COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【CODE ORANGE : UNDERNEATH】


COVER STORY: CODE ORANGE “UNDERNEATH”

THERE’S NOBODY LIKE US…CODE ORANGE ARE READY TO BE NEW ICON OF EXTREME MUSIC

BORN FROM “UNDERNEATH” OF THE SCENE

キャリア10周年を迎え、CODE ORANGE は間違いなくハードコア最大のバンドへ進化を遂げようとしています。
2008年に、ハードコア色の強いクロスオーバーの一味として結成された CODE ORANGE。当時、メンバーは平均すると約14歳で、2012年までは文字通り CODE ORANGE KIDS と呼ばれていました。
「俺らは文字通り世界中で誰にも演奏しないツアーを無数に行ってきた。自慢でも何でもなく、それが現実だ。ハードコアバンドはその現実を知っている。それでもすべて自分でやること、DIY を教えてくれるのがハードコアだ。その音楽を愛しているからな。」
メジャーメタルレーベルとの契約、SLIPKNOT, GOJIRA とのツアー、グラミーへのノミネート、コーチェラからのラブコール
。冒険の始まりから遥かな高みへと到達したバンドの思想は、しかし今でも実にリアルなハードコアです。
「”Underneath” がヘヴィーミュージックの方向を変えることを望んでいるか? いや、俺は何も望んでいない。メタルやハードコアのミュージシャンを鼓舞するバンドになりたいか? 俺らは何かになりたいとは思わない。それなら俺らは彼らの一人になるだろう。」

Jami は Nu-metal を “Underneath” への意識的な影響元としては言及していませんが、ボストンの VEIN など他の新たなハードコアイノベーターと同様に、CODE ORANGE のサンプリングとパーカッションに対する最大級のアプローチを見れば、90年代後半との比較を避けることはできないでしょう。実際彼らは、SLIPKNOT の Corey Taylor を、”The Hunt” のゲストボーカルとして迎え入れ、夏にはKnotfest Roadshow のオープナーを務めます。
「Coley は好きじゃない人たちと時間を無駄にすることはない。俺らも同じことをするつもりさ。」
傍観者は、本質的に商業主義とは相反するハードコアから生まれた CODE ORANGE のよりビッグで、より精巧で、ある意味でよりメロディックなサウンドについてセルアウトの烙印を押すかもしれません。しかし、本物のアートには程遠い、経済的に満たされすぎているという示唆は、相当な名声を獲得した今でも明らかに偽りです。
「音楽をやめて、ウェンディーズで働き始めたほうが稼げるはずさ。」
ドラマー/ボーカリスト Jami Morganはそう嘯きます。しかしそのジョークが真実に思えるほど、彼らは全ての労力を “Underneath” へと注いだのです。


デモとレコーディングを一つのプロセスと捉えた彼らは、そのミッションに丸一年を費やしました。相当に密度の高いデモを完成させた後、バンドはナッシュビルへ降り立ち、1日12時間週7日のハードワークを2ヶ月間続けました。
「おかげでヒップホップのレコードみたいになった。デモと言うよりも、誰かとレコーディングをやるために聴かせる、俺らがミックスした何百ものトラックの集積だったから。
プロデューサーの Nick はさすがに週末は仕事を離れたけど、俺らはアシスタントエンジニアと作業を続けたよ。なぜなら、このレコードのリードの多く、Reba の奇妙なデジタルサウンドはデモの過程で開発されたものだったから、ミックスでダイレクトに録音したからね。ヘヴィーな音楽がより芸術的になろうとすると、多くの場合、その即時性が失われてしまう。全てが連携する必要があるんだ。上手く1つの大きなオーケストラに組み込むことができたね。」
さらに長年の協力者 Will Yip とフィラデルフィアで追加の作業を行い、2人のプロデューサーとの仕事を終えた後もハードディスクをピッツバーグまで持ち帰り何ヶ月も調整を続けたのです。

キーボードを担当する Eric “Shade” Balderose のアルゴリズムはその印象度を飛躍的に高めました。2017年の “Forever” においてもインダストリアル、エレクトロサウンドは確かに鳴り響きましたが、あくまで不気味な装飾の一つとして脇役の領域を超えることはありませんでした。
しかし “Underneath” において彼の創造するプログラミングドラムトラック、ホラーサウンドトラック、アトモスフェリックなシンセサウンドはボーカルや他の楽器と同等の不可欠な存在であり、主役でしょう。Eric はエレクトロニカのプロダクションを自身で学ぶと同時に、NINE INCH NAILS, MARILYN MANSON のコントリビューター Chris Vrenna をプログラミングアシスタントに起用しクオリティーを著しく高めました。
Jami は当時の Eric について、「彼は文字通り心を失いそうなほど消耗していた。誰かと共に働く必要があったんだ。」と語っています。
エレクトロの波に加えて、Jami と Rega が散りばめた様々なボーカルスタイルは、時に重なりながら目覚ましきコントラストを生み出しました。故にレコードには、滑らかに風変わりなハーモニー、スリリングなブレイクダウン、果てはシュレッドギターまで多様な世界が広がることとなりました。
そのパズルのコピー&ペーストは瞬く間に行われるため、音楽的要素や演奏者の解読さえ時に難解です。しかし音楽の方向感覚を失わせる CODE ORANGE の挑戦状は完全に意図的であり、細心の注意を払って構築したレコードの二分概念をまざまざと象徴しています。
「俺は全ての楽曲に二重の意味を持たせたかったんだ。歌詞の一行一行からアルバムのストーリー、さらに他の3枚のレコードとの繋がりまでね。」


CODE ORANGE のリリックは複雑です。ただし可能な限り分解を容易ににするため、”Underneath” のリリックには基本的に二つのビッグテーマが用意されています。一つはテクノロジーの観点から見た現代社会。もう一つは、自身が所属する音楽産業、ヘヴィーミュージックシーンに対する思索です。
例えば、”Who I Am” ではソーシャルメディアで同時に経験する接続と断絶に言及し、”A Sliver” は SNS のプラットフォームを重要だと感じる誤った感性を断罪します。
「誰もが大きな大きな声を持っているように感じている。だけど結局、俺たちの声はすべて、SNS というボックスに入れられているから、そこでいくら大きな声を出したって本当に重要な意味は持たないんだよ。」
一方で、”Cold Metal Place” は極寒の地下メタル世界。プレッシャーに苛まれる他のバンドを尻目に、CODE ORANGE は競争の激しい音楽業界を生き抜きます。「全世界が笑っているが、オマエはその事実さえ知らない」の一節は音楽世界の過酷なプレッシャーをリアルに描写しています。
「それが批判であれ、ジャッジであれ、常にノイズが存在するように感じるね。自分が誰かの冗談になる可能性をいつも孕んでいる。すべてがミーム、すべてがジョーク、すべてが判決可能、すべてが破壊可能な世界だから。」

そんなメタナラティブなポスト音楽産業でも、Jami にとってはバンドが全てです。故に彼らの物語をレコードに記し続けることは当然でしょう。そうして闘うバンド CODE ORANGE 最大の願いは、そのキャリアを重ねていくことなのです。
「音楽で食っていきたいと思っている。だけど今や誰にとってもそうすることはとても難しい。座っていても金が入ってきた15年前とは違うんだ。」
2017年、GOJIRA とのツアーは彼らのバンドに対する取り組みを根底から変化させました。フランスのモダンメタルバンドは今やメタル世界の中心にいます。GOJIRA が毎晩セットを録画し、パフォーマンスの微調整を行うことはかなりの驚きでした。
「彼らはメタルを作るのが、工夫してより良いものを作るのがいかに難しいかを知る新世代なんだ。そうまでしても、俺らは生き抜かなきゃならない。」
従うべき青写真を持たない CODE ORANGE にとって課題は二つ存在します。まず、ハードコアとインダストリアル、オルタナティブを彼らのようにミックスするバンドは前代未聞なので、独力でチェックポイントを設定しながら進まねばならないこと。さらに、そこに確立されたマーケットが存在しないことでしょう。
「メタルなのか、ハードコアなのか、それともただのクソなのか。とにかく、あのアーティストのファンなら俺らの音楽も気にいるって勧め方は出来ないからな。少しづつファンを獲得していくしかないね。それが唯一のチャンスだ。」
グラミーへのノミネートは “ネクストバンド” としての孵化を促しました。
「グラミーは、多くのバンドとは異なるプラットフォームを手に入れるチャンスだった。もし勝ち取れれば、もっと俺たちの意図を実現していただろうな。 ノミネートされるだけで幸せだと言うつもりはないね。目標は、物事を変えることだから。そのための唯一の方法は、プラットフォームを拡張し続けることだろう。」

Jami はグラミーにノミネートされたことで多少なり “ドア” が開いたことを実感しています。ただし、個人的な成功のみならず、エクストリームミュージック全体の地位向上を狙う彼らのハードルは、遥かに高い位置へと設定されています。そのための取り組みの一つが、ライブの超進化です。事実、コロナウイルスでさえ、彼らの勢いを止めることは出来ませんでした。Jami がドラムライザーから解放されたはじめてのアルバムリリースショーは、無観客ながら絶賛を集めました。
「動画を視聴しているファンもライブに参加しているような気持ちにさせたいんだ。基本的にメタルのライブプロダクションはシンプルで退屈でからな。Windows のスクリーンセイバーみたいにね。だからもっと複雑に、多次元にしたいわけさ。」
バンドはすでに JPEGMAFIA や Injury Reserve などラッパーとのコラボレーションを行っていますが、他のメタルミュージシャンとは異なる方法で、ヒップホップやエレクトロアーティストとの相互受粉を続けたいと考えています。なぜなら Jami はポップやヒップホップの世界で、メタリックなイメージと美学が今どれほど人気があるかに気付いているからです。つまり彼はヘヴィーな音楽がただ享受するだけでなく、影響をもたらす存在であることを示したいのです。
「それを真実にするためには、エクストリームミュージックがエキサイティングである必要がある。そして相互通行の中から新たなものを生み出していきたいんだ。もちろん、俺らはラップメタルを目指しているわけじゃない。もっとプロダクションサイドでヒップホップのやり方を取り入れていきたいのさ。」

Jami は20年代という新たな10年でヘヴィーミュージックを前進させる必要性を切迫して感じています。それは多くのメタルフェスやロックフェスでプレイするうち、彼の年齢で主役を演じるミュージシャンがどれほど珍しいかに気づいたから。同時に、Reba のような女性プレイヤーはメタルユニバース全体では決して珍しくはありませんが、よりメジャーなメタル世界では過小評価されがちです。
「ヘヴィーミュージックには、新たなアイコン、子供たちが見たがって真似したりするバンドが必要だよ。メインストリームには3、4年前に出てきて、すでにアイコンの風格を備えたアーティストが存在する。メタルでそんな存在がいるかな?」
バンドのアクロバティックな攻撃性、隆起した上半身の筋肉はWWEへ自然に適合しました。相乗効果は確かにファン層の拡大に役立ちましたが、メタルの固定観念を増長させる危険も孕みます。
「俺らはロックを長い間支配してきたものから抜け出したいんだよ。」
ティーンネイジャーでライブを始めて以来、ストレスや精神的苦痛は多少なり改善されたと彼らは語ります。しかし、バンで寝泊まりし激しいライブパフォーマンスに起因する肉体的消耗や、アンダーグラウンドシーンの財政的精神的圧迫はそれでも厳しいものでしょう。
「俺らはユニットだから。批判や苦難を乗り越えるには、お互いを気にかけることが重要だ。CODE ORANGE は全員がこのバンドを特別だと信じている。それが特別なことなんだ。地球上のどんなバンドとも異なるし、俺らみたいなバンドは一つとしていない。だから良いってわけじゃないけど俺らは…まあ半分はジョークさ (笑)」

TRACK BY TRACK REVIEW BY JAMI & REBA

1. (Deeperthanbefore)

アルバムのイントロダクションだよ。君たちがこれから探求するレコードの世界を、様々な方法で景色を垣間見せるんだ。アルバムのテーマは薄っすらと過去のレコードと繋がっていて、そこからこのイントロで俺らが切り開く場所へ新たな扉を開けるんだ。(Jami)

2. Swallowing the Rabbit Hole

自分探しの旅に乗り出すこと。この新たなデジタル世界では、きっと君たちが直面したくないことに直面する。それは君自身や社会に巣食う醜い部分。音楽的には、俺らの取り入れるヘヴィーな一面を良く表現していると思う。リアルとシュールをブレンドするという意味でね。(Jami)

3. In Fear

これは私たちがこの作品のために書いた最初のトラックの一つ。クラッシックでヘヴィーな CODE ORANGE ソングを切り刻んだバージョンね。”Forever” に収録されていた多くのグルーヴを取り出して、ちょっとした変化を加えたのよ。(Reba)

歴史と情報へ互いにアクセスしやすくなり、人々はジャッジに駆り立てられる。俺らが作り出したのは恐怖の文化だよ。何か間違ったことをすれば、時には非常に当然のこととして、社会的に、現実的に死んでしまう。インターネットという新しいスタイルの裁判官、陪審員、死刑執行人について扱おうとしたんだ。(Jami)

4. You and You Alone

自分を追い詰めて、自分自身を最悪のバージョンに変えようとしている人々が感じる苦味と怒りの反映。このレコードは、自分が好きじゃないものを見て、直面する旅だと感じているんだ。俺らはグループとして、俺は個人として、そして物語の登場人物は時に多くの苦しみとフラストレーションを抱えている。だからそれを反映し、苦しみを手放そうとしているのさ。(Jami)

スーパーメカニカルなヴァースのリフがあるわね。もともとは粗雑なメタリックリフとしてかかれていたんだけど。それをエレクトロニカのグラインダーに通したの。(Reba)

5. Who I Am

表面上ではドリーミーでダークなポップソングだけど、次第にプログレッシブにねじれ始める。俺たちの時代の、強迫観念を伴った現代的で相互的なストーキングについての楽曲だよ。携帯電話を通したね。今までの考え方とは異なる時代で、新たな思考を研究している。SNS なんかで見せる姿を真に受けて、他人の実際の姿から目を逸らせばねじれが生じるだろう。(Jami)

音楽はそのテーマを反映しているわ。ねじれたジェットコースターに乗るようなものね。一方向に進むと思わせて、その後は予期しない方向に進むの。(Reba)

6. Cold. Metal. Place

このレコードの主人公が生まれた場所。このレコードで表現したかった “テクノロジー地獄” における呟く魂たちは、批判や賞賛の声を上げ続け、アートを作る際の様々な決断に大きなインパクトを与えるんだ。ハードな音楽の心と魂を保ちながら、音楽をデジタル操作している。(Jami)

レコードの暗い側面を体現した楽曲ね。まさに私たちが表現したかったヘヴィーな景色を生み出したの。(Reba)

7. Sulfer Surrounding

精神的に蝕まれること、そしてそれと意図せず上手く付き合う方法を歌っている。完全なるバラードロックだけど、CODE ORANGE 流の捻りを加えているよ。(Jami)

私たちのよりビッグでクラシックなサウンドを象徴するメロディの1つ。よりメロディックな曲の流れを保ちながら、奇妙で重い側面をもたらす別の要素を与えることができたのよ。(Reba)

8. The Easy Way

レコードに収録されている最もエレクトロな曲の1つ。衝撃的な電子パルスが聴こえる、以前の俺らならやらなかったようなメロディックソングの異なるフレーバーを携えている。レコードの中では異色だよね。(Jami)

この歌を使って、まったく別世界のテクニックが試されたの。全体的に実にヘヴィーメタルなアルバムであるにもかかわらず、この楽曲はアルバムで達成したかったモダンなプロダクションのレベルに最適なプラットフォームとなったのよ。(Reba)

9. Erasure Scan

メンタルヘルスのねじれが原因で起こった悲劇を反映し、お互いをどう扱い、話し合うかについて問題提起している。学校で起こった銃乱射事件について話しているよ。それがなぜ起こるのかについて、心理学的な研究を少し行っている。(Jami)

アルバムの中でおそらくより重く、グリッチな曲の1つでしょう。歌詞が非常に強烈で、楽曲もそれを反映しているの。ほんの少しの微調整ではなく、ミックスで多くの操作を行ったわ。すべてを切り取り、ループさせ、多くのテクニックを使用したの。(Reba)

10. Last Ones Left

レコードに登場するわずか数回の勇敢な瞬間の1つ。心理的な旅の一部であり、時には本当のポジティブな結末のない場所にあなたを引きずり込むことができる。(Jami)

11. Autumn and Carbine

Rebaの曲で、セレブ文化を扱っている。特に他のジャンルは黒幕の大物に操作されていて、若者の生活を毒するところまで達している。彼らは本当にネガティブな可能性を提示し、負のスパイラルを送らせようとしているんだ。つまり君は操り人形で、糸が引っ張られて幸福が本当に気にかけられず、考慮されることもない。(Jami)

12. Back Inside The Glass

レコードで最もハードコアよりの楽曲。実にファストで、エレクトロとストレートなリフ、畳み掛けるドラムの間のクールなラインを歩んでいる。この曲のテーマは、自分自身をより良く再設計しようとするも、逃げられない寄生虫が自身の中を未だ泳いでいて変われないように思えるって感じだな。ドアを開けて元の自分から離れるたびに、引き戻される。俺にとって、この歌は手術台にいて治療という変化を待っているようなものだ。病気にかかっていてね。ガラスの背後を振り向けば、君の終焉を見守る観客の姿がある。(Jami)

13. A Sliver

暗くて陰気なメロディーから始まり、パワフルでしかし気のめいるようなコーラスに進む。その後、エレクトロニカの闇を通過し最後にメタルと交差する。すべてがアルバムのフィナーレにつながっているの。(Reba)

俺たちがさらされている悲劇。それがどれほど影響を与えても、誰もがその話題を乗り越えて素早く次の話題へと進む。それがこの曲を破片と呼んだ理由さ。その破片はどんどん小さくなっている。声を上げるプラットフォームはたくさんあるけど、ノイズに紛れてしまいその声はかつてないほどに小さくなるんだよ。(Jami)

14. Underneath

レコード最後の曲。俺はリスナー全員に、自分でこのレコードを旅して欲しいんだ。必ずしもこれが決定的な結末だとは思わないよ。ヒップホップベースの曲の1つ。学んだ多くのことと向き合い、自分の未来について難しい決定を下さなければならない、その最後の通路に赴く楽曲だよ。(Jami)

参考文献:REVOLVER:”THERE’S NOBODY LIKE US”: CODE ORANGE STAKE THEIR CLAIM ON THE FUTURE OF HEAVY MUSIC

BILLBOARD:Code Orange Are Ready to Be Metal’s New Icons

KERRANG!:CODE ORANGE’S TRACK BY TRACK GUIDE TO UNDERNEATH

STEREOGUM: CODE ORANGE’S HEEL TURN

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CODE ORANGE Official
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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【MY DYING BRIDE : THE GHOST OF ORION】


COVER STORY : MY DYING BRIDE “THE GHOST OF THE ORION”

“Tired Of Tears Was Exactly How I Felt. They Had Been Flowing Freely From Me For Months And I Was a Shadow Of My Former Self. It Is Sad That This Will Continue For Many Others. Innocent People. So Very Tired Of Tears.”

HOW GOTHIC DOOM LEGEND TURNS DARKNESS INTO LIGHT

PARADISE LOST の “Gothic” こそがゴシックメタルの幕開けを告げたレコードであることに異論の余地はないでしょう。
以来、ミルトンの失楽園に啓示を受けた荘厳耽美の象徴は、”Icon”, “Draconian Times” とメランコリーの金字塔を重ねることとなりました。そうして、90年代というメタルの実験室は多種多様なゴシックの重音楽を創造することになるのです。
ゴシックメタルの総本山 Peaceville Records は、その PARADISE LOST, ANATHEMA, そして MY DYING BRIDE の通称 “Peaceville Three” を世紀末の世界へと送り出しました。さらにデスメタルから分岐した SENTENCED や TIAMAT、しめやかな女声をメインに据えた THEATER OF TRAGEDY, THE GATHERING と漆黒に広がる色彩の中でも、ヴァイオリンとクラシカルに沈む暗海 MY DYING BRIDE のゴシックメタルは飛び抜けてドゥーミーな陰鬱だったと言えるでしょう。

30年のキャリアで12枚の仄暗くしかし豊潤な旅路を歩んできた死にゆく花嫁が、自らの音の葉を超える悲劇に見舞われたのは、”Feel the Misery” リリース後2017年のことでした。中心人物 Aaron Stainthorpe の5歳の娘が癌と診断されたのです。Aaron は愛娘を襲った病を 「神の最も残酷な、愛のない創造物の1つ」 と断じ嘆きました。
「2017年9月、5歳になった美しい娘が癌と診断された。心配と混乱のブラックホールが目の前に広がったよ。この恐ろしい病気を取り巻く恐怖は、現実的で残忍で容赦ないものだった。化学療法と二度の手術をくぐり抜け、幸運にも娘は癌を克服した。それでも彼女は、残りの人生を再発と潜在的合併症の恐怖と戦いながら過ごさなければならない。だから私はただ自分が墓に向かう時、彼女が強く率直な女性として生きていて欲しいとそればかり願っているよ。」
娘の罹患は Aaron の人生観、そして未来を大きく変えました。
「彼女が病気になる前は単純で愚かなことにイライラしていたけど、本当に深刻な何かに対処しているとそれが非常に取るに足らないものに思える。例えば昔ならプリンターが上手く働かなければばらばらに叩き壊しただろう。だけど今の私はただ、新しいのを買おうと言うだけさ。私を苦しめ、ストレスを与えるだろう愚かな些細なことは、もはや存在しない。人生に変化があったんだよ。私は変わった。もっとリラックスして落ち着いた人になったのさ。」

創立メンバーで出戻りの Calvin Robertshaw とドラマー Shaun Taylor-Steels がレコーディングの直前にバンドを離れました。
「もっと重要なこと、娘の治療に気を取られていたから、メンバーの離脱を気にかけている暇はなかったね。だから Andrew が Calvin がまた辞めたと言ってきても正直どうでも良かったんだ。幸運にも早めに出て行ってくれたから “The Ghost of Orion” のための彼の素材はそんなに残っていなかったんだけど、後からお金を請求されても嫌だから Andrew が全て書き直したよ。ギタリストなら自分のリフが全て採用されるほうが幸せってもんだ。前のアルバム “Feel the Misery” も Hamish Glencross がレコーディング前に辞めたから同じ状況だった。あのアルバムのレビューはこれまでよりポジティブだったから、Andrew が素晴らしいソングライターであることはすでに証明されているからね。
Shawn の場合、エンジニアの Mark が ex-PARADISE LOST の Jeff Singer を知っていて、僅か2週間で全てを覚えて素晴らしいドラミングを披露してくれたんだ。
もちろん、過去にメンバーが去った時は少しイラついたかもしれない。だけど今回私は別の次元にいたからね。ある意味 MY DYING BRIDE との繋がり自体、少し希少になっていたから Andrew はストレスが溜まっただろうな。メンバーが去ったと慌てても、私は肩をすくめて知らないよと言うだけだったから。」

レコードで最も荘厳にエモーショナルに織り上げられた “Tired Of Tears” は文字通り娘の罹患に枯れ果てた涙の結晶。
「この楽曲は僕の人生で、最も恐ろしくストレスが溜まった時期を扱っている。唯一の子供が死に近づいたんだから。これまでも落ち込んだことはあったけど、これほどではなかったよ。真の暗闇でどう対処して良いのか全くわからなかった。それでも全力を尽くして戦おうと決めたんだ。涙が枯れ果てたとはまさに私が感じていた気持ちだ。何ヶ月も涙が自然と溢れ続けたんだ。」
結局、MY DYING BRIDE のあまりに長く、思索を誘う悲嘆のセレナーデは現実という葬儀の行進を彩る葬送曲です。Andrew によると、「悲惨な楽曲は現実の生活に対処するための準備でありカモフラージュ」なのですから。
MY DYING BRIDE は Peaceville Records と最も長く契約したバンドでしたが、”The Ghost of Orion” で袂を分かち Nuclear Blast と新たに絆を結びました。
「Peaceville を離れたのは時間が理由だったと思う。彼らは私たちのために出来得る限り全てをしてくれたし、完全なる芸術的自由を与えてくれたね。だけど私たちはもっと多くのものを提供したかったし、コミュニティーにおける存在感もさらに高められると感じていたんだ。Peaceville はその渇望を満たすことが出来なかった。Nuclear Blast ほどの巨大なレーベルなら実現が可能だからね。
新たなレーベルと契約し、新たなメンバーを加えて、私は MY DYING BRIDE が蘇ったように感じているんだ。新鮮な空気を吸い込みセカンドチャンスが与えられたようにね。”The Ghost of Orion” は最高傑作に仕上がったと思うし、再びエネルギーを充填して、より大きく、より素晴らしい音楽を生み出すバンドを目指していくんだよ。」

“The Ghost of Orion” は MY DYING BRIDE 史上最もキャッチーでアクセシブルだとメンバー、リスナー、評論家全てが評しています。その変化は存在感を高めるため?それともレーベルの影響?もしくは娘の回復が理由でしょうか?
「全ては意図的に行われた変化だよ。Peaceville 時代の後期からすでによりレイドバックした “イージーリスニング” なアプローチは検討されていたんだ。過去の私たちがそうであったように、若いころは強い印象を与えようとするからね。私たちも4回リフを繰り返して自然に他のパートへ移行する代わりに、ただ驚かせるためだけに同じリフを7回半ひたすらプレイしたりしていた。技術的に優れていることも証明したかったんだと思う。だけど、それはもう過去にやったことだ。今は何も証明する必要もない。
だからこのアルバムにはギターとボーカルのハーモニーがたっぷり含まれているんだ。ダブル、トリプル、時には4重にも重ねてね。さらにコーラスも存分に取り入れて聖歌隊の雰囲気を与えたよ。
ただ、あくまで MY DYING BRIDE 流のコマーシャルさ。だってシングル曲 “The Old Earth” にしたって10分あるんだからね。一般的なコマーシャルとはかけ離れている。それでも、耳に優しいのは確かなようだ。メタルに詳しくない友人が “Your Broken Shore” を褒めてくれたのは嬉しかったよ。つまり新たなファンを獲得しているってことさ。
もちろん、リッチなコーラスに不満を言うファンはいるだろう。でも私たちは新たなチャレンジを楽しみ、前へと進んでいるんだからね。」

新たな挑戦と言えば、チェロ奏者 Jo Quail と WARDRUNA の女性ボーカル Lindy-Fay Hella がゲスト参加しています。チェロはバンド史上初、女声も “34.788%…Complete” 以来初の試みです。
「アルバムを制作していくうち、特別な作品へ発展していることに気づいたんだ。それで私たちだけで仕上げるよりも、他の質の高いミュージシャンを加えて最高のアルバムに仕上げるべきだと思ったのさ。真に際立った2人の女性が、その才能で素晴らしいパートを加えてくれたんだよ。」
今や様々な分野のアーティストに影響を与える立場となった MY DYING BRIDE。では Aaron Stainthorpe その人はどういった芸術家からインスピレーションを受けているのでしょうか? CANDLEMASS と CELTIC FROST は彼にとっての二大メタルバンドです。
「”Nightfall” の暗闇は私の中で生き続けるだろうね!実に巧みに設計されていて、最初から最後まで過失のないレコードだよ。特にボーカルがね。CELTIC FROST なら “Into The Pandemonium” だよ。このバンドが支配するアンビエンスと真の狂気は私にとって純粋に詩的なんだよ。アートワークも素晴らしいよね。」
同時に DEPECHE MODE と DEAD CAN DANCE も当然彼の一部です。
「DEPECHE MODE を愛するメタルヘッドは決して少なくないよ。だって終わりのない落胆と陰鬱が存在するからね。私はアルバムだけじゃなく、12インチ7インチを出来る限り購入していたね。ファンクラブのメンバーにも入っていたくらいだから。
DEAD CAN DANCE で私が最初に聴いた CD は “The Serpents Egg” で、これは長年にわたって個人的なお気に入りなんだ。新しい歌詞や詩を書きたい時に聴きたくなるね。 モダンで厳格な心持ちから、望んでいる温かく創造的な雰囲気に変化させてくれる。このLPは、そうして “言葉の食欲” が落ち着くまで繰り返されるわけさ。」
さらには SWANS まで。「Michael Gira の心は複雑で、その創造的な成果は特に SWANSに現れている。Michael の提供する複雑なリリックと楽曲は、時に不快だけど喜びで価値があるものだ。何が起こっているのかわからないけど、魅力的で戸惑うほど美しい。」

そうした Aaron の才能はいつか小説や映画を生み出すのかもしれません。
「いつか映画を撮るかもしれないね。大きな映画館じゃ上映されないような作品さ。2020年のベストフィルムは “The Lighthouse” だよ。4K やフルカラーで撮影されなければ映画じゃないように思われているかもしれないけど、実際はそうじゃない。」
今年はバンドにとって3枚目のアルバム、マイルストーン “The Angel and The Dark River” の25周年です。興味深いことに、名曲 “The Cry of Mankind” は僅か2時間半で全てが完成した楽曲です。
「Calvin が適当にギターを触っていて、残りのメンバーは無駄話をしていた。でも彼のフレーズの何かが私たちの耳を捉えたんだ。そこから全員で一気呵成に仕上げていったね。こうやって自然と出てくる曲はそれほど多くはないよ。通常は誰かが「私に3つのリフがある。さあここから他の楽器で装飾し楽曲を作ろう」って感じだから、何もないところから作られて絶対的なリスナーのお気に入りになったのは最高だよ。ファンがその曲を愛しているんだから、すべてのギグで演奏しなければならないと思う。」
Aaron と Andrew は唯一のオリジナルメンバーで、その付き合いは30年を超えています。
「私たちは老夫婦のようなものさ。 両方とも同じものを望んでいる。それに私だけがオリジナルメンバーではないのが嬉しいんだよ。親愛なる人生のために、他の誰かがまだそこに留まっているのは素晴らしいことだからね。 もし Andrew が辞めたら、私もタオルを投げるだろうな。彼も同様のことを言っているがね。なぜなら私たちは自分からは辞めると言いたくないんだよ。だから長く続くかもしれないね!私はまだもう10年は続けられると思う。」

PERFECT GUIDE TO MY DYING BRIDE

“AS THE FLOWERS WITHERS” (1992)

MY DYING BRIDE 初のフルレングスは、シンフォニックなイントロダクションでその幕を開けます。たしかに、”Sear Me” で披露するシンセサイザーとヴァイオリンの響きはギターと仄暗きバロックのポリフォニーを形成し、後の耽美なゴシックサウンドを予感させますが、それでもアルバムを通して登場する性急な場面転換や破壊的な突進、響き渡る Aaron のグロウルを聴けば、枯花が最もオールドスクールデスメタルの影響下にあるレコードで未だサウンドを模索中のようにも思えます。
バンドのアイデンティティーを司るヴァイオリン/キーボードの Martin Powell もセッションミュージシャン扱い。それでも、実験性やメロディーに輝きは散りばめられ、疾走する “The Forever People” は今でもファンから愛される佳曲です。

“TURN LOOSE THE SWANS” (1993)

プレイボタンをおして9分30秒間、ディストーションギターが登場しないメタルレコードがいったい何枚存在するでしょうか? しかし、その事実こそ MY DYING BRIDE が自らの陰鬱耽美なゴシックドームを確立した証でした。
“Sear Me” の再考と “Black God” は、魂のナレーション、ピアノとヴァイオリンで構築されたゴシックアンビエントのブックエンドとして、漆黒の迷宮に残された微かなセーブポイント。
残りの楽曲は深い森に潜む底なしの洞窟、絶望のダンジョン。ただし、リスナーは何度も探索を重ねるうちその立ち昇る死の妖気、重鬱なギターの責め苦にさながらマゾヒストの出で立ちで魅了されていくのです。
中でも、”Your River” の協和と不協和、旋律と非旋律、奇数と偶数で組み立てられたゴシック建築のドゥームは圧倒的に不気味を極めた狂気でしょう。
ゴシックエレメントが勃興し、ノンメタルな Martin Powell の存在感、プログレッシブとも表現可能な実験性が増したにもかかわらず、”TURN LOOSE THE SWANS” は死と運命に両足を埋めてています。

“THE ANGEL AND THE DARK RIVER” (1995)

ゴシックドゥームの最高到達点。Aaron がデスグロウルを棄て去り、Martin のヴァイオリンと鍵盤のアレンジが際立つ作品で MY DYING BRIDE はその陰鬱な美の皮肉を完成させました。
インスピレーションの源は、地元ノースイングランドの城、霧、冷気。バンドにとって最も重要な楽曲の一つ、”The Cry of Mankind” はまさにそのサウンドスケープを体現します。
Aaron はこの楽曲について、「宗教に疑問を呈する楽曲。より高次元な精神的存在について歌っている。忘れられないメロディーが楽曲のほぼ全体を支配して、君たちの魂を誘う。君たちを迎えに行き、熟考と誠実な考えの場所に運ぶんだ。 」と語ります。
曇天に鳴り響く孤独なフォグホーン、反復の中毒的ギターリフ、バリトンボイスの洗脳。一方で、”A Sea to Suffer In” の重厚なリフと劇的なテンポチェンジは、ヴァイオリンの美麗と重なり英国のロマンを運びます。
イングランドのトラッドフォークを苦痛と寒さで歪ませた “Two Winters Only” は全ディスコグラフィー中でも Aaron のフェイバリットソングですが、驚くべきことにこの楽曲は彼がいつか子供を持ち難病で失うという当時の予感をしたためたものでした。ライブでは歌わないと決めているそう。

“LIKE GODS OF THE SUN” (1996)

“For My Fallen Angel” の哀れで落胆したシェイクスピアのスポークンワード、青々として美しいマイナーなコード進行、悲しげなバイオリン。実存的な恐怖、憂鬱、孤独を運ぶレクイエムは、アクセシブルな音の葉を増し、後の量産的なゴシックメタルに接近する危険を打ち払う救世曲でした。
この楽曲について Aaron は、「恋人を失うことは悲劇の中でも群を抜いて悲愴だ。だからこそ、私たちは MY DYING BRIDE と名乗っているんだろうな。人生の残りを一緒に過ごしたかったという希望は冷酷に彼らの人生から永遠に取り除かれようとしている。願わくば涙を流すために肩を貸せる友人や家族がいればいいんだけど。」 とバンドのアイデンティティーであることを表明しています。
Martin と Rick にとって最後のレコードとなった事実はある種の啓示でしょうか。実際、アポロンの恩恵を受けたアクセシブルでキャッチーなレコードは、以前のめくるめく壮大さや狂気の実験性をいささか欠いているようにも思えます。
それでも、今でもセットに不可欠な “A Kiss To Remember” は象徴的ですが、アルバムのテーマである罪、官能、罪悪感、抑圧された欲望を物語る美しく、暗く、悲しく、ヘヴィーな MY DYING BRIDE イズムは、単調な反復の中にも蠢いています。Aaron のフェイバリットレコードの一つだそう。

“34.788%…COMPLETE” (1998)

KORN の “Follow the Leader” と同年にリリースされた MY DYING BRIDE のレコードは、ヴァイオリンの不在も相まっておそらく多くのファンにとって悪夢でした。悪名高い “Heroin Chic” を筆頭に、Nu-metal や Aaron が敬愛する PORTISHEAD がしたためた耽美とは程遠い無節操な世界観が広がります。
ブレードランナーにインスパイアされたオープナー “The Whore、The Cook and the Mother” や “Under Your Wings and Into Your Arms” といった楽曲は以前のファンにもアピールする可能性を秘めますが、それでも以前の悪夢とは一線を画す、このガラスを引っ掻くようなリアルな不快の波、無機質な電子の攻勢に魅了されるリスナーは多くはないでしょう。ただし、実験>停滞を掲げる向きにとっては必ず一聴の価値はあるはずです。

“THE LIGHT AT THE END OF THE WORLD” (1999)

34.778%の無残な実験失敗の後、ギタリスト Calvin Robertshow を “追放” したバンドは世紀末に灯す仄かな光で “帰還” を果たします。ヴァイオリンの欠如は別として、6年ぶりにグロウルを復活させた Aaron の目的は白鳥の魔法を取り戻すことだったのかも知れませんね。
実際、全ての魔法を思い出した訳ではないでしょうが、”Heroin Chic” を大惨事と捉えた向きには歓迎の方針転換だったはずです。
幻想的でアンビエントな “She is the Dark” は今でもファンのトップ10リストに入る佳曲ですし、オリエンタルなエピック “Edenbeast” もリスナーのインスピレーションを刺激します。
孤独な生涯に一筋の愛を見出すタイトルトラックは安っぽい感動とは無縁の壮大なモノクロームフィルム。そうしてバンドは “Sear Me III” でゴシックの古典を再訪しトリロジーを終わらせました。「”Sear Me” で探求したのは生涯において純粋で完全に征服される愛を見つけること。そうやってソウルメイトが見つかり、運命と永遠が綴られていることを知ると、涙が自然に零れ落ちるんだよ。」
キーボードは BAL-SAGOTH の Johnny Maudling が担当。

“THE DREADFUL HOURS” (2001)

“The Return of the Beautiful” で古美への再訪が実現したように、”As the Flower Withers” 以来最もヘヴィーな楽曲が収録されたレコードかも知れません。特に、オープニングの三連撃は強烈です。
緩やかに幕を開けるタイトルトラックのクリーンギターはいつしか濃密なグルーヴを携えたドゥームの神殿へと到達します。
Aaron の激情と静謐が最も際立つアルバムにおいて、”The Raven and The Roses” の流麗なピアノセクションから “My fucking god is my want” と全ての感情を解放するクライマックスの対比は群を抜いています。そうして印象的なメロディーの残り香は “My Hope The Destroyer” へと引き継がれるのです。ポストパンキッシュなリズムセクションと重厚なメロディーの調和が意味深な “La Figlie Della Tempesta” も白眉。

“SONGS OF DARKNESS, WORDS OF LIGHT” (2004)

キーボード奏者の Sarah Stanton, ギタリスト Hamish Glencross が加入し再度バンドとしての足固めが行われた作品です。
不気味に迫り来る闘いのリズムと Aaron の鬼気迫る唸り声でスタートする “Wreckage of My Flesh” の絶望感、魂の喪失は圧倒的。Sarah の加入を告げながら鳴り響く教会のオルガンがメランコリーなギターの旋律へと浸透を始めると、リスナーの背筋は悪寒に震えるでしょう。抑鬱された審美と重量感のバランスは際立ち、荘厳の丘で黒の信徒は届かぬ祈りを捧げます。
メロトロンの導入で不気味なムードを加速させる “The Scalet Garden”、さながらドゥーム版月下の夜想曲 “The Prize of Beauty” など新たな鍵盤奏者が魔法をもたらしたレコードでしょう。

“A LINE OF DEATHLESS KINGS” (2006)

シンプル&アクセシブルという観点で見れば、時に “Like Gods of the Sun” を想起させる作品かもしれません。アルバムは実に力強く始まります。ダークでヘヴィなリフの応酬、クリーンとグロウルを股にかけるボーカリゼーション、そしてコーラスを携えた美麗なメロディーモチーフ。感情と音楽スタイルの両方を多分に網羅しながら、わずか6分で簡潔に描写した “To Remain Tombless”はアルバムの明らかなハイライトです。
トレードマークのハーモナイズされたギターと、暗い叙情的なシンセサウンドが交差する “Thy Raven Wings” も傑出しています。

“FOR LIES I SIRE” (2009)

ファンの望む MY DYING BRIDE が完全に帰還したレコードかも知れません。13年ぶりにヴァイオリン奏者が戻り、耽美の設計図は再び完成をみます。
Katie Stone はそのストリングだけでなく、鍵盤でも Martin Powell の幻影を追いかけます。事実、荒廃した音世界に降り注ぐ耽美なギターハーモニー、シンプルでしかし耳を惹くボーカルライン、そして流麗なヴァイオリンのアクセントと MY DYING BRIDE に求める全てを内包したオープナー “My Body, A Funeral” は絶佳のオープナーにしてハイライトでしょう。
Aaron はこの作品について 「おそらく確かなことだが、我々がこれまで作った作品で最も陰鬱だろう。」 と語っています。その判断は各リスナーに委ねられるはずですが、呪詛とデスメタルの不穏で構成された “A Chapter in Loathing” の漆黒は明らかにもう一つのハイライトです。

“A MAP OF ALL OUR FAILURES” (2012)

本編にも記した通り、Aaron は意外なほどに野心家です。ヴァイオリンを取り戻したことも、ある程度はより大きな成功を見据えた結果であるはずです。そうして、彼の野心はデビュー作から20年を経て新たなマイルストーンを打ち立てました。デスメタルの邪悪、ゴシック様式の耽美、Aaron の反復する虚無声、そして新たに加わった Shawn Macgowan のヴァイオリン。ここには死にゆく花嫁の旅路全てが詰まっているのですから。さらに、名作 “The Angel&The Dark River” で多少フラットに思えた鍵盤の響きはより立体感を増して、現代的なサウンドを提供しています。
「昔ながらのやり方で新たなライティングスタイルを模索した。」と前作から加入したベーシスト Lena Abe は語っていますがまさに言い得て妙なのかも知れませんね。
タイトルトラックは実に陰鬱。「肉体的にも精神的にも崩壊を迎える楽曲。私たちのほとんどが経験するだろうことだからこそ、チャレンジングだ。つまり “苦い終わり” だよ。どこかでベッドに一人横たわり、もう何も理解することさえできないかもしれないね。 大きな鎌を持った黒い男が角を曲がり近づいてくる。しばらく一緒に座って…」

“FEEL THE MISERY” (2015)

“34.778%” 以来初めて Calvin Robertshow がバンドに復帰。ただし Hamish が去った世界線でメインソングライターは Andrew が務めます。奇しくも “The Light at the End of the World” とは逆の状況となりましたが、当時よりも Andrew は随分上手く対応したように思えます。
リフドライブとギターハーモニーの狭間で Aaron の原始的なボーカルが映えるオープナー “And My Father Left Forever” は典型的な MDB のやり方。ピアノとオルガンでヴィンテージな色合いを醸し出すタイトルトラックでは Shawn の存在感が際立ちます。
もちろん、”Within a Sleeping Forest” で聴くことのできるヴァイオリンとギターの相互作用はバンドのトレードマーク。”I Almost Loved You” では失われた恋愛を歌います。「ちょっとした誤解と勇気のなさで別々の道を歩んでしまうことは、誰にだって起こり得る。時には不器用な純朴さよりも、大胆に抱き寄せてキスを奪うことだって必要かもね。」近年でも彼らは佳作を連発しています。

“THE GHOST OF ORION” (2020)

新たなクラッシックにして新たな時代の幕開け。チェロとヴァイオリンの二重奏を携えながらアルバムは芸術に振れすぎず、非常に洗練されたサウンドを誇ります。
娘の闘病に着きそう Aaron。突然説明もなしにバンドを再度辞めた Calvin、ドラマー Shaun Taylor-Steelsもスタジオに入る直前離脱。ベーシストの Lena Abe は産休。故にギタリスト Andrew にアイデアを相談する相手はおらず、アルバムはほぼ彼単独で書かれました。にもかかわらず、結果は驚くべきものでした。ただしいつもとは若干その音景色が異なります。
もちろん、バンドはまだ悲惨なドゥームを演奏していますが、Aaron が語ったようにアクセシブルで “耳に優しい” 音の葉を目標としたのは確かです。とはいえ、メインストリームに接近したわけでは当然なく、アルバムはそれでも地獄のように重く、ブラックホールのように暗く、ドゥームの憂鬱に浸っています。
緩やかな楽曲は耳を惹く音の葉の宝庫です。”The Solace” は、WARDRUNA のゲストスター Lindy-Fay Hella の風変わりで抑圧的で、しかし印象的なフォークインスパイアなボーカルが牽引します。”Tired of Tears” の肉感的でシャープな Jeff Singer の現代的ドラムパフォーマンスも聴きどころの一つでしょう。
タイトルトラック “The Ghost Of Orion” から “The Old Earth” の15分でバンドはゴシックドゥームの真髄を語ります。クリーンギターのプレリュードに始まり、巧妙で耽美なリード、アーロンの落ち着いた低音が散りばめられていきます。そうしてクラッシックな MDBのリフワークは Aaron の肺を引き裂く悲鳴とともに重厚なミドルセクションへと誘います。そうしてエンディングでは、ヴァイオリンとギターがせめぎ合うクレッシェンドの魔法を古の地球に描くのです。
悲劇とストレスの鎮座する制作環境はむしろ悲劇を描くバンドにとっては正の要素だったのかも知れません。これは死にゆく花嫁の新たな旅立ちであり、新たな金字塔です。

参考文献:INVISIBLE ORANGE:Pressing Forward: My Dying Bride’s Aaron Stainthorpe Talks “The Ghost of Orion” and the Trials of Life 

METAL INJECTION:MY DYING BRIDE’s Aaron Stainthorpe: The Artists That Made Me

STEREOBOARD:Tired Of Tears: How My Dying Bride Overcame Adversity To Make ‘The Ghost Of Orion’

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【NOVENA : ELEVENTH HOUR】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HARRISON WHITE OF NOVENA !!

“We Felt That Ross & Gareth, The Two Tones They Created Were Distinct, Rich And Balanced Each Other Out Nicely. It Really Gave Us a Wide Palette Of Colours To Paint With On This Album. We Love Playing With That Duality Of Light/Dark, Fragile/Destructive etc.”

DISC REVIEW “ELEVENTH HOUR”

「僕たちはあらゆる種類の音楽が大好きだからね。どのジャンルが何であるかは僕たちにとってそれほど重要ではないんだよ。すべての音楽に価値があると信じているからね。」
HAKEN, SLICE THE CAKE, THE HAARP MACHINE, RAVENFACE, SLUGDGE, そして BLEEDING OATH。21世紀のプログレッシブ世界において最重要と言える綺羅星の住人が集結した NOVENA は文字通りのスーパーグループです。そうして彼らが創り上げたデビューフル “Eleventh Hour” は、その多様性と劇場感、旋律の煌めきで10年代最高峰のモダンプログ作品となった HAKEN の “The Mountain” と同等のエピックワールドを宿していたのです。
「死は僕たち全員をつなぐものだけど、それについて話すことはしばしば非常に難しいようにも感じられる。ただし、この作品が不健全で悲観的なレコードになることは望んでいなかったんだ。僕たちの本当の目的は、人生で最後の章に入った人々のストーリーを取り上げ、彼らの経験がどのようなものかを探ることだったからね。」
“Eleventh Hour”, 23時とは、人生を24時間に例えたライフクロックにおける残り1時間、まさに終焉の刻。その僅かな時間の光度や色彩、流速はきっと千差万別でしょう。NOVENA はそんな終幕の舞台を73分、10の顔で演じきり、単色に思われた悲壮な死のイメージをカラフルに塗り替えて見せたのです。
「Ross と Gareth、ボーカルの2人が NOVENA で創造した2つのトーンは明確で、豊かで、 互いにバランスが取れていたんだ。このアルバムにペイントする色彩豊かなパレットを提供してくれたんだよ。つまり僕たちは、明/暗、脆弱/破壊といった二重性をプレイするのが大好きなんだ。」
モダンプログ世界において、LEPROUS の Einar Solberg と共にエセリアルを一手に引き受ける Ross Jennings の存在により、たしかに NOVENA と HAKEN の比較は避けがたいものとなっています。しかし、声の片翼に SLICE THE CAKE の鬼才 Gareth Manson を配置することで、NOVENA の可能性はエピックの空高く舞い上がることとなりました。
その NOVENA の独自性を証明するのが、ジャズの深淵を探求した “Sail Away” からシアトリカル極まる “Lucidity” への流れでしょうか。時の流れをしめやかに紡ぐ Ross の美麗の一方で、激烈なグロウルからクリーントーンのコーラス、そして感情を湛えるスポークンワードまで多様に演ずる Gareth の才気は完璧なコントラストを運び、まさに死を眼前に見据える複雑な明と暗、穏と激を見事に描写します。
そうして芽生えたダイナミズムの炎は、”Corazon” でエスニックに燃え上がります。「単なる断片的な音楽じゃなく、物語を語り ‘楽曲’ を書くことは、作曲の過程が常に重要であり、僕はそのストーリーの伝達に最も役立つと思われるあらゆるツールを試して使用したいと思っているんだ。だからキューバの2人のキャラクターを追った “Corazon” のような楽曲の場合、そのストーリーを伝えるにはその国の音を含める必要があると感じたんだよ。」
フラメンコからボレロにルンバ、女声にハンドクラップまで、Harrison の言葉通りあらゆるツールを使用してドラマティックに構成した8分のカリブ劇場は、あまりにエモーショナルで胸を打ちます。
もちろん、”Indestructible” で見せるポップとデスコア、言わば STYX と WHITECHAPEL の共存は実に新鮮ですし、DREAM THEATER と Djent をメズマライズに並列に並べた15分を超えるクローサーの “Prison Walls” も見事の一言。
今回弊誌では、Harrison White にインタビューを行うことが出来ました。「Djent の定義? アートフォームの先駆者が客観的な意味で独自のスタイルを定義することはほとんどないんだから。そういった議論は後に人々が振り返り、その周りで起こった流れの文脈の中でアートを見て、物事を分類し始めるときに起こるんだよ。」 すでにシーンの同胞から絶賛を浴びている本作。プログメタル世界随一の変態ベーシスト Moat にも要注目。どうぞ!!

NOVENA “ELEVENTH HOUR” : 10/10

INTERVIEW WITH HARRISON WHITE

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【HARRISON】: Thanks for having us, it’s lovely to meet you, if only through the confines of an email. We’re fans of all sorts of music in Novena, which I think is part of why we like to experiment with lots of different sounds in our songwriting. Growing up, I personally had a lot of Stevie Wonder, Jackson 5, Status Quo, The Eagles, and ABBA in my life. Later came Led Zeppelin, Iron Maiden, Black Sabbath etc, which I discovered in my teenage years! I know Moat listened to mostly 2000s HipHop when he was younger before getting into a lot of Indie. Ross loved a lot of 80s and 90s pop and Arena Rock amongst other things. We’re a varied bunch!

Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【HARRISON】: インタビューをありがとう。僕たちは NOVENA に存在するありとあらゆる種類の音楽のファンなんだ。それがこのバンドがソングライティングでさまざまなサウンドを実験するのを愛する理由の一つだと思う。
個人的には、Stevie Wonder, JACKSON 5, STATUS QUO, THE EAGLES, ABBA を聴いて育ったね。その後、LED ZEPPELIN, IRON MAIDEN, BLACK SABBATH などを10代で発見することになったんだ!
Moat はインディーにハマる前、若き日はほとんど2000年代の HipHop を聴いていたね。Rossは80年代と90年代のポップスやアリーナロックが特に気にいっていたんだ。つまり、僕たちは実に多種多様なんだよ!

Q2: You are multi-player, played guitar and keybord in Novena, right? What inspired you to play such instruments? Who was musical hero at that time?

【HARRISON】: I play guitar and keys in Novena, correct! I had a few piano lessons when I was about 5 years old, and continued for a few years – but I have to admin I found them quite boring and practising became a chore. When I was about 10 I got my first guitar and immediately fell in love. I originally idolised Status Quo, then Jimmy Page of Led Zeppelin, and then John Petrucci of Dream Theater, and final Guthrie Govan. When I got to about the age of 16, I picked up the piano again, this time teaching myself. I very quickly got deep into music theory and songwriting, and found the piano to be the most amazing compositional instrument – I write more or less everything at the piano now, rarely the guitar!.

Q2: あなたは NOVENA ではギターとキーボードをマルチにプレイしていますね?

【HARRISON】: その通りだよ!僕は5歳の時にピアノのレッスンを受けて、それから何年か続けていたんだ。だけど管理されていてかなり退屈で、練習が仕事のようになってしまい面倒になったんだよ。
10歳の頃、最初のギターを手に入れてすぐに恋に落ちたね。そもそもは STATUS QUO, 次に LED ZEPPELIN の Jimmy Page、そして DREAM THEATER の John Petrucci、そして最後に Guthrie Govan が僕のアイドルとなった。
16歳くらいになった時、僕は再びピアノを手に取り、今度は自分自身で学んだんだ。するとすぐに音楽理論と作詞作曲に深くのめり込み、ピアノが最も驚くべき作曲楽器であることに気づいたわけさ。今ではピアノでほとんどすべてを書いているね。ギターは作曲にはめったに使わないんだ。

Q3: Novena is definitely progressive super band. Haken, Slice the Cake, The Haarp Machine, Ravenface, Bleeding Oath and Slugdge get together! How did it come to be?

【HARRISON】: Novena started with Moat and myself. We were members of a previous band, Bleeding Oath, and when that band died, we carried the ideas for the music we’d been writing there forward. We developed it further, and that became the ‘Secondary Genesis’ EP. We found Cameron and Dan at University (long before either of them were in any of those bands!), and Ross and Gareth came to us a few years later. Interestingly, Novena has actually existed in the background longer than many of the other bands the members have been in, primarily with the exception of Haken. We just worked away quietly in the background whilst everyone was busy doing awesome things elsewhere! We always loved that our members had so many places to go and keep busy and express themselves, though. You should definitely check out their other bands!

Q3: HAKEN, SLICE THE CAKE, THE HAARP MACHINE, RAVENFACE, BLEEDING OATH のメンバーが一堂に会した NOVENA は、ましくモダンプログレッシブのスーパーバンドですね?
これだけのメンバーをどのように集めたのでしょう?

【HARRISON】: NOVENA は僕とベーシスト Moat Lowe (SLUGDGE) が始めたんだ。僕たちが所属していた BLEEDING OATH が解散した後、あのバンドで書いていたアイデアを発展させて “Secondary Genesis’ EP を作ったんだよ。
今君が挙げたバンドを始めるよりずっと前にドラムの Cameron Spence (RAVENFACE) とギターの Dan Thornton (ex-THE HAARP MACHINE) を大学で見つけていて、さらにボーカルの Ross Jennings (HAKEN) と Gareth Manson (SLICE THE CAKE) が数年後に加わった。
実は興味深いことに、NOVENA は主に HAKEN を除いて、メンバーが所属している他の多くのバンドよりも長い活動歴を持っているんだ。ただメンバーの誰もが他の場所での素晴らしい活動に忙しかったから、僕たちはバックグラウンドで静かに離れて仕事をしていただけなんだ!
まあだけど僕たちは、メンバーが忙しく自分を表現する場所がたくさんあることをいつも愛していたからね。だから他のバンドもぜひチェックしてみてね!

Q4: I feel Frontiers Music usually contract with more melodic hard, and older bands. But what made you contract with them?

【HARRISON】: It’s true that Frontiers are often thought of for their big Legacy acts (Toto, Journey, Whitesnake etc…), and their amazing roster of AOR acts. However, recently they’ve had a real drive to recruit fresh talent around the world, and we’re proud to be part of that! When we were writing Eleventh Hour, we were keen to give it the best platform it could to succeed. In our conversations with Frontiers Records, which were initiated by Ross, we just felt an Affinity (no pun intended) with their ethos, and liked the interest they showed in our music. We’re looking forward to a productive relationship with them going forward

Q4: レーベルの Frontiers Music は、もう少し年齢が上のメロディックハードなバンドを主に扱うレーベルですが…

【HARRISON】: そうだね、Frontiers は TOTO, JOURNEY, WHITESNAKE といった伝説的バンドと素晴らしい AOR のロースターて知られているよね。だけど近年では、彼らは世界中からフレッシュなタレントをリクルートすることにも実に積極的なんだ。だから彼らと契約できて誇らしいね!
“Eleventh Hour” を書いている時、僕たちはアルバムが成功するために最高のプラットフォームを提供したいと考えていたんだ。Ross によって始められた Frontiers Recores との話し合いで、僕たちは彼らの持続的な親和性(HAKEN の “Affinity” とかけたシャレじゃないよ)を感じ、彼らが僕たちの音楽に示した興味を気に入りったんだ。今後の彼らとの生産的な関係を楽しみにしているよ。

Q5: Ok, let’s talk about your debut-full “Eleventh Hour”. The record starts “2258”, “2259” like countdown to 2300, eleventh hour. What does it mean? Is there any concept behind that?

【HARRISON】: Eleventh Hour is a concept album, for sure. I like to leave some space for people to listen to the album, get to know it and find and apply their own meaning, but I will say that the album is all about questioning our relationship as human beings to death; death is something that connects all of us, but something we often find so difficult to talk about. However, I didn’t want this to be a morbid record through and through, and our real aim was to take stories of people in the last chapter of their lives, and explore what their experiences are like. Each song is either based on a real event, or fictionalised, but follow a character or characters to their end, each one with a different perspective. 22:58 and 22:59 act as a sort of prologue. Have fun guessing the rest!

Q5: “Eleventh Hour” は23:00 へのカウントダウンのように、”22:58″, “22:59” の2曲から幕を開けますね?

【HARRISON】: “Eleventh Hour” はコンセプトアルバムだよ。もちろんね。個人的にはリスナーがアルバムを聴いて内容を知り、自分自信の意味を見つけて適用するためのスペースを残したいんだけど、このアルバムが人間と死との関係に一石を投じるものだとは言っておこうか。
死は僕たち全員をつなぐものだけど、それについて話すことはしばしば非常に難しいようにも感じられる。ただし、この作品が不健全で悲観的なレコードになることは望んでいなかったんだ。僕たちの本当の目的は、人生で最後の章に入った人々のストーリーを取り上げ、彼らの経験がどのようなものかを探ることだったからね。
各楽曲は、実際の出来事に基づいているか、もしくはフィクション化されているものもあるけど、それぞれ異なる視点を持つキャラクターをフォローしているんだ。”22:58″ と “22:59” は一種のプロローグとして機能しているよ。残りは推測して楽しんでね!

Q6: Actually, “Eleventh Hour” is the most epic modern prog record in decade as well as Haken’s “Mountain”. But with Gareth, Novena gains contrast between heavy and ethereal compared with Haken, right?

【HARRISON】: Well, that’s a massive compliment, so thank you very much! Of course, with Ross’ vocals, we’re always going to draw comparisons to Haken, and there are stylistic overlaps. Gareth has his own, totally unique style, which you can hear in Slice the Cake (I encourage your readers to listen to Odyssey to the West – it’s a masterpiece!), and we felt that the two tones they created were distinct, rich and balanced eachother out nicely. It really gave us a wide palette of colours to paint with on this album. We love playing with that duality of light/dark, fragile/destructive etc..

Q6: 実際、”Eleventh Hour” はここ10年で HAKEN の “Mountain” と並ぶ最もエピカルなモダンプログ作品だと感じました。
もちろん、初期の HAKEN がよりヘヴィーな瞬間を内包していたにせよ、グロウルからスポークンワードまで担当するもう一人のシンガー Gareth の存在が、HAKEN と比較してよりヘヴィーとエセリアルの対比を浮き出させていますよね?

【HARRISON】: それは大きな賛辞だね、どうもありがとう!もちろん、Ross のボーカルが共通しているから、HAKEN との比較は常に存在するし、たしかにスタイルが重複している部分もあるよね。
だけど Gareth には独自の完全にユニークなスタイルがあるんだよ。SLICE THE CAKE を聴けば分かるよね?読者には “Odyssey to the West” をお勧めするよ。傑作だから!
そんな2人が NOVENA で創造した2つのトーンは明確で、豊かで、 互いにバランスが取れていたんだ。このアルバムにペイントする色彩豊かなパレットを提供してくれたんだよ。つまり僕たちは、明/暗、脆弱/破壊といった二重性をプレイするのが大好きなんだ。

Q7: Also, From jazz like “Sail Away” to Flamenco like “Corazon”, diversity of “Eleventh Hour” is incredible! How do you take lot’s of “outside metal” influences?

【HARRISON】: Thank you! As we said earlier, we love all sorts of music. What genre something is isn’t enormously important to us, and we believe there’s something of value In all music. Telling stories and the writing of a ‘song’, rather than just a piece of music, have always been important to be in the compositional process, and I like to try and use whatever tools I think will best serve the delivery of that story. So, for a song like ‘Corazon’, which follows two characters in Cuba, it felt necessary to include that sound to tell that story. Similarly, in something like Prison Walls, where we’re touching on subjects of a splintered psyche, all that chromatic nonsense in the middle felt like the right sound to try and express that distress.

Q7: ジャズを探求した “Sail Away” からエスニックな “Corazon” まで、”Eleventh Hour” の多様性は驚異的です!実際、”アウトサイドメタル” な要素に溢れた作品ですよね?

【HARRISON】: ありがとう!さっきも言ったけど、僕たちはあらゆる種類の音楽が大好きだからね。どのジャンルが何であるかは僕たちにとってそれほど重要ではないんだよ。すべての音楽に価値があると信じているからね。
単なる断片的な音楽じゃなく、物語を語り ‘楽曲’ を書くことは、作曲の過程が常に重要であり、僕はそのストーリーの伝達に最も役立つと思われるあらゆるツールを試して使用したいと思っているんだ。だからキューバの2人のキャラクターを追った “Corazon” のような楽曲の場合、そのストーリーを伝えるにはその国の音を含める必要があると感じたんだよ。
同様に、”Prison Walls” のような楽曲では、精神分裂のテーマに触れているから、中間部のクロマティックなナンセンスはすべて、その苦痛を表現するのにふさわしい音だって感じたわけさ。

Q8: When I had an interview with Anup Sastry, he said “The entire ‘djent’ idea really just falls under the larger category of progressive metal, in my opinion. Bands have been incorporating small pieces of that style (djent) for years. Progressive metal, by nature, is all about trying to constantly push for new and creative sounds, within metal. So if anything, ‘djent’ to me was just another push for exploration into a bigger umbrella genre.”.
I feel Novena also has djenty aspect somehow. What’s your perspective about Anup’s thought?

【HARRISON】: I haven’t ever thought too deeply on what ‘Djent’ really is, or where the outer borders of it lie. I know that there’s this ongoing conversation of ‘Djent is onomatopoeia’ vs ‘Djent is a genre’, and I often think ‘Well, surely both of those are true?’. That’s the nature of language, and the nature of artforms – they evolve over time. Rarely does the pioneer of an artform get to define their own style in an objective sense; that comes later when people reflect on what they did, view it within the context of other work that happened around it, and begin to categorise things. Even so, I think Djent shares many of the aesthetic qualities of other progressive metal music, and they probably have influenced each other as time has gone by. We definitely love some of those bands that you might describe as Djent – Meshuggah, Tesseract, Vildjharta, Periphery etc – so it’s only natural that some of the elements that make djent djent, end up influencing your songwriting style. Ultimately, it’s all just wiggly air that your ears eat.

Q8: 最近 Anup Sastry にインタビューを行う機会があったのですが、彼は 「”Djent” というジャンルについてだけど、僕は本当にムーブメントが過ぎ去ってしまったようには思えないんだ。Djent の包括的アイデアは、より大きいプログメタルというカテゴリーにしっかりと根付いている。」 と語っていました。
NOVENA の中にも Djent の “残り香” は少なからず感じられますが?

【HARRISON】: “Djent” が実際に何なのか、それの外側の境界線がどこにあるかについてあまり深く考えたことはないんだよ。”Djent はただの擬音” 派対 “Djentはジャンル” 派の進行中の議論があることは知っているけど、僕はしばしば「そうだね、だけど両方とも真実だろうか?」 と考えるんだ。それは言語の性質で、芸術形態の性質で、時間とともに進化するからね。
アートフォームの先駆者が客観的な意味で独自のスタイルを定義することはほとんどないんだから。そういった議論は後に人々が振り返り、その周りで起こった流れの文脈の中でアートを見て、物事を分類し始めるときに起こるんだよ。
それでも、Djent は他のプログレッシブメタルミュージックの美的特性の多くを共有していて、時間の経過とともに互いに影響を与えていると考えられるよね。そして僕たちは、君たちが Djent と呼ぶかもしれないバンドのいくつか、MESHUGGAH, TesseracT, VILDHJARTA, PERIPHERYといったバンドを間違いなく愛しているよ。だから、Djent を Djent たらしめるを要素の一部が僕たちのソングライティングスタイルに影響を与えているのは実に自然なんだ。
まあ究極的には、耳が吸収するのは振動する空気だけなんだから。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HARRISON’S LIFE

STEVIE WONDER “SONGS IN THE KEY OF LIFE”

THE EAGLES “DESPERADO”

BILLIE EILISH “WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?”

KIRK FRANKLIN “LONG LIVE LOVE”

LED ZEPPELIN “LED ZEPPELIN I”

MESSAGE FOR JAPAN

You guys are amazing! Thanks so much for listening to our music. It might be a little while before we can get out there to meet you all, but we promise we’ll try as soon as we can. See you in the Eleventh Hour! Arigato!

日本のファンは素晴らしいね!僕たちの音楽を聴いてくれて本当にありがとう。君たちみんなに会いに行くにはまだ時間がかかるかもしれないけど、きっと出来るだけ早く実現させるって約束するよ。23時に会おう!ありがとう!

HARRISON WHITE

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FRONTIERS MUSIC SRL

 

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HELMS ALEE : NOCTILUCA】JAPAN TOUR 2020 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH HOZOJI MATHESON-MARGULLIS OF HELMS ALEE !!

“And These Days, Pretty Much Every Single One Of My Best Female Friends Is An Extremely Talented And Active Musician. Many Of Them Play In Heavy Rock Bands. So The Feeling Of Imbalance Is Shifting To An Equilibrium In My World. I Can Say With Confidence That I Feel Accepted And Valued By The Male Musicians In My Community.”

DISC REVIEW “NOCTILUCA”

「”Noctiluca” とは特定の生物発光藻類のラテン語訳で、一般的に “海の輝き” として知られているの。」
海の輝きが “Noctiluca” ならば、HELMS ALEE はさしずめ重の輝きでしょう。彼らがシアトル特有の、深憂なレンズを通して支配する時間と空間。それはまるで深海のごとく暗闇に囲まれながら、差し込む光線に反射する艶やかな色彩、そして栄養価の高い深層音を備えているのですから。
比較の対象はもっぱら MELVINS, KYLESA, BIG BUSINESS でしょうか。もちろん、スラッジーなリフの猛攻とノイジーな実験のラボラトリーは HELMS ALEE のトレードマークですが、同時にリズムのトリックに重きを置いたセクシーなアプローチを考慮すれば、一方でこの海洋トライアングルこそコンテンポラリーな RUSH と言えるのかも知れませんね。
「このアルバムのために私たちは、これまで以上にボーカルのコラボレートを進めたわ。それに今回のプロデューサー/エンジニア (R.E.M. を手がけた Sam Bell) はとてもボーカルに心血を注ぐ人物だったの。」
3つの異なる声を持つ HELMS ALEE。ベースの Dana James, ドラムスの Hozoji Matheson-Margullis, そして青一点ギターの Ben Verellen が織りなすボーカルの輪舞は、さながらウミウシのごとく柔軟性と色彩を纏った “Noctiluca” において完全に花開き、重の輝きを一際煌びやかに染めました。
「私は海とそこに住んでいる微生物こそが、私たち人間の日常に見られるよりも生命があることを思い出させてくれると思うのよ。人間の行動や日々の政治を観察すると悲しくなりがちだから。」
Hozoji にとって生物発光藻のビーカーこそがランプであり、灯台の光です。マジカルで神秘的で、仄暗い現代社会に光をもたらす微かな希望。そしてそのイメージは確かに “Noctiluca” の音の葉へと反映されているのです。
“Interachnid” のオープニングはさながら海底火山の目覚めでしょうか。ダイナミック極まるマグマのリズムは、RUSSIAN CIRCLES の最新作にも似て圧倒的な命の躍動を伝えます。フレキシブルに、フリーダムに、イカの虹色のごとく刻々とその表情を変える Hozoji と Dana のシンクロニシティーは、まさしく HELMS ALEE の心臓。一方、続く “Beat Up” でわずか半音の違いを駆使してメジャーとマイナーを不思議に行き来する Ben のギターワークは頭脳なのかも知れませんね。
メタルからハードコア、スラッジ、グランジ、プログレッシブの狭間を漂う海月たちは、そうしてバリトンからソプラノまで時に独唱し、時に合唱し、感情の揺らぎを響かせます。”Spider Jar” で聴かせる荘厳のタペストリーは、その輝きに歌心を加えた HELMS ALEE の現在を如実に伝えています。
「私たちの音楽はライブセッティングでこそ最高の印象を与えるようなものなのよ。なぜなら、ライブパフォーマンスにおける多くの感情の力によって、私たちの歌が意図した通りになっていくと信じているからなの。」
4月に始まる日本ツアーの招聘元、Daymare Recordings 濱田氏が放った 「ライヴを観る前と観た後で決定的に印象が変わるバンド」 の言葉を受けて、Hozoji はライブハウスでバンド、そしてオーディエンスから生じ対流する感情の力をキーワードにあげました。そしてその幾層にも重なるエモーションの潮目は、Endon, alley, BB を巻き込んで一つの大きなうねりを創造するはずです。
今回弊誌では、Hozoji Matheson-Margullis にインタビューを行うことができました。「最近では、ほとんどの女性の親友一人一人が非常に才能があり活動的なミュージシャンなの。彼女たちの多くはヘヴィーロックバンドで演奏しているわ。だから、不均衡の感覚は少なくとも私の世界においては均衡へと移行しているの。私は自分のコミュニティの男性ミュージシャンに受け入れられ、評価されていると自信を持って言うことができるから。」
これまでの女性アーティストはまた一味違った視点、経験を持つミュージシャンでしょう。どうぞ!!

HELMS ALEE “NOCTILUCA” : 9.9/10

INTERVIEW WITH HOZOJI MATHESON-MARGULLIS

Q1: About your band name “Helms Alee”, this is a nautical term, included in the commands for tacking a sailboat, right? What made you choose it?

【HOZOJI】: Ben is a sailor. He had a book on sailing that he was really digging into at the time that we were getting ready to play our first show. He presented the name to us and we all liked it.

Q1: HELMS ALEE というバンド名ですが、航海用語でヨットの船首を風上に向けるタッキングのコマンドらしいですね?

【HOZOJI】: Ben がヨット乗りなのよ。ちょうど私たちの最初のショーの準備を整えているころ、彼はセイリングにハマっていてよくその本を読んでいたの。それで HELMS ALEE を提案したのね。私たち全員が気に入ったわ。

Q2: Helms Alee started with Hydra Head and now you contract with Sargent House. I feel these two are really important labels for modern extreme music. What’s your impression about them?

【HOZOJI】: They are both really awesome labels that we feel honored to have been able to work with.

Q2: バンドは Hydra Head, それから Sargent House、コンテンポラリーなヘヴィーミュージックにとって最重要とも言える2つのレーベルと契約を果たしました。

【HOZOJI】: 2つとも素晴らしいレーベルだわ。彼らと仕事をすることが出来てとても誇りに思っているの。

Q3: So, your first Japan Tour is announced! Do you know Japanese bands alley, Endon, and BB you’ll play with? What do you expect for our country?

【HOZOJI】: We were lucky enough to play some shows with Endon when they came over to the US. They are a very cool band! The other two bands will be new to us. We are very excited! We don’t really know what to expect from Japan. We hope to play fun shows that allow us to meet new people. We hope to eat good Japanese food and experience Japanese culture.

Q3: 初の日本ツアーが決まりました。共演する alley, Endon, BB についてはご存知ですか?

【HOZOJI】: Endon とは幸運なことに、彼らがアメリカに来た時何度か共演したことがあるの。彼らはとてもクールなバンドよ!他の2つのバンドは私たちにとって新たな出会いね。とても興奮するわ!
日本で楽しいショーが出来たら良いわね。新たな友人に出会えるような。そして美味しい日本食や日本の文化を体験したいわね。

Q4: Hamada-san of Daymare Recordings said to me, “Helms Alee is a band that definitely changes the impression before and after watching the live.” Do you agree with him?

【HOZOJI】: I would say that our music is the kind that comes across best in a live setting. I believe a lot of the power of emotion in live performance is what makes our songs come across the way we intended them to.

Q4: 招聘元である Daymare Recordings の濱田氏は、HELMS ALEE について 「ライヴを観る前と観た後で決定的に印象が変わるバンド」 と仰っています。

【HOZOJI】: 一つ言えるのは、私たちの音楽はライブセッティングでこそ最高の印象を与えるようなものなのよ。
なぜなら、ライブパフォーマンスにおける多くの感情の力によって、私たちの歌が意図した通りになっていくと信じているからなの。

Q5: After Japan Tour, you’ll play at Roadburn by the curation of Emma Ruth Rundle. What’s your perspective about you were chosen by Emma?

【HOZOJI】: Emma is a long time friend of our band. She is an incredible artist and a very kind hearted soul. We are honored that she chose us. And we are honored to call her a friend.

Q5: 日本ツアーの後、Emma Ruth Rundle のキュレーションによって Roadburn への出演も決定していますね?

【HOZOJI】: 私たちは Emma と長い間友人なのよ。素晴らしいアーティストで、とても優しい魂を持った人物よ。彼女が私たちを選んでくれて光栄だわ。そして彼女を友人と呼べることもね。

Q6: I really love your new record “Noctiluca”, from music, artwork to lyrics. And maybe “Noctiluca” is bio-luminescent marine algae on the artwork right? It seems most of your albums focus on oceanic type themes, but why are you inspired by oceanic tiny livings and nature?

【HOZOJI】: That is correct, Noctiluca is the Latin word for a particular bioluminescent algae, commonly known as the Sea Sparkle. The album artwork is a photograph of sand under a microscope. As far as inspiration goes, I find the ocean and the microorganisms that live there to be a reminder that there is more to life than what we see in our everyday human existence. It’s easy to get sad when observing human behavior and day to day politics. So knowing that that world under the water is so different than our own and is also right here on earth sharing all the same resources and sharing the same will to survive and thrive calms me down and gives me perspective.

Q6: アートワークから音楽、リリックまで、最新作 “Noctiluca” は素晴らしいですね!
“Noctiluca” とはアートワークに光る生物発光性の海藻だそうですね?これまでも HELMS ALEE は海や自然をテーマに扱い続けています。

【HOZOJI】: その通りよ。”Noctiluca” とは特定の生物発光藻類のラテン語訳で、一般的に “海の輝き” として知られているの。ただ、アルバムのアートワークは、顕微鏡で見た砂の写真よ。
インスピレーションに関してだけど、私は海とそこに住んでいる微生物こそが、私たち人間の日常に見られるよりも生命があることを思い出させてくれると思うのよ。人間の行動や日々の政治を観察すると悲しくなりがちだから。だから水中の世界を知ることは私たちの世界を知ることとは大きく異なるの。
同じ地球上で同じリソースを共有し、同じ意志を共有して生き残り繁栄していることが私を落ち着かせ、新たな視点を与えてくれるのよ。

Q7: Of course, there are sludge, doom, post-hardcore, but also this record has really beautiful sounding elements in every song. I mean, it seems you focus on vocals more than ever, right? With that, I feel you become more close to Rush because you have both experimental and catchy aspect simultaneously. Do you agree that?

【HOZOJI】: We collaborated more then ever on the vocals for this album. We also had a producer/engineer that was very vocal focused. Aside from that we really approached the album the same way we always do. So any other new styles or feelings that come across are just a product of the natural growth process of our band.

Q7: もちろん、スラッジ、ドゥーム、ポストハードコアはアルバムの根幹でしょうが、同時に実に美麗な瞬間、メロディーも様々な場所に散りばめられています。
以前の作品よりもボーカルにフォーカスしたレコードだと言えるでしょうか?

【HOZOJI】: このアルバムのために私たちは、これまで以上にボーカルのコラボレートを進めたわ。それに今回のプロデューサー/エンジニア (R.E.M. を手がけた Sam Bell) はとてもボーカルに心血を注ぐ人物だったの。
ただ、それ以外については全くいつものようにアプローチをしたわ。だから、ボーカル以外にもたらされた新たなスタイルやフィーリングは、ただバンドとして自然な成長の証なのよ。

Q8: This is for Dana and Hozoji. When I had an interview with Serena of Svalbard, she said “Personally, I have suffered so much sexism in the metal scene that I think the time is right to kick against it and make an outwardly feminist metal album. This album is my reply to anyone who makes negative comments to a girl onstage”. What’s your perspective about her opinion and sexism in the extreme music scene or daily life?

【HOZOJI】: I think her feelings are valid and she is a hero for using music as her weapon against oppression. There is no denying that the heavy music world has traditionally been a boys club. And I certainly have experienced sexism in my 23 years as a woman in the music scene. That being said, I have also been lucky enough to grow up in a part of the US that is relatively progressive. So I have been sheltered from much of the sexism that women experience in other parts of the country/world. I grew up playing with mostly male musicians. None of them ever made me feel like I was less valuable because I was a female. And these days, pretty much every single one of my best female friends is an extremely talented and active musician. Many of them play in heavy rock bands. So the feeling of imbalance is shifting to an equilibrium in my world. I can say with confidence that I feel accepted and valued by the male musicians in my community.

Q8: SVALBARD の Serena にインタビューを行った時、彼女は 「個人的に、私はメタルシーンで多くのセクシャルハラスメントに苦しんできたの。だから、それに立ち向かい表面上はフェミニストのメタルアルバムを作るべき時が来たと思ったのよ。このアルバムは、ステージに女の子が立つことにネガティブなコメントを寄せる人たちに対する私からの返答よ。」 と語ってくれました。

【HOZOJI】: 彼女の感情は正当なもので、弾圧に対する武器として音楽を使うヒーローだと思うわ。ヘヴィーミュージックの世界が伝統的 “ボーイズクラブ” だったことは否定できないもの。そして、私は女性として音楽シーンにおいて、確かに23年間で性差別を経験してきたの。
そうは言っても、私は幸運にもアメリカの比較的進歩的な場所で育ったわ。だから、私個人は女性が他の国や地域で経験するであろう性差別の多くからは守られてきたの。私は主に男性のミュージシャンと一緒にプレイして育ったの。そして彼らの誰も、私が女性であるからあまり価値がないと思わせることはなかったわ。
最近では、ほとんどの女性の親友一人一人が非常に才能があり活動的なミュージシャンなの。彼女たちの多くはヘヴィーロックバンドで演奏しているわ。だから、不均衡の感覚は少なくとも私の世界においては均衡へと移行しているの。私は自分のコミュニティの男性ミュージシャンに受け入れられ、評価されていると自信を持って言うことができるから。

Q9: Is there any bands you are emphasiz with now?

【HOZOJI】: Wild Powwers, Sandrider, Red Fang, Russian Circles, Big Business just to name a small fraction.

Q9: 最後に、今あなたたちが共感を覚えているバンドを教えていただけますか?

【HOZOJI】: WILD POWWERS, SANDRIDER, RED FANG, RUSSIAN CIRCLES, BIG BUSINESS…ちょっと思いついた名前を挙げただけだけどね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED HOZOJI’S LIFE

MICHAEL JACKSON “THRILLER”

MELVINS “GLUEY PORCHE TREATMENTS”

PINK FLOYD “UMMAGUMMA”

UNWOUND “THE FUTURE OF WHAT”

OUTKAST “STANKONIA”

MESSAGE FOR JAPAN

Hi Japan! We can’t wait meet you!

日本のみんなに会えるのが待ちきれないわ!

HOZOJI MATHESON-MARGULLIS

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COVER STORY 【MARIUSZ LEWANDOWSKI: GUIDE TO MODERN METAL ARTWORK】


COVER STORY: MARIUSZ LEWANDOWSKI

“Capturing Emotions In a Painting Is Similar To Showing Depth And Light. If It Is Not There, If It Is Missing, The Art Is Simply Flat And It Does Not Look Good”

「絵画で感情を捉えることは、奥行きと光を示すことに似ているね。それらが存在しない場合、欠落している場合、芸術は単純に平面的で見栄えが悪くなってしまう。」
BLACK SABBATH, LED ZEPPELIN, DEEP PURPLE といったクラッシックロックの伝説は、Klaus Schulze, Jean-Michel Jarre, VANGELIS など電子音楽の先駆者たちと同様に若き Mariusz Lewandowski にとって音の灯台となりました。
現在59歳、ポーランド生まれのペインターはそうして初期 GENESIS, PINK FLOYD, TRANSATLANTIC、さらには YES, DREAM THEATER, TANGERIN DREAM までプログレッシブロックの音の葉まで創造という航海の波しるべとしたのです。音楽は常に Mariusz の情熱の炎であり、筆を導くインスピレーションの源でもありました。
「私はワイドで独創的、境界のない音楽を愛している。息を呑むような音楽さ。そして私の探している芸術世界へ誘ってくれるようなね。」
Mariusz の言葉はそのまま自身のボーダレスかつイマジネーティブなアートの樹を具現化しています。
「メタルへ導いてくれたのは BELL WITCH だった。2017年にリリースされた彼らの最新作 “Mirror Reaper” でグラフィックを描いてくれないかとオファーをくれてね。興奮したよ!それまでミュージシャンのために絵を描いたことがなかったからね。私にとって転機であり、大きな挑戦となったね。音楽的に素晴らしいアルバムだよ。しばしば聴き返すんだけど、今でも鳥肌が立つね。音楽とそのアートワークの間に生じるケミストリーを心底感じるね。
後に音楽業界も “Mirror Reaper” を非常に高く評価することになった。私もこういったメタルのスタイルについて再度学び始めたんだ。そうして PSYCROPTIC, EREMIT, FALASE といった他のチームからもオファーが届くこととなったんだ。」
メタル世界に住む多くの住人にとっても、BELL WITCH の作品が Mariusz とのファーストコンタクトだったはずです。そうして瞬時に、彼の放つ創造的な悪夢はバンドのみならず多くのファンを魅了していったのです。2018年 Mariusz にとって文字通りビッグイヤーとなりました。

ドゥームスラッジャー SHRINE OF THE SERPENT, スラッシュタイタン SEPULCHER, デスメタルの新鋭 ROGGA JOHANSSON に CARDIAC RAPTURE。Marusz の情熱は様々なサブジャンルから津波のようなオファーへと繋がりました。
「バンドは直接メールで、Facebook で、ウェブサイトで連絡を取ることが可能だよ。特定のバンドのためにアートを製作する場合、言葉よりも芸術家同士のテレパシーでコミュニケーションを取るんだ。もちろん、バンドが主役だよ。素晴らしい音楽を作っているのは彼らだからね。私はそれを色でドレスアップするだけだよ。それでも、賛辞を受ければ嬉しいけどね。彼らの知的で刺激的なテーマにはとてもインスパイアされるよ。
SHRINE OF THE SERPENTS, ROGGA JOHANSSON の場合は私の膨大なギャラリーから彼らがアートを選んでくれたんだ。このシチュエーションならばすぐにプロジェクトを完成させることが出来るから、便利なソリューションではあるよね。
基本的にはデジタルでライセンスを販売している。オリジナルの絵は僕の手元にとどまるけど、バンドは自由にCD, ヴァイナル、ポスターへと使用することが出来るんだ。だけど、 PSYCROPTIC のようにオリジナルまで購入してくれる人たちもいる。たしかによりコストはかかるけど、フィジカルに特別な価値を見出してくれているんだろうね。」
ただし、絵画の制作中流れる音楽はメタルだけとは限りません。
「メタルは出来る限りラウドに聴かれるべきだ。だから絵画の制作中に聴くには少し疲れすぎるんだ。ペイントの最中は心の平穏が必要だからね。だからエレクトロニカを聴くんだ。このスタイルの音楽なら大音量で聴く必要はないよ。そうして脳の想像を司る領域を活発にしてくれる。要は最高の作品を完成させられれば良いわけだからね。」
制作は静寂な夜に行われます。バンドの要望に没頭する時間と空間をもたらしてくれるから。
「私は夜しか絵を描かないんだ。誰にも邪魔されない確信と平穏が必要だからね。そしてバンドが託してくれた音楽で心を満たすだけではなく、哲学にも没頭しなければならないから。その2つを分けて考えることはできないから。」
Mariusz のほぼ全ての作品は超現実的で、幻想的で、シュールなホラーも入り混じります。その特徴は彼の代名詞とも言えるでしょう。ダークなキャラクター、遍在する死、退廃に大火。しかしそういった仄暗い絶望は Mariusz の人間性と世界観を反映しているわけではありません。
「実を言うと私は人生が大好きなんだ!決して私は黙示録の天使がラッパを鳴らすのを待っている苦難の生を歩んできたわけじゃないしね。ただ、死は人生にとって不可分だというメッセージには言及している。何千年もの間、教え込まれてきたネガティブな考え、自由を制限するバラストを投げ捨てることはとても難しいけどね。どのように生きるか、何を信じるかを伝えたくはないんだ。ただ鑑賞する人の自らの思考をあきらめないようにしたいだけなんだ。
例えば私は絵画に宗教のイメージを使用している。だけどそれは宗教的なメッセージを込めている訳じゃないんだよ。宗教がいかに私たちを追い詰め、人生を困難にしているのか示しているだけなんだ。」

Mariusz が命を吹き込んだ油絵を観察すれば、黙示録と宇宙の恐怖、不毛の世界、大変動、死神および単なる人間の理解を完全に超えた存在に焦点を当てていることに気づきます。さらに深く掘り下げればほぼすべての作品で、絵の下半分に孤独な人物が見つかります。何か恐ろしい存在、そびえ立つ一枚岩、または壊滅的な出来事を目撃する、寂しい人間の目撃者。
「私は未知の世界に魅了されている。まるで悪夢のように迫り来る遠い世界の厳しい風景さ。ただし死を切望する訳じゃなく、飼いならしているんだ。怖がってはいないよ。私の絵は、暗闇だけど、多くの楽観主義と希望があると言われたこともあるからね。」
絵画は Mariusz の生涯にわたる情熱であるだけでなく、彼の職業で生計のための手段でもあります。彼を駆り立て、満たしているもの。
「絵画は私の情熱を注ぐものであり、愛する妻と一緒に仕事としているものだけど、それはオフィスワークとはまったく異なる性質を持っている。まったく異なる2つの世界だよ。
私の次の情熱は、村の土地に夢の家を建てること。私が大好きな自然に囲まれた場所。最終的にワークショップと無数の樹木、鳥、野生動物、魚、そして美しく歌うカエルが溢れることになる。」
それぞれの作品には苦労と膨大な時間が注がれていますが、筆を握るまさにその人には報われるべき個人的な満足と楽しみが存在します。それが得られない場合は?
「自由に創作できなければ絵を描くべきじゃないよ。」
バンドと折り合わず契約を解消したこともありました。
ただし Mariusz は非常に謙虚なクリエイターです。彼の言葉を借りれば有名人の魂を持つ人ではありません。言葉ではなく絵で物語を語るのです。また、彼は自分のアートを他人に押し付けることも好みません。
「Zdzislaw Beksinski がかつて言ったように、隅に座っていても、実力があれば世界はあなたを見つけることになる、だよ。傲慢に自分のアートを押し付けてはいけないよ。」
作品を押し付けないという精神。つまり Mariusz からアーティストにアプローチすることはありません。彼は彼の芸術を使いたいバンドと人々からのオファーを受けるだけです。
「敬愛する DREAM THEATER や RIVERSIDE にだって手紙を書いたことはないよ。でもいつか、成長して彼らと話し、自分のアートを見てもらう日が来るかもね。」
Hipgnosis, Roger Dean, H.R.Giger。その音楽の時代を象徴するアートワークの創造主はいつの時代も存在していました。そして、2010年代後半に芽吹いた Mariusz とメタルの融合は間違いなく2020年代を牽引していくはずです。

BELL WITCH “MIRROR REAPER”

全てはこの傑作から始まりました。アートワークはある意味このレコードの全てです。BELL WITCH は2015年に、Adrien Guerra を36歳の若さで悲劇的に失いました。
「Adrian は何年間も僕の親友だったんだけど、お互いに意見を違えて喧嘩をしてしまっていたんだ。同様に、新メンバーの Jesse と Adrian も仲の良い友達だったんだ。だから、Jesse と僕は彼の死の後、気持ちを整理する時間が必要だったのさ。
何ヶ月か経って、僕たちはレコードを完成させるため、新たな決意と共にライティングプロセスへ戻ったね。僕は二人共、Adrian と僕たち自身にとってこのレコードを本当に特別なものにしたいと思っていたと信じているよ。一生に一度のアルバムさ。」
フードを被った死の前兆は、滅びのように行進している人々の上へと不気味に迫っています。地獄の風景を映し出す鏡の中から覗き込みながら。鏡は背景の崖よりも高く聳え、蜘蛛の巣のような不気味な糸に支えられています。鏡を覗くと何が見えますか?自分?それとも地獄?
そうして Mariusz の絵画と BELL WITCH の音楽は、悲しみを完璧に封じ込めました。怒りという地獄の炎、恐怖という大死神、自己反射の鏡。悲しみの煙、孤独な炎、無気力な群衆。
一方では裏面に、愛する人が穏やか(月明かりの海)で、平和(白い旗)で自由(高翔する鳥)であれという希望を配しています。
それは愛する人の喪失に対処する魔法の芸術作品。ベース/ドラムスのドゥームデュオが投じた1曲83分の暗重なる叙事詩 “Mirror Reaper” は生と死を投影する難解なるあわせ鏡。Adrien Guerra へ捧げるトリビュートとしてその崇高なるメランコリー、哀しみの影を増しています。

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FALSE “PORTENT”

手前には、切り立った崖に集まる人々。その下には、溶岩、地獄の炎、硫黄煙の悪魔的な風景が広がります。まるでロードオブザリングのモルドール。しかし、この破滅の場面はモノリシックな死神によって支配されています。炉を覗きながら新たな力を引き出しているのか、新鮮な犠牲者を預けているのか。左手は鋭き鎌を握り、その刃の端は犠牲者の血で赤く染まっています。
死神の背後には巨大な暗闇の崖。霧に包まれながら巨大な白い旗を振る人間は、呪われた運命を受け入れると身を委ねます。目はくぼんでいて暗く、苦悶の表情を浮かべています。
アートワークは “Portent” に宿るヘヴィネスの象徴。レコードの包括的なテーマと感情を視覚的に表現します。暗闇を強調するだけでなく、焼け付くような赤や従順な白は軽薄さよりも、絶望、運命の必然性、破壊の感覚をもたらします。
そんな悲劇に直面して、創造性は痛みを和らげるでしょうか。悲しみに似た慰めは様々な形状を取るでしょう。そしてミネソタのブラックメタル FALSE の場合、その慰めはメロディックな構成の妙となりました。凶暴なリフとシンセ重視のアレンジはリリックの巧妙と相まって深みのあるブラックメタル世界を創造しました。

PSYCROPTIC “AS THE KINGDOM DROWNS”

ドゥームを思い起こさせる惨めな風景。巨大な割れ目が大地を分かち、炎の中に孤独な人影が残されました。燃えるような赤とオレンジ、息苦しいほど厚いグレーと黒の4色は作品に命を吹き込みます。
最も目を引くのは壮大な人型の苦痛です。腕は広く引き伸ばされ、肩からひどく引き裂かれ、骨から筋線維が引き裂かれています。その間、荒れ狂う業火は生き生きと燃え続け、人の顔が目の前で溶け出し、加えて融解した金がバンドのロゴから頭蓋骨に注がれ、骨を貫通しているようにも見えます。
“As the Kingdom Drowns”、王国が沈む時。アルバムタイトルはそのアートワーク、音楽性、そして “Deadlands”, “Beyond the Black” といった楽曲タイトルに裏付けられています。そのエピカルな風景は、無機質でストレートなテクニカルデスメタルから、GOJIRA のグルーヴやプログレッシブなサウンドスケープを組み込み始めたタスマニアデビルの変化の証なのかも知れませんね。

ATLANTEAN KODEX “THE COURSE OF EMPIRE”

ドイツのエピックドゥーム ATLANTEAN KODEX に提供したアートワークは、他の絵画とは少々異なりゴージャスです。実際、トラディショナルなメタルにしっかりと根付いた彼らの “壮大な” 瞬間は、これまでの悲嘆や苦痛の絵画にはフィットしなかったかもしれませんね。たしかに暗闇は存在し、仄暗い戦争の霧はアートを覆いますが、鮮烈なギターのハーモニーと同様に、最も注目を集める色はブライトに輝く金色です。
武器を抱え、誇らしげに掲げた旗で、Mariusz はかつての偉大な帝国を象徴しています。ストーリーが語るようにその栄光は輝かしいように見えますが、真実のイメージを覆い隠しています。帝国の本質。それは暴力、奴隷制、死。描かれた戦士たちには名前も顔もありませんし彼らが遭遇する恐怖、死傷者の姿もありません。つまり本来戦いの炎は決して美しくはありませんが、このアートは間違いなく美しいと言えます。

MIZMOR “CAIRN”

ポートランドに彷徨う独りブラック/ドゥームメタル MIZMOR の “Cairn” は2019年の秘宝でした。燃えさかるマントを纒い割れ目の前に鎮座する死神。対照的に崖の間際に立つ人の姿は絶望的に小さく見えます。対比の描写は強力なニヒリズムの感覚を引き出しますが、死神の手の中にある構造物はその感覚をより複雑に導きます。
電気のピラミッドは、知識、芸術、創造性を象徴するルーブル美術館のアートにも似ています。それは瓶の中の稲妻。努力する、保護する、そしておそらく苦しむ価値さえあるでしょう。
事実 “Cairn” は MIZMOR にとってニヒルな道標であるだけでなく、BELL WITCH の “Mirror Reaper” の合わせ鏡としてフューネラルドゥームというジャンルにおいて最高の芸術性と審美を湛えます。4曲57分の分離は不可能。神のいない孤独で荒れ果てた現実において無神論者の精神的目覚めから、喜びではなく人生の責任や重荷を受け入れることまで、リスナーは “Cairn” を自分自身の真の延長として完全に所有し受け入れなければならないのです。

ABIGAIL WILLIAMS “WALK BEYOND THE DARK”

ABIGAIL WILLIAMS の “Walk Beyond the Dark” はアートワーク、音楽の両方で2019年ベストブラックメタルの一つだと言えました。白きフードの死神は他のアートワークとは一線を画しています。炎もたしかに存在しますが、もっと暖かな輝きが溢れています。きっと人が佇む死神の洞窟は暖かさと休息の場所、勇気が安全で報われる場所。今回の “孤独な人” はこれまでほど弱々しくは見えません。ライオンの巣穴に入り、死神の中を慎重かつ勇敢に移動します。それはまるでABIGAIL WILLIAMS がリスナーに、彼らの素晴らしく壮大なレコードへと参加することを望んでいるように。
Sorceron は THE FACELESS を去りこの作品に没頭しました。彼の献身と努力も同時にアートワークのイメージに重なります。 アンビエンスとブラックメタルを組み合わせ、プログサイドも完璧に機能。そのオーラは神々しいまでに美しく花開きました。

ASTRAL ALTAR “A:.A:.”

苦悩の感覚は明白です。地獄のキノコ雲とその下に広がる火の雨は、憤怒、苦痛を強調しています。 荒廃は大きく、それでも全てのカオスと破壊の中、空飛ぶ残り火と荒れ果てた燃える大地の中には、落ち着き悠然としたシルエットの人物が見えます。 仕事に取り掛かる死神でしょうか? 静かに死者をふるいにかけているのでしょうか?何故だか不安感じさせる存在です。

ROGGA JOHANSSON “ENTRANCE TO THE OTHERWHERE”

この作品のアートワークは ATLANTEAN KODEX の状況に似ています。孤独な船、厳かな水流、そして帝国の建築物。まるで世界の末端を見ているかのようですが、船は徐々にそこから遠ざかっていきます。 どこから来て、どこにたどり着いたのでしょう?
アーチは強さの象徴で、グレコローマンの柱とそびえ立つ崖によってさらにモチーフは強力になりました。アーチの頂上には、角を吹くのを待つ大天使ガブリエルを連想させる大きな像がありますね。 旅と探検。 未知なるもの。 失われ忘れられた文明。思考を刺激する作品であり、方法は異なりますが、スタイルやコンセプトは他の Mariusz アートと共通しています。

XENOBIOTIC “MORDRAKE”

ABIGAIL WILLIAMS とは対照的に、苦痛の中に囚われた人影は暁に肩を落とします。本来太陽がある場所には、苦悶の表情が世界を照らし、剣を手にした苦痛の化身は顔を糸で覆われて全てを封じられ、まるで化身の血の涙が背景から流れ出しているようにも思えます。
2020年、まず名乗りを上げ節目の年のイメージを設定したのは彼ら。オーストラリアのデスディーラー XENOBIOTIC は、デスメタルとデスコアの方法論を組み合わせ、メロディー的に豊かでテクニカルでありながら、最上級に苦悶のサウンドを生み出すことに成功しました。エピックの灯火は非常にクリアなプロダクションを誘いメタルの未来を照らし出しているのです。

参考文献: KILLYOURSTEREO:Mariusz Lewandowski: the man behind the art

BANDCAMPHow Mariusz Lewandowski’s Epic, Emotive Paintings Made Him Metal’s Most In-Demand Artist

HEAVY BLOG IS HEAVY:A Gift To Artwork – Mariusz Lewandowski

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