カテゴリー別アーカイブ: BEST NEW MUSIC

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CONFESS : EAT WHAT YOU KILL】BLOOD & PRIDE OF IRANIAN METAL


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NIKAN KHOSRAVI OF CONFESS !!

ALL PICS BY Camilla Therese

“Of Course Harsh Sentences Weren’t Convenient But I Took Pride For That! Cause It Meant That My Music And My Lyrics Are So Strong And Truthful That They Could Scare a Whole Regime. But At The Same Time It Was Stepping To The World Of Unknowns.”

GIVE BLOOD FOR THE MUSIC

「ポジティブな話をしようじゃないか。もちろん、過去も重要だけど新たなアルバム、新たなツアー、未来について話したいんだ。」
イランで不敬罪に問われノルウェーへと亡命したメタルソルジャー。CONFESS の魂 Nikan Khosravi とのコンタクトはそうして始まりました。Nikan と同様の状況に立たされた時、それでもあなたは過去よりも未来を見つめ、希望を捨てずにいられるでしょうか?
「被告を懲役12年、鞭打ち74回の刑に処す。」2017年、テヘランの裁判官は、冒涜的な音楽を作ったとして政権に起訴されたイランの有名メタルデュオ、CONFESS 2人のメンバーに判決を言い渡しました。特にシンガーでリードギタリスト Nikan “Siyanor” Khosravi(27歳)は、”最高指導者と大統領を侮辱した”、”反体制的な歌詞と侮辱的な内容を含む音楽を制作し世論を混乱させた”、”野党メディアのインタビューに参加した” として非常に重い量刑を受けることとなったのです。
“告白” と題されたデュオの “違法” なレパートリーは、イラン政府の反体制派に対する極端な不寛容さを狙撃する “Encase Your Gun “や、”ファック” をリベラルに使用した “Painter of Pain”、刑務所での地獄を綴る “Evin”など。
2014年、”In Pursuit of Dreams” をリリースした彼らはアルバムが出た数日後、イスラム革命防衛隊(IRGC)のエージェントに逮捕されました。罪状は? “冒涜、悪魔崇拝的なメタルやロックを扱う違法なアンダーグラウンドレーベルの結成と運営、反宗教的、無神論的、政治的、無政府主義的な歌詞を書いたこと”。
2人はイラン最凶の刑務所エヴィンに送還され、10日間独房で過ごした後、一般棟に移されました。解放されたのはそれから数ヶ月後、Nikan の両親が2人の保釈金として自宅を担保に差し出したのです。そして数年後、彼らは裁判にかけられ冒頭の判決が読み上げられました。
「実は最初は強制的に出国させられたんだ!そしてもう一つの理由は、目を覚まさせる率直な暴言というか意見を吐いたアーティストという理由だけで、10年以上も刑務所にいるのはフェアではないと感じたからだよ。どんなやり方でも、僕は刑務所の外にいた方が多くの人の役に立つことができると感じていたしね。」
しかし、センセーショナルな判決を受けたメタル世界の心配はある意味杞憂に終わりました。イランの政権も世界が監視する中で、この言論信教の自由に対する侵害をこれ以上大ごとにする気はなく、政権に牙を剥く狼への抑止力として象徴的な量刑を得られればそれでよかったのかもしれません。
そもそも、Nikan も語っているように、イランではたしかにヘヴィーメタルは禁止された違法な音楽ですが、それでもライブの許可が降りるバンドは存在しているのです。つまり、背教的で違法なメタル代表として迫害を受けたように思われた CONFESS ですが、その実は判決の通り政権への反抗と批判こそが真の迫害理由だったのでしょう。政権に擦り寄るか否かで決定される天国と地獄は、たしかに神の所業ではありません。
ただ、どちらにしても、イランが国民の表現の自由を厳しく制限していることは明らかです。ジャーナリストは今でも逮捕され続けていますし、公共の場で踊ったり顔を隠さなかっただけの女性も酷い罰を受けているのですから。つまり、抑圧的なイランの現政権にとって、芸術を通して自己や思想を表現する CONFESS のようなアーティストは格好の標的だったのです。
「僕は逮捕されたことを誇りに思っていたんだよ! なぜならそれは、僕の音楽と歌詞が非常に強力で真実味があることを意味していたからね。政権全体を脅かすことができたんだから。でも同時に、それは未知の世界に足を踏み入れることでもあったんだ。 」
そんなある種のスケープゴートとされた Nikan ですが、自らのアートが真実で政権に脅威を与えたことをむしろ誇りに思っていました。人生は常にポジティブであれ。そんな Nikan の哲学は、偶然にも彼を迫害されるアーティストの移住を支援する ICORN によってメタルの聖地ノルウェーへと導くことになったのです。
「僕らは今までスラッシュ、グルーヴ、デス、メタルコア、ニューメタル、ハードコアなどと呼ばれてきたけど、すべてを書いている僕自身でも自分たちが何者なのかよくわからないし、正直なところ何のレッテルを貼るべきなのかもわかっていないんだ。今でも新たな場所に行くための新たな要素を探しているからね!どんな楽曲でも、自分をより良く表現するための新しい “追加の” サウンドを今も探しているんだよ。」
ノルウェーで新たなメンバーを加えた Nikan は各メタル誌にて絶賛を受けた新曲 “Eat What You Kill” をリリース。激動のストーリーだけでなく、楽曲にもこれほど説得力を持たせられるのが CONFESS の凄みでしょう。SLIPKNOT も HATEBREED も PANTERA もすべてぶちこんだこの激音の黒溜まりはあまりに強烈。常に前を向き、新たな光を追い求める無神論者。血と誇り、そして文字通り人生すべてをかけたニューアルバム “Revenge At All Costs” の登場は目前です。すべてを賭けた復讐は、きっと過去を完全に断ち切る決意の叫び。
「僕が人間として2015年から今日まで経験してきた全てのことを書いていると言えるね。その期間に起こった全てのこと、会った全ての人について語っているんだ。このアルバムは間違いなく物語を語るアルバムであり、もちろん政治的なアルバムでもあるよ。」独占インタビュー。どうぞ!!

CONFESS “EAT WHAT YOU KILL” : 10/10

INTERVIEW WITH NIKAN KHOSRAVI

Q1: First of all, could you tell us how you found and got into metal in Iran, a country that is very intolerant of it?

【NIKAN】: I grow up in a family that art was always been respected and followed. My dad was a big Pink Floyd fan, so I knew what rock music is since I was a little child. Listening to The Wall record with my dad and all.
But when I finished the elementary school and started the senior high school I discovered Metal music through a friend who had a brother who was a metal head. So he kind of supplied me with some music for a while until I went after finding more on the Internet. At those years I decided to play guitar and later on I started Confess.

Q1: まずは、イランというメタルにおそらく不寛容な土地で、どのようにメタルと出会いのめり込んでいったのかお話ししていただけますか?

【NIKAN】: 僕は芸術が常に尊敬され、守られていた家庭で育ったんだ。父が PINK FLOYD の大ファンだったから、幼いころからロックがどんなものかは知っていたよ。父と一緒に “The Wall” のレコードを聴いたりしていたからね。
そうして小中学校を卒業して高校に入った時に、メタル好きの兄がいる友達の紹介でメタルを知ったんだ。ネットで色々調べてのめり込んでいくまでの間は、彼から音楽を教えてもらっていたんだよ。その頃にギターを弾くことを決意し、後に CONFESS を始めたんだ。

Q2: What was the hardest part of being in a band in Iran as Confess?

【NIKAN】: Probably not being legit like any other artist and staying what it’s called “Underground” forever! Specially if you have a music with a strong message in the lyrics which is anti-establishment like Confess. There are metal bands that can satisfy the government to take the permit for playing in some big venues, but we despite them! It’s act of betrayal to me… You can translate that into the philosophy of Wolves and Dogs! You know….

Q2: イランという国で CONFESS というメタルバンドを続ける中、最も大変だったことはなんでしたか?

【NIKAN】: おそらく他のアーティストのように合法的ではなく、永遠に “アンダーグラウンド “と呼ばれる存在に留まっていなければならなかったことだろうな!特に CONFESS のように、反体制的な歌詞に強いメッセージ性を込めた音楽をやっているならばなおさらだよ。
大きな会場での演奏許可を政府に納得してもらえるようなメタルバンドがいる一方で、それなのに俺達は!!…ってね。それは僕にとっては政府の裏切り行為だったんだよね…。つまりそれって、飼いならされた犬と野生の牙を持つ狼のどっちが勇猛か?って話だよね!

Q3: Could you talk about how you felt when you were arrested and sentenced, and why you decided to seek asylum in a foreign country?

【NIKAN】: Of course it wasn’t convenient but I took pride for that! Cause it meant that my music and my lyrics are so strong and truthful that they could scare a whole regime. But at the same time it was stepping to the world of unknowns.
The reason for getting out of my country was that I was forced to at first! And the other reason was that I didn’t feel that it is fair to stay in jail for more than a decade only for being a woke and outspoken artist. I felt no matter how, but I can be more useful for alot of people outside of prison. Even if I would be outside of my home!

Q3: 政府から逮捕され、刑を宣告されだ時の気持ちをお話ししていただけますか?亡命を決めたのはなぜだったんですか?

【NIKAN】: もちろん、好都合に感じたわけじゃないけど、僕は逮捕されたことを誇りに思っていたんだよ! なぜならそれは、僕の音楽と歌詞が非常に強力で真実味があることを意味していたからね。政権全体を脅かすことができたんだから。でも同時に、それは未知の世界に足を踏み入れることでもあったんだ。
自分の国を出た理由だけど、実は最初は強制的に出国させられたんだ!そしてもう一つの理由は、目を覚まさせる率直な暴言というか意見を吐いたアーティストという理由だけで、10年以上も刑務所にいるのはフェアではないと感じたからだよ。どんなやり方でも、僕は刑務所の外にいた方が多くの人の役に立つことができると感じていたしね。たとえ自分の国の外にいたとしてもね!

Q4: Why did you choose Norway as a place of exile? Are you more comfortable living and playing music now than you were in Iran?

【NIKAN】: I didn’t choose Norway! Norway choosed me actually. They took the initiative and sent me an invitation to come here and of course I’m glad to be here and being able to keep pursuing my dreams.
It is of course very different. More supportive system about any form of arts and alot more outlets for projecting that.

Q4: ノルウェーを亡命先に選んだのはなぜだったんですか?

【NIKAN】: 実は、僕がノルウェーを選んだわけじゃないんだ!ノルウェーが僕を選んだんだよ。彼らがイニシアチブをとって僕をノルウェーに招待してくれたのさ。もちろん、僕も今ここにいて、まだ夢を追えていて幸せだよ。
イランとノルウェーではもちろん全く状況が異なるよ。どんな形のアートであれ、ノルウェーの方がより協力的だし、需要も多いからね。

Q5: Are you still a Muslim? It was told that metal is blasphemous in Iran, do you agree with that notion?

【NIKAN】: I never was a Muslim. I had friends who were and they where very good friends of mine but I never believed in any religion. Never made sense to me! No it is not being considered as “a blasphemous music” as a whole! It depends what you have to say in your music. Because as I said there are so many rock/metal artists who are having difficulties to get permits for playing live but never been persecuted at any point.

Q5: あなたは今でもムスリムですか? メタルはイランでは神を冒涜する不敬な音楽とも言われていますよね?

【NIKAN】: 僕がムスリムだったことはないよ。イスラム教徒の友人はいたし、彼らはとても良い友人だったけど、僕はどんな宗教も信じたことがないんだよ。宗教は僕の中で全く意味を持たなかったんだ!
いや、イランでもメタル全てが “冒涜的な音楽” などとは思われていないよ! それは音楽の中で何を言いたいのかによるんだ。なぜなら、さっきも言ったけど、ライブをするための許可を得るのに苦労しているロック/メタルアーティストは非常に多く存在するけど、迫害されることはほとんどないからね。

Q6: It’s a new start for Confess, but did you find the band members in Norway? What did you like about them?

【NIKAN】: Yes, and we are working on Confess new album that I have been writing for almost 3 years! The album is called “Revenge At All Costs” and I hope it would come out until the spring of 2021.but we have released bunch of singles off of it which the feedbacks where crazy good! Also we are having our first tour on April 2021 and it starts from North of Norway which is pretty cool. Well, I like them because they’re my new brothers! That’s for sure. That’s why I shared my dreams with them so they’re pretty special to me.

Q6: ノルウェーで新たなスタートを切った CONFESS ですが、新たなメンバーもノルウェーで集めたんですよね?

【NIKAN】: そうだね、今は3年間書き続けてきCONFESS のニューアルバムを作っているところなんだ!”Revenge At All Costs” というアルバムで、2021年の春までに出したいね。これまでにシングルを何枚かリリースしたんだけど、そのフィードバックがすごく良かったから!
それに、2021年4月にノルウェー北部をかわきりに初めてのツアーを行うんだ。クールだよね!バンドの新たなメンバーは僕の新しい兄弟だから、彼らが好きだよ。それは間違いないね。だから僕は彼らと夢を共有してきたんだ。とても特別な存在だよ。

Q7: The new song, “Eat What You Kill,” is the coolest thing ever! Interestingly, Confess is often described as thrash metal, but there’s also a influence of hardcore, Nu-metal and Pantera in the new songs, right?

【NIKAN】: Yes, we have been called Thrash, Groove, Death, Metalcore, Nu-Metal/Hardcore before but I don’t know what we are really and to be honest don’t what to put any labels on it because me as the guy who wrote all the metrials to this day, I’m still discovering new things by going new places! Still looking for the new “additional” sound that helps me express myself better in any specific song. But yes, the influences are from all over the place! The greatests! I mean even the technics of lyrical Rap music inspires my pen. So I guess it’s not the easiest thing in the world to put Confess in a specific category and say that’s it! We’re this type of band because our next song is always unpredictable!

Q7: 最新曲 “Eat What You Kill’ は最高にクールですね!CONFESS はよくスラッシュメタルと表現されますが、ハードコアや Nu-metal, PANTERA などの影響も強く感じられますね?

【NIKAN】: そうだね、僕らは今までスラッシュ、グルーヴ、デス、メタルコア、ニューメタル、ハードコアなどと呼ばれてきたけど、すべてを書いている僕自身でも自分たちが何者なのかよくわからないし、正直なところ何のレッテルを貼るべきなのかもわかっていないんだ。
今でも新たな場所に行くための新たな要素を探しているからね!どんな楽曲でも、自分をより良く表現するための新しい “追加の” サウンドを今も探しているんだよ。
だから、そうだね、様々なものから影響を受けているよ! 偉大なアーティストたちからね! つまり、ラップのリリックの技術的でさえも、僕のペンにインスピレーションを与えてくれるんだ。 だから、CONFESS を特定のカテゴリーに分類して、そのジャンルだけだと言うのは、決して簡単じゃないと思うな!こんなタイプのバンドだから、次の曲はいつだって予測不能なんだ!

Q8: So, it seems your new record will be called “Revenge At All Costs”. Does this title reflect your past or your political ideology?

【NIKAN】: Definitely! That’s what it’s called what it is… It’s a statement in antmy aspects. The title says alot! Self-explanatory! But I can tell you that it’s about everything that I experienced since 2015 til now as a human. I talk about everything and everyone in it. It is definitely a story telling album a of course a political one by talking about start of all of this with simply making stand on an ideology!

Q8: 次のアルバムとなる “Revenge At All Costs” “どんな犠牲を払っても復讐してやる” ですが、このタイトルはあなたの過去や政治的思想を反映しているのでしょうか?

【NIKAN】: 間違いなくね! それが何かというと… 僕のステイトメントなんだよ。タイトルが全てを物語っているよね! わかりやすいね!
つまり、僕が人間として2015年から今日まで経験してきた全てのことを書いていると言えるね。その期間に起こった全てのこと、会った全ての人について語っているんだ。このアルバムは間違いなく物語を語るアルバムであり、もちろん政治的なアルバムでもあるよ。

Q9: From the Corona crisis to Black Lives Matter, and big climate change, this world is going through a turbulent time right now. Nevertheless, the world continues to be confronted by religious, ideological and ethnic differences. Do you think there is a hope?

【NIKAN】: It is an important question that takes a lot of talking but in this short time I can only say that we are failing at every stage of this what so called Human Evolution and if we don’t learn our listen, we are not going to last for a long time! We got to learn again how to co-exist and unlearn everything that media and the systems around the world told us because, look where we are now!
Hope? Yes, life thought me to always keep my hope but to keep open my eyes too! This is bad and we have to do something cause to me clock is ticking!

Q9: コロナ危機から BLM, 気候変動と世界は激動の時を迎えています。それでも、世界は宗教や思想、人種の違いによる争いをやめることはありませんね。希望はありますか?

【NIKAN】: それは多くを話すべき重要な質問だけど、僕がこの短い時間で言えるのは、僕たちはこのいわゆる “人間の進化” と呼ばれるもののすべての段階で失敗しているということだね。教訓から学ばなければ、長い間はもたないだろうな!
僕たちは共存する方法を再度学び、メディアや世界中のシステムが語るすべてのもの忘れる必要がある。これまでのやり方でどうなっているか、見ればわかるでしょ?
希望? そう、人生は常に希望を持ち続けるようにと教えてくれたけど、目を開き続けておくようにとも教えてくれた。悪いことが起こっているから、何かをしなければならない。時計は進み続けているんだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NIKAN’S LIFE

SLIPKNOT “IOWA”

SLAYER “WORLD PAINTED BLOOD”

LAMB OF GOD “WRATH”

PANTERA “VULGAR DISPLAY OF POWER”

HATEBLEED “SUPREMACY”

MESSAGE FOR JAPAN

First of all thank for reading this and thanks for the support of those who knew us from before and are listening to us and thanks for the attention of those who just heard about us here. Thank you guys too. We love you Japan! Great nation with a great history! We wish to see you soon. If you want us, we will be there… 乾杯!

まずはこのインタビューを読んでくれてありがとう。そして以前から知っていて聴いてくれている人、今ここで知ってくれたばかりの人も注目してくれてありがとう。
僕たちは日本を愛しているよ。偉大な歴史を持つ偉大な国! 近いうちに会えることを願っているよ。もし必要とされるなら、きっと駆けつけるよ…乾杯!

NIKAN KHOSRAVI

CONFESS Facebook Page
CONFESS Bandcamp

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WITHIN DESTRUCTION : YOKAI】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUKA VEZZOSI OF WITHIN DESTRUCTION !!

“I Believe The Metal Scene Is Slovenia Is Quite Strong But There Are Practically No Bands That Break Through Internationally Cause Nobody Has The Guts To Do That Important Step Of Saying “Fuck My 9-5 Job, I Wanna Do This For My Living”. You Need a Different Mindset If You Want Your Band To Succeed Internationally.”

DISC REVIEW “YOKAI”

「明らかに僕らは将来的にメインストリームにも進出したいと思っているから、トラップの要素を取り入れてよりメジャーな曲作りをすることは、その方向への第一歩だったんだ。もちろん、僕たちのようにやるには肝が座ってなきゃダメだけどね。人がどう思うかなんて気にしない。 自分たちがやっている音楽が好きであればそれで十分なんだ。」
東欧の小国スロベニアからスラミングデスの残忍王へと上り詰めた WITHIN DESTRUCTION は、バンド名が物語るように激烈な破壊衝動をその身に宿したまま、メインストリームの恍惚へと挑戦しています。
「スロベニアのメタルシーンは非常に強力だと思うんだけど、国際的にブレイクするバンドがほとんどいないんだ。それはね、『9時から5時の仕事なんてもうどうでもいい、メタルで生計を立てていくんだ!』ってガッツを誰も持っていないからなんだ。バンドで国際的に成功したいと思うなら、違う考え方、心の持ちようが必要なんだよ。当然、ハードな努力が必要で、経済的にも社会的にも多くの犠牲を払わなければならないんだよ。」
WITHIN DESTRUCTION に備わった無垢なる狼の精神は、人口200万の世界の狭間に生を受けたその運命と深く関連していました。ここから国際的にブレイクを果たすことがいかに難しいか熟知しているからこそ、WITHIN DESTRUCTION はその暴虐な世界を奔放に拡大していくのです。
「”Yokai” は大部分が日本の幽霊/悪魔である妖怪についてだね。平安末期に鳥羽上皇の寵姫であったとされる伝説上の人物、狐の化身 “玉藻の前” についての楽曲なんだ。彼女の美しさ、知性、そして狡猾さに焦点を当てているよ。あと、”Alone” はファイナルファンタジーの世界をベースにした楽曲なんだ。」
Unique Leader を離れ自らのレーベルを設立し、POLARIS のブレークにも一役買ったプロデューサー Lance Prenc を招聘したのは決意の現れでしょうか。メインストリームなデスコアサウンドやエレクトロニカ、トラップ、プログなどを加えスラミングデスメタルの領域を拡大する一方で、日本やアジアの伝統文化、アニメ、ゲーム, “Kawaii” からの影響を調合することにより、最新作 “Yokai” は邪悪と奇妙を両立させる文字通りエクストリームメタルの妖怪として魑魅魍魎の魅了を手にすることとなりました。
エレクトロニックでジャポネスクな “Yomi” は完璧なる冥府への入り口。そうして続くタイトルトラック “Yokai” で、メタルコアのリフにデスコアのヴァース、残忍なスクリームのコーラス、オリエンタルなメロディーと電子音の洪水を纏って新生 WITHIN DESTRUCTION に漂う妖気を存分に見せつけます。
ラッパーを起用した自殺志願のデスコアパーティー “Harakiri”、ニューメタリックな和の舞踏 “Hate Me” と、任天堂化した WITHIN DESTRUCTION のトラップメタルは彷徨う荒魂が浄化されるが如くバンドの狂骨へと浸透していきます。
そうしてアートの域まで高められたトラップメタルの百鬼夜行は、日本のヒップホップクルー Tyosin, Kamiyada+ が参加する “B4NGB4NG!!!” を皮切りに怪奇映画の終幕へ向けて進軍を始めます。インストゥルメンタルの “Sakura “では、プログメタルのイマジネーションで日本への憧憬を煽り、エレクトロニクスがアンビエントに鳴り響く “Tokoyo-No-Kuni “で文字通りリスナーは古代日本で信仰された不老不死の理想郷 “常世の国” へと導かれました。
今回弊誌では、バンドの心臓でドラマー Luka Vezzosi にインタビューを行うことが出来ました。「僕はゲームやアニメが大好きだから、ツアーで日本にいるときはいつも出来るだけ多くのオタクショップに行っているよ。日本には知られていないような小さなお店がたくさんあって、存在すら知らなかったようなものを見つけることができるからね。唯一の問題は、買ったものをどうやって飛行機で家に持ち帰るかということなんだ。」 どうぞ!!

WITHIN DESTRUCTION “YOKAI” : 9.9/10

INTERVIEW WITH LUKA VEZZOSI

Q1: 1. From the Corona crisis to Black Lives Matter, and big climate change, this world is going through a turbulent time right now. First of all, what’s your perspective about the situation?

【LUKA】: We were never a political band, I personally am very apolitical as well. All I can say is every human being should always strive to do what’s best for all other people and the environment. We’re all equal.

Q1: コロナ危機から Black Lives Matter、そして気候変動が引き起こす災害と、世界は激動の時を迎えていますね?

【LUKA】: 僕たちは決して政治的なバンドではないし、個人的にも非常に政治的とはいえない人間なんだ。
ただ僕が言えることは、全ての人間は常に他の全ての人や環境にとって最善のことをするように努力すべきだということだね。僕たちはみんな平等なんだから。

Q2: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【LUKA】: Within Destruction was created in 2010 by me and Rok (vocalist). We were in a high school cover band together before, but we soon decided we want to make our own music. In the beginning we’ve been listening to a lot of bands like As I Lay Dying, The Black Dahlia Murder, At the Gates, Lamb of God and so on, so we’ve mostly been making melodic death metal, but when we started discovering bands like Suicide Silence, Chelsea Grin, Whitechapel, we knew we wanted to go in that direction. From then on the band has been constantly evolving the sound.
The first bands that introduced me to rock/metal music were The Offspring, Slipknot, Limp Bizkit and CKY.

Q2: 本誌初登場です。まずはたなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【LUKA】: WITHIN DESTRUCTION は2010年に僕と Rok (ボーカル)が結成したんだ。以前は高校のカバーバンドで一緒に活動していたんだけど、すぐに自分たちの音楽を作りたいと思うようになったんだよ。
最初の頃は AS I LAY DYING, THE BLACK DAHLIA MURDER, AT THE GATES, LAMB OF GOD といったバンドを聴いていたからメロディックなデスメタルを作っていたんだけど、SUICIDE SILENCE, CHELSEA GRIN, WHITECHAPEL を発見した時に、自分たちはその方向に進みたいと思ったんだ。それ以来、バンドは常にサウンドを進化させてきたね。
最初にロック/メタル音楽を紹介してくれたバンドは、THE OFFSPRING, SLIPKNOT, LIMP BIZKIT, CKY だったね。

Q3: I don’t know much about Slovenia, what kind of country is it? Regarding Slovenian metal, we remind MetalDays big festival, is metal thriving in your country?

【LUKA】: Slovenia is a very small country, only 2 million people live here, so you can imagine how hard it is for a band to break through internationally. Other than that it’s very peaceful and nature is the thing everyone cares and talks about the most.
Metaldays is a very awesome festival. If you want to go on a vacation and have some metal along it, you should definitely visit. The scenery there is amazing and it’s unlike any other festival I’ve ever visited.
I believe the metal scene is Slovenia is quite strong but there are practically no bands that break through internationally cause nobody has the guts to do that important step of saying “Fuck my 9-5 job, I wanna do this for my living”. You need a different mindset if you want your band to succeed internationally. It’s something you have to work very hard on and you need to make a lot of financial and social sacrifices if you want to do it.

Q3: スロベニアのメタルといえば、MetalDays フェスティバルが有名ですよね?

【LUKA】: スロベニアはとても小さな国で、200万人しか住んでいないから、バンドが国際的にブレイクするのがどれだけ大変か容易に想像できると思うよ。それ以外ではとても平和で、みんなが一番気にしているのは自然のことだし、話題の大半も自然についてなんだ。
Metaldays はとても素晴らしいフェスだよ。もしバカンスに行って、それとともにメタルを楽しみたいと思っているから、絶対に訪れるべきだよ。景色も素晴らしいし、今まで行ったことのある他のフェスとは違うはずだからね。
スロベニアのメタルシーンは非常に強力だと思うんだけど、国際的にブレイクするバンドがほとんどいないんだ。それはね、「9時から5時の仕事なんてもうどうでもいい、メタルで生計を立てていくんだ!」ってガッツを誰も持っていないからなんだ。バンドで国際的に成功したいと思うなら、違う考え方、心の持ちようが必要なんだよ。当然、ハードな努力が必要で、経済的にも社会的にも多くの犠牲を払わなければならないんだよ。

Q4: You’ve been to Japan twice now. What do you like about Japan? Did that experience lead you to this new album with a Japanese theme?

【LUKA】: I think the question should be what I do not like about Japan haha (before you ask, it’s seafood, I don’t like seafood at all haha). There’s so many things I like about your country. Obviously the culture is at the top, I love gaming and anime stuff, so whenever we’re in Japan I think I visit the most shops on tour.Rok is obsessed with Final Fantasy, if you want to know anything about that game you should ask him haha! I’ve played a lot of old school Super Nintendo games like Mario, Zelda, etc. From newer ones I really like Yakuza series and Ghost of Tsushima.There’s so many obscure small shops where you can find stuff you never knew even existed! The only problem I have later on is how to get all the stuff I buy back home on the plane haha.
Yes, our experience of Japan and asian culture was definitely the main reason why we wanted to do this new album the way we did it.

Q4: WITHIN DESTRUCTION はこれまで日本に二回訪れていますが、その時の経験が今回日本をテーマとしたアルバムに繋がったのでしょうか?

【LUKA】: 日本の好きなところより、好きじゃないところを探した方が早いよね。シーフードだけは全くダメなんだ。(笑)
日本の好きなところはたくさんあるよ。日本の文化はその中でも一番だよね。僕はゲームやアニメが大好きだから、ツアーで日本にいるときはいつも出来るだけ多くのオタクショップに行っているよ。Rok はファイナルファンタジーの大ファンだからゲームのことならなんでも聞けばいいさ。(笑)
僕は昔のスーパーファミコンだね。スーマリとかゼルダとか。新しいのだと龍が如くとか “Ghost of Tsushima” だね。日本には知られていないような小さなお店がたくさんあって、存在すら知らなかったようなものを見つけることができるからね。唯一の問題は、買ったものをどうやって飛行機で家に持ち帰るかということなんだ。
そう、日本とアジアの文化を経験したことが、今回のアルバムをこういう形で作りたいと思った主な理由なんだよ。

Q5: Yokai is, of course, kind of a traditional Japanese ghost. In the MV of “No Way Out”, you use Japanese animation “Kimetsu No Yaiba”, right? haha. What kind of stories did you tell on this album around yokai?

【LUKA】: The song Yōkai holds most references to Yōkai demon-ghosts. It talks about tamamo no mae aka demon fox, her beauty, intelligence and cunningness. Alone for example is based on the Final Fantasy universe. Some songs are not connected entirely to the japanese/asian culture and some have very subtle references that you need to find

Q5: “Yokai” とはもちろん日本の妖怪を指していますよね? “No Way Out” には鬼滅の刃のアニメーションも登場しますし。

【LUKA】: そうだね、”Yokai” は大部分が日本の幽霊/悪魔である妖怪についてだね。平安末期に鳥羽上皇の寵姫であったとされる伝説上の人物、狐の化身 “玉藻の前” についての楽曲なんだ。彼女の美しさ、知性、そして狡猾さに焦点を当てているよ。
あと、”Alone” はファイナルファンタジーの世界をベースにした楽曲なんだ。日本とアジアの文化に完全には関係していない曲もあって、そうやって微妙な関連性を見つける必要のある曲も存在するんだ。

Q6: Also, Ryo from Crystal Lake makes a guest appearance on the album, right? You seem to be very kindred spirits with him, don’t you?

【LUKA】: We love Ryo and Crystal Lake, but unfortunately we haven’t had the chance to see each other in person yet or talk about anything outside the project we were working on. Hope that changes in the future.

Q6: 日本といえば、CRYSTAL LAKE の Ryo さんがゲスト参加を果たしていますね?

【LUKA】: そうなんだ。僕たちは CRYSTAL LAKE と Ryo が大好きなんだけど、残念ながらまだ個人的に直接会って、仕事以外のことを話す機会はないんだけどね。もっと仲良くなれたらいいね。

Q7: “Harakiri” and “Sakura” (Jason Richardson is incredible!) are notable, we can also feel the influence of traditional Japanese music. Do you listen to such traditional Japanese music, Japanese metal and J-pop?

【LUKA】: Yes, I listen to a lot of J-pop (although I’m more fan of K-pop haha), J-rock and Japanese trap. Sadly I haven’t been exposed to enough Japanese metal yet so that’s something I need to explore more (Babymetal is kawaii though). For traditional japanese music I mostly listen to that when I play games or when I work and I need to be calm.

Q7: “Harakiri”, “Sakura” のような楽曲には日本の伝統音楽からの影響も感じられます。普段日本の音楽は聴きますか?

【LUKA】: うん、J-Pop はたくさん聴いているよ。ただし、K-Pop の方がもっと聴いているんだけど (笑) それに J-Rock とトラップもね。残念ながら、日本のメタルはまだ探求できていないから、もっと知る必要があるね。
Babymetal はカワイイよね。ゲームや仕事中、ちょっと落ち着きたい時には日本の伝統音楽を聴くんだ。

Q8: Why do you seek to diversify the genre of slamming death metal without fear of criticism by adding more mainstream deathcore sounds, electronica, hip hop and trap to your music?

【LUKA】: We never bother with what people think. As long as we love the music we do, that’s good enough for us. If people love it as well, that’s perfect!
I think it takes big balls to do what we did, cause a lot of bands make mistakes (according to listeners). Suicide Silence self titled album for example.
Obviously we want to break through into the mainstream as well in the future, so including trap elements and more mainstream songwriting was our first step in that direction. We are confident in what we do and we believe that Yokai was executed perfectly in our minds.

Q8: “Yokai” では、メインストリームなデスコアサウンドやエレクトロニカ、トラップ、プログなどを加えて、スラミングデスメタルの領域を拡大していますね? もちろん批判も存在すると思いますが…

【LUKA】: 人がどう思うかなんて気にしない。自分たちがやっている音楽が好きであればそれで十分なんだ。そうしてみんながそれを気に入ってくれれば、完璧なんだけどね!
もちろん、僕たちのようにやるには肝が座ってなきゃダメだけどね。多くのバンドが(リスナーから見れば)間違いを犯すからね。 例えば、SUICIDE SILENCE のセルフタイトルアルバムのように。
明らかに僕らは将来的にメインストリームにも進出したいと思っているから、トラップの要素を取り入れてよりメジャーな曲作りをすることは、その方向への第一歩だったんだ。
自分たちのやっていることには自信があるし、”Yokai” は自分たちの頭の中が完璧に実行されたと思っているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LUKA’S LIFE

SLIPKNOT “SLIPKNOT”

SATYRICON “NOW, DIABOLICAL”

TRAVIS SCOTT “ASTROWORLD”

BRING ME THE HORIZON “SUICIDE SEASON”

AS I LAY DYING “SHADOWS ARE SECURITY”

MESSAGE FOR JAPAN

どうもありがとうございます
We love Japan and we can not wait to be back and play some awesome shows for you lovely people <3

どうもありがとうございます。日本を愛しているから、また戻って素晴らしい日本の人たちのためにショーをやるのが待ちきれないね!

LUKA VEZZOSI

WITHIN DESTRUCTION Facebook
WITHIN DESTRUCTION Official
WITHIN DESTRUCTION Bandcamp

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INGESTED : WHERE ONLY GODS MAY TREAD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JASON EVANS OF INGESTED !!

“The Problem Before Is That a Lot Of The Bands That Were Around When Ingested Started Just Didn’t Stick It Out Through The Bad Times, The Years When Metal Wasn’t Quite As Popular. It’s Nice To See The Scene Flourishing Again, When The UK Metal Scene Is In Full Swing, It’s One Of The Best In The World.”

DISC REVIEW “WHERE ONLY GODS MAY TREAD”

「今の UK シーンには本当に才能があって努力しているバンドがたくさんいるからね。英国において問題だったのは、INGESTED が始まった頃にいたバンドの多くが、メタルがそれほど人気がなかった悪い時代を乗り越えようと頑張らなかったことなんだ。」
LOATHE, VENOM PRISON, EMPLOYED TO SERVE, SVALBARD。2020年。デスメタルの強烈なカムバックを支え、デスコアの鋭き毒牙を研ぎ澄ますのは、疑問の余地もなく英国の若武者たちです。そうして様々な手法で音楽のリミットを解除し、境界線を排除する重音革命を最前線で牽引するのが INGESTED だと言えるでしょう。
「”デスコア” でも “スラム” でも何でもいいんだけど、僕たちはもう自分たちを狭いジャンルに押し込めたいとは思わないんだ。ただ、僕たちのアルバムがデスメタルのジャンルの多さを物語っているのは間違いないと思う。このアルバムにあるのはどんなエクストリームメタルのファンでも何かしら愛せる部分を見つけられる影響ばかりなんだから。」
たしかに、かつて “UK のスラムキング” と謳われた4銃士がここ数年で遂げたメタモルフォーゼの華麗さには、眼を見張るものがありました。特に、アトモスフィア、ブラッケンド、そしてメロディーのロマンチシズムを吸収したEP “Call of the Void” には次なる傑作の予感が存分に封じられていたのです。
「子供時代は完全に SLIPKNOT キッズだったんだ。”Iowa” は僕の時代で、僕の子供時代全てなんだ。FEAR FACTORY や LAMB OF GOD, PANTERA, CHIMAIRA なんかが大好きだったけど、中でも SLIPKNOT は僕の人生を変えてくれたバンドで、”Iowa” を聴いてからずっとメタルバンドになりたいと思っていたのさ。」
完成した最新作 “Where Only Gods May Tread” は予感通り、メタル世界の誰もが認めざるを得ない凄みを放っています。結局、INGESTED がメタルに再び人気を取り戻し進化へ導くための努力、多様性の実現、言いかえれば彼らの底なしの野心は、自らの心臓が送り出す凶暴な血潮をより赤々と彩るドーピングの素材にしかすぎませんでした。まさに摂取。まさに消費。真実は、根幹である暴力と狂気に対する圧倒的心酔、ルーツへの忠誠こそ、バンドの信頼性を極限まで高めているのです。
実際、オープナー “Follow the Deciever” からその無慈悲な残虐性はなんの躊躇いもなくリスナーへと襲い掛かります。ただし、INGESTED の拷問方法、地獄の責め苦は非常に多岐に渡り周到。知性際立つグルーヴの氾濫、唸り吸い叫ぶ声色の脅威、アコースティックやオリエンタルで演出するダイナミズムの落とし穴。つまりリスナーは、全身に猛攻を浴びながらも、常に新たな被虐の快楽に身を委ねることができるのです。
それでも、CROWBER/DOWN の Kirk Windstein が歌心の結晶を届ける “Another Breath” に対流するメロディーのきらめきは INGESTED にとって新たな出発点の一つでしょうし、なによりプログレッシヴで紆余曲折に満ち、ビートダウンの猛攻が蠢く過去とより思慮深くメロディックにアトモスフェリックに翼を広げる未来とのギャップを見事に埋める9分のエピック “Leap of the Faithless” はモダンメタルの可能性を完璧なまでに証明する一曲となりました。
今回弊誌では、七色のボーカル Jason Evans にインタビューを行うことが出来ました。「僕たちは、音楽であれ、メディアであれ、映画であれ、人生経験であれ、周りのあらゆるものに影響を受けているよね。これらのものは、人としての自分、バンドとしての僕ら、そして自分たちが作る音楽そのものを形作っているんだ。だけど、これらのものはまず消費されなければならなくて、”摂取” されなければならないんだよ。」 どうぞ!!

INGESTED “WHERE ONLY GODS MAY TREAD” : 9.9/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【INGESTED : WHERE ONLY GODS MAY TREAD】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AVATAR : HUNTER GATHERER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOHANNES ECKERSTROM OF AVATAR !!

“On One Hand It Is Obviously True We Do Things In a Very Theatrical And Bombastic Manner. On The Other The Most ipmportant Asset to Any Stage Performer Is His Eyes. We Never Want To Lose Focus On The Humanity On Stage And In The Interaction With The Audience.”

DISC REVIEW “HUNTER GATHERER”

「僕たちがやっていることにはある種の二面性があるということじゃないかな。一方では、非常に芝居がかっていて、大げさなやり方でやっている。それは明らかな事実だよ。 でもその一方で、舞台のパフォーマーにとって最も重要な財産は自分の目なんだ。舞台上においても、人間性にフォーカスすることや、観客との対話を決して失いたくはないからね。」
RAMMSTEIN からリック・フレアー、果てはスタンリー・キューブリックまで、芸術における “シアトリカル” を濃縮したメタルのライジングスター AVATAR は、そのエピックを敷き詰めたステージにおいても人間を見つめる “目” の価値を忘れることはありません。
70年代に Alice Cooper がロックと演劇を一体化させて以来、KING DIAMOND, MARILYN MANSON とそのシアトリカルな血脈は絶えることなく受け継がれ続けています。20年近くに及ぶキャリアの中で、ゆっくりと、しかし確実にメタル世界で最も創造的かつ興味深く、予測不可能な集団の一つに成長した5人のクラウンは、そのショックロックの遺伝子にジョーカーの狂気を継ぎ足して北欧からジャンルや境界線の予定調和を打ち破ってきました。
「”Mad Max” は、たしかに僕たちが今向かっている道の一つかもしれないね。だけど “スタートレック” のシナリオだって存在するはずなんだ。強い意志があって、一時的な犠牲を払う覚悟があれば、この問題を解決できる可能性はある。僕たちの歌に描かれる、世界全体を通して繰り返し起こる大きな問題は、僕たちの道に立ちふさがっている。でも最終的には、誰も僕たちの正しい行動を止めることはできないんだよ。」
確かな “目” を備えた AVATAR にとって、この呪われた2020年に “Black Waltz” のサーカスや、”Avatar Country” の幻想的な旅路を再現することは不可能でした。かつて完全に想像の産物であった世界の終末、ディストピアを肌で感じた現代のアバターは、そうして破滅のシナリオを回避するためのレコード “Hunter Gatherer” を世に送り出したのです。
たしかに、虹やドラゴン、聖剣の妄想で現実から逃れることは難しくありません。しかし、マッチの炎が消えた暗闇には冷徹な現実が残されます。AVATAR はそれよりも、闇に直面し、闇を受け入れ、世界をあるがままに受け入れる道を選びました。彼らのトレードマークでもある毒舌家で生意気なアティテュードも、ダークで怒りに満ちた人間性をシニカルに表現するレコードとピッタリ符号しました。
「この不確かな時は、僕たちが近年の自分たちよりも (闇や権力との) 対決姿勢を深めた理由にも繋がるんだよね。その対決姿勢は過去から現在までのメタルアルバムたちにも言えることだと思うんだ。僕たちメタルバンドはみんな、様々な方法で闇を探求し、闇に立ち向かう傾向があるから、暗い時代において僕たちの音楽は重要な役割を果たすわけさ。」
つまり、2020年の呪いはメタルが解くべきなのでしょう。Devin Townsend の “Deconstruction” の邪悪なグルーヴと THE HAUNTED の暴走がシンクロするオープナー “Silence in the Age of Apes” でテクノロジーの盲信に唾を吐き、GOJIRA のグルーヴにシンガロングを誘うビッグなコーラスを織り込んだ “Colossus” でディストピアの悪夢を描く “Hunter Gatherer” のワンツーパンチはいかにもシニカルです。
マカロニウエスタンな Corey Tayler の口笛からパンキッシュに疾走する “A Secret Door” はまさに AVATAR を象徴するような楽曲でしょう。ステージにおいてシアトリカルであることを指標する彼らにとって、物語りの豊かさは切っても切り離せない能力です。60年代のストーリーテラー Leonard Cohen, Willie Nelson のカントリーフォークとダイナミックなメタルはそうして AVATAR の胎内で出会いました。もちろん、インタビューに答えてくれた Johannes が敬愛する BLIND GUARDIAN にしても、ストーリーを大仰に伝える才能は群を抜いていましたね。
かつてデスメタルの本質は凶暴なリフやスピードよりもグルーヴと語った Johannes の本領が発揮された “God of Sick Dreams” はパワーメタルと結びついてバンドの新たなアンセムとなり、一方で “Justice” の叙情と哀愁は日本のファンにも大いにアピールするセレナーデでしょう。
極め付けはレコードで最も多様な “Child” で、マーチングバンドから激烈なメタル、求心的なコーラスにカオティックなジャムとアコースティックなアウトロそのすべては、ロボトミー手術が正当だと信じられていた時代の悲哀と愚かさを演じるためだけに存在します。時を経た2020年、常識と情報、そのすべては盲目に信じられるものなのでしょうか?
今回弊誌では、稀代の演者にしてボーカリスト Johannes Eckerström にインタビューを行うことが出来ました。「鳥山明から黒澤明、村上春樹からタイガーマスク、上原ひろみから tricot まで、日本からの多くの創造的な衝動が、僕の個人的でクリエイティブな旅を形作ってきたんだ。」Babymetal との US ツアーでも話題に。ギター隊の常軌を逸したハイテクニックも見逃せませんね。どうぞ!!

AVATAR “HUNTER GATHERER” : 10/10

INTERVIEW WITH JOHANNES ECKERSTROM

Q1: From the Corona crisis to Black Lives Matter, and climate change, this world is going through a turbulent time right now. I don’t know whether Sweden’s coronavirus strategy succeed or fail. But, “Hunter Gatherer” seems to be an album that reflects those uncertain times, doesn’t it?

【JOHANNES】: Yes, more than we ever imagined. I think it comes from the overarching themes of the album dealing so much with trying to understand what it means to be human right now while being more confrontational than we have been in our recent past. On the other hand this could be said about may metal albums, old and new. As we all tend to explore and confront darkness in different ways, dark times are bound to rhyme with our music pretty well.

Q1: コロナ危機から Black Lives Matter、さらに気候変動による災害と、世界は激動の時を迎えています。
あなたの母国スウェーデンのコロナ対策が成功なのか失敗なのか私にはわかりませんが、最新作 “Hunter Gatherer” は少なくともそういった不確かな時を反映したレコードのようですね?

【JOHANNES】: そう、想像以上に不確かな時だよね。だからこそ、このアルバムのテーマが、人間であることが何を意味するのかを理解することに落ち着いたと思うんだ。そうして僕たちが、近年の自分たちよりも (闇や権力との) 対決姿勢を深めた理由にも繋がるんだよね。
一方で、その対決姿勢は過去から現在までのメタルアルバムたちにも言えることだと思うんだ。僕たちメタルバンドはみんな、様々な方法で闇を探求し、闇に立ち向かう傾向があるから、暗い時代において僕たちの音楽は重要な役割を果たすわけさ。

Q2: A dystopian world like Mad Max, for example, was a figment of our imagination in the 90s, but in 2020 it seems to be a looming crisis. Still, we hope for a future other than cyberpunk and dystopia. Do you think “Hunter Gatherer” is an album that confronts such a doomsday route?

【JOHANNES】: At the very least it tries to encircle the feelings we have as we stand in this fork in the road. Yes, Mad Max is one path we might be heading down on right now. However, we could also go for the Star Trek scenario. We have the potential to solve this, if the will is there and if we are ready to make temporary sacrifices, and that’s the problem. A big reoccurring issue throughout our songs and the world at large is that we are standing in our own way. Ultimately no one is stopping us from doing the right thing.

Q2: 90年代において、映画 “Mad Max” のようなディストピア世界は想像の産物でしかなかったわけですが、今では迫り来る危機にも思えます。それでも私たちは、そんなサイバーパンクな未来以外の結末を望んでいるはずです。
対決姿勢を深めた “Hunter Gatherer” は、そういった破滅ルートに贖うアルバムとも言えそうですね?

【JOHANNES】: 少なくとも、その分かれ道に立っている僕たちの感情を包み込もうとしているんだよね。そう、”Mad Max” は、たしかに僕たちが今向かっている道の一つかもしれないね。だけど “スタートレック” のシナリオだって存在するはずなんだ。
強い意志があって、一時的な犠牲を払う覚悟があれば、この問題を解決できる可能性はある。僕たちの歌に描かれる、世界全体を通して繰り返し起こる大きな問題は、僕たちの道に立ちふさがっている。でも最終的には、誰も僕たちの正しい行動を止めることはできないんだよ。

Q3: The last album “Avatar Country” was a fantasy album, like a circus, in a sense. Would you say that the real and darker “Hunter Gatherer” is the opposite?

【JOHANNES】: It probably fits to call it the opposite. Our process can be likened to a pendulum. As we constantly search for new challenges and let the music change with us, some albums are bound to in part be a strong reaction against whatever we’ve been doing right before. This doesn’t mean we don’t like Avatar Country anymore or anything like that. On the contrary we are very proud and pleased with it. It’s just part of our trip to reinvent ourselves.

Q3: 前作 “Avatar Country” はある種サーカスのような、ファンタジーのレコードでした。先ほどのお話を踏まえれば、最新作 “Hunter Gatherer” はよりダークで現実的なレコードのようですね?

【JOHANNES】: そうだね。真逆と言った方がしっくりくるかもしれないね。僕たちのプロセスは振り子に例えることができるだろう。常に新しい挑戦を模索し、音楽を自分たちと共に変化させていく中で、ある種のアルバムは、今まで自分たちがやってきたことに対する強い反発になっていくことがあるわけさ。
だからといって、”Avatar Country” が嫌いになったとか、そういうことではないんだよ。それどころか、僕らはあのアルバムをとても誇りに思っているし、満足している。 これは自分たちを再発明するための旅の一部に過ぎないんだよ。

Q4: For Avatar, the stage is the main canvas, right? I know the current situation of not being able to perform live is stressful, but can you tell us about some of the influences on your epic live performances and stages?

【JOHANNES】: I could make a very long list for you, and it would span a wide variety of genres and even art forms. Off the top of my head I could say Queen, Ric Flair, the Hives, Rammstein, Stanley Kubrick, David Lynch, Iron Maiden, Judas Priest, Michael Jackson, Iggy Pop, the Haunted… I guess the point is that there is a certain duality to what we do. On one hand it is obviously true we do things in a very theatrical and bombastic manner. On the other the most important asset to any stage performer is his eyes. We never want to lose focus on the humanity on stage and in the interaction with the audience. Under every layer of theatrics there is a core of punk rock attitude, and I think that is the key to what we do.

Q4: パフォーマンスが売りである AVATAR にとって、ステージはキャンバスと呼べるものでしょう。
満足にライブが行えない現在の状況は大きなストレスだと思いますが、AVATAR の華麗なステージに影響を与えたアートを教えていただけますか?

【JOHANNES】: とても長いリストになっちゃうな。それにジャンルやアート形態もとても多岐にわたるんだよ。パッと頭に浮かんだだけでも、リック・フレアー (プロレスラー), QUEEN, THE HIVES, RAMMSTEIN, スタンリー・キューブリック, デヴィッド・リンチ, IRON MAIDEN, JUDAS PRIEST, Michael Jackson, Iggy Pop, THE HAUNTED…まあ要するに、僕たちがやっていることにはある種の二面性があるということじゃないかな。
一方では、非常に芝居がかっていて、大げさなやり方でやっている。それは明らかな事実だよ。 でもその一方で、舞台のパフォーマーにとって最も重要な財産は自分の目なんだ。舞台上においても、人間性にフォーカスすることや、観客との対話を決して失いたくはないからね。
演劇のすべての層の下にはパンクロック的なアティテュードのコアがあって、それが僕たちの活動の鍵だと思っているんだ。

Q5: Musically, I think Avatar is one of the most eclectic bands in the world. I mentioned darker earlier, is there a return to the roots of Scandinavian melodic death metal to some extent this time around?

【JOHANNES】: Maybe, but it wasn’t an outspoken ambition. God of sick dreams kind of fit that bill and it’s true that as we had a more aggressive approach probably looked at a lot of the music that shaped us to begin with. The melodic death metals bands of the Swedish west coast play a huge part in that of course.

Q5: 音楽に目を向ければ、AVATAR は世界でも最も多様なメタルバンドの一つでしょう。先ほどよりダークになったと言いましたが、その中でも今回は、ある意味バンドのルーツであるスカンジナビアのメロディックデスメタルに多少回帰した部分がありそうですね?

【JOHANNES】: そうかもしれないけど、それはそれほど大きな野望だったわけじゃないんだけどね。”God of Sick Dreams” はたしかにメロデスと合致していたし、僕たちがよりアグレッシブなアプローチをとるようになったことで、自分たちを最初に形作った音楽の多くを見返したのは事実だと思うよ。
スウェーデン西海岸のメロディックなデスメタルバンドは、もちろんその中で大きな役割を果たしているね。

Q6: Corey Taylor’s guesting and working with him is a big deal for Avatar, isn’t it? Could you tell us how he got involved? What’s Slipknot and Nu-metal to you?

【JOHANNES】: It’s a big deal of course, but most of all it was a lot of fun. We have met in the past as we’ve opened for Slipknot, but the big connection was and is Corey’s friendship with Producer Jay Ruston. When I first got in to metal I was very old school in my mindset and a shunned the term nu metal. I had to turn probably 17 or so to warm up to bands like Slipknow and System of a Down but they all became major influences on us in those early years of the band. I even covered Duality in high school. I don’t really know what nu metal would stand for today. It seems that the three big surviving acts of those days whose legacy clearly lives on are the two I already mentioned and Korn, and all three of those bands are extremely different from each other.

Q6: Corey Taylor のゲスト参加はバンドにとって大きな出来事だったのではないですか?

【JOHANNES】: もちろん大きな出来事だけど、何よりも楽しかったね。僕たちは過去に SLIPKNOT のオープニングを務めたこともあるんだけど、ゲスト参加に至った理由、大きな繋がりはプロデューサーの Jay Ruston と Corey の友情だったんだ。
僕が最初にメタルを始めた時、僕の考え方は非常にオールドスクールで、実は Nu-metal という言葉を敬遠していたんだ。だから17歳くらいまでは SLIPKNOT や SYSTEM OF A DOWN のようなバンドになかなか慣れなかったんだけど、バンド結成初期のころにはそういったバンドに大きな影響を受けるようになったね。高校時代には “Duality” のカバーもしていたくらいだから。
今日、Nu-metal が何を意味しているのかは正直よくわからないんだ。当時の遺産がはっきりと生き残っているのは、SLIPKNOT, SYSTEM OF A DOWN, KORN の3つの大きなバンドだけで、実はこの3つのバンドはお互いに全く違うからね。

Q7: In terms of combining aggression and intelligence, you are very close to the best metal band of our time, GOJIRA. Interestingly, on top of that, you’re also storytellers with influences of 60’s country and folk, Leonard Choen and Willie Nelson. That’s a very unusual approach for a metal band, isn’t it?

【JOHANNES】: Yes I think it is. There is a certain song writing sensibility that we aspire to reach that in our case is very much rooted in a Beatles fanatism among a couple of us. To us it has always been about that balance of putting the song and the emotions it should convey first while working in the school of Black Sabbath, as if you do metal music the riff and the heavy grooves lead the way.

Q7: 知性とアグレッションの融合という意味では、AVATAR は私たちの世代における最高のメタルバンド GOJIRA と非常に近い場所にあると感じます。
あなたたちが興味深いのは、その場所に 60年代のフォーキーなストーリーテラー Leonard Cohen, Willie Nelson の遺伝子を加えていることです。非常にユニークなアプローチですよね?

【JOHANNES】: うん、そう思うよ。僕らには目指している曲作りにかんする特定の感性があるんだけど、それはメンバーのうち何人かに根付いたビートルズファンというルーツに大きく関係しているんだ。
僕たちにとっては、BLACK SABBATH の学校に所属をしながら、それでも楽曲と伝えるべき感情のバランスを第一に考えてきたんだ。メタルらしいリフやヘヴィーなグルーヴを導きながらね。

Q8: Speaking of storytelling and theatrical performance, I think Avatar is a band that has inherited the legacy of Blind Guardian and King Diamond, would you agree?

【JOHANNES】: Blind Guardian is a big influence but I don’t know if it is correct to say we have inherited any role from them. That being said I am a massive fan. I see the connection to King Diamond but must say his influence has been a bit more indirect.

Q8: ストーリーテリング、そしてシアトリカルなパフォーマンスという意味では、AVATAR は BLIND GUARDIAN や KING DIAMOND の血も同様にひいているようにも思えますが?

【JOHANNES】: BLIND GUARDIAN には本当に大きな影響を受けているよ。まあだけど、それが彼らの役割を受け継ぐかといえばそうとも言えないんじゃないかな。ただ、僕が大ファンって言うだけでさ。
KING DIAMOND との繋がりも理解できるよ。ただ、 僕にとって King からの影響はより間接的なんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JOHANNES’S LIFE

BLIND GUARDIAN “TALES FROM THE TWILIGHT WORLD”

THE BEATLES “RUBBER SOUL”

IMMOLATION “CLOSE TO A WORLD BELOW”

DEVIN TOWNSEND “TERRIA”

BLACK SABBATH “SABBATH BLOODY SABBATH”

MESSAGE FOR JAPAN

I feel it might be quite common among westerners in my generation, but I grew up with a deep fascination for Japan. Part of it of course comes from the popularization of manga and video games throughout my childhood and adolescence, but that doesn’t explain all of it. I don’t know what all the impulses might have been, but Japan has had a strong presence in my mind for as long as I can remember. Any time I’ve been exposed to Japanese music, history, architecture or spirituality it has awakened a very certain curiosity. From Akira Toriyama to Akira Kurosawa, from Haruki Murakami to Tiger Mask, and from Hiromi Uehara to tricot, there have been so many creative impulses from Japan that has shaped my creative and personal journey. Therefore, it remains a great disappointment and source of frustration that I am yet to visit, both with the band and personally. I very much look forward to the day when I finally get to go. You spreading the word about Avatar brings me one step closer to achieve this goal and for that I am very grateful.

僕と同世代の欧米人にはよくあることかもしれないけど、日本に深い魅力を感じて育ったんだ。もちろん、幼少期から青年期にかけての漫画やゲームの普及もあるんだけど、それだけでは説明がつかないくらいにね。
その衝動が何だったのかハッキリとは言えないけど、覚えている限りずっと日本は僕の心の中で強い存在感を放っていたんだよ。日本の音楽、歴史、建築、精神性に触れるたびに、ある種の好奇心を呼び覚ましてきたからね。
鳥山明から黒澤明、村上春樹からタイガーマスク、上原ひろみから tricot まで、日本からの多くの創造的な衝動が、僕の個人的でクリエイティブな旅を形作ってきたんだ。だから、バンドと共に、また個人的にも、まだ日本を訪れていないことが大きな失望と不満の種であると言わざるをえないよね。いつか訪れることができる日をとても楽しみにしているよ。
AVATAR についての言葉を広めてくれたことで、この目標達成に一歩近づくことができた。とても感謝しているよ。

JOHANNES ECKERSTROM

AVATAR Facebook Page
AVATAR Official
eOne Music

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【BIFFY CLYRO : A CELEBRATION OF ENDINGS】


COVER STORY : BIFFY CLYRO “A CELEBRATION OF ENDINGS”

“I Want To Remind People What Rock Music Is All About,I Think This Is a Vibrant Guitar Record And I Don’t Feel That I’ve Heard a Lot Of Them Over The Last Few Years.”

FIND A HOPE IN CHAOS

「ロックミュージックとは何かを思いださせたいんだ。これはギターが躍動するレコードだよ。ここ数年、あまり聴いたことがないようなね。」
BIFFY CLYRO はチャートを席巻する英国で最も人気のあるバンドに成長しています。それも当然でしょう。Simon Neil の言葉は決してただのクリシェやポーズではありません。細部に至るまで、ロックサイエンスの粋を尽くして制作された8枚目のレコード “A Celebration of Endings” は、ロック、ポップ、メタル、オルタナティブ、さらにクラッシック、ヒップホップまでもがシームレスに配合された、ダークな2020年にもたらされる極上の特効薬なのですから。
「このアルバムは喜びの瞬間を共有する作品だよ。人生において喜びを持つことには、罪悪感がつきまとう。それでも俺たちは喜びの時間を過ごさなければならないと思う。それがこの暗闇の中で生存するための、唯一の方法だから。人々は、音楽を生活の中に取り戻そうとしていると思う。」
Ben Johnston は “A Celebration of Endings” が暗闇にさす光、混沌に見いだす希望だと信じています。しかし、リリースまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

「ロックダウンが始まったとき、俺たちはバンドをやっているように思えなかった。何しろ俺たちはデフォルトが自尊心の欠如で、自信を持つためには何かをしていなければならないから。だから、4ヶ月間何もしなかったことと、アルバムの発売が延期になったことで、本当に不安になったんだ。言葉にするのは難しい。3人で音楽を作っている時の方が安心感があるんだよね。」
“A Celebration of Endings” は叫びの結集です。鬱病とともに生き、自信を取り戻すため戦ってきた Simon Neil は、2016年の自由奔放な “Ellipsis” ではじめて自分自身の外に目をやり外界からインスピレーションを取り入れました。
「若い頃は、政治と個人的な事柄をわけて考えていたけど、今の世界ではそうはいかない。世界は正しい方法で変わる必要がある。」
それまでは、自らの政治思想さえ芸術へこぼれ落ちることはありませんでした。時を同じくして、世界の闇を具現化したようなコロナウィルスによる “混乱と不安” が襲い掛かります。
「現実は当分の間、俺たちの手から引き剥がされているんだ。僕らはいつもこのバンドをスピリチュアルで家族的なものだと考えてきたんだ。だから、それを壊すようなことが起こると、悲嘆にくれる時期がある。それに加えて、Brexit、不安の増大、分裂など、当時の世界で起きていたことが加わって、足元から完全にカーペットか引き剥がされたように感じたんだ。俺の歌詞のほとんどは、かなり暗いところから始まっていると思う。まあ創作をしているときのモチベーションには本当に悲しかったり、怒ったりすることが必要なんだろうな。それは必ずしも健康的なことではないけど….とにかく、俺たちの基盤が変化し、社会がひねくれていると感じたんだ。」

“A Celebration of Endings” は “強制された変化” をさまざまな角度から探るレコードだと言えるのかもしれません。”North Of No South” で世界の指導者たちを “嘘つき、クソ独裁者” と非難し、”Opaque” では Simon の創作意欲を削ぐ音楽のビジネスのフラストレーションを拾い上げました。
「これまでは暗いレコードだよね。俺に光が差し込むのは、たいていしばらくしてからなんだ。このアルバムのポジティブさは、自分の代わりに何かをしてくれる人はいないということに気付いて生まれたんだ。7枚目のアルバム”Ellipsis” は、非常に傷つきやすいアルバムだったと思う。その後誰かが俺らの土地に来て、全部持っていかれた気がしたんだ。壊れたものを拾い上げなければならなかった。自分が本当に大切にしたいものに気づくのはそんな時だ。変化は誰にとっても怖いものだけど、変化は良いことであり、状況を良くするチャンスでもある。俺たちがコントロールできるのは自分自身なんだから。君はどこにいて何をやってる? まずはそこから始めよう。」

“A Celebration Of Endings” は、緊張感と波乱に満ちた作品に仕上がっています。若い頃の混沌としたオルタナティブロックと、この10年で彼らが得意としてきたアリーナを埋め尽くすような爆音が複雑に調和し、さらには彼らの大ヒット曲の基盤となっているポップな感性が活かされているのです。
「波乱に満ちたレコードだよ。それが僕らのバンドの特徴だと気付いたんだ。俺は自分が聴いているバンドが変化を遂げないことに我慢がならないんだ。16歳の時 RAGE AGAINST THE MACHINE の “Evil Empire” を聴いて激怒したのを覚えているよ。彼らのデビューアルバムとリフがそっくりだったから。1997年の WILL HAVEN のアルバム “El Diablo” を聴いたばかりだったんだけど、なぜ RATM がああいう風にならなかったのか理解できなかった。不条理だけどね。(笑) つまり、時々、俺は ROXETTE のような曲を書きたいと思うことがあるんだけど、次の瞬間には、Sunn O))))のような曲を書きたいと思っているんだ。どうやって聴きやすいアルバムを作るかじゃなく、どうやって聴きにくいアルバムにするのか。自分自身を明らかにし始めるレコードにしたかったんだ。」
Simon にとってリスナーが予想可能なものを制作することに意味はありません。
「すべては前作に対するリアクションなんだ。”Ellipsis” では様々なサウンドが常に楽曲を彩っていたけど、今作にはリフだけの瞬間も、ボーカルだけの瞬間も存在する。リスナーの意識を洗い流すよりも、意識の中にスナップさせたかったんだよ。”Worst Kind Of Best Possible” はまさにそんな曲さ。大混乱が続いているんだけど、まだ人がその真ん中にいるんだよね。世界の終わりのように聞こえるけど、その真ん中に人間がいて、何かを得ようとしているんだ。」
もちろん、ロックミュージックは BIFFY CLYRO にとってすべての本質です。
「俺たちの本質は、3人が部屋の中で演奏していることだ。全ての曲はその中で機能する必要があるんだ。リードシングル “Instant History” でさえ、多くの人がEDMスタイルの曲だと奇妙に表現していたけど、俺らのバンドの鼓動とハートビートを持っていることを知っておく必要があるんだ。」


素直に考えれば、”A Celebration of Endings” は驚きと喜びを同時にもたらすエンターテイメントと言えるのかも知れませんね。激しいパワーポップと MUSE のキメラ “North of No South”, 甘やかなディズニーの子守唄 “Space”, メタルとヒップホップ、そしてモーツァルトの壮大な婚姻 “Cop Syrup” までエクレクティックなアトラクションが列をなして待っています。
一方で、自らの内側、社会の闇を吐き出すようなデザートロック “Weird Leisuie” のような楽曲が BIFFY CLYRO の成長と社会的な再評価を浮き彫りにします。
「古くからの友人についての楽曲だ。コカイン中毒で壊れてしまった。彼は間違った道を選び、自分の世界が閉ざされるような厄介な状況に陥ってしまった。助けようとしても振り出しに戻ってしまう。幸い今は良い場所にいて抜け出そうとしているけどね。人は何にでも適応できる。変化を恐れるべきじゃないよ。窓の外をみてみなよ。全てを手にすることができる。人生を手にすることがね。ただ、過ぎ去っていかないようにしないとね。」
ゆえに、タイトルの “A Celebration of Endings” にも深みが増します。
「マヤ文明は2012年に世界が終わると予言していた。俺の理論だと、その通り世界は終わったんだ。予想外の方法でね。人間が意思を放棄して無知になったんだよ。だからこのアルバムは、自らの価値観をリセットするために、自分の最低点を認識することをテーマにしているんだ。そんな中でコロナ危機が起こった。まさに僕が話していることが現実になっているよね。例えばボリス・ジョンソン首相の怠慢だよ。ヤツは凶悪な脂肪の塊さ。NHS (国民健康保険) は今アンタッチャブルな存在であるべきだし、必要なのは食料と健康と家だ。キーワーカーは絶対に低技能労働者じゃないし、彼らが必要だ。政府よりも NHS が必要なんだ。俺が40になったことも関係しているだろうが、自分勝手で自己中心的な人間には我慢ができないよ。」
これはドナルド・トランプの “人間の命よりも経済”、そして売上のため不安を煽るマスメディアへの辛辣な批判です。そしてこの怒りは権力を振りかざす傲慢で無能な一部の特権階級が火種でした。ジェームズ・ボンドを題材とした “The Champ” にもその怒りの炎は注がれています。
「今、社会において自分の立ち位置を知らない人間はおそらくサイコパスだよ。ボンドは世界最高のスパイで、部屋の中にいても気づかれない。つまりこれは、自分の意見を発しなければいけないときに、それを口にしない人たちをスパイに例えているんだ。」

世界的なパンデミック発生から1年。混乱というテーマはさらに顕著になっています。
「今の俺には、曲に込められたメッセージの方が重要だ。足元の砂が変化してしまったんだから。誰にでも起こっていることだよ。大切にしてきたもの、人生で頼りにしてきたものがまったく変わってしまったんだから。そしてみんながすべてに疑問を持ち始めている。だけどその変化をポジティブに捉えるべきさ。価値観をリセットすることができたんだから。変化を起こそうと気づく時なのさ。俺はいつも、曲を作ってレコーディングするだけでいいと思っていた。だけど、このパンデミックを経験してツアーは俺らのアイデンティティーの重要な部分で、DNAの中に存在すると気づいたね。この時期があったからこそ、このバンドを永遠に続けていきたいという気持ちが強くなったんだ。」
“息ができないような場所にいたことがあるか?” COVID や BLM を予見させる “North of No South” のリリック。
「起こったすべてのことで、俺とこのアルバムの関係は変わってしまった。政治とかそういうことじゃなく、正しいか間違っているか。共感するかどうか。コミュニティーについての話さ。」

BIFFYISTORY

90年代半ば、英国に登場したトリオのティーンネイジャー BIFFY CLYRO はポストグランジ・ブリットロックを象徴する衝撃と混乱、そしてインテンスを纏っていました。
マスロックと甘やかなコーラスを同居させ、不器用なフックや不可思議なリリックを意図的に配置する変態の確信犯。
「バンド名に至るまで、何でもかんでも捻くれた捉え方をするのは実に俺たちらしいんだ。だから当時、20年後にまだ音楽をやってるのは俺たちだなんて言ってたら笑われていただろうな。」
1995年、BIFFY CLYRO を結成した3人は、すぐになりたくないものを定義しました。英国がブリットポップに染まっていた中、トリオは否応なしに “Wander Wall” や “Live Forever” の再現を見込まれたのです。
「あり得ないと言ったよ。俺たちは OASIS が嫌いなんだ。だから真逆のことをやりたくなったね。そうやって自分たちのために物事を難しくする、ハードルを上げることは悪くないよ。だって当時はどんなバンドも、半年もすれば OASIS のようなサウンドになっていたからね。それがベストな選択肢だと思っていたんだろう。だけど俺たちは違ったんだ。全く違う言語が存在することを知っていたからね。」
Simon の言う全く違う言語とは PANTERA の “Far Beyond Driven” でした。彼は OASIS とは異なる “俺らは誰よりも強い” マインドのこのアルバムが驚くべきことにアメリカで1位を獲得したことも理解していました。つまり Simon は全く別の方法が存在することを知っていたのです。


Beggars Banquet から3枚のレコードをリリースした後、3人のスコティッシュは当然のようにロンドンへの移住を拒否。観客への挨拶すら拒否していた彼らが初めて挨拶をしたのは、ウェンブリー・スタジアムでの MUSE のサポートライブでした。
「やあ、BIFFY CLYRO だよ!って挨拶するだけで全然違うことに気づいたんだ。それまでは自分たちがまるで観客のお気に入りみたいにして出て行ってた。今考えるととてもナイーブだったよね。まあでもそんな頑固な所は、今も残っているんだけど。」
2007年、彼らが Warner と契約し、アリーナへ向けた音楽 “Puzzle” でメジャーリーグへ飛び込んだ事件は驚きでした。
レコーディングの数ヶ月間に亡くなった Simon の母へ捧げられたアルバムは、以前よりも、アクセシブルでインパクトのある音像を湛えていました。もちろん、プログレッシブな変質者の側面は保っていますが、それでも SUNNY DAY REAL ESTATE の流れを汲んだエモーショナルなオルタナポップロックは聴くものの心まで溶かしたのです。結局、Radio One を席巻し、UKアルバムチャートで2位を記録した “Puzzle” 以降、レディングやリーズでヘッドライナーを務めるなど BIFFY CLYRO は押しも押されぬメインストリームの仲間入りを果たしたのです。
「最近はすぐ曲を書けるようになったけど、そんなことはしたくないんだ。重要なのはレコードを作ることじゃなく、レコードを作る理由を持つことだから。それが俺のモチベーションを維持しているんだよ。」

あまりにも不器用で利益に無頓着だった BIFFY CLYRO。しかし Warner Bros. の Alex Gilbert は彼らのノイズと複雑怪奇なタイムシグネチャーに耳を傾け、ポップセンスの胎動を見抜きました。そうして Storm Thorgerson デザインのアートワークを使用した第二幕の幕開け “Puzzle” は、母親の死に Simon が感じた悲しみを、斜め上の優れた芸術作品へと錬金術で変貌させたのです。
「メジャー足を踏み入れたときでさえ、俺はまだ劣等生だと感じていた。次の大物として書かれているバンドはほんの一握りだったし、俺らは決してそんな風に書かれていなかったから。でも、俺はこのバンドが特別な存在で、他のグループよりも優れているとは言えないまでも、同じくらい優れていると感じていたんだよ。」と Simon は語ります。たしかに、00年代半ば、”英国ギターミュージックの未来” ともてはやされた BLOC PARTY, KAISER CHIEFS, THE HORRORS といったバンドの中で、BIFFY CLYRO と同等の成功、独立心を発揮したのは ARCTIC MONKEYS だけでしたから。
「俺らにはどこにも居心地の良い場所がないんだ。そうやってどこにも馴染まないことに満足している。ポップな人にはちょっとヘヴィーすぎて、メタルな人にはちょっとポップすぎる。だけどそのかわり、どんなフェスでもヘッドライナーを務めることができるんだよ。」


悪戯、ハートブレイク、カオスの混合物は BIFFY CLYRO にしか作れないと Simon は主張しますが、バンドから離れてもグリッチ/ドローン、グラインドコア、ファンタジーノイズファンクなど様々なプロジェクトで刺激的な音楽を創造し続けています。
「俺はいつだって “商業的なアーティスト” になりたいとは思っていないんだ。俺たちはポップスの中でもメジャーレーベルに所属しているけど、それでも変な音楽を作っている。60歳になっても、感嘆符と疑問符の両方を持っていたいんだよ。もし俺たちがあまりにもストレートになりすぎた時は、引退の時だろう。」
つまり、BIFFY CLYRO は成長しても成熟することはないのでしょう。
「洗練されたロックなんて雰囲気に落ち着きたくないんだ。俺にはカオス、アナーキー、それに “ファックユー “が必要なんだよ。ヒップホップにはそのアティテュードがある。だからロックがそれを失うわけにはいかないじゃないか。成熟なんて俺たちじゃない。優雅に年を取りたくないんだ。黒のトレーナーとシェードを着て、クールなクソポーズを取りたくないんだ。そんや服どこで買うんだ?いいかい、人生では常に高いところを目指すんだ。失敗したって構わない。何もしないよりましさ。」


Simon は7歳の時、近くのキルマーノックで Johnston の双子の兄弟に出会いました。トリオは最近、それぞれ40歳の誕生日を迎えましたが、その間、彼らは切っても切れない関係を築いてきたのです。いつもお互いのジョークに、常に心を込めて笑っているのですから。2013年のダブルアルバム “Opposites” 制作時の Ben のアルコールとの戦い、あるいは “A Celebration Of Endings” をめぐる試練の時期を考慮しても、ここ数年で絆はさらに強まっています。
「バンドとしての俺たちの原則、やり方は変わっていない 。中心となるのは3人で、肩にはちょっとしたDIYのチップを乗せている。人として、そして集団として経験してきた変化は、すべて自然に起こったことだ。だからバンドから学んだことを自分たちの人生に、そして人生から学んだことをバンドに取り入れることができたんだ。」

参考文献:Telegraph:Biffy Clyro interview: ‘We wanted to be the opposite of Oasis’

KERRANG!:THE MORE THINGS CHANGE: HOW BIFFY CLYRO FOUND HOPE IN CHAOS

NME:Biffy Clyro: “Life can be yours – just don’t let it pass you by

BIFFY CLYRO Facebook
BIFFY CLYRO Official

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IMPERIAL TRIUMPHANT : ALPHAVILLE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEVE BLANCO OF IMPERIAL TRIUMPHANT !!

©Alex Krauss Photography | http://alexkrauss.com

“The Masks Are Very Connected To The Art Deco Movement That Grew Up In NYC In The First Part Of The Twentieth Century. That Movement Also Has Many Esoteric Connections That Harken Back Thousands Of Years And Goes Beyond Our Wildest Dreams Of How We May Imagine The Thing We’re Part Of Is Here.”

DISC REVIEW “ALPHAVILLE”

「あのマスクは20世紀前半のニューヨークで育まれたアールデコ運動と密接に関係しているんだ。そのムーブメントは数千年前にさかのぼり、過去と深遠で神秘的な多くのつながりを持っている。そしてそれは、かつて僕たちの一部であったものがここにあると悠久に想いを馳せる、時を超えた夢の形でもあるんだよ。つまり歴史的意義のある魅力的な美学なんだ。」
政治的な対立、忌まわしい暴力、世界恐慌と終末のムードが世界を覆った1920年代。アールヌーボーの華美な装飾は機能的なアールデコへと移り変わり、混沌に触発された前衛的なジャズや実験音楽の先駆けは遂に芽吹きました。
100年の後、現代ニューヨークの多様な喧騒をノイジーなジャズや20世紀の前衛クラシックで再構築したエクストリームメタルで体現する仮面の三銃士 IMPERIAL TRIUMPHANT は、奇しくも1世紀前と等しい創造的な大胆不敵を宿す空想都市 “Alphaville” を世に放ちます。
「”Alphaville” は現在のような状況になる前から構想・制作されていたんだ。だけど社会的な枠組みの中における文明文化や個人の葛藤といった大きなテーマや題材は、今も昔も、そして人類が存在する限り未来においても存在しているのではないだろうか?そうは思わないかい?僕たちはいつも NYC のサウンドを演奏しているんだ。文化的にも僕たちの音楽世界には現在のアメリカの状況が反映されていると思う。」
コロナ禍や気候変動、反知性主義と分断が渦巻く2020年に、IMPERIAL TRIUMPHANT が複雑怪奇なブラック/デスメタルの迷宮で1920年代の復活と再構築を告げたのは決して偶然ではないはずです。そんな非業の “再構築” を象徴するのが、VOIVOD と THE RESIDENTS のカバーでしょう。彼らの手にかかれば、80年代後半のプログスラッシュも、奇妙極まるシンセティックなループも、暴走するブラストビートと混沌としたリズムブレイク、そしてバンド生来の不協和音で現代の闇を生きる不可解な狂気へと引きずりこまれてしまうのです。
もちろん、そんな彼らの歴史を咀嚼した慣習の破壊とも言えるエクレクティックな機能美は、”制限のない作曲プロセス” としてアルバム全編を貫いています。例えば、ドローンから聖歌隊、オルガンまで入り乱れるオープナー “Rotted Futures” はカオスの花園ですし、”Excelcior” では黒の暴走やインダストリアルの嘆きを内包しながら、螺旋を描くベーススケール、エイリアンのコードボイシング、進化したリズムのタペストリーでその本質をジャズ/フュージョンへと設定しています。
「まあ確実に僕たちは、メタル、ロック、ヘヴィーミュージックの複数のカテゴリーに当てはまる多様な音楽的影響を持っているよね。いつかは他のカテゴリーに入るかもしれないね。それが何になるかは分からないけどね!」
つまり、Steve が “グローバルなインテグレーション (分け隔てのない) の時代には、多様な視点がより実りある言説やコミュニケーションを生み出す” と語ったように、IMPERIAL TRIUMPHANT が破壊するのは過去の慣習だけではなく、ジャンルの壁や偏見、凝り固まった思想そのものだったのです。
即興のジャミングと緻密なオーケストレーションを並置した “City Swine” は、そんな彼らのクリエイティブな自由が完全に謳歌された楽曲です。MESHUGGAH の Tomas Haake を従えて、和太鼓とピアノがスラッジの枠組みでジャムセッションを開始する無法の街並は、アヴァンギャルドを熟知する MR. BUNGLE の Trey Spruance, KRALLICE の Colin Marston という共同プロデューサーの手を借りてすべての柵を取り払っていくのです。
そうしてアルバムの後半には、Duke Ellington から Miles Davis のクロスオーバーまでジャズの歴史を横断します。
さて、それではなぜ IMPERIAL TRIUMPHANT はゴダールの SF ノワールをそのタイトルへと選んだのでしょうか。きっとそれは、ニューヨークの文化と歴史を映画のフィルターを通して伝え、”昔ながらの魅力” を容赦のない過激さで歪めるためなのかもしれません。このフランケンシュタインのようなダークジャズと狂気のメタルの下には、階級主義、ファシズム、工業化を中心とした批判的な物語が横たわり、タイトルの由来となった60年代の映画を再現しているのですから。
今回弊誌では、ベース/ピアノ/ボーカルを担当する Steve Blanco にインタビューを行うことができました。「ブルックリンにある道場を見つけて、和太鼓奏者でありオーナーでもある倉島ヒロ先生がレコーディングを許可してくれたんだよ。あの美しい音色は、このアルバムの目的にぴったりと合致していたね。」 どうぞ!!

IMPERIAL TRIUMPHANT “ALPHAVILLE” : 10/10

INTERVIEW WITH STEVE BLANCO

Q1: First of all, it’s really hard time now due to coronavirus, especially the musical industry. And recently, BLM movement is spreading from the US. What’s your thoughts on the current US or global situation?

【STEVE】: Things are a mess worldwide. We can try to navigate as best we can, hope for live music to get back on its feet, and continue with meaningful work. Who knows what’s really going on? There are so many components. Only time will tell.

Q1: コロナ危機から Black Lives Matter とアメリカは激動の時を迎えていますね?

【STEVE】: 世界的に大混乱だよね。僕たちはただ自らを精一杯ナビゲートし、ライブの復活を願って、有意義な仕事を続けるだけだよ。
実際に何が起こっているのかは誰にも分からないだろ? 多くの要素がある。まあ時が経てばわかるさ。

Q2: You know, your previous record “Vile Luxury” was an homage of New York City, right? Of course, “Alphaville” is French director Jean-Luc Godard’s 1965 film, and the name of SF city. But looking at the artwork, it’s obvious that this album is also relevant to the current situation and politics of New York and America, would you agree?

【STEVE】: Although Alphaville was conceived of and created before the current situation emerged, these big themes and subjects of civilization and personal struggles within the societal framework have been relevant, continue to be relevant right now, and will be relevant into the future so long as mankind exists, don’t you think? We are always playing the sounds of NYC as that is where we’re from. We are from the USA, and so culturally it will be in our musical universe as well.

Q2: 前作 “Vile Luxury” はバンドの地元ニューヨークをオマージュした作品でしたよね?
もちろん、今回の “Alphaville” とはフランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールが1965年に発表した作品のタイトルで、SFの都市の名前です。
ただ、今作もアートワークを見れば現在のニューヨークやアメリカの状況に関連しているようにも感じますが?

【STEVE】: “Alphaville” は現在のような状況になる前から構想・制作されていたんだ。だけど社会的な枠組みの中における文明文化や個人の葛藤といった大きなテーマや題材は、今も昔も、そして人類が存在する限り未来においても存在しているのではないだろうか?そうは思わないかい?
僕たちはいつも NYC のサウンドを演奏しているんだ。ニューヨークから生まれたバンドだからね。もちろん僕たちはアメリカ出身のバンドだから、文化的にも僕たちの音楽世界には現在のアメリカの状況が反映されていると思う。

Q3: When I had an interview with Hunter-Hunt Hendrix of Liturgy, he said “I sincerely think philosophy is a very important tool for having a thoughtful political stance.”. The NYC extreme scene is full of amazing and progressive bands, but is there some sort of common idea that exists?

【STEVE】: I am not sure of what other bands’ politics are. We are making art, not diplomacy. While we observe and comment on the world around us, it does not mean one singular political view is at hand. In fact, that would be foolish; A diverse perspective surely yields more fruitful discourse and communication in an age of global integration.

Q3: 同じニューヨーク出身の LITURGY に最近インタビューを行なったのですが、Hunter-Hunt Hendrix は「哲学は思慮深い政治的スタンスを確立するための重要なツール」だと語っていました。
真にプログレッシブでアヴァンギャルドなバンドが集う NYC ですが、ある種の “共通思念” が漂っている場所なのでしょうか?

【STEVE】: どうだろう。他のバンドの政治姿勢はよくわからないけど。僕たちは芸術を作っているのであって、外交をしているわけじゃないからね。
僕たちが住むニューヨークの周りの世界を観察し、コメントしたとしても、それで一つの政治的見解が同じように出揃うわけじゃないだろ? 実際、そうだとしたら愚かだよ。グローバルなインテグレーション (分け隔てのない) の時代には、多様な視点がより実りある言説やコミュニケーションを生み出すんだからね。

Q4: In a way, the mysterious mask is the symbol of the band. What is the point of wearing that mask? Does that mask have an origin?

【STEVE】: The masks are very connected to the Art Deco movement that grew up in NYC in the first part of the twentieth century. That movement also has many esoteric connections that harken back thousands of years and goes beyond our wildest dreams of how we may imagine the thing we’re part of is here. It is a fascinating aesthetic of historical significance. They also look cool as shit! We like things that look cool, too.

Q4: IMPERIAL TRIUMPHANT といえばミステリアスなマスクが思い浮かぶと思うのですが、あのマスクは何を象徴しているのでしょう?

【STEVE】: あのマスクは20世紀前半のニューヨークで育まれたアールデコ運動と密接に関係しているんだ。(キュビズム、古代エジプトの装飾、アステカ文化の装飾、日本や中国の東洋美術など、古今東西からの様々な引用や混合が指摘されている。アール・ヌーヴォーは曲線を多用した有機的なデザインであったが、自動車・飛行機や各種の工業製品、近代的都市生活といったものが生まれた時代への移り変わりに伴い、進歩した文明の象徴である機械を思わせる機能的・実用的なフォルムが新時代の美意識として様式化した)
そのムーブメントは数千年前にさかのぼり、過去と深遠で神秘的な多くのつながりを持っている。そしてそれは、かつて僕たちの一部であったものがここにあると悠久に想いを馳せる、時を超えた夢の形でもあるんだよ。つまり歴史的意義のある魅力的な美学なんだ。
それにあのマスクめっちゃクールでしょ?僕たちクールなものが好きなんだよね!

Q5: It’s a really eclectic record mixing of non-metal elements, ranging from jazz to art rock. Does the label “avant-garde metal” fit you better than black metal or death metal?

【STEVE】: Not really. We pull from a diverse array of musical influences that fit into multiple Metal, Rock, and heavy music categories. One day we might fit into some other category. We never know what we might get into!

Q5: ジャズからアートロックまで、ノンメタルな要素も入り乱れるエクレクティックな作品です。単にデスメタル、ブラックメタルよりも、アヴァンギャルドメタルといったタグがよりフィットしそうですね?

【STEVE】: どうだろうな。まあ確実に僕たちは、メタル、ロック、ヘヴィーミュージックの複数のカテゴリーに当てはまる多様な音楽的影響を持っているよね。
いつかは他のカテゴリーに入るかもしれないね。それが何になるかは分からないけどね!

Q6: I mean, your use of Trey was perfect for your weird, progressive music. Have you always been a fan of Mr. Bungle?

【STEVE】: We are definitely big fans of Mr. Bungle, and Trey’s work. Working with him was an absolute pleasure or great creative proportions.

Q6: 私がアヴァンギャルドと言ったのは、プロデューサーとして起用した MR. BUNGLE の Trey Spruance が、IMPERIAL TRIUMPHANT の風変わりでプログレッシブな音楽と完璧にマッチしていたからです。実際、ずっと彼らのファンだったのですか?

【STEVE】: うん、僕たちは間違いなく MR. BUNGLE、それに Trey の作品の大ファンだよね。
彼と仕事ができたことは至上の喜びだったし、偉大でクリエイティブな感性をもたらしてくれたね。

Q7: As a Japanese, I was very happy to see your use of Japanese drums, Taiko. What drew you to the instrument? Did you know that Liturgy has embraced Japanese traditional music, Gagaku?

【STEVE】: I “On the next album I’d love to hear Taiko drums”. Kenny came up with a piece to incorporate them. We are all fans of Taiko, but not with much experience. We found a Dojo in Brooklyn where Taiko player and owner Hiro Kurashima Sensei allowed us to record. The beautiful sound fit perfectly with what we were going for on this album. I did not know Liturgy have embraced Japanese traditional music, but that’s fantastic.

Q7: 日本人として、和太鼓の使用は嬉しい驚きでした。最近では、LITURGY も雅楽を取り入れていましたが、どういった経緯で日本の伝統楽器を使用することになったのでしょう?

【STEVE】: 僕が「次のアルバムでは和太鼓を聴きたいな。」と言っていたんだ。だから Kenny がそれを取り入れる曲を考えてくれたのさ。
僕たちはみんな和太鼓のファンだけど、経験はあまりなかったね。だからブルックリンにある道場を見つけて、和太鼓奏者でありオーナーでもある倉島ヒロ先生がレコーディングを許可してくれたんだよ。あの美しい音色は、このアルバムの目的にぴったりと合致していたね。
LITURGY が日本の伝統音楽を取り入れているとは知らなかったけど、素晴らしい試みだね。

Q8: Meshuggah revolutionized the rhythmic approach to the metal world, didn’t it? What does Tomas’ guest appearance mean to the band?

【STEVE】: Having Tomas’ on the album was such an amazing experience. We had great fun recording the Taikos together and discussing music and life. He’s a class act!

Q8: メタルにおけるリズムアプローチに革命を起こした MESHUGGAH のドラマー Tomas Haake のゲスト参加は、バンドにとって意味があったのではにいですか?

【STEVE】: Thomas をアルバムに招くことができたのは、実に素晴らしい経験だったね。
彼と和太鼓を一緒にレコーディングできてとても楽しかったし、音楽や人生についても語り合うことができた。彼は本当に一流だよ!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED STEVE’S LIFE

There are too many!!! We each have our own individual life changing albums, but as a band these are some we tend to agree on:

DUKE ELLINGTON, MAX ROACH, CHARLES MINGUS “MONEY JUNGLE”

RUSH “GRACE UNDER PRESSURE”

MILES DAVIS “NEFERITITI”

STRAVINSKI “THE RITE OF SPRING 1959 RECORDING PERFORMED BY LEONARD BERNSTEIN AND NY PHIL”

DEEP PURPLE “MACHINE HEAD”

MESSAGE FOR JAPAN

©Alex Krauss Photography | http://alexkrauss.com

We hope to come to Japan, perform in your beautiful country, and bring our sound of New York City there.

君たちの美しい国、日本を訪れてプレイしたいね。ニューヨークのサウンドを持っていくよ!

STEVE BLANCO

IMPERIAL TRIUMPHANT Facebook
IMPERIAL TRIUMPHANT Official
CENTURY MEDIA RECORDS

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KEKAL : QUANTUM RESOLUTION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JEFF ARWADI OF KEKAL !!

“We Don’t Consider Record Labels To Be “Above The Band” Who Can Micro-Manage The Band Down To Artistic Choices, But Also On The Other Hand We Don’t Want To Put The Band’s Needs “Above The Record Labels” And Dictate Them How To Operate, Because They Already Operate The Way They Are.”

DISC REVIEW “QUANTUM RESOLUTION”

「インドネシアにはメタルやエクストリームな音楽に特化した多くのファンがいて、特に最近はメタルをやっているバンドが非常に多いんだよ。中には地元ではとても人気があるバンドもいて、メタル系の音楽を演奏するだけで “セレブ” の域に達しているバンドさえあるんだから。」
インドネシアの音楽に対する探究心はアジアでもトップクラスでしょう。MoonJune レーベルが提供するジャズやプログレッシブのレコードは須らく知性と冒険心に富んでいますし、ヘヴィーメタル大統領 Joko Widodo が象徴するメタルワールドも当然多彩で実力派を揃えています。デスメタルはもちろん、ブラックメタルに着目しても PURE WRATH のような奇跡を生み出す場所ですから、もはやメタルの第三世界と呼ぶには些か無理があるはずです。
KEKAL はインドネシアにおけるブラックメタルの先駆者ですが、もはやブラックメタルの一言でかたずけることは完全に不可能な、多様なモダンメタルの怪物へと進化しています。
エレクトロニカ、ポップス、ジャズ、トリップホップ、インダストリアル、アンビエント、サイケデリック。仮にエクストリームメタルをジャワ島だとすれば、APHEX TWIN, Miles Davis, PORTISHEAD, THE PRODIGY, MASSIVE ATTACK, ULVER といった島々で多文化多島美を形成するインドネシアのミニチュアこそ KEKAL の真の姿ではないでしょうか。特に、フィールドレコーディングまで敢行する電子音とノイズの実験は、フランスの IGORRR と並んでメタル世界の最先端に位置するはずです。
「2009年に全員がバンドを脱退しKEKAL は正式にインドネシアのバンドとして残ることになったんだ。つまり、僕たちは “メンバーレスバンド “という道を選ぶことにしたんだよ。その後、僕たちは “KEKAL として “ではなく、”KEKAL のために” 活動している。コントリビューターとして完全にボランティアベースで、スケジュールも締め切りもなく、いくつかのアルバムでは他のミュージシャンが参加するようなやり方でね。自由なアソシエーションを採用して、完全にアナーキストになったんだ。」
驚くべきことに、KEKAL にはオフィシャルメンバーが存在しません。レコーディングにおいても、より良い音楽のため楽器も歌も最も適した人物がこなすという徹底ぶり。バンドではなく自由結社と呼ぶべきでしょうか。その特殊極まる背景は、彼らの土台であり源泉であるアナキズムに起因しています。
「僕たちはレコード会社を “バンドの上に立つもの” だとは思っていないし、バンドの芸術的な選択まで細かく管理できるとは思っていないけど、一方でバンドのニーズも “レコード会社の上に立つもの” だとは思っていないし、バンドの運営方法をレコード会社に指示もしたくない。」
KEKAL の指標するアナキズムとは決して無責任であることではありません。非階層、反権威こそ彼らの魂。支配者のいない世界を実現するため、すべてにおいて責任を束ねる自己管理、自己統治のアプローチを研ぎ澄まし、突き詰めていくのです。
「それは2015年に僕が “スピリチュアルな目覚め “と呼ばれるものを体験し始めた時から始まったんだ。詳しく説明するのは難しんだけど、食生活、睡眠パターン、感情、他人に対する見方や感じ方、世界観などの劇的な変化があったんだ。何らかの形で僕自身、僕たちが住んでいる世界、宇宙に関する新しい知識を受信することで “導き” の奇妙な啓示を受けてきたんだ。 これは、人々が一般的にグノーシスや “明かされた知識” と呼ぶものだね。」
さらに、結社の首謀者 Jeff Arwadi は自らが受けた掲示、スピリチュアルな目覚めをレコードのコンセプトやリリックに反映することを新たな生き甲斐として見出しました。つまり、最新作 “Quantum Resolution” は Jeff の伝道師としての役割が花開いた作品でもあるのです。
ハモンドのプログメタルと軽快なダブステップ、そしてブラックメタルのメイルストロームが入り乱れる “Quite Eye” は “Schizo-metal” への入り口として完璧でしょう。インダストリアルな瞑想と JOY DIVISION の複合体 “Inward Journey” では、天使の声が鳴り響き内なる旅路を導きます。
アナーキーの申し子たる自由結社は、両極に振れることさえも絶対的に自由。”The Sleep System” で RUSH や KING CRIMSON への敬意をメロディーの彼方に見出せば、ダブとヒップホップで踊り狂うブラックメタルの THE PRODIGY “Testimony” ですぐさま混沌を呼び寄せます。
極め付けはタイトルトラック “Quantum Resolution” でしょう。グノーシス主義に傾倒した Jeff から生まれくるに相応しい量子の黙示録。DURAN DURAN とブラックメタルの許されざる婚姻を祝福する厳かな教会の聖歌。これはきっと伝道師が奏でる異端者の讃美歌です。
今回弊誌では、Jeff Arwadi にインタビューを行うことができました。「KEKAL はインドネシア出身のバンドとしてヨーロッパと北米で同時にアルバムを出した最初のバンドで、ヨーロッパツアーを行った最初のバンドでもある。そういう意味では、地元や母国だけでアピールしようとしない若いバンドのお手本にはなるかもしれないね。」 どうぞ!!

KEKAL “QUANTUM RESOLUTION” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KEKAL : QUANTUM RESOLUTION】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCATRAZZ : BORN INNOCENT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOE STUMP OF ALCATRAZZ !!

“I Hated All That Grunge Shit , There Was No Bad Ass Guitar In It, Just a Bunch Of Dudes In Flannel Shirts And Wool Hats Playing Shit a 10 Year Old Could Play. One Of The Reasons My Early Records Got a Decent Amount Of rpecognition During That Period Was That I Was One Of The Only Guys Making These Kind Of Over The Top Shred Guitar Records During That Time.”

DISC REVIEW “BORN INNOCENT”

「Graham は俺のオールタイムフェイバリットのうち3枚のレコード、”Assault Attack”, “Down To Earth”, “No Parole” で歌っているからね。この3枚のレコードは、それこそ若いころ、盤に穴が空くほどに聴いていたんだけど、今でも大好きなんだから彼と一緒に演奏できるなんて最高だよ。」
サングラスにスーツ、ジャパニーズヤクザの出で立ちでカンペを凝視しデシベルの限界を超える Graham Bonnet は、Yasushi Yokoyama のスピリットでギターの超新星を発掘する天才でもありました。
ALCATRAZZ で若き Yngwie Malmsteen, Steve Vai を掘り起こし、Chris Impellitteri のデビューフル “Stand in Line” でもその野声を響かせた怪人が、そうして34年ぶりの監獄島再浮上に目をつけたギタリストこそ Joe Stump でした。
「Yngwie との比較は嬉しいことだよ。だって俺が Yngwie を愛していることは秘密でもなんでもないからね。彼は俺のヒーローの一人で、最大の影響元だよ。だから誇らしく感じているんだ。」
90年代、鳴り物入りで Shrapnel からデビューを果たした “シュレッド卿” (自分発信) は、そのフルピックを多用するクラシカルな様式美が Yngwie のクローンとしてある種のバッシングを浴びた人物でもあります。
しかし、「俺がイライラするのは、(このスタイルの音楽に関しては無知で無学な人に多いんだけど) 俺の演奏すべてが彼のようなサウンドだけだと言われることだよ。俺は様々な影響を受けていて、それは俺の音楽にはっきりと表れているんだから。」 と自らが言及するように、音聖への愛情を注ぎながら、パワーメタルやスラッシュ、エクストリームメタルとよりダークな音像を湛えた邪悪なギター捌きは、”音速を超えたシュレッドマシーン” “スピードメタルメサイア” といった凡人には到底思いつかない仰々しいアルバムタイトルと共に、その自信と独自性を高めていったのです。
「だって俺はあのクソグランジすべてが大嫌いだからな。あの音楽に超クールなギターなんて全然なかっただろ? ただネルシャツとウールハットを身につけた野郎どもが、10歳でも弾けるようなクソをプレイしてただけさ。俺の初期のレコードがあの時期にそれなりの評価を得た理由の一つは、俺がこの手の限界を超えたシュレッドギターレコードを作っていた唯一の男だったからだ。」
限界を超えていたかどうかは議論が別れるところでしょうが、少なくとも Joe Stump は自らの信念を捨て去ることは決してありませんでした。そんな彼の様式美愛が今回遂に ALCATRAZZ 加入という結果に繋がったとも言えるはずです。
そうして再びネオクラシカルな翼を手に入れた ALCATRAZZ にとって、Jimmy Waldo, Gary Shea の名は実に重要な復活の呪文でした。例えば、2016年に Graham がリリースしたソロアルバム “The Book” はたしかに強力なメンバーを揃えた力作でしたが、それでも ALCATRAZZ と呼ぶに相応しいレコードではありませんでした。それはきっと、あの NEW ENGLAND にも所属した Gary のメロディーセンス、そして何より Jimmy の荘厳なハモンドの響きが欠けていたからに他ならないでしょう。
かつてもビッグフットやクリーナクリーといった UMA を題材としてきた Graham が、遂に北極熊へと焦点を当てた “Polar Bear” は、最も名作 “No Parol” の厳かな躍動を運ぶ楽曲かもしれませんね。”Too Young To Die, Too Drunk To Live” の刹那と熱情が瑞々しく蘇ります。
「ALCATRAZZ としても初期の “No Parole” なヴァイブを取り戻したがっていたからね。ただし、より邪悪でメタルな感覚を宿しながらだけど。」
もちろん、”Born Innocent” は単なる焼き直しのアルバムではありません。Chris Impellitteri がゲスト参加を果たしたタイトルトラックにしても、より硬質でダークなサウンドデザインが施行され34年のギャップは巧みに埋められていきます。
おそらく、Yngwie は “No Parol” の時点ではまだ入念にギターソロを構築しており一音一音に神々しささえ感じさせましたが、90年代中盤以降の Yngwie が乗り移ったような荒々しい Joe のギターの濁流も、よりイーヴルな”無垢の誕生” には適しているのかも知れませんね。
“We Still Remember” や “I am the King” を聴けば、Graham のメジャーコードの魔術師たる由縁が伝わるはずです。ポップ畑を通過した彼だからこそ映える、プログレッシブなアレンジメントも嬉しい限り。
さらに、Steve Vai が作曲を行った “Dirty Like the City” では、あの奇天烈ハードロック “Disturbing The Peace” の片鱗を感じることができますし、日本のライジングサン Nozomu Wakai が大暴れの “Finn McCool” は MSG や RAINBOW のハイスピードバージョンと受け取ることも可能でしょう。何より、”Reallity” はハリウッドの孤独に通じる佳曲です。”Hiroshima Mon Amour” の遺産を受け継ぐ歴史ソングは、ロンドンの大火を紡ぐ “London 1699″。
今回弊誌では、Joe Stump にインタビューを行うことができました。「俺はいつも演奏し、練習し、作曲し、レコーディングを行なっている。そうしたくても、そうしたくなくても、1日に6時間以上は必ずギターを手にしているよ。幸運なことに、俺は今でも若いころと全く同じようにギタープレイを愛しているから。」 発言すべてが一周回ってカッコいいです。どうぞ!!

ALCATRAZZ “BORN INNOCENT” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCATRAZZ : BORN INNOCENT】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JAGA JAZZIST : PYRAMID】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LARS HORNTVETH OF JAGA JAZZIST !!

“I’ve Listened To Tomita’s Albums For Years And It Felt Really Natural To Combine This Inspirations Of Warm Synth Sounds With The Analogue And Organic Sounds Of The Drums, Guitars, Horns And Vibraphone. We Spent a Lot Of Time Making The Synth Melodies Sound As Personal And Organic As Possible, Like a Horn Player Or a Singer. Tomita Was The Biggest Reference To Do That.”

DISC REVIEW “PYRAMID”

「アルバムの音楽を表現するために、何か象徴的なものが欲しかったんだ。今回の音楽はかなり壮大で、ピラミッドの四方や外壁、そしてその中にある神秘的な部屋を音楽で表現することができたと感じたわけさ。」
人類史において最もミステリアスな古代の巨石建造物ピラミッドは、興味深いことに過去と未来を紡ぐノルウェーのフューチャージャズ集団 JAGA JAZZIST 5年ぶりの帰還に最も相応しいアイコンとなりました。
「Ninja Tune とはスケジュールの問題があったんだ。彼らは今年、非常に多くのリリースを抱えていたから。Brainfeeder への移籍は今のところいい感じだよ。僕たちが大好きなアーティストと同僚になれて誇らしいね。」
ジャズを王の眠る部屋だとするならば、そこから無数に伸びる通路が繋ぐ音の部屋こそ JAGA JAZZIST の真骨頂。エレクトロニカ、ミニマル、クラシカル、ポストロック、プログロックと接続するエクレクティックな内部構造、360度見渡せる “神秘の部屋” の有りようは、奇しくも FLYING LOTUS が主催し Kamasi Washington, Thundercat といったジャズの新たなファラオが鎮座する Brainfeeder の理念や野心と完膚なきまでに符合しました。
「たしかにシンセとそのシンセサイザーでの音の出し方に関して、冨田勲に大きなインスピレーションを受けたね。この “Tomita” という曲だけじゃなく、アルバム全体にも影響を与えているんだよ。」
前作 “Starfire” と比較してまず驚くのが “エッジ” の減退と “オーガニック” の伸長でしょう。”Starfire” に見られたアグレッシブなダブやエレクトロニカのサウンドは影を潜め、一方で70年代のプログやフュージョンに通じる神秘的な暖かさが作品全編を覆っています。ある意味、Miles Davis があの時代に描いたスケッチを、現代の技巧、タッチで復元するような冒険とも言えるでしょうか。
特筆すべきその変化は、JAGA JAZZIST の主催 Lars Horntveth が9回も訪れているという、日本が輩出した偉大な作曲家、シンセサイザーアーティスト冨田勲の影響によって引き起こされました。
「彼の温かみのあるシンセサイザーの音に受けたインスピレーションと、ドラム、ギター、ホーン、ビブラフォンのアナログで有機的なサウンドを組み合わせるのはとても自然なことだと感じたわけさ。シンセのメロディーを、ホーン奏者やシンガーのようにできるだけパーソナルでオーガニックなサウンドにするため多くの時間を費やしたんだよ。その手法において、最も参考になったのが富田だったんだ。」
暖かく有機的なアコースティックな楽器の音色を、シンセサイザーという機械で再現することに人生をかけた冨田勲。ゆえに、彼がアナログシンセで奏でるメロディーの夢幻は唯一無二でした。その理想をユニゾンの魔術師 JAGA JAZZIST が8人がかりで現代に蘇らせるのですから面白くないはずがありませんね。
アンビエントからラテン、さらに Chris Squire を想起させるベースフレーズでプログの世界まで到達する “Tomita”。ボレロとファンク、それに夢見がちなサウンドトラックが合わさり最古のミニマルミュージックをアップデートした “Spiral Era”。Fela Kuti の魂、Miles Davis の遺志と共鳴しながらユニゾンと対位法、ポリリズムのカオスで圧倒する “The Shrine”。ネオンを散りばめたジャズ/フュージョンのダンスフロア “Apex”。そのすべては、壮大で美しく、奇妙で夢のようなピラミッドを形成するレトロな未来なのでしょう。
ロックの視点で見れば、”Kid A” 以降の RADIOHEAD や TAME IMPALA まで因数分解してヒエログリフに刻むその慧眼をただ崇拝するのみ。
今回弊誌では、Lars Horntveth にインタビューを行うことができました。「この楽曲は彼の音楽へのオマージュであるのみならず、偉大な政治家としての Fela Kuti に捧げた音楽なんだ。この曲がタイトルに沿った “聖堂” であることを願っているよ。彼の人生と魂に語りかける楽曲になっているとしたら、それは僕たちにとってボーナスのようなものさ。」どうぞ!!

JAGA JAZZIST “PYRAMID” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JAGA JAZZIST : PYRAMID】