EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FRANCESCO “JOE” CATALDO OF PERFECT VIEW !!
“We Think Bushido Is Very Important Values That Are Somewhat Lacking Today, Especially In Some Western Cultures.”
DISC REVIEW “BUSHIDO”
「僕たちは、武士道の原則が、今日、特に一部の西洋文化において、やや欠けている非常に重要な価値観だと考えているんだ。おそらく、武士道のこうした原則は部分的に回復されていき、今日の世界に適応されるべきだと思うんだ」
武士道で最も尊ばれる義と誉。侍は、例え主君が滅びる運命にあろうとも、義を捨て、誉を捨てて他家に支えることはありません。もちろん時代は変わりましたが、エゴよりも、財産よりも大事なものがあった男たちの生き様は、物質的な現代社会においてある種の教訓とすべきなのかもしれません。”Bushido” の名を冠した作品を完成させた PERFECT VIEW は、決してメロハーを裏切りません。名声や金銭、時の流れに左右されることもありません。ただ愛する音楽を作り続ける。その姿勢はまさにイタリアの侍です。
「僕たちの目標は、映画のような音楽体験ができるアルバムを作ることだった。だから、小さなことでも細部に至るまで細心の注意を払って作ったんだ。この作品は、障害を持って生まれながら、祖父のような偉大な侍になることを夢見る少年の物語だ」
PERFECT VIEW の “Bushido” は、侍の世界に捧げられたロック・オペラです。彼らは、武士という義と誉の戦士をテーマにしたコンセプト・アルバムで、メロハーに義と誉を尽くしてきた日本のリスナーに敬意を表したかったのです。もちろん、メロハーによるコンセプト・アルバムは想像以上に簡単ではないでしょう。メタルやプログレッシブ・ロックのように曲の長さを自由自在に操るわけにもいきません。様々な楽器によるゴージャスなスコアでストーリーを彩ることにも限度があります。しかし、異国の侍たちはこの難題をやってのけました。
「祖父は、お守りを通じて夢の中で彼に語りかけ、彼が自分の道を歩き、運命に出会うよう駆り立てていく。このプロットの中で武士道は、常に自分の夢を信じ、目標を達成するために自分の限界を克服するために戦うということを教えてくれると思うよ」
PERFECT VIEW にとっての武士道とは、夢を貫き、自身の限界を突破すること。武士道とは生きることとみつけたり。アルバムの冒頭を飾る “Bushido Theme” の和の響きで、リスナーは音楽と歴史が神秘の魔法を感じさせてくれる古の日本へと足を踏み入れます。ただし、そこから始まるのは、倭の国の住人たちが心酔した “メロハー” の桃源郷。例えば JOURNEY。例えば WHITESNAKE。例えば DOKKEN。例えば WINGER。あの時代のメロディの花鳥風月が、グレードアップしたプロダクションとテクニックで怒涛の如く繰り広げられていきます。
実に千変万化、変幻自在な5分間のドラマが続く中で、しかし我々は、いつしか “Bushido” の世界観に映画のように没頭していきます。それはきっと、PERFECT VIEW の中に TOTO の遺伝子が組み込まれているから。”ヒドラに立いを挑む騎士” というコンセプトが盛り込まれた “Hydra” はカラフルな楽曲の中にも不思議な統一性のあるアルバムでした。PERFECT VIEW は彼らの曲順や音色を操るテクニックを、インタルードとメインテーマの二本柱でつなげながら、メロハーのメロハーによる、メロハーのための完璧なコンセプト作品を作り上げたのです。
今回弊誌では、イタリアのルークこと、Francesco “Joe” Cataldo にインタビューを行うことができました。「若い世代にもこうした音楽を知る機会があれば、きっと評価されると確信しているからね。だけど問題はいつも同じ。知らないものを評価することはできないし、今日、最大のネットワークやプロモーション・チャンネルは、僕たちに選ぶ機会を与えず、いつも同じようなコンテンツを押し付けることが多いからね」 武士道を語る者ほど武士道から程遠い侍の母国は、異国の侍をどう受け止めるでしょうか。達人どもが夢の跡。どうそ!!
PERFECT VIEW “BUSHIDO” : 10/10
INTERVIEW WITH FRANCESCO “JOE” CATALDO
Q1: First of all, Italy has an image of progressive rock, and although there is Frontiers music, I don’t think there are many bands playing melodic hard rock in Italy. How did you come to be oriented toward this type of music?
【FRANCESCO】: We all love melodic hard rock and grew up with this kind of music so it was quite natural being oriented towards this genre. We share many common musical influences (Toto just to name a band!) but we also have some peculiarities that are reflected in the different nuances that you can hear in our music.
Q1: まず、Frontiers Records があるとはいえ、イタリアはやはりプログレッシブ・ロックのイメージが強いですよね? そんや場所で、メロディック・ハードロックに心酔した経緯からお話ししていただけますか?
【FRANCESCO】: 僕たちは皆、メロディック・ハードロックが大好きで、この種の音楽で育ったから、”メロハー” を指向するのはごく自然なことだったんだ。僕たちは多くの共通した音楽的影響(バンド名を挙げるとTOTO!)を受けているけど、その中にはいくつかの特殊性もあって、それが僕たちの音楽で聴くことのできるさまざまなニュアンスに反映されていると思う。
Q2: I was first surprised by the album title Bushido. Why did you decide to make an album on the theme of Samurai & Bushido?
【FRANCESCO】: About three years ago Frank, the bass player, talked to me and proposed to make a concept album and I thought that the idea was very fascinating. He developed the story of this samurai to pay homage to a country we like a lot. Once he completed the plot we started to work on the music.
Q2: “武士道” をテーマにしたメロハーはおそらく前代未聞で、とても驚きました。
【FRANCESCO】: 3年ほど前、ベースの Frank が僕に、コンセプトアルバムを作ろうと提案してきたんだ。そうして彼は、僕らが大好きな国へのオマージュとして、この “サムライの物語” を作り上げたんだ。彼がプロットを完成させた後、僕らは音楽制作に取り掛かったんだ。
Q3: “Bushido” is an epic concept album that sounds like a real movie! We hear that it is a tale of a young samurai growing up. Can you tell us about the story of the album and what you want to convey through it?
【FRANCESCO】: Thank you very much! Our goal was to write an album that was a cinematic musical experience, so we paid great attention to every detail, even the smallest. It is the story of a boy who is born with a disability but whose dream is to become a great samurai, like his grandfather. It will be the grandfather, through an amulet and talking to him in a dream, to spur him to walk his way and meet his destiny. The moral is to always believe in your dreams and fight to overcome your limits to achieve your goals.
Q3: “Bushido” は実にエピックなコンセプトアルバムで、本物の映画を見ているようですよ!若い侍の成長譚なんですよね?
【FRANCESCO】: どうもありがとう!僕たちの目標は、映画のような音楽体験ができるアルバムを作ることだった。だから、小さなことでも細部に至るまで細心の注意を払って作ったんだ。この作品は、障害を持って生まれながら、祖父のような偉大な侍になることを夢見る少年の物語だ。
祖父は、お守りを通じて夢の中で彼に語りかけ、彼が自分の道を歩き、運命に出会うよう駆り立てていく。このプロットの中で武士道は、常に自分の夢を信じ、目標を達成するために自分の限界を克服するために戦うということを教えてくれると思うよ 。
Q4: For example, concept albums are common in progressive and metal, but I’ve never heard such a great, cinematic concept album in melodic hard rock! It’s not easy to make a concept album with catchy and compact songs, is it?
【FRANCESCO】: Yes, it’s not easy at all. You have to be able to balance the typical structure (and duration) of hard rock songs with what you have to narrate, chapter after chapter. In addition, there must be a musical theme that recurs in certain moments of the album and the narration, as well as particular moments that the music must emphasize in some way. It has been a long and demanding job but we are satisfied with the results.
Q4: メタルやプログの世界では、コンセプト・アルバムは珍しくありませんが、コンパクト&キャッチーが基本のメロハーでコンセプト・アルバムを作るのは簡単ではありませんよね?
【FRANCESCO】: そうだね、まったく簡単ではなかったよ。ハードロックの典型的な曲の構成と曲の長さと、章ごとに語らなければならない内容のバランスを取ることができなければならないからね。
さらにコンセプト・アルバムには、アルバムの流れやナレーションのある瞬間に繰り返し登場する音楽テーマや、音楽が何らかの形で強調しなければならない特定の瞬間も必要だ。長く厳しい仕事だったけど、結果には満足しているよ。
Q5: Bushido is a way of life that respects loyalty, bravery, sacrifice, faith, integrity, honor, simplicity, civility, and love, and is willing to die for honor. In Japan, some consider it outdated and others consider it a lost and precious culture. What do you think?
【FRANCESCO】: We think they are very important values that are somewhat lacking today, especially in some Western cultures. Perhaps these principles should be partially recovered and adapted to today’s world.
Q5: 武士道では、義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義、質素などが重んじられ、誉のために死ぬことも覚悟しなければならないという生き方です。日本でも、時代遅れという人もいれば、失われた貴重な文化だと考える人もいます。
【FRANCESCO】: 僕たちは、武士道の原則が、今日、特に一部の西洋文化において、やや欠けている非常に重要な価値観だと考えているんだ。おそらく、武士道のこうした原則は部分的に回復されていき、今日の世界に適応されるべきだと思うんだ。
Q6: By the way, are you interested in recent Japanese culture, such as anime, games, and music?
【FRANCESCO】: I have a very nice memory of mecha/robot anime I watched during my adolescence. I also know video games and other excellent Japanese products in the field of electronics and musical instruments. Speaking of music I remember some famous Japanese rock bands like Loudness, just to name one, but I don’t know traditional Japanese music. Anyway it’s not difficult to find italian young guys who are passionate about mamga and anime.
Q6: 最近の日本は、アニメやゲームが一大産業となり、新たな文化となっています。
【FRANCESCO】: 僕は、思春期に見たメカ・ロボットアニメがとてもいい思い出になっているんだ。また、ビデオゲームや、エレクトロニクスや楽器の分野でも、日本の優れた製品を知っているからね。
音楽で言えば、LOUDNESS のような有名な日本のロックバンドは理解しているけど、日本の伝統音楽はそこまで詳しくは無いんだよ。いずれにせよ、漫画やアニメに熱中するイタリアの若者を見つけるのは難しいことではないんだよ。
Q7: In “Bushido”, We can hear Japanese traditional music and Japanese language in the introduction and narrative, but there is nothing Japanese traditional music about the songs on the album itself, would you agree?
【FRANCESCO】: Yes, we wanted to use musical themes that could be reminiscent of traditional Japanese music and were a sort of common thread of the songs without changing the typical hard rock nature of the album. As in a movie we put a main theme that recurs every now and then between one song and another and is then developed in a different way becoming the conclusion of the story, the moment in which the credits scroll.
Q7: “Bushdo” では、日本の伝統音楽や日本語をイントロやインタルードで聞くことはできますが、楽曲自体は完全に西洋的ですよね?
【FRANCESCO】: 日本の伝統的な音楽を彷彿とさせるような音楽的テーマを使いながらも、アルバムの典型的なハードロック性を変えることなく、テーマを楽曲の共通項となるようにしたかったんです。映画のように、ある曲とある曲の間に、時々繰り返されるメインテーマを置き、それが物語の結末やクレジットが流れる瞬間に、別の形で展開されるようにしたかったというかね。
Q8: Your music is melodic hard rock/AOR at its finest, but some say the genre is outdated or dead, right? Yes, the fan base is older and the genre is probably supported by a fixed fan base. What are your thoughts on its current state, and is it possible to “Make Melodic Hard Great Again”?
【FRANCESCO】: What you say is true. Melodic hard rock is an increasingly niche genre. Fans are especially those who lived through the glorious period of the 80s or had the opportunity to listen to music from that period. I believe that reason is always what is proposed to us. If the younger generations were given the opportunity to know this kind of music, I am convinced that they could appreciate it. The problem is always the same: you can not appreciate what you do not know and today all the largest networks and promotional channels often impose the usual, same cliches not giving us the opportunity to choose.
Q8: メロハーは時代遅れ、死んだという人もいます。たしかに、このジャンルはファン層が固定されていて、だんだんとその年齢もあがっているような気がします。もう一度 “天下を取る” ことは可能でしょうか?
【FRANCESCO】: 君の言葉はまさに真実だ。メロディック・ハードロックは、ますますニッチなジャンルになりつつあるね。ファンは特に、80年代の輝かしい時代を生きた人、あるいはその時代の音楽を聴く機会があった人たちに限られる。その理由は、常にそうなるように強いられている思っているんだ。
だって、若い世代にもこうした音楽を知る機会があれば、きっと評価されると確信しているからね。だけど問題はいつも同じ。知らないものを評価することはできないし、今日、最大のネットワークやプロモーション・チャンネルは、僕たちに選ぶ機会を与えず、いつも同じようなコンテンツを押し付けることが多いからね。