EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BRANDON IACOVELLA OF LUNAR CHAMBER !!
“日本はね…私にとって信じられないぐらい夢みたいなところなんですよ。人生と考え方に大影響を受けて、美しい思い出も出来ました…本当に本当に言葉で表現出来ません。今までで一番お気に入りの場所です!”
DISC REVIEW “SHAMBHALLIC VIBRATIONS”
「Tomarumは普通に Progressive Black Metal をしてて、したことないもっとヘヴィな Progressive Death Metal をしたかったんです。お気に入りの Death Metal バンドを尊敬しながら自分のサウンドを作りたかったんです!」
“Shambhallic Vibrations” はプログレッシブでテクニカルなデスメタルのファンにとって、まさに天啓です。ブルータルでありながら静謐、エピックでありながら親密、難解でしかしスピリチュアルなデスメタルが、煌めきとヘヴィネスを伴って届けられる涅槃。
新進気鋭、アトランタのプログ・ブラック集団 Tómarúm の中心メンバー Brandon Iacovella と Kyle Warburn が Timeworn Nexus と They, Who May Not Be Perceived というペンネームで始めたバンドには、フレットレス・モンスターThomas Campbell、BENIGHTED のドラム・マシン Kévin Paradis という異才が加入して LUNAR CHAMBER の名乗りをあげました。
彼らのスピリチュアルな広がりと深みのあるブルータリティーは、現代のシーンに真の類似品がなく、その豊かできめ細かな質感は、フレットレス・ベースとスペーシーなシュレッドの綺羅星によって殊更際立つものとなっています。そのアプローチ、テクニック、トーン、そして影響の数々はあまりにも無数で、むしろすべてが一体となっていることさえ不思議なくらいですが、そこには、日本や仏教、東洋哲学に由来する調和の精神が大きく作用していました。
「若いころからヒンズー教と仏教に興味があって、歌詞とテーマを作りたかった時にその興味を思い出して、日本に住んでいた時とどのぐらい人生が変われたのかも思い出して、そのテーマについて書きたくなったんです」
実はコロナ禍以前、Brandon は日本が好きすぎて来日し、翻訳家を目指し学生として台東区で2年ほど暮らしていました。そこで日本の人たちと触れ合い、価値観や生き方を理解し、日本文化を受け入れることで彼の人生は大きく変わっていきました。争いよりも調和を、欲望よりも悟りを求める生き方は、そうしていつしか Brandon の創造する音楽へと憑依していったのです。
「日本のメタルシーンはめっちゃ凄くて、大好きです。Lunar Chamber の元々のドラマーは Temma Takahata なんですよ! Strangulation, 死んだ細胞の塊、Fecundation、等々のドラマーです!本当に凄いドラマーなんで、彼のバンドと他の友達のバンドも何回も見に行って、本当に大光栄でした。日本のシーンにも大影響を受けました。Desecravity, Viscera Infest, Anatomia, 等々も見ることが出来て、あれもかなりインパクトがありましたね。日本の音楽と言えば確かに Desecravity, Viscera Infest, Strangulation, 死んだ細胞の塊, Crystal Lake, Disconformity, 明日の叙景とかを考えますよね」
アルバムのフィナーレを飾る12分の “Crystalline Blessed Light Flows… From Violet Mountains into Lunar Chambers” は、今年のメタル界で最も注目すべき成果の1つかもしれません。シンセを多用した神秘的なオープニングから、巨大なフューネラル・ドゥームの睥睨、荘厳でマントラのようなメロディ、地響きのブラストと鋭く研ぎ澄まされたギター、瞑想的な静けさと地を這う重量の邂逅、そして到達する涅槃まで、すべては “菩提樹” で見せた印象的なモチーフとハーモニーをさながら経のように貫徹して、絶妙な結束を保持しているのです。
さらに言えば、LUNAR CHAMBER の体には、日本のメタル・シーンの “細胞” が組み込まれています。死んだ細胞の塊、明日の叙景、CRYSTAL LAKE といった現代日本のメタル世界を象徴するような多様性をその身に宿した LUNAR CHAMBER の “調和” は、その東洋思想と相まって、すべてが祇園精舎の菩提樹へと収束していきます。
今回弊誌では、Brandon Iacovella にインタビューを行うことができました。ほとんどの回答を日本語で答えてくれました。「仏教のメタルは、ある人にとっては間違いなく逃避の手段になり得ると思う。自分の音楽で物語を作るのが好きだし、この作品には内省的なところもあるから、誰かが自分の現実や心を探求し、私たちの物語に共感し、慰めを得ることができたら、それは私にとって大きな意味があるんだよ」 どうぞ!!
LUNAR CHAMBER “SHAMBHALLIC VIBRATIONS” : 10/10
INTERVIEW WITH BRANDON IACOVELLA
Q1: こんにちは、Brandon! あなたが日本に住んでいたと聞いて驚きましたよ!
【BRANDON】: こんにちは、Sinさん!このインタビューしてくれて本当にありがとうございます。めっちゃ楽しみにしてます! 初めて日本にあるウェブ雑誌とインタビューすることができて、大光栄です!そして初めて日本語でのインタビューです! 時々英 語に変えるかもしれません、ごめんね!
そうですね! 二年間ぐらい東京都の台東区に住んでて、日本語学校に通っていました! 元々翻訳の仕事をしたい!と言う感情で日本語学校を初めて日本に行ったんですけど、 COVID19が始まった時にアメリカに戻って (カナダ人なんですけどアメリカで成長して今も住んでいます)、料理の仕事をメインにしました。まだ日本語を勉強していますけど、ツアーの為には料理のスケジュールの方が優しいですね。翻訳の仕事があってもするかどうかまだ分かりません …
Q2: 日本語も本当にお上手ですよね!あなたにとって、日本はどんな場所ですか?
【BRANDON】: おお、ありがとうございます! 実際、帰国してから日本語の能力が本当に減ってしまって…リハビリめっちゃ必要ですよ!ハハハ!
日本はね…私にとって信じられないぐらい夢みたいなところなんですよ。人生と考え方に大影響を受けて、美しい思い出も出来ました…本当に本当に言葉で表現出来ません。今までで一番お気に入りの場所です!関東地方だけ経験出来たけど、戻る時に他の地方と県もめっちゃ訪ねたいですよ!
Q3: By the way, were you involved with the Japanese metal scene? Do you have any other favorite Japanese music, anime, and video game?
【BRANDON】: 少しだけですね!日本のメタルシーンはめっちゃ凄くて、大好きです。Lunar Chamber の元々のドラマーは Temma Takahata なんですよ! Strangulation, 死んだ細胞の塊、Fecundation、等々のドラマーです!本当に凄いドラマーなんで、彼のバンドと他の友達のバンドも何回も見に行って、本当に大光栄でした。日本のシーンにも大影響を受けました。Desecravity, Viscera Infest, Anatomia, 等々も見ることが出来て、あれもかなりインパクトがありましたね。
日本の音楽と言えば確かに Desecravity, Viscera Infest, Strangulation, 死んだ細胞の塊, Crystal Lake, Disconformity, 明日の叙景とかを考えますよね。
I’m going to switch to English for a little bit! I also like what I’ve heard from Yukihiro Takahashi and Osamu Kitajima. To be honest I’m still quite the amateur when it comes to Japanese media as I focused a lot of my time into studying Japanese when I was there, but I’m always wanting to expand my knowledge of Japanese bands and music, so if anyone out there knows of any other really sick Japanese metal or music, I’m all ears.
With anime and games it’s kind of the same thing. I’m a bit of an amateur due to my obsession with the language taking over, but I absolutely love what I’ve seen and played hahah. There are so many that I’ve heard I *need* to watch, but, Naruto, Bleach, Attack on Titan, Demon Slayer, Dragonball Z (still need to finish it) and Fullmetal Alchemist are all favorites of mine. And then for games I’ve only really played Pokemon, Mario, a little bit of a few Dark Souls games, a bit of Castlevania, and a few of the Final Fantasy games. There is so much more I want to explore in the music, anime, and game realm of Japanese media. I love it all so much!
Q3: 当時、日本のメタル・シーンと接点はあったのでしょうか?アニメやゲームなどの日本文化についてはどう思っていますか?
【BRANDON】: 少しだけですね!日本のメタルシーンはめっちゃ凄くて、大好きです。Lunar Chamber の元々のドラマーは Temma Takahata なんですよ! Strangulation, 死んだ細胞の塊、Fecundation、等々のドラマーです!本当に凄いドラマーなんで、彼のバンドと他の友達のバンドも何回も見に行って、本当に大光栄でした。日本のシーンにも大影響を受けました。Desecravity, Viscera Infest, Anatomia, 等々も見ることが出来て、あれもかなりインパクトがありましたね。
日本の音楽と言えば確かに Desecravity, Viscera Infest, Strangulation, 死んだ細胞の塊, Crystal Lake, Disconformity, 明日の叙景とかを考えますよね。
ここでちょっと英語に切り替えてみようと思う。高橋幸宏さんや喜多嶋 修さんの音楽も好きだよ。正直なところ、日本の音楽について私はまだまだ素人なんだ。でも、日本のバンドや音楽の知識を増やしたいと思っているから、日本のメタルや音楽を知っている人がいたら、ぜひ教えてくほしいね!
アニメやゲームも同じようなものかな。私は日本語に夢中になっているから、少しアマチュアだけど、自分が見たもの、プレイしたものは絶対に好きかな!ハハハ!見なきゃいけないと思った作品はたくさんありますが、NARUTO、BLEACH、進撃の巨人、デーモン・スレイヤー、ドラゴンボールZ(まだ全部は見ていない)、鋼の錬金術師は大好きだよ。ゲームでは、ポケモン、マリオ、ダークソウルを少し、悪魔城ドラキュラを少し、ファイナルファンタジーを少しプレイしたことがあるだけなんだ。音楽、アニメ、ゲームなど、日本のメディアにはまだまだ探検したいものがたくさんあるよ。そして、私はそのすべてが大好きなんだ!
Q4: それにしても、”Shambhallic Vibrations” は素晴らしい作品ですね!今年聴いた所謂 “プログレッシブ・デスメタル” の中では断トツの出来ですよ!あなたと Kyle がブラックメタル寄りの TOMARUM のメンバーでもあることはもはや公然の秘密ですが、なぜ別のプログレッシブ・デスメタル・バンドを立ち上げようと思ったんですか?
【BRANDON】: ありがとうございます! そうですね…Tomarumは普通に Progressive Black Metal をしてて、したことないもっとヘヴィな Progressive Death Metal をしたかったんです。お気に入りの Death Metal バンドを尊敬しながら自分のサウンドを作りたかったんです!
Q5: アルバム・タイトルや楽曲名を見れば、この作品が仏教や東洋思想を軸にしていることは明らかですね?
【BRANDON】: 若いころからヒンズー教と仏教に興味があって、歌詞とテーマを作りたかった時にその興味を思い出して、日本に住んでいた時とどのぐらい人生が変われたのかも思い出して、そのテーマについて書きたくなったんです。
Q6: アートワークのお寺は、どうみても金閣寺ですよね?
【BRANDON】: あー、そうですね!百パーセント金閣寺じゃないんですけどアートのコンセプトを考えた時に金閣寺とか他の寺とかを考えて Moonroot にそのアイデアをあげました。実際、金閣寺に行ったことないんですけど本当に行きたいですよ!
Q7: Pandemics, wars, etc., the world is now shrouded in darkness. Buddhist heavy metal seems very appropriate as a place of salvation and escape in times like these, would you agree?
【BRANDON】: もう一回英語に戻ります! I think it can definitely be an escape for some people. I’ve always liked making stories with my music and also being quite introspective, so if someone else can also explore their own reality and mind, relate to our stories, but also find solace, that means a lot to me.
Q7: 戦争やパンデミックの時代に、仏教のメタルは逃避場所や救いとして完璧な気がしますね。
【BRANDON】: もう一回英語に戻ります!仏教のメタルは、ある人にとっては間違いなく逃避の手段になり得ると思う。自分の音楽で物語を作るのが好きだし、この作品には内省的なところもあるから、誰かが自分の現実や心を探求し、私たちの物語に共感し、慰めを得ることができたら、それは私にとって大きな意味があるんだよ。
Q8: 12分のクローザーには圧倒されましたよ!CYNIC, DEATH のようなオールドスクールから、近年の BLOOD INCANTATION, VOIDCEREMONY, それに作品のマスタリングを手がけた Colin Marston の作品群が一斉に襲い掛かるような完璧なプログデス・チューンですね?
【BRANDON】: ありがとうございます!そうですねそのバンドのほとんど全部が大影響なんです。 Lunar Chamberの曲を作る時にあのバンドのような凄い雰囲気を作ろうとしてます!もちろ ん他のお気に入りバンドも影響を受けますよね。
FIVE ALBUMS THAT CHANGED BRANDON’S LIFE!!
もちろん!このアルバム以外めっちゃ影響を受けた他のアルバムもあるんだけど、
Augury “Fragmentary Evidence”
Chthe’ilist “Le dernier crépuscule”
Caladan Brood “Echoes of Battle”
Arckanum “Kostogher”
Solar Fields “Mirror’s Edge Catalyst OST”
あああ難し!ハハハ、これ以上いっぱいあります!