EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH EVAN BERRY OF WILDERUN !!
“Ideas Flow Through Us, We Can Only Try Our Best To Make Something New Out Of It, But Whatever It Is We Create Will Inevitably Be Shaped By a Myriad Of Things That Came Before Us.”
DISC REVIEW “EPIGONE”
「”Veil of Imagination” はこれまでの僕らのキャリアの中で最も大きな意味を持つレコードだった。 カラフルでエキセントリックな感じがより多くの人の心を掴んだというか、”もっと変わったことがしたい!” という気持ちが実を結んだのかもしれないね」
2012年の結成以来、ボストンを拠点とするプログレッシブ/フォーク・メタルの新鋭 WILDERUN は、創意工夫とたゆまぬ努力を続けてこのジャンルの “特別” を勝ち取りました。
特に、ファンやメディアから絶賛を受け、Century Media との契約にもつながった2019年の “Veil of Imagination” では文字通りその創造性のベールをすべて取り去り、素晴らしくカラフルでメロディック、ブルータル、グローリアスかつ全方位的なサブジャンルを探検し、彼らが HAKEN や LEPROUS と同じ土俵に登りつめたことを圧倒的に証明しました。まさに、モダン・プログレッシブ・メタルの旗手、プログレッシブの希望。そんな評価を確実のものとしたのです。
「パンデミックでキャリアを中断された苛立ちが、心の挫折感に光を当てたんだと思う。特にロックダウンで孤立しているときは、そういう思いが渦巻いてしまう。だから、自分の自信のなさや至らなさについて考える時間がたくさんあったんだと思うんだよ。つまり、自分が “Epigone” じゃないかって疑念を抱いたわけさ」
そんな WILDERUN の快進撃を阻んだものこそパンデミックでした。Evan が陰陽の関係と語るレコーディングとライブ。どちらかが欠けても立ち行かないバンド運営の根源、その一つが失われた結果、彼らはアルバムの成果をファンと祝い分かち合うこともできず、暗闇に立ち止まることとなります。闇は孤独と挫折感を生みます。一人になった Evan Berry は自信を失い、自らと芸術の関係性を省みて、自分には創造性が欠けているのではないか、自己が生み出す音楽は “Epigone” なのではないか、そんな疑念を抱いたのです。
「芸術や創造性に関して言えば、自由意志はどこにあるのかわかりにくいものだ。だけど自分のものか他人のものかわからないアイデアはどんどん出てくるし、そこから新しいものを生み出そうと頑張るしかないんだよね。だから結局、僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。そんなことを、僕は自分の至らなさや独創性のなさを感じたときに、思い出すようにしているんだよ」
“Epigone” とは、優れた先人のアートを安易にパクる人たちのこと。たしかに、独創と模倣の境界は曖昧です。芸術にしても学問にしても、ゼロから何かを生み出す超人などは存在するはずもなく、私たちは先人たちの積み木の上に少しづつ積み木を継ぎ足して新たな何かを創造します。目や耳、五感が知らないうちに何かを吸収して、そこから自らの創作物が解き放たれることもあるでしょう。とはいえ、正直に思い悩み、告白した Evan Berry の音楽はあまりに “Epigone” とは程遠い、10年に一度の傑作です。
「僕は多くの点で WILDERUN をメタル・バンドと呼ぶことに抵抗を感じているんだ。確かにメタルは大好きだし、僕ら全員にとって重要な要素だよ。だけど、音楽を創るという意味では、メタルは土台というより道具だといつも思っているんだ」
多くのファンが WILDERUN をプログに残されたほんの僅かな希望だと信じる一方で、Evan は彼らの期待を気にかけないようにしています。気にかけてしまうと、自分らしい音楽が書けなくなってしまうから。そんな繊細さと優しさを併せ持つ人物が “Epigone” であるはずもなく、そうしてこのアルバムはプログやメタルを超越した完璧なる音のドラマ、”メタ” の領域へと到達しました。オーケストレーション/キーボード担当の Wayne Ingram があの Hans Zimmer の弟子であることがインタビューで語られていますが、まさにこのアルバムは音楽が雄弁にストーリーを語る大作映画の趣を誇っているのです。
“Epigone” は優しく、内省的で、哲学的な “Exhaler” で幕を開けます。たしかに、このレコードは、作品のテーマに寄り添うようにバンドのメロウで繊細な一面が強調されています。ドリーミーなシンセとアルペジオの連動、そして祝祭的なリズムが印象的な “Identifier”、精神的な思索が渦巻く瞑想的なフィルムスコア “Distraction III”。
「このアルバムには繊細で美しい部分がたくさんあるにもかかわらず、不穏な雰囲気が漂っているように感じるんだよね」
ただしそれもあくまでこの巨編の一面にしかすぎません。道具として配置されたメタリックな獰猛やアヴァンギャルドな冒険、そしてテクニカルな流麗はアルバムを二次元から三次元に、傍観から体験へと押し上げていきます。14分の “Woolgatherer” は軽快に始まり、すぐにコーラス、パーカッション、不吉な叫び、ねじれたギターワーク、オーケストレーションの泉、そして雷のようなディストーションで狂気のマラソンに突入する奇跡の一曲で、ある意味、プログ・メタルが今できることのすべて以上を詰め込んだ限界突破のアート。 何より圧倒的なのは、テーマやモチーフの膨らませ方。千変万化、壮大苛烈な “Passenger”、不気味なサウンドコラージュとノイズまで抱きしめた “Distraction Null” も含めて WILDERUN の野心はまさに “不穏” でとどまることを知りません。
アルバムにはボーナストラックとして、RADIOHEAD のカバー “Everything In Its Right Place” が収録されています。オーセンティックでありながら、時に彼らのオリジナルのように聴こえる息を呑むような優れたオマージュは、”Epigone” の本質を指しているようにも思えます。アルバム本編にも RADIOHEAD 的なイメージは見え隠れしていますが、当たり前のように両者はまったく異なるアートを創出しています。僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。だけどそこに留まってはいないんだ。そんな Evan の新たな決意が伝わってくるように感じられました。
今回弊誌では、Evan Berry にインタビューを行うことができました。「僕にとってベストなやり方は、個人的に好きな音楽を作り続け、他の人たちがそれを好きになってくれることを願うという方法。 それが、これまで僕にとって唯一うまくいってきた方法で、創造性が壊されない状態に僕を導くことができ、その瞬間 “ゾーン” に留まることができる唯一のやり方なんだ」 3度目の登場。 どうぞ!!
WILDERUN “EPIGONE” : 10/10
INTERVIEW WITH EVAN BERRY
Q1: I was surprised to find out that your big love about Japanese music and anime. How did you get into it and what artists, anime and games do you love?
【EVAN】: My first exposure to Japanese music was, not surprisingly, through metal. I think I heard both Boris and Sigh back in high school, and I was really intrigued. I saw Boris twice over here in the states and really loved it. My girlfriend is more familiar than I am with the Japanese music scene, but she has turned me on to some great rock bands such as Tricot, Polysics and Mass of the Fermenting Dregs. I’ve come to appreciate some J-pop as well. I may be losing some serious metal cred here, but we saw Kyary Pamyu Pamyu in NYC in 2018, and it was actually amazing. As for anime, I am actually in the middle of watching “Serial Experiments Lain” right now, and it is super intriguing. Some other favorites are Psychopass, Trigun and Full Metal Alchemist Brotherhood. As for games, I am pretty mainstream having grown up on Nintendo and such. I recently played Silent Hill 2, 3 and 4 for the first time, and they were all incredible, especially their soundtracks. I really hope to make it to Japan soon! Also, being a huge roller coaster enthusiast, Fuji-Q Highland and Nagashima Spa Land are two bucket list parks for me.
Q1: あなたが日本の音楽やアニメにとても詳しいと知って驚きましたよ。
【EVAN】: 僕が初めて日本の音楽に触れたのは、メタルを通してだった。驚くべきことじゃないけどね。高校生の頃、BORIS と SIGH の両方を聴いて、とても興味をそそられたんだよね。BORIS はアメリカで2回見て、本当に気に入ったんだ。
僕の彼女は僕よりも日本の音楽シーンに詳しいんだけど、Tricot, Polysics, Mass of the Fermenting Dregs といった素晴らしいロックバンドを紹介してくれたよ。J-POPの良さもわかってきたね。メタルの信用を失うかもしれないほど深刻な事態だけど、2018年にきゃりーぱみゅぱみゅをNYで見て、実際素晴らしかったんだ。
アニメに関しては、実は今 “Serial Experiments Lain” を見ている最中なんだけど、めちゃくちゃ興味津々なんだ。他に好きなのは “サイコパス”, “トライガン”, “鋼の錬金術師” なんかだね。
ゲームに関しては、任天堂などで育ったから、かなりメインストリームが好みかな。最近初めてサイレントヒル2、3、4をプレイしたんだけど、どれも素晴らしくて、特にサウンドトラックが最高だったよ。早く日本に行きたいね。ジェットコースターが大好きだから、富士急ハイランドとナガシマスパーランドは絶対行きたいんだよ!
Q2: “Veil of Imagination” was very well received by fans and many media outlets! It was also voted the third best album of 2019 by our magazine. After the release of “Veil of Imagination”, you signed a contract with Century Media, and it was a life-changing album for you, wasn’t it?
【EVAN】: Wow, thank you! We’re honored to be ranked so highly by your magazine 🙂 Yes indeed, overall “Veil” was the most significant record in our career thus far. I suppose it just had a colorful and eccentric nature that grabbed more people than before, so I think our desire to get a bit weirder paid off! Also, and probably just as importantly, “Veil” was the first album where we invested some money into hiring a PR agency to help promote the album. Adrenaline PR did a great job getting our name out there more than we could do on our own, and I know it got the album in the hands of a few people that have helped our career. In retrospect, I wish we had done this with our first two albums (or at the very least “Sleep at the Edge of the Earth”), but hindsight is always 20/20.
Q2: さて、前作の “Veil of Imagination” はファンやメディアから大絶賛された作品でしたね。実際、弊誌でも2019位のベストリスト3位に選出しました。
リリースの後に Century Media と契約を果たしましたし、まさに人生を変えたアルバムだったんじゃないですか?
【EVAN】: わあ、ありがとう!貴誌で上位にランクされて、光栄だよ!そうだね、全体的に “Veil of Imagination” はこれまでの僕らのキャリアの中で最も大きな意味を持つレコードだった。 カラフルでエキセントリックな感じがより多くの人の心を掴んだというか、「もっと変わったことがしたい!」という気持ちが実を結んだというか。
あと “Veil” は、アルバムのプロモーションのために、PR会社を雇ってお金を投資した最初のアルバムでもあるんだ。アドレナリンPRは、自分たちだけではできないような素晴らしい仕事をしてくれて、僕らのキャリアを支えてくれる新たな人たちの手にこのアルバムを届けてくれたんだ。 振り返ってみると、最初の2枚のアルバム(あるいは少なくとも “Sleep at the Edge of the Earth” だけ)でもこうしていればよかったと思うんだけど、後悔先に立たずということだろうね。
Q3: A lot of people started to treat Wilderun as the flag bearer or hope of progressive metal. How do you feel about those expectations?
【EVAN】: To be honest, I try to not think about those things all too often, haha! As flattered as I am by that sentiment, and as much as I appreciate the love from those fans, I know that if I focused too much on audience expectation, it would create a lot of pressure and would most likely stifle a lot of my creativity. I’ve actually had moments where I’ve been overwhelmed by thoughts like that, and I’ve had to dig myself out of self-critical holes. (Some of the lyrics on “Epigone” actually deal with some of these issues). The best thing for me to do is just continue trying to make music I personally love, and hope other people like it. That’s the only thing that’s worked for me thus far, and it’s the only thing that can get me in a state of uncorrupted creativity, and stay in the zone during those moments, which are actually a lot more fleeting and rare than most people would probably assume.
Q3: 新たな人たちの手にアルバムが届いた結果、あなたたちはプログ・メタルの旗手、希望として扱われるようになりましたね?
そういった大きな期待についてはどう感じていますか?
【EVAN】: 正直、あまりそういうことは考えないようにしているんだよね(笑)。だって、リスナーの期待に応えようとしすぎると、プレッシャーになり、自分のクリエイティビティが損なわれてしまうと思うからね。実際に、そういう思いに押しつぶされそうになって、自己批判の穴から自分を助け出したこともあるんだよ。”Epigone” の歌詞の中には、実際にそういった問題を扱っている曲があるくらいでね。
僕にとってベストなやり方は、個人的に好きな音楽を作り続け、他の人たちがそれを好きになってくれることを願うという方法。 それが、これまで僕にとって唯一うまくいってきた方法で、創造性が壊されない状態に僕を導くことができ、その瞬間 “ゾーン” に留まることができる唯一のやり方なんだ。実際には、それはほとんどの人が思っているよりもずっとはかなくて稀なことなんだけどね 。
Q4: But by the time “Epigone” was completed, there were pandemics, presidential elections, and BLM, and the division of the world became more apparent, right? Did those situations influence the new record?
【EVAN】: I think the biggest effect it had on us was that it robbed us of the opportunity to truly celebrate “Veil of Imagination”. I’ve come to realize over the years that there is a sort of Ying/Yang between recording an album and playing shows. They are very different, but they compliment each other. You put your heart and soul into the music while writing and recording, which is why it is ultimately the most satisfying part of the process, but then you use touring and shows to celebrate the achievement of the final product. Unfortunately, because of the pandemic, we only got a grand total of 8 shows in support of “Veil”. It was difficult to get working on a new record so soon, and there were a few months where I know I hesitated. Even though we ultimately decided making a new album would be the best use of our time, I do think that frustration and sorrow made its way on “Epigone”, even if it’s in a subconscious way.
Q4: 前作から “Epigone” までのインターバルで、世界は大きく変わりました。パンデミック、大統領選、BLM…世界の分断がより露わになったようにも思えます。
【EVAN】: まあ、僕たちにとっては “Veil of Imagination” を心から祝福する機会が奪われてしまったことが、一番大きな影響だったと思うな。アルバムのレコーディングとライヴの間には、ある種陰陽の関係があるのだと、この数年で理解するようになってね。両者はまったく異なるものだけど、互いに補完し合っているんだよ。つまり、曲作りとレコーディングに心血を注ぎ、それが最終的に最も満足のいくプロセスだとしたら、ツアーとライヴは出来上がった作品の完成を祝うために行うものなんだ。
残念ながらパンデミックの影響で、”Veil” を引っ提げたライヴは全部で8回しか行えなかった。あまり早くに新譜の制作に取りかかるのは難しくて、数カ月は躊躇したこともあったと思う。最終的に新しいアルバムを作ることが一番良い時間の使い方だと判断したとはいえ、そのフラストレーションや悲しみは、無意識のうちに “Epigone” に封入されていると思う。
Q5: “Epigone” refers to artists who create unoriginal works by appropriating or imitating the styles of their predecessors, who are considered to be superior, right? Why did you choose this title for your latest work?
【EVAN】: All my lyrics come from a personal place, and I think the frustration of our career being put on hold really shined a light on my feelings of failure. These sorts of thoughts can really spiral, especially when you’re in isolation, so I think I just had a lot of time to muse on my own feelings of self-doubt and inadequacy. It also made me start to rethink a lot of how I defined myself as a human being, and how much I can connect my self-worth with my career and achievements, and what a trap that way of thinking can become. It’s very easy to lose sight of the truly transcendent nature of music and art once you become too directly tied to it, and your identity becomes too wrapped up in it, so a lot of this album seeks to break that connection.
Q5: “Epigone” とは、優れた先人の作品を粗雑に模倣する芸術家、平たく言えば安易にパクるアーティストのことだそうですね?
【EVAN】: 僕の歌詞はすべて個人的なもので、パンデミックでキャリアを中断された苛立ちが、心の挫折感に光を当てたんだと思う。特にロックダウンで孤立しているときは、そういう思いが渦巻いてしまう。だから、自分の自信のなさや至らなさについて考える時間がたくさんあったんだと思うんだよ。つまり、自分が “Epigone” じゃないかって疑念を抱いたわけさ。
自分を人間としてどう定義するかについて再考の時間になったんだよ。自分の価値とキャリアや実績を結びつけて考えること、その考え方がいかに “危険な罠” なのかを考え直すきっかけにもなったね。音楽や芸術と直接的に結びつきすぎて自分のアイデンティティがそれに包まれてしまうと、音楽や芸術の真の超越的な本質を見失いがちになるからね。
Q6: However, I believe that there is no such thing as an artist who creates something from nothing, and that everyone combines several influences and creates something new from them. There will be times when the pain of childbirth makes it easy to imitate. But, whether we add our own personality and identity to it or not, the result will be very different, would you agree?
【EVAN】: Yeah absolutely. We are all the result of a giant mix of things we didn’t decide and could’ve never chosen for ourselves. We don’t even truly choose what we like, we are simply drawn to whatever it is that grabs our attention. Not to get too deep into a discussion about free will, but especially when concerning art and creativity, it is hard to see where the free will is in that. Ideas flow through us, we can only try our best to make something new out of it, but whatever it is we create will inevitably be shaped by a myriad of things that came before us. These are certainly the types of things I try to remind myself of when I’m feeling inadequate or unoriginal.
Q6: ただ、私はゼロから何かを生み出せる芸術家など存在しないと信じていて、全員が何かしらの影響を組み合わせながら新たな光を創造していると思うんですよね。もちろん、そこに産みの苦しみを抱えながら。
結局、創造物に自らの個性やアイデンティティを加えられるかどうかで、結果も大きく変わってきますよね?
【EVAN】: うん、間違いなくそうだよね。もっと言えば、僕たちは皆、自分で決めたわけでもなく、自分で選ぶこともできなかった影響が、巨大に混ざり合った結果なんだよね。僕たちは、自分の好きなものをすべて本当に選んでいるわけではなく、それが何であれ、単に注意を引くものに引き寄せられるだけなのかもしれないよね。
自由意志についての議論に深入りするつもりはないけれど、特に芸術や創造性に関して言えば、自由意志はどこにあるのかわかりにくいものだ。だけど自分のものか他人のものかわからないアイデアはどんどん出てくるし、そこから新しいものを生み出そうと頑張るしかないんだよね。だから結局、僕たちが作るものは、必然的に先人の無数のアイデアによって形作られている。そんなことを、僕は自分の至らなさや独創性のなさを感じたときに、思い出すようにしているんだよ。
Q7: But “Epigone” is still overwhelming! I was impressed by “Veil of imagination”, but this album takes metal to the stage of a classic movie or a Shakespearean opera. The art is the opposite of “Epigone”, isn’t it? Compared to “Veil of Imagination”, it’s more mellow and delicate, with fewer heavy parts, which creates a wonderful contrasting magic, doesn’t it?
【EVAN】: Thank you! Yeah, there are definitely even more quiet parts on this album. I know some of our more ‘metal’ fans may not be as stoked on that aspect, but in a lot of ways I have a hard time even calling Wilderun a metal band. We certainly love metal, and it is an important part of all of us, but in regards to creating music, I’ve always thought of metal more as a tool than as a foundation. It is a wonderful thing to utilize to help create drama and dynamics, and if you want your music to reach some soaring heights and intensity, it doesn’t get much better than metal in terms of sonics and aesthetics. But yeah, the songs on “Epigone” just happen to have fewer of those this time around. It wasn’t really by choice, the songs just naturally seemed to turn out that way. But I like to think the heavy parts still contribute a lot when they do enter.
Q7: ただ、少なくとも “Epigone” というアルバムは、”エピゴーン” とはかけ離れた作品ですよ。前作よりデリケートでメロウで、メタルを名作映画やシェイクスピアの領域にまで押し上げていますね?
【EVAN】: ありがとう!うん、確かに今回のアルバムでは静かなパートがさらに多くなっているね。メタル・ファンの中には、その点をあまり良く思っていない人もいるかもしれないけど、僕は多くの点で WILDERUN をメタル・バンドと呼ぶことに抵抗を感じているんだ。確かにメタルは大好きだし、僕ら全員にとって重要な要素だよ。だけど、音楽を創るという意味では、メタルは土台というより道具だといつも思っていてね。
メタルはドラマやダイナミクスを生み出すために活用できる素晴らしい道具で、もし自分の音楽を高みや激しさに到達させたいのであれば、音響や美学の面でメタルに勝るものはないだろうね。 まあだから、”Epigone” の曲は、たまたまそういうのが少なかっただけなんだ。別に選んでそうなったわけではなくて、自然とそういう曲になったという感じかな。でも、ヘヴィなパートが入ることで、まだアルバムに多くの貢献をしてくれていると思いたいね。
Q8: It seems that Joe Gettler has left the band and Wayne Ingram, who is in charge of keyboards and orchestration, is back on lead guitar as well. But Joe is still playing on this album, isn’t he? But now that I know Wayne worked with Hans Zimmer, I understand why his orchestration is so great, haha!
【EVAN】: Yeah, it’s been a bit confusing for some, especially considering Wayne is playing guitar in the music videos, but Joe did indeed record all the lead guitars on “Epigone”. It was basically the last thing he did with the band before deciding to leave. We were sad to see him go, but he needed to focus on his career as a tattoo artist (he’s an amazing visual artist, by the way), and since we are all good friends, we completely understood and wish him well. Luckily Wayne was in a place in his life where he could take up the mantle of lead guitarist once again, so it worked out nicely. And yes, Wayne certainly worked on his orchestrating chops a lot during his time with Hans Zimmer, which has been very beneficial for us! I think I can easily say his work on “Epigone” is his best so far.
Q8: リード・ギタリスト Joe Gettler はこのアルバムのレコーディングを最後にバンドを脱退し、キーボードとオーケストレーションを担当している Wayne Ingram が再びギターも兼任するようですね?
それにしても、Wayne は Hans Zimmer と仕事をしていたんですね?このアルバムのオーケストレーションが極上な理由が理解できた気がします(笑)
【EVAN】: そうなんだ。Wayne がミュージック・ビデオでリード・ギターを弾いていることを考えるとちょっと分かりにくいんだけど、”Epigone” では確かに Joe がすべてのリード・ギターを録音しているんだ。彼が脱退を決意する前に行った最後の貢献がこのアルバムだったんだ。彼が去るのを見るのは悲しいけれど、彼はタトゥー・アーティストとしてのキャリアに集中する必要があったし(ちなみに彼は素晴らしいビジュアル・アーティストだよ)、僕たちはみんな良い友達だから、彼の幸せを願って脱退も完全に理解していたよ。
幸運なことに、Wayne が再びリード・ギタリストの座につくことができる状況にあったから、うまくいったんだ。 そうそう、Wayne は Hans Zimmeと一緒にいる間にオーケストレーションの腕を磨いたんだ。”Epigone” での彼の仕事は、これまでで最高のものだと断言できるよ。
Q9: And the most wonderful thing is your vocals. You’ve become one of the leading vocalists in the metal world! You are able to manipulate emotions in a transformative way, from ferocious growls to Beatles-like singing. The “Destruction” suite at the end is especially incredible, and the unexpectedness of bringing chaos at the end is really so you, would you agree?
【EVAN】: Thank you so much, that really means a lot! I do feel more confident in my vocals now than I used to, so it is great to hear that it comes across on the album. And yeah, we were really happy with how that ending turned out. The chords and melody I had written for that part were already on the darker/brooding side, but since it’s the end of the album, we wanted to turn up the chaos a notch, so we implemented a lot of noise and synth work into it, to really try to create a hellish maelstrom. We don’t get many opportunities to get That dark, so it was a lot of fun. As I mentioned before, even though there are a lot of delicate, pretty parts on this album, I still feel like there is an undertone that is unsettling. Sort of like a watcher in the dark that doesn’t let itself be known very often, but you can feel its presence. So the ending fully leans into that side of things, for a brief moment.
Q9: いかにオーケストレーションが素晴らしくても、このアルバムで最も輝いているのはあなたの歌ですよ!もはや、メタル世界を牽引するボーカリストですね。獰猛なグロウルから、ビートルズのようなクリーンまで、感情を操る歌唱であなたの右に出るものはそうそういないでしょう。
特にアルバム終盤の “Destruction” 組曲は実にダイナミックで、最終盤に襲い来るカオスには圧倒されましたよ。
【EVAN】: 本当にありがとう。以前より自分のボーカルに自信が持てるようになったから、それがアルバムで伝わったと聞いてとてもうれしいよ。
そうそう、あのエンディングの出来栄えには本当に満足しているんだ。あの部分のために書いたコードとメロディーはすでにダークで陰鬱なものだったけど、アルバムの最後だからカオスをさらに高めたいと思って、ノイズとシンセをたくさん使って、地獄のような大混乱を作り出そうとしたんだよね。そこまでダークになる機会はあまりないから、とても楽しかったよ。
このアルバムには繊細で美しい部分がたくさんあるにもかかわらず、不穏な雰囲気が漂っているように感じるんだよね。暗闇の中の監視者のようなもので、あまり自分の存在を知らせないけれども、その存在を感じることができる。 だから、エンディングで一瞬だけ、そっちの方に傾いたんだと思う。