COVER STORY【AMON AMARTH: GUIDE TO VIKINGS】DOWNLOAD JAPAN 2020 SPECIAL !!


COVER STORY: AMON AMARTH

“Okay, So If Vikings Didn’t Have Horns On Their Helmets, Why Did We Have Them On Our Drum Riser? Amon Amarth Is a Show. It Makes For a Good Stage Prop To Have Horns, Even Though It’s Not Historically Accurate.”

JOHAN’S GUIDE TO VIKINGS & NORSE MYTHOLOGY

AMON AMARTH がヴァイキングの歴史、北欧神話、そして壮大な戦闘絵巻について書いた最初のメタルバンドという訳ではありません。それでもこのストックホルムの5人組は、世界で最もヴァイキングをイメージさせる雄々しき邪神です。
過去4半世紀にわたって、彼らはムーブメントの創始者でさえ想像も成し得なかったオーディンメタルを紡いで来ました。ビルボードデビュートップ20、ワールドツアー、さらにはモバイルビデオゲームまで、その社会的影響と成功、さらにアリーナを熱狂に巻き込むライブパフォーマンスを鑑みればネクスト IRON MAIDEN の座を確約されているように思えます。
純粋性という観点で言えば、AMON AMARTH は真のヴァイキングメタルではないかもしれません。ブラックメタル第一波の先駆者である BATHORY がサタンを称賛しなくなり、異教のルーツを受け入れたように。そう、アトモスフィアと剣撃を配置した新たな BATHORY の音の葉は、後にヴァイキングメタルのトレードマークとなる魔法を含んでいました。

90年代半ばから後半にかけて、UNLEASHED, ENSLAVED, EESIFERUM, ELUVIETIE はヴァイキングの旅団に加わり、ブラックメタルを北欧民族の神話や伝承、神から得る知恵と力、怒りの海を股にかける航海、暗く危険な森、死との戦い、ヴァルハラの門を越えた永遠の生といったテーマに憑依させました。
対照的に、AMON AMARTH は、AT THE GATES や DARK TRANQUILLITY といったスウェーデンのメロディックデスメタルをスタート地点としています。故に、先述のヴァイキングメタルパイオニアとは毛色が異なります。しかし当初から、ボーカリストの Johan Hegg はヴァイキングの祖先に魅了されていました。彼は詩的な民間伝承を知っていて、コロンブスが到達する500年前の北アメリカの海岸線へのヴァイキング遠征と、ウクライナとロシアへの9世紀の探検を深く研究していたのです。

実際、フロントマン Johan がヴァイキングに注ぐ情熱は並々ならぬものがあります。
AMON AMARTH でバンドメイトを率いるだけでなく、彼は “バイキング時代の文化からインスピレーションを得て解釈された” ヴァイキンググッズのレプリカを製造しているGrimfrost という会社を共同所有している程なのですから。Johan はラグナル・ロドブロークの伝説と空想の狭間で語られる大人気のテレビドラマ “ヴァイキング-海の覇者たち-” についてこう語っています。
「本当に良いショーだと思う。他にはバーナード・コーンウェルの本に基づいた “最後の王国” と呼ばれる別の素晴らしいシリーズもあるね。
ヴァイキングは明らかに歴史の中で自由を謳歌しているけど、彼らは物語を本当にうまく構築し、キャラクターを非常に客観的に描写したと思うな。必ずしもヴァイキングを善悪の二面性のみで演じるわけではなく、多面性を描いている。それはヴァイキングを描写しようとする以前の試みには欠けていたものだ。それまでのテレビドラマは戦い、性交し、飲む!の1次元的なものだったからね。」


ヴァイキングに関する誤解にも言及します。
「3つの大きな誤解があると思う。まず、ヴァイキングのヘルメットには角がなかったんだ。実際のヘルメットは俺が知る限り3つしか見つからなかったから、実際の姿は知る由もないんだよ。おそらくヘルメットは手作りで、異なる装いがあっただろうが、当時の描写はどれもホーンを身に着けていなかったんだ。19世紀からそんな描写になったみたいだよ。
ヴァイキングが大群で略奪する殺人集団だったというのが2つ目の誤解。たしかに彼らはそういった行いもしたけれど、それは他の戦争で他の人々が行う略奪と同じようなものだった。彼らはただ異なる戦術を持ち、戦闘に非常に長けていただけなんだ。まあもちろん、旅と戦いと流血はメタルに最高にハマるんだけど。
3つめの誤解は、彼らが汚れていて臭い獣だというイメージ。実際は、ヴァイキングはとても良好な衛生状態を保つことで知られていたんだ。少なくとも週に一度は体を洗っただろう。」
ではなぜ AMON AMARTH のヘルメッドラムライザーにはホーンが掲げられているのでしょう?
「ヴァイキングのヘルメットに角がなかったのに、なぜ俺たちのドラムライザーに角があるのだろう?たしかに俺は角の設置にあまり熱心ではなかったよ。
だけど、Grimfrost は正確さに基づいて構築された会社だけど、AMON AMARTH はショーなんだ。歴史的に正確ではないけれど、角は優れた舞台用小道具になる。AMON AMARTH はエンターテイメントだから、必ずしも完全に正確であるとは限らないよ。」


Grimfrost の設立はヴァイキングコミュニティーへの寄与を念頭においてのものでした。
「もともと、友人から会社の顔になるようにアプローチされ、当初はマーケティング側に関与するつもりだったんだが、人々が求めているものを理解していたからね。
明らかにビジネスだけど、ヴァイキングの文化と歴史に興味がある人々のためのコミュニティを構築しようともしているんだ。俺たちが持っている知識を共有してね。(北欧のフォークグループ)WARDRUNA の Einar Selvikや “Vikings” キャストのメンバーの体験についてもインタビューを行ったよ。ルーンの専門家の本も販売している。ヴァイキングの文化と歴史に興味のある人が来て、学ぶことができるコミュニティを構築しようとしているんだ。製品を販売するだけでなく、理解と帰属意識を作り出すことも重要だからね。」
Johan は当然ローイングピットを愛しています。
「2017年にヘッドライナーを務めた Bloodstock のローイングピットはかなり壮観だった。素晴らしいメタルヘッドとは何かを教えてくれたし、素晴らしいファンの証だと思う。そう、メタルヘッドはただ酔って、ただ想像もできないような最も残忍な音楽を聴きながら、ただ愚かなこと楽しみたいだけなんだ。その全てを愛しているよ。」


トールキンの影響を忘れるわけにはいきません。
「トールキンからバンド名を取ったんだ。AMON AMARTH とは”ロード・オブ・ザ・リング” に出てくるドゥーム山 (オルドルイン) の噴火だからね。だけど多くの人々は彼がスカンジナビアの神話にどれほど影響を受けたか知らないかも知れないね。北欧神話を読むと、ガンダルフを始めとするトールキンのルーツが垣間見えるよ。フィンランドのカレワラも彼のルーツの一つ。彼は基本的に北欧の神話に似た彼自身の神話を書きたかったんだ。」
Johan は9歳の頃から北欧神話の神々に魅了されてきました。しかし敬虔なクリスチャンの多いストックホルムから20キロの地元の町では、ヴァイキングが崇拝した異教の神を積極的に教えることはありませんでした。
「オーディンやトールを本で簡単に教えるくらいだよ。キリスト教からは見下されているからね。だから姉の励ましもあって図書館に向かい、12,3世紀の詩を読み漁ったんだ。そしてトールキンに出会った。そのフィクションに魅了されたんだ。」
豆知識にも精通しています。
「知ってる? Wednesday, Thursday, Friday は北欧神話の神にちなんで命名されたんだ。Wednesday は Oden, Thursday は Thor, そしてFriday は Frey の日なんだ。」

現代のヴァイキングに寄せるメッセージとは?
「ヴァイキングは誠実で忠誠心を持つ。重要なのは、約束を守ることなんだ。約束を守れば、コミュニティーから追放されることはないだろう。
また、あまり知られていないかもしれないが、ヴァイキングは非常にオープンマインドだった。彼らは世界を旅し、取引し、戦った。たとえば、コンスタンティノープルのヴァラング親衛隊は伝説的だよ。彼らは基本的にビザンチン皇帝の個人的なボディーガードで、信頼できて忠実なヴァイキング戦士だった。彼らは異なる文化で活動するために必要であれば改宗さえ行い、家に帰ってからは馴染みのやり方に戻っていたわけさ。
誠実とオープンマインド。この二つは今の社会にもぜひ持ち込むべき心得だと思うな。」

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【POPPY : I DISAGREE】


COVER STORY: POPPY “I DISAGREE”

ALL PHOTO BY ERIKA ASTRID

“I Think I Just Get Bored Really Easily And Also I View Things In Eras,David Bowie Is a Big Influence And Inspiration To Me, And I Know That He’s Very Famous For His Different Eras And Stages And Evolutions. I Think It’s Kind Of An Artist’s Responsibility To Evolve Constantly.”

EVEN IF GENRE IS DEAD, POPPY IS DANCING ON IT’S GRAVE

「美は痛みであり、痛みはキャラクターを構築する。」 Poppy が毎朝目覚めてまず自分に語りかける言葉です。それこそが Poppy の持つミステリアスな部分でしょう。実際、その日その日に生まれる審美の痛みにより、彼女のルックスや役割、それに音楽性は猫の目のように豹変を続けます。
ポップスター、俳優、監督、アンビエント音楽の作曲家、宗教指導者、DJ、コミックキャラクター、YouTuber、パフォーマンスアーティスト…Poppy の天職はいったいいくつ存在するのでしょうか?
さらに Poppy の YouTube チャンネルは彼女のキャッツアイを見事に伝えています。まるで隣の女の子のように Gwen Stefani の流儀で陽気なポップソングを歌ったかと思えば、Diplo のダンスビートでロボティックなバービーを演じてみせ、さらにはメタルリフのハンマーでリスナーの精神を打ちつける死の天使にさえ変化するのですから。
ほぼ全てのMVが100万視聴を超え、”デジタルラビットホール” の中枢に位置し、”ASMR 人間” とまで称される Poppy。なるほど、音楽を作り始める前にその人気とペルソナをオンラインで確立したという点で彼女はまさに21世紀の “現象” そのものでしょう。

現在20代半ばの Poppy こと Moriah Pereira は、2010年代中盤に Titanic Sinclair 監督がタクトを振るう奇妙な一連のビデオ作品で世界に登場しました。Poppy が “I’m Poppy” と繰り返すだけのクリップや、Charlotte というマネキンにインタビューされ植物にインタビューするシュールな世界観は大きな波をポップカルチャーにもたらす予感を植えつけました。
そうして Sinclair、カナダのヒットメーカー Simon Wilcox との創作を始めると MV の予算は劇的に増加し、オートクチュールのワードローブからおとぎ話の衣装に、日本の “Kawaii” 美少女スタイルまでその音楽性同様色とりどりのファッションで世界を魅了し始めたのです。ただしオンラインのスターダム、そして完璧なポップスターのイメージは彼女が目指す場所ではありませんでした。
「自分自身をポップスターとしてではなく、単なるアーティストやクリエーターだと思っていたの。永遠に同じでいるなんてつまらないわ。私はすぐに退屈してしまうし、物事を時代を通して見てしまうのよ。David Bowie には大きく影響されているし、とてもインスピレーションを受けているわ。何より彼は時代ごとに大きく異なることで有名だし、ステージ共々常に進化を遂げていたわ。常に進化を続けることはアーティストの義務だと思っているの。」

もちろん、David Bowie は1973年に自らの幻想、別人格である Ziggy Stardust をハマースミスオデオンのステージ上で葬りました。メタルへと舵を切った Poppy も、以前のバージョンの Poppy を意図的に葬ったと言えるのでしょうか?
「間違いないわね。Poppy ver.0、Poppy ver.1 は Poppy ver. X によってアップデートされているわ。私が “X” をリリースした時、みんなとても気に入っているように思えたわ。そして始めて私は自分の音楽を聴いて再度インスパイアされたの。」
“Poppy.Computer” と “Am I a Girl?” が日本の “Kawaii” 文化と未来派をクールとする新世代をターゲットに制作されたことは明らかでした。”I Disagree” には一方で悪魔の角が備わっています。時にスラッシー、時にチャギーなリフアタックはキュートでポップな Poppy のイヤーキャンディーとプログレッシブに溶け合います。きっとアメリカの特定の層にとって、今や日本の “Kawaii”, “Otaku” そしてメタルはヒップなカルチャーなのでしょう。

カルトフォークとヘヴィーな音の葉をミックスした “Am I a Girl?” のクローサー “X” によって Poppy がメタルに移行したと決めつけるのは簡単です。ただし、Poppy 自身は自らをメタルアーティストだとは思っていないようです。
「メタルに傾倒しているかって? 答えは #Idisagree よ (笑)。もちろん、間違いなくメタルからの影響は存在するわよ。だってアルバムを作っている時、私たちが聴いていた音楽こそメタルなんだから。ただ、アルバム全体を聴けば、よりプログに傾倒している場所もあるはずよ。当然、未だにポップな部分もあるわ。だけどもう一番の要素じゃないわね。三番目ね。」
法的な闘争や Grimes とのいざこざ、悪質なレコード契約によって溜まった鬱憤を晴らすカタルシスがメタルだったという側面もあるようです。
「全ての怒りを私のアートに注ごうとしたのよ。だけど自然なことよ。”Am I a Girl?” を書いている時、私はスタジオまで運転する車でヘヴィーな音楽ばかり聴いていたのよ。蝶々や虹の曲を書きながらね。全然繋がってないって思ったわ。」

メタルに目覚めたのはごく最近のことなのでしょうか?
「いいえ。私はメタルを聴いて育ったから、またちょうど戻ってきたって感じね。聴く音楽は日によって違うんだけど、NINE INCH NAILS と Gary Numan はずっと好きだったわ。だけど同時に、ダンスのバックグラウンドも持っているし、ポップミュージックも愛しているの。だから当時、自分の音楽でダンスやポップを探求するのは理にかなっていたのよ。逆に今は自分の感情を発信するのにメタルが適してるって感じかな。」
Poppy にとってエクストリームミュージックへの入り口は MARILYN MANSON でした。
「幼い私の目を引いたのは、MARILYN MANSON 全ての衝撃値だったわ。キッズが彼のTシャツを着ていると、道行く人は二度見をしていたわ。最初はそれがとても魅力的だったの。それから音楽にハマっていったの。だけど私は結局、彼の創造した文化こそがマジカルだったと思うの。素晴らしかったわ。そしてある種彼はその魔法を利用していたと思う。」
Poppy が目指すのもまさにその魔法。つまり、カルチャーの想像力を長期的に捉える能力。Trent Reznor もその能力に秀でていると Poppy は考えています。もちろん Beck も。いつか Poppy がコラボレートを果したい偉人たちです。
「自分の成長を通して、リスナーも共に成長してくれることを望んでいるのよ。」

ただし、彼女の路線変更は既存のファンを犠牲にする可能性を孕んだギアチェンジでもあります。実際、”I Disagree” のオープナー “Concrete” には、”快適と不快を行き来する” “よく分からない” “双極性障害の曲” といった批判的なコメントも寄せられてています。
「SLIPKNOT, BABYMETAL, QUEEN, THE BEACH BOYS が一緒に作曲したみたいなんてコメントもあったわね。嫌いじゃないわ。」
Poppy の進化には今のところ、確かにメタルが含まれます。ただしそれ以上に重要なのは、”I Disagree” が彼女が音楽を作り始める以前に YouTube で構築した自身のペルソナから一歩踏み出したことでしょう。
「”I Disagree” は私のファーストアルバムのように感じているの。以前リリースした2枚のアルバムは、私の YouTube チャンネルのストーリーラインに沿っていたから。だから自分の足で立つことが出来たこの新たな音楽はまるで旅立ちね。他のアルバムは YouTube のコンテクストにある Poppy だったのよ。」

以前の作品と “I Disagree” の違いはそれだけではありません。初期の彼女のリリックは、間違いなく現代を覆う倦怠感を中心に展開されていました。SNS によって引き起こされる不安と、容赦のない情報の攻勢。彼女のペルソナ同様、そのリリックが音楽より先行していた一面は確かにあるはずです。”I Have Ideas” と題された YouTube 動画でかつて彼女はこうマントラを繰り返していました。
「携帯を充電するたび、新たな命を吹き込むわ。そして携帯が私を定義するようになるの。携帯が死ぬ時、私も死ぬわ。」
ダブステップで魂を吸い上げる “Bloodmoney” で宗教的な抑圧を、Madonna と Manson の落とし胤 “Fill the Crown” で個人主義とエンパワーメントをフォーカスした Poppy の旅路は以前よりも確実に多様です。
“Sit / Stay” は90年代の PRODIGY? 緊張と緩和を突き詰めたオペラティックなプログメタルエピック “Don’t Go Outside” での幕引きも完璧。JELLYFISH までふわふわと漂うアルバムにおいて、もちろん、トリップホップと Nu-metal の狭間で「私はあなたに同意しません」と大衆が共有しない予想外の世界を望むタイトルトラック “I Disagree” は進化の象徴。
「歌詞のテーマは間違いなく制作中に感じたことよ。他人や自分に根ざしたフラストレーションによってね。”Nothing I Need” は一番大切な曲よ。初めて、欲しいものは全てここにあるけどそれでも前へ進んで大丈夫だって感じられたの。今が十分幸せでも何かを追求して構わないんだって楽曲なのよ。」

同時に、英国のポップ感覚、Billie Eilish のビート、メタルリフの猛攻に NINE INCH NAILS のダークリアルムを内包するアルバムは近年のチルなポップミュージック、さらに自らのヒットシングル “Lowlife” とも何光年もの隔たりがあるようにも思えます。
「私が愛してきた全てを注ぐことができたわ。完全に自由になって、アルバムが完成するまで他人に意見を述べることを許さなかったから。例え意見を受けたって、実際に考慮したりはしなかったわ。自分にとって幸せで誇りに思うものを作ったばかりだけど、ツアーでアルバムの曲を聴いてみたいともう思っているの。全てが正しいと感じているから。」
クリエイティブパートナー、Titanic Sinclair との別れはまさに破壊からの自己再生。その回復力と新たな自由を享受する Poppy の生命力には目を見張ります。
「私を封じようとする、押さえ込もうとする人たちに対抗する力を再び取り戻したのよ。」

ロボットよりもカウボーイとカントリーミュージック、田舎の仕来たりが未だ根強いナッシュビルで生まれ育った Poppy がアウトサイダーとして見られたことは容易に想像出来るでしょう。ダンサーを目指しながら彼女は幼少期の大半をベッドルームで過ごしています。公立学校に馴染めず、ホームスクールで勉強を続けました。
「意図的に様々なことから距離を置いていたのよ。公立学校に良い思い出はないわね。ほとんど喋らなかったから、からかいの対象になっていたの。痩せっぽっちで静かなヤツだってね。」
故にある程度オンラインの世界で育ったことは Poppy も認めています。
「インターネットが先生だったの。それにファーストアルバム “Poppy.Computer” の中で、”私はあなたのインターネットガール” って歌っているしね。だけど自分の人生全てをオンラインに委ねている若い子たちと比較すれば、私は自分自身をどのように提示して、何をオンラインにするか賢明に選択していたわ。それは幸運だったと思うの。インターネットだって永遠ではないわ。そのことを真剣に受け止めている人が少なすぎると思うのよ。」

実際 Poppy は “I Disagree” でオンライン世界についてよりも、個人的な経験を多く語っています。SNS に費やす時間も過去に比べて大きく減少しているのです。
「前とは違うやり方でやっているわね。基本的に Instagram を使っているの。Twitter は全く使わないから Instagram がファンと交流する場所になっているのよ。だけどファンのコメントを読むのは最初にポストした時だけ。時間をおいて考えすぎた人のコメントを読むのは危険だわ。タフな世界だけど、私はそれを認識して敬意を払うようにしているわ。もちろん、スーパーコンピューターにもね。」
SNS 自体の在り方も変化していると Poppy は考えています。
「SNS も最初は良かったのよ。でも最近では、悪意と怒りとモブと誤情報に溢れている。振り子のようなもので、きっと良い時もあれば悪い時もあるのね。できればその中間で落ち着いて欲しいのだけれど。そうでなければ、新たなインターネットを作るしかないわね。きっと出来るわ。」

かつて AI アンドロイドを気取った彼女の主張にはテクノロジーへの恐れも含まれています。FEVER 333 をフィーチャーした “Scary Mask” は AI についての楽曲。
「もうちょっとみんなに考えて欲しいのよ。だって最終的に AI は人類を凌駕し、きっと滅ぼしてしまうわ。だから毎日 AI に餌をやる前に少し考えてみて欲しいの。そうすれば、そのプロセスを遅らせることは出来るはずよ。」
新たなステージへと到達した Poppy ver. X はジェンダーの観点からも変化を見せ始めています。”Am I a Girl?” で少女でいることを楽しんでいた Poppy の姿はもうそこにはありません。
「作品をシネマティックで美しく、怒っていてエモーショナルにしたかったの。ジェンダーに関係ない方法で力を受け取って欲しいのよ。」
きっと、2020年の “名声” には2つの層が存在しています。1つは、伝統的な俳優、テレビスター、ポップスター。もう1つ、世界が無視出来なくなっている新たな名声こそ、フォロワー数百万を誇る SNS スターや YouTube セレブでしょう。もちろん、これまでと異なる出自の後者の実力には懐柔的な見方も存在するのは確かです。しかし、そのポスターガールと言える Poppy の成長、多様性、アーティストとしてのクリエイティブなビジョンを見れば、20年代さらにインターネットからトップスターが飛び出すことは決定的と言えるでしょう。

参考文献:REVOLVER MAG:POPPY: INSIDE THE SHAPE-SHIFTING, METAL-EMBRACING WORLD OF “YOUR INTERNET GIRL”

NME:The Big Read – Poppy: Human After All

DIY: JUST A GIRL: POPPY

KERRANG!:POPPY: “I’VE NEVER SAID MY MUSIC IS METAL… WE’RE TURNING A NEW PAGE”

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THE 100 BEST MELODIC HARD ROCK ALBUMS OF THE DECADE: 2010 – 2019


THE 100 BEST MELODIC HARD ROCK ALBUMS OF THE DECADE: 2010 – 2019

1: W.E.T. “Earthrage” (2018)

WORK OF ART, ECLIPSE, TALISMAN。メロディックハードの幾星霜に足跡を刻んだ三雄を頭文字に戴くスーパーグループ W.E.T.。WORK OF ART と ECLIPSE。2000年代以降、TALISMAN の遺志を継ぐように現れたメロディックハード希望の星は明らかにこの両雄でした。片や洗練の極みを尽くす AOR、片や情熱と澄明のハードロック。
しかしインタビューで語ったように、スウェーデンの同じ学校から輩出された2つの綺羅星 “W” の象徴 Robert Säll と “E” の象徴 Erik Mårtensson は、至上のメロディーを宿すシンクロニティー、宿命の双子星だったのです。実際、2人の邂逅は、AOR とハードロックの清新なる渾融を導き、ジャンルのレジェンド Jeff Scott Soto の熱情を伴って唯一無二の W.E.T. カラーを抽出することとなりました。
FOREIGNER の哀愁、SURVIVOR の理想、JOURNEY の夢を、奇跡にも思える有機的な旋律の蒸留、ハーモニーの醸造、ダイナミズムの精錬を経て創造した “Earthrage” は、一部の隙も無駄もないメロディックハードの殿堂。
「メロディックハードロックがまたチャートの頂点に戻れるとは思えないね。そして僕はそれで構わないと思っているんだよ。」

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2: ROB MORATTI “Victory” (2011)

メロディックハードはメロディーだけが優れていれば良い。そんなリスナーは意外と少ないのではないでしょうか。90年代から00年代初頭にかけて活躍したカナダの VON GROOVE には、同郷の HAREM SCAREM にも似て、インストゥルメンタルパートからも鋭い自己主張とユニークなセンスが垣間見れたバンドでした。
そんな VON GROOVE のギタープレイヤー Mladen の協力を得て MORATTI を立ち上げ、後に彼と FINAL FRONTIER を結成した不世出のシンガーこそ Rob Moratti でした。
天上に突き抜けるメロディーの煌めき、芳しきハーモニーの躍動を全編に施したアルバムは、同時に Reb Beach, Tony Franklin, Fredrik Bergh (STREET TALK), Brian Doerner (SAGA) といった手練れたちの音芸を披露する美しき演武場にもなりました。テクニックの躍動は、MAROON 5を想起させるメインストリームへの接近をも、ドラマティックなロックの浪漫へと変化させるのです。
エレクトロの仄かな香りは隠し味。Rob がプログレッシブなサウンドを得意とする SAGA に一時期加入したことも、作品の創造性に寄与したでしょうか。そして全てを繋ぐのは Rob のカリスマティックな声そのもの。
「とにかく、出来るだけメロディックにしようとした。パワフルで卓越したソングライティングとミュージシャンシップを備えながらね。」

3: ZIGGY “2017” (2017)

人間椅子、筋肉少女帯、聖飢魔II。ジャパニーズハードロックの再評価が進んだ2010年代において、ZIGGY の苦闘を忸怩たる想いで眺めるファンは少なくないでしょう。
カルト的、サブカル的、アピアランス的に特化した、所謂 “イロモノ” と呼ばれたバンドを正当に評価することは当然素晴らしい傾向です。しかし、ただ素直に、正直に、自由にロックを追求し続ける ZIGGY の無垢なる魂を受け止められる場所は、日本にもはや存在しないのでしょうか?
セルフタイトルを冠した復活の狼煙 “2017” には、”Hot Lips” のバッドボーイロックも、”Yellow Pop” の優しいポップセンスも、”Zoo & Ruby” のマジカルで繊細な箱庭も、”Heaven and Hell” のメタリックな音像も、全てがスケールとゴージャス感を増して宝箱のように詰め込まれているのです。
メランコリックで劇的で、虹のようでもあり、時にノスタルジック。端的に言って、クリシェの王、森重樹一が奏でる森重節は日本の宝でしょう。最新 EP のタイトルは “I Stay Free Forever”。カッコいい!!!としか言いようがありませんね。

4: SMASH INTO PIECES “Rise And Shine” (2017)

「2004年、SONATA ARCTICA と WITHIN TEMPTATION のライブがメタルへの入り口だったね。まあ酔っていてほとんど覚えていないんだけど。PRETTY MAIDS のタトゥーも入っているよ。”Jump the Guns” のアートワークさ。」
EDMとヒップホップに奪われたアリーナの主役を奪い返すのはきっとスウェーデンに示現した5人の野心家でしょう。人気TV番組 “Sweden’s Got Talent” でセミファイナルまで進出したヤングガンズは、もはや世界中のメロディーを愛するロックファンにとって期待の的で希望の光です。
北欧の風を浴びた NICKELBACK。SIP の想像を絶するスケール感と旋律の魔法を表現するならこの言葉が相応しいでしょうか。ただし、彼らのメランコリーとエモーションはエレクトロニカに向けられた冒険心と溶け合い華麗なダンスを踊ります。
「俺たちと俺たちの夢を遮るものは何もない。SMASH INTO PIECES だ!」
SIP の “エレクトロック” は止まりません。

5: VOLBEAT “Rewind, Replay, Rebound” (2019)

「俺たちは一つのスタイルに固執したりはしない。VOLBEAT にはメタルも、ロックも、ロカビリーも、カントリーも、ブルースも、ゴスペルも、その全てが入っているんだからね。」
デンマークから西部劇を演ずるアンセムメイカー VOLBEAT は、円熟の “Rewind, Replay, Rebound” で70年代のポップスまで存分に咀嚼し、その多様でしかしキャッチーな音の葉のスケール感を何倍にも飛躍させました。
「巻き戻し、リプレイし、反発する。このアルバムタイトルは過去の音楽、楽曲をより強力にして2019年に叩きつけるって意味があるんだ。重要なのは、俺たちが早い時期から自らのシグネチャーサウンドを見つけられたことなんだ。いつだって斬新な音楽には興味を惹かれるけど、それでも俺らの基本は変わっちゃいない。」

6: GODSMACK “When Legends Rise” (2018)

「僕たちは最初からメタルバンドだと思ったことはないんだ。ちょうど Nu-metal が勃興し、KORN や LIMP BIZKIT と同時代にデビューしたからそのカテゴリーに入れられただけでね。Nu-metal に入れられるのはまっぴらゴメンなんだ。」
今や DISTURBED と並びアリーナロックの代表格。ALICE IN CHAINS の曲名をその名に掲げるマサチューセッツのレジェンドは、Nu-metal へのアレルギーを隠すことはありません。
「僕たちの音楽を聴いて、Nu-metal みたいなユニークサウンドを感じることはないだろう。僕たちはただハードロックバンドなんだ。もちろん、初期の頃は当時聴いていたバンドの様々な影響がサラダのように現れていただろう。それでもピュアなメタルバンドだとは思わないよ。」
実際、”When Legends Rise” でビッグヒットとなった “Bulletproof” はその確固たる証明でしょう。ビッグなシンセとアクセシブルなヴァイブ、そして漢の哀愁を封入した楽曲は、それでも完璧なまでにハードドライブを続ける新たなロックアンセム。
「毎年毎年、メタルヘッズが気にいるかなんて気にかけながら作品は作れないよ。再生と実験こそ今の我々に相応しい言葉だよ。」

7: CHRIS BAY “Chasing the Sun” (2017)

「僕は異なるスタイルのマテリアルを常に作り続けているんだ。ただメタルを書いて生み出し続ける “メタルマシーン” みたいにはなりたくないからね。僕は異なる顔を持ったアーティストなんだ。アーティストになった理由も、全ての束縛から自由になりたかったからだからね。」
ハッピーメタル十字軍 FREEDOM CALL のフロントマンは、今ではメタル世界随一のメロディーメーカーです。それを証明したのが太陽のソロレコード “Chasing the Sun” でした。
「おそらく、両方の感覚があるんだろうな。僕は間違いなくオールドスクールなソングライターなんだけど、同時にモダンな音楽にも合わせていこうとしているからね。」
Chris のポップセンスはモダンにアップデートされていて、典型的なロックのイヤーキャンディーにメインストリームの計算された洗練を巧みに練り込んでいます。ディスコやトラッド、クラッシックなセンスにコンテンポラリーなチル、EDMのイメージをさらりと取り込む柔軟さは Chris ならでは。
「チャートに入ることはレコードレーベルの働きと、バンドのステータスに対する評価にはなるね。だけど、間違いなく音楽のクオリティーを評価する基準にはならないんだよ。それよりも、僕はファンのリアクションやツアーの結果の方が気になるね。」

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8: MIDNITE CITY “There Goes The Neighbourhood” (2018)

「POISON のダイハードなファンしかわからないだろ?」
POISON の “Nothin’ But A Good Time” のビデオクリップをイントロダクションに幕を開ける “There Goes The Neighbourhood” は大都市を彩る危険な夜のゴージャスなサウンドトラック。完璧なまでにスリージーな “New Wave of Hair Metal” の象徴です。
TIGERTAILZ のフロントマン Rob Wylde を中心に結成された UK の希望が贈る快作には、ハーモニー、シンセ、ギターシュレッド、そして耳を捉える絶妙なフック全てが十二分に詰め込まれ、夜の街をオープンカーで疾走することを目的にのみ設計されたかのような高揚感を全編に配しています。
BON JOVI の “7800° Fahrenheit” や DANGER DANGER のデビュー作に、清涼感を加えて現代にアップデートしたようなイメージでしょうか。
「DANGER DANGER には大きな影響を受けている。それに DEF LEPPARD, WARRANT の Jani Lane は大好きさ。」

9: CRAZY LIXX “Forever Wild” (2019)

スウェーデンのマルメから虎視眈々と世界を狙う New Wave of Hair Metal の旗手 CRAZY LIXX。”Forever Wild” のタイトルが示すように、SKID ROW のデビュー作をイメージさせるバッドボーイの青く危険なハードロックは、同時に DEF LEPPARD の分厚いコーラス、TREAT の冷気を纏いながら名作へと進化を遂げました。
「”Eagle” は典型的な CRAZY LIXX の曲じゃない異なるタイプだよね。キーボードが牽引して、ギターリフも変わっている。僕が普段聴いているような “ポップドライブ” な楽曲だけど、以前は試してこなかったんだ。メンバーが気に入ってくれて、この方向に進むことが出来てとても嬉しいね。」

10: ONE DESIRE “One Desire” (2017)

「俺たちはメロディックハードロックバンドだ。最高にコマーシャルでキャッチーな枠組みにハードロックを落とし込もうとしているんだよ。」
STURM UND DRANG と CAIN’S OFFERING の混成チームで出航した ONE DESIRE は、ECLIPSE の才能 Erik Martensson の助力までも貪欲に取り込んだメロディックハードの罪深き野望です。
パワフルでエモーショナル、ワイドなレンジを伸びやかに制覇する Andre Linnman の成長を遂げた歌声は、現代的なプロダクションと卓越した作曲術の海原で自由を謳歌します。疾走と悠久を行き来する煌びやかなアルバムにおいて、一層ラジオフレンドリーでメインストリームに接近した “Falling Apart” は AOR の未来を鮮やかに照らし出していますね。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THY CATAFALQUE: NAIV】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TAMAS KATAI OF THY CATAFALQUE !!

“I Realized That What I Do Is Very Similar To What Naïve Painters Do. They Lack Formal Training And They Have This Childlike, Dreamy Attitude, Some Pureness And Instinctivity Unlike Trained Artists’ Professional And Practical Approach.”

DISC REVIEW “NAIV”

「常に他の多くのジャンルも聴いてきたから、メタルが僕を完全に独占したことはないんだけど、それでも僕の人生にとってとても重要な部分だと言えるね。ただ、故に僕はメタルに何かを組み込むことや、メタルを音楽の一部としてのみ考慮し音楽の根源、ベースとしないことを恐れることがないだけなんだ。」
モダンメタルに住まうバンドの多くが、メタルとアウトサイドメタルの音の葉を掛け合わせながら、サブジャンルという枝葉を無限に伸張させています。ただし、そこに誠実さや純粋さ、敬意を深々と込めるアーティストは決して多くはないでしょう。
ハンガリーを始点とし、Tamás Kátai のライフワークとも言える THY CATAFALQUE は、メタルから遠く離れた次元の音楽にさえ、鋭く一切の妥協なしに向き合いながら真の意味での豊かな多様性を模索しています。
「僕がやっていることは、ナイーブアートの画家の創造と非常に似ていることに気づいたんだ。彼らは絵画の正式なトレーニングを受けていない。だから訓練された芸術家の専門的かつ実践的なアプローチとは異なり、子供っぽく夢のようなアティテュード、純粋さと本能を持っているからね。」
最新作 “Naiv” は “ナイーブアート” からインスピレーションを得て制作されたと Tamas は語ります。音楽制作を始めた時点でギターを所持さえしていなかった鬼才は、「僕はトレーニングを受けたミュージシャンじゃないし、限界も明らかだからね。」 と語る通り楽器のスペシャリストと言う訳ではありません。ただしそれ故に、ナイーブアートとシンクロする境界のない純粋で本能的な音色をレコードというパレットに描き出すことが可能なのかも知れませんね。
「様々な楽器を使って様々なアイデアを試し、友人を招待したんだ。彼らの貢献はマテリアルを実に豊かにし、僕をさらに刺激し、ある種創造の触媒のような感じだったな。新鮮な声、新鮮な楽器は、僕とっても、ゲスト参加者にとっても、オーディエンスにとっても、音楽を新鮮で刺激的なものにしてくれる。僕はそれが “win-win” な状況だと思っている。」
エゴに囚われない Tamas の姿勢はそうして11人のミュージシャンと多種多様な楽器の躍動をレコードに刻み込むこととなりました。3人のボーカル、語り部、フレットレスベース、ウード、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン、クラッシックギター、トロンボーン、サックス、フルート。カロチャ刺繍のごときカラフルな音素材の群れがボーカル、ギター、ベース、キーボード、プログラミング、ダラブッカ、ツィターをこなす Tamas の才能と出会うとき、”Naiv” に宿るドナウの雄大にも似た音流は無限の広がりを見せるのです。
「僕はナイーブアートの純粋さとフォークロアの純粋さを共にキャッチし、それらを刺激的で未来的な文脈に組み入れることを目指していたんだ。」
実際、”Naiv” はオールドスクールなブラックメタル、奇々怪界なプログレッシブ、TIAMAT や MY DYING BRIDE のダークゴシック、ハンガリアンフォーク、魅惑的なフィーメールボイス、ジャズベースのホーンセクション、クラシカルストリングス、レトロフューチャーなシンセウェーブがシームレスに流れ行く創造性の大河だと言えるでしょう。そうして、THY CATAFALQUE の冒険心に満ち、時に夢見がちな船旅は、ハンガリーの音楽家がハンガリー語で紡ぐことによりさらにその哀愁と叙情の影を濃くするのです。
今回弊誌では Tamás Kátai にインタビューを行うことが出来ました。「ハンガリーはそもそも大きな国ではないからね。国の規模や人口に比べて、メタルバンドの数はかなり多いと思うよ。80年代には、TORMENTOR と POKOLGEP、2つの国際的に有名なメタルバンドがあったけど、両方とも今日でも活躍しているしね。彼らはハンガリーの多くの若者がギターを手に取ってメタルをプレイする後押しをしたんだ。」 どうぞ!!

THY CATAFALQUE “NAIV” : 10/10

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