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THE 40 MOST IMPRESSIVE ALBUMS OF 2016 : MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE


THE 40 MOST IMPRESSIVE ALBUMS OF 2016 : MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE

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1. GOJIRA “MAGMA”

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2016年は日本でもゴジラ旋風が吹き荒れましたが、世界のメタルシーンを制圧したのも間違いなく GOJIRA だったと言えるでしょう。
奇才 Duplantier 兄弟率いるフランスの4人組 GOJIRA がリリースした “Magma” と名付けられたレコードは、これまでのどの作品とも異なるものでした。コンパクトな43分という作品でフォーカスされたのは、エモーションとアトモスフィアを前面に押し出した、キャッチーさとアート性の共存。Prog, Death, Sludge, Tribal, Math をユニークにミックスし、メタルの最先端を走ってきた巨人は、その先鋭性を微塵も失うことなくコマーシャルな感覚を強く生み出しているのです。
アルバムオープナー、”The Shooting Star” はチャレンジングな楽曲。実に瞑想的で、Joe Duplantier のヒプノティックなクリーンボイスとドライブするグルーヴが卓越したアトモスフィアを生み、リスナーをトランス状態へと誘います。実際、Joe のクリーンボイスは以前より遥かに多用されており、尚且つ雄弁です。
“Silvera” ほどエモーショナルな瞬間はこれまでの作品には存在しなかったはずです。メインリフの重量感に、タッピングが生み出すアーティスティックなムード、そしてキャッチーなリードギターとクリーンボーカルが三位一体となり溢れる強烈な感情。このヘヴィーなテリトリーのエモーションは、レコーディング中に Duplantier 兄弟の母親が亡くなったことに起因しています。
兄弟の様々なな感情、特別なパッションを全てクリエイティビティに注いだ結果、アルバムは無駄な時間など一切存在しない、濃密でアトラクティブな傑作に仕上がりました。MASTODON やBARONESS もチャレンジしていますが、芸術性とコマーシャリズムの融合という点でこの作品を超えるモダンメタルのレコードはないと断言出来るように思います。

2. ALCEST “KODAMA”

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ALCEST は所謂 “Blackgaze”、Black Metal と Shoegaze を融合させたパイオニア的存在です。幻想的で内省的。メランコリックな繊細さと悲痛な激しさが生み出す圧倒的なダイナミズム、神々しいまでの美しさはシーンに衝撃を与え、DEAFHEAVEN などに続く Post-Black のうねりを創出したのです。
“Kodama” は前作 “Shelter” と対になるカウンターパーツ的な作品と言えるかもしれません。インタビューにあるように、今作のテーマとなったもののけ姫とも通じる自然を食い物にする現代社会、そしてその闇の部分でもあるテロリズムが ALCEST を動かしました。ある意味メタルのルーツに戻り、よりダークな1面にフォーカスした”最も怒れる”作品は、それでもやはり徹頭徹尾 ALCEST です。そして同時に、彼らの新しいチャレンジである POP センスが花開いたアルバムであるとも言えるでしょう。

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3. DAVID BOWIE “★”

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ロックにとって、2016年は R.I.P の年でした。それは勿論、多くの伝説的なアーティストを失ったという意味でもあり、同時に”ロックを避ける”というやり方で最も本来のロックを体現していた David Bowie を失ったという意味でもあるのです。
彼の遺作となった”★” は NYC の先鋭実力派ジャズミュージシャンを起用し制作されました。しかし、David は決してジャズアルバムを作りたかった訳ではありません。ここには、サウンドトラック、ロック、ソウル、インダストリアル、フォーク、ヒップホップなどカラフルでエクレクティックなサウンドの万華鏡があるだけです。
David は Kendric Lamar の “To Pimp A Butterfly” を愛聴していたと言われています。所謂 Jazz the New Chapter と共感したのは、ただ一つのジャンルに囚われず、様々なサウンドを取り入れジャンルを拡大して行くその精神性でした。
“Lazarus” は自身の墓標だったのでしょうか、トーマス・ジェローム・ニュートンの再来でしょうか、それともジギー・スターダストの復活なのでしょうか?ただ一つ言えることは、この狂おしいまでにダークで美しい世界観は、唯一無二で、究極にロックの本質である冒険性や自由さに溢れているということです。彼の遺志を次ぐアーティストがいつかロックの世界に現れるのでしょうか。

4. ASTRONOID “AIR”

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ミュージックシーンには、時にリスナーの想像を遥かに超えて、ジャンルの壁を平然と、無慈悲なまでに叩き壊すような存在が現れます。マサチューセッツを拠点とし、”Dream Thrash” を指標する5人組 ASTRONOID はまさにそういったバンドでしょう。彼らが Blood Music からリリースしたデビューフルレングス “Air” は、メタルシーンのトレンドを左右しかねないほどの傑作にして重要作となりました。
Black Metal に新たな要素を加えた Post-Black と呼ばれるジャンルが注目を集める、昨今のメタルシーン。多幸感を伴うアトモスフィア、Shoegaze 要素を融合させた ALCEST, DEAFHEAVEN、WOLVES IN THE THRONE ROOM, 実験的な Math / Prog 要素を果敢に取り入れた KRALLICE, LITRUGY は間違いなく Post-Black シーンのフラッグシップだと言えますね。
ASTRONOID はその両輪、 Shoegaze, Math / Prog 要素のみならず、Thrash Metal, Prog, Post-Rock, Power Metal, Dream Pop など実に多様なジャンルをミックスし、”Black Metal の最終形態” とでも表現したくなるような新しい音楽を生み出したのです。
51分間のシネマティックなドリームスケープは、多幸感と希望に満ち、ポップさの限界までプッシュしながら、アグレッションと実験性をも多分に盛り込んだ、Black Metal のマイルストーン的な作品として長く語り継がれることでしょう。

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5. FALLUJAH “DREAMLESS”

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現在、海外のメタルシーンにおいて最も注目を集めている新鋭の1つ、変革者にして Atmospheric Death Metal の始祖 FALLUJAH。
“Death Metal Revolution” (デスメタル革命) とまで評された出世作 “The Flesh Prevails” から2年。メタル界のメガレーベル、Nuclear Blast に移籍して初の作品 “Dreamless” は、より美しく、よりキャッチーで、同時にシンセサウンドや女性ボーカルをチャレンジングに取り入れた、多様なモダンメタルを象徴する作品に仕上がりました。

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6. MESHUGGAH “THE VIOLENT SLEEP OF REASON”

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MESHUGGAH はモダンメタル、エクストリームミュージックの帝王でありパイオニアです。Djent は勿論、Jazz/Fusion を取り入れた Instru-metal, より数学的な要素にフォーカスした Mathcore などそのポリリズミックでローチューンドなヘヴィーサウンドが後続に与えた影響は計り知れません。
4年ぶりにリリースされた新作 “The Violent Sleep of Reason” は彼らのトレードマークとも言える複雑でヘヴィーな世界観、リズムセンスは保ちながら、よりオーガニックでストレートなアルバムに仕上がりました。アルバムオープナー、”Clockworks” を聴けば作品のプロダクションが非常に生々しく、有機的で、今日のメタルアルバムとは趣を異にすることに気づくでしょう。オールドスクールとも言えるノスタルジックなサウンドは、皮肉なことに過去のいくつかの作品よりもギタートーンをビッグに響かせ、新たな怪物を生んでいます。
メカニカルで精密に計算されたグルーヴを、率直で生々しいプロダクションで包み込んだ理由。それはアルバムのコンセプトに通じます。”危険な睡眠状態” とは、世界中で起きている無慈悲なテロリズムに対して、何ら行動を起こさない一般の人々を指しています。MESHUGGAH が作品に有機的な感覚、エモーションを強く取り入れたのは、世界の人たちにに手を挙げて欲しい、テロリズムと戦わなければならないというメッセージでもあるのです。
ダイナミックで、インテンスに溢れ、エナジーに満ちたレコードで MESHUGGAH はその価値を再度証明しました。この作品を受け止める私たちには何が出来るでしょうか?

7. VEKTOR “TERMINAL REDUX”

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Thrash Revival ムーブメントで頭角を現し、SF的な世界観と Proggy なインテリジェンスで黄金世代にも匹敵する個性を作り上げた US の4人組 VEKTOR。
73分にも及ぶ大作SF映画のような “Terminal Redux” は、アグレッションとアトモスフィア、直情性と実験性の対比が見事で、リスナーにランニングタイムの長さを感じさせないフックに満ちた傑作に仕上がりました。
VOIVOD meets WATCHTOWER とでも例えたくなる “Charging The Void” はまさに VEKTOR を象徴するような楽曲です。キャッチーかつアグレッシブなリフワーク、Black Metal にも通じるようなトレモロとブラストビート、効果的に挿入されるテンポチェンジ。彼らが指標する “Sci-fi Prog-Thrash” のレシピを惜しげも無く披露していますね。
近未来感を演出するドラマティックなコーラスも実に効果的です。
エピカル&ドラマティック。”Terminal Redux” は間違いなく以前の作品よりも大幅にドラマ性が増しています。

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8. CULT OF LUNA & JULIE CHRISTMAS “MARINER”

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Post-metal のパイオニアとして、存在感を保ち続ける CULT OF LUNA が2016年にリリースしたレコードは NYC の女性ボーカル Julie Christmas とのコラボレート作品でした。宇宙探査をテーマとしたコンセプト作品 “Mariner” は確かにその静と動の見事なコントラスト、美麗なメロディー、シンセサイザーの効果的な使用などアーティスティックな CULT OF LUNA を体現する要素に満ちています。しかし、同時に Julie の時に激しく、時に陰鬱、時にキュートなボーカルがこれまでにはない感覚を作品に生み出しています。生々しいスクリームから子供のようなクリーンボーカルまで、実際彼女の多様性に富んだボーカルには惹き付けられる何かがありますし、そのボーカルラインも実にキャッチー。”The Wreck of the S.S. Needle” のアートとエモーションが融合する瞬間はまさにビッグバンのようにも思えます。
アルバムの最後を飾る15分の “Cygnus” は彼らのマイルストーンである “Vertikal” を想起させる一大絵巻。”2001年宇宙の旅”にインスピレーションを受けたという CULT OF LUNA らしい映画のサウンドトラックのような一曲は、同時に Julie の平穏から混沌を物語る能力により完成を見たとも言えるでしょう。

9. INSOMNIUM “WINTER’S GATE”

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フィンランドが誇る Melodic Death Metal の牽引者、INSOMNIUM がリリースした傑作 “Winter’s Gate”。Scandinavian Metal の結晶、究極形とも言えるアルバムは、間違いなく世界中のメタルファンの心を動かし、長く愛される作品となるでしょう。
”Winter’s Gate” はバンドのフロントマン Niilo Sevanen が10年ほど前に書き上げ、フィンランドの短編小説コンテストで受賞まで果たした “Talven Portti” 英語で “Winter’s Gate” という物語を基としたレコードです。1曲42分のエピックのみを収録するという挑戦的な作品は、見事にその音楽も Niilo が創造したヴァイキングのファンタジーに寄り添っているのです。
INSOMNIUM は決して Melodic Death Metal のオリジネーターという訳ではありません。しかしながら、IN FLAMES, DARK TRANQUILLITY といったパイオニアが、こぞって異なる地平を目指す中、彼らはしっかりと地に足をつけかけがえのない伝統と叙情性を継承しつつ、自らの色であるインテリジェンスやアトモスフィアをバランス良く作品に持ち込み、ファンの信頼を得て来たと言えるでしょう。そして彼らが今回提示したのは、Melodic Death Metal から Scandinavian Metal へとその領域を広げる野心的な試みでした。

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10. HAKEN “AFFINITY”

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UK が誇るモダンプログメタルの新鋭 HAKEN はこの野心的な新作 “Affinity” でさらに多くの成果を得ることになるでしょう。
昨今、音楽シーン全体の流れとして、キラキラとした80年代のポップカルチャーが再度注目されカムバックして来ていますね。”Affinity” はアートワークやテーマ、そして音楽にも、その流れを強く意識した作品となっています。同時に、彼らの持ち味であるモダンなテクニカル/グルーヴィー要素も、再度タッグを組んだ名プロデューサー Jens Bogren と共にさらに掘り下げられており、結果として過去と未来が交差するレトロフューチャーな世界観を構築することに成功しています。メンバー全員の個性が1枚の傑作に昇華した “Affinty” 。プログロックの領域を拡大するような重要な作品だと感じました。

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11. OATHBREAKER “RHEIA”

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ベルギーの OATHBREAKER は昨年最も注目を集めたバンドの一つでしょう。ポストハードコアからネオクラスト、ブラッケンドとその音楽性を拡大させて来た Deathwish の申し子は、Jack Shirley の名を挙げるまでもなく、最新作 “Rheia” で “Blackgaze” までも自らの血肉として消化しています。
バンドが多様性を得るに相まって、女性ボーカル Caro Tanghe の歌唱もその枠を拡げて行きました。壮絶なスクリームに加えて、今作では Kate Bush や Bjork を想起させる妖艶で美しいクリーンボーカルも大々的にフィーチャーされており、エモーションの幅が大きく広がっています。非常にパーソナルな、アルコール依存症の父による虐待について歌った “Second Son of R” での生々しい感情には心を揺さぶられずにはいられませんし、”Needles In Your Skin” での苦痛と苦悩のコントラストはまさしくバンドの成長を物語っています。

12. JYOCHO “祈りでは届かない距離”

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COMING UP NEXT, INTERVIEW WITH JYOCHO!!

13. DEVIN TOWNSEND PROJECT “TRANSCENDENCE”

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Devin Townsend は決して同じレコードを2度作りません。アルバム毎に自らの新たな側面をアピールし続けています。”Transcendence” はまさに Devin Townsend を”超越”し、彼に限界や障壁など存在しないことを証明した作品となりました。
非常に深く、複雑で、情熱的な、実験的シンフォニックプログメタルは、常に進化を続けています。アルバムは Devin のソロアルバム “Infinity” に収録されていた “Truth” で幕を開けます。卓越したミュージシャンたちを得て、さらに PERIPHERY の Adam “Nolly” Getgood をエンジニアに抜擢することで、”Truth” は18年の時を”超え”、素晴らしくビッグでクリアーなサウンドと共に現代に蘇りました。進化を証明する “Transcendence” の始まりとしてこれほど適した楽曲はないでしょう。
“Failure” はアルバムのハイライトだと言えます。驚くほどに Djenty なリズム、オルタナティブなアトモスフィア、シンフォニックなバックボーン、そしてバンドの強力な演奏と Devin の見事すぎるエモーショナルな歌声は、完璧な “Wall of Sound” を構築し、新たな冒険は素晴らしく Devin の色に染められています。
近年フォーカスしているように感じる、親しみやすいメロディ、キャッチーさはさらに推し進められ開花し、POP とさえ言える瞬間がアルバムを1段上の段階へと引き上げていることも付け加えて置きましょう。

14. ANIMALS AS LEADERS “THE MADNESS OF MANY”

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Tosin Abasi, Javier Reyes, Matt Garstka のマエストロ3名は、プログレッシブミュージックを新たなチャプターへと導きました。もはや ANIMALS AS LEADERS を Djent という枠で括ることは難しいでしょう。拍子やテンポの変化、複雑でヘヴィーなグルーブは彼らにとってイマジネイティブな楽曲を生み出すツールの一つに過ぎません。作品を彩るユニークで魅力的なテーマ、効果的なエレクトロニカサウンド、アンビエントなパッセージに驚異的なリードプレイ。”The Madness of Many” はあらゆる面でモダンプログのランドマークとなるレコードです。
実際、トライバルでエキサイティングな”Arithmophobia” で幕を開けるアルバムは、実にカラフルでエクレクティックです。マスロックの雰囲気を纏うキャッチーな “The Glass Bridge”、Javier の色合いが濃いエキゾチックで美しい “The Brain Dance” やクラシカルな “Apeirophobia” は新たなバンドの顔として作品に素晴らしいアクセントを生んでいますし、”Congtive Contortions”, “Inner Assasins” で使用されたサンプリングは楽曲に強いフックをもたらしていますね。
確かにここには “CAFO” のようなインテンスを備えた楽曲は存在していないかもしれません。しかし、より深化し多様性を身につけた現在の AAL から目を離すことはあまりに愚かな行為だと言えるでしょう。

15. 大森靖子 “TOKYO BLACK HOLE”

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世界を良くするアルバムです。

16. world’s end girlfriend “LAST WALTZ”

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Post-rock, Electronica, Classical といった要素をミックスし、独自の美しき純粋音楽を作り上げる world’s end girlfriend。
前作 “SEVEN IDIOTS” のリリースが2010年。それから日本は3.11を経験しました。現代日本の価値観を根底から覆した災害を前にして、多くのアーティストが希望の歌を奏でたり、悲しみの歌を紡ぐ中、WEG は自然と音楽を比較します。
命を育む母なる海が多くの命を奪っていく現実。何の感情も伴わず、善悪を超えたただ圧倒的な光景は音楽を超えている…その人間を介さない根源的な世界観は WEG の世界と強く通じるものでした。自然への挑戦。”LAST WALTZ”のテーマを自身の名前 “world’s end girlfriend” とした意味もそこにあります。
ぜひ “Flowers of Romance” を聴いていただきたいと思います。13分の美しさを極めた至上のワルツはまさにメメント・モリ。死を前にして悠然と優雅に舞う魂が、音を通して見えるはずです。
ダークシンセ、ストリングス、ソプラノボイス、エレクトロビート、ノイズ。全てが WEG というマエストロの手に集まり具現化されたあまりにも圧倒的な死のダンスは、アートは自然に勝るのかという問に対する無言の回答として、その存在、楽曲という命に大きな意味を生んでいますね。

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17. IAMTHEMORNING “LIGHTHOUSE”

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ロシアのピアノ/女性ボーカルデュオ IAMTHEMORNING がリリースした “Lighthouse” は2016年で最も美しい作品となりました。クラッシックの素養を備えた Gleb の流れるようなピアノに乗る、Marjana の天使の歌声は Kate Bush の世界観にも迫る純粋な美を体現し、ここ日本でもファン層を拡大しています。
Kscope からのリリース、PORCUPINE TREE の Gavin Harrison, Colin Edwin がリズム隊として参加していることからも、彼らがプログレッシブなコンポジションを志向していることは明らかです。美麗なストリングスが鳴り響く “Too Many Years” が象徴するように、そのダークでミステリアスな音像の中に組み込まれるテンポチェンジ、奇数拍子は楽曲にスリルとダイナミズムを生み出し、Steven Wilson や RIVERSIDE が指標する Post-Prog の領域へと達しているように思えます。
実際、RIVERSIDE の Mariusz がゲスト参加したタイトルトラック “Lighthouse” はアルバムのハイライトと言えるでしょう。ジャズにまで接近した2人のデュエットは、目前にダンスが浮かぶような美しくも哀愁のワルツ。”I Came Before the Water” がアルバムの始まりと終わりを告げる作品は見事な統一感を誇ります。モチーフとした Virginia Woolf の小説 “To The Lighthouse” の世界を知ることでさらに深くレコードへと侵入出来るかもしれませんね。

18. FROST* “FALLING SATELLITES”

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モダンプログシーンのマイルストーンとなった重要作 “Milliontown” を生み出した、奇才 Jem Godfrey 率いる UK の4人組 FROST* が8年振りとなる新作 “Falling Satellites” をリリースしました。
彼らの作品は3作とも、洗練されたサウンド、優れたメロディー、エレクトロニカとプログの融合という点では共通していますね。しかし、”Milliontown” がカラフルで爽快感溢れる作品であったのに対して、前作 “Experiments in Mass Apeal” は MUSE や RADIOHEAD をさえ想起させる実に内省的な作品でした。そして今作 “Falling Satellites” は間違いなく FROST* にとって最も “POP” なレコードと言えるでしょう。さらに、今回、FROST* がシーンに与える驚きは、モダンなエレクトロニカサウンドの大幅な導入でした。
”EPM(Electronic Progressive Music), “Progressive Pop”, 呼称はなんであれ、彼らが2016年にモダンプログシーンに投下するものの意味は非常に大きいと感じます。

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19. RUSSIAN CIRCLES “GUIDANCE”

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シカゴの Instru-Metal トリオ、RUSSIAN CIRCLES がリリースしたオーガニックでエモーショナルな新作 “Guidance” は傑出していました。Post-Rock の持つダイナミズムを最も体現しているとも言われる3人は、この新しい作品において、静と動、陰と陽、単純化と複雑化を見事に使い分け、シーンにインストゥルメンタルミュージックの更なる可能性を提唱しています。
2014年の初来日公演、”Leave Them All Behind” がすでに伝説となっているように、ライブに定評のある彼ら。インタビューで Brian が語ってくれた通り、そのライブのエクスペリエンスを詰め込んだというレコードは、非常に生々しいサウンド、感情に満ちています。Chelsea Wolfe のボーカルさえフィーチャーして、整合性の高いコンセプチュアルなサウンドを提示していた前作 “Memorial” から、再度ボーカルを排除し、原点回帰とも言える進化を見せていますね。

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20. ANDERSON / STOLT “INVENTION OF KNOWLEDGE”

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プログロックのドリームチーム、Anderson / Stolt がリリースしたデビューアルバム “Invention of Knowledge”。
長年 YES の”声”としてバンドを牽引した伝説的ボーカリスト Jon Anderson が、THE FLOWER KINGS, TRANSATLANTIC という2つの優れたプログロックバンドで才能を発揮する ギタリスト Roine Stolt とタッグを組んだ作品は、実に深く、カラフルで、メッセージ性に富んでおり、確実に1+1=2以上の化学反応が存在していますね。
アルバムは、インタビューで Jon が語ってくれたように、プログロックの過去と未来を繋ぐような作品に仕上がりました。具体的には、YES や GENESIS が紡いだシンフォニックなプログロック第一世代の優美さと、 北欧から端を発したプログ第3の波、THE FLOWER KINGS や ANEKDOTEN といったバンドによるスカンジナビアンプログロックの瑞々しさを華麗に融合させていると言えます。

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21. SNARKY PUPPY “FAMILY DINNER VOL.2”

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SNARKY PUPPY は北テキサス大学でベーシストの Michael League を中心に結成された、総勢30~40名が所属する大所帯のコンテンポラリーJAZZグループ。Robert Glasper 以降の所謂 “Jazz the New Chapter” 文脈で語られることも多く、その唯一無二な音楽性は新しく拡散するJAZZやアートの形を提唱しているように思えます。
最新アルバム “Family Dinner Vol.2” は2013年にリリースされた “Family Dinner” の続編として制作されました。ゲストボーカリストたちを迎え、彼らの楽曲をリアレンジして収録するという試みは今回も同じですが、前作が R&B 色の濃い作品だったのに対して、今作では世界中からゲストを招き、より多彩でキャッチーな、ワールドミュージックの影響も強く感じさせる作品に仕上がりました。
“We Like It Here”, “Sylva”, そして今作と、スタジオライブレコーディングを続けている SNARKY PUPPY。彼らの様々な新しい試みからは、音楽シーンを本当に変えてやろうという気概が強く伝わって来ます。そしてそれが遂に受け入れられつつあることはシーンの希望だと心から思います。

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22. KATATONIA “THE FALL OF HEARTS”

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スウェーデンの巨人 KATATONIA がリリースした “The Fall of Hearts” は長いキャリアにおいて彼らが最もプログロックへと接近した瞬間でした。偶然にも2016年は同郷の OPETH も新作を発表しています。遂に同じ土俵へと上がったようにも思える2つのレジェンド。しかし彼らのディレクションには相当な隔たりがあります。OPETH の “Sorceress” は実に緻密に制作されており、構成は巧み、メロディーも美麗で決して悪いレコードではありません。ただし、音楽的に進化しているか、革新性があるかと問われれば疑問符を投げざるを得ないでしょう。マニアックな70’s Prog を粛々と再現しているような感覚は、OPETH ほどのバンドには勿体なく非常に狭い領域に囚われてしまっているようにも思えます。
対して KATATONIA の “The Fall of Hearts” は、確かにプログレッシブな香りに満ちていますが、同時に PORCUPINE TREE, TOOL 以降のモダンなエレメントを積極的に取り入れていますし、勿論、バンドのトレードマークとも言える独特のアトモスフィアはしっかりと作品に根付いており、結果としてモダンとノスタルジー、スリルとアンビエント、ダークとメランコリーを行き来する新たなチャレンジを成功させたと言えるでしょう。OPETH と KATATONIA。様々な縁のある2つの巨星が次に進む先はどの領域なのでしょうか?

23. 上坂すみれ “20世紀の逆襲”

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人気声優にして、ボーカリスト、そしてロシアをこよなく愛する現代の革命家、上坂すみれさんが、彼女の魅力を詰め込んだ実に見事な新作”20世紀の逆襲”をリリースしました。
様々なジャンルの優れたコンポーザーたちが集結し、魅力的な楽曲、歌詞を提供した全18曲のアルバムは、”20世紀”という激動の時代を憧れと想像で “ボーカリスト 上坂すみれ” がリ・イメージしたような濃密でヴァラエティに富んだカラフルな作品、世界観に仕上がりました。 アートワークを美樹本晴彦、丸尾末広、BAHI JDの三氏が描き下ろし、過去と未来、モダンとレトロフューチャーが混在する音楽性、コンセプトが彼女のペルソナに素晴らしくマッチしていますね。

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24. DIZZY MIZZ LIZZY “FORWARD IN REVERSE”

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Loud Park 2015 で目撃した DIZZY MIZZ LIZZY は非常にオーガニックでスポンティニュアスなライブバンドでした。次々と繰り出される、インプロヴィゼーションやインタープレイは、あの Jimi Hendrix を想起させるほどで、ロックの源衝動を喚起させるに充分な凄みがありましたね。そして、彼らは20年ぶりの復活作 “Forward In Reverse” にもその空気感をそのまま持ち込んでいます。インタビューにもある通り、インストを多数収録したのは、”今”の彼らの演奏家としての充実ぶり、自信の現れでしょう。
楽曲面で見れば、”Made to Believe” “Love At Second Sight” のような新しい DML のアンセムとなるような楽曲と並んで、Tim がソロで養ってきたより内省的でメロディアスな “Something So Familiar” “Say It To Me Anyway” も収録されており、さらに音楽性の間口が広がった印象です。また、Tim はトレードマークであるギターとボーカルのユニゾンを過去作よりも多用しており、DML のカムバックを強く印象付けています。
結果として、リユニオン作品としては異例の、瑞々しさに満ちたフレッシュで新たな代表作が誕生したように思います。

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25. THANK YOU SCIENTIST “STRANGER HEADS PREVAIL”

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ニュージャージーの頭脳派集団、THANK YOU SCIENTIST は、その COHEED AND CAMBRIA を想起させる Post-Hardcore インスパイアなメロディー、テクニカルなギターリフとホーンが生み出すカコフォニー、迷宮のようなソングストラクチャー、ダンサブルなファンク/ジャズテイストを一体とし、プログロックの枠組みを押し広げる存在として注目を集めている新鋭です。
COHEED AND CAMBRIA のボーカリスト Claudio Sanchez のレコードレーベル Evil Ink Records からリリースされた最新作 “Stranger Heads Prevail” は、シーンに強烈な印象を残したデビュー作 “Map of Non-Existent Places” と同様に QUEEN 風のプレリュードで幕を開けますが、より野心的で風変わりなプログレッシブアレンジメントが施されています。
“Caverns” は彼らの野心を物語る楽曲でしょう。マスロックへと接近したアグレッシブなリフ、ラテンジャズの哀愁、そしてトランペット、サックス、バイオリンのエキサイティングで見事なユニゾンからギターソロまで彼らのユニークな才能が開花していますね。
実際、豊富なインストゥルメントの使用によるジャズへの接近は、彼らを数多のプログ新世代たちと分かつ最大の個性です。JAGA JAZZIST をイメージさせる “Psychopomp” のイントロや、”Rube Goldberg Variation” は他のロックバンドには決して真似出来ない優れたアートであると言えるでしょう。

26. THE FALL OF TROY “OK”

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Math-Rock のパイオニア THE FALL OF TROY が復活し、アルバムをリリースしたことは2016年のミュージックシーンにおいて非常に意味のある出来事でした。そこには、彼らの帰還だけでなく、”In the Unlikely Event” 以来7年振りの作品がフリーダウンロードで発表されたという2重の驚きがありました。
勿論、近年音楽シーンの広告、収入形態は大きく変化を遂げています。レコードレーベルに頼らず、SNS, ストリーミング、クラウドファンディング、Bandcamp などを利用した DIY のミュージシャンが増えていることは明らかです。しかし THE FALL OF TROY ほどの大物が完全に DIY へと切り替えたことは、後続のアーティストにも強い影響を与えるはずです。
フリーだからといって、彼らが長年保ってきた高い音楽性が崩れる訳もありません。アルバムオープナー “401k” を聴けば TFOT が誇るあのサウンドがしっかりと再現されていることが分かるでしょう。マスロック、ポストハードコア、オルタナティブが渾然一体となったカオティックな2分半はまさに TFOT の帰還です。同時にレイドバックしたレゲエ風のブレイクはサプライズで、彼らが進化を続ける集団であることを伝えています。”Love Sick” の表情豊かな Thomas のボーカルも、個人レベルで見せる成長の証でしょう。

27. SUMAC “WHAT ONE BECOMES”

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Post-Metal というジャンルを築き上げた巨人 ISIS の解散から6年。首謀者にして奇才 Aaron Turner は、様々なバンド/プロジェクトに携わり精力的に活動を続けています。中でも 2014年に結成した SUMAC は初期 ISIS を想起させるヘヴィーなサウンドと、驚異的な演奏力で一際シーンの注目を集めているのです。
衝撃のデビュー作 “The Deal” からわずか1年で届いた彼らの新作 “What One Becomes” は、よりヘヴィーで、よりアートで、より多彩で、より先進的な傑作に仕上がりました。古いカトリック教会で、CONVERGE の Kurt Ballou によってレコーディングが行われたアルバムは、威嚇するかのような憤怒と漆黒の闇をサウンドスケープとして見事に捕えていますね。
Aaron が言うように、インプロビゼーション が作品の1つのテーマとして存在し、そこから結果として、アルバムには”有機的な”複雑さ、カオス、本来の意味でのプログレッシブ性が備わったと感じました。
決して即効性のあるレコードではありません。それどころか、最初は聴くことが苦痛ですらある瞬間も存在するかも知れません。しかし聴く度に新たな発見がある、真にアートな作品だと強く思います。

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28. TWILIGHT FORCE “HEROES OF MIGHTY MAGIC”

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TWILIGHT FORCE は OPETH や IN FLAMES を輩出したメタルキングダム、スウェーデンが生んだ新たな才能です。
映画 “The Lord of the Rings” から抜け出してきたかのような出で立ちの6人のヒーローは、実際 Power Metal というジャンルを救う救世主なのかも知れません。BLIND GUARDIAN, SONATA ARCTICA, RHAPSODY といったバンドが全盛だった2000年あたりをピークに、このジャンルに対する注目度は減退し続けて来たように思います。そこには、ある意味、型に拘る様式美の限界が存在したのかも知れませんね。
TWILIGHT FORCE の “Adventure Metal” はしかし、インタビューにもあるように、その停滞を打ち破る 「Power Metal の最も洗練された強烈な表現法であり、進化の頂点」 だと言えます。
Nuclear Blast というビッグディールを得て臨んだ長尺コンセプトアルバム “Heroes of Mighty Magic” にはまさに Blackwald の言葉を具現化した、極上のエピックワールドが広がっているのです。

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29. JAMBINAI “A HERMITAGE”

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韓国が誇るモダンロックの新鋭、JAMBINAI が世界へとアピールする、強いエモーションと高い音楽性を兼ね備えた新作 “A Hermitage” をリリースしました。
JAMBINAI の特徴は、まず何と言っても韓国の伝統音楽”国楽” (Gugak) とモダンミュージックを見事に融合させている点にあります。スリーピース編成のバンドは、ギター、ベースといったオーソドックスな西洋の楽器とともに、ピリ(篳篥に似た木管楽器)、へグム(二胡に似た弓奏楽器)、コムンゴ(琴に似た弦楽器)といった韓国の伝統楽器も見事に使いこなしているのです。
メンバーは3人とも、大学で国楽を専攻していたと言うのですから、当然と言えば当然ですが、これほど自然に巧みに伝統とモダンをミックスしているバンドは世界という視点で見ても多くは存在しないでしょう。伝統楽器独特の優雅で美しい音色が、Post-Rock のエモーション、ジャズのアンビエンス、そしてダークでスラッジーなメタルに溶け込んで生まれるダイナミズムは彼ら特有のアイデンティティと言えますね。

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30. SUBROSA “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES”

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ソルトレイクシティの Dramatic-Doom マスター、SubRosa が自身の最高到達点 “For This We Fought the Battle of Ages” をリリースしました。一世紀も前に書かれた SF ディストピア小説にインスピレーションを得て制作されたアルバムは、バンドのアイデンティティーである Dramatic-Doom のスケールを一層高めた、様々な音楽ファンに愛されるマイルストーンとなるでしょう。
SubRosa は Doom Metal バンドには珍しく、女性ボーカル Rebecca Vernon のミスティックな歌唱を中心に据えています。加えて、Sarah Pendleton と Kim Pack のダブルヴァイオリンとアディショナルボーカルが唯一無二の美麗な Doom を創出しているのです。
ALCEST や DEAFHEAVEN を見れば分かる通り、近年、メタルに “Beauty”, “Atmosphere” を持ち込む、才気溢れるバンドが注目を集め、シーンの限界を押し広げていますが、SubRosa のユニークなラインナップが生み出す手法、冒険、マジックは中でも際立っていると言えるでしょう。

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31. SITHU AYE “SET COURSE FOR ANDROMEDA”

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フルアルバムとしては2012年の “Invent the Universe” 以来となる我らが先輩の新作は、ダブルアルバム、76分の壮大なエピックに仕上がりました。同時に、最も重要な今年の Instru-Metal 作品であることは間違いないでしょう。
近作では、コラボレートも行った PLINI と路線を同じくするような、メロディー重視でフュージョン要素の濃い音楽性にフォーカスしていた Sithu Aye ですが、”Set Course for Andromeda” では “Invent the Universe” 以前のようなヘヴィーグルーヴやテクニカルな展開を大幅に復活させており、改めて彼のアイデンティティーを強く印象付けています。同時に、ジャズ、オーケストラ、シンセサイザーといった幅広い要素も巧妙に使用されており、多様性に富んだ現代的なアルバムとも言えるでしょう。

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32. LITE “CUBIC”

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日本が生んだ Math-Rock / Post-Rock ヒーロー LITE がリリースした新作 “CUBIC”。バンドの原点である、タイトで躍動感溢れる生の音像へと回帰した作品は、国内外でインストゥルメンタルミュージックを志すアーティストへの新たな道標となるでしょう。
LITE の近作はその理知的な一面が作風を支配していました。ジグソーパズルのピースを一つ一つ組み合わせるように綿密に、デリケートに構成された彼らのストラテジーは “For All the Innocence” で一つの完成形を提示したと言えます。シンセサイザーを多用し、ギターを何本も重ね、精巧でカラフルな絵画のようにレイヤーされた音世界は、極限までこだわり抜いた足し算の美学であったとも言えるでしょう。
“For All the Innocence” の流れを汲みつつ、やや人間味も戻ってきた前作 “Installation” リリース後、LITE は国内、海外でツアーを重ねます。インタビューにもあるように、そこで彼らはオーディエンスとの温度差に直面したのです。もっとダイレクトに伝わる方法を模索し、たどり着いた一つの結論が “原点回帰” でした。生々しくフィジカルな感覚を宿す楽曲群は、ストレートにロックの真価を表現し、引き算の美学を提示しています。

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33. MYRATH “LEGACY”

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アフリカ大陸という、現時点でシーンの注目が最も薄い地域から現れた MYRATH のサウンドは非常にエピカルで印象的なプログ / パワーメタル。例えば、SYMPHONY X がクラッシックを、DREAM THEATER がプログロックやフュージョンを屋台骨としているように MYRATH はチュニジアのトラディショナルなフォーク音楽をそのインスピレーションの源にしているのです。
バンド名 MYRATH を英訳した “Legacy” をタイトルに冠したアルバムは、以前の作品よりもメッセージ性が強く、キャッチーで、リスナーの魂に訴えかけるような1枚に仕上がりました。オリエンタルメタルの旗手 ORPHANED LAND にも言えることですが、所謂形骸化したプログレッシブという枠から脱却し、その先を見据えた作品のようにも思えますね。

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34. MARILLION “F.E.A.R.”

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イングランドを代表する Prog アクト、MARILLION が、ここ20年における彼らの最高傑作とも評される新作 “F.E.A.R.” をリリースしました。
コンセプト、リリック、ミュージック、全てが異次元のクオリティーで深く冷厳に溶け合ったアルバムは、キャリア38年にしてバンドの新たなマイルストーンとなるでしょう。
”F*** Everyone And Run” を略して “F.E.A.R”。この実にセンセーショナルなタイトルは、やはり現実的で、社会問題に目を向けた、現在の MARILLION らしい極めてリアルなコンセプトを表現しているのです。具体的には銀行や政治の汚職、Brexit、欧州議会の腐敗、世界的資本主義の崩壊など、まさに英国が抱える現代社会のダークサイドを投影した濃密な68分に仕上がっています。

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35. DESTRAGE “A MEANS TO NO END”

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イタリアが誇る Bandiera di Tech-Metal、DESTRAGE がリリースした新作 “A Means to No End”。非常にクリエイティブで、ジャンルの境界を押し広げるようなゲームチェンジングなレコードは、”Math-Core” などという狭義のタームをやすやすと飛び越え、シーンに大きな衝撃を与えています。
前作 “Are You Kidding Me? No.” は、バンドの全てを注ぎ込み、無慈悲なまでのエナジーと、独特のセンスが見事に調和した、まさに新世代 Tech-Metal の旗手としての地位を確立したレコードでした。もし、”Are You Kidding Me? No” が DESTRAGE を体現したアルバムだとするならば、新作 “A Means to No End” はバンド史上最も野心的な作品と言えるでしょう。
DESTRAGE の代名詞とも言える、カオティックなパートや、スラッシーなボーカル、アンセミックなコーラスは後退。ボーカル Paolo はそのダイナミックなレンジを生かして、よりシリアスで内省的な怒りと優しさを歌に込めています。溢れ出る、反逆的な情念と慈愛に満ちた情愛が実にリアルで、表現力の高まりを感じますね。インストゥルメンタルパートでもその変化は明らかで、よりシンプルかつオーガニック。空間、音の隙間を増やし、洗練されたサウンドへと進化を遂げています。

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36. INTER ARMA “PARADISE GALLOWS”

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ヴァージニアが生んだモダンメタルの進化形、 “Prog Doom” “Extreme Metal Experimenters” バンド、INTER ARMA がリリースした最新作 “Paradise Gallows”。Southern Rock, Prog, Black Metal, Sludge, Doom, Death Metal, Post-Metal など多種多様な影響を取り込んだ彼らのレコードは、エクレクティックがキーワードのシーンの中でも一際際立っていますね。
“Paradise Gallows” はより直接的に影響の数々を表層化し、見事にミックスさせた大胆でチャレンジングな作品となりました。アルバムオープナー、”Nomini” を聴けば、彼らが PINK FLOYD や CAMEL のような 70’s Prog Rock に深く心酔していることが分かるでしょう。アコースティックギターと、美しくメロディアスなツインギターハーモニーで紡がれる楽曲は、David Gilmour の手法を想起させます。

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37. OBSCURA “AKROASIS”

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ドイツのテクデスマスター OBSCURA がメンバーチェンジを経て傑作 “Akroasis” と共にシーンに帰還を果たしました。
彼らの2ndアルバム “Cosmogenesis” と、前作 “Omnivium” は疑うまでもなく、テクデスシーンに名を残す名盤でした。ジャズからの影響も感じさせる、フレットレスベースを使用したメロディックで浮遊感溢れるその音楽性は、モダンなテクデスバンドたちのカウンターパートとして、モダンメタルシーンで純然たる存在感を発揮していましたね。ただ同時に、強烈なアグレッションの裏返しとしてバラエティーに欠けていたのも事実。
Linus がインタビューで言及している通り、”Akroasis” は静と動、メロディーとアグレッションという対比が生み出す、ダイナミズムに溢れた作品に仕上がりました。以前よりも瞑想的でさらに思慮深い、クリーンギターさえ多用したプログレッシブなサウンドが印象的で、テクデスシーンのトレンドセッターとなる可能性を孕んでいます。

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38. KHEMMIS “HUNTED”

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COMING UP NEXT, INTERVIEW WITH KHEMMIS!!

39. TTNG “DISAPPOINTMENT ISLAND”

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ニュージーランド沿岸、実在する島の名前をタイトルに冠したアルバムは、完全に4ピースからトリオになって初の、バンド名を THIS TOWN NEEDS GUNS から改名して2枚目の作品。
インタビューで語ってくれた通り、”Disappointment Island”、”失望の島”とは彼らの母国UKがEU離脱に向けて進んでいる状況を皮肉ったタイトルでもあるのです。その背景を鑑みれば、アルバムが少し物悲しく、メランコリックなムードを帯びていることにも納得が行きますね。
“Empty Palms” は現在の TTNG を象徴するような楽曲です。シルクのように繊細な Henry Termain の美声が紡ぐメロディーは静寂と喧騒を司り、キャッチーかつ非常に雄弁。加えて、見事なサウンドスケープを創出する楽曲のアトモスフィアは、彼らの興味が Post-Rock 方面に振れていることを顕にしています。

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40. PassCode “VIRTUAL”

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百花繚乱のアイドルシーンに、ピコリーモを引っさげ大阪から現れた4人組 PassCode。新メンバー大上さんの加入、グループのリーダーだった黒原さん脱退という大きなメンバーチェンジを経て制作された最新作 “VIRTUAL” は、鮮烈なデビュー作 “ALL is VANITY” と”リンク”しつつも、より多彩で、よりキャッチーで、メンバーの確かな成長が感じられる優れた作品となりました。

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