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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TONY MACALPINE : DEATH OF ROSES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY MACALPINE !!

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One Of the Most Satisfying Listens In The Shred Scene, “Death of Roses” Represent A Triumphant Comeback For Virtuoso, Tony MacAlpine !!

DISC REVIEW “DEATH OF ROSES”

癌との戦いに打ち勝った不撓不屈のギターマスター Tony MacAlpine が、復活の狼煙を上げる “Death of Roses” をリリースしました!!マエストロの新たなチャプターは、自身の “ハイライト” と断言する煌めく七つのモメンタムから始まります。
Tony が癌を患っている事実を公表したのは、2015年8月のことでした。快作 “Concrete Gardens” をリリースし、翌月には来日公演を控えて順風満帆まさに第二の全盛期を謳歌していた Tony のショッキングなニュースは即座にギター、メタルコミュニティーを駆け巡り、世界中のファンが彼の身を案じたのです。
祈りと支援の輪は当然ミュージシャンにも広がりました。2015年の12月に開かれた Tony のベネフィットコンサートには、Steve Vai, Zakk Wylde, John 5, Mike Portnoy, Billy Sheehan, Derek Sherinian といったレジェンドが集結。さらに Steve Stevens, Paul Gilbert, Steve Lukather, Joe Satriani 等のビッグネームも Tony のために自身のギターをドネートしたのです。
「Tony は親友で、実にスイートな人間で、最も才能のあるミュージシャンの一人だよ。」 コンサートを牽引した元バンドメイト Mike Portnoy はそう語ります。実際、インタビューを読めば彼の真摯で優しい人間性と音楽に対するストイックな考え方が浮き彫りになるはずです。
実は Tony を見舞った悲運は自らの病のみではありませんでした。時を同じくして愛する妻も癌に侵されていたのです。「病床からずっと妻のこと、彼女が経験しているであろうこと全てを心配していたんだよ。」 彼のこの言葉には、しばしば音楽の中にまでも滲み出るTony の豊かで温かな人間性が反映されていると感じました。
家族と共に困難な時を乗り越えた Tony が遂に音楽の世界へと帰還を果たす新作 “Death of Roses”。ハイライトであり新たなチャプターだと語る作品はまさに Tony の過去と未来の架け橋です。
31年のキャリアを通して、Tony はプログレッシブメタル、インストゥルメンタル、ジャズ/フュージョンの世界を股に掛けコアな音楽ファンに自身の純粋なる音のメッセージを伝え続けて来ました。
ヴァイオリンの技術を投影したシュレッドのみならずピアノまでをも自由自在に操り、クラシカルな旋律と流暢なギターハーモニーでエセリアルな美のシンフォニーを奏でた初期のソロアーティスト時代。Derek Sherinian, Virgil Donati とタッグを組みメタルとフュージョンを融合させた画期的なプロジェクト PLANET X。よりジャズ/フュージョンへとフォーカスしグラミーにもノミネートされたミュージシャンシップの権化 CAB。Steve Vai との共闘。Mike Portnoy, Billy Sheehan, Derek Sherinian、歴戦の強者たちとの邂逅、プログレッシブスーパーグループ PSMS。現代音楽への傾倒、そして多弦ギターと Djenty な要素まで吸収した近年のコンテンポラリーなスタイル。
復活の Tony が奏でる音楽は、その全てのエレメントがジグソーパズルのピースの如く集約し組み上げられた美しき曼荼羅、すなわち彼の本質であり中心なのかも知れませんね。
オリエンタルでキャッチーなメロディーと Vai ライクなスケールのチョイスが秀逸なアルバムオープナー “Chrome Castle”、スリリングなフュージョンの遺伝子を宿すシステマティックなコンポジションが Djenty でソリッドなリズムに映える “Axiomatic Jewels”、持ち前のクラシカルな素養とピアノの響きが多弦ギターの重低音と調和する “Synthetic Serenity”。実際、様々な要素が絡み合いレイヤーされた複雑でしかし頭に残る楽曲の数々は、Tony のミュージシャンとしての深潭、度量、奥深さを感じさせるに充分なクオリティーを誇ります。
中でもタイトルトラック “Death of Roses” のブルースを著しくエッジーに深化させる試みは、Scott Henderson, Hiram Bullock といった “本物” と浮名を流してきたハンガリアンセンセーション Gergő Borlai​ の助力も得て、作品に類まれなるダイナミズムをもたらしていますね。Jeff Beck, そしてその Henderson とはまた異色のブルースに対する切り口が光ります。
アルバムは、MESHUGGAH が奏でる現代音楽といった様相の低音リフと、アンビエントで優雅な調べが交互にダンスを踊る “Shundor Prithibi” で幕を閉じました。もしかしたら、Tony はここに病床で感じた闇と光を投影しているのかもしれません。そしてベンガル語で “美しい地球” を意味する “Shundor Prithibi” は、2枚組として設計された “Death of Roses” の後半、新たな宇宙へと繋がっていくのです。
今回弊誌では、Tony MacAlpine にインタビューを行うことが出来ました。「インストゥルメンタルミュージックは人間の精神世界への道であり、僕たち全員を結びつけるものなんだよ。」 二度目の登場です。どうぞ!!

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TONY MACALPINE “DEATH OF ROSES” : 9.8/10

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SITHU AYE SENPAI EXPLAINS IT ALL !! 【SENPAI EP Ⅱ: THE NOTICING】


So fast forward 1 year and 7 months and I have released “Senpai EP II: The Noticing”, the follow up to the first EP. It continues to follow the story of these three girls in the style of a slice of life anime. 

“Senpai EP” から1年7ヵ月ぶりに “Senpai EP Ⅱ: The Noticing” をリリースしたよ!!この作品でも、女の子3人の物語を日常系アニメのスタイルで追っているんだ。

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(There’s a new girl in there – we’ll get to her later! Artwork by me)

RECAP OF “SENPAI EP”

To start with, a little bit of a recap of the first Senpai EP and an introduction to the characters. Senpai EP follows the adventures of 3 girls who love to play progressive metal music and is heavily influenced by slice of life anime, especially K-On!. The main character is Megumi Uehara (上原めぐみ) who is nicknamed Prog-chan (プログちゃん), a 17 year old 2nd year in high school who loves to play the guitar. All Prog-chan wants to do is to have fun and to play music with her friends. Her childhood friend (幼馴染) Hanako Todoroki (轟花子) is also 17 and in her 2nd year of high school and plays bass. She is also her class rep and top student in her year. Finally, we have Mari Matsumoto (松本まり) who is 16 and in her 1st year of high school. She idolises Megumi as her guitar playing Senpai. The first Senpai EP followed the idea of slice of life anime, where it followed a day in the life of the girls. It starts with Megumi being late for school (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!)), Mari trying to get Megumi-senpai to notice her (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!)) and a dream Megumi has while asleep in class where she and her friends are magical girls (魔法少女) trying to battle evil guitar frets (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! )). I hoped to parody anime tropes, yet also convey the feeling you get while listening to anime music with this EP. It also established these three as characters that would appear again in Senpai EP II.

“Senpai EP Ⅱ” の解説を始めるにあたって、まず少しだけ “Senpai EP” のおさらいと、キャラクター紹介をしておこう。
“Senpai EP” はプログメタルをプレイするのが大好きな3人の少女が繰り広げるアドベンチャーで、日常系アニメ、特に “けいおん!” に強く影響を受けていたんだ。
メインキャラクターは上原めぐみ、17歳の高校2年生。プログちゃんと呼ばれているようにギターが大好きな女の子さ。楽しく友達と音楽をプレイしたいと望んでいるんだ。
めぐみの幼馴染み、轟花子も17歳の高校2年生で、ベースをプレイするよ。花子はめぐみと同じクラスで学期委員長。学年でもトップの成績を誇るんだよ。
そして3人目が松本まり。16歳の高校1年生。めぐみのことをギターが上手い先輩としてアイドル視しているんだ。
“Senpai EP” の1作目は、日常系のアニメにアイデアを得て、彼女たちの日常を追ったものだったんだ。EP はめぐみが学校に遅刻しそうな場面から始まるよ (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!) )。
まりはめぐみ先輩に気づいてもらおうとしていてね (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!))。
めぐみが授業中に居眠りしていて見た夢は、彼女と友達が魔法少女となり悪のギターフレットとバトルするものだったんだ (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! ))。
つまり僕は、この作品でアニメのトロープスをパロディーすることで、アニソンを聴いている時の感覚を伝えることが出来ればと思ったんだよ。”Senpai EP Ⅱ” にも登場する3人のキャラクターを確立することも出来たしね。

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(The three girls, from left to right: Mari (まり), Megumi (めぐみ) and Hanako (花子). Artwork by Ulrich)

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NEW DISC REVIEW【JASON RICHARDSON : I】INTERVIEW WITH LUKE HOLLAND, JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUKE HOLLAND !!

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Jason Richardson & Luke Holland, One Of The Most Talented Young Guns Will Come To Japan With Game Changing Debut Record “I” !!

DISC REVIEW “I”

24歳と23歳。瑞々しくハイセンスなモダンメタルフロンティアが輩出した俊英2人、Jason Richardson と Luke Holland がタッグを組んだ宿命の別世界 “I” のリリースは、至大のインパクトと共にユニットを遥かなる日いづる国、日本へと導くことになりました。
若干20代前半にして、2人の履歴書はすでに驚くほど充実しています。バークリー入学を蹴って ALL SHALL PERISH でツアーを経験し、BORN OF OSIRIS, CHELSEA GRIN では名作のキーパーソンとなったギタープレイヤー Jason Richardson。最先端の10指が紡ぐ印象的でコズミックなフレーズの数々は、まさに Djent/デスコアミュニティーの発展に欠かすことの出来ないフラッグシップであると言えますね。
一方のドラマー Luke Holland は、インタビューにもあるように、16歳で YouTube チャンネルを開設しセルフプロモートを開始します。今日までに総計で5500万ビューという驚くべき数字を叩き出した彼のプレイスルーカバー集は、Djent, メタルからプログ、エモ、パンク、ポップに EDM までまさに百花繚乱な世界観を独自のアレンジメントと精緻なテクニックで華麗に彩り、今では自らの価値を証明する Luke の貴重な名刺がわりとなっているのです。
実際、動画を見た TEXAS IN JULY から代役を頼まれ、ついには2013年に THE WORD ALIVE の正式メンバーに任命されたのですから、例えば日本の川口千里さんにも言えますが、プレイスルー動画の持つ力、インパクトは音楽シーンのあり方を変えて来ているのかも知れませんね。
“究極的には毎晩ソールドアウトのスタジアムでプレイしたい” と語る Luke が次なるチャレンジとして選んだ “I” は、同時に Jason Richardson がただギターマイスターであるだけでなく、コンポーザーとしても多様かつ至妙であることを証明した一級品に仕上がりました。Luke の言葉からは寧ろ、コンポーザーとしても優れていることが、参加を決意させたようにも読み取れますね。
ダークでシンフォニックな世界観を携え、難解なリズムアプローチと美麗なリードプレイがアトモスフィアの波を掻き分ける “Omni” でアルバムは幕を開けます。不安を煽るようなオーケストレーション、ギターとシンセサイザーの一糸乱れぬ華麗なダンス、そして見事にコントロールされたチャグワークは確かに BORN OF OSIRIS の設計図をイメージさせ、まさに楽曲が Jason Richardson を象徴する”I”であることを宣言していますね。
勿論、現在2人だけでツアーを行っていることからも分かるように Jason と Luke のコンビネーションも抜群。ギターの細かなフレーズまでユニゾンしてしまう Luke の繊細でアイデア豊富なドラムワークはアルバムを確実に一段上の領域へと誘っています。Luke の THE 1975 や THE CHAINSMOKERS をメタルと同列で愛してしまう軽快さこそ彼を際立たせているのです。
粒立ち群を抜いているピッキングの驚異的な正確性、選択する音や音符の意外性、タッピングとオルタネイト、スイープを巧みに使い分けるアルペジオの豊かなバリエーション、そしてストーリーを持った構成美。ソロワークに目を移せば、すでに Jason が世界のトップであると誰もが確信するはずです。メカニカルなシュレッダーのイメージが強いかも知れませんが、”Omni” 中間部の静謐なパートで炸裂するベンド、ビブラートのエモーションは実に扇情的で崇高とさえ表現したくなりますね。全く非の打ち所がありません。
PERIPHERY の Spencer Sotelo がゲストボーカルで参加した “Retrograde” からさらに “I” の世界は広がっていきます。これまでスクリームとのコンビネーションがほとんどだった Jason のギターですが、クリーンボーカルとの相性も決して悪くはありません。Spencer の突き抜けるように爽快でキャッチーなトレードマークは Jason のポップセンスをも見事に開花させ、VEIL OF MAYA の Lukas Magyar, PERIPHERY の Mark Halcomb というオールスターキャストで贈る名曲 “Fragments” にその成果を結実させています。
ポストロックやクラシカル、ブルースにサーフロックの感覚すら包み込んだ “Hos Down” の多様性から生じる魔法はまさに別格です。現代の Guthrie Govan と形容したくなるほどマジカルでエクレクティックな奇跡のコンポジションは、Jason の未来、 “Next Stage” にも多大な期待をいだかせてくれますね。
Nick Johnston, Rick Graham など様々なゲストを迎え、才能が時に融合し、時に火花を散らしたアルバムは、巨匠 Jeff Loomis とのクラシカルな乱舞 “Chapter Ⅱ” でまさに “Ⅱ” の存在を予感させつつ幕を閉じました。
今回弊誌では、7月に来日が決定した Luke Holland にインタビューを行うことが出来ました。POLYPHIA, さらには先日インタビューを掲載した12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X も出演しますよ。どうぞ!!

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JASON RICHARDSON “I” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【Li-sa-X : Serendipity】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Li-sa-X !!

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12-Year-Old Young Shred Muse From Japan, Li-sa-X Has Just Released Her Amazing Debut Album “Serendipity” !!

DISC REVIEW “SERENDIPITY”

日本に舞い降りた、若干12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X が記念すべきデビュー作 “Serendipity” をリリースしました!!穢れなき天使が紡ぐ圧倒的なフレーズの数々は、世界に賛嘆の嵐を巻き起こしています。
幼少時から父親のプレイを子守唄として育った Li-sa-X は、インタビューにもあるように、5歳で本格的にギターを手にします。8歳であの Paul Gilbert に認められ、オンラインギターレッスンに特待生として招待されたというのですから、天賦の才が備わっていることに疑いの余地はないでしょう。
実際、投稿したパフォーマンス動画は世界中のギター/ロック・ファンを驚愕させ瞬く間に400万回以上の再生を記録。これまでに「へヴィメタルの未来を担う天才少女10人」(米MTV)や「将来が楽しみな名キッズ・ギタープレイヤー10選」(米VH1)、「今年(2014年)最も話題の動画1位」(米ギター・ワールド誌)などに選出されるという快挙を演じてきたのです。しかし彼女は慢心することなく日々進化を続けて来ました
。”素敵な偶然”、”予期せぬ幸運” といった意を宿す “Serendipity” というタイトルには、これまでの出会い、応援、優しさ、幸運に対する Li-sa-X からの大きな感謝が込められているのです。
アルバムは、Li-sa-X 初のオリジナルトラックにして作品のタイトル名を冠した “Serendipity” で幕を開けます。ダイナミックなリフワークにファストなリック絡める師匠 Paul Gilbert 譲りのテクニカルなテーマは、マイスター Guthrie Govan を想起させる奔放にアウトするフレージングをも伴いながらマジカルな瞬間と至上のエキサイトメントを運びます。正確なピッキングから生み出されるクリエイティブなアイデアの洪水は、12歳らしい遊び心や瑞々しい感性と一級品のテクニックを包含し、世界に新たなギターヒロインの堂々たる誕生を告げているのです。
“温故知新”。Li-sa-X が演奏家、ミュージシャンとして優れている点はその一言に集約されます。ゲストに迎えた Paul Gilbert, POLYPHIA。さらに “人生を変えた5枚のアルバム” を見れば分かるように、Mr. BIG から PERIPHERY、Guthrie Govan から Jason Richardson まで、世代を超えた色彩豊かな影響はしっかりと彼女の宇宙に血肉として根づいています。実際、トラディショナルな Instru-metal に思える “Serendipity” の中にも、中間部にはモダンで美麗なアトモスフィアをさらりと織り込み、楽曲に立体感を創出しているのですから、その感性の柔軟さには驚くばかりですね。
童謡にプログレッシブで大胆なアレンジを施したアルバムクローサー “アルプス一万尺” は、彼女の未来を約束する楽曲にも思えます。ピアノやヘヴィーリフを巧みに配置し目まぐるしくも耳を惹きつけ離さない、万華鏡のようにカラフルな一曲には、スマートかつキャッチーな清新なるギターの可能性、POLYPHIA ともシンクロするモダンな感覚が息づいています。
クリケットやハーモニクスを巧みに使用し、ニュアンスやアーティキュレーションにまで強く拘った演奏からは、”聴かせる” こと、”楽曲” にプライオリティーを置いた Li-sa-X のギターに対する凛とした考え方が伝わりますね。オリジナルを増やすという彼女の決意も実に楽しみです。
Li-sa-X ワールドへの素晴らしき招待状となった “Serendipity”。今回弊誌では彼女にインタビューを行うことが出来ました。最近ではCMでもお馴染みとなりましたね!どうぞ!!

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Li-sa-X “Serendipity” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FELIX MARTIN : MECHANICAL NATIONS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FELIX MARTIN!!

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Felix Martin’s Twin-Neck 14&16 Strings Guitar And Two Hand Tapping Technique Opens The New Realm Of Instru-metal Music With Incredible New Record “Mechanical Nations” !!

DISC REVIEW “MECHANICAL NATIONS”

南米ベネズエラが生んだギターウィザード Felix Martin が、ラテンの風とモダンな色彩を投影した最高傑作 “Mechanical Nations” をリリースしました!!14&16弦のダブルネックが紡ぐ鮮烈で独創的なその調べは、鸞翔鳳集な昨今の Instru-metal シーンにおいても一際光彩を放っています。
Felix の楽器は独特です。Warr Guitar や Chapman Stick など確かに10弦を超える多弦楽器は存在します。ただ、それらはベースの色合いが濃く、ベースにメロディー用の弦、レンジが付属しているといった考え方を基調としています。
対して、Felix のダブルネックギターは、インタビューにもあるように、同じレンジのギターを2つ合わせただけのある意味シンプルな構造。しかし同じレンジの7、8弦ギターを2本使用するため、既存の多弦楽器 (スケールが長い物もあるので一概には言えませんが) に比較して、よりギターの領域にフォーカスした立体的な演奏を味わうことが出来るのです。
勿論、ギターやベースに比べれば、双方のギターをタッピングで奏でるため両手の自由度は高く、遥かに多くの音を同時にプレイすることが可能。パーカッシブなピアノとも称される彼のテクニック、アプローチは、まさしくモダンギターイノベーションのフロントランナーだと言えますね。
その先鋭的なスタイルに反し、クラシカルなトリオという編成で制作された “Mechanical Nations” は、母親が手がけ、自らのギターをあしらったその芸術的で大胆なアートワークが示すように、南米大陸への深い愛情を包み込んだ芳醇な作品に仕上がりました。南米をツアーし、大陸の多種多様な都市の空気、エネルギー、文化、景観に触れた Felix は、街ごとに受けたインスピレーションを楽曲へと反映して行ったのです。
“Barquisimetal” は彼のホームタウン Barquisimeto を、そして “Canaima” はベネズエラが誇る世界最後の秘境カナイマ国立公園を心象として生まれた楽曲です。そしてアルバムでも最もメタリックかつメカニカルな、タンゴのリズムを纏った前者と、最も穏やかでノスタルジックな、フォークミュージックのイメージを具備した後者のコントラストは、そのままベネズエラの豊かな音楽文化の写し鏡となっているのです。
カリビアン、ネイティブ、 アフリカ系、ヨーロッパ系。 まさに人種のるつぼと言える社会主義国家はレゲトン、サルサ、ホローポ、ガイタ、カラカスのメレンゲなど、ロマンティックから複雑な拍子を持つ音楽までラテンミュージックを象徴する雑多なバックグラウンドを宿しています。そしてそのラテンのルーツは Felix の内面世界にも強く共鳴し、唯一無二の Instru-metal、グローバルフュージョンへと昇華しているのです。
メタル、ジャズ、プログ、ファンク、そしてラテンの雄弁なカクテルと言える “Mechanical Nations”。インタビューで語ってくれた通り、”Santos” にゲスト参加した Angel Vivaldi のリードを除いて作品にはソロパートが存在しません。それでも作品が至上のスリルを常に纏っているのは、バークリーで学んだトリオの傑出した技術と、緩急を巧みに配置したコンポジションの賜物だと言えますね。
つまり、”Eight Moon Headdress” が象徴するように、クリーントーンの詩情豊かなサウンドスケープと、エキサイティングで攻撃的なパーカッシブテクニックが目まぐるしく交互する魅力的な楽曲群は、手数の多いエキゾチックなドラミングとスラップを交えたダイナミックなベースプレイが牽引し、タイトなバンドの推進力となっているのです。
ANIMALS AS LEADERS, KING CRIMSON, PRIMUS, 或いは Stanley Jordan。Felix のマジックタッチと彼のバンドが生み出すドラマティックな芸術は、偉大な先人にも比肩し得るクオリティーと独創性を秘めています。今回弊誌では、Felix Martin にインタビューを行うことが出来ました。日本でライブを行うのか昔からの夢だそう。どうぞ!!

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FELIX MARTIN “MECHANICAL NATIONS” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

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This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

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ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

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KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

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RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

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VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

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the cabs “一番はじめの出来事”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

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WORLD PREMIERE !! FULL ALBUM STREAM【VIPASSI: SUNYATA】


FULL ALBUM STREAM : VIPASSI “SUNYATA”

THE MEMBERS OF AUSTRALIAN SHOOTING STAR, NE OBLIVISCARIS & HADAL MAW HAS JUST LAUNCHED “EXTREME INSTRU-METAL” BAND VIPASSI !!

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With ‘Sunyata’, VIPASSI offer such a rare album that combines ecstatic technical virtuosity with a love of creating atmospheric soundscapes, sparkling melodies, and captivating passages.
VIPASSI were birthed in 2009 by guitarist Ben Boyle and members of Australian shooting stars NE OBLIVISCARIS, which marked the beginning of a long journey of writing and rehearsing. They soon settled on an instrumental style that captured the openness aimed for to allow any listener to interpret and connect with the material subjectively. Their project represents a desire to explore beauty and darkness in all its shades, through melodic and complex compositions that are bemused in themes of the struggles of the human experience, exploring nature, spirituality and science.
The roots of their sound reach back into a time when bands such as ATHEIST and CYNIC began to reform extreme music by infusing jazz and progressive elements into death metal. Now VIPASSI add a new chapter to the story with the instrumental highlight ‘Sunyata’. Dig deep into this musical treasure trove spilling over with shiny details, glittering melodies, and wealth of rhythm patterns.

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オーストラリアンシューティングスター、NE OBLIVISCARIS, HADAL MAW のメンバーが所属する別バンド VIPASSI は BLOTTED SCIENCE, CONQUERING DYSTOPIA, EXIVIOUS といった Extreme Instru-Metal に連なる新たな才能です。
1/20 にリリースするデビューフルレングス “Sunyata” は、ツインギターが織りなすテクニカルでレイヤーされたリフワーク、フレットレスベースのフレキシブルなサウンド、そしてクリエイティブなリズムを併せ持ったエポックメイキングな作品です。
凶悪なブラストビートからアトモスフェリックなサウンドまで自在に操るコンポジションの妙は、確かにあの NE OBLIVISCARIS のメンバー3人が所属することを示唆しています。しかし同時に VIPASSI はよりユニークでプログレッシブなコンポジションへと特化されており、インストルメンタルでありながら Death Metal を新たな領域へと推し進めた CYNIC, ATHEIST にモダンなフレイバーを加えたような音像と言えるかもしれません。
今回弊誌では、世界に先駆けて自然や科学、精神性にフォーカスした “SUNYATA” のフルストリームを行うことが出来ました。NE OBLIVISCARIS と併せてぜひチエックしてみてくださいね!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NICK JOHNSTON : REMARKABLY HUMAN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK JOHNSTON !!

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Canadian Guitar Hero, Nick Johnston Has Just Released Minimal, Mystic, And Emotional Masterpiece “Remarkably Human” !!

DISC REVIEW “REMARKABLY HUMAN”

カナダを代表するインストゥルメンタルギタリスト、Nick Johnston が”傑出した”新作 “Remarkably Human” をリリースしました!!ギターを見事に歌わせたメロディーとエモーション、そして高度なインテリジェンスを兼ね備えたこの作品は、彼のマイルストーンとして更なる飛躍のきっかけとなることでしょう。
Paul Gilbert, Plini, Tosin Abasi, PERIPHERY, THE ARISTOCRATS, POLYPHIA, など新旧問わず才能豊かなアーティストとコラボレートしてきたことからも、この Schecter のストラトシェイプを獲物とした29歳のアックスマンが、”傑出している”ことは明らかでしょう。
そして、彼がこれほどまでにミュージシャンから注目を集めているのは、その”マイナスの美学”によるところが大きいのではないでしょうか。
モダンギターシーンは足し算の世界です。音を足し、ギターの弦を足し、リズムを複雑化し、フラッシーなプレイを追求するプレイヤーが多いと感じます。勿論、それらは非常に魅力的で、重要な冒険ですが、同時に Nick を際立たせることにも繋がりました。
“Remarkably Human” は、THE ARISTOCRATS の Bryan Beller, KING CRIMSON の Gavin Harrison, Plini の Luke Martin を起用して制作されました。前作、”Atomic Mind” ではドラマーも THE ARISTOCRATS の手数王 Marco Minnemann が参加していましたが、PORCUPINE TREE でも活躍してきた Gavin を選んだことからも Nick の向かう先が伝わるように思います。
“Ignore Alien Orders” はインストゥルメンタルギタリストのアルバムオープナーとは思えないような楽曲です。作品で最初に飛び込んでくる音もギターではなくピアノなのですから。しかし、Luke のダークでダイナミックなピアノが Nick の繊細なトーンを導くと、Gavin の巧みなシンバルワーク、Bryan のフレキシブルなベースラインが見事に調和し、”Remarkably Human” で目指すところが顕になります。極限まで楽曲にフォーカスした4人のオーケストラ。フラッシーでもプログレッシブでもありませんが、ここには極上の音楽が存在します。
コンポーザーとして、非常にミニマルな境地へとたどり着いた Nick ですが、インタビューで語ってくれた通り、ほとんどがピアノで作られたという楽曲群は、Plini でもお馴染み Luke Martin の神秘的なサウンドスケープが一つの鍵となっています。”Weakend by Winter” はまさに2人の才能が完璧に噛み合った作品のハイライトですし、昨今のインストゥルメンタル音楽で最も美しい瞬間かも知れません。
コンポーザーとしての Nick にばかり注目して来ましたが、勿論プレイヤーとしても驚異的で、テーマ部分で、Larry Carlton を思わせる巧みな音の選択と、David Gilmour のような強烈なエモーションを提示すると、Guthrie Govan や Steve Lukather を想起させるスリリングでクロマティックなリックの数々により、楽曲は無限に拡がりを見せていきます。ストラトの長所である、オーガニックなアーティキュレーションの使用が白眉で、フレーズの一つ一つが感情を持っているかのようにすら感じますね。
今回弊誌では、マイナスの美学により見事な作品を作り上げた Nick Johnston にインタビューを行うことが出来ました。YOUNG GUITAR 誌でもコラムを持っていた彼は非常に強く来日を望んでいます。2度目の登場となりますね。どうぞ!!

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NICK JOHNSTON “REMARKABLY HUMAN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SITHU AYE : SET COURSE FOR ANDROMEDA】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SITHU AYE !!

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One of the most important release of Instru-Metal scene in this year !! Sithu Aye set to release magnificent double album “Set Course for Andromeda” on 5/4!!

DISC REVIEW “SET COURSE FOR ANDROMEDA”

我らが “先輩” こと、グラスゴーが生んだ才気あふれる新世代ギタリスト Sithu Aye。5/13から始まる初の日本ツアーに先駆けて、5/4に新作 “Set Course for Andromeda” をリリースします!
フルアルバムとしては2012年の “Invent the Universe” 以来となる新作は、ダブルアルバム、76分の壮大なエピックに仕上がりました。同時に、最も重要な今年の Instru-Metal 作品になることは間違いないでしょう。
近作では、コラボレートも行った PLINI と路線を同じくするような、メロディー重視でフュージョン要素の濃い音楽性にフォーカスしていた Sithu Aye ですが、”Set Course for Andromeda” では “Invent the Universe” 以前のようなヘヴィーグルーヴやテクニカルな展開を大幅に復活させており、改めて彼のアイデンティティーを強く印象付けています。同時に、ジャズ、オーケストラ、シンセサイザーといった幅広い要素も巧妙に使用されており、多様性に富んだ現代的なアルバムとも言えるでしょう。
ゲストソロイストも実に豪華。同志 Plini をはじめ、David Maxim Micic (DESTINY POTATO), Aaron Marshall (INTERVALS), Mark Halcomb (PERIPHERY), Yvette Young (Covet), THE HELIX NEBULA というモダンギターシーンを象徴するようなプレイヤーたちが集結し作品に色を添えています。
チップチューン的イントロが印象的な “Set Course for Andromeda!!!” 、”Constants and Variables”, “Transient Transistors” のヘヴィーグルーヴはまさに初期 Sithu Aye ですし、驚くほどジャズな “Spiral” まで Disc 1の多様性はカラフルな万華鏡のよう。ただ、Disc 1では全ての楽曲にゲストを配しているのに対して、Disc 2、29分の大曲 “The Andromedan” は彼1人で作曲、ソロ、プロデュースを全てこなしていることを考えれば、作品のキモは Disc 2 にあるようにも思えます。
実際、大曲の第一楽章 “PT1: A Single Step” は、新しいことに挑戦したかったと語る Sithu の意志を体現したかのような楽曲です。ジブリ作品を想起させる雄大でオリエンタルなメロディーが、ストリングス(二胡)とアコースティックギターを伴って紡がれる美しい楽曲は、彼の新しい1面を伝えると共に、代表的な1曲となる可能性を秘めています。
さらに見事なのは、”The Andromedan” 自体も、”A Single Step” で提示したオリエンタルなテーマを巧妙に変化させつつ使用しながら、彼の様々な魅力を引き出し伝えている点です。”PTⅡ: Mystic Village” でのミニマルなポストロック、”PTⅣ: The Darkness Within” から “PTⅤ: Rebirth” にかけての Djent + Dream Theatre 的ダークでテクニカルな展開、そしてオーケストラルな大円団 “PTⅥ: Mother of Creation” まで、息つく間もないほど濃厚な音楽世界はリスナーを壮大な宇宙旅行へと誘います。
さらに、ソロイストとしての Sithu も素晴らしく円熟して来たように感じます。見事なコール&レスポンス、リックの豊富さ、そして強烈なエモーション。楽曲のレベルを一段引き上げるようなソロワークが秀逸なギターアルバムでもありますね。
今回弊誌では Sithu さんに3度目のインタビューを行うことが出来ました。テクノロジーコンサルタントという仕事を辞して、フルタイムミュージシャンとして挑む彼の新たな出発は、野心的でキャッチーで多様性に富んだ素晴らしいレコードと共に始まります。どうぞ!!

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SITHU AYE “SET COURSE FOR ANDROMEDA” : 10/10

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