タグ別アーカイブ: best new music

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AYREON : THE SOURCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ARJEN ANTHONY LUCASSEN OF AYREON !!

18121952_1404689356254875_7019070396098332728_o

The Most Gorgeous Metal Opera In The World, Ayreon Are Back To “Forever” Saga With The Newest Record “The Source” !! Beautiful And Wonderful 70’s Vibes Are Here!

DISC REVIEW “THE SOURCE”

オランダを代表するコンポーザー、マルチプレイヤー、シンガー、そしてプロデューサー、Arjen Anthony Lucassen のメタルオペラプロジェクト AYREON が2枚組90分の一大スペクタクル “The Source” をリリースしました!!AYREON の宇宙を再び拡大し、過去最高とも思えるクオリティーを備えたよりギターオリエンテッドなレコードは、絶佳なる現代のスペースオペラとしてシーンに君臨するでしょう。
“Forever” サーガと称される AYREON のストーリーは、時代も時空も超越した壮大なるSFファンタジー 。まるで “Star Wars” と “The Lord of the Rings” が共鳴し溶け合ったかのような知的かつファンタジックな物語は、実際ロック史に残るエピックとして海外では絶大な人気を誇るのです。
“Forever” サーガのストーリーラインは、アルバムのリリース順に語られる訳ではありません。

「”Forever” とは技術の進歩により長寿の秘密を発見した “Planet Y” に住む水生知的生命体。感情を失い全てを”マシン”に頼るという生き方に進化してしまった彼らは、種族を再度活性化させるため彗星に自らのDNAを託し地球へと送ります。彗星の衝突は地球を支配していた恐竜を滅亡させ、破壊の灰の中から人類が登場したのです。
当初、”Forever” の実験は成功したように思えました。 “Forever”の遺伝子を有する人類は、”Forever” が “マシン”に頼るようになる以前の感情を有していたのですから。しかし、進化をスピードアップさせた “Forever” は、皮肉にも人類が彼らと同様の問題に直面したことを知ります。それはテクノロジーへの依存と感情の危機でした。人類のモラルは発展の速度に追いついてはいなかったのです。”Forever” は人類を自己破壊から救えるのでしょうか?」

これが前々作 “01011001” のプロットであり “Forever” サーガの”エピソード0″に位置する話です。
そこからストーリーはファーストアルバム “The Final Experiment”、つまりエピソード1” へと繋がります。2084年に最後の世界大戦が起こり、火星へと移住し滅亡する運命の人類。2084年の科学者たちはタイムテレパシーで過去へと警告を発し、さらに人類は “Forever” に導かれ様々な時代、人種が滅亡を回避するための行動を続けて行くのです。
“The Source” は “エピソード-1″ に位置するストーリー。さらに時を遡り”Forever” が “Planet Y” へと辿り着く以前の物語が描かれています。

「人類の大きな祖先とも言える “The Alphans” は、環境問題や政治的混乱により危機を迎えていました。彼らの星を守るため “The Alphans” はグローバルコンピューター “The Frame” に全てを託しますが、コンピューターが星を守るために下した結論は、”The Alphans” の根絶だったのです。星から脱出可能な宇宙船は1台だけ。搭乗が許されたのは技術や能力を備えた一部の “The Alphans” のみでした。そうして彼らがたどり着いた惑星こそ “Planet Y” だったのです。
“The Frame” から解放された “The Alphans” は “Forever” と称するようになりました。それはテクノロジーを進化させ開発した、”マシン” により永遠の命を保証されたからに他なりません。しかし同時に “Forever” はテクノロジーに依存しすぎたがためその感情を失い、より高く構築した建物は太陽の光を全て遮り “Age of Shadows” という暗黒の時代を迎えてしまったのです。そうして彼らは地球に DNA を送ることとなったのです。」

ここまで長きに渡り、しかもスムーズにストーリーが繋がると戦慄すら感じますが、作品を通じてテーマとし警鐘を鳴らし続けるのが、”テクノロジーへの依存” がもたらす危険であることは明らかですね。
音楽的には、インタビューにもあるように、Keith Emerson, Rick Wakeman, Jodan Rudess など鍵盤のレジェンドを起用してプログレッシブかつキーボードオリエンテッドに仕上げた前作 “The Theory of Everything”、そして Anneke van Giersberge とタッグを組んだ “女性的な” GENTLE STORM のリアクション、反動として、”The Source” は非常にキャッチーでヘヴィーなアルバムに昇華されています。
重厚かつ絢爛なアルバムオープナー “The Day That The World Breaking Down” から登場しアルバムの要所で現れる、ハモンドと絡むヘヴィーなメインギターリフが DREAM THEATER の “Erotomania”, “Voices” に極めて酷似している点にはギョッとしますが、James LaBrie が参加しているのでおそらく問題はありません。
実際、オマージュこそが “The Source” のキーワードだと言えるでしょう。 インタビューにもあるように、Arjen は彼のロック/メタル、特に70年代に対する憧憬を隠そうとはしていませんね。例えば “Everybody Dies” “Journey to Forever” が QUEEN への愛情が込められたラブレターだとすれば、”Run! Apocalypse! Run!” “Into The Ocean” は RAINBOW の新作に対する督促状かも知れません。何よりも、Freddie Mercury や Dio の役割を問題なく果たすことの出来る Mike Milles や Russell Allen といった極上のシンガーたちを発見し、適材適所にオペラの “俳優” として重用する Arjen の才覚には脱帽するばかりです。
あなたがもしクラッシックロックのファンならば、アルバムを聴き進めるうちに JETHRO TULL, STYX, PINK FLOYD, Kate Bush, さらには同郷の FOCUS などを想起させる場面に出くわしニヤリとすることでしょう。しかし同時に Arjen の巧みで見事過ぎるコンポジションにも気づくはずです。
多弦ギターやエレクトロニカなどモダンな要素も吸収し、インタビューにもあるようにフォーク、メタル、アトモスフィア全てを調和させメロディーとフック、そしてダイナミズムに捧げたアルバムはまさにエピカルなメタルオペラの金字塔として後世に語り継がれていくはずです。
今回弊誌では、Arjen Anthony Lucassen にインタビューを行うことが出来ました。残念ながらツアーは引退したそうですが、これだけの内容をメンバー集めから全てほぼ1人でを制作し続けているのですから当然という気もします。どうぞ!!

16114051_10153998466326152_174550645936548581_n-2

15665499_10153929081351152_4843989400406994019_n

AYREON “THE SOURCE” : 10/10

INTERVIEW WITH ARJEN ANTHONY LUCASSEN

16819503_1292044590865329_7727324512748469385_o

Q1: Ayreon’s “Forever/Planet Y” saga seemed to have reached its conclusion with the album “01011001”. But The newest album “The Source” revisits the Forever saga, adding a whole new chapter to your life work. You know, I feel “Forever/Planet Y” saga is similar to “Star Wars” methodology, haha. How far will Ayreon’s world spread?

【ARJEN】: Thanks for the comparison with Star Wars, big compliment! Yeah, I really didn’t expect to go back to the big story, but it seems the Ayreon Universe keeps showing me more and more details and exciting stories in my Waking Dreams, haha.

Q1: AYREON の “Forever / Planet Y” サーガはアルバム “01011001” で終結したかに思えました。しかし最新作 “The Source” では、再び “Forever” サーガを探求し、新たなチャプターを加えています。まるで映画 “Star Wars” シリーズのようですね(笑)。

【ARJEN】: “Star Wars” と比べてくれてありがとう。素晴らしい賛辞だね!
そうだね、僕も本当にあの “ビッグストーリー” (“Forever”サーガ)へ回帰するとは思わなかったんだ。だけど、AYREON の宇宙は僕にどんどんそのディティールとエキサイティングなストーリーを提示しつづけて来るんだよ、僕の白昼夢の中でね(笑)。

Q2: Usually, where does your ideas come from? Which comes first in music or theme?

【ARJEN】: I always start with the music, and then the music inspires me to come up with a story or concept. Then I choose the singers and finally I base the characters, the lyrics and the melody lines on the singers.

Q2: そういった途方もないアイデアは普段どのように思いつくのですか?音楽とテーマ、どちらが先なのでしょう?

【ARJEN】: いつも僕は音楽からスタートするんだ。それからその音楽にインスパイアされてストーリーやコンセプトを思いつくんだよ。そしてシンガーを選び、最後にキャラクターや歌詞、シンガーのメロディーラインを考えて行くんだ。

Q3: Off course, you have many projects like Ambeon, Guilt Machine, Star One, Stream of Passion, and The Gentle Storm. How do you distinguish between projects? Among them, is Ayreon special to you?

【ARJEN】: I always call Ayreon ‘the Mothership’. Ayreon contains all the styles of music that I like. Each time I do a side-project I single out one of these many styles and focus on that. Like Star One is the metal-side of Ayreon, Ambeon the atmospheric side of Ayreon and Gentle Storm the folky side of Ayreon. Once it has all the styles, it becomes an Ayreon.

Q3: あなたは他にも AMBEON, GUILT MACHINE, STAR ONE, STREAM OF PASSION, THE GENTLE STORM など様々なプロジェクトに関わっています。中でもやはり AYREON は特別なのでしょうか?

【ARJEN】: 僕はいつも AYREON を “The Mothership” (母艦) と呼んでいるんだ。AYREON には僕が好きな音楽のスタイルを全て詰め込んでいるからね。
サイドプロジェクトでは、その沢山のスタイルの中から一つを抽出し、フォーカスしている訳だよ。STAR ONE は AYREON のメタルサイドだし、AMBEON は AYREON のアトモスフェリックサイドで、GENTLE STORM は AYREON のフォークサイドなんだ。つまり全てのスタイルを兼ね備えれば、AYREON になるという訳だね。

Q4: OK, so, how did you come up with the concept of “The Source”? You know, I remind “Matrix” first movie or “Biohazard” from the artwork, haha. But definitely, this masterpiece relates to the science, technology, and future of our society. Could you tell us about the theme of the record?

【ARJEN】: This time I was inspired by the artwork of Yann Souetre. The general theme of this album is the dependence on technology. Scientists have predicted that in about 30 years we will reach the ‘technical singularity’ when computers have surpassed the intelligence of humans.

Q4: では最新作 “The Source” のアイデアはどのように浮かんできたのでしょう?アートワークはまるで “Matrix” の初作や “Biohazard” を想起させますが(笑)、間違いなくこの傑作は科学、テクノロジー、そして私たちの近未来の社会をも反映していますよね?

【ARJEN】: 今回は、Yann Souetre が制作したこのアートワークにインスパイアされたんだよ。確かにアルバムのテーマはテクノロジーと関係しているね。
科学者たちが、” The Alphans” は30年以内に”技術特異点”に達すると予測するんだ。つまり30年以内にコンピューターが人の知性を超えるとね。

13958294_519783571551857_971373321942292140_o

Q5: “The Theory Of Everything” was very much prog record, and it was to say keyboard Oriented. I feel “The Source” is definitely heavier and more diverse. Why did you change the direction in this album?

【ARJEN】: Every album I do is a reaction, a contrast to the previous album. I like to keep things fresh for myself, but also for the listeners. That’s true. And after the very ‘feminine’ Gentle Storm album I also wanted to make a very ‘masculine’ album.

Q5: 前作 “The Theory of Everything” は実にプログレッシブなレコードでしたね?さらに言えばキーボードが主役だったとも思います。対して “The Source” は、よりヘヴィーでバラエティーに富んだ作風だと感じました。

【ARJEN】: 僕が作って来たアルバムは全てがある意味リアクションなんだよ。前作を受けての対比なんだ。 僕はフレッシュな状態でいるのが好きなんだよ。リスナーのためにもね。
前作もそうだし、THE GENTLE STORM のアルバムがとても “女性的な” 作品だったから、”The Source” はとても “男性的な” アルバムにしたかったんだよ。

Q6: Definitely, there are Metal, Prog, Folk, and Electronica in the album. But also, I think 70’s is the keyword of “The Source”. I interviewed Mike Mills before. “Everybody Dies” is typically, his deep love of Queen made the album special. “Run! Apocalypse! Run!” and “Into the Ocean” reminds me Rainbow’s classic. I got Russell mistake to Dio, haha. “Condemned to Live” seems to be Floyd’s realm to me.
In other words, I feel you are reviving the era when music was the most challenging to the present age with modern production and elements. Do you agree that?

【ARJEN】: The 60’s and the 70’s were my formative years, I was born in 1960. The music I listened to then in my teens has inspired and influenced me more than anything. I don’t think I’m consciously trying to revive those times, but of course I can’t and won’t deny that they left a heavy mark mark on my musical style! Maybe the older ones gets, the more one goes back to the roots.

Q6: QUEEN や RAINBOW のような70年代のハードロックがアルバムの鍵となっているように思いますが?

【ARJEN】: 60年代、70年代は僕の形成期だったんだ。僕は1960年生まれだからね。10代の当時僕が聴いていた音楽は、何よりも僕に影響を与え、インスパイアしてきたんだ。
意識的に当時の音楽を再生しようと思っている訳ではないよ。ただ、勿論そういった影響が僕の音楽スタイルに大きな印を刻んでいることは否定出来ないし、する気もないよ!おそらく人は歳を取れば取るほど、よりルーツへと回帰するんだろうな。

Q7: In the typical style of the project, the album features several guest singers to portray the characters across the album. You usually prefers to work only once with a same singer in Ayreon. But this time, mostly cast returning performers for The Source together with newcomers such as Tommy Rogers. Anyway, how do you choose singers and guest players each time?

【ARJEN】: The rule of ‘only new singers’ only applied to two Ayreon albums: Human Equation and Theory of Everything. This time I didn’t want to restrict myself, I simply wanted the best singers in the world! Which means working with singers I worked with before. I think the division is about 50/50 on this album. I simply choose the musicians whom I think fit the music and the story.

Q7: AYREON であなたは、基本的に毎回新たなシンガーたちを起用して来ましたが、”The Source” では大半が以前共演してきたメンバーですよね?

【ARJEN】: “新たなシンガーだけ起用する” というルールは、実は2枚の AYREON のアルバムのみに適用されるんだ。”Human Equation”, “The Theory of Everything” の2枚だよ。今回は自分自身を限定したくなかったんだ。ただ世界でベストのシンガーたちを起用したかったんだよ!それはつまり以前共に仕事をしたシンガーたちを再度起用することに繋がる訳だよ。
以前共演したシンガーとニューカマーとの割合はちょうど半々くらいだと思うよ。単純に、音楽やストーリーにフィットするミュージシャンを選んだんだ。

Q8: If there is no limitation, who would you like to co-star with in Ayreon album in the future??

【ARJEN】: Of course I would like to work with my childhood heroes whom I used to listen to, like Robert Plant, David Gilmour, Ritchie Blackmore, Brian May etc! But I have to be fast, they are getting older every year. Luckily, there is great new talent surfacing all the time, and I’m always keeping my eye on them.

Q8: ではもし自由に選べるとして、AYREON の作品で将来的に共演したいミュージシャンを教えてください。

【ARJEN】: それなら、勿論子供の頃聴いていたヒーローたちと共演してみたいね。Robert Plant, David Gilmour, Ritchie Blackmore, Brian May といったレジェンドたちだよ!だけど急がないとね。彼らも日増しに年老いていっているんだから。まあ幸運なことに、新たな素晴らしいタレントは続々と現れて来ているし、僕は彼らにいつも注目しているんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED ARJEN’S LIFE

THE BEATLES “MAGICAL MYSTERY TOUR”

TheBeatlesMagicalMysteryTouralbumcover

PINK FLOYD “WISH YOU WERE HERE”

Pink_Floyd,_Wish_You_Were_Here_(1975)-2

LED ZEPPELIN “Ⅲ”

Led_Zeppelin_-_Led_Zeppelin_III

QUEEN “Ⅱ”

31NDESP17FL

RAINBOW “RISING”

RainbowRainbowRising

MESSAGE FOR JAPAN

13221734_1138983616153396_3525386468953428193_n

Yeah.. sorry that I don’t tour anymore, I’ve really become the recluse I always wanted to be! I did play live in Japan though in the past, and I thoroughly enjoyed it. Beautiful country, great food and most of all… lovely people! Hugs to you all, and thanks for your interest in my music. Hope you will enjoy The Source, let me know!

みんな待ってくれているって?そうだね…もうしわけないんだけど僕はもうツアーを行わないんだ。いつもそうなりたいと願っていた隠遁者になったんだよ!過去に日本でライブ (LANA LANE) を行ったことがあるけど、本当に楽しめたよ。美しい国、美味しい食べ物、そして何よりもラブリーな人々!みんなにハグを贈りたいよ。そして僕の音楽に興味を持ってくれてありがとう。”The Source” を楽しんでくれたらいいな。感想を聞かせてね!

ARJEN ANTHONY LUCASSEN

AYREON Facebook Page
AYREON Official Site
Mascot Label Group Facebook Page
Mascot Label Group Official Site

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FULL OF HELL : TRUMPETING ECSTASY】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SPENCER & DYLAN OF FULL OF HELL !!

Full-of-Hell-2017

Maryland / Pennsylvania Quartet, Full OF Hell Has Just Released The Newest Album “Trumpeting Ecstasy”!! Diverse, But More Into Extreme Metal Realms!

DISC REVIEW “TRUMPETING ECSTASY”

メリーランド、ペンシルベニアのカルテット、破壊者 FULL OF HELL がフルアルバムとしては2013年の “Rudiments of Mutilation” 以来となる新作 “Trumpeting Ecstasy” をリリースしました!!日本が誇るノイズゴッド MERZBOW, アヴァンギャルドノイズデュオ THE BODY とのコラボレート、さらには NAILS, PSYWARFARE とのスプリットを血肉としてリリースした作品は、要となる自身のルーツを軸としつつ、同時にエクストリームミュージックの領域を一際押し広げる重要なレコードとなりました。
CODE ORANGE, 日本の ENDON と並んで FULL OF HELL はハードコアとノイズ要素を融合させるアプローチの先端に立つアーティスト。もはやハードコアの大家となった感のある CONVERGE の Kurt Ballou が斬新なその三者全ての新作を手がけることとなったのも偶然ではないでしょう。
実験的な作風にシフトするかとも思われた “Trumpeting Ecstasy” は、意外にもストレートな楽曲が軸となり押し寄せる暗く激しい11曲23分となりました。インタビューにもあるように、サウンド、リフワークなど、確かにバンドはよりメタルの領域に接近したようにも思えますし、楽曲が”密着”していると語るのも頷けます。
しかし、勿論彼らの野心が一所に留まるはずもなく、レコードは同時にパワーバイオレンス、ノイズ、スラッジ、インダストリアルといった多様なアイデアを見事に昇華しコンテンポラリーなブルータリティーを散りばめたハイブリッドなエクストリームミュージックとして仕上がったのです。
“木々も鳥たちも悲しみに満ちている。彼らは歌っているんじゃない。ただ悲鳴をあげているんだ。” ニュージャーマンシネマの巨匠 Werner Herzog の言葉で幕を開けるアルバムオープナー “Deluminate” は文字通り世界の悲惨さ、絶望感の象徴です。不協和音をスクラッチする悪夢のデスメタルライクなリフワークと、疾走する巧みで手数の多い狂気のドラミングは無慈悲にもリスナーに地獄絵図を投下して行きます。”人間は地球の顔に出来た膿だ” と喉が張り裂けるほどシャウトする Dylan の苦痛を伴う憤怒は即ちハードコアのリアルで、聴く者に畏敬の念さえ感じさせますね。
禍々しい何かを引き摺るようにスローダウンする、スラッジーな “Gnawed Flesh” はまさに FULL OF HELL の真骨頂。脱退したベーシスト Brandon Brown のデモニックなガテラルは、Dylan の鋭いスクリームと凶悪なインタープレイを繰り広げバンドの顔となっていましたが、新たに加わった Sam DiGristine もしっかりとその伝統を引き継ぎ、自身のハラワタに宿した魑魅魍魎を地の底でスラッジパートに全てぶつけています。
さらに “Crawling Back to God” には ex-ISIS の Aaron Turner が、”At the Cauldron’s Bottom” には CONVERGE の Nate Newton がそれぞれボーカルでゲスト参加し、様々な声を得た作品は実に多様な色を加えているのです。
GRIMES のレーベルに所属するカナダのアーティスト Nicole Dollanganger の声を得たタイトルトラック “Trumpeting Ecstasy” はバンドが経てきたコラボレートの旅が結実した成果だと言えるでしょう。THE BODY の Lee Buford が生み出すビートと Nicole の天上の歌声は、不穏なノイズを宿した惨忍なバンドの暴虐と溶け合うこともなく、奇妙な二分法のまま冷やかなまでに無機質に進行して行きます。
インタビューで Dylan は、”Trumpeting Ecstacy” というタイトルが「他人の不幸は蜜の味」といった意味を持つと語ってくれましたが、この純美と非業、”喜び”と”悲しみ”の奇妙な共存はそのまま彼の語る人間の心の最も醜く陰湿な場所を映し出しているように感じました。
今回弊誌では、フロントマン Dylan とギタリスト Spencer にインタビューを行うことが出来ました!8月には THE BODY, FRIENDSHIP と回る日本ツアーも決定しています。どうぞ!!

16938515_1433301400027093_5552512882354525535_n-2

FULL OF HELL “TRUMPETING ECSTASY” : 9.8/10

INTERVIEW WITH DYLAN & SPENCER

13006478_1155157871174782_863251292989194880_n

Q1: First of all, your Japan Tour 2017 is just announced! How do you feel now? You’ve come to Japan in 2015. What’s your impression of Japan?

【SPENCER】: Very excited to come back. Japan is truly a magical place.

【DYLAN】: Definitely our favorite place on Earth to visit and tour. The people are very kind, art is very extreme and potent and the food is excellent.

Q1: 8月の日本ツアーがアナウンスされましたね!今のお気持ちを聞かせてください。2015年にも一度来日を果たしていますが、日本についてはどういった印象をお持ちですか?

【SPENCER】: 日本に戻れることが決まってとても興奮しているよ。日本は本当に魔法のような場所なんだ。

【DYLAN】: 間違いなく、ツアーで訪れる場所としては、地球上で一番大好きだよ。日本人はとても親切だし、アートは実に先鋭的で勢いがあるし、食べ物も美味しいからね。

Q2: Off course, you played with Friendship last time, and you collaborated with The Body in “One Day You Will Ache Like I Ache”. What kind of impression do you have about The Body, Frendship, co-starring?

【SPENCER】: The Body are seriously some of our best friends and going to exotic places with them is very special and a unique bonding experience. We played with Friendship last time we came to Japan and they were awesome. Good band and super friendly people. I have checked out their new record yet but I heard from multiple people that it rips.

Q2: 日本で共演予定の THE BODY, FRIENDSHIP についてはどういった印象をお持ちですか?勿論、FRIENDSHIP とは前回も共演し、THE BODY とは “One Day You Will Ache Like I Ache” でコラボレートを果たしている訳ですが。

【SPENCER】: THE BODY は真面目に、僕たちのベストフレンドだし、彼らとエキゾチックな場所へ赴くのは、とてもスペシャルでユニークな体験なんだよ。
FRIENDSHIP は前回来日した時も共演したね。素晴らしかったよ。良いバンドだし、とてもフレンドリーな人たちなんだ。まだ彼らの新作はチェックしていないんだけど、何人かから最高だと聞いているよ。

Q3: Your band name, “Full of Hell” is very sensational. What made you choose it?

【SPENCER】: When we started the band years ago we were very much into ‘Wolverine Blues’ by Entombed. Our sound at that point was very much inspired by that album and bands like Crowbar/Eyehategod. I think as we have evolved as a band the name has taken on a new meaning.

Q3: それにしても、FULL OF HELL というバンド名は実にセンセーショナルですね。

【SPENCER】: 何年か前にバンドを始めた頃、僕たちは ENTOMBED の “Wolverine Blues” にどハマりしていたんだ。(Full of Hell というトラックが収録) あの時点では、僕たちのサウンドはあのアルバム、そして CROWBAR や EYEHATEGOD といったバンドにとてもインスパイアされていたんだよ。
それから僕たちはバンドとして進化を遂げたと思うから、バンド名は新たな意味を持つようになったね。

Q4: Anyway, let’s talk about your newest album “Trumpeting Ecstasy”. “Trumpeting Ecstasy” is really cool term, but what’s the meaning behind it? Does it relate to the impressive artwork by Mark McCoy?

【DYLAN】: I sent Mark all of the lyrics for the album so that he could create his visual interpretation of the entire body of work. Trumpeting Ecstasy is metaphorical for the feeling of rapturous joy in the face of human failure, death and non-existence.

Q4: では最新作 “Trumpeting Ecstasy” について話しましょう。非常にクールなタイトルですが、どういった意味が込められていますか? Mark McCoy の手によるアートワークとも関連しているのでしょうか?

【DYLAN】: 僕は Mark にアルバム全ての歌詞を送ったんだ。だから彼は作品全体を解釈してアートワークを制作することが出来たんだよ。”Trumpeting Ecstacy” とは、人間が他人の失敗、死、非存在化に直面した時、猛烈な喜びを感じることを比喩しているのさ。

Q5: This masterpiece starts with a quotes from Werner Herzog, “Of course, there’s a lot of misery. But it is the same misery that is all around us. The trees here are in misery, and the birds are in misery. I don’t think they sing. They just screech in pain.” What made you start the record like this?

【DYLAN】: We wanted an audio sample that encompassed the feeling of man being at odds with the natural world. Unable to come to terms or understand it, and being unable to coexist within it.

13343139_1186998331324069_5685979960885944671_n

Q5: アルバムはニュージャーマンシネマの代表的な監督 Werner Herzog の引用から幕を開けますね?

【DYLAN】: 僕たちは、自然界に調和しない人間の感情を内包したオーディオサンプルが欲しかったんだ。自然と折り合いを付けることも、理解することも、そして共存することも出来ないようなね。

Q6: How was the experience of working with Kurt Ballou? What did he bring to the record?

【SPENCER】: Recording with Kurt was a great experience. I think being in the studio with him brought us a new sense of confidence and drive. We knew we liked all of these songs and he didn’t really have any input on the songs except maybe giving him a tighter take. It was also intimidating working with such a legend, so it gave us the sense that we needed to go in there and play as best as we possibly could with every take.

Q6: Kurt Ballou との仕事はいかがでしたか?

【SPENCER】: Kurt との仕事は素晴らしい体験だったね。彼とスタジオに居ることで、新たな自信やエナジーといった感覚が湧いてきたんだからね。僕たちはアルバム全ての楽曲を気に入っていたから、よりタイトなテイクを録音すること以外で彼から特別なインプットはなかったんだけどね。
やはり彼はレジェンドだからオーラが凄かったんだよ。おかげで、全てのテイクで全力を尽くすことが求められ実現した訳さ。

a1935757465_10

Q7: “Trumpeting Ecstasy” seems to be best “Hybrid Extreme” record. You know, Mixing your Hardcore & death metal influences with grind, powerviolence, noise and industrial. I think it’s the best work of “Contemporary Brutal”. What is the best thing to call this record for you?

【SPENCER】: We have always just considered ourselves a hardcore band without of outside influence and I don’t think think this record any different except maybe more of an emphasis on the metal aspect. I feel as though these songs are much more cohesive and flow better compared to everything else we have done. I also don’t feel like combining elements of other “extreme” genres is anything new so it’s surprising when people point that out. Tons of bands we are influenced by have done similar things like having elements of sludge or industrial. I mean look at Napalm Death’s ‘Utopia Banished’ and Brutal Truth’s ‘Need to Control’ and other bands we’re influenced by like Man is the Bastard,Gasp and The Endless Blockade.

Q7: “Trumpeting Ecstasy” は “Hybrid Extreme” における最高のアルバムにも思えます。Death metal, Hardcore, Grindcore を軸にして、Powerviolence, Sludge, Noise, Industrial を見事にミックスした作品はまさにコンテンポラリーなブルータルミュージックの最高峰だと感じました。

【SPENCER】: 僕たちはいつも自分たちをただハードコアバンドとして見ているよ。外部の影響のないね。このレコードだって普段と別段変わった点はないよ。少しメタル要素を強調しているかも知れないけど。ただ言えるのは、このアルバムの楽曲は今までの作品に比べて、より密着していて良い流れを生んでいるということだね。
あと、他の “エクストリーム” なジャンルのエレメントをミックスすることが別に新しいとも思わないね。だからみんながそこを指摘するのは逆に驚きだったんだよ。僕たちが影響を受けている山ほどあるバンドたちがすでに似たようなことをしているんだからね。スラッジやインダストリアルの要素を加えるようなことだよ。
つまり、NAPALM DEATH の “Utopia Banished”、 BRUTAL TRUTH の “Need to Control” 他にも MAN IS THE BASTARD, GASP, THE ENDLESS BLOCKADE を聴いてみれば分かるでしょ?

Q8: You’ve done many collaborative works. Especially, we Japanese, are very proud of “Full of Hell & Merzbow”. What’s Masami Akita to you? And what made you collaborate with other artists?

【SPENCER】: Collaborating with Merzbow was seriously a dream come true. Looking back now there are things I would change about the collab records, but still being able to perform with him live is very surreal. I think collaborating with other artists lets us create music outside or our comfort zone and lets us create with a complete different mindset.

【DYLAN】: Yeah, I agree on all points. It was such a huge deal for us. Like anything else, there are always things we’d have done a little differently, but Masami was pleased and we are still very proud of what we’ve done with him.

Q8: FULL OF HELL は様々なコラボレーションを行ってきましたが、特に MERZBOW とのコラボレートは私たち日本人にととてとても誇らしい出来事でした。こういったコラボレーションがバンドの作品にも生かされているようですね?

【SPENCER】: MERZBOW とのコラボレートは真面目に夢が叶った瞬間だったよ。今振り返ってみると、あのコラボレートレコードには変更したい点が幾つかあるんだけど、それでも彼とライブで共演出来たことはとてもシュールで非現実的な感じがするね。
他のアーティストとコラボレートすることは、僕たちをクリエイティブなコンフォートゾーンの外へと導いてくれると思うんだ。完全に異なる心境で制作出来るしね。

【DYLAN】: 全くその通りだね。MERZBOW とのコラボレーションは僕たちにとって本当に大きな意味があったんだ。他のコラボレート作品と同様に、僕たちは少し違ったことをしているんだけど、Masami は喜んでくれたし、今でも彼と成し遂げたことをとても誇りに思っているんだよ。

a2883873483_10

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SPENCER & DYLAN’S LIFE

INSECT WARFARE “WORLD EXTERMINATION”

170603

THE ENDLESS BLOCKADE “PRIMITIVE”

spin019_blockade_400_1200x

GASP “DROME TRILER OF PUZZLE ZOO PEOPLE”

R-1524334-1225999795.jpeg

WEEZER “PINKERTON”

Pinkerton_cover

DISCORDANCE AXIS “THE INALIENABLE DREAMLESS”

Discordance_Axis_-_The_Inalienable_Dreamless

(SPENCER)

GASP “AN EARWIG’S GUIDE TO TRAVELING”

3874823

GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR “F# A# ∞”

F_sharp_a_sharp_infinity_vinyl_cover_street_sighn

SILVER MOUNT ZION “BORN INTO TROUBLE AS THE SPARKS FLY UPWARD”

220px-Born_into_Trouble_as_the_Sparks_Fly_Upward

CRYPTOPSY “NONE SO VILE”

NoneSoVile

JOANNA NEWSOM “Ys”

Ys_cover

(DYLAN)

MESSAGE FOR JAPAN

1119

See you soon!! Ready to rage.

すぐに会おう!!暴れる用意をしておけよ。

SPENCER & DYLAN

FULL OF HELL / THE BODY / FRIENDSHIP JAPAN TOUR 2017

mig

08/23(水)東京: 小岩Bush Bash w/ FRIENDSHIP, 黒電話666 (w/o ENDON)
open 18:30 / start 19:00
前売 3,000yen / 当日 3,500yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Bush Bash 03-6657-9939
08/24(木)愛知: 名古屋今池Huck Finn w/ BLACK GANION
open 18:30 / start 19:00
前売 3,500yen / 当日 4,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Huck Finn 052-733-8347
08/25(金)岡山: 岡山Pepper Land w/ DEATH DUST EXTRACTOR, DESERVE TO DIE, ilska
open 18:30 / start 19:00
前売 2,500yen / 当日 3,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Pepper Land 086-253-9758
08/26(土)大阪: 東心斎橋Conpass w/ SWARRRM
open 18:00 / start 18:30
前売 3,500yen / 当日 4,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Conpass 06-6243-1666
08/27(日)東京: 新代田Fever w/ ENDON, ENDZWECK
open 17:30 / start 18:00
前売 3,500yen / 当日 4,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Fever 03-6304-7899

<TICKET>
5/27(土)より下記にて発売
東京/小岩: 会場、Daymare Recordings (daymarerecordings@gmail.com)
名古屋: ぴあ(P: 332-414)、e+、会場
岡山: 会場、Darkside oyc (darksideoyc@gmail.com)、Daymare Recordings (daymarerecordings@gmail.com)
大阪: ぴあ(P: 332-725)、ローソン(L: 54110)、e+、会場
東京/新代田: ぴあ(P: 332-334)、ローソン(L: 72880)、e+、会場

詳細はこちら Daymare Recordings
FULL OF HELL Facebook Page
FULL OF HELL Official Site
FULL OF HELL Bandcamp
PROFOUND LORE RECORDS

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DRAGONFORCE : REACHING INTO INFINITY】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FRÉDÉRIC LECLERCQ OF DRAGONFORCE !!

dragonforce-2017-press-pic-source-facebook

UK Based Power Metal Speed Star, Dragonforce Reaches Into New Horizon With Their Newest Album “Reaching Into Infinity”!! Still Fast But Mature!

DISC REVIEW “REACHING INTO INFINITY”

英国が誇るパワーメタルスピードスター、DRAGONFORCE が7枚目のフルアルバムとなる “Reaching into Infinity” をリリースしました!!”無限大”の力と可能性を秘めたその魅力的な音時空は、素晴らしきカタルシスを伴って世界に光明と救いをもたらすことでしょう。
DRAGONFORCE は勿論、その計測不能なまでに狂速な bpm と、レトロゲームの影響を消化したチップチューンメタルのコンボで名を上げたバンドです。確かに、時に激しいギターデュエルを交えながら突き進む、その目まぐるしくも華麗で勇壮なスタイルは実にエキサイティング。バンドは暗雲漂うパワーメタルシーンの救世主として着実にその地位を築き上げて来たと言えるでしょう。
しかし、DRAGONFORCE は現在、そのパワーメタルという “檻” からゆっくりと着実にその領域を拡大させつつあります。
実際、ギタリスト Sam Totman という大黒柱がコンポジションの中心に座っていた “The Power Within” 以前のパワーメタル然とした作品と、マルチな才能を持つベーシスト Frédéric Leclercq が大々的に関わるようになり Sam との二頭体制を築いた後の作品には大きな差異が存在するようにも思えます。
二頭体制の幕開けとなった前作 “Maximum Overload” はバンド史上最高に芳醇な音楽性を誇る作品でした。インタビューにもあるように全てを2人で共作したというアルバムは、Frédéric が持ち込んだデス、スラッシュ、プログといった新たで多様な感覚と、奇跡の 235 bpm を実現した “The Game” が象徴するバンドのアイデンティティー “スピード” を共存させた完璧なる傑作だったと言えますね。勿論、Jens Bogren の類希なるセンスがバンドをまだ見ぬ高みへと導いたことも否定は出来ないでしょう。
ただ何より、Frédéric が日本のゲーム “悪魔城ドラキュラ” へのトリビュートとして制作した “Symphony of the Night” の妖艶なる美の調べは、以前のバンドには存在し得ない新たな至宝に違いありません。前世は日本人だったとまで語る Frédéric のメロディーには、コード進行をより意識することで生まれる日本的な “艶” が確かに備わっているのです。
二頭体制を引き継ぎながらも2人が別々に作曲を行い、結果として Frédéric が大半の楽曲を手がけることとなった新作 “Reaching into Infinity” は、”Maximum Overload” でのチャレンジをさらに1歩押し進めた作品に仕上がりました。
期待感を煽る荘厳なイントロダクションに導かれ幕開ける、アルバムオープナー “Ashes of the Dawn” はまさに歌劇”スピードメタル”。オペラティックな Marc Hudson の歌唱は、ファストでシンフォニックな舞台に映え、昇龍の如く天高く舞い上がります。自らのトレードマークをしっかりとアピールしながら、よりシアトリカルで洗練されたメロディーを提示する現在の DRAGONFORCE に死角はありませんね。
トランス的なイントロから HELLOWEEN を想起させるメジャーなコーラスを経てプログレッシブな展開を見せる新鮮な “Judgment Day”、新ドラマー Gee Anzalone の派手やかなお披露目から Frédéric の壮絶なベースソロまでリズム隊の活躍が顕著な “Astral Empire” と疾走するキラーチューンを畳み掛けたバンドは、徐々にその成熟を遂げたドラゴンの巨体を顕にして行きます。
“悪魔城ドラキュラ” トリビュートの続編、ディミニッシュの魔法が冴える “Curse of Darkness”、切なくも壮大なバラード “Silence”、そして ANTHRAX のエナジーを宿したスラッシュチューン “War!” と実に多彩なアルバムの中でもハイライトは11分の大曲 “The Edge of the World” でしょう。
IRON MAIDEN の長尺曲をも想起させる楽曲は、プログレッシブな展開美が白眉で実にエピカルかつドラマティック。ボーカル、ギターソロ、バッキングをよりオーガニックに誂え、しかし時にデスメタルの要素までも散りばめた世界の果ての景観は、静と動のコントラストが鮮やかに浮き彫りとなった新たな光景だったのです。それは様々なジャンルのバンドで経験を積んだフランス人の才能が、バンドのカラーと遂に溶け合った瞬間と言えるのかもしれませんね。
今回弊誌では、作品のキーパーソン Frédéric Leclercq にインタビューを行うことが出来ました!充分にファストですが、以前の良くも悪くもピーキーな DRAGONFORCE とは趣を異にする円熟の一作。同時に、今回も Jens Bogren は素晴らしい仕事を果たしたようですね。どうぞ!!

16473573_10154364911712379_7393985507913000580_n-2

DRAGONFORCE “REACHING INTO INFINITY” : 9.7/10

INTERVIEW WITH FRÉDÉRIC LECLERCQ

548483_365872593496802_1943970911_n

Q1: Hi, Fred! Your Japan Tour 2017 is just announced! You’ve come to Japan many times, and you have a deep connection with our culture, don’t you? Normally, foreigners don’t know “Space Sheriff Gavan”, haha. How do you like our country?

【FRÉDÉRIC】: I LOVE JAPAN. If it wasn’t for the difficult language I would already be living in Tokyo. It is my favorite country in the world, and it’s not just because of the cultural aspect, there is something deeper that I cannot explain, I just feel good when I am in Japan. I don’t really believe in reincarnation but it always feels like I have been there before, or better, that I belong there, that it’s MY place. Strange but true! As for Gavan, it was very popular in France when I was a kid!

Q1: 6月の日本ツアーがアナウンスされましたね!勿論、DRAGONFORCE は何度も来日を果たしていますが、中でもあなたと日本文化の繋がりはとても深いように思えます。実際、普通の外国人は “宇宙刑事ギャバン” なんて知らないですからね(笑)

【FRÉDÉRIC】: 僕は本当に日本が大好きなんだよ!!!もし日本語があんなに難しくなければ、すでに日本に住んでいるだろうね。
世界中で一番大好きな国だよ。それはただ文化の側面からだけじゃなくて、説明しづらいんだけどもっと何か深いものが理由なんだ。とにかく、僕は日本に居るだけで良い気分になるんだよ。
輪廻なんて本気で信じている訳じゃないけど、それでも、いつも以前そこに居たような、日本人だったような気持ちになるんだ。つまり自分の場所だね!変な話だけど事実だよ!
ギャバンはね、僕が子供のころフランスでとても人気があったんだ!

Q2: Anyway, your newest album “Reaching into Infinity” will be released soon! How do you feel now?

【FRÉDÉRIC】: Good! We had the chance to perform 2 new songs on stage in a few shows and the reaction of the crowd has always been great. I think this album is really great and I hope people will love it as much as we do!!

Q2: 最新作 “Reaching into Infinity” のリリースも控えていますね!今はどういったお気持ちですか?

【FRÉDÉRIC】: 良い気分だよ!いくつかのショウで、新曲を2曲披露する機会があったんだけど、オーディエンスのリアクションはいつも最高だったからね。僕は本当に偉大な作品だと思っているよ。ファンのみんなも僕たちと同じくらい気に入ってくれたらいいね!

Q3: I really love the “Mecha-Dragon” on the artwork. Could you tell us about the concept, artwork and album title “Reaching into Infinity”?

【FRÉDÉRIC】: There’s no real concept. I wanted to give the impression that there was one though, hence the intro for the album, sort of taking you for “reality” into “our world”. The idea behind the title is that the power of music is infinite, and with today’s world being what it is, all messed up, people need escapism and music, our music, can do that. The cover is an interpretation of this: a destroyed world and our music(the dragon) rising in the middle.

Q3: アートワークの “メカドラゴン” も最高にクールですね!そのアートワークや作品のコンセプトについて話していただけますか?

【FRÉDÉRIC】: 特別なコンセプトは存在しないんだ。ただ一つ、アルバムのイントロダクションとして知っていて欲しいのは、君たちを “僕たちの世界” の “真実” へと導く作品だということなんだ。
タイトルには音楽の力は無限大だという意味が込められていてね。今日世界はまさに混乱していて、人々は逃げ道、音楽を必要としているね。そして僕たちの音楽なら君たちを救うことが出来るんだ。アートワークにはその解釈を反映させているんだ。破壊された世界と僕たちの音楽 (ドラゴン) が中央に昇っているでしょ?

Q4: How was the writing process? You know, Fred, I read a press release, and it seems you managed most of the songwriting for ‘Reaching into Infinity’. Off course, you became involved more in songwriting from previous record “Maximum Overload”. But what is the difference between “Reaching into Infinity” and “Maximum Overload”?

【FRÉDÉRIC】: For Maximum, Sam and I wrote everything together. It worked well and we wanted to do the same for Reaching but for some reason it didn’t happen, Sam came to my place but ended up in another room finishing his songs while I was piling up more and more ideas and that’s how I ended up writing most of the material for the new album. I guess that’s why there’s a different colour, a different vibe.

Q4: 前作 “Maximum Overload” からあなたがよりコンポジションに関わり始めたのは明らかですが、今回のライティングプロセスはいかがでしたか?

【FRÉDÉRIC】: “Maximum Overload” では、Sam と僕が全てを一緒に書いたんだよ。その方法がとても上手く機能したから、今回も同じようにやりたかったんだ。だけど何らかの理由でそうはならなかったんだよ。Sam は僕のところには来たんだけど、結局別の部屋で彼の楽曲たちを完成させてしまったんだ。
その間に僕はもっと多くのアイデアを積み重ねていたから、結果として僕が新作の大部分を手がけることになったんだ。そういった経緯があったから、今回の作品には異なるカラー、異なるヴァイブが流れているんだと思うな。

18278336_10154607128072379_444564525322116537_o

Q5: So, why did the band’s creative process change? You know, I feel the genre of “Power metal” tends to fall into a rut. I mean, did you want to push the band outside of your comfort zone?

【FRÉDÉRIC】: Well I don’t really listen to power metal, so I guess this album is my take on it, with elements of other kind of music I prefer: thrash, heavy, death, prog…so it is taking the band out of its comfort zone, something we started with Maximum because I was writing half of the songs, haha.

Q5: なぜバンドはあなた中心のクリエイティブプロセスに変えたのでしょうか? “Power metal” というコンフォートゾーンからの脱却を計っているようにも見えますが。

【FRÉDÉRIC】: そうだね、僕は本当にパワーメタルを聴かないから、このアルバムには僕が好む他のジャンルからの影響が現れていると思うんだ。スラッシュめた、デスメタル、プログなんかのね。だから確かにそういった作風はバンドをコンフォートゾーンから連れ出しているよね。
“Maximum Overload” では半分僕が書いたから、変化はそこから始まったと言えるね(笑)

Q6: I told you at the beginning, I think “Maximum Overload” and “Reaching into Infinity” are influenced by Japanese culture. It owes to your big contribution. I mean “Symphony of the Night” and this time, “Curse of Darkness” definitely have a taste of “Castlevania”. Do you agree that? Could you tell us about your influence of “Nintendo” music?

【FRÉDÉRIC】: A big taste indeed, these songs are about Castlevania. I see people on internet not quite getting it, like “mmm it sounds like bloody tears” or “mmm curse of darkness sounds a bit like symphony of the night, that’s weird”, well yes because it’s my tribute to the Castlevania series, and curse is my “symphony of the night” part 2, somehow, which is why one can hear similarities in the chord progression, especially the “hear my distant cry” melody. The song “symphony of the night” was originally made for Japan, I wanted to write a song with the kind of melodies Japanese metal bands come up with, and with the harpsichord intro sounding a bit like “Malice Mizer”. Even my demo lyrics were in Japanese to really have that feeling.
As for influence of Nintendo music, there’s also Sega music, Nec Music…video games have been a huge part of my childhood and I’ve always paid attention to the soundtracks so obviously it had a influence on me. Regarding Castlevania, I really fell in love with the music of “Symphony of the Night” written by Michiru Yamane. I had the chance to meet her last time we played in Japan, I was so nervous!!

Q6: 冒頭に、あなたと日本の繋がりについて触れましたが、確かにあなたが深く作曲にかかわるようになってからの作品は、日本の音楽や文化に影響を受けているように思えます。実際、前作の “Symphony of the Night”、今作の “Curse of Darkness” は間違いなく “悪魔城ドラキュラ” の雰囲気を持っていますよね?

【FRÉDÉRIC】: 間違いないね。その2曲は “悪魔城ドラキュラ” についての楽曲なんだ。インターネットで、僕の意図を完全に理解していない人をよく見かけるんだよね。
「うーん、この曲は “Bloody Tears” みたいだぞ。」 とか、「うーん、おかしいな、”Curse of Darkness” は “Symphony of the Night” に似ているよね。」とか。当然だよ。だってこの2曲は僕の “悪魔城ドラキュラ” シリーズに対するトリビュートなんだからね。
そして “Curse of Darkness” は “Symphony of the Night” の続編、パート2なんだ。だからコード進行が似て聴こえるのも当然なんだよ。特に、”hear my distant cry” のメロディーなんかはね。
“Symphony of the Night” はそもそも日本のために作られた楽曲なんだよ。僕は日本のメタルバンドが思いつくようなメロディーを持ち、少し Malice Mizer のようなハープシコードのイントロで始まる楽曲を書きたかったんだ。僕のデモでは歌詞も日本語だったんだよ。雰囲気を保つためにね。
ニンテンドーミュージックの影響だけど、そこにはセガや NEC からの影響もあるんだよ。子供のころ、ビデオゲームは僕の大部分を占めていたし、今でもそのサウンドトラックにはいつも注目しているからね。だから明らかに僕はそうしたビデオゲームのサントラに影響を受けているよ。
“悪魔城ドラキュラ” についてだけど、僕は山根ミチルさんが書いた “月下の夜想曲 (Symphony of the Night) ” に恋に落ちたんだ。実は前回日本でプレイした際に、彼女に会うチャンスがあったんだけど、本当に緊張したよ!!

Q7: From your perspective, how has the singer change influenced the music of Dragonforce? Off course, ZP Theart was very charismatic. And there are still negative fans in Marc’s vocal, right?

【FRÉDÉRIC】: We really worked on Marc’s voice for this album, he shows more than just one dimension like on the previous albums: now he is sometimes more aggressive, he does death metal vocals as well, and that’s great to know that you have a singer that’s capable of that, that means you can explore more, and because I want to get out of the “power metal” box, that’s perfect.

Q7: ではボーカルの交代がバンドの音楽に変化を与えたと思いますか?今でも ZP Theart を懐かしむファンも多いですよね?

【FRÉDÉRIC】: このアルバムで、Marc の声は本当に良く機能したと思うんだ。前作同様、多次元的なボーカルを披露しているよね。今では、時によりアグレッシブにもなるし、デスボイスだって使えるしね。
そういう多才なシンガーがいるのは素晴らしいことだよ。新たな世界をより探求出来る訳だからね。それにさっきも言ったけど、僕たちはパワーメタルという “檻” から抜け出したいと思っているんだよ。だから彼は完璧なんだ。

Q8: I’m big fan of Japanese band Ziggy, but it was really surprise that you covered their song “Gloria”. Who found that song? How was the impression that you covered the song?

【FRÉDÉRIC】: Well, an old friend, Masahiro Eto (who now plays in Jaded Heart) gave me a Ziggy compilation, yeaaaars ago (2002 maybe?) and i really loved it, especially Gloria and Tokyo City Nights. Fast forward to 2015, we were on tour in Japan and ended up in a bar in Shibuya and I asked if they could play Ziggy. They put on Gloria and I see all these people singing along and I’m thinking “that’d be awesome to do a cover!!” I told Sam and Herman who were there, I sorta convinced them in all my drunkness and…here we are! As for the reaction, let’s see what the Japanese fans think! For me it’s another little gift to them, to show them that I love them and I love their country. We could have just done an extra song for the Japanese bonus but I thought it would be better to give them something that means something to them!

Q8: ZIGGY のカバー、”Gloria” を日本盤のボーナストラックとしたのは驚きでしたね!

【FRÉDÉRIC】: 僕の古い友人である、Masahiro Eto (今は JADED HEART でプレイしている) が、2002年かそのくらいかな、とにかくかなり昔に ZIGGY のコンピレーションをくれたんだ。本当に気に入ったよ。特に “Gloria” と “Tokyo City Nights” がね。
2015年になって、日本ツアーの最中に、僕は渋谷のバーで ZIGGY をリクエストしたんだ。”Gloria” がかかったんだけど、全員がシンガロングしていたね。その時、「これはカバー出来たら素晴らしいな!!」と思ったんだ。Sam と Herman がその場にいたから、酒の力も借りて説得したんだ。そして実現したんだよ!日本のファンのリアクションが楽しみだね!
僕にとっては、日本のみんなへのちょっとした贈り物って感じかな。日本と日本の人たちへの愛情を見せたつもりさ。勿論、オリジナルのボーナストラックを作ることも出来たんだけど、それよりも何かより意味のあるものを提供したかったんだ。

12316074_10153292108092379_5059998491842612058_n

FIVE ALBUMS THAT CHANGED FRED’S LIFE

MANOWAR “KINGS OF METAL”

71wczkt+KlL._SX355_

IRON MAIDEN “NO PRAYER FOR THE DYING”

IronMaidenNoPrayerForTheDying

I always mention the same 5 albums… let me try to think. Well I guess Manowar “Kings of Metal” and Iron Maiden “No Prayer for the Dying” because those were the first metal albums I got. They made the nice little shy Fred turn into the nowadays long haired tattooed Fred. I started to follow that path when I discover these 2 albums.

この2枚は初めて手にしたメタルのアルバムなんだ。この2枚が真面目で少しシャイなフレッドをロン毛でタトゥーのフレッドに変えたんだよ。ここから全てが始まったんだ。

MORBID ANGEL “ALTARS OF MADNESS”

MorbidAngelAltars

Then Morbid Angel “Altars of Madness” really got me into evil, fast, brutal music. The satanic aspect, the crazy solos, the chord progressions, the actual “madness” of it all, really changed my perception of music.

邪悪で、ファストで、ブルータルな音楽にのめり込むきっかけだったね。サタニックな要素、クレイジーなソロワーク、コードプログレッション。まさに “狂気” だと言えるね。本当に音楽に対する見方を変えてくれたよ。

ALLAN HOLDSWORTH “ATAVACHRON”

R-1210497-1200980082.jpeg

“Atavachron” from Allan Holdsworth, when I discovered it, it was like the music I always wanted to hear, the chords, the sounds.

まさにいつも探していた音楽だったね。こういったコードやサウンドが聴きたかったんだ。

CLIFF RICHARD “THE BEST OF CLIFF RICHARD”

160758_1_f

Finally…let’s say Cliff Richard, a compilation will do. My father is a big fan and we always listened to it in the car, and I think that’s the oldest musical memory I have, listening to “Don’t talk to him” and “Don’t forget to catch me”, and if I close my eyes I can see myself at the back of the car, and I can taste the taste of strawberry cookies…I think yeah, that’s the oldest musical memories I have. And therefore that surely defined my perception of music for the years to come.

父が大ファンで僕たちはいつも車で聴いていたよ。僕の一番古い音楽の記憶だと思うな。”Don’t talk to him” や “Don’t forget to catch me” を聴きながら目を閉じると、車の後部座席にいるような気分になるんだ。ストロベリークッキーの味も思い出すよ…そうだね、本当に古い記憶さ。だけど間違いなく今の音楽観に繋がっているんだよ。

MESSAGE FOR JAPAN

unnamed-1_13

Arigatou for your support, I can’t wait to come back in June, don’t hesitate to follow me on twitter @fredleclercq and tell me what you think of our new album! You have a wonderful, beautiful country and yes, I really can’t wait to be back! Mata ne!!

サポートをありがとう!6月に戻るのが待ちきれないね!ぜひツイッターで僕のアカウントをフォローして欲しいな。Twitter: Fred Leclercq そこで新作についての意見を聞かせて欲しいよ!本当に日本は素敵で美しい国だよ。またね!

FRÉDÉRIC LECLERCQ

DRAGONFORCE JAPAN TOUR 2017

“DRAGONFORCE JAPAN Tour 2017”
6月14日(水)梅田CLUB QUATTRO
6月15日(木)名古屋BOTTOM LINE
6月16日(金)渋谷duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:00 / START 19:00
¥7,500(オール・スタンディング/税込/1Drink別)

DRAGONFORCE

DRAGONFORCE Facebook Page
DRAGONFORCE Official Site
Frederic Leclercq Facebook Page
Metal Blade Records Official Site
Warner Music Japan 日本盤のご購入はこちら!

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

SITHU AYE SENPAI EXPLAINS IT ALL !! 【SENPAI EP Ⅱ: THE NOTICING】


So fast forward 1 year and 7 months and I have released “Senpai EP II: The Noticing”, the follow up to the first EP. It continues to follow the story of these three girls in the style of a slice of life anime. 

“Senpai EP” から1年7ヵ月ぶりに “Senpai EP Ⅱ: The Noticing” をリリースしたよ!!この作品でも、女の子3人の物語を日常系アニメのスタイルで追っているんだ。

unnamed-14

(There’s a new girl in there – we’ll get to her later! Artwork by me)

RECAP OF “SENPAI EP”

To start with, a little bit of a recap of the first Senpai EP and an introduction to the characters. Senpai EP follows the adventures of 3 girls who love to play progressive metal music and is heavily influenced by slice of life anime, especially K-On!. The main character is Megumi Uehara (上原めぐみ) who is nicknamed Prog-chan (プログちゃん), a 17 year old 2nd year in high school who loves to play the guitar. All Prog-chan wants to do is to have fun and to play music with her friends. Her childhood friend (幼馴染) Hanako Todoroki (轟花子) is also 17 and in her 2nd year of high school and plays bass. She is also her class rep and top student in her year. Finally, we have Mari Matsumoto (松本まり) who is 16 and in her 1st year of high school. She idolises Megumi as her guitar playing Senpai. The first Senpai EP followed the idea of slice of life anime, where it followed a day in the life of the girls. It starts with Megumi being late for school (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!)), Mari trying to get Megumi-senpai to notice her (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!)) and a dream Megumi has while asleep in class where she and her friends are magical girls (魔法少女) trying to battle evil guitar frets (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! )). I hoped to parody anime tropes, yet also convey the feeling you get while listening to anime music with this EP. It also established these three as characters that would appear again in Senpai EP II.

“Senpai EP Ⅱ” の解説を始めるにあたって、まず少しだけ “Senpai EP” のおさらいと、キャラクター紹介をしておこう。
“Senpai EP” はプログメタルをプレイするのが大好きな3人の少女が繰り広げるアドベンチャーで、日常系アニメ、特に “けいおん!” に強く影響を受けていたんだ。
メインキャラクターは上原めぐみ、17歳の高校2年生。プログちゃんと呼ばれているようにギターが大好きな女の子さ。楽しく友達と音楽をプレイしたいと望んでいるんだ。
めぐみの幼馴染み、轟花子も17歳の高校2年生で、ベースをプレイするよ。花子はめぐみと同じクラスで学期委員長。学年でもトップの成績を誇るんだよ。
そして3人目が松本まり。16歳の高校1年生。めぐみのことをギターが上手い先輩としてアイドル視しているんだ。
“Senpai EP” の1作目は、日常系のアニメにアイデアを得て、彼女たちの日常を追ったものだったんだ。EP はめぐみが学校に遅刻しそうな場面から始まるよ (Oh Shit, I’m Late For School! (やだ、遅刻しちゃう!) )。
まりはめぐみ先輩に気づいてもらおうとしていてね (Senpai, Please Notice Me! (先輩、私に気付いて下さい!))。
めぐみが授業中に居眠りしていて見た夢は、彼女と友達が魔法少女となり悪のギターフレットとバトルするものだったんだ (The Power of Love and Friendship! (愛と友情のパワー! ))。
つまり僕は、この作品でアニメのトロープスをパロディーすることで、アニソンを聴いている時の感覚を伝えることが出来ればと思ったんだよ。”Senpai EP Ⅱ” にも登場する3人のキャラクターを確立することも出来たしね。

unnamed-13

(The three girls, from left to right: Mari (まり), Megumi (めぐみ) and Hanako (花子). Artwork by Ulrich)

SUMMER BREAK!

unnamed-16

The first track, Summer Break! (夏休み!) is about how as soon as the summer holidays start, Megumi makes a plan for her and her friends to have fun in the summer. This is her plan:

アルバムオープナー、”Summer Break! (夏休み!)” では、夏休みが始まるやいなや、めぐみが友人たちと夏を満喫出来るように夏休みの計画を立てるんだ。これが彼女のプランだよ。

unnamed-15

Like in so many anime, they go to the beach, go to a summer festival and similar to K-On!, they have a summer band training camp. Except at the camp they don’t practise and just play all the time! At the end of the summer holidays Megumi releases that she hasn’t done her homework! All standard fare for slice of life anime. (All artwork is by me unless otherwise stated)

多くのアニメと同様に、彼女たちはビーチへと出かけ、夏祭りにも参加するよ。”けいおん!” に似ているね。夏のバンド合宿も行うんだ。合宿以外では、練習なんてしないでずっと遊んでいるんだよ!
夏休みの終わりになると、めぐみは宿題が終わっていないことを発表するんだ!全てが日常系アニメのスタンダードだね。

unnamed-17

unnamed-18

unnamed-19

IT’S THE SECOND SEASON, SO WE NEED A NEW CHARACTER AFTER ALL!

The second track, It’s the Second Season, So We Need a New Character After All! (もう2クール目だし、新キャラ登場させなきゃね!) is very long! It’s meant to be a parody of very long light novel titles, like KonoSuba: God’s Blessing on this Wonderful World! (この素晴らしい世界に祝福を!) and Shimoneta: A Boring World Where the Concept of Dirty Jokes Doesn’t Exist (下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ). It’s a bit of a joke at how light novel and anime based on light novels are so long! There isn’t much in the story, I just wanted to draw the girls in silly disguises doing the famous ‘Gendo Ikari pose’ from Neon Genesis Evangelion. They are pretending to be board members of an anime company trying to make a successful second season to an anime.

セカンドトラック、”It’s the Second Season, So We Need a New Character After All! (もう2クール目だし、新キャラ登場させなきゃね!)” はとても長いタイトルだね!
これはね、とても長いタイトルのライトノベルのパロディーなんだよ。”このすば” (この素晴らしい世界に祝福を!) とか、”下セカ “(下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ) のようなね。いかにライトノベルや、それをベースとしたアニメのタイトルが長いかという、ちょっとしたジョークなんだよ!
この曲にはあまりストーリーは存在しないんだ。キャラクターたちを “新世紀エヴァンゲリオン” の有名な “碇ゲンドウポーズ” のバカげた仮装で描きたかっただけなんだよね。彼女たちは、アニメのセカンドシーズンを成功させようとしているアニメ会社の会議を再現しているのさ。

unnamed-20
unnamed-21
(The famous Gendo Ikari pose I wanted to parody!)

But at the end of the song, we see a new character appear! And she seems to want to confront Megumi for some reason!

楽曲の最後には、新たなキャラクターが登場するよ!しかも彼女は訳あってめぐみと対決したがっているように見えるね!

unnamed-22

This new character is called Reina Sugiyama (杉山玲奈), who is 17 years old and in her second year of high school. She went to middle school with Megumi and Hanako and was amazed by Megumi’s guitar playing. She was a very shy and awkward girl however, and thought that she couldn’t be friends with Megumi unless she could learn to play guitar as well as Megumi. This poor girl really just wants to make friends, but she doesn’t really know how.

新たなキャラクターは、杉山玲奈。17歳の高校2年生。彼女はめぐみ、花子と同じ中学に通っていて、めぐみのギタープレイに魅了されたんだ。
だけど玲奈はとてもシャイで引っ込み思案な女の子だったから、めぐみと同じくらいギターが上達しなければ友達になれないと思ったんだよ。この子はただ友達が欲しかっただけなんだけど、その作り方が分からなかったのさ。
玲奈は “このすば” のゆんゆんがベースとなったキャラクターなんだ。

unnamed-23

A RIVAL APPEARS!

This brings us to our third track, A Rival Appears! (ライバル出現!). Reina appears out of nowhere and challenges Megumi to a guitar battles. In the years since middle school, Reina has become very tsundere and changed her image after going to a different high school to Megumi and Hanako!

3曲目は “A Rival Appears! (ライバル出現!)”。玲奈がどこからともなく現れ、めぐみにギターバトルを挑むんだ。玲奈はめぐみ、花子と別々の高校に進んでいるんだ。中学の頃とはイメージが変わって、めちゃくちゃツンデレになったんだね。

unnamed-24

However, unfortunately for Reina, Megumi’s memory for anything other than guitar is terrible. Reina is not pleased by this.

玲奈にとっては残念なことに、めぐみの中学時代の記憶は、ギターに関すること以外は酷いものだったんだ。忘れられていたんだね。玲奈が嬉しい訳はないよね。

unnamed-25

unnamed-26

So the girls eventually have their guitar battle and it turns out that Reina is very, very bad at guitar. Her excuse is that she’s actually a drummer and that she thought she needed to become good at guitar to be friends with Megumi. Megumi, Hanako and Mari need a drummer in their band so they get excited and ask if she really can play the drums. Reina is happiest when she is playing drums so she can’t help but glow and show her love for the instrument. This endears her to Megumi who immediately asks her to be their friend and join their band. Reina is very bad at making friends, so she can’t help but be very happy that she somehow made new friends despite appearing as a rival to Megumi!

そして遂に2人はギターバトルに臨むんだ。そこで判明したのは、玲奈がとてもギターが下手だということ。彼女の言い訳は、実は自分はドラマーで、ギターはめぐみと友達になりたかったからプレイしていたというものだったんだ。
めぐみ、花子、まりはバンドにドラマーを必要としていたから、興奮して本当にドラムが叩けるのか尋ねたよ。玲奈はドラムをプレイしている時が一番幸せだから、その楽器に対する輝きと愛情を隠すことは出来なかったね。
めぐみはすぐ玲奈に、友達になってバンドに加入してくれるようお願いしたんだ。玲奈は友達を作るのがとても苦手だから、めぐみのライバルとして登場したにも関わらず、何とか新しい友人を作ることが出来てとても幸せになったよ。

unnamed-27

unnamed-28

THE NOTICING!

The fourth track is The Noticing! (ザ・ノーティシング!), where the girls try to practise but fail!

4曲目は “The Noticing! (ザ・ノーティシング!)”。彼女たちは練習しようとするんだけど、やっぱり無理なんだ!

unnamed-29

The main part of the story in the song is when Megumi says to Mari that she’ll be playing half of the guitar solos in the band from now on. Megumi realises how good a player Mari and thinks her talent is wasted just playing rhythm. Mari is incredibly excited as her senpai who she idolises has finally noticed her!

この曲のストーリーのメインパートは、めぐみがまりに、これからはギターソロの半分を担当してと言う場面なんだ。めぐみはまりがいかに優れたプレイヤーであるか理解していて、ただリズムをプレイしているだけでは才能の無駄遣いだと思ったんだよ。
まりはとても興奮したよ。だって、アイドル視している先輩に遂に気づいてもらえたんだからね!

unnamed-30

unnamed-31

ANIME AS LEADERS (THE WOVEN WEEAB)

The final song Anime as Leaders (The Woven Weeab) is a play on Animals as Leaders and their song The Woven Web. I thought it would be funny to change Animals to Anime and Web to Weeab. In English slang, we call non-Japanese people who are obsessed with anime weeaboos, weeabs or weebs. In the song I try to use Tosin Abasi’s signature thump technique while still trying to retain the upbeat feel of anime music. In the story of the song, Anime as Leaders is a huge band that Megumi and her friends go to see live.

アルバムクローサー、”Anime as Leaders (The Woven Weeab)” は ANIMALS AS LEADERS と彼らの楽曲 “The Woven Web” で言葉遊びをしてみたんだ。Animal を Anime に、Web を Weeab に変えたら面白いと思ったんだよ。英語のスラングでは、日本人じゃないアニメオタクのことを weeaboos, weeabs, weebs と呼ぶんだ。
この楽曲では、Tosin Abasi のトレードマークであるスラップのテクニックを、アニメミュージックのアップビートな雰囲気を保ちながら取り入れてみたよ。
ストーリーは、めぐみと彼女の友達が偉大なバンドである “ANIME AS LEADERS” のライブに行くという話だよ。

unnamed-32

unnamed-33

So that’s the story of Senpai EP II! It’s just a few high school girls who love prog metal wanting to have fun. They also make a new friend along the way as well! Hope you all enjoy listening to Senpai EP II: The Noticing and watching the story on the YouTube video!

これが “Senpai EP Ⅱ”の全てだよ!プログメタルを愛する女子高生たちの物語。新しい友達も増えたね!みんなが “Senpai EP II: The Noticing” を楽しんでくれたら嬉しいな。YouTube のストーリービデオもチェックしてみてね!

14680897_10153885849802190_7449889699607204205_o

SITHU AYE Facebook Page
SITHU AYE Official Site
SITHU AYE Bandcamp

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【川口千里 / SENRI KAWAGUCHI : CIDER ~Hard & Sweet~】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SENRI KAWAGUCHI !!

serri_kawaguchi_maina1-1_20161118143603774

20 Years Old Drum Maestro, Sernri Kawaguchi From Japan Has Just Released Hard & Sweet Fusion Record, “Cider” !!

DISC REVIEW “CIDER ~Hard & Sweet~”

“手数姫” こと女子大生スーパードラマー、川口千里が遂にメジャーデビュー作 “CIDER ~Hard & Sweet~” をリリースしました!!二十歳の節目にメンバーを固定して望んだ成長著しい快作は、まさに茫々と広がる世界への確かな切符となるでしょう。
インタビューにもあるように、5歳でドラムと運命的な出会いを果たし、8歳であの “手数王” 菅沼孝三氏に師事を始めたという彼女の物語は、さながら現代のお伽噺のごとく素敵な奇跡と共に幕を開けました。12歳で挑んだプレイスルー動画の総再生回数は4000万回に迫り、世界的なドラム関連サイト “ドラマーワールド” では世界のトップドラマー500に撰されるなど、もはやその存在はワールドワイドに熱い視線を浴びていると言えますね。
すでにインディーズで2枚のソロ作品をリリースしている川口千里。しかしその活躍は自身のリーダー作のみに留まりません。E-girls, Guthrie Govan のライブをサポートし、Lee Ritenour とも共演。さらには 映画 “さらばあぶない刑事” のサウンドトラック、ももいろクローバーZのアルバム “AMARANTHU” にも参加するなどその素晴らしくジャンルを股に掛けた活躍により、彼女はしっかりと自身の軌跡を刻んで行っているのです。
「20歳を記念するアルバムなので、大人をイメージしつつ爽やかな若さもあるタイトル」「私のドラミングの “Hard” な部分も “Sweet” な部分も両方感じてほしい」 という理由から名付けられた3作目のリーダー作 “CIDER ~Hard & Sweet~”。アニバーサリーの冒険で彼女がキーパーソンに指名し絶大な信頼を置いたのが、Philippe Saisse でした。THE ROLLING STONES, David Bowie から David Sanborn, Al Di Meora まで数多の巨人と共演しそのアレンジを手がけて来た、フランスの偉大なキーボーディストにしてコンポーザー、プロデューサーは自身のグループ PSP の “S” を Simon Phillips から Senri Kawaguchi に翻しその力を貸すことにも吝かではありませんでした。
アルバムオープナー “FLUX CAPACITOR” は “バックトゥザフューチャー”、時代を行き来する作品の予告編でしょうか?フュージョンがスムーズジャズと呼ばれる以前のクロスオーバーなエキサイトメントとフリーダムを掲げつつ、同時に Philippe のポップなセンスを活かすクリアーなプロダクションとモダンなテクニックを内包する楽曲は瑞々しさに満ちています。ゴーストノートやハイハットの細かな刻みまで隈なく見渡せるサウンドの透明度は本当に群を抜いていますね。
Philippe のビンテージな機材から繰り出されるキャッチーなテーマは、川口千里の刻々と拍子を移すダイナミックなリズムワークに牽引され、万華鏡のように鮮やかな広がりを見せて行きます。Pino Palladino の代役として参加したカメルーン生まれのテクニシャン Armand Sabal-Lecco は、低音域から高音域までフレキシブルなベース捌きを披露し、Philippe の Jan Hammer を想起させるスリリングなソロワークと相まってギターの不在を感じさせませんね。トリオのタイトなグルーヴがダブルタイムへ移行すると、そのカタルシスはさらに加速しロックの衝動をさえ孕みながら音のユーフォリアを創造していくのです。
マリンバを使用し野性的な雰囲気を演出する “Wupatki”、彼女自身が作曲を行ったロマンチックなバラード “Longing Skyline” を挟んで訪れる “Do Do Ré Mi” はアルバムのハイライトと言えるかもしれませんね。ジャズスタンダードの古典ようにスタイリッシュに幕を開ける楽曲は、突如その舞台を現代的なフュージョンへと移します。アルバムに収録するのが初めてとは思えないほど堂にいった4ビートから6/8拍子へと切り替わるその魔法の瞬間はリスナーに音楽の “楽しさ” を運ぶはずです。”間”を大切にしたという彼女の言葉通り、スティック一閃、バンドがピタリと完全に音を止める瞬間はあまりにクールで川口千里というコンダクターの実力を存分に見せつけています。
さらに 「現場での化学反応が想像以上に凄かった」 と語るように、楽曲終盤のサンバをベースとした、ドラムスがリード楽器に思えるほど壮絶なインタープレイは、”Ginza Blues~intro~” や “Senri and Armand Groove” と並んで “手数姫” の面目躍如であり、同時にメンバーの個性、そしてトリオのケミストリーが結実した得難き刹那だと感じました。
インタビューでフュージョンを音楽の “交差点” と位置づけた千里さんの想いを乗せたアルバムは、奇しくも個性的な三者の道が交差した証である “In Three Ways” でカラフルに幕を閉じました。「単なるスムーズジャズじゃない」という言葉に込められたプライドをしっかりと実現した充実の51分。
今回弊誌では、川口千里さんにインタビューを行うことが出来ました!世界を見据えつつ、同時に現役女子大生らしいかわいらしい部分も垣間見えると思いますよ。どうぞ!!

cider_jakcket

SENRI KAWAGUCHI “CIDER ~Hard & Sweet~” : 9.7/10

INTERVIEW WITH SENRI KAWAGUCHI

13517479_1054045201316077_1751228724586750648_o

Q1: First of all, what inspired you to start playing drums? You know, you were said to be genius drummer of high school student, haha.

【SENRI】: It is such a horrible thing to be a genius, haha.
When I was 5 years old, my father bought an electric drum suddenly. It was the first chance. Even though no one can play the drums by my family. The reason was he wanted to know the mechanism of the electronic drum. This expensive shopping became my “toy” with an incredible excuse of “I bought it for children” after that. Anyway, the drum that sounds out if you hit it was fun without any reason, so I immediately decided to search for a drum classroom in the neighborhood. It seemes Youtube video that I uploaded when I was 12 to 13 years old when I first caught the eye of many people. My father began to get into a video this time, I shot the performance of the animation piece I was talking about at that time and released it to the Internet. To be honest, I was embarrassed, but with this unexpected response, a lot of messages came from people all over the world. At this time, I think whether it began to become conscious of “the world” for the first time.

Q1: 本誌初登場です!まずは、川口さんがドラムスを始めたきっかけについて話していただけますか?女子高生時代には、すでに天才ドラマーとして大きな話題になっていましたね?

【SENRI】: 天才だなんて、そんな恐れ多いです(笑)。
きっかけは、私が5歳のころ、父が突然買ってきた電子ドラムです。家族にドラムを叩ける人は一人もいないのに。理由は、「電子ドラムの仕組みが知りたかった」から。この高額なお買い物は、そのあと「子供のために買った!」という信じられない言い訳とともに私の”おもちゃ”になりました。
とにかく、叩けば音が出るドラムは理屈抜きに楽しくて、すぐにハマって近所のドラム教室を探してもらうことになりました。
私が最初に多くの人の目に留まったのは、12~13歳のころにアップしたYoutube 動画ではないでしょうか。父が今度はビデオに凝り始めて、当時話題だったアニメ楽曲の演奏を撮影してインターネットに公開したんです。
正直なところ恥ずかしかったんですが、それが思わぬ反響で、世界各国の人からたくさんメッセージが来て。この時、初めて「世界」を意識するようになったのかなと思います。

Q2: What have you learned from your teacher, Mr. Kouzou Suganuma?

【SENRI】: You can see how I am influenced by Mr. Kozo Suganuma when you see my drumming and drum setting. I have taken a lesson of Suganuma since I was 8 years old. I think that it is “fun” of drums, above all, that I was taught most by my teacher. Then, when I was a elementary school student, when I went to see my teacher ‘s live, suddenly I was pulled out and there were times when I had a jump – in session. It was hard to play the songs for the first time ever, but my heart and improvisation were trained. I think now, this was a truly appreciated experience. However, I was sorry for the audiences who came to listen to professional performances, haha.

Q2: “手数姫” と称されることもあるように、師匠である “手数王” 菅沼孝三さんは川口さんにとって大きな存在だと思います。菅沼さんから学ばれたことは、テクニック以外にも多くのことがありそうですね?

【SENRI】: 私のドラミングやドラムのセッティングを見てもらうと、いかに菅沼孝三さんの影響を受けているか、わかってもらえますよね?
私は8歳から菅沼さんのレッスンを受けています。私が師匠から一番に教えてもらったのは、何よりも、ドラムの “楽しさ” だと思います。
それから、まだ小学生のころ、師匠のライブを観に行くと、突然引っ張り出されて飛び入りセッションをということが何度もありました。初めての曲を演奏することもあって大変でしたけど、度胸や即興力が鍛えられました。今思うと、これは本当にありがたい経験でしたね。ただ、プロの演奏を聴きに来たお客さんには申し訳なかったですけど(笑)。

Q3: Who do you respect as a drummer, musician?

【SENRI】: Actually, I will be immediately inspired. When I hear it by chance, I come to love it, haha. So, who will respect it will change soon. Dave Weckl, Steve Gadd, Dennis Chambers, and Buddy Rich etc, there are no dirt. But there was never aiming for one person forever. Artists other than drummers are the same. I am attracted to artists who are cool and listening with smiling.
Regarding my music field, basically I aim for activity in all genres. There is a part attracted by each genre, and the things obtained are also different, in other words.
the feeling that I do not want to divide music vertically in genres. The song that was impressed at that time is “the best!” So I am trying to touch various songs usually. It is because there is much activity in the field of jazz and fusion because it is like “intersection” that is going back and forth.

Q3: 菅沼さんは勿論ですが、これまでに目指してきたドラマーや、尊敬するアーティストについて話していただけますか?
川口さんはいわゆるジャズ/フュージョンのフィールドでご活躍されていますが、E-girls、ももいろクローバーZ、さらには過去に弊誌でもインタビューを行ったギターマスター、ガスリー・ゴーバンとの共演、”さらばあぶない刑事” のサントラにも参加されるなど幅広い活動を行っている印象です。
ポップス、プログロック、メタルなど他ジャンルからの影響も多いのでしょうか?

【SENRI】: 実は、私はすぐに感化されちゃうんですよ。たまたま聴いたらハマってしまったとか(笑)。なので、誰をリスペクトするかは、すぐに変わってしまうんです。
デイヴ・ウェックル、スティーブ・ガッド、デニス・チェンバース、そしてバディ・リッチなどなど、挙げればキリがない。でも、誰か一人をずっと目指したりすることはなかったです。ドラマー以外のアーティストも同じです。かっこよくて、聴いていてつい笑みがこぼれてくる”お茶目さ”というのか、そういうものがさりげなく溢れるアーティストに惹かれます。
私の音楽フィールドですが、基本的にはオールジャンルでの活動を目指してます。各ジャンルそれぞれ惹かれる部分があって得られるものも違う…というより、音楽をジャンルで縦割りしたくないという感覚。その時に感動した曲が「一番!」なんです。なので、普段から様々な楽曲に触れるようにしています。
ジャズ・フュージョン分野での活動が多いのは、そこが行ったり来たりしている”交差点”みたいな感じだからではないでしょうか?

Q4: So, let’s talk about your newest album “CIDER ~Hard & Sweet~”. What made you choose this title?

【SENRI】: Because it is an album that commemorating my 20 years old, the word which caught the eye when I thought that it was a title with fresh youthfulness, also imagining an adult was CIDER. Japanese cider is a refreshing drink, but knowing that there is also the meaning of drinking, “This is it!” And since it seems to call apple liqueur as hard cider and apple juice as sweet cider, it also means that I want both of the “Hard” part of my drumming and the “Sweet” part to feel both. I think that I could express that the sparkling image which Shuwashwa bounces is not just a smooth jazz, but how is it? Aside from that, my first solo work is “A LA MODE”, and my second work is “Buena Vista”. The first letter of the third work is determined by C if the initial letters are A and B, haha.

Q4: では、素晴らしい新作 “CIDER ~Hard & Sweet~” について話しましょう。”Cider” とはサイダー、リンゴ酒の意味を持つ単語ですが、このタイトルに決めた理由を教えてください。川口さんが20歳になられたことも関係していますか?

【SENRI】: 鋭いです(笑)。20歳を記念するアルバムですから、大人をイメージして、爽やかな若さもあるタイトルで、と考えていた時に目にとまった単語が CIDER でした。
日本語のサイダーは清涼飲料水ですが、本当はお酒という意味もあるんだと知って、「これだ!」と。そして、リンゴ酒を hard cider、リンゴジュースを sweet cider と呼ぶこともあるらしいので、私のドラミングの “Hard” な部分も “Sweet” な部分も両方感じてほしいという意味も込めてます。
シュワシュワっとはじけるスパークリングなイメージが、単なるスムーズジャズではないことを表現できたと思っているんですけど、いかがですか?余談ですが、私のソロ1作目が “A LA MODE”、2作目が “Buena Vista” なんです。頭文字がA、Bとくれば3作目の頭文字はCで決まりですよね(笑)。

Q5: What made you collaborate with Philippe Saisse, again?

【SENRI】: My past two solo records was produced with the feeling like “A LA MODE” to play with the great musicians inviting every music. Because I loved PSP (Philippe Saisse, Simon Phillips, Pino Palladino), I asked Philippe Saisse to participate in my second album “Buena Vista”. In creating a new album this time, there is a strong desire to “be a fixed member this time,” and again suggested to Philippe, “Why do not you try to make S of SSP, Senri Kawaguchi?” It is. It is reckless, haha. Then Philippe accepted! However, Pino Palladino did not meet the schedule and instead Philippe introduced Armand Sabal-Lecco who was on the tour of Al Di meora. I liked him for a moment and I decided to participate immediately. I was committed to recording at LA. In the last recording, because of the environment LA knows that the drum really sounds pleasantly. “I’d like to record the next work with LA!”, I asked selfish and it was realized.

Q5: あのフィリップ・セスがサウンドプロデューサーを務め、LAでレコーディングが行われたアルバムは、川口さんのリーダー作3作目にしてメジャーデビュー作品となりました。まずはこの最高の環境、布陣で制作に至った経緯について話していただけますか?

【SENRI】: 過去2作のソロアルバムは、楽曲ごとに素晴らしいミュージシャンの皆様をお呼びして演奏するという、まさに “A LA MODE” な感じで制作したんです。私は PSP(フィリップ・セス、サイモン・フィリップス、ピノ・パラディーノ)が大好きだったので、フィリップ・セスさんには2作目の”Buena Vista”で参加をお願いしました。
今回、新しいアルバムを作るにあたって、「今度は、ぜひ固定メンバーで!」という希望が強くあり、再びフィリップさんに、「PSP のSを、Senri Kawaguchi にしてみませんか?」と提案してみたんです。無謀でしょ(笑)。
そうしたらなんと、フィリップさんはこの話に乗ってくれたんです!ただ、ピノ・パラディーノさんはスケジュールが合わず、代わりにフィリップさんがアル・ディ・メオラのツアーで一緒だったアルマンド・サバルレッコさんを紹介してくれました。私は彼を一瞬で気に入ってしまい、即、参加してもらうことになりました。
LAでのレコーディングは私のこだわりがあったんです。前回のレコーディングで、環境のせいかLAでは本当に気持ち良くドラムが鳴るということを知ってしまって。「次の作品も、ぜひLAで録音したい!」と、わがままをいって実現してもらいました。

Q6: How was the impression of actually playing with Phillippe?

【SENRI】: Recording with Philippe, in a nutshell, exciting anyway! Just with him, the energy of the studio increases more and more. I felt this even at the time of the second work, but this time it was the whole album so I was able to feel its energy in particular. His physical strength to continue working on production is amazing. In this recording, it was only 3 days that all three people were able to record. From the morning to the night of that three days, I was deeply impressed by the way his work diligently without concentrating. Even after recording, he gave out ideas to make it better, so I thought that the expression “great” is perfect for his enthusiasm. I also have to work hard not to lose, haha.

Q6: 実際にそのジャズジャイアント、フィリップ・セスとの共演、制作を終えたご感想はいかがですか?

【SENRI】: フィリップさんとのレコーディングは、一言でいうと、とにかくエキサイティング!彼がいるだけで、スタジオのエネルギーがグーンと増すんです。
これは2作目の時も感じていたんですけど、今回はアルバム全体だったので、特にそのエネルギーを感じることができました。制作に取り組み続ける体力も凄いです。今回のレコーディングでは、3人そろって録れるのはたったの3日。その3日間の朝から夜まで、一度も集中を切らさずに真摯に取り組む姿には感動しました。
収録後も、より良くするためのアイデアを次々に出してくれて、作品を作り上げる情熱は、「偉大」という表現がピッタリだと思いましたよ。私も、負けないように頑張らなければいけません(笑)!

Q7: How was the writing process? What was the goal of this record?

【SENRI】: Since Philippe Saisse took full responsibility for producing, it was a stance to trust and leave everything to trust. Originally I thought “Since it is a piano trio, will it be an acoustic feeling that places emphasis on improvisation?”, But the field of view spread with the first demonstration sound source from Phillippe. I realized we aimed for a more precise and aggressive form. From that moment a new image grew steadily. I also wanted to challenge for a stylish drumming that made use of “space”. I devised not to become monotonous but consistent from the strong thought that one album is long and repeatedly heard. Of course, do not forget the occasional change unique to 3 pieces, we inspired each other at the recording site, and aimed at a higher place. Initially, “Ginza Blues ~ intro ~” and “Senri and Armand Groove” which were not in the schedule were put in the album is a manifestation that the chemical reaction in the field was more than imagined.
In this album, I composed three songs. Among them, “Longing Skyline” is my first ballad. Up to now, I first tried to think from the rhythm first, but in this song I made a melody first from a certain image and challenged by the way I applied the rhythm last. You guys consider the main melody first? You know, It’s a drummer way, I had a hard time, haha. After having arranged by Mr. Jun Abe and Philippe, I finished it as a really wonderful song and it became one of my favorite songs

Q7: ライティングプロセスではどういった手法を取ったのでしょう?
作品は、難解なリズムアプローチ一辺倒ではなく、”Am Stam Gram” のようなシンプルさや、8ビートのブルース “Ginza Blues” のモダンな感覚も光っています。アルバムで目指したゴールはどういった場所でしたか?

【SENRI】: フィリップ・セスさんがプロデュースを全面的に引き受けてくれましたので、信頼してすべてお任せするというスタンスでした。初め私は、「ピアノトリオだから、インプロビゼーション重視のアコースティックな感じになるのかな?」と思っていましたが、フィリップさんからの最初のデモ音源で視野がパッと広がりました。もっと緻密でアグレッシブな形を目指すんだとわかったんです。その瞬間から新しいイメージがどんどん湧いていきました。
“間”を活かした粋なドラミングにもチャレンジしたいという気持ちも込めました。一枚のアルバムを長く、そして繰り返し聴いて欲しいという強い思いから、一貫性がありつつも単調にならないように工夫しました。
もちろん、3ピースならではの臨機応変さも忘れず、レコーディング現場ではお互いにインスパイアしあって、さらに高いところを目指しました。当初は予定になかった “Ginza Blues~intro~” や  “Senri and Armand Groove” をアルバムに入れたのは、現場での化学反応が想像以上に凄かったことの現れです。
このアルバムで、私は3曲を作曲しました。その中で、”Longing Skyline” は私の初めてのバラードです。これまで私は、まずリズムから考えるというパターンが普通だったんですけど、この曲では、あるイメージからメロディを先に作って、あえてリズムは最後に当てはめる方法でチャレンジしました。
皆さんなら主旋律を先に考えますよね?ドラマーの性なんですよ、苦労しました(笑)。そのあと、安部潤さんとフィリップさんのアレンジを経て本当に素晴らしい曲に仕上げていただいて、私の大のお気に入りの一曲になりました。

Q8: Could you tell us about detail of the album?

【SENRI】: The most difficult thing for me is “Do Do Ré Mi” which is included in the fourth song. If you think that it is a 4beat song, it is a song that you can listen to when it comes to Latin tone or a rapidly developing configuration. Because it can not be made fake in the trio’s recording, practice was also equivalent and I was nervous. Initially, it was my first time to put 4 beat songs in my solo album. I think that my 4beat is still developing, because I started from Classic rock like Deep Purrple and Whitesnake. In this song I also dared to expose it, challenging to record with the excitement of “I wonder where my 4beat level has come.” I would be happy if you could hear such a part and feel something.

Q8: アルバムで特にチャレンジングだった楽曲や、この箇所は拘り抜いたので注意して聴いて欲しいと思う場面、テクニックについて話していただけますか?

【SENRI】: 私にとって一番の難関だったのは、4曲目に収録されている “Do Do Ré Mi” です。4beat の楽曲かと思えば、途中でラテン調になったりめまぐるしく展開する構成が聴きどころの楽曲です。トリオのレコーディングでは誤魔化しはできませんから、練習も相当しましたし緊張もしました。
そもそも、4beat の楽曲を自分のソロアルバムに入れることが初めてだったんです。DEEP PURPLE や WHITESNAKE といったロックからスタートした私の 4beat は、まだまだ発展途上だと思っています。この曲ではそれも思い切って曝け出して、「自分の4beat のレベルは何処まできたかな」というワクワクする気持ちでレコーディングに挑みました。そんな部分も聴き取って何かを感じてもらえたら嬉しいです。

Q9: Is it difficult to balance university students with professional drummer?

【SENRI】: I moved to Tokyo for entering the university, but with this, the density of my life became overwhelmingly high. Since I went to Tokyo from Mie prefecture every Saturdays, Sundays, and holidays when I was a junior high school and high school student, so now I have gained a lot of flexibility. It is fun to learn new knowledge from the university lecture, and every day is substantial enough to think that it is impossible to go to all over the country, America, China, South Korea, Europe and overseas. Of course sometimes it’s tough, but I think I can do my best with that tough situation. I tried to do my best with both my drum and study, and it made what I am now, I think.
Actually, I always have trouble with the question “What is your hobby other than drums?” Well, it’s often said “You play drums very well, so are you good at sports?”, But I’m not good at sports at all, haha. On the day off, I am basically withdrawing and drowning. I like to spend my day off while listening to music. Perhaps it is a reaction to what I usually go on a trip abroad like on a regular basis, haha.

Q9: さて、現在は現役女子大生でもある川口さんですが、学生生活とプロドラマーの両立は大変ですか?また、ドラムス以外にハマっていることがあれば教えてください。

【SENRI】: 大学入学を機に上京しましたが、このことで一日の密度は圧倒的に高くなりました。中学・高校生時代は、土日祝日のたびに三重県から上京していましたので、今はいろいろ融通がきくようになりました。大学の講義も新しい知識を学ぶことは楽しいし、全国各地やアメリカ・中国・韓国・ヨーロッパと海外にも行かせてもらって、「あり得ない」と思うぐらい毎日が充実しています。
もちろん大変なこともありますけど、私は追い詰めらた方が頑張れちゃうタイプなんだと思いますね。ドラムと勉強の両方を目いっぱい頑張ろうとしたからこそ、今の自分があるんだと思います。実は、「ドラム以外の趣味は?」という質問には、いつも困ってしまうんですよ。よく、「あれだけドラムを叩くんだから、運動とか得意でしょ?」と言われるんですが、運動はとても苦手です(笑)。
休みの日は、基本的に引きこもってぼーっとしています。音楽を聴きながらごろごろして過ごすのも好きです。おそらく、普段ライブなどで遠征に出ることが多いことの反動でしょうね(笑)。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SENRI’S LIFE

DEEP PURPLE “MADE IN JAPAN”

Deep_Purple_Made_in_Japan-2

「ドラムを叩く」から「音楽を演奏する」に認識が変わったと思います。

MICHEL CAMILO TRIO “SUNTAN”

418N3TKM2HL

変拍子のわくわく感を知り、音楽の幅の広さを知りました。

TOTO “PAST TO PRESENT 1977-1990”

71OYpMYi2AL._SX355_

タイトなドラミング、唯一無二なドラミングとは何かを考えるきっかけとなりました。

PSP “LIVE”

41qXxFD1nnL

言うまでもなく、今回のアルバムに続く流れを作った重要なアルバムです。

THE DAVE WECKL ACOUSTIC BAND “OF THE SAME MIND”

61uYxPu5SsL._SL250_

今、現在進行形でインスパイアされ続けています。

MESSAGE FOR JAPAN

17351987_1293773410676587_6641896997243171959_n

My goal is to become a drummer that is commonly accepted in the world. “Conquer the World!”…not that exaggeration, though, haha. As the drummer I admire is active without being confined to the region and music genre, there are many such people, so I will co-perform with musicians of various countries more and want to listen my performances to people all over the world. Senri Kawaguchi will continue to aim for the world still more, so please support me!

世界で普通に通用するドラマーになるのが目標です。「世界征服!」って、そんな大袈裟なことではないですけども(笑)。私が憧れるドラマーが地域や音楽ジャンルに囚われずに活躍している、そういう方が多いということもあって、もっともっと各国のミュージシャンと共演したり、世界中の人に私の演奏を聴いてもらいたいなと思ってます。
川口千里はまだまだ世界を目指して頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします!

SENRI KAWAGUCHI

SENRI KAWAGUCHI Facebook Page
SENRI KAWAGUCHI DRUMMER Facebook Page
SENRI KAWAGUCHI Twitter
SENRI KAWAGUCHI YouTube Channel
SENRI KAWAGUCHI Official Site
CIDER 〜Hard & Sweet〜 特設サイト

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW【JASON RICHARDSON : I】INTERVIEW WITH LUKE HOLLAND, JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUKE HOLLAND !!

Jason_Richardson__Luke_Holland_-_2016

Jason Richardson & Luke Holland, One Of The Most Talented Young Guns Will Come To Japan With Game Changing Debut Record “I” !!

DISC REVIEW “I”

24歳と23歳。瑞々しくハイセンスなモダンメタルフロンティアが輩出した俊英2人、Jason Richardson と Luke Holland がタッグを組んだ宿命の別世界 “I” のリリースは、至大のインパクトと共にユニットを遥かなる日いづる国、日本へと導くことになりました。
若干20代前半にして、2人の履歴書はすでに驚くほど充実しています。バークリー入学を蹴って ALL SHALL PERISH でツアーを経験し、BORN OF OSIRIS, CHELSEA GRIN では名作のキーパーソンとなったギタープレイヤー Jason Richardson。最先端の10指が紡ぐ印象的でコズミックなフレーズの数々は、まさに Djent/デスコアミュニティーの発展に欠かすことの出来ないフラッグシップであると言えますね。
一方のドラマー Luke Holland は、インタビューにもあるように、16歳で YouTube チャンネルを開設しセルフプロモートを開始します。今日までに総計で5500万ビューという驚くべき数字を叩き出した彼のプレイスルーカバー集は、Djent, メタルからプログ、エモ、パンク、ポップに EDM までまさに百花繚乱な世界観を独自のアレンジメントと精緻なテクニックで華麗に彩り、今では自らの価値を証明する Luke の貴重な名刺がわりとなっているのです。
実際、動画を見た TEXAS IN JULY から代役を頼まれ、ついには2013年に THE WORD ALIVE の正式メンバーに任命されたのですから、例えば日本の川口千里さんにも言えますが、プレイスルー動画の持つ力、インパクトは音楽シーンのあり方を変えて来ているのかも知れませんね。
“究極的には毎晩ソールドアウトのスタジアムでプレイしたい” と語る Luke が次なるチャレンジとして選んだ “I” は、同時に Jason Richardson がただギターマイスターであるだけでなく、コンポーザーとしても多様かつ至妙であることを証明した一級品に仕上がりました。Luke の言葉からは寧ろ、コンポーザーとしても優れていることが、参加を決意させたようにも読み取れますね。
ダークでシンフォニックな世界観を携え、難解なリズムアプローチと美麗なリードプレイがアトモスフィアの波を掻き分ける “Omni” でアルバムは幕を開けます。不安を煽るようなオーケストレーション、ギターとシンセサイザーの一糸乱れぬ華麗なダンス、そして見事にコントロールされたチャグワークは確かに BORN OF OSIRIS の設計図をイメージさせ、まさに楽曲が Jason Richardson を象徴する”I”であることを宣言していますね。
勿論、現在2人だけでツアーを行っていることからも分かるように Jason と Luke のコンビネーションも抜群。ギターの細かなフレーズまでユニゾンしてしまう Luke の繊細でアイデア豊富なドラムワークはアルバムを確実に一段上の領域へと誘っています。Luke の THE 1975 や THE CHAINSMOKERS をメタルと同列で愛してしまう軽快さこそ彼を際立たせているのです。
粒立ち群を抜いているピッキングの驚異的な正確性、選択する音や音符の意外性、タッピングとオルタネイト、スイープを巧みに使い分けるアルペジオの豊かなバリエーション、そしてストーリーを持った構成美。ソロワークに目を移せば、すでに Jason が世界のトップであると誰もが確信するはずです。メカニカルなシュレッダーのイメージが強いかも知れませんが、”Omni” 中間部の静謐なパートで炸裂するベンド、ビブラートのエモーションは実に扇情的で崇高とさえ表現したくなりますね。全く非の打ち所がありません。
PERIPHERY の Spencer Sotelo がゲストボーカルで参加した “Retrograde” からさらに “I” の世界は広がっていきます。これまでスクリームとのコンビネーションがほとんどだった Jason のギターですが、クリーンボーカルとの相性も決して悪くはありません。Spencer の突き抜けるように爽快でキャッチーなトレードマークは Jason のポップセンスをも見事に開花させ、VEIL OF MAYA の Lukas Magyar, PERIPHERY の Mark Halcomb というオールスターキャストで贈る名曲 “Fragments” にその成果を結実させています。
ポストロックやクラシカル、ブルースにサーフロックの感覚すら包み込んだ “Hos Down” の多様性から生じる魔法はまさに別格です。現代の Guthrie Govan と形容したくなるほどマジカルでエクレクティックな奇跡のコンポジションは、Jason の未来、 “Next Stage” にも多大な期待をいだかせてくれますね。
Nick Johnston, Rick Graham など様々なゲストを迎え、才能が時に融合し、時に火花を散らしたアルバムは、巨匠 Jeff Loomis とのクラシカルな乱舞 “Chapter Ⅱ” でまさに “Ⅱ” の存在を予感させつつ幕を閉じました。
今回弊誌では、7月に来日が決定した Luke Holland にインタビューを行うことが出来ました。POLYPHIA, さらには先日インタビューを掲載した12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X も出演しますよ。どうぞ!!

13312852_1170572569659445_2980779850710030736_n

JASON RICHARDSON “I” : 10/10

INTERVIEW WITH LUKE HOLLAND

10155774_865699183441895_2303841569249541745_n

Q1: First of all, Your Japan Tour with Jason Richardson is just announced! How do you feel now?

【LUKE】: I’m excited! I love Japan, I’ve been a couple times with The Word Alive in the past. Your country is absolutely one of my favorite places to travel to.

Q1: Jason Richardson との日本ツアーが発表されましたね!今のお気持ちはいかがですか?

【LUKE】: 興奮しているよ!THE WORD ALIVE で数回日本に行っているけど、本当に大好きなんだ。君の国は間違いなく僕のフェイバリットの一つだね 。

Q2: How is your impressions about Polyphia, and Li-sa-X? You know, I’ve just interviewed with Lisa, she said she loves Jason Richardson’s “I”. She has good scene, isn’t she? haha.

【LUKE】: I first discovered Polyphia on the tour we just did together in the states. They are a very talented group of guys. I have not listened to Li-sa-X but I’m going to go listen now! I’m sure she is awesome!

Q2: 共演予定の POLYPHIA, Li-sa-X についてはどのような印象をお持ちですか?Li-sa-X は人生を変えたアルバムに Jason Richardson の “I” を挙げていたんですよ(笑)

【LUKE】: POLYPHIA を初めて知ったのは、アメリカでちょうど終わったばかりのこのカップリングツアーだったんだ。本当に才能がある奴らだよね。
Li-sa-X はまだ聴いたことがなかったから、すぐに聴かなくちゃね!彼女は最高だと確信しているよ!

Q3: Anyway, could you tell us about your musical background? What inspired you to start playing drums?

【LUKE】: I listened to bands like Underoath, Slipknot, System of a Down when I was younger & was immediately drawn to it. My dad also played drums when he was younger, so I had that natural knack for playing. I worked around my neighborhood for a year to get my first drumset. Then, I did 3 semesters of marching band, playing traditional grip on the snare drum. I’ve been doing YouTube videos since I was 16, & touring internationally since I was 17.

Q3: ドラムスを始めたきっかけ、音楽的なバックグラウンドについて話していただけますか?

【LUKE】: 若い頃は UNDEROATH, SLIPKNOT, SYSTEM OF A DOWN といったバンドを聴いて、すぐに惹かれていったんだ。父も若い頃ドラムスをプレイしていたから、ある意味生まれつきの才能を持っていたと言えるね。
一年間、近所でバイトをして初めてのドラムセットを買ったんだ。実はそれから3期、トラディショナルグリップでスネアを叩くマーチングバンドでプレイしたんだよ。
You Tube のプレイスルーシリーズは 16歳からアップしていて、17歳からは世界をツアーしているんだ。

Q4: Who do you respect as a musician, or drummer?

【LUKE】: I respect so many musicians & drummers for so many reasons. I think it’s important to try & find the good & positive in anything, even something you might not understand or enjoy. Drummers like Tony Royster Jr, Thomas Lang, Matt Garstka etc. whom I know personally have helped me a lot, each in their own ways. I respect musicians like Death Cab For Cutie, The Reign of Kindo, The 1975.

Q4: リスペクトしているミュージシャン、ドラマーを教えてください。

【LUKE】: 多くのミュージシャン、ドラマーをそれぞれの理由でリスペクトしているよ。僕は何にかんしても、”試して見つける”、”ポジティブである” ことが重要だと思っていてね。特に理解していないことや、楽しめないことにかんしてね。
Tony Royster Jr, Thomas Lang, Matt Garstka といったドラマーは、個人的に知っているんだけど、それぞれのやり方で僕を助けてくれたんだ。
リスペクトするミュージシャンは DEATH CAB FOR CUTIE, THE REIGN OF KINDO, THE 1975 さ。

1459713_695781723766976_1487926969_n

Q5: So, you decided to leave The Word Alive in order to pursue other passions in fall of 2016. Specifically, what is your “other passions”?

【LUKE】: I left The Word Alive because it was simply time for me to do so. I joined when I was 18 & left when I was 23. I saw the world with them & have hundreds of amazing stories, but, I felt it was time to part ways. I ultimately want to be playing in sold out stadiums every night, for the world’s biggest artists. I didn’t feel that was possible with metalcore.

Q5: 昨年の秋にあなたは、別の情熱を追いかけるために THE WORD ALIVE を脱退しましたね。具体的に、その”情熱”とは何ですか?

【LUKE】: THE WORD ALIVE を離れたのは、単純にそうするべき時が来たからさ。18歳でバンドに加入し、23歳で脱退したことになるね。
彼らとは世界を見て、たくさんの素晴らしいストーリーを経験してきたよ。だけど、そろそろ別れの時だと感じたんだ。
究極的には、僕は毎晩ソールドアウトのスタジアムでプレイしたいんだよ。世界的にビッグなアーティストのためにね。メタルコアでその夢は叶わないと感じたんだよ。

Q6: I think “I” of Jason Richardson is one of your “other passions”. What made you play with him?

【LUKE】: Jason & I toured together in our old bands (Chelsea Grin, The Word Alive). Everyone kept talking about how good of a guitar player Jason was, so I watched him play. We started hanging out & eventually wrote the beginning of ‘Fragments’. Then, I broke my foot & had to fly home. He sent me more songs, & I agreed to do drums for the album.

Q6: Jason Richardson の “I” に参加したことも”別の情熱”ではないかと思ったのですが、なぜ彼とプレイすることになったのでしょう?

【LUKE】: Jason と出会ったのは僕たちの昔のバンド、CHELSEA GRIN と THE WORD ALIVE がツアーを行った時だよ。みんながいかに Jason が素晴らしいギタープレイヤーかについて話していたね。だから僕は彼に注目してプレイを見ていたんだ。
それからよくつるむようになって、遂には “Fragments” を書き始めたんだよ。だけど僕は足を怪我してしまってね。家に飛行機で帰らなければならなくなったんだ。
それでも彼はたくさんの楽曲を送ってきてくれたから、僕はアルバムでプレイすることに決めたのさ。

Q7: How was your impression of actually making an album with him? Which song do you like the most on the album?

【LUKE】: Making the album with Jason & Taylor Larson was a great experience. I flew to Taylor’s studio in Maryland, & I think we spent 8 days tracking drums. My favorite song is probably Fragments or Omni.

Q7: 実際に彼と作品を作った感想はいかがですか?また、アルバムで最も気に入っている楽曲はどれですか?

【LUKE】: Jason、それに Taylor Larson とのアルバム制作は、実に素晴らしい経験だったね。
僕は Taylor のスタジオへ行って、おそらく8日間を過ごしドラムのトラッキングを完成させたと思う。フェイバリットソングは、”Fragments” か “Omni” だね。

Q8: Your playthrough movies are really amazing. You covers from metal, djent to emo, punk, EDM. Where is the core of your musical interest? And do you have another project now?

【LUKE】: Thank you! I grew up surrounded by music, my parents & siblings always listening. I love all kinds of music, I’m very open-minded. If it sounds good, I love it. I have a lot of different things in the works, but I can’t say too much just yet.

Q8: あなたのライフワークとも言えるプレイスルー動画は本当に素晴らしいですね。
Metal, Djent, から Emo, Punk, EDM まで幅広く楽曲をカバーしていますが、あなたの興味の中心はどこにあるのでしょう?また、現在他に関わっているプロジェクトはありますか?

【LUKE】: ありがとう!両親や兄弟がいつも聴いていたから、僕は音楽に囲まれて育ったんだ。本当に全てのジャンルを愛しているんだ。
とてもオープンマインドなんだよ。サウンドが良ければ、どんなジャンルでも気に入るんだ。
今はたくさんのプロジェクトを進めているんだけど、まだあまり話すことは出来ないね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LUKE’S LIFE !!

UNDEROATH “THEY’RE ONLY CHASING SAFETY”

Underoath-Theyre_Only_Chasing_Safety

SYSTEM OF A DOWN “TOXICITY”

SystemofaDownToxicityalbumcover-3

SLIPKNOT “VOL.3 (THE SUBLIMINAL VERSES)”

Slipknot_-_Vol._3-_(The_Subliminal_Verses)

THE REIGN OF KINDO “RHYTHM, CHORD & MELODY”

cover_5301626112010

DEATH CAB FOR CUTIE “TRANSATLANTICISM”

Transatlanticism

MESSAGE FOR JAPAN

Jason-Richardson-Luke-Holland

Thank you for having me in your beautiful country! I can’t wait to be back. Thank you to all of my supporters, I wouldn’t be here without you.

君たちの美しい国に招待してくれてありがとう! 戻るのが待ちきれないよ。僕のサポーターみんなに感謝を伝えたいね。君たちが居なければ今の僕はないからね。

LUKE HOLLAND

LUKE HOLLAND Facebook Page
LUKE HOLLAND YouTube Channel
JASON RICHARDSON Facebook Page
JASON RICHARDSON Featuring LUKE HOLLAND JAPAN TOUR (Creativeman)

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ART OF ANARCHY : THE MADNESS】BUMBLEFOOT SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RON “BUMBLEFOOT” THAL !!

13118946_1733879800186094_4744865948529704724_n

Mega-Super Group, Art Of Anarchy Seek To Reinvent Themselves From 90’s Glory, With New Masterpiece “The Madness” !!

DISC REVIEW “THE MADNESS”

90’s~00’s にかけて人気を博した “オルタナティブメタル” の空気をリフレッシュし、見事現代へと再誕させる US スーパーグループ ART OF ANARCHY が、傑出した2ndアルバム “The Madness” をリリースしました!!極上のコンポジションに5人の個性が溶け合った揺るぎなきロックのメタモルフォーゼは、極限まで多様化したシーンに王道の何たるかを見せつけています。
ART OF ANARCHY は、ギターとドラムスをプレイする双子の Votta 兄弟と、GUNS N’ ROSES で気を吐いていたマエストロ Ron “Bumblefoot” Thal が意気投合し始まったバンドです。そこに、STONE TEMPLE PILOTS や VELVET REVOLVER で活躍した天賦のシンガー Scott Weiland, DISTURBED の切れ味鋭いベースマン John Moyer が加わることで、大きな注目と期待を集めるメガアクトが誕生したのです。バンド全員のレコードセールス(当時)は1億5000万枚と言うのですから、数字の面からも彼らの凄みは伝わるでしょう。
セルフタイトルのデビュー作をリリース後、Weiland はバンドを脱退。アルバムをプロモートするツアーを拒否した彼は結局、人生を通じて苦しんできた薬物との戦いに敗北し、命を落としてしまいました。
バンドは Weiland の後任に CREED の Scott Stapp を指名します。実は2014年には Stapp も薬物問題、さらには路上生活にまで転落するなど負の話題で世間を騒がせましたが、彼は挑戦し困難に打ち勝ちました。そして Weiland と同様、まさに時代の寵児として活躍した Stapp の加入は再度バンドのエンジンに屈強なエナジーを注ぐ結果となったのです。
“The Madness” には、ただスーパーグループという事実以上のケミストリー、そしてメッセージ性が間違いなく存在します。Ron がインタビューで語ってくれた通り、Votta 兄弟のアリーナロック、DISTURBED の鋭利でマスマティカルなリフワーク、CREED の瑞々しく雄大なメロディー、そして Bumblefoot、もしくは “Chinese Democracy” の型破りで独創的なアイデア全ては淀みなく渾融し、濃密なマグマとなって作品を流動します。
オルタナティブが王道へと以降した21世紀初頭のソリッドな空気を DNA に深く刻んだ5人の古兵たちは、しかし同時に時代の推移により”オルタナティブであること” から遂に解放され、その雄弁なコンポジション、華麗なテクニック、そして唯一無二のタレント性を制限なくここに開花させているのです。
また、アルバムタイトル “The Madness” が表象するように、作品にはまさに Stapp が苦しんできた”狂気”がそのまま描かれています。新たなアンセム “1,000 Dgrees” では「僕自身が最悪の敵だ。僕は呪われている。」と当時の地獄を独白し、至上のバラード “Changed Man” では「もう一度チャンスをくれないか?僕は変わったんだ。家に帰る時が来たんだよ。」と最愛の妻に過去の自分との決別を告げます。果たして妻は “With Arms Wide Open” で待っていてくれたのでしょうか?
とにかく、”僕たちはこのアルバムを Scott、そして同じチャレンジに直面する人たちの成功に捧げることとしたんだ” と Ron が語るように、作品はアメリカが抱える大きく暗い闇に対する贖いとして生を受けました。自身の魂を声と詩に宿した Stapp の歌唱には深みとリアルが込められ、その美しく、切なく、雄々しく、そして芳醇なメロディーは懺悔であり赦しであり、希望の灯火でもあるように聞こえます。
アルバムの主役は間違いなく Stapp ですが、Ron のトリッキーでカラフルなギターワークが作品にクリエイティブで類まれなる神通力のようなフックをもたらし続けていることは記して置かなければなりませんね。
指ぬき、フレットレス、ロングスケールなど様々な武器を持つ “Bumblefoot” ですが、インタビューでも語ってくれたように彼は決して楽曲の破壊者ではありません。ソロプロジェクト、ガンズ時代を通して歌ものに強い拘りを持ち、エモーショナルで耳に残りリピートを誘うギターフレーズを追い求めてきた彼の真価は “Somber” のアメジストのように燐光を発するソロパートに集約されているのかもしれませんね。
王道とは何か。彼らの”王道”の先には必ず唯一、アリーナでシンガロングし、拳を振り上げるファンの姿が透けて見えます。彼らにはもはやトレンドを意識する必要などありません。ただ、キャッチーでフックと起伏に満ちたアルバムは、エゴを廃し全てが楽曲とストーリーに捧げられ、世代を超えて愛される魔法を備えた新たな栄光への幕開けであると信じます。
今回弊誌では、Ron “Bumblefoot” Thal にインタビューを行うことが出来ました。余談ですが、再発が決定した彼の2ndアルバム “Hermit” もぜひ併せて聴いていただきたいと思います。変態としてのみ語られがちな彼ですが、FAITH NO MORE や RAGE AGAINST THE MACHINE のインテンスと独特のポップセンス、そしてユニークなギターファンタジーをミックスした極上のコンポジションが炸裂した名作。どうぞ!!

16143304_1852295201677886_7970296710421173317_n

ART OF ANARCHY “THE MADNESS” : 9.8/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ART OF ANARCHY : THE MADNESS】BUMBLEFOOT SPECIAL !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVA COLLECTIVE : THE FURTHER SIDE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAN BRIGGS OF NOVA COLLECTIVE !!

nova-collective

The Brilliant Musical Marriage Between The 70’s Fusion And Modern Prog. Definitely, Super Group Of Prog, Nova Collective Has Just Released One Of The Best Instrumental Record Of The Year, Incredible Debut, “The Further Side” !!

DISC REVIEW “THE FURTHER SIDE”

“新たな集合体” の名を冠するインストゥルメンタルスーパーバンド NOVA COLLECTIVE が、超越的でモニュメンタルなデビュー作 “The Further Side” をリリースしました!! 既成観念の “向こう側” へと辿りついた彼らの音風景は、リスナーを永遠の旅路、ミュージカルジャーニーへと誘うことでしょう。
Dan Briggs (BETWEEN THE BURIED AND ME), Richard Henshall (HAKEN), Matt Lynch (TRIOSCAPES, ex-CYNIC), Pete Jones (ex- HAKEN) というまさにモダンプログレッシブを象徴する賢哲が参集した NOVA COLLECTIVE。彼らが宿した清新なる息吹は、音楽が最も革新的で創造的だった70年代の空気を濃密に吸い込み、芸術のあり方を純粋に示しています。
1970年に Miles Davis がリリースした “Bitches Brew” は、音楽史上最も輝かしいロックとジャズの婚姻だったと言えます。”The Further Side” は、”フュージョン” という音楽概念を定義した、多様でイマジネイティブなその”マイルストーン”の精神を、凛として現代へと継承した畢生の作となりました。
アルバムは、ロシアのロマンティックかつダイナミックなバレエを想起させる “Dancing Machine” でその幕を開けます。メカニカルな BTBAM とは趣を異にする、野性的でファットな Dan Briggs のベースラインはオーガニックなボトムで自由を謳歌し、ジャズとロック、そしてメタルを華麗に行き来する Matt Lynch のドラムスと豪壮なインタープレイでアルバムを牽引して行きます。
Richard Hanshall のメロディアスでデリケートなギターワークは作品に浸透し、何より Pete Jones のガラス細工のように美麗で卓越したエレピ、オルガンサウンドは、リスナーに Chick Corea の形影を追わせ、過去と現代をリンクさせる鍵として枢要を占めていますね。
“Dancing Machine” に漂う神秘的でエスニックなムードは、インタビューでも語ってくれた通り、ワールドミュージックからの影響を反映しています。そして確実に John McLaughlin のコンポジションとも強く共鳴しているはずです。
“Bitches Brew” にも参加し、後に”フュージョン”を代表する集団となる THE MAHAVISHNU ORCHESTRA を創立した天賦のギタリストは、ロックとジャズのみならず、フラメンコ、オーケストラ、そしてインド音楽にまでその興味の幅を広げ、クロスオーバーさせた多様性の伝道師だと言えるでしょう。「フュージョン、ワールドミュージック、ジャズ、プログ、クラッシック。アイデアの全てはそこから来ている」 と Dan が語ってくれた通り、”The Further Side” にはあの奇跡のオーケストラと同様の血脈が流れてもいるのです。
実際、”Air” は日本の伝統楽器、琴をイメージして書かれた楽曲だと Dan は語ってくれました。そして、日本の陽春を鮮やかに切り取ったかのような、オリエンタルで麗しきそのサウンドグラフには、NOVA COLLECTIVE がサーカスではなく音楽のために集まった集団である証が克明に刻まれていますね。
確かにメンバーは全員が超絶技巧の持ち主ですが、アルバムにエゴを感じさせる陳腐な曲芸は一切存在しません。存在するのは、楽曲の一部と化したエレガントで流麗なリードパートとアンサンブルのみ。各自が秘める、描かれた設計図をグレードアップさせるようなインテリジェンス、即興の妙こそがまさに一流の証明だと感じました。
勿論、クラッシックなフュージョンサウンドが基幹を成している “The Further Side” ですが、”State of Flux” を聴けばバンドが “新たな集合体” を名乗った意味が伝わるでしょう。MESHUGGAH と同等の緊張感、ヘヴィネス、リズムの錯綜が、エレピを核とするレトロなフュージョンサウンドを伴って再現される Tigran Hamasyan も驚愕のニューフロンティアがここにはあります。70年代には存在し得なかった、正確無比なシュレッド、硬質でDjenty なリズム、そして Jamie King による極上のプロダクションは “フュージョン” の極地、最先端を提示し、彼らの存在意義を強くアピールしていますね。
アルバムは WEATHER REPORT や RETURN TO FOREVER への憧憬と、モダニズムを巧みに融合させたタイトルトラック “The Further Side” で神々しくもドラマティックにその幕を閉じます。
今回弊誌では Dan Briggs にインタビューを行うことが出来ました。彼のホームグラウンド BTBAM の “Colors” 10周年ツアーについても言及しています。どうぞ!!

a1735671005_10

NOVA COLLECTIVE “THE FURTHER SIDE” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVA COLLECTIVE : THE FURTHER SIDE】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【Li-sa-X : Serendipity】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Li-sa-X !!

news_header_LisaX_art201702

12-Year-Old Young Shred Muse From Japan, Li-sa-X Has Just Released Her Amazing Debut Album “Serendipity” !!

DISC REVIEW “SERENDIPITY”

日本に舞い降りた、若干12歳の天才美少女ギタリスト Li-sa-X が記念すべきデビュー作 “Serendipity” をリリースしました!!穢れなき天使が紡ぐ圧倒的なフレーズの数々は、世界に賛嘆の嵐を巻き起こしています。
幼少時から父親のプレイを子守唄として育った Li-sa-X は、インタビューにもあるように、5歳で本格的にギターを手にします。8歳であの Paul Gilbert に認められ、オンラインギターレッスンに特待生として招待されたというのですから、天賦の才が備わっていることに疑いの余地はないでしょう。
実際、投稿したパフォーマンス動画は世界中のギター/ロック・ファンを驚愕させ瞬く間に400万回以上の再生を記録。これまでに「へヴィメタルの未来を担う天才少女10人」(米MTV)や「将来が楽しみな名キッズ・ギタープレイヤー10選」(米VH1)、「今年(2014年)最も話題の動画1位」(米ギター・ワールド誌)などに選出されるという快挙を演じてきたのです。しかし彼女は慢心することなく日々進化を続けて来ました
。”素敵な偶然”、”予期せぬ幸運” といった意を宿す “Serendipity” というタイトルには、これまでの出会い、応援、優しさ、幸運に対する Li-sa-X からの大きな感謝が込められているのです。
アルバムは、Li-sa-X 初のオリジナルトラックにして作品のタイトル名を冠した “Serendipity” で幕を開けます。ダイナミックなリフワークにファストなリック絡める師匠 Paul Gilbert 譲りのテクニカルなテーマは、マイスター Guthrie Govan を想起させる奔放にアウトするフレージングをも伴いながらマジカルな瞬間と至上のエキサイトメントを運びます。正確なピッキングから生み出されるクリエイティブなアイデアの洪水は、12歳らしい遊び心や瑞々しい感性と一級品のテクニックを包含し、世界に新たなギターヒロインの堂々たる誕生を告げているのです。
“温故知新”。Li-sa-X が演奏家、ミュージシャンとして優れている点はその一言に集約されます。ゲストに迎えた Paul Gilbert, POLYPHIA。さらに “人生を変えた5枚のアルバム” を見れば分かるように、Mr. BIG から PERIPHERY、Guthrie Govan から Jason Richardson まで、世代を超えた色彩豊かな影響はしっかりと彼女の宇宙に血肉として根づいています。実際、トラディショナルな Instru-metal に思える “Serendipity” の中にも、中間部にはモダンで美麗なアトモスフィアをさらりと織り込み、楽曲に立体感を創出しているのですから、その感性の柔軟さには驚くばかりですね。
童謡にプログレッシブで大胆なアレンジを施したアルバムクローサー “アルプス一万尺” は、彼女の未来を約束する楽曲にも思えます。ピアノやヘヴィーリフを巧みに配置し目まぐるしくも耳を惹きつけ離さない、万華鏡のようにカラフルな一曲には、スマートかつキャッチーな清新なるギターの可能性、POLYPHIA ともシンクロするモダンな感覚が息づいています。
クリケットやハーモニクスを巧みに使用し、ニュアンスやアーティキュレーションにまで強く拘った演奏からは、”聴かせる” こと、”楽曲” にプライオリティーを置いた Li-sa-X のギターに対する凛とした考え方が伝わりますね。オリジナルを増やすという彼女の決意も実に楽しみです。
Li-sa-X ワールドへの素晴らしき招待状となった “Serendipity”。今回弊誌では彼女にインタビューを行うことが出来ました。最近ではCMでもお馴染みとなりましたね!どうぞ!!

Li-sa-X

Li-sa-X “Serendipity” : 9.5/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【Li-sa-X : Serendipity】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DISPERSE : FOREWORD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAKUB ZYTECKI OF DispersE !!

SOM401-Disperse-bandpicture

With “Foreword”, Poland Based Progressive Quartet, DispersE Invite You To Set Sails On A Imaginative Musical Journey !!

DISC REVIEW “FOREWORD”

“Heart of Europe”、ポーランドに降臨した、モダンプログシャイニングスター DispersE がジャンルの枷を解き放つ新たなマイルストーン “Foreword” をリリースしました!!”Progressive” というワードの真意について再考を促すような意義深き作品は、鮮やかなポップセンスとミニマルなサウンドを研ぎ澄まし、規格外のアウトラインを提示しています。
2016年に行われた DispersE 初の日本ツアー。DESTRAGE とのカップリングで大成功を収めた彼らのショウでは、新作に対する自信が顕在化していましたね。未だ作品がリリースされていないにもかかわらず、セットリストの大部分は “Foreword” からの楽曲で占められていたのですから。そこで日本のファンは、ギターと同時にサンプラーを駆使して躍動するマイスター Jakub Zytecki の姿に “Foreword” な変化の兆しを見定めることとなりました。
アルバムはイノセントな歌声をサンプリングし、審美的でアンビエンスな空気を多分に抱きしめた秀曲 “Stay” で幕を開けます。Rafal Biernacki の歌唱は傑出していて、FROST* の John Mitchell や TesseracT の Dan Tompkins にも比肩し得るほど、色鮮やかで表情豊かな歌声、旋律、ハーモニーを披露していますね。
「メタルは少々平坦に思えてきた。」 インタビューで Jakub が語る通り、このレコードには獰猛なグロウルも、Chug-Chug とした定常的なギターリフも存在しません。貫かれるのは “Progressive-Pop” とも描写可能なノスタルジックで情味のある、しかし同時に創造的なモダニズムが溢れる崇高な世界観。
多幸感に満ちヒプノティックで、光のサウンドスケープを見事に切り取った “Stay” の核心は、紛れもなくそのアトモスフェリックなサンプリングと Rafal が紡ぐポップなメロディーです。しかし Jakub のプログレッシブなセンスが惹起する、絶妙なバランス、コントラストが楽曲を新天地へと誘っていることを忘れる訳にはいきませんね。
7拍子、ポリリズムが生み出す神秘的な夢幻世界、忽然と急襲するスリリングかつテクニカルなシュレッディング。アルバムオープナーにして作品を象徴する “Stay” の新感覚はまさに革命と呼べるほどにリスナーへ驚嘆をもたらします。
新感覚と言えば、TAME IMPALA にも通じるレトロなムードを持つ”Bubbles” では、Strandberg の極限までダウンチューンしたディストーションサウンドが至高のダイナミズムを提供し、新たな個性を主張していますね。
“Tether” は、「TYCHO にはいつも心酔している」 と語る Jakub の多極化する好奇心が浮き彫りとなった楽曲かも知れませんね。エゴとは無縁の緻密でミニマルな設計図に、穏やかなエレクトロニカサウンドを乗せたドリーミーな極上のポップチューンを聴けば、確かに TYCHO の持つ瑞々しいセンスが宿っていることに気づくでしょう。新加入、達人 Mike Malyan のゴーストノート一音一音が透けて見えるほどに繊細な楽曲は、Rafal の別格でエモーショナルな歌唱を導き、音楽の本質を伝えています。
とは言えインタビューにもあるように、Jakub は決してギターへの探究、野心も捨てることはありません。アルバムで最も Djenty な “Surrender” の躍動美溢れるスリルは華麗ですし、”Sleeping Ivy” で見せるメカニカルなクリーントーンの洪水も一級品。さらに9分を超える壮大な “Does it Matter How Far” の前半部分では、サンプリングと巧みにリンクさせて純粋にチャレンジングなインストゥルメンタルミュージックを奏で、Jakub Zytecki が未だに世界トップのモダンギタリストであることを強烈なまでに証明していますね。
“Foreword” は DispersE、さらにはプログレッシブワールドにとって新たなチャプターの幕開けとなるでしょう。実際、プログレッシブロックとは様式ではなく概念であるべきです。インディーロックとクラブミュージックを巧妙にクロスオーバーさせた Bonobo は、バンドにとって或いは象徴かも知れません。自らのアイデンティティを保持したまま、TYCHO や TAME IMPALA のフレッシュな感性、インパクトを血肉とした DispersE のインテリジェントな手法は全面的に肯定されるべきだと感じました。
今回弊誌では Jakub Zytecki にインタビューを行うことが出来ました。3回目の登場となりますね。どうぞ!!

15220222_10154326241134751_2498972392523305459_n

DispersE “FOREWORD” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DISPERSE : FOREWORD】