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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【WAYFARER : A ROMANCE WITH VIOLENCE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SHANE MCCARTHY OF WAYFARER !!

“Thematically We Wanted To Make Something That Ties Into Where We Are From. We Are From Colorado, Which Was At One Point a Frontier Territory On The Expanding American West. That History, And The Legends That Come With It Are Sort Of Ingrained Here And We Have Grown Up With Them.”

DISC REVIEW “A ROMANCE WITH VIOLENCE”

「自分たちがどこから来たのかということを意識したものを作りたかったんだ。俺たちはコロラド出身で、ここはアメリカ西部の開拓地だった。その歴史と、それに伴う伝説がこの地に根付いていて、俺たちはそれを背負って育ってきたんだから。」
アメリカ西部の土には血が染み込んでいます。何世代にも渡り、赤土や山や平原の埃にも。植民地支配者の手によって原住民から流れ落ちた血潮は、そのままアメリカ西部を赤く染め上げたのです。それは発展でも運命でもなく、古代の文化や土地を冷酷に搾取した虐殺でした。
「西部のイメージに浸透している貪欲さや暴力の誘惑を描くことが目的だったと思う。それはすべてが魅力的に見えて、ある種の優雅さを持っているんだけど、俺たちはこのアルバムでその絵を描きつつ、それを取り巻く闇を掘り下げたいと思ったわけさ。」
アメリカ創世の神話には二つの大きな傷があります。奴隷制とそして西部開拓の名の下にネイティブアメリカンの土地と生命を奪ったこと。残念ながら、アメリカの西部進出から1世紀半が経過しその比較的短い時間の中で、闇を闇へと隠蔽する機運はますます強まっています。
コロラド州デンバーの WAYFARER にとって、アメリカーナとウェスタンフォークを散りばめた彼らのエクストリームメタルは、自らの場所に宿る歴史の捻じ曲げ、溶解に抵抗する手段とも言えるのです。
「俺は北欧の音楽や文化を楽しんでいるけど、アメリカ人としては北欧神話をテーマにしたアルバムを書いたり、それを自分たちのイメージとして取り入れたりすることはできないような気がするんだ。だから、彼らとアプローチは似ているんだけど、俺らの祖国の歴史や伝説、そしてこの場所の代名詞とも言える音楽からメタルを創造しているんだ。」
“フォークメタル” という言葉は、例えば、アンティークの木製楽器をメタルに持ち込み、ヴァイキングの夜会を再現する音景をイメージさせます。ただしこのジャンルの起源と本質は、その国の民族史をメタルサウンドで探求することにあるはずです。アメリカにも、血と煙と混乱に満ちた豊かなフォークの歴史があり、そして2020年にそれを最も深く探求しているバンドは間違いなく WAYFARER でしょう。
「映画のようなクオリティーを目指していた。バンドが様々な要素を混ぜ合わせて、キッチュなギミックのようなものを生み出すのは簡単なことだからね。もっと純粋な方法でアプローチすることが重要だったんだ。」
実際、彼らの最新作 “A Romance With Violence” は、アメリカ西部の血なまぐさい歴史を映画のように描き出し、勧善懲悪の善と悪を入れ替えながら、その真実を葬り去ろうとする企みに贖い痛烈に暴露しています。
カウボーイのラグタイムで幕を開ける “The Curtain Pulls Back” でサルーンの情景を映し出した彼らは見事にレコードの映画的なトーンを設定します。
“The Crimson Rider”、”The Iron Horse” で、ガンマンや無法者、大陸横断鉄道の出現について真実を伝え、10分間のフィナーレ “Vaudeville”では、暴力と偽りの希望を煽った貪欲と野心、つまりマニフェストデスティニー時代の現実を鮮明に映し出すのです。DREADNOUGHT の Kelly Schilling、KRALLICE の Colin Marston のゲスト参加もアルバムのストーリーを完璧に補完していますね。
「この時代は君を引き込む世界だけど、同じように簡単に君を堕落させ、内面まで曝け出させる。」
世界中に知られるアメリカの象徴となったカウボーイの原型が、この巨大な国の過去の非常に辛辣で、悲惨で、恐ろしい出来事とどのように関連しているのか。WAYFARER はさながらエンニオ・モリコーネとメタルのいいとこ取り、文字通り暴力とロマンスの対比によって、その難題を如実に描き切ってみせました。
西部開拓はもちろん、ヴァイキングや世界大戦の血生臭い暴力をロマンに変えた、人工の汚れたカーテンを一枚一枚剥ぎ取っていくように。美しい歴史の絵画には必ず血の匂いが添えられているのですから。
今回弊誌では、ギター/ボーカル Shane McCarthy にインタビューを行うことが出来ました。「Red Dead Redemption との比較は公平に思えるね。西部劇のサブジャンルに取り組んだ、近年ではよりメジャーなメディアリリースの一つだからね。」 どうぞ!!

WAYFARER “A ROMANCE WITH VIOLENCE” : 10/10

INTERVIEW WITH SHANE MCCARTHY

Q1: Could you start by telling us how you came to marry metal with the American Wild West?

【SHANE】: It’s something we have been building towards over our time as a band, as our sound has kind of progressed to include the influence of Gothic Country and Americana, but we are still a metal band. It has been important to us that those element work together, and are ingrained into every bit of the sound – not thrown in as a gimmick. Thematically we wanted to make something that ties into where we are from. We are from Colorado, which was at one point a frontier territory on the expanding American West. That history, and the legends that come with it are sort of ingrained here and we have grown up with them, so it seemed something compelling for us to dive into. Also, I have always had a deep interest in films like those of Sergio Leone that flesh out this mythology on screen in a fascinating way. These are things we wanted to carry over into the feel of our music, to make something truly American, and exploring the history and myth of the west.

Q1: まずはアメリカの西部開拓時代とメタルを結びつけた理由からお話ししていただけますか?

【SHANE】: それはバンドとしての時間をかけて築き上げてきたものだね。このバンドの中でゴシックカントリーやアメリカーナの影響を含むようサウンドが進歩してきたけど、それでも俺たちがメタルバンドであることに変わりはない。メタルと西部開拓の要素が一緒に機能して、サウンド全てに組み込まれていることが重要だったんだ。
テーマとしては、自分たちがどこから来たのかということを意識したものを作りたかったんだ。俺たちはコロラド出身で、ここはアメリカ西部の開拓地だった。その歴史と、それに伴う伝説がこの地に根付いていて、俺たちはそれを背負って育ってきたから、避けて通れないものだと思ったんだよ。
それに、セルジオ・レオーネ監督の作品のように、この神話を魅力的にスクリーン上で表現する映画には、常に深い関心を持っていたしね。まさに俺たちが音楽で表現したかったものさ。真にアメリカ的なものを作り、西部の歴史と神話を探求したいと思っていたから。

Q2: Generally speaking, when we think of folk metal, we think of Vikings and Norse mythology, but your metal, reflecting the light and shade of American history, is another kind of folk metal, isn’t it?

【SHANE】: Yes, I think that’s definitely accurate. The crossing of folk and metal over the years has taken a lot of different forms, some of it is kind of sillier and more low-brow, and some deeply ingrained and interesting. For us, we approach it from our own cultural background – the influence of the folk music of the place we are from, and the subject matter as well. As Americans, I feel like we would have no place writing albums about Nordic mythology or adapting that as our image, despite enjoying some of that music and culture. So we are taking a similar approach, but from our own homeland’s history and legend, and the music that is synonymous with this place.

Q2: 一般的に、私たちがフォークメタルと聞いて思い描くのはヴァイキングや北欧神話ですよね。しかし、古のアメリカの光と影を反映した WAYFARER のメタルも、ある意味ではフォークメタルと考えられるのでしょうか?

【SHANE】: そうだね、間違いなくその通りだと思うよ。フォークとメタルの融合は、長年にわたって様々な形で行われてきたね。ちょっと下品で下衆なものもあれば、背景に深く根付いた面白いものもあるよね。俺たちは、俺たち自身の文化的背景からアプローチしただけなんだ。出身地のフォークミュージックとテーマに影響を受けてね。
俺は北欧の音楽や文化を楽しんでいるけど、アメリカ人としては北欧神話をテーマにしたアルバムを書いたり、それを自分たちのイメージとして取り入れたりすることはできないような気がするんだ。
だから、彼らとアプローチは似ているんだけど、俺らの祖国の歴史や伝説、そしてこの場所の代名詞とも言える音楽からメタルを創造しているんだ。

Q3: But I think that when we portray history and tradition in metal in this way, it tends to be gimmicky and fake. But your album is as real and sincere as a film, would you agree?

【SHANE】: I am glad to hear you say so! That’s certainly more toward what we were going for with the album. It’s as much about “the western” as it is about the west, and we wanted it to have that cinematic quality and come off as a big bloody western film in itself, all the while kind of pulling back the curtain on the blood and dirt on the hands behind it. So I am glad it has come off this way, as yes it is too easy for bands to mash together different elements and make it a kitsch-y gimmick sort of of thing. It was important to us to approach it in a more genuine way.

Q3: 先程お話しにも出ましたが、メタルに歴史や伝統、神話を持ち込む際、ギミックやフェイクが強調されすぎてしまう場合も少なくないですよね。しかし、あなたたちの作品はさながら映画のように真摯でリアルです。

【SHANE】: そう言ってもらえて嬉しいよ!そのやり方は確かに、このアルバムで俺たちが目指していたものなんだよ。”西部劇” と同じくらい西部をテーマにしていて、映画のようなクオリティーを持っていて、作品自体を血まみれの西部劇映画のようにしたかったんだ。その後ろにある人の手による血と汚れがついたカーテンを取り払いながらね。
だからこういう作品に仕上がって嬉しいよ。バンドが様々な要素を混ぜ合わせて、キッチュなギミックのようなものを生み出すのは簡単なことだからね。もっと純粋な方法でアプローチすることが重要だったんだ 。

Q4: The world of Red Dead Redemption may be similar to the world of A Romance With Violence. Have you played that game?

【SHANE】: Ha, I have seen the memes! But yeah the comparison seems fair, its one of the more major media releases tackling the western subgenre of late. I haven’t really played the new game aside from trying out the opening couple hours. But I played the first game in the series many years ago. I would like to give it a proper try some time, video games just aren’t often my entertainment of choice.

Q4: ゲーム、Red Dead Redemption と “A Romance With Violence” の世界観には通じるものもありそうですね?あのゲームはプレイしましたか?

【SHANE】: ふふ、そのミームは見たよ!でも、そうだね、この比較は公平に思えるよ。RDR は西部劇のサブジャンルに取り組んだ、近年ではよりメジャーなメディアリリースの一つだからね。
序盤の数時間を試してみただけで、新しい RDR 2はプレイしていないんだ。だけど、何年も前にシリーズの最初のゲームはプレイした。ビデオゲームはあまりのめり込んでいる娯楽じゃないけど、いつかちゃんとゲームをプレイしてみたいとは思っているんだ。

Q5: It was a world where violence was kind of the norm. Was it your aim to contrast that dark side with romance?

【SHANE】: I think the aim was to paint the seduction of the greed and violence that pervades the image of the west. It’s all made out to be so appealing, and have some kind of elegance about it in its own way, and we wanted the album to paint that picture, while also delving into the darkness surrounding it. It’s a world that pulls you in, but will just as easily corrupt and spit you out. The album puts this all in the light of a performance, or a film, and covers the archetypes associated with it.

Q5: 西部開拓時代は、ある意味暴力が日常で、当たり前に存在する世界だったと思われます。”A Romance With Violence” ではそのダークな日常と、また日常のロマンスを対比させる意図があったのでしょうか?

【SHANE】: と言うよりも、西部のイメージに浸透している貪欲さや暴力の誘惑を描くことが目的だったと思う。それはすべてが魅力的に見えて、ある種の優雅さを持っているんだけど (ロマンス)、俺たちはこのアルバムでその絵を描きつつ、それを取り巻く闇 (ヴァイオレンス) を掘り下げたいと思ったわけさ。
この時代は君を惹き込む世界だけど、同じように簡単に君を堕落させ、内面まで曝け出させる。このアルバムでは、そのすべてをパフォーマンスや映画に照らし合わせて、それに関連したアーキタイプをカバーしているんだ。

Q6: This year, the United States seems to have seen further divides in the Corona and BLM. Some people seem to think that the origins of this are in the Wild West. What’s your perspective about that?

【SHANE】: It’s been a strange year. And while these things you bring up are global issues, the way the United States has handled them may speak a bit more to the country’s character. I haven’t heard the comparison drawn much myself, but I guess the “get what’s mine no matter the cost to others” does trace back to the time of expansion, and the genocide that took place in it’s name. That certainly reflects the despicable racism and greed that still unfortunately flourishes today, and why protests for the lives, rights, and respect for people from so many races are still necessary today.

Q6: 今年のアメリカは、コロナや BLM によってその分断がより表面化したようにも感じます。その遠因が、西部開拓時代にあると指摘する専門家もいますよね?

【SHANE】: 本当に奇妙な一年だったよね。君が持ち出した問題は世界的な問題だけど、アメリカの対応の仕方はたしかに少しこの国の性格を物語っているのかもしれないね。
俺自身はそのやり方が西部開拓時代に由来するって話は聞いたことがないけど、「他人にどんな犠牲を払わせてでも自分のものを手に入れる」というのは、”拡張の時代” と、その名の下に起こった大虐殺にまでさかのぼっているのではないだろうか?
そしてそれは確かに今日でも不幸にも蔓延る卑劣な人種差別と強欲を反映していて、なぜこれほどまで多くの人種と人々の生命、権利、尊敬を求める抗議が今日でも必要なのかと疑問を持たざるを得ないよね。

Q7: There is something darker and spiritual in American folk music like, country, blues and Americana, and black metal seems to resonate wonderfully with this. For example, Zeal & Ardor also seems to be exploring that dark place as much as you are. How about that?

【SHANE】: There is a certain darkness to a lot of it, I agree. This has always drawn us in, we are heavily influenced by bands like Wovenhand, Munly and the Lee Lewis Harlots – legendary bands from Colorado that explore that side of American music. And yes we are not the only ones to see the parallel and the natural fit with certain sides of metal. I think it works when done with care, and it’s interesting. As far as Zeal and Ardor – I had heard the self titled album when it was released and was really into parts of the record, especially the parts that presented that crossover. But it was a little all over the place as an album to me – and I was surprised to leard that the man behind it was actually operating out of Switzerland! I should probably dive into their newer output and check that out as well though, certainly seem to be some interesting ideas on display.

Q7: アルバムは、ブルースやカントリー、アメリカーナといったアメリカンフォークに流れるダークでスピリチュアルなムードが、素晴らしくブラックメタルの陰と調和していますね。
例えば、ZEAL & ARDOR もあなたたちと近い暗闇を探索しているように思えます。

【SHANE】: たしかに、アメリカのフォークミュージックの多くにはある種の暗さがあると思うよ。俺らはいつもそこに惹かれてきたんだからね。俺らは WOVENHAND や MUNLY, Lee Lewis Harlots といったコロラド出身の伝説的なバンドから多大な影響を受けているんだ。そして、メタルのある側面と平行してアメリカンフォークを自然にフィットさせているのは俺たちだけじゃないからね。注意を払ってやればうまくいくと思うし、面白いよ。
ZEAL & ARDOR に関しては、セルフタイトルのアルバムがリリースされた時に聴いたんだけど、このアルバムの一部、特にクロスオーバーを提示している部分にとても興味を持っていたんだ。ただ、アルバムとしてはちょっと全体的にまとまりがない感じがしたね。このアルバムを作った人が実はスイスで活動していて驚いたよ!俺は彼らの新しい作品に飛び込んで、それもチェックしてみるべきかもね。面白いアイデアがいくつか出てきそうだから。

Q8: I feel that Pantera, especially in the later years, brought a lot of the American history to metal. What do you think of them?

【SHANE】: Well, they certainly have that Texan spirit, for better or worse heh. I think with them it was largely aesthetic, but there was a bit of the attitude fused in the music as well. It’s pretty far from what we are doing, but I grew up on that band and still have a love for some of those albums. Not everyone in the band can agree on that though, hahaha!

Q8: PANTERA も特に後期は、アメリカの歴史をメタルに持ち込んでいましたよね?

【SHANE】: まあ、彼らが良くも悪くもテキサス・スピリットを持っているのは確かだ。彼らの場合は美学的な部分が大きかったと思うけど、音楽にもちょっとしたアティテュードは融合していたんだ。
俺たちがやっていることとはかなりかけ離れているけど、俺は彼らで育ったし、今でもアルバムのいくつかには愛着があるんだ。バンドの全員がそう思うわけではないけどね。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED SHANE’S LIFE

PRIMORDIAL “THE GATHERING, WILDNESS”

SIXTEEN HORSEPOWER “SACKCLOTH ‘N ASHES”

OPETH “STILL LIFE”

DEATH “HUMAN”

FIELDS OF THE NEPHILIM “ELIZIUM”

MESSAGE FOR JAPAN

It is a dream of ours to come and play in Japan. We hope the circumstances will arise where this is possible, as we have always wanted to visit and would be more than honored to play for a Japanese audience!

日本で演奏することは俺たちの夢さ。早くコロナが治まってほしいよ。ずっと日本に行きたいと思っていたし、君たちのために演奏できたら何よりも嬉しいね!

SHANE MCCARTHY

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PROFOUND LORE RECORDS

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SCOTT HENDERSON : PEOPLE MOVER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH SCOTT HENDERSON !!

“There’s Nothing Sadder Than Young Guitar Players Who Only Listen To Heavy-metal. There’s So Much Great Music Out There To Learn From, And It’s Unbelievable To Me That Someone Would Stick To Listening To Only One Style. It’s Like Being In Musical Prison.”

DISC REVIEW “PEOPLE MOVER”

「オープンマインドで音楽スタイルに囚われないことがとても重要だね。若いギタリストがメタルしか聴かないことほど悲しいことはないよ。学ぶべき音楽は沢山あるんだ。」
ジャズとブルース、クラッシックにロック、そしてファンクのスピリットを理想的にミックスし、フュージョンの翼を蒼の音空へと広げるギターレジェンド Scott Henderson は、特定のジャンルに囚われる創造のあり方を “音楽の刑務所” と断罪し包音力の重要性を語ります。
Joe Zawinul, Jean-Luc Ponty, Chick Corea といったジャズの巨匠に認められ共演を果たす一方で、TRIBAL TECH、ソロ活動、さらには Victor Wooten, Steve Smith との VITAL TECH TONES に Jeff Berlin, Dennis Chambers との HBC など豪華なサイドプロジェクトまで、Scott の音楽的な冒険は非常に多岐に渡ります。
TRIBAL TECH の登場は衝撃的でした。自身で “ギアヘッド” と語るように最新テクノロジーや MIDI を惜しげもなく投入し、複雑なコンポジションやオーケストレーションをジャズとロック、ファンクのキャンパスへと落とし込むバンドの野心は、停滞していたインスト/フュージョン世界を再始動へと導く原動力にも思えたのです。もちろん、メカニカルでロマンチック、テクニカルかつアンサンブルを極めたハイパーフュージョンの根底には、Scott とベースマン Gary Willis が誇る最高峰の知性と技術がありました。
ただし、Guitar World 誌のNo.1ギタリストをはじめとして、様々なアワードや高評価を得た TRIBAL TECH も Scott にとっては表現形態の1つにしか過ぎなかったようです。同じ音楽性を長く続けると飽きが来てしまうの言葉通り、Stevie Ray Vaughan が降臨したかのようなソロレコード “Dog Party” を契機として Scott は何年もブルースの荒野を探求することとなりました。
「僕はそれぞれ異なる理由で多くの音楽スタイルを愛しているよ。ブルースのソウルやフィーリング、ジャズのハーモニーと表現豊かなインタープレイ、ファンクをプレイする時の体感、ロックのパワー、クラッシックやプログロックの美しきコンポジション。全てが僕を幸せにするのさ。」
そうして近年、Scott Henderson は自らの音楽地図を遂に完成へと導いているように思えます。最新作 “People Mover” は実際、コンポジションにおいてマエストロの最高到達点かも知れませんね。
「僕はジャズが死んだとは思っていないんだ。けれど、ジャズのコンポジションがいくらかは失われた芸術となっているように思えるね。つまり、沢山の偉大で新たなプレイヤーは登場しているけど、偉大なライターはそんなに多くないんだよ。僕が聴く限りではね。」
ファストに絶妙にアウトする複雑怪奇なリックの数々、オーバードライブのエナジーは当然 Scott の象徴だと言えますが、彼自身はむしろリズムの魔法、洗練されたハーモニーや調性の美しさを宿した多様な作曲の妙に現在より重きを置いています。
事実、アルバムはシームレスにジャンルの境界を繋いでいます。Holdsworth と Jeff Beck の完璧なる婚姻 “Transatlantic”、TRIBAL TECH を想起させるソリッドなファンカデリックフュージョン “Primary Location”、疾走する4ビートに Wes Montgomery イズムを織り込む “Satellite”、PINK FLOYD の叙情とエモーションを封入した “Blood Moon”、ブルースの奔放をペダルの魔法で解放する “Syringe”。その緊張と緩和、繊細と躍動のダイナミズム、楽曲のバラエティーはまさに “Lost Art” に相応しき輝きを放っていますね。
今回弊誌では、Scott Henderson にインタビューを行うことが出来ました。「僕の考えでは TRIBAL TECH が唯一革新的だったのは、音楽を事前に書くことなくスタジオでジャムって、それを後のプロダクションでコンポジションに落とし込んでいくやり方だろうな。」どうぞ!!

SCOTT HENDERSON “PEOPLE MOVER” : 9.9/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ERIC JOHNSON & MIKE STERN : ECLECTIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MIKE STERN

LEGENDARY TWO GUITARISTS COME TOGETHER!! ERIC JOHNSON & MIKE STERN RELEASED AWESOME COLABORATION ALBUM “ECLECTIC”!!

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MIKE STERN。バークリー在学中に講師として働いていた PAT METHENY と出会い、彼に勧められて BLOOD, SWEAT & TEARS に加入。2年間活動した後  BILLY COBHAM のバンドに参加。そうしてキャリアを積んで迎えた1981年。BILL EVANS (SAXの方ね)の紹介で MILES DAVIS GROUP に加入します。マイルスからは「FAT TIME」と可愛がられ(当時彼は太っていた)「ジミヘンのように弾け!」と言われていたそう。そこから彼独特のディストーションを効かせたビバップフレーズが構築されトレードマークになって行きました。以後ソロキャリアを追求しつつ JACO PASTORIUS, BRECKER BROTHERS, DAVID SANBORN など共演したアーテイストは枚挙に暇がありません。片や ERIC JOHNSON。CRIFFS OF DOVER の大ヒットとグラミー受賞で有名ですが1996年、G3 初のツアーに招かれて JOE STAORIANI, STEVE VAI と共に参加した事からもまさに GUITARIST’S GUITARIST だとわかります。ペンタトニックにコードの概念を持ち込んでカラフルに彩る彼独特の奏法は多くの後進たちに影響を与えています。その二人が初めてコラボレートした作品 “ECLECTIC” がリリースされました。つまり LEGEND × LEGEND な訳で悪かろうはずがありません(ドラムも ANTON FIG という LEGEND が参加)。彼らが今まで養ってきた音楽的素養の数々・・・JAZZ, BLUES, ROCK, といった所を幅広くそして惜しみなく披露しています。伝説に話を聞けました。MIKE STERN 氏です。どうぞ。

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【ABOUT “ECLECTIC”】

Q1: Hi, Mike. “Eclectic” is out now. How are the reactions?

【MIKE】: Seems really good. I’m really happy about the record. People are enjoying it. So much fun to do a record with Eric.

Q1: 新作 “ECLECTIC” が発売されましたね。反響はいかがですか?

【MIKE】: とても良いと思うよ。この作品を作れて本当に幸せだよ。みんな楽しんでくれているね。エリックとやれて実に楽しかったよ。

Q2: How did this collaboration begin? Have you known each other for a long time?

【MIKE】: yes we’ve know each other about 10 years and known about  for a long time. It started with my record Big Neighborhood in 2009. That felt so good we did a tour and then the record. we’re on tour now.

Q2: このコラボレーションはどのように始まったのでしょう?お二人は以前から知り合いでした?

【MIKE】: そうだね、随分前からお互いにその存在を知ってはいたし10年くらい前には実際知り合っていたよ。コラボレーションはエリックが2009年作の僕のレコード、”BIG NEIGHBORHOOD” に参加してくれたのがきっかけだよ。それが上手くいったからツアーをしてレコードを作った。今はまたツアーをしているところだよ。

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Q3: I think Mike and Eric have a point in common. You two have aspects of Rock and Jazz. Is that point important for this collaboration?

【MIKE】: Well it’s an important point that we have common ground and different priorities. Eric is more a rock player and I’m a jazz player but we have blues mostly in common.

Q3: マイクとエリックには共通点がありますよね。お二人とも ROCK と JAZZ の素養を兼ね備えています。今回のコラボレーションでそれは重要な点でしたか?

【MIKE】: うーん、重要なのは確かに僕達は共通の素養を持っているけど得意な分野が違うって事なんだ。エリックはロック寄りだし僕はジャズプレイヤー。ブルースが一番お互い共通する部分が多いかな。

Q4: “Eclectic” is awesome. I really love it. Because “Eclectic” has wide variety. Jazz, Rock, Blues, and even vocal song.Yeah, it’s exactly eclectic. How was the process of composition?

【MIKE】: I brought in some of my tune I already recorded and wrote 2 new ones, Wherever You Go and Sometimes. Eric brought in some of his tunes and he wrote 1 new one, Benny’s Blues.

 Q4: “ECLECTIC” は JAZZ, ROCK, BLUES, ボーカル曲まで入ったバラエティー豊かな素晴らしいアルバムです。まさにタイトル通り ECLECTIC ですね。曲作りはどのように行われたのでしょう?

【MIKE】: 僕は僕で自分の過去作の曲を何曲かと、新曲を2曲持ち込んだんだ。 WHENEVER YOU GO と SOMETIMES だよ。エリックも彼の曲を何曲か持ち込んであと新曲を一曲書いたんだ。BENNY’S BLUES だよ。

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【ABOUT MIKE AND ERIC】

【CRIFFS OF DOVER: エリックが素晴らしいのは当然なのですがクネクネしながらソロを弾き倒すマイクが秀逸!!】
Q1: As a guitarist, as a person, what is the difference between you and Eric?

【MIKE】: There’s more in common. There are differences but we are after the same sensibility as far as an overall musicality. We give each other lots of space. We’re sensitive to each other’s style to let it come through so we don’t get in each other’s way. Musical compatibility is a priority among the whole band.

 Q1: ギタリストとして、人として、あなたとエリックの違いはどのような部分ですか?

【MIKE】: 共通点ならたくさんあるよ。もちろん相違点もあるけど音楽全体に関する限り、同じ感覚を持っているんだ。僕達はお互いに多くの”空間”を相手に与えるんだ。相手のスタイルを気にしながら演奏しているからお互い邪魔になる事はないんだよ。全てのバンドにおいて音楽の適合性は一番重要だからね。

Q2: Speak of collaboration, You have collaborated lots of talented musicians. Who were you impressed?

【MIKE】: All of them. I learn from all of them. I’m also very fortunate to play with such wonderful musicians.

Q2: コラボレーションと言えば、あなたは多くの才能あるミュージシャンと共演してきましたがその中でも特に印象深い人はいますか?

【MIKE】: 全員だね。全員から何かしら学んでいるよ。素晴らしいミュージシャン達と共演できてとても幸せだと思う。

Q3: Recently, what kind of music do you listen to? What do you think about younger musicians?

【MIKE】: Some of these musicians are great especially Hiromi. She is awesome. There’s plenty of great new musicians.

 Q3: 最近聴いている音楽を教えて下さい。気に入っている若手ミュージシャンはいますか?

【MIKE】: 素晴らしい若手ミュージシャンは大勢いるよね。特に上原ひろみさんはずば抜けていると思うよ。

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 Q4: Why do you keep using telecaster shaped guitar?

【MIKE】: I like it. Especially the Mike Stern signature model. Yamaha does a great job.

Q4: なぜテレキャスターシェイプのギターに拘っているのでしょう?

【MIKE】: 好きだからさ。特に MIKE STERN SIGNATURE MODEL がね。YAMAHA はいい仕事をしてくれているよ。

【FIVE FAVORITE ALBUMS: KEY TO MIKE】

HERBIE HANCOCK: MAIDEN VOYAGE

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BEATLES: SGT. PEPPERS LONELY HEARTS CLUB BAND

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JIMI HENDRIX: ARE YOU EXPERIENCED?

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MILES DAVIS: KIND OF BLUE

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JOHN COLTRANE: LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD

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【MESSAGE TO JAPAN】

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I love Japan and I love playing there. Japanese people are beautiful. There are many wonderful musicians in Japan. I am looking forward to going there again, and again and again. Domo arigato!

日本を愛しているしそこで演奏するのが大好きだよ。日本の人たちは美しいね。素晴らしいミュージシャンもたくさんいるよね。また日本に行くのが楽しみだよ。何度も、何度もね。どうもありがとう!
                                                                             MIKE STERN
MIKEのFBページ
ERICのFBページ
DISKUNION: ECLECTIC

【RECOMMENDS】

MILES DAVIS: THE MAN WITH THE HORN

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Live at the Hammersmith Odeon, London 1982. Miles Davis (trumpet), Marcus Miller (bass), Mike Stern (guitar), Bill Evans (sax), Al Foster (drums) and Mino Cinelu (percussion).

ERIC JOHNSON: AH VIA MUSICOM

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THANKS A LOT, MIKE AND ERIC AND ROY!!