EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH 百合花 (LILIUM) !!
“If composing music is like cooking, I’m probably a chef who loves using local ingredients. Taiwan has such a rich musical heritage to explore”
DISC REVIEW “萬事美妙”
「作曲が料理のようなものだとしたら、僕は地元の食材を使うのが大好きなシェフなのかもしれない。 台湾には探求すべき豊かな音楽遺産が多くあり、僕は大学でも民俗学を学んできた。 学べば学ぶほどその魅力に取りつかれ、だから僕は常にそうした要素を自分の作品に織り込んでいるんだ」
台湾へ旅したことのある人なら、彼の地の料理、その本場の躍動感に圧倒された経験があるはずです。その地で育ち、その地の歴史や空気を吸って生み出された文化の蓄積は、あまりにも尊く、そして魅力的です。
近年、そうした唯一無二の審美や精神性を自らのアートに取り入れるメタルやプログレッシブの綺羅星が登場し、シーンを牽引していますが、台湾の百合花もそうしたバンドのひとつ。そして彼らが料理した音楽は、西欧というポップスやロックの出発点を置き去りにするほど、理想的な東洋の神秘だといえるでしょう。
「僕は音楽を聴くたびに、その要素を分解し、ジャンルの起源をたどることに惹かれる。 音楽は人間が作り出したものだから、文章と同じように分析することができるんだよ。その土地の語彙や借用語、さらには発音を間違えて生まれた新しい用語みたいなものを、音楽の中に発見できる。だから将来、百合花の音楽を聴いた人々が、その中に埋め込まれた北管や南管の要素を発見してくれることを願っているよ」
音楽を文章に例えるとしたら、百合花が記す言葉は豊かなクレオールなのかもしれませんね。プログレッシブやメタル、オルタナティブ・ロックはもちろん、ボサノバ、レゲトン、ディスコ・ファンク、そして演歌にいたるまで、西洋も東洋もなく、あまりにも多様な音の葉を飲み込んだ彼らの音楽は、しかしいかなる時も “台湾的” なバイブスに貫かれています。
台湾に根付いた伝統音楽、北管・南管に加えて、銅鑼、リコーダー、葬儀の音楽。そして、多くの台湾人がマンダリン、北京語の台湾方言を使用する中で、台湾伝統の Hokkien (福建語) で紡がれる百合花の音楽には確実に台湾固有のスピリットが宿っています。だからこそ、百合花の音楽は、色彩豊かでに驚きに満ちた万華鏡の中に、確固とした独自のビジョンを投影できるのです。
「音楽は、人々に過去に起こったことを思い出させ、同じ過ちを繰り返さないようにすることができる。 例えば、僕たちの曲のひとつである “もし私が女だったら”(假使我是一個女人)は、政治的犠牲者である蔡奇遠さんの獄中告白をもとに生み出した。 脱獄中、彼は女装して美容院に行き、髪をセットしてもらっていたんだ」
戦争の足音がゆっくりと、しかし確実に忍び寄る東アジアにおいて、最新作 “萬事美妙” で彼らは各曲で複数の主人公の物語が探求することに決めました。祝福を授ける神様から、無力感に苛まれる外国人の叫び、道端の占い師の問いかけ、大道芸人の送別パフォーマンス、そして政治犯の嘆きまで、バンドの楽曲は台湾音楽に台湾音楽ならではの想像力豊かで、思考を要する視点をもたらしました。
そう、音楽は世界を変えることはできなくとも、その身に宿った旋律やリズム、そしてリリックで心を動かすストーリーを伝えることならできるのです。過去や寓話、物語から学ぶのもまた、おそらくアートを嗜む私たちの義務なのですから。そうすればきっと、”すべてが素晴らしくなる” はずです。
今回弊誌では、ボーカル/ギターの林奕碩 (リン・ イースォ) とベーシスト林威佐 (リン・ウェーズォ) にインタビューを行うことができました。「台湾の文化は日本文化の影響を強く受けている。 僕たちが若い頃は、年長者が日本の演歌を歌っているのをよく耳にしたものだよ。 そして、台湾の歌の多くも演歌の影響を受けているんだ。 僕たちの歌 “藝術家” も演歌の影響を使っているんだ。台湾の年長者の様子を表現するためにね。 あと、”猿捕り唄”(掠猴之歌)のアレンジは、任天堂の “マリオブラザーズ” のサウンドトラックの影響を受けているよ」 どうぞ!!














