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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KAIPA : CHILDREN OF THE SOUNDS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HANS LUNDIN OF KAIPA !!

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Legendary Swedish Progressive Rockers, Kaipa Will Bring Ethereal Melody, Great Interplay, And Beautiful Inspiration With Their New Record “Children Of The Sounds” !!

DISC REVIEW “CHILDREN OF THE SOUNDS”

スウェーデンプログレッシブシーンの開祖にしてイニシエーター、70年代から活躍を続ける芳醇なるメロディーの宝庫 KAIPA が最新作 “Children of the Sounds” を9/22にリリースします!!煌びやかでシンフォニック、その絶佳なる美しきサウンドスケープは、レトロとコンテンポラリーの華麗なる融合を誘ってベテランの底知れぬ創造性を誇示していますね。
トラッドとクラシカルを軸に、情感豊かでキャッチーなプログレッシブロックを聴かせた70年代~80年代前半。Hans Lundin と Roine Stolt、巨匠2人のマジカルなインタープレイとバンドの巧みなアンサンブルは世界中を魅了し、故に82年の活動休止は実に惜しまれた出来事でした。
バンドに新たな生命が灯ったのは休止から20年の月日を経た2002年。Hans と Roine を首謀者として、 Morgan Ågren (MATS/MORGAN BAND), Jonas Reingold (THE FLOWER KINGS), Aleena Gibson, Patrik Lundström (RITUAL)という超一流の実力者を揃えたラインナップで復活を遂げた KAIPA は、2005年の Roine 脱退以降も新たにマエストロ Per Nilsson (SCAR SYMMETRY) を加えてコンスタントに良作を発表し続けているのです。
「僕たちは “サウンドの子供たち” であるという想像に至ったんだ。人生で経験して来た音楽を集めて新たな創造をもたらし、フレッシュな音楽を描くというね。」 と語るように、”Children of the Sounds” は、KAIPA のマスターマインド Hans Lundin の潜在意識へと集積された “音楽の種子” が芽吹き、全5曲58分の壮大なるエピックへと成長を遂げた登熟の一枚だと言えるでしょう。
アルバムオープナー、12分のタイトルトラック “Children of the Sounds” はまさにその Hans の哲学を完璧に反映した楽曲です。「僕はいつも、潜在意識のどこかに隠れている偉大で忘れ難いメロディーを出発点として見つけようとするんだよ。僕はそれを良くボーカルメロディーやメインテーマにしたりするんだ。」 という証言は非常に音楽的でインテリジェンスな彼のやり方を裏付けます。
クラッシックやジャズ、ミュージカルで良く使用されるこの “テーマを膨らませる” 手法は、例えばプログメタルに有りがちな様々な異なるパートを複雑に繋いで行く煩雑な手法よりも、楽曲の主題をリスナーに印象づけるという点において非常に有効です。そして 「僕はメインテーマに様々なバリエーションを持たせる技法を良く使用するよ。時には拍子を変えて、時には同じコードで新たに楽器でメロディーを書いたり、時には主題の断片を含ませたり、時にはコードのベースノートだけを変えて少し変わったフィーリングを出すこともあるね。」 と Hans が語る通り、”Children of the Sounds” におけるテーマの膨らませ方は本当に見事の一言ですね。
“ドーシーラーソラー” というシンプルにして心に染み入るメロディーは、Aleena のエモーショナルな女声を発端に、テンポ、拍子、コード、キー、メジャー/マイナーなどを入れ替えながら、万華鏡のようにその姿を変え躍動し、楽曲に無上の彩と強烈な印象を加えていくのです。
再結成以降、ライブは一切行わず、レコーディングも Hans の制作したデモから全てをファイルシェアで行っている KAIPA。とはいえ、「他のメンバーとはもう長年一緒にやって来ているから、デモを作っている間にも彼らの存在を感じることが出来るし、彼らが実際にプレイした最終形も想像することが出来るんだ。」 と語ってくれた通り、Per のメロディックでしかしコンテンポラリーなスマートかつソニカルなギタープレイ、Aleena と Patrick のジャニスとフレディー・マーキュリーを思わせるエモーショナルでコントラストを育むデュエット、Jonas と Morgan の繊細かつダイナミックなリズムワーク、そして Hans のノスタルジックで温かみのあるシンセサウンドは全てが適材適所。美麗なるヴァイオリンや笛の音色まで全てが Hans のデザインを巧みにグレードアップさせ、アートワークにも反映されたファンタジックで、自然に対するスピリチュアルなインスピレーションを見事具現化しているのです。
17分に及ぶ一大エピック、時にソフトに時にエッジーに、70年代のスピリットとモダンなプロダクションで木々や鳥たち、自然にフォーカスした “On The Edge of New Horizon” は Hans だけでなく、まさにバンド KAIPA としてのゴールが達成された瞬間なのかも知れませんね。
今回弊誌では Hans Lundin にインタビューを行うことが出来ました。音楽は音学でもあります。学問は一時の思いつきでは決してなく、太古から積み重ねられてきた知識の集積です。そういった意味で Hans の言う “音楽のライブラリー” からの創造、そしてトラディショナルで正攻法な作曲の手法は実に理に叶っており、これからコンポーザーを志す人たちにとって最高の指南書になるのではないでしょうか。どうぞ!!

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KAIPA “CHILDREN OF THE SOUNDS” : 9.8/10

INTERVIEW WITH HANS LUNDIN

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Q1: First of all, could you tell us about the meaning behind your band name Kaipa? When you started the band, “Ura Kaipa” was the name, wasn’t it?

【HANS】: The name of the band was originally URA KAIPA. It referred to a Swedish Stone Age chieftain and came from the book “Svenskarna och deras hövdingar” by Werner von Heidenstam. We wanted a true Swedish name and as URA KAIPA was described as the first Swedish chieftain we thought it could be a good decision. In 1974 we decided to shorten the name to KAIPA.

Q1: バンドが始まった時点では、KAIPA は URA KAIPA というバンド名だったんですよね?

【HANS】: 確かにバンドの名前は元々 URA KAIPA だったんだよ。スウェーデンの石器時代の族長を意味し、Werner von Heidenstam の著書 “Svenskarna och deras hövdingar” から取ったんだ。僕たちは、真にスウェーデンらしい名前が欲しかったんだよ。
URA KAIPA は本の中で、最初のスウェーデン族長として描かれているから、良い決断に思えたね。1974年に、名前を短くして KAIPA とすることを決めたのさ。

Q2: From the middle of Kaipa’s career, the band started singing in English instead of Swedish. Off course, you use Swedish in the recent title tracks like “Vittjar”, “Sattyg”. But most of the songs was sung by English. what inspired you to change the direction?

【HANS】: I wanted to reach a wider audience and decided to use English lyrics, only 5-10% of our albums since 2002 are sold in Sweden. On the album “Vittjar” from 2012 the title track is with Swedish lyrics but that is an exception. On the next album I wrote another song with Swedish lyrics. The title was “Sattyg” and I thought it also could be the title of the album. Later I decided to translate it to English using the title “Screwed-upness”. Instead I wrote a new title track, a short instrumental song called “Sattyg”.

Q2: KAIPA はキャリアの途中で、スウェーデン語から英語に歌詞を移行しました。近作でも、アルバムのタイトルトラックこそスウェーデン語を使用していたりしますが、基本的には大部分で英語が使われていますね?

【HANS】: 僕はより幅広いオーディエンスにアピールしたかったんだ。それで歌詞に英語を使用することにしたんだよ。2002年までで、スウェーデンでの売り上げは全体の5~10%しかなかったからね。
2012年のアルバム “Vittjar” は、タイトルトラックにスウェーデン語の歌詞を使用したんだけど、これは例外だったんだ。その後、次のアルバムにも僕はスウェーデン語の歌詞を書いたんだ。”Sattyg” という曲名で、これもアルバムのタイトルに相応しいと思ったよ。
後に、僕はその言葉を英語に訳して “Screwed-upness” というタイトルの楽曲にしたのさ。そしてその代わりに、新たな短いインストゥルメンタルソングを書いてそれを “Sattyg” と名付けることにしたんだ。

Q3: I feel Kaipa becomes definitely “Prog Super-group”, after you reunite the band in 2000. Morgan and Jonas was surprising choice, but especially, Per Nilsson’s joining in 2006 as successor of Roine was big surprise for me. Because, he was known as Metal Shredder. What made you choose him?

【HANS】: I met Per the first time in the late 90’s when we recorded the album “HAGEN: Corridors of time”. I immediately realized that he is an outstanding and versatile musician. So when I needed a new guitar player in KAIPA 2006 I didn’t have to think twice, the choice was obvious.

Q3: KAIPA はあなたが2000年にバンドを再結成してから、間違いなくスーパーグループと言える陣容を誇ります。Morgan Agren, Jonas Reingold も勿論ですが、Roine の後任に Per Nilsson を指名したのは驚きでした。彼はメタルシュレッダーとして知られていましたからね。

【HANS】: 僕が初めて Per と会ったのは90年代後半、僕たちが HAGEN の “Corridors of time” をレコーディングした時だね。その時、すぐに僕は彼が際立った、多才なミュージシャンだと気づいたんだよ。
だから2006年に KAIPA で新たなギタープレイヤーが必要となった時、即座に Per を指名したね。他に選択肢はなかったよ。

Q4: So, I wonder why doesn’t Kaipa start playing live performance again? Definitely, lot’s of fans are looking forward to it!

【HANS】: KAIPA is purely a studio band, that was my idea when “Notes from the past” was recorded and I haven’t change my thoughts concerning that during the years.

Q4: 再結成以降、KAIPA はライブパフォーマンスを行っていませんが、期待しているファンも多いのではないですか?

【HANS】: KAIPA は純粋にスタジオバンドなんだよ。”Notes From The Past” をレコーディングした時から僕はそう思っているんだ。年月を重ねても、その考えは変わっていないんだよ。

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Q5: Anyway, let’s talk about your upcoming new record “Children of the Sounds”. It seems you started writing inspired by the performance of Mats & Morgan Band, and long bicycle ride, doesn’t it?

【HANS】: During the summer I use to take long bicycle rides on small winding roads in the peaceful open landscape around my home-town Uppsala. I often stop and rest near some old church. Sometimes it’s like if I hear music, like anthems from the past seep out through the walls from the church but it’s only a new melody born in my consciousness and the seed of a new song. The lyrics to the song “Like A Serpentine” describe this feeling. The beauty of nature is an important inspiration to me in my song writing.
What really made me push the start button this time was a magic spirit that filled my whole body after visiting a concert with Kaipa drummer “Morgan Ågren” and his band “Mats & Morgan Band” in November 2014. I woke up the morning after the concert and still felt that enormous groove filling every part of my consciousness. I realized that I had to canalize all this energy somewhere so I decided to start to write some new music.

Q5: では最新作 “Children of the Sounds” について話しましょう。あなたはこのアルバムの制作を Mats/Morgan Band のパフォーマンスにインスピレーションを得て始めたそうですね?自転車でのロングライドにも。

【HANS】: 夏の間、僕は普段ホームタウンの小さな景色の良い小道を自転車でロングライドすることにしているんだ。
よく古い教会に自転車を停めて休むことがあるんだよ。そこでは時々、まるで過去の賛美歌が教会の壁を通して聴こえてくるように感じるんだ。そういった意識の中で新たなメロディーが生まれ、それが新曲の”種”になったんだ。
“Like A Serpentine” はその時のフィーリングを表現した楽曲なんだよ。ソングライティングにおいて、自然の美しさは僕にとって重要なインスピレーションの源だからね。
ただ、今回制作へのスタートボタンを本当に押してくれたのは、2016年の11月に KAIPA のドラマー Morgan Ågren が率いる Mats/Morgan Band のコンサートを訪ねた後、全身を満たしたマジカルなスピリットだったんだ。
コンサートの次の日、朝起きると僕の意識の全てパートがまだあのバンドの大きなグルーヴを感じていることに気づいたんだよ。僕はその全てのエナジーをどこかに放出しなければならないと悟ったね。だから新曲を書くことに決めたのさ。

Q6: This time, album title is not English. Also, the artwork with a girl is very fantastic and ethereal that reflects the music. By the way, what made you choose the title? Is there any concept in the record?

【HANS】: No it’s not a concept album, just five separate songs. I’ve often wondered where all those notes are coming from when the inspiration suddenly hits me in one of those magical moments when I just have to start to write a new song. Maybe I have a huge library of notes that I’ve collected during all my life hidden somewhere in my subconsciousness. Maybe these notes have been played before and then just vanished in the air. After slumbering for many years they suddenly wake up eager to start a new life and to form new combinations and so they guide me through the writing process. So I imagined that we are “Children of the sounds” and that we paint the music we create with our own references that we’ve collected through our lifetime and bring it into something new.

Q6: 音楽を反映するような美しいアートワークにも少女、つまり “Children” が描かれていますが、作品のコンセプトはどのようなものなのでしょう?

【HANS】: これはコンセプトアルバムではないよ。ただ5曲別々の楽曲が存在するだけさ。
時々疑問に思うんだけど、僕が新曲を書き始める時、突然マジカルなインスピレーションが降りて来るんだけど、その全ての音はいったいどこからやって来るんだろうって。おそらく僕の中に巨大な音のライブラリーが存在するんだろうね。
それは人生を通して潜在意識に養って来たものなんだろうけど。たぶん、そういった音たちは以前に演奏されて来て、ただどこかに消え去っていたものなのかも知れないね。何年も眠りについた後、突然その音の連なりは新たな生命を全うしたくて目覚め、新たな連結を始めるんだ。ライティングプロセスの間中、そういった音楽がガイドを果たしてくれるんだよ。
そういった考えによって、僕たちは “サウンドの子供たち” であるという想像に至ったんだ。人生で経験して来た音楽を集めて新たな創造をもたらし、フレッシュな音楽を描くというね。

Q7: I feel this record is more epic than your previous works. Off course, recent releases have long songs over ten minutes, but this time, only five songs and most of these are ten minutes around. When I interviewed Per before, he said Kaipa’s record is made by file sharing, such a precise, much layered works by file sharing?? Unbelievable! Anyway, what made you make such a epical record this time?

【HANS】: I never decide in advance what I shall write. I just let the inspiration guide me on an unpredictable and exiting journey. This time the result was five long songs and it feels good.
I always try to find one of those great and unforgettable melodies hiding somewhere in my subconscious as a starting point. I often use that as a vocal melody and the main theme of a composition. Instead of composing a lot of totally different parts and mix them into a long song I use to do several variations of the main theme. Sometimes I change the time signature, sometimes I write a new instrumental melody, using the same chords, with some fragments of the main theme included and sometimes I just change the bass notes in the chords to produce another feeling. I think this gives you a familiar feeling when you listen to the music even if you don’t necessarily realize it’s coming from the same source. I’m working with writing and arranging side by side recording it into a demo where I’m playing and singing everything. That’s my normal way of working so I can get an overview of the songs. I have worked with the other members for so many years now so I can feel their presence and feel the changes in the music they’re going to perform to create the final result.

Q7: 結果として “Children of the Sounds” はいつにも増してエピカルで、長編の楽曲が揃いましたね。

【HANS】: 僕は前もってどんな楽曲を書くか決めたことがないんだよ。ただインスピレーションに従って、予想もつかないエキサイティングな旅に出るだけさ。今回は結果として、5つの長い楽曲が良い感じに仕上がったという訳なんだ。
僕はいつも、潜在意識のどこかに隠れている偉大で忘れ難いメロディーを出発点として見つけようとするんだよ。僕はそれを良くボーカルメロディーやメインテーマにしたりするんだ。
全く異なる多くのパートを作ってそれらを合わせて長い楽曲を作る代わりに、僕はメインテーマに様々なバリエーションを持たせる技法を良く使用するよ。時には拍子を変えて、時には同じコードで新たに楽器でメロディーを書いたり、時には主題の断片を含ませたり、時にはコードのベースノートだけを変えて少し変わったフィーリングを出すこともあるね。こうした手法を取ることで、リスナーは同じメインテーマから来ていると気づくまでもなく、慣れ親しんだ感覚を覚えることが出来るんだ。
僕は作曲とアレンジを、僕が全てを歌ってプレイするデモをレコーディングしながら並行して行っているんだよ。だから楽曲の全体像を把握することが出来るのさ。これが僕のノーマルなやり方だよ。他のメンバーとはもう長年一緒にやって来ているから、デモを作っている間にも彼らの存在を感じることが出来るし、彼らが実際にプレイした最終形も想像することが出来るんだ。

Q8: So, In 2014, original members Roine Stolt, Ingemar Bergman, and Tomas Eriksson re-grouped under the name Kaipa DaCapo to play the old music from the first three albums as well as brand new music. What’s your thought about them?

【HANS】: I think it’s great that my old friends and band mates from the original Kaipa 1974 are playing together again. When they started they only played the old Kaipa songs from the 70’s. But last year they decided to record an album with new material. I advised them to find a new name of the band so they could have their own identity but they refused to listen to me. I don’t like that they are using the name Kaipa just because it leads to so many misunderstandings and confusion.

Q8: 最後に、2014年から KAIPA のオリジナルメンバーである Roine Stolt, Ingemar Bergman, Tomas Eriksson が KAIPA DACAPO の名の元に再集結していますね。彼らの活動についてあなたはどう思っていますか?

【HANS】: 古い友人で、1974年のオリジナル KAIPA のバンドメイトでもある彼らがまた一緒にプレイしているのは素晴らしいことだよ。彼らが KAIPA DACAPO を始めた時は、70年代の古い KAIPA の楽曲だけをプレイしていたね。だけど去年、彼らは新たなマテリアルで新作を作ることに決めたんだ。
彼らには新しいバンド名を見つけるようにアドバイスしたんだよ。その方が自らのアイデンティティーを保てるからね。だけど彼らは耳を貸さなかったんだ。彼らが KAIPA の名前を使っているのは、ただ混乱とミスアンダースタンドを招くという理由で、僕は気に入ってはいないんだ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED HANS’S LIFE

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【HANS】: No I can not do that. There is too much music that has passed through my long life. I listened to a lot of music already before I started to play in my first band 1964. Going from simple 3 minutes pop-songs to more complex music in the 70’s. But I’ve always appreciated great memorable melodies. It doesn’t matter what genre it is.

【HANS】: 5枚を選ぶなんて出来ないよ。僕の長い人生にはあまりにも多くの音楽が通り過ぎていったからね。僕は1964年に最初のバンドでプレイする前から、すでに多くの音楽を聴いていたんだから。三分間のシンプルなポップソングから始まって、70年代にはより複雑な音楽をね。ただ、僕はいつだって偉大で記憶に残るメロディーを讃えてきたよ。ジャンルが何であれね。

MESSAGE FOR JAPAN

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I want to thank all my friends and supporters in Japan and inform them that I am now going to finish the work of remixing my three solo albums recorded during the years 1984–1989 with mostly instrumental music stylistically close to the music I wrote for Kaipa. In 2018 these three albums and two more with previously unreleased material will be released in a 5-CD Box “Hans Lundin: The solo years 1984-1989”. It’s a real joy to revisit all these songs and all the memories from when I wrote and recorded them. There will be lots of analogue synths and of course my trademark the distorted solo synths that I started to develop in the late 70’s. Also some Kaipa demos and several guest musicians like Roine Stolt, Max Åhman and Ulf Wallander.

日本の全ての友人たちとサポーターたちに感謝を伝えたいね。そして僕が 1984年から1989年の間にレコーディングを行った3枚のソロアルバムのリミックスを終えようとしていることもね。
ほとんどがインストゥルメンタルミュージックだけど、スタイル的には KAIPA に近いかな。2018年に、その3枚のアルバムと2枚の未発表作品集を合わせて5枚組ボックスセット “Hans Lundin: The solo years 1984-1989” としてリリースするんだ。この作品の楽曲を再び訪ねるのは真に喜びだったね。レコーディングしたり作曲した時の想い出が蘇ってきたよ。
作品には沢山のアナログシンセと、勿論僕のトレードマークである、70年代後半に僕が進化させたディストーションのシンセソロも収録されるよ。KAIPA のデモ音源や、Roine Stolt, Max Åhman, Ulf Wallander といったゲスト陣もね。

HANS LUNDIN

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DEAD CROSS : DEAD CROSS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JUSTIN PEARSON OF DEAD CROSS !!

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Metal & Hardcore Energetic Supergroup, Dead Cross Brings Life Back Into The Genre With Groundbreaking Debut Record “Dead Cross” !!

DISC REVIEW “DEAD CROSS”

“SLAYER のようにアグレッシブで、FANTOMAS のように奇妙”。Dave Lombardo ( ex-SLAYER, FANTOMAS ), Mike Patton ( FAITH NO MORE, FANTOMAS ), Mike Crain ( RETOX ), Justin Pearson ( THE LOCUST, RETOX ) というエクストリームミュージックの重鎮が集結した新バンド DEAD CROSS が衝撃のデビュー作をリリースしました!!百戦錬磨の古兵たちが放つ一撃はあまりに熾烈かつ迫真です。
SLAYER での鬼神たる Dave Lombardo、FAITH NO MORE での異形たる Mike Patton については今さら多くを語るまでもないでしょう。勿論、その2人がタッグを組んだアヴァンギャルドで “アンチアート” な “Dada-Metal”、FANTOMAS についても。過去に Lombardo は、「もしピカソがミュージシャンだったら FANTOMAS のような音楽を創造しただろう。」 とさえ述べています。
一方で、THE LOCUST はグラインドコア、パワーバイオレンス、ノイズロックをハードコアのフォーマットへと落とし込んだ多様かつ複雑でダイナミックな音楽を信条としており、さらに THE LOCUST の美学こと Justin Pearson が新たに立ち上げた RETOX はハードコアパンクのエキサイティングな新鋭です。
インタビューで Justin は、「ジャンルは実に厄介なもので、自分の目的はリスナーを無関心にしないこと」 だと語ってくれましたが、彼らのキャリアと独自性を見れば、DEAD CROSS という奇跡の化学反応がそのイメージを叶えることは確かなようにも思えます。
実際、”Dead Cross” は期待以上にカオスでエクストリーム、ゲームチェンジングなレコードです。「みんなの音楽に対する感じ方を変えたいし、もっと言えば壊したいと思っているんだよ。」 と語る Justin の野心は、比類なきメンバーと類希なるシンパシーを得て遂に達成されたと言えるのかも知れませんね。
“Dead Cross” が死の直前起こる体温の急降下と脈拍の急上昇、つまり体温曲線と脈拍曲線が交差する現象である “死兆交差” を指すように、アルバムは怒りとフラストレーション、そして究極的にはそこから生じる “死” を様々な観点、手法で表現した作品だと言えるでしょう。
事実、Dave Lombardo は Rolling Stone 誌のインタビューで、このバンドがパリのバタクランで起こったテロに対する大きな憤りから生まれたことを認めています。これが完璧なハードコアアルバムで、自身の最もブルータルで抽象的なレコードであることも。
勿論、Dave 究極の一枚に SLAYER の “Reign in Blood” を挙げるファンも多いでしょう。奇しくもほぼ同じ、30分を切るランニングタイムの2枚のレコードは、そのインパクトにおいても同等の強い光彩を放っているように思えます。
“Reign in Blood” が伝説と化したのは、その際限なきアグレッションと呼応して溢れ出る瑞々しきフックの数々があったからこそ。怒りに満ちた “Dead Cross” にも同様に、リスナーをリピートへと誘う豊潤かつインテリジェンスな仕掛け、キャッチーさが潜んでいるのです。
アルバム前半、ハードコアパンクとスラッシュのエナジーを二乗し突進するアドレナリンラッシュの渦中においても、THE LOCUST を想起させる知的な混沌、ノイズ、変拍子、テンポチェンジは極上のアクセントとして揺るがぬ存在感を放ちます。
さらにBandcamp のインタビューで、「ハードコアのルーツに回帰したんだ。クソと重要さの見分けがつくようになった。」 と語る Dave のドラミングは、その比類なきビートをより感情にまかせ、性急に、複雑に、そしてブルータルに刻みます。80年代のベイエリアパンクから、THE DILLINGER ESCAPE PLAN のようなよりコンテンポラリーなマスコアまで自由自在な Mike Crain のリフワークもスマートで耳を惹きますね。そして何より Mike Patton は Mike Patton です。
「オペラティックなバックヴォーカルとボイスエフェクトをレコード全体にレイヤーすることはどうしても避けられなかったんだ。」 怒れるレコードに似つかわしくない Mike の業、カルマはバンドを驚かせました。しかし、同時に Dave は Mike 由来の異質なるハーモニーやオルタナティブなメロディーラインがアルバムに深みを加えたことも認めています。
CELTIC FROST のアヴァンギャルド、邪念、悪夢を飲み込んだ “Bela Lugosi’s Dead” や “Gag Reflex”、パンクのキャッチーさを奇妙に再構築した “Shillelagh”、よりプリミティブなスクリームが狂気を育む “The Future Has Been Cancelled” といった楽曲群は Mike の貢献なしでは成立しなかったはずです。
鬼才 Ross Robinson を含め5人の才能が火花を散らしたアルバムは、バンドの次なる可能性を諮詢する、ゴシカルでインダストリアルな “Church of the Motherfuckers” でその幕を閉じました。
今回弊誌では Justin Pearson にインタビューを行うことが出来ました。「全てのクリエイティビティーに感謝を」 どうぞ!!

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DEAD CROSS “DEAD CROSS” : 10/10

INTERVIEW WITH JUSTIN PEARSON

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Q1: As soon as the tour began, the members were arrested and Mike was injured, it looked not good situation. Are you enjoying the tour now?

【JUSTIN】: I think through the eyes of social media everything can easily seem more sensational that it really is when you are actually in the thick of it. Don’t get me wrong, having guns and drugs pulled out of your backpack by a State Trooper, when you have never shot a gun or snorted coke in your life is a bit weird for me. This world is a weird and mean place, but what will happen, will happen. I just roll with things and hope to come out on the other end. If I don’t, well, I suppose it’s over so who gives a shit? As for Patton, he seems resilient, even at his current age. He bounced back and we had a make up show the night following the one we had to cancel. As for enjoyment and tour, sure. However, tour is not what some people think it is. Not that I have any complaints, but it’s a lot of looking out of a van window and hanging out in a venue over and over. Beats a cubicle and a shitty suit though.

Q1: ツアー開始早々に、メンバーが逮捕されたり、Mike が怪我をしたりと大変な状況でしたが、今現在はツアーを楽しめていますか?

【JUSTIN】: ソーシャルメディアの視点を通して見れば、全ては簡単に、よりセンセーショナルに思えるだろうね。実際、当事者としてその中にいるよりも遥かにね。
誤解しないで欲しいんだけど、人生で銃を撃ったこともコカインをやったこともないのに、州警察が君のバックパックから銃やコカインを取り出したら僕には奇妙に思えるだろうね。
この世界は奇妙で卑劣な場所だけど、何でも起こりうるんだよ。僕はそういったことにただ対処して、早く問題から抜け出したいだけなんだ。とにかく、もう終わったことなんだから、誰が気にするって言うんだい?
Mike については、すぐに回復したように思えるよ。彼の年齢にしたらね。彼がすぐに復帰したから、キャンセルした次の日の夜にはライブをセッティングしなければならなかったくらいさ。
ツアーに関しては勿論エンジョイしているよ。ただ、君たちの想像するようなものではないかも知れないけどね。大部分はバンの窓から外を眺めて、開催地で出かけることを繰り返すだけなんだ。

Q2: So, you invited Dead Kennedys’ Jello Biafra Onstage to Perform “Nazi Punks Fuck Off ” as “Nazi Trumps Fuck Off”. Adding that, you even made matching T-shirts, haha. What made you so?

【JUSTIN】: The shirts were a bit too “cute” in my opinion. But Jello insisted, and well, I had to be a good sport. Nonetheless, it was a bit surreal to perform that track with the man. I cut my teeth on Dead Kennedys. And well, unfortunately the subject matter surrounding the song is still fairly relevant.

Q2: 先日は、DEAD KENNEDYS の Jello Biafra をステージに招いて彼らの名曲 “Nazi Punks Fuck Off” を “Nazi Trumps Fuck Off” に変えて演奏していましたね?Tシャツまで揃えていたのは最高てしたよ。

【JUSTIN】: 僕の考えでは、あのTシャツはちょっと “キュート” 過ぎたかなって思うんだ。だけど Jello がそうしたいと主張したし、僕は礼儀正しくする必要があったからね。
それにしたって、あの人とあの楽曲をプレイするのは少しシュール、非現実的だったよ。僕は DEAD KENNEDYS でロックの世界に入ったんだからね。それに、残念ながらあの楽曲にまつわる題材もまだかなりの関連性があるよね。

Q3: Definitely, Dead Cross is super band. Sometimes, the band is said as “Dead Cross Is as Aggressive as Slayer and as Weird as Fantômas”. Anyway, what is the purpose of these four people gathered now?

【JUSTIN】: The purpose of the four of us is exactly what it is, a band, exchanging energy and ideas, and putting that out there in the universe!

Q3: DEAD CROSS は “SLAYER のようにアグレッシブで、FANTOMAS のように奇妙” などと例えられるスーパーバンドですが、この4人が今集まった目的は何でしょう?

【JUSTIN】: 僕たち4人の目的は、間違いなくバンドであることだよ。エナジーとアイデアを交換し、世界へと放出するためのね!

Q4: After Gabe Serbian left the band, Mike Patton becomes new singer of Dead Cross. How did you come up with the idea of ​​naming him to successor?

【JUSTIN】: We had a bunch of names of people who we wanted to work with as a vocalist and put them in a hat. It was this weird sort of top hat thing, like that dumb hat that Slash wears. Anyhow, Lombardo reached in and pulled out the one with Patton’s name on it, and that was how it all went down.

Q4: Gabe Serbian がバンドを去った後、DEAD CROSS はカリスマ Mike Patton を後任のシンガーに選びました。この人選は誰が思いついたのですか?

【JUSTIN】: 僕たちは、共にやって行きたいボーカリストを本当に沢山ピックアップして、その名前を帽子の中に入れたんだ。奇妙なトップハット帽で、スラッシュ(GN’R) が身につけているようなバカッぽいやつね。
とにかく、Dave がその帽子に手を突っ込んで引き出したのが Patton の名前だったのさ。後はみんなが知っている通りだよ。

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Q5: Your band name “Dead Cross”, it also becomes the title of debut album, What’s the meaning behind the word?

【JUSTIN】: It came to me as I was driving from San Diego to Los Angeles, while listening to NPR. There was this report on an illegal drone strike and a botched attack which killed aid relief.

Q5: アルバムタイトルにもなっているバンド名 DEAD CROSS ですが、この言葉にはどういった意味が込められているのでしょう?

【JUSTIN】: DEAD CROSS (死の直前に体温が急降下して、脈拍が急上昇。体温曲線と脈拍曲線が交差する現象を “死の十字架” “死兆交差” と呼ぶ。)というバンド名は、僕がサンディエゴからロサンゼルスまでドライブしている時に思いついたんだ。NPR (National Public Radio 非営利のラジオネットワークでリベラル寄り) を聴きながらね。
ちょうどニュースでは、違法なドローン攻撃と、攻撃の失敗で国際援助活動の人間を殺害してしまったことについて報じていたんだ。

Q6: Definitely, “Dead Cross” is heavy as hell, It gives me an adrenaline rush, I mean, I feel “Anger” from the record. What did you want to tell the listener on this album?

【JUSTIN】: I rarely put any thought into what a listener might think of the stuff I’m part of. Granted, when people dig stuff that I’m part of, I really appreciate it and think it’s rad. I suppose my goal is to not have people be indifferent… I wanted to change the way people perceive music, or maybe just destroy it in general.

Q6: “Dead Cross” は様々な面で怒りを湛え、アドレナリンラッシュを生むレコードですね?この作品でリスナーに伝えたかったことは何ですか?

【JUSTIN】: 僕は自分が参加した作品に、リスナーがこう考えれば良いのにと言った先回りの思考は込めないようにしているんだよ。勿論、みんなが作品を気に入ってくれれば、本当に感謝するし、最高だと思うけどね。
おそらく、僕のゴールはリスナーを無関心にしないことだと思うよ。みんなの音楽に対する感じ方を変えたいし、もっと言えば壊したいと思っているんだよ。

Q7: Mike and Dave are around 50 years old. Justin and Michael are not such a youth. I feel great that you are playing angry Hardcore/Punk music when you put on years. Could you imagine this situation when you started out?

【JUSTIN】: Did you just call me old? Well, either way, I can’t answer your question. I have been doing what I am currently doing since I was 15.

Q7: Mike と Dave は50歳周辺ですし、あなたにしても決してもう若くはありませんよね?年齢を重ねて、こういった怒れるハードコアを今でもプレイしているのは素晴らしいですね!今の状況を、音楽を始めた頃に想像出来ましたか?

【JUSTIN】: おいおい、老いぼれだって言いたいのかい?どのみちこの質問には答えられないね。僕は今やっている音楽を15の時からやり続けているんだから。

Q8: So, you are one of the originator of Grindcore, Power violence, Noise Rock. What’s your perspective about the extreme music scene these days? For example, do you like Full of Hell, The Body, Code Orange or Boris?

【JUSTIN】: Awe, I think genres are kinda lame to be honest. Even calling certain things music doesn’t seem accurate at times. I suppose noise rock might be a decent term. I just tell people that the genre is “annoying”. As for other bands that I like, I do listen to a lot of talk radio.

Q8: 最後に、あなたはグラインドコア、パワーバイオレンス、ノイズロックの歴史を刻んできた人物の一人です。最近の多様なエクストリームミュージックシーンについてはどう思っていますか?

【JUSTIN】: そうだね、僕は正直に言ってジャンルって厄介なものだと思うよ。疑いようのない呼称だって、時にはその音楽に正確じゃないことがあるんだからね。
ノイズロックというのはマトモな言葉かもしれないね。つまり、その”ノイズロック”という言葉はジャンルが”迷惑な”ものだと伝えているからね。まあバンドを聴くよりも、トークラジオをよく聴いているよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED JUSTIN’S LIFE

DRIVE LIKE JEHU “DRIVE LIKE JEHU”

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THE CRAMPS “BAD MUSIC FOR BAD PEOPLE”

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PUBLIC IMAGE LTD. “PUBLIC IMAGE: FIRST ISSUE”

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BORN AGAINST “9 PATRIOTIC HYMNS FOR CHILDREN”

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ANTHONY AND THE JOHNSONS “CUT THE WORLD”

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MESSAGE FOR JAPAN

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I absolutely love it there. Thank you for existing and for all the creativity.

僕はこの作品を本当に気に入っているんだ。存在と全てのクリエイティビティーに感謝を。

JUSTIN PEARSON

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日本盤の情報はこちら。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【RINGS OF SATURN : ULTU ULLA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH AARON STECHAUNER & MILES BAKER FROM RINGS OF SATURN !!

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MA Based “Alien Core” Act, Rings Of Saturn Shows The Positive Possibility Of DeathCore, With Spacey Melodies And Galactic Chaos Of Their Newest Record “Ultu Ulla” !!

DISC REVIEW “ULTU ULLA”

メタルワールドの UMA、人知を超えたテクニカルデスコアアクト RINGS OF SATURN が、バンドの円熟を知らしめる神秘 “Ultu Ulla” をリリースしました!!シュメール語で “記録に残らないほど太古の昔” をアルバムタイトルへと冠した作品は、しかし厳然とアカシックレコードにその造化の妙を刻みつけます。
「もし宇宙に音楽が存在するならば、それは RINGS OF SATURN のようなサウンドだろう。」
予測不能なまでにカオティック、無慈悲なまでにテクニカル。カリフォルニアの超常的カルテットが創造する音宇宙は、 “エイリアンコア” と称されるほどに異次元で別世界。故に、複雑でメカニカルなその “非人間的” サウンドストラクチャーは、常に賛美と批判を等しく内包して来ました。
しかし、テクニカルデスコアシーンの盟主 Unique Leader Records から、メタルシーンの総本山 Nuclear Blast Records へと移籍を果たし、「全てがより意図を持ち、目的にフォーカスして行われている」 状況でリリースされた最新作 “Ultu Ulla” は、バンドに対するインヒューマンでデジタルという難詰を須らく沈黙させるに充分なクオリティーとディレクションを誇ります。
「このレコードで僕たちは、間違いなくより成熟し、構築されたサウンドの方向に進んだね。僕は音楽が究極にスムースに流れることを常に意識しているんだよ。」 と Miles が語るように、”Ultu Ulla” でバンドは自らのストロングポイントを保ちつつ、以前より確実にキャッチーなメロディーやナチュラルなストラクチャーへフォーカスしていると言えますね。つまり、RINGS OF SATURN は “法則” と “混沌” から成り立つ大宇宙のように、その音楽性を拡大させているのです。
アルバムオープナー “Servant of this Sentience” はバンドのイノベーションを象徴する楽曲です。極限にテクニカルなタッピングのイントロダクションは、同時に溢れ出るコズミックな旋律の銀河を創造しアルバムのムードを伝えます。
新加入、Aaron Stechauner の正確で硬質なドラミングは確かにマシナリーですが、切れ込むリフワークはメロディックデスメタルを想起させるほどエナジーに満ちてメズマライズな SF の世界を流麗に構築しているのです。グロウルとスクリームをフレキシブルに行き来する Ian の咆哮を伴って、作品にある種のキャッチーさ、普遍的なダイナミズムが生まれているのは明らかですね。
「デスコアそれ自体の影響より、全く異なるジャンルからの影響の方が僕たちの音楽、アイデアをより興味深く、新鮮にしていると思うんだ。」 Aaron が語るように、多様なインフルエンスもアルバムのテクスチャーを深く、魅力的にしています。
デスコアのチャグ感とシンフォニックなストリングス、さらに NECROPHAGIST のような難解さが渾然一体となる “Parallel Shift”。フォーキーなワルツとブラストビートが煌めきと獰猛を包含する “The Relic。さらに、”Unhallowed” や “The Macrocosm” で見せるアコースティックなアイデア、ジェントルなムードが象徴するように、バンドがデスコアというジャンルのポジティブな可能性へ変貌を遂げたのは確かです。
アルバムは、ピアノとクラッシックギターで古代インカの宇宙への交信を再現する “Inadequate” で幕を閉じました。
今回弊誌では、ドラマー Aaron Stechauner, ギタリスト Miles Baker の2人にインタビューを行うことが出来ました。「僕は”デスコア”のファンだったことは1度もないんだ。」 どうぞ!!

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RINGS OF SATURN “ULTU ULLA” 9.5/10

INTERVIEW WITH AARON & MILES

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Q1: First of all, how is Summer Slaughter 2017? There are legends like Dying Fetus, Origin, and new generation like you, Slaughter to Prevail mixed together, right?

【AARON】: It’s a great tour to be on, especially this year in my opinion. Some legendary things are happening on this tour, like Black Dahlia’s 10 year anniversary of Nocturnal. It’s mind blowing!

【MILES】: It’s great I am having a great time on this tour!

Q1: まずは Summer Slaughter 2017 の感想を聞かせてください。RINGS OF SATURN, SLAUGHTER TO PREVAIL といった新鋭と、ORIGIN, DYING FETUS といったベテランがミックスされたラインナップですね?

【AARON】: 素晴らしいツアーが続いているよ。僕の中で、特に今年はそう感じられるね。
実際、このツアー中には、伝説的な出来事がいくつか起こっているんだよ。例えば THE BLACK DAHLIA MURDER が “Nocturnal” の10周年アニバーサリーを行ったりね。最高だよ!

【MILES】: このツアーでは最高の時間を過ごせているよ!

Q2: You contracted with mega label Nuclear Blast. How is the situation different from Indie or DIY process?

【AARON】: Everything is done with a lot more intention and purpose that has years of experience behind it. We’re allowed to focus on our craft while everyone at Nuclear handles the other side of the spectrum. It’s a nice contrast to how it was in the past, with people scrambling to figure everything out all at once.

【MILES】: Correct. Well it’s a lot different because there are a lot of things that the label handles and has access to that we would otherwise handle and perhaps not have access to.

Q2: 前作からのインターバルで、メガレーベル Nuclear Blast と契約に至りましたね。DIY やインディーの時代と比べてどう変わりましたか?

【AARON】: やはり Nuclear Blast には長年の経験があるからね。全てがより意図を持ち目的にフォーカスして行われているよ。
つまり、Nuclear Blast の人たちがプロモーションなど別の仕事をこなしてくれるから、僕たちは自分たちの音楽に集中出来る訳さ。過去と比べてみればその違いが良く分かるよ。全てを1度にこなさなければならなかったんだからね。

【MILES】: 間違いないね。レーベルには僕たちが扱えなかったり、アクセス出来ないことを実現する力があるんだよ。

Q3: So, let’s talk about your newest record “Ultu Ulla”. It seems “Ultu Ulla” means “Time Immemorial” in Sumerian Cuneiform. You know, how did you find such a strange word? haha.

【AARON】: Yes. But, our singer had the idea for the name “Time Immemorial” first and then found the translation to Sumerian online.

【MILES】: Yeah, this was something our vocalist Ian decided.

Q3: では最新作 “Ultu Ulla” について話しましょう。”Ulta Ulla” とはシュメールの楔形文字で “太古の昔” という意味があるそうですね?

【AARON】: そうだね。ただ、まずシンガーの Ian がまず “Time Immemorial” “太古の昔” というアイデアを出して、それをネットでシュメール語に訳したんだ。

【MILES】: そうだね、Ian が決めたことだよ。

Q4: The theme of album is about aliens transcending space and time. You seems to be heavily influenced by themes of alien life and outer space. Why does the concepts attract you?

【AARON】: It’s always been the theme and novelty of the band. I wasn’t around for the conception, but it’s something that keeps fans interested and entertained. In the end, that’s the whole point of it all anyways!

Q4: アルバムのテーマは時空を超えるエイリアンについてだそうですね? RINGS OF SATURN が、地球外の生命や宇宙にこれほど惹かれるのはなぜでしょう?

【AARON】: それはいつだってバンドのテーマだし、僕たちの象徴でもあるね。
勿論、そのコンセプトを立ち上げた時にはまだ、僕はバンドに加入していなかったんだけど、ファンが興味を持ち、楽しんでくれる一つの要因ではあるよね。まあ、結局そのテーマこそが全てのポイントなんだよ。

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Q5: As your music is called “Aliencore”, your music was so chaotic and even to be said random. It sounded how music from outer space must sound like. And that attracts lot’s of fans. But this new record seems to be slightly different, and you seems to open the new chapter. I mean, it’s about the songs like “The Relic” and “The Macrocosm”. Do you agree that?

【AARON】: We definitely have opened up a new chapter. I would still say that we are the same band, and still embody “aliencore.” We’ve taken our roots and ingredients that make us who we are and simply refined them, and progressed with this record.

【MILES】: Yeah! This record is a definite movement towards a more matured and structured sound. I did a lot of music study in school and privately and I have always been very into things flowing extremely smoothly. That was something that was worked on a lot with this record all while keeping the ole classic RoS vibe in places too.

Q5: RINGS OF SATURN の音楽は、”Aliencore” と呼ばれるようにランダムと言える程にカオティックでまさに地球外の様相を呈していましたね。実際、それが多くのファンを惹き付けて来た訳です。しかし、新作では新たな章が幕を開けたように感じます。

【AARON】: 間違いなく僕たちは新たなチャプターを開いたね。それでも勿論、僕たちは同じバンドで、今でもエイリアンコアを体現しているんだけど。
ただ、このアルバムでは、僕たちを定義付けるルーツや成分をより抽出し、シンプルに洗練させたんだよ。進化するためにね。

【MILES】: まさに!このレコードで僕たちは、間違いなくより成熟し、構築されたサウンドの方向に進んだね。
僕は学校でも個人的にも音楽を物凄く学んで来たんだ。だから音楽が究極にスムースに流れることを常に意識しているんだよ。それこそが今回のレコードでトライしたことなんだ。勿論、クラッシックな RINGS OF SATURN のヴァイブをしっかりと保ちながらね。

Q6: Regarding the change, some people criticized that your music was too digital, not human-touch, but what do you think about that opinion?

【AARON】: The point of this band was always to sound inhuman and alien, really. With that said, there are ways to make yourself sound foreign and esoteric while still keeping physical human traits, musically speaking. Personally, I think that’s what we’ve achieved with this record. Hopefully other people agree!

【MILES】: Tone and production have a lot to do with that. I think this record is a lot less digital sounding.

Q6: 成熟、変化の話をしましたが、これまで RINGS OF SATURN の音楽は、デジタル過ぎるとか、人間味に欠けるとの批判も浴びてきましたね?

【AARON】: このバンドの重要なポイントは、常に非人間的、エイリアン的な部分なんだよ。それは確かだね。だからその批判に対処するには、深遠かつ宇宙的なサウンドを、フィジカルで人間味のある特徴で描けば良いんだよ。音楽的にはね。
個人的に、僕たちはこのレコードでそれを達成したと思うよ。みんなが同意してくれれば良いんだけどね。

【MILES】: それにはトーンとプロダクションも大いに関係するんだ。このレコードはあまりデジタルではないよ。

Q7: There were lot’s of member change in the band. But since 2014, the lineup is very stable. You know, Alex’s departure from Fallujah was really surprise for me. Similar things do not happen to Rings of Saturn, do you? haha

【AARON】: There have been a lot of changes, yeah. That is a lot of times just the way it goes in bands. A plethora of reasons come to almost every individual in a band that leaves them considering the need to turn the page in their life, in one respect or another. Sometimes those reasons weigh down and weigh down on you until you’re finally ready to say farewell.

【MILES】: Yes, there have been in the past. Yeah, I’d say it’s pretty stable now! I hope not haha!

Q7: 過去にバンドには多くのメンバーチェンジがありましたが、2014年からは安定しているように思えます。

【AARON】: 本当に沢山のメンバーチェンジがあったよね。数え切れない程に。多くの場合、その理由は、脱退したバンドのメンバーが人生の新たなページをめくることについて考えたからなんだろう。
時には、その理由がどんどん重くなっていくよ。別れを告げるまでね。

【MILES】: うん、本当に多くのメンバーチェンジがあったね。今は頗る安定しているよ!もう起きないといいね(笑)。

Q8: I think you are one of a few unique, creative band in a genre, Deathcore. What’s your perspective about the genre? Which band are you emphasize with in the genre?

【AARON】: To be honest I’ve never been a “fan” of deathcore. That isn’t to say I don’t like it; however, it’s never been my peak interest. Over the years of touring with many bands that I’d never really given a listen to in the past, it’s definitely opened my perspective. Still, I think the fact that my influence (as well as Miles’) on our music comes from genres completely different than out own has made for some really interesting and fresh ideas. That’s my opinion, at least. Like Mitch said, “the last thing I want to do is listen to metal and have it inspire what I’m doing in my band. I don’t want to sound like anybody else; I want people to be behind us and sound like us.”

【MILES】: Thank you. I personally listen to different music and not a whole lot of deathcore.

Q8: RINGS OF SATURN はデスコアというジャンルの中で、独自性やユニークさを保つ数少ないバンドだと感じます。このジャンルについてはどういった考えをお持ちですか?

【AARON】: 正直に言って、僕は”デスコア”のファンだったことは1度もないんだ。別に嫌いな訳じゃないよ。ただ、僕の興味のピークに位置したことがないだけであってね。
ここ数年、僕が全然聴いたことのないような多くのバンドとツアーを回ったんだけど、それによって間違いなく新たな価値観が生まれたね。
とは言え、デスコアそれ自体の影響より、マイルスのように全く異なるジャンルからの影響の方が僕たちの音楽、アイデアをより興味深く、新鮮にしていると思うんだ。まあこれは僕の考えだけど。
Mitch (Lucker)が 「僕がやりたくないのは、メタルを聴いてそのインスピレーションをバンドへと落とし込むこと。他の誰かのようなサウンドにはなりたくないんだ。それよりも、誰かに影響を与え、僕たちのようなサウンドにさせたい。」 と語ったようにね。

【MILES】: ありがとう!個人的に、デスコアはあまり聴かないんだ。他のジャンルを良く聴くよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED AARON & MILES’S LIFE 

OPETH “GHOST REVERIES”

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THE DEAR HUNTER “THE COLOR SPECTRUM”

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JUSTIN TIMBERLAKE “THE 20/20 EXPERIENCE”

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PANIC AT THE DISCO “PRETTY ODD”

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BLINK 182 “ENEMA OF THE STATE”

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(AARON)

CHILDREN OF BODOM “EVERY ALBUM”

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OBSCURA “OMNIVIUM”

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ARSIS “STARVE FOR THE DEVIL”

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WINTERSUN “WINTERSUN”

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STEEL PANTHER “FEEL THE STEEL”

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(MILES)

MESSAGE FOR JAPAN

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I hope to see you all very soon. Cheers!

Hope to see you all soon and thank you for the support!

みんなにすぐ会いたいよ!元気でね!
みんなにすぐ会えたらいいな。いつもサポートをありがとう!

AARON & MILES

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COVER STORY 【STEVEN WILSON : TO THE BONE】INTERVIEW WITH NICK BEGGS & TRACK BY TRACK REVIEW


EXCLUSIVE INTERVIEW WITH NICK BEGGS & TRACK BY TRACK OF STEVEN WILSON’S “TO THE BONE” !!

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Steven Wilson’s New Adventure “To The Bone” Is Inspired By The Hugely Ambitious Progressive Pop Records That He Loved In His Youth !!

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TRACK BY TRACK “TO THE BONE”

「最も大きなチャレンジは、楽曲重視のレコードを作ることだよ。メロディーにフォーカスしたね。」 モダンプログレッシブの唱導者 Steven Wilson はそう語ります。モダン=多様性の申し子である世界最高の音楽マニアが、至大なる野心を秘めて放つ5作目のソロワーク “To The Bone” は、自身が若き日に愛した偉大なるポップロックレコードの瑞々しいメロディー、その恩恵を胸いっぱいに浴びた新たなる傑作に仕上がりました。
Steven は “To The Bone” のインスピレーションを具体的に挙げています。Peter Gabriel “So”, Kate Bush “Hounds of Love”, TALK TALK “Colour of Spring”, TEARS FOR FEARS “Seeds of Love”, そして DEPECHE MODE “Violator”。勿論、全てが TOP40を記録したメインストリーム、知的で洗練されたポップロックの極み。
同時に彼は自身のプログレッシブなルーツも5枚提示しています。TANGERINE DREAM “Zeit”, Kate Bush “Hounds of Love”, THROBBING GRISTLE “The Second Annual Report”, PINK FLOYD “Ummagumma”, ABBA “Complete Studio Albums” (全てのスタジオアルバム)。
非常に多様で様々なジャンルのアーティスト、レコードが彼の血肉となっていることは明らかです。ポップサイドでも、フックに溢れた音楽的な作品を、プログレッシブサイドでも、難解なだけではなくサウンドスケープやメロディーに秀でた作品を撰するセンス。両方に含まれる Kate Bush の “Hounds of Love” はある意味象徴的ですが、すなわち、レコード毎にその作風を変化させるマエストロが今回探求するのは ナチュラルにその二者を融合させた “プログレッシブポップ” の領域だったのです。
実際、2011年からレコーディング、ツアーに参加し続けているロングタイムパートナー、チャップマンスティックの使い手 Nick Beggs はこの稀有なるレコードを “クロスオーバー” でそれこそが SW の探求する領域だと認めています。そしてその “違い” こそが様々な批判、賛美を生んでいることも。
「プログレッシブロックのオーディエンスって、実は最もプログレッシブじゃないように思えるんだ。プログレッシブミュージックは、プログレッシブな考え方であるべきなんだよ。」 盟友の心情を代弁するかのように Nick はシーンのあるべき姿をそう語ります。いとも容易くミッドウイークの UK チャートNo.1を獲得したアルバムは、決して “プログレッシブロックの逆襲” “プログの帰還” などというシンプルな具象ではなく、イノベーターの強い意志、情念なのかもしれませんね。

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TRACK 1 “To The Bone”
タイトルトラックにしてオープナー、”To The Bone” はこの芳醇なるレコードの絶妙にして正確なるステートメント。XTC の Andy Partridge が歌詞を手がけた楽曲は、”骨の髄まで” 現在の状況を突き詰め、核となる真実を探し出すことについて歌っています。
言うまでもなく、これはドナルド・トランプ時代の産物です。先のアメリカ大統領戦で私たちが経験したように、真実は時に異なる物の見方を生み出し、事実をねじ曲げてしまう可能性があるのですから。
コンセプトアルバムの形は取らなかった “To The Bone” ですが、どの楽曲にも共通するテーマは存在します。それは現在の世界を決して素晴らしいものとは思わないという視点。Steven はその要因の一つが基本的なマナーの欠如だと述べています。世界には敬意や思いやりに欠く人間があまりに多すぎると嘆いているのです。
そういった背景を鑑みれば、ダイナミックでパワフルなアルバムオープナーがトラディショナルである意味オーソドックスなブルースロックを基調としたことにも頷けますね。勿論、寛容さに欠く時代の真理を独白するアメリカの教員 Jasmin Walkes のスポークンワードで全ての幕が開けることにも。
確かにパワーコードやハーモニカ、自身のラフなリードギター、Jeremy Stacey のファンクなドラミングと Pete Eckford のハンドパーカッションは Steven のイメージとそぐわないかも知れません。ただし、アウトロのアトモスフェリックでエセリアルな表情はまさに彼の真骨頂。つまり Steven の核となる真実、音楽の探求と融合を実証した楽曲。”プログレ” じゃない? Nick Beggs はこう一言 “So What?”

TRACK 2 “Nowhere Now”
ライティングプロセスで Steven が心掛けたのは、複雑性を捨て去り、よりミュージックオリエンテッドな楽曲を生み出すこと。”Nowhere Now” の気に入っていたパートをマエストロはいとも容易く捨て去りました。楽曲のデモバージョンは現在の彼にとって、複雑で長すぎると感じられたのです。
「僕は楽曲の、感情の、メロディーの “ハート” にフォーカスする必要があるんだ。ただし今でも興味深い楽曲を制作したいという願望はあるよ。」 そう語る Steven の “プログレッシブ” は、幾重にもレイヤーされた美麗なるプロダクションやアレンジメントに主張されています。勿論、以前に比べてエレクトロニカサウンドが増している点もそこに繋がるはずですね。
複雑性やテクニカルを極力廃すというアルバムの方針は、お抱えのギターマイスター Dave Kilminster の出番も無くしました。Steven はより自身の感情を反映するため、自らのプレイをギターの軸に据えたのです。とはいえ、面白いことに Dave のボーカルハーモニーは必要とされ4曲にコーラスを挿入しているのですが。
“地下6フィート(墓穴の深さ)、僕たちは今、後方へと進んでいる” というファーストラインは、人類が退化の真っただ中にあることを諮詢しています。しかし、浮遊感を伴う極限にキャッチーなコーラスでは美しき地球を宇宙から俯瞰で見下ろし、ポジティブで広い視野を得るのです。

TRACK3 “Pariah”
ドリーミーなシンセサイザーのシーケンスに幕を開け、エセリアルなシューゲイザーで幕を閉じるコンテンポラリーなドリームポップチューンは Steven とイスラエルのフィーメイルシンガー Ninet Tayeb の優艶なるデュエット。”Hand. Cannot. Erase.” から続く2人のコラボレーションは円熟の域に達し、あざといほど典型的に、諦めないことを、ポジティブなメッセージを届けるのです。

TRACK4 “The Same Asylum As Before”
Steven は “To The Bone” でテレキャスターと恋に落ちたと語ります。”The Same Asylum As Before” のトレブリーで細く硬質なギターサウンドは、まさにテレキャスターソングの典型だと言えるでしょう。
ドライブやディストーションをあまり加えることなくロック出来るテレキャスター。その真の魅力に気づいたと Steve は語ります。勿論、これが Pete Townshend のサウンドであるとも。
ボーカルの延長としてよりレイドバックし、メロディーやキャッチーさを強調する彼のギターワークは鮮彩に躍動していますね。詩情豊かなファルセットは楽曲に陰影をもたらし、”Kashmir” を想起させるコーラスパートも出色です。

TRACK5 “Refuge”
フランス北部の港町カレー。ヨーロッパ最大規模の難民キャンプは治安も衛生状態も悪化していました。経済的に豊かな英国へ渡ろうと、トラックや列車に飛び移り命を落とす難民も現れたのです。Steven は政治的な楽曲を書くつもりはないと語ります。あくまで人間のストーリーを描きたいとも。Refuge では愛する家族や母国から切り離されることの痛みについて歌っているのです。
ポリフォニックシンセサイザー Prophet-6 のアルペジエーターが、この実験的でアンビエントなエレクトロニカチューンのベースとなっていることは明らかです。ポストプログレッシブなイメージが強調された楽曲には Robert Wyatt が “Rock Bottom” で使用したキーボード、Paul Stacey のギターソロも収録され、独特な世界観の構築に貢献しています。

TRACK6 “Permanating”
「どのレコードでも僕は多様性を創造しようとしているんだ。僕にとってはそれこそが本当に満足出来るアルバムを作る秘訣さ。」 “Diversity”, “Eclectic” というワードがモダンミュージックのベースとなっていることは言うまでもありませんが、Steven Wilson が “Permanating” で提示した眩い音楽はそれにしても驚きだと感じます。
ビッグシングルにしてメインストリームなポップフィールで満たされた楽曲には、彼の70年代ディスコミュージック、ABBA への強い愛情が込められているのです。PINK FLOYD と Donna Summer を等しく愛する Steven は「セルアウトと言われるかも知れないけど、ポップスを愛しているんだから仕方がない。」 と語っています。
人生の大半は喜びでも悲しみでもなく、ただ存在するだけだと話す Steven。故にクリスタルのような輝かしい瞬間を保持して生きるべきだと。”Permanating” はまさにその究極に幸せで楽しい時間を切り取った楽曲なのです。

TRACK7 “Blank Tapes”
“Permanating” での華やかな雰囲気から一変、”Blank Tapes” は悲しみと嘆きのバラードです。男女の別れを描いた楽曲は、Steven が男性の視点で、Ninet が女性の視点でストーリーを紡いでいきます。
Ninet の Rod Stewart を思わせる情感豊かな歌唱は、ギター、ピアノ、メロトロンというシンプルな演奏に良く映えていますね。

TRACK8 “People Who Eat Darkness”
パンキッシュで衝動的な “People Who Eat Darkness” はパリの Bataclan シアターでのテロの後に書かれた楽曲です。テロとその後のメディア報道に Steven は、穏やかな隣人が突然テロリストとなる狂気に戦慄を覚えます。彼はいつも、宗教、政治といったマクロなテーマそれ自体よりも、その中で翻弄される人間に着目するのです。
「階段でよくすれ違っていたんだけど、彼はいつもニコニコと笑顔で挨拶してくれたの。買い物を持ってくれたりしてね。普通の素敵な若い男性だったわ。」 インタビューを受けた隣人の言葉には 、”普通” に見える人間が、怒り、憎しみ、狂気を抱え闇に飲まれている可能性を諮詢しています。分断された現代社会で、果たして誰がそれに気づくことが出来るのでしょうか?

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TRACK9 “Song of I”
スイス人女性シンガー Sophie Hunger とのデュエットは、アルバムで最もエレクトロニカサウンドをセンターに据えた楽曲に仕上がりました。「最近のラップはロックより革新的だよ。」 と嘯いた Steven。”Song of I” には Rihanna をフィーチャーした Kendric Lamar の “Loyality.” を想起させる瞬間が確かに存在します。
ある種淡々とした音像の中で、淡々と伝えられるのは以外にもロマンティックなメッセージ。「タバコも、アルコールも、ギャンブルも、オールだって何だって諦めるけど、あなただけは諦められないよ。」 こういった強迫観念に男女の差異は存在せず、故にデュエットという形がフィットするのかもしれませんね。

TRACK10 “Detonation”
エレクトロビートと Jeremy Stacey のダイナミックなドラムスが目まぐるしく交差するイレギュラーな楽曲は、時にポピュラー音楽史上最も成功した作曲家 Paul McCartney and WINGS の “Live and Let Die” をイメージさせます。”Detonation” には二つの意志が存在するのかも知れません。
楽曲はフロリダの同性愛者クラブで起きたテロリズムに触発されて書かれました。犯人は確かに「アッラーフ・アクバル」 と叫び神に忠誠を誓ったように犯行を行いましたが、実際は自分自身の偏見や憎しみを正当化するためにイスラム教の皮を被っていたようにも思えます。
“Detonation” の最初の一行、「神よ、私はあなたを信じませんが、あなたが望むことはやり遂げます。」 とはすなわち、信じないものの力を借りた自身の正当化です。Steven はこの歪んだ現代社会において、自己に潜む嫌悪感や憎しみを隠すため、宗教へと目を向ける人が存在すると信じているのです。
ともあれ、”Detonation” は Steven の作品でも秀逸なロングピースで、スロバキアのギタリスト David Kollar のマクラフリン風ギターが炸裂するアウトロは実にエキサイティングだと言えますね。

TRACK11 “Song of Unborn”
“Unborn” とはまだ生誕していない命、胎児。Steven はこの感動的なアルバムクローサーで、生まれくる命に子宮の外の危うさを伝えます。ただし、これが彼の典型的なバラード “Routine” や “The Raven that Refused to Sing” と決定的に異なるのは、究極的には希望を宿している点です。”Don’t be afraid to live” 生きることを恐れないでと Steven は歌います。確かに残念な世の中だけど、それでも全ての命はユニークで、時には本当にスペシャルなものへと変わることもあるんだよと。
自分の人生を抱きしめれば、命は深遠に達するという美しいメッセージは、オプティミズムの象徴とも思える美麗なるクワイア、コーラス隊を誘って世界へと降り注ぐのです。

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Steven は、”To The Bone” には以前のレコードにはないエモーション、人々の心を動かす感動が存在すると語ります。ビートルズ、ストーンズ、ゼップ、フロイド、ディラン…彼が崇拝するレコードの大半は、アーティストが20代で制作したもの。しかし、自分は30代から花開き、どんどん良くなっていると Steven は語ります。”To The Bone” が最高傑作だと信じて疑わないことも。「僕は歳を重ねるほど、音楽のコア、真実のエモーションが掴みやすくなるからね。」

参考文献「Steven Wilson :To The Bone: A track-by-track guide 」2017年8月17日

STEVEN WILSON “TO THE BONE” : 10/10

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INTERVIEW WITH NICK BEGGS

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Steven Wilson のロングタイムパートナーにして、チャップマンスティックの使い手 Nick Beggs。KAJAGOOGOO でキャリアをスタートし、Steve Hackett, John Paul Jones など錚々たるアーティストとコラボレートを果たして来た現代プログレッシブシーンの重要人物が、Steven の最新作 “To The Bone”, 二人のパートナーシップ、Marco Minnemann, Roger King とタッグを組んだ”自分のための”バンド THE MUTE GODS” について語ってくれました。どうぞ!!
Q1: The Mute Gods is definitely amazing. The trio’s musicianship and it’s diverse sound are beyond description. I feel Steven Wilson and Steve Hackett seems to be key persons for the band’s birth. How did the partnership between you three start?

【NICK】: It was after working extensively with both Steve Hackett and Wilson that I was offered a number of record deals. But it was Thomas Waber at Inside Out that I decided to sign to. I’m sure it had a lot to do with the profile I had received during my time with these artists.
My choice to work with Marco and Roger was born from the experience of being in different bands with them.
I saw what contribution their work made to the records we had made and felt they would be perfect for the mute gods.

Q1: THE MUTE GODS は実に素晴らしいバンドですね。その高いミュージシャンシップと豊かな音楽性は群を抜いています。Steve Hackett と Steven Willson に関わって来た3人が集まった形になりましたね?

【NICK】: Steve Hackett, Steven Wilson との仕事が終わった後、沢山レコード契約の打診があったんだ。その中から Inside Out の Thomas Waber と契約することに決めたんだよ。彼らの様なアーティストと仕事をしていたから、そういったオファーが来たのは確かだろうね。
Marco、そして Roger と組むことにしたのも、Hackett や Wilson との仕事からなんだ。彼らの貢献こそが THE MUTE GODS のレコードを作り上げているし、だからこそ完璧なる人選だったね。

Q2: What’s the musical goal for The Mute Gods? You have been involved in lot’s of project. I mean, is this the band that reflects what you are now?

【NICK】: For me the musical goal is quite simple and that is a writing vehicle for my own compositions.
I felt that after writing and collaborating with many other people it is time for me to write on my own.
Although there are a couple of other people I wrote with in the first album, the majority of the writing is mine.

Q2: あなたは多くのプロジェクト、バンドに関わって来ましたが、THE MUTE GODS こそが現在のあなたを反映しているようにも思えます。バンドの目指す場所について話していただけますか?

【NICK】: 僕にとって THE MUTE GODS の音楽的なゴールはとてもシンプルで、つまり自分自身の楽曲を発表する乗り物のようなものなんだ。多くの人たちと作曲やコラボレートをして来て、そろそろ自分自身のために書かなければと感じたんだよ。
ファーストアルバムでは何人かと共作しているけど、大半は僕の手によるものさ。

Q3: Since Kajagoogoo era, you started to use Chapman stick. I’ve interviewed with many stick players like Tony Levin, Colin Marston, Jem Godfrey. I feel they each have their own usage about Chapman stick. So, what made you use the instrument? And what’s your distinction?

【NICK】: I was offered the opportunity of playing stick by Kajagoogoo. They suggested that if I became the new lead singer they would have a stick made for me and I could become the new singer and stick player to. So I did.
I agree. I think all stick players have their own unique sound and approach.
But I think it would be for other people to identify what mine maybe.

Q3: あなたは KAJAGOOGOO 時代からチャップマンスティックを使用していますね。Tony Levin, Colin Marston, Jem Godfrey など何人かその楽器を扱うアーティストにインタビューして来ましたが、それぞれが独特のプレイスタイルを持っていました。あなたはこの楽器のどこが気に入っていますか?

【NICK】: KAJAGOOGOO 時代にスティックを弾いてみないかと言われたんだ。新しいリードシンガーになってくれるなら、スティックを作ってあげようってね。だからそうしたんだよ。
確かに君が言う通り、全てのスティックプレイヤーは独自のユニークなサウンドやアプローチを持っているね。ただ、僕の特徴については、他の人から見た方が分かりやすいんじゃないかな。

Q4: From “Grace For Drowning”, you participated in Steven Wilson’s band. What did he like about you? Why is that relationship going on for so long?

【NICK】: Steve Wilson had invited me to contribute to The Grace for Drowning album and shortly after joined the Steve Hackett Band on stage in London. Once the record was released he asked me to tour with him. He told me he liked what I’d done on the record and after seeing me live with Hackett he must have thought I’d be suitable for his project. We had dinner at my house one night and we just talked about music for hours. We have a lot in common actually.
I am local to him. We are both vegetarians and have dogs. We have a similar world view and taste in music. Our sense of humour is similar and also we like a lot of the same films. I also think I am able to interpret what he wants and some times give him some thing surprising for his live shows and recordings. But other than that I don’t know.

Q4: あなたは “Grace For Drowning” から Steven Wilson のバンドに参加し続けています。彼とのパートナーシップがこれ程長く続いているのはなぜでしょう?

【NICK】: Steven Wilson が “Grace For Drowning” のアルバム制作に招待してくれたんだ。それは Steve Hackett のロンドンでのステージに参加したすぐ後だったね。レコードがリリースされると、彼はツアーにも誘って来たんだよ。
彼は “Grace For Drowning” での僕のプレイが気に入ったと話していたね。 Steve Hackett とのライブを見て、僕が彼のプロジェクトに適任だと考えたに違いないんだよ。
ある晩、僕と Steven は僕の家でディナーを取ったんだ。僕たちは音楽についてだけ、何時間も話したね。実際、2人には多くの共通点が存在するんだよ。
僕たちは地元が同じだし、2人共ベジタリアンで犬を飼っているよ。世界の見方や音楽のテイストも似ているし。後はユーモアのセンスも似ているね。大好きな映画もほとんど同じだったな。
一つ言えるのは、僕は彼の望むことを上手く解釈出来るということだね。ライブやレコーディングでは、時に驚きも彼に与えることが出来るんだ。それ以上は分からないけどね 。

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Q5: “To The Bone” seems to more “Nick Beggs” album. Actually, it’s definitely progressive pop album Influenced by like Peter Gabriel, Depeche Mode. So, what do you like the record?

【NICK】: Yes I like the record very much. It is a cross-over album and that’s what SW is after. We talk about pop music a lot but he also likes most music (other than PROG). Some times I worry that the Progressive audience are the most unprogressive audience. Which is ironic. To the bone has caused a lot of mixed responses because it’s sighted as being different. What’s wrong with that?.

Q5: “To The Bone” は、より “Nick Beggs” なアルバムにも思えます。明らかに Peter Gabriel や DEPECHE MODE からの影響を昇華した “プログレッシブポップ” アルバムですよね?

【NICK】: その通りだよ。僕はこのレコードを本当に気に入っているんだ。これは “クロスオーバー” アルバムだし、それこそが Steven Wilson の探求しているものなんだ。
僕たちはポップミュージックについて本当に沢山話したよ。彼はプログ以外の音楽もほとんど好きなんだ。時々心配になるんだけど、プログレッシブロックのオーディエンスって実は最もプログレッシブじゃないように思えるんだ。これって皮肉なことだよね。
確かに “To The Bone” は様々なレスポンスを生んでいるよ。それは “異なる” 作品だからだろうね。でもだから何だって言うんだい?

Q6: How is the recording process with Steven? For example, how does it different from the collaboration with Steve Hackett?

【NICK】: The process is always different. He likes to find a home to record from. So he will pick a studio and encamp there for a set time. He will have pieces written and recorded and then tell us which pieces he wants us to work on. Very often he will have a number of players attempt the same part, then decide which version is best.
Steve Hackett’s albums are delegated by Roger King and that is the reason we decide to continue working together the way we did on the Mute Gods albums.
It’s basically file sharing. Mix then master and submit to the record label. It’s cost affective but a little lacking in physical interaction. But this is the way a lot of modern records are made.

Q6: Steven とのレコーディングはどのように行われるのですか?例えば Steve Hackett と比べてどのような違いがありますか?

【NICK】: レコーディングプロセスは毎回異なっているんだよ。彼はレコーディングのための “家” を見つけるのが好きなんだ。だからまず彼はスタジオを選び、決められた時間だけそこで “キャンプ” をするのさ。
すでに作曲やレコーディングされたマテリアルは持ってきているから、それから僕たちにどのピースでプレイして欲しいか伝えるのさ。とても頻繁に、彼は何人かに同じパートをプレイさせるんだよ。それでベストのバージョンを決めるのさ。
Steve Hackett のアルバムは、Roger King が指揮をとっていて、それこそが僕たちが今 THE MUTE GODS でやっているように、コラボレートを続けることに決めた理由なんだけどね。
とにかく、Steve とのレコーディングは基本的にファイルシェアリングなんだ。それをミックス、マスタリングしてレーベルに送るんだよ。確かにコストの面では優秀だけど、少し直接的なコミュニケーションには欠けるよね。まあだけど、現代のレコードは大半がこの方法で作られているんだよ。

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Q7: I feel Post-punk, New wave conquered early 80’s, and extinguished Prog rock at that time. But strangely, you started your career with Kajagoogoo, but now you are in the center of prog scene. At first, did you expect to come to a prog rock scene?

【NICK】: One never knows what turns life and career will take. In the 80s Prog was so unhip you dare not speak it’s name. But as time has passed it’s come out of the closet. I’m glad about that. But I also believe the Prog Scene needs to remember where it came from and that Progressive Music should be about progressive thinking. Although I am involved in the prog scene, I am also involved in other scenes and have been for thirty five years. “I want to evolve not revolve.” (Thanks Alan Partridge.)
Maybe that’s why Steve Wilson calls me the Leonard Zelig of the music business;-

Q7: それにしても、KAJAGOOGOO でキャリアをスタートし、現在はプログシーンの中心に存在するあなたのキャリアはかなり異色ですよね?

【NICK】: 人生やキャリアに何が起こるかなんて誰にも分からないんだよ。80年代、プログは全然ヒップじゃなかったんだよ。だからその名前を語ることは出来なかったんだ。だけど時間の経過とともに、プログは再びその姿を現すことになったんだ。
それについては嬉しく思っているよ。だけどね、同時に僕はプログシーンはその出自を思い出す必要があると信じているんだ。プログレッシブミュージックは、プログレッシブな考え方であるべきなんだよ。僕は確かにプログシーンにも関わっているけど、同時に35年間も他のシーンにも関わって来ているんだ。僕は循環するより進化したいんだよ。(ありがとう、Alan Partridge。)
だからこそ Steven Wilson は僕をミュージックビジネスにおける Leonard Zelig と呼ぶんだろうね。

Q8: John Paul Jones’s “The Thunderthief” is still one of my favorite record. Actually the power trio was really strong and impressive. Anyway, in your big discography, please tell me about your favorite record.

【NICK】: I don’t have a favourite. I have good memories but it’s had to pick one. But working with John Paul Jones was definitely my most challenging experience. Technically and psychologically.

Q8: 最後に、あなたの膨大なディスコグラフィーの中でフェイバリットの作品を教えていただけますか?

【NICK】: 特別フェイバリットな作品というのはないんだよ。それぞれに良い思い出があって、一つを選ぶのは難しいよね。だけど John Paul Jones との作品は間違いなく僕にとって最もチャレンジングな経験だったよ。 技術的にも精神的にもね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NICK’S LIFE

DEEP PURPLE “MADE IN JAPAN”

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YES “CLOSE TO THE EDGE”

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PINK FLOYD “DARK SIDE OF THE MOON”

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XTC “BLACK SEA”

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BILL NELSON’S RED NOISE “SOUND ON SOUND”

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MESSAGE FOR JAPAN

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I love Japan.
It is my favourite country to visit.
I love the food, the culture the people and the design.
And also the insanity.
The film Lost in Translation captures so much of Tokyo
and it reminds me of my very first visit in 1984.
Japanese fans have always been very kind to me.
I can’t wait to come back.

僕は日本が大好きなんだ。訪れるのが一番好きな国だよ。食事、文化、人間、デザイン。全てが気に入っているね。
同時に狂気も孕んでいるよね。映画 “Lost in Translation” は見事に東京の大部分を捉えていたよ。あの映画を見ると、初めて日本を訪ねた1984年を思い出すんだ。
日本のファンはいつだって僕に親切にしてくれるね。
戻るのが待ちきれないよ。

NICK BEGGS

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STEVEN WILSON Facebook Page
STEVEN WILSON Official Site
Hostess Entertainment “To The Bone” 日本盤

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENDON : THROUGH THE MIRROR】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA OF ENDON !!

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“Catastrophic Noise-metal” Outfit ENDON Has Largely Eluded The Attention Of The Broader Western Underground Music Scene With New Extreme Masterpiece “Through The Mirror” !!

DISC REVIEW “THROUGH THE MIRROR”

エクストリームミュージックの光彩にして特異点。東京から世界を見据えるノイズの狂信者 ENDON が、シーンに “救い” という名の不可逆性をもたらすマスターピース 『THROUGH THE MIRROR』をリリースしました!!
「ENDON はメタルという言葉でイメージする音楽の領域を拡大する役目の一端を担っていると思います。言い換えれば私にはメタルの延命措置に関わっているという認識があります。」 と語る彼らの欲望は、残酷なまでに率直です。
ボーカル、ギター、ドラム、そして2名のノイズマニュピレーターを擁する ENDON。ノイズをその多様なソングストラクチャーへ大胆不敵に織り込む彼らの方法論は、エクストリームミュージックの最先端にあると言えます。
罪深きノイズの濁流 CODE ORANGE, ハードコア/グラインドのハイブリッドエクストリーム FULL OF HELL、そして ENDON。奇しくも等しくその最新作を CONVERGE の巨匠 Kurt Ballou に委ね、ノイズというキーワードで繋がる三傑は、創造性という核心において他の追従を許してはいませんね。
中でも ENDON が特異点であるべきは、インタビューにもあるように、彼らがノイズを “主人公” として扱っている部分だと言えるでしょう。勿論、エクスペリメンタルな極北たるデビューフル 、ノイズを中心に据えた “母盤”『MAMA』はその具象にして直接的な証です。しかし、ノイズを楽器の一つとして扱い楽曲を “構築” することで、よりロック/メタルのフォーマットへと接近した “父盤” 『THROUGH THE MIRROR』においてもその信念は揺らぐことすらありませんでした。
ENDON にとってノイズとは “有機性” の象徴なのかも知れません。つまり、音符や調に囚われないノイズは自由な胎動、母性。逆に緻密な楽曲の構築、音楽的な束縛は父性。二性の融合によりフォーカスした『THROUGH THE MIRROR』は、ENDON という稀代のバンドが産み落とした寵児だと言えるのではないでしょうか。
こうした変化、父性の強調をセルアウトと断じることは無意味です。那倉氏が 「私は「悟り」という言葉もあまり好きではありません。私は「悟り」を「去勢」と言い換えます。」 と語ったように、バンドは “去勢” とは対極に位置するマスアピールを欲しているのですから。
アルバムオープナー、6分間のノイズの弾幕、ブラストの洪水、地獄の責め苦 “Nerve Rain” をある種の踏み絵としたレコードは、実際アグレッションとカオス、エモーションとキャッチーさが奇跡のバランスで均衡を保つインテンスの塊です。
“Your Ghost is Dead” “Born in Limbo” を聴けば今回、特に彼らの獰猛さの一端をブラックメタルやハードコアのテクスチャーが支えていることに気づくはずです。歌詞を持たないボーカリスト、那倉太一の阿鼻叫喚は言語をも凌駕し、ギターやリズムと対等にレイヤーされたノイズのグラデーションは有機的にその残虐性を高めていますね。
殊更、 起伏が増し、繊細なる “オアシス” が存在感を放つ終盤の24分間は圧巻です。”Perversion ‘Till Death” における全てを破壊するかの如き非業の質量、修羅なる重量感は、狂気の狭間に挿入される仄暗くも耽美なるクリーンギターを伴って、スラッジーというワードのみで形容するにはあまりに背徳的で異端な世界観を作り上げています。
プリミティブなパンクのエナジーで疾駆するタイトルトラック “Through the Mirror” がメジャーキーで解決した刹那、世界はその色を変えます。”Torch Your House” で開花するエセリアルなムード、ノイズの宇宙、多幸感とさえ表現可能なサウンドスケープは、ポストロックやポストパンクの美麗なるイメージ、アンビエンス、崇高さを伴って作品に稀有なるコントラストをもたらし物語を締め括るのです。
アルバムを通してギタープレイヤー、宮部氏のルーズでクールなブルーステイストが、作品に更なる彩り、魅力を加えていることも付け加えておきましょう。
今回弊誌では、那倉太一氏にインタビューを行うことが出来ました。8/23からは FULL OF HELL, THE BODY, FRIENDSHIP の日本ツアーが始まりますが、ENDON も8/27に出演が決定しています。インタビューで、「小説が歌詞を補完しているという関係ではありません。」 と明言していますが、太一氏の弟、悦生氏が全ての楽曲タイトルに対応する小説を著しています。実に興味深い内容なので併せてぜひ。どうぞ!!

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ENDON “THROUGH THE MIRROR” : 10/10

INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA

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Q1: I emphasize with the nihilisms of Nakura brothers. ENDON sometimes uses the word “enemy”, but does this refer to authority, power person, or society itself?

【NAGURA】: An enemy is a person who has bad taste.
As a premise, you know well that all things are equally worthless in the head.
Nevertheless, in practice, it seems that the part acting with the idea of ​​”taste is good or bad” is very big.
Actually money may be more effective, but if you are looking at yourself as if you are doing a band like this, if that is “Who is the enemy,” those with bad tastes are enemies.
I think that taste is what you choose and what you like, but I think that it will lead to political things as it is.
I think that choosing which band and artist likes it is such an act.
Over the past few years I have seen a lot of events highlighting the points of intersection between tastes and politics. In fact I realized that most tastes and choices can be political topics.
A world where murder can occur due to the difference in tastes.

Q1: ある時、world’s end girlfriend が、「相も変わらず世の中はクソのようですが」 とSNSで発言していました。確かに途方もなくクソだなあと思ってその理由を考えていたんですが、私にとってはあまりに自分とは価値観の異なる、コアとなる部分が違いすぎる人間たちが 世の中を “牛耳っている” ように思えるからだったんです。
例えば、ウェブサイトやSNSを運営していても、自分にとって重要なテーマこそが埋もれてしまっているというか。世間では、刹那的で中身や意味の無い派手なだけの “ニュース” ばかりが好まれるというか。価値観の相違という言葉で済ませるにはあまりに残酷な世界に思える時があるんです。そういった意味で、ENDON の、那倉兄弟の発するニヒリズムには非常に共感しています。
ENDON が時おり使用する “敵” という言葉ですが、これは脳ミソを使わない権威とか、権力者とか、もしくは社会そのものを指しているのでしょうか?

【NAGURA】: 敵とは趣味の悪い人達のことです。
前提として、全てのものは等しく無価値だということって、頭ではもうよくわかるじゃないですか。それでも、実際的には「趣味の良し悪し」という考え方で作用する部分って非常に大きいと思うんです。
本当はお金の方が作用が強いのかもしれませんが、ことバンドやっているような自分からの目線だと、「誰が敵か」ということであれば、その趣味の悪い人達が敵です。
趣味って、何を選ぶか、何が好きかということだと思うんですが、そのまま政治的なものに繋がると思うんです。
どのバンドやアーティストが好きか選ぶことは正にそういった行為だと思います。
ここ何年かでそういった、趣味と政治の交差したところにある論点を浮き彫りにする出来事を多く目にしてきました。実はほとんどの趣味や選択に関することが政治的な話題になり得るのだということを実感しました。
趣味の違いで殺人が起きかねない世の中です。

Q2: When I reading the novel by your brother Etsuo Nakura, there are not only social morals, politics, art, but also, expressions that ridiculed the existing Japanese entertainment world. At the same time, Ironically even in the novels it seems like Rolling Stones and Sex Pistols appear like “Salvation”, doesn’t it?

【NAGURA】: Utada Hikaru’s lyrics, 100-year-old Tamori, Stones and Pistols are all indeed salvation in parallel.

Q2: 那倉悦生さんの小説を読んでいると、社会的な “モラル” 、政治、アートだけでなく、例えば 「最後のキスはマリファナのフレーバーがした」 とか、100歳を越えたSMクラブの「タモリ」、つまり既存の芸能界を揶揄したような表現がありますよね?同時に、小説には皮肉にも “救い” のようにストーンズやピストルズが登場するようにも思えます。

【NAGURA】: 宇多田ヒカルの歌詞も100歳のタモリもストーンズもピストルズも並列に救いそのものです。

Q3: Regarding tradition and authority, it seems that Metal and Prog who are the main fans of our readers, as well as artists, media, and perhaps the fans themselves continue to protect their base form stubbornly . What kind of thoughts do you have in such a scene?

【NAGURA】: I believe ENDON is playing a part in the role of expanding the realm of ​​music imaged with the word metal. In other words, I am aware that I am involved in metal life-prolonging measures.
Of course, that is because I am also a good listener.
Although it is meaningless even if it says “I am protecting the metal” with an expression that is not metal-like in anyone’s eyes, the mark for being specified is kept loved and kept protected, is not it necessary?
I am very sad when I heard that people wearing denim vests with patches of MANOWAR and MERCYFUL FATE will cease from the world.
It can be said to other various genres.
It is not good to think that it degrades all of them in any genre. I think that there is one person who is trying to extend life-prolonging measures in any wise way in any genre.

Q3: 伝統、権威という意味では、弊誌読者の主なファン層であるメタルやプログも、アーティスト、メディア共に、もしかしたらファン自身もそのベースとなる形を頑なに守り続けているような気がします。そんなシーンにはどのようなお考えをお持ちですか?

【NAGURA】: ENDON はメタルという言葉でイメージする音楽の領域を拡大する役目の一端を担っていると思います。言い換えれば私にはメタルの延命措置に関わっているという認識があります。
勿論、それは自分が良きリスナーでもあるからです。
とはいえ誰の目からみてもメタル的でない表現でもって「私はメタルを守っている」と言ってもやはりそれは無意味なことなので、特定されるためのマークが愛でられ、守られ続けることは必要ではないでしょうか。
MANOWAR や MERCYFUL FATE のパッチ付きのデニムベストを着ているひとが世の中からいなくなる、と聞いたら私は非常に寂しく思います。
それは他の様々なジャンルにも言えます。
どんなジャンルでもその全てを貶めるような考えはよくありません。どんなジャンルにも賢明なやり方で延命措置を施そうとしている者は1人はいるものだと思います。

Q4: You know, the name ENDON comes from the Buddhism term “Endonshikan”, isn’t it? Is “Endoshikan” a word pointing to the perfection of enlightenment?

【NAGURA】: I chose from the molding of the string rather than adopting it from the meaning.
The meaning comes from the idiomatic meaning “end in front”. It seems to use “end on” when matching the edges and edges of square paper in the middle and showing them to the person seeing the situation. It can be said that it shows an extreme part and makes it easier to observe, and chose it by being able to be taken as a manifestation of mixability that connects symbols.
I thought that the “Endon” is meaning “fast and perfect” in saying “tenacious”, but because it is a Buddhist term, I did not choose it.
Although it is an unnecessary addition, I also do not like the word “enlightenment” very much.
I say “enlightenment” as “castration”

Q4: そもそも、ENDON という名前は仏教用語 “円頓” から来ているんですよね?”円頓止観” とは完璧な悟りの境地を指す言葉ですが?

【NAGURA】: 意味から採用したわけではなく文字列の造型から選びました。
意味で先頭にくるのは「端を前に」という意味の熟語からです。四角い紙切れの端と端を真ん中で合わせて、その状況を見ている人の方へ見せる場合「end on」を使うようです。極端な部分を示して観察しやすくするという意味とも取れるし、記号を接続させるというミクスチャー性の現れともとれるということで選びました。
“円頓” は、言ってしまえば、「速くて完璧」という意味で縁起がいいなとは思いましたが、仏教用語なので選びませんでした。
蛇足ですが、私は「悟り」という言葉もあまり好きではありません。
私は「悟り」を「去勢」と言い換えます。

Q5: Speaking in the context of “enlightenment” = “castration”, the title “THROUGH THE MIRROR” is interesting. Be sure to have a scene in which we are seeing ourselves objectively, externally and internally, like “through the mirror”, that is why we feel happy and unhappy. Although it is not a “Meikyoushisui”, when we apart from self-love or the like that there is a sense of well-being, there will be enlightenment that is to say “castration”, right?

【NAGURA】: Almost as you have pointed out.
“THROUGH THE MIRROR” means “exceed self love.”
In textbooks, what we encounter through the mirror is “enlightenment” = “castration”, “word” and “father”.
It may be said that 1st is the mother’s board and 2nd is the father’s board.
In my garden the main character of this story “MAMA” or “THROUGH THE MIRROR” is “noise”.

Q5: “悟り”= “去勢” という文脈で言えば、『THROUGH THE MIRROR』 という題名は興味深いですね。私たちは必ず外見的にも、内面的にも、”鏡を通して”、つまりある種客観的に自身を見る場面があって、それで一喜一憂する訳です。明鏡止水ではないですが、その自己愛とか、承認欲求を超えたところに那倉さんの仰る “安寧” とか “悟り” すなわち “去勢” があるという風にも受け取れますね。

【NAGURA】: ほぼご指摘の通りです。
『THROUGH THE MIRROR』とは「自己愛を超える」という意味です。
教科書的には鏡を抜けて出会うものは「悟り」=「去勢」であり「言葉」であり「父」です。
1stが母盤で2ndが父盤と言えるかもしれません。
私の箱庭では『MAMA』とか『THROUGH THE MIRROR』とかいうこのストーリーの主人公は「ノイズ」です。

Q6: I think that your previous work was free and underground noise record, but this time you approached the hardcore and metal format and the noise was like a stroke as a single instrument. It seems Atsuo of Boris handles “MAMA”, and Converge’s Kurt Ballou did “THROUGH THE MIRROR” is linked with the difference. Do you agree that?

【NAGURA】: Everything is operating together.
The most important thing is that the songs are different.
The song was made assuming to record at GODCITY.
“THROUGH THE MIRROR” was produced more consciously than “MAMA”.
“MAMA” was a situation that I managed to package the songs that had become complicated repeatedly by increasing and remodeling while playing for many years even at the time. I think that if it was not Atsuo – san, it could not be summarized to that level.

Q6: 前作はフリーでアンダーグラウンドなノイズレコードという側面が強かったように思うのですが、今回はハードコアやメタルのフォーマットに接近し、ノイズが一つの楽器として突き刺さるような作風だと感じました。それは 『MAMA』を Boris の Atsuo さんが手がけ、『THROUGH THE MIRROR』を CONVERGE の Kurt Ballou が手がけたことと連動しているようにも思えるのですが?

【NAGURA】: 全て連動しています。
最も大きく作用しているのは曲が違うことです。
曲は GODCITY で録音することを想定して作りました。
『THROUGH THE MIRROR』は『MAMA』より意識的に制作されました。
『MAMA』はその時点でライヴでも長年演奏しながら、増改築を繰り返して複雑になった曲をどうにか形にしてパッケージしなくてはいけないという状況でした。それはAtsuoさんじゃないとあのレベルのものにまとめられなかったと思います。

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Q7: I think that the vocal has no lyrics and complements it with a novel is almost unprecedented, but why is it taking such an unique form?

【NAGURA】: Each novel has the title of the song as the title, but it is not more than that. It does not explain each other’s view of the world. Of course it is not a relationship that the novel complements the lyrics.
By the way, “Postsex” means “a pleasure to replace SEX”.

Q7: 例えば、”Postsex” などは曲名だけ見ればこれは賢者タイムのことだろうか?と思ったりしたのですが、実際小説を読んでみると全然違って、それこそ隠喩がノイズのように溢れる情報の海、バンドのステートメントだと分かります。
ボーカルに歌詞がなく、それを小説で補完するというやり方はほとんど前代未聞だと思うのですが、なぜこういった形をとっているのでしょう?

【NAGURA】: それぞれの小説は曲のタイトルの和訳が題名としていますが、それ以上でもそれ以下でもありません。互いの世界観を説明し合うものでもありません。無論小説が歌詞を補完しているという関係ではありません。
ちなみに “Postsex” は「SEXに取って代わる快楽」という意味です。

Q8: Could you tell us bands and artists that ENDON empathizes in particular? Also, what do you think about your overseas challenges?

【NAGURA】: FULL OF HELL seems to have been listening to WHITE HOUSE, TG, DEATHPILE, etc. while doing grind, so I feel sympathy as well.
The friends of music from old times in Tokyo around us are mostly those who listen to both grind and noise, power electronics, and industrial.
In that sense I think that it is a common desire for Western audience as well, so I think that there is a foundation that some things we do are transmitted as a code to some extent. I think that ENDON is a type that does not get bored so much in music of this kind, so I think that they can buy our surprises abroad.

Q8: 国内、海外を問わず特に ENDON が共感を覚えているバンドやアーティストを教えていただけますか?また、海外への挑戦についてはどう思っていますか?

【NAGURA】: FULL OF HELL はグラインドをやりつつ、WHITEHOUSE、TG や DEATHPILE 等を聴いてきましたって感じらしいのですが、そういうのはやっぱりリスナーとしても共感しますね。
僕らの周りの東京の昔からの音楽の友達は大体、グラインドとノイズ、パワエレ、インダストリアルをどちらも聴く人ばかりです。
そういった意味では欧米人にも共通の欲望なんだと思うので、僕らのやっていることもある程度コードとして伝わる素地があると思います。ENDON はこの手の音楽の中では大分退屈しないタイプだと思うので、海外で彼らに驚きを買ってもらうことはできると思います。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED NAGURA’S LIFE

THE ROLLING STONES “BEGGAR’S BANQUET”

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最初に買ったロックのCDで “悪魔を憐れむ歌”の歌詞を書きとりした。

BUCK-TICK “殺シノ調べ”

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アルバムは全部持っています。

SEX PISTOLS “NEVER MIND THE BOLLOCKS, HERE’S THE SEX PISTOLS”

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初めてやったコピーとライヴはピストルズ。

CREEDLE “SILENT WEAPONS FOR QUIET WARS”

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15の時にした初めてのジャケ買い。変な90年代のサンディエゴのバンド。最近また活動している。

PAINKILLER “GUTS OF VIRGIN”

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PAINKILLERはミックハリスが叩いているのならどれでも最高。だからCDで買うなら『BLACK BOX』。10年前はこれにハーシュノイズを入れたかった。

MESSAGE FOR JAPAN

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もっとメタルの話がしたかったです!

TAICHI NAGURA

FULL OF HELL / THE BODY / FRIENDSHIP JAPAN TOUR 2017

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LEPROUS : MALINA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BAARD KOLSTAD OF LEPROUS !!

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Norwegian Prog Metal Innovator, Leprous Delivers A Different Organic Flavour With Another Beautiful Album “Malina” !!

DISC REVIEW “MALINA”

“皇帝” の庇護から脱却し、独自のプログレッシブワールドを追及するノルウェーの先覚者 LEPROUS が、ジャンルという鳥籠からブレイクスルーを果たす新作 “Malina” をリリースします!才気煥発なモダンプログレッシブの麒麟児は、シーンのフラッグシップとして地図にはない道をスタイリッシュに切り開いて行きます。
当初は EMPEROR、そしてノルウェーミュージックシーンの首謀者 Ihsahn のバックバンドとして注目を浴びた LEPROUS。しかしバンドの独創的かつ洗練されたクリエイティビティー、天性の審美眼はすでにその肩書きをも遠く置き去りにしています。
LEPROUS のその深遠は、変貌や流動といった言葉に象徴されるのかも知れませんね。まずバンドメンバーが非常に流動的です。世代最高のシンガーにして唯一無二のコンポーザー、キーボードも担当するマスターマインド Einar Solberg、そしてギタープレイヤー Tor Oddmund Suhrke。在籍するオリジナルメンバーは現在彼ら二人のみ。今作では長年バンドに多大な貢献を果たしてきたギタリストの一翼 Øystein Landsverk も脱退し、後任に Robin Ognedal, ベーシストも新たに Simen Børven を迎えて制作されたのです。
変わりゆくのはメンバーだけではありません。バンドはその音の潮流もアルバム毎に脈動させて来たと言えます。実はパンクバンドとしてスタートした LEPROUS。プログメタル、アヴァンギャルド、オルタナティブにポストハードコアと作品ごとにフォーカスするサウンドテーマを変転させつつ、巧みに Djent やポスト系、ブラックメタルの要素も取り入れ、多様なモダンプログレッシブの世界観を構築して来たバンドは、しかし同時に Einar の絶対的な歌唱を軸とした仄暗く美麗なムードをトレードマークとして近年掲げるようになったのです。
2010年代最高のプログメタルオペラとなった “Coal” の後、彼らはより “硬質” でデジタルな作品 “The Congregation” をリリースします。メタリックな音像、正確性と複雑性を極めたバンドが次に見据えた先は、よりオーガニックでナチュラルなサウンドとジャンルの破壊でした。
「アルバムの “全てのインフォメーション” を直ちに伝える」 と Baard が語るように、アルバムオープナー “Bonneville” はまさに変化の象徴です。ジャズのリズムと繊細なギタートーンに導かれ、Einar は朗々と官能のメロディーを歌い紡いで行きます。比較するならば彼が敬愛する RADIOHEAD やMUSE でしょうか。
インテリジェンスとエモーションが有機的に溶け合った切なくも美しいそのサウンドスケープは、メタルやプログレッシブという狭い枷からバンドを緩やかに解き放ち、アーティスティックで “ロック” な新生 LEPROUS を主張します。楽曲序盤と、ポストメタルの激情を伴うコーラスパートとの対比も効果的で、アルバムは確実にそのダイナミズムを増していますね。
さらに、前作から加わったドラマー Baard のアイデア、テクニックはアルバムを通して群を抜いており、当然 “Bonneville” の細やかで斬新なハイハットワーク、ゴーストノートの魔術は明らかに楽曲を強く牽引しています。
“Captive” から “Illuminate” への流れはアルバムのハイライトと言えるかも知れません。複雑なタイムストラクチャーと相反するキャッチーなボーカルラインはまさしく LEPROUS の真骨頂。とは言え確かに譜割には Djenty な要素も色濃いものの、ギターや鍵盤の音色が実に繊細で生々しくヴィンテージとさえ言えるために、異能のドラムワークを含め、結果として極めて興味深い斬新なデザインのサウンドストラクチャーを堪能することが出来るのです。
ソフトで音楽的な “スペース” が広がったシネマティックな “Malina” で、弦楽器チェロの使用は詩情豊かな作品の芸術性を一段と高めていますね。例えば “Stuck” では弾力に満ちたギターリック、温かみのある鍵盤とコントラストを描くシリアスなムードを楽曲へともたらしていますし、ポストロックに接近したタイトルトラック “Malina” ではより実験的でアーティスティックなイメージを生んでいます。
アルバムを締めくくる “The Last Milestone” は Einar の独壇場。パーフェクトなクラッシックオペラ。高齢にもかかわらず、生きるためラズベリーを売り歩かなければならないグルジアの老婆にインスパイアされた心震えるアルバムは、実に切なく、悲しく、幽暗かつシリアスで、しかし崇高なる無上の美を秘めて幕を閉じました。
「僕たちは典型的な所謂 “ビッグメタルサウンド” を求めていなかったんだ。」 様々な要素、テクニックが “オーガニック” というキーワード、そして哀切のストーリーに注がれた純然たる “ロック” の傑作 “Malina”。リリースは 8/25。シーン屈指のレコーディングチーム David Castillo & Jens Bogren のタッグも健在です。
今回弊誌では、シーン屈指のドラマー Baard Kolstad にインタビューを行うことが出来ました!バンドとしては前回の Einar に続き二度目の登場です!どうぞ!!

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LEPROUS “MALINA” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ORIGIN : UNPARALLELED UNIVERSE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAUL RYAN OF ORIGIN !!

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The Originatior Of Technical Death Metal From Kansas, Origin Introduces Blasting Metallic And Technical Chaos With Their Newest Record “Unparalleled Universe” !!

DISC REVIEW “UNPARALLELED UNIVERSE”

テクニカルデスメタルの 象徴にして “起源”。貫禄と威信の US フォーピース ORIGIN が、バンドの宇宙を拡充する新作 “Unparalleled Universe” をリリースしました!!コントラストや政治性という新要素にフォーカスした作品は、まさしく “未曾有の” 第二章の幕開けを告げています。
ORIGIN は1997年に結成され、今年20周年を迎えたデスメタルのイノベーター。鬼神のようなハイテクニックと、獰猛なるブルータリティーを共存させた “ニュースクールデスメタル” の筆頭格だと言えるでしょう。「今日のキッズは色々なラベルをデスメタルに加えているね。ただ、僕は ORIGIN こそがデスメタルのサウンドを変えたと強く感じているんだよ。」 と語る孤高のギタープレイヤー Paul Ryan の言葉には、例えば DYING FETUS, NECROPHAGIST, VITAL REMAINS NILE などと共にシーンを牽引してきた当事者だからこその凄みとリアリティーが内包されています。
バンドとして初めて前作と同様のメンバーで制作した “Unparalleled Universe”。しかしフックに欠けるなどとの意見もあった前作 “Omnipresent” とは対照的に、ORIGIN の新たなる “比類なき世界” は魅力的なアイデアとリピートを誘うフックに満ちた実に創造的なレコードとなりました。
異世界のスイーピングで幕を開けるアルバムオープナー、”Infinitesimal to the infinite” は ORIGIN の残虐性が未だに一級品であることを伝えます。圧倒的な音の密度と生まれくるカオスは “無限に” リスナーの聴覚を襲い、参加2作目となるボーカル ex-SKINLESS の Jason Kayser も前作より遥かに堂にいったグロウルを披露しています。
何より、メカニカルかつファストな楽曲を牽引する超人 John Longstreth の、Flo Mounier にも比肩し得るスピードと正確性はバンドのストロングポイントとして強い光彩を放っていますね。
“Cascading Failuers, Diminishing Returns” はバンドが新たな領域へと進出した確かな証です。インタビューで、初期のアルバムをアクション映画に例えたバンドが “Unparalleled Universe” で見せつけたのは、抜群のインテリジェンスと多様な構成力でした。
無慈悲なブラスト一辺倒ではなく、起伏に富んだテンポコントロールで予想もつかない展開を構築するリズムセクション。シュレッドを効果的に盛り込みながら、時に激烈に、時にメロディアスに攻め立てるギターアンサンブル。トラディショナルなテクニカルデスメタルのように、音符を詰め込むだけの方法論では決して辿り着けない境地がここには存在しています。楽曲終盤に見せるアトモスフェリックとさえ表現可能な壮美で幽玄なムードは、まさにそれを象徴していると言えるでしょう。
“Invariance Under Transformation” はバンド史上最もスロウな楽曲かも知れません。グルーヴィーなベースラインと冷酷なまでに難解なパーカッションに刻まれるギターリフは、CANNIBAL CORPSE や SUFFOCATION を想起させるほどにプリミティブでオールドスクール。全てがタイトに一体化したバンドのパフォーマンスは、ブラックホールの質量を纏ってリスナーに激越なグラビティーの洗礼を浴びせます。
“Burden of Prescience” にも言えますが、地獄の罰 “火盆処” の如くジリジリと骨の髄まで焼き尽くすようなローテンポで、しかし重厚な責め苦のサウンドスケープは、バンドのファストな王道と見事にコントラストを描き、ORIGIN の新たなるトレードマークを誕生させているのです。
「現在のアメリカ政治がいかに厄災であるかを顧みれば、政治的な楽曲を収録する正しいタイミングだと感じたんだよ。僕は自分の国を恥ずかしく思っているんだ。」 これまで政治的なオピニオンを決して楽曲には取り入れてこなかったバンドを触発したのがトランプ政権であることは明らかですし、”ろくでなしの政府、全ての革命を目覚めさせる” と歌った BRUJERIA のカバー “Revolución” はまさに ORIGIN の主張を見事に代弁した楽曲だったのでしょう。
今回弊誌では、バンドのマスターマインド Paul Ryan にインタビューを行うことが出来ました!「最近のキッズは CD に合わせてプレイしているけど、僕たちは全くそんなことはしないよ。」 痺れます。どうぞ!!

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ORIGIN “UNPARALLELED UNIVERSE” : 9.6/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CHON : HOMEY】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERICK HANSEL OF CHON !!

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California Based, Incredible Jazz-Math Rock Trio, Chon Advance Into New Realm With The Masterpiece “Homey” !!

DISC REVIEW “HOMEY”

インストゥルメンタルミュージックの未来を切り開く時代の寵児。サンディエゴのジャズ/マスロックトリオ CHON が、シーンの輿望を担う最新作 “Homey” をリリースしました!!バンドの “ホーミー” である南カリフォルニアの太陽、空気、夏の匂いを一身に浴び、望外なまでにチルアウトしたレコードは、ジャンルに海風という新風を吹き込んでいます。
CHON が2015年にリリースしたファーストフルレングス、 “Grow” はバンドのユニークな才能や感受性を見せつける素晴らしきショーケースとなりました。ソフトでカラフルなコードワーク、デリケートでピクチャレスクなリードプレイ、ダイナミックに研ぎ澄まされたバンドサウンド。高度な知性と屈託のない無邪気さが同居する、オーガニックかつテクニカルなその世界観はまさしく唯一無二で、スメリアンの秘蔵っ子から一躍シーンのサウンドアイコンへと飛躍を果たすことになったのです。
バンドのホームタウン、カリフォルニアにインスパイアされ制作された最新作 “Homey” は、”Grow” で見せた圧倒的な光彩はそのままに、その鋭敏な感性が掴まえたエレクトロニカ、アンビエント、ハウスなど所謂チル系のトレンドを大胆に咀嚼し、トロピカルで新鮮なムードとテクニカルなマスロックを共存させることに成功していますね。
アルバムオープナー、”Sleepy Tea” は、インタビューにもあるように、驚異的なまでに進化した CHON のインストゥルメンタルワークを堪能出来る楽曲です。猫の目のように変化する細やかなリズムアプローチは、Mario と Erick のギターチームがダンスを踊る最高の舞台。時に奔放に、時に精巧に、極上のメロディーとエキサイトメントを運ぶニ人の複雑で甘い関係は、奇跡の距離感で音のユーフォリアを紡いで行きます。
CHON の豊潤なる味わい深さの一端は、モダンの中に見せるオールドスクールな部分かも知れません。特に今作では、フュージョンと言うよりもビバップやモダンジャズのスウィング、ツーファイブ、フォービート、フレージング、シンコペーションが丹念に織り込まれており、得も言われぬコントラストを創出しています。例えば、”Checkpoint” などはマスロックの顔をしたジャズスタンダードのナンバーだと言えるかも知れませんね。
当然、手数とグルーヴを両立させた Nathan Camarena のドラム捌きも卓越しており、突っこみ気味でバンドを牽引するそのエナジーは圧倒的。ゲストに迎えた Brian Evans のパーカッション、有機的でムーヴアラウンドな Anthony Crawford のベースラインとも相俟って、型破りでマスロックの可能性を再定義するようなデザインをアルバムを通して描いていますね。
同じくサンディエゴを拠点に活躍する、ビートメーカー/ジャズギタリスト Go Yama をフィーチャーした “Berry Streets” は CHON の新たな冒険を象徴する楽曲です。現在進行形のトレンドであるトロピカルハウスを主軸としたトラックは、あまりにノスタルジックでアンビエント。カリフォルニアのビーチで沈みゆく夕日を惜しみつつ聴くために作られたかのような至高のチルウェイブに仕上がっています。
同時に CHON のジャジーなインストゥルメンタルワークも効果的に挿入されており、Erick がインタビューで語ってくれた通り、結果として二つのジャンル、二つの才能が見事に融合し開花した独創的で至妙な世界観を構築することに成功しているのです。
新進気鋭の シンガー/サックス奏者 Masego を起用した “Nayhoo” もコラボレートの成果が際立って実を結んだ一曲です。ソウル/エレクトロジャズの領域へと踏み込んだ楽曲は、Masego のエモーショナルなボーカルを芯柱とし、匂い立つような色気、スイートな瞬間をアルバムへもたらしていますね。勿論、Thundercat や、FLYING LOTUS がフェイバリットに挙がっている事実を知るまでもなく、ここで彼らが、Jazz の領域を拡大する Robert Glasper と “Jazz The New Chapter” のフロンティア精神を意識したことは明らかです。
「自分たちが気に入るサウンドの楽曲を書き続けて、叶うならファンも僕たちの音楽を好きになり続けてくれることだね。その過程で、さらに新たなファンも開拓出来たら良いな。」
世界最高峰のエレクトロポップを創造するビートメーカー、Giraffage A.K.A. Charlie Yin との共演にも言えますが、既存のファン層からある程度の反発を見越しても、より幅広いマスリスナーへとアピールし、音楽的なチャレンジを続けることこそがバンドのゴールだと Erick は認めています。そして CHON の掲げる、その本来の意味でのロックスピリットは必ず報われるべきだと感じました。
今回弊誌では、ギタリストの一人 Erick Hansel にインタビューを行うことが出来ました。もし、”Homey” のムードやスピリットが気に入ったなら、Jakub Zytecki の最新ソロEP “Feather Bed” や、先日弊誌でも特集を組んだ ichika の新プロジェクト AMONG THE SLEEP へと歩みを進めてみるのも一興です。どうぞ!!

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CHON “HOMEY” : 10/10

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MASTERPIECE REVIEW + INTERVIEW 【WALTARI : SO FINE!】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KÄRTSY HATAKKA OF WALTARI !!

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Legendary Avant-garde Metal Act From Finland, Waltari Will Come To Japan For The First Time Ever! Don’t Miss The Amazing Performance Of Pioneer!

DISC REVIEW “SO FINE!”

アヴァンギャルドメタルの創始者にして、北欧の伝説。フィンランドが生んだカメレオン、千変万化なミクスチャーゴッド WALTARI がその30年のキャリアで初の来日を果たします!!
80年代後半から90年代にかけてスカンジナビアから勃興した新たなメタルの波。MESHUGGAH, AMORPHIS, OPETH, IN FLAMES, EMPEROR といった傑物を輩出し、インタビューで Kärtsy Hatakka が “ポストファーストメタルタイム” と呼んだそのムーブメントは、メタルの転換期にして、モダンメタルと現在のメタルシーンにとって架け替えのない重要なピリオドとなりました。
「スカンジナビアのバンドたちは、より幅広いスペクトルの音楽を聴くことで、メタルに “クレイジーさ” を加えていったんだ。」
Kärtsy が語るように、ある者は複雑なリズムアプローチを、ある者はプログレッシブロックを、ある者はデスメタルを、ある者はエクストリームな残虐性を、ある者はフォルクローレを “ベーシック” なメタルに加えることで、彼らはモダンメタルの礎となる多様性を築き上げていったのです。
“ポストファーストメタルタイム” を語る上でWALTARI は決して外せないバンドです。メタル、デスメタル、スラッシュ、オルタナティブ、プログ、ヒップホップ、ファンク、ジャズ、ブルース、フォーク、インダストリアル、テクノ、パンク、シンフォニック、ポップなど全てを飲み込む音楽性は、まさにそのモダンメタルに宿る多様性の申し子と言えるでしょう。
バンドが 1994年にリリースした “So Fine!” はまさにゲームチェンジングなレコードでした。獰猛なデスメタルのイントロから一転、オルタナティブな浮遊感とパンキッシュなエナジーで突き進む “The Beginning Song” で幕を開けるアルバムは、同じ感覚を持った楽曲が2曲と存在しない奇跡の多様性を誇ります。
確かにスラッシュとデスメタルがアルバムを通して軸とはなっているのですが、あまりに広大なその数多のインフルエンスは、 “ロックが本来持つオープンマインドなアティテュードを守る” “ロックを革命的なその本来の意味に戻したかった” という Kärtsy の言葉を裏付けるように、唯一無二でオリジナリティーに満ちていますね。
中でも、タイトルトラック “So Fine!” の創造性、完成度は驚異的です。EDM、当時のユーロビートを大胆に導入した楽曲は、同郷のヨーデルフォークグループ ANGELIT とコラボレートすることにより、トライバルなビートとフォーキーなヨーデル、そしてロックのグルーヴがせめぎ合う一大エピックとして語り継がれることとなりました。時に Ozzy Osbourne を想起させる Kärtsy のサイケデリックでポップな歌唱も実に魅力的ですね。
ポップと言えば、”To Give” にはバンドのそのセンスが集約しています。WALTARI 印のダンサブルかつファンキーなアレンジメントは確かに Michael Jackson のイメージを宿し、”Beat it, Leave it” と嘯く女性ボーカルとのデュエットは究極なまでにキャッチーでシンガロングを誘います。
インタビューにもあるように、真に根っこの部分はパンクである WALTARI。”Piggy in the Middle” や “Autumn” を聴けば、当時、大半のハードコアアクトがより直線的にパンクのルーツに向かっていったのとは対照的に、WALTARI がメタル、スラッシュとのクロスオーバーに強くフォーカスしていたことも伝わるはずです。何より、ジャンルとジャンルを軽快に股に掛ける “So Fine!” の精神性が後続に与えた影響は計り知れません。
同じアルバムは2枚作らないと語るように、以降 WALTARI はレコードを通じて様々な冒険を行っていきます。”Yeah! Yeah! Die! Die” ではオーケストラとデス/スラッシュメタルの完璧なる邂逅を持たらし、”Space Avenue” ではエレクトロインダストリアルに振り切ったサウンドで周囲を圧倒しました。
素晴らしき “Blood Sample”, “Release Date” といった近年の比較的、普遍なモダンメタルへと接近した作風の中にさえ、煌めくような驚きの瞬間は星の数ほど散りばめられているのですから。
ただ、そういった振れ幅の中でも WALTARI, Kärtsy が紡ぐメロディーは常に途方もなくキャッチーかつ魅力的。不安や孤独、現代社会に対する嘆きを独自のアイロニーを交えつつ珠玉の旋律へと変換し楽曲へと反映する彼のやり方が、バンドのアイデンティティーとして頗る機能していたことは記して置かなければなりません。
遂にレジェンド初の来日です!今回弊誌では、Kärtsy Hatakka にインタビューを行うことが出来ました。ベースとキーボードもこなし、あの X Japan の hide も影響を受けたと言われる不世出のシンガー。さらには KREATOR の Sami Yli-Sirniö が在籍し、過去には ex-CHILDREN OF BODOM の Roope Latvala も所属していたというシュレッダー好きにも堪らないバンドです。どうぞ!!

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WALTARI “SO FINE!” : 10/10

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