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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PALLBEARER : FORGOTTEN DAYS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOSEPH D. ROWLAND OF PALLBEARER !!

“I Do Have a Great Love For The Bands Who Shifted Into Something Not Quite Prog, Not Quite AOR. Asia, And 80s Rush Are a Great Example Of That.”

DISC REVIEW “FORGOTTEN DAYS”

「KING CRIMSON や URIAH HEEP, MAGMA といったバンドは、たしかに現在のドゥームに通じている部分があると思う。そして重要なのは、個人的に僕は今日のどんなバンドより遥かに大きなインスピレーションを、そういったバンドから継続的に得ていることなんだ。」
多様化、細分化が進行するモダンメタルの時代において、フューネラルドゥーム、エピックドゥーム、ドゥーム/ストーナー、ゴシックドゥームとその陰鬱な墓標を拡散するドゥームメタルの新たな埋葬は大きなトピックの一つです。
中でも、PALLBEARER 以前、PALLBEARER 以降とまで区分けされるモダンドゥームの棺付き添い人は、愛する70~80年代のプログロックから受け継いだ仄暗き哀愁や知性を伴いながら、プログレッシブドゥームの扉を開けました。
「僕たちは常に変化と進化を第一の目標の一つとして進んできたよ。だから、純粋な続編となるような、似たようなレコードは一つもないはずなんだ。」
PALLBEARER が2017年にリリースした “Heartless” はプログレッシブドゥームのまさに金字塔でした。さながら幾重にも織り込まれた闇のタペストリーが寄り集まるように、繊細で複雑で装飾豊かに設計されたドゥームの聖堂では、その荘厳故に幾度も訪れることを義務付けられたプログとドゥーム、オルタナティブ、そしてクラシカルの宗派を超えた礼拝を司っていたようにも思えます。ただし、真のプログレッシブとは一箇所に留まらず、変化と進化を重ねること。
「僕たちは複雑さや装飾性を自分たちが納得するまで追求してきたんだけど、その領域を離れてもっと広い意味でのエモーショナルなもの、自分たちにとっては違うインパクトのあるものを作りたかったんだ。」
バンドの中心 Joseph D. Rowland は、デビュー作 “Sorrow & Extinction” 製作時に愛する母を失いました。その感情の解放は、10年という時を経て家族をテーマとした “Forgotten Days” に降り注ぐこととなりました。
母の死という喪失が自らをどう変化させ、形成したのか。山ほどの後悔と内省、そして人生における選択の重さをドゥームに認めた作品は、明らかに以前よりダイレクトで、生々しく、そして重苦しく、エモーショナルです。
「僕はね、完全にプログレではなく、完全にAORでもないものにシフトしていったバンドをとても愛しているんだよ。ASIA や80年代の RUSH はまさにその良い例だと思う。」
壮大な組曲の後に素知らぬ顔でポップソングを収録する。クラッシックロックにシンセサイザーや電子の実験を持ち込んでみる。Joseph の言葉を借りれば、プログレッシブから芸術的なやり方で王道に回帰する。過渡期のロック世界に花開いた得体の知れない徒花は、エリック・サティーやグレゴリオ・アレグリといったクラッシックの音楽家と同様に Joseph の内側へと浸透しています。典型からの脱出。そもそもロックとは得体の知れない何かを追い求めることなのかもしれませんね。
実際、これまで交錯した音の樹海を旅してきた PALLBEARER にとって、このレコードは “Asia” であり、”Big Generator” であり、”Moving Pictures” なのかも知れません。オープニングを司る “Forgotten Days” は王道のドゥーム世界へと回帰しながら、即効性と中毒性の高いキャッチーな旋律でリスナーを憂鬱のノスタルジアへと誘います。一方で、KING CRIMSON の “Fallen Angel”, “Starless”, そして “Epitaph” の叙情をドゥームへ繋げた “Silver Wings” はバンドのプログレッシブな哲学を伝えますが、それでも以前より実にオーガニックかつ濃密です。
SUNN O))) や EARTH を手がけた Randall Dunn のアナログでライブ感重視のセンスが、PALLBEARER の新たな旅路のコンパスとなったことは確かでしょう。ハイライトは閉幕の2曲。凍てつくような厳寒に美麗を織り交ぜた “Rite of Passage” では、Brett Campbell が Geddy Lee と Alex Lifeson の一人二役をこなしながらエピックドゥームの進化を提示し、DEPECHE MODE のポストパンクを咀嚼した “Caledonia” を自らの進化の証とするのです。
今回弊誌では、Joseph D. Rowland にインタビューを行うことができました。「YES の楽曲 “Big Generator” には信じられないほどヘヴィーなギターリフが入っているんだ!もちろん、プロダクションの選択やサウンドの中には、今では少し時代遅れと思われるものもあるかもしれないけれど、僕は PALLBEARER とこの曲の間にとても親近感を覚えているんだよ。」 どうぞ!!

PALLBEARER “FORGOTTEN DAYS” : 9.9/10

INTERVIEW WITH JOSEPH D. ROWLAND

Q1: From the Corona crisis to Black Lives Matter, and big climate change, this world is going through a turbulent time right now. And we lost even Eddie Van Halen. First of all, what’s your perspective about the situation?

【JOSHPH】: It’s a tumultuous year, much more than most would have suspected, although a lot of what has caused chaos has been more of an inevitably than sheer chance. The threat of a global pandemic has been looming, and racism and populism has been on the rise quite a bit in the recent past, so while it’s been difficult to deal with the fallout all at once, it was bound to happen at some point. The death of Eddie Van Halen is a quite a blow however.

Q1: コロナ危機から Black Lives Matter、そして気候変動が引き起こす災害と、世界は激動の時を迎えています。そして、私たちは Eddie Van Halen まで失いました…

【JOSHPH】: 今年は本当に波乱万丈の年で、想像していたよりもはるかに多くのことが起こったよね。だけど、混沌とした状況を引き起こした多くの要因は、偶然というよりも必然的なものだったんだ。
世界的なパンデミックの脅威が迫ってきていて、人種差別やポピュリズムも最近かなり増長しているよね。それにしても、エディー・ヴァン・ヘイレンが亡くなるなんて凄くショックで大きな喪失だよ。

Q2: As you can tell from the artwork, “Forgotten Days” seems to be a family-themed album, doesn’t it? While you were working on “Sorrow and Extinction”, Joseph’s mother died.It’s been 10 years since then, but there seems to be a connection between “Forgotten Days” and the first album, would you agree?

【JOSHPH】: Yes, although tied together more through the fabric of reality than a direct connection lyrically. It’s not a follow-up in that sense. Forgotten Days, in part, centers on the locus that influenced the formation of the band, the direction of Sorrow & Extinction and the trajectory that all of that pushed me in during the past decade plus.

Q2: アートワークを見れば、最新作 “Forgotten Days” が家族をテーマとしたものだと想像できます。
デビュー作 “Sorrow And Extinction” は、制作中にあなたの母が亡くなり、その悲しみを投影した作品でした。あれから10年を経て、デビュー作との繋がりを感じられる作品にも思えますが?

【JOSHPH】: そうだね、歌詞の面では直接的なつながりというよりは、実在の織物 (構造的に)で結ばれているという感じだけどね。そういう意味では、単なるフォローアップの作品というわけではないよね。
“Forgotten Days” は、バンドの結成に影響を与えた場所、”Sorrow & Extinction” の方向性、そしてこの10年以上の間に僕を押し進めてきた軌跡を、ある程度は中心にして製作されたと言えるだろうな。

Q3: The lockdown has allowed many of us to spend more time with our families. Oddly enough, was the family-themed “Forgotten Days” also influenced in some way by this pandemic?

【JOSHPH】: No, the album was fully completed and committed to tape well before the pandemic was here. I do think some of the topics and feelings it addresses can be reflected in our current condition, but that’s merely happenstance.

Q3: ロックダウンによって、家族と過ごす時間が増えた人も多いでしょう。皮肉にも、”Forgotten Days” がそういった意味で、このパンデミックに触発された部分はあったのでしょうか?

【JOSHPH】: いや、このアルバムはパンデミックが襲ってくるずっと前に完全に完成していて、テープに収められていたんだよ。扱っているテーマや感情のいくつかは、たしかに現在の状況を反映していると思うんだけど、それは単なる偶然に過ぎなかったんだ。

Q4: The last album, “Heartless”, was the kind of thing we had to listen to over and over again to understand its true value, but “Forgotten Days” is simpler and more immediate, direct, right? What made you change the direction?

【JOSHPH】: We have always made change and evolution one of our primary goals. There should be no two records that constitute a pure sequel to another. We pursued the intricacy and ornamentation of Heartless and its follow-up standalone singles to the ends that satisfied us, and we wanted to make something that shifted the focus away from those facets to something more broadly emotional, and to us, something that had a different sense of impact. We wanted to make a record that was a hybrid of our live sound mingled with a production that conveys a raw and warped nostalgia, in line with the lyrical mood of the record.

Q4: 前作 “Heartless” は何度も聴き返して、はじめてその真の価値を理解できるようなアルバムでしたよね? 対して “Forgotten Days” は、よりシンプルで即効性があり、もっとダイレクトなアルバムだと感じました。方向性は確実に変化していますよね?

【JOSHPH】: 僕たちは常に変化と進化を第一の目標の一つとして進んできたよ。だから、純粋な続編となるような、似たようなレコードは一つもないはずなんだ。
“Heartless” とそれに続く “Dropout”, “Atlantis” といった単体シングル曲において、僕たちは複雑さや装飾性を自分たちが納得するまで追求してきたんだけど、その領域を離れてもっと広い意味でのエモーショナルなもの、自分たちにとっては違うインパクトのあるものを作りたかったんだ。
だからこのレコードの歌詞のムードに沿いながら、ノスタルジアを伝える生々しく歪んだプロダクションと、僕らのライブサウンドが混ざり合ったハイブリッドなレコードを作りたかったんだよね。

Q5: The 12-minute “Silver Wings” is my favorite. The sad outro melody reminds me of King Crimson’s “Epitaph”. In fact, you are sometimes described as progressive doom, but actually, bands like King Crimson, Uriah Heep, and Magma back then had a lot of points in common with today’s doom, would you agree?

【JOSHPH】: Yes, that section was certainly influenced by King Crimson among other things. I agree with your statement, and personally, those bands are constant sources of inspiration to us, much more than anything from the modern era.

Q5: 12分のエピック “Silver Wings” は一番のお気に入りですよ。哀しいアウトロのメロディーは、KING CRIMSON の “Epitaph” を想起させますね。PALLBEARER はしばしばプログレッシブドゥームなどとも形容されますが、当時の KING CRIMSON, URIAH HEEP, MAGMA といったプログやハードロックバンドには、現在のドゥームやゴスに通じる仄暗さを抱えたバンドが少なくありませんでしたよね?

【JOSHPH】: そうなんだ。あのセクションは間違いなく、とりわけ KING CRIMSON から影響を受けているよね。君の挙げたバンドはたしかに現在のドゥームに通じている部分があると思う。
そして重要なのは、個人的に僕は今日のどんなバンドより遥かに大きなインスピレーションを、そういったバンドから継続的に得ていることなんだ。

Q6: On the other hand, I’ve always wondered why Joseph likes Asia and 80’s Yes, 80’s Rush. I read something about it, because Joseph wasn’t allowed to listen to much metal as a kid. Anyway, I thought “Forgotten Days” is the 80’s prog rock for Pallbearer. It’s really catchy, direct but firmly twisted. Do you think there’s a similar spirit flowing through this album to, say, “90125” or “Moving Pictures”?

【JOSHPH】: I do have a great love for the bands who shifted into something not quite prog, not quite AOR. Asia, and 80s Rush are a great example of that. Obviously, Asia was a band filled with musicians who had tenure in some of the most important progressive rock bands. I find their transition to writing songs with a somewhat more traditional structure to be very compelling and still done very artfully. Another example, the Yes song ‘Big Generator’ has unbelievably heavy guitar riffs in it! Of course some of the production choices and sounds may be perceived as a bit dated now but I have quite an affinity for it.

Q6: 一方で興味深いのは、あなたが ASIA や80年代の RUSH, YES を敬愛している点なんです。
奇しくも、キャッチーで即効性がありながら、不思議と捻くれているという意味では、”Forgotten Days” は PALLBEARER にとっての “90125” や “Moving Pictures” とも読み取れます。

【JOSHPH】: 僕はね、完全にプログレではなく、完全にAORでもないものにシフトしていったバンドをとても愛しているんだよ。ASIA や80年代の RUSH はまさにその良い例だと思う。
明らかに、ASIA はいくつかの最も重要なプログレッシブロックバンドに在籍していたミュージシャンで満たされたのバンドだったよね。彼らはより伝統的で王道な構造の曲を書くようになったんだけと、非常に説得力があるやり方で、それでも実に芸術的に行われていると思うんだよね。
もう一つの例を挙げると、YES の楽曲 “Big Generator” には信じられないほどヘヴィーなギターリフが入っているんだ!もちろん、プロダクションの選択やサウンドの中には、今では少し時代遅れと思われるものもあるかもしれないけれど、僕は PALLBEARER とこの曲の間にとても親近感を覚えているんだよ。

Q7: I said direct earlier, Randall Dunn is a producer with a penchant for analog recording. Was that part of the reason why you chose him?

【JOSHPH】: There was no specific technique in his arsenal that we were after, just his philosophical approach and our rapport from having worked together in both the live setting with him doing sound for us, and mixing several of our singles post-Heartless. We felt like it was time to do a whole record together.

Q7: プロデューサーに起用した Randall Dunn はアナログレコーディングに拘りがある人物です。先程、ダイレクトと言いましたが、そういった部分も彼を選んだ理由なのでしょうか?

【JOSHPH】: 特に彼の持っている技術をアテにしていた訳じゃないんだ。ただ、彼の哲学的なアプローチと、彼がライブでサウンドを担当してくれたことや、”Heartless” の後のシングルをいくつかミキシングしてくれたことからの信頼関係があっただけなんだ。一緒にレコードを作る時が来たと感じたんだよ。

Q8: For the metal kids of the 90s, Peaceville Records’ Anathema, Paradise Lost, My Dying Bride, and Opeth was a god. Unfortunately, Anathema has gone on hiatus, but the other three are now your labelmates. Could you talk about what you’ve inherited from them?

【JOSHPH】: Yes. The sense of mournful melody through guitar harmony, particularly that of My Dying Bride is the primary inheritance.

Q8: 90年代に育ったメタルキッズにとって、ANATHEMA, PARADISE LOST, MY DYING BRIDE, そして OPETH といった Peaceville のロースターは神でした。奇しくも PALLBEARER は現在、Nuclear Blast で彼らの多くとレーベルメイトですよね?

【JOSHPH】: そうだね。ギターハーモニーに交わる哀愁漂うメロディのセンス、特に MY DYING BRIDE のそれを僕たちは最も受け継いでいると言えるね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED JOSEPH’S LIFE

POPOL VUH “COEUR DE VERRE”

SAINT VITUS “DIE HEALING”

RWAKE “IF YOU WALK BEFORE YOU CRAWL, YOU CRAWL BEFORE YOU DIE”

KING CRIMSON “RED”

FLOOR “FLOOR”

MESSAGE FOR JAPAN

I can’t wait until the day we can visit Japan again. Our short time there in 2015 was one of my most memorable experiences in this band, and in my life. I hope that it can happen again soon!

また日本を訪れる日が待ちきれないんだ。2015年に日本で過ごした短い時間 (Daymare Recordings 招聘) は、このバンドにおいて、そして人生においても、僕にとっては最も思い出深い経験の一つなんだよ。近い将来、また日本でのライブが実現しするといいな!

JOSEPH D. ROWLAND

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