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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【AKERCOCKE : RENAISSANCE IN EXTREMIS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAVID GRAY OF AKERCOCKE !!

Photo by Tina Korhonen © 2017, all rights reserved.
Photo by Tina Korhonen © 2017.

UK Extreme Legend, Akercocke Returns For The First Time In A Decade! “Renaissance In Extremis” Delivers Euphoric Force And Mind-boggling Weirdness !!

DISC REVIEW “RENAISSANCE IN EXTREMIS”

90年代後半から漆黒の創造性でシーンを牽引する英国のアーティスティックなノイズメイカー AKERCOCKE が、10年の時を超え完璧なる復活祭 “Renaissance in Extremis” をリリースしました!!背徳には恍惚を、暴虐には知性を、混沌には旋律を、等しく与える “死のルネッサンス” でバンドはその邪悪を崇高の域にまで昇華します。
生々しき衝動のラフダイアモンド、”Rape of the Bastard Nazarene” でエクストリームシーンに登壇した突然変異のモンスター AKERCOCKE。デスメタル、ブラックメタル、プログ、アヴァンギャルドをその身に浴び降誕した凶暴なるカオスは、”Words That Go Unspoken, Deeds That Go Undone” を頂点とするトリロジーで、美麗なる異端の響き、クリーンパートまでをも宿し唯一無二の存在と化しました。
さらに、バンドの第一章を閉幕するシグナルとなったより実験的な2007年の “Antichrist” では、BBC 北アイルランドのディベート番組出演を騒動のピークとする “アンチクライスト” 論争を巻き起こすなど、その存在感もアンダーグラウンドメタルシーンのアイコンとして群を抜いていたのです。
しかし、残念ながらバンドのその際立つ個性も、長い沈黙の中で、まるで月が闇夜に欠けて行くかの如く徐々に忘れられて行きました。「本当は、僕たちは2012年に解散した訳ではないんだ。線香花火のようにフェイドアウトしていったような感じだね。」 と David が語るように、実際のところ、その仄かな月明かりはただ暗闇へと溶け込み潜伏していただけでしたが。
雌伏の時を終え、Jason Mendonça, David Gray, Paul Scanlan というオリジナルメンバーを軸に帰還を果たし、遂にリリースした “Renaissance in Extremis” は紛うことなきフルムーン、エクストリームメタルの新教典。”初めて制作したサタニックではないアルバム” と語る通り、バンド史上最もコントラストが際立ったワイドで濃密なレコードは、再びリスナーの記憶を呼び覚まし、確実にジャンルのランドマークとなるはずです。
DEATH の遺伝子を宿すメカニカルなイントロダクションが印象的な “Disappear” はバンドの帰還を高らかに告げるキラーチューン。フェンリルのようなデスメタルの獰猛さに、ミッドガルドの冬景色、冷徹なるアトモスフィアを抱きしめる諸行無常のオープナーは、トレイルブレイザーとしての威厳、凄みを見せつけるに充分なクオリティーを誇り、リスナーをあの素晴らしきトリロジーの時代へと誘います。
変化の兆し、ルネッサンスの予兆は “Unbound by Sin” で現れます。トレードマークであるサタニックなコンセプトから離れ、改めて内省的な痛みや苦しみに焦点を当てたアルバムは、ボーカリスト Jason Mendonca をより生々しい、絶望と儚さが同居する類希なるストーリーテラーへと仕立てあげました。実際、ガテラルにグロウル、狂気と正気のクリーンに詠唱まで巧みに使い分ける Jason のシアトリカルな歌唱、対比の魔法は “Theatre of Akercocke” のまさに主役です。
特にこの極めてプログレッシブな楽曲で、Jason の変貌を巧みに反映したメジャーキーのヒプノティックなクリーンパートはあまりに創造的でインプレッシブ。”One Chapter Ends For Another to Begin” にも言えますが、例えば ENSLAVED がしばしば生み出す至高の神々しさと同等の強烈なエモーションがここにはあります。
同時に、ギタリストでもある Jason のクラシカルなシュレッドと、復帰を果たしたスケールの魔術師 Paul Scanlan のホールトーンを旗印とした鮮烈のリードプレイ、Neal Peart のフィルインを受け継ぐ David Gray の繊細かつ大胆ななドラミング、勿論ボーカルを含め全てがスケールアップを果たし “足枷” を解かれた音楽の罪人は、よりフックとキャッチー、そしてインテリジェンスを携えてリスナーの五感を刺激するのです。
バンドの新たな容貌、アルバムのハイライトは5曲目に訪れます。「僕が今まで聞いた他の歌手とは違って、感情的な反応を誘発する、魂に響くシルヴィアンのボーカルはあまりに魅力的。」 インタビューで David は敬愛する JAPAN と David Sylvian への愛情を隠そうとはしませんでした。そして、耽美と実験性を纏った究極なる幽玄、”Familiar Ghosts” は確かに JAPAN のスピリットで幕を開けます。
同時に、DEATH のリフワーク、OPETH のデザイン、EMPEROR のアヴァンギャルドを7分の楽曲に無駄なく梱包した極上のエクストリームジグソーパズルは、シンセ、ストリングスを伴って、遂に David の野心を須らく投影した奇跡のアートとして語り継がれるに違いありません。
アルバムは、9月の英国をイメージさせるニヒルな混沌 “A Particularly Cold September” で幕を閉じます。 Paul のサックスを大胆に起用した、深く陰鬱でサイケデリックな9分間は AKERCOCKE の成熟を物語るショーケースとして完璧なアンビエンスを宿すクローサーと言えるでしょう。
一度死の淵に臨んだバンドは、進化という名のルネサンスに臆することはありません。今回弊誌では、バンドの創立メンバーでドラマー David Gray にインタビューを行うことが出来ました。取材は、アルバムのミキシングを担当した伝説的スタジオマスター Neil Kernon の協力の下行われました。当然ながら、彼の素晴らしい仕事にも拍手を。どうぞ!!

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AKERCOCKE “RENAISSANCE IN EXTREMIS” : 10/10

INTERVIEW WITH DAVID GRAY

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Q1: First of all, what was the reason of your breaking up in 2012? what was the mood of the band at the time?

【DAVID】: We didn’t really break up in 2012, we played our last shows as a functioning band in 2011 but things had been unusual for several years before that. Things just sort of fizzled out, there was no actual moment of absolute seperation – it seemed rather like none of us really had the energy to keep the rather neglected band alive so it just ran out of oxygen.

Q1: まずは、2012年に一度解散した理由を教えていただけますか? 当時のバンド内の雰囲気はいかがでしたか?

【DAVID】: 本当は、僕たちは2012年に解散した訳ではないんだ。
機能するバンドとして最後のショウを行ったのは2011年だっただけでね。だけど、その何年か前からバンドは正常な状態ではなかったんだ。
つまり、線香花火のようにフェイドアウトしていったような感じだね。実際に、完璧な別離の時が訪れた訳ではないんだよ。
僕たちの中の誰も、少し見放されてしまったバンドの生命を保つエナジーを有していなかったように思えるね。まるで酸素が切れてしまったようにね。

Q2: It was surprise that you came back with original member Paul Scanlan in 2016. Where did the idea come from?

【DAVID】: The original idea was to come back with a new guitarist but to be honest I was personally really keen to get Paul back, as was Nathaneal, who was the real key to the band getting back together at all! Jason agreed that we should really aim for a proper reunion and fortunately he managed to convince Paul to come and hang out and jam again. I was surprised and really pleased that Paul was so open to the whole idea and I think we all agree that he has bought so much to the new album that it would be ridiculous to think of anyone else playing guitar in Ak.

Q2: 故に、昨年バンドがオリジナルメンバーの Paul Scanlan と共に復活を遂げたニュースは嬉しい驚きでした。再始動のアイデアはどこから始まったのですか?

【DAVID】: 新たなギタリストとカムバックを遂げるのが最初のアイデアだったんだ。だけど、正直にいって、僕が個人的に Paul の復帰に熱心だったんだよ。12使徒の一人ナタナエルのように、またバンドが一つになり復活するためのキーパーソンだってね!
Jason は、僕たちは適切なリユニオンを目指すべきだと同意してくれたよ。そして幸運なことに、彼は何とか Paul にまたツルんだりジャムったりすることを納得させたんだ。
僕は Paul がこのリユニオンの全体像にとてもオープンで驚いたし、とても嬉しかったね。彼が新しいアルバムに持ち込んだものはとても大きく、他のギタリストが AKERCOCKE でプレイするなんて考えは馬鹿らしいと今では全員が思っているよ。

Q3: Anyway, “Renaissance in Extremis” is the first record in ten years for you! Definitely, it’s very long interval. When you recorded “Antichrist”, could you imagine such a long interval?

【DAVID】: No, we had already started composing songs for the next Ak album, which was scheduled for 2009 – Jasons songs all ended up on the new album and all of Matt Wilcocks songs ended up on the Antichrist Imperium album that I worked on with him. Jason and I both agreed that the ‘Antichrist’ album just didn’t seem like the end of the Ak story, so we were pleased to finally set things to rights creatively.

Q3: その最新作 “Renaissance in Extremis” が、10年の時を経て遂にリリースされましたね!先程、何年かバンドの状態があまり良くなかったと仰いましたが、前作 “Antichrist” をリリースをリリースした時点で、この長いインターバルを想像していましたか?

【DAVID】: いや、していなかったね。と言うのも、僕たちは当時すでに、次のアルバムに向けて作曲を始めていたからね。新作は2009年にリリースする予定だったんだよ。
結局、その中の Jason の楽曲はこの新作に収録され、Matt Wilcocks の楽曲は僕と彼が制作した ANTICHRIST IMPERIUM のアルバムに収録されたんだ。
Jason と僕は、”Antichrist” が AKERCOCKE の物語を終わらせるアルバムには思えなかったから、喜んでクリエイティブな活動を再開することにしたんだよ。

Q4: Regarding “Antichrist”, there was a “Controversy” on the record at that time. Actually, you played Belfast gig despite protests from Christian groups and a strong police presence at the show. Looking back now, what’s the Controversy about “Antichrist” to you?

【DAVID】: No idea, we participated in a rather dubious television programme on Irish television purely for the publicity involved for the band. The interviewer and guests on the show in Ireland didn’t really know or care about Ak and the fact that we had successfully played in Ireland before was overlooked for the benefit of their curious line of questioning. I thought it would be amusing for the few Irish underground metal fans who knew us to see us on tv and that was as far as our ambition for the debacle went really. People still mention it to me now, ten years on so I guess it worked as an exercise in band publicity although Jason and I look quite bewildered in the clip. Which we were, hahaha…

Q4: “Antichrist” と言えば、あのレコードがリリースされた当時は、”論争” が巻き起こりましたね?実際、アイルランドではショウが妨害される事態にまで問題は発展しました。今振り返って、ああいった宗教的な反発はあなたにとってどのような出来事だったのでしょう?

【DAVID】: わからないよ。僕たちは純粋にバンドに関わる宣伝のために、アイルランドの少々疑わしいテレビ番組に出演したんだ。アイルランドのその番組のインタビュアーとゲストは、AKERCOCKE について実際には詳しくもファンである訳でもなかったんだよ。
ただ、彼らの奇妙な質問のおかげで、僕たちのアイルランドでのショウが以前は成功を収めた事実は見落とされているね。僕は、数少ないアイルランドの地下メタルファンが僕たちをテレビで見る事ができたら面白いとだろうと思っていたんだよ。まあそういった僕たちの野心は大失敗に終わった訳だけど。
みんな10年後の今でも、あの出来事を僕に話してくるから、バンドの宣伝活動としては働いていたと思うんだけどね。だけど、ジェイソンと僕はかなり戸惑っていたよね。ハハハ…。

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Q5: So, It seems contradictory that Renaissance (big change) happens when we are going to die. what’s the meaning behind the album title “Renaissance in Extremis”? Also, art work is so beautiful. Is there any concept in this record?

【DAVID】: No concept overall for the album, apart from it being the first non-Satanic piece of work the band has ever created. I contributed less than half of the lyrics this time round and I certainly had no overall thematic concept myself personally. The title of the album is pretty self explanatory – the artwork and design was all created by Sean Keatley of Skeats designs, its the first time we have sourced someone completely outside of the band for this resource and we are all really pleased with the excellent result.

Q5: では、”Renaissance in Extremis” のテーマやコンセプト、アートワークについて話していただけますか?

【DAVID】: アルバム全体にコンセプトは存在しないんだ。バンドが初めて制作した、サタニックではないアルバムという点以外はね。
今回僕が貢献した歌詞は半分以下なんだけど、個人的に全体的なテーマを意識はしなかったね。アルバムのタイトルはまさにそれ自体が全てを説明しているよ。
アートワークとデザインは、Skeats designs の Sean Keatley が手がけたんだ。完全にバンド外の人間に依頼するのは初めてだったけど、僕たち全員は本当にこの素晴らしいアートワークに満足しているんだ。

Q6: Musically, what was the goal of “Renaissance in Extremis”? I feel Paul’s lead guitar is one of the key of this record. Definitely, this is one of the most technical and melodic , full of hook works the band has released, Do you agree that?

【DAVID】: Pauls lead guitar is definitely one of the main highlights of this new album, he’s always been brilliant but he really has outdone himself this time. His development since we all last played together has been incredible and his grasp of technical ability, melody and stunt moves are a key factor in the new albums creative success.

Q6: 先程、Paul の復帰がリユニオンの鍵だったと仰いましたが、確かに彼のリードギター、テクニック、メロディーはアルバムの重要な要素だと感じました。

【DAVID】: Paul のリードギターは、間違いなくこの新たなアルバムのメインでハイライトの一つだと言えるね。勿論、彼はいつだって素晴らしかったけど、今回は自己の最高到達点を更新したね。
僕たちが最後にプレイしてからの、彼の成長には目を見張ったよ。彼のテクニカルな能力、メロディー、妙技は新作のキーファクターで、クリエイティブな成功のもとだったね。

Q7: Alan Douches and Neil Kernon are seemed to be perfect choice for mixing and mastering this record. Because you worked with them before. more over, they know both extreme music and prog world, right?

【DAVID】: Neil Kernon definitely understands Ak and always has, his remarkable experience and incredible ability always enhances the listening experience – many Ak enthusiasts prefer the work with his input. It was also my personal pleasure to work with my drumming companion Steve Long who records percussively all of my albums now – we have currently recorded for all of my musical projects, Akercocke, The Antichrist Imperium and Voices.

Q7: Alan Douches と Neil Kernon のバンドを、ひいてはエクストリームメタルやプログを知り尽くしたプロダクションも光りますね?

【DAVID】: Neil Kernon は間違いなく AKERCOCKE を理解しているね。そしてこれまでもいつもそうだったよ。彼の素晴らしい経験と、群を抜いた能力はいつだって素晴らしいリスニング体験を生むんだよ。多くのファンも彼のインプットを好んでいるしね。
個人的には、僕のドラム仲間である Steve Long と仕事が出来たのも嬉しかったね。今のところ僕の全てのアルバム、AKERCOCKE, THE ANTICHRIST IMPERIUM, VOICES で僕たちは一緒にやって来たんだ。

Q8: Akercocke has amazing diversity from prog/jazz to ambient. But core of band seems to be Death/Black metal elements. Regarding Death metal, Black metal, which one is more important roots for you?

【DAVID】: Hmmm, I’m not sure one is more important than the other, we have very diverse tastes in music as a collective. I guess there are certain bands which all three of us all enjoy and we use their influence as a sort of group reference, like with Death metal we all like Suffocation for instance but I can’t really think of a Black metal band that we all equally like though. So I suppose our collective root is more Death metal by default…we all collectively love Rush though, they remain our favourite influence as a band.

Q8: AKERCOCKE のプログレッシブでアヴァンギャルドな一面は勿論魅力ですが、ただその根底にあるのはブラックメタル、デスメタルの基盤です。その内、特に重要視しているルーツはどちらですか?

【DAVID】: うーん…僕はどちらが重要だなんて考えたことはないなあ。僕たちは集団としてとても多様なテイストを持っているんだよ。
おそらく、僕たちが三人共に楽しめるいくつか特定のバンドがあって、それらの影響をグループとしての要求に応じて使い分けているんだと思うな。
例えばデスメタルなら、僕たち全員が SUFFOCATION を等しく愛している訳だけど、ブラックメタルバンドに関しては共通して気に入っているバンドはないように思えるね。
だから、僕たちの集団としてのルーツはよりデスメタルにあるんだと思う。あとは RUSH も全員が愛しているバンドだね。彼らからはバンドとして最も影響を受け続けているよ。

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FIVE ALBUMS THAT CHANGED DAVID’S LIFE

POSSESSED “SEVEN CHURCHES”

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Okay, first has to be POSSESSED ‘Seven Churches’, that changed everything for me, I connected with it on such a level that it felt like the last missing piece of the jigsaw of life! The production, the songs, the lyrics, the cover – had such an effect on me that I’ve never been the same since, I used to put the vinyl on my home stereo and smash my bedroom up in absolute celebration of its violent perfection. It still kicks the shit out of anything any heavy metal band has made in the last ten or twenty years.

まず挙げたいのは POSSESSED の “Seven Churches” だね。このアルバムは僕の全てを変えたんだ。あまりにこのアルバムに入れ込みすぎて、人生というジグソーパズルに欠けていた最後のピースのように感じたね!
プロダクション、楽曲、歌詞、アートワーク。これほど僕の人生に影響を与えたものはなかったんだよ。よく家のステレオにヴァイナルをセットして、この完璧な暴力性に対する絶対的なセレブレーションとしてベッドルームをぶっ壊していたね。ここ10年、いや20年、どのメタルバンドもこれほどのものは作っていないと思うな。

JAPAN “OLI ON CANVAS”

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I completely fell in love with JAPAN ‘Oil on Canvas’, the double album which I learnt many years later was meant to be a live record but in fact the only live element remaining is the drums, as everything else was re-recorded. Steve Jansen is my favourite drummer and his playing and sound on this album completely kicked the chair from under me, his flawless simple creativity was a massive influence on how I considered percussive input in composition. Steve Long and I still use the sound of Jansen’s kit on this recording as a template to perfection – the incredible writing on this collection of songs from throughout the bands career make this easily the ultimate example of their genius. I would listen to all four sides of the vinyl and then just start again, listening again and again – one of the only albums I have ever done this with.

僕は完全に、JAPAN の “Oil on Canvas” に恋に落ちたんだ。何年も後に、このダブルアルバムがライブアルバムだと知ったんだけど、実際のところ残されたライブレコーディングはドラムスだけで、他の全てはリレコーディングされていたんだけどね。Steve Jansen は僕のフェイバリットドラマーなんだけど、このアルバムの彼のプレイとサウンドには完璧にひっくり返ったよ。
彼の完璧でシンプルな創造性は、僕の作曲におけるパーカッシブなインプット、考え方に多大な影響を与えているね。Steve Long と僕は、このレコードで Jansen が使用したキットを今でもテンプレートとして使用しているんだよ。バンドのキャリアを通して驚異的な作曲の数々は、彼らの天賦の才を証明する究極の例なんだ。僕はヴァイナルの4面全てを聴くと、また何度も何度も再生を繰り返していたね。そういったアルバムは多くはないよ。

DAVID SYLVIAN “SECRETS OF THE BEEHIVE”

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Also the solo album by DAVID SYLVIAN ‘Secrets of the Beehive’ was another listening experience that changed the game again, his previous solo albums were incredible but very natural progressions from his previous band work. This album seemed to stand on its own as a listening experience, so absorbing and atmospheric that is felt like it infiltrated the room with its sonic presence, as though time were standing still and it was impossible not to listen to it in its entirety once you allowed the needle to touch the record. Utterly mesmerising vocals from Sylvian, whose voice appeared to exist on a frequency wavelength that uniquely affected the soul so deeply to provoke an emotional response unlike any other singer I’d ever heard. Steve Jansens minimal yet powerful contribution to the textures required elevated him to such superior percussive stature on this album that it made me completely re-assess my thoughts on playing the drums at the time.

David Sylvian のソロアルバム “Secrets of the Beehive” もゲームチェンジングなリスニング体験だったね。彼の前作も素晴らしかったんだけど、JAPAN からの自然な進化に思えたね。このアルバムは、もっと独立していて、音の存在感とともに、惹き付けるようなアトモスフィアが部屋に浸透しているように感じたね。一度レコードに針を落とせば、アルバムを通して聴かざるを得ないと思うな。
僕が今まで聞いた他の歌手とは違って、感情的な反応を誘発する、魂に響くシルヴィアンのボーカルはあまりに魅力的。Steve Jansen のテクスチャーへのミニマルでしかしパワフルな貢献は、このアルバムのパーカッシブな才能をさらに高め、当時のドラム演奏についての僕の考えを完全に再構成したんだよ。

LEVEL 42 “TRUE COLOURS”

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LEVEL 42 ’True Colours’ was another massive influence on my attitude toward music, drumming and also rather importantly, on writing lyrics. Phil Gould was and is a huge inspiration on my playing drums but it was a real surprise to me at the time I discovered this work that he was also responsible for the remarkable, unusual and erudite lyrics. I had always had an interest in writing but it was crucial at the time that I realised that any member of the group could in fact create the words, not necessarily the person responsible for singing them, which seems such an obvious thing now but at the time it seemed like Gould’s contribution was so refreshing and vital to the very heart and soul of the band. I soon discovered Neil Peart and RUSH after this, another incredible drummer responsible for the cerebral identity of his own band.

LEVEL 42 の “True Colours” も、僕の音楽に対するアティテュード、ドラミング、そしてもっと重要かもしれない作詞に大きな影響を与えたんだ。Phil Gould は今も昔も僕のドラミングに多大なインスピレーションを与えているよ。ただ、この作品を発見した当時は本当に驚きだったんだ。だって彼は目を見張るような個性的な歌詞も担当していたんだからね。
僕はかねてから作詞に興味があったんだけど、この作品を発見したことで、グループの中で言葉を生み出せる人が作詞をすれば良いと分かったのは非常に重要だったね。シンガーが必ずしも作詞家である必要はないんだよ。今となっては当たり前のことだけど、当時 Gould の貢献は実に新鮮かつバンドのハートとソウルにとって不可欠だったんだ。
その後、すぐに僕は RUSH の Neil Peart を発見したね。彼もバンドの中核としてそのアイデンティティーを担った驚異的なドラマーだね。

GARY NUMAN “THE PLEASURE PRINCIPLE”

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First album I ever bought was GARY NUMAN ‘The Pleasure Principle’ – so that changed my life by default, I was eight years old and loved music and was lucky enough to be young at such a superb time for music in the early eighties when artists were bold and inventive,- fearless, creative and innovative. Numans’ early work was so rich and compelling and his drummer at the time Cedric Sharpley really adds an infectious groove to the bleak and heavy atmosphere of the music, which was quite unusual at the time but judged perfectly by his superb playing.

僕が初めて買ったアルバムは Gary Numan の “The Pleasure Principle” なんだ。だから人生を変えたと言えるね。当時僕は8歳で、音楽を愛していて、アーティストが大胆かつ独創的、勇敢で創造的で革新的だった80年代初頭の、音楽にとって素晴らしい時代を幸運にも若い感性で過ごすことが出来たんだ。
Numan の初期の作品は非常に豊かで魅力的だったよ。当時彼のドラマーは Cedric Sharpley は、バンドの音楽に非常にインフェクシャスなグルーヴ、ヘヴィーなアトモスフィアを加えていたね。確かに当時としてはとても変わっていたけど、素晴らしい演奏によって完璧に評価されたんだ。

MESSAGE FOR JAPAN

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Thank you so much for your interest in the band – we would sincerely love to travel to Japan and play but have yet to be invited, hopefully one day we will be able to bring our music to your incredible country and meet the Japanese underground metal enthusiasts.

バンドに興味を持ってくれてありがとう。僕たちは心から日本へと旅をして、プレイしたいと望んでいるんだ。今のところまだ招かれていないんだけどね。いつか僕たちの音楽を君たちの素晴らしい国に届けられたらと望んでいるんだ。日本のアンダーグラウンドなメタル信者にも会えることを願うよ。

DAVID GRAY

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IGORRR : SAVAGE SINUSOID】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GAUTIER SERRE A.K.A. Igorrr !!

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Mastermind Of Modern Metal Revolution, Igorrr Sets A New Standard Across Styles Of Music, With His New Masterpiece “Savage Sinusoid” !!

DISC REVIEW “SAVAGE SINUSOID”

多様性をランドマークとするモダンメタルシーンの最前線に立ち続ける、フランスの鬼才 Igorrr が待望の最新作 “Savage Sinusoid” をリリースします!!メガレーベル Metal Blade Records と契約を果たし、自身の最高峰を更新する傑作を完成させた Igorrr の世界制覇は目前です。
Igorrr とは誇り高きフランスのコンポーザー/マルチプレイヤー Gautier Serre のソロプロジェクト。ブレイクコア、グリッチホップ、トリップホップ、バロック、クラシカル、ワールドミュージック、サイバーグラインド、デスメタル、ブラックメタルなど百花斉放、極彩色のインスピレーションを濃縮し、時代もジャンルも超越したそのサウンドスケープは即ち規格外のモンスターだと言えるかもしれませんね。そして、インタビューにもあるように Gautier は、その至高の怪物を各ジャンルのスペシャリストを招集することで制御し、自らの意のままに操っているのです。”Savage Sinusoid” のアートワークに描かれた結合のスフィアは、まさにそのシンボルだった訳ですね。
アルバムオープナー、”Viande” は Igorrr の野蛮な “Savage” サイドを象徴する楽曲です。エクストリームメタルの新たなエイリアン、奇妙な咆哮を宿した2分弱のエレクトロブラッケンドデスメタルは、息を呑むほどに野蛮で斬新。邪悪で過重な質量を纏うギターリフと、鋭利なグリッチサウンドが交差し、リズムの主導権を奪い合う様はまさしく圧巻の一言で、同時に呪詛のごときシアトリカルなスクリームは地球上で最も多様な Igorrr 劇場の開幕を告げています。
Igorrr の多様性、 “Sinusoid” サイドを体現する “ieuD”, “Houmous” の流れがシーンに与えるインパクトは絶大でしょう。ハープシコードとエレクトロビート、バロック音楽とエレクトロニカ。400年の時を超えて邂逅した、17世紀と21世紀を象徴するサウンドとジャンルは、4世紀のギャップなど存在しないかのように “ieuD” で魅惑の融合を果たしています。
中盤、荘厳なる美の結晶、狂気すら入り交じる Laure Le Prunenec のオペラティックな歌唱をコアとして、ブラストビートとブレイクビーツが入り乱れる魔展開は確かにカオティックですが、テクニカルで深層まで注意深くデザインされたそのコントラスト、タペストリーサウンドは、奔放、野性味というよりはコントロールされたカオスといった印象を与えていますね。つまり、彼のエクレクティックなチャレンジは、決して客寄せのサーカスではなく、自身の創造性、シネマティックな絵画を完成させるための絵の具や技法であるとも言えるでしょう。
“Houmous” で Igorrr のサウンドはさらにその世界を広げて行きます。”ieuD” で時空を超えた彼の音楽は軽々と地平をも飛び越えて進化を続けます。バルカン半島へとたどり着いた彼のイマジネーションは、バルカン音楽とエレクトロニカ、そしてブラストビートを結びつけ異形のエモーションを創出します。
音楽も多様なら舞台に上がる楽器の種類も実に多様。アコーディオンにサックス、フルート、そして楽曲の後半にはニンテンドーの実機を使用したチップチューン8bitサウンドまで登場するのですから、インタビューで “No Limits, No Boundaries” と断言するのも頷けますね。何より、今回の作品では全ての楽器が、サンプルではなく実際にプレイされており、その繊細かつオーガニックなサウンドはアルバムのリアリティーを飛躍的に高めていると同時に、作品のディレクションさえ以前よりソリッドにフォーカス成し得ていると感じました。アコースティック楽器とエレクトロニカサウンドのシュールなコントラストはアルバムの特筆すべき場面の一つでしょうね。
ムーブメントとしての djent が終焉を迎えシーンに定着した中で、Igorrr の”Savage” と “Sinusoid” を融合させる時代も空間も超越したユーフォリアは EDM や hip-hop が席巻する現在の音楽シーンだからこそ、新たなトレンドとしてモダンメタルをさらに前進させる可能性を多分に孕んでいます。インタビューでも語ってくれた通り、少なくともこのジャンルは未だに進化を続けているのですから。最後に、CATTLE DECAPITATION の Travis Ryan が3曲で無慈悲なグロウルを披露し、作品の “Savage” をより際立たせていることを付け加えておきましょう。
今回弊誌では、Gautier Serre にインタビューを行うことが出来ました。ほとんど多様性とコントラストについてしか言及しない Marunouchi Muzik Magazine ですから当然この作品こそ2017年上半期の最重要アルバムだと断言いたします。どうぞ!!

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Igorrr “SAVAGE SINUSOID” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GHOST BATH : STARMOURNER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DENNIS MIKULA OF GHOST BATH !!

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The Most Mysterious Black Metal 2nd Generation, Ghost Bath Mixed DSBM And Japanese Video Game Music With Their Newest Album “Starmourner” !!

DISC REVIEW “STARMOURNER”

インパクトと芸術性、そして崇高さを内包する多種多彩なブラックメタル第二世代の中でも、一際ミステリアスな存在として異彩を放つ GHOST BATH。彼らがリリースした最新作 “Starmourner” は、DEAFHEAVEN や ALCEST, LITURGY が押し広げたジャンルの壁をさらに拡張する、遠大な可能性に満ちた作品に仕上がりました。
GHOST BATH は当初、中国出身のバンドだと考えられていました。メンバーの顔を伏せた上で “鬼浴” と名乗り、アルバムをリリースしたレーベル、そしてバンドのロケーションも中国としていたのですからそれも当然です。しかしインタビューにもあるように、実際はノースダコタに拠点を置くアメリカのバンドだったのです。
Bandcamp にロケーションを要求された時、”No Location” が受け入れられなかったため、地球の反対側にある中国を何となく選んだら中国のレーベルからコンタクトが来たというのがどうやら真相のようですね。Dennis はそういった一連の流れについて「人間よりも音楽それ自体により直接コネクトして欲しかった」からと説明してくれました。
しかし、2ndアルバム “Moonlover” のヒットとそれに伴うメガレーベル Nuclear Blast との契約により全てを秘匿することが困難になったバンドは、メンバーの顔写真とロケーション、そして首謀者 Dennis Mikula の名前だけは明らかにすることとなったのです。(とは言え現在でも公式にはその名前は “Nameless” とされていますが。)
そういった経緯を経てリリースされた3rdアルバム “Starmourner” は、インタビューで Dennis が語ってくれた通り、”Moonlover” を序章とするトリロジーの第2章。バンド名が象徴するように、DSBM (デプレッシブスイサイダルブラックメタル) を自称する GHOST BATH ですが、天国や天使にフォーカスしたというアルバムはポジティブでハッピーとさえ言えるサウンドを前面に押し出し、デプレッシブなムードと夢幻に対比させた異例のブラックメタル作品となりました。
作品は天駆けるピアノが流麗な旋律を紡ぐ “Astral” でその幕を開けます。他のブラックメタル第二世代と比較して GHOST BATH をさらに特異な存在としているのは、明瞭でキャッチーなメロディーがアルバムの主役となっている点でしょう。”Seraphic” のパワーメタル的とさえ言える優美で凛々しいメロディーの洪水と、そのカウンターパートとして示されるダークでヒステリックなブラストの海原が手を取り合い創造する類希なるカタルシスは決定的にユニークで、バンドの新たなチャプターの始まりを告げています。
勿論、アルバムには DEAFHEAVEN に通じるようなインディー、シューゲイズからの影響も存在します。”Luminescence” を聴けば GHOST BATH がパワーメタルの手法を周到にその光の世界へと取り入れていることが伝わるでしょう。同様のチャレンジを試みる ASTRONOID と現在ツアーを行っていることは、決して偶然ではありません。
アルバムを語る時、Dennis の日本に対する愛情を欠かすことは出来ませんね。実は以前弊誌に登場いただいた時点で、日本に新婚旅行で訪れることを誇らしげに伝えてくれていた Dennis。すでに簡単な日常会話はマスターしており、本気でこの国に移住を考えていると言うのですから、日本のメタルファンにとってそれは大きな、そして喜ばしいサプライズに違いありません。
Dennis の日本とその文化に対する真情は “Celestial” に結実しています。彼が愛してやまない、日本のロールプレイングゲームに起因する勇壮なファンファーレがブラックメタルのタッチで描かれた時、リスナーはノスタルジーと共に生じる多幸感、恍惚感が新鮮な情動であることに気づくでしょう。その場所からさらに楽曲は、ULVER が “Perdition City” で見せたシンセワークとアトモスフィアを伴って静謐でプラトニックな “Angelic” へと歩みを進めて行くのです。その神聖なまでに巧みな構成力はまさに別世界の高みにあると言えるでしょう。
「ブラックメタルとゲーム音楽を融合させる。」  “Thrones”, “Elysian” と聴き進める内に、リスナーはその野望が完遂されたことを知るでしょう。そこには “Final Fantasy”、”ゼルダの伝説” といった私たちのクラッシックが見事に GHOST BATH のブラックメタルとして新たな生を与えられているのですから。今回も Dennis がほぼ1人で制作したアルバムは、狂気とアトモスフィア、耽美と悲愴を携えた、新鮮で文字通りプログレッシブな音楽として世界に衝撃を与えることでしょう。
70分を超える壮大な神曲は、ジブリの世界観を宿し、不思議に悲哀を称えた鍵盤とドラムスのピース “Ode” で静かに幕を閉じます。
今回弊誌では、Dennis Mikula にインタビューを行うことが出来ました。6月には Ward Records から日本盤の発売も決まっています。どうぞ!!

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GHOST BATH “STARMOURNER” : 9.7/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【COLIN MARSTON : KRALLICE, GORGUTS, BEHOLD…THE ARCTOPUS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH COLIN MARSTON OF KRALLICE, GORGUTS, BEHOLD…THE ARCTOPUS, AND MORE !!

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New York’s Own All Around Dynamic Cult Metal Super-Hero, Colin Marston Talks About Krallice, Gorguts, Behold…The Arctopus, And More!!

ABOUT “COLIN MARSTON”

Colin Marston は34歳にして既にメタル、アヴァンギャルドシーンのカルトヒーローだと言えます。変質的でありながら高い賞賛を浴び続ける、4つの価値あるバンドを牽引する人物であることがその第一の要因でしょう。
盟友 Micc Barr と立ち上げた KRALLICE は NYC の個性的なブラックメタルシーンを代表するバンドです。2011年にリリースした “Diotima” はアトモスフェリックブラックの金字塔として今も語り継がれる名盤ですし、2015年には複雑なリズムやテクニックにフォーカスしたテクニカルデスメタルへと接近し、界隈のトレンドをお膳立てするフラッグシップ的役割、影響力を見せつけましたね。昨年は VAMPILLIA 他日本のバンドたちと共演するジャパンツアーも行い、その高いミュージシャンシップと鬼気迫るパフォーマンスが話題となりました。
BEHOLD…THE ARCTOPUS は実験性を極めた真のカルトインストスリーピース。奇想天外、一見無機質でツギハギのようなカオスの中に、メロディーや叙情味を織り込んで行くそのスタイルはまさしく唯一無二でしょう。”地獄の12弦ハープ”などと称される特異な楽器 Warr Guitar のベースとギターの領域をカバーする広いレンジを駆使し、嵐のようにフレットをタップする Colin の姿はアックスマンの称号に相応しい壮絶なオーラを纏っています。
Colin はカナダの暗黒神、アヴァンデスメタルレジェンド GORGUTS にも参加しています。インタビューにもある通り、ここではベースプレイヤーとして影となり日向となり、奇才 Luc Lemay を支えているようですね。彼らもまた KRALLICE と同様に ULCERATE や PYRRHON といったモダンで深みのある新鋭デスメタルアクトたちに多大な影響を与えたオリジネーターだと言えますね。
DYSRHYTHMIA はその GORGUTS のギタリスト Kevin Hufnagel とタッグを組んだこちらもインストスリーピース。BEHOLD…THE ARCTOPUS とは異なり、リフの迷宮、カオスの魔窟といった風体のよりダークで引き摺るような重さを纏ったバンドです。Kevin がプログレッシブドゥームの英雄 WHILE HEAVEN WEPT に所属していたこともあり、”Thrak” 期の KING CRIMSON をさらに陰鬱で重厚なサウンドに仕上げたような魅力が存在します。
インタビューにもあるように、Colin は昨年この4バンド全てで新作をリリースしただけでなく、他にも4、5プロジェクトに参加し作品を世に送り出しているのです。驚くべきハイペース、創作の鬼、羅刹。
特に近年 Colin の仕事からは音楽は勿論、何者も恐れない崇高な実験精神 まで KING CRIMSON の影を強く感じます。”知恵の館”をテーマとし、イスラムアッバース朝の繁栄から衰退までを描いた33分の大曲のみを収録し、プログレッシブデスメタルの新たな領域を開拓したと各所で絶賛された GORGUTS の “Pleiades’ Dust” をはじめとして、昨年リリースされたレコードは全てが音楽的冒険の末辿り着いた比類なきクオリティーを誇るのですから、そのストイックに研ぎ澄まされた感性や人となりからももはや”現代の Robert Fripp” の称号を得ても何ら不思議ではないですね。
Colin の”ワーカホリック”はとどまる事を知りません。彼がカルトヒーローである第二の理由。それは自身が所持する Menegroth: The Thousand Caves in Queens スタジオで辣腕を振るう優れたプロデューサー/エンジニアであるからに他ならないのです。ARTIFICIAL BRAIN, LITRUGY, KAYO DOT, EAST OF THE WALL, WOE, DEFEATIST, CASTEVET など多様性をアイデンティティーとした NYC の革新的なメタルの波はこのスタジオを起点として生まれたと言っても過言ではないでしょう。
インタビューでも自身がベジタリアンであることを認めていますが、シーンきってのナチュラリストとして知られる Colin のサウンドから生命、人間、感性を捉える能力が界隈のミュージシャンたちに強く信頼されリスペクトを受けていることは間違いないでしょうね。
今回弊誌では、二つの顔を持ち、アンダーグラウンドメタルシーンで今最も多忙かつ尊敬を集める Colin にインタビューを行うことが出来ました。あの Skrillex より先にサイドカットに手を染めた冒険者 Colin Marston 解体新書のようなインタビュー。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCEST : KODAMA】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NEIGE OF ALCEST !!

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The Pioneer Of Post-Black Metal From France, ALCEST Returns To Roots And Opens Up The New Chapter With Their Newest Album “Kodama” Influenced By Japanese Folklore !!

DISC REVIEW “KODAMA”

今や世界規模で注目を集める、儚くも美しいフランスの Post-Black Metal デュオ ALCEST が Neige の幼少期、そして宮崎駿さんの名作”もののけ姫”にインスピレーションを得たという新作 “Kodama” をリリースしました!!これまでも、寺院でプレイしたり、”Souvenirs d’un Autre Monde” 収録 “Tir Nan Og” でゲーム”クロノトリガー”に対するオマージュを行うことにより日本に対するリスペクトを表していた ALCEST ですが、彼らのその想いが本格的に詰まった作品は、さらにこの地でのファンを増やすことでしょう。
ALCEST は所謂 “Blackgaze”、Black Metal と Shoegaze を融合させたパイオニア的存在です。幻想的で内省的。メランコリックな繊細さと悲痛な激しさが生み出す圧倒的なダイナミズム、神々しいまでの美しさはシーンに衝撃を与え、DEAFHEAVEN などに続く Post-Black のうねりを創出したのです。
一つの潮流を生み出した ALCEST が発表した前作 “Shelter” は “Sun-Kissed” などとも表現される、言わば”光”のアルバムでした。メタルらしさを極力排し、多幸感溢れる Shoegaze / Indie サウンドを前面に押し出した作品は、確かに彼らの特徴であるダイナミズムが失われたという点では物議を醸しましたが、それ以上に極上の Post-Rock へと進化し、溢れ出る目も眩むような光の渦、SIGUR ROS にも似たアトモスフィアが 「やはり ALCEST は凄い!」 と世の中を納得させたように思います。
“Kodama” は “Shelter” と対になるカウンターパーツ的な作品と言えるかもしれません。インタビューにあるように、もののけ姫と通じる自然を食い物にする現代社会、そしてその闇の部分でもあるテロリズムが ALCEST を動かしました。ある意味メタルのルーツに戻り、よりダークな1面にフォーカスした”最も怒れる”作品は、それでもやはり徹頭徹尾 ALCEST です。そして同時に、彼らの新しいチャレンジである POP センスが花開いたアルバムであるとも言えるでしょう。
アルバムオープナー、タイトルトラックの “Kodama” はレコードを象徴するような楽曲です。確かにここには ALCEST のシグニチャーサウンドである、 Black Metal の冷たいギターや、Shoegaze のドリーミーなメロディーがレイヤーされていますが、同時にアリーナポップに由来する要素も存在します。COCTEAU TWINS や DEAD CAN DANCE に触発されたというボーカルは何と全てがインプロヴァイズされたもの。非常にキャッチーかつ神秘的なそのメロディーラインはリスナーをもののけの森へと誘い、楽曲をよりスピリチュアルな高みへと押し上げています。この手法は、”Je suis d’ailleurs” の冒頭などでも聴くことが出来ますね。
加えて、インタビューで語ってくれた通り、グランジやインディーロックからの影響も新たな可能性を提示します。楽曲後半に見せる Neige のギターワークは群を抜いていて、シンプルかつ少ない音数で空間を意識した印象的なフレーズを奏で、故意にラフなプロダクション、サウンドで NIRVANA のようにコードをのみ激しくストロークすることで、楽曲の幅を広げることに成功していますね。Neige のコンポジションスタイルである、光と影のバランスを完璧なまでに復活させながら、さらに進化を遂げた凄みがここにはあります。
ファーストシングル、”Oiseaux de Proire” は王者がメタルへの帰還を高々と告げるアルバムのハイライトでしょう。TOOL や SMASHING PUNPKINS さえ想起させるオルタナティブな感覚を備えたギターリフと、ノスタルジックで郷愁を誘う珠玉のボーカルメロディーで幕を開ける楽曲は、Neige の咆哮を合図に突如としてその怒りの牙を剥きます。Winterhalter の鬼気迫るブラストビートに乗って疾走する、メランコリックなトレモロリフはまさしく ALCEST のアイデンティティー。挿入されるキャッチーなアコースティックパートは進化の証。溢れるようなそのエナジーは、もののけ姫終盤にししがみが首を落とす場面をイメージさせますね。インタビューで言及している通り、”二面性” “対比” “進化” に拘るアートの開拓者らしい完璧な展開美を持ったシネマティックな楽曲だと思います。
タイトル、山本タカトさんをオマージュしたアートワークからコンセプト、”対比”の妙まで強く日本を意識した “Kodama”。今回弊誌では、Neige にインタビューを行うことが出来ました。音楽、歌詞、コンセプト、演奏、全てを司るまさに ALCEST の心臓が非常に深く丁寧に語ってくれました。日本の雑誌だからこそ行えた価値あるインタビュー。どうぞ!!

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ALCEST “KODAMA” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENSLAVED : IN TIMES】LOUD PARK 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Ivar Bjørnson OF ENSLAVED !!

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Finally, Enslaved Are Going To Play For Japan For The First Time! Don’t Miss Their Amazing Performance At Loud Park 16 !!

DISC REVIEW “IN TIMES”

ノルウェーを代表する Viking / Progressive Black Metal バンド, ENSLAVED が Loud Park 16 で遂に日本初上陸を果たします!!ライブバンドとしても名高い彼らのパフォーマンスは、日本のメタルファンを確実にノックアウトすることでしょう。
初期にはプリミティブな Black Metal 色の濃い Extreme Metal を追求していたENSLAVED ですが、近年はプログレッシブな要素を多分に取り入れた、荘厳で唯一無二の Progressive-Black サウンドを指標しています。
最も頻繁に比較されるのは OPETH でしょうが、PINK FLOYD を思わせるサイケデリックな瞬間も存在し、Herbrand Larsen の美麗なクリーンボイスは KATATONIA をも想起させる、実にフレキシブルで才能豊かななバンドです。同時に Herbrand のオルガンからメロトロン、シンセサイザーまで自在に操るエピカルなキーボードサウンドが、他の Extreme Metal との大きな差異を生んでいるとも言えますね。
特に、”Axioma Ethica Odini” でシーンの売れっ子プロデューサー Jens Bogren を起用してからは神がかっており、前作 “Riitiir” ではもはや Extreme Metal の枠にさえ収まり切らない、完璧な構成美を誇る神々しいまでに進化したエピックサウンドを完成させていました。
昨年リリースした “In Times” は、”Riitiir” という一つの完成形を経て、現在の成熟したバンドが新たに勇壮でプリミティブな原点に立ち返ったレコードと言えるでしょう。
アルバムオープナー、”Thurisaz Dreaming” はバンドの過去と現在が溶け合った “In Times” を象徴するような楽曲です。ノルウェーが誇る強烈なブラストビートを元にした、怒りに満ちた Blackend のブリザードで幕を開ける巨人の夢は、確かに初期の ENSLAVED を彷彿とさせます。Grutle Kjellson の邪悪で無慈悲な叫びは、彼らが今でも”古い価値観”を守り続けていることの証です。しかし、楽曲はスムーズに、違和感もなく、バンドのメロディック、プログサイドへと移行し、彼らの武器であるクリーンボーカルを伴った優雅でアンビエントなサウンドを響かせるのです。
ブリットロック的な感覚さえ存在する、キャッチーで美しく、オーガニックな “Building With Fire” にしても、残虐なオーラを纏ったスクリームと共に、ダークなパッセージが用意されていますし、”One Thousand Years of Rain” ではメロディックに疾走するエクストリームパートに呼応する、彼ら独特の浮遊感溢れるコーラスが白眉です。この振れ幅の大きさを自然に感じさせる、見事なバランス感覚こそが、アルバムの肝だと言えるのではないでしょうか。
同時に、前作に比べて、良い意味でラフで空間が目立つ “In Times” は、ドラマー Cato Bekkevold の強靭なタイム感、バラエティー豊かで個性的なフィルインの数々がリスナーを惹き付ける重要なランドマークとなっていることは記して置くべきでしょう。
特筆すべきは、タイトルトラック “In Times”。ENSLAVED の先進的で型にはまらないドラマ性を集約したかのような楽曲は、虚無なる宇宙を漂うかのようなサイケデリックなイントロから、バンドの光と影を反映するかのように、幻想的な神秘性と無慈悲な残忍さが交差します。ブラック、サイケ、プログ、アグレッション、アトモスフィア、ハーモニー、そして至高の構成美。ENSLAVED を形作る全ての要素が内包されたかのような10分間の大曲は、間違いなく彼らの新たなシンボルとなるはずです。
今回弊誌では、バンドの創立メンバーでギタリスト、Ivar Bjørnson にインタビューを行うことが出来ました。90年代からシーンを牽引し続けてきた人間の言葉はやはり重いです。どうぞ!!

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ENSLAVED “IN TIMES” : 9.5/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【COLDWORLD : AUTUMN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH G.B. OF COLDWORLD !!

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One Man Atmospheric Black Metal From Germany, COLDWORLD Has Just Released Gorgeous New Album “Autumn” For The First Time In 8 Years !!

DISC REVIEW “AUTUMN”

8年の沈黙を経て、German Atmospheric Black の雄、COLDWORLD が復活作 “Autumn” をリリースしました!!洗練され、スケール感、アンビエンス、メロディーの質共々格段に進化した作品は、シーンに衝撃を与えています。
COLDWORLD は G.B. のワンマンプロジェクト。すべての楽器、そしてグロウルからクリーンボーカルまで見事にこなす彼の才能は “Autumn” において素晴らしく開花していますね。前作 “Melancholie²” のメロディックなスタイルは引き継ぎながら、よりウォームでナチュラルなサウンドを具現化したアルバムは、最早ストレートな Black Metal の領域には収まり切らないようにも思えます。
Depressive Black Metal の首領、SHINING の近作がプログレッシブな1面を提示している事実とリンクするかのように、同様にデプレッシブなサウンドを奏でる COLDWORLD も Post-Progressive への接近を隠そうとはしません。
9分の大曲、”Womb of Emptiness” を聴けば、彼らの新しいチャレンジを感じることが出来るでしょう。ピアノとキーボードの荘厳でクラシカルなコードプログレッションに導かれ紡がれる G.B. のクリーンボーカルは、深い悲しみを湛えつつ、ダークでディープなアトモスフィアを創出します。KATATONIA の Jonas Renkse を想起するファンも多いでしょう。
実際、楽曲の前半は KATATONIA のモダンなプログレッション、リリシズム、耽美性と共通する部分も多く感じられます。
一転、壮絶なトレモロリフとグロウル、ダブルベースドラムが切れ込むと、楽曲は激しい絶望を宿した美しさにその色を変えていきます。冷ややかな空気の中、創出される対比の妙は、アルバムの重要なポイントとなっていますね。さらに、プログレッシブという観点から見れば、”Climax of Sorrow” においても OPETH のようなヘヴィープログレッシブに知性を湛えた極上のリフを聴くことが出来ます。
一方で、”Autumn” には、ALCEST, DEAFHEAVEN といった人気と飽和の渦中にある Post-Black / Blackgaze 勢に通じるような、多幸感すら感じさせるサウンドも存在します。アルバムオープナー、”Scars” での大胆なストリングスの使用や、”Void” における美麗な女性コーラスの導入も、絶望の先に暖かい光が射すような楽曲のムードを見事に強調しており、作品に多彩で豊かな表情を植え付けています。
インタビューで語ってくれた通り、幼少時からヴァイオリンを習得している G.B. の音楽は非常に緻密かつ知的で、エピカル。完成まで8年もの長い月日を要したことにも頷けます。今回弊誌では、G.B. にインタビューを行うことが出来ました。どうぞ!!

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COLDWORLD “AUTUMN” : 9.7/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KVELERTAK : NATTESFERD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERLEND HJELVIK OF KVELERTAK !!

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Norwegian “Black n’ Roll” Sextet, Kvelertak Has Just Released Genre-Breaking, Acceptable New Record “Nattesferd” !!

DISC REVIEW “NATTESFERD”

Black Metal と Rock’n Roll, Classic Rock, Punk, Hardcore を見事に融合し、シーンから熱い注目を浴び続ける、ノルウェーの”Black n’ Roll” 6人組 KVELERTAK が新作 “Nattesferd” をリリースしました!!
前作までタッグを組んでいたプロデューサー、CONVERGE の Kurt Ballou、そしてアートワークを手がけて来た BARONESS の John Baizley と袂を分かち、地元ノルウェーでレコーディングを行った今作は、最もキャッチーで、具体的には80年代のメタルやロックを強く意識した作品に仕上がりました。HAKEN のインタビューでも触れましたが、80’s 回帰という音楽シーンの流れは確実にメタル/プログシーンにも影響を与えています。
アルバムオープナー、”Dendrofil for Yggdrasil” はまさに “Black n’ Roll”、KVELERTAK のスタイルを見事に表現しています。イントロの畳み掛けるようなブラストビート、トレモロリフは Black Metal 的で実にアグレッシブですが、同時に BOSTON のようなキャッチーなロック/アルペジオパートも存在し、その対比が強烈なフックを生んでいますね。
新作における彼らの主張を象徴するのが、文字通りあの時代の空気を強く内包した “1985” でしょう。スローテンポ、メジャーキーで執拗なまでに繰り返されるキャッチーなリフは VAN HALEN の “1984” に収録されていても不思議でないほど80年代しています。Simple But Effective。KVELERTAK の目指す先がこの楽曲、言葉に集約されることは明らかです。
勿論、US だけではなく、ヨーロッパからの影響も存在しますね。自慢のトリプルギターを活かしたタイトルトラック “Nattesferd” は Punk meets Metal の先駆者、IRON MAIDEN の初期2作を想起させます。大曲 “Heksebrann” のイントロでも聴けますが、Steve Harris、時に MOTORHEAD の Lemmy のような Marvin の縦横無尽なベースプレイに、アイデア豊富なトリプルギターが対峙するパートは鳥肌が立つほどエキサイティングです。さらに、メロディーもスクリームも自在に操るエネルギッシュな Erlend の歌唱は Paul Di’Anno を凌ぐほど。
一方、”Berserkr” では JUDAS PRIEST の “Exciter” を思わせるハードドライビングでストレートなリフが素晴らしく印象的ですね。メタルのアンセミックな1面に殊更フォーカスしている点も作品の重要なポイントとなっています。
80年代、ストレート&シンプル。今回 KVELERTAK は、シンプルかつキャッチーなリフを、リスナーの予想以上に何度も何度も繰り返し印象付ける手法を多く使用しています。それは本当に、ギターを始めて2ヶ月でコピー出来るようなフレーズばかりですが、最高に楽しく、繰り返しリピートを誘うものばかり。勿論、ただ単純な訳ではなく、考え抜かれた展開、エクレクティックな音楽性があるからこそ映えるのでしょう。遂に彼ら自らが公言する “Scandi-Rock” のガイドラインが固まったようにも思えますね。
サブジャンルの拡大や、新しい人気ジャンル Djent の勃興でテクニカルなものが持て囃される傾向が強い現代のメタルシーンですが、彼らがこのレコードでトライしたことはそれに対する強力なカウンターであり、見事に成功を収めていると感じました。
今回弊誌では、バンドのボーカル Elrend Hjelvik にインタビューを行うことが出来ました。神戸で生まれた彼が世界的に成功を収めていることは非常に誇らしいですね。どうぞ!

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KVELERTAK “NATTESFERD” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【COBALT : SLOW FOREVER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERIK WUNDER OF COBALT !!

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“American Black Metal” has evolved ! Cobalt Return With Full-of-intensity Discs and a New Screamer on “Slow Forever”!!

DISC REVIEW “SLOW FOREVER”

“American Black Metal” という唯一無二のジャンルを確立した COBALT が衝撃的な2枚のレコードと新たなスクリーマーを得てシーンに戻って来ました!!
Black Metal の出自は勿論欧州です。しかし、当然ながら、シーンが人気を博し拡散するに連れて世界中から Black Metal バンドが現れるようになりました。US から現れる Black Metal は興味深いバンドが多いようにも感じますね。
WOLVES IN THE THRONE ROOM, PANOPTICON に代表される自然崇拝を掲げたアトモスフェリックなカスカディアンブラック、KRALLICE, LITRUGY といったエクスペリメンタルなブラックメタルなど多種多様で実に個性的。中でも COBALT は前作 “Gin” においてヨーロッパの Black Metal にUSロック/メタルからの影響を多大に持ち込み、シーンを驚かせました。
残念ながら、それから7年という長いインターバルの間に、強い絆で結ばれていた不世出のボーカル Phil と 全ての楽器をこなす Erik は袂を分かちます。事の詳細はインタビューを参照していただくとして、残った Erik は新たに LORD MANTIS などで知られる Charlie Fell とタッグを組むこととなりました。そうして、難産の末生まれた新作 “Slow Forever” は、キャッチーかつアグレッシブ、非常に濃厚で革命的なダブルアルバムとして遂にリリースされたのです。あの Pitchfork誌で8.4という高得点をマークしたことも記憶に新しいですね。
まず記して置くべきは、Erik もインタビューで認めている通り、もはや Black Metal の要素はほとんど残っていないという点でしょう。音楽だけにフォーカスすれば、”Slow Forever” は強烈なインテンシティーと高度なインテリジェンスを纏った純粋な “American Metal” と言えるのではないでしょうか。
アルバムを通して、作品は Erik の TOOL に対する憧れが見事に開花していますが、大曲 “King Rust” は特に象徴的です。ブラストビートの代わりに使用される、プリミティブでトライバルな本能的ビートはまさに Danny Carey のそれで、リスナーの思考に直接訴えかけるような力強さを持っています。
有機物質のように形を変えながら、次々と繰り出される印象的なリフワークとミニマルでマスマティカルなアプローチも実に効果的。同時に、新加入 Charlie の野性的で獰猛なスクリームにより、TOOL 以上に NEUROSIS を感じるリスナーも多いでしょう。
しかし勿論、アメリカンミュージックからの影響は TOOL のみにはとどまりません。アルバムオープナー “Hunt the Buffalo” に代表されるように、クリーンギターを使用したブルース/カントリー/フォークミュージックに通じるリックの数々も彼らの重要なアイデンティティーとなっていますし、それは、突き詰めれば Mark Tremonti が CREED, ALTER BRIDGE といった Post-Grunge の重要バンドたちの中で行ってきた挑戦にも通じます。
さらに、彼らを語る時、ニューオリンズのスラッジモンスター EYEHATEGOD と USアンダーグラウンドの雄 SWANS をイメージすればより理解が深まるでしょう。メタルとハードコア、パンク、オルタナティブロックとフォーク、ノイズなど、彼らのダークでクロスオーバーな精神性はまさに COBALT と深く通じているからです。特に、”Elephant Graveyard” はここ数年でも傑出した地下音楽のクロスオーバーチューンだと感じました。
今回弊誌ではバンドの頭脳、Erik Wunder にインタビューを行うことが出来ました。以前から敬愛する、ヘミングウェイの有名なノーベル賞受賞スピーチ “at best, writing is a lonely life” の一節を “Iconoclast” で使用していますが、同様の気持ちだったのかも知れませんね。どうぞ!!

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COBALT “SLOW FOREVER” : 9.9/10

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WORLD PREMIERE : “WINTER BANE” 【ABBATH : ABBATH】


WORLD PREMIERE:NEW SONG !! “WINTER BANE” OF ABBATH !!

ABBATH WILL RETURN WITH BLACK METAL SUPER GROUP ABBATH !! THEY SET TO RELEASE KILLER SELF-TITLED ALBUM “ABBATH” ON 1/22 !!

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先日の LOUD PARK 2015 において鮮烈なパフォーマンスを披露した ABBATH が遂にデビューアルバムをリリースします!!セルフタイトル “ABBATH” と名付けられた作品は来年の 1/22 にベールを脱ぐこととなりました。今回公開するのは、そのアルバムからキラーチューンとしか表現しようのない素晴らしいファーストトラック “WINTER BANE” です。

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ABBATH が IMMORTAL を離れるというアナウンスはメタルシーンを揺るがせました。なぜなら彼と彼のイメージ、スタイルは長らくノルウェーブラックメタルシーンの”顔”だったからです。しかし彼は帰ってきました!ABBATH という自身の名を冠したバンドと共に!!

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アルバムには今回公開した “WINTER BANE” が示すように、北欧のブリザードのような凄みを持った楽曲から”OCEAN OF WOUND” のようなミッドテンポのアンセムまで収録されています。ABBATH のヘヴィーで強烈ながらキャッチーさも伴うリフワークは BATHORY, MOTORHEAD さらには KISS までも想起させます。再び ABBATH と手を組むこととなった KING のソングライティング、ドラマー CREATURE の驚異的なドラミングも加わって、アルバムは最初から最後までブラックメタルファンが望むものを100%提供しています。

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NOW the Norwegian giant returns with his new band ABBATH and a crushing debut album of the same name. The opening triplet “To War”, “Winter Bane”, and “Ashes of the Damned” unleashes all the fury of a Nordic blizzard at full force. Yet the following “Ocean of Wounds” proves that his new band is equally at home in writing anthemic mid-tempo hymns. Abbath’s characteristic riffing shines clearly through it all: heavy, harsh, and yet catchy and melodic with a touch of epic BATHORY, MOTÖRHEAD, and even KISS. At the same time there is no danger of repeating the formula of IMMORTAL or the mastermind’s other project under the moniker I, which was shared with King. The bass player from Bergen has again joined Abbath and brought his impressive song-writing skills to the battlefield. GORGOROTH, GOD SEED, and OV HELL bear witness to King’s exceptional talent as a composer, while contributions to AUDREY HORNE and SAHG demonstrate his wide stylistic range. The final keystone to ABBATH lies in the outstanding drumming delivered by the mysterious Creature. The trio has already proved its worth as a live entity at several headlining festival shows as well, where ABBATH were joined by an additional guitarist. ‘Abbath’ impresses from start to finish. This is exactly the album that all fans of this particular Bergen brand of black metal have been hoping for. Hold on tight or get blown away. ABBATH are here now and ready to conquer the world!

Tracklisting
01. To War
02. Winter Bane
03. Ashes of the Damned
04. Ocean of Wounds
05. Count the Dead
06. Fenrir Hunts
07. Root of the Mountain
08. Eternal
09. Nebular Ravens Winter [bonus]

www.facebook.com/abbathband
www.abbath.net

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