EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIKAEL SALO OF DRAGONKNIGHT !!
“I Think In Tough Times Power Metal Can Be Something You Hang On To, And When Times Are Good It Is Something To Celebrate Life With! I Think I Might’ve Heard That Quote Actually From André Matos In a Japanese Interview !”
DISC REVIEW “LEGIONS”
「学生時代、ちょっとはみ出し者だった僕にとって、BLIND GUARDIAN の “Nightfall in Middle-Earth” や ANGRA の “Temple of Shadows” のようなアルバムは、人間の領域を超えた壮大な物語を体験させてくれ、心に音楽的な冒険を与えてくれたからね。パワー・メタルは、辛いときには心のよりどころとなり、幸せなときには人生を祝福してくれるものだと思う!この言葉は、日本のインタビューで読んだ Andre Matos の言葉の受け売りなんだけどね!」
早いもので、Andre Matos が亡くなってもう6年の月日が経ちました。メタル・ファンの多くは、未だにこの喪失の大きな穴を完全には埋められていないでしょう。しかし、彼の遺志と音楽は今も生き続けて、リスナーの心に寄り添い、もしくは後続のインスピレーションとして燦然と輝いています。フィニッシュ・パワー・メタルの新鋭 DRAGONKNIGHT も Andre Matos に薫陶を受けたバンドのひとつ。
「このアルバムは重層的な作品と言える。アルバムのいくつかの曲は “時を越えた地” からの短い物語に過ぎないが、アルバムの全てにわたる広いコンセプトもある。ドラゴンロードとして知られる5人の兄弟が、打ちのめされた子供時代を経て、力を取り戻し、子供時代の故郷であるアトランティスを奪還する。アルバムの最後を締めくくるのに、神秘的なアトランティスの再征服以上の勝利があるだろうか?」
日本語を学び、日本の音楽を愛するフィンランドの Ronnie James Dio こと Mikael Salo が語るように、パワー・メタルのファンタジーはこの暗い世界において素晴らしき逃避場所だと言えます。私たちは大人になっても、DRAGONKNIGHT というバンド名に心奪われても、闇の皇帝を頂く仮面で匿名の5人の亡霊を名乗っても、ドラゴンが飛翔する異世界に憧れても良いのです。痛みを忘れて、想像力を羽ばたかせることはいくつになっても素敵なこと。厳しい現実、無慈悲な社会から少々はみだしても大丈夫。きっとヘヴィ・メタルがそんなあなたを丸ごと抱きしめてくれるから。
「特に日本のフォーク・ミュージックに多く見られるペンタトニック・ハーモニーを多用するのが好きなんだ!必要なときに、全体的な音楽体験に神秘的でダークな雰囲気を与えてくれると思う。また、シンガーとしても、Yama-B、坂本英三、森川之雄、小野正利など、日本の巨匠たちの激しさや情感にいつもインスパイアされているよ!」
そうして、Mika の歌うメロディは、ファンタジーのメッカ日本の音楽に触発されています。時代は変わり、今や日本のメタルは世界中から注目を浴びています。不滅のドラゴンロードたちが奏でる壮大なアンセミック・シンフォニー。ドラムの疾走感が、見事なシュレッドと複雑なギター・ワークに向かって、彼らの航海を前進させます。そう、その主役は、日本のメロディで育ったサー・ミカ・サロ卿。
実際このアルバムは、海賊からドラゴンに至るまで、素晴らしいファンタジー、冒険映画のサウンドトラックになり得るでしょう。剣に生き、剣に死ぬ。その彼らの華麗な剣技は、間違いなくいつも人生に寄り添ってくれた BLIND GUARDIAN や ANGRA、彼らから受け継いだパワー・メタルの血、祝福そのものなのです。
今回弊誌では Mikael Salo にインタビューを行うことができました。「メタル以外での僕の “ギルティプレジャー” は、最近80年代の日本の “シティポップ “だ。普段はYouTube Musicで様々なアルバムの曲を個別に聴いているんだ。杏里のこのアルバムはバンガーをたくさん収録しているので、間違いなく最近のお気に入りアルバムのひとつに挙げられる!”I Can’t Stop The Loneliness” と “Windy Summer” は、暗くて寒いフィンランドにいても、沖縄のビーチでくつろいでいるような気分にさせてくれるね(笑)」 二度目の登場!。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SERGIO VICTORIANO FROM VICTORIANO !!
“I Fell My Selfattracted By The Originality Of Japanese Music, The Way They Mix Many Styles Into One Piece, That’s Absolutely Outstanding, For Example I Really Like Acid Black Cherry, Cause They Have Songs In Different Styles, From Rock, Jazz, Ballad, Pop. etc…”
特大のお年玉。NEVERMORE が2025年に復活することを発表しました。ギタリストの Jeff Loomis とドラマーの Van Williams は、”Resurrecting The Dream(夢の復活)” と “A New Chapter Rises(新たな章の幕開け)” というフレーズを使用したティーザーを彼らの SNS ページで発表したのです。
「僕は自分たちを何かのカテゴリーに分類したことはないんだ。パワー・メタル、プログ・メタルと呼ぶかどうかもわからない。ただ、僕らの頭から飛び出したものだと思う。僕たちは、できる限りオリジナリティを出そうとしているだけなんだ。僕らがオリジナルに見えるという点では、多くの人を納得させることができると思う。普通のメタルバンドとはかなり違うサウンドだと思う- Jeff Loomis」
NEVERMORE は、プログレッシヴ・メタル界で最もユニークで前衛的でエモーショナルなバンドのひとつでした。1990年代初頭、シアトルのスラッシュ・ムーブメント、その灰の中から生まれた彼らはプログ・メタル、スラッシュ、陰鬱でアトモスフェリックな楽曲とメロディを融合させることでその個性を確立し、テクニカルな芸術性、深遠な歌詞、激しく感情を揺さぶる送葬の音楽でたちまち評判を確立しました。伝説的な両巨頭、Warrel Dane と Jeff Loomis のもと、バンドは新たなメタルの道を切り開き、後の世代にインスピレーションを与え、永遠の遺産を残したのです。
「確かに私たちは、今流行っているものを演奏しているわけではない。NEVERMORE の音楽はメロディックなエッジを持ったヘヴィ・メタルで、それこそが私たちが常に夢中になってきたものなんだ。多くのバンドが売れっ子になって、流行に乗っかっている。成功している大物バンドほど、軟化し、より受け入れられるようになっているように思えるし、自分たちが始めたときに信じていたこと全てに逆らっている。彼らは、自分たちがなりたくなかったものになってしまった。
だからメタルは停滞した。これからは、より多くのバンドが、自分たちのジャンルの中で、周りで起こっていることよりももっと独創的なサウンドで、違うことをしていくと思う-Warrel Dane」
NEVERMORE のルーツは、Warrel をリード・ヴォーカルに、Jim Sheppard をベースに迎えた1980年代後半のスラッシュ・バンド SANCTUARY に遡ります。SANCTUARY は、MEGADETH の Dave Mustaine がプロデュースした1988年のデビュー作 “Refuge Denied” でなかなかの成功を収めます。しかし、90年代初頭、グランジの台頭により、彼らのスラッシュ・メタル・スタイルはレコード会社から不評を買い、バンド内部も緊張状態に陥ることに。1992年に解散に至りました。
「僕はスウェーデンのバンドに夢中なんだ。特に MESHUGGAH!オフタイムのものとポリリズムが大好きなんだ。それ以外は、70年代の音楽、ジャズ、クラシック…… 16歳のときに MEGADETH のオーディションに挑戦したんだ。皮肉なもんだよ。彼らのような過激なバンドに入るには若すぎるけど、がんばればキラー・プレイヤーになれると丁寧に言われたんだ-Jeff Loomis」
Warrel と Jim はそれでも共に音楽を創り続けたいと考え、まだ10代だったギターの新星 Jeff Loomis と手を組み、メタルの限界に挑戦する新しいバンドを結成したのです。それが NEVERMORE でした。プログ・メタルの複雑さと実験性、スラッシュの激しさ、そして Warrel の送葬の旋律を融合させたサウンドを生み出すべく、彼らはドラマーの Van Williams と共に1992年に新たな旅に出たのです。
NEVERMORE は1995年、センチュリー・メディア・レコードからセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリース。このアルバムで彼らは、ヘヴィでグルーヴ感溢れるリフ、複雑怪奇なギターワーク、そしてデインの怪しくもオペラティックなボーカルというバンドの特徴的な組み合わせをお披露目しました。特に、”What Tomorrow Knows” や “Garden of Gray”, “C.B.F.” といった曲は、伝統的なプログ・メタルよりもヘヴィでダークでありながら、典型的なスラッシュよりもメロディアスで複雑な、バンド独自のスタイルをファンに知らしめました。
「トレンドは、私の好みからすると本当に平凡なんだ。ギターソロがある音楽の方が好きなんだ。今の時点では、それが NEVERMORE の使命かもしれないと思っている。クラシックなギター・ソロを復活させつつ、その中に現代音楽の要素を取り入れること。それをやり遂げるのに、ここに十分なギタリストがいるのは確かだ-Warrel Dane」
セカンド・アルバム “The Politics of Ecstasy” (1996年)のリリースで、彼らの音楽は新たな高みに達します。この作品で彼らは、実存主義、社会的操作、個人の自由といったテーマを、より力強く、テーマ性を重視した形で取り上げました。”Next in Line” や “The Seven Tongues of God” といった楽曲では、より凝ったソロや複雑なアレンジで Jeff の卓越したギター・スキルが開花します。後に CANNIBAL CORPSE で頭角を表すギタリスト Pat O’Brien も参加。
「とても親しかった人を亡くしたことがあったんだ。私は幸運にもその出来事を乗り越えて、前に進み、対処することができた。でも、私がここで触れたかったのは、人は時として、そのようなトラウマ的な経験を乗り越えることができず、基本的に一生を台無しにされてしまうこともあるということ。アウトプットはただそれを吐き出すための方法なんだ、ということが伝われば同じような問題を抱えた人たちの心に響いて、気持ちが楽になるかもしれない。これは奇妙な精神療法であり、私にとってはちょっとしたカタルシスなんだと思う-Warrel Dane」
そして、”Dreaming Neon Black”。1999年にリリースされたアルバムで、彼らはついに飛翔します。精神的な危機、悲しみ、喪失をテーマにした作品は、親しい友人の死のような Warrel の個人的な体験が、アルバムの陰鬱なトーンと重苦しい歌詞のインスピレーションとなり、批評家とファンの両方にアピールしたのです。”Beyond Within”, “The Death of Passion”, そしてタイトル曲 “Dreaming Neon Black” で彼らは、技術的な熟練と純粋な情熱、感情を結びつけることに成功します。しかし、ストーリーの結末は悲劇的。
「悲劇的な結末は、常に私が望んでいたことなんだ。憂鬱で暗い話だとは思うけれど、暗い題材を書く方が面白いんだ。エンディングはもっと明るいものにすべきだったと言われるけど、どうして?人生はいつもそうなるとは限らない。人生のちょっとした問題が悲劇的な結末を迎えることもある-Warrel Dane」
このアルバムは、恋人を失った男の狂気へのスパイラルを描いたストーリー。NEVERMORE が深く感情的でテーマ性のある複雑な音楽を生み出せるバンドであることを世界に知らしめました。Jeff が織りなす速度と旋律のイリュージョン、そして Warrel の不気味に印象的なストーリーテリングの脳裏は、NEVERMORE を最もアヴァンギャルドでしかしキャッチーなメタル・バンドのひとつに押し上げたのです。Jeff が振り返ります。
「まあ、間違いなく最高の作品だったよ。”Politics” とは少し違って、より歌に重点を置いた作品だと思う。かなり誇りに思っているよ。一番好きなのは、 “Deconstruction” で Tim のソロの前にやったフラメンコ・ギターだね。あれは本当にクールだった。あれは自然発生的なものだった。あの曲にいい色を加えてくれたと思う。”No More Will” のソロもそうだ。いろいろなタイム・チェンジがあるんだ。本当にクールだよ-Warrel Dane」
2000年の “Dead Heart in a Dead World” で彼らは新機軸を打ち出しました。をリリースした。7弦ギターの使用によって、より複雑な曲構成とメロディックな深み、劇場型の低音を追求し続けたこのアルバムは、彼らのスタイルに大きな変化をもたらしました。特に、The River Dragon Has Come”, “Narcosynthesis”, “We Disintegrate” など、複雑なリズム、高らかに歌い上げるヴォーカル、変化に富んだリフを含む曲では、Jeff の卓越したギター・ワークが主役の座を得たのです。
「”Dreaming Neon Black 2″ を作るのは簡単だったし、多くの人がそれを期待していたのかもしれない。でも、Chuck Schuldiner の不朽の名言を借りれば、 “人々は予想外のことを期待すべきだ” ということ。このバンドでは、人々が期待するようなことは決してしない。私たちは常に前へ進もうとしているし、レコードを出すたびに少し違ったものを作ろうと自分たちを駆り立てている。安全策を取ることもできたが、それのどこが楽しいんだ?安全策を取ることに楽しみはないと思う。メタルが境界線を本当に広げるべきなのであれば、安全策を取ることは正しいアプローチではないと思う」
このアルバムはさらに広く称賛を浴び、NEVERMORE を世界のメタル・シーンにおける脇役から主役へと引き上げました。同時に、実存的な恐怖、社会の腐敗、内面の混乱といった暗いテーマの探求は、リスナーの共感を呼び心を打ちました。実際、”Dead Heart in a Dead World” は、しばしば史上最高のプログレッシブ・メタル・アルバムのひとつとして挙げられ、プログ・パワーというジャンルを確立し、無数のバンドやミュージシャンに影響を与えたのです。
「この世界にいると、誰もが常に何かを与えようとしているし、人々は常にいろいろなクソを手渡してくる。酒やドラッグ。そしてシラフになると、現実それ自体が大きなドラッグになるんだ。”Enemies of Reality” にこんな歌詞がある。”現実ほど大きな麻薬はない”。これは麻薬中毒のときに書いたんだけど、皮肉なもんだね。他にも知ってる?私はいつもショーの前に少しの酒に頼っていたんだけど、ショー中に完全にシラフで歌っていると、ずっと歌がうまくなることがわかった。私は、バンドの他のメンバーもそうであるように、完全にめちゃくちゃな酔っ払いだった。でもこれまで散々飲んできたから、もし私が止めなかったら、これから生まれてくる若い子たちは何も飲めなくなる。だから今、誰かからウォッカのボトルを渡されるたびに、CHILDREN OF BODOM に渡しているんだ (笑)-Warrel Dane」
Van と Jeff からのオープンレター。
NEVERMORE のティーザーは、多くの肯定的な意見と、予想された否定的な意見を呼び起こした。私(Van )はまず否定的な意見に対処させてほしい。
ベーシストの Jim を巻き込まず、私たちの計画を知らせないのは失礼だと考える人もいる。でも、そう感じる人たちは、このバンドの歴史やこの決断に至った舞台裏の力関係を知らないんだ。最も理想的な方法ではなかったかもしれないが、現実には彼とのコミュニケーションは何年もなかった。
私たちは、新たなスタートのためには、もはや成長や新たな出発につながらないかもしれない関係から離れることも時には必要だと感じた。 私たちは、バンドのレガシーを尊重しながら、その時の私たちにとって正しいと思える方法で前進するつもりで、この決断を下したんだ。
とはいえ、私たちは彼の健康を祈っているし、彼がどんな道を選ぼうと自由だ。あまり詳しく説明するのはやめておくが、リスペクトは双方向のものであり、ある種のことは私たちにとって時間の経過とともに和解できないものとなった。私の人生の現時点では、これ以上説明する必要はないと思っているので、好きなように解釈してほしい。
なぜNEVERMOREを再結成するのかというと、単純な話、このバンドはずっと私の夢だったからだ。一緒にバンドをやる仲間を見つけて、世界中を旅しながら音楽を作ること。オーディションから加入が決まった瞬間まで、音楽、芸術、創造性、冒険、楽しみ、仲間意識の渦だった。
何年もの間、私たちは一緒に素晴らしい音楽と素晴らしい思い出を作った。しかし、時が経つにつれ、物事は制御不能になり、信頼、尊敬、そしてその喜びが消え始めた。
最終的な分岐点は、SYMPHONY Xとのヨーロッパ・ツアーの最後に訪れた。何年もかけて自分たちで最高のバンドを作り上げてきたのに、それを修正するために同じページに立つことができなかった。Jeff と私、そして Warrel と Jim は別の道を歩んだ。和解はなかった。Warrel はブラジルに行き、Jim はアラスカに引退し、連絡を取らないまま何年も過ぎた。
この間、妻が卵巣がんと診断され、私の私生活は壊滅的な状況に陥った。私たちは幼い息子のために平穏な日々を送れるようあらゆる手を尽くし、妻が快適に過ごせるよう最善を尽くした。
Warrel は時折ブラジルから電話をかけてきて、その際に優しい言葉を交わしたが、過去を消し去ることはできなかったし、ある種のことは変わっていないと言える。でと彼は2020年に他界してしまった。その喪失感は私と息子に大きな衝撃を与えた。私自身は、本当のことを言えば、昏睡状態から覚め始めたところだと感じていて、神に感謝しながら、ようやく光が見えてきたような感じだ。
暗黒の日々を乗り越え、私と家族を助けてくれた家族、親しい友人、そしてファンへの感謝の気持ちは、言葉では表せないだろう。辛い時期を乗り越えさせてくれて、本当にありがとう。
そんな中でも Jeff はいつも私の強力なサポーターであり続け、私たちの絆は深まった。時が経つにつれ、私たちは共に創作し、演奏する喜びを懐かしむようになった。NEVERMORE はその喜びの大きな一部であり、私はそれを非常に誇りに思っている。
これを “金目当て “だと言う人たちには、同意しかねる。ほとんどのミュージシャンは、お金のためにやっているわけではない。ただ好きだから、汗を流し、リハーサルをし、演奏し、レコーディングしてきた。これが私たちが人生で選んだことなんだ。音楽への情熱、ファンとのつながり、創造的なプロセス、それが私たちを突き動かしている。もしそこからお金が生まれるなら、それは素晴らしいことだけど、それが焦点になったことは一度もない。
Jeff と私は、Warrel と Jim がバンドにもたらしたものを尊重しつつ、新しい章を築く手助けをしてくれるミュージシャンを見つけることで、NEVERMORE の遺産を尊重したいと考えている。Warrel の代わりを探すことではない。それは誰にもできないことなんだ。しかし、彼の作品に敬意を払いつつ、新しいことに貢献できる人を見つけたい。私たちは、ファンが集まり、音楽を祝福し、あの素晴らしい歌詞を再び歌うチャンスを与えたい。そして願わくば、クラシックと肩を並べるような新しい音楽を作りたい。
Jim の状況が違っていればよかったのだが、過去が私たちをここまで連れてきてしまった。私自身はポジティブさとポジティブな人々に焦点を当てており、過去のネガティブな感情に絡め取られることは拒否するつもりだ。Jeff と私が適切なヴォーカリストとベーシスト、つまり遺産を尊重し、私たちとともに前進したいと思うミュージシャンを見つけることができれば、この新しい章は、私たちとともに来ることを選んだすべての人にとって、本当に特別なものになるだろう。これはカヴァー・バンドでもトリビュート・バンドでもなく、NEVERMORE と呼ばれるバンドの旗を掲げ、それを受け継いでいくことを決意したバンドの次の進化・章になるんだ。
またみんなに会えるのを楽しみにしているよ。
Van Williams
Van の発言に同意するよ。NEVERMORE の過去の歴史には、明らかに多くの浮き沈みがあった。Van と共にバンドの新たなレベルへと聖火を運びながら、良いことだけを覚えていたい。
私の心はいつも音楽、ツアー、パフォーマンスのためにある。この10~11年間、他のミュージシャンと一緒に演奏して素晴らしい時間を過ごしてきたけど、NEVERMORE は、僕がこれまでしてきたこと、そして創り上げてきた最高の音楽への個人的な入り口であり、これからもずっとそうあり続けるだろう。
誰も Warrel Dane の代わりにはなれない。それが結論。彼の興味深いメロディーとステージ上でのカリスマ性で、彼は詩的にも精神的にもバンドの大きな部分を占める力だった。だから彼のクローンを探しているわけではない。
私たちは、彼のヴォーカル・スタイルで古い NEVERMORE の曲を歌いこなせる人、そしてバンドの次の章に何か新しく新鮮なものを加えられる人を探しているんだ。明らかに、これは最も簡単なことではないだろう。
以上のことから、私たちは2人の並外れたミュージシャンを求めてWORLD SEARCHを行うよ。1人はメイン・リード・ヴォーカリスト、もう1人はベース奏者で、私たちの遺産を受け継いでくれる人。その後、2人目のギタリストのポジションも埋まりましたが、それについてはまた後日、別の更新で!
Jeff Loomis
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MILAN POLAK OF LETHAL X !!
“The First Time I Heard “Street Lethal,” I Was Completely Blown Away. The Guitar Playing, The Energy And Attitude Were Just Jaw-Dropping. And The Fact That Paul Was Only 18 Was Unbelievable And Incredibly Inspiring.”
DISC REVIEW “90 TONS OF THUNDER”
「初めて “Street Lethal” を聴いたときは、完全に衝撃を受けた。そのギター・プレイ、エネルギー、アティテュードには度肝を抜かれたよ。Paul が当時まだ18歳だったことも信じられないし、その音楽はあまりにも感動的だった。技術的にも、彼はその後数年間、僕が最も影響を受けた人物の1人となったね。RACER X の曲で一番好きなのは断然、 “Street Lethal” と “Scarified” かな」
RACER X の何が凄かったのか?その答えは “Paul Gilbert が凄かった” です。もちろん、のちの、BADLANDS のドラマー、JUDAS PRIEST のドラマー、MARS VOLTA のベーシスト、MR.BIG と THE SCREAM のギタリストを輩出した才能の宝庫であったこと。そして、スタジオ・アルバムではなく “Extreme Volume: Live” というライブ・アルバムで完成に近づいた、”ツインギターが舞い踊る究極で複雑なるスピード・メタル” の狂気。そのすべてが RACER X の魅力ではありました。
しかし、それでも RACER X は Paul Gilbert です。なぜなら、RACER X はすでに “Street Lethal” の時点で飛び抜けて凄かったから。この頃の Paul は、スピード・メタルの領域においてリフをいかに複雑に、テクニカルに、クレイジーに聴かせるかにすべてを注いでいた節があります。もはや、リードとリフの境目すら理解不能なネオ・クラシカルの極北。ここに齡わずか18歳でたどり着いていたのですから、その衝撃はまさに “90 Tons of Thunder” でした。
「その曲にインスピレーションを受けた Jeff が、完全なボーカル入りの曲を送り返してくれて、”90 Tons Of Thunder” が誕生したんだ。実際、Jeff はとても感激して、もっと曲を書いて、RACER X のファースト・アルバム “Street Lethal” へのオマージュ作品をバンド名 ”Lethal X” で作ろうと提案してきた。そうしてアイデアを交換し始め、何曲か作った後、ユニークな化学反応が起こり、アルバムが独自の野獣になることがはっきりしたんだ」
そして、当時の Paul Gilbert に90tの雷ほどの衝撃を受けた男が今、彼の偉業を引き継ぎます。Milan Polak。知る人ぞ知る、遅すぎた元シュラプネル系ギタリスト。”Guitar Odyssey” は、例えば Bumblefoot や Buckethead のような多様でカラフルで好奇心を激しくくすぐるギター・インストの名品ですし、後に Randy Coven, John Macaluso を従えてスタートした歌モノの作品群も Mark Tremonti のソロくらいは認知を得てもおかしくない素晴らしさ。だからこそ、ついに彼がここで陽の目を浴びる、しかも彼が敬愛する Paul Gilbert の後継バンドでという筋書きはあまりにもドラマティック。まさにメタルの回復力。
Paul Gilbert (になぜか Billy Sheehan まで) はこのアルバムにゲスト参加をしていますが、今の彼がこうした音楽をパーマネントにやることはおそらくないでしょう。Scott Travis も、John Alderete も、Bruce Bouillet もきっと戻りませんし戻れません。だからこそ、彼らはこのメンバー、この名前、この音楽で “Street Lethal” と今の狭間でアクセルを踏み抜きます。
もちろん、私たちは Jeff Martin のあの声を聴けば、懐かしさに包まれます。バンドが GIT で産声をあげたころのドラマー Harry Gschoesser も健在。うれしいことに、ベースは Mark Szuter が務め、Milan もフレキシブルなギターワークで作品に貢献。そうして、Paul Gilbert の人脈で集められた新たな RACER X、”LETHAL X” は、ほぼ全員が歌える楽器の名手という奇跡的なメタル・バンドとして再生したのです。
今回弊誌では、Milan Polak にインタビューを行うことができました。「多くの RACER X ファンが驚くと思うよ。Mike はとても才能のあるミュージシャンで、素晴らしいシンガーだ。アルバムでは Jeff と僕がすべてのバッキング・ボーカルを担当したけど、ライブでは必ず Mike が参加してくれる。僕たち3人の歌のDNAが合わさることで、とてもユニークなサウンドが生まれると思う」 アルバムは、来年の1/15に MARQUEE/AVALON よりリリース!どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH THALIA BELLAZECCA OF PRIMAL FEAR !!
“Power Metal Is Like You Go Back To Childhood And Imagine Yourself Riding Eagles And Killing Enemies, Being a Hero Or Becoming The Dark Evil Guy That Wants To Conquer The World.”
PRIMAL FEAR
「PRIMAL FEAR だと、”Rulebreaker” は特に気に入っているアルバムだし、その中の “Bullets & Tears” という曲が特に好きな曲ね。バンドの中で私は本当に若いけれど、子供の頃にメタルが好きになった80年代、90年代のシュレッディなソロをもっと出したい。彼らの全アルバムに収録されているパワフルでヘヴィなパワー・リフはそのままにね」
Kiko Loureiro, Joe Satriani, Steve Vai, Guthrie Govan, Paul Gilbert, Andy Timmons, Marty Friedman, Jason Becker, Yngwie Malmsteen など、数え切れないほどのギター・ヒーローたちから多大な影響を受けた左利きのニュー・ヒロインは、イタリアの FROZEN CROWN で名を上げ、Angus McSix との共闘で刃を研ぎ澄まし、そうして遂に独パワー・メタルのベテラン PRIMAL FEAR へとたどり着きました。
Tom Naumann と Alex Beyrodt。Matt Sinner の心臓 SINNER を原点とするふたりのギタリストは、PRIMAL FEAR でもその実力を余すところなく発揮して、バンドの強靭なリフワークと華々しいシュレッドを鋭利な刃物のように研ぎ澄ませてきました。彼らの脱退は PRIMAL FEAR にとって当然大きな損失でしたが、バンドはロックとサルサで育った異色のメタル・ウーマン Thalìa Bellazecca と、達人として名高い Magnus Karlsson を引き入れることでさらなる高みを目指すことになりました。
「Angus McSix でこの役を “コスプレ” できて、とても嬉しいし光栄よ。リーグ・オブ・レジェンド(大好きで今でもプレイしているゲーム)やアニメのおかげで、いつもコスプレをもっと掘り下げてみたいと思っていたんだけど、残念ながら時間がなかったんだ。コスプレって自分を象徴する分身を持つようなもので、より自分に自信を持ち、自分の行動やあり方に誇りを持つことにも役立っていると思うの」
ファンタジーをテーマとするパワー・メタルの世界において、役を演じる “ロール・プレイ”、そして役になりきる “コスプレ” は、暗く煩わしい日常から離れ異世界へと旅立つためにとても重要な “ツール” なのかもしれませんね。Thalìa はそのコスプレというツールを、パワー・メタルの世界で誰よりも巧みに使いこなします。GLORYHAMMER を追われた Angus McSix との共闘では、カレドニアのレイザー・アマゾンの女王を演じて喝采を浴びました。
しかし、実際のコスプレだけではなく、彼女はさまざまな “ペルソナ” を現実世界でも演じています。自身の人気 YouTube チャンネルを運営し、ヘヴィ・ミュージックとロック全般に対する彼女のスキルと情熱を紹介したと思えば、なんとモデルの領域にも進出。彼女のゴージャスな写真は、ミラノのPERSONAの公式インスタグラムで確認できますが、とにかく自身の “分身”、自身の才能をいくつも揃えることで、彼女は自信を携え、パワー・メタルの栄光に向かって邁進することができるようになったのです。
「パワー・メタルは、誰にでもある現実や嫌なことから逃避するのに役立っているの。それに、パワー・メタルは本当に楽しいジャンルだし、すべてのバンドが何かのキャラクターのコスプレをすることで、さらにエンターテイメント性が増す。まるで子供の頃に戻って、自分がワシに乗って敵を殺したり、ヒーローになったり、世界を征服しようとする暗い悪者になったりするのを再び想像することができるのよ」
大人になって、子供のころのように異世界への想像を膨らませたり、空想のキャラクターになりきることはそうそう許されることではないでしょう。しかし、Thalìa のような自信と才能に満ちたアーティストが先陣を切って、パワー・メタルの楽しさ、エンターテイメント、そして逃避場所としての優秀さを広めてくれたとしたら…私たちはためらいなく、エルフやドワーフ、もしくは侍になりきって、子供のころのように煩わしい日常を忘れられる “エンパワーメント・メタル” に浸ることができるのかもしれませんね。
今回弊誌では、Thalìa Bellazecca にインタビューを行うことができました。「デスノート、エヴァンゲリオン、デス・パレード、デッドマン・ワンダーランド、それにスタジオジブリの全作品が大好きよ。音楽なら、BAND-MAID, ALDIOUS, NEMOPHILA, LOVEBITES, MAXIMUM THE HORMONE, NIGHTMARE, それに TK from 凛として時雨。ゲームなら、ベヨネッタ、どうぶつの森、スーパーマリオ(特にギャラクシー)全部、Bloodborne、Ghost of Tsushima、大神。もともとファンタジーやSFのゲーム、映画が好きだったので、日本に行って、それがストリートでも受け入れられているのを見て、日本がもっと好きになったのよね」 どうぞ!!
“At The Beginning I Was a Little Upset, After All, I Was a Big Part Of The Helloween’s History, I Wrote a Lot Of Songs. But I’m a Fatalist, I Believe That Everything That Happens In This World, Everything Happens For The Best.”
DISC REVIEW “MASTER OF THE RINGS”
「”Master of the Rings” は、新しい HELLOWEEN のラインナップによる素晴らしいアルバムだ。バンド・メンバーやレコード会社の不安定な状況が何年も続いた後、僕たちは再び少し自由を見つけ、再び素晴らしいパワー・メタル・アルバムを作ることができた。僕たちもファンも幸せだった。振り返れば、実に素晴らしい時代だったね」
ここ日本で、いや世界中で、90年代のメタル・キッズをメタルへと誘った HELLOWEEN の傑作 “Master of the Rings” から30年。四半世紀以上の時を経ても、このアルバムが色褪せることはなく、素晴らしく時の試練に耐えています。それはきっと、”Master of the Rings” が、メタルの持つ逆境からの “回復力” と共鳴したから。実際、この前年、HELLOWEEN は崩壊の危機に瀕していました。
「僕は Weiki に、日本で “Chameleon” の曲(アコースティックな曲も多かった)を演奏した時、ファンが僕の前で泣いていたと言ったんだ。そして、”Keeper 1+2″ のような昔のスタイルに戻るべきだとも言った。彼は納得していたよ。それから数ヶ月して、Andi がバンドに加わった。彼も僕と同じことを言って、なぜ “Chameleon” のようなアルバムを作ったんだい?と尋ねていたね。とにかく、Uli と Andi がバンドに加わったことで、僕らの進むべき方向はまたひとつになったんだ」
“Master of the Rings” がリリースされる前年、HELLOWEEN が発表した “Chameleon” という文字通りカラフルなアルバムは大きな失敗と受け止められました。典型的なメタル、HELLOWEEN らしいパワー・メタルを捨てて、ポップな実験を試みたこのアルバムは、あまりに早すぎたのかもしれませんね。今聴けば、その多様性や芳醇なメロディが好奇心をそそる好盤にも思えますが、ステレオタイプは当時あまりに大きな壁でした。
「素晴らしい気持ちと同時に悲しい気持ちもあった。Ingo は病気だったし、僕らには本当にそうする以外選択肢がなかったんだ。一方で、Michael はポップ指向に傾倒していて、メタル・ミュージックにはもう興味がなかった。Andi と Uli は、ちょうどいいタイミングで適切なメンバーだったんだ」
さらに、HELLOWEEN の顔ともいえた Michael Kiske と Ingo Schwichtenberg の脱退は、負の連鎖に拍車をかけることとなります。しかし、心の病に侵された Ingo、そしてメタルに興味を失った Kiske がバンドを続けることは不可能でした。そして救世主となったのが、Andi Deris と Uli Kusch だったのです。
“Master of the Rings” は、あまりに印象的なドラム・フィルをイントロとする強烈な2つのスピード・チューンでその幕を開けます。実際、このドラム・フィルに心を奪われてメタルに誘われたファンも少なくないはずです。加えて、ガチガチのツイン・ペダルで暴風のように疾走する開幕の二撃。Uli の個性とインプットは、明らかにこの作品の見せ場となりました。
そして何より、Andi Deris の旋律。哀愁。高揚。激情。楽曲毎にコロコロと、猫の目のようにその色を変える Andi の感情は、ヘヴィ・メタルの強みを完璧なまでに代弁していました。
“Perfect Gentleman” で笑い、”Secret Alibi”で疼き、”In the Middle of Heartbeat” で咽び泣く。”Game is On” で初代ゲームボーイとのシンクロを楽しみ、”Mr.Ego” で素晴らしくも憎らしい Michael Kiske を偲ぶ。Andi の歌う新たな HELLOWEEN のアルバムには、明らかに、人の心に寄り添うヘヴィ・メタルの生命力が見事に吹き込まれていました。そして同時に、この作品には HELLOWEEN 史上最も理知的な整合感を極めたソング・ライティングとリフワークが備わっていたのです。何という復活!私たちはこの作品を聴いて、暗闇にもいつか光が射すことを教わりました。多くの困難は克服できると学びました。
「彼らのことを思えば満足だ。僕は招待されなかったから、再結成には参加していない。そう、最初は少し動揺したんだ。何しろ、僕はバンドの歴史の大きな部分を占めていたし、たくさんの曲を書いたからね。でも僕は運命論者で、この世で起こることはすべて最善のために起こると信じている」
“まだいける。俺たちはまだまだいけるんだ!”。30年前、アルバムに誰よりも力強い “Still We Go” を提供し大復活の立役者となった Roland Grapow はしかし30年後、HELLOWEEN の過去と未来をつなぐ大集結 PUMPKINS UNITED に呼ばれることはありませんでした。あの名曲 “The Chance” や “Someone’s Crying”, “Mankind” を作曲したにもかかわらず。
ある意味、これもまた大きな壁であり痛みなのかもしれません。しかし、”負けヒーロー” となった Roland は腐ることなく現在のメンバーたちにエールを贈ります。これぞまさに、ヘヴィ・メタルの寛容さ、包容力。音楽業界への失望を克服し、前を向いた Roland はこれからもまだまだ “いける” のです。
今回弊誌では、Roland Grapow にインタビューを行うことができました。「Weiki と僕がギターの腕前を競い合ったことは一度もなかった。Weiki はそのことについていつもクールだったからね。僕はただ、ギタリストとしてのスキルを少しでも伸ばしたかったんだ」 30年…Roland のお気に入り、”Dark Ride” の評価が海外で爆上がりしているのも面白いですね。どうぞ!!
“Honor. Power. Glory.” Sums Up All The Fun, Silly And Awesome Things About Power Metal That We Love. Something That’s Really Important To Us Is To Do Things That Are a Little Crazy And Over The Top, Like In Pro Wrestling!”