NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BLOODY TYRANT (暴君) : HAGAKURE Ⅱ】 JAPAN TOUR 23′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BLOODY TYRANT (暴君) !!

“Retelling Our Root Story Is a Very Important Thing As a Taiwanese Musician. We Have So Many Interesting And Beautiful Stories In This Small island, I Don’t Want These To Be Forgotten.”

DISC REVIEW “HAGAKURE Ⅱ”

「BLOODY TYRANT の新しいラインナップの日本ツアーは今回が初めてだから、日本のファンに新しいタイラントを見てもらうのが待ちきれないよ!個人的には、また明治神宮に行きたいね! 本当に美しい場所だから…」
3年間の活動休止と大幅なメンバー・チェンジを経て、台湾の BLOODY TYRANT はバンドが不死鳥であることを証明しました。偉大なる Chthonic の後ろ姿を追っていたのも今や昔。シンフォニック・ブラックの皮を徐々に脱ぎ捨てた彼らは、今では独自のエスニックなメロディック・デスメタルで堂々と、欧州の列強たちに挑戦状を叩きつけています。ただし、Chthonic との共通点として、今でも守られているものもあります。それは、台湾の誇りと日本への愛情。そうして彼らは、アジアの “ヴァイキング” として島国の物語を語り継いでいくのです。
「僕の観点では、日本は台湾にとって最も重要な影響力を持つ国で、特に第二次世界大戦中は台湾の軍隊が武士道の影響を多く受けていた。だから、”ここから始めてはどうかな” と考えていたんだよね。戦争が終わって何十年も経った今でも、僕らの日常生活の中に日本の影響を受けたものがあるのを感じるし、武士道が日本人の考え方に少しずつ影響を及ぼしていることも感じるんだ」
最新 EP “Hagakure Ⅱ” は、大名鍋島光茂の家臣であった山本常朝(1659-1719)の回想からなる “葉隠” の物語を締めくくるもの。この写本は150年以上も鍋島家に隠されていた秘伝の書。”武士道といふは死ぬ事と見付けたり” という一節から始まるため、死を賭して君命を果たすと誤解されがちですが、”葉隠” は武士達に死を要求しているのではありません。死の覚悟を不断に持することによって、生死を超えた “自由” の境地に到達し、そうすることで “武士としての職分を落ち度なく全うできる” という意味が込められています。武士として “恥” をかかずに生き抜くための教訓とでも言えるでしょうか。
つまり、死ぬ覚悟さえあれば、生を全うできるという”メメント・モリ” 的な思想でもあるわけです。そうして、血の圧制者、暴君はまさにそこに惹かれました。
「そう、漫画のシグルイに僕は一番影響を受けているよ!そして、シグルイの物語を含む小説、駿河城御前試合。僕たちには、駿河城御前試合の最終章を題材にした “劍士皆亡” という曲があるんだ」
“武士道は死狂ひなり。一人の殺害を数十人して仕かぬるもの”(武士道は死に狂いである。一人を殺すのに数十人がかりでかなわないこともある)を由来とする漫画 “シグルイ”。BLOODY TYRANT がこの物語に感化されたのは、おそらく今の台湾情勢も影響しているでしょうか。中国/台湾の伝統的な撥弦楽器であるピパの音色そのものが持つ魔力は、彼らの音楽に潜む孤独や暗闇を増幅させ、運命に翻弄される台湾という国のメランコリーを引き出していきます。それでも彼らは武士に焦がれます。一騎当千、死の覚悟も厭わない BLOODY TYRANT の面々は、メタルにおいても、政治においても、決して自らの意思を折ることはないのです。
オルガン、オーボエ、チェロ、ヴィオラなどを導入して、台湾の創世をアルバムとした “島嶼神話” のフォーク・メタルはひとつの転機だったでしょうか。島の歴史を知ることは、自分自身を知ることの始まり。歴史を忘れた民族は滅びると歌った彼らの決意も、もちろん武士道の一環に違いないのです。
今回弊誌では、BLOODY TYRANT にインタビューを行うことができました。「台湾は第一列島の真ん中に位置し、非常に複雑な歴史を持ち、隣国から様々な影響を受けている。だから、僕たちのルーツ・ストーリーを語り継ぐことは、台湾のミュージシャンとしてとても重要なことなんだ。この小さな島には、面白くて美しい物語がたくさんあるからね。それを忘れられたままにはしたくないんだ」来日決定!どうぞ!!

BLOODY TYRANT “HAGAKURE Ⅱ” : 10/10

INTERVIEW WITH BLOODY TYRANT

Q1: First of all, your Japan tour with Fintroll & Metsatoll has been announced! How do you feel now? Are there any places you want to go?

【BLOODY TYRANT】: We are really really excited about it! This is the first time for Bloody Tyrant’s new line up tour in Japan, we just can’t wait to let Japanese fans see the new Tyrant!!!
Personally, I want to go to Meiji Jingū again, it’s such a beautiful place to visit!

Q1: Fintroll & Metsatoll との日本ツアーが決まりましたね!

【BLOODY TYRANT】: 本当に本当に興奮しているよ!BLOODY TYRANT の新しいラインナップの日本ツアーは今回が初めてだから、日本のファンに新しいタイラントを見てもらうのが待ちきれないよ!
個人的には、また明治神宮に行きたいね! 本当に美しい場所だから…

Q2: You have performed in Japan several times. Can you tell us about some of your most memorable moments?

【BLOODY TYRANT】: The first time we performed in Japan was 2016, with Anaal Nathrak. After a few months, I went to Loud Park, and I saw fans wearing our merch there, and even some of them recognized me in the arena. I’m really moved about this, Japan is such a nation of Rock and Metal music in Asia!!!.

Q2: 日本で特に思い出深い出来事はなんですか?

【BLOODY TYRANT】: 日本で初めて演奏したのは2016年で、ANAAL NATHRAK と一緒だった。その数ヶ月後、僕はラウドパークに行ったんだけど、そこで僕らのグッズを身に着けているファンを見かけたし、アリーナで僕を認識してくれた人もいた。日本はアジアにおけるロックとメタルの国なんだ!!これには本当に感動したよ!

Q3: Are there any influences from Japanese music, anime, or video games?

【BLOODY TYRANT】: Yes, manga, シグルイ influenced me the most! And the novel which also include the story of シグルイ, 駿河城御前試合。
We have a song which based on the final chapter of 駿河城御前試合, titled 劍士皆亡.

Q3: 日本の文化、アニメや漫画からの影響はあるんですか?

【BLOODY TYRANT】: そう、漫画のシグルイに僕は一番影響を受けているよ!そして、シグルイの物語を含む小説、駿河城御前試合。僕たちには、駿河城御前試合の最終章を題材にした “劍士皆亡” という曲があるんだ。

Q4: What do you think about the significance of retelling Taiwan’s myths and history in metal?

【BLOODY TYRANT】: Taiwan is located in the middle of the first island chain, which has a very complex history and many different influences from our neighbor. So retelling our root story is a very important thing as a Taiwanese musician. We have so many interesting and beautiful stories in this small island, I don’t want these to be forgotten.

Q4: あなたたちのように、台湾の神話や歴史をメタルで語り継ぐのには、どういった意義があるんでしょうか?

【BLOODY TYRANT】: 台湾は第一列島の真ん中に位置し、非常に複雑な歴史を持ち、隣国から様々な影響を受けている。だから、僕たちのルーツ・ストーリーを語り継ぐことは、台湾のミュージシャンとしてとても重要なことなんだ。この小さな島には、面白くて美しい物語がたくさんあるからね。それを忘れられたままにはしたくないんだ。

Q5: What is it about the traditional Pipa that makes the band so special to you? Is it difficult to use it in metal?

【BLOODY TYRANT】: It’s a funny story for me to add pipa in our music, it was a boring night many years ago, I’m being a couch potato and scrolling through every channel of television, when I scrolled to a movie channel and it was playing 十面埋伏(House of Flying Daggers), and there is a famous classical music played by pipa also titled 十面埋伏, then this idea just struck my head, “Why not adding pipa into metal music!?”
And actually, using pipa in metal music is not difficult at all! This instrument has a very percussive sound and will stand out quite easily, perfect for playing lead melody within metal music!

Q5: ピパ (中国の琵琶) を使うことも、あなたたちにとっては大切なんでしょうね?

【BLOODY TYRANT】: 何年も前の退屈な夜、カウチポテトをしながらテレビの各チャンネルをスクロールしていたんだ。映画のチャンネルにスクロールしたとき、”十面埋伏” をやっていて、ピパで演奏する有名なクラシック音楽のタイトルも “十面埋伏” だったんだ。それを聞いて、アイデアが降りてきたんだよ。”メタルにピパを加えたらどうだろう! ?” ってね。
そして実際、メタル音楽にピパを使うことは全く難しくないんだ!この楽器はとてもパーカッシブなサウンドで、メタル音楽の中でリード・メロディーを演奏するのに最適なんだよね!

Q6: Sometimes you guys deal with themes of Japanese origin, such as the Sakai Jiken or Hagakure, don’t you? Why is that?

【BLOODY TYRANT】: In my point of view, Japan has been the most important influence for Taiwan, especially the time period during World War II, and the army was influenced by Bushido a lot, so I was thinking, “Why not start from here?”
Even though the war is over for decades, I can still feel there are some Japan-influenced things in my daily life, and I can also feel that Bushido still affects Japanese people’s mindset, little by little.

Q6: 堺事件や葉隠れなど、BLOODY TYRANT はしばしば日本をテーマにとりあげています。

【BLOODY TYRANT】: 僕の観点では、日本は台湾にとって最も重要な影響力を持つ国で、特に第二次世界大戦中は台湾の軍隊が武士道の影響を多く受けていた。だから、”ここから始めてはどうかな” と考えていたんだよね。
戦争が終わって何十年も経った今でも、僕らの日常生活の中に日本の影響を受けたものがあるのを感じるし、武士道が日本人の考え方に少しずつ影響を及ぼしていることも感じるんだ。

Q7: We live in a dark world of pandemics, wars, and a divide. Taiwan in particular has some difficult political, diplomatic issues, how are you dealing with those political and social issues?

【BLOODY TYRANT】: “More caring, less ignoring”
I always tell my friend to care about international, political issues more, because in my point of view, how you deal with these topics will be the way it goes back on you. Politics is all about our daily life

Q7: 私たちはパンデミック、戦争、そして分断という暗い世界に生きています。特に台湾は政治的、外交的に難しい問題を抱えていますが、あなたはそのような政治的、社会的問題にどのように対処していますか?

【BLOODY TYRANT】: “より気にかけ、無視しない” ことだ。
僕はいつも友人に、国際的な、政治的な問題にもっと関心を持つように言っている。僕の見解では、こうした話題にどう対処するかが、直接自分に跳ね返ってくるからね。
政治は僕たちの日常生活に関わることなのだから。

Q8: Chthonic is one of the most famous Taiwanese metal bands in the world. And Jesse Liu does a great job on your albums as well. They are really a political band, right? What do you think about them and To change society with metal?

【BLOODY TYRANT】: Part of our former album was produced in Jesse Liu’s studio, he had done a great job on tweaking our guitar tone!
Chthonic has always been my most respected band, not just telling historical stories, but also promoting Taiwan Indiependent, which is always against communism as well.

Q8: Chthonic は世界で最も有名な台湾のメタルバンドの一つです。ジェシー・リュウはあなたのアルバムでも素晴らしい仕事をしています。彼らは本当に政治的なバンドですよね?メタルで社会を変えるということについてどう思いますか?

【BLOODY TYRANT】: 以前のアルバムの一部はジェシー・リウのスタジオで制作されたんだけど、彼は僕らのギターのトーンを微調整するのに素晴らしい仕事をしてくれた!
Chthonicは、歴史的な話をするだけでなく、常に共産主義に反対する台湾独立を推進している。いつも僕の最も尊敬するバンドなんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED BLOODY TYRANT’S LIFE!!

Whispered “Song Of The Void”

Eluveitie “Ategnatos”

Insomnium “Winter’s Gate”

Wintersun “Wintersun”

陰陽座 “迦陵頻伽”

MESSAGE FOR JAPAN

We are really excited to have this chance to tour in Japan with our new line up!
SEE YOU THERE!!!!!!!

新たなラインナップでまた日本に戻れて興奮しているよ!日本で会おう!!!

チケットの詳細はこちら。Evoken de Valhall

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