NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SCHAMMASCH : HEARTS OF NO LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH C.S.R OF SCHAMMASCH !!

“To Me, The Question For The Source Of Inspiration Is The Same Question As “Where Does Life Come From?”. My Answer For Both Questions Would Be “The Cosmic Energy That Creates All And Destroys All”

DISC REVIEW “HEARTS OF NO LIGHT”

「スイスがいかに本当に小さな国であるかを考慮すれば、僕たちの国には初期のエクストリームメタルシーンとその進化にインパクトを与えたバンドがかなり存在したんだよ。」
バーゼルに居を構えるスイスメタルの灯火 SCHAMMASCH は、内省的でスピリチュアル、多義性に富んだトランセンドブラックメタルで CELTIC FROST, SAMAEL, CORONER といった同郷の巨人たちの偉大な影を追います。
「”Triangle” は、恐怖心から解放された心の状態へと導く道を切り開く試みだったね。それを悟りの状態と呼ぶイデオロギーもあるだろう。」
SCHAMMASCH がメタルワールドの瞠目を浴びたのは、2016年にリリースした “Triangle” でした。3枚組、16曲、140分の壮大極まるコンセプトアルバムは、様々な恐怖、不安から解脱し悟りと真の自由を得るためマスターマインド C.S.R にとって避けては通れない通過儀礼だったと言えるでしょう。
もちろん、彼らが得た自由は音楽にも反映されました。ポストロック、プログレッシブ、オーケストラル、さらにはダウンテンポのエレクトロニックなアイデアまで貪欲に咀嚼し、広義のブラックメタルへと吐き出した怪物は、BATUSHKA, LITURGY, BLUT AUS NORD, SECRETS OF THE MOON などと並んで “アウトサイドメタル” へと果敢に挑戦する黒の主導者の地位を手に入れたのです。
「ULVER はもしかしたら、長い間どんなメタルの要素も受け継がずに、それでもメタルというジャンルから現れたバンドだろうな。だから、彼らの現在の姿はとても印象的だよ。」
実際、初期に存在した “具体的” なデスメタリック要素を排除し、ある意味 “抽象的” なメタル世界を探求する SCHAMMASCH が、概念のみをメタルに住まわせる ULVER に親近感を抱くのは当然かも知れませんね。そして最新作 “Hearts of No Light” は、”Triangle” の多義性を受け継ぎながらアヴァンギャルドな音の葉と作品の完成度を両立させた二律背反の極みでしょう。
ブラッケンドの容姿へと贖うように、ピアニスト Lillan Lu の鍵盤が導くファンファーレ “Winds That Pierce The Silence” が芸術的で実験的で、しかし美しく劇的なアルバムの扉を開くと、狂気を伴うブラックメタリックな “Ego Smu Omega” がリスナーへと襲いかかります。
プリミティブなドラミングと相反するリズムの不条理は暗闇の中を駆け抜けて、レイヤードシンセと不穏でしかし美麗なギターメロディーの行進を導きます。悪魔のように囁き、時に脅迫するボーカルと同様に楽曲は荘厳と凶猛を股にかけ、リスナーに社会の裏と表を投影するのです。
故に、一気に内省と憂鬱のアンビエント、ピアノと電子の “A Bridge Ablaze” へ沈殿するその落差はダイナミズムの域さえ超越しています。”Ego Smu Omega” や “Qadmon’s Heir” の壮大劇的なプログレッシブブラックを縦糸とするならば、”A Bridge Ablaze” や “Innermost, Lowermost Abyss” の繊細でミニマルなエレクトロピースはすなわち “光なき心” の横糸でしょう。
そうして静と動で織り上げた極上のタペストリーは、さらにゴスとポストロックの異様なキメラ “A Paradigm of Beauty” のような実験と芸術のパッチワークが施され SCHAMMASCH をブラックメタルを超えた宇宙へと誘うのです。その制限なきアヴァンギャルドな精神は、32年の時を経て再来する “Into the Pandemonium” と言えるのかも知れませんね。
今回弊誌では、ボーカル/ギター C.S.R にインタビューを行うことが出来ました。「僕にとってインスピレーションの源に関する質問は、「人生はどこから来たのか?」と同じ質問なんだよ。そしてその両方の質問に対する答えは、「すべてを創造し、すべてを破壊する宇宙エネルギー」からなんだ。」 どうぞ!!

SCHAMMASCH “HEARTS OF NO LIGHT” : 10/10

INTERVIEW WITH C.S.R

Q1: Regarding Switzerland, there was great Coroner and Celtic Frost, but not so many bands have existed. How was growing up there and being into metal music?

【C.S.R】: Don’t forget Samael &, Messiah. Considering how small a country Switzerland really is, there were quite a few bands that had an impact on the early extreme metal scene and its development. When I seriously started listening to extreme metal, Celtic Frost just released their final album, ‘Monotheist’ & Samael were at the peak of their electronic experimentation. There were a few local bands I looked up to at that time, and eventhough there was a scene of people being into that kind of music, there weren’t many bands that were actually serious about being musicians. Nowadays it has changed a lot, for the better.

Q1: スイスが CORONER や CELTIC FROST といった巨人を輩出しているのは確かですが、とは言えメタル大国というイメージはありません。そんなスイスでメタルに目覚め、プレイし始めたきっかけからお話ししていただけますか?

【C.S.R】: SAMAEL と MESSIAH を忘れる訳にはいかないよ。スイスがいかに本当に小さな国であるかを考慮すれば、僕たちの国には初期のエクストリームメタルシーンとその進化にインパクトを与えたバンドがかなり存在したんだよ。
僕が真剣にエクストリームメタルを聴き始めた時、ちょうど CELTIC FROST が最後のアルバム “Monotheist” をリリースした頃だったんだ。彼らと SAMAEL がエレクトロニカの実験のピークにいた時なんだよ。
当時僕が尊敬していた地元のバンドがいくつかあって、エクストリームな音楽に夢中になっているシーンもあったんだけど、ミュージシャンになることに真剣な奴らはあまりいなかったね。今日では大きく変わって、良くなっているよ。

Q2: The visual of Schammasch is very unique. Where does the inspiration come from? What do you want to express by your visual?

【C.S.R】: Every visual aspect of Schammasch aims to reflect the other existing aspects, and by that, creating an overall vivid, vibrant work of art. To me, the question for the source of inspiration is the same question as “where does life come from?”. My answer for both questions would be “the cosmic energy that creates all and destroys all”.

Q2: SCHAMMASCH のビジュアルは実にユニークですよね?インスピレーションはどこから得て、何を表現しているのでしょう?

【C.S.R】: SCHAMMASCH の全てのビジュアル的要素は、他の現存する側面を反映することを目指していて、それによって全体的に鮮やかで活気のあるアート作品を作成しているんだ。
僕にとってインスピレーションの源に関する質問は、「人生はどこから来たのか?」と同じ質問なんだよ。そしてその両方の質問に対する答えは、「すべてを創造し、すべてを破壊する宇宙エネルギー」からなんだ。

Q3: “Triangle” was 100 minutes spread across three discs, you know, there was big concept in big framework. I feel it was game changing, historical metal record in 21st century. But what made you create that style of art?

【C.S.R】: Triangle was an attempt to carve a path leading to a state of mind that is free from the terrors of the mind, or at least has them under control, instead of being controlled by them. Some ideologies would call that a state of enlightenment.
Nowadays I would say that it was a naïve endeavor, one that could only fail. And so it did of course, but writing that album was a personal necessity, and resulted in a different kind of freedom for me, which I’m very grateful for.

Q3: “Triangle” は3枚のアルバムで100分に渡って紡がれる、ビッグなフレームに収まったコンセプト作品でした。21世紀のメタルを変えたと言っても過言ではない、歴史的なアルバムでしたね?

【C.S.R】: “Triangle” は、恐怖心から解放された心の状態へと導く道を切り開く試みだったね。それを悟りの状態と呼ぶイデオロギーもあるだろう。
今日振り返れば、失敗するに違いないと言われたナイーブな試みだったと思うよ。それは当然のことだったけど、それでもあのアルバムを書くことは個人的に必要で、結果として僕に別の種類の自由をもたらしてくれたんだ。それが嬉しかったんだ。

Q4: Maybe, your music is labeled as Avant-garde Black metal. But your newest record “Hearts of No Light” transcends even Black metal realm, I feel. Do you think you are still in the world of Black metal?

【C.S.R】: There are key aspects that we use, but I don’t like calling Schammasch a black metal project, just because there are musical aspects that would fit the term. Being a black metal band, in my opinion, requires a different set of qualities than the ones that define Schammasch.

Q4: アヴァンギャルドブラックメタルなどと称される SCHAMMASCH の音楽ですが、最新作 “Hearts of No Light” ではすでにブラックメタルの領域を超越したようにも感じます。それでも SCHAMMASCH はブラックメタルバンドですか?

【C.S.R】: 確かにブラックメタルは僕たちが使用する鍵となる要素だね。だけど僕は SCHAMMASCH をブラックメタルプロジェクトと呼びたくはないんだよ。ただ、ブラックメタルという言葉にフィットする音楽的な要素が存在するだけなのさ。
ブラックメタルバンドであるためには、僕の考えだけど、SCHAMMASCH を定義するものとは異なるクオリティーのセットが必要だね。

Q5: With mixing post-rock, progressive music, orchestral music, and even mild downtempo electronic ideas, you have evolved metal world. Is there any band you empathize with who is mixing “outside metal” aspects?

【C.S.R】: There are a few electro projects working with certain metal aspects, that I find interesting, There’s Ulver, who maybe aren’t inheriting any musical metal aspects anymore for a long time, but still emerged from that genre. It’s very impressive what they have become.

Q5: ポストロック、プログロック、オーケストレーションにエレクトロニカまで、SCHAMMASCH はメタルの領域を確実に拡大しています。あなたが共感を覚える、”アウトサイドメタル” の要素を取り込むバンドはいますか?

【C.S.R】: メタルの要素を加えたエレクトロニカのプロジェクトなら、興味を惹かれるものはいくつかあるね。ULVER はもしかしたら、長い間どんなメタルの要素も受け継がずに、それでもメタルというジャンルから現れたバンドだろうな。だから、彼らの現在の姿はとても印象的だよ。

Q6: I feel the album title “Hearts of No Light” reflects the darkness around modern society. Is there any political or cultural message on the concept?

【C.S.R】: Sociocritical aspects are definitely to be found, political ones definitely aren’t.
Schammasch has always been, among other things, a reflection of the dualistic nature of the human mind and spirit in their many forms, often leading to conclusions that support a viewpoint of giving more weight to nameless, formless, sideless spirit and less weight to mind, ego and ideology.

Q6: “Hearts of No Light” は現代社会に巣食う闇を反映しているようにも思えます。

【C.S.R】: 現代社会にたいする批判は間違いなく存在するね。政治的なメッセージは全くないけれど。
SCHAMMASCH は常に、様々な形で人間の心と精神の二元性を反映している。名前のない、形のない、サイドレスのスピリットをより重視し、心や自我、イデオロギーの重みを減らすという視点を支持する結論に至ることが多いんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED C.S.R’S LIFE

IRON MAIDEN “SEVENTH SON OF A SEVENTH SON”

METALLICA “…AND JUSTICE FOR ALL”

SLAYER “GOD HATES US ALL”

SECRETS OF THE MOON “ANTITHESIS”

DEATHSPELL OMEGA “SI MONVMENTVM REQVIRES, CIRCUMSPICE”

MESSAGE FOR JAPAN

This interview has actually been the first real sign of interest in Schammasch, coming from Asia – which we are grateful for of course. Some who read this might be glad to hear that we just extended the shipping options on our shop to some Asian areas – https://schammasch.com/shop/ And furthermore we hope to be able to play in Japan one day.

このインタビューは、アジアでも SCHAMMASCH に興味があると知ることが出来た最初のリアルなサインなんだ。もちろん、とても感謝しているよ。インタビューを読んでくれたみんなには、アジアにもシッピングオプションを拡大したと伝えたいね。https://schammasch.com/shop/ 
日本でいつかプレイ出来たらいいな!

C.S.R

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PROSTHETIC RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GATECREEPER : DESERTED】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHASE MASON OF GATECREEPER !!

PHOTO BY PABLO VIGUERAS

“Gatecreeper Started When I Met Our Drummer, Matt, And Discussed Our Shared Love For Old School Death Metal. We Both Talked About Dismember And Decided To Start a Band. Our Formula Has Always Been The Same Since The Beginning.”

DISC REVIEW “DESERTED”

「GATECREEPER は僕がドラマーの Matt と出会って始まったんだ。僕たちのオールドスクールデスメタルに対する愛をシェアしようぜってね。あの時僕たちは DISMEMBER について熱く語って、それでバンドを始めようって決めたんだよ。」
アリゾナに生を受けたメタリックハードコアの牽引者 GATECREEPER は、その溢れるデスメタル愛でエクストリームミュージックを遂に巨大なスタジアムへと導きます。
「僕たちは “スタジアムデスメタル” という言葉を世界へもたらし、それが取り上げられるようになった。要は、しっかりとエクストリームでありながらキャッチーなデスメタルを作ることが出来るということなんだ。狂気のサウンドでありながら、記憶に残るデスメタルは存在し得るんだ。DEICIDE の “Once Upon A Cross” のようにね。」
今回インタビューに答えてくれた ボーカリスト Chase Mason は Revolver のインタビューでそう怪気炎を上げ、スタジアムでプレイする自らの姿を夢想します。
実際、Chase の前人未到なその野心は決して夢物語ではないのかも知れませんね。
「フロリダデスメタルとスウェディッシュデスメタル。間違いなくその2つは僕たちのサウンドにおいて欠かせない重要な要素だよね。ただ、僕たちはそういったバンドたちの大好きな要素を抽出して、ユニークな僕等のサウンドとなるよう形成していくだけなんだ。」
HORRENDOUS, TOMB MOLD, BLOOD INCANTATION 等と共に OSDM 復興の波を牽引する GATECREEPER。中でも彼らは米国の凶凶と欧州の叙情を繋ぐ大胆な架け橋となり、初期の DEATH や OBITUARY と ENTOMBED, DISMEMBER が完璧なバランスで交わる “スイートスポット” の発見を誰よりも得意としています。
もちろんそこには、BOLT THROWER を頂点とする UK デスメタルの鼓動、さらには Kurt Ballou のサウンドメイクが象徴するように VEIN や CODE ORANGE のメタリックなハードコアとも共鳴する先鋭性も存分に垣間見ることが出来るでしょう。
ただし、”ポストヒューマン” な人類滅亡の世界を描いたアリゾナの “Deserted” で最も目を惹くエイリアンは、ポップである種単純化とまで言えそうなストラクチャーに宿された究極のキャッチーさでしょう。サバスの時代に巻き戻ったかのような凶悪でしかしシンプルなリフワークは、複雑化を極めた現代メタルに対するアンチテーゼの如く鮮烈に脳裏へと刻まれます。
その真の意味での “オールドスクール” の利点は、GATECREEPER ではベースを担当する Nate Garrett がマイクに持ち替え、Chase がベースをプレイ、さらに Eric Wagner もギターを兼任する SPIRIT ADRIFT にもシェアされています。GATECREEPER と SPIRIT ADRIFT、メンバー3名が重複し古を敬う2つのバンドの作品が、海外主要紙2019年のベストに多く選されている事実は複雑化の終焉と単純化への兆しを意味しているのかも知れませんね。
ただし、残念ながら GATECREEPER & SPIRIT ADRIFT の古式ゆかしくしかし斬新な共闘は終わりを迎えるようです。
「僕はもう SPIRIT ADRIFT ではプレイしないし、Nate も GATECREEPER でプレイすることはもうないよ。そうすることで、(同じマネージメントの) 2つのバンドが円滑に、互いに争わずやっていくことができるんだよ。」
Post Malone がアリゾナのショウで GATECREEPER のTシャツを着用したシーンは、今のところ彼らが最もメインストリームへと接近した瞬間だったのかも知れません。ただし、あのメタルを愛するポップアイコンに見初められた音の葉は、いつかスタジアムへと到達するに違いありません。
今回弊誌では、Chase Mason にインタビューを行うことが出来ました。「僕は COFFINS が大好きだし、他にも FRAMTID, DISCLOSE, GAUZE, BASTARD といった日本のハードコアやパンクバンドも気に入っているんだ。」日本盤は DAYMARE RECORDINGS から。どうぞ!!

GATECREEPER “DESERTED” : 10/10

INTERVIEW WITH CHASE MASON

PHOTO BY JOEY MADDON

Q1: It seems so busy for Chase and Nate this year. Because, you two released two incredible record with Gatecreeper and Spirit Adrift, right?

【CHASE】: Yes, we had a busy year! Both bands recorded and released LPs as well as touring in the US and Europe.

Q1: あなたと Nate にとって、2019年は忙しい年になりましたね。GATECREEPER と SPIRIT ADRIFT、2つのバンドで素晴らしい2枚のレコードをリリースしましたから。

【CHASE】: うん、僕たちにとってとても忙しい年だったよ!両方のバンドでレコーディングを行い、作品をリリースし、アメリカとヨーロッパをツアーしたんだから。

Q2: When I had interview with Nate before, he said “Of course Chase will contribute here and there to Spirit Adrift, and I will contribute here and there to Gatecreeper, but there is an obvious separation. I manage Spirit Adrift and Chase manages Gatecreeper.”. Do you agree that? What’s your perspective about the musical or managing separation?

【CHASE】: Yes there is a separation as far as management and creative direction. Moving forward into 2020, we have decided to split up the overlap between the two bands so we can operate in a truly independent manner. I will no longer be playing in Spirit Adrift and Nate will no longer be playing in Gatecreeper. This way both bands can run parallel and not conflict with each other.

Q2: 先日、SPIRIT ADRIFT として Nate にインタビューを行った際、「もちろん、Chase は様々に SPIRIT ADRIFT に貢献してくれているし、僕も GATECREEPER に貢献するよ。(2人共両バンドに所属。) だけどそこには明確な線引きが存在するんだ。つまり、僕が SPIRIT ADRIFT を運営し、Chase が GATECREEPER を運営しているんだよ。」 と語っていました。

【CHASE】: うん、バンドのマネージメント、創造性の方向については線引きが存在するよ。
実は2020年に向けて、僕たちの2つのバンドを掛け持ちするオーバーラップを解消することにしたんだ。だからそれぞれ、真に独立してバンドを運営することになる。つまり、僕はもう SPIRIT ADRIFT ではプレイしないし、Nate も GATECREEPER でプレイすることはもうないよ。そうすることで、(同じマネージメントの) 2つのバンドが円滑に、互いに争わずやっていくことができるんだよ。

Q3: So, how did Gatecreeper come to be? What was the initial idea of the band?

【CHASE】: Gatecreeper started when I met our drummer, Matt, and discussed our shared love for old school death metal. We both talked about Dismember and decided to start a band. Our formula has always been the same since the beginning. Swedish death metal, Bolt Thrower, Obituary and Crowbar were the main influences to start and still remain the same.

Q3: GATECREEPER 結成の経緯、当初描いた青写真について教えていただけますか?

【CHASE】: GATECREEPER は僕がドラマーの Matt と出会って始まったんだ。僕たちのオールドスクールデスメタルに対する愛をシェアしようぜってね。あの時僕たちは DISMEMBER について熱く語って、それでバンドを始めようって決めたんだよ。
僕たちの領域は最初からずっと変わっていないよ。スウェディッシュデスメタル、BOLT THROWER, OBITUARY, CROWBER が主な影響元さ。その場所から始まって、今も同じ場所に居るんだよ。

Q4: Mixing 80’s Florida and 90’s Swedish death metal are two of the characteristic of Gatecreeper, right? How did you find the “sweet spot”?

【CHASE】: Those are definitely two big parts of our sound. We try to just take our favorite elements of those bands and put them together to form our own unique sound.

Q4: 仰るように、フロリダ産デスメタルと、スウェディッシュデスメタルは GATECREEPER の核だと感じます。両者を融合する際、”スイートスポット” はどのように見つけているのでしょう?

【CHASE】: うん、間違いなくその2つは僕たちのサウンドにおいて欠かせない重要な要素だよね。ただ、僕たちはそういったバンドたちの大好きな要素を抽出して、ユニークな僕等のサウンドとなるよう形成していくだけなんだ。

PHOTO BY PABLO VIGUERAS

Q5: Also, it seems Spirit Adrift has a huge respect about 80’s metal. What’s your perspective about the “respect” and “revival” of rock & metal music?

【CHASE】: Yeah, that is more Nate’s thing. I like it but it’s not my area of expertise.

Q5: リスペクト&リバイバルという意味合いでは、SPIRIT ADRIFT も同様に80’sメタルへの憧憬を前面に押し出していますよね?

【CHASE】: うん、まあでもあのバンドは Nate のものだから。僕も SPIRIT ADRIFT のやり方は好きだけど、僕の専門とするエリアではうからね。

Q6: I love the artwork of “Deserted”. It’s really psychedelic, grotesque but beautiful. How does it connect to the lyrical theme or concept of the record?

【CHASE】: We gave the artist, Brad Moore, a very vague concept. We had not finished writing the album yet, but I knew I wanted to call it “Deserted”. I told him I wanted a desolate desert landscape… a “post-human” landscape. He ran with that simple direction. His interpretation of the world after mankind is alien-like and that is cool with me!

Q6: 最新作 “Deserted” のグロテスクながらサイケデリックで美しいアートワークは秀逸ですね。レコードのテーマとはどのように繋がっているのでしょう?

【CHASE】: Brad Moore というアーティストにとても漠然としたコンセプトを渡したんだ。その時はまだアルバムの楽曲さえ書き終わっていなかったんだけど、作品を “Deserted” (見捨てた) と呼びたいことは分かっていたんだ。だから Brad に、荒廃した砂漠の景色が欲しいと伝えたのさ。それはつまり、”ポストヒューマン” 人類滅亡後の風景さ。
彼はシンプルにその方向性を追求してくれたね。人類以降の世界についての彼の解釈は、エイリアンの世界で、クールだと感じたよ!

Q7: When I had an interview with Devil Master, Hades said “Japanese underground scene has had a huge impact on us musically and aesthetically.”. Are you interested in our Japanese underground scene?

【CHASE】: Yes. I love Coffins and Japanese hardcore or punk bands like Framtid, Disclose, Gauze, Bastard, etc.

Q7: DEVIL MASTER とのインタビューで Hades は、「日本のアンダーグラウンドシーンからは、音楽的にも審美的にも強大なインパクトを受け続けている。」 と語っていました。
GATECREEPER は日本のアンダーグラウンドシーンからインスピレーションを受けていますか?

【CHASE】: うん。僕は COFFINS が大好きだし、他にも FRAMTID, DISCLOSE, GAUZE, BASTARD といった日本のハードコアやパンクバンドも気に入っているんだ。

Q8: Regarding “revival”, vinyl and cassette are coming back now. What’s your thought about these “physicals” in this digital age?

【CHASE】: I love physical copies of albums. Admittedly, I listen to most music digitally, but I still try to own a physical copy of music I really like. Even if I’m going to push play on my computer or phone more regularly, it’s still cool to hold the record in your hand and look at the art up close.

Q8: リバイバルと言えば、近年ヴァイナルやカセットの復興が顕著ですよね。デジタル全盛の時代に、そういったフィジカルの存在価値とは何だと思いますか?

【CHASE】: 僕はアルバムのフィジカルコピーを愛している。ほとんど音楽はデジタルで聴いていることは認めざるを得ないけど、それでも心底気に入っている作品はフィジカルで手に入れようと今でも心がけているんだよ。
例え、日常では PC や携帯で音楽をかけているとしても、レコードを所持してそのアートを間近で眺めるのはクールなものだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CHASE’S LIFE

BLINK 182 “DUDE RANCH”

BLACK SABBATH “WE SOLD OUR SOUL FOR ROCK’N ROLL”

EYEHATEGOD “DOPESICK”

ENTOMBED “LEFT HAND PATH”

THREE 6 MAFIA “SMOKED OUT, LOCKED OUT”

MESSAGE FOR JAPAN

PHOTO BY JOEY MADDON

We cannot wait to get to Japan in the near future. We are hoping to play our first shows in Japan sometime in 2020. Thanks for listening!

近い将来、日本へ行くのが待ちきれないね。2020年のどこかで、日本での初ライブを行いたいね。聴いてくれてありがとう!

CHASE MASON

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RELAPSE RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OBSEQUIAE : THE PALMS OF SORROWED KINGS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TANNER ANDERSON OF OBSEQUIAE !!

“For Example, Satyricon’s “Dark Medieval Times” Does Not Have Medieval Riffs. And That’s The Point. Metal Often Alludes To These Themes Without Actually Using Them. I Want To Use Them. And That’s The Difference.”

DISC REVIEW “THE PALMS OF SORROWED KINGS”

「SATYRICON の “Dark Medieval Time” には中世のリフなんて含まれていないよ。そこが重要なんだ。メタルはしばしば、中世の音楽を使用することなく、そのテーマを仄めかして来た訳さ。僕は実際に中世の音楽を使用したい。そこが違いさ。」
黒死病の蔓延、階級社会、厳格なキリスト教倫理、貧困、多産多死。”Near-Death Times”、死の香りや足音があまりに身近であった暗美な中世ヨーロッパを現代へと映し出す “古城メタル” OBSEQUIAE は、メタルお得意のメディーバルな世界観、ドラゴンのファンタジーをよりリアルに先へと進めます。
「多くのメタルバンドが中世のイメージやテーマを扱っている。だけど、ほとんどの人はリアルな中世の音楽がどんなサウンドなのか知らないよね。例えばそれはケルティック音楽でも、多くの映画で流れるファンファーレでもないんだよ。音量がとても小さくなる危険を孕んでいるけど、もっと複雑でやり甲斐のある音楽なんだ。」
“歌う宗教” とも例えられるキリスト教を基盤とし、1000年の悠久をへて単旋律から複旋律へと進化を遂げた中世西欧音楽は、現代の音楽家にとって未だ探索の余地に満ちた白黒写真だと OBSEQUIAE のマスター Tanner Anderson は語ります。故にアーティストは自らのイマジネーションやインスピレーションを色彩に描きあげることが可能だとも。
「あの時代の音楽にはまだまだ発見すべき余地が沢山残されているからね。今日僕たちが音楽を記すように記されていた訳じゃないし、拍子だってなかったんだからとても “自由” だよね。」
リュートやハープ、ダルシマーを画筆として中世の音景に命を吹き込む “The Palms of Sorrowed Kings” で OBSEQUIAE はリスナーの “不思議” をより鮮明に掻き立てました。
「実のところ、僕は OBSEQUIAE をブラックメタルだなんて全く考えたこともないんだよ。僕の影響元は、SOLSTICE (UK), WARLORD (US), FALL OF THE LEAFE, EUCHARIST, OPHTHALAMIA みたいなバンドだからね。」
メロディックブラックメタル、メディーバルブラックメタルと称される OBSEQUIAE の音楽ですが、城主の思惑は異なります。
「トラディショナルなメタルに自らのインスピレーションを加えるようなアーティストは尊敬するよ。」
DARK TRANQUILLITY や IN FLAMES といった “最初期の” メロディックデスメタルに薫陶を受けた Tanner は、トレモロやアトモスフィアといったブラックメタルのイメージを抱きながらも、むしろ兄弟と呼ぶ CRYPT SERMON, VISIGOTH と共にトラディショナルメタルのリノベーション、”メタルレコンキスタ” の中心にいます。
「僕はギターのレイヤーとテクスチャーに重量感をもたらしたいんだ。そして、多くの場合、メロディーのフレージングは “声” として聴こえてくるんだよ。」
“In The Garden of Hyasinths” を聴けば、輝きに満ちたギターのタペストリーが十字軍の領土回復にキリストの奇跡をもたらしていることを感じるはずです。その福音は “伴奏、即興、編曲、演奏のテクニック、モードの変曲、リズムなどに関しても多くの考え方が存在する” 中世音楽の独自性を基に構築され、そうして咲き乱れる在りし日のヒヤシンスの庭を蘇らせるのです。
前作 “Aria of Vernal Tombs” に収録されていた4曲のメディーバルインタルードの中でも、”Ay Que Por Muy Gran Fermousa” のミステリアスな美麗は群を抜いていましたが、5曲と増えた今作のインタルードでもメディーバルハーピスト Vicente La Camera Mariño の描き出す耽美絵巻は浮世の定めを拭い去り、リスナーを中世の風車たなびく丘陵へと連れ去るのです。
クリーンボーカルの詠唱がクライマックスを運ぶタイトルトラックや “Morrigan”で、新たに加わったドラムス Matthew Della Cagna の Neil Part を想わせるプログレッシブなスティック捌きが楽曲にさらなるダイナミズムをもたらしていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、Tanner Anderson にインタビューを行うことが出来ました。「情報も音楽も全てが利用可能なんだから、当時の “アンダーグラウンド” な感覚は感じることが出来ないよ。僕の成長期には、こういった音楽を作っている人について知ることは全く出来なかったからね。時には名前や写真さえないほどに。」 どうぞ!!

OBSEQUIAE “THE PALMS OF SORROWED KINGS” : 10/10

INTERVIEW WITH TANNER ANDERSON

Q1: 1. This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about yourself and Obsequiae? What kind of music were you listening to, when you were growing up?.

【TANNER】: Hi Sin. Thank you for the interview. I started Obsequiae with the intention of creating dark, melodic heavy metal that approached authentic musical themes from Medieval Europe (which also includes the Arab world and its influence on our interpretation of that music). Growing up, I listened to a lot of Celtic/Breton music. My mother is a harp player. Naturally, I also ended up playing Celtic/Breton music for harp and hammered dulcimer. But I also played guitar as well and had an interest in heavier music. My playing and influences (musical and non-musical) are very much a result of my experience listening to metal as a teenager in the mid-90s. Around that time, underground metal was starting to become available through some speciality metal stores near me. So, as the story goes, I never looked back. Not feeling any allegiance to one specific genre, I instead found something to appreciate in bands that I found to be sincere, unconventional, and truly underground in spirit. Nowadays, that’s a little harder! There isn’t really the same sense of an “underground” when everything is available. Growing up, the people making this music were people you never knew anything about. Sometimes not even names or pictures. I liked the distance that created between myself and an artist. It allowed some mystery. And, while some might think that’s gimmicky or cheap, it really was powerful back then.

Q1: 本誌初登場です。まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【TANNER】: インタビューをありがとう!OBSEQUIAE を始めたのは、中世ヨーロッパのオーセンティックな音楽に根ざしたダークでメロディックなメタルを創造したかったからなんだ。その中にはアラブ世界のその影響も入っているんだけどね。
成長期には、沢山のケルト/ブルトン音楽を聴いて育ったね。母がハープの演奏家なんだ。だから自然とケルト/ブルトン音楽をハープやダルシマーでプレイするようになったんだ。同時にギターでヘヴィーな音楽をプレイすることにも興味を持っていたんだけどね。
音楽的にも非音楽的にも、僕の演奏や影響は90年代中盤のメタルリスニング体験に大きく根ざしているんだよ。当時、アンダーグラウンドなメタルも近所のメタル専門店で流通をはじめていたんだ。
それ以降、後ろを振り返ることはなかったね。特定のジャンルへの忠誠心を感じる代わりに、誠実で、型破りで、真にアンダーグラウンドな精神を持つバンドに感謝を捧げるようになったんだ。
最近、そういったやり方は難しくなっているね!情報も音楽も全てが利用可能なんだから、当時の “アンダーグラウンド” な感覚は感じることが出来ないよ。僕の成長期には、こういった音楽を作っている人について知ることは全く出来なかったからね。時には名前や写真さえないほどに。
僕はその頃の自分とアーティストとの距離が好きだったんだ。ミステリアスで謎を生み出すことが出来たからね。それをギミックや安っぽいと思う人もいるかもしれないけど、当時は本当に強力だったんだよ。

Q2: Obsequiae’s music always bring me to journey of medieval times. But where did the idea mixing metal and medieval music come from?

【TANNER】: It’s certainly not an original idea. So many bands have used medieval imagery or themes. With that said, most people don’t know what real Medieval music sounds like. It’s not Celtic music or fanfare you hear in most films, for example. At the risk of sounding enormously petty, it’s much more complicated (and rewarding). For example, Satyricon’s “Dark Medieval Times” does not have medieval riffs. And that’s the point. Metal often alludes to these themes without actually using them. I want to use them. And that’s the difference.

Q2: 仰るように、OBSEQUIAE の音楽を聴けば、リスナーは中世ヨーロッパへと旅立つことが出来ますね。
メタルと中世の文化、音楽をミックスし始めたきっかけについて教えていただけますか?

【TANNER】: ただ、それは僕のオリジナルなアイデアという訳ではないよね。多くのバンドが中世のイメージやテーマを扱っている訳だから。
とは言え、ほとんどの人はリアルな中世の音楽がどんなサウンドなのか知らないよね。例えばそれはケルティック音楽でも、多くの映画で流れるファンファーレでもないんだよ。音量がとても小さくなる危険を孕んでいるけど、もっと複雑でやり甲斐のある音楽なんだ。
例えば、SATYRICON の “Dark Medieval Time” には中世のリフなんて含まれていないよ。そこが重要なんだ。メタルはしばしば、中世の音楽を使用することなく、そのテーマを仄めかして来た訳さ。僕は実際に中世の音楽を使用したい。そこが違いさ。

Q3: Regarding medieval times, What part of medieval history, architecture and art attracts you? I mean, that was very dark and “near-death” age I think, right?

【TANNER】: Yes, “near-death” is correct. Depending on where you were during that time, of course. The plague didn’t hit everywhere at the same time. My interest in this era is purely musical. There is so much yet to discover in the music left to us. This music was not notated as we notate music today. And it was without meter and very “free”. In many ways, it’s like a black and white photograph. Every ensemble or performer can color these photographs with their interpretations of the source material. And there are many schools of thought in regards to accompaniment, improvisation, arrangement, techniques of performance, modal inflection, rhythms, etc.

Q3: 当時はおそらく、”死” がすぐ側にあった時代だと思いますが、中世のどういった部分に惹かれているのでしょう?

【TANNER】: うん、死が側にあったのは確かだよね。あの時代はどこに居ようがもちろんね。ペストが同時に全てを覆った訳ではないにしてもね。
僕のこの時代に対する興味は純粋に音楽的なものさ。あの時代の音楽にはまだまだ発見すべき余地が沢山残されているからね。今日僕たちが音楽を記すように記されていた訳じゃないし、拍子だってなかったんだからとても “自由” だよね。
様々な意味で白黒写真みたいなものさ。全てのアンサンブル、演奏者がその写真たちを自らの解釈で様々な色に染めることが出来るんだから。それに、伴奏、即興、編曲、演奏のテクニック、モードの変曲、リズムなどに関しても多くの考え方が存在するんだ。

Q4: The artwork of ”The Palms of Sorrowed Kings” is really beautiful. Does it reflect the concept or lyrical themes of this great record?

【TANNER】: It is meant to inspire wonder which, in and of itself, is the purpose of the lyrics as well. I choose to be purposely ambiguous with lyrics because I think it serves listeners better. It allows them to use their own imaginations and interpret their own personal meaning.

Q4: それにしても、最新作 “The Palms of Sorrowed Kings” のアートワークは実に美しいですね。アルバムのコンセプトや歌詞のテーマが反映されているのでしょうか?

【TANNER】: このアートワークには、それ自体が歌詞の目的でもあるんだけど、みんなの中にある “不思議” を刺激する意図が宿っているんだ。
僕は歌詞を意図的に曖昧ににすることを選択している。それはリスナーが自身の想像力を使用し、個人的な意味合いで解釈することを可能にするからなんだ。

Q5: Of course, there is Black metal elements here and there. But also, I can hear some melodic death metal aspects like Dark Tranquillity, or Edge of Sanity. Was there any inspiration from them?

【TANNER】: I have never considered Obsequiae a Black Metal band at all. My influences are from bands like Solstice (UK), Warlord (US), Fall of the Leafe, Eucharist, Ophthalamia, etc. The earliest material from Dark Tranquillity (especially “A Moonclad Reflection” 7″ and “Skydancer”) were enormously influential to my playing growing up. The same goes for Edge of Sanity on “Nothing But Death Remains” as well as Pan-Thy-Monium and assorted Swano projects. Also the earliest material by In Flames – like their “Subterranean” EP was important in how it linked folk music with death metal. So, yes, the very EARLY stylings of melodic death metal were important. At the same time, I think it’s important to distinguish what melodic death metal was back then versus what it became. Unanimated is a melodic death metal band. But they’re not “melodic death metal” by the standards assigned by the genre retroactively. I think that’s important for people to understand.

Q5: ブラックメタルの要素はもちろんなのですが、例えば DARK TRANQUILLITY や EDGE OF SANITY といったメロディックデスメタルからの影響も多分に感じさせるアルバムですよね?

【TANNER】: 実のところ、僕は OBSEQUIAE をブラックメタルだなんて全く考えたこともないんだよ。僕の影響元は、SOLSTICE (UK), WARLORD (US), FALL OF THE LEAFE, EUCHARIST, OPHTHALAMIA みたいなバンドだからね。
最初期のDARK TRANQUILLITY は確かに僕の成長期に多大な影響をもたらしているね。特に7インチの “A Moonclad Reflection”, それに “Skydancer” とかね。同じことは EDGE OF SANITY の “Nothing But Death Remains”、そして PAN. THY. MONIUM みたいな Dan Swano のプロジェクトにも言えるね。
それに、フォークミュージックとデスメタルを融合させたという意味では、”Subterranean” EP みたいな最初期の IN FLAMES も重要な存在だったな。そうだね、だからうん、とても “初期の” メロディックデスメタルのスタイルは重要だったんだ。
同時に、当時のメロディックデスメタルと、それが到達した場所を区別することが重要だと思う。UNANIMATED はメロディックデスメタルバンドだ。だけど彼らは後の “メロディックデスメタル” というジャンルの基準には当てはまらないよね。その違いを理解することが重要だと思うな。

Q6: I also love your beautiful guitar tapestry. Actually, your way of guitar layer is like church choral music, I feel. Do you agree that?

【TANNER】: Thank you so much. Yes, I agree. I want to convey a feeling of weight to the layers and textures in the guitars. And I do hear the melodic phrasing as voices in many instances. I’d hope someone would be able to listen to Theatre of Voices/Paul Hillier and also Obsequiae on the same day!

Q6: OBSEQUIAE のレイヤーされたギターは、美しいタペストリーのようです。教会のコーラル音楽を思い出しますよ。

【TANNER】: どうもありがとう。うん、同意するね。僕はギターのレイヤーとテクスチャーに重量感をもたらしたいんだ。そして、多くの場合、メロディーのフレージングは “声” として聴こえてくるんだよ。
だから、誰かが同じ日に THEATER OF VOICES / Paul Hillier に耳を傾け、OBSEQUIAE にも耳を傾けられることを願っているんだ!

Q7: So, in the metal world, is there any band you can really empathize with?

【TANNER】: Yes, there are several. My friends in Crypt Sermon and Visigoth are all like-minded musicians that I consider brothers. In the greater metal community, I resonate with Solstice (UK), Atlantean Kodex, Chevalier, Gatekeeper (CAN), Eternal Champion, and many other bands that honor traditional heavy metal with their own inspiration.

Q7: 現在のメタル世界で、あなたが共感を覚えるバンドはいますか?

【TANNER】: うん、いくつか存在するよ。まず、友人でもある CRYPT SERMON, VISIGOTH は、兄弟だと思っているくらい心を共にするミュージシャンだね。
偉大なメタルコミュニティーの中では、SOLSTICE (UK), ATLANTEAN KODEX, CHEVAILER, GATEKEEPER (Can), ETERNAL CHAMPION, 他にも沢山いるよ。トラディショナルなメタルに自らのインスピレーションを加えるようなアーティストは尊敬するよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED TANNER’S LIFE

ATROCITY “HALLUCINATIONS”

FALL OF THE LEAFE “EVANESCENT, EVERFADING”

SAMAEL “BLOOD RITUAL”

KATATONIA “DANCE OF DECEMBER SOULS”

LARDIAN GUARD “LORDIAN GUARD”

I’m assuming you’re interested in metal records! So I’ll list those!

MESSAGE FOR JAPAN

Cheers to you and thank you for the questions, Sin. I hope we have a chance to play for our friends in Japan one day!

いつか日本の友人のためにプレイ出来たらいいね!ありがとう!

TANNER ANDERSON

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THE 40 MOST IMPRESSIVE ALBUMS OF 2019: MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE


THE 40 MOST IMPRESSIVE ALBUMS OF 2019: MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE

1: VENOM PRISON “SAMSARA”

「私は “フィーメールフロンテット” って言葉が好きじゃないの。だってこの言葉はただフロントを務める人物のジェンダーのみによって、サブジャンルのようなものを形成してしまうから。その女性ボーカルを擁するバンドたちが生み出す音楽関係なしにね。」
これまで虐げられてきたシーンに対するリベンジにも思える女性の進出は、2010年代のモダンメタルにとって最大のトピックの一つでしょう。
VENOM PRISON の牙は上顎にデスメタルを、下顎にハードコアの “毒” を宿した音楽の鋭き牙。そうしてセクシズムやミソジニーのみならず、彼らは負の輪廻を構築する現代社会全域に鋭い牙を向けるのです。
“クロスオーバー” の観点から見れば、CODE ORANGE や VEIN がハードコアとメタルの禍々しき婚姻をハードコア側のプロポーズで成立させたのに対し、VENOM PRISON はデスメタルの血統で見事にクロスオーバーの美学を体現してみせました。当然、両者の凶悪なマリアージュ、さらに英国の復権も2010年代を象徴する混沌でした。
「セクシズムと言えば私たちはすぐにメタルを批難するけれど、性差別や女性嫌いは音楽業界だけでなく、私たちの生活のあらゆる面で直面する世界的な問題なの。だからセクシズムとの闘いについて話すとき、私はメタルという自分のミクロな宇宙の中だけでなく、あらゆるレベルで戦いたいと思うのよ。」
ファンタジーにかこつけたミソジニーを負の遺産と捉え始めたシーンの潮流において、VENOM PRISON のフロントウーマン Larissa Stupar は潮目を違える天変地異なのかも知れません。”Samsara” がそんな10年の閉幕にスポットライトを浴びたのはある種象徴的な出来事でした。

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2: DEVIN TOWNSEND “EMPATH”

「現在の Devin Townsend が持つ音楽的な興味全てが、一つの場所へ収まったとしたらどうなるだろうか?」
フォーク、シンフォニック、ポップ、プログ、ファンク、ブラックメタル、ジャズ、ニューウェーブ、アメリカーナ、ワールドミュージック、そして EDM。Devin の中に巣食うマルチディメンショナルな音楽世界を一切の制限なく投影したレコードこそ “Empath” です。そして “エンパス” “感情を読み取る者” のタイトルが意味する通り、Devin がアルバムに封じた万華鏡のエモーションを紐解くべきはリスナーでしょう。
「アルバムは、喜びと人々の助けになりたいという思いに根ざしている。楽曲に多様性を持たせたのは、”Empath” “共感”が弱さと捉えられてきた歴史の中で、人生を様々な観点から見る必要性を表現したかったから。僕にとっても長い間狭い場所に閉じ込められていた創造性を解き放ち、恐怖から脱却するためのやり方だったね。多様性が増す時代において、他人の気持ちになって物事を見ることは他者を理解する上で欠かせないプロセスさ。」

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3: WILDERUN “VEIL OF IMAGINATION”

「”エピック” はおそらく最も僕たちの音楽を要約した言葉だけど、ただ僕たちの音楽にあるいくつかのより進歩的で実験的な側面をそれでもまだ除外しているように感じるね。」
虚空に七色の音華を咲かせるフォーク-デス-ブラック-アトモスフェリック-シンフォニック-プログレッシブ-エピックメタル WILDERUN は、ジャンルという色彩のリミットを完全に排除してリスナーに名作映画、もしくは高貴なオペラにも似て胸踊るスペクタクルとドラマティシズムをもたらします。
「OPETH の音楽には特に昔の音源でダークな傾向があるんだけど、WILDERUN には常に見過ごされがちな明るく豊かな側面があったと思うんだ。」
時にアートワークから傑作を確信させるレコードが存在しますが、WILDERUNの最新作 “Veil of Imagination” はまさにその類でしょう。アートワークに咲き誇る百花繚乱はそのまま万華鏡のレコードを象徴し、”陽の”OPETHとも表現されるブライトでシンフォニックに舞い上がる華のモダンメタルは、シーンにおける “壮大” の概念さえ変えてしまうほど鮮烈なオーパスに仕上がりました。

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4: JINJER “MACRO”

「時に穏やかで平穏。だけど時に人々は何かが起こるのをただ待っている。今現在、少なくとも爆撃はされていないわ。それは良い事ね。」
アイコニックな女性をフロントに抱き、多様性を音楽のアイデンティティーとして奉納し、ウクライナという第三世界から登場した JINJER は、実はその存在自体が越境、拡散するモダンメタルの理念を体現しています。テクニカルなグルーヴメタルに Nu-metal と djent の DNA を配合し、R&B からジャズ、レゲエ、ウクライナの伝統音楽まで多様な音の葉を吸収した JINJER のユニークな個性は双子の “Micro” と “Macro” で完璧に開花します。
無慈悲なデスメタルから東欧のメランコリー、そしてレゲエの躍動までを描く“Judgement (& Punishment)” はJINJER の持つプログのダイナミズムを代弁する楽曲でしょう。
「僕たちの音楽に境界は存在しない。いいかい?ここにあるのは、多様性、多様性、そして多様性だ。」そう Eugene が語れば Tatiana は 「JINJER に加わる前、私はレゲエ、スカ、ファンクをプレイするバンドにいたの。だからレゲエの大ファンなのよ。頭はドレッドにしていたし、ラスタファリに全て捧げていたわ。葉っぱはやらないけど。苦手なの。JINJER は以前 “Who Is Gonna Be the One” でもレゲエを取り入れたのよ。レゲエをメタルにもっともっと挿入したいわ。クールだから。」と幅広い音楽の嗜好を明かします。
比較するべきはもはやメタル世界最大の恐竜 GOJIRA でしょうか。それとも MESHUGGAH? 音楽、リリックのボーダーはもちろん、メタファーではなく実際に険しい国境を超えた勇者 JINJER の冒険はまだ始まったばかりです。

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5: LINGUA IGNOTA “CALIGULA”

「世界に正義を見出すこと、私を傷つけた人間に責任を見出すことにずっと苦労してきたの。だから音楽は奴らに責任を負わせ、正義を見つける私のやり方なの。私なりの復讐なのよ。」
家庭内暴力、虐待の生還者 Kristin Hayter のパワフルな言葉です。そして彼女の受けた恐ろしき痛みと攻撃性は、オペラからノイズ、インダストリアル、フォークに教会音楽、スピリチュアル、そしてメタルまで全てを渾淆した婀娜めきのプロジェクト LINGUA IGNOTA に注がれています。
マイノリティーの逆襲、虐待というタブーに挑む女性アーティストは今後増えて行くはずだと Kristin は語ります。事実、SVALBARD はリベンジポルノを糾弾し、VENOM PRISON は代理出産やレイプについて叫びをあげているのですから。
「どれだけの人が女性を嫌っているか、どれだけ世界が女性を嫌っているか知れば知るほど、”サバイバー” として他の女性への責任を感じるの。これからどこに行くのでしょうね?だけど最も重要なことは、リアルであり続けること。だから音楽を作ったり、暴力について語る必要がなくなればそうするわ。永遠に虐待の被害者になりたくはないからね。」

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6: LITURGY “H.A.Q.Q.”

「哲学は思慮深い政治的スタンスを持つための非常に重要なツールだと、僕は心から思うんだ。だって今の世の中、特定の強い意見を持つ人にしたって、大抵そこに本当の根拠はないんだからね。」
もしかすると、Hunter Hunt-Hendrix の原動力は全てこの言葉に集約するのかもしれませんね。つまり彼は音楽、芸術、哲学の三原則を新たな三位一体とした、資本主義を超越する新世界の到来を啓蒙も厭わないほどに心から願っているのです。
「音楽コミュニティは一般的に反知的だから、アルバムの表紙に哲学システムを載せることで少なくともリスナーにそれを見てもらい、それが何を意味するのか気にして欲しかったんだ。」
世界を少しでもより良い場所へと導きたい。その想いは、アートワークのダイアグラムから始まり徹頭徹尾、”超越的な神” であり現実世界の活動原理である “H.A.Q.Q.” と、それを理想として生まれ来る未来都市 “Haelegen” の実現へと注がれています。
「ほとんどの人は、意志、想像力、理解の間に根本的な違いがあることには同意するけれど、誰もその理由を知らないんだ。実はこれら3つは音楽、芸術、哲学にそのままマッピングすることができて、この分野を発展させれば歴史的な運命の道筋を作ることが出来るんじゃないかな。」
“H.A.Q.Q.”、いや LITURGY でさえ、Hunter Hunt-Hendrix が標榜するより良い世界 “Haelegen” への道筋でしかありません。

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7: TOOL “FEAR INOCULUM”

待てば海路の日和あり。長すぎる13年の潮待ちはしかし TOOL アーミーにエルドラドの至福をもたらしました。三度グラミーを獲得し、Billbord 200のトップ10を独占した今でも、TOOL はアートメタル、オルタナティブ、サイケデリア、マスメタル、プログレッシブが交わる不可視境界線に住んでいて、ただ己の好奇心とスキルのみを磨き上げています。
“Thinking Persons Metal”。知性と本能、静謐と激情、懇篤と獰猛、明快と難解、旋律とノイズ、美麗と醜悪、整然と不規則といった矛盾を調和させる TOOL の異能は思考人のメタルと評され、多様性とコントラストを司るモダンメタルの指標として崇められてきました。そして4750日ぶりに届けられたバンドの新たなマイルストーン “Fear Inoculum” は、日数分の成熟を加味した “Think” と “Feel” の完璧なる婚姻だと言えるでしょう。
「完成させたものは良いものとは言えない。良いものこそが完成品なんだ。」 Adam Jones のマントラを基盤とした作品には確かに想像を遥かに超えた時間と労力が注がれました。ただし、その遅延が故にファンから死の脅迫を受けた Maynard に対して Danny が発した 「みんなが楽しんでいる TOOL の音楽は TOOL のやり方でしか作れないのに。簡単じゃないよ。」の言葉通り難産の末降臨した “Fear Inoculum” には徹頭徹尾 TOOL の哲学が貫かれているのです。
年齢を重ねるごとに、ポロポロと感受性や好奇心の雫がこぼれ落ちるアーティスト、もっと言えば人間を横目に、瑞々しさを一欠片も失わないレジェンドがテーマに選んだのは “成熟” でした。
TOOL, TOOLER, TOOLEST。反抗、進化、融和、魂の同化。そして遂に最上級へと達した TOOL の成熟。TOOL のタイムラインはきっと人間の “人生” と密接に関連しているはずです。次の啓示がいつになるのかはわかりませんが、自身の経験やドラマとバンドのメッセージを重ね合わせることが出来るならそれはきっと素晴らしい相関関係だと言えるでしょう。

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8: CHELSEA WOLFE “BIRTH OF VIOLENCE”

フォーク、ゴス、ポストパンク、インダストリアル、メタル…2010年、デビューアルバム “The Grime and the Glow” を世に放って以来、Chelsea Wolfe はジャンヌダルクの風姿で立ち止まることなく自らの音の葉を拡張し続けてきました。10年続いた旅の後、千里眼を湛えたスピリチュアルな音求者は、本能に従って彼女が “家” と呼ぶアコースティックフォークの領域へと帰り着いたのです。
「批判を受けやすく挑戦的な作品だけど、私は成長して開花する時が来たと感じたのよ。」
ダークロックのゴシッククイーンとして確固たる地位を築き上げた Chelsea にとって、アコースティックフォークに深く見初められたアルバムへの回帰は確かに大胆な冒険に違いありません。ただし、批判それ以上に森閑寂然の世界の中に自らの哲学である二面性を刻み込むことこそ、彼女にとって真なる挑戦だったのでした。
「私はいつも自分の中に息づく二面性を保持しているのよ。重厚な一面と衷心な一面ね。それで、みんながヘヴィーだとみなしているレコードにおいてでさえ、私は両者を表現しているの。」
”目覚め始めるレコード” において鍵となるのは女性の力です。
「そろそろ白か黒か以外の考え方を受け入れるべき時よ。”ジェンダー” の概念は流動的なの。そして全ての種類の声を音楽にもたらすことで沢山の美しさが生まれるのよ。今まさにその波が押し寄せているの!素晴らしいわ!」
長い間会員制の “ボーイズクラブ” だったロックの舞台が女性をはじめとした様々な層へと解放され始めている。その事実は、ある種孤高の存在として10年シーンを牽引し続けた女王の魂を喚起しインスピレーションの湖をもたらすこととなりました。

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9: ALCEST “SPIRITUAL INSTINCT”

“Spiritual Instinct” の製作は Neige にとってある意味ヒーリングプロセスとも言えるものでした。
「生きづらいと感じる原因の一つが自己評価の低さなんだ。自分が全然好きじゃなくてね。それってクールじゃないんだけどね。自分を貶めながら生きている訳だから。普通の生き方じゃないよ。だからこのアルバムは疑問と疑いに満ちている。だけど今はあの頃より良い場所にいる。だからこの作品は治療の意味合いもあったんだ。」
Neige が厳格に成文化されたブラックメタルの基準を回避して来たのは、その音楽の大部分が怒りに根差していないからとも言えます。自然からインスピレーションを受けるノルウェーのミュージシャンに共感する一方で、常に希望を伝える Neige の有り様はコープスペイントで木々に五芒星を書き殴るよりも、森の中のアニミストのようにも思えます。
実際、Neige は5歳のころから約4年間自らの精神が肉体を離れる幽体離脱、臨死体験のような超感覚的ビジョンを経験しています。
「何度も何度も、完全にランダムに起こる現象だった。この世界には存在しないような場所のイメージや感情、時にはサウンドまで心の中に浮かんで来るんだ。まさにスピリチュアルな体験で、人生を永遠に完全に変えたんだ。」
そうして物質宇宙を超えて別の領域が存在するという確信を得た Neige は、スピリチュアルに呼吸する” 音楽 “Spiritual Instinct” を完成へと導きました。
「あの臨死体験を経て、僕は死後の世界、魂とは何か、そして人生の意味を問うようになったんだ。ビッグクエッションだよね。」
つまり、Neige がフランス語で紡ぐ憂鬱と悲しみのイントネーションには、彼が憧れの中に垣間見た魔法の場所へと回帰するロマンチックな目的まで含まれているのです。ALCEST の動力源は審美の探求。例えその場所が死によってのみでしか到達できないとしても。

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10: BLOOD INCANTATION “HIDDEN HISTORY OF THE HUMAN RACE”

「僕たちの音楽、アートワーク、歌詞の主な目標は、人々に先入観を疑わせることなんだ。音楽的にだけじゃなく、概念的にも限界を押し広げることが重要なんだよ。そのため、エイリアンや次元を股にかける存在だけじゃなく、何かにインスパイアされて自分自身の内なる世界を拡大することもまた重要なテーマなんだ。」
宇宙、異次元、エイリアンをビッグテーマに “アストラルデスメタル” の称号を得る BLOOD INCANTATION は、しかし自らの存在や哲学を “サイエンスフィクション” の世界に留め置くことはありません。SF を隠喩や象徴として扱う “デス・スター” 真の目的は、現実世界のリスナーに森羅万象あらゆる “常識” に対して疑問を抱かせることでした。
もちろん、その非日常、非現実は音の葉にも反映されています。HORRENDOUS, TOMB MOLD, GATECREEPER を従え津波となった OSDM リバイバルの中でも、BLOOD INCANTATION の映し出す混沌と荘厳のコントラスト、プログの知性やドゥームの神秘まで内包する多様性はまさに異能のエイリアンだと言えるでしょう。

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11: SPIRIT ADRIFT “DIVIDED BY DARKNESS”

「政府やメディアは僕ら全員にくだらないことで互いに争わせようとしているんだ。真の問題や崩壊したシステムから目を逸らさせるためにね。だから僕たちはヘイトや恐れ、分断を与えられている訳さ。”Divided By Darkness” はそういった策謀を、愛、知識、結愛、しかし必要ならば暴力的な革命で克服するストーリーなのさ。」
闇に分断される世界の分水嶺 “Divided By Darkness” に光明というコントラストを与えたのは、Nate 自らの内なる進化でした。現代社会の悪習、悪癖から距離を置き達成された4年間のソブライエティー、しらふ状態は Nate の自信と創造力を活性化し、皮肉にも近年世界を覆う不信感がテーマのレコードに光を注ぐ結果となったのです。
「ドゥームはいつも僕の血管に存在するよ。」総帥 BLACK SABBATH を筆頭に、SAINT VITUS, TROUBLE, PENTAGRAM, そして同郷ニューオリンズの誇り CROWBER まで、禍々しくも鈍重なドゥームの遺伝子は SPIRIT ADRIFT の根幹にして “Divided By Darkness” の文字通りダークサイドを司ります。
一方で、アリーナメタルの高揚感、メロディックメタルの旋律美、そしてプログロックの知性はアルバムの “愛、知識、結愛” を象徴しているのです。
「もはや新たに白日の下に晒されることはないよ。ロック音楽の本当に大部分はもう成されてしまっているからね。だけど僕は、自身の解釈を愛する音楽に加えているからね。だからある意味では新しいと言えるんだ!」

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12: DEVIL MASTER “SATAN SPITS ON CHILDREN OF LIGHT”

「僕たちのライティングプロセスにおいて、禁止されていることは何もないし、創造的なプロセスを阻害するいかなる意図も働かないよ。」
エクストリームミュージックの世界において、ジャンルの “純血” を守るためのみに存在する特有の “ルール” はもはや過去のものへとなりつつあります。ヴァンパイアの血を引く “漆黒のプリンス” を盟主に仰ぎ、フィラデルフィアから示現したオカルト集団 DEVIL MASTER は、天衣無縫な怪異の妖気でメタル、ハードコア、ゴス、ポストパンクといったジャンルのボーダーラインをドロドロに溶かしていきます。
「 G.I.S.M., ZOUO, MOBS, GHOUL, GASTUNK…間違いなく彼らの影響は、僕たちが成そうとしていることの基礎となっているね。最も混沌とした、瀕死のサウンドを見つけたいという願望が、日本のアンダーグラウンドミュージックシーンに僕たちを引き寄せたんだと思うよ。」
ブラックメタルの歪みと混沌、スラッシュの突進力、衝動的なハードコアのD-beat、ゴシックロックの濃密なメランコリー、揺らぐポストパンクのリバーブ、そしてクラッシックメタルの高揚感。モダンメタルの多様性を究極に体現する DEVIL MASTER の音の饗宴。その骨子となったのは驚くことに、ここ日本で80年代に吹き荒れたハードコアパンクの凶悪な嵐、いわゆるジャパコアでした。

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13: HEILUNG “FUTHA”

「過去と繋がるためには、現在と断絶する必要がある。」とChristopher Juul は語ります。この言葉は発言主であるデンマークのプロデューサーがドイツの Kai Uwe Faust、ノルウェーの Maria Franz、2人の歌い手を誘うヒプノティックなプロジェクト HEILUNG のマニフェストとなっています。
アンプから歴史を紡ぐ HEILUNG。青銅器の芽生えからヴァイキングの荒波まで、北欧の野生と原始を呼び起こすグループの使命は、鹿と水牛の角、動物の皮、人骨、剣、世界最古の片面太鼓フレームドラム等の古代遺物とルーンストーンやアミュレットから再文脈化された陰鬱なリリックを融合させることとなりました。
Christopher が充すパーカッシブな海洋の中で、チベットの聲明を醸し出す Faust とノルウェーの伝統を紡ぐ Maria はせめぎ合い、闇と生命の複雑なバランスを構築します。
「みんなの感情にほんの少し火花を散らしたいんだ。自然に囲まれ、自身の牛を屠殺し、ドラムを作り、つまり地球からの恵みで生きるためにね。」
Faust にとって悲しみを生むだけの “現代文明” と積極的に繋がることは決して重要ではないのです。つまり、ドイツ語で “癒し” を意味する HEILUNG とは、そのドローンと詠唱を背景とした祭祀的なコンサートはもちろんですが、何よりも階級、宗教、政治など現代生活の障壁から距離を置き解き放たれること、トライバルな精神への接近をこそ象徴しているのです。

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14: RUSSIAN CIRCLES “BLOOD YEAR”

およそ5年間、3枚の長い音旅を終えて RUSSIAN CIRCLES は岐路に立っていました。
“Guidance” リリース時のインタビューで、アーティストとして生きることの儚さ、不安定さを言及していた Brian はそうして今回、経済面よりもむしろ “普通” を外れて生きることのプレッシャーや困難が彼らのバンド、ひいてはミュージシャン全体を圧迫していると語り音楽活動に熱意を保つことの難しさを吐露してくれました。
“What’s next…?”。混乱と葛藤の中にあった RUSSIAN CIRCLES を蘇らせたのはやはりライブでした。
“Guidance” のツアーで世界を回り、リフ&ビートを刻み続けるうちバンドの創作意欲は充填され遂には溢れ出したのです。
「僕たちは全員がアグレッシブなレコードを作りたかったんだ。もちろん、厳粛でアトモスフェリックな楽曲をアルバムに収録するのも大好きなんだけど、ライブではただ “ロック” な楽曲をプレイしたいんだ。静かな楽曲はとてもデリケートで、だからこそライブでは様々な “拘束” を受けてしまうからね。」
バンドが新たな旅の目的地に選んだのはよりオーガニックでダイレクトなロックの地平でした。
「過剰にプロデュースされ、磨かれすぎて、鍛造されすぎたアルバムを聴くなら、僕はラジカセで録ったような DARKTHRONE のアルバムを聴くよ。」Brian の言葉は、RUSSIAN CIRCLES と “Blood Year” が指し示すシーンの先行き、さらにはオルタナティブなベテランたちが奇しくも孕んだ同調性の起因をこれ以上ないほど鮮明にしています。

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15: THE HU “THE GEREG”

「僕たちの音楽を通して送る世界へのメッセージ。それは両親への感謝、生まれ育った地を愛する心、自然の保護、女性への愛と敬意、母国の歴史や祖先への愛などの重要性を思い起こさせることなんだよ。そうして最終的には、リスナーそれぞれの内なる力を目覚めさせ、未来を信じられるようにしたいんだ。」
モンゴルの大草原に示現したロックの蒼き狼は、遊牧民のプライドと自然に根差す深い愛情、そして西洋文明に挑む冒険心全てを併合する誇り高き現代のハーンです。
THE HU が提示する “Hunnu Rock” “匈奴ロック” の中で主役にも思えるホーミーは、もしかすると西洋文明に潜む欺瞞や差別を暴く “正直な” メッセージなのかも知れませんね。なぜなら彼らは、”誰も除くことなく世界中全ての人間に” 自らの音楽、モンゴルの魂を届けたいのですから。
デビューアルバムのタイトル “The Gereg” とは、モンゴル帝国のパスポートを意味しています。多くのモンゴル人にとって、ロマンチックに美化された騎馬の遊牧民や自由を謳歌するモンゴル帝国のヒーローは西洋のストーリーテラーによって描かれた征服者のフィクションなのかも知れません。
しかし、ステレオタイプなメタルファンを惹きつけるそのイメージを入り口に、THE HU は “The Gereg” をパスポートとして、モンゴル本来のスピリチュアルで愛と敬意に満ちた美しき文化、景色、音の葉を少しづつでも伝えていきたいと願っているのです。

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16: KORN “THE NOTHING”

「”The Nothing” は完全に悲嘆と追悼のレコードだよ。嘆きの曲もあれば、怒りの曲もある。全ては俺が経験したことだ。俺が経験した感情や物事はまるで共謀してレコードの製作を阻んでいるかのようだった。本当に人生で最悪の年だったよ。計画はなかったよ。青写真もなし。取り乱した男が自分の身に降りかかったただ酷い何かを理解しようとしていたんだ。正直な作品さ。実は妻の2ヶ月前に母も亡くなっているんだよ…。」
深淵、暗黒、虚無。その場所こそが “The Nothing” 生誕の地。そしてその場所こそ Jonathan Davis が、妻の Deven Davis を亡くした2018年の8月以来孤独に沈んでいた闇だったのです。
「”The Nothing” とは全てを変えてしまうような目に見えない力だ。”The NeverEnding Story” で世界を取り込み破壊し尽くす脅威にちなんでつけたんだ。重要なのはこの闇の力が完全に悪というわけでも、善というわけでもない点なんだよ。」
ミヒャエル・エンデ原作、1984年の名作映画 “The NeverEnding Story” で人間の創造性の欠如から生まれた虚無は、35年の月日を経て世界で最もアビスに近いバンドのシンガーとシンクロし、皮肉にも迸るクリエイティブなエナジーを宿すことになりました。

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17: CATTLE DECAPITATION “DEATH ATLAS”

ベジタリアンのメタルとして生を受けたサンディエゴのデスグラインドマスター、CATTLE DECAPITATION は、その場所から徐々に自然愛護の感情を掲げた環境問題のメタルを強固に打ち出しました。
「緑を保とうなんて歌を通して伝えている訳じゃないけど、社会としてどこに向かっているのかは重要だろうな。多くの社会的、政治的バンドが語っているようなことだけど、俺たちはわずかに異なる角度、人道的な角度で物事を見ているんだ。憂鬱で、一方的で、残酷で、不公平な世界をね。そこに答えはないよ。俺たちは問題の提起しか出来ないから。」

18: OPETH “IN CAUDA VENENUM”

「スウェーデン語がオリジナルで最初に出てきたものだから、やはりイノセントだし少しだけ良いように思えるよ。まあ選ぶのはリスナーだけどね。」
スウェーデン語と英語の二か国語で制作された最新作。故にアルバムタイトル “In Cauda Venenum” はどちらの言語にもフィットするようラテン語の中から選ばれました。「尾には毒を持つ」ローマ人がサソリの例えで使用したフレーズは、フレンドリーでも最後に棘を放つ人物のメタファー、さらには “想像もつかない驚きを最後に与える” 例えとして用いられるようになりました。
Travis Smith が描いたアートワークもその危機感を反映します。窓辺に映るはメンバーそれぞれのシルエット。ヴィクトリア建築の家屋は悪魔の舌の上に聳えます。「悪魔に飲み込まれるんだ。最後には不快な驚きを与えるためにね。」
2016年にリリースした “Sorceress” との違いについて、Mikael は前作はより “イージー” なアルバムだったと語ります。
「”Sorceress” はストレートなロックのパートがいくつか存在するね。構成もそこまで入念に練った訳じゃないし、ストリングスもあまり入ってはいないからね。」
一方で “In Cauda Venenum” は 「吸収することが難しく、”精神分裂病” のアルバム」 だと表現します。その根幹には、深く感情へと訴えかける遂に花開いた第2期 OPETH のユニークな多様性があるはずです。

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19: SWALLOW THE SUN “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT”

2016年、ギタリストでメインコンポーザー Juha Raivio が長年のパートナーでコラボレーターでもあった Aleah Stanbridge を癌で失って以来、フィンランドの哀哭 SWALLOW THE SUN はまさに涙淵へと深く沈んでいました。
ツアースケジュールの延期に隠遁生活。そうして2年の服喪の後、最終的に Juha が自らの沈鬱と寂寞を吐き出し、Aleah との想い出を追憶する手段に選んだのはやはり音楽でした。
「僕はこのアルバムに関しても希望は存在すると信じているし、トンネルの出口には光が待っているんだ。」 と Matt が語る通り、フルアルバム “When a Shadow is Forced Into the Light” はタイトルにもある “影”、そしてその影を照らす “光” をも垣間見られる感情豊かな作品に仕上がったのです。
デスメタルとドゥーム、そしてゴシックが出会うメランコリーとアトモスフィアに満ちたレコードは、まさにバンドが掲げる三原則、”憂鬱、美麗、絶望” の交差点です。
“When a Shadow is Forced Into the Light” を聴き終え、Juha と Aleah の落胤 TREES OF ETERNITY の作品を想起するファンも多いでしょう。リリースにあたって、全てのインタビューを拒絶した Juha ですが、1つのステートメントを残しています。
「このアルバムは Aleah を失ってからの僕の戦いの記録だ。”影が光に押しやられる時” このタイトルは Aleah の言葉で、まさに僕たちが今必要としていること。2年半森で隠棲して人生全てをこの作品へと注ぎ、影を払おうと努力したんだ。言葉で語るのは難しいよ。全てはアルバムの音楽と歌詞が語ってくれるはずさ。」

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20: LEPROUS “PITFALLS”

「誰も LEPROUS に望んでいないようなアルバムだよ。でも、鼻からどこに向かっているのか分かるような作品は間違いなんだ。」
ULVER、KATATONIA、ANATHEMA。メタリックなルーツから離れて、新世界とのマリアージュを心ゆくまで堪能するバンドにとってメタルワールドの評価などどこ吹く風。彼らは RADIOHEAD, MASSIVE ATTACK, DEPECHE MODE, Hans Zimmer といった異次元のアイデアやサウンドを吸収する真の冒険者なのですから。
“Pitfalls” における LEPROUS はそんな探検家の誰よりもさらに洞窟の奥深くへと歩みを進めました。揺らぐトリップホップのリズムにストリングスの荘厳、そしてゴシックの陰鬱。時にロックアルバムのようにさえ感じられないほどに、レコードは越境を進めます。
「鬱病と不安に苦しんでいた最も厳しい一年に書いたレコード。音楽はセラピーを超越し、暗いトンネルを抜けるための松明となったんだ。」

21: BARONESS “GOLD & GLEY”

「全ては色相環、カラーホイールから始まったんだ。」
アートメタルを切り開く BARONESS のフロントマン John Baizley は、色彩をテーマとしたアルバムタイトル、アートワークの起源をそう明かします。赤、青、黄緑、紫と色を紡ぎ続ける音画家がそうして次に選んだ輝きは黄金の灰でした。
「俺はアートスクールでアートの歴史や理論を学んだんだ。」驚くことに、John Baizley は全てのアートワークを自らで描いてもいます。
「普通のアーティストなら、カラーホイールは赤、紫、青、緑、黄、オレンジとなっているだろう。だけどオレンジがこのアルバムに相応しい色だとは思えなかった。それに “Gold & Grey” の方がソフィスティケートされているだろ?」
その音楽と同様に、”Gold & Grey” のアートワークは John の最高傑作と言えるでしょう。何百時間を費やし、ダリの万華鏡を封じたそのアートは、2007年 “Red” に端を発する色物語を終わらせる完璧なピースでした。
モダン=多様性のポストミレニアムメタルにおいて、プログ、スラッジ、サイケデリック、エレクトロニカ、マスロック、インディーロック、デリケートなピアノの響きにスペイシーなサウンドエフェクト、そしてノイズの洪水までエクレクティックを極めたアルバムは “複雑なパズル” だと John は語ります。
「注意深く聴けば、全ての楽曲が何かで繋がっていることが分かるはずさ。メロディーであったり、リズムであったり、1箇所以上繋がっている楽曲だってあるよ。まるでオーディオのイースターエッグが隠されているようなものだよ。」

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22: SLIPKNOT “WE ARE NOT YOUR KIND”

2019年は SLIPKNOT にとってビッグイヤーに定められた年でした。セルフタイトルのデビューアルバム “Slipknot” のリリースから20年、メタル史に残る金字塔 “Vol. 3: The Subliminal Verses” のリリースから15年。しかし、襲い来るトラウマや悲劇を乗り越えたアイオワの怪奇集団にとっては、その不死身の記念碑ですら通過儀礼に過ぎないことを最新作 “We Are Not Your Kind” が如実に証明しています。
ベーシスト Paul Grey の急逝、中心メンバー Joey Jordison の離脱、Corey Taylor の離婚、Clown 愛娘の逝去、Chris Fehn の解雇劇。並みのバンドならば歩みを止めざるを得ないような状況におかれても、SLIPKNOT は諦めることなく前進を続けています。アニバーサリーの追憶に浸る代わりに、バンドは長くソリッドなライティングプロセスを過ごし新たなマイルストーンを完成へと導きました。
「歩み続けるうち、俺らはまた自由を手にしたんだ。やりたいことは何でもできる。この作品は “Vol. 3: The Subliminal Verses” と同じヴァイブ、エナジーだったね。俺らが満足している限り、どこへでも行けるのさ。」
SLIPKNOT がこれほど大きな支持を得ているのは、その過激な外観、実験性、エクストリームな音楽性の内面に陰鬱美麗なメロディーと芳醇なフックを備えていることが理由でしょう。そして、Corey Taylor は “We Are Not Your Kind” が、かつて自らが生み出したそのダイナミズムの怪物と同様のイメージで制作されたことを認めています。
“Iowa” でインテンスとアグレッションの圧倒的な狂演を見せつけた後、バンドが辿り着いた自由な創造性と対比の美学こそ “Vol.3” の哲学でした。故に、切迫した暗がりでそのスピリットを引き継いだ “We Are Not Your Kind” には、あの重音の実験室に加えて、旋律と戦慄のコントラストが遥かな進化を遂げながら確かに宿っているのです。言い換えれば、Billboard 200 で No.1を獲得した驚異の最新作は最もアーティスティックな “大衆のためのメタル” と言えるのかも知れませんね。

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23: OBSEQUIAE “THE PALMS OF SORROWED KINGS”

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24: MONO “NOWEHRE NOW HERE”

驚くほど色鮮やかな今日のポストロックシーンにおいて、MONO は源流であり孤高です。
理知的なキャンパスに描かれる彼らの重厚な音壁と繊細なテクスチャーの両極は、もはやジャンルのトレードマークとして定着し多数の後続を生みましたが、一方で、インストゥルメンタルバンドにとって最もスケッチの困難な感情の起伏を切り取り投影するアートなビジョンこそバンドの本質のように思えます。
つまり MONO のレコードは、二元性のダイナミズムに豊かな情操が織り込まれることで、光と影が相対する夢幻のダンスを踊るのです。それは、リスナーの想像力を掻き立てる架空のサウンドトラックにもなり得ます。
結成20年を迎えたバンドにとって、最新作 “Nowhere Now Here” は最もその “感情” にフォーカスした作品となったのかも知れません。その理由は制作段階の異変にありました。
「2017年は日本のマネジメント、レーベルとのトラブルや契約解除、そのタイミングでドラマーの脱退があってバンドは消耗し切っていて、一歩も動けないような状態だった。スケジュールもまったく決まってなくて、普通のバンドだったらここで解散するんだろうなってムードに包まれてた。本当に暗闇に入ってしまって先が見えなくなってしまったんだ。」
MONO が経験した試練、再生、夜明けのプロセスは、それぞれの感情を伴ってレコードへと深く刻まれています。もしかしたら、ダンテの神曲とリンクした前作 “Requiem For Hell” が、組曲というある種計画と洗練のレコードであったのとは対照的なのかも知れませんね。

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25: EMPLOYED TO SERVE “ETERNAL FORWARD MOTION”

「どちらかと言えば、私たちは自分たちの経験や、他人の愛すべき経験を楽曲にする人道主義者なのかもしれないわね。それこそメンタルの問題から SNS の誤用まで扱うようなね。」
沸騰する英国のライジングスター EMPLOYED TO SERVE。フロントウーマン Justine Jones は、獰猛なメタリックハードコアの刃に希望の “ヒューマニティー” を抱懐し、現代社会の歪みと真摯に対峙しています。
「”Suspended in Emptiness” は SNS を額面通りに受け取るなって曲なの。休日の楽しそうな出来事をポストしているけど、その裏側ではみんな苦しんでいるのよ。SNS だけを見て、他人が自分より優れているとか、幸せだとか考えるのはバカげているわ。」
ポケットの中のほんの小さな長方形の物体は、いつしか大きく社会を支配し “ドーパミン中毒者” の文明へと世界を塗り替えてしまった。Justine は、数分おきにその物体を見つめ、ハートのタップを確認する “承認の渇望” 状態が永続的かつ健全だとは考えていません。
むしろ、そうして発生する怒りや憂鬱、混乱の悪循環が、メンタルイルネス、自己陶酔、セクシズムといった負の連鎖を生んでいると彼女は主張し、ハードコアのカオスと Nu-metal のブルータリティー、そしてオルタナティブなスピリットで代弁者として悲壮な咆哮を放つのです。
彼らが雇われ、使役するのは歪な社会の犠牲者のみ。そしてその強固な決意は “Eternal Forward Motion” “永遠に前へと進む” 最新作へグルーヴと共に深々と刻まれています。

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26: GATECREEPER “DESERTED”

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27: ARCH ECHO “YOU WON’T BELIEVE WHAT HAPPENS NEXT!”

2010年代の幕開けを前に ANIMALS AS LEADERS が放ったセルフタイトルの煌きは、”Instru-metal” シーンに劇的な転調をもたらしました。
ネクストレベルのテクニック、グルーヴ、創造性、そして多弦の魔法は、Djent ムーブメントの追い風も受けて同世代を激しく刺激し、さらに綺羅星のごとき後続を生み出すこととなったのです。
楽器のディズニーランドへと舞い降りた万華鏡の新世代は、トレンドを恐れず喰らい、ジャンルに巣食うマニアの呪縛をも意に介さない点で共闘し、よりマスリスナーへとワイドなアピールを続けているのです。
中でも、あの Steve Vai をして最も先進的なギタープレイヤーの一人と言わしめた Plini の出現を境として、”Fu-djent” の華麗な波が存在感を増しています。Djent のグルーヴを受け継ぎながら、より明確なメロディーとハーモニーを軸に据え、フュージョンの複雑性とキラキラ感をコーティングしたカラフルなイヤーキャンディーとでも言語化すべきでしょうか。隠し味は、音の隅から隅へと込められた類まれなるメジャー感なのかも知れませんね。
中でも、あのバークリー音楽院から登場した ARCH ECHO の風格とオーラはデビュー作から群を抜いていたようにも思えます。
違いを生んだのは、彼らがより “バンド” だった点でしょうか。名だたるプレイヤーを起用しながら確固とした主役が存在する他のアーティストと比較して、ARCH ECHO はダブルギター、キーボード、ベース、ドラムス全員が主役でした。故に、プログからの DIRTY LOOPS への返答とも称されたコレクティブでファンキー、ウルトラキャッチーな “Hip Dipper” が誕生し得たのでしょう。
最新作 “You Won’t Believe What Happens Next!” は、さらにバンドとしてのシンクロ率を高め熟成を深めた作品です。
「僕たちはバンドを楽しんでやっているし、シリアスに物事を捉え過ぎてはいないんだよ。アートワークはそのアティテュードを反映しているんだ。」

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28: SOILWORK “VERKLIGHETEN”

3年半振りに届けられた最新作は、スウェーデン語で “現実” を意味する “Verkligheten” をタイトルに冠していました。スウェーデン遠郊のメランコリー、彼の地の悲哀を帯びた旋律は、苦悩に満ちた日常からの逃避を誘います。もしかすると、長年大黒柱として存在した名手 Dirk Verbeuren を MEGADETH に引き抜かれたトラウマも、バンドが現実からの逃避を題材とした理由の一つだったのかも知れませんね。
ただし SOILWORK は新たなドラムマイスター Bastian Thusgaard と共に再び歩み始めます。ダークで思慮深く、リピートを促すレコードにおいて、高揚感を伴う煌めきのメロディーが運ぶ絶佳のコントラストこそ作品の妙。その風情は、ロマンチシズムと言い換えても良いでしょう。さらに Bastian は、そのロマンを現実逃避に対するセラピーとまで表現し、バンドの新たな旅路を飾るポジティブな意思表明へと繋げているのです。
「”The Living Infinite” というダブルアルバムを書くことで、SOILWORK は遂に自分らしい場所を見つけたと思うんだ。」 そう Bastian が語るように、音楽的には確かにあの壮大なエピックこそがバンドにとっての転換点でした。
実際、Bjorn “Speed” Strid も最新のインタビューで、”The Living Infinite” こそが SOILWORK にとって新たな時代の幕開けだったと認めています。同時に、”Verkligheten” ではそのドラマ性に、クラッシックなメタルや80年代の雰囲気をより多分に封入したことも。
インタビューで Bastian も認めているように、Bjorn & David が牽引するノスタルジックな別バンド THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA の活発化が SOILWORK の方向性に影響を与えたことは確かです。

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29: BIG|BRABE “A GAZE AMONG THEM”

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30: MORON POLICE “A BOAT ON THE SEA”

「ノルウェーにおけるプログの “魔法” って何なんだろうね。60年代後半からプログバンドはずっとここにあって、長い間人気を博して来たから、若い世代に刷り込まれているんじゃないかな。だから僕たちがここにいるんだよ!」
“プログレッシブ” の遺産と血脈を受け継ぐ綺羅星の中でも、2019年特に印象的なレコードを残した寵児がノルウェーを拠点とすることは偶然ではないのかも知れませんね。
電子の海で主流とプログを交差させた LEPROUS、エピックの中で多様とハーモニーを追求する MAGIC PIE、そしてプログレッシブポップの革命を牽引する MORON POLICE。共通するのは、プログレッシブ世界の外へと目を向ける野心でしょう。
「様々なジャンルを股にかけることも大好きだね。メタルの要素が減退したから、これまでより多様になれた部分はあるだろうね。ポップミュージックは完膚なきまで崇高になり得るし、ポップミュージックがテクニックと重ね合った時、僕にとって最高に魅力的なものとなるんだ!」
最終的にSondre の目指す場所とは、幼き日に熱中したスーパーファミコンの、アナログとデジタルが交差する、目眩く色彩豊かな音楽世界なのかもしれませんね。
「大半のスーパーファミコンの音楽はとてもプログレッシブだよね!”聖剣伝説2 Secret of Mana” のサウンドトラックを初めて聴いた時はぶっ飛んだよ!美しいメロディーが、興味深いテクニカルなパート、奇妙な変拍子、アトモスフェリックなサウンドスケープとミックスされていたんだからね。」

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31: MAYHEM “DAEMON”

「間違いなく、俺らの中には “Daemon” である特定の時代の、特定のムードへといくらか回帰したいという気持ちが存在したんだ。もちろん、ここ何年にも渡って “De Mysteriis Dom Sathanas” を何度もプレイしたことは、今回のクリエイティブプロセスに影響を与えたよ。それは確かだね。」
BEHEMOTH の Nergal をして “エクストリームメタルのマグナムオーパス” と言わしめる “De Mysteriis Dom Sathanas”。完全再現ツアーを続ける中で、MAYHEM は自身のマイルストーンを再発見し、拡散する音楽の進路を原点へと向かわせる決断を下したと Ghul は語ってくれました。
ただし5年ぶりとなる最新作 “Daemon” は、単純に “De Mysteriis Dom Sathanas” PT.2 を目論んだレコードではありません。何より、古典のインテグラルパートであった Euronymous と 歌詞を残した Dead は世界から失われて久しいのですから。
「俺らはこのレコードで全てを取り払い、”本質” へと戻したのさ。」”Daemon” に求めたものはブラックメタルの “本質”。ライブの原衝動は確かに本質の一部でしょう。では細分化、複雑化を極める現代のブラックメタル世界で Ghul の語る本質とは何を意味するのでしょう。初期の禍々しき “メイヘム” な記憶?
「俺にとってブラックメタルとは、いつだって精神を別の世界、領域へと誘う音楽なんだ。だから様々な表現方法があって然るべきだと思う。」
そう、彼らにとってサタニックテロリストの過激な姿はそれでも過ぎ去りし過去。それは Necrobutcher がかの “Lord Of Chaos” ムービーに放った 「全部でたらめだ。映画を見たけどただ悲しくなったね。良い映画じゃないよ。」 の言葉に投影されているようにも思えます。ブラックメタルの “本質” とは思想、信条にかかわらずリスナーを非日常の別世界、精神領域へと誘うパスポートだと言えるのかもしれませんね。

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32: SCHAMMASCH “HEARTS OF NO LIGHT”

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33: CANDLEMASS “THE DOOR TO DOOM”

Johan Längqvist。それは後にバンドが開拓するテリトリー、”エピックドゥームメタル” をラテン語で表記した記念すべき不朽のデビュー作 “Epicus Doomicus Metallicus” に歌唱を吹き込んだレジェンドの名。
CANDLEMASS は結成35周年を迎えるに当たり、一つの決断を下しました。その Johan の電撃復帰です。
「僕たちは CANDLEMASS の中で、再度火花が飛び散るようなインスピレーションを得るために、何かを行う必要があったんだ。そしてその答えが Johan だったんだよ。」バンドの創始者でグル Leif Edling は、慢性疲労症候群を患い戦いながらバンドを巡るビジネス、論争に身を削り、再度音楽を “楽しむ” ためにドゥームの “ゼロ地点” への回帰を決めたのです。
実に6年半振りとなったフルアルバムは、実際 “グラウンド・ゼロ” を創成したバンドの威厳と崇高に満ちています。ただし、この終焉からの始まりは、決して “Epicus Doomicus Metallicus” の安易なコピーではありません。
「今、まさに僕たちは新たなファンを獲得しているんだよ。ドゥームのテリトリーからだけじゃなくね。」タイトルは “The Door To Doom”。メタルワールドのニューヒーロー GHOST とのツアーで幅広い層のメタルファンから賞賛を得たバンドは、幽寂から激情までドゥームの陰影を須く投影した最新作で文字通り “Doom” への “Door” となります。

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34: KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD “INFEST THE RATS’ NEST”

あの TAME IMPALA との繋がりも深く、風変わりな名 (多大な影響を受けた Jim Morrison の呼称 “The Lizard King” が関係している) を持つメルボルンのバンドは真なるジャムセッションへの愛から誕生しました。ほぼ10年のキャリアですでに14枚のフルアルバムと2枚の EP を制作。ギター、キーボード、サックス、フルート、クラリネット、シタールなどその他様々な楽器を操るフロントマン Stu Mackenzie を中心に、ギター、キーボード、ハーモニカ、ボーカル担当の Ambrose Kenny-Smith、さらにCook Craig & Joey Walker 2人のギタリストを加え、ベーシスト Lucas Skinner、そして Michael Cavanagh と Eric Moore のダブルドラマーという異様な編成も、ジャムセッションへの執心、ライブバンドとしての矜持を考慮すれば実に自然な流れだと言えます。
バンドの音楽性を定義するなら、サイケデリックロック、プログレッシブロックが最も近いラベルなのかも知れません。ただし、むしろそれは建前とでも言うべきで、実際はカラフルな虹色の多様性をキャンパスに描くエクレクティックな音画家です。そしてそのアティテュードは、モダン=多様性の進化した音楽シーンに完璧にフィットしそこからさながら流動体のごとくさらに限界を超えていきます。
驚くべきことに、そうして KING GIZZ は “Infest the Rat’s Nest” で次の標的をメタルへと定めました。
“Planet B” は誰も想像だにしなかったスラッシュメタルチューン。さらに “Self-Immolate” は初期の METALLICA, SLAYER と MUSE や ROYAL BLOOD を変拍子の海でミックスした奇々怪界。彼らが新たな領域で披露するエクレクティックな獰猛性。
KING GIZZ の持つ多様性、プログ/メタルの新聖地オーストラリアというグローバルな出自はモダンなロック世界の原則を見事に内包しています。Stu はそのバンドの多様性について、「音楽は探検なんだ。僕がまだ探索していない音楽の作り方、レコードの作り方が何百万も残っている。言うまでもなく、学んでいない楽器、聴いていない音楽、探求していない文化もね。」と語っています。

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35: AVANDRA “DESCENDER”

「DREAM THEATER と CYNIC の理想的な婚姻」 “Descender” を評する際、プログメタルの二傑について触れない訳にはいかないでしょう。
「Kevin Moore 時代の DREAM THEATER は僕に最も大きなインパクトを与えたんだ。僕の魂を完全に異なる感情域まで高め、人として真に変革するため音楽に出来ることを教えてくれたんだよ。だから Kevin とは何とかして音楽人生の中で共演したかったんだ。まさに彼にしか作り得ない満載の感情とアンビエンスを持ち込んでくれたね。」
Christian が語るように、Kevin Moore こそが初期の DREAM THEATER に類稀なる陰影と叙情、そして唯一無二のアトモスフィアとアンビエンスをもたらしていたことは明らかです。Kevin の脱退以降 “Lifting Shadows Off a Dream” のような冷厳でしかしどこか温もりのある暗紫色の景色を垣間見ることは叶いませんし、”Space-Dye Vest” の幽玄については語るまでもないでしょう。
AVANDRA の音楽には Kevin の天性が確かに存在しています。そしてそれ故に半ば隠棲状態の Kevin も “Derelict Minds” へのゲスト参加を決めたのでしょう。

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36: RICHARD HENSHALL “THE COCOON”

「作曲に関して僕たちは、これがプログなのかメタルなのか考えすぎて特定の方向性へ舵を切ったりはしないようにしているよ。特定の影響に重きを置かないことが重要なんだ。ただ自分たちが聴きたい音楽を書いて、ただ望むのはファンが楽しんでくれることだけなのさ。」
今年の Progressive Music Awards で “UK Band of the Year” を獲得したもはやプログレッシブ世界を代表するバンド HAKEN。精密と重猛の並行世界を実現するプログ最後の希望を牽引するギターヴァーチュオーゾ Richard Henshall は、ソロプロジェクトの船出に “The Cocoon” 実験の “繭” の名を与えました。
「ここ何年か、HAKEN は作曲の面で以前よりもメンバー間のコラボレートが増えているんだ。だから “The Cocoon” をリリースする完璧なタイミングに思えたんだよ。」
2013年のマイルストーン “Mountain” を境に、歌詞、そして音楽の面でもコラボレートを進めてきた HAKEN はバンドとして絶対的な完成の域へと達しています。ただし、故に創立者 Richard でさえ、創造物全てを吐き出すことはもはや許されないほどに高潔な存在へと進化したのかもしれませんね。だからこそこの “繭” の羽化は Richard 自身の解放であり、自由な羽ばたきです。

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37: DREADNOUGHT “EMERGENCE”

「近年、音楽はジャンルの表現を超えて日々拡大していっているわ。交配と実験が重ねられているの。だからもしかしたら、ジャンル用語自体、大まかなガイドラインとして受け止められるべきなのかもしれないわね。」
プログメタル、ブラックメタル、フォーク、ドゥーム、ジャズ、チェンバー、クラシカル、ポストメタル。コロラド州デンバーに端を発する男性2人女性2人の前衛的メタルカルテットは、”恐れを抱かず” ジャンルの境界を決壊へと導く気炎にして雄心です。
現在、メタル世界の地図において最も多様で革新的な場所の1つ、ダークなプログレッシブドゥームの領域においても、DREADNOUGHT の描き出す無限の音景は実にユニークかつシームレスだと言えるでしょう。
火、風、水、土。THRICE の “The Alchemy Index” から10年の時を経て、今度は DREADNOUGHT が地球に宿る四元素をそのテーマとして扱います。そうして炎の獰猛と優しさを人生へと投影した最新作 “Emergence” は、バンド史上最も思慮深くアトモスフェリック、一方で最もパワフルかつ記憶に残るアルバムに仕上がったのです。

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38: BELZEBUBS “PANTHEON OF THE NIGHTSIDE GODS”

“漫画” の世界に居を構える “カートゥーンブラックメタル” BELZEBUBS は、DETHKLOK に対するブラックメタルからの返答です。
フィンランドのコミックアーティスト、JP Ahonen の創造する漫画の世界から産声を上げた仮想のカルトバンドは、いつしか現実を超える真なるブラックメタルへと到達していました。
Ahonen が描いたのは、”シリアスな” ブラックメタルバンドの “ステレオタイプな” 日常。結婚の重圧、子供怪獣、そして BELZEBUBS と家庭のバランス、さらに MV 撮影のための不気味な場所の確保にまで苦悩し奔走するコープスペイントのバンドマン Sløth の毎日は、実に多くの共感を生みました。
謎に包まれたカルトメタルスターも、実際は自分たちと同様に些細なことや生活の一部で悩み、何とか乗り越えている。巻き起こったシンパシーの渦は、そうして現実世界にまで彼らの音を轟かせる原動力となったのです。

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39: XOTH “INTERDIMENSIONAL INVOCATIONS”

「全ての偉大なメタルのサブジャンルは明らかだけど、それ以外にもプログ、映画やゲームのサウンドトラック、古き良きロックンロールにパンク、ジャズフュージョン、カントリーのチキンピッキングでさえね!ただ愛する、様々な音楽をミックスしているんだよ。」
HORRENDOUS, TOMB MOLD, GATECREEPER を中心とする OSDM、オールドスクールデスメタル復興の波。REVOCATION, RIVERS OF NIHIL, VEKTOR が牽引するモダンな Tech-death の潮流。
デスメタルの世界は現在、2つの新興勢力が切磋琢磨を重ねつつネクストステージへとジャンルを誘っています。彼らに共通する理念は、偉大な過去の遺産へユニークな独自のフレイバーを注ぎ込み、創造性のレコンキスタを果たしている点でしょう。
そういった観点からシアトルの新鋭 XOTH を眺めれば、彼らが両軍の長所を御旗に掲げる勇敢な十字軍にも見えてきます。
「僕の意見だけど、ゲーム音楽の中には、これまでの音楽でも最高のコンポジションを誇るものがあるよ。全員気に入っているのは、オールドスクールなゲームのサントラさ。例えば、魂斗羅、悪魔城ドラキュラ、ロックマン、忍者龍剣伝、ソニック、マザー、スーパードンキーコング、ゼルダの伝説なんかだね。」
とは言え、XOTH の中にも他の新興勢力と同様に際立ったユニークスキルが備わっています。ゲーム/映画音楽のサウンドトラックからのインスピレーションはその筆頭格でしょう。

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40: JORDAN RUDESS “WIRED FOR MADNESS”

「僕は “Jordan Rudess” が経験してきたこと全てをこの作品に注ぎたかったんだ。完全に自由になって、ロックのフォーマットで僕の音楽精神全てを表現することが重要だったんだよ。」
現代キーボードヒーローの代名詞。そして巨人 DREAM THEATER にとって心臓にして中枢となった鍵盤の魔術師は、それでもなお音の自己証明をソロアルバムに求めます。
アーティストにとってソロ作品の利点は、所属する集団から隔離された天性のスペース、実験のラボラトリー、”完全なる自由”。
コンテンポリーなクラシカルミュージック、ソロピアノ作品、奇想天外なカバーアルバムとその多様なバックボーンをソロアルバムとして昇華してきたマエストロ。そうして到達した個性の極み “Wired For Madness” は、”自分を完全に表現” した “本当にプログレッシブな作品” となったのです。
つ「僕はキーボードの世界は、エレキギターがこの50年で作り上げた世界に匹敵する高いレベルへ移行することが可能だと信じているんだよ。キーボード、そしてキーボーディストは、音楽制作において驚異的なポテンシャルを秘めているんだ。」

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