“The Government Of Iran Does Not In Any Way Represent Iranian People And Culture, Their Suppression Of The Arts And Oppression Of Women Goes Against Everything In Iranian culture. Our Culture Has Celebrated Women And The Arts For Millennia Prior To The Dictatorship.”
DISC REVIEW “DO NOT GO TO WAR WITH THE DEMONS OF MAZANDARAN”
「シャーナーメは、多くの寓話や物語を含む魅力的なテキストで、今日の世界で起きていることと非常に関連性があると感じるのよ。世界の舞台であれ、個人的なレベルであれ、このテキストに登場する王や悪党たちの愚行や戯れは、生き生きとした現代的なものに感じられる。この本は、色彩豊かで大げさな方法で人間性を表現した見事な作品であり、私はそれを私たちの音楽で取り入れたいと思ったの」
ペルシャの叙事詩 “シャーナーメ: 王書” は、創造と征服、勝利と恐怖に満ちた、10万行にも及ぶ広大な詩。ロンドンのプログレッシブ・ドゥーム集団 LOWEN の素晴らしき第二幕 “Do Not Go To War With The Demons Of Mazandaran” にインスピレーションを与えているのは、その中に収められている Mazandaran の悪魔の頭領 Div-e Sepid の物語。強大な力と熟練した魔術を持つ巨大な存在で、王の愚かさを懲らしめるため彼の軍隊を破壊し、失明させ、地下牢に幽閉する。
「このアルバムは、それを聴く人々への警告なの。戦争には絶対に勝者などいないし、戦争で利益を得る人間が最大の悪党となる。私はいつも、ウィリアム・ブレイクのような予言的人物に魅了されてきた。彼らは詩や芸術を使って、近未来の可能性について人々に警告を発している。このアルバムが歴史を変えることはないとわかっているけど、私たちの周りで起こっていることの愚かさを鮮やかな色彩で浮き彫りにせざるを得ないと感じている自分がいるのよ」
そう、このアルバムは戦争をけしかける愚かなる王、支配者、権力者たちへの芸術的な反抗であり、英雄に引っ張られる市民たちへの警告でもあります。いつの時代においても、戦争に真の勝者はなく、そこにはただ抑圧や痛みから利益を貪るものが存在するのみ。ただし、LOWEN の歌姫 Nina Saeidi には、そうした考えに至る正当な理由がありました。
「中東の最近の歴史は、100年以上にわたる不安定化と植民地化によって、悲劇的で心が痛むものになってしまった。今のイラン政府はイランの人々や文化を代表するものではなく、芸術の弾圧や女性への抑圧はイラン文化のすべてに反するものだと思っているわ。私たちの文化は、独裁政権以前の何千年もの間、女性と芸術を祝福してきたのだから」
イラン革命の亡命者の娘として産まれた Nina にとって、現在のイランのあり方、独裁と芸術や女性に対する抑圧は、本来イランやペルシャが培ってきた文化とは遠く離れたもの。本来、女性や芸術は祝福されるべき場所。そんな Nina の祖国に対する強い想いは、モダン・メタルの多様性と結びついてこのアルバムを超越的な輝きへと導きました。
何よりその音楽的ルーツは、彼女の祖先の土地に今も深く刻み込まれていて、ゴージャスで飛翔するような魅惑的な歌唱は、パートナーのセム・ルーカスの重戦車なリフの間を飛び回り、大渦の周りに蜃気楼を織り成していきます。”クリーン” な歌声が、これほどまでにヘヴィな音楽と一体化するのは珍しく、また、奈落の底への冒険をエキゾチシズムと知性で表現しているのも実に神秘的で魅力的。多くのメタル・バンドがアラブ世界のメロディを駆使してきましたが、LOWEN のプログレッシブ・ドゥームほど “本物” で、古代と今をまたにかけるバンドは他にいないでしょう。
今回弊誌では、Nina Saeidi にインタビューを行うことができました。「日本から生まれたプログは世界でもトップクラスよね!喜多島修と高中正義は、私の最も好きなミュージシャンの一人なの。もちろん、スタジオジブリの映画のファンでもあるし、『xxxホリック』や『神有月の子ども』など、日本の民話や神話を取り入れたファンタジーやアニメのジャンルも大好きよ。『ヴァンパイア・ハンターD』も、若い頃に好きだったアニメ映画のひとつね。ゴシック映画の傑作。
ビデオゲームでは、私はゼルダの大ファンなの。Wiiのゲームはプレイする機会がなかったけど、N64とSwitchのゲームは今でもプレイする機会があればヘビーローテーションしているの」 どうぞ!!
LOWEN “DO NOT GO TO WAR WITH DEMONS OF MAZANDARAN” : 10/10
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AGNETE M. KIRKEVAAG OF MADDER MORTEM !!
“Globalisation Means a More Diverse Culture Generally, Which Also Goes For Metal. It’s Not Only a White Male 18-25 Scene Anymore, Which Suits Me Fine.”
DISC REVIEW “OLD EYES, NEW HEART”
「私たちはますます個人主義になり、自分の内面や感情に焦点を当てるようになっている。その良い面は、人々が自分の課題や悩みをより自由に共有できるようになったことだと思う。また、世界のグローバル化は多様な文化を促進し、それはメタルにも当てはまる。メタルシーンは18~25歳の白人男性だけのシーンではなくなっているの。私にとっては素敵なことだわ。みんな自分の経験を書く傾向があるからね」
ノルウェーのメタル・バンド、MADDER MORTEM とそのボーカル Agnete M. Kirkevaag のドキュメンタリーが話題を呼んでいます。彼女は、ステレオタイプなイメージに取り憑かれていたメタル世界で過食摂食障害と闘い、内なる悪魔と闘うために手術を受けることを決意します。新曲のレコーディング、ヨーロッパ・ツアー、オスロでの元メンバー全員によるライブなど、バンド結成20周年記念の年に撮影した本作は、そうしたバンドの日常を追いながら内なる悪魔、スカンジナビアの文化的規範、イメージに取り憑かれたメタル世界との齟齬と葛藤を巧みに描いていきます。
「私にとっては、ブラックメタルの音楽的アプローチの一部、特にダーティなサウンドと雰囲気が好きだった。でもね、シーンの半ファシズム的、人種差別的な側面は本当に好きではなかった。社会不安を抱えた18歳の男たちが自分たちのことを “エリート” だと言っていたのよ。バカらしく思えたわ。女性として、そのシーンには私が興味を持てるような部分はなかった。私が感じたところでは、自己主張の強い女性ミュージシャンが活躍できる場はほとんどなかったと思うわ」
“私たちは社会やメタル・エリートの中では負け犬かもしれない。でもね、負け犬は負け犬なりに吠えることができるのよ” はみ出し者にははみ出し者の意地がある。社会とも、メタルの伝統ともうまくやれなかった Agnete が、いかにして世界中のファンに届く感動的な音楽を生み出したのか。それはきっと、21世紀に花開いたメタルの多様性に対する寛容さ、そしてメタルに宿った “回復力” と密接に関係しているはずです。そう、もはやメタルは限られた “メタル・エリート” だけのものではないのですから。ドキュメンタリーのタイトルは “Howl of the Underdogs” “負け犬の遠吠え”。しかし、もはや彼女は負け犬ではありませんし、彼女の声は遠吠えでもありません。
「このアルバムは父に捧げられたものなんだよ。彼の思い出を称えるには、それが一番だと思った。彼はいつも私たちの活動を誇りに思ってくれていたし、このアルバムには彼のアートワークも入っているから、とてもしっくりきたの。でも、同じような喪失感を感じている人たちが、この音楽の中に慰めを見出すことができれば、それが最高の結果だと思う。だれかに理解されたと感じることが最高の慰めになることもある」
回復力といえば、喪失からの回復もメタルに与えられた光。MADDER MORTEM の中心人物 Agnete と BP 兄弟は多才な父を失い悲嘆に暮れましたが、その喪失感を最新作 “Old Eyes, New Heart” で埋めていきました。バンドのゴシック、ドゥーム、プログレッシブ、ポストメタル、アメリカーナとジャンルの垣根を取り払った “アート・メタル” は、あまりにも美しく、哀しく、そして優しい。そうして亡き父の描いた絵をアートワークに仰ぎながら、MADDER MORTEM は、同様に喪失感に溺れる人たちが、この音楽に慰めを、光を見出すことを祈るのです。
今回弊誌では、Agnete M. Kirkevaag にインタビューを行うことができました。「音楽は精神を高揚させ、慰める最も偉大なもののひとつであり、耐え難いことに耐えるための方法だと思う。そして願わくば、私たちの周りにある醜いものすべてに美を見出す方法でもあればいいわね」 どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ZDENEK NEVELIK OF ET MORIEMUR !!
“Tamashii no Yama“ Is a Concept Album About The Japan Air Lines Flight 123 Incident That Happened In August 1985. What Inspired Me Most Than apnything Were The Notes Passengers On That Plane Left To Their Relatives And Loved Ones Before Dying. They Are Very Powerful In Their Everydayness.”
DISC REVIEW “TAMASHII NO YAMA”
「”Tamashii No Yama” は、1985年8月に起きた日本航空機123便墜落事故を題材にしたコンセプトアルバムなんだ。何よりもインスピレーションを受けたのは、あの飛行機の乗客が死ぬ前に親族や恋人に残したメモだった。ああ、彼らはとても力強く毎日を生きていたんだ…と感じるよね。だからこそ、高天原は魂の山なのだよ」
1985年8月12日、524名を乗せた日本航空の飛行機が、東京から西に約125マイル離れた高天原に墜落しました。生存者はわずか4名。史上最悪の航空事故のひとつとなりました。
チェコのブラッケンド・ドゥーム ET MORIEMUR 4枚目のアルバム “Tamashii No Yama” は、羽田空港(アルバムのオープニング “Haneda”)から最後の地高天原(14分のエンディング “Takamagahara”)までのルートを暗く、重く、荘厳にたどることで、あの運命のフライトを今に蘇らせています。そうして ET MORIEMUR はそのバンド名 “ミメント・モリ” の精神を魂の山から伝えているのです。
「尺八はとても美しい楽器で、シンプルでありながら奥深いもの。しかし、ここチェコで尺八を吹ける人を見つけるのは簡単ではなかったよ。だけど、禅の瞑想センターの友人を通じて、チェコと日本の尺八の師匠のもとで尺八を学んできたマレク・マトヴィヤに連絡を取ることができたんだよね」
命と運命の始点と終点の間で展開されるのは、華麗なオーケストレーションと、幻想のようなアヴァンギャルド・ドゥーム・メタルの組曲です。ピアノ、ヴァイオリン、ハープ、チェロ、そして日本の伝統的な尺八は、この最後の旅路において歪んだリフやひりつくような咆哮と同じくらいに重要な役割を果たしています。このアルバムに収録されているすべての音は、日航機事故の悲劇がもたらした深い痛みと許容不可能な非現実、そして今際の際の命の煌きを呼び起こすために存在しているようでさえあります。
「僕は、人間と環境との調和的な関係や、人生に対するスピリチュアルな、いわば “魔法” のようなアプローチを持つ神道にとても共感していてね。そして、もう何年も前から禅宗に傾倒しているんだ。曹洞宗の開祖である道元禅師は、この地球上に存在する最も優れた哲学者の一人であると僕は考えているんだよ」
日本神話では、高天原は天の神の宿る聖地とされています。高天原には多くの神々(天津神)が住み、天之安河や天岩戸、水田、機織の場などもあったといわれています。そんな神々が集う場所に無数の魂が引き寄せられた。チェコから神道や禅宗に心酔する Zdenek にとって、あの不幸な事故は同時にスピリチュアルな意味を帯びたのかもしれません。その神聖さと悲しみを、”魂之山” はかくも鮮やかに、エモーショナルに、生き生きと自由な魂で表現しているのです。
オープニングの “Haneda” は Zdeněk Nevělík によるピアノ主体のインストゥルメンタルで、映画音楽から抜粋されたような美しさ。アコースティックギターの正確なメロディーは、この儚い曲の美しさをさらに際立たせていて、ストリングスに和楽器が加わりスピリチュアルな世界へと引き込んでいきます。
ハープシコードとクワイアで飾り立てた “Nagoya” のゴシック・アヴァンギャルド、ドゥーム・メタル、ゴシックなアトモスフィア、デス/ブラックメタル、SIGH のアバンギャルド、ミニマル、そして日本の伝統音楽が Zdenek の千変万化な歌声で煮詰められた “Tamagahara” など、解き放たれた音魂は自由に羽ばたきながらも、他のすべての要素を超越したシンプルなメロディーの美しさでリスナーに語りかけ、共鳴し、魔法をかけていくのです。明日が必ず訪れるわけではない。今日を懸命に生きよ。他者や他の命を尊べと。
今回弊誌では、Zdeněk Nevělík にインタビューを行うことができました。「僕たちチェコ人はスローペースな生活と安全な日常生活を愛し、勇敢というよりは慎重で、どちらかというと懐疑的で、あまり愛国的ではないんだけど、僕はそれが気に入っているんだよ。この国民性は、この国で40年だけ続いた共産主義の遺産よりも重要だと思っているよ」 どうぞ!!
People Are Really Working Hard To Destroy Progress And Ultimately Create a Time Machine That Will Set Us Back Hundreds Of Years In Terms Of Mental Evolution. Welcome, Then, To The Age Of Impera.”
WELCOME TO THE AGE OF IMPERA
「再建のためには破壊しなければならないが、だからといってすべてを砂利に均してしまう必要はない」
闇。分断。差別。戦争。非道な指導者たちによって、世界はひとつの巨大な “ゴースト” と化しているように見えます。最新作 “Impera” で Tobias Forge は、ヴィクトリア時代に思いを馳せながら、現代とあの時代に類似したものを見出すのです。
ロンドンのセント・パンクラス・ホテルは美しい建物です。1860年代にゴシック・リヴァイヴァリストの建築家ジョージ・ギルバート・スコットによって設計された巨大な赤レンガの建築芸術作品は、首都の優雅なシンボルとして、絢爛に人々を魅了してきました。
20世紀には、鉄道事務所やコテージとして使用されるなど長い間荒廃していましたが、それでもキングス・クロスを見下ろす大聖堂のようなその存在感は、訪れる人々に様々なインスピレーションを与えてきたのです。
80年代には、イギリスのSF作家ダグラス・アダムスが小説 “The Long, Dark Tea-Time Of The Soul” の中で、この荒れ果てた壮大さをヴァルハラとして完璧に表現しています。その後、1995年に映画化されたシェイクスピアの “リチャード三世” では、サー・イアン・マッケレンの城としてその正面玄関が使用され、華やかさを取り戻したその巨大な階段と入り口は、SPICE GIRLS の名曲 “Wannabe” の舞台ともなりました。
Tobias が GHOST の次のステージを考えたのもこの場所でした。それは帝国の崩壊。物事があまりにも強力になりすぎてそれ自体の重さで崩壊し、その崩壊の中で新しい時代の始まりを告げるという “Big Change” をテーマに据えたコンセプト。Papa Emeritus のシニカルな眼差しで、腐敗と狂気を観察して、時に鋭いメスで時代を切り裂いていきます。
「古い石造りの教会。この建物はそんなゴシック様式の要素に、工業用の梁や錆を取り入れたところが気に入っているんだ」
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOSHPH HAWKER OF ETHEREAL SHROUD !!
“What I Didn’t Understand Was The Conservative Attitude Of a Lot Of The Second Wave Bands – Which Makes It All The More Rewarding To See Bands Like Violet Cold, Spectral Lore And Other Anti-fascist Bands Changing The Climate. We’re Here To Tip The Scale And Me Aren’t Going Away.”
DISC REVIEW “TRISAGION”
「”セカンド・ウェイブ” のバンドの多くが保守的なのは、僕にとって理解できないことだよ。でもだからこそ、VIOLET COLD や SPECTRAL LORE、その他のアンチ・ファシストのバンドがメタルや世界の風潮を変えていくのを見ると、本当に励まされるね。僕たちは局面を変えるためにここにいるし、いなくなりはしないよ」
メタル世界において、音楽的にも精神的にも、今最も進歩的なサブジャンルがブラックメタルであることに異論を唱える向きは少ないはずです。環境問題を歌い、マイノリティのために戦い、ファシズムの台頭を許さない。かつて殺人や教会への放火が取りざたされたジャンルとは思えない “正しい” 主張を展開する新鋭たち。ただし、その根っこの部分は実は同じなのかもしれませんね。
「ブラックメタルは “フリンジグループ” (中心ではなく端に位置する)の人たち、つまり落ち込んでいる人、虐げられていると感じている人たちを多く誘うんだよね。僕自身、LGBT だから、社会やパラダイムに反しているブラックメタルに慰めを見いだしたからね」
自身も LGBT で、社会に馴染めずブラックメタルに慰めを見出したと語る ETHEREAL SHROUD の首謀者 Joseph Hawker。ブラックメタルを創造した初期のアーティストにしても、少なからず社会から逸脱し、孤立した人たちであったことはたしかでしょう。つまり、ブラックメタルには孤独や喪失を無尽蔵に癒し包み込む、果てのない包容力が備わっているのです。
「僕は BELL WITCH をとても尊敬しているし、彼らはシーンで最も優れた現代のバンドの一つだと思っている。僕らは2人とも、強いメロディー、感情的な底流、ビッグなサウンドスケープを持つ長尺の曲を利用していると思うよ」
もちろん、ブラックメタルは音楽的にも寛容で多様です。フィジカルのみに付属するボーナス・トラックを含めると、4曲で1時間20分。その “Trisagion” と題された深く長い井戸の底から流れ出る旋律と感情の濁流は、繊細で傷つきやすいと同時に活力と魅力に満ちているという点で、あの BELL WITCH のジャンルを無意味な記号と知らしめた傑作 “Mirror Reaper” にも比肩し得る作品にちがいありません。
“Trisagion” の核心となる “コア” は、アトモスフェリック・ブラックメタルのイメージに据えられています。しかし、ETHEREAL SHROUD がブラックメタルの寛容を謳歌するのは、そのコアなサウンドの周辺に何層もの音彩を重ねてミルフィーユのようなサウンドの繭を形成している点にあります。
その影響はドゥームの最も憂鬱な重遅、冷たさと輝きを交互に繰り返すメロディックな蜘蛛の糸、従来のブラストとダブルベースを巧みに組み合わせたリズムの狡知、そしてポスト・メタリックな反復の美学という形で現れています。反復といえば、アルバムを通じて成される共通のテーマの再現は着実に、控えめにモチーフを進化させ、おなじみのメロディにやがて新しい生命を吹き込んでいきます。そして反復で溜め込んだ鬱屈は、文字通りエセリアルな女声や IN FLAMES 譲りの慟哭で、さながら蓮の花が開くかのようにカタルシスとして放出されるのです。
「ANATHEMA, ESOTERIC, SUMMONING, GOD IS ASTRONAUT, AGALLOCH, MOONSORROW をよく聴いていたね。こういったバンドが僕のサウンドを形成するのに役立ったと思う。表現への情熱が高まって、ドゥームメタルやブラックメタルの大きなうねりをそこに加えたんだ。彼らが巨大で、シネマティックで、濃密な表現をしているのを見て、それを自分なりの方向に持っていきたいと思ったんだよね」
“Trisagion” が世界に拒絶されるような憂鬱と孤独、そして怒りから始まったことはたしかでしょう。しかし、少なくともこの作品はその先を見据えながら前進することで、典型的なエクストリーム・メタルの在りようとは一線を画しています。”Trisagion” は夜明けを見通す窓であり、自分の居場所を無理やり探し出すのではなく、自然に自分らしく生きることがあるがままにできる未来を指し示しています。Joshph がこの賛美歌で ANATHEMA や ESOTERIC を自分らしく、自然に進化させたように。
今回弊誌では、Joshph Hawker にインタビューを行うことができました。「僕は音楽家になる前はよく、とても小さなことでアルバムを批判していたんだけど、芸術作品に対して自分自身や自分の見方を調整し、その意図を理解しようとしなければならないとは考えていなかったんだ」どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH COLIN H. VAN EECKHOUT OF AMENRA !!
“It’s Sad To See That Empathy And Solidarity Are Vanishing Concepts. It’s Easy To Be Unkind And Coldhearted Towards Eachother From Behind a Computerscreen. The World Seems To Become Harsher And Harsher To Live In. Even Having Eye Contact Will One Day Become Something Hard To Do. Heart To Heart, That Is What We Need.”
DISC REVIEW “DE DOORN”
「すべてのパートを完成させて録音したとき、これは “Mass VII” ではないかと自問したよ。だけど、皆がそうではないと分かっていた。それは新しいものだった。ダイナミクスが変化し、以前は単に目撃者、私たちの個人的な物語の目撃者として招かれていたリスナーが、コミュニケーションの積極的なメンバーとなっていたんだよ」
AMENRA は結成以来20年間、痛みと苦しみを紡ぎ続けています。ポスト・メタルの壁のようなサウンドと、Colin Van Eeckhout のひりつくような叫び。彼らのミサは犠牲と傷跡の荘厳な儀式です。
ミサの書は AMENRA のメンバーの1人または複数が、人生を変えるような経験をした後に書かれてきました。時には酷いトラウマになるような経験。ただし、今この時、彼らはその闇の儀式から離れる運命を感じていました。
「このパンデミックは、自分自身だけでなく、周りすべての人間と内省し、つながるためのプラットフォームだよ。人類はかつてないほど分裂し、個人に焦点を当てている。今ある共感と連帯感は、私たちが種として存続していくためには十分ではないだろう。物事はシフトし、変化する必要があるんだよ」
AMENRA は、他の多くのバンドのように、プロモーションやライブが困難なパンデミックの独房を避け、内省の時から逃げることなどは当然よしとしませんでした。この暗く孤独な時間をむしろ、分断された世界を再びつなげるための有効なプラットフォームとして活用しようと決めたのです。仮初めのつながりではなく、真のつながりを求めて。
「共感や連帯感という概念が消えつつあるのは、とても悲しいことだよ。コンピュータの画面の向こうでは、お互いに思いやりのない冷淡な態度をとることが簡単にできるからね。世の中はどんどん生きづらくなっているようだ。目を合わせることさえ、いつかは難しいことになるだろうな。心と心を通わせること。それが私たちに必要なことなんだ」
身の回りの苦難や危機に対応して有機的に構築された個人的な苦悩の記録ではなく、リスナーと痛み、苦しみ、そしてほんの一握りの希望を共有するための作品。それが “De Doorn” の正体です。
英語で “The Thron” 棘と題された作品のアートワークには荊が描かれています。アートワークは作品のストーリーを映し出す鏡と公言する Colin。そしてこの無骨で非対称な植物の武器は、そのまま人間が他者に感じる不信感や警戒感をあらわしているのです。私たちは、その尖って攻撃的な鋭い棘を、ゆっくりと、一つ一つ丁寧に取り除いていかなければなりません。
「”誰かに話しかける” というのは、最も純粋なストーリーテリングの形。別の人に直接語りかけるという行為がね。私たちはアルバムにおける語りを、必要以上に大きな音でミックスしたんだよ。誰かが君の隣に立っているように感じられるように。誰かがそこにいて、必要であれば導いてくれるということを感じられるようにね」
OATHBREAKER のシンガーとして活躍する Caro Tanghe と Colin は、2人の故郷フランドル地方の言葉フレミッシュで歌われたアルバムで、これまでのどの作品よりも優しく、悲しく、痛々しく、労わるようにリスナーに向けて文字通り語りかけました。
オープナー “Ogentroost” は、ギター、ノイズ、メロディーの波によって感情が剥き出しにされる10分間の大作で、母親の穏やかなまなざしに見つめられながら、Colin は永遠にも思える戦争の恐怖についてやるせなく憤慨し、思いの丈をリスナーと共有します。”De Dood in Bloei”(直訳すると “花咲ける死”)のリリックはより直接的。”灼熱の太陽が沈み/すべての光が失われ/埋葬された遺体が/塵と化す…愛が否定され/すべての美しさが/枯れて死んでいく”。争いの悲劇を語る、美しくも呪われた言葉の重みはそのまま私たちの心へとつながり、反戦への創造的な輪を生んで行きます。
闇を抜けた AMENRA が見出した敬虔なる希望。それは “De Evenmens” の中にありました。「人生とはほんの一瞬、美しさと幸せを伴う悲しみの旅。人と人の相互的な関わりの中で、あるがままを受け入れること。歴史にとって私たちはほんの一瞬の存在、だからこそ “居場所” を大切にしなければならない」個人主義や分断とは真逆の価値観が、世界を溶かしていきます。
アルバムは LINGUA IGNOTA との火の儀式に捧げられた “Voor Immer” でその幕を閉じます。スポークンワードのスローバーンは、いつしかドゥーミーな壮大さを起爆し、まさにファイア・リチュアルとして燃え上がります。カリヨンの鐘を伴奏に大地と空を結びつける奇跡は、第一次世界大戦終結100周年の記念式典のために書かれたものでした。息子を失った母親。破壊された都市、放置された死体。そんなフランドル地方の悲しみは、100年の時を経て AMENRA の手によってすべてが燃やされました。高らかな炎は希望の象徴。その希望を見出すための歌には、平和を続けていくための強さも込められて、現代社会へと念入りに届けられたのです。
今回弊誌では、Colin H. van Eeckhout にインタビューを行うことができました。「人類が混乱している中、私たちは他のバンドのようにパンデミックの終わりを “待つ” ことはしたくなかった。私たちの音楽は、このような瞬間のために書かれたものだと思っているからね」二度目の登場。日本盤は Daymare Recordings から。どうぞ!!
AMENRA “DE DOORN” : 10/10
INTERVIEW WITH COLIN H. VAN EECKHOUT
Q1: In our last interview, you said, “We need to have a real reason to write a new mass album.” This time it’s not a mass album, but could you tell us the reason first?
【COLIN】: Thats because we didn’t have the right reasons to write a “Mass album”. A Mass has always been written following a period, where one or more of AMENRA’s members endured a life altering experience. Traumatic sometimes. That’s where we came together to actively work on a new Mass.
This time around the album formed itself, without us realizing it. In 2018 we started writing music for a special ceremony we had to create for the commemoration of the end of the first world war. Then several live and fire rituals followed throughout our country, which we also wanted to accompany with specific music and sounds. And when we had done with that our guitar player made us realize that we actually had written an album. When we finalized and recorded all the parts, we asked ourselves if this was Mass VII and we all knew it wasn’t. It was something new. Dynamics had shifted, the listener was now an active member in the communication, whereas in the past they were merely invited in as witnesses. Witnesses to our personal story.
Q2: Since the release of the last record, the world has witnessed and experienced various distortions such as pandemics, powers getting out of control, and BLM. Did those events give you a reason to make a new album?
【COLIN】: I believe BLM is actually advocating for a less divided society.
No, they haven’t, the album was written in the years before all these shifts started to happen. We merely mixed and mastered the album in the first months of the pandemic.
These endtimes did make us realize that this was the right time to release it. In the middle of humanity’s turmoil, we also did not want to “wait out” the pandemic as most bands do. We know that our music is written for these moments. Collective trauma. Solitary confinement if you will. It is a platform for introspection and connection, not only with the self but also all humans around you. Humanity has never been so divided and focused on the individual. Empathy and solidarity are not present enough for us as a species to continue and survive. Things need to shift and change.
Q3: For Amenra, this interval was marked by the 100th anniversary of the end of World War I, the 20th anniversary of the band, and the departure of longtime member Levy Seynaeve… could it be said that the event at the SMAK Museum Of Contemporary Art tied it all together?
【COLIN】: No, I can’t say it did. What it did do is make us realize that we are slowly getting where we wanted to be as a “band”. More than a band. Connecting different media and kindred spirits, artists. Mixing music and all the arts, healthcare even. To use music to its full extent or potential.
All these special events in our 20th year of existence celebrated our profound friendship above anything. And “ De doorn” became the document of that time period. The possibilities given to us by the musea, arts centers here proved us that we are touching a universal emotion and demand.
The fire rituals made it possible for us to connect with our audience in a way more profound than we ever did. Everybody there felt aligned in the moment, connected in ways that our modern society has forgotten.
Q3: このインターバルで、AMENRA 自体はバンドの20周年、WWI終戦100周年、そして長年のメンバーだった Levy Seynaeve の離脱を経験しましたね?
先程お話しにも出ましたが、SMAK Museum of Contemporary Art でのイベントがその点と点を繋げたとも言えるのでしょうか?
Q4: In the last interview, you said about the artwork of the swan, “Like with everything we want to tell a story, we want to lay out a blueprint to a ‘world'”. The artwork for this album is briar. What did you mean by that?
【COLIN】: I grew fascinated by thorns, in all different sizes and forms. Thorn branches I loved its rugged beauty, its perfect non symmetric imperfection. Nature had formed a weapon for its creations, to protect themselves from outside harm. Flowers can protect their beauty, plants, bushes can protect their seeds, their fruits. I transposed that idea on humans. Throughout life we all grow our own specific thorns. We arm ourselves against potential harm, put up our guard and grow to mistrust.
And at the same time we all walk around with wounds and scars that were created by other peoples thorns.
With the help of friends, I casted 6 different thorn branches in bronze. Each branch symbolizing a musician that cooperated on the album. Bronze, gold colored to emphasize its value to the whole.
Q4: 前作のインタビューであなたは白鳥のアートワークについて、「アートワーク以外にもストーリーを伝えるための全てに言えることだけど、私たちは作品 “世界” への青写真を描きたいと思っている」 と仰っていましたね。
“De Doorn” (The Thron) と題された今回のアルバムには、荊が描かれています。
Q5: In the album, there were many scenes where you narrated the story, and sounds like a live performance which was impressive. It seems to me that you are showing the importance of interactive dialogue to the world, a world that is connected only by smartphone to smartphone, machine to machine. Would you agree?
【COLIN】: I agree completely, that is why there is a focus on basic human interaction. “Talking into someone” the purest form of storytelling. A direct line into another person. We even mixed it a little louder than it should be. So it would really feel like someone is standing next to you. Its about feeling that someone is there, offering guidance if wanted.
It’s sad to see that empathy and solidarity are vanishing concepts. Its easy to be unkind and coldhearted towards eachother from behind a computerscreen. The world seems to become harsher and harsher to live in. Even having eye contact will one day become something hard to do.
Heart to heart, that is what we need.
Q5: 今回のアルバムには、あなたと Caro がストーリーを朗読する場面が多いですよね。ライブ・パフォーマンスを間近に感じるようなサウンドも素晴らしいですね。
このやり方は、機械と機械、スマホとスマホだけで繋がる現代の人間関係に対して、直接的で相互的な会話の重要性を示しているようにも感じました。
Q6: This time in particular, I feel that it reflects the sadness and pain of Flanders. Still, I felt that the combination of you and Oathbreaker’s Caro Tanghe gave me a sense of divine hope. Could you talk about her role in this record?
【COLIN】: Hope. I am always pleased to hear people hear the hope in our music. It means they have dived in there deep enough. To see through all the darkness. It has always been and always will be about finding light in that darkness.
It was only after it was finished that we thought of Caro. It have been a few years since we had cooperated on anything. And as Lennart had written most of this album, and played with her in Oathbreaker, all arrows pointed direction Caro to join us on this one. We met up with her in Providence US in January 2020 and recorded her vocal parts there. It was nice to see eachother again and hangout. as it was all flemish and she is an amazing artists, we are very happy all of this came together so perfectly.
Q6: 同時に、”De Doorn” では特に、フランドル地方の悲哀を反映しているようにも感じられました。
それでも、同郷 OATHBREAKER の Caro Tanghe とのデュエットでは、僅かな希望も滲ませていますよね?
【COLIN】: 希望。私たちの音楽の中にある希望を聞いてもらえると、いつも嬉しくなるよ。それは、君が十分に深く私たちの音楽に潜ったという証だから。すべての暗闇を見通すためにね。これまでも、そしてこれからも、その闇の中に光を見出すことが私たちの目的なのさ。
Caro のことを考えたのは、楽曲が完成してからだった。私たちが協力して何かを作るのは、数年ぶりのことだったね。そして、Lennart がこのアルバムのほとんどを書き、OATHBREAKER で彼女と一緒に演奏していたから、すべての矢印はこのアルバムへの Caro の参加を指し示してていたと言えるだろうな。
2020年1月にアメリカのプロビデンスで彼女と会い、そこで彼女のヴォーカルを録音したよ。お互いに、再会して一緒に過ごすことができて良かった。すべてがフラマン語で、彼女は素晴らしいアーティストだから、このように完璧にまとまったことをとても嬉しく思っているんだ。
Q7: I interviewed a band called Neptunian Maximalism, who said about the concept of their work “It turns out that we are mistaken to think of the human being so unique in his process of evolution.” They are also from Belgium like you, what do you think about their way of thinking?
【COLIN】: Every creation is as unique as the other. That is nature.
2人を繋ぎ合わせた TYPE O NEGATIVE の “October Rust” も彼女、そしてバンド全体にとって重要なレコードです。
「Peter Steele が大好きなの。私たちは TYPE O NEGATIVE が大好きで、彼らのアルバムは何枚も持っているけど、私にとってはこの作品がメインよ。”Cinnamon Girl”、”Be My Druidess”、そして “Wolf Moon”。Dobber は一度彼らのライブを見たことがあるのよ。うらやましいわ。私は Peter の自伝を読むことで埋め合わせなければならなかったの。バンドに関するメディアならは何でも買っているわ。彼らの曲を聴くのは経験になるのよ。Peter はとても賢い作詞家だから。聴いている音楽の中で一番面白い音楽だと思う。エネルギーを高めてくれるし、幸せな気分にさせてくれるわ。」
ANATHEMA, KATATONIA, SWALLOW THE SUN といった Peaceville 由来のゴシックドゥームな音モスフィアも当然 Cammie の養分です。
「ラブシックな音楽よね。クルーナー的な意味ではなく、切ない憧れとストーリー性を持った、かなりロマンティック。甘くて切なくて、夜にピッタリな音楽だわ。」
EVERGREY のプログレッシブな音の葉は OCEANS OF SLUMBER のスピリットと切っても切り離すことはできません。
「全員 EVERGREY の大ファンなの。”The Storm Within” は私の心を掻き毟り、彼らのエネルギーとボーカル Tom S. Englund が語る経験に引き込まれるわ。彼は信じられないほどソウルフルなのよ。OCEANS は彼らに比較的似ていると感じているの。素晴らしくとてもヘヴィなアルバムよ。」
Cammie の作詞へのアプローチは思慮深く、創造的です。”Pray For Fire” では、再生と破壊両方のための火の対照的な機能を探求しています。つまり人々と土地を守るため、国有林での制御された燃焼と、戦闘での火炎放射器の使用。
ファーストシングル “A Return To The Earth Below” では、自身の鬱病との闘いを、より幅広い社会のパターンとともに考察しています。「私は自分自身を助けるために、集中して前を向いて努力し続けなければならないと感じているの。誰にでも対処することや克服しなければならないことがあるわ。それをもう一度紐解いてみると、社会がいかに悪いパターンに陥っているかがわかるのよ。物事がうまくいっているように見えても、ヒトラー・ユーゲントのように、ゆっくりと、誰も気づかないうちに追い越されてしまうこともあるんだから。」
Cammie の文章には遊び心もあります。クローザー “The Red Flower” は女性としての葛藤と矛盾についての曲で、TYPE O NEGATIVE の “Wolf Moon” カヴァーが続きます。
「”The Red Flower” は女性らしさを歌った曲で、Peter Steele の超ロマンティックなラブソングが続くのよ。(笑) 彼は愛に溢れた男で、彼女のストレスを少しでも和らげたいと思っているのよ!あの曲を女性としてカバーするのはちょっと生意気だと思ったけどね。」
Cammie は将来、特に次世代に希望を持っています。
「子供たちは私たちが生きてきた頃よりも多くの情報を目にするようになってきていて、それが良い意味で彼らを形作っていくのは間違いないと思う。これからの世代は、情報に精通し、賢く、感情的に賢い世代。私は彼らが行動を起こして、過ちのいくつかを元に戻すと信じているわ。私は長い目で見て希望を持っているの。」
アメリカの会場が安全に再オープンし、OCEANS OF SLUMBER のツアーが許可されれば、Cammie は、旅を通して経験するすべての景色、匂い、味の感覚をまた満喫したいと語ります。
「会場に到着して、荷物を降ろして、街に繰り出す瞬間が恋しいわ。まだ開場していないし、皆が荷物を積み込んで、サウンドチェックをして、そして会場のドアから飛び出して外に出て、日の光に目を慣らしながら外に立ち、どこの街でも、どこの国でも、賑やかな通りを見て、すべてを受け入れるの。そして、オープン前の小さな探検の時間を過ごすのよ。地元のおやつ屋さんを見つけたり、コーヒーや食べ物を買いに行ったり。それが一番懐かしいわ。戻ってくるかどうかもわからない何かを待っている気分よ。例えば、飼い猫が逃げてしまった時のように。内向的な自分が思っていた以上にステージが必要なの。人が必要なの …ほとんど誰にも会わなかったこの期間で、思っていた以上に人や観客、ビジネスを失ったことは間違いない。ステージに立って、自分の歌を熱心に聴いてくれている人たちが受け止めてくれていることほど素晴らしいことはないの。それこそが繋がりよ。もう二度とそれを経験できないという考えは、心の中の何かを破壊してしまうのよ。」
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