EXCLUSIVE INTERVIEW 【ANNA MURPHY : ex-ELUVEITIE, CELLAR DARLING】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ANNA MURPHY OF CELLAR DARLING !!

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Anna Murphy, Gorgeous Muse Talks About Her Ex-Band ELUVEITIE, New Band Cellar Darling, And Solo Project !!

スイスが誇る Folk / Melodic Death Metal バンド、ELUVEITIE。ヴァイオリン、バグパイプ、ホイッスル、ハーディー・ガーディーといった伝統楽器を大胆に取り入れ、ケルトの民族音楽とメロデスを見事に融合させた革新的な集団です。
2014年に日本公演も大成功させた、このインターナショナルなメジャーアクトに今年、大事件が勃発しました。2000年代前半から所属していた中心メンバー、ボーカル/ハーディー・ガーディー の Anna Murphy, ギタリスト Ivo Henzi, ドラマー Merlin Sutter が脱退してしまったのです。
元々、作品毎に音楽性が変わりやすく、メンバーチェンジの多いバンドであったことは確かです。しかし、特に Anna の美麗なボーカルと、ハーディー・ガーディーが紡ぐケルトの響きは間違いなく ELUVEITIE の顔であったため、多くのファンを失望させています。
弊誌では以前も Anna にインタビューを行っていますが、今回再度登場いただき、ことの顛末、ELUVEITIE への想い、脱退した3人が新たに結成した新バンド “Cellar Darling” などについてお話を伺う事が出来ました。
「結局 ELUVEITIE は Chrigel のバンドだから」 「ここ何年間も封印されていたクリエイティビティ」 などという言葉の端々から、この脱退劇がバンドの創立者 Chrigel Glanzmann との対立、意見の相違であったことは明らかでしょう。最新作 “Origins” で Anna のボーカルはさらに増える傾向にあったため、そのあたりが引き金だったのかも知れませんね。
勿論、残念ではありますが、ELUVEITIE は ELUVEITIE で、LEAVE’S EYES の Liv Kristine をゲストに迎えてツアーを行っていますし、インタビューで Anna が語っているように、好きなバンドが2つに増えたと思えば楽しみにもなります。また、彼女はソロアーティストとしても活動しており、新曲 “Mayday” をリリースしたばかり。こちらにも Ivo, Merlin が参加しているので少しややこしいですが、ぜひチェックしてみてくださいね!どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HUNG : DJURASSIC WORD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BARNABY OAKLEY OF HUNG !!

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The Brightest Hope Of Prog Metal / Djent From UK, HUNG Has Just Released Catchy & Groovy New Record “Djurassic Word”!! Will Djent Conquer Jurassic World ?!

DISC REVIEW “DJURASSIC WORD”

モダン=多様性、エクレクティック。2010年代音楽シーンの重要な公式に当てはめれば、極めてモダンであるとの解が出るであろう UK 出身の DIY デュオ HUNG が最新作 “Djurassic Word” をリリースしました!!
モダンであるはずの彼らが、太古の恐竜を文字ったアルバムタイトルを冠しているのも興味深いですが、頭文字Dに注目するまでもなく HUNG の骨格は Djent / Prog Metal です。しかしながら、HUNG の音楽はその領域に収まりきらない鮮やかな拡がりを備えています。
“Pastille Coloured Lady” を聴けばアルバムが”キャッチー”というテーマに強くフォーカスしていることに気づきます。Djenty なリフワークとファンクのグルーヴを併せ持ったリズムに、キラキラのキーボード。透明感溢れるキャッチーなボーカルが加われば、21世紀の POP-Rock アイコン DIRTY LOOPS を思い出すファンも多いでしょう。
実際、DIRTY LOOPS もファンク、ジャズ、エレクトロニカという多様な要素を楽曲に盛り込む “Loopfy” という手法でモダンなテイストを表現しているのはご存知の通り。Rock と Metal、畑こそ違えど HUNG がそこにヒントを得ているのは明らかでしょう。アルバムを通じて印象的なキーボード/エレクトロサウンドは特に。
さらに、エクレクティックという観点から見れば、 “Browbeat” も重要な1曲だと感じます。以前弊誌でインタビューを行った HACKTIVIST が Kendrick Lamar について言及し、Rap を見事モダンメタルと融合させていたように、HUNG も Rap を積極的に楽曲に導入しています。アトモスフェリックとさえ言えるような Rap パートとヘヴィネスのコントラストが実に見事ですね。
同時に、HUNG は Djent / Prog-Metal の矜持とも言える高いテクニックをも兼ね備えています。PERIPHERY を想起させる爽快なアルバムオープナー “Primevil” は勿論、Dan Sugarman, Angel Vivaldi など、シーンでも有数のテクニシャンたちがゲスト参加したアルバムは、モダンギターという観点から見ても非常に充実した、聴き所の多い作品となっていますね。特に、ボーカル間に挟み込まれる、美しくスリリングな高速オブリガードは彼らのトレードマークとも言えるほどに際立っています。
“The Mesozoic Era” で 80’s エレポップのような手法を取り入れたかと思えば、”Carcharodontosaurus” では VEIL OF MAYA も真っ青なプログデスコアを臆面もなく披露する柔軟性。カメレオンという恐竜が現代に生き残っていることを思い浮かべてしまいますね。
今回弊誌では、バンドの中心人物 Barnaby Oakley にインタビューを行うことが出来ました。ボーカル、ギター、プロダクション全てをこなす才人!イケメン!どうぞ!

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HUNG “DJURASSIC WORD” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【COLDWORLD : AUTUMN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH G.B. OF COLDWORLD !!

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One Man Atmospheric Black Metal From Germany, COLDWORLD Has Just Released Gorgeous New Album “Autumn” For The First Time In 8 Years !!

DISC REVIEW “AUTUMN”

8年の沈黙を経て、German Atmospheric Black の雄、COLDWORLD が復活作 “Autumn” をリリースしました!!洗練され、スケール感、アンビエンス、メロディーの質共々格段に進化した作品は、シーンに衝撃を与えています。
COLDWORLD は G.B. のワンマンプロジェクト。すべての楽器、そしてグロウルからクリーンボーカルまで見事にこなす彼の才能は “Autumn” において素晴らしく開花していますね。前作 “Melancholie²” のメロディックなスタイルは引き継ぎながら、よりウォームでナチュラルなサウンドを具現化したアルバムは、最早ストレートな Black Metal の領域には収まり切らないようにも思えます。
Depressive Black Metal の首領、SHINING の近作がプログレッシブな1面を提示している事実とリンクするかのように、同様にデプレッシブなサウンドを奏でる COLDWORLD も Post-Progressive への接近を隠そうとはしません。
9分の大曲、”Womb of Emptiness” を聴けば、彼らの新しいチャレンジを感じることが出来るでしょう。ピアノとキーボードの荘厳でクラシカルなコードプログレッションに導かれ紡がれる G.B. のクリーンボーカルは、深い悲しみを湛えつつ、ダークでディープなアトモスフィアを創出します。KATATONIA の Jonas Renkse を想起するファンも多いでしょう。
実際、楽曲の前半は KATATONIA のモダンなプログレッション、リリシズム、耽美性と共通する部分も多く感じられます。
一転、壮絶なトレモロリフとグロウル、ダブルベースドラムが切れ込むと、楽曲は激しい絶望を宿した美しさにその色を変えていきます。冷ややかな空気の中、創出される対比の妙は、アルバムの重要なポイントとなっていますね。さらに、プログレッシブという観点から見れば、”Climax of Sorrow” においても OPETH のようなヘヴィープログレッシブに知性を湛えた極上のリフを聴くことが出来ます。
一方で、”Autumn” には、ALCEST, DEAFHEAVEN といった人気と飽和の渦中にある Post-Black / Blackgaze 勢に通じるような、多幸感すら感じさせるサウンドも存在します。アルバムオープナー、”Scars” での大胆なストリングスの使用や、”Void” における美麗な女性コーラスの導入も、絶望の先に暖かい光が射すような楽曲のムードを見事に強調しており、作品に多彩で豊かな表情を植え付けています。
インタビューで語ってくれた通り、幼少時からヴァイオリンを習得している G.B. の音楽は非常に緻密かつ知的で、エピカル。完成まで8年もの長い月日を要したことにも頷けます。今回弊誌では、G.B. にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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COLDWORLD “AUTUMN” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【JAMBINAI : A HERMITAGE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LEE ILWOO OF JAMBINAI !!

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Experimental Modern Rock From South Korea, JAMBINAI Has Just Released Newest Album “A Hermitage” !! Traditional Korean Music “Gugak” Melts Into Post-Rock Here !!

DISC REVIEW “A HERMITAGE”

韓国が誇るモダンロックの新鋭、JAMBINAI が世界へとアピールする、強いエモーションと高い音楽性を兼ね備えた新作 “A Hermitage” をリリースしました!!
JAMBINAI の特徴は、まず何と言っても韓国の伝統音楽”国楽” (Gugak) とモダンミュージックを見事に融合させている点にあります。スリーピース編成のバンドは、ギター、ベースといったオーソドックスな西洋の楽器とともに、ピリ(篳篥に似た木管楽器)、へグム(二胡に似た弓奏楽器)、コムンゴ(琴に似た弦楽器)といった韓国の伝統楽器も見事に使いこなしているのです。
メンバーは3人とも、大学で国楽を専攻していたと言うのですから、当然と言えば当然ですが、これほど自然に巧みに伝統とモダンをミックスしているバンドは世界という視点で見ても多くは存在しないでしょう。伝統楽器独特の優雅で美しい音色が、Post-Rock のエモーション、ジャズのアンビエンス、そしてダークでスラッジーなメタルに溶け込んで生まれるダイナミズムは彼ら特有のアイデンティティと言えますね。
JAMBINAI が度々比較されるのは、GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR, MOGWAI, EXPLOSION IN THE SKY といったアトモスフェリックな Post-Rock のバンドたちで、勿論それは “For Everything That You Lost” が象徴するように彼らの骨格の1つなのですが、同時に、例えばアルバムオープナー “Wardrobe” で聴けるような怒りに満ちたディストーションギター、雷嵐のようなドラミングにはメタルからの影響も強く感じられます。
アルバムを深く覆うのは、TOOL のインテリジェンス、CONVERGE のカオス、NIN のダークネス。そして “Naburaku” のシンプルかつ凄まじい攻撃性を持つリフにはさらに根源的なヘヴィーメタルの雰囲気すら存在します。そうして生まれるアトモスフィアとダークヘヴィーの対比、伝統とモダンの対比が作品に唯一無二の素晴らしいムードを創出していますね。
また、実験性も彼らの音楽を語る時、重要なキーワードとなるでしょう。”Echo of Creation” では Sim が琴のような伝統楽器コムンゴのネック部分をエネルギッシュにかき鳴らしながらハンマリングし、伝統からはかけ離れた楽器の使用法で強力なインテンスを具現化していますし、”Abyss” でのゲストボーカル Ignito をフィーチャーしたアグレッシブな韓国語ラップも鮮烈な印象を残していますね。
圧巻はアルバムクローサーの “They Keep Silence”。2014年に起きた、300人以上の死者を出した悲劇的な韓国の海難事故 “セウォル号沈没事故” について書かれたこの楽曲は、メインソングライター Lee Ilwoo がインタビューで語ってくれた通り、事故の悲しみよりも、怒りや苦しみに焦点が当てられています。Tool のグルーヴに国楽を加えたようなサウンドは、コムンゴが刻むオルタナティブでマスマティカルな深みのあるリフ、静寂から徐々に声をあげるけたたましいヘグムの叫び、そして全ての楽器がラウドに怒りを表現する後半の混沌まで、生々しくも壮絶な感情に満ち溢れています。まさに彼らのイメージする音楽を体現したかのような1曲でしょう。
今回弊誌では、バンドのブレイン Lee Ilwoo にインタビューを行うことが出来ました。ヨーロッパツアーを行うほど欧州では注目を集め出している彼ら。東アジアの伝統音楽を世界に紹介してくれるという点でも意味のあるバンドだと思います。どうぞ!!

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JAMBINAI “A HERMITAGE” : 9.8/10

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WORLD PREMIERE: “FOLLOWING THE VOICE” 【ANCIIENTS : VOICE OF THE VOID】


WORLD PREMIERE: NEW SONG !! “FOLLOWING THE VOICE” OF ANCIIENTS !!

Vancouver Metal Quartet ANCIIENTS Will Return With Constant Tension And High Dynamics New Record “Voice Of The Void” On 10/14 !!

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カナダはバンクーバーから現れた Modern Prog Metal 4人組 ANCIIENTS が待望の2ndアルバム “Voice of the Void” を10/14にリリースします!!
2013年にリリースされたデビューアルバム “Heart of Oak” は MASTODON や OPETH を想起させるエピカルなプログレッシブさを纏いつつ、よりエクストリームでスラッジーな音楽性が高く評価されました。実際、昨今のシーンにはプログレッシブに特化したバンド、エクストリームに振り切れたバンドが多い中、彼らのアグレッションとプログ性のバランスは白眉で、叙情性から攻撃性までカバーした “Falling in Line” はまさにモダンメタルの多様性を表現した名曲でした。
3年ぶりにリリースする新作 “Voice of the Void” はデビュー作に温かみ、ソリッドさ、ダークネス、を加えてまさに”オークのコークス”の中でウイスキーが熟成するがごとく、コンポジションに時間をかけたアルバムに仕上がっているそうです。グロウルとクリーンボーカルのデュエルが生み出すダイナミクス、クランチーなリフをカウンターパートとしたインストセクションの充実度も過去最高。実際、今回公開するシングル曲 “Following the Voice” を聴けば、その展開美、技術、メロディーに更なる進化があったことは明らかでしょう。ぜひアルバムリリースまで、過去作やシングルを聴いて待っていてくださいね!

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【MESSAGE FROM KENNY】

The new ANCIIENTS record is titled ‘Voice of the Void’ and somewhat of a step in a new direction lyrically and musically. I think, it still has the sound we developed on ‘Heart of Oak’, but the riffs are a lot heavier at times and the lyrics are far more cynical and dark. With all of the chaos happening on this planet as of late it seems as though things will get worse before they get better, and that kind of embodies the theme of this album as a whole. Jessie Gander did a great job capturing the music and his production far surpassed our expectations. The first new song out, ‘Following the Voice’ is about struggles with inner demons that many people face. Knowing what the right thing to do is, but not listening to your conscience and choosing the path that is best for yourself, but harms others in process. It is about following the evil voice in your head as opposed to the voice of reason.

新しい ANCIIENTS のレコード、タイトルは”Voice Of The Void”。音楽的にも歌詞の面でもいくらか新しい方向に進んだ作品さ。基本的には “Heart Of Oak” のサウンドを進化させたんだけど、リフはよりヘヴィーに、歌詞はシニカルでダークになっていると思うよ。
この星で最近起きている混沌は、より良くなる前の前兆だと思うんだ。このアルバムではそういったテーマを体現してみたよ。 Jessie Gandar はアルバムの音楽を見事に捉えて、期待よりはるかに素晴らしいプロダクションを行ってくれたね。
“Following The Voice” は多くの人が直面する、内なる悪魔との戦いについて。正しいことを行うべきだと知っているのに、自分にとってベストのチョイスを優先してしまうことは、その過程で他人を傷つけてしまうことにつながるよ。理性に反して悪魔の声に従ってしまうことについてだよ。

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Track-list
1. Following The Voice
2. Buried in Sand
3. Worshipper
4. Pentacle
5. Descending
6. Ibex Eye
7. My Home, My Gallows
8. Serpents
9. Incantations

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NAPOLEON : NEWBORN MIND】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SAM OSBORN OF NAPOLEON !!

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UK Based Melodic Hardcore Four Piece, NAPOLEON Has Just Released The Genre-Breaking Debut Full-length, “Newborn Mind” !! “Melodiposipassiongroove” Is Here !!

DISC REVIEW “NEWBORN MIND”

ユーロモダンメタルコアシーンの皇帝 NAPOLEON が満を持して待望のデビューフルレングス “Newborn Mind” をリリースしました!!ハイセンスなシングルや EP で注目を集め、将来を期待されながらデビューフルレングスまで長い時間をかけたのは、NOVELISTS と同様の手法。そして36分のレコードは、長く待ち続けた Melodilc Hardcore ファンの期待に十分に応える内容となっています。
Tech-Metal シーンにおいて有数の実力を持つギタリスト、 Sam Osborn 擁する NAPOLEON は自らのサウンドを”melodiposipassiongroove” と称しています。実際、INTERVALS meets KILLSWITCH ENGAGE, POLYPHIA meets ARCHITECTS などと例えられる彼らの音楽性は見事にメロディー、ポジティブ、パッション、グルーヴを共存させていますね。
他の Tech-Metal バンドと比較して、NAPOLEON のサウンドを強く特徴付ているのはその大胆なクリーンギターの使用法でしょう。”Stargazer”,”Utopia” のイントロが効果的なのは勿論、”Maps” を聴けば、彼らがまさに “Newborn” な音楽を創造していることが分かります。メジャーキーで、クリーンギター&クリーンボーカルにより紡がれる2分間の小曲は、Math-Rock, Instru-Metal の影響下にありながら、同時にしっかりと Metalcore の土台も感じさせるのです。非常にカラフル、エモーショナルでフレッシュな “Maps” は NAPOLEON のバンドとしての可能性、多様性を証明していますね。
さらに、”Of Jams, Smokes & Promises” のイントロなどは、And So I Watch You From Afar を彷彿とさせるアイリッシュなメロディーが白眉。ユニークなタイムストラクチャーと相俟って Math-Rock からの影響を強く誇示しています。人生を変えたアルバムに、TTNG の作品をチョイスしているように、ここまで Math-Rock とメタル要素の融合を推し進めたアーティストは前代未聞なのではないでしょうか?
新ボーカル、ex-CLIMATES 、Wes Thompson の荒々しいスクリームからエモーショナルなクリーンまで見事にこなす幅広いレンジも実に魅力的です。時に流暢に、時にカオティックに駆け巡る Sam の多彩なフレットワークとの相性も抜群。タイトルトラック “Newborn Mind” では、スーパータイトなリズム隊、特に James Mendoza のスピーディーでメカニカルなドラミングはアルバムを通して素晴らしいですが、の協力もあり、メロディックでありながらテクニカルでヘヴィーという命題をいとも簡単に達成していますね。
“Dystopia” で歌われる “get awake and defeat this” というフレーズは “Utopia” でも再度現れます。「目を覚ませ、挫けるな」、NAPOLEON の音楽は、インタビューでも語ってくれた通り、リスナーに常にポジティブなグルーヴを届けてくれるのです。
今回弊誌では、Sam Osborn にインタビューを行うことが出来ました。日本ツアーも視野に入っていそうですね、どうぞ!!

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NAPOLEON “NEWBORN MIND” : 9.2/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KAYO DOT : PLASTIC HOUSE ON BASE OF SKY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TOBY DRIVER OF KAYO DOT !!

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US Avant-Garde / Experimental Icon, KAYO DOT Has Just Released Neo-Futuristic landscape Record “Plastic House On Base Of Sky” !!

DISC REVIEW “PLASTIC HOUSE ON BASE OF SKY”

Realising Media による招聘で、先日初の日本ツアーを行った、US Avant-Garde / Experimental の旗手 KAYO DOT が新たな傑作 “Plastic House on Base of Sky” をリリースしました!!
バンドの頭脳、Toby Driver の溢れる才能故に、2度と同じ方向性のアルバムを作らないなどと称される KAYO DOT。 “Plastic House on Base of Sky” はしかしながら、前作 “Coffins on Io” の New Wave / Art Pop サウンドをある程度引き継ぎながら、様々な点でより深化を遂げた高いレベルの作品に仕上がりました。
アルバムオープナー、”Amalia’s Theme” は作品を象徴するような楽曲です。冒頭のレトロウェーヴなシンセサイザーサウンドは確かに80年代の New Wave を想起させます。David Bowie の世界観を感じる場面もあるでしょう。とは言え、複雑なリズムを伴って未来を奏でるそのコンポジションは、例えば DEPECHE MODE などと比較するよりも、現代のより先進的な ULVER のようなアーティストと比べる方がしっくり来るように思えます。
インタビューで Toby は、アルバムが日本が誇るテクノポップの巨匠、平沢進さんの強い影響下にあることを公言していますが、同様に日本出身のアーティスト 上田風子さんが手掛けた独創的なアートワークとも相俟って、ネオフューチャーなサイバーパンクワールドを確立しています。
ビートさえ消滅するような実験的混沌 “All The Pain In All The Wide World” を経てアルバムのクライマックスは “Magnetism” で訪れます。型破りで JAZZ の如くスウィングする変拍子の上を、キーボードサウンドとシンセパターンが幾重にもレイヤーされ近未来感を演出します。憂いを帯びた Toby のメロディーライン、歌唱は実に見事で、これはアルバムを通して言えますが、彼の少しひねくれたポップセンスが炸裂しているようにも思えますね。
ドリーミーでシルクのようにレイヤードされたキーボードサウンドは、勿論、アルバムの根幹を成していますが、それはアルバムに Toby 以外にも2人のキーボードプレイヤーが参加していることを考慮しても、現在彼の興味の中心であることは明らかでしょう。Toby はキーボード、ギター以外にもクラリネット、チェロ、ダブルベース など様々な楽器をこなします。そこに、Daniel Means, ギターもプレイする Ron Varod, という2人のキーボードプレイヤー と異次元のドラマー Keith Abrams が加わることで、KAYO DOT は少人数でシンフォニーを奏でる類稀な集団へと変貌しているのです。
勿論、”Hubardo” で見せたような傑出した Doom / Metal 要素と、彼のオリジナリティーの融合を懐かしむファンも多いでしょう。しかし、インタビューで “僕は本当に、メタルシーンだけに限定されたくないんだよ” と断言したように、彼の才能は1つのジャンルに留まることを許しません。そして今回の冒険も、行先は違えど素晴らしい旅となっているように感じましたよ。
今回弊誌では Toby にインタビューを行うことが出来ました。有難いことにこれで3度目の登場です。どうぞ!!

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KAYO DOT “PLASTIC HOUSE ON BASE OF SKY” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NEGICCO : ティー・フォー・スリー】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Negicco !!

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Organic Idol Group From Niigata, Japan, Negicco Has Just Released Ultimate-POP New Record “Tea For Three” !! Why Don’t You Try Kawaii Flesh Green Onions ?!

DISC REVIEW “ティー・フォー・スリー”

2003年から活動を続け、今年で結成13周年を迎える新潟が誇る”楽曲派”アイドル Negicco が、新作 “ティー・フォー・スリー” をリリースしました!!
昨年リリースされた2ndアルバム “Rice&Snow” は、様々な音楽誌、音楽サイトで2015年のベストアルバムにランクするモンスターアルバムでしたね。”ティー・フォー・スリー” は前作のポピュラーミュージックとしての完成度はそのままに、ソウル、ディスコサウンドを取り入れ大人の Negicco に進化したマイルストーン的作品に仕上がりました。プロデューサー connie さんは勿論、豪華なゲストプロデュース陣の仕事も実に印象的ですね。
レキシの池田貴史さんがプロデュースを手がけたアルバムオープナー “ねぇバーディア” は間違いなく今年最高のポップチューンとなるでしょう。「あなたに あなたに あなたに 恋したんです 好きになってもいいのかな もう止められないけど」松田聖子さんを想起させるエモすぎる王道アイドル曲は、しかし同時により深い広がりも備えています。
音楽ファンなら誰しも “ねぇバーディア” というタイトルから EARTH, WIND & FIRE の名曲 “September” を連想することでしょう。実際、「ねぇバーディア、覚えてる?」「あの9月の日の出来事」というセリフに加えて飛び出す”アノ”ギターフレーズは、見事な EW&F のオマージュとしてワクワク感を誘います。さらに勿論、「床の間置いてた愛の兜」は越前上杉家の直江兼続を隠喩しており、しっかりと新潟への愛情も示して見せているのです。大人も楽しめるアイドルソングとしての完成度は絶大ですね。
大人と言えば、Spangle call Lilli line が提供した “江南宵唄” は Negicco の新しい一面を披露した重要な楽曲です。セクシーで大人の色気を発する囁くような歌唱には、「本当の恋」を教えてくれるような淡い期待を感じてゾクゾクしてしまいますね。同じような感覚は、渋谷系とも言えるオシャレな “矛盾、はじめました” にも存在するように思います。
“土曜の夜は”を聴けば、Negicco こそが何十年にも渡って積み重ねてきた J-POP の担い手であることが分かるでしょう。80’sをモダンにアップデートしたかのような、山下達郎さんを想起させるビート、アーバンな曲調に Negicco の見事なコーラス、ハーモニーが溶け合います。アルバムを通して Negicco 3人の生み出すボーカルハーモニーは素晴らしく、歌唱面でも著しく成長を遂げていることが分かりますね。
OKAMOTO’S の手によるモータウン調の “SNSをぶっとばせ” では「あなたっていい人だけど まるでわたしの心は シェアできないの」などと見事に世相を反映していますが、総じて歌詞が心にスーッと入って来る作品でもありますね。ストリングスとピアノが絶妙な “おやすみ”~”私へ” の流れで幕を閉じるまで、”ティー・フォー・スリー” は常にリスナーにエモーショナルなメッセージを届け続けます。
決して、最近のアイドルシーンで持て囃されているような、奇を衒ったアルバムではありません。ただ粛々と、音楽の良さを追求した先に完成した、ハイセンスな2016年 J-POP の決定盤、代表作だと思います。今回弊誌では Negicco メンバー全員にインタビューを行うことが出来ました。7/30には NHK ホールでのコンサートも決定しています!ネギネギ!!

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Negicco “ティー・フォー・スリー” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ROLO TOMASSI : GRIEVANCES】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAMES SPENCE OF ROLO TOMASSI !!

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UK Experimental / Mathcore Titan, Rolo Tomassi Is Going To Come Back To Japan On September! Don’t Miss Their New Sounds From New Record “Grievances” !!

DISC REVIEW “GRIEVANCES”

9/27に Realising Media の招聘で1夜限りの来日公演が決定した、UK シェフィールドが生んだエクレクティックな5人組 ROLO TOMMASI。紅一点、ボーカル Eva Spence のエモーショナルなクリーンボイス、そしてその麗しい外見からは想像もつかないような迫力のあるグロウルを武器に、マスコアからエレクトロニカまで取り入れた実験的な音楽性が高く評価されているバンドです。そして彼らの最新作 “Grievances” は、さらにそのサウンドの領域を広げ、新しい境地に達したエポックメイキングなレコードとなりました。
“Raumdeuter” は彼らの新しいチャレンジを象徴するような楽曲です。Eva の美しいクリーンボーカルにトレモロリフまでフィーチャーしたこの曲は、Post-Black, さらには Shoegaze まで取り入れたアトモスフェリックなサウンドスケープが実に印象的。そこに彼ら特有のエレクトロニカ要素を融合させることで、より荘厳で優美な楽曲となっているその手法はまるで魔法のようにも思えますね。
“Prelude III: Phantoms” から “Opalescent” の流れはアルバムで最もメロディーにフォーカスした瞬間です 。幽玄なピアノの旋律をバックに、朗々と歌い紡ぐ Eva と James のデュエットのプレリュードは、美しく絡まり合い溶け合いながら プログレッシブな “Opalescent” を導きます。様々にアーティキュレーションを施した Jazz のようにスウィングする 6/8拍子を、ピアノとギターが時にダイナミックに、時に繊細に紡いでいく様はまさにカタルシス。Eva のアンニュイなボーカルも実にハマっていますね。
TOOL のようにインタルードを見事に活用したアルバムの中で、同様にペアとなる“Crystal Cascades” “Chandelier Shiver” では、アンビエントなピアノとストリングスが非常に効果的で、GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR すら想起させる美麗なサウンドスケープ、世界観が創出されています。
とは言え、アルバムには勿論、オープナー “Estranged” や “The Emberes”, “Funereal” のように THE DILLINGER ESCAPE PLAN 由来のカオティックでアグレッシブな要素を反映した楽曲も収録されており、結果として新機軸、美麗なストリングスの導入は、バンド本来のブルータルな要素を対比により強く際立たせる効果ももたらしていますね。
クラシカルで壮大なエピック “All That Has Gone Before” で幕を閉じるまで、作品は生々しいエモーションを放ちながら、目まぐるしくも整合感を伴ってリスナーの耳を捉え続けます。ダークでエモーショナルな一本の名作映画を観終わった時のような感動を与える作品だと感じました。
今回弊誌では、ボーカルとシンセサイザーを担当するバンドの中心人物 James Spence にインタビューを行うことが出来ました。Eva ちゃんとは兄弟なのでご安心を。どうぞ!!

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ROLO TOMASSI “GRIEVANCES” : 9.8/10

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