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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MAGNUM : LOST ON THE ROAD TO ETERNITY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BOB CATLEY OF MAGNUM !!

With “Lost On The Road To Eternity”, Magnum Have Reached The Landmark Of 20 Albums And 40 Years Career, But They Are Still Just Moving On !!

DISC REVIEW “LOST ON THE ROAD TO ETERNITY”

40年のキャリアが純化した彫琢。英国の伝統と幽玄を織り込んだ匠のシグニチャーサウンドは、記念すべき20枚目のアルバム “Lost on the Road to Eternity” でさらなる高みからリスナーの迷霧を晴らす尊き光明となるはずです。
よりワイドな音色を有する鍵盤の名手 Mark Stanway が加入し、初めて Rodney Matthews がアートワークを手がけた叙事詩 “Chase the Dragon” こそが全ての源流でした。生まれながらに感傷と情緒をその喉へと宿す唯一無二の歌聖 Bob Catley。そして Bob の歌唱を完璧なまでに駆使するギタリスト/コンポーザー Tony Clarkin。翼を得た MAGNUM のコア2人は、80年代を自在に羽ばたきました。
プログの知性とハードロックの鼓動を見事に融合し、フォークとファンタジーのエッセンスを織り込んだ浪漫の頂 “On A Storytellers Night”。Polydor へと移籍を果たしメインストリーム AOR への洗練された扉を開いた “Wings of Heaven”。「新しくエキサイティングな音楽を見つけていくことが、僕たちの存在を異なるものにしていたんだろうな。」と Bob が語る通り、難局の90年代に投下したブルージーな実験 “Rock Art” まで、バンドのクリエイティブな冒険は旋律の魔法を誘いながら濃密な景色を残していったのです。
Bob が「当時はメンバーの何人かが難しい時間を過ごしていたんだ。だから正しいムードを得るために常に戦っていなければならなかったんだよ。」と回顧するように、バンドは時代の潮流にも翻弄されながら95年に解散し、Bob, Tony, Al の HARD RAIN、さらに TEN のメンバーを起用した荘厳なる Bob のソロプロジェクトで雌伏の時を過ごします。
そうして2001年に Tony が THUNDER の Harry James をリクルートし MAGNUM をリフォームすると、彼らはその音の歴史を誇り高く掲げながらも、よりセールスやプレッシャーから開放されて、ただ偉大な作品を製作することのみへと没頭することになるのです。
バンド史上最長、62分のランニングタイムを誇る最新作 “Lost On The Road To Eternity” は各時代のアイコニックなマグナムサウンドを巧みに分配しながら、枯れない泉のごときメロディーの清流を至高のデザインへと注入し何度目かの最高到達点へと導かれています。
アルバムオープナー “Peaches and Cream” は、初期のオーガニックなクラッシックロックをハイクオリティーなプロダクションとアップリフティングなコーラスワークで現代に蘇らせたベテランシェフのスペシャリテ。ヒロイックな8分のエピック “Welcome To Cosmic Cabaret” にも言えますが、さらに深みを増したボーカルの陰影とトーンコントロールの妙は彼らが残り少ない名匠の一群であることを確かに証明していますね。
AVANTASIA で Bob と共演している Tobias Sammet がゲスト参加を果たしたタイトルトラック “Lost On The Road To Eternity” は、オーケストレーションやストリングスを大胆に使用して “On A Storytellers Night” からのロドニーマシューズサーガの続編を生き生きと描きます。
一方で、ファンタジーの世界から一転するポップな “Without Love” ももちろん彼らの得がたき魅力の一つでしょう。今年、JUDAS PRIEST が “Firepower” で、SAXON が “Thunderbolt” で初期のハードロックテイストをキャッチーにリヴァイブさせ英国の矜持を雄々しく取り戻していますが、”Without Love” を聴けば彼らもまたロックにフックを回帰させるガーディアンであることが伝わるはずです。続く “Tell Me What You’ve Got To Say” にも言えますが、バンドがかつて天空へと広げた翼はよりしなやかに、よりポップにリスナーの心を包みこむのです。
アルバムは “Chase the Dragon” のプログレッシブな世界観と知性を反映した “King of the World” でその幕を閉じました。Mark, Harry を失おうとも、依然として MAGNUM のロマンティックなファンタジーが悠久であることを示唆するエナジーに満ち溢れながら。
今回、弊誌では巨匠 Bob Catley にインタビューを行うことが出来ました。「バンドがリスナーの興味を惹く楽曲を作り続けられる限り、リスナーが聴きたいと想い続けてくれる限り僕たちは続けて行くんだよ。」どうぞ!!

MAGNUM “LOST ON THE ROAD TO ETERNITY” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【RIOT V : ARMOR OF LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK LEE OF RIOT V !!

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The Pride of NYC, Legend of Metal History, Riot V is Still Alive And Kickin’!! “Armor Of Light” Unites Their Early Hard Rock Sounds With The Magic Of Power Metal ! Shine on!

DISC REVIEW “ARMOR OF LIGHT”

不撓不屈の不沈獣、終天のメタルウォーリアー RIOT V が、ハードロックの血潮とパワーメタルの魔法を等しく装填した光の英雄譚 “Armor of Light” をリリースしました!!メタルの教科書 “Thundersteel” 30周年に刻む新たな闘志の刻印は、40年のキャリアで通過した嵐、凪、そして帰天まで全ての逆境を力に変える躍動と眩耀に満ちています。
ブラックビューティ、黒のレスポールを抱えて独特の艶美な憂いと異国の薫りを奏でた Mark Reale はまさにバンドの心臓でした。2012年、Mark の逝去を受けて RIOT の存続を信じたファンは決して多くはなかったはずです。しかし絶佳なる遺言 “Immortal Soul” “不滅の魂” に Mark が刻んだ通り、バンドが立ち止まることは決してありませんでした。
70年代に生を受け、英国ハードロックにアメリカンな風を吹き込んだ RIOT のターニングポイントは徹頭徹尾パワーメタルへと変貌を遂げた “Thundersteel” だったと言えます。そして類稀なる鋼鉄の “道標” リリース時のベーシスト Don Van Stavern と、89年に加入して以降、Mark と共に流麗なツインリードでクラシカルオリエンタルのカタルシスを提供し続けたトリッキーなギターの名手 Mike Frintz は英雄抜きでバンドの存続を決断します。
MOON TOOTH でモダンなヘヴィープログレッシブを追求する Nick Lee、Tony Moore をフレキシブルに進化させた Todd Michael Hall、VIRGIN STEEL のダイナモ Frank Gilchriest を加えて2014年に日本以外では RIOT V の名でリリースされた復活作 “Unleash the Fire” には確かに Mark の魂が深く宿った鎮魂の焔でした。そして完全に RIOT V 名義でリリースされた “Armor of Light” は亡きギタリストと共に歩む新たなる歴史の幕開けです。
IRON MAIDEN の “Trooper” をイメージさせるエナジーに満ちた勝利のギャロップ “Victory”、ボーカル/ギターハーモニーが正しい場所に正しく配置されたウルトラキャッチャーで由緒正しき哀愁の”リアリズム” “End of the World”、”Thundersteel” のスピードデーモンに真っ向から立ち向かう “Messiah”。オープニングの三連撃はまさにアザラシ無双。KORN の最新作等でエンジニアを務めた Chris “The Wizard” Collier を得て SABATON にも匹敵する現代的なメタルプロダクションを纏った RIOT V は、目まぐるしくもダイナミックなパワーメタルの大斧で作品の冒頭を切り裂きます。
一方で、「Mike と Donnie は Mark の遺産を称えながら素晴らしい仕事を果たしていると思うな。楽曲やリフ、メロディーの中に初期 RIOT のハードロックサウンドと、後期のパワーメタルサウンドをミックスしながらね。」と Nick が語るように、新生 RIOT V の肝は初期と後期の融合。右手にパワーメタルの斧を握りしめ、左手にハードロックのシールドを携えたジョニーの勇姿はさながら無敵の獣神。
奇しくも今年は JUDAS PRIEST の “Firepower”、SAXON の “Thunderbolt”、そして RIOT V の “Armor of Light” と長年メタルを支え続けたベテランが、初期のキャッチーなハードロックテイストをナチュラルに復刻し復活の狼煙を上げています。
実際、後期 RAINBOW を彷彿とさせるロマンティックな “Burn the Daylight”、THIN LIZZY の美学を受け継ぐ神秘的な “Set the World Alight”、初期の RIOT らしいブルーズな響きとホーンセクションが溶け合った “Caught in the Witches Eye” など作品にはオーガニックでユーティリティーな色彩が調和し魅惑のコントラストが渦巻いているのですから。
それにしても、威風堂々の新たなアンセム “Angel’s Thunder, Devil’s Reign” や “Heart of Lion” を聴けば、ツインリードとボーカルハーモニーに加えて、リズムを捻ったクールなキメフレーズの数々がバンドのトレードマークであることを改めて再確認できますね。
後期 RIOT のアイデンティティーともなった、フォークトラッド、クラシカル、ケルトの響きを堪能できるドラマティックな “San Antonio” や “Ready to Shine” も出色の出来。そうしてアルバムは瑞々しい “Thundersteel” の再創生で大円団を迎えます。
まさに珠玉の逸品。今回弊誌では、バンドのレガシーを受け継ぐギタリスト Nick Lee にインタビューを行うことが出来ました。意外にも Sargent House の作品が並ぶプレイリストにも注目です。「アザラシのパワーを感じるんだ!」弊誌2度目の登場。どうぞ!!

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RIOT V “ARMOR OF LIGHT” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【W.E.T. : EARTHRAGE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ROBERT SÄLL OF W.E.T. !!

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Melodic Hard Super-Stars, W.E.T. Has Just Released Definitely One Of The Best Record In The Genre “Earthrage” !! Are You Ready For “Burn” And “Watch Their Fire” ?

DISC REVIEW “EARTHRAGE”

WORK OF ART, ECLIPSE, TALISMAN。メロディックハードの幾星霜に足跡を刻んだ三雄を頭文字に戴くスーパーグループ W.E.T. が、捲土重来を期すジャンルの王政復古 “Earthrage” をリリースしました!!瑞々しいアリーナロックの雄々しき鼓動は、地平の年輪に印されしかつての栄光を確かに呼び覚まします。
WORK OF ART と ECLIPSE。2000年代以降、メロディックハード希望の星は明らかにこの両雄でした。片や洗練の極みを尽くす AOR、片や情熱と澄明のハードロック。
しかしインタビューで語ったように、スウェーデンの同じ学校から輩出された2つの綺羅星 “W” の象徴 Robert Säll と “E” の象徴 Erik Mårtensson は、至上のメロディーを宿すシンクロニティー、宿命の双子星だったのです。実際、2人の邂逅は、AOR とハードロックの清新なる渾融を導き、ジャンルのレジェンド Jeff Scott Soto の熱情を伴って唯一無二の W.E.T. カラーを抽出することとなりました。
故に Robert の 「最初の2枚では、僕と Erik がかなりコラボレートして楽曲を書いていたんだ。だけど、今回の作品のソングライティングに僕は全く関わらなかったんだよ。」という発言はある意味大きな驚きでした。
それは何より、”Earthrage” が疑いようもなくバンドの最高傑作となり得たのは、前作 “Rise Up” で顕著であった硬質なサウンド、メタルへの接近をリセットし、Robert の得意とする80年代初頭のオーガニックなメロディックロックを指標したからに他ならないと感じていたからです。
つまり、「”Earthrage” を制作する際に Erik と話し合ってあのオーガニックなスタイルを取り戻すべきだと感じた訳さ。」と語るように、もちろん Robert から方向性についてのサジェスチョンはあったにせよ、”Earthrage” における奇跡にも思える有機的な旋律の蒸留、ハーモニーの醸造、ダイナミズムの精錬には改めて責任を一手に負った Erik Mårtensson というコンポーザーの開花と成熟を感じざるを得ませんね。
予兆は充分にありました。ECLIPSE のみならず、NORDIC UNION, AMMUNITION 等、歴戦の猛者達との凌ぎ合いは、明らかに Erik の持つ作曲術の幅を押し広げ、効果的で印象に残るコーラスパートの建築法を実戦の中で磨き上げて行ったのですから。
アルバムオープナー、”Watch The Fire” はまさに Erik とバンドが到達した新たな高みの炎。冒頭に炸裂する生の質感を帯びた強固なリズムと、期待感に満ちたギターリフはまさしく ECLIPSE 人脈から Magnus Henriksson & Robban Bäck 参加の功名。凛として行軍するヴァースでは Jeff と Erik がボーカルを分け合い、さながら DEEP PUPLE の如き伝統のインテンスを見せつけます。
コーラスパートは巨大なフックを宿す獣。トップフォームの Jeff は、久方振りに発揮する本領で徹頭徹尾リスナーのシンガロングを誘うのです。そしてパズルのラストピースは、Desmond Child 譲りのアンセミックなチャントでした。
BOSTON の奥深き音響に Robert のキーボードが映える “Kings on Thunder Road”、MR. BIG の “Nothing But Love” を彷彿とさせるストリングスの魔法 “Elegantly Wasted” を経て辿り着く “Urgent” はアルバムを象徴する楽曲かも知れませんね。
同タイトルのヒットソングを持つ FOREIGNER の哀愁とメジャー感を、コンテンポラリーなサウンドと切れ味で現代へと昇華した楽曲は、あまりに扇情的。
畳み掛けるように SURVIVOR の理想と美学を胸いっぱいに吸い込んだ “Dangerous” で、リスナーの感情は須らく解放され絶対的なカタルシスへと到達するはずです。
そうして一部の隙も無駄もないメロディックハードの殿堂は、”決して終わらない、引き返せない” 夢の続き “The Never-Ending Retraceable Dream” でその幕を閉じました。楽曲のムードが Jeff にとって “引き返せない” 夢である JOURNEY を想起させるのは偶然でしょうか、意図的でしょうか?
今回弊誌では、WORK OF ART でも活躍する稀代のコンポーザー Robert Säll にインタビューを行うことが出来ました。想像以上に明け透けな発言は、しかしだからこそ興味深い取材となっているはずです。「メロディックハードロックがまたチャートの頂点に戻れるとは思えないね。そして僕はそれで構わないと思っているんだよ。」どうぞ!!

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W.E.T. “EARTRAGE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BAND-MAID : WORLD DOMINATION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KANAMI OF BAND-MAID !!

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Welcome Home, Master & Princess. Band-Maid Are Back With Their Second Full Length Record “World Domination”. Literally, They Are Ready For World Domination!

DISC REVIEW “WORLD DOMINATION”

「お帰りなさいませ、ご主人様お嬢さま!」国内、海外で数多の “お給仕” を行い格段の進化を遂げた日本が誇る戦うメイド集団 BAND-MAID が、世界征服を目論む挑戦状 “WORLD DOMINATION” をリリースしました!!ヴァレンタインに届いた57分の峻烈なる宣告は、ワールドクラスの自信と決意に満ちています。
まさに有言実行。前回のインタビューで 「次の作品も、その次の作品も自分たちの作詞作曲を増やしていきたいと思っています!」 と語ったように、最新作 “WORLD DOMINATION” は3つの共作曲を含め全てがオリジナルの楽曲で占められています。そしてその事実はまさしく本物の証。5人を包むメイド服は貫禄さえ纏い、徹頭徹尾 BAND-MAID 色に染め上げられた純粋なハードロックチューンの数々は、瑞々しさと共に偉大な先人たちのスピリットや美学を濃密に継承しているのです。
アルバムオープナー “I can’t live without you.” の圧倒的な躍動感はもはや事件です。KANAMI の創造する不穏で重厚なリフワークはまさに世界征服の狼煙。斬れ味鋭いリズム隊が牽引するファスト&ソリッドな楽曲は、扇情力を増しながら SAIKI の激情を込めたコーラスで制御不能のカタルシスを浴びせます。
「終わらぬ夢を見たいんだ 終わらぬ夢を見たいんだ 音もなく 堕ちていく それでも まだ… I can’t live without you. 」 同時に MIKU の投げかける熱情の詩は、男女間の恋愛以上にバンドとファンの間に存在する熱い想いを代弁し、渦巻くロックのロマンの中で互いに不可欠な関係であることを宣言しているのでしょう。これ以上ないほどに素晴らしき闘いの幕開けです。
“DOMINATION” や “CLANG” を聴けば、バンドの一体感やテクニックの飛躍的な向上が伝わるはずです。楽曲の複雑なデザインを掻い潜り、小節ごとにパターンを変えながら豊かなバリエーションを生み出す AKANE と MISA のアレンジメントは卓越していて、勿論、ファストなフレーズからアウトラインのスケールまで自由自在の KANAMI を加えバンドの創造性はかつて無いほどに沸騰しています。
“One and only” や “Carry on living” は象徴的ですが、散りばめられたブレイクダウン、四つ打ち、エレクトロニカといった現代的なフックの数々もバンドの広がる可能性を示唆していますね。
何より、根幹にブルーズが存在する BAND-MAID のハードロック道は、WHITESNAKE や MR. BIG の持っていたマジックを濃厚に共有しています。同時に、和の精神、J-POP の豊かなメロディーをも引き継いだ5人の戦士は、先述のコンテンポラリーなメタルやラウドの方法論まで総括しながら唯一無二の “メイド・イン・ジャパン” を築き上げているのです。
アルバム後半、連続して収録されたバラードタイプの心揺さぶる2曲、”Daydreaming”, “anemone” はその証明なのではないでしょうか。相川七瀬、B’z、JUDY AND MARY から延々と連なるジャパニーズロックの血脈はフックに満ちたバラードなしでは語れません。モダンなアレンジとセンス、過去と未来のバランス感覚、そして空間の魔法を駆使した多幸感まで誘って聴かせる “BAND-MAID のハードロック” はここに極まっているのかも知れませんね。
今回弊誌では、KANAMI さんにインタビューを行うことが出来ました。”BAND-MAID が世界征服に向け、先に進む1枚”、ハードロックの Up to Date。どうぞ!!

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BAND-MAID “WORLD DOMINATION” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VON HERTZEN BROTHERS : WAR IS OVER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIKKO OF VON HERTZEN BROTHERS !!

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Finland’s Prog Rocking Brothers, Von Hertzen Brothers Are Firmly Back In Dynamic Prog Territory With Their Masterpiece “War is Over” !!

DISC REVIEW “WAR IS OVER”

フィンランドミュージックシーンにおける至高のファミリービジネス、VON HERTZEN BROTHERS。母国、そして UK では押しも押されぬビッグバンドのロックモンスターがリリースした最新作 “War is Over” は、更なる大望を抱き変化を志した新たなチャプターの幕開けです。
Kie, Mikko, Jonne の三兄弟を中心とする VON HERTZEN BROTHERS の音楽は、多様で豊潤なカレイドスコープです。ピュアなクラッシックロックからプログ、ポップ、オルタナティブにワールドミュージックまでナチュラルに横断する神秘のコンポジションは、パワフルかつイマジネーティブなジャンルの交差点として異彩を放っていますね。
特筆すべきは、そのソフィスティケートされた思慮深い作曲術と同次元で繰り出されるワイルドでエネルギッシュなロックマインドでしょう。
柔と剛を自由自在に操舵する血の伝統と絆は、ウルトラキャッチーなメロディーライン、耳を捉えて離さない艶やかなフック、そして洞察力に富んだ深遠なるリリックを纏ってリスナーにモノリシックの意味を伝えるのです。
とは言え、短いリリースインターバルに反して局所的な成功しか収められない焦りで、バンドは疲れ切っていたと Mikko は語ります。もしかすると、ロックサイドに特化した前作 “New Day Rising” でバンドは自由を失い、少し方向性を限定しすぎたのかも知れません。
つまり、KINGSTON WALL のレジェンドで、VHB の2ndアルバムでもプレイしていたドラマー Sami Kuoppamäki が復帰を果たし、HIM の Janne ‘Burton’ Puurtinen をキーボードに起用して制作された ‘War is Over” は、メンバーのみならずレコード会社やマネージメントをも変更し、”燃料切れ” だったバンドが 「前に進み、上昇するため」 の再生の作品なのです。
勿論、バンドが大きな賞賛を捧げる John Lennon へのリスペクトを表明するタイトルトラック “War is Over” は12分のエピックにしてまさにリヴァイブの象徴。アトモスフェリックな電子音に導かれ躍動を始める楽曲は、瑞々しさとダイナミズムに満ちています。
DIZZY MIZZ LIZZY のバランス感覚と KINGSTON WALL のサイケデリカを内包した素晴らしき平和への祈りは、絶え間なく変動するテンポやメロディーで自由の喜びを表現し、コンテンポラリーな音楽が失いつつあるフレキシブルなエナジーを濃密に宿しているのです。
さらに楽曲終盤のファンファーレでは、100本のギターを重ねフィンランドの自由と独立100周年を祝うセレブレーションの意味まで持たせているのですからその豊富なアイデアとロマンチシズムには驚愕の一言ですね。
実際、この壮大なオープナーを皮切りに、アルバムはよりプログレッシブで多様に深化したバンドの “現在” を克明に投影して行きます。
日本やインドのオリエンタルなスケールを導入した BLACK SABBATH と Chick Corea の神々しき融解 “To The End Of The World”、Burton の荘厳なシンセサイザーが映える新天地 “Jerusalem” を経て辿り着く “Frozen Butterflies” はアルバムのハイライトだと言えるでしょう。
根本的にはポップロックの美しきワルツ。しかし幼生が蛹を経て美麗な蝶になるように、プログとポップ、そしてロックの姿を宿命の如く宿した楽曲はまさにバンドの “現在の” クリエイティビティーを象徴しています。
クリーントーンのミニマルな反復リフ、ファストなリズムとシンコペーションはリスナーへ複雑な変拍子を伴うマスロックのような印象すら与え、同時にヘルシンキの大空に羽搏き舞う情熱と冬の凍てつく生命を見事に描写した絶佳のサウンドスケープを保持する楽曲は、バンドのスケールが一次元や二次元の狭い檻では収まらない確固たる証明なのかも知れませんね。
アルバムは作品で最もクラッシックな VHB ソング “Beyond the Storm” でその幕を閉じます。”War is Over” のタイトルが回帰する完璧なまでにスピリチュアルな楽曲は、バンドの祈りと野心をしたためてアルバムのリピートを誘い “円” “サークル” の形態へと導来ました。それは、西洋と東洋の哲学、音楽を等しく学んだ VHB故の絶妙なるエンディングだと言えるでしょう。
恐らくは、彼らの理想とする “エピックロック” に最も接近した傑作。今回弊誌ではボーカルとギターを担当する Mikko von Hertzen にインタビューを行うことが出来ました!本誌二度目の登場。「混乱し、多くの苦難に直面している世界で、平和と思いやりを見ようとすることがどれほど重要かという考えを人々に思い起こさせたいと思ったんだよ。」 どうぞ!!

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VON HERTZEN BROTHERS “WAR IS OVER” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LOVEBITES : AWAKENING FROM ABYSS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH midori OF LOVEBITES !!

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Female Power Metal Band From Japan,  LOVEBITES Make Their Mark On The Heavy Metal Scene, With Bigger, Louder Debut Full-length “Awakening From Abyss”!! Are You Ready For “Muse Metal”? 

DISC REVIEW “AWAKENING FROM ABYSS”

荒廃した”世界”に舞い降りた凛々しくも美しき女神たち。ミューズメタルの使者 LOVEBITES が下す怒りと希望の鉄槌 “Awakening From Abyss” は、文字通り世界を深淵から “覚醒” へと導きます!
欧州、米国、そして日本の香りが入り交じるオーセンティックかつダイナミックなメタルを、卓越した技術と豊潤なるエモーションで具現化したデビューEP “The Lovebites EP” から約6ヵ月。早くも届けられたバンド初のフルレングス “Awakening From Abyss” は、ギター/キーボード、さらに作曲でもバンドを支える mi-ya をオフィシャルメンバーとして加え、楽曲の幅、サウンド、メロディー共に全てがスケールアップを果たしたまさに “ネクストレベル” の黙示録です。
女神の “ネクストレベル” が世界を見据えていることは、その制作環境からも充分に伝わります。NIGHTWISH, CHILDREN OF BODOM で知られる Mikko KarmilaとMika Jussila のフィンランドチームがサウンドを司り、アートワークを HELLOWEEN の “Sweet Seductions” などを手がけたスペインチームが制作。さらに全てのリリックを英語詞に拘り、ヨーロッパ、北米、メキシコなど海外でのリリース及び、ロンドンでの初ライブに至る道程は既に世界基準と呼ぶに相応しいスケールです。
荘厳なるストリングスのタペストリー、序曲 “The Awakening” がバンドの強固なアンサンブルを導くと、アルバムは IRON MAIDEN を思わせるオリエンタルなテーマが印象的な “The Hammers of Wrath” で幕を開けます。
TESTAMENT の鋭角で迫り来るファストでシャープなリフワーク、メロディックヒステリックな本能のボーカル、タイトでラウドなリズムの息吹は、バンドがリアルなエクストリーム領域に在ることの確かなる証です。
リードトラック “Shadowmaker” を聴けば、必ずやメタルファンの血は湧き肉も躍るはずです。より複雑さと繊細さ、そしてダイナミズムを増した素晴らしき新たなバンドのアンセムは、あまりに扇情的かつドラマティック。細かなギミックを織り込んだ捻りの効いたプログレッシブなリフや、シンフォニックなシンセワーク、中盤のテクニカルなツインリードは、明らかに ANGRA の遺伝子を宿しつつリスナーにエキサイトメントを運びます。
R&B やブルーズの表情を垣間見せるスリージーな “Warning Shot”, “Scream For Me”、さらにストリングスやキーボードを効果的に使用しバラード的な感覚を内包させた “Liar” “Inspire” といった楽曲たちはバンドの持つ多様性、引き出しの多さをまざまざと見せつけています。元々、R&B やソウルを主戦場としていたボーカル asami の黒く眩いエモーションが、メタルの持つ重厚なアグレッションと融合し、想像以上の化学反応をもたらしているとも言えますね。
そして LIGHT BRINGER の Mao が作曲を担当した “Edge of the World” はバンドの未来を象徴する楽曲かも知れません。アコースティックギターとピアノの麗しき調べで幕を開ける世界の果ての物語は、さながら SYMPHONY X の如く、耽美な響きとプログレッシブな展開美でリスナーのイマジネーションを掻き立てます。切なく、甘く、そして激情をも孕んだ魅力的なメロディーの洪水は、リスナーを叙情の海へと沈降させるに充分のメランコリーを湛えているのです。
midori はインタビューで 「残念ながら、LOVEBITES も見た目のせいで “聴かない” “メタルじゃない” という意見があることは知っています。ですが喜ばしいことに、それ以上に、私たちの音楽を正当に評価してくれる人が増えてきていることも知っています。私たちには、”最高のヘヴィ・メタルをやる” という強い信念があるのです。」 と語ってくれました。実際、その想いに一点の曇もないことは、”Awakening From Abyss” のミューズメタルを聴けば伝わるはずです。
アルバムは、文字通りバンド全員の “勇敢な心” を乗せた “Bravehearted” で、闘い続けることを誓いながら勇壮に幕を閉じました。
今回弊誌では、バンドのギタリスト midori さんにインタビューを行うことが出来ました!PERIPHERY, ANIMALS AS LEADERS, そして abstracts という名前まで飛び出す、弊誌読者の皆さまにも非常に共感、シンクロする内容だと思います。どうぞ!!

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LOVEBITES “AWAKENING FROM ABYSS” : 9.6/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ART OF ANARCHY : THE MADNESS】BUMBLEFOOT SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RON “BUMBLEFOOT” THAL !!

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Mega-Super Group, Art Of Anarchy Seek To Reinvent Themselves From 90’s Glory, With New Masterpiece “The Madness” !!

DISC REVIEW “THE MADNESS”

90’s~00’s にかけて人気を博した “オルタナティブメタル” の空気をリフレッシュし、見事現代へと再誕させる US スーパーグループ ART OF ANARCHY が、傑出した2ndアルバム “The Madness” をリリースしました!!極上のコンポジションに5人の個性が溶け合った揺るぎなきロックのメタモルフォーゼは、極限まで多様化したシーンに王道の何たるかを見せつけています。
ART OF ANARCHY は、ギターとドラムスをプレイする双子の Votta 兄弟と、GUNS N’ ROSES で気を吐いていたマエストロ Ron “Bumblefoot” Thal が意気投合し始まったバンドです。そこに、STONE TEMPLE PILOTS や VELVET REVOLVER で活躍した天賦のシンガー Scott Weiland, DISTURBED の切れ味鋭いベースマン John Moyer が加わることで、大きな注目と期待を集めるメガアクトが誕生したのです。バンド全員のレコードセールス(当時)は1億5000万枚と言うのですから、数字の面からも彼らの凄みは伝わるでしょう。
セルフタイトルのデビュー作をリリース後、Weiland はバンドを脱退。アルバムをプロモートするツアーを拒否した彼は結局、人生を通じて苦しんできた薬物との戦いに敗北し、命を落としてしまいました。
バンドは Weiland の後任に CREED の Scott Stapp を指名します。実は2014年には Stapp も薬物問題、さらには路上生活にまで転落するなど負の話題で世間を騒がせましたが、彼は挑戦し困難に打ち勝ちました。そして Weiland と同様、まさに時代の寵児として活躍した Stapp の加入は再度バンドのエンジンに屈強なエナジーを注ぐ結果となったのです。
“The Madness” には、ただスーパーグループという事実以上のケミストリー、そしてメッセージ性が間違いなく存在します。Ron がインタビューで語ってくれた通り、Votta 兄弟のアリーナロック、DISTURBED の鋭利でマスマティカルなリフワーク、CREED の瑞々しく雄大なメロディー、そして Bumblefoot、もしくは “Chinese Democracy” の型破りで独創的なアイデア全ては淀みなく渾融し、濃密なマグマとなって作品を流動します。
オルタナティブが王道へと以降した21世紀初頭のソリッドな空気を DNA に深く刻んだ5人の古兵たちは、しかし同時に時代の推移により”オルタナティブであること” から遂に解放され、その雄弁なコンポジション、華麗なテクニック、そして唯一無二のタレント性を制限なくここに開花させているのです。
また、アルバムタイトル “The Madness” が表象するように、作品にはまさに Stapp が苦しんできた”狂気”がそのまま描かれています。新たなアンセム “1,000 Dgrees” では「僕自身が最悪の敵だ。僕は呪われている。」と当時の地獄を独白し、至上のバラード “Changed Man” では「もう一度チャンスをくれないか?僕は変わったんだ。家に帰る時が来たんだよ。」と最愛の妻に過去の自分との決別を告げます。果たして妻は “With Arms Wide Open” で待っていてくれたのでしょうか?
とにかく、”僕たちはこのアルバムを Scott、そして同じチャレンジに直面する人たちの成功に捧げることとしたんだ” と Ron が語るように、作品はアメリカが抱える大きく暗い闇に対する贖いとして生を受けました。自身の魂を声と詩に宿した Stapp の歌唱には深みとリアルが込められ、その美しく、切なく、雄々しく、そして芳醇なメロディーは懺悔であり赦しであり、希望の灯火でもあるように聞こえます。
アルバムの主役は間違いなく Stapp ですが、Ron のトリッキーでカラフルなギターワークが作品にクリエイティブで類まれなる神通力のようなフックをもたらし続けていることは記して置かなければなりませんね。
指ぬき、フレットレス、ロングスケールなど様々な武器を持つ “Bumblefoot” ですが、インタビューでも語ってくれたように彼は決して楽曲の破壊者ではありません。ソロプロジェクト、ガンズ時代を通して歌ものに強い拘りを持ち、エモーショナルで耳に残りリピートを誘うギターフレーズを追い求めてきた彼の真価は “Somber” のアメジストのように燐光を発するソロパートに集約されているのかもしれませんね。
王道とは何か。彼らの”王道”の先には必ず唯一、アリーナでシンガロングし、拳を振り上げるファンの姿が透けて見えます。彼らにはもはやトレンドを意識する必要などありません。ただ、キャッチーでフックと起伏に満ちたアルバムは、エゴを廃し全てが楽曲とストーリーに捧げられ、世代を超えて愛される魔法を備えた新たな栄光への幕開けであると信じます。
今回弊誌では、Ron “Bumblefoot” Thal にインタビューを行うことが出来ました。余談ですが、再発が決定した彼の2ndアルバム “Hermit” もぜひ併せて聴いていただきたいと思います。変態としてのみ語られがちな彼ですが、FAITH NO MORE や RAGE AGAINST THE MACHINE のインテンスと独特のポップセンス、そしてユニークなギターファンタジーをミックスした極上のコンポジションが炸裂した名作。どうぞ!!

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ART OF ANARCHY “THE MADNESS” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KXM : SCATTERBRAIN】GEORGE LYNCH SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH OF KXM !!

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On “Scatterbrain”, Tight And Energetic Performance Of KXM’s Three Giants Will Tell You What The Musicianship, Creativity Is !!

DISC REVIEW “SCATTERBRAIN”

Ray Luzier (KORN)、 dUg Pinnick (KING’S X)、そして George Lynch (LYNCH MOB) というシーンの英傑3名が集結したスーパーバンド KXM が新作 “Scatterbrain” をリリースしました!!三雄の魂が通い合い、個性が溶け合った秀絶な作品は、ロックの持つオーガニックな衝動と、知性を擽るエキサイトメントを織り込みリスナーの直感へと波動するはずです。
“Scatterbrain” は僅か12日間という短い期間で制作されたレコードです。インタビューで George は「もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!」 と語ってくれましたが、同時に70年代を思わせる短期集中形のクリエイティブ環境が作品にマジックを産んだとも言えるような気がしますね。
スライドバーを使用したブルースの響きから一転、アルバムはインテンスとカオスが支配するタイトルトラック “Scatterbrain” でその幕を開けます。Ray Luzier の操る不敵な変拍子は George Lynch のシャープで粋なリフワークと共鳴し、その潮流はプログレッシブとさえ言えるムードを創造していますね。ペースダウンし、凪の静穏を献ずる中間部では、Mr. Scary がブルースの熱情を宿した魂魄のシュレッドで楽曲に生命を吹き込み、バンドの破天荒な技巧を伝えています。
“Breakout” や “Big Sky Country” を聴けば、dUg Pinnick の一筋縄ではいかないソウルフルでポップな独特の流儀、歌唱が驚くほど作品にフィットしていることが分かるでしょう。ダークに鬱屈したメロディーが得意のハーモニーを重ねてポップに花開く瞬間。直感的に楽曲を解釈し、ボーカルラインを自然とインプロヴァイズに導く瞬間。そして激情に任せ、咆哮に情念を乗せる瞬間。dUg の持つ類稀なセンスはスポンテニアスにトリオの鼓動と呼応し、無上のカタルシスをリスナーの元へともたらすのです。
同時に、”Breakout” で Ray が魅せる、パーカッションを使用したエスニックなサウンドはデビュー作から進化した KXM の潤色です。ロック、メタル、プログ、ファンク、ブルース、オルタナティブが淀みなく循環する多様な “Scatterbrain” の中で、ワールドミュージックからの影響は確実にアルバムを更に一段上のレベルへと押し上げています。
情熱と哀愁を湛えた dUg の歌唱が光る “Calypso”、カリブの風、グルーヴに乗る George のシュレッドが新鮮な “Not A Single Word” は殊更に、バンドがラテンやレゲエのリズム、モチーフを探求し血肉としていることの証明だと言えますね。
KING’S X でもエクレクテイックなサウンドをトレードマークとする dUg。David Lee Roth, STEEL PANTHER, STONE TEMPLE PILOTS で華々しく経歴を重ね、MI で教鞭もとっていた知性派 Ray。そしてインタビューでも語ってくれた通り、新たな領域へと自己を導き続ける George。ダイナミックなハードロックのルーツの上で、エキゾチックなダンスを華麗に披露する KXM 固有のサウンドは、3人の個性と手練、そしてフロンティアスピリットが結実しシンクロした成果だと言えるでしょう。
エキサイティングでエネルギーに満ちたアルバムは意外にも、ヘンドリックスの遺伝子を受け継いだブルージーなララバイ “Angel” で静かに幕を閉じます。無類で奇抜なタイム感、鋭くアウトやインを繰り返す異端のスリル、瞬間の奇跡。”Scatterbrain” における George のギターワークは近年でも群を抜いていますが、Jeff Healey をも想起させるエモーションを纏った “Angel” のリードは彼が未だに第一人者であることを、改めてシーンに宣言しています。
今回弊誌では George Lynch にインタビューを行うことが出来ました。DOKKEN のリユニオンについても重大な内容を語ってくれています。どうぞ!!

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KXM “SCATTERBRAIN” 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BAND-MAID : JUST BRING IT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KANAMI OF BAND-MAID !!

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Welcome Home, Master & Princess. Are You Ready For The Next Babymetal ?! OK, Just Bring It! Japanese Hard-Rock Maid Girls BAND-MAID Has Just Released Really Cool Debut Full-Length “Just Bring It” !!

DISC REVIEW “JUST BRING IT”

ロマン溢れるメイド服に身を包み、タイトな正統派ハードロックサウンドを継承する BAND-MAID が遂に待望のメジャーデビューフルレングス “Just Bring It” をリリースしました!!楽曲の幅を広げ、著しい成長を遂げたメンバーの全てが注ぎこまれた作品は、世界を制圧するに充分なクオリティーを備えています。
Babymetal が日本が生んだ最高の女性メタルアーティストであることは、METALLICA, GUNS’N ROSES との共演、世界の熱狂ぶりをみれば明らかでしょう。しかし同時に彼女たちを認めない、アンチの存在も少なからず目に付く事も確かです。
先日、海外大手”トゥルーメタル”系レーベルのパブリッシャーと話す機会があったのですが、彼は Babymetal について「アイコンとして華があり、バンドも素晴らしいね。だけど彼女たちは自ら楽曲を作らないし、演奏もしない。さらにどれだけメタルを愛しているのかについても疑問だね。」 と語っていました。おそらくこれが Babymetal アンチの総意だと思います。
弊誌は別段”トゥルーメタルマガジン”と言う訳でもありませんので、その高い楽曲のクオリティー、kawaii×metal の新たなアプローチ、モダンな視点、ハイレベルなパフォーマンス、そして何より世界が認めてしまっているという事実から、結果が全てを語るというスタンスです。しかし、確かに演奏も作曲も出来る新たなロックンロールヒロインが日本から生まれたとしたら、この日出づる国の音楽ファンはさらに誇れるものが増えるはずですね。
BAND-MAID はまさにその Next-Babymetal の可能性を大いに秘めたアーティストだと思います。実際、彼女たちがまずブレイクを果たしたのは海外のラジオ局からでした。Facebook で150万ものフォロワーを持つ巨大ラジオ局 “Jrock Radio” が “Thrill” の PV を紹介するやいなや、BAND-MAID の名は一気に海外へ広まることとなりました。”Thrill” の Youtube 再生回数は 400万に迫る勢い。さらに昨年は国内と併せて本格的なワールドツアーも成功させており、”結果”をみれば間違いなくワールドクラスのアーティストへと成長しつつあると言えるでしょう。
では、BAND-MAID はそのインパクトだけで注目を浴びたのでしょうか?答えは否です。確かにライブを「お給仕」と言い、ファンを「ご主人様」「お嬢様」と呼ぶ5人の可愛らしいメイドには仄かな出オチ感がフンワリと漂っているかも知れません。しかし、ギャップ萌え極まる硬派な “Just Bring It” を聴けばその実力が本物であることが伝わるでしょう。
Just Bring It…「かかってこいや!」と名付けられた自信に満ちた作品は、13曲中9曲がメンバーの手によるもので、その事実は”バンド” BAND-MAID としての強みを存分にアピールしています。
アルバムを通して、とにかくギターリフがクール。トラディショナルとモダンを行き来するツインギターはその確かなテクニックと共にフックとメロディー、アグレッションを提供し続けます。そこに緩急織り交ぜたカラフルなツインボーカル、骨太で強烈なスラップまでお見舞いするベースにダイナミックなドラムスが加われば、彼女たちの可能性が無限に広がっていることを感じるはずです。
“CROSS” は BAND-MAID の今を象徴するような楽曲です。彼女たちがすんなりと海外で受け入れられた理由の一つはそのブルーステイストかもしれません。アルバムを通して活躍するブルーノートの響きは特にUSのリスナーにとっては非常に馴染み深いもの。しかし BAND-MAID はしっかりと J-Rock 由来のキャッチーさやギミックを同時に織り込んでオリジナリティーを創出しています。見事なフックを生む転調とシンコペーション、ブルージーなギターリフ、耳馴染みのよいメロディー、シンガロングパート。”CROSS” は端的に BAND-MAID の長所を物語っていますね。
加えて、マスロックテイストさえ感じさせるプログレッシブな “Awkward” は “CROSS” と対極に存在し新鮮な驚きをリスナーに与えます。ストリングを効果的に使用したこの感動的なピースは BAND-MAID の未来をチャレンジングスピリットと共に明るく照らしているように思えますね。
おそらく日本のロックファンが思うよりも、海外の音楽シーンは現在 EDM, hiphop に席巻されています。ピュアなハードロック、メタルを渇望する”トゥルーファッキンメタラー”の逆襲が BAND-MAID に託されていることは間違いないでしょう。
今回弊誌では、ギタリストでメインコンポーザー KANAMI さんにインタビューを行うことが出来ました。Mr. Big を想起させるスリリングな “モラトリアム” や “YOLO” の流暢なリードプレイを聴けば彼女の驚異的な才能が分かるはずです。Welcome Home, Master & Princess! どうぞ!!

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BAND-MAID “JUST BRING IT” : 9.6/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【JEFF SCOTT SOTO : TALISMAN, KUNI, SOTO】LOUD PARK 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JEFF SCOTT SOTO !!

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Legendary Vocalist, Jeff Scott Soto Talks About Japan Tour With Kuni, Talisman, Yngwie Malmsteen, And More !!

“A GUIDE TO JEFF SCOTT SOTO”

Jeff Scott Soto。Yngwie Malmsteen のバンド RISING FORCE の初代シンガーとして華々しくシーンに登場した唯一無二のボーカリストは、ソロとしては勿論、TALISMAN, JOURNEY, W.E.T. など数多のバンド、プロジェクトでその際立った才能を発揮し続けて来ました。ソウルフルでエモーショナル、”黒い”感覚を保持しながらも、キャッチーな歌メロに絶妙なボーカルハーモニーを乗せる、彼独特の個性は常にハードロックシーンを牽引して来たと言えますね。
同時に、Jeff はオフィシャルメンバーとしてではなく、ゲスト的な立ち位置で素晴らしい作品に貢献し続けた引く手あまたな人物でもあります。Axel Rudi Pell, Alex Masi, Vinnie Vincent, TAKARA などの名作群を懐かしく思うファンも多いでしょう。
80年代に、世界で勝負したマスクマン、日本人ギタリスト Kuni の 2nd アルバム “Lookin’ For Action” も、彼の参加でグレードが上がったアルバムの1枚です。
Billy Sheehan をはじめ、多数の豪華なゲストとともに制作されたデビュー作 “Masque” とは一味違い、固定されたメンバーで勝負した作品で、SLAUGHTER の秀才 Dana Strum プロデュースの下、Jeff のソウルフルな歌唱は勿論、Kuni のツボを得たフレージングの良さ、B’z でもお馴染み Mike Terrana のキレの良いドラムスを味わうことが出来る秀作でしたね。
そして今回、Kuni のデビュー30周年を祝い Loud Park 16 出演が決定、Jeff の参加もアナウンスされました。メンバーは、Kuni, Jeff に加えて GREAT WHITE の Tony Montana, HAREM SCAREM でお馴染み Darren Smith と実に豪華。素晴らしいショーになることでしょう。
今回インタビューを行った Jeff にとっては何と23年振りの来日となります。23年!最後の来日は、1993年の TALISMAN 初来日まで遡らなければなりません。しかし、インタビューで Jeff が語ってくれた通り、TALISMAN の音楽はその長い期間、世代を超えて引き継ぐべきものだと思います。
今は亡き Marcel Jacob というベースの名手にして優れた作曲家が存在したこと、Jeff と Marcel の素晴らしきケミストリー、爽快で、キャッチーで、ファンキーで、複雑なサウンド、その全てが忘れ去られてしまうには惜し過ぎると感じています。Jeff はインタビューで、意外にも Marcel 抜きの TALISMAN の未来に前向きな発言をしてくれました。勿論、ファンにはビッグニュースでしょうし、キッズのためにもぜひ実現してほしいと思います。
また同時に、彼自身の新しいバンド SOTO にも強く力を入れていることが伝わりますね。個人的な感想を述べれば、SOTO の新作 “Divak” はダークでヘヴィー、確かに若干メロディーが弱いものの、楽器陣が想像以上にテクニシャン揃いで、これからの活動に期待が出来そうです。今回の来日が契機となり、TALISMAN や SOTO でも、再度彼の姿を日本で見ることが出来るようになるかも知れませんね!
Jeff は Yngwie との現在の関係についても語ってくれました。メロディックハードの歴史の登場です。どうぞ!!

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