NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SPECTRAL WOUND : A DIABOLIC THIRST】 JAPAN TOUR 24′


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SPECTRAL WOUND !!

“We Are Not Particularly Interested In “Pushing The Boundaries” In That Manner. There Is Room Enough For Experimentation In Black Metal Without Turning It Into Toothless Post-rock.”

DISC REVIEW “A DIABOLIC THIRST”

「そう、私たちは特にそうした “境界を押し広げる” ことには興味がない。わざわざ “歯抜けの” 間抜けなポスト・ロックにしなくても、ブラック・メタルには実験を行う余地が十二分にあるからね」
今やブラック・メタルの世界は百花繚乱。シューゲイザー、ポスト・ロック、ジャズ、プログレッシブ、そしてその土地土着のフォーク・ミュージックなど、トレモロとブラストが渦巻く狂乱の暗黒世界は多様に進化を続けています。
ただし、その動きに我関せず、なんなら退化と嘲笑うかのようにブラック・メタルの神秘と美学を守り続けるアーティストも当然存在します。ついに来日を果たすカナダの創傷 SPECTRAL WOUND はそんな鎮守荒神の筆頭でしょう。
「フィンランド人のメロディーの巧みさは、おそらく他の追随を許さないだろうな。自分たちが聴きたいと思う音楽を作っている限りにおいて、メロディにはこだわりたい。ただ我々は広くアピールしようとはせず、自分たちの欲求を満たすことだけを追求しているんだ」
カナダ、ケベックというブラック・メタル生誕の地からは遠く離れた場所に居を構えながらも、SPECTRAL WOUND はあくまでもプリミティブです。何も新しいことはやりたくない。その哲学が、かえって今のブラック・メタル世界には新しいのかもしれません。
絶え間なく迫り来るブラストの海にトレモロの嵐。ただし、彼らの絞り出す寒々しい断末魔のメロディはあまりにも心を抉ります。SARGEIST や HORNA に心酔する彼らにとって、北欧のミュルクヴィズ、暗くて凍える針葉樹の冬を描き出すことこそが理想なのでしょう。
「ブラック・メタルはその創成期から、人間の最もダークな部分を探求する音楽だった。従って、様々な形の過激主義に傾倒していったとしても何ら不思議ではないし、その事実を歴史から消し去ることもできない。私たちはこの歴史を受け入れる必要はないし、弁解する必要もない。ただ、 私たちはそうした歴史を理解し、それと闘わなければならないのだよ」
一方で、SPECTRAL WOUND のブラック・メタル、その背後にある思想は20世紀のそれとは大きく異なります。今でもかつての流れを汲んだ、極右やナチズムに傾倒するブラック・メタル NSBM は少なからず存在します。しかし彼らは、そうした暴力、抑圧、差別に対しては真っ向から反旗を翻しているのです。
Red and Anarchist Black Metal、RABM にまで属するのかはわかりませんが、少なくとも彼らはオールド・スクールなブラック・メタルにニュー・スクールな思想を持ち込んで、世界の闇をインスピレーションとして喰らい尽くしているのです。
今回弊誌では、SPECTRAL WOUND にインタビューを行うことができました。「日本の映画や音楽は大好きだよ。SABBAT, ABIGAIL, BORIS, CORRUPTED, G.I.S.M….彼らははみんな偉大だし、Flower Travellin’ Band, 坂本龍一、清水靖晃、高橋幸宏など、日本の音楽界の巨人たちも素晴らしいね。浅川マキは、北米ではほとんど知られていないけど、とても魅力的なアーティストだ。日本映画では、小津安二郎はその狂気において、黒澤、成瀬巳喜男、北野武、押井守、大友克洋、鈴木清順、三池崇史と並ぶ巨匠であることは間違いないね」どうぞ!!

SPECTRAL WOUND “A DIABOLIC THIRST” : 10/10

INTERVIEW WITH SPECTRAL WOUND

Q1: Your first Japan tour has been scheduled! What are your expectations for Japan and it’s scene?

【SW】: Japan has long had a reputation for the intensity of its underground, whether punk, noise, metal or rock and roll. We have great expectations!

Q1: 初来日公演が決まりましたね!日本や日本のシーンにはどのようなことを期待していますか?

【SW】: 日本は昔から、パンク、ノイズ、メタル、ロックンロールなど、アンダーグラウンドの激しさには定評があるからね。そこに大いに期待しているよ!

Q2: Are you interested in Japanese culture, for example, traditional culture, or recent anime, video games, or music?

【SW】: Film and music, certainly. Sabbat, Abigail, Boris, Corrupted, G.I.S.M., these are all greats, as well as the giants of Japanese music like Flower Travellin’ Band, Ryuichi Sakamoto, Yasuaki Shimizu, Yukihiro Takahashi and others… Maki Asakawa is a fascinating artist who is mostly unknown in North America. For Japanese cinema, Ozu is indisputably a master along with Kurosawa, Mikio Naruse, Takeshi Kitano, Mamoru Oshii and Katsuhiro Otomo … Seijun Suzuki and Takashi Miike, for their sheer insanity.

Q2: 日本の文化、例えば伝統文化や最近のアニメ、ビデオゲーム、音楽などに興味はありますか?

【SW】: 日本の映画や音楽は大好きだよ。SABBAT, ABIGAIL, BORIS, CORRUPTED, G.I.S.M….彼らはみんな偉大だし、Flower Travellin’ Band, 坂本龍一、清水靖晃、高橋幸宏など、日本の音楽界の巨人たちも素晴らしいね。浅川マキは、北米ではほとんど知られていないけど、とても魅力的なアーティストだ。
日本映画では、小津安二郎はその狂気において、黒澤、成瀬巳喜男、北野武、押井守、大友克洋、鈴木清順、三池崇史と並ぶ巨匠であることは間違いないね。

Q3: As you know, black metal is a music born and raised in Norway and Scandinavia. How did you guys get into black metal in Canada?

【SW】: Although we all come from different regions and backgrounds, we live in Québec, which has a strong tradition of black metal going back to the late 90s and early 2000s. Not as long asScandinavia, but still the roots of the scene are deep here. Some of us came more from a metal background and others from punk, but we each discovered black metal in our own way, andQuébec was the crucible.

Q3: ご存知のように、ブラック・メタルはノルウェーやスカンジナビアで生まれ育った音楽です。あなたたちはどのようにしてカナダでブラック・メタルを始めたのですか?

【SW】: 私たちは皆、出身地もバックグラウンドも違うけど、ケベックに住んでいる。ケベックには、90年代後半から2000年代前半まで遡るブラック・メタルの強い伝統があるんだよ。スカンジナビアほど長くはないけれど、それでもシーンの根は深い。メタル出身者もいれば、パンク出身者もいるけど、それぞれのやり方でブラック・メタルを発見し、ケベックがその坩堝となったんだ。

Q4: Black metal has changed a lot since then. Now there are many bands like DEAFHEAVEN and ALCEST that push the boundaries of black metal. In the midst of all this, you seem to be sticking to the old school and trying to preserve the mystery and aesthetics of the music, would you agree?

【SW】: We are not particularly interested in “pushing the boundaries” in that manner. There is room enough for experimentation in black metal without turning it into toothless post-rock.

Q4: その後、ブラック・メタルは大きく変わりました。今では DEAFHEAVEN や ALCEST のようにブラック・メタルの限界を押し広げるバンドが多く存在します。そんな中でも、あなたたちはオールド・スクールにこだわり、ブラック・メタルの神秘性と美学を守ろうとしているように見えます。

【SW】: そう、私たちは特にそうした “境界を押し広げる” ことには興味がない。わざわざ “歯抜けの” 間抜けなポスト・ロックにしなくても、ブラック・メタルには実験を行う余地が十二分にあるからね。

Q5: Black metal at that time had some members who were involved in extreme right-wing ideology, church arson, and murder. How do you perceive this history?

【SW】: From its inception, Black Metal has been about exploring the darkest reaches of humanity, so the slide into various forms of extremism is no surprise, nor can it be written out of the history. We do not need to embrace this history, nor excuse it, but we must understand and contend with it.

Q5: 当時のブラック・メタルには、極端な右翼思想を持ったり、教会放火、殺人に関与したメンバーも存在していました。あなたはこうした歴史をどのように受け止めていますか?

【SW】: ブラック・メタルはその創成期から、人間の最もダークな部分を探求する音楽だった。従って、様々な形の過激主義に傾倒していったとしても何ら不思議ではないし、その事実を歴史から消し去ることもできない。私たちはこの歴史を受け入れる必要はないし、弁解する必要もない。ただ、 私たちはそうした歴史を理解し、それと闘わなければならないのだよ。

Q6: The world is now full of deception, oppression, racism, and violence. You guys have been described as a band that brings new school politics and ideas to old-school black metal. Is that expression correct in the sense of destroying such darkness with black metal?

【SW】: No, we have no interest in destroying the darkness in black metal. We just turn to other sources of darkness for our inspiration.

Q6: 世界は今、欺瞞、抑圧、人種差別、暴力に満ちています。あなたたちは、オールド・スクールなブラック・メタルにニュー・スクールな政治や思想を持ち込んだバンドだと言われてきました。
ブラック・メタルで世界の闇を破壊するという意味で、その表現は正しいのでしょうか?

【SW】: いや、ブラック・メタルで闇を破壊しようとは思っていない。私たちはインスピレーションを得るために、闇の源に目を向けるだけだ。

Q7: In fact, even though your black metal is truly ruthless and extreme, somehow it is easy to listen to and has melodies that are easy on the ears. Is this “listenability” intentional?

【SW】: Only so far as we make the kind of music that we want to listen to. There is no attempt for broad appeal, we seek only to satisfy our own desire.

Q7: 実際、あなたのブラックメタルは実に冷酷で過激であるにもかかわらず、不思議と聴きやすく、耳に馴染むメロディーを持っています。この “聴きやすさ” は意図されたものなのでしょうか?

【SW】: 自分たちが聴きたいと思う音楽を作っている限りにおいて、メロディにはこだわりたい。ただ我々は広くアピールしようとはせず、自分たちの欲求を満たすことだけを追求しているんだ。

Q8: What does mellow primitive black metal like Sargeist and Horna mean to you?

【SW】: Excellent bands! You have mentioned above our indulgence of melody, and the Finnish command of melody is perhaps unparalleled.

Q8: そういった意味で、SARGEIST や HORNA のようなメロウでプリミティブなブラック・メタルとは、通じる部分もあるのでしょうか?

【SW】: 素晴らしいバンドたちだね!私たちがメロディーに耽溺していることは前述したけれど、フィンランド人のメロディーの巧みさは、おそらく他の追随を許さないだろうな。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SPECTRAL WOUND’S LIFE!!

One from each member of the band:

Thin Lizzy “Black Rose”

Iron Maiden “The Number of the Beast”

Gris “Il était une forêt…”

Death “Leprosy”

Yes “Fragile”

MESSAGE FOR JAPAN

Infernal hails, you fuckin maniacs!

SPECTRAL WOUND

来日公演の詳細はこちら。CKS Productions

SPECTRAL WOUND Facebook

SPECTRAL WOUND Bandcamp

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です