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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ZULU : A NEW TOMORROW】


COVER STORY : ZULU “A NEW TOMORROW”

“We Can’t Be Who We Want To Be”

A NEW TOMORROW

世界は分断されています。左対右、金持ち対貧乏人、私たち対彼ら。ソーシャルメディアやニュースをざっと見ただけでも、私たちの “違い” に関する言説が耳をつんざきます。そして、ヘヴィ・ミュージックのアーティストたちは、何十年もの間、この本質的な怒りと激情を音楽へと注ぎ込み、怒りをぶつけ、反乱を呼びかけてきました。しかし、人生の喜びや、世の中の良いことに焦点を当てたバンドはそれほど多くはありません。
そこでロサンゼルスのパワーヴァイオレンス・クルー、ZULU の登場です。デビューLP “A New Tomorrow” を発表した際、ボーカルの Anaiah Lei は「愛に焦点を当てたポジティブなレコードを作りたい」と語っていました。なぜそれが重要な決断だったのでしょうか。
「愛と希望は人生の主要な部分だから、それについて常に話したいと思っていたんだ。このジャンルでは、もちろん怒りを吐き出すのはクールだし、悩みを打ち明けるのは素晴らしいこと。ヘヴィ・ミュージックは、他の世界から排除され、慰めを求めている人たちが行く場所で、自分が経験したすべての問題を話し、ただそれを吐き出すための場所。歌っていても、ステージに上がっていても、ピットの中にいてもね」
物心ついたときから音楽とバンド活動に携わってきた Anaiah は、自分の発言をよく理解しています。特に ZULU は、2枚の EP とカオティックなライブでハードコア・シーンに衝撃を与え、デビュー・アルバムのプレッシャーと認知度は相当なものでしたから。彼は今度のアルバムについて、時の試練に耐えられるような “大きなステートメント” でありたいと述べています。
「怒りや攻撃性についてだけ語るのであれば、そうすることもできないわけではない。でも人生において、怒りや苦難だけでなく、人々に影響を与えたいとすれば、それは愛から来るものなんだ」

Anaiah は、私生活の変化が自分の考え方に直接影響を与えたといいます。レコード制作の途中で、自分がどうありたいかを自覚するような転換期があり、希望と幸福を見つけることに全力を注ぐことが容易になったというのです。
そして実際、”A New Tomorrow” にはアイデンティティ、連帯感、コミュニティといった概念と同様に、希望という概念が縫い込まれています。コミュニティとは、文字通り家の周辺から、Discordチャンネル、あるいは自分が働く業界など、人にとって様々で大きな意味を持つ存在。そして、そこでは必ずしもあなたが歓迎されるわけではありません。
「コミュニティで最も重要なのは、実際に一緒に何かを行い、お互いを巻き込むこと。ライヴやイベント、コミュニティ内の他のバンドをサポートすること。というのも、この社会では、俺たちはしばしば踏み絵に逆らって歩むことが多いからね。踏めないものを踏んでまで生きたくはない。だからこそ、俺たちのコミュニティは一緒にいて、調和し、団結して生きていくべきなんだ。
そうやって、同じことを考える人たちで、自分たちのシーンを形成したい。基本的には……変化し、良くなってきてはいるけれど、まだまだ先は長いし、それが現実だ。でも、人々がより団結するようになったことは、とてもうれしいことだよ。インターネットでは、簡単に人とつながることができるけど、それは自分のシーンから始まるんだ」

ハードコアへの熱狂的な情熱と、力強さと正義のメッセージにもかかわらず、Anaiah はコミュニティのある一角に受け入れられていると感じたことはなく、必要とされているとさえ思っていません。Soul Glo の Pierce Jordan をフィーチャーした “A New Tomorrow” の代表曲 “Where I’m From” で、彼はZULUのようなバンドに居場所を与えてくれない人々に対して “We can’t be who we want to be” “自分らしくいられねぇ” という言葉を突きつけました。
「あの歌詞が全てを物語っているような気がする。自分たちのシーンでさえ、自分らしくいられないんだ。ジャンルの門番たちにとって、ハードコアやメタルといった彼らが期待する音楽以外のジャンルのファンであろうとすることは奇妙なことで、他の音楽、”自分たちのものでない” 音楽を聴くこと自体が奇妙に感じられる。俺たちは見た目で人から期待されているからな。彼らは、私たちがただ一つの音楽に夢中になっていることを期待している。とんでもない諸刃の剣だよ。だって、外の世界では排除され、抑圧された人々が、逃げ込む場所のように思われているメタルやハードコアのシーンが、その空間の中ではまったく同じことをしているんだから。文字通り、邪魔されることなく、なりたい自分になることができないんだ」
この気の滅入るような皮肉は、Anaiahにとって耐えられないものです。彼は、ヘヴィ・ミュージックやハードコア・パンクに多くの人が惹かれる理由の本質として、多数派や社会に “馴染めない” “馴染みたくない” という考えを共有しています。しかし今、このシーンは “クラブのようになってしまった” と彼は言い、本来の趣旨に事実上反していると主張しているのです。
「だからこそ、ある閉鎖された集団の一部になりたいということではなく、自分のスペースを作り、自分たちのやりたいことをやり、自分たちと同じ波長の人たちと関わりたいと思うようになったんだ。もう、そういう空間には関わろうとしない。”自分たちで作るんだ”」

Anaiah は、貧富の差が激しく、悪名高いギャングの暴力や歴史的な人種間の緊張があるロサンゼルスで生まれ育ちました。幼少期には、ロサンゼルス市内のさまざまな場所に移り住む母親や父親のもとを転々とし、ゆえに “富める者” 以外の残りの半分がどのように暮らしているのかを知ることができたのです。
「郊外に住んでいて、隣人が誰かについて、誰もが異なる “議題 “を持っていた…俺は早い段階で人種差別を理解し始めたんだ。そして、ハードコア・シーンに黒人を歓迎しない雰囲気は今でもある。だから、黒人だけのバンドを作るのは大変だったよ。こういう音楽をやりたがる黒人ミュージシャンはそれほど多くないからね。シーンは主に白人が支配している。そのような場所で演奏するのは、ちょっと気が引けるんだ。だから、シーンに僕みたいなことをやっているミュージシャンが少ないというのはよくわかるよ」
しかし、どこに住んでいても音楽はありました。若い頃、Anaiah はレゲエ、ダブ、ソウルをよく聴いていましたが、やがてイギリスのポストパンクからLAのハードコアまで、よりヘヴィなサウンドに触れるようになります。何がきっかけでハードな音楽に目覚めたのかと聞かれると、「あまりに早い時期だったので思い出せないが、演奏の速さが魅力的に感じた」と笑います。
9歳のとき、Anaiah は兄の Mikaiahと THE BOTS というバンドを結成しました。2人組のガレージ・パンクは早くから注目され、12歳の時には Warped Tour でアメリカ全土を駆け巡るまでになります。10代の頃、友人たちが高校というホルモンに支配された地獄のような場所で過ごしている間、Anaiah はコーチェラやグラストンベリーに出演していたのです。
「あの若さで長い間ツアーをしたことで、音楽業界やツアーについて多くのことを学んだ…今知っていることはすべて、あのバンドで学んだことだ。まあだけど、子供の頃は、ただ成長するための試練や苦難を経験するものだけど、あのような環境で成長することは、期待と成長のバランスをどう取るかわからなかったからまさに異質だったね。どんな子供でも、そんな経験をする必要はないと思う」
Anaiah は、自分の経験をハリウッドの子役と同じように、望むよりも早く成長してしまったと認めています。しかし、そのおかげで、音楽が実際にどのように機能するのかを学び、ZULU に反映させることができたので、後悔はありません。

バンドが解散した後、Anaiah のソロ・プロジェクトとしてスタートした ZULU は、THE BOTS よりもはるかにヘヴィな存在だと言えます。低音のリフ、マシンガンのようなボーカル、パーカッションが飛び交う彼らの楽曲は、短く鋭い衝撃を与えるパワー・ヴァイオレンスで、ほとんどの曲が2分を超えることはありません。
前のバンドと明らかに違うのは、Anaiah がドラムキットの後ろではなく、前に出てマイクを持っていること。
「リズムを刻みながらバックグラウンドに存在し、バンドの他のメンバーをサポートする方がずっと簡単だった。でもね、”フロントにいるとき、自分は何を表現したいのか?” という疑問が浮かんできたんだ。前から見る世界は、自分にはどう見えるのだろう?ワクワクするんだよな。バンドのボーカルになるのは、とてもエキサイティングなことだと思う。それに、文字通り、ただドラムを叩くだけでないバンドをやりたかった。ギターを弾くのは好きなんだけどね。曲作りは今でもドラムからだけど、ますますギターの比率が高まっている。俺はいつもリアルで、自分自身に忠実でありたいと思っている。だから、ステージ上でもそれを伝えたいと思ったんだよ。手放しで音楽を感じなければならないと思った」
ZULU は GULCH や JESUS PIECE と似たような凶暴性を持っていますが、彼らのヘヴィネスというブランドは “全面戦争” というよりも、R&Bやソウル、ジャズの要素を取り入れ、Curtis Mayfield、Nina Simone、John Coltrane といった魂をその闘争に封じています。 たとえば、”Lyfe a Shorty Shun B So Ruff” では、Nina Simone  の”To Be Young, Gifted and Black” をサンプリングしています。この歌は、公民権運動の時代にアフリカ系アメリカ人を勇気づける重要な国歌。さながら今、内面の混乱の時代に自分たちが誰であるかを思い出すように促しているようです。
「彼らは俺たちが現在行っていることをしていた。彼らがいなかったら、俺たちはここにいなかっただろう」
“Music to Driveby” では、Curtis Mayfield  の “We People Who Are Darker Than Blue” が、コミュニティ内暴力についての Anaiah のリリックと皮肉に見事に呼応しています。Curtis の柔らかな軽快さは影の隠喩として機能し、救いは “彼ら” ではなく “私たち” によってのみ決定されるため、コミュニティは対立するのではなく協力しなければならないことを警告していること。” A New Tomorrow” でこうしたのサンプルに注がれた慎重な検討は、Anaiah が過去の世代の自由の闘士を認め、彼らの希望の賛歌を利用していることを示唆しています。
「このバンドはパワー・ヴァイオレンスとしてスタートしたけど、時を経て物事は変わるもの。将来的にはもっと変わるだろう。俺たちができること、俺たちが持っているスキルでできること、知っていることを制限したくはない。ジャンルを変え始めたりするのを見ると、人はいつも少し批判の目で見るけど、実際は誰がどう思うかなんてどうでもいいんだ」

実際、ハードコアやメタルのファン以外にも、ZULU は受け入れられています。
「ZULU のような活動をするのはとてもクールだよ。ハードコアにまったく興味のない人たちが  ZULU に夢中になっているのを見たことがあるからね。認めてくれて、気に入ってくれている。ジャンルが何であれ、クールなものはクールなんだ。俺はそれを疑問にも思わない。異なるタイプのショーや異なるタイプのラインナップで演奏でき、人々がそれをロックしてくれるのはクールなことだよ。24、25 トラックのアルバムを簡単に出すことはできるが、曲の長さが 1 分未満であっても、誰も 24、25 トラックのアルバムなんて聴きたがらない。 それに加えて、いくつかの曲を長くして息を吹き込む余地を与えたいと思っていた。だから最初に始めたとき、重要なのはテンポを少し遅くしたいということだった。 テンポを少し下げて、それほど複雑にならないよう。同時に、レコードを書いているときは、それに合うビジュアルについて考えている。 アルバムジャケットは俺にとってとても重要だから」
TURNSTILE に影響された部分もあります。
「俺たちは普通のハードコア・バンドとは違うことをやろうと思っているんだ。だから、ソウルもあり得るし、R&Bもあり得る。そして限界もある。TURNSTILE はコンテンポラリーなネオソウルや R&B でも少し遊び始めているように感じるけど、これはかなりポジティブな展開だと思うんだ。大好きなバンドのひとつだよ。彼らはドープなものを使って実験している。あのレコードは狂気の沙汰だった。アンタッチャブルだ。たくさんの障壁を打ち破ってくれる」
ブルックリンのアンダーグラウンドなヒップホップからの影響も。
「”Straight from Da Tribe of Tha Moon” だね。90年代にブルックリンで活動していたグループ、BLACK MOON。彼らの曲には “Slave” という曲がある。歌詞の中で、月の部族から来た人のことが出てくるんだ。でも、僕はこの歌詞を、黒人の人たちを指すのに使うことにしたんだ。そんな感じ。ただ、この歌詞を、ちょっとジャジーにアレンジしてみただけだよ。月が出てると暗いから、黒い人のためにあるってね」
“Abolish White Hardcore” 「白人のハードコアを廃止せよ」 と書かれたTシャツで物議を醸したことも。
「ハードコアのショーで白人を追い出すなんてことは言ってない。ただ、そういうショーは、とにかく白人が中心だよね。説明するのは好きではないんだけど、理解できない人たちのために……あまりに明白なことを説明しろというのは、ちょっと嫌な感じだね。とにかく、ハードコアは白人が支配する空間だ。そういうことなんだよ。それを指摘しただけなんだ。俺たちは誰かを排除しようとしているわけではない。ただ、みんなのために道を作りたいんだ。本当にそういうことなんだよ。この空間はみんなのものであるべきだ。白人が中心で、いつもそれを軸にしているという考え方は……もうやめなければならないね。それに文句を言う人がいるとしたら、その人はバカだ。俺は文字通り、そんな文句は気にしない」

ZULU は、Anaiah が彼のソウルフルで野蛮なサウンドを共有する手段であるだけでなく、考えを世界と共有する手段でもあります。この実に扇情的なデビュー・アルバムを通して、彼は自分のプラットフォームの上で、団結、銃の暴力、ブラックカルチャーの流用について語っています。しかし、アルバムのタイトルから、力強い詩の朗読 “Créme de Cassis” の歌詞に至るまで、物語の基盤は楽観主義であり、より良い未来、より良い世界への努力を歌っているのです。
インストゥルメンタルを中心とした2曲の後幕を開ける “Our Day Is Now” は、Anaiah が初日から音楽に込めたかった “一体感” と “力強さ” のアイデアを胸いっぱいに吸い込んでいます。
「この曲は、人々が人間に望んでいることの2つの側面について話している。人々は俺たちが分断することを望み、俺たちが怒ることを望んでいるんだ。つまり、時に人々は、俺たちが調和して生きることを望んでいないように感じることがあるんだよ。変な話だけど。でも、ちょっと待って。俺たちには、人々が見逃している別の側面がある。俺たちが発するたくさんの愛、たくさんの創造性、そしてたくさんの喜びがある。曲の中で言っているように、そうした人々は自分が見たいものしか見ていない。でも、俺たちにはそれ以上のものがある」
“A New Tomorrow” の核となるのは愛と希望ですが、これを弱さと混同してはいけません。なぜなら、Anaiah ほど決意に満ち、知的で、自分が何者であるか、何を目指しているかに自信を持った人はいないでしょうから。そしてこのアルバムは、彼のコミュニティのためだけでなく、外部の人々が彼らの経験を聞き、理解するために作られたのです。
“Music To Driveby” は、人々を分断させようとする銃やギャングの暴力だけでなく、分断を拡大させる社会のシステム的問題についてもコメントしています。
「ギャングの世界に生まれた人たちにとって、それが彼らの当たり前であり、それが彼らのすべてであり、それが彼らが日々直面しなければならない現実なんだ。だから、俺はそのことにほんの少し光を当て、誰にでも起こり得るいかに現実的なことかを伝えているんだよ。そして、それは銃による暴力や殺人だけでなく、精神的な分断も同様。洗脳や、白人至上主義が俺たちを分断させるという影響もある。それも、ドライブバイ (シューティング。車から射撃をする凶悪な犯罪) がそうであるように、どこからともなくやってくる」

そうして、Anaiah の人生に最も強く浸透しているのは、彼のスピリチュアルな部分かもしれません。彼はラスタファリアンとして育ちました。ZULU のグッズやアルバムの付録を見ると、アフロカリビアンやラスタファリアン文化の影響を強く受けており、歌詞の中にはジャマイカのパトワが散りばめられているのがわかります。彼は現在イスラム教徒ですが、彼らの音楽にはラスタの精神性が “根付いている” と言い、特にエンディングの “Who Jah Bless No One Curse”(タイトルは Bob Marley の曲から)はその典型的な例だと言います。
「ラスタで育ち、イスラム教徒であることは、俺の中において文化的にはさほど遠いものではなく、すべてがこのバンドが持つスピリチュアルな側面と結びついている。バンドの始まり、最初のレコードで、君はそれを聞くことができたし、すべての歴史を通して、そこには神の存在があるんだよ」
ただし、Anaiah は ZULU が宗教的なバンドでないことを熱心に指摘します。
「それは全く重要なことではなく、俺の人生の側面をそこに散りばめているだけなんだ。俺は、特にイスラム教徒として、他人が信じるか信じないかで誰かを非難するのは間違っていると考えている。誰もが自分の意思を持つ人間であり、自分自身の人生を歩む権利があるのだから。俺にできることは、イスラム教について話すことだけ。自分の現実について話すことだけで、それがこのアルバムでやっていることだ。音楽と俺の人生に影響を与えるものすべてを含めてね」
彼らはシーンをオープンにし、特定の人たちだけでなく、音楽を愛するすべての人のための空間にすることを目指しています。そして、世界は変わりつつあります。
「変化がある、変化があった、もっと変化がある。俺たちはずっとこうしてきたし、人々はずっと立ち上がり続けてきたし、これからもそうしていくだろう。俺は変化が起こること、起こり続けることを人々に知ってほしい。そして、準備をしてほしいんだ」

参考文献:KERRANG!ZULU: “People expect us to be angry, but there’s a lot of joy that we emit”

NPR:Zulu’s soul-sampling powerviolence shifts the pit toward love

NEW NOISE MAG:INTERVIEW: L.A. POWERVIOLENCE BAND ZULU

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IMMORTAL GUARDIAN : PSYCHOSOMATIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH IMMORTAL GUARDIAN !!

“Now It’s The Only Way I Play Music. I Feel Naked When I Only Have Just One Of The Guitar Or The Keyboard On Me. It’s How I Think And How I Express Myself The Best Musically.”

DISC REVIEW “PSYCHOSOMATIC”

「ギターとキーボード、どちらか片方だけを持っていると半裸になったような気分になるんだ。それが僕の考え方で、音楽的に最高の自分を表現する方法なんだよね。」
ダブルネックの16弦ギター、モンゴルのホーミーと伝統楽器、アステカの笛に骨のマイク。弊誌ではこれまで、奇想天外なアイデアとメタルの融合をいくつも報じてきました。
どんな突飛な発想とも真摯に向き合うメタルの包容力は、そこから驚くほどドラマティックで獰猛なキメラを多数輩出してきたのです。馬鹿らしさを馬鹿らしさだけで終わらせないメタルの神秘。それでも、ギターとキーボードを同時に演奏という曲芸じみた異能に挑戦する戦士は Gabriel Guardian がはじめてでしょう。
「この2つの楽器を組み合わせることで多くのことが実現できる。音楽的に多くの表現ができるし、そこに無限の可能性を秘めていることも気に入っているよ。」
実際、Gabriel は例えば Alexi Laiho と Janne Wirman の役割を一人で同時にこなすことを究極の目標としている節があります。そのためには、もちろん、基本的にはギターをピッキングなし左手のタップだけでプレイする必要がありますし、鍵盤は右手だけ。ただし、その欠点を補ってあまりある視覚的なインパクト、そしてユニゾンやコード、リズミックなアイデアの広がりがあることは明らかでしょう。他人と意思疎通することなく、自由自在に掛け合いができるのですから。
「僕は昔からメタルにおけるクラシック音楽が好きだったんだ。若い頃はクラシックを聴いていたけど、それからは正直あまり聴いていなかった。だからクラシックの影響というよりも、自分の曲にクラシックの影響を取り入れているメタルバンドから多くの影響を受けたんだ。」
“Read Between The Line” を聴けば、Gabriel の “ギターボード” という発想がメタルとクラッシックのさらなる融合に一役買っていることに気づくはずです。彼はクラシカルなメロディーをその異能で立体的に配置し、構成する技能に優れていますがクラッシックの教育は受けていません。しかしだからこそ、難解複雑な理論よりも、メタル者が欲する “クラシカル” の海へと音楽を没入させることが可能なのでしょう。
「僕たちの曲はパワーメタルで、クラシカルなシュレッドギター/キーを使っているけど、ドラマーとベーシストのリズムセクションはモダンでテクニカルなメタルに傾倒している。この融合が素晴らしくて、このジャンルの名前を思いついた人をまだ見たことがない。」
シンガロングの麻薬 “Phobia” は象徴的ですが、リズムセクションが牽引する djenty なリフワークとパワーメタルの婚姻も想像以上に鮮烈な化学反応をもたらします。フラスコには、メキシコ、ブラジル、カナダ、テキサスの多様な背景、文化がしたたり、メタル革命を指標する “スーパーメタル” が誕生しました。間違いなく、OUTWORLD や HEAVEN’S GUARDIAN で知られる Carlos Zema の強靭な歌声は革命のハイパーウェポンでしょう。
「今回のパンデミックで世界中の人々が受けた心身への影響を目の当たりにして、このアルバムのテーマが思い浮かんだ。その結果、ソリッドでヘヴィで革新的なアルバムになった。今、世界で起きていることと密接に関連している。」
“Psychosomatic”、心身症と名付けられたアルバムは、その名の通りパンデミックが引き起こしたロックダウンや自己隔離といったストレスにより、心や身体に異常をきたす非日常の2020年代をビッグテーマとしています。一時は “Candlelight” 蝋燭の灯で悲しみに沈んだアルバムは、それでも “New Day Rising” の希望に満ちたプログレッシブなパワーメタルで新たな日々の到来を焦がれるのです。
今回弊誌では、Gabriel Guardian, Carlos Zema にインタビューを行うことが出来ました。「欠点は、2つの楽器を常に練習しなければならないこと。2つの楽器を使いこなすために、他のミュージシャンの2倍の練習をしなければならないんだ。2つの楽器をセットアップして、ケアをしなければならないのもめんどうだよね。」 不死の守護者によるメタル革命のはじまり。どうぞ!!

IMMORTAL GUARDIAN “PSYCHOSOMATIC” : 9.9/10

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【OCEANS OF SLUMBER : OCEANS OF SLUMBER】


COVER STORY : OCEANS OF SLUMBER

“I FEEL LIKE MY HISTORY IS BROKEN, I FEEL LIKE AMERICA IS BROKEN”

OCEANS OF SLUMBER

女性であること。黒人であること。ヘヴィーメタルには直結しない2つの特徴を持つ Cammie Gilbert は、OCEANS OF SLUMBER へと加入した2015年、自らに一握りの不安を抱えていました。
「メタルの世界に入った時、黒人女性であることや、必ずしもメタルのバックグラウンドばかりを抱えているわけではないことにかなり負い目を感じていたのはたしかね。」
バプテスト派の家庭で育ち、IRON MAIDEN や METALLICA より R&B やヒップホップが鳴り響く街並み。両親は教会の聖歌隊で出会い、プロのミュージシャンである父親が聖歌隊のリーダーを務めていました。”南部出身の黒人女性” としての経験をいかにメタルへと反映させるのか。しかし Cammie は自身のバックグラウンドが、思っていた以上にメタルと調和していることに気づきました。
「私はメタルから歌を教わったわけじゃない。だけど、私が歌を教わったゴスペル、ジャズ、ブルースのヴァイブやエッセンスはプログメタルが存在し成立するまさにその理由の一つなのよ。だから私はメタルが大好きなの。美学やアトモスフィアもそうだけど、エモーションや細部への拘りもね。」

興味深いことに、Cammie の人生に最も早く寄り添ったメタルは、Layne 逝去のあと、黒人ボーカリスト William DuVall と共に前へと進む ALICE IN CHAINS でした。
「初めてロックやオルタナティブを聴き始めた時、ALICE IN CHAINS の “Dirt” が私を揺さぶったの。KORN や SLIPKNOT は激しすぎて家では聴かせてもらえなかったんだけどね。感情が込められているのよ。悲しみや痛み、ヘヴィーな感情を理解するのはあの頃の私にとって未知のことだったのよ。」
Layne Staley や Chris Cornell のソウルフルが彼女のルーツと共鳴したのです。
「当時、私の周りにはロックやメタルにハマっている黒人の子供はあまりいなかった。だから少し孤立していたの。でも、それが私が感じていた音楽だったから。大学まではちょっとした一匹狼だったわ。大人になってライブに行けるようになるまでは、メタルやロックシーンのコミュニティの感覚を得られなかったわね。」

数年後、Cammie は自らロックバンドで歌っていました。彼女が所属していたバンドは、ある日ヒューストンで開催された OCEANS OF SLUMBER のショーのオープニングを務めました。
「私はルーサー・ヴァンドロスを聴いて育ったから、ウォームアップとしてメロディックでビッグな曲を演奏していたの。駐車場で叫んでいたら、Dobber の友達が私を見ていたわ。私はこのショーで唯一の黒人の女の子で、鮮やかなエレクトリックブルーのドレスを着ていたから、かなり目立っていたのよ。私たちがパフォーマンスをしたとき、Dobber たちが真顔で私たちの前に立っていたのを覚えているわ。私は『彼らは私たちを嫌っている』と思ったわ。(笑) でも、そんなことはなかったわね。後日、彼らは私に連絡してきたの。」
バンドは Cammie に何曲か歌ってほしいと頼み、2014年にオリジナル・シンガーの Ronnie が脱退した際、彼女が後任となりました。今では CammieとDobber が OCEANS の舵取りを行い、Dobber が楽曲の「85~90パーセント」を書き、Cammie が作詞を担当しています。そして彼女が加入した後、二人の関係は音楽を超えてロマンチックなものへと発展していきました。


2人を繋ぎ合わせた TYPE O NEGATIVE の “October Rust” も彼女、そしてバンド全体にとって重要なレコードです。
「Peter Steele が大好きなの。私たちは TYPE O NEGATIVE が大好きで、彼らのアルバムは何枚も持っているけど、私にとってはこの作品がメインよ。”Cinnamon Girl”、”Be My Druidess”、そして “Wolf Moon”。Dobber は一度彼らのライブを見たことがあるのよ。うらやましいわ。私は Peter の自伝を読むことで埋め合わせなければならなかったの。バンドに関するメディアならは何でも買っているわ。彼らの曲を聴くのは経験になるのよ。Peter はとても賢い作詞家だから。聴いている音楽の中で一番面白い音楽だと思う。エネルギーを高めてくれるし、幸せな気分にさせてくれるわ。」
ANATHEMA, KATATONIA, SWALLOW THE SUN といった Peaceville 由来のゴシックドゥームな音モスフィアも当然 Cammie の養分です。
「ラブシックな音楽よね。クルーナー的な意味ではなく、切ない憧れとストーリー性を持った、かなりロマンティック。甘くて切なくて、夜にピッタリな音楽だわ。」
EVERGREY のプログレッシブな音の葉は OCEANS OF SLUMBER のスピリットと切っても切り離すことはできません。
「全員 EVERGREY の大ファンなの。”The Storm Within” は私の心を掻き毟り、彼らのエネルギーとボーカル Tom S. Englund が語る経験に引き込まれるわ。彼は信じられないほどソウルフルなのよ。OCEANS は彼らに比較的似ていると感じているの。素晴らしくとてもヘヴィなアルバムよ。」

つまり、メタルは他の何ものにも出来ない方法で人と人を絡み合わせると彼女は信じているのです。
「目を閉じていると、彼らの現実が、経験が伝わるのよ。私はいつも身体の外に出るような体験を探しているから。一瞬、私たちは完全に歌と一体となり、楽曲の書き手と一体となる。」
音楽的にも、プログ、ジャズ、R&B、ドゥームにゴシック、デス、ブラックといくつもの垣根を取り払ったセルフタイトル “Oceans Of Slumber” において、Cammie はそうやって文化や人種の壁も取り払いたいと切に願っています。Dan Swano のミキシングとテキサスヒューストンの組み合わせもその主張を実践していますね。
「ドラマーで私のパートナーでもある Dobber がこのレコードで君のことを語ろうと言ってくれたの。南部に住む黒人女性としての私の気持ちをもっと大きなスケールで OCEANS の音楽に反映させようってね。それってメタルコミュニティにはまだあまり浸透していない視点なの。だから、彼の言葉は、自分の人生の中で感じている怒りやズレ、混乱、葛藤などを、本当に深く掘り下げていくための青信号になったわね。私たちは、明らかにいつも存在し、常に問題となっているものを探求し始めたの。長い間、ある種のカーペットの下に押し込められていた問題をね。」
ジョージフロイド氏が殺害され、Black Lives Matter が世界を揺るがした時、Cammie の発したステイトメントは胸を打ちました。

「私はアメリカの黒人女性で、奴隷の曾孫娘。それは写真の中だけの記憶。幼い頃、私は奴隷の生活を想像しようとしたわ。だけど今起こっている現実は、私の子供じみた想像力の裏にある謎を解き明かしてくれたの。南北戦争ドキュメンタリーの古い写真を見ると、彼らの顔が見えるわ。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに触発された行進の映像を見ると、彼らの顔が見える。そして今、ソーシャルメディアにサインインして、催涙ガスをかけられているデモ参加者を見ると、彼らの顔を見ることができる。そして今は私の顔も見えるのよ。
黒人の上院議員、市長、有名人、勇敢な人々がネット上でこの国の欠点に対する不満を共有しているとき、私はもう怒りの涙を抑えられないの。全国放送のテレビで、これまで以上に多くの黒人が泣いているのを見てきたわ。自分の歴史が壊れたような気がするし、この国が壊れたような気がする。ジョージ・フロイドは転機となった。新世代が「もういい加減にしろ」と言うきっかけになった。彼の人生を奪った紛れもない冷酷さを無視することはできなかったの。彼の死がビデオに撮られたことは、感情的にはぐちゃぐちゃになっていて居心地が悪いけれど、それでも幸運だと思っているわ。それはついに世界に、何十年もの間、ネイティブアフリカンのアメリカ人が注意を喚起しようとしてきたことを、自らの目で見る機会を与えてくれたから。物事はまだ壊れている。とても、とても、壊れている。
アメリカの歴史を考えてみると、白人でない者に良いことはほとんどないの。それが真実よ。色々な情報を鵜呑みにすると胸に空洞感が残るのよ。この国は何かを直しているのではなく、何かを手放しているのだと気づくわ。壊れ始めたのは、間違った方法で、間違った土台と間違った考え方で始まったから。始める前に対処することを選んだ。他者への抑圧を維持することで強さを維持することを選んだ。楽な道を選んだその同じ道が常に足かせになることに気づかずに。もはや息を止めたり、憎しみや抑圧のためのスペースを確保したり、安易な道を選んだりすることはできないわ。国家として、私たちは最も脆弱で最も問題を抱えた人々や地域社会に思いやりとケアを示さなければならないの。彼らを奮い立たせれば、私たち全員が奮い立つでしょう。彼らを貶めるものが我々を貶めるのと同じように。コミュニティに属することは意味があることに気づくのが早ければ早いほど、私たちは前に進み、すべての人のために真の変化を起こすための連帯感を見つけることができるのだから。
抗議活動の勢いを持続させ、前進させるためにはどうすればいいのだろうか。これは、すべての人が反省するための時間。自分の信念が自分の人生をより良いものにしてきたのだろうか?私の信念は、私の周りの人々の生活をより良いものにしただろうか?正直に答えて、よく考えて欲しい。私たちの未来は、それにかかっているから。」

音楽的に、アルバムは以前よりもその壮大さを増しています。Cammie の言葉を借りれば「Dobber は存在しない映画のサウンドトラックのように作曲している」。そうしてこれまで OCEANS の旅は、より内省的なものでしたが今回のセルフタイトルでは、より広い社会的なトピックや過去からインスピレーションを受けていることに気がついたのです。さながら、壊れた世界のサウンドトラックの如く。
「1年ほど前に第二次世界大戦の映像をカラー化した『第二次世界大戦 HDカラー』が公開されたんだけど、Dobber は大の歴史好きだから見に行ったんの。カラーで見ると物凄いわ。とても現代的に見えるから、頭の中では違った感覚になるのよね。戦争の原因となったもの、文化の分派、社会学、心理学を学んだわ。ヒトラーの台頭や、彼がいかに上手くやったのかを。パターンが見えてきて、それが今の時事問題とどのように関係しているのかが分かるようになる。新しいことは何もないことに気づくの。私たちは第一次世界大戦からベトナムまで、戦争と国際関係の深い穴に入っていったのよ。
そのあと『どうやってみんなに歴史を伝えればいいのだろう?みんなこの歴史を知っているのだろうか?!』と思ったわ。人々は歴史を知らないし、それが今の状況にどれだけ影響を与えているかも知らないような気がしたのよ。もしあなたが精神疾患を持っていたら、心理学者はあなたがどのように育ったのか、どこから来たのかを尋ねるでしょう?社会として、文化として、自分の歴史を見なければならないのよ。」

例えばブラックメタルがナチスの問題を抱えるように、メタル世界にも取り払うべき差別の壁は存在します。
「メタルコミュニティの中から、私の視点にこんなにも多くの支持が寄せられていることに驚いたわ。身近な友人の輪の中から、波紋が広がって、まさか共有するとは思ってもいなかった人たち(メタル界の白人男性)が、『俺たちはこれを乗り越えたいんだ。俺たちは解決すべき問題を抱えているし、変化が起こるべき正しい側にいたいんだ。』なんて言葉が寄せられるなんてね。明らかに、ここには多様性があるべきなの。すべてのミュージシャンはその生い立ちや文化ではなく、音楽性に基づいてチャンスが与えられるべきなのよ。その外見ではなく、音楽性でチャンスを与えるべき。そうすれば、音楽だけでなく、バンドのメンバーも多様化して、様々な人たちが集まることになるはずなのよ。」
パンデミックからBLM運動まで、これまでの2020年の出来事を考えると、Cammie の歌詞は今の時代にあまりに符合しています。
「今振り返ってみて、何が私たちをこれほどまで時代と関連性のあるアルバムを作らせたのか、その軌跡を見ようとしているの。私は偶然を信じない。実際、他の人たちも同じような軌跡をたどっていたと思う。人々は今、その歴史や、認識や制度がどのように彼らの周りの世界を形成してきたかに注目しているわ。一度真実とすべての情報を知ると、それを見逃すことはできないの。」

Cammie の作詞へのアプローチは思慮深く、創造的です。”Pray For Fire” では、再生と破壊両方のための火の対照的な機能を探求しています。つまり人々と土地を守るため、国有林での制御された燃焼と、戦闘での火炎放射器の使用。
ファーストシングル “A Return To The Earth Below” では、自身の鬱病との闘いを、より幅広い社会のパターンとともに考察しています。「私は自分自身を助けるために、集中して前を向いて努力し続けなければならないと感じているの。誰にでも対処することや克服しなければならないことがあるわ。それをもう一度紐解いてみると、社会がいかに悪いパターンに陥っているかがわかるのよ。物事がうまくいっているように見えても、ヒトラー・ユーゲントのように、ゆっくりと、誰も気づかないうちに追い越されてしまうこともあるんだから。」
Cammie の文章には遊び心もあります。クローザー “The Red Flower” は女性としての葛藤と矛盾についての曲で、TYPE O NEGATIVE の “Wolf Moon” カヴァーが続きます。
「”The Red Flower” は女性らしさを歌った曲で、Peter Steele の超ロマンティックなラブソングが続くのよ。(笑) 彼は愛に溢れた男で、彼女のストレスを少しでも和らげたいと思っているのよ!あの曲を女性としてカバーするのはちょっと生意気だと思ったけどね。」

Cammie は将来、特に次世代に希望を持っています。
「子供たちは私たちが生きてきた頃よりも多くの情報を目にするようになってきていて、それが良い意味で彼らを形作っていくのは間違いないと思う。これからの世代は、情報に精通し、賢く、感情的に賢い世代。私は彼らが行動を起こして、過ちのいくつかを元に戻すと信じているわ。私は長い目で見て希望を持っているの。」
アメリカの会場が安全に再オープンし、OCEANS OF SLUMBER のツアーが許可されれば、Cammie は、旅を通して経験するすべての景色、匂い、味の感覚をまた満喫したいと語ります。
「会場に到着して、荷物を降ろして、街に繰り出す瞬間が恋しいわ。まだ開場していないし、皆が荷物を積み込んで、サウンドチェックをして、そして会場のドアから飛び出して外に出て、日の光に目を慣らしながら外に立ち、どこの街でも、どこの国でも、賑やかな通りを見て、すべてを受け入れるの。そして、オープン前の小さな探検の時間を過ごすのよ。地元のおやつ屋さんを見つけたり、コーヒーや食べ物を買いに行ったり。それが一番懐かしいわ。戻ってくるかどうかもわからない何かを待っている気分よ。例えば、飼い猫が逃げてしまった時のように。内向的な自分が思っていた以上にステージが必要なの。人が必要なの …ほとんど誰にも会わなかったこの期間で、思っていた以上に人や観客、ビジネスを失ったことは間違いない。ステージに立って、自分の歌を熱心に聴いてくれている人たちが受け止めてくれていることほど素晴らしいことはないの。それこそが繋がりよ。もう二度とそれを経験できないという考えは、心の中の何かを破壊してしまうのよ。」

参考文献: KERRANG!:OCEANS OF SLUMBER’S CAMMIE GILBERT: “I FEEL LIKE MY HISTORY IS BROKEN, I FEEL LIKE AMERICA IS BROKEN”

KERRANG!: OCEANS OF SLUMBER ARE THE SOUNDTRACK TO A BROKEN WORLD

HOLLYWOOD LIFE: OCEANS OF SLUMBER’S CAMMIE GILBERT

LOUDERSOUND : 10 ALBUMS THAT CHANGED CAMMIE’S LIFE

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