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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LITURGY : H.A.Q.Q.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HUNTER HUNT-HENDRIX OF LITURGY !!

“I Sincerely Think Philosophy Is a Very Important Tool For Having a Thoughtful Political Stance. People Have Such Strong Opinions That Have No Real Grounding, And I Think Even a Little Bit Of Critique Or Effort To Understand The Nature Of Reality And Of History Is Important In Deciding What It Would Mean For The World To Be a Better Place.”

DISC REVIEW “H.A.Q.Q.”

「”The Ark Work” は “欠陥のあるレコード” だったことに同意するよ。それが僕のフェイバリットレコードかもしれないとしてもね。まあ極端でラディカルなアルバムだったね。」
“定められた” 宗教的典礼、礼拝をバンド名に掲げる LITURGY は、皮肉にも自らが属するブラックメタル世界において完全なる異端です。
セオリーとフィロソフィーで超越するブラックメタルを解析したマニフェスト “Transcendental Black Metal” を聖書として創造した前作 “The Ark Work” は、その一線を越えた桁外れの実験性で賛否両論を一身に浴びた怪物でした。それを制約のない野心と褒め称える信者がいる一方で、アイデアの乱雑なコラージュと批判的な目を向けるリスナーも少なくないように思えます。
確かな事象は、哲音者 Hunter Hunt-Hendrix がバンドの、もしかするとブラックメタルそのもののアプローチまで一新してしまったことでしょう。
かつて、狂熱と数学の対比をノイズで装飾したブラックメタルを信条とした LITURGY の音楽は、”The Ark Work” (DECAYED SUN RECORDS の詳細な分析記事) で原理主義者には耐え難いオーケストラアレンジメントとトリップホップの “超越的”、もしくは “合成的” な無機質とも言えるブラックメタルの極北、インディーの彼方へと向かいました。
何しろ、人生を変えたアルバムに 2Pac や APHEX TWIN を挙げる鬼才。歪みを抑えラップに接近したボーカルサウンドもブラックメタルの “パブリックエネミー” と目されるに充分な理由だったはずです。
「”Haelegen” とは思索的な未来都市の名前であり、資本主義を超えたマルクスの新たな生産モードのアイデア、ニーチェのユーバーメンシュ (超人) のアイデア、そしてアブラハム系宗教が持つ天国の王国のビジョンの融合のようなものなんだ。」
音楽的にも哲学的にも自身から切り離すことは出来ないと語りながらも、どこか Hunter Hunt-Hendrix はブラックメタルを自らのイデアルを世界へ発信する乗り物として利用している節があります。
「LITURGY の言語に新たな何かを追加した訳では全くないんだけど、これまで作成した LITURGY サウンドの中でも最高かつ最もハイクオリティーのレンダリング、表現だとは思うんだ。ただ良い作品にしたかっただけなんだよ。優れた作曲、優れたパフォーマンス、優れたレコーディング、特に何か目新しいことを望まないでね。」
故に “The Ark Work” のオーケストラルでグリッチーな実験性を多少なり受け継ぎながら、”Aesthethica” のマスマティカルな複雑性、日本の雅楽まで取り入れる多様性、ハードコアの魂、メタルに回帰した熱情とアグレッション、その全てを抱きしめた壮大なマスターワーク “H.A.Q.Q.” についてもどこか飄々としてそう分析してくれました。
“目新しいことを望まない”。実際、ノイズの実験とポストブラックの鋭き対比を雅楽とオーケストラで包み込む “HAJJ”、KRALLICE の領域にも接近するメランコリックかつ重量感溢れるハープメタル “VIRGINITY”、何より Steve Reich のミニマルワールドさえイメージさせる8分のベヒーモス “GOD OF LOVE” を聴けば LITURGY がファンの元へと帰って来た事は明らかでしょう。
ただしそれは Hunter の戦略かもしれません。あまつさえ、 彼は LITURGY のアルバム以上に熱意をつぎ込み、これからリリースする自身のソロメタルオペラ作品 “Origin of the Alimonies” への単なる入り口として “H.A.Q.Q.” を考えているようにさえ思えます。
「哲学は思慮深い政治的スタンスを持つための非常に重要なツールだと、僕は心から思うんだ。だって今の世の中、特定の強い意見を持つ人にしたって、大抵そこに本当の根拠はないんだからね。」
もしかすると、Hunter Hunt-Hendrix の原動力は全てこの言葉に集約するのかもしれませんね。つまり彼は音楽、芸術、哲学の三原則を新たな三位一体とした、資本主義を超越する新世界の到来を啓蒙も厭わないほどに心から願っているのです。
「音楽コミュニティは一般的に反知的だから、アルバムの表紙に哲学システムを載せることで少なくともリスナーにそれを見てもらい、それが何を意味するのか気にして欲しかったんだ。」
世界を少しでもより良い場所へと導きたい。その想いは、アートワークのダイアグラムから始まり徹頭徹尾、”超越的な神” であり現実世界の活動原理である “H.A.Q.Q.” と、それを理想として生まれ来る未来都市 “Haelegen” の実現へと注がれています。
「ほとんどの人は、意志、想像力、理解の間に根本的な違いがあることには同意するけれど、誰もその理由を知らないんだ。実はこれら3つは音楽、芸術、哲学にそのままマッピングすることができて、この分野を発展させれば歴史的な運命の道筋を作ることが出来るんじゃないかな。」
“H.A.Q.Q.”、いや LITURGY でさえ、Hunter Hunt-Hendrix が標榜するより良い世界 “Haelegen” への道筋でしかありません。今回弊誌では、メタル世界随一の哲学者にインタビューを行うことが出来ました。
「僕は Twitter や YouTube を介して人々との繋がりをますます楽しんでいて、影響力の低下している大手メディアにサービスを提供しようとするのではなく、直接関与してくれる人々や関心を持っているメデイアのために、自主的に音楽を製作することにこそ完全に満足しているよ。」長年バンドを支えたモンスタードラマー Greg Fox の不在を差し引いても圧倒的なアルバムだと感じます。どうぞ!!

LITURGY “H.A.Q.Q.” : 10/10

INTERVIEW WITH HUNTER HUNT-HENDRIX

Q1: First of all, “H.A.Q.Q.” is really surprising release! And what a incredible record! You know, Liturgy is always a surprised band, but what made you release it all at once?

【HUNTER】: There were a few reasons. I really wanted to get it out quickly, because we were so happy with it, and I also wanted to have it in the air during the live-action debut of my opera Origin of the Alimonies, which took place this month. I think it’s kind of interesting to produce content for very different types of cultural platforms simultaneously, which has a way of forcing different audiences to encounter one another, if that makes sense. The only reason it was a ‘surprise’ was that my manager was fighting really hard against us releasing it this year, and had momentarily convinced me not to, but then I kind of freaked out and fired him and did it anyway – if we’d stuck with the original plan we would have released Pasaqalia as a second single and announced it a few weeks in advance. We released it without a label or any real support from traditional music media, which was perhaps unwise, but I think the world is really changing and it’s not clear that like giving The Wire three months to schedule an article or whatever moves the needle very much. I’m more and more enjoying connecting with people via twitter and youtube, and am perfectly happy to make music autonomously for people who are engaged directly and any press that takes interest, rather than trying to serve a media machine that’s kind of declining anyway.

Q1: “H.A.Q.Q.” はサプライズリリースとなりましたね?

【HUNTER】: それにはいくつか理由がある。まずアルバムに満足していたから早くリリースしたかったというのがあるね。それに今月行われた僕のオペラ “Origin of the Alimonies” ライブデビューの際に、流したかったというのもあるんだ。
非常に異なるタイプの文化的プラットフォームコンテンツを同時に制作することは、興味深いことだと思うんだ。異なるオーディエンスに交流を生むことが出来るからね。
ただ、”サプライズ” となった唯一の理由は、僕のマネージャーが今年 “H.A.Q.Q” をリリースすることに強く反対し、そうしないよう僕を説得していたからなんだ。それで僕もイライラして彼を解雇し、とにかくリリースに漕ぎつけたのさ。当初の計画では、”Pasaqalia” をセカンドシングルとしてリリースし、数週間前にアルバム発売を発表するはずだったんだけど。
結果としてレーベルや権威ある音楽メディアからのサポートなしでリリースすることとなった。それはおそらく賢明ではなかったけど、世界は本当に変化しているから、”The Wire” に3か月を与えて記事を書いてもらわなければ大きな変化を起こせないとも思わないんだ。
僕は Twitter や YouTube を介して人々との繋がりをますます楽しんでいて、影響力の低下している大手メディアにサービスを提供しようとするのではなく、直接関与してくれる人々や関心を持っているメディアのために、自主的に音楽を製作することにこそ完全に満足しているよ。

Q2: Regarding surprise, it seems Hunter-Hunt Hendrix will release the soundtrack to Hunter’s Origin of the Alimonies metal opera soon, right? What kind of record will it be?

【HUNTER】: The compositional style is close to Liturgy, its full of the burst beat and general tremolo and so on, but the overall shape of it is a lot closer to classical music. Lots of silence, rarely a steady meter, huge crescendos that are synced to speech patterns, microtonal improvisation and so on. I worked way, way, harder composing the music to Origin than the music for H.A.Q.Q., and I’m sure the audience will be much, much smaller, because it is a lot less accessible. A big portion of it is an arrangement and interpretation of an organ piece by Olivier Messiaen. I’m not sure if we’ll actually release the music as soon as we said we would, because there’s a film that goes with it and I”m not sure the film is quite ready. The opera tells the story of why the world was born, and its story is meant to be the aesthetic core to the philosophical system that I’ve been developing along with Liturgy. I’ve always wanted this project to have the character of total art, and this year we’re finally starting to deliver on that a little more concretely. Totally happy for anyone to just want to listen to the Liturgy album and enjoy it for the music, but I also want it to potentially be a window into this larger world.

Q2: サプライズと言えば、あなたのメタルオペラ作品 “Origin of the Alimonies” も近々リリースされるそうですね?どういった作品になりそうですか?

【HUNTER】: 作曲スタイルは LITURGY に近いね。”Burst beat” (彼らはブラストビートをより重量感を湛えたバーストビートと表現する) や典型的なトレモロがいっぱいだけど、ただ全体的な形はクラシック音楽にずっと近いんだ。多くの静寂、緩急の妙、セリフのパターンに同期する巨大なクレッシェンド、マイクロトーナルの即興演奏といった部分でね。
僕は “H.A.Q.Q” の音楽よりも、”Origin of the Alimonies” の作曲にとても、とてもハードに取り組んだんだ。その大部分は、オリヴィエ・メシアン (フランスの現代音楽作曲家、オルガニスト) によるオルガン作品のアレンジと解釈だったね。
とは言え僕たちが宣言したように、実際すぐにこのアルバムをリリースするかどうかは分からないんだ。この作品は映画のサウンドトラックで、その映画の準備が完璧に出来ているか分からないからね。
このオペラは世界がなぜ生まれたかを伝え、そのストーリーは僕が LITURGY と共に創造してきた哲学的システムの審美的コアとなることを意図しているんだ。つまり、ただ LITURGY のアルバムを聴いて音楽を楽しんでくれるのもとても嬉しいんだけど、同時に LITURGY のアルバムがこの “Origin of the Alimonies” という大きな世界への窓になってくれれば良いね。

Q3: “H.A.Q.Q.” stand for “Haelegen above Quality and Quantity”, right? You posted “Humanity is just the mask that Haelegen is currently wearing” on twitter before and of course, there was a song “Haelegen” in “The Ark Work”. So, it seems “Haelegen” is one of the big theme of Liturgy. Do you agree that?

【HUNTER】: Yeah I also have a Discord server called Haelegen now. It’s the name of a speculative future city, sort of a fusion Marx’s idea of a new mode of production beyond capitalism, Nietzsche’s idea of the Ubermensch, and the Abrahamic vision of the kingdom of heaven. If the opera Origin of the Alimonies is about the beginning of the world, Haelegen is the end of the world, basically. H.A.Q.Q. isn’t quite the same has Haelegen the city; the latter is an ideal that is modeled on the former, which is basically a transcendent God, an active principle that is generating the world we know and experience. There’s a system of archetypal characters and a theory of history embedded in the opera and in Liturgy albums. Basically the story of the opera is about two divine principles OIOION and SHEYMN that are torn apart by their own traumatizing love for one another, so form and matter appear as barriers to protect them from each other while also providing limited access, more and more over time as the divine principles are more able to handle one another. Haelegen is the moment when, at the end of world, history, OIOION and SHEYMN are able to be united while still differentiated from one another.

Q3: “H.A.Q.Q.” とは “Haelegen above Quality and Quantity” を意味するそうですね?
“The Ark Work” には “Haelegen” という楽曲が収録されていましたし、あなたの Twitter アカウントでもこの言葉はしばしば見かけます。

【HUNTER】: そうだね、僕は今 “Haelegen” って Discord サーバーを持っているんだ。それは思索的な未来都市の名前であり、資本主義を超えたマルクスの新たな生産モードのアイデア、ニーチェのユーバーメンシュ (超人) のアイデア、そしてアブラハム系宗教が持つ天国の王国のビジョンの融合のようなものなんだ。
オペラ “Origin of the Alimonies” が世界の始まりについてならば、基本的には、”Haelegen” は世界の終わりについてだよ。”H.A.Q.Q.” は 都市 “Haelegen” とまったく同じではないんだ。後者は前者をモデルにした理想。つまり “H.A.Q.Q.” とは基本的には超越的な神であり、僕たちが知り経験しているこの世界を生み出している活動的原理と言えるだろう。
オペラや LITURGY のアルバムには、典型的なキャラクターのシステムと歴史理論が組み込まれているんだ。基本的にオペラの物語は 、トラウマティックな愛によって引き裂かれた2つの神の原理 OIOION と SHEYMN について。そして “Haelegen” は世界の終わりに、OIOION と SHEYMN が互いに異なりながらも一つになる瞬間なんだ。

Q4: Also, the artwork of “H.A.Q.Q.” is also really unique. It looks like kind of an academic book, haha. It seems the artwork relate to your manifest “Transcendental Black Metal” . What does the artwork express?

【HUNTER】: The art is a diagram of my System of Transcendental Qabala, sort of a basic summary. It’s meant to be a philosophical system that has the scope and range of those of Hegel or Deleuze. Obviously I don’t claim to be a great thinker to the degree either of them are, but I am covering all the same topics as any original philosopher, and have a considered opinion on most of them at this point, as well as a way of tying them together. I’ve been developing the system on my arkwork.org website for a few years now. It traces a path of liberation from the consideration of the problem of good and evil (axiology) through a philosophical consideration of the nature of being and time, to a rational vision of the kingdom of heaven (eschatology). I sincerely think philosophy is a very important tool for having a thoughtful political stance. People have such strong opinions that have no real grounding, and I think even a little bit of critique or effort to understand the nature of reality and of history is important in deciding what it would mean for the world to be a better place. Music communities are typically so anti-intellectual, so I wanted to put the philosophy system on the cover of the album to really force people to at least see it and wonder what it is.

Q4: “H.A.Q.Q” のアートワークはまるで学術書のようで実にユニークです。あなたがかつて発表した “Transcendental Black Metal” と関連がありそうですが?

【HUNTER】: このアートは僕の超越的カバラ (ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想) のシステムのベーシックな部分を、要約してダイアグラムにしたものなんだ。それはヘーゲルやドゥルーズの視点とレンジを備えた哲学的システムとなるよう意図されているよ。
明らかに僕は彼らほど偉大な思想家ではないけれど、オリジナルな哲学者2人と同じトピック全てを扱っていて、2人を結ぶ考え抜かれた意見と方法論を持っているよ。僕は数年前から、arkwork.org のWebサイトでそのシステムを進化させて来たんだ。そのシステムは、善と悪の問題の考察(axiology)から存在と時間の性質の哲学的考察を通して、天国の合理的なビジョン(eschatology)までの解放の道を辿るものなんだよ。
哲学は思慮深い政治的スタンスを持つための非常に重要なツールだと、僕は心から思うんだ。だって今の世の中、特定の強い意見を持つ人にしたって、大抵そこに本当の根拠はないんだからね。現実と歴史の性質を理解するための少しの批判や努力も、それが世界がより良い場所になることを意味するかどうかを決めるのに重要だと思う。
音楽コミュニティは一般的に反知的だから、アルバムの表紙に哲学システムを載せることで、少なくともリスナーにそれを見てもらい、それが何を意味するのか気にして欲しかったんだ。

Q5: Perhaps, “The Ark Work” received pros and cons, mixed reviews. After that record, I feel “H.A.Q.Q” comes to have both mathematical complexity of “Aesthethica” and experimental spirit of “The Ark Work”. What’s your perspective about the musical direction of “H.A.Q.Q.”?

【HUNTER】: I agree that The Ark Work was a flawed record, even though it’s possibly my favorite, since it’s also so radical, and it was the one we worked the hardest on by far. I was also learning and developing brand new tools for composition as we were going, like I barely knew how to do digital production really. H.A.Q.Q. in my view doesn’t really add anything new to the Liturgy language, but it’s the best and most high-quality rendering of the Liturgy sound that we’ve produced. I just wanted to make it good. Good compositions, good performances, good recording, without being desperate to do something particularly new. It feels great to have built up this set of tools and skills and to just use them and enjoy that. The musicians playing on this record are so talented and skilled and such a joy to work with, the whole process has had this spirit of joy and fun that has honestly been lacking for every other Liturgy release.

Q5: 前作 “The Ark Work” は賛否両論が存在したレコードだったと思います。
そういった作品の次に位置する “H.A.Q.Q.” は、音楽的には、”The Ark Work” のグリッチーな実験性を多少なり受け継ぎながら、”Aesthethica” のマスマティカルな複雑性、メタルらしさも抱きしめた傑作に仕上がったと感じました。

【HUNTER】: “The Ark Work” は “欠陥のあるレコード” だったことに同意するよ。それが僕のフェイバリットレコードかもしれないとしてもね。まあ極端でラジカルなアルバムだったね。それに、デジタル制作を実際に行う方法をほとんど知らなかったから、そのために全く新しいツールを学び、開発していたこともあったしね。
“H.A.Q.Q.” は、僕の考えでは、LITURGY の言語に新たな何かを追加した訳では全くないんだけど、これまで作成した LITURGY サウンドの中でも最高かつ最もハイクオリティーのレンダリング、表現だとは思うんだ。ただ良い作品にしたかっただけなんだよ。優れた作曲、優れたパフォーマンス、優れたレコーディング、特に何か目新しいことを望まないでね。
そういった LITURGY のツールとスキルを構築し、それを使用してただ楽しめるのは素晴らしいことだよ。このレコードでプレイしたミュージシャンは非常に才能があり、熟練していて、共に働ける喜びもありしね。
逆に言えばこのレコードの全てのプロセスには、他の LITURGY のレコードには正直に欠けていたこの喜びと楽しみの精神がある訳さ。

Q6: As a Japanese, it was really surprised and pleased you mixed “Gagaku” elements in your music. How did you find Japanese “Gagaku” and take hichiriki & ryuteki in your music?

【HUNTER】: Yeah, I love gagaku. Not an expert at all, but a few years back I was introduced to the style and have listened to lots of recordings and performances. Its whole musical logic is so different from most of my influences in metal and classical, but it feels really resonant too because it touches on infinity and eternity in this way that is so emotional and yet so formal, so jarring and yet so calm, which is how people describe Liturgy too, though the materials are totally opposed. I though it would be interesting to try to combine the two, and it was quite difficult. We almost removed the gagaku production from HAJJ because it sounded so strange, but chose to just go with it.

Q6: 日本人として嬉しくもあり、驚きでもあったのが雅楽の導入です。

【HUNTER】: うん、雅楽は大好きだよ。エキスパートって訳では全くないんだけど、何年が前に紹介されて、それから沢山のレコードやパフォーマンスを堪能して来たんだ。
雅楽の音楽的なロジック全体は、これまで僕の影響の大半であるメタルやクラッシックとは非常に異なるんだけど、無限に永遠に感動を誘うという意味では、非常に共鳴しているように感じるね。
雅楽はとても感情的でありながらとてもフォーマルで、とても煩くありながらとても穏やかなんだ。 そういった完全に相対する要素の導入は LITURGY の真骨頂でもあるからね。
雅楽とメタルを組み合わせるのはとても面白いと思うけど、非常に難しくもあるね。実際、僕たちは”HAJJ” から雅楽の要素ををほとんど削除するところだったんだ。とても奇妙に聞こえたからね。だけど結局そのまま使用することにしたよ。

Q7: Musical diversity is of course, also, Liturgy mixes piano, harp, strings, percussion which exists normally outside metal realm. And for me, that’s really “Transcendental Black Metal”. But black metal is still center of your music even now, right? What’s the reason of that?

【HUNTER】: It would probably be a wiser branding choice to get rid of the black metal label, but I find it hard to. Partly it’s because the basic form almost always has the characteristic tremolo guitars, blast beats and high pitched screams as the end of the day. Another is that I find the place of black metal in the history of music to be really interesting and important, because it’s so contradictory – so connected to metal, punk, classical music, liturgical music, violence, spirituality, anti-modernism, philosophy. I feel like black metal has always been asking a question that still has not been answered.

Q7: 雅楽はもちろんですが、ピアノ、ハープ、ストリングス、パーカッションといった “アウトサイド・メタル” な楽器のシームレスな導入も、あなたが提唱するトランセンデンタルブラックメタルを象徴すると感じます。
とはいえ、それでもブラックメタルは LITURGY のコアとしてあり続けていますね?

【HUNTER】: うん、おそらくブラックメタルのラベルを取り除くのは賢明なブランディング戦略だろうけど、僕には難しいね。
その理由の1つは、ほとんどの場合、特徴的なトレモロギター、ブラストビート、高音のスクリームが結局は僕たちの音楽に含まれているから。
もう1つは、音楽の歴史におけるブラックメタルの場所は本当に面白くて重要だと思うからなんだ。なぜならブラックメタルは、メタル、パンク、クラシック、典礼音楽、暴力、スピリチュアリティ、アンチモダニズム、哲学なんかが非常に矛盾しながら繋がっているからなんだよ。
ブラックメタルは常に答えの出ない質問をし続けているように感じるね。

Q8: Art, music, thought. Could you tell us about the relationship between these three?

【HUNTER】: My theory is that music, drama and philosophy are elemental features of reality; they’re more real than the physical universe even, and we don’t yet know what either of them really is. I’m interested in the idea that they can and should be put into a productive relationship, or that doing this could be the generative principle of a new era for civilization. Specifically the idea is that as civilization’s productive force has expanded over the course of history, there have been three ternaries that have successively governed its superstructure, each more abstract than the last. The first was the Great Triad of nature mysticism which is described well by Rene Guenon. The second was the holy trinity of Abrahamic faiths, which began to tear civilization away from nature, pointing towards the scientific revolution. The currently reigning one is the capitalist trinity of industry, science and culture, which is liquidating culture and nature both. We can imagine a future trinity that would solve the problems capital is creating which taking advantage of the forces it is liberating, and this would have as its members music, drama and philosophy, liberated from the aesthetic sphere so as to become organizing principles of society itself. This would be the city Haelegen. All wildly speculative of course, but I think these things are worth thinking about. It’s also worth remembering that no one has a proven theory of history, no one knows why the arts exist. Most people agree there is a primal distinction between will, imagination and understanding, but no one knows why. I think these three can be mapped onto music, art and philosophy, and that the development of these disciplines can be made to trace an historical destiny.

Q8: 最後に、芸術、音楽、哲学のトライアングルについてお話ししていただけますか?

【HUNTER】: 僕の理論では、音楽、ドラマ、哲学は現実的な要素、特徴なんだ。それらは物理的な宇宙でさえよりも現実的であり、実際に何であるかはまだ分かっていないんだよ。
僕は、その3つが生産的な関係を築くこと、またそうすべきであるという考えが文明の新時代の生成原理になり得るという考えに興味があるね。具体的には、文明の生産力が歴史の中で拡大するにつれて、その上部構造を次々と支配する3つの三原則が登場するんだけど、それぞれが前のものよりも抽象的であるという考え方なんだけどね。
最初は、自然神秘主義の偉大なトライアドで、ルネ・ゲノンによってよく説明されているね。 2番目はアブラハム信仰の聖三位一体で、それは文明を自然から引き離し始め、科学革命を指し示したんだ。現在支配しているのは、産業、科学、文化の資本主義三位一体であり、文化と自然の両方を清算しているね。
僕たちは、資本主義が生み出している問題を解決する未来の三位一体を想像することが出来るはずだよ。資本主義が解放する力を利用し、そのメンバーとして音楽、ドラマ、哲学を戴き、社会の組織化の原則となるように美的領域からの解放を目指す。これが都市 “Haelegen” だよ。
もちろん乱暴で推論でしかないけど、考慮する価値はあると思うよ。それに、誰も歴史の実証を成し遂げていないこと、誰も芸術が存在する理由を知らないことも覚えておく価値があるだろうな。
ほとんどの人は、意志、想像力、理解の間に根本的な違いがあることには同意するけれど、誰もその理由を知らないんだ。実はこれら3つは音楽、芸術、哲学にそのままマッピングすることができて、この分野を発展させれば歴史的な運命の道筋を作ることが出来るんじゃないかな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HUNTER HUNT-HENDRIX’S LIFE

SMASHING PUNPKINS “SIAMESE DREAM”

2PAC “ALL EYEZ ON ME”

CONVERGE “JANE DOE”

APHEX TWIN “DRUKQS”

EMPEROR “IN THE NIGHTSIDE ECLIPSE”

MESSAGE FOR JAPAN

We’ve never toured in Japan and we’d like to!

日本はツアーしたことがないんだよ。だからぜひ行きたいね!

HUNTER HUNT-HENDRIX

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【XOTH : INTERDIMENSIONAL INVOCATIONS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH XOTH !!

“We All Were Highly Influenced By Video Game Soundtracks Growing Up. Those Are Some Of The Best Compositions Ever Created In My Opinion.”

DISC REVIEW “INTERDIMENSIONAL INVOCATIONS”

「全ての偉大なメタルのサブジャンルは明らかだけど、それ以外にもプログ、映画やゲームのサウンドトラック、古き良きロックンロールにパンク、ジャズフュージョン、カントリーのチキンピッキングでさえね!ただ愛する、様々な音楽をミックスしているんだよ。」
HORRENDOUS, TOMB MOLD, GATECREEPER を中心とする OSDM、オールドスクールデスメタル復興の波。REVOCATION, RIVERS OF NIHIL, VEKTOR が牽引するモダンな Tech-death の潮流。
デスメタルの世界は現在、2つの新興勢力が切磋琢磨を重ねつつネクストステージへとジャンルを誘っています。彼らに共通する理念は、偉大な過去の遺産へユニークな独自のフレイバーを注ぎ込み、創造性のレコンキスタを果たしている点でしょう。
そういった観点からシアトルの新鋭 XOTH を眺めれば、彼らが両軍の長所を御旗に掲げる勇敢な十字軍にも見えてきます。
「DEATH は間違いなく、僕たちに多大な影響をもたらしているね。彼らは耳と精神を等しく惹きつけるバンドの素晴らしい例だと思うんだ。」
オープナー “Casting the Sigil” が示すように、XOTH の最新作 “Interdimensional Invocations” には、知性とテクニック、そしてイヤーキャンディーに残虐性を併せ持った DEATH のレガシーが確かに眠っています。
ウルトラメロディックで、ジャズの波動を享受するエクストリームメタル。同時に VOIVOD や CYNIC にも滞留する “耳と精神を惹きつける” 飽くなき SF への挑戦、音楽のフラスコにしても間違いなく XOTH の血肉であるはずです。
「僕の意見だけど、ゲーム音楽の中には、これまでの音楽でも最高のコンポジションを誇るものがあるよ。全員気に入っているのは、オールドスクールなゲームのサントラさ。例えば、魂斗羅、悪魔城ドラキュラ、ロックマン、忍者龍剣伝、ソニック、マザー、スーパードンキーコング、ゼルダの伝説なんかだね。」
とは言え、XOTH の中にも他の新興勢力と同様に際立ったユニークスキルが備わっています。ゲーム/映画音楽のサウンドトラックからのインスピレーションはその筆頭格でしょう。
“Mountain Machines” のファストでファンタジックな未来志向のギターハーモニーは、”F-Zero metal” と称される XOTH の真骨頂。”Plague Revival 20XX” のディストピアな世界観ももちろん、忍者龍剣伝や魂斗羅のイメージとも繋がります。
同時に、”シュレッド” をバンドの心臓に据えた理由にも思えるミュージシャンシップの最高峰 “Back to the Jungle”、VOIVOD のカオスとメロデスのパトスを抱きしめる宇宙誘拐譚 “Unsenn Abductor”、THIN LIZZY のデスメタル “Haruspex”、トレモロやブラストを引き連れた “The Ghost Hand of God” のブラッケンドなアグレッション、そして7分のプログエピック “Melted Face of the Soul” まで、メタル/ノンメタル入り乱れた配合の妙に構築されるコズミックかつミステリアス、マルチディメンショナルで時をかける SF ワールドは XOTH をデスメタルのニューフロンティアへ導くに充分のインパクトを備えているのです。
SUFFOCATION, OBITUARY から THE BLACK DAHLIA MURDER まで手がける Joe Cincotta のスタジオも、過去と未来を繋ぐデスメタルのタイムリープに相応しき地の利となりました。
今回弊誌では、XOTH のメンバー全員にインタビューを行うことが出来ました。「特定のスタイルにきちんと収まらないバンドは最初、リスナーを見つけるのが難しいんだ。だけどね、その時期を超えれば、ユニークな方法論を創造し多くのリスナーを獲得するチャンスが巡ってくるんだよ。」 この曲者感。次の MASTODON を狙える逸材に違いありません。どうぞ!!

XOTH “INTERDIMENSIONAL INVOCATIONS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH XOTH

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【XOTH】: Even though we formed in Seattle, we all grew up in different places: Tyler is from Boise Idaho, Woody is from Salt Lake City Utah, Jeremy is from Long Island New York, and Ben grew up in London, Connecticut, and California. We all grew up listening to metal, but also other genres including punk, progressive, jazz, 80s, and video game music.

Q1: 本誌初登場です!まずはバンドの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【XOTH】: バンドはシアトルで結成されたんだけど、全員が別々の場所で育ったんだ。Tyler はアイダホのボイシ、Woody はユタのソルトレイクシティー、Jeremy はニューヨークのロングアイランド、Ben はロンドンとコネチカットとカリフォルニア。
みんなメタルを聴いて育ったけど、パンクやプログレッシブ、ジャズ、80’s それにゲーム音楽といった他のジャンルも聴いていたね。

Q2: How did Xoth come to be? What was the initial musical plan of the band?

【JEREMY】: Woody and I filled in for the last show of Tyler’s old band (Phalgeron). The show was great and we all worked well together, so we started Xoth. We didn’t have a plan in the beginning and it took us a while to figure out what we wanted to play. We just knew that we were committed musicians who wanted to do something challenging and different. Ben came along shortly after, and the rest is history.

Q2: どういった経緯で XOTH は結成されたのですか?

【JEREMY】: Woody と僕は、Tyler がやっていた PHALGERON ってバンドの最期のライブでヘルプでプレイしたんだ。素晴らしいショウになって、お互い実に良い感じだったから XOTH を始めることにしたのさ。
最初は計画なんてなかったよ。でもしばらくすると、僕たちのやりたい音楽が分かってきたんだ。当初はチャレンジングで普通とは異なる音楽を求めているってことしか分かっていなかったんだけどね。Ben がすぐに加わって体制が整ったね。

Q3: It seems “Shred” is one of the most essential part of Xoth. Regarding shred and technique, what musicians were your “teacher”?
Q3: “シュレッド” という理念は XOTH にとって欠かせない要素の一つですよね?
テクニックの観点から、音楽的な “教師” をそれぞれ挙げていただけますか?

【WOODY】: Michael Romeo, Andy LaRocque, Rick Graham, Mattias IA Eklundh

【TYLER】: Andy LaRocque, Al DiMeola, Shawn Lane, Rick Graham, Bill Steer, Paul Gilbert

【JEREMY】: Pete Sandoval, Gene Hoglan, Richard Christy, Trym Torson

【BEN】: Frank Zappa, Larry Graham, Victor Bailey, Jaco Pastorius, Ice-T

Q4: You are often compared with legendary Death. Actually, when I first listen to Xoth, I reminded them (and a little Voivod). What’s Death and Chuck Schuldiner to you?

【JEREMY】: Death is obviously a huge influence on us. They’re a great example of a band that appeals to the ears and the mind equally. Great songwriting, great playing, technical enough to challenge the listener, catchy enough to be memorable.

Q4: DEATH との比較はよく耳にしますし、実際私も XOTH を初めて聴いた時、彼らの音楽を感じる部分がありました。

【JEREMY】: DEATH は間違いなく、僕たちに多大な影響をもたらしているね。彼らは耳と精神を等しく惹きつけるバンドの素晴らしい例だと思うんだ。
偉大なソングライティング、優れた演奏、リスナーを焚きつけるに充分なテクニック、そして記憶に残るキャッチーさ全てを備えていたね。

Q5: Also, sometimes I remind video game soundtracks from your music. Actually, Japan has one of the biggest video game or animation culture in the world. Are you interested in our culture?

【TYLER】: Very interested! We all were highly influenced by video game soundtracks growing up. Those are some of the best compositions ever created in my opinion. We love all of the old school games and soundtracks. Some of our favorite series/soundtracks are Contra, Castlevania, Mega Man, Ninja Gaiden, Sonic, Mother (Earthbound in the USA), Donkey Kong Country (even though that’s British, can’t leave it out), and The Legend of Zelda. My favorite modern series is Dark Souls by far.

【BEN】: The best manga that I’ve read is definitely REAL and Beck (Mongolian Chop Squad). Those mangas inspired me on a personal level to push past certain challenges I have had in life, and to appreciate the pain that life sometimes gives you. No pain no gain!

Q5: 同時に感じたのは、ゲーム音楽からの影響です。日本は世界でも特有のアニメ/ゲーム文化を有していますが、日本文化に興味はおありですか?

【TYLER】: もちろん!とても興味があるよ!だってバンド全員がゲームのサウンドトラックを聴いて育ったんだからね。僕の意見だけど、ゲーム音楽の中には、これまでの音楽でも最高のコンポジションを誇るものがあるよ。
全員気に入っているのは、オールドスクールなゲームのサントラさ。例えば、魂斗羅、悪魔城ドラキュラ、ロックマン、忍者龍剣伝、ソニック、マザー、スーパードンキーコング、ゼルダの伝説なんかだね。モダンなゲームシリーズだと、ダークソウルがお気に入りさ。

【BEN】: 僕が読んだ中で最高の漫画は、間違いなくリアルと BECK だね。この2つにはとてもインスパイアされているよ。
個人的に、過去の人生においてチャレンジを後押ししてくれたんだ。それに、人生で時に降りかかる苦痛も受け入れられるようになったね。痛みなしで得るものなしさ。

Q6: I really love the artwork of “Interdimensional Invocations”. Does it relate to album concept or lyrical themes?

【TYLER】: I would say that it relates to the album, lyrical themes, and sound as a whole. No one song in particular. We really wanted a combination of ancient earthly structures, horrific god-like extraterrestrial beings, and some alien architecture. Mark Richards of Heavy Hand Illustration really nailed it!

Q6: そのアニメ/ゲームのディストピア感が宿る最新作 “Interdimensional Invocations” のアートワークも素晴らしいですね。作品のコンセプトと関連しているのでしょうか?

【TYLER】: そうだね、歌詞のテーマからサウンドまでアルバム全体と関連しているよ。特にこの1曲って訳じゃなくてね。
僕たちは古代の地上構造から、恐ろしい神のような地球外生物、そして異星人が建築したいくつかの遺物までを融合させて扱いたいんだよ。Mark Richards の素晴らしい仕事で実現したアートワークさ。

Q7: Thrash and Death metal is definitely center of your music. But also, Dissection like black metal and King Crimson like progressive aspect becomes great accent in the record. Really eclectic! So, regarding genre, it seems we can’t explain your music by only Thrash or Tech-death label, right?

【JEREMY】: Definitely not! We’re a hybrid of many different styles. Death, Black, Thrash, Prog, and so on.

【TYLER】: We really keep our influences open and do our best to incorporate whatever we are feeling at the time. Obviously all of the great metal subgenres, but also prog, film/game soundtracks, good ol’ fashion rock and roll, punk, jazz fusion, and even some chicken pickin’ country sometimes! We just love music and all the different things it has to offer.

Q7: スラッシュとデスメタルは確かに XOTH のコアとして存在しますが、ゲーム音楽はもちろん、DISSECTION のようなブラックメタルや KING CRIMSON のようなプログロックの要素も混ざり合い実にエクレクティックなメタルを創造していますよね?
ただスラッシュとか、デスメタルの一言で表現するのは難しいように感じます。

【JEREMY】: 間違いないね!デス、ブラック、スラッシュ、プログ、様々な音楽のハイブリッドだからね。

【TYLER】: 僕たちは各自の影響をオープンにしながら、その時々感じていることを取り入れるべくベストを尽くしているんだ。
全ての偉大なメタルのサブジャンルは明らかだけど、それ以外にもプログ、映画やゲームのサウンドトラック、古き良きロックンロールにパンク、ジャズフュージョン、カントリーのチキンピッキングでさえね!ただ愛する、様々な音楽をミックスしているんだよ。

Q8: Recently, lot’s of newcomers of extreme metal like Obscura, Revocation, Vektor, Rivers of Nihil. All of them have wide range of music. Do you feel kind of empathy with them?

【JEREMY】: Yes, definitely. It’s difficult for any band that doesn’t fit neatly into one style to find an audience at first. But beyond that lies the opportunity to create your own way and gain many audiences. All of the bands you mentioned have done that in one way or another, and that is the opportunity we see for ourselves.

Q8: 近年、OBSCURA, REVOCATION, VEKTOR, RIVERS OF NIHIL といったワイドな音楽性を宿すエクストリームメタルの新星が登場しています。XOTH もそういったバンドと共鳴していますよね?

【JEREMY】: 間違いないね。特定のスタイルにきちんと収まらないバンドは最初、リスナーを見つけるのが難しいんだ。だけどね、その時期を超えれば、ユニークな方法論を創造し多くのリスナーを獲得するチャンスが巡ってくるんだよ。
君が言及した全てのバンドは、何らかの形でその儀礼を通過してきたね。だから僕たちにもそのチャンスは巡ってくるんじゃないかな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED XOTH’S LIFE

Jeremy Salvo (Drums) :
METALLICA “…And Justice for All”
MORBID ANGEL “Formulas Fatal to the Flesh”
DEATH “Symbolic”
STRAPPING YOUNG LAD “City”
EMPEROR “Anthems to the Welkin at Dusk”

Woody Adler (Guitar & Vocal) :
KING CRIMSON “Discipline”
KING DIAMOND “Abigail”
DECAPITATED “Nihility”
SYMPHONY X “The Odyssey”
NECROPHAGIST “Epitaph”

Tyler Splurgis (Guitar & Vocal) :
KING DIAMOND “Conspiracy”
SIGH “Imaginary Sonicscape”
BAL-SAGOTH “The Power Cosmic”
GOBLIN “Roller”
GWAR “Scumdogs of the Universe”

Ben Bennett (Bass) :
Frank Zappa “Joe’s Garage”
Stanley Clarke “School Days”
WEATHER REPORT “Black Market”
AKERCOCKE “Words That Go Unspoken Deeds That Go Undone”
Ice-T “OG Original Gangster”

MESSAGE FOR JAPAN

We dream of playing in Japan one day! It is a place I have wanted to visit my entire life. I have received so much inspiration from your media, art, and culture, it would be amazing to share it with you. Hopefully this day will come soon! Thank you so much for the support, we greatly look forward to connecting even further with your country.

いつか日本でプレイすることを夢見ているんだ!人生でずっと行きたかった場所だからね。日本のアートや文化きら多くのインスピレーションを受けてきたね。それを君たちとシェア出来たら最高さ。すぐにそうなれば良いね!
サポートをありがとう。もっと君たちの国と繋がることを楽しみにしているよ。

TYLER SPLURGIS

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【ALCEST : SPIRITUAL INSTINCT】


COVER STORY : ALCEST “SPIRITUAL INSTINCT”

For Me, One Of The Most Difficult Things I Have To Live With Is That I Have Very Low Self-esteem. I Don’t Like Myself Very Much, And It’s Really Not Cool Because You Are Always Putting Yourself Down And This Is Not a Normal Way To Live. This Album Is Full Of Doubts, Full Of Questions. But I’m In a Better Place Now, I Think. The Album Was Part Of The Healing Process.

JOURNY TO “SPIRITUAL INSTINCT”: INTROSPECTION & SPIRITUALITY

フランス南部、プロバンス地方にある人口2万人足らずの街バニョール=シュル=セーズで生まれ育った Stephane Paut は、後に自身をフランス語で雪を意味する “Neige” と称し ALCEST のフロントマンとして世界に衝撃を与えることとなりました。
「クレイジーだよ。プロバンスはとても美しく、まるでポストカードみたいにゴージャスなんだ。だけど都市部は、本当に本当に面白くない。周りにあるもの全てが素晴らしいのに、街は最悪なんだ。南フランスにおけるアスホールみたいなものさ。決して何にも起こりはしない。だから僕にとって正しい場所にいるようには思えなかったね。」
しかし、バニョール=シュル=セーズの退屈で特徴のない毎日だけが Neige に自分の居場所ではないと思わせた理由ではありません。
「僕は少し夢見がちな人間で、絵を描くのが大好きだった。だけど南フランスのメンタリティーはとても荒くて厳しいんだ。とてもマッチョなんだよ。男ならこんな風に生きなきゃいけない、サッカーを好きにならなきゃいけないって感じなんだよ。」

実際、伝説の “寺CEST” を経験した後、”Kodama” リリース時の弊誌インタビューで Neige は日本のアニメ、ゲーム文化への深い愛情を示すと同時にスピリチュアルな世界へも敬意を抱く日本人に共感と憧憬にも近い感情を示しています。
「日本文化がここまでフランスを魅力しているのは”対比”が理由だと思う。実際、日本にはとてもモダンで高度なテクノロジーを備えた社会が存在するのに、伝統や自然、スピリチュアルなものに大きな敬意を抱いているよね。僕にはもののけ姫のサンと共感出来る部分がたくさんあってね。自分の中に存在する2面性、なにか自分の居場所ではないという感覚、まるで都市と自然、物質世界と精神世界の2つに生きているような気がしているんだよ。」
音楽に大きな価値を見出すような人間は Neige の周りには存在すらしませんでした。しかし Neige は絵を描くことと共に EMPEROR のようなブラックメタルのリアルなアグレッションに惹かれていきました。ただし重要なのは、アンダーグラウンドのリアルだけではなく、オルタナティブロックのブライトでメジャーなサウンドも同様に彼を惹きつけた事実でしょう。
事実、SMASHING PUMPKINS のクラッシック “Siamese Dream” は今でも Neige のオールタイムフェイバリットです。後にその特異なバランス感覚は、ブラックメタルにシューゲイズのテクスチャーを織り込んだポストブラック第一世代の中でも多次元で光と影を司り比類なきコントラストを描く ALCEST の雛形となったのです。

DEAFHEAVEN の “Sunbather” を含むアトモスフェリックブラックメタルに多大なる影響を与え、アンダーグラウンドの至高となった ALCEST も遂に羽化の時を迎えたようです。2005年に “Le Secret” をリリースしブラックメタル世界から憎しみさえ買ったバンドは、大きな成功を眼前に捉えているのです。
「ALCEST はゲイなんてよく言われたものさ。DEAFHEAVEN なんかのおかげで今はあまり言われなくなったけど、最初の頃はその意見が大勢を占めていたんだよ。」
最初の4枚のレコードで光と影の幻想的かつ気まぐれなダンスを披露した ALCEST。穏やかでソフトな切れ味のポストロックとシューゲイズの美学が支配する神秘のメタルは “Shelter” で完成を見たと言えるのかも知れません。”Kodama” で一握りのアグレッションを掬い上げた彼らは、”Spiritual Instinct” においてさらに野生的で生々しいブラックメタルの原衝動にアクセスしたようにも思えます。ただし、それは単純な原点回帰ではなく、痛みと快楽、ハイとローの麻薬的な相互作用。
「6枚のアルバム全てが異なっていると思う。全然違うって訳じゃないけどね。ただ “Shelter” だけは全然違う作風になったね。あのアルバムで僕たちはメタルの要素を全て取り払ったから。ただ、毎回異なるアングルで作品に挑んでいるのは確かさ。」

ALCEST にとって6枚目のフルアルバムとなった “Spiritual Instinct”。そのアルバムタイトルは前作 “Kodama” に伴う長期のツアーが要因となったようです。
「僕はいつも内性と霊性の中に存在していた。だけど長期のツアーで家を空けて日常から離れるうちに自分を失っていたんだ。僕は基本1人が好きだしね。体は死に絶え心は失われた。だからそれを取り戻す必要があったんだよ。だってスピリチュアルでいることは選んだ訳じゃなく、息をするのと同じように人生において必要としていることなんだから。つまり本能のようなものなんだ。だからタイトルにしたんだよ。このアルバムはこれまでの僕の旅路の集大成なんだ。」
影から闇へ。霊性の一時的な喪失は、Neige に自らと真摯に向き合い “Spiritual Instinct” に以前よりも内なる闇を持ち込む結果をもたらしました。故に多様と対比が最も際立つも自明の理。
「調子が良くなくて、だから正直になって自分の闇をもっと音楽に取り入れることにしたんだ。これまでは勇気がなくて向かい合うことが出来なかった部分をね。あるがままの自分を見つめるのは簡単じゃないよ。だけど人として成長を遂げるのに必要なことなんだ。」

故に “Spiritual Instinct” の製作は Neige にとってある意味ヒーリングプロセスとも言えるものでした。
「生きづらいと感じる原因の一つが自己評価の低さなんだ。自分が全然好きじゃなくてね。それってクールじゃないんだけどね。自分を貶めながら生きている訳だから。普通の生き方じゃないよ。だからこのアルバムは疑問と疑いに満ちている。だけど今はあの頃より良い場所にいる。だからこの作品は治療の意味合いもあったんだ。」
高貴な顔と羽の裏に獣の爪を隠し持つ対比の怪物、アートワークに使用したスフィンクスにも当然深淵と疑いが込められています。
「このモンスターはほとんど人間の顔をしているよね。僕はこのクリーチャーを見ると自分を当てはめてしまうんだ。生まれ育った南フランスでもアウトサイダー、メタルマガジンにも距離を置かれていた。自分の居場所を見つけられなかったからこそ、この怪物に共感を覚えるんだ。僕はとても落ち込んで疑念を抱く時もあれば、スピリチュアルでハイになることもある。このスフィンクスは両方を結んでいるんだ。エニグマと疑問のシンボル。大きなクエスチョンマーク。それこそがスピリチュアリティーだよ。死を迎える時何が起こる?魂はどうなる?つまりスフィンクスは疑問を宿したスピリチュアルな旅に誘う最高の象徴なんだ。」

“Protection” の MV に現れる危険なダンスは内なる苦しみの象徴。
「最初の2,3曲を書いたくらいでアルバムの方向性が露わになる。今回は、”Protection” を書いた時点で異なる作品になると分かったね。ヘヴィーでダイレクトなレコードさ。内なる悪魔から自らを守ることについて。自然をある種の盾として使っているんだ。これは内なる戦いなんだよ。」
最も深い闇は友人の自殺でした。
「彼は画家で大きな成功を手に入れ始めていた。パリでも数少ない、絵で裕福な暮らしを送れる人物だったんだ。才能があってとても重要な人物になるはずだった。何年も前から友人だったからとても動揺したね。彼が亡くなった次の日にタイトルトラック “Spiritual Instinct” を書いた。これは偶然じゃないよ。」
では “Spiritual Instinct” はリスナーにそれぞれの疑問に対する何かの答えをもたらすのでしょうか?
「僕自身答えを持っていないんだから、何かを答えることはできないね。僕がキリスト教か何かの権威なら知っているふりをするだろう。だけどそんなことはしないよ。神の本質や人生の意味を知っているふりをするなんて傲慢にも程がある。全てを超えたものなのにね。」

無慈悲な不協和音と荘厳なオーケストレーションがシームレスに融解し続けるブラックメタルの新たな次元 “Spiritual Instinct”。そこには FAILURE や CAVE IN の独創的な空間活用術でさえ活かされています。とは言え、Neige はテクノロジーへの過度な依存には否定的。
「テクノロジーはあまり好きじゃないね。コンピューターにも疎いんだ。このアルバムはどの瞬間もとてもシンプルに生み出されている。創造とは永遠のエニグマだよ。何処からかアイデアが浮かび音楽の形を形成していく。自分でもどうやったのかさえ分からないからマジカルな瞬間なんだ。」
さらに TOOL や SYSTEM OF A DOWN にも通じる “Sapphire” のリフドライブは神秘のアトモスフィアと霧の中で溶け合い、”Le Miroir” はブラックゲイズの森の奥でゴスのレースを織り上げます。何よりタイトルトラック “Spiritual Instinct” が抱きしめた究極にアクセシブルでポップな本能的メロディーと JESU や SUNNO))) のスピリチュアルな実験は、ALCEST が向かい合う地中海の多島美を象徴しているのかもしれませんね。

ALCEST をブラックメタルと呼ぶ事に長い間葛藤を抱いていた Neige。もちろん、”Les Jardins de Minuit” のブラストビートはジャンルの基盤ですが、それでも繊細で愛情さえこもったディティールとムードへの拘りは30年前ブラックメタルが生まれた時代には想像も及ばなかった創造的成果であり、ジャンルに対するある種のクーデターでしょう。そもそも Neige はメタルファンがダークなサウンド、イメージに惹かれる理由さえ当初は理解さえしていませんでした。
「全然理解できなかったんだよ。なぜいつもダークである必要があるんだい?だからこそ ALCEST のファーストアルバムが出た際に大きな論争を呼んだんだ。なんでメタルなのにブライトで繊細なんだ?ってね。ただ僕は憎しみに触れたくなかっただけなんだけどね。そこに興味が持てないから。それでも今でもオールドスクールなブラックメタルはよく聴くんだ。ただ最近のブラックメタルバンドはちょっと怠惰だと思うよ。ブラックメタルの慣習に従い、紋切り型の演奏を披露しているだけだからね。残念だよ。」
一足先にブレイクを果たした盟友 DEAFHEAVEN についてはどう思っているのでしょう?
「彼らの成功はピンクのカバーのお陰じゃない。全てが首尾一貫していて理に適っているからなんだ。ルックス、リリック、背景など、とてもサイコロジカルなメタルだよ。悪魔や炎、森、城について歌っている訳じゃないから、僕にとってブラックメタルではないよ。そもそも彼らはブラックメタルのふりなんてしたこともないんじゃないかな。そこはまさに ALCEST と同じだよ。僕たちはブラックメタルをプレイしてはいないんだ。トレモロとブラストを使用すればブラックメタルって訳じゃないから。ブラックメタルとは”ブラック”、つまり非人間的でダークな精神性を宿しているからね。僕たちはいつもそうじゃない。」

Neige が厳格に成文化されたブラックメタルの基準を回避して来たのは、その音楽の大部分が怒りに根差していないからとも言えます。自然からインスピレーションを受けるノルウェーのミュージシャンに共感する一方で、常に希望を伝える Neige の有り様はコープスペイントで木々に五芒星を書き殴るよりも、森の中のアニミストのようにも思えます。
実際、Neige は5歳のころから約4年間自らの精神が肉体を離れる幽体離脱、臨死体験のような超感覚的ビジョンを経験しています。
「何度も何度も、完全にランダムに起こる現象だった。この世界には存在しないような場所のイメージや感情、時にはサウンドまで心の中に浮かんで来るんだ。まさにスピリチュアルな体験で、人生を永遠に完全に変えたんだ。」

そうして物質宇宙を超えて別の領域が存在するという確信を得た Neige は、スピリチュアルに呼吸する” 音楽 “Spiritual Instinct” を完成へと導きました。
「あの臨死体験を経て、僕は死後の世界、魂とは何か、そして人生の意味を問うようになったんだ。ビッグクエッションだよね。」
多くのメタルアーティストが描く悪夢の死後世界と異なり、Neige は自らの目で見た “あの世” を恐ろしいとは感じていません。むしろ子供の頃に感じていたバニョール=シュル=セーズの厳しい現実、マッチョイズム、自分に対して冷酷な街の雰囲気を心から追いやるに充分の桃源郷。
「想像を遥かに超えた美しく、言葉には表せない世界だったね。直接アクセス出来なくなった今でも心の中奥底ではあの世界を感じているんだ。奇妙に聞こえるかもしれないけど、この物理的な世界に完全に属しているとは感じられていないんだ。皆んな本当はそうなのかもしれないよね。ここ以外に真の家があるのかも。だからある意味、僕たちはこのバンドでその場所を探求しているんだよ。」

つまり、Neige がフランス語で紡ぐ憂鬱と悲しみのイントネーションには、彼が憧れの中に垣間見た魔法の場所へと回帰するロマンチックな目的まで含まれているのです。ALCEST の動力源は審美の探求。例えその場所が死によってのみでしか到達できないとしても。
「ALCEST を始めたのは、臨死体験が僕を孤独にしたからなんだ。音楽を世に放つのは、海にボトルを投げて返事を待つようなものだよ。だから反響があるととても感動するよ。愛する誰かを失って、だけど僕たちの音楽が助けになったと話してくれる人もいるんだ。それって最高に美しいフィードバックだよ。」
そうして ALCEST は “Spiritual Instinct” でもその光と闇の探求を続けます。
「若い頃は死を迎える時、自分を待つ家があると感じられることが希望だった。だけど同時に世界から切り離されているようにも感じていたんだ。別の場所から来たように思えてね。だからいつも2つの世界に住んでいるようだった。だからこそ、ALCEST はその2つの世界、光と闇を1つに繋いでいるんだよ。」

参考文献: REVOLVER:”BLACKGAZE” LEADERS ALCEST ON “LIVING BETWEEN TWO WORLDS,” EMBRACING DARK SIDE

BILLBOARD:French Band Alcest Fuses Black-Metal Dissonance with Alt-Rock Guitar Orchestration for ‘Spiritual Instinct’

CoC:Alcest’s Neige on Spiritual Instinct, Initial Black Metal Backlash, Deafheaven’s Rise, and More

INVISIBLE ORANGES:http://www.invisibleoranges.com/alcest-neige-interview-spiritual-instinct/

MARUNOUCI MUZIK MAG “KODAMA”

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ALCEST Official
NUCLEAR BLAST
日本盤のご購入はこちら。WARD RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MAYHEM : DAEMON】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GHUL OF MAYHEM !!

“We Definitely Had In Mind That We Wanted Daemon To Be Some Sort Of Return To a Certain Mood From a Certain Era. Of Course Playing De Mysteriis So Many Times Over The Past Years Means It Bled Into The Creative Process For Sure.”

DISC REVIEW “DAEMON”

「俺もじきに Euronymous を殺ってやろうと思っていた。だからあの朝新聞であのニュースを読んで、家に帰って武器やドラッグを隠さねーとと思ったんだ。おそらく俺が第一容疑者だったはずだから。」
Necrobutcher が今年発したこの言葉は、ブラックメタルを司るノルウェーの闇司祭 MAYHEM に刻まれた、逃れられぬ呪われし過去の暗影を再び浮かび上がらせることとなりました。
MAYHEM 初期の歴史には死と犯罪の禍々しき臭気が立ち込めています。教会への放火は連鎖の序幕。オリジナルボーカル Dead は自らでその命を断ち、バンドの中心人物 Euronymous は Dead の死体写真を撮影し、彼の “死” をある種利用して MAYHEM の神秘性を高めました。ただしその宿悪は、1993年、MAYHEM でベースをプレイしていた BURZUM の Varg による Euronymous 殺害という狂気の終着駅を導く結果となったのです。
しかし一方で、その凄惨と背教、サタニズムに根差す闇の神秘が、異端に焦がれる数多の使徒を惹きつけ、今日の巨大で邪悪なメイヘム像を建築する下地となったのも確かでしょう。
「間違いなく、俺らの中には “Daemon” である特定の時代の、特定のムードへといくらか回帰したいという気持ちが存在したんだ。もちろん、ここ何年にも渡って “De Mysteriis Dom Sathanas” を何度もプレイしたことは、今回のクリエイティブプロセスに影響を与えたよ。それは確かだね。」
BEHEMOTH の Nergal をして “エクストリームメタルのマグナムオーパス” と言わしめる “De Mysteriis Dom Sathanas”。完全再現ツアーを続ける中で、MAYHEM は自身のマイルストーンを再発見し、拡散する音楽の進路を原点へと向かわせる決断を下したと Ghul は語ってくれました。
ただし5年ぶりとなる最新作 “Daemon” は、単純に “De Mysteriis Dom Sathanas” PT.2 を目論んだレコードではありません。何より、古典のインテグラルパートであった Euronymous と 歌詞を残した Dead は世界から失われて久しいのですから。
“De Mysteriis” は例えるならば悲愴と熾烈を意図的に掛け合わせたキメラ獣でした。ハンガリーのアクセントでさながら病んだ司祭のように歌い紡ぐ Attlia のシアトリカルでオペラ的なパフォーマンス、Euronymous のアイデアを基にしたエコーとリヴァーブ、マルチトラックの音の壁、Hellhammer の恐怖と抑制のドラミング。
圧倒的に悪意が貫かれたアルバムはブラックメタルのスタンダードでありながら、決してジャンルへの入り口となるようなアクセシブルな作品ではなく、むしろ部外者を拒絶し謝罪も譲歩も受けつけない唯一無二の無慈悲な威厳を纏っていました。
もちろん、旅路の果てに “Daemon” で取り払った装飾と実験性、そして時代を超えたプリミティブな獰猛と邪悪はオールドスクールな MAYHEM の姿を投影しています。しかし究極的には、”Daemon” で受け継いだと言われる “De Mysteriis” の遺産とは、原始的なピースとしての楽曲が、集合体として底知れない深み、知性を得る “De Mysteriis” のスピリット、構造そのものだと言えるのかもしれませんね。
そうして可能となった、内なる “悪魔” とのチャネリング。 Necrobutcher は “Daemon” こそがここ15年で MAYHEM の最高傑作だと断言します。
「2004年に “Chimera” をリリースしてから最も誇れる作品だ。ここ15年で最高のものだよ。おそらくそれは… “ライブフレンドリー” な仕上がりになったからだ。”Esoteric Warfare” や “Ordo Ad Chao” にはそこが決定的に欠けていたからね。
その2作も良いアルバムだったけど、ライブで再創造するのが難しかった。”Daemon” はそうじゃない。半数の楽曲はこれからライブでプレイする予定だよ。だから前2作とは全く関連がないとも言えるね。現行のメンバーで9, 10年は続けている。そうして成熟した成果なんだ。」
「俺らはこのレコードで全てを取り払い、”本質” へと戻したのさ。」”Daemon” に求めたものはブラックメタルの “本質”。ライブの原衝動は確かに本質の一部でしょう。では細分化、複雑化を極める現代のブラックメタル世界で Ghul の語る本質とは何を意味するのでしょう。初期の禍々しき “メイヘム” な記憶?
「俺にとってブラックメタルとは、いつだって精神を別の世界、領域へと誘う音楽なんだ。だから様々な表現方法があって然るべきだと思う。」
そう、彼らにとってサタニックテロリストの過激な姿はそれでも過ぎ去りし過去。それは Necrobutcher がかの “Lord Of Chaos” ムービーに放った 「全部でたらめだ。映画を見たけどただ悲しくなったね。良い映画じゃないよ。」 の言葉に投影されているようにも思えます。ブラックメタルの “本質” とは思想、信条にかかわらずリスナーを非日常の別世界、精神領域へと誘うパスポートだと言えるのかもしれませんね。
今回弊誌では、ギタープレイヤー Ghul にインタビューを行うことが出来ました。「彼らにとって大きな意味を持つ作品なんだと痛感したよ。だから、”De Mysteriis Dom Sathanas” を可能な限り忠実に、俺たちがライブで再創造することが重要だったんだ。」 どうぞ!!

MAYHEM “DAEMON” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HUMANITY’S LAST BREATH : ABYSSAL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BUSTER ODEHOLM OF HUMANITY’S LAST BREATH !!

“Djent Was a Continuation Of What Meshuggah Started. Everyone Added Their Own Flavour To The Sound For Better Or For Worse. Thall Is Just a Word That Sounds Funny In Swedish.”

DISC REVIEW “ABYSSAL”

「MESHUGGAH はあの本当にユニークなサウンドの先駆者なんだ。演奏の面でも、作曲の面でもね。僕たちも含めて多くのバンドが彼らの直接的な子孫だと言えるだろうな。」
そのジャンル名は “EVIL”。MESHUGGAH の血を引くスウェーデンの猛威 HUMANITY’S LAST BREATH は、シーンに内在する愚かな “ヘヴィネス” の競争を横目に、純粋で無慈悲なまでに冷徹な恐怖と狂気を世界へと叩きつけます。
Calle Thomer と Buster Odeholm。”Thall” 生みの親にして Djent の神、VILDHJARTA のメンバー2人を擁する HUMANITY’S LAST BREATH に大きな注目が集まるのはある意味必然だったと言えるでしょう。何より、VILDHJARTA 本体は長らく隠遁状態にあったのですから。
ただし、HLB は決して VILDHJARTA のインスタントな代役というわけではありません。「Djent のムーブメントは MESHUGGAH が始めたことの継続だったんだ。良しにつけ悪しきにつけ、みんながその下地に独自のフレイバーを加えていったよね。」Buster の言葉が裏付けるように、HLB が追求し個性としたのは Djent を通過した “重” と “激” の究極形でした。
2012年のデビューフル “Humanity’s Last Breath” から7年。実際、唯一のオリジナルメンバー Buster がバンドを一度解体し、再構築して作り上げた最新作 “Abyssal” は彼の愛する MORBID ANGEL のように重量以上の畏怖や威厳を伝える音の “深淵” だと言えるでしょう。
「ヘヴィーな音楽において、コントラストは非常に軽視されていると思うんだ。だけど僕はソングライティングのアプローチにおいて、最も重要な要素の1つだと考えているよ。」モダンメタルコアの新星 POLARIS はヘヴィネスの定義についてそう語ってくれましたが、HLB の威容にも奇しくも同様の哲学を垣間見ることが可能です。
オープナー “Bursting Bowel Of Tellus” は HLB が描く “激重” の理想なのかも知れませんね。威風堂々、デスメタルの重戦車で幕を開け、ピッチシフターの雄叫びと高速シンコペーションで djenty なカオスを創出。ブラストの悪魔を召喚しつつ呪術的なクリーンボイスでさらなる中毒性を醸し出すバンドの方程式は、まさしくヘヴィネスの坩堝と対比の美学に彩られています。
事実、新ボーカル Filip Danielsson の豊かな表現力は HLB にとって進化のトリガーだったのかも知れません。獰猛な咆哮はもちろん、時にエセリアルに、時に邪悪に、時に囁き、時に静寂まで呼び寄せる Filip のワイドな魔声により、仄かな北欧の風を伴ってバンドは多様に真の “激重” の探求へとその身を委ねることになりました。
さらに “Born Dust”, “Fradga”, “Abyssal Mouth” と聴き進めるうち、そこには STRAPPING YOUNG LAD, FEAR FACTORY と交差する、近未来感を軸としたシンクロニシティーがまざまざと浮かんで来るはずです。それはブラッケンドで djenty な最高級のテクニックを、惜しげも無く純粋にヘヴィネスへと注ぎ込み昇華した桃源郷のディストピア。
もちろん、アルバムの第二幕、全楽曲のインストバージョンは建築士としての自信と DIY の矜持であることを付け加えておきましょう。彼らのデスコアマッドネスに知性は不可欠です。
今回弊誌では、ドラムスとギターを自在に操る鬼才 Buster Odeholm にインタビューを行うことが出来ました。「”Thall” とはスウェーデン語で面白く聴こえるようなただの言葉なんだ。」今、世界で最も重力を集めるブラックホール。どうぞ!!

HUMANITY’S LAST BREATH “ABYSSAL” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DREADNOUGHT : EMERGENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KELLY SCHILLING OF DREADNOUGHT !!

“The Term “Female Fronted” Sensationalizes Women And Turns Us Into a Gimmick. We Are All Human Beings Creating Sound And Gender Shouldn’t Be The Focal Point. “

DISC REVIEW “EMERGENCE”

「近年、音楽はジャンルの表現を超えて日々拡大していっているわ。交配と実験が重ねられているの。だからもしかしたら、ジャンル用語自体、大まかなガイドラインとして受け止められるべきなのかもしれないわね。」
プログメタル、ブラックメタル、フォーク、ドゥーム、ジャズ、チェンバー、クラシカル、ポストメタル。コロラド州デンバーに端を発する男性2人女性2人の前衛的メタルカルテットは、”恐れを抱かず” ジャンルの境界を決壊へと導く気炎にして雄心です。
現在、メタル世界の地図において最も多様で革新的な場所の1つ、ダークなプログレッシブドゥームの領域においても、DREADNOUGHT の描き出す無限の音景は実にユニークかつシームレスだと言えるでしょう。
「メンバーのうち2人が人生の大半を木管楽器をプレイしてきたから、作曲の中に盛り込みたいと考えたのね。私は10代の頃に、フォークメタルムーブメントや民族楽器を使用するメタルバンドからインスピレーションを得ているから、フルートを楽曲に取り入れたいと思うのは自然なことだったわ。」
そのドラマティックでカラフルな音の葉の根源が、演奏者のユーティリティ性にあることは明らかでしょう。インタビューに答えてくれたボーカル/ギター/フルート担当の Kelly を筆頭に、ドラム/サックスの Jordan、キーボード/ボーカルの Lauren、そしてベース/マンドリンの Kevin。典型的なロックの楽器以外をナチュラルに導入することで、バンドは多次元的な深みと自由な翼をその筆へと宿すことになりました。
火、風、水、土。THRICE の “The Alchemy Index” から10年の時を経て、今度は DREADNOUGHT が地球に宿る四元素をそのテーマとして扱います。そうして炎の獰猛と優しさを人生へと投影した最新作 “Emergence” は、バンド史上最も思慮深くアトモスフェリック、一方で最もパワフルかつ記憶に残るアルバムに仕上がったのです。
水をテーマとした前作 “A Wake in Sacred Waves” の冒頭とは対照的に、不穏に荒れ狂う5/4で幕を開けるオープナー”Besieged” は “現在最もプログレッシブなメタルバンド” との評価を確信へと導く野心と野生の炎。デリケートなジャズ/ポストロックの低温と、高温で燃え盛るブラックメタルのインテンスはドゥームの組み木で燃焼しせめぎ合い、ダイナミズムのオーバーフローをもたらします。
兆した悲劇の業火はチェンバードゥームと Kate Bush の嫋やかな融合 “Still” でとめどない哀しみへと飛び火し、その暗澹たる感情の炎は KARNIVOOL のリズムと OPETH の劇場感を追求した “Pestilent” で管楽器の嘶きと共にクライマックスを迎えます。それは過去と現代をシームレスに行き来する、”スペースロック” の時間旅行。
とは言え、”Emergence” は前へと歩き出すレコードです。KRALLICE や SEPTICFLESH の混沌とアナログキーボードの温もり、管楽器とボーカリゼーションの絶妙なハーモニーを抱きしめた “Tempered” で複雑な魂の熱を受け入れた後、アルバムはエセリアルで力強き “The Walking Realm” で文字通り命の先へと歩みを続けるのです。
もはや10分を超えるエピックこそ DREADNOUGHT の自然。それにしてもゴーストノートや奇想天外なフィルインを駆使した Jordan のドラムスは群を抜いていますし、Lauren の鍵盤が映し出すイマジナリーな音像の数々も白眉ですね。
今回弊誌では、美麗極まる歌声に激情のスクリーム、そしてマルチな楽器捌きを聴かせる Kelly Schilling にインタビューを行うことが出来ました。「フィーメールフロンテットって用語は女性を特別で、センセーショナルにする、つまり私たちをギミックに変えるのよ。私たちはみんな音を作り出す人間であって、性別を焦点にすべきではないのよね。」どうぞ!!

DREADNOUGHT “EMERGENCE” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BELZEBUBS : PANTHEON OF THE NIGHTSIDE GODS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Sløth & Hubbath OF BELZEBUBS !!

ALL PICTURES BY JP AHONEN

“I’m a Comic Nerd Myself, So I’d Have To Namedrop Katsushiro Otomo, Masamune Shirow, Osamu Tezuka And Kenichi Sonoda As Personal Favorites, For Example.”

DISC REVIEW “PANTHEON OF THE NIGHTSIDE GOD”

“漫画” の世界に居を構える “カートゥーンブラックメタル” BELZEBUBS は、DETHKLOK に対するブラックメタルからの返答です。
フィンランドのコミックアーティスト、JP Ahonen の創造する漫画の世界から産声を上げた仮想のカルトバンドは、いつしか現実を超える真なるブラックメタルへと到達していました。
Ahonen が描いたのは、”シリアスな” ブラックメタルバンドの “ステレオタイプな” 日常。結婚の重圧、子供怪獣、そして BELZEBUBS と家庭のバランス、さらに MV 撮影のための不気味な場所の確保にまで苦悩し奔走するコープスペイントのバンドマン Sløth の毎日は、実に多くの共感を生みました。
謎に包まれたカルトメタルスターも、実際は自分たちと同様に些細なことや生活の一部で悩み、何とか乗り越えている。巻き起こったシンパシーの渦は、そうして現実世界にまで彼らの音を轟かせる原動力となったのです。
「もちろん、俺らのルーツはブラックメタルにあるよ。けど、クラッシックからデスメタル、プログロックに映画音楽まで全てを消化しているのさ。」
Hubbath が語るように、レイヤーにレイヤーを重ね、彼らの言葉を借りれば “満載の” 61分 “Pantheon Of The Nightside Gods” は、奇跡のデビューフルだと言えるでしょう。同時に、北欧エクストリームの重鎮 Dan Swano の仕事においても、最高傑作の一つとして語り継がれるはずです。
実際、DETHKLOK がそうであったように、コミックから生まれた BELZEBUBS の “Pantheon Of The Nightside Gods” も、ただシリアスにジャンルに対する愛に満ちています。メロディックかつシンフォニック、絢爛豪華なブラックメタル劇場は、プログレッシブな筋書きと演技で完膚なきまでに濃密な神話の荘厳、古から伝わる闇の力を伝えるのです。
EMPEROR の “In The Nightside Eclipse”, BRUZUM の “Hyvis Lyset Tar Oss”, CRADLE OF FILTH の “Principle Of Evil Made Flesh”、そして EDGE OF SANITY の “Purgatory Afterglow”。1994年の魔法を全て封じ込め、さらに DISSECTION や OPETH, CHILDREN OF BODOM の理念までも吸収したアルバムは、よりコマーシャルに、よりコンテンポラリーにマスリスナーへと訴求するある種北欧エクストリーム、北欧ドラマチシズムの集大成と言えるのかもしれませんね。
コンパクトとエピック、両極が封じられていることもバンドのワイドな背景を描写しています。獰猛で、トラディショナルなブラックメタルの刃を宿す “Blackened Call” が前者の代表だとすれば、オーケストラと実験性の海に溺れる耽美地獄のサウンドトラック “Pantheon Of The Nightside Gods” はまさしく後者の筆頭だと言えるでしょう。そうして広がるクワイアとオーケストレーション、そしてシンセサイザーの審美空間。
もちろん、コミックブラックメタルという BELZEBUBS の出自とコンセプト、そしてあざとさも垣間見えるコマーシャリズムは、20年、25年前のサークルでは憎悪の対象となったのかも知れません。
ただし、映画 “Lords of Chaos” の制作が象徴するように、近年ブラックメタルのシーン全体が狂気と暴力のサタニズムから、多様なエンターテイメントの領域へと移行しつつあるようにも思えます。そうした背景を踏まえれば、むしろ BELZEBUBS の登場と音楽的総括は必然だったのかも知れませんね。
もちろん、コープスペイントを纏う Obesyx, Sløth, Hubbath, Samaël  のキャラクターが実際に演奏をしているのか、それとも中の人が演奏をしているのかは悪魔のみぞ知るですが、特にリードギタリスト Obesyx のプラッシーで流暢なソロワークには目を見張るものがありますね。誰なんでしょうか。
今回弊誌では、漫画の中から飛び出したボーカル/ギターの Sløth、ベース/ボーカルの Hubbath にインタビューを行うことが出来ました。「俺自身はマンガオタクだからな。だから、大友克洋、士郎正宗、手塚治虫、園田健一をフェイバリットとして挙げない訳にはいかないだろう。」シーン随一のシンガー ICS Vortex もゲスト参加を果たしています。どうぞ!!

BELZEBUBS “PANTHEON OF THE NIGHTSIDE GODS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VLTIMAS : SOMETHING WICKED MARCHES IN】CRYPTOPSY JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FLO MOUNIER OF VLTIMAS / CRYPTOPSY !!

2018 © Tina Korhonen/ www.tina-k.com

“Things Are a Bit Different Then When I Began. But It All Comes Down To The Same Thing, How To Go Fast And Make It As Easy And Natural As Possible.”

DISC REVIEW “SOMETHING WICKED MARCHES IN”

VLTIMAS の履歴書は、雄弁に “究極” をバンド名に冠したメタルコレクティブの偉大さを物語ります。
15年にも渡り、MAYHEM のポスト “De Mysteriis Dom Sathanas” 時代に使役し、AURA NOIR でもその名を轟かす Rune “Blasphemer” Eriksen。デスメタルのゴッドファーザー MORBID ANGEL のまさに顔で、現在は I AM MORBID を束ねる David Vincent。そして革命的なテクデスレジェンド CRYPTOPSY 唯一のオリジナルメンバー、ドラムマスター Flo Mounier。
そうして個性極まる三邪神の悪魔合体が実現したデビューフル “Something Wicked Marches In” は、エクストリームミュージックのさらなる可能性を提示する未知なる魔道書となりました。
大西洋を挟むノルウェーとアメリカ大陸の地理的困難は、むしろバンドの魅力を際立たせるアクセントです。オープナー “Something Wicked Marches In” に訪れる厄災、威風堂々のデスメタルは混沌と共に教会を包む紅蓮のリフワークへ変容し、瞬時にリスナーをスカンジナビアの凍てつく不吉へと誘います。
燃え盛る業火には、Flo の無慈悲なドラムアタック、David の “病的な” 咆哮が焚べられ、いつしか名状しがたき魑魅魍魎を生み出してしまうのです。
「俺の考えでは、VLTIMAS はよりロックに根差していると思うんだ。グルーヴィーでもっとフィーリングを重視したアイデアでね。」
特筆すべきは、VLTIMAS の設計図にロックの躍動感、グルーヴ、空間の魔法が織り込まれている点です。時にその鎌首をもたげる PANTERA を思わせるデスロールは、カオスと冷徹の荒野に絶妙のオアシスを配置します。そして刹那の静謐、アトモスフィアの蜃気楼は David の禍々しき囁き。
「Rune のヴァイブには慣れ親しんでいるんだ。だから彼の望むものは分かっているんだよ。つまり、とてもキャッチーで、いくらかはテクニカルなプレイだよ。David は楽曲により構成を求めるんだ。」
残忍でしかしキャッチー、起伏とダイナミズム溢れる “Blackend” のデスメタルは、三神の個性を攪拌しながら “Praevalidus”, “Total Destroy!” とその独自の牙を研ぎ澄ましていきます。
そうして辿り着く “Monolilith” の “究極” に禍々しく、”究極” に艶美なブルータルドラマは確かにアルバムのハイライトです。”彼女は唯一の、私が使える唯一無二の、悪魔の女王” と David が宗教的に歌い紡ぐ儀式のクリーンボーカルは、”病的な天使” の “Covenant/Domination” 時代をも想起させ、凛然荘厳の楽曲において “究極” の野心と対比の美学でリスナーを魅了するのです。
BPM の限界に挑む “Diabolus Est Sanguis” にも言えますが、不思議と耳を惹く呪術のメロディー、アトモスフィア、テンポチェンジやリズムの実験など、レコードに織り込まれた意外性とフックの数々こそが、古強者が古強者である確かな証ではないでしょうか。
自身のバンド CRYPTOPSY で来日が決定し、絶佳の EP “The Book of Suffering: TomeⅡ” をリリース。さらにもう一つのスーパーグループ TRIBE OF PAZUZU にも参加。今こそキャリアのピークを迎えるドラムマスター Flo Mounier に弊誌は二度目のインタビューを行うことが出来ました。
「まずはグルーヴとフィーリングさ!! それから、自分を変えるような練習をするんだ。つまり、自分にとって快適でないような課題だよ (笑) そういった苦手な分野にも慣れて、快適になるようにね。」 どうぞ!!

VLTIMAS “SOMETHING WICKED MARCHES IN” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DEVIL MASTER : SATAN SPITS ON CHILDREN OF LIGHT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HADES APPARITION OF DEVIL MASTER !!

“I Think The Desire To Find The Most Chaotic And Moribund Sound Is What Drew Us To Japan’s Underground Music Scene. It Has Had a Huge Impact On Us Musically And Aesthetically.”

DISC REVIEW “SATAN SPITS ON CHILDREN OF LIGHT”

「僕たちのライティングプロセスにおいて、禁止されていることは何もないし、創造的なプロセスを阻害するいかなる意図も働かないよ。」
エクストリームミュージックの世界において、ジャンルの “純血” を守るためのみに存在する特有の “ルール” はもはや過去のものへとなりつつあります。ヴァンパイアの血を引く “漆黒のプリンス” を盟主に仰ぎ、フィラデルフィアから示現したオカルト集団 DEVIL MASTER は、天衣無縫な怪異の妖気でメタル、ハードコア、ゴス、ポストパンクといったジャンルのボーダーラインをドロドロに溶かしていきます。
「 G.I.S.M., ZOUO, MOBS, GHOUL, GASTUNK…間違いなく彼らの影響は、僕たちが成そうとしていることの基礎となっているね。最も混沌とした、瀕死のサウンドを見つけたいという願望が、日本のアンダーグラウンドミュージックシーンに僕たちを引き寄せたんだと思うよ。」
ブラックメタルの歪みと混沌、スラッシュの突進力、衝動的なハードコアのD-beat、ゴシックロックの濃密なメランコリー、揺らぐポストパンクのリバーブ、そしてクラッシックメタルの高揚感。モダンメタルの多様性を究極に体現する DEVIL MASTER の音の饗宴。その骨子となったのは驚くことに、ここ日本で80年代に吹き荒れたハードコアパンクの凶悪な嵐、いわゆるジャパコアでした。
確かに、ZOUO のサタニックなイメージをはじめとして、パンクらしからぬ高度な演奏テクニック、ノイジーでメタリックなサウンドメイクなど、良い意味でガラパゴス化した当時のジャパコアシーンの異端なカオスは、DEVIL MASTER の原点としてあまりに符号します。
そして皮肉なことに、DEVIL MASTER が極東の前世紀アンダーグラウンドを起点として、多彩な阿鼻叫喚を創造したのは、今現在 「大半のモダンメタルが陥っている一種の停滞から自身をしっかり識別、認識させたいという願望」 にありました。
「サタニズムに纏わる事柄は、間違いなく僕たちの音楽に内包されているね。だけど、僕たちのアプローチは確実に典型的な意味では用いられていないんだ。」
ギターの片翼 Hades Apparition も固執する “典型” を嫌うマスターの哲学。さらにマスターマインド Darkest Prince は、「サタンは世界を前進させる力だと思う。神にも似て…いや神なんてものはいない。それは”フォース”の名称であるだけさ。邪悪だって存在しない。ただ、”道義心” が社会を形作っているだけなんだよ。」 と語ります。
つまり、彼らのサタンは “生を肯定” する存在。サタニズムを邪悪や悲惨のネガティブな一元論で語るバンドが多い中、”Devil Is Your Master” に示された通り DEVIL MASTER は、”マスター” という “フォース” の栄光を讃えることで、サタニズム由来のメランコリズムと高揚誘う勝利のサウンドを見事に両立しているのです。
EP のコンピレーションを経て Relapse からリリースとなったデビューフル “Satan Spits on Children of Light”。ピアノに始まりピアノに終わるレコードは、”Skeleton Hand” でハイテンションのホラーパンクを、”Desperate Shadow” で MERCYFUL FATE の劇場感を、”Dance of Fullmoon Specter” では古の日本の伝承を探求し、70年代のオカルト映画に通じる退廃的な邪悪をシアトリカルに体現するスペクタクルとなりました。それは聴覚とそして視覚からリスナーを地獄の底へと誘う旅。
CODE ORANGE, POWER TRIP を手がけた Arthur Rizk のプロデュースはまさしくクロスオーバー最先端の証でしょうし、もちろん、GHOST の手法を想起するリスナーも多いでしょう。
今回弊誌では、Hades Apparition にインタビューを行うことが出来ました。「一つの旗の下に音楽を創作するという典型的な “近視” の状態ではなく、僕たちの全ての影響を出したいと願うよ。そうすることで、僕たちの音楽に住む混沌とした性質をさらに加速させることが出来ると思うんだ。」 どうぞ!!

DEVIL MASTER “SATAN SPITS ON CHILDREN OF LIGHT” : 10/10

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MASTERPIECE REVIEW + INTERVIEW 【BOTANIST : Ⅵ: FLORA】JAPAN TOUR 2019 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH OTREBOR OF BOTANIST !!

“I Wanted To Push The Genre Further While Also Honoring Its Tradition. Making Botanist a Concept Project About Plants Felt Like The Way To Do That: 100s Of Bands Were Talking About Forests, But None Mere Taking It To a Specific, Scientific Level. “

DISC REVIEW “Ⅵ: FLORA”

邪悪や猟奇、そしてファンタジーがテーマとして掲げられるメタルワールドにとって、BLACK SABBATH, EMPEROR, DRAGONFORCE といったバンドの名こそ至当で理想的にも思えます。そんな倒錯した世界において、”植物学者” を名乗る BOTANIST はその原郷からすでに異端です。
「僕はブラックメタルというジャンルをその伝統に敬意を払いつつ、さらに先へと進めたいんだ。植物をコンセプトとした BOTANIST を立ち上げたのもまさにその想いから。これまで幾つものバンドが森については語ってきたけど、誰ももっと専門的なレベルで個別の植物については語ってこなかったよね。」2011年にサンフランシスコで Otrebor が創世したワンマンプロジェクトは、植物を科学し環境問題を追求する唯一無二の “グリーンメタル” へと開花して行きました。
これまでにも、WOLVES IN THE THRONE ROOM, AGALLOCH, ALCEST など自然崇拝をテーマとして、仄暗き森や鬱蒼と生い茂る木々を礼賛するブラックメタルの一派は確かに存在していました。しかし彼らはそのアトモスフィアに惹かれ、自然のよりスピリチュアルな領域へとフォーカスしていたはずです。
一方で、BOTANIST はよりミクロで科学的に植物への愛を貫きます。「多くのデスメタルバンドが死について書いていたけど、CARCASS は臨床的見地から死について最初に歌い、デスメタルをネクストレベルへ進めたんだ。」 CARCASS の死に対するある種ドライな向き合い方は、Otrebor が BOTANIST でより学術的に植物の姿を描き出す核心的なインスピレーションとなりました。ハナスイ、シーソラス、ヤエヤマヒルギといった耳馴染みのない植物を楽曲名に列挙する方法論はまさに CARCASS 譲り。
さらに BOTANIST はその “グリーンメタル” のコンセプトだけでなく、ハンマードダルシマーという特殊な楽器をメインに使用することでブラックメタルを未踏の領域へと導きます。
ドラマーを本職とする Otrebor にとって、スティックで弦を叩いて音を出すダルシマーは完璧なメロディー楽器でした。かつて住んでいたこの日本で運命的な出会いを果たした古のピアノは、風と共にロマンチックでエレガントな響きを運び、ギターレスのブラックメタルという倒錯と神秘的のアートを創造して行くのです。
貪欲な研究者 Otrebor は、緑の音楽を絶え間なく精製し続けます。リスナーの思考を絶え間なく促しながら、夢見心地に浮遊する陶酔と恍惚の極致 “Ⅵ: Flora” は、ソロプロジェクトとしての BOTANIST にとって一つの完成形だったのかも知れません。
一筋の新緑だったグリーンメタルの種子はそうして徐々に森を形成していきます。ローマ数字のナンバリングから “Collective” 表記へと移行し、初めてバンド形態で制作された “The Shape Of He To Come” のダイナミズム、グルーヴ、躍動感はまさしく “集団” としての生命力に満ちています。メンバーという養分を得て緑を増した聖森のざわめきは、より荘厳に、より実験的にリスナーの五感へと訴えかけるのです。
深刻な環境破壊により未曾有の危機に直面する人類と地球において、Otrebor は BOTANIST の発芽は必然だと語ります。「BOTANIST のようなプロジェクトは、地球の自己防衛メカニズムの結果であると心底信じているんだ。自然の重要性とその保存について情熱的な方法で人々に発言することを要求するようなね。」もしかすると彼らはは自然が意思を持って遣わした有機的なメッセンジャーなのかも知れませんね。
今回弊誌では、Otrebor にインタビューを行うことが出来ました。奇跡の来日が決定!「僕たちは、日本のファンがお気に入りの植物を携えて現れ、ライブで掲げてくれるのを熱望するよ!」どうぞ!!

BOTANIST “Ⅵ: FLORA” : 9.9/10

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