NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOEN : LYKAIA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARTIN LOPEZ OF SOEN !!

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Swedish Modern Prog Super Group, Soen Has Just Released The Masterpiece, The Prog Standard Of 2017, “Lykaia” !!

DISC REVIEW “LYKAIA”

スウェーデンが誇るモダンプログスーパーグループ SOEN が自らのアイデンティティー確立に挑む3rdアルバム “Lykaia” をリリースしました!!プログレジェンド OPETH のドラマーとして名を馳せた Martin Lopez 率いる腕利き集団は、常に比較され続けてきた自らの出自 OPETH や TOOL の影から離れるのではなく新たな要素を導くことでバンドの進化を鮮やかにに見せつけています。
“Lykaia” とは古代ギリシャ、”狼の山”で行われていた古の祭り、秘密の儀式。 人肉を捧げ食した者は人狼に姿を変えるという、身の毛もよだつような神事に擬した残虐なカニバリズムは、悲しいことに現代社会にも通じます。インタビューで Martin が語ってくれたように、未だにお互いが啀み合い殺し合う人の世の有り様は、実はその頃と何も変わっていないのかもしれませんね。
人類の恥部とも言えるダークで陰鬱なテーマを冠したアルバムは、しかしそのコンセプトに反するが如く極上の知性と美しさを備えます。つまり SOEN は人類が生み出した最も誇り高き遺産、至高のアートで暗い影を語ることにより、人間という天使と悪魔を宿す生き物の姿を克明に描き出しているのです。
両義性と言えば、デビュー作 “Cognitive” と前作 “Tellurian” で明らかな違いが存在した SOEN。”Cognitive” が強く TOOL を意識したオルタナティブかつアトモスフェリックスなアプローチ、精神世界に重点を置いていたのに対し、”Tellurian” は OPETH を想起させるよりプログレッシブで綿密な方向性、哲学世界に接近していたのは明らかでしょう。
“Lykaia” はその2つが自然に溶け合い、さらに新たな色として70年代のオーガニックでサイケデリックなサウンド、暖かみや哀愁のエモーションが加わることでバンドのマイルストーンとして燦然と輝くレコードに仕上がりました。
“Opal” は SOEN の過去と未来がクロスするまさに宝石のような一曲です。OPETH 由来の呪術的でデモニックなギターリフと、TOOL や KARNIVOOL を想起させるマスマティカルで現代的なコンポジションが混ざり合った極上のスープは、Joel Ekelof の叙情味極まるボーカルを得て奇跡のスペシャリテとしてリスナーの元へと届きます。後半にサーブされる、サイケデリックで Martin お特異のパーカッションが映える、70年代へガラリとタイムワープした夕焼け色の美風なデザートがテーブルに加われば、リスナーは “Opal” が SOEN の確固たる進化の証であることに遂に気がつくはずです。
実際、この PINK FLOYD と KING CRIMSON のハイブリッドのような叙情味豊かで有機的なサウンドはアルバムを紐解く重要な鍵となっていますね。オリエンタルなムードをアクセントとした緩やかで壮大な “Jinn” では、そのオーガニックでエモーショナルなサウンドがポストメタルの領域まで拡大したかのようにリズムヘヴィーなドラマ性を高めていますし、”Paragon” に至ってはハモンドまで使用してアグレッシブな “Shine On You Crazy Diamond” とも言えるサイケデリックワルツを完成させているのですから驚きです。さらに “Paragon” で聴けるブルージーで素晴らしく感情を湛えたギルモアライクなリードプレイも作品には要所で登場し、レコードを彩る新機軸として見事に機能しています。
極めつけは KING CRIMSON “Fallen Angel” と同種の悲哀、耽美、プログ性を湛えたイマジネイティブな楽曲 “Lucidity” でしょう。Lake / Wetton / Akerferdt 直系の深みと粋を秘めた情感豊かな Joel の歌唱はここに来て遂に独特のオーラ、威容を誇るようになり、バンド全体に透徹した凛とした美意識も相俟って2017年ベストチューンの可能性すら保持した名曲が生み出されたのです。
同様に70年代を意識していながらも、SOEN は現在の OPETH に比べ鋭く重い呪術リフを多用し、モダンなコンポジションの中でレトロフューチャーなサウンドを構築しています。つまり “Orison” のような現代的な楽曲の中に味わい深いビンテージサウンドを潜ませることで、幅広く多様な世界を実現しているのです。故にインタビューでも語ってくれた通り、”Lucidity” がバンドの探求すべき未来であるならば彼らの更なる躍進は約束されているように感じました。
今回弊誌では再度 Martin にインタビューを行うことが出来ました。決して饒舌なレジェンドではありませんが、いつものように核心をついた話をしていただけました。どうぞ!!

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SOEN “LYKAIA” : 10/10

【INTERVIEW WITH MARTIN LOPEZ】

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Q1: Hi, Martin! Your new album “Lykaia” is just out now! It receive high commendation from lot’s of Magazines, Webzines, and music fans. How do you feel now?

【MARTIN】: I’m pleased.
We do the best we can and put countless hours into every record we make so it’s rewarding to know that our audience enjoys the album.

Q1: 前作から3年。遂に新作 “Lykaia” がリリースされましたね!様々なメディアで非常に高い評価を受けていますが、今のお気持ちはいかがですか?

【MARTIN】: 嬉しいね。どのレコードでも僕たちは出来る限りベストを尽くすし、数え切れないほど膨大な時間を捧げるからね。だから僕たちのオーディエンスが作品を気に入ってくれていると知って報われた気分だよ。

Q2: At first, could you tell us about the title of album “Lykaia”? In Ancient Greek, Lykaia was an archaic festival with a secret ritual on the slopes of Mount Lykaion. What made you name the Ancient Greek festival your new record?

【MARTIN】: A few things.
The brutality of that festival and the comparison with today’s society, things haven’t changed much, we just think that we have progressed a lot but still oppressing and killing each other like in those days.
Also the wolf being a symbol of individuality attached to a group which is the way we feel about Soen.

Q2: まずは “Lykaia” というタイトルについて聞かせてください。古代ギリシャで Lykaia とは、リカオン山のスロープで行われる残虐な秘密の儀式ですが。

【MARTIN】: そうだね。少しだけ説明すると、その儀式、祭りの残忍さと今日の社会を比較した時に、物事は実はあまり変わっていないと思ったんだ。人類は多くの進化を遂げてきたと思っているかも知れないけど、未だに支配的であの頃と同じようにお互い殺しあっているじゃないか。
また、個性の象徴である狼も僕たちのバンドにピッタリだと思ったんだ。それこそが SOEN である証だと感じているからね。

Q3: On the last interview, You said “Tellurian means something that is from the earth, humanity, nature. But it’s not conceptual album.” On the contrary, it seems that “Lykaia” is consisted on all one word song titles, and has a deep philosophical concept. Do you agree that?

【MARTIN】: Lykaia isn’t a concept album either.
The lyrics are very personal and both Joel and I write about unresolved issues in our life that we only dare to mention in our lyrics.

Q3: 前回のインタビューであなたは、前作 “Tellurian” はコンセプトアルバムではないと仰いました。しかし今回は、深く哲学的なコンセプトがありそうですね?

【MARTIN】: “Lykaia” もまたコンセプトアルバムではないんだ。歌詞は僕と Joel にとってとてもパーソナルな内容さ。僕たちの人生で解決出来ない問題に対処するには歌詞にするしかないんだよ。

Q4: So, how have you evolved, changed from “Tellurian”? What was your goal of the writing process of “Lykaia”?

【MARTIN】: Our goal is to make quality music, music that we would like to listen to ourselves and that carry emotion and the goal has always been the same throughout our career.

Q4: バンドは “Tellurian” からどのような進化を遂げましたか?”Lykaia” で目指したゴールを教えてください。

【MARTIN】: 僕たちのゴールは質の高い音楽を作ることさ。自分たち自身で聴きたくなる、感情的な音楽をね。キャリアを通してそのゴールはいつも変わらないよ。

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Q5: I’m really hooked on “Lucidity”. It has a dark and beautiful good old vibe from 70’s prog. I remind “Red” era of King Crimson. And I feel “Lykaia” is the most “Proggy” record in your works. What’s your perspective about that?

【MARTIN】: Lucidity is a wonderful song and it’s musical territory that we will definitely experiment more with in the future.
We didn’t plan to do a proggy song, Joel and i just started jamming and came up with most of it a while ago.
Later on Marcus helped us shape it and write a chorus type of part on it and added some beautiful atmospheric sounds to it.

Q5: ダークで美しく、70’s Prog のヴァイブを持つ “Lucidity” には本当に感銘を受けました。実際、”Lykaia” は SOEN の作品でも最も “Proggy” なレコードですよね?

【MARTIN】: “Lucidity” は素晴らしい楽曲だよ。間違いなく僕たちが将来的に、より探求し経験することになる音楽的テリトリーだね。
ただ別に “Proggy” な楽曲を目指した訳ではなかったんだ。Joel と僕がただジャムセッションから始めたんだけど、しばらくしたらほとんどが完成していたんだよ。
それから Marcus がコンポジションを助けてくれて、ああいったタイプのコーラスを書いてくれたね。そこに美しいアトモスフィアを持つサウンドを加えたのさ。

Q6: You choose “The Wall” of Pink Floyd as your life changing album. I believe “Lykaia” can be compared with the masterpiece from the Psychedelic feeling, and epically theme. Do you think it’s one of the strong inspiration of “Lykria”?

【MARTIN】: Pink Floyd is always a huge inspiration for us and the addition of Marcus and Lars to our ranks has helped Soen to be able to have a more relaxed musical expression which at times tends to lean towards a Pink Floyd kind of vibe.

Q6: 前回インタビュー時にあなたは、人生を変えたアルバムとして PINK FLOYD の “The Wall” を挙げていましたね。”Lykaia” はそのアトモスフィア、サイケデリックな感覚やテーマがあのアルバムと通じるような気がしました。

【MARTIN】: PINK FLOYD はいつだって僕たちの大きなインスピレーションの源さ。
加えて仲間である Marcus, Lars は SOEN がよりリラックスした音楽的表現を持つように助けてくれているんだ。だから時には PINK FLOYD のようなヴァイブに振れる時もあるんだよ。

Q7: “Jinn” has a nice middle-Eastern oriental sound. Classic Rock fans always reminds “Stargazer” of Rainbow from that kind of taste, haha. Anyway, “Lykaia” is definitely much broader to listen, and have a organic, warm sound. Do you think “retro” is the keyword of “Lykaia”?

【MARTIN】: Definitely not.
We are a modern band that uses some of the great music from the 70’s as inspiration but that is all, we don’t want to repeat what 70’s bands did back in the day, we just want to take what we love from that era and transform it into something that can represent our era.

Q7: “Jinn” のオリエンタルな中近東サウンドも聴き所の一つです。RAINBOW の “Stargazer” を想起するファンも多いでしょう。”Lykaia” にはオーガニックでレトロとも言える暖かいサウンドが存在しますね?

【MARTIN】: レトロとは違うと思うよ。僕たちはモダンなバンドなんだ。確かに70年代の偉大な音楽をインスピレーションの源とする時もあるけど、ただそれだけだよ。70年代のバンドが当時やっていたことをリピートする気はないんだ。
僕たちはただ愛するあの時代の良さを抽出し、僕たちの時代を表すように変換したいだけなんだ。

Q8: Joel Ekelof did a very good job in the album. I think you are compared with your former band Opeth or Tool because of his vocal which is evocative mix of Maynard James Keenan and Mikael Akerfeldt. So, do you remember Mikael, or Maynard from his voice?

【MARTIN】: Yes,the tone of his voice sometimes reminds me of Mikael, specially in the older albums but his approach is different and he also comes from a very different musical background.

Q8: ボーカルの Joel は今回素晴らしい仕事をしましたね。彼の声は Maynard James Keenan や Mikael Akerfeldt を彷彿とさせる瞬間があります。あなたはどうですか?

【MARTIN】: うん、確かに彼の声は時々 Mikael を思い出させるね。特に昔のアルバムではそうだったんじゃないかな?
ただ、彼のアプローチは Mikael と異なるし、全く別の音楽的バックグラウンドを持っているんだ。

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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Thank you for the interview and hopefully we get the chance to play in Japan soon.

インタビューをありがとう。近々日本でプレイするチャンスが得られれば良いね。

MARTIN LOPEZ

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SOEN : TELLURIAN】

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