも純粋なヨーロッパ的なものではなく、アフリカの人々はそれに共感する。ときどき村の人に我々の音楽を聴かせると、故郷のいい音楽だと言ってくれる。私たちのやっていることは、ある種ユニークで、ポップな傾向に縛られていないから、聴衆は年齢層で分けられることもない。誰でも聴くことができる」

素晴らしき “Za Keli” のあと、彼らは国際的に知られるようになり、他のアフリカ諸国でも公演を行うようになりました。海外で自分たちをアピールする機会がさらに増え、2019年末にガーナの首都アクラで行われたコンサートは、訪れた数人のヨーロッパのプロモーターまでも魅了し、フランス、ドイツ、スイスでの演奏に招待されたのです。それ以来、彼らは世界中でメタル・フェスティバルの常連となりました。
さらに、サハラ砂漠以南のメタルのアイデンティティを描いた著書 “Scream for me, Africa” で、アメリカ人作家のエドワード・バンチスが彼らを主役に抜擢します。ハック誌のインタビューで、アフリカの荒々しいサウンドを聴き始めるのに理想的なバンドについて尋ねられたとき、バンチスは躊躇しませんでした。
「Arka’n Asrafokor の音楽はクレイジーだ。聴く者を別世界に誘う。今まで誰も聴いたことのないものを聴くには、気合いが必要なんだ」
ボツワナの SKINFLINT のような他のアフリカン・メタル・バンドも、アフリカ大陸の音の遺産に敬意を表しているのはたしかです。
「アフリカのメタルは今やそれほど珍しいものではなくなった。ケニア、ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、ボツワナ、ウガンダ、アンゴラ……から推薦できるバンドはたくさんある。アフリカのデスメタルシーンの守護者であるボツワナの OVERTHUST と WRUST, OverthrustとWrust、ボツワナのヘヴィ・メタル SKINFLINT。ケニアの SEEDS OF DATURA や LAST YEAR TRAGEDY, 素晴らしき DIVIDING THE ELEMENTS, そしてもちろんチュニジアの MYRATH は最も世界的に知られたアフリカン・メタル・バンドのひとつだね。我々は皆、”訛りのあるメタル” をやっているし、そうあるべきなんだ」

しかし、彼と彼のバンド仲間たちはこのルーツとメタルのミックスを明らかに “別のレベル” まで高めているのです。それは、言語(彼らは英語、フランス語、トーゴ語のエウェ語で歌う)、メロディー、そして外見さえも超えた “完全な融合”。ビデオやコンサートでは、Arka’n Asrafokor のメンバーは、往年のトーゴ人兵士へのオマージュとして、黒とアフリカの衣装をミックスしたり、顔に白いペンキを塗ったりしています。エウェ語でアスラフォは戦士を意味し、アスラフォコアまたはアスラフォコールはアハヴィの造語ですが、戦士たちの音楽を意味し、ザ・ケリは戦士の歌という独自の賛美歌。
「アルカンとはスピリチュアル。アスラフォは母国語で戦士を意味する。そしてアスラフォコールは戦士の音楽を意味する。戦士は私たちの文化の象徴だった。彼らは常にコミュニティのために戦い、死ぬ準備ができていた。名誉、正義、真実、平和、愛のために死ぬ準備ができている。そして、この心と魂の状態は、常に私たち一人ひとりの心の奥深くに生き続け、保ち続けなければならないものだ。それがアルカンの精神だ。私たちはそういう人間だ。それこそが、祖先の歩みを受け継ぐ戦士の掟なんだ」
そうして昨年、彼らはドイツのビッグ・レーベル、アトミック・ファイア・レコードと契約を結びましたが、Ahavi は依然としてDIY的アプローチを貫いています。
「レコーディング、ミックス、ミュージックビデオの撮影、編集…私たちは特定のマーケットに合わせたり、流行のトレンドに引っ張られたりすることなく、完全に自由を謳歌している」
“Got to break it” や “Walk with us” のような曲のビデオでは、ミニマルな風景と手作りのエフェクトが個性を生み出し、YouTube ユーザーのコメント欄には、”過小評価” という形容が繰り返されています。

そうして Arka’n Asrafokor たちの音楽を用いた闘いは、崇高な目標を追求していきます。「正義、平和、愛…すべての生き物の起源である母なる地球への敬意」
Ahavi はそうバンドの理念を声高に宣言します。彼にとって、環境保護が人間の外部にあるもののように語られることは驚きでしかありません。
「私たちは自然の一部なのに。人間は明日、呼吸画できるかどうか決めることはできないんだ」
セカンド・アルバム “Dzikkuh” の象徴となる “Angry God of Earth” は、盲目で貪欲な人間の行き過ぎた行為と、それに怒る神について語っています。この曲は、神の懲罰としての気候的黙示録を描いているのです。
「死だけが残る。人間が蒔いた種を刈り取る時が来た。私たちの文化では、地球は女性的であったり男性的であったりする。彼女の怒りをこれ以上刺激しないようにしよう」

参考文献: EL PAIS:Un grupo de metal de Togo se abre hueco en el panorama del rock duro internacional

ECHOES AND DUST :(((O))) INTERVIEW: ARKA’N ASRAFOKOR: TOGO HEAVY METAL WARRIORS

PAN AFRICAN MUSIC :Arka’n : “Metal is African”

ATOMIC FIRE RECORDS

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AZURE : FYM】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AZURE !!

“I Was Introducing Chris To Hunter X Hunter While We Were Writing The Storyline For The Album, So I’m Sure There Was Some Sort Of Indirect Inspiration Going On There.”

DISC REVIEW “FYM”

「物語や音楽、芸術、文化のない世界は実に退屈だろう。僕たちがやっていることは単なるエンターテインメントかもしれないけど、喜びや美的体験には価値があるし、プログレッシブ・ミュージックやパワー・メタルが持つ力、現実からの逃避力と回復力はとても意味がある。利益のため、AIの助けを借りて芸術という名の心なきまがいものが冷笑的に生み出される世界では、本物の人間による創造性と魂がさらに必要とされているんだ」
みなさんはメタルやプログレッシブ・ミュージックに何を求めるでしょうか?驚速のカタルシス、重さの極限、麻薬のようなメロディー、複雑怪奇な楽曲、華麗なテクニック、ファンタジックなストーリー…きっとそれは百人百様、十人十色、リスナーの数だけ理想のメタルが存在するに違いありません。
ただし、パンデミック、戦争、分断といった暗澹たる20年代において、これまで以上にヘヴィ・メタルの“偉大な逃避場所”としての役割が注目され、必要とされているのはたしかです。暗い現実から目をそらし、束の間のメタル・ファンタジーに没頭する。そうしてほんの一握りの勇気やモチベーション、”回復力”を得る。これだけ寛容で優しい“異世界”の音楽は、他に存在しないのですから。そして、英国の超新星AZUREは、その2020年代のメタルとプログレッシブ・ミュージックのあり方を完璧に体現するバンドです。
「自分たちを“アドベンチャー・ロック”、”アート・ロック”、”ファンタジー・プログ”と呼ぶこともあるし、友人たちから“フェアリー・プログ”と呼ばれることもある。全て良い感じだよ! 僕たちは冒険に行くための音楽を作っている。そこにはたくさんの魔法が関わっているし、それでも現代的で個人的な内容もあるんだよね」
ヴァイやペトルーシも真っ青の驚嘆のギター・ワーク、デッキンソンとクラウディオ・サンチェスの中道を行く表情豊かなボーカル、チック・コリアを思わせる綿密な楽曲構成、そして大量のポップなメロディーと豊かなシンセが組み合わされ、彼らの冒険的で幻想的なプログ・メタルは完成します。まさに冒険を聴く体験。
AZUREの音のアドベンチャーは、まるで日本のRPGゲームさながらの魅力的なプロットで、リスナーの好奇心をくすぐり、ファンタジー世界へと誘います。それもそのはず。彼らのインスピレーション、その源には日本の文化が深く根づいているのですから。
「このアルバムの最初のコンセプトは、”ダンジョン・クローリングRPG”をアルバムにしたものだった。そこからコンセプトが進んでいったのは明らかだけど、僕らが幼少期にプレイした日本のRPGゲームは、このアルバムの音楽構成や美学に大きな影響を与えている」
影響を受けたのは、ゲーム本体からだけではありません。
「日本のゲーム作曲家もこのアルバムに大きな影響を与えた。ファイナル・ファンタジーの植松伸夫、ゼルダの近藤浩治、そしてダークソウルの桜庭統。彼のプログ・バンドDEJA-VUも大好きだよ」
そうして AZURE の日本に対する憧憬は、サブカルチャー全般にまで拡大していきます。
「日本にはクールなサブカルチャーがたくさんあるから、影響を受けないのは難しいよ!僕たちはJ-Rockバンドや、そのシーンの多くのプロジェクトに大きな愛着を持っているんだよね。高中正義やIchikoroは素晴らしいし、ゲスの極み乙女や Indigo La End など、僕たちが好きな他のバンドともリンクしている。あと、日本のメタル・シーンにも入れ込んでいて、MONO、SIGH、GALNERYUS、Doll$Boxx、UNLUCKY MORPHEUSが大好きなんだ!」
そうしたAZUREの好奇心にあふれた眼差しこそ、21世紀のメタルやプログを紐解く鍵。寛容で多様、生命力と感染力、そして包容力を手にしたこのジャンルは、国や文化、人種、性別、宗教、そして音楽の檻に閉じこもることはありません。
音楽ならつながれる。だからこそ、AZUREの音楽は多くのパワー・メタルやプログレッシブ・ミュージックのステレオタイプな楽観主義とは一線を画しているのです。だからこそ、人間的で、憂鬱に閉ざされたリスナーの心に寄り添えるのです。ここでは、想像上の脅威に対する輝かしい勝利について歌うだけでなく、登場人物たちがクエストに奮闘している音楽、寄り道で一喜一憂する音楽、パーティー内の人間関係の感情を投影した音楽まで描かれます。
そうした情景描写に多くの時間を費やしているのは、リスナーに”Fym”の世界へとより没入してほしいから。ひと時だけでも浮世の痛みを忘れ、逃避場所で回復力を養ってほしいから。今を生きるメタルやプログの多様さに抱かれてほしいから。さあ旅に出よう。まだだれも聴いたことのない冒険が君を待っている!

1.The Azdinist // Den of Dawns
2.Fym
3.Mount, Mettle, and Key
4.Sky Sailing / Beyond the Bloom / Wilt 11:07
5.Weight of the Blade
6.Kingdom of Ice and Light
7.The Lavender Fox
8.Agentic State
9.Doppelgänger
10.The Portent
11.Trench of Nalu
12.Moonrise
Bonus Track
13.Spark Madrigal
14.Demon Returns
Chris Sampson – Vocals, Electric Guitar, Mandolin
Galen Stapley – Electric Guitar, Nylon String, Theremin
Alex Miles – Bass
Shaz D – Keyboards, Grand Piano
Andrew Scott – Drums
Adam Hayes – Bongos, Congas, Fish Guiro on tracks 1, 7, and 11
Nina Doornenstroom – Trumpets on track 3
Camille De Carvalho – Oboe D’amore, Clarinet, and Basson on tracks 4 and 6

日本盤は5/22にMarquee/Avalonからリリース!私、夏目進平によるライナーノーツ完全版とともにぜひ!!

前作リリース時のインタビュー!

AZURE “FYM” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OU : Ⅱ: FRAILTY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANTHONY VANACORE OF OU !!

“Yoko Kanno Is a Prolific Composer In That Area And She Is One Of My Favorite Composers, And Definitely Has an Influence In The Music Of OU.”

DISC REVIEW “Ⅱ: FRAILTY”

「最終曲の “Recall” でジェゴグを使うアイディアがあった。だからそのパートのレコーディングを手伝ってもらえないかと芸能山城組に連絡を取ったんだよ。彼らはとても親切に対応してくれたけど、残念ながら実現はしなかったね。そこで、僕の恩師のひとりであるマイケル・リプシーに連絡を取ったところ、彼がジェゴグの故郷であるインドネシア・バリ島の知り合いに連絡を取ってくれて、そこの偉大なミュージシャン、 Ida Bagus Made Widnyana がそのパートを録音してくれることになったんだ」
デビュー作で世界を驚かせた中国のプログ・メタル・アクト OU から連絡があったのは、彼らがセカンド・アルバムを制作している最中のことでした。あの芸能山城組とコンタクトを取りたい。デビュー作でインタビューを行ってくれた君に何かツテはないだろうか?と。
AKIRA のサウンド・トラックを手がけたビッグネームにツテなどあるはずがありません。しかし、なんとか彼らの期待に応えようと、コンタクト・フォームや電話などでアプローチを試みました。ありがたいことに、芸能山城組からはとても丁寧で親切な返信 (リモートではなく実際に同じ場所で演奏をしたいという哲学) をいただき、残念ながら今回のコラボレートは実現しないことになりました。
「日本のアニメの音楽には以前から興味があったよ。AKIRA の音楽は、これまでに作られたサウンドトラックの中で最も興味深いもののひとつだと思う!菅野よう子はこの分野で多作な作曲家であり、僕の好きな作曲家の一人で、間違いなく OU の音楽に影響を与えているよ」
実現こそしませんでしたがそれでも、私は OU の情熱と包容力と見識の高さに一層魅了されてしまいました。まず、AKIRA や菅野よう子、芸能山城組という日本が誇る革新的な文化に大きく影響を受けている見識の高さ。そして、中国という伝統文化の結晶から、さらにインドネシアのジェゴグ、日本文化にアプローチを試みるその情熱と包容力。まさに、多様性と寛容さが花開く現代のメタル世界、その象徴的存在でしょう。
「音楽全体のテーマとして共通しているのは、”Fragility” 脆さ。そして人間の状態というものが本当にどれほどか弱いものなのか、どれほど簡単に流されてしまうものなのかということを扱っているんだ」
実際、彼らが扱うテーマやその音楽自体も現代のメタルを体現し、今の世界を反映したもの。この暗い世界で私たちは、人間があまりに脆く弱い存在であることを再確認しています。より良き場所へ向かうはずだった世界は、人間の脆さにより挫折し、弱い人間を抑圧し排除するかつての短絡的で “簡単な” 生きづらいレールへと舞い戻ってしまいました。OU は、中国という奇妙にバランスとのれたしかし危うい国から、人間の弱さを見つめ直しています。そして同時に彼らは、かつて強さや勝利に重きを置いていたヘヴィ・メタルの世界線に、弱さや儚さの音の葉を注ぎ込んでメタルの現在地をも更新して見せました。
「STRAPPING YOUNG LAD 時代からずっと、彼の作品はほとんど全部好きだよ。特に彼のアルバムで好きなのは、”Ghost”, “Deconstruction”, Empath”, “Lightwork”, あとはすべてのライブ・アルバムだね。特に “Order of Magnitude” は素晴らしいよ」
そんな儚くも美しい “II:Frailty” において、最後のピースは Devin Townsend のプロデュースとゲスト参加に違いありません。まさにその身を挺してメタルの多様性を切り開いてきた偉人。プログ、パンク、アンビエント、ジャズ、オーケストラにアコースティックとさまざまな切り口でメタルの進化を促した Devin は、”Frailty” にミニマルで繊細な音の織物をマキシムにレイヤーしていきました。ミニマリズムとマキシマイズこそ Devin の真骨頂。爆発的なバンドの力と幽玄絶後なボーカル、そして煌びやかなシンセの海は、まさに狂おしく、夢のように波打ちます。
今回弊誌では、Anthony Vanacore にインタビューを行うことができました。21世紀の “Mandalyon” of THE GATHERING。 二度目の登場。どうぞ!!

OU “Ⅱ: FRAILTY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DARWIN : FIVE STEPS ON THE SUN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DARWIN !!

“I Think Where We Differ From Toto Though Is Sometimes We Can Get Pretty Heavy, Sometimes You Need To Feel The Crunch Or Chugg. But Again, Similar To Toto, We’d Also Like To Reach a Wide Audience.”

DISC REVIEW “FIVE STEPS ON THE SUN”

「僕たちにとって非常に重要なのは、自分たち自身、そしてリスナー全員に、音楽の中で大きな問いを投げかけるよう促すこと。自分たちを取り巻く世界、宇宙、テクノロジー、科学、時事問題について、音楽の “問いかける” 力を感じてもらいたい。僕たちは音楽を通して大きな問いを立てることができる。音楽は、僕たちがこの世界についてどう感じているのか、もっと考える機会を与えてくれるんだ」
音楽やアートは何のために存在するのでしょうか?もちろん、純粋に気持ちよくなるため、感動を味わうためにアートを享受する人も多いでしょう。そうした一方通行で受け身のアートももちろん素晴らしいものです。一方で、アートを受け取って投げ返す対面通行の楽しみ方も、悪くはないものです。アイスランドを拠点とするギタリスト DarWin は、自らの音楽でリスナーに、世界に対して何かしらの “問い” を立ててほしいと願っています。
「僕たちの多くは、ひいひいおじいちゃんおばあちゃんがネアンデルタール人だったのだよ。いずれにせよ、ネアンデルタール人は種として消滅した。 それから1万数千年が経った今、僕たちはここにいる。 僕は、ホモ・サピエンス、つまり現代の “人類” の最後の一族になるとはどういうことなのだろうかとずっと考えていた。 そして “次世代の人類” はどのような姿をしているのだろうか? ホモ・サピエンスの後には何が来るのだろう? 彼らはどのように出現するのだろうか? …ってね。僕はときどき、次世代の人類はいかにテクノロジーに適応し、あるいは融合して、より高度な能力を獲得する必要があるのだろうかと考えることがあるのだよ」
2015年に産声をあげた DARWIN は、克明に暗雲が増えていく世の中でいつしか、人類 “ホモ・サピエンス” の終焉を夢想するようになります。そのプロジェクト名が示すように、DarWin は種の起源と終焉について掘り下げながら、滅びゆく世界で人類の進化、その正当性と妥当性に問いを投げかけるのです。
「エアポッドでバッハを脳内に流しながら外をランニングするほど素晴らしいことはないよ。何百年も前の作曲が、まったく異なる世界情勢に直面しながら、モバイルネットワーク通信、何百ものマイクロプロセッサー、バッテリーエネルギー、その他さまざまな現代の技術革新によって、僕らの脳にストリーミングされているのだから。 古代と未来の衝突はとても魅力的だ」
それでも DARWIN は、人類の可能性を諦めたわけではありません。人類はとても脆いけど、個々の人間には内省があり、希望があり、回復力と大きな可能性を秘めている。その左相がこれまでの素晴らしき音楽の歴史と、未来を見据えたテクノロジーの進化、その融合でしょう。道程と道筋の邂逅。
DARWIN は長い音楽とロックの歴史を抱きしめながら、今を生き、未来を創造しようとしています。ここに参加するアーティストは、ほとんどが百戦錬磨。かつてはあの Billy Sheehan, Guthrie Govan も名を連ねていた DARWIN のラインナップ。今回の “Five Steps on the Sun” では、Simon Phillips, Matt Bissonette, Derek Sherinian, Greg Howe のレギュラー・メンバーに加えて、Andy Timmons も降臨。一方で、新進気鋭のベーシスト Mohini Dey も起用して、まさにロックのロード・ムービーを完成させました。
「たとえプレイヤーたちがみんな狂ったようにシュレッドできるとしても、メンバーの真の貢献は本当に素晴らしい曲にあると思う。 彼らは幅広い聴衆のためにポップなロック・ソングを作ったけど、曲作りには洗練さと思慮深さもあった。 でも、僕らが TOTO と違うところは、時にはかなりヘヴィになったり、クランチやチャグを感じることがあるところだと思う。でも TOTO と同じように、幅広いオーディエンスに音楽を届けたいと思っているんだ」
そんな DARWIN によるロックの “進化論” を探求する試みは、もちろんその楽曲にも及んでいます。プログレッシブでシュレッドを織り交ぜながらも、あくまでメロディとフック、そして構成の妙で勝負する DARWIN の楽曲は、あの TOTO と肩を並べるほどの楽曲派です。
しかし、それだけでなく、ここには Plini や PERIPHERY を思わせる Fu-djent, 近未来的なシュレッドやチャグチャグしたリズムまで存在しています。”ロックの起源” からその道のりを余さず投影した彼らの音楽は、そうしてアートと人類の可能性を指し示しているのです。
今回弊誌では、DarWin にインタビューを行うことができました。P-Vine から日本盤の発売も決定!どうぞ!!

DarWin (g)
Simon Phillips (d, p)
+
Matt Bissonette (v)
Greg Howe (Lg)
Mohini Dey (b)
Derek Sherinian (key)
Julian Pollack (key)
Chariya Bissonette (bv)
Jesse Siebenberg (Ag, bv)
Andy Timmons (Lg)

DARWIN “FIVE STEPS ON THE SUN” : 10/10

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