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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THOU & EMMA RUTH RUNDLE : MAY OUR CHAMBERS BE FULL】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BRYAN FUNCK OF THOU !!

“I Think Most Folks Who Identify As “Metalheads” Or Whatever Probably Have a Lot More Nuance Than They Let On. I Just Wish They Would Embrace More Of a Balance Than Clinging To a Very Strict Set Of Rules. I Think That’s Why, As a Forty-Year-Old Man, I Still Identify As a Punk Or a Hardcore Kid.”

I STILL IDENTIFY AS A PUNK, OR HARDCORE KID

「”メタルヘッズ” と名乗る人たちの多くは、公平にみてもおそらく自分たちが言うよりもずっと多くの音楽的なニュアンスを持っていると思うよ。だから厳格なルールにしがみつくのではなく、バランスを取ってほしいと願うばかりだね。俺はしっかりバランスを取っているからこそ、40歳になった今でも、パンクやハードコアキッドなんだと思う。頭の中では、そういった概念がより曖昧で広がりを持っているように思えるからね。」
スラッジ、ドゥーム、メタル、ハードコア、グランジ。ルイジアナの激音集団 THOU はそんな音楽のカプセル化に真っ向から贖う DIY の神話です。
「ここ数年で培った退屈なオーディエンスではなく、もっと反応の良い(しかし少なくとも多少は敬意を払ってくれる)オーディエンスを獲得したいからなんだ。 堅苦しいメタル野郎どもを捨てて、THE PUNKS に戻る必要があるんじゃないかな!」
15年で5枚のフルアルバム、11枚の EP、19枚のスプリット/コラボレーション/カバー集。THOU の美学は、モノクロームの中世を纏った膨大なカタログに象徴されています。THE BODY を筆頭とする様々なアーティストとの共闘、一つのレーベルに拘らないフレキシブルなリリース形態、そしてジャンルを股にかける豊かなレコードの色彩。そのすべては、ボーカリスト Bryan Funck の言葉を借りれば “金儲けではなく、アートを自由に行う” ためでした。
2018年、THOU は自らのアートな精神を爆発させました。3枚の EP とフルアルバム、計4枚の4ヶ月連続リリース。ドイツのサイレント映画 “カリガリ博士” に端を発するノイズ/ドローンの実験 “The House Primodial”、Emily McWilliams を中心に女性ボーカルを前面に据えた濃密なダークフォーク “Inconsolable”、ギタープレイヤー Matthew Thudium が作曲を司りグランジの遺産にフォーカスした “Rhea Sylvia”、そしてスラッジ/ドゥームの文脈で EP のカオスを具現化した “Magus”。一般的なバンドが4,5年かけて放出する3時間を僅か4ヶ月で世界に叩きつけた常識外れの THOU が願うのは、そのまま頑ななステレオタイプやルールの破壊でした。
実際、Raw Sugar, Community Records, Deathwish, Sacred Bones とすべての作品を異なるレーベルからリリースしたのも、境界線を破壊し多様なリスナーへとリーチする自由な地平線を手に入れるため。自らが獲得したファンを “退屈” と切り捨てるのも、主戦場としてしまったメタル世界の狭い視野、創造性の制限、クロスオーバーに対する嫌悪感に愛想が尽きた部分はきっとあるのでしょう。
「このバンドはグランジの源流であるパンクのエートス、プログレッシブな政治的内容、メランコリックなサウンドから絶対的な深みへと浸っている。 間違いなく、10代の頃に NIRVANA, SOUNDGARDEN, PEARL JAM, ALICE IN CHAINS を聴いていたことが、音楽制作へのアプローチや、ロックスターのエゴイズムを避けることに大きな影響を与えている。」
“The Changeling Prince” の MV でヴァンパイアのゴシックロッカーを気取ってみせたように、THOU にとってはロックスターのムーブやマネーゲームよりも、音楽世界の常識を覆すこと、リスナーに驚きをもたらすことこそが活動の原動力に違いありません。そのスピリットは、パンク、そしてグランジに根ざす抑圧されたマイノリティーの咆哮が源流だったのです。全曲 NIRVANA のカバーで構成された “Blessings of the Highest Order” はまさにその証明。
「メンタルの病の個人的な影響を探求することがかなりの部分染み込んでいて、それは無慈悲なアメリカ資本主義の闇とは切っても切り離せないものだと思うんだ。」
THOU が次にもたらす驚きとは、10/30にリリースされる、ポストロック/ダークフォークの歌姫 Emma Ruth Rundle とのコラボレーション作品です。90年代のシアトル、オルタナティブの音景色を胸一杯に吸い込んだ偉大な反抗者たちの共闘は、壊れやすくしかしパワフルで、悲しくしかし怖れのない孤立からの脱出。精神の疾患や中毒、ストレスが容赦なく人間を押しつぶす現代で、灰色の世界で屍に続くか、希望の代わりに怒りを燃やし反抗を続けるのか。選択はリスナーの手に委ねられているのかも知れませんね。
今回弊誌では、Bryan Funck にインタビューを行うことができました。「大きな影響力とリソースを持っているレーベルの多くが、自分たちがリリースする音楽やリリースの方法に関して、リスクを負うことを最も嫌がっているように見えるのは本当に悲しいことだよ。彼らの成功により、クリエイティブな決定を下す自由がより広く与えられるはずだと思うんだけど、それは逆のようだね。」2度目の登場。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THOU : HEATHEN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BRYAN FUNCK OF THOU !!

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HEATHEN, 4TH FULL ALBUM OF THOU, WAS SELECTED AS NO.1 METAL ALBUM OF PITCHFOLK!! PAINFUL AND RAW, BUT MELODIC AND TRANSPORTIVE. THAT’S EXACTLY RIGHT !!

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 ルイジアナの憎しみと混沌の支配者 THOU。彼らの創造してきた DOOM/SLUDGE サウンドに救いは全くありませんでした。ただ聴く者を地の底へ引きずり込むような闇のサウンドこそ THOU の真骨頂。ところが昨年発表した彼らの最新作 “HEATHEN” では少しばかり様子が違っていました。これまでの作品群に比べて明らかに叙情性、芸術性、構成美、アトモスフィアといった要素に重点が置かれ、ほんのりと救いのあるサウンドに変化していたのです。PITCHFOLK はそのあたりに目敏く反応し、昨年のベストメタルアルバムに “HEATHEN” を選出していました。現在要注目のバンドである事に間違いはありませんね。今回弊サイトではボーカルの BRYAN にバンドや作品について濃密に語って頂く事が出来ました。

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