NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DESTRAGE : A MEANS TO NO END】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAOLO COLAVOLPE OF DESTRAGE !!

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Bandiera Di Tech-Metal From Italy, Destrage Has Just Released Genre-Breaking, Sensible, Matured New Record “A Means to No End” !!

DISC REVIEW “A MEANS TO NO END”

イタリアが誇る Bandiera di Tech-Metal、DESTRAGE が新作 “A Means to No End” をリリースしました!!非常にクリエイティブで、ジャンルの境界を押し広げるようなゲームチェンジングなレコードは、”Math-Core” などという狭義のタームをやすやすと飛び越え、シーンに大きな衝撃を与えることでしょう。
前作 “Are You Kidding Me? No.” は、バンドの全てを注ぎ込み、無慈悲なまでのエナジーと、独特のセンスが見事に調和した、まさに新世代 Tech-Metal の旗手としての地位を確立したレコードでした。もし、”Are You Kidding Me? No” が DESTRAGE を体現したアルバムだとするならば、新作 “A Means to No End” はバンド史上最も野心的な作品と言えるでしょう。
インタビューで Paolo は「今回は曲を書きたかったんだよ。花火のようなものじゃなくてね。サーカスの日々は終わりさ。」 と述べています。勿論、これまでも楽曲は多く残してきた訳ですが、彼が意味するところは、思慮深く、成熟した、ギミックなしの、オーガニックでナチュラルな”曲”にフォーカスしたかったということでしょう。
具体的には、DESTRAGE の代名詞とも言える、カオティックなパートや、スラッシーなボーカル、アンセミックなコーラスは後退。ボーカル Paolo はそのダイナミックなレンジを生かして、よりシリアスで内省的な怒りと優しさを歌に込めています。溢れ出る、反逆的な情念と慈愛に満ちた情愛が実にリアルで、表現力の高まりを感じますね。インストゥルメンタルパートでもその変化は明らかで、よりシンプルかつオーガニック。空間、音の隙間を増やし、洗練されたサウンドへと進化を遂げています。リフがしっかりと整理されたことで、さらに印象的かつスリリングになった気がしますね。
勿論、楽曲にはヘヴィーなパートも用意されていますが、そのダークなエナジー、1音の重みは以前とは異質で、ほぼ必ず”対”となるようなプログレッシブ、アトモスフェリックなパートが存在するため、その対比がアルバムに新たな深みを加えています。
アルバムオープナー、タイトルトラックの “A Means to No End” はバンドの変化を伝える”手段”なのかも知れません。アコースティック楽器と、哀愁すら感じさせる深みのあるボーカルで構築されたワルツは、フォーク/トラッドの影響すら感じさせる穏やかで美しい楽曲。
続く “Don’t Stare at the Edge” がアルバムでも最も DESTRAGE らしいアグレッシブで直情的なヘヴィーアンセムであるため、より鮮明に彼らのチャレンジが際立ちます。「崖を眺めるな。崖の下を見渡せ」。冒険のない人生なんてつまらないというメッセージは、冒険を行った彼らだからこそ伝わるメッセージかもしれませんね。
“Symphony of the Ego” はバンドの新たな代表曲となるはずです。テクニカルかつキャッチーなタッピングで幕を開け、得意のタイムチェンジとポリリズミックなリフでしっかりと自らの出自を示しながら、スーパーキャッチーで噛み付くようなシンガロングパートでキッズのハートを掴みます。前半部分では、PROTEST THE HERO を想起するファンも多いでしょう。一転、楽曲の後半は、Post-Rock さえイメージさせるような穏やかで優美な時間が訪れます。何という作曲術、対比の妙でしょう!!”Ending to a Means” に至っては PINK FLOYD にも通じるようなセンスを見せつけているのですから恐れ入ります。
アルバムを締めくくる “A Promise, a Debt” から7分のエピック “Abondon to Randam” への流れもバンドの成熟を伝えます。またしてもフォーキッシュで美しいワルツから、バンド史上最もプログレッシブな楽曲への流れは圧巻で、内省的な狂気と安寧を孕んで作品を締めくくります。今作では、アルバムを通して、PANTERA, KORN を思わせる90年代を彩った印象的なリフワークが効果的に使用されていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、2度目の登場となる Paolo Colavolpe にインタビューを行うことが出来ました!!12/3、12/4には Realising Media の招聘で、3度目の来日、DispersE との共演が決定しています。弊誌に Paolo が “Destrage VS Marunouchi Muzik Magazine” と宣言してきただけのことはある非常に観念的な回答の数々。どうぞ!!

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DESTRAGE “A MEANS TO NO END” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FATES WARNING : THEORIES OF FLIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RAY ALDER OF FATES WARNING !!

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The Pioneer Of Prog-Metal, Fates Warning Returns With Modern & Emotional New Records “Theories Of Flight !!

DISC REVIEW “THEORIES OF FLIGHT”

Prog-Metal のパイオニアとして歴史に名を刻む、US 出身の4人組 FATES WARNING が新たな名作 “Theories of Flight” をリリースしました!!1986年に “Awaken The Guardian” でジャンルを確立して以降、常に進化を続けてきたバンドの凄みがここにはあります。
2004年からしばしの休息の後、前作 “Darkness in a Different Light” で強靭な新ラインナップと共に素晴らしい帰還を遂げた FATES WARNING。”Theories of Flight” でも “Darkness” で提示した、経験とモダンの融合は見事に生きています。インタビューにもあるように、Jens Bogren を起用したことからも、彼らの現役感、モダンなサウンドに対する拘りが伝わりますね。
実際、アルバムは “From The Rooftops” の RIVERSIDE を思わせるエモーショナルなギター、ボーカルと、アトモスフェリックで空間を意識した現代的なサウンドで幕を開けますし、”SOS” で強調されている陰鬱で、ダイナミズムと浮遊感を感じさせるオルタナティブなアプローチはモダンプログの巨匠 Steven Wilson が PORCUPINE TREE で行っていたチャレンジと通じます。
DREAM THEATER や QUEENSRYCHE といった Prog-Metal の先駆者たちが、その最新作でどちらかと言えばコンサバティブで “Back-to-Roots” な音楽を提示している事実を考慮すれば、FATES WARNING が実に挑戦的でタフなバンドであることが伝わりますね。
また、勿論、アルバムは彼らのトレードマークである、テクニカルなパッセージ、タイムチェンジ、スキルフルな演奏でも満たされていますが、それは作品を彩る一要素でしかないような気がします。中心に据えられたのはあくまでも、”Seven Stars” “White Flag” に象徴されるような、メランコリックでメロディアスなボーカルライン、耳を惹くフック、そしてキャッチーなコーラス。そしてその部分こそ、この偉大なバンドが新ラインナップを得て遂に達成した課題なのかも知れませんね。
アルバムのハイライトは、元々は作品のタイトルだったという、”The Ghost of Home” でしょう。Jim Matheos の手による10分間の大曲は、彼の幼少期の体験を元にしています。9年間で8回の転校を経験し、”Home” と呼べる場所の無かった Jim のノスタルジアとリグレットが楽曲に込められているのです。
ラジオのノイズに導かれ、Ray の優しいボーカルと Jim の暖かなアルペジオが過去への扉を緩やかに開くも雰囲気は一転。奇数拍子をタイトにグルーヴィーに刻むベテラン Joey Vera と Bobby Jarzombek の際立った仕事がアグレッシブなヘヴィネスを創出すると、バンドはリスナーたちをもそれぞれの過去へと連れ去り、それぞれの “Ghost” と対峙させるのです。ノスタルジックなタイトルトラックをポストスクリプトとしてアルバムも締めくくる FATES WARNING 史上最も野心的な1曲は、波打つような音楽のバラエティーと豊かなエモーションをリスナーへと届けるでしょう。
今回弊誌では、さらに表現力を増したようにも思えるボーカル Ray Alder にインタビューを行うことが出来ました。バンドは今年、名作 “Awaken The Guardian” リリース時のラインナップでリユニオンショーも行っています。どうぞ!!

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FATES WARNING “THEORIES OF FLIGHT” 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCEST : KODAMA】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NEIGE OF ALCEST !!

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The Pioneer Of Post-Black Metal From France, ALCEST Returns To Roots And Opens Up The New Chapter With Their Newest Album “Kodama” Influenced By Japanese Folklore !!

DISC REVIEW “KODAMA”

今や世界規模で注目を集める、儚くも美しいフランスの Post-Black Metal デュオ ALCEST が Neige の幼少期、そして宮崎駿さんの名作”もののけ姫”にインスピレーションを得たという新作 “Kodama” をリリースしました!!これまでも、寺院でプレイしたり、”Souvenirs d’un Autre Monde” 収録 “Tir Nan Og” でゲーム”クロノトリガー”に対するオマージュを行うことにより日本に対するリスペクトを表していた ALCEST ですが、彼らのその想いが本格的に詰まった作品は、さらにこの地でのファンを増やすことでしょう。
ALCEST は所謂 “Blackgaze”、Black Metal と Shoegaze を融合させたパイオニア的存在です。幻想的で内省的。メランコリックな繊細さと悲痛な激しさが生み出す圧倒的なダイナミズム、神々しいまでの美しさはシーンに衝撃を与え、DEAFHEAVEN などに続く Post-Black のうねりを創出したのです。
一つの潮流を生み出した ALCEST が発表した前作 “Shelter” は “Sun-Kissed” などとも表現される、言わば”光”のアルバムでした。メタルらしさを極力排し、多幸感溢れる Shoegaze / Indie サウンドを前面に押し出した作品は、確かに彼らの特徴であるダイナミズムが失われたという点では物議を醸しましたが、それ以上に極上の Post-Rock へと進化し、溢れ出る目も眩むような光の渦、SIGUR ROS にも似たアトモスフィアが 「やはり ALCEST は凄い!」 と世の中を納得させたように思います。
“Kodama” は “Shelter” と対になるカウンターパーツ的な作品と言えるかもしれません。インタビューにあるように、もののけ姫と通じる自然を食い物にする現代社会、そしてその闇の部分でもあるテロリズムが ALCEST を動かしました。ある意味メタルのルーツに戻り、よりダークな1面にフォーカスした”最も怒れる”作品は、それでもやはり徹頭徹尾 ALCEST です。そして同時に、彼らの新しいチャレンジである POP センスが花開いたアルバムであるとも言えるでしょう。
アルバムオープナー、タイトルトラックの “Kodama” はレコードを象徴するような楽曲です。確かにここには ALCEST のシグニチャーサウンドである、 Black Metal の冷たいギターや、Shoegaze のドリーミーなメロディーがレイヤーされていますが、同時にアリーナポップに由来する要素も存在します。COCTEAU TWINS や DEAD CAN DANCE に触発されたというボーカルは何と全てがインプロヴァイズされたもの。非常にキャッチーかつ神秘的なそのメロディーラインはリスナーをもののけの森へと誘い、楽曲をよりスピリチュアルな高みへと押し上げています。この手法は、”Je suis d’ailleurs” の冒頭などでも聴くことが出来ますね。
加えて、インタビューで語ってくれた通り、グランジやインディーロックからの影響も新たな可能性を提示します。楽曲後半に見せる Neige のギターワークは群を抜いていて、シンプルかつ少ない音数で空間を意識した印象的なフレーズを奏で、故意にラフなプロダクション、サウンドで NIRVANA のようにコードをのみ激しくストロークすることで、楽曲の幅を広げることに成功していますね。Neige のコンポジションスタイルである、光と影のバランスを完璧なまでに復活させながら、さらに進化を遂げた凄みがここにはあります。
ファーストシングル、”Oiseaux de Proire” は王者がメタルへの帰還を高々と告げるアルバムのハイライトでしょう。TOOL や SMASHING PUNPKINS さえ想起させるオルタナティブな感覚を備えたギターリフと、ノスタルジックで郷愁を誘う珠玉のボーカルメロディーで幕を開ける楽曲は、Neige の咆哮を合図に突如としてその怒りの牙を剥きます。Winterhalter の鬼気迫るブラストビートに乗って疾走する、メランコリックなトレモロリフはまさしく ALCEST のアイデンティティー。挿入されるキャッチーなアコースティックパートは進化の証。溢れるようなそのエナジーは、もののけ姫終盤にししがみが首を落とす場面をイメージさせますね。インタビューで言及している通り、”二面性” “対比” “進化” に拘るアートの開拓者らしい完璧な展開美を持ったシネマティックな楽曲だと思います。
タイトル、山本タカトさんをオマージュしたアートワークからコンセプト、”対比”の妙まで強く日本を意識した “Kodama”。今回弊誌では、Neige にインタビューを行うことが出来ました。音楽、歌詞、コンセプト、演奏、全てを司るまさに ALCEST の心臓が非常に深く丁寧に語ってくれました。日本の雑誌だからこそ行えた価値あるインタビュー。どうぞ!!

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ALCEST “KODAMA” : 9.7/10

【INTERVIEW WITH NEIGE】

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Q1: Hi, Neige! First of all, how was the experience playing in Japanese traditional temple? Actually, I was there, and it was very special night for me.

【NEIGE】: Hi Sin ! You know, with Alcest we had a lot of wonderful experiences during our tours, in many different countries, but playing in the traditional Japanese temples was probably the best of all of them. I always loved Japan and wanted to go there since I am a kid, so it was a dream come true for me. These two temples were absolutely gorgeous; the atmosphere inside was so serene and surreal. Definitely the most perfect setting for an Alcest show ! It was an incredible experience that we will remember all our life.

Q1: まず、日本の伝統的な寺院でプレイするのはどのような体験でしたか?実際、私もあの場所に居たのですが、本当に特別な夜になりました。

【NEIGE】: ALCEST で様々な国をツアーしていると、たくさんの素晴らしい経験をするんだけど、日本の伝統的な寺院でプレイ出来たのは、その全ての中でもおそらくベストだと思う。僕はいつも日本を愛してきたし、子供の頃から訪れてみたかったんだよ。だから、あの体験は夢が叶った瞬間だったね。
僕たちが演奏した2つの寺院は極めて美しかった。寺院内の雰囲気は、非常に穏やかで非現実的だったよ。間違いなく、ALCEST のショーで最も完璧なステージセットだったね!信じられないような体験だったし、人生を通して忘れることはないだろうな。

Q2: We, Japanese fans, are really excited about your new album “Kodama”. Because, it’s named in Japanese and influenced by Hayao Miyazaki’s “Princess Mononoke”. What made you take up this concept?

【NEIGE】: It has been inspired by this movie yes, along with other things like my own personal stories and feelings. In « Princess Mononoke » the idea of two worlds, the human and nature one, trying to live together and the confrontations/conflicts that arise as a result of that. I also really liked San, the strong female character of the movie. San has a part of these two worlds within her, as she is human, but was raised by the animal gods in the forest. She fights against the human tribes and their damaging technologies and hates them for tearing apart her beloved forest, but yet she is born one of them. I could identify myself a lot with this character, also feeling this duality inside me and the sensation of not belonging to this place, as if living in between two worlds, city/nature, physical world/spiritual world. I also love the message of this movie; the fact that we should take more care of the beautiful nature around us and live in harmony with it. This is an utopia of course, considering how society works in our times, but everyone can feel that people are more and more concerned by these type of subjects. As for the name « Kodama » I chose a Japanese name as an hommage to Japanese culture and also because I think it’s a really beautiful name !

Q2: 待望の新作 “Kodama” は日本語のタイトルですし、内容も宮崎駿の名作”もののけ姫”にインスパイアされているそうですね?日本のファンにとっては、まさにスペシャルなリリースとなりました。

【NEIGE】: うん、”Kodama” は、僕の個人的な体験や感情と同様に、”もののけ姫”にもインスパイアされているんだ。
“もののけ姫”は、人間界と自然界、2つの世界が対立、衝突の結果として共生を試みるというアイデアだよね。僕はストーリーと同時に、強い女性のキャラクター、サンが本当に好きなんだよ。
サンは自身の中にその2つの世界を内包しているんだ。というのも、彼女は人間だけど、森で獣神に育てられたからね。彼女は人間の部族と森にダメージを与えるテクノロジーと戦うよ。彼女の愛する森を引き裂く人間を嫌悪するんだ。だけど皮肉にもサンは人間の子なんだよ。
僕にはサンと共感出来る部分がたくさんあってね。自分の中に存在する2面性、なにか自分の居場所ではないという感覚、まるで都市と自然、物質世界と精神世界の2つに生きているような気がしているんだよ。
同時に僕はこの映画のメッセージも愛しているんだ。事実、人類はもっと周りの自然をケアするべきだし、共生していくべきだよね。現代社会を考えれば、それがユートピア構想なのは間違いないんだけど、同時にみんなの自然に対する関心がどんどん増しているのも確かなんだ。”Kodama” というタイトルに関しては、日本文化に対するオマージュとして、同時にとても美しい名前だから選んだんだよ!

Q3: We know French people are tend to love Japanese culture, food, and Anime. So, are you a fan of that kind of our culture like Hayao Miyazaki’s films?

【NEIGE】: I think French and Japanese people have a lot of things in common actually. For example we both love food, haha ! Just like you said, people in France love Japanese culture, food, animation, video games, etc… After Japan, I think France is the second largest market in the world for manga, anime etc. The reason is that people of my generation (who are born in the 80’) grew up with Japanese animation on T.V. There was this kid show that was playing all kinds of great anime like Saint Seiya (I am a big Saint Seiya fan, the old anime), Dragon Ball, Grendizer, Harroku, Hokuto No Ken, and many many more. There were a lot of Japanese video games imported to France in the 90’ too, Super Famicom was huge here (I have one and still play!). People of my generation discovered the culture of Japan thanks to all of this and got interested in a lot of other things related to this country. Later when I was a teenager, I discovered Hayao Miyazaki and his amazing movies like Mononoke Hime, Sen to Chihiro no kamikakushi, Hauru no ugoku shiro. Miyazaki is adored in France and even the most renowned cinema critics consider his movies to be masterpieces. What is fascinating about Japanese culture is the contrasts; the fact for example that you have a very modern and hyper-technologic society, but at the same time a big respect for traditions, nature, spirituality. Also I find it really fascinating that there so many social rules and codes to respect, especially at work, but on the other hand, Japanese art can be very extravagant and theatrical. Also the difference between the day and the nightlife. When people go out to eat and drink after work at night the social rules tend to change a bit and the atmosphere is more relaxed. .

Q3: 実際、フランスの人たちは、食事、アニメ、映画など日本文化を愛しているように思えます。あなたもそうですよね?

【NEIGE】: そうだね、フランス人と日本人には多くの共通点があると思うんだ。例えば、両者とも食事が大好きじゃないか!(笑)
君が言うように、フランス人は日本の文化、アニメ、食事、ゲームなんかが大好きなんだよ。フランスはアニメやマンガの日本に次ぐ大きなマーケットだと思うよ。その理由は、僕の世代 (80年代生まれ) が日本のアニメを見て育ったからだと思うんだ。
聖闘士星矢 (僕は”昔の”聖闘士星矢の大ファンなんだ)、ドラゴンボール、グレンダイザー、キャプテンハーロック、北斗の拳などたくさんの名作アニメがテレビで放映されていたんだよ。90年代には日本のゲームもたくさんフランスに輸入されていたね。スーパーファミコンはとても人気があったんだ (僕は今でも持っていてプレイしているんだ!)。
そうやって日本文化を発見していった僕たちの世代は、日本に感謝し、日本に関係する他の事柄にも目を向けていったんだ。僕も後にティーンネイジャーになって、宮崎駿さんと、彼の素晴らしい映画、”もののけ姫”、”千と千尋の神隠し”、”ハウルの動く城”なんかを見つけていったんだよ。宮崎さんはフランスで崇拝されていて、最も名高い評論家でさえ彼の映画を傑作と評しているんだからね。
日本文化がここまでフランスを魅力しているのは”対比”が理由だと思う。実際、日本にはとてもモダンで高度なテクノロジーを備えた社会が存在するのに、伝統や自然、スピリチュアルなものに大きな敬意を抱いているよね。
同時に、僕は日本には、特に仕事において、リスペクトすべき社会のルールや常識のようなものが存在すると気づいたんだ。その一方で、日本のアートは非常に贅沢で大掛かりなものも存在するよね。つまり、日常と歓楽の差がある訳さ。仕事の後で夜にご飯や飲みに行く時は、社会のルールも少し変わって、リラックスした雰囲気になるんだよ。

Q4: Your previous release, “Shelter” was kind of optimistic, and “Sun-kissed” softer record, I think. And I felt “Kodama” becomes darker, and more spiritual. What caused this change?

【NEIGE】: « Shelter » was a airy record, very ethereal and luminous, focusing mainly on the guitars and the atmospheric side of Alcest, so we really felt the need to go back to something more punchy and dynamic for « Kodama » ; something a bit darker too. Evolution and change are really important for us to keep being creative, and with every new album we tend to take a different direction than the album that we released before. It goes for the music, but also for the overall mood, the visuals, etc… we needed to explore the wilder side of the project. The world in general isn’t doing very well and there is a kind of ecological theme flowing through the record. Also the recent terrorist attacks in Paris affected me a lot and I think it influenced the sound of the record.

Q4: 前作 “Shelter” は、オプティミスティックで、”光”が強いレコードでしたね。対して “Kodama” はよりダークでスピリチュアルな作品だと感じました。

【NEIGE】: “Shelter” はエアリーなレコードだったよね。とても霊妙で、輝きを放ち、主にギターと ALCEST のアトモスフェリックな1面にフォーカスした作品だったんだ。だから “Kodama” では、よりパンチーでダイナミックな何かを戻す必要があると強く感じていたんだよ。ダークになったのもその一端だろうね。
進化と変化は、クリエイティブであるために、僕たちにとって非常に重要なんだ。だから全てのアルバムで、以前の作品とは異なる方向性を取るようにして来たんだよ。音楽もそうだし、全体のムード、ヴィジュアルなんかもそうだよね。僕たちはこのプロジェクトのワイルドな1面を探求する必要があったのさ。
一般的に言って、世界は上手くいっていないから、アルバムを通してエコロジカルなテーマが存在するよ。同時に、最近パリで起こったテロにも非常に考えさせられたんだ。あの一件がレコードのサウンドに影響しているのは明らかだね。

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Q5: Do you think you returns to your roots somehow in “Kodama”? Or, reached to the new realm of Alcest?

【NEIGE】: It’s a bit of both ! On one hand, « Kodama » comes back to the roots of Alcest, but at the same time it also has new elements and a different energy. It’s probably the most cinematic and angry record that we made. The production is also quite specific compared to what we have done in the past; rougher and more organic. We were inspired by the grungy and unpolished sound of bands like Dinosaur Jr for example.

Q5: では、ある意味、新作ではルーツに戻ったと言えますか?それとも ALCEST の新しい領域に踏み込んだのでしょうか?

【NEIGE】: 両方が少しづつかな!一方で、”Kodama” は ALCEST のルーツに戻っているけど、同時に、新しい要素、異なるエナジーも存在するよ。おそらく、”Kodama” は僕たちの作品の中でも最もシネマティックで怒れるレコードだね。
プロダクションも過去作に比べて実に特殊に仕上がっていて、ラフでオーガニックなんだ。実はグランジや磨かれていないサウンドのバンドにインスパイアされていてね。それこそ、DINOSAUR JR. のようなバンドにね。

Q6: Alcest and Deafheaven are the symbols of “Blackgaze”. What’s Deafheaven to you? And what’s your thought about “Blackgaze” scene these days?

【NEIGE】: Deafheaven are good friends of mine and I really like their music ! The « blackgaze » term was invented by the medias, so I don’t really have an opinion about it. I don’t think Alcest belongs to any genre; we have so many different influences in our music. Most of the blackgaze bands are too metal for my taste, and I don’t think there are a lot of them that can mix metal with some other genres like post-rock, indie rock or shoegaze in a balanced way. Some of the bands in this scene are really good though, just like Sylvaine for example. She’s released her album « Wistful » on Season Of Mist earlier this year and I am quite sure that our fans would like it a lot.

Q6: ALCEST と DEAFHEAVEN は所謂 “Blackgaze” を象徴するバンドですが、DEAFHEAVEN や最近の “Blackgaze” シーンについてはどう思っていますか?

【NEIGE】: DEAFHEAVEN は良い友人なんだ。僕は彼らの音楽も大好きなんだよ!
“Blackgaze” という言葉はメディアによって作られたね。だから僕はそれについては関知していないんだ。ALCEST はどのジャンルにも属さないと思うよ。音楽に様々な影響を含んでいるからね。僕にとって、”Blackgaze”と呼ばれるバンドの大半はちょっとメタル過ぎるんだよ。メタルとポストロックやインディーズ、シューゲイズをバランス良くミックスしているバンドはあまりいないと思う。
ただ、シーンにもいくつかは良いバンドが存在するね。SYLVAINE はその良い例だろう。彼女は今年の初めに Season of Mist から新作 “Wistful” をリリースしたんだけど、僕たちのファンはとても気に入ると思うな。

Q7: So, your tour with Mono will start on October. You’ve played with other Japanese bands like Vampillia, envy. What’s your impression about Japanese bands?

【NEIGE】: I absolutely love Vampillia, both musically and on a human level, and in a way I think their music also had an influence on « Kodama »! They are amazing people and their music and concerts are incredible; they deserve a lot of success. We would like to bring them on tour in Europe with us, people would like them a lot over here. Mono and Envy are really good too. The first Japanese band I discovered was Sigh, the black metal band. They are friends of mine too, really nice people. Otherwise I also know Baby Metal, which became really huge in Europe, but it’s not really my style of music, haha. I would love to discover new Japanese bands, but they are hard to find and most of the time people in Europe are not aware of the Japanese scene unfortunately. Parallel to rock bands, I am a big admirer of composers like Ryuishi Sakamoto (the song « Forbidden Colours » is gorgeous), and also Joe Hisaishi.

Q7: 日本を代表するバンド、MONO とのツアーも始まりますが、ALCEST は彼ら以外にも、VAMPILLIA や envy といった日本のバンドと共演して来ています。彼らに対する印象はどうですか?

【NEIGE】: 僕は本当にめちゃくちゃ VAMPILLIA が大好きなんだよ。音楽的にも人間的にもね。ある意味、彼らの音楽も “Kodama” に影響を与えているんだよ!素晴らしい人たちで、音楽とライブも驚異的。もっと大きな成功に値するよ。
僕たちは彼らに ALCEST のヨーロッパツアーに帯同してもらいたいんだ。ヨーロッパの人たちはきっと気に入ると思うな。
MONO と envy も本当に良いバンドだよね。僕が最初に知った日本のバンドは SIGH なんだ。Black Metal バンドだよ。彼らも友人なんだけど、本当に良い人たちだね。
後は Babymetal も知っていて、彼女たちはヨーロッパで本当にビッグになったんだけど、僕の好きな感じではないね(笑)。
新しい日本のバンドも知りたいんだけど、こちらからはあまり知ることが出来ないんだ。ヨーロッパの人たちは残念ながら、普段あまり日本のシーンを気にかけていないんだよ。
ロックバンド以外では、コンポーザーの坂本龍一さんをとても崇拝しているし (“Forbidden Colours” は実に美しい楽曲だよ)、久石譲さんも大好きだね。

Q8: Japanese fans are still having troubles about pronouncing your band name. Which do you like, “A-ru-se-su-to” or “A-ru-se”?

【NEIGE】: None of them is completely right…Actually it’s « A-ru-se-su-t », without « o » in the end. But you can say “A-ru-se-su-to” if you want !

Q8: 最後に、日本のファンは未だに ALCEST の発音で困っています。正しいのはアルセストですか?アルセですか?

【NEIGE】: どちらも完璧には正しくないね(笑)実は”A-ru-se-su-t”なんだよ。最後のOが要らないんだ。まあでもアルセストでも構わないと思うよ!

【FIVE ALBUMS】

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NEIGE’S LIFE!!

SMASHING PUMPKINS “SIAMESE DREAM”

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GRIMES “VISIONS”

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THE CURE “DISTINTEGRATION”

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TYPE O NEGATIVE “OCTOBER RUST”

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SLOWDIVE “SOUVLAKI”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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We love our Japanese fans and Japan is one of our favorite countries in the world ! We will tour in Japan again soon, to promote « Kodama » and we hope to see many people at the shows !

日本のファンが大好きだよ。そして日本は世界でも最も好きな国の1つなんだ!すぐにまた “Kodama” をブロモートする日本ツアーを行うよ。たくさんの人に会えたらいいな!

NEIGE

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ALCEST “KODAMA” 日本盤のご購入はこちら
ALCEST JAPAN TOUR 2017

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENSLAVED : IN TIMES】LOUD PARK 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Ivar Bjørnson OF ENSLAVED !!

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Finally, Enslaved Are Going To Play For Japan For The First Time! Don’t Miss Their Amazing Performance At Loud Park 16 !!

DISC REVIEW “IN TIMES”

ノルウェーを代表する Viking / Progressive Black Metal バンド, ENSLAVED が Loud Park 16 で遂に日本初上陸を果たします!!ライブバンドとしても名高い彼らのパフォーマンスは、日本のメタルファンを確実にノックアウトすることでしょう。
初期にはプリミティブな Black Metal 色の濃い Extreme Metal を追求していたENSLAVED ですが、近年はプログレッシブな要素を多分に取り入れた、荘厳で唯一無二の Progressive-Black サウンドを指標しています。
最も頻繁に比較されるのは OPETH でしょうが、PINK FLOYD を思わせるサイケデリックな瞬間も存在し、Herbrand Larsen の美麗なクリーンボイスは KATATONIA をも想起させる、実にフレキシブルで才能豊かななバンドです。同時に Herbrand のオルガンからメロトロン、シンセサイザーまで自在に操るエピカルなキーボードサウンドが、他の Extreme Metal との大きな差異を生んでいるとも言えますね。
特に、”Axioma Ethica Odini” でシーンの売れっ子プロデューサー Jens Bogren を起用してからは神がかっており、前作 “Riitiir” ではもはや Extreme Metal の枠にさえ収まり切らない、完璧な構成美を誇る神々しいまでに進化したエピックサウンドを完成させていました。
昨年リリースした “In Times” は、”Riitiir” という一つの完成形を経て、現在の成熟したバンドが新たに勇壮でプリミティブな原点に立ち返ったレコードと言えるでしょう。
アルバムオープナー、”Thurisaz Dreaming” はバンドの過去と現在が溶け合った “In Times” を象徴するような楽曲です。ノルウェーが誇る強烈なブラストビートを元にした、怒りに満ちた Blackend のブリザードで幕を開ける巨人の夢は、確かに初期の ENSLAVED を彷彿とさせます。Grutle Kjellson の邪悪で無慈悲な叫びは、彼らが今でも”古い価値観”を守り続けていることの証です。しかし、楽曲はスムーズに、違和感もなく、バンドのメロディック、プログサイドへと移行し、彼らの武器であるクリーンボーカルを伴った優雅でアンビエントなサウンドを響かせるのです。
ブリットロック的な感覚さえ存在する、キャッチーで美しく、オーガニックな “Building With Fire” にしても、残虐なオーラを纏ったスクリームと共に、ダークなパッセージが用意されていますし、”One Thousand Years of Rain” ではメロディックに疾走するエクストリームパートに呼応する、彼ら独特の浮遊感溢れるコーラスが白眉です。この振れ幅の大きさを自然に感じさせる、見事なバランス感覚こそが、アルバムの肝だと言えるのではないでしょうか。
同時に、前作に比べて、良い意味でラフで空間が目立つ “In Times” は、ドラマー Cato Bekkevold の強靭なタイム感、バラエティー豊かで個性的なフィルインの数々がリスナーを惹き付ける重要なランドマークとなっていることは記して置くべきでしょう。
特筆すべきは、タイトルトラック “In Times”。ENSLAVED の先進的で型にはまらないドラマ性を集約したかのような楽曲は、虚無なる宇宙を漂うかのようなサイケデリックなイントロから、バンドの光と影を反映するかのように、幻想的な神秘性と無慈悲な残忍さが交差します。ブラック、サイケ、プログ、アグレッション、アトモスフィア、ハーモニー、そして至高の構成美。ENSLAVED を形作る全ての要素が内包されたかのような10分間の大曲は、間違いなく彼らの新たなシンボルとなるはずです。
今回弊誌では、バンドの創立メンバーでギタリスト、Ivar Bjørnson にインタビューを行うことが出来ました。90年代からシーンを牽引し続けてきた人間の言葉はやはり重いです。どうぞ!!

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ENSLAVED “IN TIMES” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARILLION : F.E.A.R.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PETE TREWAVAS OF MARILLION!!

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One Of The Greatest Prog Legend From England, Marillion Has Just Released Their Best Album In Two Decades, “F.E.A.R.” !!

DISC REVIEW “F.E.A.R.”

イングランドを代表する Prog アクト、MARILLION が、ここ20年における彼らの最高傑作とも評される新作 “F.E.A.R.” をリリースしました!!
コンセプト、リリック、ミュージック、全てが異次元のクオリティーで深く冷厳に溶け合ったアルバムは、キャリア38年にしてバンドの新たなマイルストーンとなるでしょう。
Prog Rock がコマーシャリズム、POP の波に飲まれた80年代に、GENESIS 譲りのドラマ性とシンフォニーを携えて颯爽とシーンに登場した MARILLION は、ボーカル Fish のカリスマ性、シアトリカルなパフォーマンスとも相俟って Neo-Prog と呼ばれる新たなムーブメントの主役となって行きます。とは言え、彼らの音楽は決して70年代の回顧のみに収まるものではありませんでした。
New Wave, Heavy Metal の風を受けて、巧みにトレンドを反映し、実験性を孕んだそのサウンドは、今となってはやはり Pomp Rock と呼ぶ方が相応しいようにも思えます。初期の作品群からは、U2 や POLICE といった正統派ブリットロックから、IRON MAIDEN のハードなエッジまでを血肉として、Prog Rock を一つ先のステージに進めようと試みていたことが伝わりますね。
ボーカルが Fish から Steve Hogarth にチェンジし、1994年に制作したコンセプトアルバム “Brave” は Pomp Rock バンドとしての MARILLION が結実した瞬間でした。
インタビューにもある通り、Prog Rock 特有のファンタジー性と距離を置き、ダークかつリアリズムに拘ったテーマで勝負した作品は、ダイナミックで強く空間を意識し、アンビエントさえ取り入れながら、際立った音楽的表現力、センスと共に、音楽史に新たな章を書き加えたのです。
そしてその試みは勿論、現在 Modern Prog, Post-Prog シーンの Guru として尊敬を集める Steven Wilson と、彼が率いて来た PORCUPINE TREE とも強く共鳴していたことは明らかでしょう。
それから22年の月日を経て、リスナーの元に届けられた彼らの新しいマスターピースは、”F.E.A.R.” と名付けられました。”F*** Everyone And Run” を略して “F.E.A.R”。この実にセンセーショナルなタイトルは、やはり現実的で、社会問題に目を向けた、現在の MARILLION らしい極めてリアルなコンセプトを表現しているのです。具体的には銀行や政治の汚職、Brexit、欧州議会の腐敗、世界的資本主義の崩壊など、まさに英国が抱える現代社会のダークサイドを投影した濃密な68分に仕上がっています。
アルバムオープナー、”El Dorado” は悲観的な未来を予測した楽曲。PINK FLOYD の “The Division Bell” を想起させる大曲は、インタビューで Pete が “ヨーロッパ周辺には、大きな変化が起こりつつあり、それを通して誰かが僕たちをコントロールする計画を立てているような予感、予兆が存在するんだよ” と語った通り、MARILLION が抱く未来に対する “Fear” の前兆を表現しているようにも感じます。前作のオープナーで、奇しくも同じ17分の大曲 “Gaza” と対となる存在と言えるかも知れませんね。
同時に “El Dorado” は Mike Kelly のエレクトリックピアノからオルガンまで自在に操る見事なキーボードサウンドと、まさにトップフォームな Steve Rothery の物語を紡ぐギターソロがアルバムを通して重要な鍵となることも伝えています。
そしてやはり、特筆すべきは H こと Steve Hogarth のキャラクターになりきった壮絶な歌唱でしょう。作品を象徴するテーマである、持つ者と持たざる者、世界的資本主義の拡大による”エリート”の出現と彼らの保身についての組曲 “The New Kings” において、H は全身の感情を振り絞り、アルバムタイトルともなった “F*** Everyone And Run” と歌い紡ぎます。その瞬間、センセーショナルでともすればチープにさえ思えたその一節は、悲しみの感情を掻き立て、世界の状況を真摯に考えるきっかけを与える魔法の言葉へと変化するのです。RADIOHEAD を想起させるコンテンポラリーなセンチメンタリズムを見事にコンセプトと融合させ、MARILLION が現代にプロテストソングを蘇らせたと捉えることも可能でしょう。
THE BEATLES から脈々と繋がる UK の血を受け継ぎながら、
真の意味での Progressive を体現したアルバム “F.E.A.R.” 。今回弊誌では、1982年からバンドを支え続ける、フレキシブルなベーシスト Pete Trewavas にインタビューを行うことが出来ました。ヨーロッパで絶大な支持を得ている MARILLION ですが、メッセージにもある通り、今度こそは日本のファンにもアピールすると信じます。どうぞ!!

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MARILLION “F.E.A.R.” : 10/10

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