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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GALNERYUS : ULTIMATE SACRIFICE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SYU & FUMIYA FROM GALNERYUS !!

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The Best Power Metal Band In The World, Pride of Japan, GALNERYUS Has Just Released The Greatest Metal Opera Of The Year, “Ultimate Sacrifice” !!

DISC REVIEW “ULTIMATE SACRIFICE”

日本が誇るシネマティックメタルの英姿 GALNERYUS が、究竟の証 “Under The Force of Courage” の真秀なる続編 “Ultimate Sacrifice” をリリースしました!!前作の壮大かつ勇壮な世界観を威風堂々受け継ぎながら、さらにスケールアップを果たした雄渾無比なメタル活劇は、もはや世界でも最高峰のクオリティーを誇ります。
前作 “Under The Force of Courage” はバンド初のコンセプトアルバム。ギタリストでマスターマインド SYU の手による長編のドラマティックな戦記を元に、”人間の存在意義を問い、悟りに至るプロセスを描いた” 映画のような一大スペクタクルは、圧倒的な構成力に至上のメロディーとエモーションを湛えバンドの最高傑作とも評された作品でした。
リリース後にはアルバムの完全再現ツアーも行い順風満帆に見えた GALNERYUS は、しかし2003年からバンドのエンジンであり続けたドラマー Jun-ichi と袂を分かつ決断を下します。「Jun-ichiさんの脱退については、数年前から実はその傾向は見え隠れしていました。」 と SYU が語るように新たな血を加えるタイミングだったのかも知れません。
UNLUCKY MORPHEUS, THOUSAND EYES 等で名を馳せる FUMIYA を新たなダイナモに迎えて制作された “Ultimate Sacrifice” は事実、マイルストーンとなった前作の完成度、構成美に、瑞々しい躍動感や生命力が織り込まれた作品です。
“SIDOOH/士道” を描いた高橋ツトムのアートワークも映える自己犠牲の物語は、前作の主人公が遂に理想とする国家を打ち立てるも命が尽き果てる場面からスタートします。後任として仄暗く権力を握る主人公の部下と、真直ぐな主人公の息子が繰り広げる闘諍は “Enter the New Age”、まさに新世代のファンファーレで幕を開けます。
歌劇、メタルオペラ “Heavenly Punishment” の目も眩むような絢爛さ、圧倒的な造形美はすなわち GALNERYUS の真骨頂。息子の慟哭を封じ込めた悲傷の旋律は狂おしいまでにリスナーの胸を打つのです。実はバンドが得意とする、中盤の DREAM THEATER 的なメカニカルなデザインも楽曲を見事に引き締めていますね。終盤にはクワイアで一際高揚感を掻き立てます。
前作から続く畳み掛けの美学。さらにスピードを増した “Wings of Justice” を聴けば、新たな血がバンドのスピリットにしっかりと溶融したことが伝わるでしょう。SYU のファストなリフワークをランドマークに、破綻スレスレでバンド全体をごっそりと加速させる FUMIYA のアクセルワークは実にエキサイティング。
FALLUJAH や SikTh を最近のフェイバリットに挙げ、「昔からドラムも打楽器ではなくメロディ楽器として捉えている節がありまして、小口径のタムやエフェクトシンバルなどで曲中(特にフィルイン)に彩りを添えることは常々意識しています。」 と語るように、FUMIYA の彩り豊かでコンテンポラリーなドラム捌きは明らかにバンドの新たなる武器となっています。
武器と言えば、メンバー各自の多様な個性も GALNERYUS には欠かせない要素です。傑出した鍵盤奏者 YUHKI が創造した EL&P とパワーメタルの愛おしき邂逅 “With Sympathy”。戦いを重ねる中で生まれる戦士の友情を描いた雄々しくも希望に満ちたナンバーは、YUHKI が敬愛する Keith Emerson の風格を乗せて、アルバムに見事なコントラストを映し出すのです。
また、息子の運命的な恋愛を描く “Wherever You Are” は小野“SHO”正利と SYU の才能が見事にシンクロした一つのハイライトと言えるかも知れませんね。”SHO” よりも “小野正利” のペルソナにフォーカスした邦楽的なラブソングは、あまりに切なく、甘く、聴くものの過去の恋愛を脳裏に浮かび上がらせます。加えてアウトロの Gary Moore を思わせるエモーショナルでしかし巧みに起承転結を配置したリードギターは、さらに楽曲を遥かなる高みに導きます。
フレットポジションの異なる同音異弦チョーキングから、フルピッキングで加速しアルペジオにスケールを加えた独自のリックへと辿り着く刹那にはあまりの素晴らしさに、「やめて!!フェイドアウト!!しないで!!一時間でも二時間でも続けて!!」と叫ぶリスナーも多いはずです。
「テクニックを見せたい!という気持ちは最近は特に減退してて、トータルの音楽としてバランスを取りたいという気持ちが非常に強くなってます。」 テクニックと音楽の違いを浮き彫りにする SYU の言葉と演奏は、実際求道者故の凄みと説得力に溢れているのです。
アルバムを締めくくるのは、バンドの進化を見せつける目眩く二つの大輪、壮麗なる組曲。物語の最期はあまりに衝撃的。しかし GALNERYUS もストーリーもここが終着地ではないでしょう。アルバムは無垢なる胎動と共に、バンドの燦然たる未来と新たなるコンセプト作品を予感させて幕を閉じます。
今回弊誌では、SYU さんと FUMIYA さんにインタビューを行うことが出来ました。いつかは Wacken や Hellfest のヘッドラインを務めて欲しい。心からそう願わせるほどの感動がここにはあります。弊誌二度目の登場。GALNERYUS です、どうぞ!!

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GALNERYUS “ULTIMATE SACRIFICE” : 10/10

INTERVIEW WITH SYU & FUMIYA

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Q1: First of all, would you tell us about the timing and the opportunity to continue making the successor of your amazing concept record “Under The Force of Courage”?

【SYU】: Actually, at the time of the previous work I thought about making a sequel next, but I did not say it because of various circumstances, haha
But as I intended, this time the story of the continuation from the previous work will be developed, I was able to make it again as a concept album!

Q1: 前作 “Under The Force of Courage” リリース時のインタビューでは、「続編ある無しに関わらず」 と語っていただきましたが、結果として最新作 “Ultimate Sacrifice” があの壮大なコンセプトアルバムの続編となりました。
まずは続けて続編を制作しようと思われた時期ときっかけについて話していただけますか?

【SYU】: 実は前作の時点で次は続編を作ろうと思ってたんですが、色々な事情もあって言いませんでした(笑)
しかし狙い通り今回は前作からの続きの物語が展開される、またまたコンセプト・アルバムにする事が出来ました!

Q2: In the interval since your previous release, long time drummer, Jun-ichi left the band. Could you tell us about his departure and your thought?

【SYU】: As for Jun-ichi ‘s departure, it was actually hidden from view for several years.
It was due to the difference in the stance to the band, but we had a very peaceful discussion.
I like Jun-ichi and I also respect him as a drummer.
Unfortunately we’ll go to another path, but I’m proud that he will remain there forever as for he has left a wonderful performance in all past works!!

Q2: 前作からのインターバルで、2003年からバンドの要として不可欠な存在であったドラマー Jun-ichi さんの脱退がありました。
「バンドとして目指したい活動ペースとJun-ichiのそれに温度差が生じている」 「音楽性の相違だとか性格の不一致等から起こるトラブルとは無縁の結果」というステートメントでしたね。
SYU さんにとっては長い間共に戦って来た戦友のような存在だと思いますが、改めて彼の脱退について、その想いを話していただけますか?

【SYU】: Jun-ichi さんの脱退については、数年前から実はその傾向は見え隠れしていました。
バンドに対するスタンスの違いによるものでしたが、極めて平穏なディスカッションを重ねていました。
僕は Jun-ichi さんの事が好きだし、ドラマーとしても尊敬しています。
残念ながら袂を分かつ事にはなってしまいましたが、過去全ての作品において素晴らしい演奏を残してくれた事はずっとこの先も残るので誇りに思ってます!

Q3: FUMIYA who is active in UNLUCKY MORPHEUS, THOUSAND EYES, etc. was appointed as a successor of Jun-ichi. Why did GALNERYUS choose him? Also, how did FUMIYA feel about the appintment?

【SYU】: A few years ago I got acquainted with FUMIYA introduced by my friend.
Then I entered the studio with him as a session, I was familiar with his personality and also as a drummer, as a very wonderful person, and above all, I also knew FUMIYA liked GALNERYUS very much.
So when Jun-ichi ‘s departure from the band made us in great danger, I asked him. There was only FUMIYA as a new drummer, and he gratefully agreed. I really appreciate him.

【FUMIYA】: It was surprisingly pressure and pleasure beyond that.
As I was pursuing GALNERYUS since their debut, I have been aware of the position and importance of this band in the metal scene, of course, so as a member I ‘ll join the band, it would also give me the heavy pressure.
But, even after grasping all of the situation in my head, I still remember that my heart was about to explode with the joy of joining such a great band

Q3: 後任には UNLUCKY MORPHEUS, THOUSAND EYES などで活躍する FUMIYA さんが指名されました。GALNERYUS はなぜ彼に白羽の矢を立てたのでしょう? また FUMIYA さんはその話を聞いた時、どういったお気持ちになりましたか?

【SYU】: 数年前から知人の紹介で FUMIYAと知り合いまして。
それから遊びのセッションでスタジオに入ったりして、人柄的に、そしてドラマー的にも極めて素晴らしい人間だという事は熟知してましたし、何より、FUMIYA は GALNERYUS の事をすごく好きでいてくれてた事も知ってました。
だから Jun-ichi さんの脱退というバンドの大いなる危機の時、新たなドラマーとしてお願いできるのは FUMIYAしかいない、と迷いなくお願いしたところ、快く承諾してくれました。感謝しています。

【FUMIYA】: とんでもないプレッシャーと、それを上回る喜びですかね。
GALNERYUS をデビュー以来ずっと一人のファンとして追っていましたので、メタルシーンにおけるこのバンドの立ち位置や重要さは勿論認識しておりましたし、そこに自分がメンバーとして加入するということは、それ相応の重圧も圧し掛かるであろう、と。
ですけど、それらを全て頭の中で把握した上でも、やはりそんなバンドから声を掛けてもらったという嬉しさで心臓が爆発しそうだったことは今でも覚えております。

Q4: When you were writing the story of “Ultimate Sacrifice”, do you have any particularly inspired events, news, works?

【SYU】: I am constantly watching movies and dramas with stories of a world view like this one.
Because I intend to understand well the part of the story’s transformation and departure, I set the goal of making it a story that does not slacken,
I built up a story that came floating from inside of me.
I think that there are still a lot of immature parts, but I wrote the story with utmost effort.
Especially my favorite movies are “Braveheart”, as you mentioned, “Lord of the Rings” movies, Russell Crow ‘s “Gladiator”.
Drama like “Super Natural” etc. I guess!

Q4: そういった経緯を経てリリースされた最新作 “Ultimate Sacrifice” ですが、偉大な “Under The Force of Courage” の続編として完璧な音楽とストーリーを誇りますね!今回は、タイトルにもありますが、正義を貫くための自己犠牲というものがテーマとして一つ大きく存在するように感じました。
ストーリーに関しては、例えば三国志とか、アニメで言えばキングダムとか、映画で言えばブレイブハートやキングダムオブヘブンのような一大スペクタクルですね。”Ultimate Sacrifice” のストーリーを書くにあたって、特にインスピレーションを受けた出来事やニュース、作品はありますか?

【SYU】: 僕自身は常に、今作のような世界観のストーリーを持つ映画やドラマを沢山観てます。
物語の起承転結という部分はよく解っているつもりなので、中弛みしない物語にするという目標を掲げて、自分の中から浮かんで来たストーリーを組み上げていきました。
まだまだ未熟な部分は沢山あるかと思いますが、精一杯物語を書きました。
特に好きな映画は、仰る通りのブレイブハートやロードオブザリング系の映画、ラッセルクロウのグラディエーターなどです。
ドラマはスーパーナチュラルなどが好きですね!

Q5: There is no proper name in the story this time again, and it is drawn with the expression “the son of the former hero” or “he” “president”. Why don’t you give each character a name?

【SYU】: The reason why I didn’t give a name to the characters in the story is that I wanted to make sure that everybody who touches this work did not get caught in a fixed concept.
Sometimes, I myself thought that it might be better if they had a name, but as I was discussing with a producer, it became a conclusion that this style would expand the listener’s imaginations.
So it is very pleasant to give your own name to them, everyone who touched this work.

Q5: 今回は、前作の主人公の息子がストーリーを紡ぎます。前作からそうであるように、今回も物語に固有名詞はなく、”前主人公の息子” や “彼” “総統” という表現で描かれています。なぜ、各キャラクターに特別な名前を与えなかったのでしょうか?

【SYU】: 物語の中のキャラクター達に名前を与えなかった理由は、本作に接して下さる皆さんが固定概念に囚われないようにしたかった、という事が1番強いですね。
僕自身は名前があっても良いかと思ったりした時もありましたが、プロデューサーとディスカッションしていくうちに、名前は敢えて与えない方が聴いて下さる皆さんの想像力が広がるであろうという結論になりました。
ですので、この作品に接して下さった皆さん自身が、好きに名前をつけて下さると非常に嬉しいです。

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Q6: So, FUMIYA, Could you tell us about your influences from drummers and musicians?

【FUMIYA】: In talking about my music, immersing spirituality, the influence of YOSHIKI of X JAPAN is really huge.
I’ve been X Japan fan since about 7 years old because of my sister’s influence, and when I first saw the drums, it was his 2 bus set. And that connected to my own huge drum set.
From a more player-oriented perspective, I respect Mike Portnoy (ex. DREAM THEATER). He can built a song by drum play, and the energy on the stage is amazing. Also I had a great influence from the cymbal work of Peter Wildoer (DARKANE) and Aquiles Priester (ex.ANGRA, now HANGAR).
Of course I also love Bobby Jarzombek, but I can not play strangely like him, haha.
And since I was playing the piano from early childhood, there has been a clause that I’ve caught drums as melody instruments rather than percussion instruments for a long timd. So, in the songs (especially fill-in) with small caliber toms and effect cymbals etc. I always conscious to add colors.
In that sense, SHONO’s of ROUAGE also influenced me so much.

Q6: さて、”Wings of Justice” は象徴的ですが、突っ込み気味でグイグイとバンドを引っ張っていく FUMIYA さんのドラムスはバンドの新たな武器となっていますね。手数の多さやアイデア豊富なフィルインに RIOT の Bobby Jarzombek を思い出したりしました。
FUMIYA さんが影響受けたドラマーやミュージシャンについて話していただけますか?

【FUMIYA】: 自分の音楽を語る上で、精神性という意味では X JAPAN の YOSHIKI さんの影響は計り知れないです。
姉の影響で7歳くらいの頃からずっとXファンでして、初めて目にしたドラムという楽器が既に2バスセットだったのも、今の自分の点数の多いドラムセットに繋がっています。
もっとプレイヤー的な観点になると、Peter Wildoer (DARKANE) や Aquiles Priester (ex.ANGRA, 現HANGAR) のシンバルワークにはとても影響を受けましたし、Mike Portnoy (ex. DREAM THEATER) は曲を構成していくドラミングやステージ上で発散されるエネルギーが凄まじいなぁといつも感じます。
勿論 Bobby Jarzombek も大好きです、あそこまで変態なことは出来ないですが(笑) 。
それと幼少期よりピアノをやっておりましたので、そのせいか昔からドラムも打楽器ではなくメロディ楽器として捉えている節がありまして、小口径のタムやエフェクトシンバルなどで曲中(特にフィルイン)に彩りを添えることは常々意識しております。
そういった意味では ROUAGE の SHONO さんの影響もかなり大きいですね。

Q7: When FUMIYA’s playing on GALNERYUS, which part was the most difficult part of the adjustment, what is the part that was unexpectedly fitting?

【FUMIYA】: Because I am asked for a long busy two bass drum hits so long as I have never experienced before. So, I feel that it is a hard work for me if I do not grasp more tricks. I feel that my body may not have endure at the beginning of the rehearsal.
I have experienced bands that have kept stepping on two bass drums so far, but GALNERYUS is an amount comparable anywhere, and the ensemble also involves complicatedly, so I guess I should do something for that.
I reviewed the setting of the kick pedal and the shoes when playing … Originally I played in barefoot, so I review that choice and adjust it by running before the tour.
There was also a scene where they ask for volume. So I increased my weight 7 kg after joining GALNERYUS.
Thanks to that, it has come to be said that the sound has grown even in other sites.
Although it is an unexpected part, it seems that my own cymbal work and the fill-in of filling type are harmful to the sound of the band so far without discomfort.
Originally I liked this band and I copied drums without permission, so even if I bring the habit from that time to the band as it is.
It seems recently that I was hit hardly with a sense of incompatibility, since I was aware of my standing position in this band a little while from that time.

Q7: FUMIYA さんが GALNERYUS でプレイするにあたって、最もアジャストに苦労した部分、逆に予想外にハマった部分はどのあたりでしょう?

【FUMIYA】: 今までに経験したことのないような長時間の2バス連打を求められるので、そこに対しては苦労というか、もっとコツを掴まないと体が持たないかもなぁと初めの頃のリハでは感じましたね。
これまでにも2バスを踏み続けるようなバンドは経験してきましたが、ちょっと GALNERYUS は何処とも比較できないくらいの量で、かつアンサンブルも複雑に絡んでくるのでこれは何とかしないとなぁと。
キックペダルのセッティングの見直しやプレイする際の靴…元々は裸足でやってましたので、そのチョイス、ツアー前には走りこみなどして調整しております。
それと音量を求められる場面もありましたので、GALNERYUS に加入してから7キロほど体重を増やしました。
お陰で他の現場でも音が大きくなったと言われるようになりましたね。
予想外にハマッた部分ですが、自分の持ち味としているシンバルワークや詰め込むタイプのフィルインは今のところ違和感なくバンドのサウンドにハマッているのかなぁと。
やはり元々このバンドが好きで、勝手にドラムをコピーなんかしていましたので、その時からの手癖をそのままバンドに持ってきても違和感なくハマることが多いのは、きっとその頃からこのバンドでの自分の立ち位置を少しでも意識しながら叩いてきていたんだなぁと、最近になって思いますね。

Q8: I first listened to the album without looking at credits, but I quickly understood that “With Sympathy” is YUHKI’s songs. I imaged the ELP with the song. Is there a tribute part to Keith Emerson?

【SYU】: Certainly I think there is a tribute feeling for Keith Emerson.
YUHKI really likes Keith, and I think that the influence will be released to the world as great music through Yuhiki ‘s filter in the future.

Q8: まずクレジットを見ないで通してアルバムを聴いたのですが、”With Sympathy” が YUHKI さんの楽曲であることはすぐにわかりました。非常に勇壮かつファンタジックで EL&P をイメージしたのですが、Keith Emerson に対するトリビュート的な部分はあるのでしょうか?

【SYU】: 確かに Keith Emerson へのトリビュート的な感覚はあると思います。
YUHKI さんは Keith の事が凄く好きだし、これからもその影響は YUHKI さんというフィルターを通し、素晴らしい音楽として世に放たれると思います。

Q9: Where Ever You Are “is a very romantic and highly appropriate Japanese expression that is paired with” Chain of Distress “of the previous work. It may not be a very appropriate expression, these songs are typically “Ono Masatoshi”. And it seems that these songs are all established as part of Galneryus. Is there a part that his voice guides you to the Japanese Rock taste of these songs?

【SYU】: Even though any song can be said, this song is can not be described without Ono’s singing ability.
Since the voice of Ono had already been ringing in my head since making a demo, it was very easy to make.
Even in recording, Ono was able to listen to singing more than that, according to that image. I like the artist solo work of “Masatoshi Ono” very much, so there is no filter depending on the song, I want him to sing as it is very strong.

Q9: Where Ever You Are” は前作の “Chain of Distress” と対を成すような非常にロマンチックで邦楽感の強い、あまり適切な表現ではないかも知れませんが “小野正利” 的な楽曲ですよね?
前回のインタビューでは、「自分達がやりたい事をするのが、「らしさ」に繋がる」と仰っていましたが、こういった楽曲も GALNERYUS の一部としてすっかり定着したように思えます。
小野さんの存在が SYU さんにこういったテイストの楽曲を導いている部分はあるのでしょうか?

【SYU】: どの曲でも言える事ではあるんですが、この曲は特に小野さんの歌唱力無しには語れない曲になっています。
デモを作る時から既に小野さんの声がバンバン頭の中で鳴っていたので、とても作りやすかったです。
レコーディングでも、小野さんはそのイメージ通り、いや、それ以上の歌唱を聴かせてくれました。僕は「ソロの小野正利」というアーティストもとても好きなので、曲によっては何のフィルターもなく、そのまま歌ってほしい気持ちがとても強いですね。

Q10: Could you tell us what you have newly challenged with techniques, phrases, riff work this time?

【SYU】: I recorded this guitar parts with ESP’s new SYUNAPPER.
It’s a wonderful instrument that expresses my feelings obediently, so the guitar is a lifetime thing.
Basically, since the vocal is the main part of my songs. I think that the guitar has very prominent parts, but in myself the meaning of decorating songs is strong.
It was only tapping and playing fast because it was sought by the song, that’s it.
Recently the feeling that “I want to show techniques!” has declined especially. I want to balance as total music.

Q10: アルバムは “Brutal Spiral of Emotions”, “Ultimate Sacrifice” という2曲の壮大な組曲で大円団を迎えます。
エモーショナルかつテクニカルなリードプレイ、ダイナミックでプログレッシブ、時にコンテンポラリーなリフワークなど、特にこの2曲にはギタリスト SYU さんの今が詰まっているように感じました。
今回、テクニックやフレーズ、リフワークで新たにチャレンジしたことを教えていただけますか?

【SYU】: 今回のギターはESPの新たなる愛器、SYUNAPPERで録音しました。
僕の気持ちを素直に表現してくれる素晴らしい楽器なので、コレは一生モノですね。
基本的に僕の作る曲は歌が主体になっているので、ギターは非常に目立つ部分は多いかと思いますが、自分の中ではあくまで歌に対する飾り付けの意味合いが強いです。
タッピングであったり、速弾きであったりは、曲が求めていたので弾いた、それだけですね。
テクニックを見せたい!という気持ちは最近は特に減退してて、トータルの音楽としてバランスを取りたいという気持ちが非常に強くなってます。

Q11: Is there a further sequel existence at the moment, a concept of a trilogy work etc?

【SYU】: Yes, this album also ends like to be continued again …haha.
I have already decided what will happen to the next work, but leave it to your imagination, hahaha.
But I’m fine with great expectations! And I will just say!

Q11: 前回のインタビューでもお尋ねしたのですが、”Ultimate Sacrifice” もアルバムはEで解決せずDで幕を閉じ、胎動のようなSEが流れます。
奇しくも SYUさんによるストーリーも 「そして自治区の娘の胎内には、新たな命が宿っていた。」 で終わっていますが、現時点でさらなる続編の存在、三部作の構想などはあるのでしょうか?

【SYU】: はい、このアルバムはまたしてもTo be continued..な終わり方をしますね(笑)
次作がどうなるかは既に決めているのですが、ご想像にお任せします(笑)
しかし大いに期待はして下さって大丈夫!とだけは言っておきます!

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FIVE RECENT FAVORITE ALBUMS

TWO STEPS FROM HELL

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僕自身は基本的に自分のアルバムしか聴いてないです(笑)
音楽を聴くときは、映画を観ている時にバックで流れる音楽、要はサントラなどが好きですね。
“Two Steps From Hell” はすごく良いですね。
他だと、日本のテレビ番組で流れてる様な盛り上がりのある音楽にも触れて、それらの良さを見出す事を常に心掛けております。
(SYU)

FALLUJAH “THE FLESH PREVAILS”

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SikTh “DEATH OF A DEAD DAY”

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DIR EN GREY “ARCHE”

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KALAFINA “FAR ON THE WATER”

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UNLUCKY MORPHEUS “LIVE 2017”

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(FUMIYA)

MESSAGE FOR JAPAN

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【SYU】: As this tour is Fumiya’s nationwide tour from the first work, I think that we want to strengthen our sense of unique time feeling more and more.
And above all, I’d like to make such a live event that audience will come back home with full of satisfying.
I will do my best performance, let’s have fun together!

【FUMIYA】: Unlike the first tour by subscribing to the band, this time it is a tour that attracted the CD that I played the drum this time, I am suddenly motivated.
I made a new album with the maximum “Garnery” love I can have, but I think these songs will show different expressions by overlapping live performances.
We will share that situation with audiences and make it a better band sound, please look forward to it!

【SYU】: 今回のツアーはFUMIYAが入って初作品からの全国ツアーなので、今の我々ならではのタイム感や阿吽の呼吸などをどんどん強固にしていきたいなぁと思っています。
そして何よりも、来て下さったお客様が胸いっぱいになって帰れるような、そんなライブに毎回していきたいと思っています。
GALNERYUSの音楽に触れて良かった!と心から思ってもらえるようなパフォーマンスをしますので、一緒に楽しみましょう!

【FUMIYA】: バンドに加入して1発目のツアーとは違い、今回は自分がドラムを叩いた音源を引っ提げてのツアーということで、俄然やる気でみなぎっております。
自分の持てる最大限のガルネリ愛を込めて新しいアルバムを作りましたが、ライブを重ねることでこの曲達がまた違った表情を見せていくかと思います。
その様子をお客さんと共有し更に良いバンドサウンドにして参ります、どうぞお楽しみに!

SYU & FUMIYA

“JUST PRAY TO THE SKY CHAPTER Ⅱ” TOUR 2017

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ツアーの詳細はこちらから。
10/27(金)仙台 MACANA
open18:30/start19:00
お問い合わせ:NEWS PROMOTION TEL:022-266-7555(平日11:00~18:00)
10/29(日)札幌 cube garden
open16:30/start17:00
お問い合わせ:SMASH EAST TEL:011-261-5569
11/11(土)大阪UMEDA CLUB QUATTRO
open17:00/start18:00
お問い合わせ:キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888(全日10:00~18:00)
11/17(金)福岡DRUM Be-1
open18:30/start19:00
お問い合わせ:BIG EAR ANTS TEL:092-712-4221(月~金/11:00~18:00 第2・第4土曜日/11:00~15:00)
11/20(月)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
open18:30/start19:00
お問い合わせ:キャンディープロモーション岡山 TEL:086-221-8151(月~金11:00~18:30)
11/21(火)広島SECOND CRUTCH
open18:30/start19:00
お問い合わせ:キャンディープロモーション広島 TEL:082-249-8334(月~金11:00~18:30)
11/23(木祝)名古屋 ElectricLadyLand
open17:30/start18:00
お問い合わせ:BIG EAR ANTS TEL:092-712-4221(月~金11:00~18:00/第2・4土11:00~15:00)
11/25(土)松本Sound Hall a.C
open17:30/start18:00
お問い合わせ:FOB新潟 TEL:025-229-5000
11/26(日)新潟 studio NEXS
open17:30/start18:00
お問い合わせ:FOB新潟 TEL:025-229-5000
12/22(金)東京TOYOSU PIT
open18:15/start19:00
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999
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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENDON : THROUGH THE MIRROR】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA OF ENDON !!

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“Catastrophic Noise-metal” Outfit ENDON Has Largely Eluded The Attention Of The Broader Western Underground Music Scene With New Extreme Masterpiece “Through The Mirror” !!

DISC REVIEW “THROUGH THE MIRROR”

エクストリームミュージックの光彩にして特異点。東京から世界を見据えるノイズの狂信者 ENDON が、シーンに “救い” という名の不可逆性をもたらすマスターピース 『THROUGH THE MIRROR』をリリースしました!!
「ENDON はメタルという言葉でイメージする音楽の領域を拡大する役目の一端を担っていると思います。言い換えれば私にはメタルの延命措置に関わっているという認識があります。」 と語る彼らの欲望は、残酷なまでに率直です。
ボーカル、ギター、ドラム、そして2名のノイズマニュピレーターを擁する ENDON。ノイズをその多様なソングストラクチャーへ大胆不敵に織り込む彼らの方法論は、エクストリームミュージックの最先端にあると言えます。
罪深きノイズの濁流 CODE ORANGE, ハードコア/グラインドのハイブリッドエクストリーム FULL OF HELL、そして ENDON。奇しくも等しくその最新作を CONVERGE の巨匠 Kurt Ballou に委ね、ノイズというキーワードで繋がる三傑は、創造性という核心において他の追従を許してはいませんね。
中でも ENDON が特異点であるべきは、インタビューにもあるように、彼らがノイズを “主人公” として扱っている部分だと言えるでしょう。勿論、エクスペリメンタルな極北たるデビューフル 、ノイズを中心に据えた “母盤”『MAMA』はその具象にして直接的な証です。しかし、ノイズを楽器の一つとして扱い楽曲を “構築” することで、よりロック/メタルのフォーマットへと接近した “父盤” 『THROUGH THE MIRROR』においてもその信念は揺らぐことすらありませんでした。
ENDON にとってノイズとは “有機性” の象徴なのかも知れません。つまり、音符や調に囚われないノイズは自由な胎動、母性。逆に緻密な楽曲の構築、音楽的な束縛は父性。二性の融合によりフォーカスした『THROUGH THE MIRROR』は、ENDON という稀代のバンドが産み落とした寵児だと言えるのではないでしょうか。
こうした変化、父性の強調をセルアウトと断じることは無意味です。那倉氏が 「私は「悟り」という言葉もあまり好きではありません。私は「悟り」を「去勢」と言い換えます。」 と語ったように、バンドは “去勢” とは対極に位置するマスアピールを欲しているのですから。
アルバムオープナー、6分間のノイズの弾幕、ブラストの洪水、地獄の責め苦 “Nerve Rain” をある種の踏み絵としたレコードは、実際アグレッションとカオス、エモーションとキャッチーさが奇跡のバランスで均衡を保つインテンスの塊です。
“Your Ghost is Dead” “Born in Limbo” を聴けば今回、特に彼らの獰猛さの一端をブラックメタルやハードコアのテクスチャーが支えていることに気づくはずです。歌詞を持たないボーカリスト、那倉太一の阿鼻叫喚は言語をも凌駕し、ギターやリズムと対等にレイヤーされたノイズのグラデーションは有機的にその残虐性を高めていますね。
殊更、 起伏が増し、繊細なる “オアシス” が存在感を放つ終盤の24分間は圧巻です。”Perversion ‘Till Death” における全てを破壊するかの如き非業の質量、修羅なる重量感は、狂気の狭間に挿入される仄暗くも耽美なるクリーンギターを伴って、スラッジーというワードのみで形容するにはあまりに背徳的で異端な世界観を作り上げています。
プリミティブなパンクのエナジーで疾駆するタイトルトラック “Through the Mirror” がメジャーキーで解決した刹那、世界はその色を変えます。”Torch Your House” で開花するエセリアルなムード、ノイズの宇宙、多幸感とさえ表現可能なサウンドスケープは、ポストロックやポストパンクの美麗なるイメージ、アンビエンス、崇高さを伴って作品に稀有なるコントラストをもたらし物語を締め括るのです。
アルバムを通してギタープレイヤー、宮部氏のルーズでクールなブルーステイストが、作品に更なる彩り、魅力を加えていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、那倉太一氏にインタビューを行うことが出来ました。8/23からは FULL OF HELL, THE BODY, FRIENDSHIP の日本ツアーが始まりますが、ENDON も8/27に出演が決定しています。インタビューで、「小説が歌詞を補完しているという関係ではありません。」 と明言していますが、太一氏の弟、悦生氏が全ての楽曲タイトルに対応する小説を著しています。実に興味深い内容なので併せてぜひ。どうぞ!!

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ENDON “THROUGH THE MIRROR” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【tricot : 3】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH tricot !!

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The Best Girls Trio On Earth, tricot Makes Math-Rock Great Again With Their New Milestone “3” !!

DISC REVIEW “3”

日本のマスロック/ポストロックのランドマークとなった歴史文化都市、京都から世界へと進出し快進撃を続けるガールズトリオ tricot が時代を切り拓く一撃 “3” をリリースしました!!ポップ、パンク、そしてプログまで取り込んだ前人未到の方程式は世界を驚かせるに充分なインパクトを纏っています。
日英米同時リリースとなった最新作 “3” は、インタビューにもあるようにバンドが最も自由を謳歌した「何でもアリ」な作品に仕上がりました。ドラムス komaki♂ 脱退後リリースされた “A N D”, “KABUKU EP” は共に数名のサポートドラマーたちと共に制作されましたが、今作ではライブのサポートも務める吉田雄介氏がほぼ全ての楽曲でプレイ。フレキシブルにトリオの意思に反響するセンシブルなドラムスを得て、バンドはその野性味と知性を最高の形で開花させたと言えるかも知れませんね。
勿論、変幻自在なリズム、マスマティカル(数学的)な変拍子の洪水がシンボルとなり、特に海外では “マスロック” “Math-rock” と称される tricot の音楽ですが、多彩を極めるのはリズムだけではありません。”3″ で確かに実現したカラフルで鮮やかな楽曲群、世界観はしなやかにバンドの成熟、進化を伝えています。
また、tricot のその自由な実験精神は CD のパッケージングにも表層化しています。ブックレットもアートワークもなく、透明のケースにただ “3” と書かれただけのミニマルパッケージ盤(1500円)と同時に、クリエイター・チョーヒカルとのコラボレーションによるアートボックス、999枚限定デラックス盤(4500円)を用意。「今通常盤として世に出されている形が果たして今もみんなにとって通常であるのか」。拡散するリスナーの要望と改革の進まぬ音楽産業の落差に疑念を抱き、一石を投じるバンドのチャレンジは実に潔く、大いに賞賛されるべきでしょう。
アルバムオープナー、園子温監督のオリジナルドラマに使用された “TOKYO VAMPIRE HOTEL” を聴けば、tricot がロックの持つ原衝動とインテリジェンス、そしてポピュラリティーをナチュラルに凝縮させていることに気づくはずです。楽曲の持つインテンシティー、パンキッシュな衝動、コンテンポラリーな展開は AT THE DRIVE-IN をも想起させ、その凄みはポストハードコアの領域へと達していますね。
進化の証である、ファストでアグレッシブな2分30秒が過ぎ去ると、バンドは別の顔を見せ始めます。メロディックでキュートな “WABI-SABI” はバンドの真骨頂であり、”TOKYO VAMPIRE HOTEL” の素晴らしきカウンターとして存在しています。tricot らしいポップなヴァースに色を添える楽器隊のコーラス、ハーモニーは楽曲に極上のアトモスフィアをもたらし、同時に生々しいサウンドプロダクションとリズムアプローチの妙は “マスポップ” のパイオニアであることを高らかに宣言しているのです。
実際、椎名林檎のリリカルなムードを内包する “節約家” にも言えますが、2人のギタープレイヤーが創造するインテンスは峻烈で、その意外性に満ちた休符の配置、スタッカートの切れ味、テンションノートの煌めきは作品のコアとして揺るがぬ存在感を放っています。
ダンサブルな “よそいき”、ジャズの息吹を吸い込んだ “DeDeDe”、ボーカルエフェクトや中国語まで活用した “ポークジンジャー” と実にバラエティーに富み色とりどりの作品において、トリッキーなバンドの魅力は “18, 19″ で最高潮に達します。
インタビューで語ってくれた通り、「やりたいこと詰め込んで全部やってやろう」という意気込みで制作されたチャレンジングな楽曲は、実に複雑怪奇。異なるイントロとコーラスのリズムに加え、突然のストップ&ゴーが多発する変則リズムの氾濫は、tricot のクリエイティビティとテクニックを完膚無きまでに見せつけています。特にアクティブでダイナミックなベースラインは群を抜いていますね。
さらにイントロのリズムを注意深く数えれば、”9・9・10・9″ と進行していることに気づくはずです。つまり、”18, 19” とは楽曲の拍子を表しており、タイトルや歌詞、そしてその淡いメロディーから不安定な青春時代の恋愛を想像するリスナーを見事煙にまいているのです。平然と宿された衝撃の”ダブルミーニング”。tricot の虜となる音楽ファンが後を絶たないのも納得ですね。
アルバムは、シンプルにスタートし徐々にコーラスやセブンスコードが重ねられて行く不思議で魅力的なポップチューン “メロンソーダ” でその幕を閉じます。人生を変えたアルバムを見れば分かる通り、貫かれるポップセンスは3人にとって不可欠で、そしてあまりに当然のものとして常に存在しているのでしょう。
今回弊誌では tricot の3人にインタビューを行うことが出来ました。4月には日本が誇るポストロック/ハードコアの祝祭 “After Hours” でプレイし、さらに8月には UK ポストロック/ハードコアの祭典 ArcTanGent への出演も決定しています。
余談ですが、「世に出回ってる tricot の楽譜はだいたい間違っている」そうなので、こちらも画期的な試み “目コピ動画” を公式ショップから購入してみるのも一興です。どうぞ!!

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tricot “3” : 9.9/10

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WORLD PREMIERE : “Absolutego”【Boris : DEAR】


WORLD PREMIERE !! “Absolutego” From Boris’s Upcoming Record “DEAR” !!

The Most Dynamic & Energetic Heavy Rock Trio From Japan, Boris Will Celebrate Their 25th Anniversary With New Studio Album “DEAR” !!

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この秋、結成25周年を迎えるBorisが “NOISE” (2014)以来3年振りとなる最新スタジオ・アルバム “DEAR” を7/12にリリースします!!絶え間なく動き続け、先鋭であり続けるBorisの‘今現在’がこの “DEAR” にあるのです。
アルバムは、日本先行発売(全世界:7/14)、日本盤のみ3曲収録のボーナス・ディスクを追加した2枚組仕様でリリース。
本作も自らの息遣いや空気の振動まで封じ込めるセルフ・レコーディングで吹き込まれ、長年パートナーシップを続ける中村宗一郎氏(坂本慎太郎、OGRE YOU ASSHOLE 他)がミックスとマスタリングを担当。サウンド・プロデュースは直近2作同様に成田忍氏が手掛けています。
さらにアートワークは、大友克洋氏や多数のアパレル・ブランドとのコラボレーションで知られるコラージュ・アーティスト/グラフィック・デザイナー河村康輔氏の手に依ります。
4月の『After Hours』にヘッドライナーの一角として登場した際には、殆どが本作から演奏され、ライヴ映えする楽曲と世界観は大きな評判を呼びました。
冒頭を飾る “D.O.W.N” や “DEADSONG” のヘヴィ&ドローンはBorisのシンボルともいえるスタイルですが、メロディックなヴォーカルと多幸感を呼ぶ音の壁は、沈み込むヘヴィさとは一線を画すもの。ヘヴィを射抜いた先に拡がる音を体感したいですね。
最新ミュージック・ビデオとして公開された “Absolutego” は直感的反応を呼ぶロック・アンセム。ライヴ時にはアコーディオンもフィーチュアして聴かせる “Kagero” でも新しい表情が伺えます。そして、はかなさや切なさをまとった “Biotope” や “Dystopia” もまた Boris の真骨頂です。

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Boris “DEAR”

Disc one: DEAR
1. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise-
2. DEADSONG -詩-
3. Absolutego -絶対自我-
4. Beyond -かのひと-
5. Kagero -蜉蝣-
6. Biotope -ビオトープ-
7. The Power
8. Memento Mori
9. Dystopia -Vanishing Point / 何処へ-
10. Dear
Disc two: [日本盤ボーナス・ディスク]
1. More
2. Evil Perspective
3. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise- (Full Version)
レーベル:Daymare Recordings
2CD: DYMC-300 税抜価格:\3,200+税
3LP: DYMV-300 税抜価格:TBA
2017/7/12 日本先行発売 (全世界発売: 7/14)

Boris ARE:

92年より活動開始、96年にTakeshi、Wata、Atsuoという現在のメンバー編制へ。活動当初より自分達の居場所と方法論は自ら作り上げるスタンスで、ワールドワイドに展開。文字通り音を‘体感’するダイナミクスに満ちたライヴで熱狂的なファン・ベースを確立。そのパフォーマンスはナイン・インチ・ネイルズをも魅了し、USアリーナ・ツアーのサポートに抜擢。
断続的なスタジオ・セッションを通じ、ほぼ全て自ら録音する‘ひたすら音と向かい合うレコーディング’は、代表作『PINK』(05)、『SMILE』(08)、『NOISE』(14)をはじめとする30数作に及ぶフル・アルバム、サン O)))との共作『Altar』(07)他約20作品に及ぶコラボレーション作を産みました。『ニンジャスレイヤー フロムアニメイション』に書き下ろし新曲3曲と新録1曲を提供(15)したことも記憶に新しいですね。
また映画『リミッツ・オブ・コントロール』(09)『告白』(10)へも楽曲を提供、映像的と評されることが多い楽曲とのマッチングの良さで、音楽界以外でも注目を浴びています。
2013年より改めてゲスト・プレイヤーを含まない3人編成でのライヴ活動に主眼を置き、メンバー間の相互作用とバランスを更に強化。日本/北米/ヨーロッパ/オーストラリアを中心に行うワールド・ツアーは、現在も規模を拡大しながら2006年以降毎年行っています。
結成25周年を迎える2017年、最新スタジオ・アルバム『DEAR』を全世界同時発表。
Takeshi – Vocal, Bass & Guitar
Wata – Vocal, Guitar & Echo
Atsuo – Vocal, Drums, Percussion & Electronics
Boris “DEAR” 特設サイト
Boris Facebook Page
Boris Official Site
Daymare Recordings Official Site

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【川口千里 / SENRI KAWAGUCHI : CIDER ~Hard & Sweet~】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SENRI KAWAGUCHI !!

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20 Years Old Drum Maestro, Sernri Kawaguchi From Japan Has Just Released Hard & Sweet Fusion Record, “Cider” !!

DISC REVIEW “CIDER ~Hard & Sweet~”

“手数姫” こと女子大生スーパードラマー、川口千里が遂にメジャーデビュー作 “CIDER ~Hard & Sweet~” をリリースしました!!二十歳の節目にメンバーを固定して望んだ成長著しい快作は、まさに茫々と広がる世界への確かな切符となるでしょう。
インタビューにもあるように、5歳でドラムと運命的な出会いを果たし、8歳であの “手数王” 菅沼孝三氏に師事を始めたという彼女の物語は、さながら現代のお伽噺のごとく素敵な奇跡と共に幕を開けました。12歳で挑んだプレイスルー動画の総再生回数は4000万回に迫り、世界的なドラム関連サイト “ドラマーワールド” では世界のトップドラマー500に撰されるなど、もはやその存在はワールドワイドに熱い視線を浴びていると言えますね。
すでにインディーズで2枚のソロ作品をリリースしている川口千里。しかしその活躍は自身のリーダー作のみに留まりません。E-girls, Guthrie Govan のライブをサポートし、Lee Ritenour とも共演。さらには 映画 “さらばあぶない刑事” のサウンドトラック、ももいろクローバーZのアルバム “AMARANTHU” にも参加するなどその素晴らしくジャンルを股に掛けた活躍により、彼女はしっかりと自身の軌跡を刻んで行っているのです。
「20歳を記念するアルバムなので、大人をイメージしつつ爽やかな若さもあるタイトル」「私のドラミングの “Hard” な部分も “Sweet” な部分も両方感じてほしい」 という理由から名付けられた3作目のリーダー作 “CIDER ~Hard & Sweet~”。アニバーサリーの冒険で彼女がキーパーソンに指名し絶大な信頼を置いたのが、Philippe Saisse でした。THE ROLLING STONES, David Bowie から David Sanborn, Al Di Meora まで数多の巨人と共演しそのアレンジを手がけて来た、フランスの偉大なキーボーディストにしてコンポーザー、プロデューサーは自身のグループ PSP の “S” を Simon Phillips から Senri Kawaguchi に翻しその力を貸すことにも吝かではありませんでした。
アルバムオープナー “FLUX CAPACITOR” は “バックトゥザフューチャー”、時代を行き来する作品の予告編でしょうか?フュージョンがスムーズジャズと呼ばれる以前のクロスオーバーなエキサイトメントとフリーダムを掲げつつ、同時に Philippe のポップなセンスを活かすクリアーなプロダクションとモダンなテクニックを内包する楽曲は瑞々しさに満ちています。ゴーストノートやハイハットの細かな刻みまで隈なく見渡せるサウンドの透明度は本当に群を抜いていますね。
Philippe のビンテージな機材から繰り出されるキャッチーなテーマは、川口千里の刻々と拍子を移すダイナミックなリズムワークに牽引され、万華鏡のように鮮やかな広がりを見せて行きます。Pino Palladino の代役として参加したカメルーン生まれのテクニシャン Armand Sabal-Lecco は、低音域から高音域までフレキシブルなベース捌きを披露し、Philippe の Jan Hammer を想起させるスリリングなソロワークと相まってギターの不在を感じさせませんね。トリオのタイトなグルーヴがダブルタイムへ移行すると、そのカタルシスはさらに加速しロックの衝動をさえ孕みながら音のユーフォリアを創造していくのです。
マリンバを使用し野性的な雰囲気を演出する “Wupatki”、彼女自身が作曲を行ったロマンチックなバラード “Longing Skyline” を挟んで訪れる “Do Do Ré Mi” はアルバムのハイライトと言えるかもしれませんね。ジャズスタンダードの古典ようにスタイリッシュに幕を開ける楽曲は、突如その舞台を現代的なフュージョンへと移します。アルバムに収録するのが初めてとは思えないほど堂にいった4ビートから6/8拍子へと切り替わるその魔法の瞬間はリスナーに音楽の “楽しさ” を運ぶはずです。”間”を大切にしたという彼女の言葉通り、スティック一閃、バンドがピタリと完全に音を止める瞬間はあまりにクールで川口千里というコンダクターの実力を存分に見せつけています。
さらに 「現場での化学反応が想像以上に凄かった」 と語るように、楽曲終盤のサンバをベースとした、ドラムスがリード楽器に思えるほど壮絶なインタープレイは、”Ginza Blues~intro~” や “Senri and Armand Groove” と並んで “手数姫” の面目躍如であり、同時にメンバーの個性、そしてトリオのケミストリーが結実した得難き刹那だと感じました。
インタビューでフュージョンを音楽の “交差点” と位置づけた千里さんの想いを乗せたアルバムは、奇しくも個性的な三者の道が交差した証である “In Three Ways” でカラフルに幕を閉じました。「単なるスムーズジャズじゃない」という言葉に込められたプライドをしっかりと実現した充実の51分。
今回弊誌では、川口千里さんにインタビューを行うことが出来ました!世界を見据えつつ、同時に現役女子大生らしいかわいらしい部分も垣間見えると思いますよ。どうぞ!!

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SENRI KAWAGUCHI “CIDER ~Hard & Sweet~” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【heaven in her arms : 白暈 / WHITE HALO】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KENT & KATSUTA OF heaven in her arms !!

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PHOTO: Taio Konisi

One Of The Most Dynamic Post-Hardcore Act From Japan, heaven in her arms Has Just Released Gorgeous and Awe-inspiring New Record “White Halo” !!

DISC REVIEW “白暈”

トリプルギターが映し出す濃密なシネマと、アーティスティックで詩的なリリックが交錯する東京のポストハードコアアクト heaven in her arms が実に7年ぶりとなる待望のフルレングス “白暈” を Daymare Recordings からリリースしました!!アートワークにも顕在する “White Halo”、白く差しそめし光芒の暈は、バンドの黒斑を侵食し遂にはその枷をも解き放ちました。
変化の予兆、耽美でアンビエントなイントロダクション “光芒の明時” が燭明のごとくリスナーを “白暈” の世界に導くと、作品は “月虹と深潭” でその幕を開けます。
激烈なトレモロの嵐はまさに深潭、エセリアルなクリーンパートはまさに月虹。前作 “幻月” で提示された、ひたすら深淵をのぞき込むがごときスラッジの閉塞はポストブラックの冷酷へと姿を移し、繊細で艶美なアルペジオは闇夜に映る月輪のように、”浄化” という名の詩情豊かなサウンドスケープをもたらします。
Kent の絶唱と朗読のコントラストは楽曲に豊潤な文体を与え、終盤に観せるリードギターとドラムスの知的で瑞々しいアプローチは風雅をすら運んでいますね。
「今回は”黒い”イメージを脱却したかった」 と Kent が語るように、闇と絶望を宿した黒を基調とするバンドの色彩に仄かな燐光をもたらしたのは、7年間の集大成とも言える “終焉の眩しさ” だったのかも知れません。
COHOL とのスプリットに収録された “繭” と “終焉の眩しさ” を融合し再録したこの名編は、狂気と正気を行き来する壮大な表現芸術です。Katsuta が「heaven in her arms ってどんなバンド?と聞かれた時に “終焉の眩しさ”はその答えとして分かりやすい」 と語るようにまさにバンドを象徴する名曲は、静と動、光と闇、絶望と救済が混淆するダイナミックな激情のドラマとして中軸に据えられ作品の趨勢を決定づけているのです。
奇数拍子と偶数拍子がせめぎ合う “終焉の眩しさ” の根幹はキャッチーとさえ言えるほどフックに満ち溢れたドラムスのアイデアに支えられ、同時にバンドのシグニチャーサウンドであるトリプルギターは轟音、アルペジオ、そして妖艶で耽美なメロディーを宿した極上のリードプレイを奏でます。
「ハーモニーに関して他のバンドとは一線を画したい」 と語るように、heaven in her arms のアンサンブル、コンポジションは決定的でプログレッシブと言えるほどに精密だと言えるでしょう。
実際、heaven in her arms はハーモニーのみならず、その巧みなリズムアプローチにおいても他のポストハードコアバンドと一線を画しています。パイプオルガンの荘厳な響きを “枷” として綯う “円環” は、”5″と”6″のリフレインが異国のメロディーを紡ぐ異形のロンド。ワルツに移行し踊るクラシカルな旋律は静謐も激情も平等に愛し、7年の月日で養ったバランス感覚を洗練という軌跡へと昇華させているように思えます。
“終焉” の先に見据えたものは何でしょう?ブラックゲイズの領域へと侵入したアルバムクローサー、11分のマボロシ “幻霧” では、儚き祈り、悲痛な叫びが霞む海霧の中、確実に希望という一筋の光がリスナーの元へと届くはずです。ワルツで始まりワルツに終わる45分。しかしどこか冷ややかな”光芒の明時” と “幻霧” の仄かな光明を比較した時、そこに更なる深淵が現れるのかも知れませんね。
今回弊誌では、Kent さん(Vo, Gt)と Katsuta さん(Gt)にインタビューを行うことが出来ました。先日出演を果たした日本が誇るハードコア/ポストロックの祭典 “After Hours” についても語ってくれました。どうぞ!!

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heaven in her arms “白暈” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【Li-sa-X : Serendipity】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Li-sa-X !!

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12-Year-Old Young Shred Muse From Japan, Li-sa-X Has Just Released Her Amazing Debut Album “Serendipity” !!

DISC REVIEW “SERENDIPITY”

日本に舞い降りた、若干12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X が記念すべきデビュー作 “Serendipity” をリリースしました!!穢れなき天使が紡ぐ圧倒的なフレーズの数々は、世界に賛嘆の嵐を巻き起こしています。
幼少時から父親のプレイを子守唄として育った Li-sa-X は、インタビューにもあるように、5歳で本格的にギターを手にします。8歳であの Paul Gilbert に認められ、オンラインギターレッスンに特待生として招待されたというのですから、天賦の才が備わっていることに疑いの余地はないでしょう。
実際、投稿したパフォーマンス動画は世界中のギター/ロック・ファンを驚愕させ瞬く間に400万回以上の再生を記録。これまでに「へヴィメタルの未来を担う天才少女10人」(米MTV)や「将来が楽しみな名キッズ・ギタープレイヤー10選」(米VH1)、「今年(2014年)最も話題の動画1位」(米ギター・ワールド誌)などに選出されるという快挙を演じてきたのです。しかし彼女は慢心することなく日々進化を続けて来ました
。”素敵な偶然”、”予期せぬ幸運” といった意を宿す “Serendipity” というタイトルには、これまでの出会い、応援、優しさ、幸運に対する Li-sa-X からの大きな感謝が込められているのです。
アルバムは、Li-sa-X 初のオリジナルトラックにして作品のタイトル名を冠した “Serendipity” で幕を開けます。ダイナミックなリフワークにファストなリック絡める師匠 Paul Gilbert 譲りのテクニカルなテーマは、マイスター Guthrie Govan を想起させる奔放にアウトするフレージングをも伴いながらマジカルな瞬間と至上のエキサイトメントを運びます。正確なピッキングから生み出されるクリエイティブなアイデアの洪水は、12歳らしい遊び心や瑞々しい感性と一級品のテクニックを包含し、世界に新たなギターヒロインの堂々たる誕生を告げているのです。
“温故知新”。Li-sa-X が演奏家、ミュージシャンとして優れている点はその一言に集約されます。ゲストに迎えた Paul Gilbert, POLYPHIA。さらに “人生を変えた5枚のアルバム” を見れば分かるように、Mr. BIG から PERIPHERY、Guthrie Govan から Jason Richardson まで、世代を超えた色彩豊かな影響はしっかりと彼女の宇宙に血肉として根づいています。実際、トラディショナルな Instru-metal に思える “Serendipity” の中にも、中間部にはモダンで美麗なアトモスフィアをさらりと織り込み、楽曲に立体感を創出しているのですから、その感性の柔軟さには驚くばかりですね。
童謡にプログレッシブで大胆なアレンジを施したアルバムクローサー “アルプス一万尺” は、彼女の未来を約束する楽曲にも思えます。ピアノやヘヴィーリフを巧みに配置し目まぐるしくも耳を惹きつけ離さない、万華鏡のようにカラフルな一曲には、スマートかつキャッチーな清新なるギターの可能性、POLYPHIA ともシンクロするモダンな感覚が息づいています。
クリケットやハーモニクスを巧みに使用し、ニュアンスやアーティキュレーションにまで強く拘った演奏からは、”聴かせる” こと、”楽曲” にプライオリティーを置いた Li-sa-X のギターに対する凛とした考え方が伝わりますね。オリジナルを増やすという彼女の決意も実に楽しみです。
Li-sa-X ワールドへの素晴らしき招待状となった “Serendipity”。今回弊誌では彼女にインタビューを行うことが出来ました。最近ではCMでもお馴染みとなりましたね!どうぞ!!

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Li-sa-X “Serendipity” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

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This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

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ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

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KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

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RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

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VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

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the cabs “一番はじめの出来事”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

ichika

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WHISPERED : METSUTAN – SONGS OF THE VOID】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOUNI VALJAKKA OF WHISPERED !!

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Powerful Fusion Of Melodic Death Metal and Japanese Traditional Music, Unstoppable Finnish Samurais Strike Japan Again With The Epical Tribute To Japanese Culture, “Metsutan – Songs of the Void” !!

DISC REVIEW “METSUTAN – SONGS OF THE VOID”

フィンランドの侍、歌舞伎メタルの求道者 WHISPERED が遥かなる時空を超えて北欧と日本を繋ぐ待望の新作 “Metsutan – Songs of the Void” をリリースしました!!NHKに取り上げられ注目を集めている今、素晴らしいタイミングで2度目の来日も決定し、彼らが最もインスピレーションを受けてきたこの舞台で千両役者へと登り詰める準備は整いました。
WHISPERED ほど日本を前面に押し出して世界的な成功を収めたメタルバンドは、これまでほとんど存在しないと言えます。故に、琴や三味線など和楽器をメインに据え、日本古来のヨナ抜き音階をキャッチーでキラキラのスカンジナビアンメタルの中で大胆に使用。歌舞伎の隈取を施したビジュアルで、日本人でも知らないような深い古の伝承を巧みに表現するフィンランドの侍のやり方は、実に画期的で大きな可能性に満ちていますね。
アルバムはエピカルで壮大なイントロダクション、血のワルツに導かれし一撃必殺の “Strike!” で強烈に幕を開けます。CHILDREN OF BODOM を想起させるスリリングかつメロディックなゴーセンバークスタイルに、三味線をはじめとした和楽器の数々が自然にオーケストレートされ圧倒的な推進力で突き進む “Strike!” の一撃は、リスナーを一瞬で”滅譚”の世界へと連れ去ります。
“Sakura Omen” のシンフォニックなサウンドが生み出す高いドラマ性は、WHISPERED を数多のメロデスバンドたちと分かつ重要な個性です。まさに日本的な”侘び寂び”を理解しているかのような巧みな静と動の対比、荘厳なシンフォニーと激情のアグレッションの応酬は和楽器を組み込んで、桜の花に美しさのみならず儚さや死のイメージをも重ねることに成功しています。
一般的に桜は華やか、ゴージャスというイメージを懐く外国人がほとんどでしょう。しかし、まるで坂口安吾の”桜の森の満開の下”をイメージしたかのような和の情緒を宿す “Sakura Omen” は彼らが小手先だけの日本マニアではないことを証明していますね。
インタビューでも語ってくれたように、日本のゲーム音楽からも強く影響を受けている Jouni。宮本武蔵の決闘をテーマとした “Kensei” には”ロックマン 6″や”ロックマン X”のコンポーザー竹原裕子さんへのリスペクトが込められ、メロディーラインがオマージュとして使用されています。古き良き NORTHER や KALMAH の遺伝子とニンテンドーサウンドが見事にマッチした “Oriental-core” とも呼べるキラーチューンは、武士道に込められた想いと共にアルバムを代表する楽曲として強い輝きを放っています。
WHISPERED の作品は常にエピカルな10分を超える大曲で幕を閉じます。今回、彼らがそのテーマに選んだのが”江島縁起”でした。アートワークにも描かれる、江ノ島の起源に纏わる五頭龍の伝説をコンセプトとした “Bloodred Shores of Enoshima” は5部構成11分22秒の恋愛劇。美しき天女、弁財天に魅せられ悔い改めた五頭龍の物語を WINTERSUN が “Time I” で見せたような圧倒的構成力とシンフォニーでシアトリカルに現代へと再現しています。
アルバムを通して、壮大なオーケストレーションの中、ダブルギターと和楽器が影となり日向となりメインテーマとカウンターメロディーを行き来することで、作品には並々ならぬ立体感が生まれています。その立体感が極上のサウンドスケープをもたらした “Bloodred Shores of Enoshima” は、五頭龍が姿を変えた龍口山と弁財天が奉られる江ノ島の姿を描きながらも、同時に WHISPERED の中にある日本と北欧の姿をも一遍の曇りもなく露わにしているのです。
今回弊誌では、バンド唯一のオリジナルメンバーとなったギター/ボーカル Jouni Valjakka にインタビューを行うことが出来ました。来日は以前弊誌がインタビューを行った INSOMNIUM と5月!どうぞ!!

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WHISPERED “METSUTAN – SONGS OF THE VOID” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BAND-MAID : JUST BRING IT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KANAMI OF BAND-MAID !!

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Welcome Home, Master & Princess. Are You Ready For The Next Babymetal ?! OK, Just Bring It! Japanese Hard-Rock Maid Girls BAND-MAID Has Just Released Really Cool Debut Full-Length “Just Bring It” !!

DISC REVIEW “JUST BRING IT”

ロマン溢れるメイド服に身を包み、タイトな正統派ハードロックサウンドを継承する BAND-MAID が遂に待望のメジャーデビューフルレングス “Just Bring It” をリリースしました!!楽曲の幅を広げ、著しい成長を遂げたメンバーの全てが注ぎこまれた作品は、世界を制圧するに充分なクオリティーを備えています。
Babymetal が日本が生んだ最高の女性メタルアーティストであることは、METALLICA, GUNS’N ROSES との共演、世界の熱狂ぶりをみれば明らかでしょう。しかし同時に彼女たちを認めない、アンチの存在も少なからず目に付く事も確かです。
先日、海外大手”トゥルーメタル”系レーベルのパブリッシャーと話す機会があったのですが、彼は Babymetal について「アイコンとして華があり、バンドも素晴らしいね。だけど彼女たちは自ら楽曲を作らないし、演奏もしない。さらにどれだけメタルを愛しているのかについても疑問だね。」 と語っていました。おそらくこれが Babymetal アンチの総意だと思います。
弊誌は別段”トゥルーメタルマガジン”と言う訳でもありませんので、その高い楽曲のクオリティー、kawaii×metal の新たなアプローチ、モダンな視点、ハイレベルなパフォーマンス、そして何より世界が認めてしまっているという事実から、結果が全てを語るというスタンスです。しかし、確かに演奏も作曲も出来る新たなロックンロールヒロインが日本から生まれたとしたら、この日出づる国の音楽ファンはさらに誇れるものが増えるはずですね。
BAND-MAID はまさにその Next-Babymetal の可能性を大いに秘めたアーティストだと思います。実際、彼女たちがまずブレイクを果たしたのは海外のラジオ局からでした。Facebook で150万ものフォロワーを持つ巨大ラジオ局 “Jrock Radio” が “Thrill” の PV を紹介するやいなや、BAND-MAID の名は一気に海外へ広まることとなりました。”Thrill” の Youtube 再生回数は 400万に迫る勢い。さらに昨年は国内と併せて本格的なワールドツアーも成功させており、”結果”をみれば間違いなくワールドクラスのアーティストへと成長しつつあると言えるでしょう。
では、BAND-MAID はそのインパクトだけで注目を浴びたのでしょうか?答えは否です。確かにライブを「お給仕」と言い、ファンを「ご主人様」「お嬢様」と呼ぶ5人の可愛らしいメイドには仄かな出オチ感がフンワリと漂っているかも知れません。しかし、ギャップ萌え極まる硬派な “Just Bring It” を聴けばその実力が本物であることが伝わるでしょう。
Just Bring It…「かかってこいや!」と名付けられた自信に満ちた作品は、13曲中9曲がメンバーの手によるもので、その事実は”バンド” BAND-MAID としての強みを存分にアピールしています。
アルバムを通して、とにかくギターリフがクール。トラディショナルとモダンを行き来するツインギターはその確かなテクニックと共にフックとメロディー、アグレッションを提供し続けます。そこに緩急織り交ぜたカラフルなツインボーカル、骨太で強烈なスラップまでお見舞いするベースにダイナミックなドラムスが加われば、彼女たちの可能性が無限に広がっていることを感じるはずです。
“CROSS” は BAND-MAID の今を象徴するような楽曲です。彼女たちがすんなりと海外で受け入れられた理由の一つはそのブルーステイストかもしれません。アルバムを通して活躍するブルーノートの響きは特にUSのリスナーにとっては非常に馴染み深いもの。しかし BAND-MAID はしっかりと J-Rock 由来のキャッチーさやギミックを同時に織り込んでオリジナリティーを創出しています。見事なフックを生む転調とシンコペーション、ブルージーなギターリフ、耳馴染みのよいメロディー、シンガロングパート。”CROSS” は端的に BAND-MAID の長所を物語っていますね。
加えて、マスロックテイストさえ感じさせるプログレッシブな “Awkward” は “CROSS” と対極に存在し新鮮な驚きをリスナーに与えます。ストリングを効果的に使用したこの感動的なピースは BAND-MAID の未来をチャレンジングスピリットと共に明るく照らしているように思えますね。
おそらく日本のロックファンが思うよりも、海外の音楽シーンは現在 EDM, hiphop に席巻されています。ピュアなハードロック、メタルを渇望する”トゥルーファッキンメタラー”の逆襲が BAND-MAID に託されていることは間違いないでしょう。
今回弊誌では、ギタリストでメインコンポーザー KANAMI さんにインタビューを行うことが出来ました。Mr. Big を想起させるスリリングな “モラトリアム” や “YOLO” の流暢なリードプレイを聴けば彼女の驚異的な才能が分かるはずです。Welcome Home, Master & Princess! どうぞ!!

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BAND-MAID “JUST BRING IT” : 9.6/10

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