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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【川口千里 / SENRI KAWAGUCHI : CIDER ~Hard & Sweet~】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SENRI KAWAGUCHI !!

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20 Years Old Drum Maestro, Sernri Kawaguchi From Japan Has Just Released Hard & Sweet Fusion Record, “Cider” !!

DISC REVIEW “CIDER ~Hard & Sweet~”

“手数姫” こと女子大生スーパードラマー、川口千里が遂にメジャーデビュー作 “CIDER ~Hard & Sweet~” をリリースしました!!二十歳の節目にメンバーを固定して望んだ成長著しい快作は、まさに茫々と広がる世界への確かな切符となるでしょう。
インタビューにもあるように、5歳でドラムと運命的な出会いを果たし、8歳であの “手数王” 菅沼孝三氏に師事を始めたという彼女の物語は、さながら現代のお伽噺のごとく素敵な奇跡と共に幕を開けました。12歳で挑んだプレイスルー動画の総再生回数は4000万回に迫り、世界的なドラム関連サイト “ドラマーワールド” では世界のトップドラマー500に撰されるなど、もはやその存在はワールドワイドに熱い視線を浴びていると言えますね。
すでにインディーズで2枚のソロ作品をリリースしている川口千里。しかしその活躍は自身のリーダー作のみに留まりません。E-girls, Guthrie Govan のライブをサポートし、Lee Ritenour とも共演。さらには 映画 “さらばあぶない刑事” のサウンドトラック、ももいろクローバーZのアルバム “AMARANTHU” にも参加するなどその素晴らしくジャンルを股に掛けた活躍により、彼女はしっかりと自身の軌跡を刻んで行っているのです。
「20歳を記念するアルバムなので、大人をイメージしつつ爽やかな若さもあるタイトル」「私のドラミングの “Hard” な部分も “Sweet” な部分も両方感じてほしい」 という理由から名付けられた3作目のリーダー作 “CIDER ~Hard & Sweet~”。アニバーサリーの冒険で彼女がキーパーソンに指名し絶大な信頼を置いたのが、Philippe Saisse でした。THE ROLLING STONES, David Bowie から David Sanborn, Al Di Meora まで数多の巨人と共演しそのアレンジを手がけて来た、フランスの偉大なキーボーディストにしてコンポーザー、プロデューサーは自身のグループ PSP の “S” を Simon Phillips から Senri Kawaguchi に翻しその力を貸すことにも吝かではありませんでした。
アルバムオープナー “FLUX CAPACITOR” は “バックトゥザフューチャー”、時代を行き来する作品の予告編でしょうか?フュージョンがスムーズジャズと呼ばれる以前のクロスオーバーなエキサイトメントとフリーダムを掲げつつ、同時に Philippe のポップなセンスを活かすクリアーなプロダクションとモダンなテクニックを内包する楽曲は瑞々しさに満ちています。ゴーストノートやハイハットの細かな刻みまで隈なく見渡せるサウンドの透明度は本当に群を抜いていますね。
Philippe のビンテージな機材から繰り出されるキャッチーなテーマは、川口千里の刻々と拍子を移すダイナミックなリズムワークに牽引され、万華鏡のように鮮やかな広がりを見せて行きます。Pino Palladino の代役として参加したカメルーン生まれのテクニシャン Armand Sabal-Lecco は、低音域から高音域までフレキシブルなベース捌きを披露し、Philippe の Jan Hammer を想起させるスリリングなソロワークと相まってギターの不在を感じさせませんね。トリオのタイトなグルーヴがダブルタイムへ移行すると、そのカタルシスはさらに加速しロックの衝動をさえ孕みながら音のユーフォリアを創造していくのです。
マリンバを使用し野性的な雰囲気を演出する “Wupatki”、彼女自身が作曲を行ったロマンチックなバラード “Longing Skyline” を挟んで訪れる “Do Do Ré Mi” はアルバムのハイライトと言えるかもしれませんね。ジャズスタンダードの古典ようにスタイリッシュに幕を開ける楽曲は、突如その舞台を現代的なフュージョンへと移します。アルバムに収録するのが初めてとは思えないほど堂にいった4ビートから6/8拍子へと切り替わるその魔法の瞬間はリスナーに音楽の “楽しさ” を運ぶはずです。”間”を大切にしたという彼女の言葉通り、スティック一閃、バンドがピタリと完全に音を止める瞬間はあまりにクールで川口千里というコンダクターの実力を存分に見せつけています。
さらに 「現場での化学反応が想像以上に凄かった」 と語るように、楽曲終盤のサンバをベースとした、ドラムスがリード楽器に思えるほど壮絶なインタープレイは、”Ginza Blues~intro~” や “Senri and Armand Groove” と並んで “手数姫” の面目躍如であり、同時にメンバーの個性、そしてトリオのケミストリーが結実した得難き刹那だと感じました。
インタビューでフュージョンを音楽の “交差点” と位置づけた千里さんの想いを乗せたアルバムは、奇しくも個性的な三者の道が交差した証である “In Three Ways” でカラフルに幕を閉じました。「単なるスムーズジャズじゃない」という言葉に込められたプライドをしっかりと実現した充実の51分。
今回弊誌では、川口千里さんにインタビューを行うことが出来ました!世界を見据えつつ、同時に現役女子大生らしいかわいらしい部分も垣間見えると思いますよ。どうぞ!!

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SENRI KAWAGUCHI “CIDER ~Hard & Sweet~” : 9.7/10

INTERVIEW WITH SENRI KAWAGUCHI

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Q1: First of all, what inspired you to start playing drums? You know, you were said to be genius drummer of high school student, haha.

【SENRI】: It is such a horrible thing to be a genius, haha.
When I was 5 years old, my father bought an electric drum suddenly. It was the first chance. Even though no one can play the drums by my family. The reason was he wanted to know the mechanism of the electronic drum. This expensive shopping became my “toy” with an incredible excuse of “I bought it for children” after that. Anyway, the drum that sounds out if you hit it was fun without any reason, so I immediately decided to search for a drum classroom in the neighborhood. It seemes Youtube video that I uploaded when I was 12 to 13 years old when I first caught the eye of many people. My father began to get into a video this time, I shot the performance of the animation piece I was talking about at that time and released it to the Internet. To be honest, I was embarrassed, but with this unexpected response, a lot of messages came from people all over the world. At this time, I think whether it began to become conscious of “the world” for the first time.

Q1: 本誌初登場です!まずは、川口さんがドラムスを始めたきっかけについて話していただけますか?女子高生時代には、すでに天才ドラマーとして大きな話題になっていましたね?

【SENRI】: 天才だなんて、そんな恐れ多いです(笑)。
きっかけは、私が5歳のころ、父が突然買ってきた電子ドラムです。家族にドラムを叩ける人は一人もいないのに。理由は、「電子ドラムの仕組みが知りたかった」から。この高額なお買い物は、そのあと「子供のために買った!」という信じられない言い訳とともに私の”おもちゃ”になりました。
とにかく、叩けば音が出るドラムは理屈抜きに楽しくて、すぐにハマって近所のドラム教室を探してもらうことになりました。
私が最初に多くの人の目に留まったのは、12~13歳のころにアップしたYoutube 動画ではないでしょうか。父が今度はビデオに凝り始めて、当時話題だったアニメ楽曲の演奏を撮影してインターネットに公開したんです。
正直なところ恥ずかしかったんですが、それが思わぬ反響で、世界各国の人からたくさんメッセージが来て。この時、初めて「世界」を意識するようになったのかなと思います。

Q2: What have you learned from your teacher, Mr. Kouzou Suganuma?

【SENRI】: You can see how I am influenced by Mr. Kozo Suganuma when you see my drumming and drum setting. I have taken a lesson of Suganuma since I was 8 years old. I think that it is “fun” of drums, above all, that I was taught most by my teacher. Then, when I was a elementary school student, when I went to see my teacher ‘s live, suddenly I was pulled out and there were times when I had a jump – in session. It was hard to play the songs for the first time ever, but my heart and improvisation were trained. I think now, this was a truly appreciated experience. However, I was sorry for the audiences who came to listen to professional performances, haha.

Q2: “手数姫” と称されることもあるように、師匠である “手数王” 菅沼孝三さんは川口さんにとって大きな存在だと思います。菅沼さんから学ばれたことは、テクニック以外にも多くのことがありそうですね?

【SENRI】: 私のドラミングやドラムのセッティングを見てもらうと、いかに菅沼孝三さんの影響を受けているか、わかってもらえますよね?
私は8歳から菅沼さんのレッスンを受けています。私が師匠から一番に教えてもらったのは、何よりも、ドラムの “楽しさ” だと思います。
それから、まだ小学生のころ、師匠のライブを観に行くと、突然引っ張り出されて飛び入りセッションをということが何度もありました。初めての曲を演奏することもあって大変でしたけど、度胸や即興力が鍛えられました。今思うと、これは本当にありがたい経験でしたね。ただ、プロの演奏を聴きに来たお客さんには申し訳なかったですけど(笑)。

Q3: Who do you respect as a drummer, musician?

【SENRI】: Actually, I will be immediately inspired. When I hear it by chance, I come to love it, haha. So, who will respect it will change soon. Dave Weckl, Steve Gadd, Dennis Chambers, and Buddy Rich etc, there are no dirt. But there was never aiming for one person forever. Artists other than drummers are the same. I am attracted to artists who are cool and listening with smiling.
Regarding my music field, basically I aim for activity in all genres. There is a part attracted by each genre, and the things obtained are also different, in other words.
the feeling that I do not want to divide music vertically in genres. The song that was impressed at that time is “the best!” So I am trying to touch various songs usually. It is because there is much activity in the field of jazz and fusion because it is like “intersection” that is going back and forth.

Q3: 菅沼さんは勿論ですが、これまでに目指してきたドラマーや、尊敬するアーティストについて話していただけますか?
川口さんはいわゆるジャズ/フュージョンのフィールドでご活躍されていますが、E-girls、ももいろクローバーZ、さらには過去に弊誌でもインタビューを行ったギターマスター、ガスリー・ゴーバンとの共演、”さらばあぶない刑事” のサントラにも参加されるなど幅広い活動を行っている印象です。
ポップス、プログロック、メタルなど他ジャンルからの影響も多いのでしょうか?

【SENRI】: 実は、私はすぐに感化されちゃうんですよ。たまたま聴いたらハマってしまったとか(笑)。なので、誰をリスペクトするかは、すぐに変わってしまうんです。
デイヴ・ウェックル、スティーブ・ガッド、デニス・チェンバース、そしてバディ・リッチなどなど、挙げればキリがない。でも、誰か一人をずっと目指したりすることはなかったです。ドラマー以外のアーティストも同じです。かっこよくて、聴いていてつい笑みがこぼれてくる”お茶目さ”というのか、そういうものがさりげなく溢れるアーティストに惹かれます。
私の音楽フィールドですが、基本的にはオールジャンルでの活動を目指してます。各ジャンルそれぞれ惹かれる部分があって得られるものも違う…というより、音楽をジャンルで縦割りしたくないという感覚。その時に感動した曲が「一番!」なんです。なので、普段から様々な楽曲に触れるようにしています。
ジャズ・フュージョン分野での活動が多いのは、そこが行ったり来たりしている”交差点”みたいな感じだからではないでしょうか?

Q4: So, let’s talk about your newest album “CIDER ~Hard & Sweet~”. What made you choose this title?

【SENRI】: Because it is an album that commemorating my 20 years old, the word which caught the eye when I thought that it was a title with fresh youthfulness, also imagining an adult was CIDER. Japanese cider is a refreshing drink, but knowing that there is also the meaning of drinking, “This is it!” And since it seems to call apple liqueur as hard cider and apple juice as sweet cider, it also means that I want both of the “Hard” part of my drumming and the “Sweet” part to feel both. I think that I could express that the sparkling image which Shuwashwa bounces is not just a smooth jazz, but how is it? Aside from that, my first solo work is “A LA MODE”, and my second work is “Buena Vista”. The first letter of the third work is determined by C if the initial letters are A and B, haha.

Q4: では、素晴らしい新作 “CIDER ~Hard & Sweet~” について話しましょう。”Cider” とはサイダー、リンゴ酒の意味を持つ単語ですが、このタイトルに決めた理由を教えてください。川口さんが20歳になられたことも関係していますか?

【SENRI】: 鋭いです(笑)。20歳を記念するアルバムですから、大人をイメージして、爽やかな若さもあるタイトルで、と考えていた時に目にとまった単語が CIDER でした。
日本語のサイダーは清涼飲料水ですが、本当はお酒という意味もあるんだと知って、「これだ!」と。そして、リンゴ酒を hard cider、リンゴジュースを sweet cider と呼ぶこともあるらしいので、私のドラミングの “Hard” な部分も “Sweet” な部分も両方感じてほしいという意味も込めてます。
シュワシュワっとはじけるスパークリングなイメージが、単なるスムーズジャズではないことを表現できたと思っているんですけど、いかがですか?余談ですが、私のソロ1作目が “A LA MODE”、2作目が “Buena Vista” なんです。頭文字がA、Bとくれば3作目の頭文字はCで決まりですよね(笑)。

Q5: What made you collaborate with Philippe Saisse, again?

【SENRI】: My past two solo records was produced with the feeling like “A LA MODE” to play with the great musicians inviting every music. Because I loved PSP (Philippe Saisse, Simon Phillips, Pino Palladino), I asked Philippe Saisse to participate in my second album “Buena Vista”. In creating a new album this time, there is a strong desire to “be a fixed member this time,” and again suggested to Philippe, “Why do not you try to make S of SSP, Senri Kawaguchi?” It is. It is reckless, haha. Then Philippe accepted! However, Pino Palladino did not meet the schedule and instead Philippe introduced Armand Sabal-Lecco who was on the tour of Al Di meora. I liked him for a moment and I decided to participate immediately. I was committed to recording at LA. In the last recording, because of the environment LA knows that the drum really sounds pleasantly. “I’d like to record the next work with LA!”, I asked selfish and it was realized.

Q5: あのフィリップ・セスがサウンドプロデューサーを務め、LAでレコーディングが行われたアルバムは、川口さんのリーダー作3作目にしてメジャーデビュー作品となりました。まずはこの最高の環境、布陣で制作に至った経緯について話していただけますか?

【SENRI】: 過去2作のソロアルバムは、楽曲ごとに素晴らしいミュージシャンの皆様をお呼びして演奏するという、まさに “A LA MODE” な感じで制作したんです。私は PSP(フィリップ・セス、サイモン・フィリップス、ピノ・パラディーノ)が大好きだったので、フィリップ・セスさんには2作目の”Buena Vista”で参加をお願いしました。
今回、新しいアルバムを作るにあたって、「今度は、ぜひ固定メンバーで!」という希望が強くあり、再びフィリップさんに、「PSP のSを、Senri Kawaguchi にしてみませんか?」と提案してみたんです。無謀でしょ(笑)。
そうしたらなんと、フィリップさんはこの話に乗ってくれたんです!ただ、ピノ・パラディーノさんはスケジュールが合わず、代わりにフィリップさんがアル・ディ・メオラのツアーで一緒だったアルマンド・サバルレッコさんを紹介してくれました。私は彼を一瞬で気に入ってしまい、即、参加してもらうことになりました。
LAでのレコーディングは私のこだわりがあったんです。前回のレコーディングで、環境のせいかLAでは本当に気持ち良くドラムが鳴るということを知ってしまって。「次の作品も、ぜひLAで録音したい!」と、わがままをいって実現してもらいました。

Q6: How was the impression of actually playing with Phillippe?

【SENRI】: Recording with Philippe, in a nutshell, exciting anyway! Just with him, the energy of the studio increases more and more. I felt this even at the time of the second work, but this time it was the whole album so I was able to feel its energy in particular. His physical strength to continue working on production is amazing. In this recording, it was only 3 days that all three people were able to record. From the morning to the night of that three days, I was deeply impressed by the way his work diligently without concentrating. Even after recording, he gave out ideas to make it better, so I thought that the expression “great” is perfect for his enthusiasm. I also have to work hard not to lose, haha.

Q6: 実際にそのジャズジャイアント、フィリップ・セスとの共演、制作を終えたご感想はいかがですか?

【SENRI】: フィリップさんとのレコーディングは、一言でいうと、とにかくエキサイティング!彼がいるだけで、スタジオのエネルギーがグーンと増すんです。
これは2作目の時も感じていたんですけど、今回はアルバム全体だったので、特にそのエネルギーを感じることができました。制作に取り組み続ける体力も凄いです。今回のレコーディングでは、3人そろって録れるのはたったの3日。その3日間の朝から夜まで、一度も集中を切らさずに真摯に取り組む姿には感動しました。
収録後も、より良くするためのアイデアを次々に出してくれて、作品を作り上げる情熱は、「偉大」という表現がピッタリだと思いましたよ。私も、負けないように頑張らなければいけません(笑)!

Q7: How was the writing process? What was the goal of this record?

【SENRI】: Since Philippe Saisse took full responsibility for producing, it was a stance to trust and leave everything to trust. Originally I thought “Since it is a piano trio, will it be an acoustic feeling that places emphasis on improvisation?”, But the field of view spread with the first demonstration sound source from Phillippe. I realized we aimed for a more precise and aggressive form. From that moment a new image grew steadily. I also wanted to challenge for a stylish drumming that made use of “space”. I devised not to become monotonous but consistent from the strong thought that one album is long and repeatedly heard. Of course, do not forget the occasional change unique to 3 pieces, we inspired each other at the recording site, and aimed at a higher place. Initially, “Ginza Blues ~ intro ~” and “Senri and Armand Groove” which were not in the schedule were put in the album is a manifestation that the chemical reaction in the field was more than imagined.
In this album, I composed three songs. Among them, “Longing Skyline” is my first ballad. Up to now, I first tried to think from the rhythm first, but in this song I made a melody first from a certain image and challenged by the way I applied the rhythm last. You guys consider the main melody first? You know, It’s a drummer way, I had a hard time, haha. After having arranged by Mr. Jun Abe and Philippe, I finished it as a really wonderful song and it became one of my favorite songs

Q7: ライティングプロセスではどういった手法を取ったのでしょう?
作品は、難解なリズムアプローチ一辺倒ではなく、”Am Stam Gram” のようなシンプルさや、8ビートのブルース “Ginza Blues” のモダンな感覚も光っています。アルバムで目指したゴールはどういった場所でしたか?

【SENRI】: フィリップ・セスさんがプロデュースを全面的に引き受けてくれましたので、信頼してすべてお任せするというスタンスでした。初め私は、「ピアノトリオだから、インプロビゼーション重視のアコースティックな感じになるのかな?」と思っていましたが、フィリップさんからの最初のデモ音源で視野がパッと広がりました。もっと緻密でアグレッシブな形を目指すんだとわかったんです。その瞬間から新しいイメージがどんどん湧いていきました。
“間”を活かした粋なドラミングにもチャレンジしたいという気持ちも込めました。一枚のアルバムを長く、そして繰り返し聴いて欲しいという強い思いから、一貫性がありつつも単調にならないように工夫しました。
もちろん、3ピースならではの臨機応変さも忘れず、レコーディング現場ではお互いにインスパイアしあって、さらに高いところを目指しました。当初は予定になかった “Ginza Blues~intro~” や  “Senri and Armand Groove” をアルバムに入れたのは、現場での化学反応が想像以上に凄かったことの現れです。
このアルバムで、私は3曲を作曲しました。その中で、”Longing Skyline” は私の初めてのバラードです。これまで私は、まずリズムから考えるというパターンが普通だったんですけど、この曲では、あるイメージからメロディを先に作って、あえてリズムは最後に当てはめる方法でチャレンジしました。
皆さんなら主旋律を先に考えますよね?ドラマーの性なんですよ、苦労しました(笑)。そのあと、安部潤さんとフィリップさんのアレンジを経て本当に素晴らしい曲に仕上げていただいて、私の大のお気に入りの一曲になりました。

Q8: Could you tell us about detail of the album?

【SENRI】: The most difficult thing for me is “Do Do Ré Mi” which is included in the fourth song. If you think that it is a 4beat song, it is a song that you can listen to when it comes to Latin tone or a rapidly developing configuration. Because it can not be made fake in the trio’s recording, practice was also equivalent and I was nervous. Initially, it was my first time to put 4 beat songs in my solo album. I think that my 4beat is still developing, because I started from Classic rock like Deep Purrple and Whitesnake. In this song I also dared to expose it, challenging to record with the excitement of “I wonder where my 4beat level has come.” I would be happy if you could hear such a part and feel something.

Q8: アルバムで特にチャレンジングだった楽曲や、この箇所は拘り抜いたので注意して聴いて欲しいと思う場面、テクニックについて話していただけますか?

【SENRI】: 私にとって一番の難関だったのは、4曲目に収録されている “Do Do Ré Mi” です。4beat の楽曲かと思えば、途中でラテン調になったりめまぐるしく展開する構成が聴きどころの楽曲です。トリオのレコーディングでは誤魔化しはできませんから、練習も相当しましたし緊張もしました。
そもそも、4beat の楽曲を自分のソロアルバムに入れることが初めてだったんです。DEEP PURPLE や WHITESNAKE といったロックからスタートした私の 4beat は、まだまだ発展途上だと思っています。この曲ではそれも思い切って曝け出して、「自分の4beat のレベルは何処まできたかな」というワクワクする気持ちでレコーディングに挑みました。そんな部分も聴き取って何かを感じてもらえたら嬉しいです。

Q9: Is it difficult to balance university students with professional drummer?

【SENRI】: I moved to Tokyo for entering the university, but with this, the density of my life became overwhelmingly high. Since I went to Tokyo from Mie prefecture every Saturdays, Sundays, and holidays when I was a junior high school and high school student, so now I have gained a lot of flexibility. It is fun to learn new knowledge from the university lecture, and every day is substantial enough to think that it is impossible to go to all over the country, America, China, South Korea, Europe and overseas. Of course sometimes it’s tough, but I think I can do my best with that tough situation. I tried to do my best with both my drum and study, and it made what I am now, I think.
Actually, I always have trouble with the question “What is your hobby other than drums?” Well, it’s often said “You play drums very well, so are you good at sports?”, But I’m not good at sports at all, haha. On the day off, I am basically withdrawing and drowning. I like to spend my day off while listening to music. Perhaps it is a reaction to what I usually go on a trip abroad like on a regular basis, haha.

Q9: さて、現在は現役女子大生でもある川口さんですが、学生生活とプロドラマーの両立は大変ですか?また、ドラムス以外にハマっていることがあれば教えてください。

【SENRI】: 大学入学を機に上京しましたが、このことで一日の密度は圧倒的に高くなりました。中学・高校生時代は、土日祝日のたびに三重県から上京していましたので、今はいろいろ融通がきくようになりました。大学の講義も新しい知識を学ぶことは楽しいし、全国各地やアメリカ・中国・韓国・ヨーロッパと海外にも行かせてもらって、「あり得ない」と思うぐらい毎日が充実しています。
もちろん大変なこともありますけど、私は追い詰めらた方が頑張れちゃうタイプなんだと思いますね。ドラムと勉強の両方を目いっぱい頑張ろうとしたからこそ、今の自分があるんだと思います。実は、「ドラム以外の趣味は?」という質問には、いつも困ってしまうんですよ。よく、「あれだけドラムを叩くんだから、運動とか得意でしょ?」と言われるんですが、運動はとても苦手です(笑)。
休みの日は、基本的に引きこもってぼーっとしています。音楽を聴きながらごろごろして過ごすのも好きです。おそらく、普段ライブなどで遠征に出ることが多いことの反動でしょうね(笑)。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SENRI’S LIFE

DEEP PURPLE “MADE IN JAPAN”

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「ドラムを叩く」から「音楽を演奏する」に認識が変わったと思います。

MICHEL CAMILO TRIO “SUNTAN”

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変拍子のわくわく感を知り、音楽の幅の広さを知りました。

TOTO “PAST TO PRESENT 1977-1990”

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タイトなドラミング、唯一無二なドラミングとは何かを考えるきっかけとなりました。

PSP “LIVE”

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言うまでもなく、今回のアルバムに続く流れを作った重要なアルバムです。

THE DAVE WECKL ACOUSTIC BAND “OF THE SAME MIND”

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今、現在進行形でインスパイアされ続けています。

MESSAGE FOR JAPAN

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My goal is to become a drummer that is commonly accepted in the world. “Conquer the World!”…not that exaggeration, though, haha. As the drummer I admire is active without being confined to the region and music genre, there are many such people, so I will co-perform with musicians of various countries more and want to listen my performances to people all over the world. Senri Kawaguchi will continue to aim for the world still more, so please support me!

世界で普通に通用するドラマーになるのが目標です。「世界征服!」って、そんな大袈裟なことではないですけども(笑)。私が憧れるドラマーが地域や音楽ジャンルに囚われずに活躍している、そういう方が多いということもあって、もっともっと各国のミュージシャンと共演したり、世界中の人に私の演奏を聴いてもらいたいなと思ってます。
川口千里はまだまだ世界を目指して頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします!

SENRI KAWAGUCHI

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FELIX MARTIN : MECHANICAL NATIONS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FELIX MARTIN!!

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Felix Martin’s Twin-Neck 14&16 Strings Guitar And Two Hand Tapping Technique Opens The New Realm Of Instru-metal Music With Incredible New Record “Mechanical Nations” !!

DISC REVIEW “MECHANICAL NATIONS”

南米ベネズエラが生んだギターウィザード Felix Martin が、ラテンの風とモダンな色彩を投影した最高傑作 “Mechanical Nations” をリリースしました!!14&16弦のダブルネックが紡ぐ鮮烈で独創的なその調べは、鸞翔鳳集な昨今の Instru-metal シーンにおいても一際光彩を放っています。
Felix の楽器は独特です。Warr Guitar や Chapman Stick など確かに10弦を超える多弦楽器は存在します。ただ、それらはベースの色合いが濃く、ベースにメロディー用の弦、レンジが付属しているといった考え方を基調としています。
対して、Felix のダブルネックギターは、インタビューにもあるように、同じレンジのギターを2つ合わせただけのある意味シンプルな構造。しかし同じレンジの7、8弦ギターを2本使用するため、既存の多弦楽器 (スケールが長い物もあるので一概には言えませんが) に比較して、よりギターの領域にフォーカスした立体的な演奏を味わうことが出来るのです。
勿論、ギターやベースに比べれば、双方のギターをタッピングで奏でるため両手の自由度は高く、遥かに多くの音を同時にプレイすることが可能。パーカッシブなピアノとも称される彼のテクニック、アプローチは、まさしくモダンギターイノベーションのフロントランナーだと言えますね。
その先鋭的なスタイルに反し、クラシカルなトリオという編成で制作された “Mechanical Nations” は、母親が手がけ、自らのギターをあしらったその芸術的で大胆なアートワークが示すように、南米大陸への深い愛情を包み込んだ芳醇な作品に仕上がりました。南米をツアーし、大陸の多種多様な都市の空気、エネルギー、文化、景観に触れた Felix は、街ごとに受けたインスピレーションを楽曲へと反映して行ったのです。
“Barquisimetal” は彼のホームタウン Barquisimeto を、そして “Canaima” はベネズエラが誇る世界最後の秘境カナイマ国立公園を心象として生まれた楽曲です。そしてアルバムでも最もメタリックかつメカニカルな、タンゴのリズムを纏った前者と、最も穏やかでノスタルジックな、フォークミュージックのイメージを具備した後者のコントラストは、そのままベネズエラの豊かな音楽文化の写し鏡となっているのです。
カリビアン、ネイティブ、 アフリカ系、ヨーロッパ系。 まさに人種のるつぼと言える社会主義国家はレゲトン、サルサ、ホローポ、ガイタ、カラカスのメレンゲなど、ロマンティックから複雑な拍子を持つ音楽までラテンミュージックを象徴する雑多なバックグラウンドを宿しています。そしてそのラテンのルーツは Felix の内面世界にも強く共鳴し、唯一無二の Instru-metal、グローバルフュージョンへと昇華しているのです。
メタル、ジャズ、プログ、ファンク、そしてラテンの雄弁なカクテルと言える “Mechanical Nations”。インタビューで語ってくれた通り、”Santos” にゲスト参加した Angel Vivaldi のリードを除いて作品にはソロパートが存在しません。それでも作品が至上のスリルを常に纏っているのは、バークリーで学んだトリオの傑出した技術と、緩急を巧みに配置したコンポジションの賜物だと言えますね。
つまり、”Eight Moon Headdress” が象徴するように、クリーントーンの詩情豊かなサウンドスケープと、エキサイティングで攻撃的なパーカッシブテクニックが目まぐるしく交互する魅力的な楽曲群は、手数の多いエキゾチックなドラミングとスラップを交えたダイナミックなベースプレイが牽引し、タイトなバンドの推進力となっているのです。
ANIMALS AS LEADERS, KING CRIMSON, PRIMUS, 或いは Stanley Jordan。Felix のマジックタッチと彼のバンドが生み出すドラマティックな芸術は、偉大な先人にも比肩し得るクオリティーと独創性を秘めています。今回弊誌では、Felix Martin にインタビューを行うことが出来ました。日本でライブを行うのか昔からの夢だそう。どうぞ!!

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FELIX MARTIN “MECHANICAL NATIONS” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

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This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

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ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

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KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

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RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

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VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KURT ROSENWINKEL : CAIPI】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KURT ROSENWINKEL !!

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Ten Years In The Making, Master Of Jazz Guitar, Kurt Rosenwinkel Has Just Released Colorful, Rich, and Contemporary New Record “Caipi”!!

DISC REVIEW “CAIPI”

コンテンポラリージャズギターの唱導者、プロフェッサー Kurt Rosenwinkel が自身を反映し体現したマスターピース “Caipi” をリリースしました!!制作に10年という長い年月を費やしたアルバムには、伝統と革新、卓越したセンスと豊かなエモーションが込められています。

“僕が一番大切にしているのは、やはりジャズであり、自分の音楽だ。でも僕の内側から聴こえてくるものがロック・ソングやソウル・ナンバーであれば、僕はそれに従わなければないけない。創造の源はコントロールできないからね。”(Jazz Life 2000.2)

過去のインタビューで語る通り、Kurt は偉大なジャズマスターでありながら、その領域のみに留まらず自らのインスピレーションに従い、豊潤な音楽の旅を続けています。バークリー入学以前の学生時代にはあの Tony MaCalpine の兄 Chris に師事しプログバンドを結成していたという過去に加えて、hip-hop のカリスマ Q-tip とのコラボレートもその事実を裏付けていますね。さらに、現在はドイツのベルリン音楽大学でギターとアンサンブルのクラスを受け持っているのですから、彼のキャパシティー、間口の広さには驚くばかりです。
Gary Burton, Mark Turner, Chris Potter, Joshua Redman, Aaron Parks など多士済済のジャズジャイアンツと共演を果たして来た Kurt ですが、”Caipi” では基本的に全ての楽器を1人でこなしています。ギターは勿論、ベース、ドラムス、そしてボーカルまでを自らで司り、多重録音を行った作品は、インタビューでも語ってくれた通り Q-tip と二人三脚で作り上げた “Heartcore” の正当な続編であり、深厚かつパーソナルな作品として絶類な存在感を放っているのです。
タイトルトラック “Caipi” が象徴するように、アルバムは確かにブラジル、正確にはミナスジェライスの風景や Milton Nasciment の面影を感じさせます。インタビューにもある通り、Milton の音楽は “Caipi” の重要なインスピレーションとして作品を紐解く鍵となっていることは明らかでしょう。
しかし同時に、ブラジル特有のコード感やリズムのエッセンスは作品を語る上での一つのトピックにしかすぎません。色彩も鮮やかなアートワークが物語るように、ここには拡散する Kurt のジャズを体現したカラフルな音世界、サウンドスケープが鮮やかに広がっているのです。
実際、今回 Kurt がブラジル音楽にフォーカスしたのは、”アルゼンチン音響派” に次ぐ新たなムーブメント”ミナス新世代”の奔放で多元的、モダンでカラフルなエナジーに惹かれたからではないかと思わせるフシもありますね。Antonio Loureiro, Pedro Martins というバンデイラの起用こそ、Kurt の”ミナス新世代”に対する明確なシンパシーの表出であり、表敬に違いありません。
モダンと言えば、前作 “Star of Jupiter” には Aaron Parks をはじめ、コンテンポラリージャズスターが集結。オープナー、”Gamma Band” の先進性、ジャズ、プログ、現代音楽をいとも容易く超越したカレイドスコープ的サウンドは、拡散する新たなジャズの象徴としてシーンに衝撃を与えましたが、”Caipi” では全ての設計図を自ら描き、構築することで独創的な内面を余すことなく表現していると言えるのかもしれませんね。
確実にアルバムの根幹を成すのはジャズとブラジル音楽です。しかしロック、ポップ、プログロック、ブルース、ソウル、ハウス、テクノ、エレクトロニカなど複眼的で多彩な影響をフレキシブルに打ち出すことで、Kurt はその唯一無二の才能、そしてジャンルの可能性を閉鎖的でバックカタログを重視しがちなジャズワールドに見せつけたといえるでしょう。言い換えればこの試みは、ジャズの側から見たポストロックと言えるかもしれません。そして、ジャズの境界線を押し広げる彼の手法は、インタビューにもあるように “Jazz the New Chapter” のムーブメントとも宿命的に連動するはずです。
とは言え、”Casio Vanguard” からは Pat Metheny を、”Little B” では Alan Holdsworth をイメージするように、脈々と流れる伝統もまた Kurt の中にはしっかりと受け継がれています。”スローハンド” Eric Clapton のゲスト参加には、そんな Kurt にこそギターの未来を託すといった意味合い、想いも少なからず含まれているようにも思えました。
今回弊誌では、Kurt Rosenwinkel にインタビューを行うことが出来ました。4月には来日公演も決定しています。どうぞ!!

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KURT ROSENWINKEL “CAIPI” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HIATUS KAIYOTE : CHOOSE YOUR WEAPON】SUMMER SONIC 2016 Special !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NAI PALM OF HIATUS KAIYOTE !!

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Australia Based Super Eclectic Future Soul Outfit, Hiatus Kaiyote Set To Come Back To Japan in August! Don’t Miss Their Splendid Performance At Summer Sonic 2016 !!

DISC REVIEW “CHOOSE YOUR WEAPON”

オーストラリアを代表するアーティストへと躍進を遂げ、Summer Sonic 2016 への出演も決定している “Multi-Dimensional, Polyrhythmic Gangster Shit” こと HIATUS KAIYOTE。2度のグラミー賞へのノミネート、Q-Tip とのコラボレート、Robert Glasper の作品への参加、Chance the Rapper によるサンプルの使用など、何かと話題の多い彼らですが、注目を集めるのも当然。それは、”Neo Soul”, “Future Soul” と評されている事実からも分かるように、非常にエクレクティックで、スリリングで、斬新で、未来への扉を開ける音楽を創出しているからでしょう。
3年というインターバルを要した彼らの最新作 “Choose Your Weapon” は、さらにサウンドの領域を広げバリエーションに富んだ、完成度の高い傑作に仕上がりました。70分18曲に及ぶ大作は、Modern Jazz, 70’s Funk, Samba, Hip Hop, House, African Soul, Fusion, Prog Rock など実に多彩な要素を取り込みつつ、華やかなエレクトロニカサウンドで装飾された、カラフルで万華鏡のような作品です。デビュー作 “Tawk Tomahawk” が随所にその才能のキラメキを感じさせながらも、10曲30分といういかにも食い足りないランニングタイムであったことを考えれば、本格的に勝負に出たレコードとも言えるでしょう。
“Shaolin Monk Mothefunk” は “Choose Your Weapon” への招待状。ボーカル/ギター Nai Palm の Stevie Wonder, Amy Winehouse を想起させるソウルフルな歌唱、しなやかに配置されたメロディーとカウンターハーモニー、断続的に行われるキーチェンジは実に見事で、アルバムを通してバンドの推進力となっていますね。ウォーキングベースと4ビートでスウィングするヴィンテージジャズサウンドから一転、楽曲は目まぐるしくもアフロ・ポップのグルーヴを刻み始めます。シンセサイザー&フレットレスベースの高速アルペジオと Nai の鬼気迫る歌唱が一体となり、畳み掛ける終盤は圧巻の一言。リスナーはこの時点で、アルバムがいかにアイデアに溢れた作品であるか理解することでしょう。
楽器隊の群を抜いたパフォーマンスも勿論聴き所の1つです。特にシンセサイザーを操る Simon Marvin の音色の豊かさ、テクニックは白眉。宮崎アニメ、”天空の城ラピュタ”にインスパイアされたという “Laputa” ではシンセサイザーがパステルカラーの波を生み出し、”Jekyll” ではピアノでバンド全員のエキゾチックなルーツと並外れたテクニックを引き出します。”Breathing Underwater” での、サンバ・エレクトロニカなどと称したくなる試みも画期的ですね。
特筆すべきは、”Atari” で Dubstep 的ビートとチップチューンを大胆に使用し、キャッチーで未来色の音楽を提示しています。このレコードで何度も聴ける、Perrin Moss の異なる拍子を刻む多次元的なドラミングと Paul Bender の印象的なリフを刻むリードベースが、楽曲にロックらしいダイナミズムをもたらしていますね。同時に、彼らのプログ的側面も開花しており、YES のような”キメ”を使用し、70’s Rock のムードを盛り込んでいることは非常に興味深い対比ですね。
加えて、LAジャズシーンとの接近もアルバムの重要な要素です。”Jazz the New Chapter” シリーズで紹介されたように、HIATUS KAIYOTE は間違いなく、新たに拡散する Jazz サウンドの先端にも立っています。”Creations Pt.1″ には明らかに FLYING LOTUS からの影響が感じられますし、Nai が16.7歳の時に書いたという “Fingerprints” のサウンドは Robert Glasper の手法と通じます。
トレンドを意識しつつ、独自の音楽を開拓する HIATUS KAIYOTE。今回弊誌ではバンドの顔とも言える Nai Palm にインタビューを行うことが出来ました。5月の来日から3ヶ月での帰還となります。どうぞ!

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HIATUS KAIYOTE “CHOOSE YOUR WEAPON” 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SNARKY PUPPY : FAMILY DINNER VOL.2】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL LEAGUE OF SNARKY PUPPY !!

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TWO TIMES GRAMMY WINNER, JAZZ ORIENTED REVOLUTIONALY GROUP, SNARKY PUPPY ARE GOING TO COME TO JAPAN ON JUNE WITH THEIR AMAZING NEW RECORD “FAMILY DINNER VOL.2”!!

2014年には “Something” で Best R&B Performanceを、今年はアルバム “Sylva” が Best Contemporary Instrumental Album を、2度もあの栄誉ある Grammy Award を獲得。世界中のアーティストや音楽ファンから尊敬を集めるコンテンポラリーJAZZ集団 SNARKY PUPPYが新作 “Family Dinner Vol.2” をリリースしました!!同時に cero, origami PLAYERS, Michelle Willis といった新世代の注目アーティストをサポート/オープニングアクトに起用した6月の単独公演も決定しています。
SNARKY PUPPY は北テキサス大学でベーシストの Michael League を中心に結成された、総勢30~40名が所属する大所帯のコンテンポラリーJAZZグループ。Robert Glasper 以降の所謂 “Jazz the New Chapter” 文脈で語られることも多く、その唯一無二な音楽性は新しく拡散するJAZZやアートの形を提唱しているように思えます。
流動的なメンバーですが、主要人物は12名ほど。彼らの多くが JAZZ はもとよりメインストリームのアーティストたちにも引く手あまたで、Kendrick Lamar, John Mayer, Marcus Miller, Snoop Dog, Justin Timberlake, といった才能たちと共演を果たしています。中には日本人パーカッショニスト小川慶太さんや、ソロ作も非常に充実している鍵盤奏者 Bill Laurance といった顔もありますね。
最新アルバム “Family Dinner Vol.2” は2013年にリリースされた “Family Dinner” の続編として制作されました。ゲストボーカリストたちを迎え、彼らの楽曲をリアレンジして収録するという試みは今回も同じですが、前作が R&B 色の濃い作品だったのに対して、今作では世界中からゲストを招き、より多彩でキャッチーな、ワールドミュージックの影響も強く感じさせる作品に仕上がりました。
中でも、アフリカはマリ出身、アルビノの奇才 Sarif Keita をボーカリストに迎え、ブラジルのパンデイロやフルート奏者を合流させた “Soro(Afriki)” の素晴らしさは筆舌に尽くし難いですね。アフリカのオリエンタルな伝統音楽にサンバのリズムが加わり、それを現代的なサウンドで立体的に表現した楽曲は全音楽ファン必聴と断言したいほど。また御年71歳を迎えたペルーの伝説、Afro-Peruvian リバイバルの重要人物 Susana Beca と Joe Satriani に師事し D’Angelo や John Mayer にも認められた8弦ギター使い Charlie Hunter の共演 “Molino Molero” では、ブルースとAfro-Peruvianに共通するルーツ”アフリカ”を強く感じることが出来ます。この2曲は、白人音楽と黒人音楽の歴史的背景にまで想いを馳せるよう意図されているのかも知れませんね。
新進気鋭のボーカル多重録音アーティスト Jacob Collier の “Don’t You Know” も衝撃的。自らのボーカルを多重録音し、アカペラと卓越した楽器の演奏で音楽シーンに登場した彼のパフォーマンスは、この楽曲に置いても輝きを放っていますね。対照的に、アルバムを締めくくる David Crosby 御大の飾り気のない “Somebody Home” での歌唱も見事の一言でした。
“We Like It Here”, “Sylva”, そして今作と、スタジオライブレコーディングを続けている SNARKY PUPPY。彼らの様々な新しい試みからは、音楽シーンを本当に変えてやろうという気概が強く伝わって来ます。そしてそれが遂に受け入れられつつあることはシーンの希望だと心から思います。
今回弊誌では、グループの首謀者 Michael League に独占インタビューを行うことが出来ました。少し難しく綴ってしまったかもしれませんが、彼らの本質は JAZZ, HIP HOP, ROCK, R&B, DANCEといった音楽のハイブリッド良いとこ取り。万人が楽しめる音楽だと信じます。どうぞ!!

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SNARKY PUPPY “FAMILY DINNER VOL.2” : 10/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【PAT METHENY】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAT METHENY !!

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The Legendary Jazz Guitar Player, Pat Metheny set to come to Japan on May!! Don’t miss his brand new band Premiere!!

Jazz、いや音楽シーンのレジェンド、20度ものグラミー受賞歴を誇る天才 Pat Metheny が5月に新バンドのワールドプレミア公演を日本で行います!!
日本では、最近 “JOJO” のエンディングで使用された “Last Train Home” で知ったという若い音楽ファンも多いかも知れませんね。しかし彼は70年代から活躍し、自身の PAT METHENY GROUP で賞賛を浴び続ける才能で、同時に、Jaco Pastorius, David Bowie, Joni Mitchell, Ornette Coleman といったジャンル不問の偉大なミュージシャンたちと共演を果たして来たミュージシャンズミュージシャンでもあるのです。
ジャンル不問…昨今、Jazz the New Chapter で紹介される Jazz ミュージシャンたちが Jazz の新しい扉を押し広げようとしていますが、Pat Metheny の偉大な点はその部分にあり、JTNC のパイオニアでもある気がします。
自身初のリーダー作 “Bright Size Life” では Marvin Gaye の楽曲を取り上げていますし、次の “Watercolors” では二作目にして既に カントリー、フォーク、ポップスの要素をアルバムに自然に取り入れ見事 Jazz と融合させています。Fusion という一言で語られることも多いですが、当時流行していたテクニカルでロックテイストを取り入れた Fusion とは明らかに一線を画しており、 音の先に美しい風景が見えるようなスムーズジャズを推し進めたと解釈することも出来るでしょう。
78年に結成した PAT METHENY GROUP では特に Lyle Mays のピアノと Pat のギターのコンビネーションが抜群でした。そしてグループとしても、革新的な試みを次々に発表して行きます。大胆に8ビートを使用したロックへの回答とも言われる代表作 “American Garage” や、ギターシンセサイザーを導入した “Offramp”。中でも “Offramp” に収録されている “Are You Going With Me?” は常にライブでも演奏されて来た Pat Metheny を象徴するような楽曲です。ギターシンセを使用し、繊細な音色から雄叫びのような咆哮まで自在に操る Pat のギターワークと、ドラマティックなエンディングに花を添える Lyle のピアノ。まさに名演とはこのことだと何度聴いても思ってしまいますね。
後に Pat は ECM から GEFFIN に移籍し、ブラジル音楽に接近。若い頃から影響を受けていた Samba, Bossa Nova, そして Milton Nasciment など MPB(Musica Popular Brasileira)界隈への憧れを反映した “Still Life(Talking)”, “Letter From Home” という2枚の名作を残します。ECM 時代に比べて Jazz 的な面白さは減りましたが、作り込まれたより大衆向けの完成された音楽はさらに Pat の名を世界に轟かせることとなります。”Last Train Home” を聴けば 名手 Paul Wertico でさえ、ブラシで16分を刻む淡々としたプレイに制限されていることが分かります。勿論、エレクトリック・シタールやボイスを使用したりと実験的な試みもありますが、インタープレイなどは抑え、映画のような情景を創り出すことに全神経を注いだように感じられますね。
また90年代には、ラテンアメリカの音楽に傾倒する傍らで、Jim Hall, Charlie Haden, Chick Corea といった Jazz Giant たちとの共演、再演も成功させ、素晴らしいレコードを残しています。
彼の音楽に対する情熱は近年でも衰えることを知りません。2010年に発表した “Orchestrion” はファンの度肝を抜きました。オーケストリオンとは、元々20世紀初頭に存在した複数の楽器を自動制御で同時に演奏させる大掛かりな機械なのですが、Pat はそれをコンピューターを利用して現代に蘇らせたのです。巨大な機械と1人で対峙しながら、生まれる音楽は PAT METHENY GROUP そのものなのですから圧巻です。また、新たに立ち上げた UNITY BAND, そしてマルチプレイヤー Giulio Carmassi を得て進化した UNITY GROUP でもその創造性を遺憾無く発揮しています。さて今回日本で初公開される新しいバンドではどのようなサプライズが待っているのでしょう?今回弊誌では Pat に非常に濃厚な独占インタビューを行うことが出来ました。弊誌初登場のグラミーウイナーです!”Are You Going With Pat?” どうぞ!!

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WORLD PREMIERE : “AAI” 【AMOGH SYMPHONY】


WORLD PREMIERE: “AAI” FROM “Ⅳ” OF AMOGH SYMPHONY !!

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FROM INDIA, RUSSIA, US, AND PORTUGAL.INTERNATIONAL PROG METAL OUTFIT, AMOGH SYMPHONY HAS JUST RELEASED FIRST TRACK FROM THEIR UPCOMING ALBUM “Ⅳ”!!

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以前弊誌でインタビューを行った前衛的なプログメタルバンド AMOGH SYMPHONY。今年リリースされる新作から新曲を弊誌でプレミア公開致します!! インド、ロシア、USの多国籍バンドは新たにポルトガル人 DERICK GOMES をメンバーに迎えさらにパワーアップ。四人全員がマルチ奏者という異形のラインナップが生み出す、様々な楽器を使用したその音楽は、初期のプログメタルからは遠く離れ JAZZ, ELECTRONICA, EXPERIMENTAL な独特の世界を創造しています。

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Jim Richman : Drums, Engineering/Mixing.
Derick Gomes : Synth, Percussion, Electronics, Engineering/Mixing.
Andrey Sazonov : Accordion, E-Piano, Balalaika and Violin.
Vishal J.Singh : Microtonal Semi acoustic guitar, Tokari(2 strings), Electric Guitar, Guitar synth, Strings orchestration, Engineering/Mixing.
Goregaon Brass Orchestra : Horns(Nandan : Clarinet, Raju : Tenor Sax, Vilas : Alto Sax, Raja : Trumpet)
Deep Saikia : Pepa tribal horn

“Mother is Onamika. The same character from Vectorscan. This time the story has different angles of view : motherhood in animals. Goddess worship in tribes. Unconditional love.”
“IV” is our forth upcoming album. This time instead of joining many songs to tell one story, we decided to treat each song as one story. Because we are already “been there, done that” with darker themes and sci-fi concept albums, this time we focus towards simpler yet ignored stories. Each song is like soundtrack of a short film. We can’t wait to share this album with you guys. Till then, let us know how do you feel about “Aai” and the plan. Email us your feedback at amoghsymphony@gmail.com
“Aai”は “VECTORSCAN” に登場した ONAMIKA の話なんだ。前作とは違った視点で描かれているよ。無償の愛、母性がテーマだね。 “Ⅳ”は僕たちの新作なんだ。今回は前作のようなコンセプトアルバムではなく、各楽曲にストーリーを持たせることにしたんだ。ダークなテーマやSFのコンセプトアルバムはすでにやり終えたからね。だから今度はよりシンプルな方向に向かうことにしたのさ。どの楽曲も短編映画のサウンドトラックの様だよ。君達にシェアするのが待ちきれないね。この楽曲や僕たちのプランについて感想を amoghsymphony@gmail.com まで送って欲しいな。
Tracklist:
1. Good morning.
2. Aai.
3. You have an appointment today.
4. Mujhe bhi joker banna hai.
5. Catch the train before they drop the bomb.
6. Capturing Poltegiest to disturbed forces.
7. Low-Fi life of a Cyborg who loved a Goddess once.
8. Rebelião.
9. Blindness for kindness, never ending run to the sun.
10. Tuponi.

http://www.amoghsymphony.net/
AMOGH SYMPHONY FACEBOOK PAGE

PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【AMOGH SYMPHONY】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PANZERBALLETT : BREAKING BRAIN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAN ZEHRFELD OF PANZERBALLETT !!

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21st Century’s “Heavy Metal Bebop”!! German Progressive Funky Math Jazz Metal five piece, PANZERBALLETT has just released epoch making newest album “Breaking Brain” !!

ドイツが誇る高性能ジャズ式重戦車 PANZERBALLETT が最新作 “Breaking Brain” をリリースし海外で話題を集めています!!
実際、”Breaking Brain” というタイトルは、彼らの音楽を表現するのにピッタリですね。2本のギター、ベース、ドラムス、そしてサクスフォンが創造するジャズメタルは、強烈にして圧倒的。リスナーの固定概念を完全に破壊するでしょう。
アルバムオープナー “Euroblast” は毎年10月に行われる Prog/Tech Metal の祭典 Euroblast への挑戦状。「こんな強烈なバンド、出演してます??」と言わんばかりに畳み掛ける、ポリリズムとテクニカルでジャジーなフレーズ、そしてヘヴィーなグルーヴ。これ程まで Jazz/Fusion を重音領域に持ち込んでいるバンドは他に存在しないと思います。実にエポックメイキングな楽曲ですね。”Typewriter Ⅱ” はタイトル通りタイプライターのサウンドを使用しています。詳細はインタビューを読んでいただくとして、そのユニークなアイデアと巧みなアレンジの才能には恐れ入るばかり。”Mahana Mahana” はマニアックなセサミストリートオマージュだったりするのですが、こういった小ネタも実にニクイ!
インドのパーカッション奏者 Trilok Grutu の楽曲 “Shunyai” のカバーには Trilok 自身がゲスト参加しており、アルバムのハイライトとなっています。エスニックなリズムの驚異的なパーカッションに導かれ幕を開けるこの曲には奇怪なボーカルも挿入されており、見事に狂気と異国感を演出することに成功しています。アルバムのラストを飾るのは “Pink Panzer” のテーマ。彼らがこの曲をカバーするのはこれで2度目なのですが、半ば PANZERBALLETT の代名詞のようになった楽曲はさらにヘヴィーさを増し、壮大にアルバムを締めくくります。
作品を通して、サクスフォンとギターのユニゾンで奏でられるテーマたちが非常に印象的でした。サクスフォン奏者の Alexander Von Hagke はあの ASIA ともツアーを行ったことがある実力者。Joe Henderson, Randy Brecker を思わせる Post-Bop なフレーズの数々が、 MESHUGGAH ライクなポリリズムリフの上で踊る様は決して他のバンドからは得ることの出来ないカタルシスを感じさせてくれます。まさに21世紀の “Heavy Metal Bebop”。即効性と味わい深さを兼ね備えた素晴らしい作品ですね。
今回弊誌ではバンドの創設者であるギタリスト Jan Zehrfeld にインタビューを行うことが出来ました。難解だと思われるかも知れませんが、彼のリードプレイは意外に明快でリックのアイデアも実に豊富ですよ。どうぞ!!

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MMM RATING IS…

PANZERBALLETT “BREAKING BRAIN” : 9,3/10

YOU CAN STREAM ENTIRE “BREAKING BRAIN” ALBUM HERE !!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SRV. VINCI : MAD ME MORE SOFTLY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAIKI TSUNETA OF Srv.Vinci!!

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JAPANESE “ROCK THE NEW CHAPTER” HAS BEGUN!! Srv. Vinci HAS JUST RELEASED INCREDIBLE DEBUT ALBUM “MAD ME MORE SOFTLY”!!

例えばヘンドリックスだったり、例えばカート・コベインだったり、例えばシド・ヴィシャスだったり。ジャンルやシーンが誕生する時、そこには必ずアイコン的な人物が登場します。今回インタビューを行った Srv.Vinci の常田大希さんもそういった存在ではないか?音楽を聴いてご回答いただくうちに、そんな思いを強くしました。Srv.Vinci は東京出身の4人組。バンドの中心人物、常田さんは東京芸術大学でチェロを専攻していたという経歴の持ち主。クラッシックの素養は勿論、ジミヘンで音楽に目覚めたというロックな一面、そして日本でも新しいジャズのムーブメントを起こそうと行われた TOKYO JAZZ SUMMIT に招聘されるなどジャズに精通する一面も併せ持っています。そんな奇才の音楽が具現化されたのが Srv.Vinci のデビュー作 “Mad Me More Softly” です。一聴して感じたことは”日本からも遂にこんなアーティストが現れたのか…”。クラッシック、ブルース、ジャズ、ロック、ヒップホップ、エレクトロニカ…西洋音楽と総称される音楽ジャンルを全て詰め込んだのではと思えるほどカラフルでエクレクティックなサウンドに圧倒されました。RADIOHEAD に初めて出会った時の様な感覚かも知れません。”メジャーシーンの考え方と相入れるのは難しいと思う。でもそんなこと気にする事はなくて。まったく日本を意識したくないじゃん。ジャズでもロックでもポップでもなんでも、世界目線でポップであれば俺はいいと思うけどね。最終的に目指すのは。そう思ってやってますよ。” (Jazz Summit Tokyo インタビューより) 以前拝見したインタビュー、この一節に非常に共感を覚えたのですがまさに世界目線なサウンドであることは強調して置かなければならないでしょう。Robert Glasper をアイコンに掲げジャズの新たな地平を切り開く Jazz The New Chapter。Flying Lotus を首領とし、ヒップホップの新形態、斬新でクールなビートを模索する Brainfeeder。そして Kendrik Lamer, D’Angelo といった、今まさに世界の先端を走るイノベーターたちのサウンドと比肩し得るほど高いクオリティとチャレンジスピリットを兼ね備えた作品だと断言出来ると思います。同時に、先述したアーティストたちが重要視しているポップ性やアートワーク、PVを含む”見せ方”を Srv.Vinci も大事にしていて、世界でも認められる可能性を強く感じさせます。ぜひ今回のインタビュー、そして勿論彼らの音楽から Srv.Vinci の”アナーキズム”を感じていただきたいですね。どうぞ!!

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Srv.VINCI “MAD ME MORE SOFTLY” : 9/10

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