NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VOKONIS : ODYSSEY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SIMON OHLSSON OF VOKONIS !!

“Opeth Is a Great Inspiration To Me, One Of My Favourite Heavy Bands Of All time. It’s Probably The First Time I Got Really Introduced To Prog Rock And Started My Journey There.”

DISC REVIEW “ODYSSEY”

「OPETH と並んで MASTODON も僕が高く評価しているバンドなんだ。THIN LIZZY のようなロック黎明期のバンドを参考にしているところが好きなんだよね。僕は THIN LIZZY の大ファンでもあるから。僕たちが目指していたのは、本当に君の言うようなものだったのかもしれないよね。メタリックな意味でのヘヴィー・ロックの再解釈という場所だよね」
例えば THIN LIZZY、例えば、DEEP PURPLE、例えば URIAH HEEP。先ごろ YOB が DEEP PURPLE のトリビュートへ参加を果たしたように、MASTODON の Troy が THIN LIZZY のライブに参加したように、クラッシック・ロックのメタリックな、もしくはヘヴィーな再解釈はドゥーム/ストーナー界隈にとって重要な通過儀礼の様相を呈しています。そんな割礼の真っ只中で一際存在感を放つヘヴィーアートの創造主こそ VOKONIS です。
「ELDER とは一緒にライブをしたこともあるし、いつも聴いている。ストーナー/ドゥーム・シーンの中で、彼らのような型にはまらないバンドをはじめて目の当たりにして、自分のバンドのクリエイティビティに対する考え方が大きく変わったんだ」
ELDER や KHEMMIS, PALLBEARER といった新世代のドゥーミストがプログレッシブな息遣いで地を這う重音にカラフルな知性を与える中、遅れてきた英雄 VOKONIS はトリオという牙城に RUSH の魂を込めてみせました。ただし、米国の新世代とは決定的に異なる点も存在します。それは、OPETH, SPIRITUAL BEGGARS, GRAND MAGUS といったプログやクラッシック・ロック再解釈の達人が遺した遺産、北欧スウェーデンの血脈です。
「特に長い曲では、彼がアルバムにまとまりをもたらしてくれたと思う。OPETH は僕に大きなインスピレーションを与えてくれるバンドで、今までで最も好きな “ヘヴィーバンド” のひとつだろうな。僕がプログレッシブ・ロックに出会ったのは、おそらく OPETH が最初で、そこから僕の旅が始まったんだよ」
アルバムには、OPETHプログ化の鍵となった鍵盤奏者 Per Wiberg が4曲にゲスト参加しています。同時に SPIRITUAL BEGGARS の顔でもあった渦を巻くハモンドの雄叫びは、長尺化複雑化多様化を志向する拡大する哲学に欠かせない要素となっています。メロトロンとハモンドは作品に荘厳な70年代プログの雰囲気を与え、バンドは瞑想的でゆるやかな時間とリフを中心としたハードなドライビング・パッセージを織り交ぜることが可能となったのですから。
幕切れの “Hollow Waters”と “Through the Depths” では、その効果が顕著に表れています。21分近いヘヴィーなプログ・ドゥームは、それでいて想像以上ににキャッチーかつ耳に残る偉業。古と未来の邂逅は時にメランコリックの極みを醸し出し、アレンジやアイデアの魔法はアートワークの火の鳥のごとく幻想的に楽曲を彩っていきました。ギルモアとジョン・ロードが流動するサイケデリックな探究心こそ至高。
一方で、ベースの Jonte Johansson が使い分けるクリーンとハーシュのボーカルスタイルはその両輪でカリスマ性を放ち、ギタリスト Simon Ohlsson のシャウトを加えたトリプルボーカルの嗎は、タイトルトラック “Odyssey” のキラーなギターリフとえも言われぬ核融合を果たしつつ、古の詩人ホメロスが想像だにしなかったディストピアの放浪記を描いていくのです。
今回弊誌では、Simon Ohlsson にインタビューを行うことができました。「僕は、人間が地球を適切に管理していないために、地球に害を与えていると考えているんだ。だけど、別の意味で、つまり人類が滅亡しても地球はこれからも生き続けると信じているんだよ。人間がいてもいなくてもね」 もしも乾燥した MASTODON の荒野に OPETH が実ったら?どうぞ!!

VOKONIS “ODYSSEY” : 9.9/10

INTERVIEW WITH SIMON OHLSSON

Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?

【SIMON】: Hello and thanks for having me! I really appreciate it. My band Vokonis started in 2015 and we originated in the Swedish stoner/doom scene. I’ve been listening to lots of different kinds of music growing up so that started showing and taking over the sound as the years passed. Bringing us to this progressive rock/metal infused sound we have now.

Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?

【SIMON】: やあ!インタビューをありがとう!僕のバンド VOKONIS は2015年に、スウェーデンのストーナー/ドゥーム・シーンを発祥としてはじまったんだ。子供の頃から様々な音楽を聴いてきたから、年を追うごとにそれがサウンドに反映されていっているね。
その結果、プログレッシブ・ロックやメタルを取り入れた、現在のようなサウンドにたどり着いたんだ。

Q2: How did the band come to be? What’s the meaning behind your band name Vokonis?

【SIMON】: The band name doesn’t really mean anything, it’s just something I made up because it sounded cool to me at the time haha! We got together over facebook at the start. We didn’t know each other from the beginning and we kinda hit it off in real life.

Q2: バンド結成の経緯を教えていただけますか?

【SIMON】: バンド名は特に意味はなくて、その時にただかっこいい響きだと思って作ったものなんだよ (笑)。
最初はフェイスブックで知り合ったんだ。だからはじめはお互いを知らなかったんだけど、実際に会ってみるとすぐに意気投合したね。

Q3: Is Per Wiberg an official member of the band? How did you meet him?

【SIMON】: Per Wiberg is a guest musician on the record. We got in touch through mutual friends. We are very pleased with what he contributed to the album.

Q3: Per Wiberg は正式メンバーなのでしょうか?

【SIMON】: Per Wiberg はこのレコードのゲストミュージシャンだよ。共通の友人を通じて連絡を取り合ったんだ。彼のこのアルバムに対する貢献にとても満足しているよ。

Q4: What has Per Wiberg brought to the band? Who are he and Opeth to you?

【SIMON】: I think he brought a kind of cohesiveness to the album, especially for the longer tracks. Opeth is a great inspiration to me, one of my favourite heavy bands of all time. It’s probably the first time I got really introduced to prog rock and started my journey there.

Q4: Per がこの作品にもたらしたものは何でしたか?OPETH はあなたにとってどんな存在ですか?

【SIMON】: 特に長い曲では、彼がアルバムにまとまりをもたらしてくれたと思う。OPETH は僕に大きなインスピレーションを与えてくれるバンドで、今までで最も好きな “ヘヴィーバンド” のひとつだろうな。
僕がプログレッシブ・ロックに出会ったのは、おそらく OPETH が最初で、そこから僕の旅が始まったんだよ。

Q5: You know, it’s a really great piece! The unity of the artwork, lyric and music is overwhelming. Could you talk about the concept of the album?

【SIMON】: Thank you so much. The concept is about travelling through a world that’s no longer hospitable to humans but will be for animals and wildlife. I do believe humans are harmful to our planet as we are not really taking care of it properly. I do believe that the planet will always live on in another sense. With us or not.

Q5: それにしても素晴らしい作品ですね。アートワークや歌詞、音楽の統一感も圧倒的です。作品のコンセプトについて話していただけますか?

【SIMON】: 本当にありがとう。この作品のコンセプトは、人間が住めなくなった世界、かわりに動物や野生生物が跋扈する世界を旅すること。
僕は、人間が地球を適切に管理していないために、地球に害を与えていると考えているんだ。だけど、別の意味で、つまり人類が滅亡しても地球はこれからも生き続けると信じているんだよ。人間がいてもいなくてもね。

Q6: Listening to the album, I found Mastodon to be a great comparison. At the same time, there seems to be an influence from bands like Spiritual Beggars and Grand Magus, who reconfigured classic rock in a metallic way, would you agree?

【SIMON】: I certainly agree. Mastodon is another band I hold very high. I love their references to earlier bands such as Thin Lizzy. I’m a real fan of them also. I think that maybe was what we where going for. Heavy rock in a metallic kinda way.

Q6: MASTODON は一つあなたたちの大きな比較対象だと感じます。
ただ、同時に SPIRITUAL BEGGARS や GRAND MAGUS といったクラッシック・ロックをメタリックに再解釈するようなバンドからの影響も窺えますね?

【SIMON】: 間違いないね、同意するよ。OPETH と並んで MASTODON も僕が高く評価しているバンドなんだ。THIN LIZZY のようなロック黎明期のバンドを参考にしているところが好きなんだよね。僕は THIN LIZZY の大ファンでもあるから。
僕たちが目指していたのは、本当に君の言うようなものだったのかもしれないよね。メタリックな意味でのヘヴィーロックの再解釈という場所だよね。

Q7: It’s your way of weaving the intelligence of Rush into the heavy sounds of doom and stoner, isn’t it? For example, are you comfortable with the term progressive doom?

【SIMON】: We are certainly comfortable with that term. Rush is a major influence in more ways than just musically since they where a trio just like us. Being able to create such large sounds and albums as just a three-piece is something we also strive for.

Q7: 一方で、ドゥームやストーナーの重さに RUSH の知性を織り込むやり方もあなたたちのトレードマークですよね。
例えば、プログレッシブ・ドゥームという呼び名はバンドにフィットしていると思いますか?

【SIMON】: その言葉に違和感はないよ。RUSH は、音楽的な面だけでなく、僕たちと同じようにトリオで活動していたから、大きな影響を受けているよ。スリーピースであれほど大きなサウンドやアルバムを作るっていうのは、僕たちも目指していることだからね。

Q8: Recently, bands like Elder, Khemmis, Pallbearer, Spirit Adrift, and others that combine doom with progressive and classical metal have been gaining popularity. Do you feel any affinity with them?

【SIMON】: We do! We have played shows with Elder and I listen to them all of the time. That was the first band in the stoner/doom scene I’ve witness break away from the mold that really changed the way I thought about creativity in my band.

Q8: 最近では、KHEMMIS, PALLBEARER, ELDER といったバンドが、ドゥームとプログ、クラッシック・ロックを融合させて大きな人気を得ています。彼らのやり方に共感を覚えますか?

【SIMON】: 間違いないね!ELDER とは一緒にライブをしたこともあるし、いつも聴いている。ストーナー/ドゥーム・シーンの中で、彼らのような型にはまらないバンドをはじめて目の当たりにして、自分のバンドのクリエイティビティに対する考え方が大きく変わったんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SIMON’S LIFE

KATE BUSH “HOUNDS OF LOVE”

ELDER “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD”

THIN LIZZY “BLACK ROSE”

OPETH “GHOST REVERIES”

THE STOOGES “FUN HOUSE”

MESSAGE FOR JAPAN

I will do my best to bring Vokonis to Japan. I love so much of Japanese culture in terms of film and games. I want to visit as soon as possible! Thank you for having me!

VOKONIS で日本に行くためベストを尽くすよ。ゲームや映画といった日本の文化をとても愛しているから。出来るだけ早く行けたらいいね!ありがとう!

Simon Ohlsson

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