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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【QUEENSRŸCHE : THE VERDICT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL “WHIP” WILTON OF QUEENSRŸCHE !!

“If We Were To Write Another Conceptual Album It Would Always Be Judged And Compared To The Original “Operation:Mindcrime” Album. Sequels Rarely Outshine The Original !!”

DISC REVIEW “THE VERDICT”

「QUEENSRŸCHE には37年の歴史があるんだ。だからね、どの時代にも大きなインパクトを与えられた、人生を変えてくれたっていう情熱溢れるファンがいる訳だよ。」
Chris DeGarmo も Geoff Tate もいない QUEENSRŸCHE に何を期待し求めるのか。
デジタルな叫びにプログレッシブの本能を込めた “Rage for Order”、メタル史に残るコンセプトアルバムの金字塔 “Operation: Mindcrime”、ラジオのエアプレイを支配した洗練の帝国 “Empire”、哲学と内省の楽園 “Promised Land”、そして時代の影を生き生きと描写した開拓地 “Hear In the Now Frontier” まで、2人の主役が牽引したレコードは全てが知性と冒険心でメタルの可能性を培養する妙想のシャーレだったのですから、その疑問はある種当然です。
DeGarmo が去り、齟齬を孕んだ Tate とバンドのアンバランスな営みが終焉を迎えた後、しかし QUEENSRŸCHE は Todd La Torre の輝かしき才能と原点回帰で長きアイデンティティークライシスを解消へと導きました。
「僕たちはどんなトレンドも追いかけたりはしないし、自分たちにとって正しいと感じる音楽だけを追求しようとしているんだ。」
おそらく、”女王の王国” を設立した Michiel Wilton の中には中途半端なトレンドの追求が不遇の時代招いたという想いがあるのでしょう。とは言え、過去にはトレンドを巧みに司って音の稜線を拡大していた時期もある訳で、この発言には近年の Tate の半端なセンスに対する鬱憤と後悔が透けて見えるようにも思えますね。
ただし、Geoff Tate がその歌唱力において唯一無二であったのは確かです。故に、バンドが完璧に QUEENSRŸCHE の声を代弁し余りある Todd を見出すことが出来たのはただただ行幸でした。
最新作のタイトル “The Verdict” とはすなわち “評決”。或いは、Todd 加入後の2作は “審議” 期間だったのかも知れませんね。つまり、この作品で現在の QUEENSRŸCHE に対する是非の判断が下されるのです。そしてきっと間違いなく、正義はここにありました。
もちろん、QUEENSRŸCHE という名前の裏に、張り巡らされた迷宮のような知性や背景を期待するならば現在の彼らには物足りない部分もあるでしょう。ただし、”The Verdict” にはそれを補って余りある瑞々しくも圧倒的エナジーと、研ぎ澄まされた充実の旋律美が存在するのです。
オープナー “Blood of the Levant” の重量感は、HATEBREED や BORN OF OSIRIS との仕事で名を上げた売れっ子プロデューサー ZEUSS との相乗効果でグルーヴの新風を吹き込みます。一方で、シンコペーションやハーモニーの美学はまさしく QUEENSRŸCHE の流儀で、結果として Michiel 言う所の 「バンド史上最もメタルかつプログレッシブな作品」を具現化しているようにも思えます。
あのビッグバンとも言える成功を経験した Michael と Eddie にとって、原点、QUEENSRŸCHE サウンドとは “Operation: Mindcrime” と “Empire” を指すはずです。実際、コンパクトに設計された作品には、当時の躍動感やロマンチシズムが明らかに戻って来ています。
ただ面白いことに、例えばエニグマティックな “Light-Years” を聴けば “Rage For Order” を、サイケデリックでシュールな “Inside Out” を聴けば “Promised Land” を、ボーカルエフェクトもグランジーな “Propaganda Fashion” を聴けば “Hear In the Now Frontier” を想起する “ライチアーミー” は多いはずで、つまり “The Verdict” には QUEENSRŸCHE が刻んだ長い旅路の集大成といった側面も確かに存在するのです。
アルバムは、「永遠に続くものは無い。ただ回転ドアのように入れ替わっていくんだ。」 とメンバーチェンジの悲喜交々を隠喩する “Dark Reverie” を境に Michael 語るところの “進化” の結晶を畳み掛けていきます。
それは、Todd の絶唱ハイトーンとシンセサウンドを活用したダークでドラマティックな世界。息つく暇もなく押し寄せる、劇的で静動、陰影濃くするダイナミズムの波は完璧なチームワークの賜物。名曲の目白押し。
そうして、評決の行方を見るまでもなくリスナーは、エレガントでアトモスフェリックな感情のポートレート “Portrait” に大きな喝采を送るのです。
オリジナルメンバーの一人であるドラマー Scott Rockenfield の不参加によりボーカルの Todd がドラムスも兼任していることは記して置くべきでしょう。ただし心配は無用。トレードマークのダブルチャイナ、ライドとハイハットの華麗な使い分けはまさしく Scott のそれですから。
今回弊誌では印象的なフックを刻み続ける Michael “Whip” Wilton にインタビューを行うことが出来ました。「もし今の QUEENSRŸCHE が気に入らないなら立ち去れば良いだけさ。」 どうぞ!!

QUEENSRŸCHE “THE VERDICT” : 10/10

INTERVIEW WITH MICHAEL “WHIP” WILTON

Q1: In Japan, Queensrÿche and Dream Theatre are the big two of Prog metal. So, we are really excited you two release fantastic new records at around same time! Of course, Queensrÿche have longer career than Dream Theater, but what mean they and their music to you?

【MICHAEL】: Queensryche and Dream Theater have toured together In the past. Their styles compliment each other with musical proficiency. We are fans of them and they are fans of us. Both bands have stood the test of time.

Q1: 日本では、QUEENSRŸCHE と DREAM THEATER がプログメタルの二神として崇められて来ました。その二大巨頭がほぼ時期を同じくして、どちらも素晴らしい作品をリリースしたのですからプログメタルファンも活気づいていますよ。
もちろん、QUEENSRŸCHE は DREAM THEATER より長いキャリアを誇りますが、彼らについてはどう思っていますか?

【MICHAEL】: QUEENSRŸCHE と DREAM THEATER は過去に共にツアーを行ったこともあるね。彼らは、音楽的な熟練度でお互いを補完し合うといったスタイルだね。
僕たちは彼らのファンで、彼らもまた僕たちのファンなんだ。そして何より、QUEENSRŸCHE も DREAM THEATER も長い時の試練に打ち勝って今もここに立っているんだからね。

Q2: Maybe, Prog metal has more than 35 years history, and you are definitely originator of the genre along with Fates Warning. Like Periphery, Animals As Leaders, so many “modern” Progmetal bands come into the scene. As an originator, what’s your perspective about the evolution of genre?

【MICHAEL】: Queensryche has a unique musical style that lends itself to many different genres. The progressive part of Queensryche comes from musical influences such as Yes, King Crimson and Pink Floyd. Though some of our music stretches the boundaries due to its melodic nature we find acceptance in styles of Metal and Hard Rock as well. That is why Queensryche has stayed true to its own style and still has fans from the early eighties as well as new to this day.

Q2: QUEENSRŸCHE は FATES WARNING と並んでプログメタルのオリジネーターだと思います。現在では例えば、PERIPHERY や ANIMALS AS LEADERS のように、モダンで細分化されたシーンには魅力的な新鋭も登場していますよね?
ジャンルの進化についてはパイオニアとしてどのような思いをお持ちですか?

【MICHAEL】: QUEENSRŸCHE は様々に異なるジャンルを由来とするユニークな音楽スタイルを持っているんだ。QUEENSRŸCHE のプログレッシブな部分は、例えば YES だったり、KING CRIMSON, PINK FLOYD といった影響に根差しているんだよ。
だけど、同時にメタルやハードロックを由来としたメロディックなスタイルも受け入れることにより、音楽的な境界線をより伸長させることになったんだ。
だからこそ、QUEENSRŸCHE は自らのスタイルに忠実で、今日でも80年代からのファン、そして新たなファンを保持していられるんだと思うな。

Q3: “The Verdict” is definitely your new masterpiece! This record has perfect balance between Metal and Prog, I think. How did you think about the balance when you were making “The Verdict”?

【MICHAEL】: This is a natural evolution for the band in its writing style. We don’t try to follow any trend we just right what we feel is right for us. I think there is definitely an excitement in the band and that reflects in its writing. We have always tried to make our songs interesting to play live and have depth for many a journey of pleasant listening.

Q3: 最新作 “The Verdict” は、仰るように QUEENSRŸCHE のスタイル、すなわちメタルとプログの素晴らしき婚姻をより完璧なバランスで祝う傑作となりました。

【MICHAEL】: この進化はバンドにとって実に自然なものだったね。僕たちはどんなトレンドも追いかけたりはしないし、自分たちにとって正しいと感じる音楽だけを追求しようとしているんだ。
バンドは今こそエキサイトしているし、その衝動が作曲にも投影されているね。QUEENSRŸCHE は楽曲を作るときにいつも心掛けていることがあってね。それは、ライブでプレイするときに面白いと感じて、多くのリスナーが旅のような楽しく深みのあるリスニング体験が出来るコンポジションなんだ。

Q4: Also, this record is diverse, full of energy and catchy melodies. So, compared with your past works, “Empire” is the closest record, I feel. Do you agree that?

【MICHAEL】: I would hope one would find links in the Queensryche discography as to a new edge that the band has now. With the DNA of Eddie and myself naturally it’s going to sound like old Queensryche. As with the others they have embraced the Queensryche way and style.

Q4: ハイエナジーとキャッチーなメロディーに満ちたカラフルなレコードは、過去の作品と比較するならば “Empire” に近いように感じました。

【MICHAEL】: バンドに現在備わっているエッジと同様に、過去の作品との繋がりを見つけてくれるのは嬉しいよ。だって、Eddie と僕の DNA は自然と過去の QUEENSRŸCHE サウンドへと向かうんだからね。
他のメンバーにしたって、QUEENSRŸCHE のやり方やスタイルをしっかり抱擁してくれているからね。

Q5: I was really surprised at Todd’s talent. His voice is of course, but also he played drums in this record! But, what made him play Scott’s part? And will he come back to the band someday soon?

【MICHAEL】: When we booked pre-production we were notified that Scott could not be a part of the recording and he gave his blessing to who ever was hired to record the drums. Todd was a natural stepping-stone to fulfill the part. The drums were written parts that reflect the past drumming of Queensryche style. As to the return of Scott your guess is as good as mine. His hiatus from the band is his decision and we value his privacy.

Q5: ボーカルの素晴らしさはもちろん、ドラムまでプレイしている Todd の才能は素晴らしいですね!もちろん、Scott の不参加は寂しいですが…近々復帰出来そうですか?

【MICHAEL】: プリプロダクションの予約をした時に、Scott はレコーディングに参加出来ないとわかったんだ。そして、彼も誰か他のドラマーを雇ってレコーディングを進めることに賛成していたんだよ。そして Todd は Scott の穴を埋める自然な選択肢だったんだ。このアルバムのドラムパートは、過去の QUEENSRŸCHE のドラミングスタイルを反映して書かれたんだよ。
Scott の復帰に関してだけど、君が近々と言ったけど僕もそうなれば良いと思っているよ。彼のバンド活動休止は彼の決断で、僕たちは彼のプライバシーを尊重しているんだ。

Q6: Producer, ZEUSS seems to become indispensable for Queensrÿche now, right? I think most of his works are Metalcore, Hardcore, and Modern metal. Do you think he brings modern blood, flesh sound to the band?

【MICHAEL】: Zeus is the conduit that puts it all together who organizes everything and makes the final call on scheduling, recording, mixing and mastering. He works great with us and knows how to pull the best performances from us. He has sharp ears and knows the Queensryche back catalog so he knows how the band should sound. The song writing feels fresh because of the combination of creativity that is present in this version of Queensryche.

Q6: プロデューサー ZEUSS はもはやバンドにとって不可欠な存在と言えそうですね?
どちらかと言えば、彼はメタルコアやモダンなメタルを多く手掛けて来たイメージがありますが、彼が QUEENSRŸCHE のサウンドをアップデートしている側面はあるのでしょうか?

【MICHAEL】: ZEUSS は全てをオーガナイズし取りまとめる導管のような役割なんだよ。スケジュール、レコーディング、ミキシング、マスタリングの最終的な決断を握りながらね。
彼は僕たちととても上手くやっていて、僕たちからベストなパフォーマンスを引き出す術を知っているんだよ。彼の耳はとても研ぎ澄まされていて、QUEENSRŸCHE の過去の作品も網羅している。だからバンドがあるべきサウンドも理解しているんだ。
ソングライティングが新鮮に感じられるのは、QUEENSRŸCHE の今のラインナップにおける創造性のコンビネーションによるものだろうね。

Q7: “Conceptual album” is kind of a synonym for Queensrÿche. After Todd came in, you took your signature sound back, but maybe there is no huge, conceptual epic, right? Do you want to make “Operation: Mindcrime” style record someday again?

【MICHAEL】: I cannot predict the future of songwriting but that trend has had its day with Queensryche. If we were to write another conceptual album it would always be judged and compared to the original Operation:Mindcrime album. Sequels rarely outshine the original!!!

Q7: コンセプトアルバムと言えば、過去には QUEENSRŸCHE の代名詞的な時期もありました。
Todd の加入以来、バンドのシグネチャーサウンドは復活しましたが、”Operation: Mindcrime” スタイルのエピックは制作されていませんよね?

【MICHAEL】: 僕たちのソングライティングについて将来の予想をすることは出来ないね。だけど、コンセプトアルバムのスタイルは当時の QUEENSRŸCHE にとってトレンドだった訳だよ。
もし僕たちが将来的にまたコンセプトアルバムを作るとしたら、必ずあのオリジナルの “Operation: Mindcrime” と比較され判断されるはずだよ。まあ続編がオリジナルより輝くことも稀にはあるんだけどね!!!(けどめったにないんだよ!!!)

Q8: You have very long history. That’s why, some old fans keep saying like “There is no Geoff Tate, where is Chris DeGarmo”. But most of fans bring in a “verdict” of not guilty, current line-up of Queensrÿche is justice in this record, haha. What do you think of the fans who still miss the past?

【MICHAEL】: Well Queensryche has had 37 years of recordings so you will always have passionate fans that like a certain decade that made a big impact on there lives. If you don’t like this version of Queensryche then just move on. We are doing just fine and have an army of loyal fans old and new that we have the privilege to tour the world for. We also are playing new places around the world and are signed to a major record label that puts out relevant recordings. In fact we just debuted in the German charts #6, which is the highest debut in Queensryche history. I say life is short celebrate the music and check out a Queensryche show.

Q8: QUEENSRŸCHE は非常に長い歴史を持つバンドです。故に、「Geoff Tate はもういないじゃないか、Chris DeGarmo はどこ?」などと発言するオールドファンも存在します。
“The Verdict” の素晴らしさはそういったファンに現在の QUEENSRŸCHE の正当性を提示する “評決” にも思えます。

【MICHAEL】: そうだね。QUEENSRŸCHE には37年の歴史があるんだ。だからね、どの時代にも大きなインパクトを与えられた、人生を変えてくれたっていう情熱溢れるファンがいる訳だよ。
もし今の QUEENSRŸCHE が気に入らないなら立ち去れば良いだけさ。僕たちは快調だし、忠実なオールドファンから新たなファンを抱えて世界中をツアー出来る。さらに言えば、新たな場所でもどんどんプレイしているし、メジャーレーベルと契約してレコーディング環境にも恵まれているんだ。
実際、”The Verdict” はドイツのチャートで初登場6位だった。これは QUEENSRŸCHE の歴史においても最高のものだよ。つまり何が言いたいかって、人生は短いんだ、素敵な音楽を享受して、QUEENSRŸCHE のショウに来て欲しいね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MICHAEL’S LIFE

JIMI HENDRIX “ELECTRIC LADYLAND”

THE BEATLES “MAGICAL MYSTERY TOUR”

LED ZEPPELIN “HOUSES OF THE HOLY”

AL DI MEOLA “ELEGANT GYPSY”

VAN HALEN “VAN HALEN”

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you for supporting and believing in Queensryche. We hope to see you soon!!!

QUEENSRŸCHE を信じ、サポートし続けてくれてありがとう。すぐに会えると良いね!!!

MICHAEL “WHIP” WILTON

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NEW DISC REVIEW + MORGAN AGREN INTERVIEW 【DEVIN TOWNSEND : EMPATH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MORGAN ÅGREN FROM DEVIN TOWNSEND !!

“It’s Funny Cause I Got An Email From Devin When He Asked Me ”Can You Play Quietly?” ”I Want Spooky Country Drums With Low Volume”

DISC REVIEW “EMPATH”

「”Empath” とはまさに Devin そのものだから、彼の心に従い、彼が本心から望むようにプレイしたんだ。彼はこのアルバムで遂に完全なる自由を手に入れたね。」
カナダのサウンドウィザード Devin Townsend が最も信頼を置くアーティストの一人、Morgan Ågren は確信を持ってそう答えました。
DEVIN TOWNSEND PROJECT の最終作となった “Transcendence” は、以前より大幅にメンバーのインプットを盛り込み、バーサタイルに探究を重ねたグループの長き旅路を集約する名品でした。
ただし、”集大成” とはすなわち “繰り返し” へと、”メンバーの固定化” とはすなわち “マンネリズム” へと繋がる危険をも孕みます。Devin Townsend の溢れる∞の創造性は、予測可能な全てを一度リセットし、演奏者も音像も自在に選択する絶対的に自由な翼を欲したのです。
「現在の Devin Townsend が持つ音楽的な興味全てが、一つの場所へ収まったとしたらどうなるだろうか?」
フォーク、シンフォニック、ポップ、プログ、ファンク、ブラックメタル、ジャズ、ニューウェーブ、アメリカーナ、ワールドミュージック、そして EDM。Devin の中に巣食うマルチディメンショナルな音楽世界を一切の制限なく投影したレコードこそ “Empath” です。そして “エンパス” “感情を読み取る者” のタイトルが意味する通り、Devin がアルバムに封じた万華鏡のエモーションを紐解くべきはリスナーでしょう。
オーディエンスがエンパスなら、もちろん、アルバムに集結したアーティストも Devin の百花繚乱な感情を読み取るエンパスです。
Mike Keneally をミュージックディレクターに、Morgan Ågren, Samus Paulicelli (DECREPIT BIRTH), Anup Sastry (ex-MONUMENTS) と三者三様の技巧派ドラマーを揃え、さらに Steve Vai, Anneke van Giersbergen (VUUR), Ché Aimee Dorval, Chad Kroeger (NICKELBACK) など錚々たる顔ぶれが翼となり、Devin が今回提唱する “ヘヴィーな音楽でも多様になり得る” の精神を実現していきます。
“Castaway” に広がる海の景色、ジャジーなギター、そして荘厳な女声コーラスは歴史的プログエピックへの完璧なエントランス。そうして幕を開ける “Genesis” はアルバムの全貌を伝える “Empath” の小宇宙でしょう。
神々しいほどにエセリアルで、毒々しいほどにアグレッシブ。シンフォニーとエレクトロ、オペラとスクリーム、ディスコビートとブラストビート、アンビエントとエクストリーム。一見相反するようにも思える何色もの絵の具は、幾重にも重なり奇跡のダイナミズムを描きながらプログメタルのキャンバスを彩り、時には逸脱していきます。その瑞々しきカオスは “創世記” の名に相応しい “Hevy Devy” 新時代の到来を確かに告げています。
レコードが進むに連れて、リスナーは「最初はどこに向かうのか、この作品が何なのかさえ分からなかった。」と語る Devin が見出した “意図” を感じるはずです。
“Spirits Will Collide” を聴けば “Z²-Sky Blue” よりもポップなアルバムを、”Sprite” を聴けば “Infinity” よりもスピリチュアルなアルバムを、”Hear Me” を聴けば SYL の “Alien” よりもヘヴィーなアルバムを、そして “Why?” を聴けば “Ghost” よりも優美なアルバムを巨匠が目指していたことを。DEVIN TOWNSEND PROJECT という枠組みから解放された鬼才は、そうして様々な領域で “限界突破” を実現して “プログレッシブ” の定義すら軽々と破壊していくのです。
「確かに Zappa コネクションがこの作品には生きているね。Keneally, Steve, Devin。ただし、Devin はそこまで Zappa の音楽に入れ込んだことはないんだけどね。」
11分の “Borderlands”、そして23分の “Singularity” で Devin は “現代の Frank Zappa” の地位を揺るぎのないものにしたのかも知れませんね。穏やかに、残酷に、しなやかに、カラフルに、哲学的に、何より冒険的に。ほとんど忘れ去られて苦境の最中にある “芸術” を救い、リスナーに “エンパシー” を喚起する Devin のやり方は、無限の想像力と比類無き多様性でした。
今回弊誌では、Frank Zappa、そして盲目の天才ピアニスト Mats Öberg とのデュオ Mats/Morgan でもお馴染み Morgan Ågren にインタビューを行うことが出来ました。「Fredrik は遂に新作へと着手しているよ。実は、僕は彼のその作品のためにすでに沢山のマテリアルをレコーディングしているんだ。」MESHUGGAH の心臓も遂に動き出したようです。どうぞ!!

DEVIN TOWNSEND “EMPATH” : ∞/10

THE STORY BEHIND “EMPATH”

ヘヴィーミュージックの世界では、アーティストが非常に狭い、限定された箱の中へと押し込められる傾向にあるね。音楽業界だって、カテゴライズや販売戦略のためにアーティストに特定のジャンルへ留まることを要求する。つまり、メタルの背景を持っているミュージシャンがジャンルの外に出て注目を集めるのは不可能に近いんだ。
じゃあ、広いパレットの中で”色”としてジャンルを使用しているアーティストはどうするの?ジャンルを遥かに超えた知識と経験を持つアーティストは?
それにメタルが恥ずべき音楽じゃなく、尊敬に値すると考えているアーティストは?
見世物ではなく、多様性によってあらゆる音楽的感情を表現したいなら、追求するべきでしょう。
“Empath” の真の意味はリスナーに様々な音楽的感情、体験を感じさせることにあるね。そうして、彼らに人生を美しく、挑戦的にする全てに恐れず参加して欲しいと伝えたいんだよ。
どのセクションもリスナーに”歓迎”されるよう心がけ、感情のジェットコースターとしてサウンドスケープをより効果的に繋げていったね。そうして、願わくば他のミュージシャンがこの方法にインスパイアされればと思うようになったんだ。
アルバムは、喜びと人々の助けになりたいという思いに根ざしている。楽曲に多様性を持たせたのは、”Empath” “共感”が弱さと捉えられてきた歴史の中で、人生を様々な観点から見る必要性を表現したかったから。僕にとっても長い間狭い場所に閉じ込められていた創造性を解き放ち、恐怖から脱却するためのやり方だったね。多様性が増す時代において、他人の気持ちになって物事を見ることは他者を理解する上で欠かせないプロセスさ。
そうして “Empath” という不可能を可能にしたんだよ。

INTERVIEW WITH MORGAN ÅGREN

Q1: Hi, Morgan! First of all, how is Mats’s ear-fix. Actually, I was really shocked when I heard his bad health condition…

【MORGAN】: Thanks for asking. Ears are so complex. It seems like it is easier to do a heart transplantation than fixing someones ears obviously. Our trip to the USA was very good though. We met some of the worlds most skilled ear experts and we are still waiting for some hearing aids that they will custom make for Mats.
He will get these in a few weeks. One in ear device to use when playing live, and then another one for daily use. We spend a couple of days in Florida in September 2018 with them where they tried to help Mats by doing lots of tests etc. Mats situation is little little bit better now. It was really a nightmare early 2017…

Q1: Mats が聴力を失いそうだというニュースには、日本のファンも心を痛めています。聴力を回復させるプログラムは上手くいっていますか?

【MORGAN】: 気にかけてくれてありがとう。聴力とはとても複雑なものなんだ。おそらく、心臓移植よりも聴力を完全に回復させるほうが難しいだろうね。だけど僕と Mats のアメリカへの治療旅行はとても良いものとなったね。僕たちは世界でも名だたる聴力の専門医たちに会って、今は Mats のために制作されているカスタムメイドのイヤーエイドが完成するのを待っているところなんだ。
あと数週間で届くだろうね。イヤーディバイスの一つはライブで使用するため、もう一つは日常で使用するためのものなんだ。昨年の9月に数日フロリダで過ごして、Mats のためにいろいろと耳のテストをしたんだよ。そうして徐々にではあるけれど、Mats の状態は改善していっているね。2017年の始め頃は本当に悪夢のようだったからね…。

Q2: So, Mats/Morgan’s latest record is “Schack Tati” in 2014. Is there any plan of making new record? If there was a plan, what kind of record it would be?

【MORGAN】: There is no plans for a new Mats/Morgan CD at the very moment. But we did a lot of things at end of 2016 which was also the year when we celebrated our 35th anniversary. We did a project with a symphony orchestra, which was released as a DVD+CD+CD titled Mats/Morgan Live with Norrlandsoperan Symphony Orchestra. We also did some 35th anniversary concert in 2016, some of those was recorded, even video filmed, so these needs to be released sometime! And we released a double best of CD that we called 35t Anniversary Collection.
But we have been taking a break since these projects that we did end of 2016 cause of Mats ear problems.
We WILL for sure come back with new music at some point. I have been doing a lot of other projects lately as well..

Q2: 現時点で Mats/Morgan の最新作は、2014年の “Schack Tati” です。新たな作品を期待しても良いのでしょうか?

【MORGAN】: 現時点では、Mats/Morgan の新作の予定はないんだ。だけど、結成35年を祝う年となった2016年の終わりにいろいろとやっていたんだよ。
シンフォーニーオーケストラとのプロジェクトは、”Mats/Morgan Live with Norrlandsoperan Symphony Orchestra” としてリリースされたね。それに35周年アニバーサリーライブもいくつか行ったんだ。その様子は録音、録画されているから、いつかリリースする必要があるね!後は、2枚組のベストアルバム “35th Anniversary Collection” もリリースしたよ。
だけど、2016年の終わりから Mats の耳の問題が深刻化したから、Mats/Morgan は休止を余儀なくされているんだ。ただ、絶対に新たな音楽を携えてカムバックするよ!最近、僕個人は沢山の別プロジェクトを抱えているんだ。

Q3: Last year, you were invited to play with Magma for their new record, right? What was the experience for you?

【MORGAN】: Yes, it was quite unreal. Nobody really gets a invitation to play with Magma, especially not a drummer.
But I got this invite yes, and it is a big honor off course. I have a lot of respect for Christian and Magma, a very unique band for sure.
I have spent time with Magma when we played the same festivals and such during the past. And in 2015 we opened up for Magma in Sweden and Norway, me and Mats just as a duo. And I got asked to record ZESS because Christian is singing on this piece called ZESS, and they wanted to record this live, all together, thats why I got the request. And in June I will in fact perform ZESS w. Magma live in Paris, in this Pierre Boulez concert hall. Looking forward to that.They are also very nice people.

Q3: 別プロジェクトと言えば、昨年あなたは MAGMA に招かれてプレイしましたよね?

【MORGAN】: うん。本当に非現実的だったよ。特に、ドラマーが MAGMA に招待されてプレイするなんてことは前代未聞だからね。
もちろん、謹んでお受けしたしとても光栄だったよ。Christian と Magma には大きな敬意を持っているからね。間違いなく実にユニークなバンドさ。
MAGMA とは過去に同じフェスティバルで過ごしたことがあったんだ。それに2015年にはスウェーデンとノルウェーで彼らのオープニングを務めたんだ。僕と Mats だけのデュオでね。
未完の大曲 “Zess” をレコーディングして欲しいと頼まれたんだ。6月には “Zess” を MAGMA とパリのコンサートホールで録音するよ。とても楽しみだね。ステキな人たちだから。

Q4: So, Devin Townsend’s new record “Empath” is really well accepted! I know you two have collaborated in “Morgan Ågren’s Conundrum” and “Causalities of Cool”. But what was the starting point of you two’s collaboration?

【MORGAN】: It’s funny cause I got an email from Devin when he asked me ”can you play quietly?” ”I want spooky country drums with low volume” – end quote.
So I said ”I can try” so I started to record songs for Casualties of Cool, and we did some live gigs with that project too. And we kept contact after that, did jams in my studio and such. Devin also plays on a track on my solo album Batterie Deluxe. And when it was time for Empath, same thing there, recorded a lot for him in my studio, but I also traveled to Wales outside London to record more tracks there for Empath. And maybe I will end up doing the Empath tour in November/December 2019, we will see! Devin is a great guy!!

Q4: あなたが参加している、Devin Townsend の新作 “Empath” は大好評ですね!
彼とは過去に CASUALITIES OF COOL などで共演を果たして来ましたが、コラボレーションの出発点についてお話ししていただけますか?

【MORGAN】: 面白い話があるんだ。僕は Devin から、「君は静かにドラムをプレイ出来る?」ってメールを受け取ったんだよ。彼は幽玄でボリュームを抑えたカントリードラムを求めていたんだ。
だからやってみるよと答えて、CASUALITIES OF COOL のレコーディングが始まったんだ。あのプロジェクトでは何度かライブもやったね。それからずっと、Devin とはコンタクトを取り続けていて、僕のスタジオでジャムったりもしていたんだ。それに Devin は僕のソロアルバム “Batterie Deluxe” でもプレイしてくれたね。
それで、”Empath” を作る段階になって、また同じように僕のスタジオで彼のために沢山プレイした訳さ。同時に英国のウェールズにも出向いて何曲か録音したね。そうして、おそらく今年の11/12月には “Empath” のツアーに帯同することになるだろうね!まあ、とにかく Devin Townsend は偉大な男だよ!

Q5: How did you grasp the world view of “Empath” and how did you draw it with your drum playing?

【MORGAN】: To me it is just Devin following his heart, doing something he really wants. He had total freedom doing this album.
And for me, I just played drums in a way that I thought were right for this music. It was a really nice experience.
Lot’s of nice and skilled people have been involved. I got to meet Mike Keneally again too on this session.
I haven’t seen him in 15 years. We did a lot of Zappa projects together in the US.

Q5: あなたは “Empath” というアルバムのムードをどの様に捉え、解釈しましたか?

【MORGAN】: 僕にとって、”Empath” とはまさに Devin そのものだから、彼の心に従い、彼が本心から望むようにプレイしたんだ。彼はこのアルバムで遂に完全なる自由を手に入れたね。
だから、僕はこの音楽にとって正しいと思えるようにドラムを叩いただけなんだ。素晴らしい経験だったね。それにこの作品には、素敵で技術を持った多くの人が関わっている。
このセッションで再び Mike Keneally に会うことが出来たのも収穫さ。彼とは実に15年も会っていなかった。昔彼とは Zappa Project をアメリカでよく一緒にやったからね。

Q6: Devin appeared as Steve Vai’s voice. And of course, Steve and you played with Frank Zappa. Also, I remember “Zappa’s Universe”. I mean, definitely there is a legacy or bloodline in “Empath”, do you agree that?

【MORGAN】: Yes, the Zappa connection is there through Keneally, and with Devin through Vai, although Devin was never into Zappa very much.
He has the respect off course, be he never entered the world of Zappa’s music very much.

Q6: Zappa と言えば、Devin を見出したのは Zappa が見出した Steve Vai でしたし、そしてあなたと Mike Keneally。”Empath” には Zeppa の系譜が紡がれているようにも思えます。

【MORGAN】: うん、確かに Zappa コネクションがこの作品には生きているね。Keneally, Steve, Devin。ただし、Devin はそこまで Zappa の音楽に入れ込んだことはないんだけどね。
もちろん、彼も敬意は持っているんだけど、ただ Zappa の音楽世界に入り込んだことはないみたいなんだ。

Q7: In “Empath”, Samus Paulicelli and Anup Sastry also played drums. It seems sometimes you three played in the same songs, but how did you share drum parts and songs?

【MORGAN】: Devin gave us the sections that he thought would be best for all of us, since we play different styles. Sometime those sections were inside one song, so you would hear me for 90 seconds, Samus for 80 seconds, and Anup for 75 seconds or something like that.

Q7: “Empath” では、あなたの他にも Samus Paulicelli と Anup Sastry がドラムをプレイしています。時には同じ楽曲の中で、3人が起用されていたりしますよね?

【MORGAN】: Devin は彼が僕たち全員にとってベストだと思ったパートを割り振ったんだ。というのも、3人はかなり異なるスタイルを持っているからね。
だから時には同じ楽曲の中でもセクション毎に違うドラマーがプレイしていたりするんだ。例えば、僕が90秒、Samus が80秒、Anup が75秒といった感じにね。

Q8: “Sol Niger Within”of Fredrik Thordendal’s Special Defects was released in 1997, but still has lot’s of frenetic fans. Looking back now, what’s the record to you? And Fredrik seems to making new solo record. Are you involved in his new journey?

【MORGAN】: Yes, this album reach crazy many people. Tosin Abasi of Animals As Leaders told me that this record almost started a musical genre..
This thing called ”Djent”. I wasn’t even aware of that. I knew that many people loved the CD but I didn’t know it started something. I know that people in TOOL, Metallica, Rush etc have mentioned this album as a favorite underground album of some kind. It’s great!
Fredrik is working on a new album finally, and I have recorded tons of stuff for him there too, mainly improvised parts.

Q8: あなたも参加し1997年にリリースされた Fredrik Thordendal’s Special Defects の “Sol Niger Within” は今でも熱心なファンを生んでいます。Fredrik は現在ソロアルバムを制作中の様ですが…?

【MORGAN】: うん、あのアルバムは驚くほど多くの人にリーチしているよね。Tosin Abasi は僕に、このレコードこそほとんどジャンルの始まりだったと言えるなんて話していたけどね。
そのジャンルは “Djent”。僕は Djent に気づいてすらいなかったんだ。多くの人があの CD を愛していることは知っていたんだけど、何かの出発点となっていたなんて知らなかったんだよ。それに、TOOL, METALLICA, RUSH といったビッグバンドのメンバーさえ、大好きなアンダーグラウンドアルバムだと言っているんだからね。素晴らしいよ!
そして、うん、Fredrik は遂に新作へと着手しているよ。実は、僕は彼のその作品のためにすでに沢山のマテリアルをレコーディングしているんだ。主にインプロビゼーションのパートだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED MORGAN’S LIFE

ALLAN HOLDSWORTH “ROAD GAMES”

Heard this album when I was around 15 years old, and this music changed my life. I just loved all of it, the chords, the melodies, the playing all of it.

RETURN TO FOREVER “ROMANTIC WARRIOR”

U.K. “U.K.”

BRUFORD “ONE OF A KIND”

FRANK ZAPPA “IN NEW YORK”

All these albums talked to me so hard. It was like a place where I wanted to be, spiritually speaking in a way. I am very grateful that I found all this music so early too..

MESSAGE FOR JAPAN

Well, I hope to be back. I am always in contact with Akiko at Disk Union (who released my solo album Batterie Deluxe).
I have some plans for Japan, new releases, gigs etc. I love to play there. First time I played in Japan was with Glenn Hughes (of Deep Purple).Toured Japan with him in 1996.

日本に戻りたいよ。ソロアルバムをリリースしてくれた Disk Union の Akiko とはずっとコンタクトを取っているんだ。
だから、日本に向けたプランはいくつか存在するよ。新作やライブなんかのね。日本でプレイするのは大好きなんだ。最初に行ったのは、1996年、Glenn Hughes とだったね。

MORGAN ÅGREN

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INSIDE OUT MUSIC

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LEE MCKINNEY (BORN OF OSIRIS) : INFINITE MIND】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LEE MCKINNEY FROM BORN OF OSIRIS !!

“I Love Metal Just Like The Rest Of Us, But It’s SUCH a Shame When I See “Metal Heads” Talk Shit On Things That Aren’t Metal Or a Band Changing Their Sound. How Sad Of a World It Must Be To Only Love ONE Style Of Music.

DISC REVIEW “INFINITE MIND”

「全てはシカゴの小さなシーンから始まったんだ。僕たちは本当に才能とインスピレーションに溢れたミュージシャン、グループに囲まれていただけなんだよ。僕は MESHUGGAH さえ聴いていなかったんだから。僕が聴いていたのは友人の VEIL OF MAYA と AFTER THE BURIAL だったんだ。」
例えば VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse” が、例えば AFTER THE BURIAL の “Rareform” が、そして例えば BORN OF OSIRIS の “The New Reign” が、後のプログレッシブデスコア/メタルコア、Djent シーンに与えた影響は計り知れないものがあります。
シカゴ周辺に兆したプログレッシブでポリリズミックなグルーヴの胎動。中でも、オリエンタルなテーマと荘厳なシンセサウンドを背景に紡がれる BORN OF OSIRIS のドラマティックな宇宙観は、新時代の神秘と野心に満ちていました。
BORN OF OSIRIS のギタリスト Lee McKinney は、一時期バンドに参加していた Jason Richardson や Tosin Abasi ほどの英名や声価を得ている訳ではないのかも知れません。しかし遂に完成を見たソロデビュー作 “Infinite Mind” で、Lee に備わった多彩なエモーショナルジャーニー、シュレッドロマンが証明されるはずです。
実際、メインストリームのロックフィールドへと接近した IN MOTIVE の結成を皮切りに、Lee はここ数年 “クリエイティブモード” の最中にあります。BORN OF OSIRIS では、初期の鼓動と傑作 “The Discovery” 以降培った多様性を周到にミックスした最新作 “The Simulation” を1月にリリースし、さらにその仮想現実へと警鐘を鳴らすビッグテーマを引継いだ作品が今年中に完成予定。そして3月にはソロレコード “Infinite Mind” が到着。
実は、Lee のその旺盛な創作意欲は以前のハードなツアー生活がもたらした “不安感” に対処するある種のセラピーで、薬物中毒から抜け出す平穏への道こそ “Infinite Mind” のテーマとなりました。
「僕はあらゆるジャンルを取り入れたいのさ。なぜかって? 僕はジャンルの意味さえ見出せないんだよ。ジャンルの役割って、リスナーが中にとどまるための箱を提供することだけだと思うからね。」
BORN OF OSIRIS で否が応にも期待されるメタルコア/デスコアサウンドは、Lee のカラフルな音の絵の具の一色にしか過ぎません。オープナー “Clock Without A Craftsmen” を聴けば、Lee のシグニチャーサウンドであるシンメトリーな旋律に悠久のサクスフォンが溶け合って、有機と無機の絶妙なバランスを描き出していることに気づくでしょう。
実際、サクスフォンが醸し出す官能の音色は、”Rising Tide” や “A Neverending Explosion” においてもアンビエントなサウンドスケープを創出し、メカニカルメタリックなパレットの中でダイナミズムのダンスを踊ります。
ジャズやアンビエントの絵の具以外にも、”The Sun and The Wind” ではトレンドでもある Fu-djent のイメージを追求し難解なリズムをキャッチーに因数分解し、”Astrolabe” ではエスニックでクラシカルな描写が情緒の陰影をより色濃く時の回廊へと刻みます。
「一つの音楽スタイルしか愛せない世界なんて間違いなく悲しいじゃないか!」
Lee の率直な叫びは平穏を実現するアルバムクローサー “Infinite Mind” “制限のない心” へと収束して行きます。カントリーをも想起させるオールドスタイルのリックを芽生えとして、近未来感溢れるシンセサイザーとギターの狂想曲へと展開する楽曲で Lee が提示したのは、ジャンルも時間も超越したまさに無限の可能性でした。
今回弊誌では、Lee Mckinney にインタビューを行うことが出来ました。「”メタルヘッズ” を自称する野郎が、これはメタルじゃないとか、メタルじゃなくなったなんてクソみたいな批判をしているのを見ると、本当に残念すぎるって感じるね。」どうぞ!!

LEE MCKINNEY “INFINITE MIND” : 9.9/10

INTERVIEW WITH LEE MCKINNEY

Q1: First of all, I’m sorry to hear your equipment had been robbed. I’m just glad no one was harmed, but the intruders did leave a knife behind, it was so scary situation, right?

【LEE】: It was 100% an eye opening situation. The scariest part is that who knows what could have happened if my wife was home. I lost a lot of equipment. In the end it’s important to realize nobody got hurt and material things can be replaced.

Q1: 自宅で機材が盗難にあったそうですね?お怪我がなくて何よりでしたが、犯人はナイフを置き忘れて去ったそうで恐ろしい状況でしたね…

【LEE】: 完全に目を丸くするような状況だったね。もし妻が家にいたらと思うと本当にゾッとするよ。多くの機材を失ったよ。
だけど最終的に、誰も傷つかなかったことが重要だとわかったよ。そういった機材は換えが効くからね。

Q2: Your partner, Kiesel Guitars seemed to be very supportive at that time. Actually, as your new headless 7-strings series shows, they have been around for 70 years but the instruments they now produce are far from retro, I feel. What do you like about the guitar brand?

【LEE】: Kiesel often says “come join the family.” That’s not a punch line or a quote, it’s how they operate. Jeff Kiesel and his family are my family and he immediately had my back after the robbery to help me get serial numbers, see if I needed any immediate replacements, etc. Aside from being a one of a kind human, he is at the top of the game when it comes to making guitars. His DRIVE is fascinating. He has an incredible product, but every day he walks in to work and tries to think of ways to improve it. While other companies that are successful operate on an “if it’s not broke don’t fix it mindset,” he is making his product better every year. I think that says a lot. You can see companies now starting to steal his ideas left and right.

Q2: その機材の盗難に際して、あなたが提携している Kiesel ギターから非常に献身的なサポートがあったそうですね?
あなたの新しいシグニチャーモデルは7弦のヘッドレスですし、70年の歴史を持ちながら実に先進的なブランドだと感じます。

【LEE】: Kiesel はよく “家族になろう” と言うんだ。これは決してパンチラインとか引用じゃなくて、それが彼らの姿勢なんだよ。Jeff Kiesel と彼の家族は僕の家族だと言えるし、実際彼は盗難にあった後、すぐにそのギターのシリアルナンバーを確認したり、代替の機材を用意しようとして僕を守ってくれたんだよ。
もちろん彼は、とにかく親切な人物と言うだけじゃなく、ギター制作においてトップの一人だよ。彼のドライブは魅力的だ。驚異的な製品を持っているのに、毎日仕事に励み改良する方法を考え続けているね。
他のギター会社が “壊れていないならそのままでいい” という心持ちでいる中、彼は毎年毎年製品を改良しているんだよ。他の会社が四方八方で彼のアイデアを盗み始めているのも分かるよね。

Q3: Born of Osiris released “The Simulation” in January. And here is your solo record “Infinite Mind”, and it seems Born of Osiris will release another record in this year, right? What inspired you to be into such a “Creative mode”?

【LEE】: I’ve been in this mode for a few years now. I basically work in my studio 9am-5pm 5 days a week. I treat it like a job and something I need to hold myself accountable to. That being said, writing music is my favorite part of playing guitar or being in a band. If I didn’t love it and treated it like a job then that intense studio schedule wouldn’t be beneficial. Since I love it, I’ve not only done what you listed but also have been writing for my rock band IN MOTIVE as well as doing music for Ash Avildsen’s shows and movies.

Q3: BORN OF OSIRIS は1月に “The Simulation” をリリースしたばかりですが、あなたのソロアルバム “Infinite Mind” も届きました。さらに BORN OF OSIRIS は今年もう一枚新譜をリリースするそうですね?
間違いなくあなたは “クリエイティブモード” に入っていますね?

【LEE】: 僕は数年前からこの “クリエイティブモード” に入っているんだ。僕は基本的に自分のスタジオで週に5日、9時から5時まで仕事をしているんだ。つまり創作を仕事のように扱って責任を持たせているんだよ。
とは言え、創作はギターを弾いたり、バンドをやる中で大好きな部分なんだ。だから創作が嫌いで仕事のように扱ったとしたら、こんな張り詰めたスケジュールでは有益な成果は出ないだろうね。
創作を愛しているからこそ、君が挙げた作品以外にも僕のロックバンド IN MOTIVE, それに Ash Avildsen のショウや映画音楽までやれるんだよ。

Q4: When I listen to “Infinite Mind”, I feel it’s more free, more diverse compared with Born of Osiris record. I mean, jazz, ambient and even country like lick are there. Do you think you can “experiment” and find a lot of “space” to breath in your solo project?

【LEE】: Absolutely. With Born of Osiris you have these expectations of the bands sound being rooted in heavy metal. With this, there were no expectations. Being the only person responsible for creating it means you can ultimately do what you want and the only one that can prosper or suffer is you in that sense. I decided it was going to be honest. Everything I ever make in my solo career is going to be all over the place. I want to incorporate all genres. Why not? I don’t even see the point of genres. I think all they do is provide boxes for people to stay inside of.

Q4: “Infinite Mind” は、BORN OF OSIRIS の音楽に比べてより自由で多様な作品だと感じました。ジャズやアンビエント、クラッシック、それにカントリー的なリックまで登場しますね。
言い換えれば、ソロプロジェクトでは BORN OF OSIRIS よりも多くの “スペース” を活用出来ているようにも思えます。

【LEE】: 間違いないね。BORN OF OSIRIS では、メタルをルーツとしたサウンドを期待されるよね。一方でソロプロジェクトでは、そういった先入観が全くないんだよ。
創作の責任を負うのが僕一人であるということは、僕がやりたいことを究極に追求出来るということ。同時に、成功も苦しみも味わうのは自分だけなんだ。だから正直な作品を作ろうと決めたんだ。
ソロキャリアの中で僕が今までに作った全ては、実に拡散しているよ。つまり僕はあらゆるジャンルを取り入れたいのさ。なぜかって? 僕はジャンルの意味さえ見出せないんだよ。ジャンルの役割って、リスナーが中にとどまるための箱を提供することだけだと思うからね。

Q5: Touring life is very hard both physically and mentally. How to cope with that “anxiety” seemed to be big theme of “Infinite Mind”. Do you think making this record is kind of “therapy” for you?

【LEE】: Writing music is 100% therapy. I was prescribed and addicted to Xanax for the longest time for anxiety. It just turned my brain off. Maybe I wanted it at the time but in hindsight it’s horrifying. I’ve learned to use anxiety as a pawn in MY game instead of some imaginary opponents game. My brain is constantly going and thinking of every possibility here and there and while that can be stressful in day to day life, it’s a beautiful thing in the studio. I wouldn’t change a thing at this point. Realizing anxiety in evolutionary terms is your body’s “fight of flight” response and seeing that it’s a positive evolutionary trait made me come to terms with it. Then bringing it on my team and embracing it in the studio finally helped put it to rest for me. I live with it now and I’m OK with feeling it.

Q5: 精神的にも、肉体的にもハードなツアー生活によって生まれた “不安感”。それこそが “Infinite Mind” のビッグテーマのようですね?この作品の制作が、ある意味セラピーにもなったのではないですか?

【LEE】: 音楽を書くことは100%セラピーだよ。僕は不安感に苛まれて Xanax (抗不安剤) を処方され、長い間中毒になっていたんだよ。あの薬は僕の脳をオフ状態にするだけなんだけどね。当時は薬を渇望していたけど、今となっては恐ろしいことだよね。
僕はね、不安感を架空の対戦相手としてではなく、自分のポーン (歩兵) として上手く使うことを学んだんだよ。僕の頭脳は絶えず行き来していて、あちこちであらゆる可能性を考えているよ。(Infinite Mind) そしてそれは日々の生活においてはストレスになるかもしれないけど、スタジオでは素晴らしいことなんだ。だから現時点では変わらないことにしたんだよ。
つまりね、不安感という言葉を進化させて、体の闘争/逃走反応 (ストレスのかかる事態に対処するための自律神経系の働き) と受け止めたんだ。ポジティブな意味で捉えることで、不安感に慣れることが出来たんだ。そうしてついに休息を感じることが出来た。
僕は今不安感と一緒に暮らしていて、でももうそれを感じても大丈夫なんだ。

Q6: Instrumental guitar record is kind of “dream” for all guitar players. So, is there any Instrumental guitar record you referred to, when you making “Infinite Mind”?

【LEE】: Growing up it was Eric Johnson’s ‘Ah Via Musicom,’ Satriani’s ‘Surfing With the Alien,’ Vai’s ‘Passion and Warfare,’ and basically anything from Ozzy Osbourne’s catalogue. Randy Rhodes was everything to me. Those records showed me that I NEEDED to play guitar and that eventually I’d have my own album. These days I’ve been enjoying a lot of my friends albums. Aaron Marshall (Intervals), Plini, David Maxim Micic, Sithu Aye, Animals as Leaders, Javier (Mestis), etc. I’m absolutely surrounded with talented friends and acquaintances in the music industry. It’s so inspiring. Now I should say – I didn’t REFER to their records when making mine, but I’m sure all of the above guitar players and albums helped shape my mind and playing into what it is today.

Q6: ギタリストにとって、インストゥルメンタルのソロレコードは夢の一つだと思います。”Infinite Mind” を制作するにあたり、目標としたインストゥルメンタルの作品はありましたか?

【LEE】: 僕は Eric Johnson の “Ah Via Musicom”、Joe Satriani の “Surfing With the Alien”、Steve Vai の “Passion and Warfare” なんかを聴いて育ったんだ。それに Ozzy Osbourne のカタログなら何でもね。Randy Rhodes は僕の全てだったんだ。そしてそういったレコードたちが僕にギターをプレイしろと働きかけ、遂には自分のソロアルバムを制作することが出来たんだ。
最近は主に友人たちのアルバムを楽しんでいるよ。INTERVALS, PLINI, David Maxim Micic, Sithu Aye, ANIMALS AS LEADERS, MESTIS なんかをね。本当に僕は才能のある友人や知り合いに囲まれていると思うよ。とてもインスパイアされるね。
ただ一つ言って置きたいのは、誰かの作品を参考にして “Infinite Mind” を制作した訳じゃないんだ。とはいえ、先程挙げたギタリストとアルバムたちが今日の僕を作り上げたのは確かなんだけどね。

Q7: In 2017, Born of Osiris re-recorded debut EP “The New Reign”. Definitely, it becomes standard for progressive metal/deathcore and djent thing. I mean, lot’s of flesh bands doesn’t exist without that record. Looking back now, how did you open the door to new era of metal at that time?

【LEE】: I think it was just being stuck in our own little bubble in Chicago. We were playing shows with After the Burial and Veil of Maya before Sumerian Records had even found out about any of us. Like I said in that last question, we were just surrounded with talent and inspiring musicians and groups. I wasn’t listening to Meshuggah. I was listening to my friends in Veil of Maya and After the Burial. We were all feeding off of each other. As a matter of fact, Marc Okubo (VoM) showed me Meshuggah in my late teens and was blown away when he found out we had never heard of them. I’m sure glad he showed me though!

Q7: 2017年に BORN OF OSIRIS はデビュー EP “The New Reign” を再録しましたね。間違いなくプログデスコア/Djent の雛形となった作品ですし、あのレコードがなければ存在していないバンドもいるはずです。
メタルにとって新たな時代はどのようにもたらされたのか、振り返っていただけますか?

【LEE】: 何というか、シカゴの小さなシーンで生み出されたと言えるかも知れないね。Sumerian Records がまだ僕たちの誰をも見つけていないうちから、AFTER THE BURIAL, VEIL OF MAYA とショウを行なっていたんだから。つまりさっきの質問でも言ったけど、僕たちは本当に才能とインスピレーションに溢れたミュージシャン、グループに囲まれていただけなんだ。
僕は MESHUGGAH さえ聴いていなかったんだよ。僕が聴いていたのは友人の VEIL OF MAYA と AFTER THE BURIAL だったんだ。つまりお互いを情報源として活用していた訳さ。
実際、VEIL OF MAYA の Marc Okubo が僕の10代後半に MESHUGGAH を聴かせてくれたんだけど、彼は僕たちがあのバンドを聴いたことがなかったことにとても驚いていたよ。僕は教えてくれて嬉しかったけどね!

Q8: Regarding metalcore/djent scene, I think kind of a “Rule” like riffage, growl, and breakdown have born in this ten years. And bands like Bring Me The Horizon breaks that rule and becomes more eclectic or more catchy. Of course, there are pros and cons to their way. What’s your perspective about the metalcore manner?

【LEE】: I think BMTH is doing what they WANT to do and in turn that’s something they NEED to do. I actually never listened to them as a metalcore band. I know their last three records and I dig them all and I like their differences. As someone who clearly listens to and supports all genres, I think it’s cool what they’re doing. I love metal just like the rest of us, but It’s SUCH a shame when I see “metal heads” talk shit on things that aren’t metal or a band changing their sound. How sad of a world it must be to only love ONE style of music.

Q8: ここ10年で、メタルコア/Djent シーンには、リフ、グロウル、ブレイクダウンなどある種のルールが確立されたように感じます。
BRING ME THE HORIZON のようなバンドは、そういったルールを破壊して、よりエクレクティックでキャッチーな方向性を打ち出していますね?

【LEE】: BRING ME THE HORIZON は彼らがやりたいことをやっていて、裏を返せば彼らがそうする必要があったということだろうね。実際、僕は彼らをメタルコアバンドとして聴いたことは一度もないんだよ。彼らの最近の3枚は知っているし、全て気に入っていてそれぞれの違いも面白いと思っているんだ。
様々なジャンルを聴いてサポートしてくれる人がいれば、僕はクールだと思うよ。僕だって他のメンバーと同じくらいメタルを愛しているんだ。だけどね、”メタルヘッズ” を自称する野郎が、これはメタルじゃないとか、メタルじゃなくなったなんてクソみたいな批判をしているのを見ると、本当に残念すぎるって感じるね。一つの音楽スタイルしか愛せない世界なんて間違いなく悲しいじゃないか!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED LEE’S LIFE

KARNIVOOL “SOUND AWAKE” (Favorite album of all time)

NECROPHAGIST “EPITAPH”

SIKTH “DEATH OF A DEAD DAY”

OZZY OSBOURNE “TRIBUTE”

PANTERA “COWBOYS FROM HELL”

MESSAGE FOR JAPAN

We’re REALLY hoping to come back as soon as possible. We love Japan. As soon as we get the offer, we’ll be back. Can’t wait!

本当に出来るだけ早く、日本に戻りたいと望んでいるよ。日本が大好きなんだ。オファーをもらえれば、すぐにでも飛んでいくよ。待ちきれないね!

LEE MCKINNEY

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SNARKY PUPPY : IMMIGRANCE】JAPAN TOUR 2019 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL LEAGUE OF SNARKY PUPPY !!

“Traveling So Much Really Reminds You How We Are All Immigrants In a Certain Kind Of Way, Whether It’s About Our History, Our Ancestry, Or The Customs And Cultural Elements We’ve Borrowed From Other Parts Of The World.”

DISC REVIEW “IMMIGRANCE”

「一つのジャンルに向けてのみ演奏をしたくないんだ。全てのジャンルのオーディエンスに訴求したいよ。だから本当に様々な音楽ジャンルのファンが僕たちの音楽を楽しんでくれているという事実は、進化を続け異なる方向を打ち出す僕たちを強く勇気づけてくれるんだ。」
耽溺のジャジストはもちろん、THE MAHAVISHNU ORCHESTRA, RETURN TO FOREVER を崇拝するフュージョンマニアックス、SLAYER, Biggie, さらにはフォークミュージックの粋人まで、多種多様な音の眷属が集結する SNARKY PUPPY のライブはさながら “Immigrance” のサウンドキャラバンです。
「世界中で僕たちのオーディエンスの中に多様性を見つけることは実に美しいね。こうやって僕らのように旅を重ねていると、自分たち全員がある種の “移民” であることを思い起こすんだよ。」
グラミー賞を3度獲得したグルーヴオーケストラ SNARKY PUPPY。その多様でボーダレスな “移民” の創造性は、ベーシストでマスターマインド Michael League の数奇なる旅路に起因しています。
ハイスクール時代、ギタープレイヤーとして LED ZEPPELIN, CREAM, PEARL JAM, SOUNDGARDEN のカバーに勤しみグルーヴの鼓動を刻んだ Michael は、STEELY DAN の “Alive in America” によってロックとファンク、そしてジャズの悪魔合体に開眼することとなりました。
ノーステキサス大学でベースに持ち替えジャズを学びつつ SNARKY PUPPY を結成した Michael は、Erykah Badu に見出されヒップホップ、R&B、さらにはゴスペルをも咀嚼し、遂にはその興味の矛先を世界の伝統音楽にまで向けながら、その全てを自らのグルーヴコレクティブへと注ぎ込んでいるのです。
グラミーを獲得した前作 “Culcha Vulcha” で頂点に達したポリリズムとエスニックの複雑な探求。”Immigrance” では Michael が鼓動のベースとするロックとファンクにも再び焦点を当てて、流動する “移民” の羈旅をよりエクレクティックに噛み砕いて体現することとなりました。
例えばオープナー “Chonks” ではシンプルなヘヴィーグルーヴをベースに圧倒的なアンサンブルでファンカデリックな空間を演出し、よりメカニカルな “Bad Kids to the Back” では TRIBAL TECH にも似た骨太なジャズロックのインテンスを見せつけます。
そうして、全面参加を果たした2人のギターマエストロ Bob Lanzetti, Chris McQueen が一層輝きを増しながら、ジャズ領域の外側へと大胆な移住を促進したのは David Crosby との出会いも大きく作用したはずです。事実、Michael は自身が歌ってギターも奏でるソロ作品のリリースを予定しているのですから。
「確かに “Immigrance” ではいくつかの異なる伝統音楽から影響を受けているね。そうして時を経るごとに、その影響はレコード毎に大きくなっていっているよ。」
一方で、モロッコのグナワを基盤としたエスノビートとポリリズムが鮮やかに溶け合う “Xavi’ では SNARKY PUPPY の先鋭性を遺憾無く味わうことが出来るでしょう。西アフリカのトライバルミュージックとブルースを融合させた BOKANTE の立ち上げが示すように Michael の特に中東~アフリカ地域に対する音の探究心は並々ならぬものがありますね。
3人のドラマーと3人のパーカッション奏者を抱える SNARKY PUPPY にとって根幹はやはりグルーヴです。そして、”Even Us” にも言えますが、日本人パーカッショニスト 小川慶太氏の美技を伴ったトライバルビートは、SNARKY PUPPY が有する移民の多様性と華麗に調和しながら瑞々しいジャンルのポリフォニーを実現していきます。
“Immigrance” に伴うワールドツアーはここ日本から始まります。作品の多くがライブレコーディングである SNARKY PUPPY にとって当然ライブこそが本領発揮の場です。ただし、”Immigrance” はスタジオで録音されたレコード。故に、バンド本来の躍動感に、思索や計画性が伴って実に奥深い多次元のリスニング体験をもたらすこととなりました。
今回弊誌では、Michael League に2度目のインタビューを行うことが出来ました。「歴史がどうであれ、祖先がどうであれ、習慣や文化がどうであれ、僕たちは世界のほかの場所から何かしらを “借りて” 生きているんだからね。」鍵盤奏者 Bill Laurance が奏でる虹の音色にも注目。どうぞ!!

SNARKY PUPPY “IMMIGRANCE” : 10/10

INTERVIEW WITH MICHAEL LEAGUE

Q1: “Immigrance” World Tour will start from Japan! How do you feel now? What are you most looking forward to about returning to our country Japan?

【MICHAEL】: I was actually in Japan just a few weeks ago, enjoying Nagasaki, Kyoto, and Kobe. It’s one of my favorite countries in the world- so different from my own- and the band has so much fun playing here. The hospitality is incredible, the food and people are wonderful, and the audiences know so much about music. It’s the perfect place to start a 7-month tour!

Q1: 遂に最新作 “Immigrance” のワールドツアーがここ日本から始まりますね?

【MICHAEL】: 実は何週間か前に僕は日本にいたんだ。長崎、京都、神戸を回って観光を楽しんでいたんだよ。世界中で大好きな国の一つなんだ。僕の母国アメリカとは非常に異なっているね。もちろん、僕のバンドも日本でプレイするのをとても楽しんでいるよ。
ホスピタリティーは驚異的だし、食事も人々も素晴らしいね。何より、オーディエンスが本当に良く音楽を知っているよ。7ヶ月のツアーを始めるのに完璧な場所だよね。

Q2: Speaking of Japan, Snarky Puppy includes Japanese percussionist Keita Ogawa. How did you find his talent and what made you invite him to Snarky Puppy?

【MICHAEL】: I was introduced to Keita Ogawa by the great percussionist Jamey Haddad (Paul Simon), whom I had hired for a recording session I was producing in Cleveland. Jamey convinced me to let him record on the album, and I was blown away by his talent. When I moved to New York in 2009, he was one of the first people I called. I thought he could really bring a different thing to our music (especially since he spent time in Brazil studying percussion there), so I invited him to be a part of our album GroundUP. He’s been in the band ever since.

Q2: 日本と言えば、SNARKY PUPPY には日本人パーカッショニスト、小川慶太さんが所属していますね。

【MICHAEL】: 慶太を紹介してくれたのは、Paul Simon との共演などで知られる素晴らしいパーカッショニスト Jamey Haddad だったんだ。クリーブランドのレコーディングセッションで Jamey を雇っていたんだけど、彼は慶太をぜひアルバムで起用するべきだと勧めてくれたんだ。そうして僕は彼の才能に衝撃を受けたのさ。
2009年に僕がニューヨークに引っ越して、まず最初に声をかけた人物の一人が慶太だったね。僕は彼こそが、僕たちの音楽に異なる表情をもたらしてくれる人物だと思っているんだよ。なぜなら、彼はブラジルでパーカッション学んでいるからね。
だからこそ “Ground Up” に参加してもらったし、それからずっとバンドのメンバーなんだ。

Q3: Regarding tour, from Slayer, Biggie to Mahavishnu Orchestra or Return to Forever, you seem to have very diverse audiences, right? What’s your perspective about that “Chaotic” situation?

【MICHAEL】: I love it. I don’t want to play for one kind of person, I want to play for every kind. And the fact that so many different kinds of music fans enjoy our music encourages us to continue moving in different directions.

Q3: 長期のツアーが始まりますが、SNARKY PUPPY のオーディエンスは SLAYER, The Notorious B.I.G から THE MAHAVISHNU ORCHESTRA, RETURN TO FOREVER のファンまで様々である種カオティックな状況だそうですね?

【MICHAEL】: 僕はその状況をとても気に入っているよ。僕は一つのジャンルに向けてのみ演奏をしたくないんだ。全てのジャンルのオーディエンスに訴求したいよ。
だから本当に様々な音楽ジャンルのファンが僕たちの音楽を楽しんでくれているという事実は、進化を続け異なる方向を打ち出す僕たちを強く勇気づけてくれるんだ。

Q4: I mean, your wide audience is kind of “Immigrance”, and kind of symbol of your musical diversity and fluidity. So, I think “Immigrance” fits perfectly for the title of new record, do you agree that?

【MICHAEL】: Yes. It’s a beautiful thing to see so much diversity in our audiences around the world. And traveling so much really reminds you how we are all immigrants in a certain kind of way, whether it’s about our history, our ancestry, or the customs and cultural elements we’ve borrowed from other parts of the world.

Q4: 最新作のタイトル “Immigrance” はそういったオーディエンスの状況が示すように、バンドの多様性や流動性の象徴にも思えます。

【MICHAEL】: そうだね。世界中で僕たちのオーディエンスの中に多様性を見つけることは実に美しいね。こうやって僕らのように旅を重ねていると、自分たち全員がある種の “移民” であることを思い起こすんだよ。
つまりね、歴史がどうであれ、祖先がどうであれ、習慣や文化がどうであれ、僕たちは世界の他の場所から何かしらを “借りて” 生きているんだからね。

Q5: At 19 members, from all over the United States, as well as Argentina, Canada and Japan, and instruments from even Egypt and Morocco. It’s kind of musical “Caravan”, and it also reminds me the word “Immigrance”. Man, actually Snarky Puppy use a lot of musicians and instruments. Of course, it’s kind of “Financial Suicide”, haha but what made you do so?

【MICHAEL】: I’ve always heard my own music in a big, multi-textured way. It’s difficult for me to write for small ensembles. When I formed Snarky Puppy, I wasn’t thinking about the future, finances, or logistics. I was only thinking about the sound in my head.

Q5: SNARKY PUPPY はアメリカ、カナダ、アルゼンチン、日本などから集まった19人のメンバーで構成されています。さながら音楽のキャラバンで、ここにも “Immigrance” を想起させる要素がありますね?
それにしても、これだけのメンバーを集めれば経済的には厳しくなると思うのですが?

【MICHAEL】: 僕はいつも自分の音楽を大きく、マルチなテクスチャーで眺めているんだ。逆に言えば、小さなアンサンブルのために楽曲を書くことは難しいんだよ。
SNARKY PUPPY を立ち上げた時、僕はバンドの未来、財政、経営戦略なんて考えていなかったんだ。ただ頭の中にあるサウンドのことしか考えていなかったんだよ。

Q6: I think most of Grammy winners become more commercial after the award. Because they gather attention from many more people. But listening to “Immigrance”, definitely you become more ambitious and experimental, right? What was your challenge in this new record?

【MICHAEL】: I feel that winning Grammy awards has done the opposite for us- it gives us the confidence to really experiment with new things. We have never chased success as a goal, only musical growth and evolution. Our challenge with Immigrance, and with every record, was to explore new possibilities in a way that feels genuine and confident.

Q6: グラミー受賞者が、注目を集めた受賞後によりコマーシャルな方向へ進むことは良くありますよね。
SNARKY PUPPY はそうしたアーティストとは異なり、実に野心的な “Immigrance” をリリースしました。

【MICHAEL】: グラミー賞は確かに僕たちにとってそうしたアーティストとは逆の効果を生んだよね。つまり、受賞することで新しい真の実験へと踏み出す自信を得たんだよ。
僕たちが成功をゴールとしたことは一度もないんだ。音楽的な成長と進化こそが唯一のゴールなんだよ。”Immigrance” で挑戦したのは、他のレコードでもそうなんだけど、偽りなく自信に満ちた新たな可能性を探求することだったね。

Q7: In “Culcha Vulcha”, ethnic music and traditional world music was key of the record, I feel. It seems you mixed these aspects with jazz/fusion, funk sound more deeply in “Immigrance”, right? Are you interested in taking Japanese traditional music?

【MICHAEL】: As with all of our albums, we have a lot of influence from different musical traditions on Immigrance. I think that as time goes on, each record is showing this influence more. I spent quite a lot of time studying Turkish and Moroccan music before composing for this album, and I think that comes through in Bigly Strictness (at the end), Even Us, and Xavi. I’m definitely interested in learning more about Japanese folkloric music, which I hope I’ll have the time to study in the future.

Q7: 前作 “Culcha Vulcha” では一つエスニック/ワールドミュージックがキーワードだったように思います。
最新作では、そのキーワードとジャズ/フュージョン、そしてファンクとの配合がより深く根付いたように感じられました。

【MICHAEL】: 他の全てのアルバムにも言えるんだけど、確かに “Immigrance” ではいくつかの異なる伝統音楽から影響を受けているね。そうして時を経るごとに、その影響はレコード毎に大きくなっていっているよ。
このアルバムに取り掛かる前に、僕はトルコとモロッコの伝統音楽を学ぶために多くの時間を費やしたんだ。そしてその影響は “Bigly Strictness” のファイナルセクション、”Even Us”, “Xavi” に色濃く出ていると思うよ。
それに僕は間違いなく日本の伝統音楽をより深く学びたいと思っているんだ。将来的にそのための時間が取れたらいいね。

Q8: So, you’ve collaborated with lot’s of great artists like Jacob Collier, Lalah Hathaway. Also, I remember GroundUP music festival. So, who are you interested in approaching to make music with someday?

【MICHAEL】: There are loads of artists I’d love to work with, but the circumstances have to be right. There has to be a concept that makes sense, and we both have to benefit equally from the collaboration. That’s a big part of why we started the GroundUP Music Festival in Miami – to associate and create community with the artists we love without forcing musical scenarios upon them. We just get to hang out and listen to each other on the beach for three days.

Q8: Jacob Collier, Lalah Hathaway など、SNARKY PUPPY はコラボレートするアーティストの選択も抜群です。GroundUP Music Festival も立ち上げましたね?

【MICHAEL】: これからコラボレートしたいアーティストも本当に沢山いるんだよ。ただし全ての環境が整わないとね。意味を成すコンセプトがなければならないし、お互い平等に貢献出来るコラボレーションであるべきなんだよ。
そしてそれこそが、僕たちがマイアミで “GroundUP Music Festival” を立ち上げた理由でもあるんだ。賛同し合えるアーティストとコミュニティーを作るためにね。僕たちの愛するアーティストたちに音楽のシナリオを強制しないようなコミュニティーだよ。ただ3日間彼らとツルんで、ビーチでお互いの音楽を聴き合うのさ。

MICHAEL’S RECENT FIVE FAVORITE ALBUMS

BILL LAURANCE “CABLES”

JUSTIN STANTON “SECRET PLACE”

CHRIS BULLOCK “BOOMTOWN”

BANDA MAGDA “TIGRE”

CHRIS POTTER “CIRCUITS”

MESSAGE FOR JAPAN

We’re so excited to play for our friends in the Tokyo area and also to play in Osaka for the very first time!

東京の友人たちのためにプレイ出来て興奮しているよ!それに大阪は初めてのショウなんだ!待ちきれないね!

MICHAEL LEAGUE

SNARKY PUPPY “World Tour 2019”
2019年4月11日(木) 梅田クラブクアトロ 開場:18:30 / 開演:19:30
2019年4月12日(金) 川崎・クラブチッタ 開場:18:30 / 開演:19:30

来日メンバー
マイケル・リーグ(ベース、キーボード)
ジャスティン・スタントン(トランペット、キーボード)
マイク “Maz” マーハー(トランペット、フリューゲルホーン)
クリス・ブロック(サックス)
ショーン・マーティン(キーボード)
ボビー・スパークス(キーボード、オルガン)
ボブ・ランゼッティ(ギター)
ジェイソン “JT” トーマス(ドラムス)
小川慶太(パーカッション)

来日公演の詳細はこちら UNIVERSAL MUSIC
SNARKY PUPPY Facebook Page
SNARKY PUPPY Official Site
GROUNDUP MUSIC Official Site

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【OLA ENGLUND : MASTER OF THE UNIVERSE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH OLA ENGLUND !!

“I’ve Always Been Very Business Wise In My Approach, Coming From a Background Of Working As An Accountant, And For Me It’s All About Being As Diverse As Possible. If You Want To Be Able To Survive You Have To Be Smart.”

DISC REVIEW “MASTER OF THE UNIVERSE”

PERIPHERYの Misha Mansoor は 「メタルバンドはお金を産まなくなってしまった。これから重要なのは収入の多様化だ。」 と語り、アーティストにとって過酷な時代の生存術を提示しました。
ある時はエクストリームなシュレッダー、ある時は YouTube のエンターテイナー、そしてまたある時はギターブランドのイノベーター。Ola Englund の音楽ビジネスに対するアプローチはまさに Misha の提唱するサバイバル術を実践しています。
「生き残りたいならスマートになるべきさ。ただし、成功に簡単な方法があると考えるのは間違いだよ。そんなものはないね。全てはハードワークと献身の結果なんだ。」
Ola のアプローチは確かに合理的で現代的ですが、決してハードワークを怠っているわけではありません。そして、世界がスウェーデンの埋もれた才能を発掘したのは、まさに尽瘁と先鋭的なビジョンが詰まった Ola の YouTube チャンネルだったのです。
ウィットとユーモアに富み、絶佳の技術と無尽蔵の知識でギター関連の機材をレビューしデモ演奏を披露する Ola のチャンネルは、自身のエクストリームメタルバンド FEARED と共にその名声を高めていきました。
そして登録者数32万を超えるコンテンツは、重要な収入源であると同時に規格外の広告塔としての役割も果たし、遂には SIX FEET UNDER、そして現所属 THE HAUNTED といったビッグバンドへの加入へと繋がったのです。ギターブランド Solar Guitar の立ち上げも、YouTube で養った経験と英知が寄与しているのは明らかですね。
多忙な生活の中でも Ola は音楽を製作し続けます。「ほとんどの人はメタルリフとデスメタルの演奏でいつもの僕を知っている訳だよ。だからこの作品をリリース出来たのは素晴らしいよ。世界中に僕にはエモーションがあって、様々なスタイルの音楽を好んでいると知らしめることが出来るからね。」
初のソロアルバムとなった “Master of the Universe” は自らの感情と音楽的な多様性を余すことなく注入した “猫の目の” 宇宙です。
コミカルなタイトルに反して “Pizza Hawaii” のデザインは実にシリアスです。RUSH を想わせる知性のアルペジオを序奏として、トレンドの TOSKA 的プログレッシブグルーヴと OPETH のミステリアスなリフエイジを投影したシュレッドロマンは素晴らしくエピカルです。
コンテンポラリーで理知的ななヘヴィーグルーヴと、荘厳なシンセを纏った静謐が異次元のダイナミズムをもたらす “Cerberus”、シアトリカルなピアノの響きが Devin Townsend にもシンクロする “Slutet på Skivan”。中でも Ola にとって特別な言葉 “Solar” を冠した太陽組曲はプログレッシブリスナーに絶景をもたらす銀光のルミナリエ。
ピアノ、アコースティックギター、サクスフォンまで駆使してメタリックに、プログレッシブに、ジャジーに、アンビエントに、そしてクラシカルに踏破する24分の感情山脈は、映画のサウンドトラックにも似て究極の音景をリスナーに届けるのです。
今回弊誌では、Ola Englund にインタビューを行うことが出来ました。「僕はいつも自分のアプローチにとてもビジネス的なビジョンを取り入れてきたね。それは会計士として働いていたバックグラウンドから来ているんだけれど。そして全てを出来るだけ多様化するように心掛けているんだ。」 どうぞ!!

OLA ENGLUND “MASTER OF THE UNIVERSE” : 9.9/10

INTERVIEW WITH OLA ENGLUND

Q1:You seem to be big fan of Japanese girls band Bandmaid, right? Actually, I had an interview with them twice, and am really into their talent and Kawaiiness. Could you talk about how wonderful they are?

【OLA】: YES! someone suggested I should check them out in one of my FAQ videos and I was completely blown away by their songs, and now I wish to go see them live. The musicianship is excellent, the songs are killer and uplifting. Can’t get over how talented they seem to be. It’s a good mixture of everything in there. I hope to catch them live somewhere, but I see they’re not playing that much outside of Japan.

Q1: 日本のガールズバンド BANDMAID の大ファンだそうですね?

【OLA】: そうなんだ!僕の FAQ ビデオで誰かがぜひチェックするべきだと勧めてくれたんだけど、彼女たちの楽曲には完全に圧倒されたね。いまはぜひライブが見てみたいと思っているんだよ。
ミュージシャンシップは抜群で、楽曲もクールでアッパー。どれだけ才能があるんだろうと驚嘆せずにはいられないね。全てを素晴らしくミックスしているよ。どこかでライブが見られたら良いんだけど。あまり日本の外で沢山のライブはやってないんだろうけどね。

Q2: Regarding Japan, Lot’s of fans were really excited about The Haunted’s great performance last year. And it seems you’ll come to Japan in April again. What are you most looking forward to about coming to our country Japan?

【OLA】: It’s always a pure pleasure to visit Japan, one of my favorite countries to visit and this time I’m actually going by myself so I’m not doing any shows or anything. I’m just going because I want to. I’ve always been in Japan for business or gigs, so I wanted to go there a couple of days just to be a tourist and hang around, see the sights. Might visit a bunch of Guitar / Record stores, buy some Macross / Evangelion stuff in Akihabara, and hopefully ride those Mario Karts in the middle of the city. We’ll see. I cannot wait to go there. If you have any suggestions of cool things to do in Tokyo, I would love to hear them!

Q2: 昨年はその日本を THE HAUNTED で訪れファンを熱狂させましたね。4月にもまた来日されるそうですが?

【OLA】: 日本を訪れるのはいつだってただただ喜びなんだよ。訪ねるのが大好きな国の一つだし、実際今回は一人で行くからライブなんかはやらないんだ。ただ行きたいから行くだけなのさ。
これまではビジネスやライブでの滞在だったから、ただの旅行者として数日観光をしてみたかったんだよ。きっと沢山のギターショップやレコードストアを訪れるんだろうな。秋葉原ではマクロスやヱヴァンゲリヲンのグッズを買うよ。出来たら例のマリオカートを街中で乗り回したいね。どんな旅になるだろうね。とにかく日本に行くのが待ちきれないね。
東京でクールなオススメスポットなんかがあれば、ぜひ教えて欲しいね!

Q3: So, Your YouTube Channel and “Coffee With Ola” becomes very popular. But what made you become YouTuber?

【OLA】: It started as a hobby, I’ve always been producing my own stuff and I started with recording my Guitar Amplifier demos playing Feared songs. And as the Youtube channel grew bigger, Feared also grew bigger, and with that a lot of more opportunities came. I joined Six Feet Under, then I joined The Haunted and I’ve just continued since. I still think it’s a lot of fun and something I’m going to do for a lot more years. The Coffee with Ola segment was just a test, to see if I would work as an interviewer and if the conversation between me and another guitarist would be entertaining enough.

Q3: あなたの YouTube チャンネル と “Coffee With Ola” はとても人気がありますね。それにしても、YouTuber になろうと思ったきっかけは何だったんですか?

【OLA】: 最初は趣味として始めたんだ。僕はいつも何かしらマテリアルを作っているんだけど、YouTube で僕のギターアンプのデモを FEARED の楽曲を使ってレコーディングしていたんだよ。
YouTube チャンネルが大きくなるにつれて、FEARED も大きな存在になっていったね。そうして沢山のチャンスが舞い込むようになったんだ。おかげで SIX FEET UNDER に加わり、THE HAUNTED にも参加することになったね。そうやって今日まで続けているんだよ。YouTuber は今でもとても楽しめているし、まだこの先何年も続けていきたいね。
“Coffee With Ola” は YouTube チャンネルの中で、僕がインタビュアーとして機能するか、そして僕と他のギタリストとの会話が充分なエンターテインメントとなり得るかを試す、ちょっとしたテストなんだ。

Q4: There are lot’s of great guest appearance like Tosin Abasi, Jeff Loomis, Mattias Eklundh. How have you chosen and invite these guest to your channel? And who are you interested in approaching to invite someday?

【OLA】: I invite the people that I think are interesting at the time and also that I somewhat know. Guests that I would love to have on my show would be John Petrucci, Steve Vai, Michael Romeo,
Hopefully it will happen in the future. We’ll have to see. I think the importance of the series is that it’s more of a conversation between two guitar players or musicians rather than being me interviewing an artist. It should be a good laid back interview.

Q4: そのインタビューを行うギタリストですが、Tosin Abasi, Jeff Loomis, Mattias Eklundh など実に豪華ですね!そんな番組のゲストにこれから招きたいギタリストを教えていただけますか?

【OLA】: 僕はその時々に興味深いと思うギタリストを番組に招くんだ。それにいくらかは知り合いのプレイヤーだね。これから招待したいのは、John Petrucci, Steve Vai, Michael Romeo だね。
出来たらいつか実現すればいいな。どうなるだろうね。このシリーズで重要なのは、僕がアーティストにインタビューをするというよりも、もっと2人のギタリスト、ミュージシャンが会話を楽しむという点にあるね。良い感じにレイドバックしたインタビューなんだ。

Q5: OK, let’s talk about your incredible solo record “Master of the Universe”. Actually, there are lot’s of cats in the music videos (so, we can’t believe cat isn’t in the artwork, haha.), so I think it’s cat themed record and “Master of the Universe” is cat. Do you agree that?

【OLA】: Well the cat believe it or not was not intended to take as big of a role as it did in the end. The cat was a temporary cover before I unveiled the real cover. But the audience loved the cat so much that it became too much to handle haha, so after that all the songs had their own cat theme. The cat IS still on the actual CD though if it’s purchased, so it’s still in there, even if the official cover is something else. I love cats so I definitely don’t mind all the cat craze.

Q5: ではあなたのソロアルバム “Master of the Universe” について話しましょう。あれほど MV でネコを強調していながら、アートワークはネコではありませんでしたね?

【OLA】: 信じられないかもしれないけど、最終的にネコがあんなに大きな役割を果たすなんて全く意図していなかったんだ。なにしろ、本当のアートワークを公表する前の仮のアートワークだったんだしね。だけどオーディエンスがネコを愛しすぎて、制御不可能になってしまったんだ (笑) だから最終的に全ての楽曲がそれぞれのネコのテーマを持つことになったんだよ。
もし、フィジカルを買ってもらえれば、ブックレットにはネコがいることに気づくはずさ。だからオフィシャルなアートワークが何であれ、ネコはここにいるんだ。僕はネコが大好きだから、こういったネコ騒動は全く嫌じゃないね。

Q6: Musically, it’s really progressive and diverse record. Sometimes, I remind Opeth, Pink Floyd and Rush. Of course, your other bands The Haunted and Feared is different from your solo work. Do you think “Master of the Universe” is authentic expression of yourself?

【OLA】: I think Master of the Universe is me not holding back on emotion, it’s definitely been some sort of an outpour of my own feelings. Most people know me for my metal riffing and playing death metal all the time, and in that sense it feels great to release this album, like I get to tell the world, I DO have emotion and I like a lot of different styles of music.
And you said that The Haunted and Feared are different but in some way they are not because there are bits and pieces here and there in those bands music that is borderline of what’s happening on Master of The Universe, I’ve done a fair bit of instrumentals for Feared, a song like ”Vinter” for instance is a demonstration of that. So even though Master of The Universe is VERY different from Feared, there are a lot of musical similarities. You can hear it in The Haunted as well. The ending of Preachers of Death(album version) has a long instrumental ending and also the song Monuments is borderline instrumental, it just has vocals on it.

Q6: 音楽的には、実にプログレッシブで多様なレコードですね? OPETH や RUSH, PINK FLOYD を想起させる瞬間がありますね。
THE HAUNTED や FEARED とは一線を画しますが、この作品はあなた本来の音楽性なのでしょうか?

【OLA】: “Master of the Universe” は感情を妨げられることなく表現した自分だと思うんだ。間違いなく僕自身の感情のある種の流出だったね。ほとんどの人はメタルリフとデスメタルの演奏でいつもの僕を知っている訳だよ。そしてその意味では、このアルバムをリリース出来たのは素晴らしいことだと感じているんだよ。世界中に僕にはエモーションがあって、様々なスタイルの音楽を好んでいると知らしめることが出来るからね。
ただ、君は THE HAUNTED と FEARED がこの作品と異なると言ったけど、ある意味ではそうではないんだ。なぜなら “Master of the Universe” で聴ける音楽の境界線上には、その2つのバンドの断片やカケラが存在するし、FEARED ではインストゥルメンタルの楽曲もいくつか制作しているからね。
例えばアルバム “Vinter” 収録の楽曲 “Vinter” はまさにその象徴だね。だから “Master of the Universe” が FEARED と大きく異なるのは確かなんだけど、音楽的な類似点は多く存在する訳さ。
同じことは THE HAUNTED にも言えるね。アルバムバージョンの “Preachers of Death” は長いインストゥルメンタルのエンディングが存在するし、”Monuments” にしたってインストゥルメンタルとの境界線上にあるような楽曲さ。ただボーカルが乗っているというだけでね。

Q7: “Solar Part 1”, “Solar Part 2” is kind of a symbol of this record, and incredible epic. Of course, you are owner of innovative guitar company “Solar Guitar”. Does these songs have anything to do with “Solar Guitar”?

【OLA】: In fact I actually wrote the songs before I started my Solar Guitars brand, so in reality they have absolutely nothing to do with each other. I didn’t know I would start my own brand of guitars when I wrote those songs. And yeah those two songs are somewhat the foundation of the what the album came to be. They set the tone for the rest of the songs I would write for the album.

Q7: 驚異的なエピック “Solar Part 1”, “Solar Part 2” はアルバムを象徴するような楽曲です。奇しくもあなたがオーナーを務めるギターブランドの名も “Solar Guitar” ですよね?

【OLA】: 実は僕は “Solar Guitar” を始める前にこの楽曲を書いていたんだよ。だから実のところこの楽曲とブランド名は全く関係がないんだ。
ただこの2曲がアルバムの音楽性をいくらか象徴しているのは間違いないね。なぜならこの楽曲からアルバムを書き始めたから、他の楽曲の方向性を決定づけることになったからね。

Q8: Misha Mansoor said “Band makes no money” and “diversity of income” is important. Of course, it’s hard era for most of metal bands. But touring with band, YouTuber, and guitar company, you looks very smart for me. What’s your perspective about Misha’s statement?

【OLA】: He’s completely right! Bands don’t make as much money as they did back in the day. Some bands have adapted better than others, and some have quit because it just doesn’t make any sense anymore. I’ve always been very business wise in my approach, coming from a background of working as an accountant, and for me it’s all about being as diverse as possible. You try one thing, it didn’t work, don’t spend time asking yourself why it didn’t work? Just continue on and find some other approach until you find a way that is sustainable. If you want to be able to survive you have to be smart. Some people think there’s an easy way. There isn’t. It all comes down to hard work and dedication. If you want it enough, you’ll make it happen. Otherwise you didn’t want it enough. So getting back at Mishas statement, I understand what he’s saying, his band isn’t generating him enough money BUT the band is still important because that’s how he keeps himself relevant, but with that side businesses will bring him the real income.

Q8: PERIPHERY の Misha Mansoor は 「メタルバンドはお金にならない。重要なのは収入の多様化。」だと言っていますね。
実際、アーティストにとってはハードな時代だと思いますが、バンド、YouTuber、ギターブランドを手広く手がけるあなたのやり方は実にスマートだと感じます。

【OLA】: 全く Misha の言う通りだよ!バンドではもうかつてのように沢山のお金を稼ぐことは出来ないんだ。上手く順応しているバンドもいれば、意味がないからとやめていくバンドもいるね。
僕はいつも自分のアプローチにとてもビジネス的なビジョンを取り入れてきたね。それは会計士として働いていたバックグラウンドから来ているんだけれど。そして全てを出来るだけ多様化するように心掛けているんだ。
もし1つのこと、アプローチをやり始めて上手くいかなくて、なんで上手くいかないんだって自問自答を繰り返すのは時間の無駄だよ。それよりも、いくつか他のアプローチで続けてみて、永続的でより良い方法を見つけるべきだよね。生き残りたいならスマートになるべきさ。
ただし、成功に簡単な方法があると考えるのは間違いだよ。そんなものはないね。全てはハードワークと献身の結果なんだ。つまり、君が充分な成功を望み全力を尽くせば、きっと実現するはずさ。成功していないのは覚悟と献身が足りないからなんだ。
それで Misha の話に戻るけど、彼の言うことは良く分かるんだ。彼のバンドは充分なお金を生んでいない。それでも彼にとって今でもバンドがとても重要なのは、お金をもたらすサイドビジネスがそのバンドと非常に関連しているからなんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED OLA’S LIFE

NIRVANA “NEVERMIND”

The album that made me start playing guitar overall.

PANTERA “VLUGAR DISPLAY OF POWER”

First time I heard the intro for ”walk” I was blown away by how incredibly brutal that guitar tone was. I’ve been obsessed since then.

DREAM THEATER “FALLING INTO INFINITY”

Opened my eyes to progressive metal. It’s definitely not their best work, but it was my entryway to the rest of their albums.

NEVERMORE “DEAD HEART IN A DEAD WORLD”

Made me appreciate 7-string guitar for real. It’s such a incredible riff-oriented album.

MR. BUNGLE “CALIFORNIA”

It’s such a fucked up album. I love it. Shows that you can make anything work.

COWBOY BEBOP OST

Honorable mentions, I just have to mention the Cowboy Bebop OST have been incredibly inspiring to me. The whole catalog is incredible, the Seatbelts and the mixture is perfect.
Even though the series was good, I must say the soundtrack has left a permanent mark in me.

“Cowboy Bebop OST” には本当にインスパイアされたね。全てのカタログが驚異的だよ。The Seatbelts も完璧だ。シリーズも良かったけど、あのサウンドトラックは恒久的な影響を及ぼしたと言えるね。

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you Japan, looking forward going to meeting you again in April. I’m not going to show of my Karate skills just yet(blue belt right now), but maybe in a couple of years!
Thank you for all the support and always making me feel welcome! Arigato gozaimashita!

ありがとう、日本!4月にまた訪れるのを楽しみにしているよ。今は青帯で僕の空手スキルを見せることは出来ないけど、何年かのうちにね!素晴らしいサポートと歓迎に感謝しているよ! ありがとうございました!

OLA ENGLUND

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【POLARIS : THE MORTAL COIL】JAPAN TOUR 2019 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RICK SCHNEIDER OF POLARIS !!

“I Feel Like Contrast Is Very Understated In Heavy Music, But I Consider It One Of The Most Important Things When Approaching Songwriting. “

DISC REVIEW “THE MORTAL COIL”

北天に広がるこぐま座の中でも一際輝く綺羅星一つ。旅人を導く北極星の名は、図らずも南半球オーストラリアのブライテストホープ POLARIS に冠せられ、メタルコアの船影を照らしながら地平の彼方へ誘います。
満点の星空のごとく新鋭がひしめくメタルコアシーンにおいて、リスナーに発見、観測されることは決して容易ではありません。EMMURE が Nu-Metal を組み込み、ISSUES が R&B を配合しジャンルの実験を加速させるのも、そうした背景が一因としてあるのかも知れませんね。
故に メロディックメタルコアとプログレッシブメタルコアをハイブリッドさせた、ある種王道のサウンドでしかし世界中から注目を浴びる子の星の瞬きは、南半球から鮮やかな光芒を放っているのです。
「PARKWAY DRIVE は僕たち全員にとって最も重要なバンドだったと思うんだ。」同郷オーストラリア出身の先駆者は確かな指針となりました。
同時に、POLARIS の羅針盤は ARCHITECTS, UNDEROATH, AUGUST BURNS RED, BRING ME THE HORIZON といった巨人たちの方角をも指し示し、王者の遺伝子をしっかりとその身に受け継いでいるのです。
「ヘヴィーな音楽において、コントラストは非常に軽視されていると思うんだ。だけど僕はソングライティングのアプローチにおいて、最も重要な要素の1つだと考えているよ。」
音楽面における POLARIS の頭脳 Rick Schneider は北極星の輝きが仄暗く重厚な宇宙空間の存在によることを心得ています。そして斬新さを無闇に追い求めるのではなく、ソングライティングのビジョンとクオリティーで麻薬のような中毒性を注入するバンドの方針は、ブレイクダウンに頼ることなく、ビッグでソフィスティケートされたデュアルギターとフック満載のボーカルラインを陰影にキッズの感受性へと直接訴えかけるのです。
“The Remedy” で見せるアグレッションとメインストリームのせめぎ合い、”Relapse” で誇示する AUGUST BURNS RED 譲りの爽快なハイテクニック、”Consume” に宿る LAMB OF GOD や MESHUGGAH といった骨太な先達への敬意、ポストロックのイメージさえ内包する叙情の極み “In Somnus Veritas”~”Dusk to Day”、そして TesseracT の哲学に接近した “Sonder”。
しっかりとメタルコアのカタルシスを宿しながら、起伏と工夫を施しバラエティーに富んだ星座の煌きは、眺めるものを決して飽きさせることはありません。
沸騰するオーストラリアのメタル/プログシーン。中でも活性化の一途を辿るメタルコア/デスコアコミュニティーにおいて、”The Mortal Coil” のデビュー作としての光度は、例えば PARKWAY DRIVE の “Killing With a Smile”, THE AMITY AFFLICTION の “Severed Ties” もしくは NORTHLANE の “Discoveries” にも比肩するはずです。
そうして恒星 POLARISは、きっとその光彩を増しながらモダンメタルコアの未来を照らすクリエイティブな軌道を進んでいくでしょう。
今回弊誌では Rick Schneider にインタビューを行うことが出来ました。初の来日公演も決定!「メタルコアというジャンルは常に進化し続けていると思うし、どんどん異なるスタイルやジャンルを組み合わせていっているよ。」どうぞ!!

POLARIS “THE MORTAL COIL” : 9.9/10

INTERVIEW WITH RICK SCHNEIDER

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about yourself and your band? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【RICK】: I grew up listening to a few different genres, but in my early teen years I began getting into metal/metalcore by hearing bands like Bullet for my Valentine and Avenged Sevenfold. I slowly moved to listening to heavier bands like August Burns Red and our hometown heroes Parkway Drive. I guess it was this transition into heavier listening that made me want to start playing in a metalcore band. Attending a show became one of the things I looked forward to most, and I actually met Daniel and Jake at a local show only about 10 minutes from my house.

Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【RICK】: 僕はいくつかの異なるジャンルを聴いて育ったんだ。ただ、BULLET FOR MY VALENTINE, AVENGED SEVENFOLD といったバンドを聴いて、10代の初め頃からメタル/メタルコアにのめり込むようになったんだよ。
それから徐々に、AUGUST BURNS RED や僕らのホームタウンヒーロー PARKWAY DRIVE といったもっとヘヴィーなバンドへと移っていったね。そういったヘヴィーなバンドを聴いているうちに、自分もメタルコアバンドでプレイしたいと思うようになったんだ。
当時は、ライブに行くことが最も楽しみになっていたね。実際、Daniel と Jake と会ったのは僕の家から歩いて10分のライブハウスだったんだ。

Q2: It seems the history of Polaris started from high school, right? How did the band come to be?

【RICK】: That’s right! As I said above I met Daniel and Jake at a local show, though they had conceptually started the band years before that. Both of them had gone through high school and had many different members trying to form a full lineup, but nobody stuck around in the long term. We met each other in 2011 and by mid 2012 we had a full lineup with Jamie, Jake’s brother Matt on bass (Jake was playing guitar at the time) and at the time a synth player named James. Over the next 12 months we released a single and the members shuffled around a lot, ending up with no synth player and Ryan on guitar with Jake moving to bass. Since then we’ve remained the exact same!

Q2: POLARIS の始まりは高校時代に遡るようですね?

【RICK】: その通り!さっきも言ったように、Daniel と Jake とはローカルショウで出会ったんだけど、彼らはその一年前からバンドのコンセプトを固め始めていたんだ。2人は高校生活を通して沢山のメンバーを試したんだけど、結局長期的には誰もハマらなかったんだよ。
僕たちは2011年に出会ったんだけど、2012年の中頃までには Jamie と Jake の兄弟 Matt をベーシストに (当時 Jake はギターを弾いていたからね)、さらにシンセプレイヤーに James を加えてフルラインナップを完成させていたんだ。
それから12ヶ月でシングルをリリースし、メンバーを何度もシャッフルして、最終的にシンセプレイヤーなしで、僕と Ryan がギター、Jake がベースに落ち着いたのさ。それからは全く同じラインナップだよ!

Q3: Basically, Polaris isn’t able to be seen in Australia. But what made you choose the star for your band name?

【RICK】: Getting a band name was a very difficult process, and we went through hundreds of potential names before finally landing on the name Polaris. It was Daniel that suggested it, and it was the first name that everyone didn’t immediately shut down. After a few days we decided to stick with it, knowing it would be near impossible to find something else that we could all agree on.

Q3: バンド名となった “Polaris” 北極星は基本的にあなたの故郷オーストラリアで見ることは出来ないですよね?

【RICK】: バンド名の決定は非常に難しいプロセスだったね。最終的に POLARIS に決まるまで、僕たちは何百も候補を出したんだ。Daniel が POLARIS を提案したんだけど、この名前はメンバーの誰も即座に否定しなかったんだ。
何日かして僕たちはこの名前を選んだんだ。他に全員が納得する名前を挙げるのは不可能に近いと分かったからね。

Q4: You are Australian, so touring with Parkway Drive seemed to be big event for you, right? Also, touring with Architects brought you next stage, Do you agree that?

【RICK】: I think Parkway Drive was one of the most important bands to all of us growing up, as I said they’re one of the bands that personally contributed to me wanting to be in a metalcore band. To be able to tour with them let alone on their Horizons anniversary tour was something that made us all feel very grateful and fortunate for the opportunities we’ve been given. It was our best support tour that we have done in Australia without a doubt, and when we went to America with them it was arguably even more amazing. Architects in Europe/UK was another thing entirely – the venues and arenas we played were gigantic, and we’ll be lucky if we can every play in them again. It’s a dream to be playing your music in front of thousands of people, and while we’re at the stage where we can headline shows in Australia and play to many, Architects gave us a much bigger taste when they brought us over to Europe.

Q4: オーストラリア出身の POLARIS にとって PARKWAY DRIVE とのツアーはビッグイベントでしたよね?
さらに ARCHITECTS とのツアーで完全にビッグバンドの仲間入りを果たした印象です。

【RICK】: PARKWAY DRIVE は僕たち全員にとって最も重要なバンドだったと思うんだ。さっきも言ったように、僕にとってはメタルコアバンドを始めるきっかけにもなった訳だからね。だから彼らのツアー、ましてや “Horizons” 10周年のアニバーサリーに帯同出来たのは、本当に感謝しているし幸運だと思っているんだ。
疑いようもなく、あれが僕たち最高のオーストラリアにおけるサポートツアーだったよ。彼らとの US ツアーは間違いなくさらに素晴らしかったね。
ARCHITECTS とのユーロツアーはまた完全に別の体験だったな。僕たちがプレイしたライブハウスやアリーナはとても巨大で、またプレイ出来たらラッキーだと思うような代物だったからね。
何千もの観客を前に自分の音楽をプレイするなんて本当に夢のようだし、もちろん僕らもオーストラリアでは沢山の人を前にプレイしているけど、ARCHITECTS はヨーロッパに連れ出してくれてさらに大きな世界を見せてくれたのさ。

Q5: Your first full-length “The Mortal Coil” was incredible! Actually, I really love your melodic clean part, and the contrast between beauty and heaviness is outstanding. What’s your vision about creative process, and contrast?

【RICK】: I feel like contrast is very understated in heavy music, but I consider it one of the most important things when approaching songwriting. Something I like to say is that a heavy part is only heavy if the rest of the song is contrasting it, and different. Obviously there are examples of songs that are heavy the whole way through and they’re still great for it, but I feel like we work best when our songs contrast the light and the heavy. I think our overall creative process is making sure that each song has enough “moments” to sustain pace or interest through to the end. Beyond that, we don’t like to set too many limitations, and instead just see where the ideas take us.

Q5: デビューフル “The Mortal Coil” のメロディックなクリーンパートは傑出していて、ヘヴィネスとのコントラストも絶妙ですね!

【RICK】: ヘヴィーな音楽において、そういったコントラストは非常に軽視されていると思うんだ。だけど僕はソングライティングのアプローチにおいて、最も重要な要素の1つだと考えているよ。
ただ言っておきたいのは、楽曲の他の部分が対照的で異なっていても、ヘヴィーなパートはあくまでただヘヴィーだと言うことだね。明らかに全体を通してヘヴィーな楽曲も存在し、それはまたそれで素晴らしいんだよ。だけど、僕たちの楽曲は “光” とヘヴィネスを対比する時こそ、最高にハマっていると感じるんだ。
僕たちは全体的なクリエイティブプロセスで、各曲がリスナーの興味やペースを最後まで持続させために十分な “瞬間” を必ず持つように取り組んでいるんだ。僕たちはあまり多くの制限を設けるのが好きじゃないし、それよりもアイデアが僕たちを運ぶ場所をただ探していくんだよ。

Q6: Actually, there was horrible terrorism in New Zealand yesterday. So, I listened to “The Mortal Coil” and became really emotional. Actually, it’s definitely emotional record. What’s your inspiration about the music and lyrics?

【RICK】: Daniel writes most of the lyrics and the rest of us help to put little finishing touches, but almost all of the concepts and ideas start with him. I think he prefers to write from an emotional and personal point of view compared to telling a story or something like that. Most of the inspiration comes from personal struggles or experiences that he has faced, or things that he has observed others go through, and I feel like that approach is something that brings people together in music, and is one of the things that our fans attach to.

Q6: “The Mortal Coil” は非常にエモーショナルなレコードですよね。インスピレーションの源を教えていただけますか?

【RICK】: Daniel が歌詞の大半を書いていて、残りのメンバーは最後の仕上げを少し手伝うだけなんだ。だからほとんど全てのコンセプトとアイデアは彼から始まるんだよ。僕が思うに、彼は何かストーリーを伝えるよりも、感情や個人的な感じ方から歌詞を書くのを好んでいると思う。
故にインスピレーションの大半は、彼が直面する個人的な苦悩や体験、もしくは観察して感じた他人の経験から得ていると思うよ。そして僕はそういった彼のアプローチこそ、音楽で人々を一体にし、僕たちのファンも気に入っている部分だと感じているよ。

Q7: I think there is a kind of “Rule” like riffage, growl, and breakdown in the Metalcore scene. And bands like Bring Me The Horizon breaks that rule and becomes eclectic. Of course, there are pros and cons to their way. What’s your perspective about the Metalcore manner? Do you want break the rule more?

【RICK】: I think metalcore is a genre that is always evolving, and always being spliced with different styles and genres as well. August Burns Red are an example of a band that have only ever released metalcore albums, but each one has twists and turns that you wouldn’t expect to hear on the album prior. Bring Me The Horizon are similar, but I think it’s fair to say that they have all but left the metalcore tag behind and are now much more in the “Rock” field, but that’s not to say that they don’t have heavy moments. I’m all for genres changing and for bands to do more within a genre, I feel like that is what makes bands stand out and what makes newer releases more memorable in the end.

Q7: メタルコアシーンには、リフワークやブレイクダウンといったある種の “ルール” が存在するようにも感じます。
例えば BRING ME THE HORIZON は昨今、そういったルールを破ってよりエクレクティックな方向性を選んでいますが、あなたは “メタルコアマナー” についてどう思っていますか?

【RICK】: 僕はメタルコアというジャンルは常に進化し続けていると思うし、どんどん異なるスタイルやジャンルを組み合わせていっているよ。
例えば AUGUST BURNS RED はメタルコアアルバムだけをリリースして来たけど、どの作品も起伏があって、前のアルバムからは予想もつかない工夫が施されているんだ。
BRING ME THE HORIZON も似ているけど、彼らの場合はメタルコアの “タグ” を残していることを除けば、今ではよりロックのフィールドにいると言うべきだろうね。だからと言って、ヘヴィーな瞬間がない訳じゃないんだけど。
つまり、僕はジャンルが変わっても、バンドが様々な変化を遂げても、結局はその変化がバンドを際立たせ、新たな作品をより記憶に残るものにすると感じているんだよ。

Q8: Recently, Like Plini, Karnivool, Ne Obliviscaris, lot’s of great bands are emerged from Australia in Metal and Prog territory. Are you acquainted with them? Why do you think lot’s of modern Australian bands including you gather attention from the world?

【RICK】: The only band (person) I’ve been able to get to know in that list is Plini, but he is an absolute legend. We did a tour with him and Intervals back in 2016, and while it was a very short tour, it was incredibly nice to get to know both of those bands. I’ve always respected and loved many instrumental/prog artists and even though I’ve grown out of listening to many of them, I still listen to Plini quite regularly and look back on our shows together very fondly.

Q8: 近年、オーストラリアからは、あなた達も含め KARNIVOOL, PLINI, NE OBLIVISCARIS といった世界的に注目を集めるメタル/プログアクトが多く現れていますよね?

【RICK】: 君が挙げたリストで繋がることが出来ているのは PLINI だけなんだけど、彼は完全にレジェンドだよね。2016年に彼と INTERVALS とツアーを行ったんだけど、期間がとても短かったんだ。だけど彼らと知り合いになれて、とても素晴らしかったね。
僕はずっと彼らみたいなインストゥルメンタル/プログアーティストを多くリスペクトして来たんだ。だからそういった音楽を山ほど聴いて成長したにもかかわらず、PLINI は今でもよく聴いていて、共に行ったショウを思い返しているくらいなんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED RICK’S LIFE

YELLOWCARD “OCEAN AVENUE”

AVENGED SEVENFOLD “CITY OF EVIL”

ARCHITECTS “LOST FOREVER // LOST TOGETHER”

PARKWAY DRIVE “HORIZONS”

AUGUST BURNS RED “MESSENGERS”

MESSAGE FOR JAPAN

We cannot wait to go, and I have been looking forward to this for sooo long! Any friends that have travelled to Japan in the past have had amazing stories and things to tell me, so I’ve always wanted to go there myself. I can’t wait to experience the culture, the food, and maybe go to a karaoke bar or 2 – but most of all I can’t wait for the shows! We hope that people over there are just as excited to see us, because we would all love to come back to Japan as much as possible in the future. It might be a shorter trip compared to the USA or Europe, but I’m just as excited to get over there, if not more! Thank you!

日本に行くのが待ちきれないよ。ずーーっと楽しみにしていたんだからね!日本に旅行した友達の誰もが素晴らしい話をしてくれたよ。だから1人でも行きたかったくらいなんだ。日本の文化、食事、それにカラオケバーを体験するのが待ちきれないんだ。もちろん1番楽しみにしているのはライブだけどね!
みんなが来てくれてただエキサイトしてくれれば嬉しいよ。だって僕たち全員が、将来的に何度も日本に行ければいいと願っているからね。アメリカやユーロツアーに比べれば短い滞在になるけど、行けるだけでも本当に興奮しているよ。ありがとう!

RICK SCHNEIDER

POLARIS “SPRING JAPAN TOUR 2019”

4月12日(金)仙台 MACANA
4月13日(土)渋谷CYCLONE
4月14日(日)大阪CLAPPER
4月15日(月)新宿Zirco Tokyo
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MASTERPIECE REVIEW + INTERVIEW 【BOTANIST : Ⅵ: FLORA】JAPAN TOUR 2019 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH OTREBOR OF BOTANIST !!

“I Wanted To Push The Genre Further While Also Honoring Its Tradition. Making Botanist a Concept Project About Plants Felt Like The Way To Do That: 100s Of Bands Were Talking About Forests, But None Mere Taking It To a Specific, Scientific Level. “

DISC REVIEW “Ⅵ: FLORA”

邪悪や猟奇、そしてファンタジーがテーマとして掲げられるメタルワールドにとって、BLACK SABBATH, EMPEROR, DRAGONFORCE といったバンドの名こそ至当で理想的にも思えます。そんな倒錯した世界において、”植物学者” を名乗る BOTANIST はその原郷からすでに異端です。
「僕はブラックメタルというジャンルをその伝統に敬意を払いつつ、さらに先へと進めたいんだ。植物をコンセプトとした BOTANIST を立ち上げたのもまさにその想いから。これまで幾つものバンドが森については語ってきたけど、誰ももっと専門的なレベルで個別の植物については語ってこなかったよね。」2011年にサンフランシスコで Otrebor が創世したワンマンプロジェクトは、植物を科学し環境問題を追求する唯一無二の “グリーンメタル” へと開花して行きました。
これまでにも、WOLVES IN THE THRONE ROOM, AGALLOCH, ALCEST など自然崇拝をテーマとして、仄暗き森や鬱蒼と生い茂る木々を礼賛するブラックメタルの一派は確かに存在していました。しかし彼らはそのアトモスフィアに惹かれ、自然のよりスピリチュアルな領域へとフォーカスしていたはずです。
一方で、BOTANIST はよりミクロで科学的に植物への愛を貫きます。「多くのデスメタルバンドが死について書いていたけど、CARCASS は臨床的見地から死について最初に歌い、デスメタルをネクストレベルへ進めたんだ。」 CARCASS の死に対するある種ドライな向き合い方は、Otrebor が BOTANIST でより学術的に植物の姿を描き出す核心的なインスピレーションとなりました。ハナスイ、シーソラス、ヤエヤマヒルギといった耳馴染みのない植物を楽曲名に列挙する方法論はまさに CARCASS 譲り。
さらに BOTANIST はその “グリーンメタル” のコンセプトだけでなく、ハンマードダルシマーという特殊な楽器をメインに使用することでブラックメタルを未踏の領域へと導きます。
ドラマーを本職とする Otrebor にとって、スティックで弦を叩いて音を出すダルシマーは完璧なメロディー楽器でした。かつて住んでいたこの日本で運命的な出会いを果たした古のピアノは、風と共にロマンチックでエレガントな響きを運び、ギターレスのブラックメタルという倒錯と神秘的のアートを創造して行くのです。
貪欲な研究者 Otrebor は、緑の音楽を絶え間なく精製し続けます。リスナーの思考を絶え間なく促しながら、夢見心地に浮遊する陶酔と恍惚の極致 “Ⅵ: Flora” は、ソロプロジェクトとしての BOTANIST にとって一つの完成形だったのかも知れません。
一筋の新緑だったグリーンメタルの種子はそうして徐々に森を形成していきます。ローマ数字のナンバリングから “Collective” 表記へと移行し、初めてバンド形態で制作された “The Shape Of He To Come” のダイナミズム、グルーヴ、躍動感はまさしく “集団” としての生命力に満ちています。メンバーという養分を得て緑を増した聖森のざわめきは、より荘厳に、より実験的にリスナーの五感へと訴えかけるのです。
深刻な環境破壊により未曾有の危機に直面する人類と地球において、Otrebor は BOTANIST の発芽は必然だと語ります。「BOTANIST のようなプロジェクトは、地球の自己防衛メカニズムの結果であると心底信じているんだ。自然の重要性とその保存について情熱的な方法で人々に発言することを要求するようなね。」もしかすると彼らはは自然が意思を持って遣わした有機的なメッセンジャーなのかも知れませんね。
今回弊誌では、Otrebor にインタビューを行うことが出来ました。奇跡の来日が決定!「僕たちは、日本のファンがお気に入りの植物を携えて現れ、ライブで掲げてくれるのを熱望するよ!」どうぞ!!

BOTANIST “Ⅵ: FLORA” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【CANDLEMASS : THE DOOR TO DOOM】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LEIF EDLING OF CANDLEMASS !!

“In The End We Took a Band Desicion To Bring In Johan Again. Go Back To The Ground Zero Of Doom So To Speak.”

DISC REVIEW “THE DOOR TO DOOM”

CANDLEMASS はその30年以上に及ぶ悠遠なキャリアにおいて、幾度ものメンバーチェンジを繰り返しながら氷霧に煙るスカンジナビアの凍原に、絶望とエピックの哀城を築きあげて来ました。
そしてそのドゥームに宿る不吉な影は、シンガーの変遷を因果として先姿万態の表情を得ることとなったのです。
巨漢 Messiah Marcolin がオペラティックなテノールで魅了した80年代のトリロジーは、メランコリーとドラマティシズムが集積したエピックドゥームの耽美な教科書。一方で、Robert Lowe が Dio や Tony Martin を憑依させて躍動した21世紀の3枚は、メタルの様式と伝統をヨーロピアンなロマンへと昇華した至宝。
その他にも、Thomas Vikström, Björn Flodkvist, Mats Levén と多士済々、まさに錚々たる顔ぶれが並ぶ歴代シンガーの中で、”C-Mass” の忠実なる信徒が決して忘れられない名前があります。
Johan Längqvist。それは後にバンドが開拓するテリトリー、”エピックドゥームメタル” をラテン語で表記した記念すべき不朽のデビュー作 “Epicus Doomicus Metallicus” に歌唱を吹き込んだレジェンドの名。
CANDLEMASS は結成35周年を迎えるに当たり、一つの決断を下しました。その Johan の電撃復帰です。
「僕たちは CANDLEMASS の中で、再度火花が飛び散るようなインスピレーションを得るために、何かを行う必要があったんだ。そしてその答えが Johan だったんだよ。」バンドの創始者でグル Leif Edling は、慢性疲労症候群を患い戦いながらバンドを巡るビジネス、論争に身を削り、再度音楽を “楽しむ” ためにドゥームの “ゼロ地点” への回帰を決めたのです。
実に6年半振りとなったフルアルバムは、実際 “グラウンド・ゼロ” を創成したバンドの威厳と崇高に満ちています。ただし、この終焉からの始まりは、決して “Epicus Doomicus Metallicus” の安易なコピーではありません。
「今、まさに僕たちは新たなファンを獲得しているんだよ。ドゥームのテリトリーからだけじゃなくね。」タイトルは “The Door To Doom”。メタルワールドのニューヒーロー GHOST とのツアーで幅広い層のメタルファンから賞賛を得たバンドは、幽寂から激情までドゥームの陰影を須く投影した最新作で文字通り “Doom” への “Door” となります。
封入される幻惑のギターメロディーがリスナーを中世の暗黒へと導く “Splendor Demon Majesty”、静寂と喧騒、妖艶と情動を行き来するエピカルなメタルダイナミズムの権化 “Under the Ocean”、スロウバーンの真髄を提示する “Astorolus-The Great Octopus”、そして叙情と憂鬱を抱きしめたバンド史上初、悪魔のバラード “Bridge of the Blind”。
ドゥームメタルの美学を様々な手法で描き出すアルバムにおいて、Johan Längqvist のワイドで説得力のある歌唱は作品の骨子となっています。名手 Mats Leven が歌った “House of Doom” の再録で Johan が見せる深邃なるアトモスフィアは、まさしくその証明でしょう。
「僕たちはとにかく、”ストレート” なアルバムを作りたかったね。クソみたいな素材なしで、大胆不敵で…生々しくハードでヘヴィー。」事実、アルバムのサウンドは実にフィジカルで、バンドの猛攻が目前に迫ります。
シーン随一のギターチームとベースヒーローが繰り出す、時に幽玄、時に劇的、時に獰猛なアンサンブルは圧倒的。そうしてメタル/ドゥームのゴッドファーザー Tony Iommi のゲスト参加は、ファンにとっても、バンドにとっても何よりの祝祭となりました。
遂に共演を果たしたドゥームマスターの遺伝子は、確かに後続へと引き継がれています。その影響は、PALLBEARER, KHEMMIS, HOTH といったモダンドゥームの綺羅星はもとより、VISIGOTH, GATEKEEPER, HAUNT が志向するトラディショナルメタルのリバイバルまで、色濃く、深々と、多岐に渡って根付いているのです。
今回弊誌では、バンドのマスターマインド Leif Edling にインタビューを行うことが出来ました。「このバンド、もしくはこの体制が後1年、2年続くのかは分からないけど、少なくとも僕たちは残された時間を楽しむよ。」 “Psalms for the Dead” で終焉を宣言した不死鳥が、灰の中から蘇る完璧なレコード。どうぞ!!

CANDLEMASS “THE DOOR TO DOOM” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【STEVE HACKETT : AT THE EDGE OF LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEVE HACKETT !!

2018 © Tina Korhonen/ www.tina-k.com

“Chris Wanted Yes To Continue Without Him. We All Want To Continue Our Legacies. The Music Which Is Classic And Special Keeps Going, And We’re Proud To Hold The Torch For It.”

DISC REVIEW “AT THE EDGE OF LIGHT”

夕暮れを迎え創作活動のペースを落とす巨星の中で、一際輝きを増すプログレッシブロックの明星が一つ。
ソロアルバム、ライブアルバム、GENESIS の再訪、Chris Squire や Djabe とのコラボレート。とりわけ、2010年にロックの殿堂入りを果たして以来、Steve Hackett の創作意欲は圧倒的です。
「僕は世界中の文化や音楽のスタイル、そして楽器についてどんどん探求していくのが好きなんだよ。この世界はいつも発見の連続だよ。」溢れる創造性の源について Steve は、2011年に結ばれた妻 Jo の存在と共に、地球上様々な場所に根付いた文化、音楽、楽器への好奇心を挙げています。
そうして、ロックとクラッシック、ジャズ、ブルース、フォークを融合させるプログレッシブロックの伝統にエスニックな深みを重ねる Steve の立体的な音楽、多様性はアートとしての瑞々しさを纏い続けているのです。
実際、26枚目のソロアルバムとなった最新作 “At the Edge of Light” で Steve は、ロック世界の “ワールドミュージックアンバサダー” として1つの完成形を提示して見せました。変幻自在なギタートーンが白眉のオープナー “Fallen Walls and Pedestals” は、すぐさま中東のオリエンタルな情景へとリスナーを連れ去ります。
Steve にとってアルバムとは、多種多様な地域、風景を旅歩き受けたインスピレーションを描くキャンバスです。もしくは映画なのかも知れません。Roger King, Jonas Reingold, Rob Townsend, Nick D’Virgilio, Simon Phillips といった名手たち。さらに、シタール、ヴァイオリン、フルート、サックス、タール、ドゥドゥク、ディジュリドゥなどカラフルな楽器群。自身のビジョン、そして人生観を投影するため、Steve は無垢なる画布に様々な楽器やキャストを配置していきます。
同時に、近年 Steve は自身のボーカルを以前よりフィーチャーしています。その趣向も同様に彼の内なるテーマと情熱をより濃密に伝えるため。1938年チェンバレンのスピーチ “Peace in our time” を文字った “Beasts In Our Time” で彼は、自らの声で当時アメリカが打ち出した孤立主義と現在の状況とを比較し、世界の光と闇に焦点を当てます。
そうしてオーケストレーションと KING CRIMSON の滑らかな融合で示唆された”世界は光と闇の境界線にある”。それはアルバムの重要なテーマとなったのです。
「Chris は彼抜きでも YES を続けて欲しいと願っていたよ。僕たちプログレッシブロックの住人は、全員が自分たちの遺産、レガシーを引き継いでいって欲しいと願っているんだよ。」
亡き Chris Squire に捧げられたようにも思える YES のスピリット、レイヤードセオリーを宿した “Under the Eye of the Sun”、McBroom 姉妹の参加とゴスペルの風情が PINK FLOYD を想起させる “Underground Railroad”。”新たなサウンド” を生み出すレコードは一方で、プログロックのレガシーを継承し祝祭します。
何より11分のエピック “Those Golden Wings” では繊細かつ清廉、そして “ポジティブ” な音像で、自らの出自である GENESIS の偉業を讃えプログレッシブの灯火を高々と掲げているのですから。それは革新の海に漂う矜持の燐光。
“ポジティブ” であることが世界の安寧への枢要なファクターだと語るギタリスト、ソングライター、そしてプロデューサーは静穏を望む旅の締めくくりに美しきトリロジーで自らの存慮を仄めかしています。
“Descent” でカオスの階段を下降し、”Conflict” で混迷と闇に縺れる現代社会。しかしその先にエセリアルで心洗われる “Peace” を用意することで、Steve は人の良心、徳性を信じてみせるのです。
今回弊誌では、Steve Hackett にインタビューを行うことが出来ました。「クラッシックで特別な音楽は引き継がれていくよ。そして僕たちは、その特別な音楽の火を絶やさず掲げ続けることを誇りに思っているんだ。」2度目の登場に感謝。もちろん、Chris Squire の偉業にも。どうぞ!!

STEVE HACKETT “AT THE EDGE OF LIGHT” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SWALLOW THE SUN : WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTI HONKONEN OF SWALLOW THE SUN !!

“The Whole Album Is Personal And Very Special For Juha Raivio And For Us Also As a Band. All I Want To Say Is That I Believe There Is Hope Also Involved On The Album. A Light At The End Of The Tunnel. “

DISC REVIEW “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT”

2016年、ギタリストでメインコンポーザー Juha Raivio が長年のパートナーでコラボレーターでもあった Aleah Stanbridge を癌で失って以来、フィンランドの哀哭 SWALLOW THE SUN はまさに涙淵へと深く沈んでいました。
ツアースケジュールの延期に隠遁生活。そうして2年の服喪の後、最終的に Juha が自らの沈鬱と寂寞を吐き出し、Aleah との想い出を追憶する手段に選んだのはやはり音楽でした。
Aleah の闘病中に制作された前作、”Songs From the North I, II and III” はメタル史においても前代未聞、3枚組2時間半の大エピックとしてリリースされました。「僕たちのスローガンを明瞭に示したんだ。憂鬱、美麗、そして絶望。僕たちが音楽に封じている三原則だよ。同時に、Juha Raivio にとってはとてもパーソナルなアルバムにもなったんだ。彼が当時、人生で経験したことを封じているからね。」Matt Honkonen が語るように、Juha の尽き果てる希望を憂鬱、美麗、絶望というバンドの三原則で封じたレコードは、同時にアルバム単位から楽曲単位へと評価の基準が移り行くインスタントミュージックの機運に一石を投じる壮大なアンチテーゼでもあったのです。
「ああいったエピック、トリプルアルバムをリリースした後だったから、僕たちは何か別のとても特別なものを創出したかったんだと思うんだ。」Matt の言葉通り、喪が開けて Aleah への追悼と Juha の深痛を宿す最新作は、”Lumina Aurea” と “When a Shadow is Forced Into the Light”、EP & フルアルバムというイレギュラーなリリースとなったのです。
13分半のタイトルトラックとそのインストバージョンで構成された EP “Lumina Aurea” の音楽は、これまでの SWALLOW THE SUN スタイルとは大きく異なっていました。
ネオフォークの大家 WARDRUNA の Einar Selvik と、イタリアンドゥームの傑物 THE FORESHADOWING の Marcus I の助力を得て完成させた楽曲は、完全にジャンルレス。ネオフォーク、ドゥーム、スポークンワードにオーケストレーションとグレゴリアンスタイルを加味した “Lumina Aurea” は、ただ純粋に Juha の慟哭と闇を音楽の姿に写した鬼哭啾々の異形でした。
一方で、「僕はこのアルバムに関しても希望は存在すると信じているし、トンネルの出口には光が待っているんだ。」 と Matt が語る通り、フルアルバム “When a Shadow is Forced Into the Light” はタイトルにもある “影”、そしてその影を照らす “光” をも垣間見られる感情豊かな作品に仕上がったのです。
デスメタルとドゥーム、そしてゴシックが出会うメランコリーとアトモスフィアに満ちたレコードは、まさにバンドが掲げる三原則、”憂鬱、美麗、絶望” の交差点です。
恍惚のオーケストレーション、アコースティック、ダイナミックなドゥームグルーヴ、胸を抉るボーカルハーモニーにグロウル。リッチなテクスチャーで深々と折り重なる重層のエモーションを創出するタイトルトラックは、SWALLOW THE SUN のレガシーを素晴らしく投影する至高。
“Lumina Aurea” の深海から浮上し、暗闇に光を掲げる “Firelight” のメランコリーはバンドの長い歴史に置いても最もエモーショナルな瞬間でしょう。死は人生よりも強靭ですが、きっと愛はその死をも凌駕するのです。
もちろん、”Clouds On Your Side” を聴けば、ストリングスがバンドのメロウなアンビエンスと痛切なヘヴィネスを繋ぐ触媒であることに気づくでしょう。そうしてアルバムは、ダークでしかし不思議と暖かな “Never Left” でその幕を閉じます。
“When a Shadow is Forced Into the Light” を聴き終え、Juha と Aleah の落胤 TREES OF ETERNITY の作品を想起するファンも多いでしょう。リリースにあたって、全てのインタビューを拒絶した Juha ですが、1つのステートメントを残しています。
「このアルバムは Aleah を失ってからの僕の戦いの記録だ。”影が光に押しやられる時” このタイトルは Aleah の言葉で、まさに僕たちが今必要としていること。2年半森で隠棲して人生全てをこの作品へと注ぎ、影を払おうと努力したんだ。言葉で語るのは難しいよ。全てはアルバムの音楽と歌詞が語ってくれるはずさ。」 バンドに18年在籍する代弁者、ベーシスト Matti Honkonen のインタビューです。どうぞ!!

SWALLOW THE SUN “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT” : 10/10

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