EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAOLO COLAVOLPE OF DESTRAGE !!
Bandiera Di Tech-Metal From Italy, Destrage Has Just Released Genre-Breaking, Sensible, Matured New Record “A Means to No End” !!
DISC REVIEW “A MEANS TO NO END”
イタリアが誇る Bandiera di Tech-Metal、DESTRAGE が新作 “A Means to No End” をリリースしました!!非常にクリエイティブで、ジャンルの境界を押し広げるようなゲームチェンジングなレコードは、”Math-Core” などという狭義のタームをやすやすと飛び越え、シーンに大きな衝撃を与えることでしょう。
前作 “Are You Kidding Me? No.” は、バンドの全てを注ぎ込み、無慈悲なまでのエナジーと、独特のセンスが見事に調和した、まさに新世代 Tech-Metal の旗手としての地位を確立したレコードでした。もし、”Are You Kidding Me? No” が DESTRAGE を体現したアルバムだとするならば、新作 “A Means to No End” はバンド史上最も野心的な作品と言えるでしょう。
インタビューで Paolo は「今回は曲を書きたかったんだよ。花火のようなものじゃなくてね。サーカスの日々は終わりさ。」 と述べています。勿論、これまでも楽曲は多く残してきた訳ですが、彼が意味するところは、思慮深く、成熟した、ギミックなしの、オーガニックでナチュラルな”曲”にフォーカスしたかったということでしょう。
具体的には、DESTRAGE の代名詞とも言える、カオティックなパートや、スラッシーなボーカル、アンセミックなコーラスは後退。ボーカル Paolo はそのダイナミックなレンジを生かして、よりシリアスで内省的な怒りと優しさを歌に込めています。溢れ出る、反逆的な情念と慈愛に満ちた情愛が実にリアルで、表現力の高まりを感じますね。インストゥルメンタルパートでもその変化は明らかで、よりシンプルかつオーガニック。空間、音の隙間を増やし、洗練されたサウンドへと進化を遂げています。リフがしっかりと整理されたことで、さらに印象的かつスリリングになった気がしますね。
勿論、楽曲にはヘヴィーなパートも用意されていますが、そのダークなエナジー、1音の重みは以前とは異質で、ほぼ必ず”対”となるようなプログレッシブ、アトモスフェリックなパートが存在するため、その対比がアルバムに新たな深みを加えています。
アルバムオープナー、タイトルトラックの “A Means to No End” はバンドの変化を伝える”手段”なのかも知れません。アコースティック楽器と、哀愁すら感じさせる深みのあるボーカルで構築されたワルツは、フォーク/トラッドの影響すら感じさせる穏やかで美しい楽曲。
続く “Don’t Stare at the Edge” がアルバムでも最も DESTRAGE らしいアグレッシブで直情的なヘヴィーアンセムであるため、より鮮明に彼らのチャレンジが際立ちます。「崖を眺めるな。崖の下を見渡せ」。冒険のない人生なんてつまらないというメッセージは、冒険を行った彼らだからこそ伝わるメッセージかもしれませんね。
“Symphony of the Ego” はバンドの新たな代表曲となるはずです。テクニカルかつキャッチーなタッピングで幕を開け、得意のタイムチェンジとポリリズミックなリフでしっかりと自らの出自を示しながら、スーパーキャッチーで噛み付くようなシンガロングパートでキッズのハートを掴みます。前半部分では、PROTEST THE HERO を想起するファンも多いでしょう。一転、楽曲の後半は、Post-Rock さえイメージさせるような穏やかで優美な時間が訪れます。何という作曲術、対比の妙でしょう!!”Ending to a Means” に至っては PINK FLOYD にも通じるようなセンスを見せつけているのですから恐れ入ります。
アルバムを締めくくる “A Promise, a Debt” から7分のエピック “Abondon to Randam” への流れもバンドの成熟を伝えます。またしてもフォーキッシュで美しいワルツから、バンド史上最もプログレッシブな楽曲への流れは圧巻で、内省的な狂気と安寧を孕んで作品を締めくくります。今作では、アルバムを通して、PANTERA, KORN を思わせる90年代を彩った印象的なリフワークが効果的に使用されていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、2度目の登場となる Paolo Colavolpe にインタビューを行うことが出来ました!!12/3、12/4には Realising Media の招聘で、3度目の来日、DispersE との共演が決定しています。弊誌に Paolo が “Destrage VS Marunouchi Muzik Magazine” と宣言してきただけのことはある非常に観念的な回答の数々。どうぞ!!
DESTRAGE “A MEANS TO NO END” : 10/10
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