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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ELDER : OMENS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK DISALVO OF ELDER !!

“I’d Like To Think That We’re Channeling The Adventurous And Explorative Spirit Of The Prog Scene In The 70’s, But Not Directly The Sound. We Want To Be Our Own Band, But Also Push The Boundaries Of Our Own Creativity.”

DISC REVIEW “OMENS”

「僕は日本の浮世絵を購入したばかりでね。それをきっかけに、日本の文化について読んでいて”浮世”の意味を発見したんだ。読み進めるにつれて、僕がアルバムのために書いている歌詞と本当にシンクロしていて興味をそそられたよ。
住んだことのない場所についてはあまり多くは語れないけど、少なくとも僕の住む西洋世界では、人生に意味をもたらさない過剰な消費に執着し過ぎているように感じるね。必要のないものを買うために働いているように思えるよ。大きな家やファンシーな車を買い、意味のない人生を送り、ゴミ以外何も残さず死んでいく。
このアルバムの楽曲は、僕たちの多くが精神的奴隷として生きていることを悟り、人生を充足させるため自分自身の道を見つけることについて書かれているんだよ。」
前作 “Reflections Of A Floating World” リリース時のインタビューで、Nick DiSalvo はそう語ってくれました。古の日本に学び、物質世界よりも精神世界に重きを置く彼の哲学は、おそらく ALCEST の Neige とも通じています。
そして奇しくも、シンプルなストーナーアクトとしてスタートし、プログ/ヘヴィーサイケの方角へと舵を切った ELDER の音楽性は、ストーリーを喚起するシネマティックな創造と、ジャンルを縦横無尽に横断する精神性という意味でいつしか ALCEST と神話を共有できる数少ない語り部に成長を遂げていたのです。
「今日僕たちは、サウンドとアトモスフィアのスペクトルを広げて探求を続けている。だけど、君が “Omens” について “ブライト” で “アップリフティング” と評したのはとても興味深いね。だってこのアルバムのテーマはさっきも語った通り実にダークなんだから!まあ僕はいつも悲哀と喜びの2つの対照的な感情を描こうとしているんだ。そして両者のムードを全ての楽曲に落とし込もうとしているんだよ。」
前作で “浮世” の浄土を描いた ELDER は、”Omens” で対照的に欲望渦巻く物質世界の限界を鋭く描写することとなりました。さながら対となるレコードにも思える2枚のアルバム。その陰の “裏面” はしかし、映し出した深刻なテーマと反するように陽のイメージを以前とは比較にならないほどブライトに宿しています。
新たな輝きは明らかに、ANATHEMA, ALCEST, CYNIC といったモダンメタル/プログの革命家とも通じるように思えます。前作の時点でクラッシックプログ、クラウトロック、インディーからの影響がシームレスに芽生えるカラフルで多彩な浮世草子を創世していた ELDER ですが、その物語にシューゲイズやポストロックの息吹をふんだんに加えたことは確かでしょう。ただし Nick はその場所よりも、さらに純粋に澄み切ったプログジャイアントへの憧憬を隠そうとはしませんでした。
「彼らに比べて音楽的な才能が欠けているから、僕たちが直接的に YES の系譜に位置するかはわからないけど、彼らが僕たちの大きなインスピレーションと探求の源であることは間違いないね!どちらかと言えば、僕たちは70年代のプログシーンの冒険心と探究心を伝え、チャネリングしていると思う。サウンドを直接伝えているのではなくてね。」
ストーナーへの愛情を湛え、後ろ髪を引かれながらもその音心は確実にかつての恋人から遠ざかっています。実際、”Ember” は現代に突如として現れた “オルタナティブな YES” と表現したいほどに、70年代の宇宙的で英知的な “残り火” を灯しているのですから。
もちろん、”Omens”, “Halcyon” に漂うサイケデリックな営みは PINK FLOYD の遺産でしょう。ただし、”In Procession”, “One Light Retreating” に Nick が施した Steve Howe と Jon Anderson の彫刻、GENTLE GIANT の細工は、他の現代を生きるバンドには決して真似できない匠の孤高。
「“Elder” “長老” は僕にとって古の感覚、篝火に佇む古の賢人を想起させる言葉で、僕たちの歌うテーマにフィットすると思ったんだよ。今でも、この言葉は確かな美しさを持っていると感じるね。」
フェンダーローズ、メロトロン、ムーグ、さらに瑞々しきギターの百花繚乱を携えた長老の紡ぐ古の音楽は、”Omens” の物語と同様に、プログレッシブの新緑が世界中の廃墟から成長し、次世代のサイクルを始める美しき象徴に違いありません。
今回弊誌では、Nick DiSalvo に2度目のインタビューを行うことができました。「僕はこの時間を出来るだけ新たな音楽の作曲に当てて、生産的でいようと心がけているんだ。特にこの春はコンサートをキャンセルせざるを得ないからね。だから僕たちにできる最良のことは、出来るだけ賢くこの時間を使うことなんだよ。」
前回のインタビューでは ANEKDOTEN を挙げて驚かせてくれた Nick ですが、今回はノルウェー気鋭のジャズロック NEEDLEPOINT を2作も挙げている点にも注目です。どうぞ!!

OMENS TRACK BY TRACK BY ELDER

Omens

タイトルトラック “Omens” はレコードの舞台設定だね。その本質は、文明の衰退についてのコンセプトアルバム。悪い兆候のもとにある社会の有り様を描いているんだ。壮大な文明の城は高く聳えるけど、迫り来る変化の暗い雲に覆われているよ。
僕たちのレコードでは大抵、楽曲は書かれた順序で収録されている。実際にこのタイトルトラックはアルバムで最も古い曲なんだ。そのため、おそらく以前のレコードと最もイメージが似ていて、最もリフの多い楽曲になったね。だけど最後の部分は、ほぼシューゲイズとポストロックの領域に浸っているかな。
オープニングのピアノのリードは、もともとは曲のモチーフにしようと考えていたんだけど、レコーディング中はどういうわけか合わなかったんだ。そんな中で、Fabio がムーグでジャミングを開始し、オープニングリフに新たなモチーフを重ねてくれたんだ。こんな風に、スタジオでは瞬く間にひらめきで変更が加えられることがあるね。

In Procession

もともとはアルバムの最初の曲であり、シングルにしようと思っていたんだけど、おそらくこれほど多くの変更が加えられた楽曲はないね。2つの部分に分かれていて、最初の部分はクラッシックな ELDER のリフとサイケデリックなヴァースの間を行ったり来たりして、後半部分はジャムセッションが進展しながら構築され、グルーヴィーでポリリズミカルな終幕へとに至るんだ。
作曲の観点から見ると、”In Procession” は ELDER の基準としては非常にシンプルで、全体的な特徴も、”The Gold & Sliver Sessions” のジャムを基盤とした性質に近いよね。
非常にブライトかつ刺激的な楽曲で、常に前進している世界を説明するエネルギーに満ちた歌詞を伴うよ。これは、この架空の文明が創設された時から常に成長、消費、発展する必要を伝えているんだ。ただし、”In Procession” の “行進” は同時に、軍事的または葬式的なものとしても解釈できるよね。つまり崩壊につながることを示唆してもいるんだ。

Halcyon

このように長い曲だと、ボーカルは比較的少ないんだけど、音楽が代わりに語ってくれる。”Halcyon” はまさに今この時についての楽曲。崩壊の直前、この世界の美しさを理解する最後のチャンス。死を避けられないものとして受け入れてきた文明において、自由の中で生きる一種の陶酔の瞬間。
“Omens” は他のレコードよりも時間をかけ、それほど根を詰めず製作して、有機的に “部品” を開発していったんだ。オープニングの4分間はスタジオで行ったいくつかのライブジャムの1つで、このやり方をよく表しているね。もともとこのジャムは10分を超えてたんだけど。ファンの忍耐力もテストしているわけさ。ライブで何が起こるだろうね!
僕の考えでは Halcyonは、”Lore” に最も近いかもしれないね。レコードの中で最も長くて最も壮大なトラックとして、センターピースの機能を果たしているからね。何度も聴けばギターとキーボードの多重なるレイヤーを紐解き、時には複数のドラムまで明らかにしするよ。最後のリフは、ジョン・カーペンターと GOATSNAKE が出会ったような感じだね。まさにアルバムを代表するリフだよ。

Embers

比較的明るいトーンにもかかわらず、”残り火” というタイトルが示すように、燃え尽きて消えていく世界のシーンを描いた楽曲だよ。おそらく僕たちが今まで書いた中で最もオルタナティブな楽曲で、ストーナーやドゥームよりもオルタナティブロックとの共通点が多く存在するね。つまり、良くも悪くもジャンルにあまり注意を払わないとこうなるという一例なのかもしれないね。前代未聞だよ。
僕たちは未知の海で泳いでいるから、ELDER らしく聴こえるかどうかにはあまり関心がないんだ。だから “Embers” はすぐに完成したよ。最後のリフは “パールジャムリフ” と呼ばれているくらいさ。

One Light Retreating

オープナーとは逆に、”One Light Retreating”は、最後に作業を終えた曲だった。レコードの浮き沈みが激しいから、このようなヘヴィーかつモメンタムなリフで終了するべきだと感じだね。つまり前作から “Omens” へのジャンプを完全に要約する、ひねりを加えたクラシックな ELDER ソングだよ。アルバムのクリーンなプロダクションが、スペーシーなエンディングで輝いているよね。
物語が幕を閉じると、世界の光が1つずつ消え、夜の暗闇に消えていくんだ。だけど僕たちのアルバムすべてと同様に、強い希望も存在する。新しい緑の生命が世界中の廃墟から成長し、また新たなサイクルが始まるんだ。

ELDER “OMENS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + COVER STORY 【BARONESS : GOLD & GREY】


COVER STORY: BARONESS “GOLD & GREY” !!

“John Baizley And Baroness have battled through Life-Threaten Bus Accident to make a life-affirming record “Gold & Grey”. Baroness’s Color Cycle Has Come To An End, But Their Art Journey Will Not Stop!”

ABOUT COLOR WHEEL AND “GOLD & GREY”

「全ては色相環、カラーホイールから始まったんだ。」
アートメタルを切り開く BARONESS のフロントマン John Baizley は、色彩をテーマとしたアルバムタイトル、アートワークの起源をそう明かします。赤、青、黄緑、紫と色を紡ぎ続ける音画家がそうして次に選んだ輝きは黄金の灰でした。
「俺はアートスクールでアートの歴史や理論を学んだんだ。」驚くことに、John Baizley は全てのアートワークを自らで描いてもいます。
「普通のアーティストなら、カラーホイールは赤、紫、青、緑、黄、オレンジとなっているだろう。だけどオレンジがこのアルバムに相応しい色だとは思えなかった。それに “Gold & Grey” の方がソフィスティケートされているだろ?」
その音楽と同様に、”Gold & Grey” のアートワークは John の最高傑作と言えるでしょう。何百時間を費やし、ダリの万華鏡を封じたそのアートは、2007年 “Red” に端を発する色物語を終わらせる完璧なピースでした。
もちろん、WEEZER をはじめ色をテーマとしたアルバムの作り手は決して少なくありません。ただし、BARONESS はそのコンセプトをネクストレベルへと進めています。
「アートワークはリスニング体験と切っても切り離せないものだ。PINK FLOYD の “The Dark Side of the Moon” を聴けばリスナーは必ずすぐにあのプリズムとレインボーを思い出すだろう。音楽以外でリスナーを惹き付けるアートワークは、ただ聴くだけの体験とは別次元の体験を生み出すんだよ。」
アートワークに注がれる全ては、個人的な、特別な理由であると John は語っています。
「俺はいつだって人生からアートを描いている。モデルを使って、俺が描きたいものを探していくのさ。そのプロセスがまるで火花が散るように俺の興味を刺激するのさ。」
人生の変化、バンドの進化を象徴するものこそがアートワーク。
“Gold & Grey” は長年ギタリストを務めた Peter Adams 脱退後初のアルバムとなりました。2015年、”Purple” で大成功を収めたバンドは、新たに Gina Gleason を起用することに決めたのです。
「Gina とはフィラデルフィアで出会ったんだ。俺たち両方が住んでいる場所だ。Peter とは実に良い別れ方だったから、後任を探す時間も充分で、結果として最高にオーガニックな移行となったね。」
元 Cirque du Soleil のギタリストで、Santana にも起用されていたジャムのスペシャリスト Gina の加入は “Gold & Grey” をアートワークのように多様で入り組んだ螺旋の作品へと昇華させました。
温かみや憂いを湛えるシンセサイザーが重要な役割を果たす一方で、オールドスクールなインプロジャムも作品の肝となりました。何より、Gina のドリーミーなコーラスワークはバンドの新たなウェポンです。
モダン=多様性のポストミレニアムメタルにおいて、プログ、スラッジ、サイケデリック、エレクトロニカ、マスロック、インディーロック、デリケートなピアノの響きにスペイシーなサウンドエフェクト、そしてノイズの洪水までエクレクティックを極めたアルバムは “複雑なパズル” だと John は語ります。
「注意深く聴けば、全ての楽曲が何かで繋がっていることが分かるはずさ。メロディーであったり、リズムであったり、1箇所以上繋がっている楽曲だってあるよ。まるでオーディオのイースターエッグが隠されているようなものだよ。」
John はジャンルの話を好みませんが、1つのジャンルに固定されることほど彼を苛立たせるものはありません。実際、アンセミックでエナジーに満ち溢れ、静謐から轟音まで支配するこの作品はストーナーはもちろん、もはやメタルの狭い枠にすら収まることはないでしょう。
「ストーナーメタルの一言だけで全てをカバーできるアルバムではないよ。ロックバンドと名乗るかメタルバンドと名乗るかだけでも、リスナーに相当異なる印象を与える。だけどストーナーメタル?そんなの分かる人いるのかな?」
BARONESS の色円は終わりを迎えますが、彼らの旅が終わる訳ではありません。
「色をテーマとしたアルバムが6枚も続くなんてね。だけど、俺はこれからも描き続けるよ。アートに終わりはないんだから。」

BARONESS “GOLD & GREY” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【BOSS KELOID : MELTED ON THE INCH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAUL SWARBRICK OF BOSS KELOID !!

“Marijuana Shouldn’t Be Prohibited Anywhere And Should Be Completely Legalised For Cultivation, Medical And Recreational Use. It Should Be a Normal Thing Like Eating a Potato And Part Of The Recommended 5 a Day.”

DISC REVIEW “MELTED ON THE INCH”

香ばしき霞とファズサウンドは心地良き酩酊を。マスマティカルで複雑怪奇なデザインは遥かな叡智を。英国ウィガンに実る罪なるハーブ BOSS KELOID は、その類稀なる両極性と多様性でオーディエンスの中毒症状を掻き立てます。
前作 “Herb Your Enthusiasm” でスラッジとストーナーの風変わりなキメラとして一躍脚光を浴びた破調の怪異は、ROLO TOMMASI, MOL, SVALBARD といった他の Holy Roar ロースターとシンクロするかのように更なるエクレクティックな進化を遂げています。
特筆すべきは、キーボーディスト Matthew Milne の加入でしょう。「キーボードは完璧にバンドへとフィットしたし、今では僕らのサウンドの本質にさえなっているんだよ。だけど、方向性をシフトした訳じゃないよ。言ってみればそれは自然な進化なんだ。」 とギタリスト Paul Swarbrick が語るように、バンドは新機軸と言うよりも、むしろパズルのラストピースとして迎えたレトロな鍵盤の響きを得て、エニグマティックなプログロックの領域をより大胆に探求することとなったのです。
幻想的でアンセミックな旋律、奇想天外なアイデアの波動、そして複雑繊細な感情の妙。プログ由来の素材と調味料をふんだんに使用し、出自であるスラッジ、ドゥーム、ストーナーの香ばしきバンズで挟み込んだ滑らかに溶け合う両極性のサウンドウィッチ “Melted on the Inch” は、そうして実際リスナーに刺激的な幻覚や研ぎ澄まされた感性をもたらす合法的なドラッグなのかも知れませんね。
事実、BOSS KELOID のダイアゴナルな魔法は、オープナー “Chronosiam” ですぐさまリスナーの時空間を歪ませます。
威風堂々のストーナーファンファーレをエントランスに、ハモンドとスタッカートの静謐な小部屋から、フォーキーにスウィングするダンスホール、シンガロングを誘うキャッチーな大劇場まで、多様な時代と背景をシームレスに行き交う進化を遂げたバンドの姿は、まさにダイナミズムの異世界迷宮。そしてそのエクレクティックな地脈回廊は、アルバム全体へと行き渡り胎動していくのです。
レゲエとラスタの多幸感をスラッジストーナーの重量感へ封じた “Peykruve” の実験も、ハーブマスターならではの奇妙でしかし鮮やかなコントラストでしょう。そして何より、PALLBEARER が PINK FLOYD や ASIA への憧憬を隠そうとしないように、BOSS KELOID も “Lokannok” で CAMEL をドゥームの領域へと誘って、伸張するモダンメタルの新たな潮流に一役買って見せました。
「もっとプログ寄りのファンからは、CAMEL, GENESIS, KING CRIMSON を想起させるなんて言われているしね。」 もしかすると、古の巨人が宿したプログレッシブな魂は、ジャンルの後進よりも BOSS KELOID のようなバンドこそが正しく継いでいるのかも知れませんね。
今回弊誌では、Paul Swarbrick にインタビューを行うことが出来ました。「マリファナの使用は、例えばポテトを食べるのと同じくらい普通のことだし、1日に5回摂取するのを推奨するのが我々の務めだ。」弊誌は別に推奨はしません。どうぞ!!

BOSS KELOID “MELTED ON THE INCH” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ELDER : REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NICK DISALVO OF ELDER !!

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Massachusetts Based Artistic Heavy Rock Act, Elder Take You An Adventure That Won’t Be Soon Forgotten With Their Progressive & Eclectic New Record “Reflections Of A Floating World” !!

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DISC REVIEW “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD”

マサチューセッツからストーナー/ドゥームの翼を広げるアートロックバンド ELDER が、革命的な新作 “Reflections Of A Floating World” をリリースしました!! 音のキャンバスに描かれる芸術的で想像性豊かな色彩は、リスナーを遥かなるサウンドスケープの旅路へと誘うことでしょう。
ファジーでスロウ。シンプルなストーナーアクトとしてスタートした ELDER は、プログ/ヘヴィーサイケの方角へと舵を切り、今や最もクリエイティブでアーティスティックなヘヴィーロックバンドと称されています。リスナーに豊潤なアドベンチャーやストーリーを喚起するあまりにシネマティックな作品と、ジャンルを縦横無尽に横断する精神性はその確かな証拠となっていますね。
中でも前作 “Lore” は、リフ、メロディー、コンポジションに最上級のデザインと創造性が施され、プログレッシブドゥームの傑作として各所で高い評価を得た作品でした。しかし、バンドは “Reflections Of A Floating World” で自身の最高到達点を易々と更新して見せたのです。
アルバムオープナー、”Sanctuary” の威風堂堂としたリフクラフトはまさに ELDER の真骨頂。揺るぎなきそのファジーな響きはバンドのルーツを主張し、リスナーを “浮世” という聖域へ導く道標と化していますね。
楽曲の中間部では、バンドのフロントマン、ボーカル/ギター Nick DiSalvo が演奏家としての実力を存分に見せつけます。エモーションとテクニック、そしてエピカルな旋律を意のままに操り融和させたロングリードは、仙境なるアルペジオや起伏の激しい山々の如きリズムアプローチをアクセントとして極上のアドベンチャーを紡いで行きます。
実際、これほどまでギターサウンドが的確に、存分に、華麗に設計、レイヤーされたレコードは簡単には見当たりません。それはすなわち、4人目のメンバーとなったセカンドギタリスト Michael Risberg、ペダルスティールのスペシャリスト Michael Samos を不可欠な存在としてアルバムに招聘する理由となったのです。
“The Falling Veil” では、”Lore” から一層上のステージへと移行した Nick のボーカリストとしての魅力も開花します。表現力とレンジが広がり、自信に満ちた彼のサイケデリックな歌唱は Ozzy Osbourne のような中毒性をも携え、決してメジャーとは言えないジャンルのバンドがリーチを拡大するための大きな武器となっていますね。
さらに、”The Falling Veil” はバンドの新たな地平も提示します。PINK FLOYD のムードを存分に浴びてスタートする楽曲は、クラッシックプログ、クラウトロック、インディーなどの影響がシームレスに芽生える、カラフルで多彩な浮世草子と言えるかも知れません。レトロとモダン、ヘヴィネスとアトモスフィア、シンプルとマスマティカルを行き来する楽曲のコントラスト、ダイナミズムはまさに唯一無二。インタビューで語ってくれた通り、「より複雑でプログレッシブ」となったアルバムを象徴する起伏に富んだ楽曲は、「音楽を聴いている時、頭の中にストーリーを描けるようなサウンド」として完成を見たのです。
バンドが誇るコンテンポラリーな多様性はジャンルのみに留まらず、百花斉放なその使用楽器にも及びます。人生を変えたアルバムのトップに ANEKTODEN をリストしていることからも、バンドのプログレッシブロックに対する造詣の深さが伝わりますが、”The Falling Veil” を引き合いに出すまでもなく、メロトロンを彼らほど巧みにヘヴィーロック/メタルへと取り入れた集団は OPETH を除いては存在しないでしょう。
アルバムを聴き進めれば、フェンダーローズが素晴らしき色を添える “Staving Off Truth”、ペダルスティールが主役を務め Miles Daves の遺伝子を宿した “Sonntag”、メロトロンとピアノがヘヴィーなリフストラクチャーと見事な対比を生み出す “Blind” など、Nick が語ってくれたように 「ヘヴィーロックではあまり聴くことの出来ない楽器」でヘヴィーロックを新たな領域に導いていることに気づくはずです。
ジャンルのマスターマインドである MASTODON がキャッチーであることにフォーカスした今、ELDER の切り開く新たなフロンティアはシーンにとって掛け替えのない財産となっているのかも知れませんね。
今回弊誌では Nick DiSalvo にインタビューを行うことが出来ました。日本の “浮世” ともリンクし、マテリアルワールドとスピリチュアルワールドを往来する64分の壮大な叙事詩。6曲全てが10分前後ながら、リッチで瑞々しく、全く冗長さを感じさせない圧倒的な構成力にぜひ酔いしれてみてくださいね。どうぞ!!

ELDER “REFLECTIONS OF A FLOATING WORLD”: 10/10

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WORLD PREMIERE: “LOST AND CONFUSED” 【KYLESA : EXHAUSTING FIRE】


WORLD PREMIERE: NEW SONG !! “LOST AND CONFUSED” OF KYLESA !!

FEMALE-FRONTED STONER BAND FROM GEORGIA, KYLESA SET TO RELEASE THEIR NEWEST ALBUM “EXHAUSTING FIRE” ON 10/1 !!

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ジョージアの姉御こと LAURA PLESANTS 率いるストーナーバンド KYLESA が名作 “ULTRAVIOLET” に続く新作を10/1にリリースします。タイトルは “EXHAUSTING FIRE”。現在メタルシーンのトレンドの一つにヴェストメタルというジャンルが存在します。ヴェストとは VEST、即ち洋服のヴェスト。ヴェストを着用し、オカルト/サイケ/ドゥーム/ストーナーメタルをプレイ。女性がフロントを務めることが多いのも特徴です 。ROYAL THUNDER, WINDHAND, GHOST, BLOOD CEREMONY, 以前弊誌でインタビューを行った LUCIFER, そしてこの KYLESA もそういったバンドの1つでしょう。BARONESS, 初期MASTODON のような先進性と本格的なサイケテイストを兼ね備えた要注目なバンドです。トレードマークである3ボーカル+2ドラムが生み出す音圧と実験性を新作でどのように進化させるのか楽しみですね!!

KYLESA further explore and incorporate psychedelic rock, new wave, space-age twangy Americana, 80s goth and death rock into their pitch-thick DIY punk/metal roots. ‘Exhausting Fire’ easily representing the most
diverse, dynamic and fully-realized work of their discography !!

“An album we really put our hearts on
our sleeves for. We’ve always done that, but emotionally, it’s probably the most honest and raw album we’ve ever done.”
“このアルバムには僕たちの感情を露骨に注いだよ。いつもそうしているけど、感情的には今までで最も正直で生のアルバムだと言えるだろうね。”

PHILIP COPE

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“No band sounds like us and we don’t sound like any other band, After all these years of experimenting with different styles and sounds, we’ve really developed our own thing and I can faithfully say that we sound like us. With this album, we’ve successfully made a record that incorporates all the elements we’ve always played with into a record that
works on its own.”
“私たちのようなサウンドのバンドはいないし、他の誰かのようになりたいと思ったこともないわ。何年も異なったスタイル、サウンドで実験してきた後、私たちは進化して心からこれだというサウンドを見つけたのよ。このアルバムには私たちが今まで試してきたサウンドを全て詰め込んでいるわ。”

LAURA PLESANTS

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Tracklisting
01. Crusher
02. Inward Debate
03. Moving Day
04. Lost and Confused
05. Shaping The Southern Sky
06. Falling
07. Night Drive
08. Blood Moon
09. Growing Roots
10. Out Of My Mind
11. Paranoid (bonus track)
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WORLD VIDEO PREMIERE “SCARLET EXTREMITIES” BY 【H A R K】


SCARLET EXTREMITIES

                                                                                         BY H A R K

MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE PRESENTS WORLD VIDEO PREMIERE OF H A R K

3/18にSEASON OF MISTからデビュー作CRYSTALLYNEをリリースしたウェールズ出身のトリオ、H A R K。彼ら特有のプログレッシブなSLUDGE / STONERサウンドを遺憾なく発揮した良曲”SCARLET EXTRIMITIES” のPVを世界初公開です!!

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【ABOUT CRYSTALLYNE】

The album was recorded at Monnow Valley Studios in Wales (BLACK SABBATH, RUSH, JUDAS PRIEST, PORTISHEAD), and mixed by CONVERGE guitarist Kurt Ballou (CONVERGE, HIGH ON FIRE, KVELERTAK, YOUNG WIDOWS).
1994年から活動していたTAINTが母体になって結成されたバンドです。SLUDGE界隈のイエンス・ボグレンことCONVERGEKurt BallouがMIXを担当し、CLUTCHNeil Fallonが客演している事からもこのアルバムの重要性が伝わるでしょう。ただ重い音をぶちまけるだけではなくKING CRIMSONやTOOL譲りの知性を感じさせる点が素晴らしいですね。BARONESS, KYLESAなどのファンにはぜひ聴いて頂きたい一枚です。

尚、現在はKEN MODEとダブルヘッドライナーでツアーを行っています。こちらがその模様ですがクール過ぎますね!以前当サイトにメッセージを寄せてくれたLAZER/WOLFと通じるものがあるように思います。

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彼らとSEASON OF MISTさんのFBページです。ぜひチェックしてみて下さい!!
www.facebook.com/Harkband
www.facebook.com/seasonofmistofficial
http://shop.season-of-mist.com/catalogsearch/result/?q=Hark

 

 

PICK UP ARTIST 【LAZER/WULF】


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”GAGA was so EXCITED!!(ガガ様も大興奮!!)”

突然ですがこの写真をご覧下さい。IRON MAIDENのKILLERSテーシャツ着用のブロンド美人にご注目です。そうです、ご存知LADY GAGA様です。3月に行われたSXSWでの一コマです。 「そうだよ、彼女が僕らのショーに来たんだ!人垣に蹴りを入れながらステージに近づいて来た。最初は誰だか分からなかったんだ。ドレッドにグラサンだったからね。ショーの後彼女は来て信じられない、最高の時間だったって言ってくれたんだ!」 ガガ様に最高の時間を提供した3人組がこのアトランタのインストバンド、LAZER/WULFです。ガガ様じゃなくてもこの映像を見ればわかります。

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